JP6651890B2 - 液体供給装置、液体吐出装置、液体供給方法、及びプログラム - Google Patents
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液体吐出装置に使用されるインクは粘度が一定であることが理想的であるが、同一の液体吐出装置に異なった製造メーカーのインクを使用すると、ヘッド内に既存のインクとは粘度の異なるインクが新たに供給される。
このように、一つの液体供給装置に対して、粘度の異なるインクを入れ替える場合があった。
特許文献1では、インクジェットヘッドの有するノズルをキャップで覆い、負圧を発生させて液体を吸引する装置が開示されている。
上述したように、既存の液体と新たな液体との間に粘度のバラツキや違いがあるため、既存の液体と新たな液体とで同一の制御時間を用いて制御すると、新たな液体の供給量に無駄や不足が生じ、新たに供給する液体の量を最適な必要量に制御することができないといった問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的は、ヘッドに新たな液体を供給する際に、液体の粘度に応じた制御時間の最適化を図ることにある。
本発明は、ヘッドに新たな液体を供給する際に、液体の粘度に応じた制御時間の最適化を図るために、以下の構成を有する。
すなわち、本発明の液体供給装置は、液体を吐出するヘッドに着脱可能に取り付けられ、ヘッド内の既存液体をヘッド外へ排出した後に、ヘッド内に新たな液体を供給する液体供給装置であって、液体供給装置をヘッドに取り付けた状態においてヘッドに液体を供給するための圧力を付与する圧力付与部と、圧力付与部が付与した圧力を検知する圧力検知センサと、圧力検知センサの出力信号に基づいて圧力付与部を定圧力に制御する制御部と、を備え、制御部は、圧力検知センサの出力信号に応じて生成した制御時間を用いて圧力付与部を定圧力に制御することを特徴とする。
例えば評価時において、一つの液体供給装置に対して、粘度の異なるインクを入れ替える場合があり、同一の制御時間を用いて制御すると新たな液体の供給量に無駄や不足(過不足)が生じるという不具合が発生していた。
以上の構成を備えることにより、ヘッドに新たな液体を供給する際に、液体の粘度に応じた制御時間の最適化を図ることができる。
上記の本発明の特徴に関して、以下、図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る液体吐出装置が適用されるシリアル型インクジェット記録装置を概略的に示す平面図である。なお、ここで、シリアル型インクジェット記録装置1において、キャリッジの移動する方向を主走査方向と呼び、記録媒体を搬送する方向を副走査方向と呼ぶ。したがって、ここでは、特に明言しない限り、画像データでの左右方向を「主走査方向」上下方向を「副走査方向」という。
キャリッジ3には、液体吐出ヘッドからなる液体吐出ヘッド101(101a、101b)が搭載されている。液体吐出ヘッド101は、例えばY(イエロー)、C(シアン)、M(マゼンタ)、K(ブラック)の各色の液体を吐出する。液体吐出ヘッド101は、複数のノズルからなるノズル列101nを主走査方向と直交する副走査方向に配置し、滴吐出方向を下方に向けて装着している。
液体吐出ヘッド101a、101bは、それぞれ複数のノズルを配列した2つのノズル列を有している。例えば、液体吐出ヘッド101aの一方のノズル列はKの液体を、他方のノズル列はCの液体を吐出する。液体吐出ヘッド101bの一方のノズル列はMの液体を、他方のノズル列はYの液体を吐出する。液体吐出ヘッド101a、101bを構成する液体吐出ヘッドとしては、例えば圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータを用いることができる。
シリアル型インクジェット記録装置1には、用紙10を静電吸着して液体吐出ヘッド101(101a、101b)に対向する位置で搬送するための搬送手段として無端の搬送ベルト12が備えられている。搬送ベルト12は搬送ローラ13とテンションローラ14との間に掛け渡されている。搬送ローラ13は、タイミングベルト17及びタイミングプーリ18を介して副走査モータ16によって回転駆動される。搬送ベルト12は搬送ローラ13で駆動されて副走査方向に周回移動する。
用紙10を搬送する手段としては、静電吸着を利用する搬送ベルト12だけではなく、用紙10を支持するプラテンと用紙10を搬送する搬送ローラ13を利用する搬送手段を用いてもよい。この場合には、テンションローラ14の代わりに排紙側にも搬送ローラ13を用い、用紙10と給紙側、排紙側の両方の搬送ローラ13に用紙10を接触させて搬送する。また、静電吸着する搬送ベルト12の他にも、プラテンに明けた穴から空気を吸引するエア吸着による吸着手段を用いて用紙10を搬送する手段を利用することもできる。
維持回復部20は、例えば液体吐出ヘッド101のノズル面をキャッピングするキャップ部材20a、ノズル面を払拭するワイパ部材20b、画像形成に寄与しない液体を吐出する空吐出受け等で構成されている。また、搬送ベルト12と維持回復部20との間の記録領域外であって、液体吐出ヘッド101に対向可能な領域には、吐出検知装置30が配置されている。
さらに、維持回復部20の下方には、液体吐出ヘッド101に着脱可能に取り付けられ、液体吐出ヘッド101内の液体を排出した後に、液体吐出ヘッド101に新たな液体を供給する液体供給装置100が配置されている。
なお、図1に示すシリアル型インクジェット記録装置1では、液体供給装置100を維持回復部20の下方位置に配置するように構成しているが、液体供給装置100をシリアル型インクジェット記録装置1の同一ケースの内部の他の位置や、当該ケースの外部に備えているように構成してもよい。
キャリッジ3の主走査方向に沿った両側板間には所定のパターンを形成したエンコーダスケール23が配置されている。他方、キャリッジ3には、エンコーダスケール23のパターンを読み取る透過型フォトセンサからなる主走査エンコーダセンサ24が設けられている。エンコーダスケール23と主走査エンコーダセンサ24によって、キャリッジ3の移動を検知するリニアエンコーダ(主走査エンコーダ)が構成されている。
搬送ローラ13の軸には、コードホイール25が取り付けられており、他方、コードホイール25の周縁部を挟むようにして、コードホイール25に形成されたパターンを検出する透過型フォトセンサからなる副走査エンコーダセンサ26が設けられている。これらのコードホイール25と副走査エンコーダセンサ26は、搬送ベルト12の移動量及び移動位置を検出するロータリーエンコーダ(副走査エンコーダ)を構成している。
以上のように構成されたシリアル型インクジェット記録装置1において、給紙トレイから給紙された用紙10は、帯電された搬送ベルト12に吸着された状態で搬送ベルト12の周回移動によって副走査方向に搬送される。用紙10が所定位置に到達して停止すると、キャリッジ3を主走査方向に移動させながら、画像信号に応じて液体吐出ヘッド101を駆動する。これにより、用紙10に液体を吐出し1行分ずつ記録して行く。シリアル型インクジェット記録装置1は、記録終了信号又は用紙10の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して用紙10を排紙トレイに排紙する。
ところで、近年、インクジェットプリンタに用いられる液体吐出ヘッド(特にピエゾ素子を用いた吐出方式)は、様々な種類のインクに対応することで、インクジェットプリント技術の応用範囲を広げている。また、インクの製造メーカーにより日々新たなインクが開発されている状況である。
そのため、液体吐出装置のメーカーサイドでは、同一の液体吐出ヘッドに新たなインクを採用するにあたり、例えばマッチング評価を行う場合がある。
マッチング評価には、液体吐出ヘッドのインク耐性評価や、液体吐出ヘッドのインク吐出評価など、種々の評価項目がある。
これらの評価項目を実施するにあたり、被試験サンプルとなる液体吐出ヘッドに対して、インク交換や洗浄を繰り返し行う場合がある。この際、液体吐出ヘッド内に残存インクがあると正しい評価ができないため、ヘッド内を十分に洗浄する必要があった。
従来、このインク交換や洗浄は、評価オペレータが手作業で実施していたが、作業が煩雑で時間がかかることや、作業時におけるインクの皮膚接触や吸引による危険防止策が必要なこと等、コストや安全面で課題が生じていた。
本実施形態に係る液体供給装置は、上述したマッチング評価時に使用可能であり、また客先での入れ替えにおいても使用可能である。
液体供給装置及びヘッド洗浄装置は、それぞれ粘度の異なる液体、(すなわちインク、洗浄液、アセトン等)をヘッド流路及びノズル面へ、供給及び排出を行い、インク交換、インク供給、ヘッド洗浄を行う機能を実現する。
液体は、加圧ポンプまたは減圧ポンプを用いて液体を流路内に供給したり、排出させる。
加圧ポンプまたは減圧ポンプは、流路内に備え付けられた圧力検知センサの出力信号に応じてオン/オフ制御される。
圧力検知センサは、所定の圧力値を超えた場合に出力信号を出力する。この出力信号によって加圧ポンプまたは減圧ポンプをオフするように制御し、逆に所定の圧力未満の場合には信号出力はオフされ、ポンプはオンする。すなわち、流路内の液体は定圧制御される。従って、ヘッド流路およびノズル面に所定量の液体を流したい場合は、定圧制御される加圧ポンプまたは減圧ポンプの制御時間(期間)によって調整される。
しかしながら、上述した制御方法では、既存液体と新たな液体とでは粘度にバラツキや違いがある場合があり、異なる粘度の液体をそれぞれ必要量だけ供給や排出を行うためには、使用する液体の粘度ごとに時間パラメータ(設定時間)を設定する必要がある。
あらかじめ使用する液体が定まっている場合には、当該液体の粘度に合わせた時間パラメータを設定すればよいが、それでは装置の汎用性は損なわれる。すなわち、新たな液体を用いてマッチング評価を行う場合には時間パラメータを再設定しなければならないため、評価に時間がかかるといった問題がある。
また、高粘度の液体と、低粘度の液体が交互に用いられるような場合も考えられ、例えば高粘度側で最適となるような時間パラメータを用いると、低粘度側では必要以上に液体を消費して無駄が生じたり、必要以上に動作時間が長くなったりするという無駄が生ずるといった問題がある。
そこで、複数の粘度の異なる液体を、その液体の粘度に応じた必要量だけヘッド流路及びヘッドノズル面に流すため、簡易なポンプ制御方法を提供することが要望されている。
本発明の一実施形態に係る液体供給装置について説明する。
まず、図2を参照して、本発明の一実施形態に係る液体供給装置100の構成について説明する。
液体供給装置100は、液体吐出ヘッド101、減圧タンク102、第1廃液タンク103、第2廃液タンク104、ワイピングユニット105、インクタンク106、第1洗浄液タンク107、第2洗浄液タンク108、加圧タンク109を備えている。
液体吐出ヘッド101については、上述したためその説明を省略する。
減圧タンク102は、後述する減圧ポンプ211により減圧される。
第1廃液タンク103は、廃液を収容する。
第2廃液タンク104は、廃液を収容する。
ワイピングユニット105は、液体吐出ヘッド101と着脱可能に取り付けられ、ノズル面の洗浄(払拭)を行うために用いられる。
インクタンク106は、液体であるインクを貯留する。
第1洗浄液タンク107は、内部に洗浄液を収容する。
第2洗浄液タンク108は、内部に洗浄液を収容する。
加圧タンク109は、後述する加圧ポンプ210により加圧される。
各電磁弁は、夫々に液体の流路に配置され、後述するIOコントローラ部501により開駆動又は閉駆動するように制御され、開駆動時に流路となる一方、閉駆動時に流路を閉結する。
また、液体供給装置100は、加圧ポンプ210、減圧ポンプ211を備えている。
加圧ポンプ210は、動作時に加圧タンク109内の圧力を所定の圧力に上げる。
減圧ポンプ211は、動作時に減圧タンク102内の圧力を所定の圧力に下げる。
第1圧力検知センサ300は、加圧タンク109内の正圧を検出する。
満杯検知センサ301は、第2廃液タンク104内の廃液の満杯状態を検知する。
満杯検知センサ302は、第1廃液タンク103内の廃液の満杯状態を検知する。
第1廃液タンク103および第2廃液タンク104には、廃液の満杯状態を検知する満杯検知センサ301、302を備える。
第2圧力検知センサ303は、減圧タンク102内の負圧を検出する。
本実施形態における液体供給装置は、主として、以下のように動作[1]モード、動作[2]モードを行う。
(1)動作[1]モードとして、後述するIOコントローラ部501によりインクタンク106を第1流路継手400又は第3流路継手402に接続し、第2流路継手401と第7電磁弁206間を接続して行うインク供給動作を行う。
動作[1]モードでは、後述するIOコントローラ部501により減圧ポンプ211を動作させ、減圧タンク102内の圧力を所定の圧力に下げ、第7電磁弁206及び第9電磁弁207を開き、インクタンク106に貯留しているインクを液体吐出ヘッド101内へ供給させる。液体吐出ヘッド101内を通過したインクは第2廃液タンク104に排出される。
動作[2]モードでは、液体吐出ヘッド101内の供給済み供給液を抜く供給液抜き動作(以下、動作[2−1]モードという)と、第1洗浄液タンク107内の洗浄液をヘッド流路に流す洗浄動作(以下、動作[2−2]モードという)と、第2洗浄液タンク108内の洗浄液をヘッド流路に流す洗浄動作(以下、「動作[2−3]モードという)と、ヘッド内流路を乾燥させるためエア送りをする乾燥動作(以下「動作[2−4]モードという)の動作に分けられる。
第5電磁弁200および第8電磁弁209は、加圧タンク109および減圧タンク102の圧力を大気圧に戻す際に開かれる。特にポンプ動作開始前または動作開始後に圧力を大気圧に戻す。
満杯状態を検知した場合は、供給液のふきこぼれ等を防止するためポンプ動作を停止する。満杯検知センサは、一般的にフロートセンサが用いられるが、非接触で検知できるファイバーセンサ等を用いてもよい。
次に、図4を参照して、本発明の一実施形態に係る液体供給装置の制御ブロックの一例について説明する。
制御部500は、IOコントローラ部501、電源部502、操作部503、その他として図2に示したアクチュエータにより構成される。
IOコントローラ部501は、夫々の動作モードに応じたシーケンス(プログラム)に従って各アクチュエータを制御する。
IOコントローラ部501は、中央演算処理装置(CPU)、記憶装置、外部インターフェース等を備える。そして、中央演算処理装置は記憶装置に予め実装されたプログラムに従って、オペレータによる操作部503の操作により指定された動作を実現する。また、制御部500は通信インターフェースを備えて外部端末から操作可能としてもよい。
電源部502は、商用交流電源、又は直流電源を入力して直流電源に変換し、各部に供給する。
操作部503は、ユーザ操作に対応したスイッチの位置を取得してモード指示を入力するとともに、現在のモードを表示する。
表1は、IOコントローラ部501により管理されている動作モードテーブルであり、各動作モードに対応して使用される電磁弁、ポンプ、センサを表しており、「○」印にて使用を表すこととする。
次に、図5を参照して、本発明の一実施形態に係る液体供給装置の圧力付与部(加圧ポンプ210、減圧ポンプ211)の制御タイミングについて説明する。
なお、加圧の場合も減圧の場合も同様の制御方法を採用しているので、ここでは加圧の一例について説明する。
まず、ユーザは、操作部503に対して動作モードの設定操作を行う。IOコントローラ部501は、操作部503から取得した動作モードに応じたシーケンス(プログラム)に従って各アクチュエータを制御することにより、上述したインク供給動作、供給液抜き動作、洗浄動作、洗浄動作、乾燥動作の何れか1つの動作を開始する。
液体供給装置100は、圧力付与部を構成する加圧ポンプ210又は減圧ポンプ211を備え、加圧ポンプ210又は減圧ポンプ211により、液体供給装置100を液体吐出ヘッド101に取り付けた状態において液体吐出ヘッド101に液体を供給するための圧力を付与する。
IOコントローラ部501には、加圧ポンプ210又は減圧ポンプ211(圧力付与部)が付与した圧力を検知する第1圧力検知センサ300、第2圧力検知センサ303のそれぞれにより検知された検出信号が入力されている。なお、この検出信号はアナログ信号でもデジタル信号でもよい。アナログ信号である場合は、IOコントローラ部501において信号はAD変換され、CPUの制御プログラムに従って所定の閾値と比較される。また、デジタル信号である場合は、デジタル値として制御プログラムで処理される。
閾値はヒステリシス特性を有し、ヒステリシス幅は、ΔP=Pth_h-Pth_lである。すなわち、検知入力信号は、圧力PがPth_h未満(又は以上)のときON(High)、Pth_hを超える(又は以上)とOFF(Low)し、Pth_l以下(又は未満)となったとき再びON(High)となる。
IOコントローラ部501は、プログラムの制御に従って動作するポンプ制御許可信号を生成する。IOコントローラ部501は、第1圧力検知センサ300又は第2圧力検知センサ303の出力信号に基づいて加圧ポンプ210又は減圧ポンプ211(圧力付与部)を定圧力に制御する。
図5においては、ポンプ制御許可信号は、Enable状態をHigh(1)、Disable状態をLow(0)と表している。そして、プログラムは、上記検知入力信号とポンプ制御許可信号の論理積による結果を用いて、圧力付与部(加圧ポンプ210、減圧ポンプ211)を駆動させるポンプ制御出力信号を出力するという制御を行う。これにより、任意の圧力による定圧力制御が可能となる。
次に、図6を参照して、本発明の一実施形態に係る液体供給装置の制御フローの一例である制御時間切替処理サブルーチン(S600)について説明する。
IOコントローラ部501は、少なくとも2以上のインデックス(SW)の値を取得する(S601)。IOコントローラ部501は、ステップS601で取得したインデックス値に応じて処理を分岐する(S602)。IOコントローラ部501は、インデックス値に対応した時間データを呼び出して、制御時間Tcを設定する(S603)。
なお、制御時間切替処理サブルーチン(S600)は、プログラム起動時に一度だけ実行してもよいし、プログラム動作中に複数回実行可能としてもよい。
例えば操作部503に備えられた複数のスイッチにより異なる複数の時間パラメータの中から1つを選択することとし、そのスイッチの状態に操作インデックスの値が対応するという構成でもよい。外部端末よる通信手段により時間パラメータを選択可能とし、その受信データに操作インデックスの値が対応するという構成としてもよいし、その両方を備える構成であってもよい。
次に、図7、図8を参照して、本発明の一実施形態に係る液体供給装置の制御フローの一例であるポンプ制御許可信号処理サブルーチン(S700)と、制御サイクル数加算処理サブルーチン(S800)とについて説明する。
IOコントローラ部501は、ポンプ制御許可信号処理サブルーチンを開始する(S700)。IOコントローラ部501は、図7に示されている予め設定された所定の単位時間定数Tuの値と、制御部500に備えられているクロックに基づいて計測した計測結果を格納するカウンタ(Timer)の値を比較して、単位時間Tuの経過を判定する(S701)。
IOコントローラ部501は、ステップS701において単位時間Tuが経過したと判定された場合において、制御サイクル数nをデクリメントする(S702)。
IOコントローラ部501は、ステップS702の処理結果に基づいてポンプ制御を継続するか終了するかを判定する(S703)。
IOコントローラ部501は、ステップS703においてポンプ制御が終了すると判定された場合にポンプ制御許可信号をDisableに設定する(S704)。
IOコントローラ部501は、ステップS703においてポンプ制御が継続すると判定された場合にカウンタ(Timer)の値を0クリアする(S705)。
IOコントローラ部501は、IOコントローラ部501に入力する外部入力トリガ信号を検出し、フラグ(外部加算トリガー:Trigger)をセットする(S801)。
IOコントローラ部501は、フラグの状態に基づいて繰り返し要求があったかを判定する(S802)。
IOコントローラ部501は、ステップS802において繰り返し要求があったと判定された場合に、制御サイクル数nをインクリメントし、フラグをクリアする(S803)。
このように、IOコントローラ部501は、予め設定された所定の単位時間を1つの制御サイクルとして制御し、制御サイクルの数を加算又は減算することにより、制御時間を生成する。これにより、所定の単位時間を1つの制御サイクルとして制御し、制御サイクルの数を加算又は減算することにより、制御時間を生成することで、リアルタイムに制御サイクル数を増減させて供給される液体の交換を実施することができる。
この違いは、前者は単位時間Tuが経過しなくても制御サイクル数nを連続して可変でき、後者は単位時間未経過中の繰り返し要求は1回だけ許可されるという点である。
また、本実施形態では、外部入力トリガ信号に検出に基づいて制御サイクル数n
をインクリメント処理のみしているが、第2の外部入力トリガ信号を備えて制御サイクル数nをデクリメントする処理を行ってもよい。これは、ユーザ操作により制御サイクル数を減らしたい場合もあるという理由による。
上記の外部入力トリガ信号は、例えば操作部503に備えられたスイッチにより実現してもよいし、外部インターフェースによる通信により行われてもよい。
次に、図9を参照して、本発明の一実施形態に係る液体供給装置の制御フローの一例である供給液粘度推定計測処理サブルーチン(S900)について説明する。
第1圧力検知センサ300又は第2圧力検知センサ303は、所定の閾値を超えた場合に出力信号を出力し、IOコントローラ部501(制御部)は、所定時間内における出力信号の検知回数、又は加圧ポンプ210又は減圧ポンプ211(圧力付与部)の動作回数をカウントし、検知回数又は動作回数に応じて制御時間を生成する。
IOコントローラ部501は、供給液粘度推定計測処理サブルーチンを開始する(S900)。IOコントローラ部501は、粘度推定計測が実行中であるかどうかを判断する(S901)。IOコントローラ部501は、ステップS901において粘度計測が非実行である場合に粘度推定計測開始するかどうかを判別する(S902)。
IOコントローラ部501は、ステップS902において粘度推定計測が開始される場合にはポンプ制御出力信号又は圧力検知センサ出力信号がONしている期間をカウントするカウンタ(S911)(検知回数又は動作回数)を0にクリアする(S903)、および計測期間計測タイマーをクリアする(S904)。
IOコントローラ部501は、計測実行中である場合にポンプ制御出力信号または圧力検知センサ出力信号がONであるかどうかを判別する(S906)。
IOコントローラ部501は、ステップS906において出力信号がONである場合に上記カウンタ(S911)をインクリメントする(S907)。
IOコントローラ部501は、上記ステップS905において、計測期間が経過したと判断した場合に粘度推定を行うステップS908、ポンプ制御時間Tv(S912)の再設定を行う(S909)。IOコントローラ部501は、供給液粘度推定計測を終了する(S910)。
次に、供給液粘度の違いによる出力信号ON期間計測カウンタ(S911)のカウント動作について説明する。
<低粘度溶液>
図10は、低粘度溶液を供給した場合のポンプ制御信号とカウント動作を示すタイミングチャートである。図10においてTmは計測期間であり、計測開始時のCounter値は0である。ポンプ制御出力信号がONのときに、Counterはインクリメントされる。そして計測期間が終了したときの値VL(低粘度)を取得する。
<高粘度溶液>
次に、図11を参照して、高粘度溶液を供給した場合のポンプ制御信号とカウント動作について説明する。図11に示すタイミングチャートでは、図10と同様に、計測期間終了したときのカウント値VH(高粘度)を取得することを示している。
そして、ステップS908の粘度推定処理とステップS909の制御時間再設定処理は、供給液供給装置に用いられる複数の溶液のなかから、最も粘度の低い溶液Aと最も粘度の高い溶液Bのカウント値VL及びVHを予め取得して記録し、また、カウント値VL、VHそれぞれに対応した最適な制御時間TVL、TVHが定められている。
すなわち、本発明における液体供給装置には、図12に示すグラフ図のような「カウント値と制御時間」との関係が予め取得されている。
ここで、供給液粘度推定計測処理サブルーチン(S900)において、ある未知の粘度の溶液C(ただし溶液Aの粘度より高く溶液Bの粘度より低い溶液)のカウント値Vxを図13に示すように取得したとすると、ステップS908の粘度推定処理で、このカウント値Vxと図12の点aと点b間を結ぶ実線(直線又は曲線)の関係から得られる制御時間TVXを算出する。
また、ステップS908の粘度推定処理は、上記の算出式を用いて算出する方法ではなく、カウント値VLからカウント値VHの範囲を複数分割した区分毎に、予め用意された制御時間対応テーブル(例えば図14)を参照して制御時間TVXを求めてもよい。
ステップS909の制御時間再設定処理では、制御時間TV[912]を算出された時間TVXに変更する処理を行っている。
なお、上記実施形態では液体吐出装置として、インクジェット式の画像形成装置を記載したが、本発明は他の液体吐出装置を対象とすることができる。液体吐出装置は、液体吐出ヘッド101又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッド101を駆動させて、液体を吐出させる装置である。液体吐出装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置、例えば立体造形装置、処理液塗布装置、噴射造粒装置が含まれる。
<第1態様>
本態様の液体供給装置100は、液体を吐出する液体吐出ヘッド101に着脱可能に取り付けられ、液体吐出ヘッド101内の液体を排出した後に、液体吐出ヘッド101に新たな液体を供給する液体供給装置であって、液体供給装置100を液体吐出ヘッド101に取り付けた状態において液体吐出ヘッド101に液体を供給するための圧力を付与する加圧ポンプ210又は減圧ポンプ211(圧力付与部)と、加圧ポンプ210又は減圧ポンプ211(圧力付与部)が付与した圧力を検知する第1圧力検知センサ300又は第2圧力検知センサ303と、第1圧力検知センサ300又は第2圧力検知センサ303の出力信号に基づいて加圧ポンプ210又は減圧ポンプ211(圧力付与部)を定圧力に制御するIOコントローラ部501(制御部)と、を備え、IOコントローラ部501は、第1圧力検知センサ300又は第2圧力検知センサ303の出力信号に応じて生成した制御時間を用いて加圧ポンプ210又は減圧ポンプ211(圧力付与部)を定圧力に制御することを特徴とする。
本態様によれば、加圧ポンプ210又は減圧ポンプ211(圧力付与部)が液体供給装置100を液体吐出ヘッド101に取り付けた状態において液体吐出ヘッド101に液体を供給するための圧力を付与する。第1圧力検知センサ300又は第2圧力検知センサ303が加圧ポンプ210又は減圧ポンプ211(圧力付与部)が付与した圧力を検知する。IOコントローラ部501(制御部)が第1圧力検知センサ300又は第2圧力検知センサ303の出力信号に基づいて加圧ポンプ210又は減圧ポンプ211(圧力付与部)を定圧力に制御する。IOコントローラ部501は、第1圧力検知センサ300又は第2圧力検知センサ303の出力信号に応じて生成した制御時間を用いて加圧ポンプ210又は減圧ポンプ211(圧力付与部)を定圧力に制御する。
これにより、第1圧力検知センサ300又は第2圧力検知センサ303の出力信号に応じて生成した制御時間を用いて加圧ポンプ210又は減圧ポンプ211(圧力付与部)を定圧力に制御するので、液体吐出ヘッド101に流れる供給液の量は制御時間の長短により調整可能となる。この結果、ヘッドに新たな液体を供給する際に、液体の粘度に応じた制御時間の最適化を図ることができる。
本態様のIOコントローラ部501(制御部)は、予め設定された異なる複数の時間パラメータの中から1つを選択することにより制御時間とすることを特徴とする。
本態様によれば、IOコントローラ部501(制御部)は、予め設定された異なる複数の時間パラメータの中から1つを選択することにより制御時間とする。
これにより、異なる複数の時間パラメータの中から1つを制御時間とすることができ、装置の構成を簡易にし、さらにユーザ操作による時間パラメータの設定を容易にすることができる。
本態様のIOコントローラ部501(制御部)は、予め設定された所定の単位時間を1つの制御サイクルとして制御し、制御サイクルの数を加算又は減算することにより、制御時間を生成することを特徴とする。
本態様によれば、IOコントローラ部501(制御部)は、予め設定された所定の単位時間を1つの制御サイクルとして制御し、制御サイクルの数を加算又は減算することにより、制御時間を生成する。
これにより、所定の単位時間を1つの制御サイクルとして制御し、制御サイクルの数を加算又は減算することにより、制御時間を生成することで、リアルタイムに制御サイクル数を増減させて供給される液体の交換を実施することができる。
本態様の第1圧力検知センサ300又は第2圧力検知センサ303は、所定の閾値を超えた場合に出力信号を出力し、IOコントローラ部501(制御部)は、所定時間内における出力信号の検知回数、又は加圧ポンプ210又は減圧ポンプ211(圧力付与部)の動作回数をカウントし、検知回数又は動作回数に応じて制御時間を生成することを特徴とする。
本態様によれば、第1圧力検知センサ300又は第2圧力検知センサ303は、所定の閾値を超えた場合に出力信号を出力し、IOコントローラ部501(制御部)は、所定時間内における出力信号の検知回数、又は加圧ポンプ210又は減圧ポンプ211(圧力付与部)の動作回数をカウントし、検知回数又は動作回数に応じて制御時間を生成する。
これにより、カウントした検知回数又は動作回数に応じて制御時間を生成するので、簡易的な粘度推定が可能となり、推定した液体の粘度に応じた最適な制御時間をセットすることができ、液体供給装置100の利便性を向上することができる。この結果、ユーザによる液体の粘度に応じた装置の操作を不要とすることができる。
本態様のIOコントローラ部501(制御部)は、制御時間を可変することを特徴とする。
本態様によれば、IOコントローラ部501(制御部)は、制御時間を可変する。
これにより、第2態様に対して、異なる複数の時間パラメータの中から1つを制御時間とし、当該制御時間を可変することができる。
また、第3態様に対して、制御時間を可変して生成することで、リアルタイムに制御サイクル数を増減させて供給される液体の交換を実施することができる。
さらに、第4態様に対して、推定した液体の粘度に応じた最適な制御時間を可変してセットすることができる。
本態様の液体吐出装置は、第1態様乃至第5態様の何れか1つに記載の液体供給装置100を備えたことを特徴とする。
第6態様の作用、及び効果は第1態様乃至第5態様の何れか1つと同様であるので、その説明を省略する。
本態様の液体供給方法は、液体を吐出する液体吐出ヘッド101に着脱可能に取り付けられ、液体吐出ヘッド101内の液体を排出した後に、液体吐出ヘッド101に新たな液体を供給する液体供給装置100を液体吐出ヘッド101に取り付けた状態において、液体吐出ヘッド101に液体を供給するための圧力を付与する加圧ポンプ210又は減圧ポンプ211(圧力付与部)と、加圧ポンプ210又は減圧ポンプ211(圧力付与部)が付与した圧力を検知する第1圧力検知センサ300又は第2圧力検知センサ303と、を備えた液体供給装置100による液体供給方法であって、第1圧力検知センサ300又は第2圧力検知センサ303の出力信号に基づいて加圧ポンプ210又は減圧ポンプ211(圧力付与部)を定圧力に制御する制御ステップを実行し、制御ステップは、第1圧力検知センサ300又は第2圧力検知センサ303の出力信号に応じて生成した制御時間を用いて加圧ポンプ210又は減圧ポンプ211(圧力付与部)を定圧力に制御することを特徴とする。
第7態様の作用、及び効果は第1態様と同様であるので、その説明を省略する。
本態様のプログラムは、第7態様の液体供給方法におけるステップを液体供給装置のプロセッサに実行させることを特徴とする。
第7態様の作用、及び効果は第1態様と同様であるので、その説明を省略する。
Claims (7)
- 液体を吐出するヘッドに着脱可能に取り付けられ、前記ヘッド内の液体を排出した後に、前記ヘッドに新たな液体を供給する液体供給装置であって、
前記液体供給装置を前記ヘッドに取り付けた状態において前記ヘッドに前記液体を供給するための圧力を付与する圧力付与部と、
前記圧力付与部が付与した圧力を検知して、所定の閾値を超えた場合に出力信号を出力する圧力検知センサと、
前記圧力検知センサの前記出力信号に基づいて前記圧力付与部を定圧力に制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記圧力検知センサの前記出力信号に応じて生成した制御時間を用いて前記圧力付与部を定圧力に制御し、所定時間内における前記出力信号の検知回数、又は前記圧力付与部の動作回数をカウントし、前記検知回数又は前記動作回数に応じて前記制御時間を生成することを特徴とする液体供給装置。 - 前記制御部は、予め設定された異なる複数の時間パラメータの中から1つを選択することにより前記制御時間とすることを特徴とする請求項1に記載の液体供給装置。
- 前記制御部は、予め設定された所定の単位時間を1つの制御サイクルとして制御し、前記制御サイクルの数を加算又は減算することにより、前記制御時間を生成することを特徴とする請求項1に記載の液体供給装置。
- 前記制御部は、前記制御時間を可変することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載の液体供給装置。
- 請求項1乃至4の何れか1つに記載の液体供給装置を備えたことを特徴とする液体吐出装置。
- 液体を吐出するヘッドに着脱可能に取り付けられ、前記ヘッド内の液体を排出した後に、前記ヘッドに新たな液体を供給する液体供給装置を前記ヘッドに取り付けた状態において、前記ヘッドに前記液体を供給するための圧力を付与する圧力付与部と、
前記圧力付与部が付与した圧力を検知して、所定の閾値を超えた場合に出力信号を出力する圧力検知センサと、を備えた前記液体供給装置による液体供給方法であって、
前記圧力検知センサの前記出力信号に基づいて前記圧力付与部を定圧力に制御する制御ステップを実行し、
前記制御ステップは、前記圧力検知センサの前記出力信号に応じて生成した制御時間を用いて前記圧力付与部を定圧力に制御し、所定時間内における前記出力信号の検知回数、又は前記圧力付与部の動作回数をカウントし、前記検知回数又は前記動作回数に応じて前記制御時間を生成することを特徴とする液体供給方法。 - 請求項6に記載の液体供給方法におけるステップを前記液体供給装置のプロセッサに実行させることを特徴とするプログラム。
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