JP2022077889A - 回転電機のステータの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】狭小な空間内であっても、セグメントコイルを直接的にかつ確実に、更に強固に接合することができる回転電機のステータの製造方法を提供する。【解決手段】本方法は、ステータコイルを構成する複数のセグメントコイルの端部を、スロット内に配置する配置工程と、それらの端部を突き当てた状態で、それらの端部に生じる間隙の幅を計測する計測工程と、間隙の幅>0の場合に、その幅に基づいて予熱条件を設定し、間隙が生じた複数のセグメントコイルの端部の少なくとも1つに、予熱条件で高エネルギー線を照射して、間隙を埋め込む予熱工程と、間隙の幅=0の場合等に、複数のセグメントコイルの端部に、予め又は間隙の幅に基づいて設定した本溶接条件で高エネルギー線を照射して、複数のセグメントコイルの端部同士を溶接する本溶接工程とを含む。【選択図】図7

Description

本発明は、回転電機のステータ及びその製造方法、並びに、該ステータを備える回転電機に関する。
従来、回転電機のステータとして、周方向に複数のスロットが形成されたステータコアと、複数のスロットに挿入されてステータコアに巻回されたステータコイルとを含む構造が知られている。また、ステータコイルとしては、複数のセグメントコイルを連結してなるものが知られている。例えば、特許文献1には、複数のセグメントコイルの端部同士を、ステータコアのスロット内に対向配置し、両者を導電性結合剤(導電粒子含有のペースト材等)によって接合することによりステータコイルを形成する方法が記載されている。また、特許文献2には、同様に、複数のセグメントコイルの端部同士を、ステータコアのスロット内に対向配置し、両者を筒状の導電性連結部材(導体パイプ等)によって連結することによりステータコイルを形成する方法が記載されている。
特開2015-23771号公報(段落0025、図5等) 特開2019-126153号公報(段落0053、図5等)
しかし、上記従来の如く、導電性結合剤や導電性連結部材を用いる場合、それらの部品点数の増大、及び、連結部材の高精度加工による工数の増大を招き、その結果、コストが嵩んでしまい経済性が悪化してしまうといった問題があった。また、発明者の知見によれば、従来のような方法による対応を余儀なくされているのは、セグメントコイルの端部同士が配置されるステータコアのスロット内の空間が、一般に、非常に狭小であって、セグメントコイルの端部同士を直接的にかつ確実に接合することが困難であることに起因する。さらに、セグメントコイルは、一般に、略U字状又は略コの字状をなす部材として成形されるが、複数のセグメントコイルを連結するために、それらの先端部を突き当てると、2箇所の連結部のうちの一方では互いに当接するが、他方では間隙が発生することがある。こうなると、セグメントコイルの接合が更に困難になるおそれがある。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、狭小な空間内であっても、セグメントコイルを直接的にかつ確実に、更に強固に接合することができ、これにより、部品点数及び工数の増大を抑止して経済性を向上させ、また、製品の信頼性を高めることが可能な回転電機のステータ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の構成を採用する。すなわち、本開示に係る回転電機のステータの製造方法の一例は、平断面凹状をなす複数のスロットを有するステータコアと、該ステータコアに巻回されるステータコイルとを有する回転電機のステータの製造方法であって、前記ステータコイルを構成する複数のセグメントコイルの端部を、前記スロット内に配置する配置工程と、前記複数のセグメントコイルの端部を突き当てた又は対向させた状態で、該複数のセグメントコイルの端部に生じる間隙の幅を計測する計測工程と、前記間隙の幅が0より大きい場合に、前記間隙の幅に基づいて予熱条件を設定し、該間隙が生じた前記複数のセグメントコイルの端部の少なくとも1つに、前記予熱条件で高エネルギー線(例えば、レーザや電子ビーム等)を照射して、該セグメントコイルの端部を溶融させて前記間隙を埋め込む予熱工程と、前記間隙の幅が0である場合に、又は、前記間隙の幅が0になった場合に、前記複数のセグメントコイルの端部に、予め又は前記間隙の幅に基づいて設定した本溶接条件で高エネルギー線を照射して、該複数のセグメントコイルの端部同士を溶接する本溶接工程とを含む。
かかる構成では、複数のセグメントコイルの端部同士を、ステータコアのスロット内に配置した状態で高エネルギー線を照射することによって溶接することにより、ステータコイルを形成する。よって、スロット内のような狭小な空間であっても、従来の導電性結合剤や導電性連結部材による接合を用いることなく、複数のセグメントコイルを直接的にかつ確実に接合することができる。また、複数のセグメントコイルの端部に間隙が生じた場合、複数のセグメントコイルの本溶接に先立って、その間隙の幅(長さ)を実測し、その計測結果に基づいて予熱条件を設定する。そして、その予熱条件に基づいて、間隙が生じているセグメントコイルの端部を高エネルギー線の照射によって溶融させ、間隙を埋め込んでから本溶接するので、複数のセグメントコイルをより確実にかつより強固に接合することができる。
以上のことから、本開示によれば、スロットのような狭小な空間内であっても、セグメントコイルを直接的にかつ確実に、更により強固に接合することができる。これにより、部品点数及び工数の増大を抑止して経済性を向上させることが可能となり、また、製品の信頼性を高めることができる。
本開示の第1実施形態に係る回転電機のステータの概略構成を示す分解斜視図である。 セグメントコイル20を構成する第1セグメントコイル22aの正面図である。 セグメントコイル20を構成する第2セグメントコイル22bの正面図である。 第1及び第2セグメントコイル22a,22bの端部である剥離部30(導線32)同士を突き当てた状態の一例を示す正面図である。 図1及び図6におけるV-V線に沿う断面図(一部省略)である。 図1及び図5におけるVI-VI線に沿って側面方向から視認したときの斜視図(一部省略)である。 ステータ10を製造している手順の一例を示すフローチャートである。 剥離部30,30間における間隙幅を計測している状態を模式的に示す側面図である。 剥離部30,30間における間隙幅の計測結果の一例を示すグラフである。 (A)乃至(C)は、剥離部30,30間を、順に予熱及び本溶接している状態を模式的に示す正面図であり、(A)及び(B)が予熱している状態を示し、(C)が本溶接している状態を示す。 予熱条件と本溶接条件の一例を模式的に示すグラフである。 予熱条件と本溶接条件の一例を模式的に示すグラフである。 予熱条件と本溶接条件の一例を模式的に示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[実施形態]
図1は、本開示の第1実施形態に係る回転電機のステータの概略構成を示す分解斜視図である。なお、ステータ10は、通常、多数のセグメントコイル22を有しているが、図1においては、理解を容易にする観点及び視認性の観点から、ごく一部のセグメントコイル22のみを図示した(他の図においても同様とする。)。
ステータ10は、ロータと組み合わされて回転電機を構成するものであり、ステータ10が適用される回転電機は、電動機として用いられるものでもよいし、発電機として用いられるものであってもよい。より具体的には、本実施形態におけるステータ10は、例えば、電動車両に搭載される回転電機であって、走行用動力を生成する電動機として機能するとともに、回生トルク等で発電を行う発電機としても機能する回転電機に好適に適用される。
ステータ10は、ステータコア12と、当該ステータコア12に巻回されるステータコイル20を有する。ステータコア12は、略円環状のコアバック14と、そのコアバック14の内周面から径方向内側に突出する複数のティース16とに大別される。これらの周方向に隣接するティース16間には、ステータコイル20の一部が収容される空間である平断面凹状をなすスロット18が形成されている。かかるステータコア12は、例えば、複数の電磁鋼板(例えばケイ素鋼板)を厚み方向に積層して作成される積層鋼板であってもよく、或いは、絶縁被覆された磁性粒子をプレス成形してなる圧粉磁芯であってもよい。
ステータコイル20は、ステータコア12のティース16に巻回される。かかるステータコイル20の結線態様及び巻回態様は、回転電機の仕様に応じて、適宜、選択することができる。例えば、ステータコイル20は、U相、V相、及びW相のコイルをスター結線又はデルタ結線した構成でもよい。また、ステータコイル20は、分布巻で巻回されてもよいし、集中巻で巻回されてもよい。いずれの場合であっても、本実施形態では、ステータコイル20は、複数のセグメントコイル22が連結されて構成されたものである。
セグメントコイル22は、ステータコイル20を、適宜の取扱長で切断したものである。本実施形態では、セグメントコイル22は、略U字状をなす第1セグメントコイル22aと、同じく略U字状をなす第2セグメントコイル22bから構成される。なお、以下において、「第1」及び「第2」を区別しない場合には、添え字のアルファベットを省略して単に「セグメントコイル22」という。
図2は、第1セグメントコイル22aの正面図である。第1セグメントコイル22aは、導電性材料(例えば銅等)からなる導線32を、絶縁材料からなるコイル皮膜34(グレーハッチングで図示)で被覆したものである。導線32は、断面略矩形状をなす角線である。このように導線32を角線とすることにより、スロット18内における線積率を向上させることができる。
また、第1セグメントコイル22aは、ステータ完成時と同じ形状、すなわち、最終形状に屈曲及び成形されている。具体的には、第1セグメントコイル22aは、スロット18内に収容される一対の縦線部28と、この一対の縦線部28を接続する接続部27とを有する略U字状の部材である。本実施形態において、縦線部28の長さは、ステータコア12の軸方向寸法の略半分の長さとされている。これにより、縦線部28をスロット18内に挿入した際、縦線部28の末端がスロット18の軸方向の中間部位に位置するようになっている。
また、接続部27は、ステータコア12の軸方向外側において、周方向に延びて、コイルエンドの一部を構成する。この第1セグメントコイル22aの両端、すなわち、縦線部28の末端では、コイル皮膜34が剥離され、導線32が外部に露出した剥離部30が形成されている。剥離部30(導線32)の先端は、図示において平坦状とされているが、これに限定されず、例えば先細り状のテーパー形状や段差形状としてもよい。
図3は、第2セグメントコイル22bの正面図である。第2セグメントコイル22bも、導電性材料(例えば銅等)からなる導線32を、コイル皮膜34で被覆したものである。この第2セグメントコイル22bも、ステータ完成時と同じ形状、すなわち、最終形状に屈曲及び成形されている。具体的には、第2セグメントコイル22bも、スロット18内に収容される一対の縦線部26と、この一対の縦線部26を接続する接続部25とを有する略U字状の部材である。本実施形態において、縦線部26の長さは、第1セグメントコイル22aの縦線部28と同様に、ステータコア12の軸方向寸法の略半分の長さとされている。これにより、縦線部26をスロット18内に挿入した際、縦線部26の末端がスロット18の軸方向の中間部位に位置するようになっており、この位置において、第1セグメントコイル22aの縦線部28の末端と対向配置される。
また、接続部25も、ステータコア12の軸方向外側において、周方向に延びて、コイルエンドの一部を構成する。この第2セグメントコイル22bの両端、すなわち、縦線部26の末端では、コイル皮膜34が剥離され、導線32が外部に露出した剥離部30が形成されている。剥離部30(導線32)の先端も、図示において平坦状とされているが、これに限定されず、例えば先細り状のテーパー形状や段差形状としてもよい。
さらに、第2セグメントコイル22bに用いられる導線32は、第1セグメントコイル22aに用いられる導線32と同様に、角線でもよく、或いは、図3に示すように、断面円形状をなす丸線でもよい。丸線を用いた場合、第2セグメントコイル22bの曲げ加工を容易ならしめることができる。すなわち、ステータコイル20を巻回形成するために、第2セグメントコイル22bは、第1セグメントコイル22aに比して、ステータ10の周方向だけではなく、ステータ10の径方向にも屈曲又は湾曲させる必要がある。そのため、第2セグメントコイル22bには、第1セグメントコイル22aよりも柔軟な曲げ性が望まれるので、第2セグメントコイル22bを丸線にした場合、この点において、角線に比して有利な場合がある。
なお、第1及び第2セグメントコイル22a,22bの導線32だけでなく、コイル皮膜34も、互いに異なっていてもよい。例えば、第2セグメントコイル22bの導線32を、曲げやすい丸線とした場合、曲げ加工時におけるコイル皮膜34のダメージを軽減できる。そのため、第2セグメントコイル22bのコイル皮膜34を、第1セグメントコイル22aのコイル皮膜34に比して、薄くすることもできる。
図4は、第1及び第2セグメントコイル22a,22bの端部である剥離部30(導線32)同士を突き当てた(突き合せた)状態の一例を示す正面図である。図4に示す例では、一点鎖線の円で囲んで示す対向部分40においては、剥離部30,30同士が当接しており、間隙が生じていない。一方、同じく一点鎖線の円で囲んで示す対向部分41においては、剥離部30,30間に間隙42(幅=G)が生じている。
次いで、図5は、図1及び後記図6におけるV-V線に沿う断面図(一部省略)であり、ステータコア12の軸方向寸法の略半分位置における平断面図を示す。また、図6は、図1及び図5におけるVI-VI線に沿って側面方向から視認したときの斜視図(一部省略)である。なお、図6においては、第1セグメントコイル22a及び第2セグメントコイル22bのいずれも角線である場合の例を示す。
図5に示すとおり、ステータコア12のスロット18内には、スロット18内の側壁面全体を覆うようにスロット紙35(絶縁部材)が設けられており、複数のセグメントコイル22が、スロット紙35が画成する内側空間に連接配置される。また、スロット18内に挿入されたセグメントコイル22a,22bの末端であるそれぞれの剥離部30は、図6に示すように、スロット18の軸方向寸法の中間部位において対向配置される。さらに、セグメントコイル22a,22bは、前記図4に示すように、剥離部30,30同士を突き当てた又は対向させた状態で組付けられる。そして、本実施形態では、図5及び図6に示すように、剥離部30,30の対向部位に、例えば、レーザや電子ビーム等の高エネルギー線Lを照射して、剥離部30,30同士を溶接して電気的に接続する。このとき、剥離部30の幅方向の中心部分を、例えば縦方向に走査(スキャン)するように高エネルギー線Lを照射することにより、所定の範囲(領域)が溶接される(後述するステップS60:本溶接工程)。
以下、ステータ10の製造の流れについて図7を参照して説明する。図7は、ステータ10を製造している手順の一例を示すフローチャートである。ここでは、まず、ステータコイル20を構成するセグメントコイル22を製造する。具体的には、長尺なコイル材料を、所望の長さに切断する。コイル材料は、セグメントコイル22の材料となるもので、長尺な導線32をコイル皮膜34で被覆したものである。本実施形態では、2種類のコイル材料(断面略矩形の角線を使用したコイル材料と、断面略円形の丸線を使用したコイル材料)を準備してもよい。各コイル材料は、専用の刃物を用いて、所望の切断形状が得られるように切断される。本実施形態では、端部が平面形状となるように、コイル材料を切断する。
次に、各セグメントコイル22の端部においてコイル皮膜34を剥離して、剥離部30を形成する。この剥離部30は、例えば、レーザ等を用いて、コイル皮膜34を非接触で切断して形成してもよいし、適宜のカッター等によりコイル皮膜34を切削して形成してもよい。続いて、セグメントコイル22を、屈曲又は湾曲させて、所望の形状(例えば図2及び図3に示す形状)に成形する。この成形は、例えば、セグメントコイル22を専用の金型に押し付けたり、専用のローラで曲げたりして行うことができる。また、この成形において、各セグメントコイル22は、最終形状に成形される。換言すれば、ステータコア12への組み付け後に、各セグメントコイル22に曲げ加工は施されない。
次いで、成形後のセグメントコイル22をステータコア12に組み付ける(ステップS10:配置工程)。具体的には、第1セグメントコイル22aの縦線部28と、第2セグメントコイル22bの縦線部26を、それぞれ所定のスロット18内に挿入して、前記図4に示すように、両者の剥離部30,30を適宜の距離で対向配置又は当接配置する。ステータコア12に組みつけられたセグメントコイル22は、その組み付け状態を維持するように、専用の治具で保持することができる。
次に、その状態で、セグメントコイル22a,22bの端部である剥離部30,30の対向部位における間隙の有無を計測する。具体的には、剥離部30,30間の間隙幅を、適宜の非接触式測距手段(装置)を用いて計測する(ステップS20:計測工程)。ここで、図8は、セグメントコイル22a,22bの剥離部30,30間における間隙幅を計測している状態を模式的に示す側面図である。測距装置70は、例えば50W程度の微弱レーザ光を発振するレーザ発振部71と、レーザ発振部71からの投射光MLの反射光ML’を受光する受光部72を備える。このレーザ発振部71からの投射光MLを、剥離部30,30の対向部に向かって投射し、例えば図示矢印Y8で示す方向に走査しながら、反射光ML’の強度を受光部72で連続的にモニターする。
図8に示すように、一点鎖線の円で囲んで示す対向部分41における剥離部30,30間に間隙42(幅=G)が生じていると、間隙42部分からは反射光ML’が受光部72側に反射してこないので、例えば、図9のグラフに示すような計測結果が得られる。このグラフにおいて、反射光強度が得られていない横軸位置P1,P2間が間隙42に相当し、位置P1,P2間の距離から、間隙42の幅G(>0)を同定することができる。なお、同様にして、図4に示す一点鎖線の円で囲んで示す対向部分41を計測した場合、図4のとおり間隙が生じていない(剥離部30,30が当接している)ので、図9に示すような間隙の存在を示すデータは観測されない(つまり間隙幅G=0)。
次に、計測された間隙42の幅Gが0であるか否かを判定し(ステップS30)、幅G>0(ステップS30において「いいえ」)の場合、間隙42を埋め込むための予熱工程における予熱条件を設定する(ステップS40)。ここで、図10(A)乃至(C)は、剥離部30,30間を、順に予熱及び本溶接している状態を模式的に示す正面図であり、(A)及び(B)が予熱している状態を示し、(C)が本溶接している状態を示す。
ここでは、まず、図10(A)に示すように、ステップS30で設定した所定の予熱条件に基づいて、間隙42が生じている剥離部30,30の一方の所定位置Lp(例えば、上方に位置する剥離部30の幅方向中央下部)に、高エネルギー線Lをスポット照射(予熱照射)する。この予熱照射を所定時間継続することにより、図10(B)に示すように、剥離部30の一部が徐々に溶融して銅線の溶融池が生じ、その自重によって、下方に位置する剥離部30側に垂下し、最終的に、剥離部30,30が当接するように間隙42が埋め込まれる(ステップS50:予熱工程)。
このとき、ステップS50(予熱工程)を実施している間、或いは、設定した予熱時間実施した後に、継続的に又は断続的にステップS20(計測工程)を実行して、間隙42の埋め込み状態をモニターする。間隙42が埋め込まれて幅G=0となった場合(ステップS30において「はい」)、所定の本溶接条件に基づいて、剥離部30,30の対向部位における幅方向の中心部分を、例えば図10(C)における矢印Y9に沿って縦方向に走査するように、高エネルギー線Lを照射する。これにより、所定の範囲に所望の溶接ビードBEを形成し、剥離部30,30を溶接する(ステップS60:本溶接工程)。
[実施形態の変形例]
ここで、ステップS40における予熱条件の設定について、図11乃至図13を参照して、変形例としてより具体的に説明する。図11乃至図13は、それぞれ、予熱条件と本溶接条件の一例を模式的に示すグラフである。これらの図において、横軸は、高エネルギー線Lの照射時間を示し、縦軸は、高エネルギー線Lの出力を示す。
[変形例1]
図11における破線の折れ線(プロファイルL0)は、剥離部30の導線32の材料物性や高エネルギー線Lの特性等に基づいて予め設定された初期の溶接条件を示す。このプロファイルL0では、予熱条件として、予熱工程TD1を時刻0から時刻t1まで実行し、その間に、高エネルギー線Lの出力を0からS1まで線形的に増大させる。また、プロファイルL0では、本溶接条件として、予熱工程TD1に続けて実施する本溶接工程TD2を、高エネルギー線Lの出力をS1で一定に保持した状態で、時刻t1から時刻t3まで実行する。
一方、図11における実線の折れ線(プロファイルL1)は、剥離部30,30間の間隙42の幅Gの計測結果に基づいて設定(変更)された溶接条件の一例を示す。このプロファイルL1は、間隙42の幅Gを埋め込むために、予熱工程TD1における高エネルギー線Lの出力を、初期の溶接条件(プロファイルL0)よりも急峻に増大させる条件変更の一例である。このプロファイルL1では、予熱条件として、予熱工程TD1を時刻0から時刻t1まで実行し(プロファイルL0と同じ)、その間に、高エネルギー線Lの出力を0からS2(>S1)まで線形的に増大させる。また、プロファイルL1における本溶接条件は、プロファイルL0と同じであり、すなわち、本溶接工程TD2を、高エネルギー線Lの出力をS1へ低下させて一定に保持した状態で、時刻t1から時刻t3まで実行する。
[変形例2]
図12における破線の折れ線(プロファイルL0)は、図11に示す変形例1と同様である。一方、図12における実線の折れ線(プロファイルL2)は、剥離部30,30間の間隙42の幅Gの計測結果に基づいて設定(変更)された溶接条件の他の例を示す。このプロファイルL2は、間隙42の幅Gを埋め込むために、予熱工程TD1の実施時間を初期の溶接条件(プロファイルL0)よりも増大させ、かつ、本溶接工程TD2の実施時間を初期の溶接条件(プロファイルL0)よりも減少させる条件変更の一例である。このプロファイルL2では、予熱条件として、予熱工程TD1を時刻0から時刻t2(>t1)まで実行し、その間に、高エネルギー線Lの出力を0からS1(プロファイルL0と同じ)まで線形的に増大させる。また、プロファイルL2における本溶接条件は、本溶接工程TD2を、高エネルギー線Lの出力をS1で一定に保持した状態で、時刻t2から時刻t3まで実行する。
[変形例3]
図13における破線の折れ線(プロファイルL0)は、図11に示す変形例1と同様である。一方、図13における実線の折れ線(プロファイルL3)は、剥離部30,30間の間隙42の幅Gの計測結果に基づいて設定(変更)された溶接条件の更に他の例を示す。このプロファイルL3は、間隙42の幅Gを埋め込むために、予熱工程TD1の実施時間と高エネルギー線の出力の両方を、初期の溶接条件(プロファイルL0)よりも増大させ、かつ、本溶接工程TD2の実施時間を初期の溶接条件(プロファイルL0)よりも減少させる条件変更の一例である。このプロファイルL2では、予熱条件として、予熱工程TD1を時刻0から時刻t2(>t1)まで実行し、その間に、高エネルギー線Lの出力を0からS2(プロファイルL1と同じ)まで線形的に増大させる。また、プロファイルL3における本溶接条件は、本溶接工程TD2を、高エネルギー線Lの出力をS2で一定に保持した状態で、時刻t2から時刻t3まで実行する。
以上説明した本実施形態の方法及びその変形例によれば、複数のセグメントコイル22の端部である剥離部30同士を、ステータコア12のスロット18内に配置した状態で、高エネルギー線Lを照射することによって溶接することにより、ステータコイル20を形成する。よって、スロット18内のような狭小な空間であっても、従来の導電性結合剤や導電性連結部材による接合を用いることなく、複数のセグメントコイル22を直接的にかつ確実に接合することができる。また、複数のセグメントコイル22の端部である剥離部30,30に間隙42が生じた場合、複数のセグメントコイル22の本溶接工程TD2に先立って、その間隙42の幅(長さ)Gを実測し、その計測結果に基づいて、例えばプロファイルL1~L3で示すような種々の予熱条件を設定することができる。そして、その予熱条件に基づいて、間隙42が生じているセグメントコイル22の剥離部30,30を高エネルギー線Lの照射によって溶融させ、間隙42を埋め込んでから本溶接するので、複数のセグメントコイル22をより確実にかつより強固に接合することができる。それらの結果、部品点数及び工数の増大を抑止して経済性を向上させることが可能となり、また、製品の信頼性を高めることができる。
以上、本開示の一例としての上記実施形態について詳細に説明してきたが、前述した説明はあらゆる点において本開示の一例を示すに過ぎず、本開示の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。例えば、スロット紙35は、省略してもよい。また、ステップS30における「判定」自体を実施しなくてもよい。さらに、ステップS50(予熱工程)において、高エネルギー線Lをスポット照射せずに、所定範囲を走査するようにしてもよい。またさらに、ステップS50(予熱工程)の実施中又は実施後にステップS20(計測工程)を再度実施せず、ステップS50の終了後に続けてステップS60(本溶接工程)を行ってもよい。また、上記実施形態は、部分的に置換してもよく、適宜組み合わせて構成することも可能である。
10…ステータ、12…ステータコア、14…コアバック、16…ティース、18…スロット、20…ステータコイル、22…セグメントコイル、22a…第1セグメントコイル、22b…第2セグメントコイル、25…接続部、26…縦線部、27…接続部、28…縦線部、30…剥離部、32…導線、34…コイル皮膜、35…スロット紙、40,41…対向部分、42…間隙、70…測距装置、71…レーザ発振部、72…受光部、BE…溶接ビード、G…間隙の幅、L…高エネルギー線、L0,L1,L2,L3…プロファイル、Lp,P1,P2…位置、ML…投射光、ML’…反射光、TD1…予熱工程、TD2…本溶接工程。

Claims (1)

  1. 平断面凹状をなす複数のスロットを有するステータコアと、該ステータコアに巻回されるステータコイルとを有する回転電機のステータの製造方法であって、
    前記ステータコイルを構成する複数のセグメントコイルの端部を、前記スロット内に配置する配置工程と、
    前記複数のセグメントコイルの端部を突き当てた又は対向させた状態で、該複数のセグメントコイルの端部に生じる間隙の幅を計測する計測工程と、
    前記間隙の幅が0より大きい場合に、前記間隙の幅に基づいて予熱条件を設定し、該間隙が生じた前記複数のセグメントコイルの端部の少なくとも1つに、前記予熱条件で高エネルギー線を照射して、該セグメントコイルの端部を溶融させて前記間隙を埋め込む予熱工程と、
    前記間隙の幅が0である場合、又は、前記間隙の幅が0になった場合に、前記複数のセグメントコイルの端部に、予め又は前記間隙の幅に基づいて設定した本溶接条件で高エネルギー線を照射して、該複数のセグメントコイルの端部同士を溶接する本溶接工程と、
    を含む、
    回転電機のステータの製造方法。
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