JP2022076868A - 非水二次電池用電解液及びそれを用いた非水二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】リチウム非含有遷移金属硫化物を正極活物質として使用した非水二次電池において、充放電サイクル特性を向上させることができる放電方法を提供する。【解決手段】正極活物質としてリチウム非含有遷移金属硫化物を使用する非水二次電池の放電方法であって、充放電サイクル時における放電深度を70~90%とする、放電方法。【選択図】なし

Description

本発明は、非水二次電池用電解液及びそれを用いた非水二次電池に関する。
近年の携帯電子機器、ハイブリッド車等の高性能化により、それらに用いられるリチウムイオン二次電池は益々高容量化が求められている。しかしながら、現行のリチウムイオン二次電池は、負極に比べて正極の高容量化が不十分であり、比較的高容量と言われるニッケル酸リチウム系材料でもその容量は190~220mAh/g程度に過ぎない。
一方、硫黄は理論容量が約1670mAh/gと高く、正極活物質としての利用が期待されるが、一般的に、硫黄系の正極活物質は、充放電サイクルを繰り返すと容量が低下することが知られている。充放電時に多硫化リチウムとして有機電解液に溶出するためであり、有機電解液への溶出を抑制する技術が不可欠である。
リチウム非含有遷移金属硫化物(リチウムを含有しない遷移金属硫化物)は電子伝導性を有しており、有機電解液への溶出も少ないものの、十分とは言えない。リチウム非含有遷移金属硫化物として、例えば、バナジウム硫化物を例に取ると、試薬として販売されている結晶性硫化バナジウム(III)(V)を正極活物質として用いた場合には、有機電解液との反応を抑制することができないために、実測の容量は充電容量が23mAh/g程度、放電容量が52mAh/g程度に過ぎない。これに対して、本発明者らは、特定の組成を有する低結晶性バナジウム硫化物が、リチウムイオン二次電池用電極活物質として使用した場合に高い容量を示し、また、充放電サイクル特性にも優れることを報告した(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2018/181698号
上記のように、本発明者らは、リチウムイオン二次電池用電極活物質として使用した場合に高い容量を示し、また、充放電サイクル特性にも優れる材料を開発したが、リチウムイオン二次電池に対する高性能化の要請はとどまることがなく、充放電サイクル特性についてはさらなる改善が求められている。
本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、リチウム非含有遷移金属硫化物を正極活物質として使用した非水二次電池において、充放電サイクル特性を向上させることができる放電方法を提供することである。
本発明者らは、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、充放電サイクル時における放電深度を100%ではなく、一定範囲内に制御することで、充放電サイクル特性をさらに向上させることができることを見出した。本発明は、このような知見に基づいて更に研究を重ねた結果、完成されたものである。即ち、本発明は、以下の構成を包含する。
項1.正極活物質としてリチウム非含有遷移金属硫化物を使用する非水二次電池の放電方法であって、
充放電サイクル時における放電深度を70~90%とする、放電方法。
項2.前記リチウム非含有遷移金属硫化物が、バナジウム硫化物、モリブデン硫化物及び鉄硫化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項1に記載の放電方法。
項3.前記リチウム非含有遷移金属硫化物がVSである場合に、
VS+xLi⇔LiVS
で示される充放電反応において、x=5.0の場合を充電深度100%として、xが3.50~4.50となるように調整する、項1又は2に記載の放電方法。
項4.前記非水二次電池が、さらに、電解液を含有し、
前記電解液は、環状カーボネート化合物を含む有機溶媒を含有する、項1~3のいずれか1項に記載の放電方法。
項5.前記環状カーボネート化合物が、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)及びブチレンカーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項4に記載の放電方法。
項6.前記有機溶媒の総量を100体積%として、前記環状カーボネート化合物の含有量が80~100体積%であり、鎖状カーボネート化合物の含有量が0~20体積%である、項4又は5に記載の放電方法。
項7.前記鎖状カーボネート化合物が、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)及びメチルプロピルカーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項6に記載の放電方法。
項8.前記電解液が、さらに、リチウム塩を含有する、項4~7のいずれか1項に記載の放電方法。
項9.前記リチウム塩が、スルホニル基を有する有機リチウム塩、無機リチウム塩及びホウ素原子を有する有機リチウム塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項8に記載の放電方法。
項10.前記リチウム塩が、リチウムトリフルオロメタンスルホネート(LiCFSO)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(Li(CSON)、リチウムヘキサフルオロフォスファート(LiPF)、リチウムテトラフルオロボレート(LiBF)、リチウムヘキサフルオロアルセナート(LiAsF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、リチウムビス(オキサレート)ボレート(LiBOB)、リチウムオキサレートジフルオロボレート(LiBF(C))、及びリチウムビス(マロネート)ボレート(LiB(C)よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項8又は9に記載の放電方法。
項11.前記電解液中の前記リチウム塩の濃度が、0.3~2.0mol/Lである、項8~10のいずれか1項に記載の放電方法。
項12.前記非水二次電池がリチウムイオン二次電池である、項1~11のいずれか1項に記載の放電方法。
本発明によれば、リチウム非含有遷移金属硫化物を正極活物質として使用した非水二次電池において、充放電サイクル特性をさらに向上させることができる。
本明細書において、「含有」は、「含む(comprise)」、「実質的にのみからなる(consist essentially of)」、及び「のみからなる(consist of)」のいずれも包含する概念である。また、本明細書において、数値範囲を「A~B」で示す場合、A以上B以下を意味する。
本明細書において、各成分の濃度(mol/L)は、有機溶媒1Lに対して、所望のモル数含んでいることを意味する。
本発明の放電方法は、正極活物質としてリチウム非含有遷移金属硫化物を使用する非水二次電池の放電方法であって、充放電サイクル時における放電深度を70~90%とする。
1.非水二次電池
本発明の放電方法を採用する非水二次電池は、上記のとおり、正極活物質としてリチウム非含有遷移金属硫化物を使用するものである。
(1-1)リチウム非含有遷移金属硫化物
本発明において、遷移金属硫化物としては、リチウムを含むものについては、アルゴンガス雰囲気等の不活性雰囲気下での取り扱いが必要となるため、リチウム非含有遷移金属硫化物を使用する。このようなリチウム非含有遷移金属硫化物としては、本発明の放電方法を採用する非水二次電池において、正極活物質として使用されるリチウムを含有しない遷移金属硫化物であり、リチウムイオン二次電池の正極活物質として知られているリチウム非含有遷移金属硫化物であれば特に制限されない。具体的には、バナジウム硫化物(リチウム非含有バナジウム硫化物;国際公開第2018/181698号)、ニオブ硫化物及びチタンニオブ硫化物(リチウム非含有ニオブ硫化物及びリチウム非含有チタンニオブ硫化物;国際公開第2015/049986号)、モリブデン硫化物(リチウム非含有モリブデン硫化物)、鉄硫化物(リチウム非含有鉄硫化物)等が挙げられる。なお、国際公開第2018/181698号及び国際公開第2015/049986号の記載は、参照により引用する(incorporate by reference)。これらのリチウム非含有遷移金属硫化物は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。これらのなかでも、充放電容量、充放電サイクル特性等の観点から、バナジウム硫化物(リチウム非含有バナジウム硫化物;国際公開第2018/181698号)、モリブデン硫化物(リチウム非含有モリブデン硫化物)、鉄硫化物(リチウム非含有鉄硫化物)等が好ましく、バナジウム硫化物(リチウム非含有バナジウム硫化物;国際公開第2018/181698号)がより好ましい。
このようなリチウム非含有遷移金属硫化物は、結晶性材料及び低結晶性材料(又は非晶質材料)をいずれも採用できる。なかでも、充放電容量、充放電サイクル特性等に特に優れ、仮に有機電解液と接した場合に有機電解液との反応を抑制しやすい観点からは、低結晶性材料(又は非晶質材料)が好ましい。
本発明において、リチウム非含有遷移金属硫化物としては、硫黄と遷移金属との組成比(S/M)は、充放電容量、充放電サイクル特性等に特に優れ、合成しやすく、仮に有機電解液と接した場合に有機電解液との反応を抑制しやすい観点から、モル比で2.1~10であることが好ましい。
より詳細には、リチウム非含有遷移金属硫化物は、一般式(1):
(1)
[式中、Mは遷移金属を示す。yは2.1~10を示す。]
で表される組成を有することが好ましい。なお、Mとして複数の遷移金属を含む場合は、硫黄と遷移金属の総量との組成比(S/M)をモル比で2.1~10とすることが好ましい。
このように、本発明において、リチウム非含有金属硫化物は、遷移金属(M)に対する硫黄の元素比が高い。このため、本発明において、リチウム非含有金属硫化物を用いることで、高い充放電容量及び優れた充放電サイクル特性を有することができる。なお、本発明では、硫黄の含有量を高くするほど(yを大きくするほど)充放電容量が高くなりやすく、硫黄の含有量を低くするほど(yを小さくするほど)単体硫黄を含みにくくして充放電サイクル特性が高くなりやすい。本発明においては、充放電サイクル特性に劣る硫化物を使用したとしても、後述する組成の電解液を使用することで充放電サイクル特性を向上させることができることから、充放電容量は高くなりやすいものの充放電サイクル特性は不十分となりやすい多硫化物を適用することに特に有用性が認められる。このため、yとしては2.1~10が好ましく、3~8がより好ましい。
以下、好ましいリチウム非含有遷移金属硫化物であるバナジウム硫化物(リチウム非含有バナジウム硫化物)を例に取って、説明する。
本発明において、バナジウム硫化物は、結晶性四硫化バナジウム(IV)(VS)と類似した結晶構造(以下、「VS型結晶構造」と言うこともある)を有することが好ましい。
より具体的には、バナジウム硫化物は、CuKα線によるX線回折図における回折角2θ=10°~80°の範囲内において、±1.0°の許容範囲で、15.4°、35.3°及び45.0°にピークを有することが好ましい。つまり、14.4°~16.4°、34.3°~36.3°及び44.0°~46.0°の範囲にピークを有することが好ましい。
なお、本発明において、X線回折図は、粉末X線回折測定法(θ-2θ法)によって求められるものであり、以下の測定条件:
測定装置:D8ADVANCE(BrukerAXS)
X線源:CuKα40kV/40mA
測定条件:2θ=10°~80°、0.1°ステップ、走査速度0.02°/秒
で測定する。
本発明において、バナジウム硫化物は、上記した2θ位置にピークを有することが好ましいが、回折角2θ=10°~80°の範囲内において、±1.0°の許容範囲で、54.0°及び56.0°の少なくとも1箇所(特に全て)にもピークを有することが好ましい。
本発明において、バナジウム硫化物は、平均組成としては硫黄の比率が高い硫化物であるにもかかわらず、硫黄は後述のように単体硫黄としてはほとんど存在せず、バナジウムと結合して低結晶性の硫化物を形成していることが好ましい。このように、本発明において、バナジウム硫化物は、結晶性を低くすることにより、リチウムイオンが挿入及び脱離可能なサイトがより多く存在し、また、3次元的にリチウムの導電経路となり得る隙間を構造的に有しやすくすることができる。また、充放電時に3次元的な体積変化を行いやすい等多数の利点を有している。このため、充放電容量及び充放電サイクル特性をさらに向上させることができる。また、原料として使用する硫化バナジウム(V等)もほとんど存在しないことが好ましい。なお、本明細書において、硫化物の平均組成とは、硫化物の全体を構成する各元素の元素比を示す。
以下、本発明における「低結晶性」について説明する。本発明において、バナジウム硫化物においては、2θ=15.4°、35.3°及び45.0°にピークが存在しないか、またはピークが現れたとしてもそのピークの半値全幅がいずれも0.8~2.0°(特に1.0~2.0°)であることが好ましい。なお、結晶性硫化バナジウム(IV)(VS)においては、2θ=15.4°、35.3°及び45.0°のピークの半値全幅がいずれも0.2~0.6°である。このように、本発明において、バナジウム硫化物は、2θ=15.4°、35.3°及び45.0°にピークが存在しないか、またはピークが現れたとしてもそのピークの半値全幅が、結晶性硫化バナジウム(IV)(VS)と比較すると大きいことが好ましい。このように、本発明においては低結晶性であることにより、Liが安定して存在できるサイトが増えやすいため、本発明の金属硫化物を正極活物資として使うと、充放電容量及び充放電サイクル特性を向上させやすい。
また、単体硫黄等を多量に含む材料を正極活物質として用いた場合には、本発明の非水二次電池用電解液中に含まれる環状カーボネート化合物は単体硫黄と反応を起こしやすいことと比較して、本発明において、例えば、十分な時間メカニカルミリング処理をした場合等においては、上記したバナジウム硫化物は単体硫黄等をほとんど含んでいないため、正極活物質として使用する場合には、環状カーボネート化合物を用いた場合にもこれらの問題は生じず、充放電容量及び充放電サイクル特性を飛躍的に向上させやすい。
より具体的には、硫黄(S)の最も強いピークは、±1.0°の許容範囲で、2θ=23.0°に存在する。このことから、CuKα線によるX線回折図において、±1.0°の許容範囲で、単体硫黄に特徴的なピークである、2θ=23.0°に極大を有するピークを有さないか、2θ=23.0°に極大を有するピークの面積が、前記2θ=35.3°に極大を有するピークの面積の20%以下(0~20%、特に0.1~19%)であることが好ましい。これにより、本発明において、バナジウム硫化物を、単体硫黄をほとんど含まない材料とすることができ、上記のような電解液との反応を起こす懸念をより少なくし、充放電容量及び充放電サイクル特性をより向上させることができる。
本発明において、バナジウム硫化物は、他にも、±1.0°の許容範囲で、単体硫黄に特徴的なピークである2θ=25.8°及び27.8°の位置についても、ピークを有さないか、当該位置に極大を有するピークの面積が、前記2θ=35.3°に極大を有するピークの面積の10%以下(0~10%、特に0.1~8%)であることが好ましい。これにより、バナジウム硫化物において、単体硫黄をほとんど含まない材料とすることができ、上記のような電解液との反応を起こす懸念をより少なくし、充放電容量及び充放電サイクル特性をより向上させることができる。
このような条件を満たすバナジウム硫化物は、X線/中性子原子対相関関数解析(PDF解析)において、±0.1Åの許容範囲で、g(r)=2.4Åの位置に強いピークを有することが好ましいが、より充放電容量及び充放電サイクル特性が良好な硫化物については、g(r)=2.0Åに肩ピークを有することがより好ましく、また、g(r)=3.3Åの位置にもピークを有することがより好ましい。言い換えれば、バナジウム硫化物は、V-S結合のみならず、S-S結合(ジスルフィド結合)も有することが好ましい。
本発明において、上記したバナジウム硫化物は、例えば、原料又は中間体として、バナジウム硫化物及び硫黄を用い、メカニカルミリング法に供する工程を備える製造方法によって得ることができる。
メカニカルミリング処理は、機械的エネルギーを付与しながら原料を摩砕混合する方法であり、この方法によれば、原料に機械的な衝撃及び摩擦を与えて摩砕混合することによって、バナジウム硫化物及び硫黄が激しく接触して微細化され、原料の反応が生じる。つまり、この際、混合、粉砕及び反応が同時に生じる。このため、原料を高温に熱することなく、原料をより確実に反応させることが可能である。メカニカルミリング処理を用いることで通常の熱処理では得ることのできない、準安定結晶構造が得られることがある。
メカニカルミリング処理としては、具体的には、例えば、ボールミル、ビーズミル、ロッドミル、振動ミル、ディスクミル、ハンマーミル、ジェットミル等の機械的粉砕装置を用いて混合粉砕を行うことができる。
これらの原料又は中間体については、全てを同時に混合してメカニカルミリング処理に供することもでき、一部の材料又は中間体についてまずメカニカルミリング処理に供した後、残りの材料を加えてメカニカルミリング処理に供することもできる。
なお、特に、硫黄含量が多いバナジウム硫化物(硫黄とバナジウムとの組成比(S/V)がモル比で3.3以上)を製造する場合には、仕込み質量によっては、結晶性のバナジウム硫化物が得られることがある。このため、充放電容量及び充放電サイクル特性に優れた低結晶性バナジウム硫化物を得やすくするため、まず、バナジウム硫化物と硫黄の一部とをメカニカルミリング処理に供することにより中間体として所望の低結晶性硫化物を得た後、得られた低結晶性硫化物と残りの硫黄とをメカニカルミリング処理に供することが好ましい。
具体的な原料としては、バナジウム硫化物として、結晶性硫化バナジウム(III)(V)を使用することが好ましい。バナジウム硫化物は、特に限定はなく、市販されている任意のバナジウム硫化物を用いることができる。特に、高純度のものを用いることが好ましい。また、バナジウム硫化物をメカニカルミリング処理によって混合粉砕するので、使用するバナジウム硫化物の粒径についても限定はなく、通常は、市販されている粉末状のバナジウム硫化物を用いることができる。
また、硫黄としては、目的とする組成の硫化物を形成するたに必要な量の単体硫黄(S)を用いることが可能である。原料として用いる硫黄についても特に限定はなく、任意の硫黄を用いることができる。特に、高純度のものを用いることが好ましい。また、硫黄をメカニカルミリング処理によって混合粉砕するので、使用する硫黄の粒径についても限定はなく、通常は、市販されている粉末状の硫黄を用いることができる。
さらに、上記したように、複数(特に2段階)のメカニカルミリング処理に供する場合、中間体としては、所望の組成の低結晶性バナジウム硫化物(低結晶性VS2.5等)等を用いることもできる。
原料の混合割合については、原料の仕込み比率が、ほとんどそのまま生成物の各元素の比率となるため、目的とするバナジウム硫化物におけるバナジウム及び硫黄の元素比と同一の比率とし得る。例えば、バナジウム硫化物1モルに対して、硫黄を1.2モル以上(特に1.2~17.0モル、さらに3.0~13.0モル)が好ましい。
メカニカルミリング処理を行う際の温度については、特に制限はなく、硫黄が揮発しにくくするとともに、既報の結晶相が生成されにくくするため、300℃以下が好ましく、-10~200℃がより好ましい。
メカニカルミリング処理の時間については、特に限定はなく、目的のバナジウム硫化物が析出した状態となるまで任意の時間メカニカルミリング処理を行うことができる。
なお、メカニカルミリング処理を行う際の雰囲気については、特に制限はないが、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気等の不活性ガス雰囲気等を採用できる。
例えば、メカニカルミリング処理は、0.1~100時間(特に15~80時間)の処理時間の範囲内において行うことができる。なお、このメカニカルミリング処理は、必要に応じて途中に休止を挟みながら複数回に分けて行うこともできる。
なお、メカニカルミリング処理を複数回繰り返す場合は、各工程のメカニカルミリング処理において、上記条件とすることができる。
上記したメカニカルミリング処理により、目的とするバナジウム硫化物を微粉末として得ることができる。
(1-2)電解液
本発明の放電方法を採用する非水二次電池を構成する電解液は、環状カーボネート化合物を含む有機溶媒と、添加剤とを含有することが好ましい。
有機溶媒
上記のとおり、本発明の放電方法は、正極活物質としてリチウム非含有遷移金属硫化物を使用する非水二次電池に対して採用される。このように、本発明では、リチウム非含有遷移金属硫化物を使用する非水二次電池を使用するにもかかわらず、後述の放電方法を採用することにより、カーボネート化合物とリチウム非含有遷移金属硫化物との反応を抑制し、充放電サイクル特性を劇的に向上させることが可能である。
環状カーボネート化合物としては、リチウムイオン二次電池の電解液において有機溶媒として使用し得るものであれば特に制限はなく、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート等が挙げられる。これらの環状カーボネート化合物は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
上記した環状カーボネート化合物の含有量は、カーボネート化合物とリチウム非含有遷移金属硫化物との反応を抑制しやすく、充放電サイクル特性を向上させやすい観点から、有機溶媒の総量を100体積%として、80~100体積%が好ましく、85~100体積%がより好ましく、90~100体積%がさらに好ましい。なお、本発明では、有機溶媒として、環状カーボネート化合物のみを使用する(環状カーボネート化合物の含有量は100体積%)とすることもできるし、環状カーボネート化合物以外に鎖状カーボネート化合物等の他の有機溶媒を使用する(環状カーボネート化合物の含有量は80~99.9体積%、特に85~99.8体積%、さらには90~99.5体積%)こともできる。ただし、充放電サイクル特性の観点からは、有機溶媒として、環状カーボネート化合物のみを使用する(環状カーボネート化合物の含有量は100体積%)ことが好ましい。
鎖状カーボネート化合物としては、リチウムイオン二次電池の電解液において有機溶媒として使用し得るものであれば特に制限はなく、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネート等が挙げられる。これらの鎖状カーボネート化合物は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
上記した鎖状カーボネート化合物の含有量は、カーボネート化合物とリチウム非含有遷移金属硫化物との反応を抑制しやすく、充放電サイクル特性を向上させやすい観点から、有機溶媒の総量を100体積%として、0~20体積%が好ましく、0~15体積%がより好ましく、0~10体積%がさらに好ましい。上記したとおり、本発明においては、有機溶媒として、環状カーボネート化合物のみを使用する(鎖状カーボネート化合物の含有量は0体積%)とすることもできるし、鎖状カーボネート化合物を使用する(鎖状カーボネート化合物の含有量は0.1~20体積%、特に0.2~15体積%、さらには0.5~10体積%)こともできる。なお、有機溶媒の分解を抑制しやすい観点からは、鎖状カーボネート化合物の含有量は少ないことが好ましく、有機溶媒として、環状カーボネート化合物のみを使用する(鎖状カーボネート化合物の含有量は0体積%)ことが特に好ましい。
本発明においては、非水二次電池用電解液を構成する有機溶媒は、上記した環状カーボネート化合物及び必要に応じて鎖状カーボネート化合物のみからなる構成とすることもできるし、これら以外に、リチウムイオン二次電池の電解液において有機溶媒として知られている化合物を含ませることも可能である。
このような第三成分としての有機溶媒としては、例えば、γ-ブチロラクトン等の環状カルボン酸エステル化合物;酢酸メチル、プロピオン酸メチル、酢酸エチル等の鎖状カルボン酸エステル化合物;スルホラン、ジエチルスルホン等のスルホン化合物;テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル化合物等が挙げられる。これらの第三成分としての有機溶媒は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
上記した第三成分としての有機溶媒を含む場合、当該第三成分としての有機溶媒の含有量は、充放電サイクル特性の観点から、有機溶媒の総量を100体積%として、0.1~10体積%が好ましく、0.2~5体積%がより好ましい。
添加剤
上記のとおり、電解液においては、添加剤を含有することにより、カーボネート化合物とリチウム非含有遷移金属硫化物との反応を抑制しやすく、充放電サイクル特性を向上させやすい。
このような添加剤としては、カーボネート化合物とリチウム非含有遷移金属硫化物との反応を抑制しやすく、充放電サイクル特性を向上させやすい観点から、一般式(1)又は(2):
Figure 2022076868000001
[式中、R及びRは同一又は異なって、水素原子又はハロゲン原子を示す。Rは同一又は異なって、ハロゲン原子を示す。Yは炭素原子又は硫黄原子を示す。Mは対カチオンを示す。nは1又は2を示す。実線と破線で示される結合は単結合又は二重結合を示す。ただし、Yが炭素原子の場合はnは1を示し、Yが硫黄原子の場合はnは2を示す。]
で表される化合物が好ましい。
上記の一般式(1)で表される化合物は、一般式(1A):
Figure 2022076868000002
[式中、R及びRは同一又は異なって、水素原子又はハロゲン原子を示す。実線と破線で示される結合は単結合又は二重結合を示す。]
で表される化合物と、一般式(1B):
Figure 2022076868000003
[式中、R及びRは同一又は異なって、水素原子又はハロゲン原子を示す。実線と破線で示される結合は単結合又は二重結合を示す。]
で表される化合物とが包含される。
そして、一般式(1A)で表される化合物は、一般式(1A1):
Figure 2022076868000004
[式中、R及びRは同一又は異なって、水素原子又はハロゲン原子を示す。]
で表される化合物と、一般式(1A2):
Figure 2022076868000005
[式中、R及びRは同一又は異なって、水素原子又はハロゲン原子を示す。]
で表される化合物とが包含される。
そして、一般式(1B)で表される化合物は、一般式(1B1):
Figure 2022076868000006
[式中、R及びRは同一又は異なって、水素原子又はハロゲン原子を示す。]
で表される化合物と、一般式(1B2):
Figure 2022076868000007
[式中、R及びRは同一又は異なって、水素原子又はハロゲン原子を示す。]
で表される化合物とが包含される。
一般式(1)、(1A)、(1A1)、(1A2)、(1B)、(1B1)及び(1B2)において、R及びRで示されるハロゲン原子としては、特に制限はなく、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。なかでも、充放電容量、充放電サイクル特性等の観点から、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が好ましく、フッ素原子、塩素原子等がより好ましく、フッ素原子がさらに好ましい。
一般式(1)において、Yは炭素原子又は硫黄原子を示し、Yが炭素原子の場合はnは1を示し、Yが硫黄原子の場合はnは2を示す。
一般式(2)において、Rで示されるハロゲン原子としては、特に制限はなく、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。なかでも、充放電容量、充放電サイクル特性等の観点から、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が好ましく、フッ素原子、塩素原子等がより好ましく、フッ素原子がさらに好ましい。
一般式(2)において、Mで示される対カチオンとしては、特に制限はなく、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン等が挙げられる。なかでも、充放電容量、充放電サイクル特性等の観点から、リチウムイオンが好ましい。
上記のような条件を満たす添加剤としては、一般式(1A)で表される化合物として、例えば、ビニレンカーボネート(VC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、トリフルオロメチルエチレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート等が挙げられ、一般式(1B)で表される化合物として、例えば、1,3,2-ジオキサチオラン2,2-ジオキシド(DOTL)、3-スルホレン等が挙げられ、一般式(2)で表される化合物として、例えば、ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸リチウム(DFOB)等が挙げられる。これらの添加剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
上記した添加剤としては、特に制限されるわけではないが、充放電容量、充放電サイクル特性等の観点から、一般式(1A)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物が好ましく、一般式(1A)で表される化合物がより好ましい。
上記した添加剤は、単独で使用することもできるし、2種以上を組合せて用いることもできる。添加剤を2種以上組合せて用いることで、添加剤の含有量を多くしても充放電サイクル特性を向上させることが可能である。
添加剤を2種以上組合せて用いる場合、充放電容量、充放電サイクル特性、エネルギー密度等の観点から、一般式(1A)又は一般式(2)で表される化合物と、一般式(1B)で表される化合物とを併用することが好ましく、一般式(2)で表される化合物と、一般式(1B)で表される化合物とを併用することが好ましい。
上記した添加剤の含有量は、充放電容量、充放電サイクル特性、エネルギー密度等の観点から、有機溶媒100質量部に対して、0.5~20.0質量部が好ましく、0.7~15.0質量部がより好ましく、1.0~10.0質量部がさらに好ましい。ただし、添加剤としてビニレンカーボネート(VC)や、一般式(2)で表される化合物を1種のみ使用する場合は、少量としたほうが充放電サイクル特性を向上させやすいため、有機溶媒100質量部に対して、0.5~5.0質量部が好ましく、0.7~3.0質量部がより好ましく、1.0~2.0質量部がさらに好ましい。なお、添加剤を1種のみ使用する場合であっても、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、トリフルオロメチルエチレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート等を1種のみ使用する場合は、添加料を多くしたほうが充放電サイクル特性を向上させやすいため、有機溶媒100質量部に対して、0.5~20.0質量部が好ましく、0.7~15.0質量部がより好ましく、1.0~10.0質量部がさらに好ましい。また、添加剤を2種以上使用する場合は、含有量を多くしても充放電サイクル特性を向上させやすく、エネルギー密度も向上させやすいため、添加剤の合計含有量は、有機溶媒100質量部に対して、1.0~20.0質量部が好ましく、1.5~15.0質量部がより好ましく、2.0~10.0質量部がさらに好ましい。
リチウム塩
電解液は、さらに、リチウム塩を含むことが好ましい。このリチウム塩としては、特に制限はなく、例えば、スルホニル基を有する有機リチウム塩、無機リチウム塩及びホウ素原子を有する有機リチウム塩等が挙げられる。
スルホニル基を有する有機リチウム塩としては、従来から非水二次電池用電解液に使用されるものであれば特に制限されず、例えば、リチウムトリフルオロメタンスルホネート(LiCFSO);パーフルオロアルカンスルホニル基を有する有機リチウム塩(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI;Li(CFSON)、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(Li(CSON等)等が挙げられる。なかでも、より高電圧での充電に耐え、充放電サイクル特性をより向上させる観点から、パーフルオロアルカンスルホニル基を有する有機リチウム塩が好ましく、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI;Li(CFSON)がより好ましい。これらのスルホニル基を有する有機リチウム塩は、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
無機リチウム塩としては、従来から非水二次電池用電解液に使用されるものであれば特に制限されず、例えば、リチウムヘキサフルオロフォスファート(LiPF)、リチウムテトラフルオロボレート(LiBF)、リチウムヘキサフルオロアルセナート(LiAsF)、過塩素酸リチウム(LiClO)等が挙げられる。なかでも、より高電圧での充電に耐え、充放電サイクル特性をより向上させる観点から、リチウムヘキサフルオロフォスファート(LiPF)、リチウムテトラフルオロボレート(LiBF)等が好ましく、リチウムヘキサフルオロフォスファート(LiPF)がより好ましい。これらの無機リチウム塩は、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
ホウ素原子を有する有機リチウム塩としては、従来から非水二次電池用電解液に使用されるものであれば特に制限されず、例えば、リチウムビス(オキサレート)ボレート(LiBOB;LiB(C)、リチウムオキサレートジフルオロボレート(LiBF(C))、リチウムビス(マロネート)ボレート(LiB(C)等が挙げられる。なかでも、より高電圧での充電に耐え、充放電サイクル特性をより向上させる観点から、リチウムビス(オキサレート)ボレート(LiBOB;LiB(C)が好ましい。これらのホウ素原子を有する有機リチウム塩は、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
上記したリチウム塩としては、本発明の非水二次電池は、正極活物質としてリチウム非含有金属硫化物を使用しているため、硫黄との反応性による充放電サイクル特性への影響を考慮すると、スルホニル基を有する有機リチウム塩が好ましく、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI;Li(CFSON)がより好ましい。
本発明の非水二次電池用電解液において、上記したリチウム塩の濃度は、特に制限はなく、充放電サイクル特性の観点から、0.3~2.0mol/Lが好ましく、1.0~2.0mol/Lがより好ましい。
その他
電解液においては、本発明の効果を損なわない範囲(例えば、0.01~0.2mol/L、特に0.02~0.1mol/L)であれば、上記以外の成分、例えば他の添加剤を含ませることもできる。このような他の添加剤としては、例えば、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロフォスファート、テトラブチルアンモニウムパークロレート、テトラメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、ビフェニル、トリアルキルホスファート(トリメチルホスファート等)等が挙げられる。これらの他の添加剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
電解液は、通常、液状であるが、ポリマー等からなるゲル化剤でゲル化させたゲル状の電解質等も用いることができる。
(1-3)正極、負極及びセパレータ
本発明の放電方法を採用する非水二次電池は、上記した電解液を備えることが好ましい。その他の構成及び構造については、従来から知られている非水二次電池で採用されている構成及び構造を適用し得る。通常は、非水二次電池は、上記の電解液の他、正極、負極及びセパレータを備え得る。
正極
正極としては、正極活物質、結着剤等を含有する正極合剤層を、正極集電体の片面又は両面に形成した構成を採用し得る。
この正極合剤層は、正極活物質と必要に応じて添加される導電助剤に結着剤を加え、これを有機溶剤に分散させて正極合剤層形成用ペーストを調製し(この場合、結着剤はあらかじめ有機溶剤に溶解又は分散させておいてもよい)、金属箔等からなる正極集電体の表面(片面又は両面)に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成し、必要に応じて加工する工程を経て製造することができる。
正極活物質としては、上記したリチウム非含有金属硫化物を採用する。リチウム非含有金属硫化物の詳細については、上記説明したものを踏襲する。
導電助剤としては、通常の非水二次電池と同様に、黒鉛;カーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック等);表面に非晶質炭素を生成させた炭素材料等の非晶質炭素材料;繊維状炭素(気相成長炭素繊維、ピッチを紡糸した後に炭化処理して得られる炭素繊維等);カーボンナノチューブ(各種の多層又は単層のカーボンナノチューブ)等を用いることができる。正極の導電助剤としては、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル酸、スチレンブタジエンゴム、ポリイミド、ポリビニルアルコール、水溶性カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
正極合剤を製造する際に使用する有機溶媒としては、特に制限はなく、N-メチルピロリドン(NMP)等が挙げられ、これと正極活物質、結着剤等を用いてペースト状とすることができる。
正極合剤層の組成については、例えば、上記の正極活物質が70~95重量%程度、結着剤が1~30重量%程度であることが好ましい。また、導電助剤を使用する場合には、上記の正極活物質が50~90重量%程度、結着剤が1~20重量%程度、導電助剤が1~40重量%程度であることが好ましい。さらに、正極合剤層の厚みは、集電体の片面あたり、1~100μm程度であることが好ましい。
正極集電体としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタン又はこれらの合金からなる箔、パンチドメタル、エキスパンドメタル、網等を用いることができ、通常、厚みが10~30μm程度のアルミニウム箔が好適に用いられる。
負極
負極としては、負極活物質、結着剤等を含有する負極合剤層を、負極集電体の片面又は両面に形成した構成を採用し得る。
この負極合剤層は、負極活物質と必要に応じて添加される導電助剤に結着剤を混合してシート状に成形し、これを金属箔等からなる負極集電体の表面(片面又は両面)に圧着する工程を経て製造することができる。
負極活物質としては、特に制限されず、例えば、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛等)、難焼結性炭素、リチウム金属、スズやシリコン及びこれらを含む合金、SiO等を用いることができる。好ましくは、金属リチウム一次電池及び金属リチウム二次電池ではリチウム金属、リチウム合金等を用いることができ、リチウムイオン二次電池では、リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料(黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛等)、難焼結性炭素等)等を活物質として用いることができる。これら負極活物質は、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
導電助剤としては、通常の非水二次電池と同様に、黒鉛;カーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック等);表面に非晶質炭素を生成させた炭素材料等の非晶質炭素材料;繊維状炭素(気相成長炭素繊維、ピッチを紡糸した後に炭化処理して得られる炭素繊維等);カーボンナノチューブ(各種の多層又は単層のカーボンナノチューブ)等を用いることができる。負極の導電助剤としては、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよいし、負極活物質の導電性が高い場合は用いなくてもよい。
結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル酸、スチレンブタジエンゴム、ポリイミド、ポリビニルアルコール、水溶性カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
負極合剤層の組成については、例えば、上記の負極活物質が70~95重量%程度、結着剤が1~30重量%程度であることが好ましい。また、導電助剤を使用する場合には、上記の負極活物質が50~90重量%程度、結着剤が1~20重量%程度、導電助剤が1~40重量%程度であることが好ましい。さらに、負極合剤層の厚みは、集電体の片面あたり、1~100μm程度であることが好ましい。
負極集電体としては、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタン又はこれらの合金からなる箔、パンチドメタル、エキスパンドメタル、メッシュ、網等を用いることができ、通常、厚みが5~30μm程度の銅箔が好適に用いられる。
セパレータ
上記した正極と負極は、例えば、セパレータを介在させつつ積層した積層電極体や、さらにこれを渦巻状に巻回した巻回電極体の形で用いることができる。
セパレータとしては、強度が十分で且つ電解液を多く保持できるものがよく、そのような観点から、厚さが10~50μmで開口率が30~70%の、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等の一種又は複数を含む微多孔フィルムや不織布等が好ましい。
また、非水二次電池の形態としては、ステンレススチール缶やアルミニウム缶等を外装缶として使用した筒形(角筒形や円筒形等)等を採用できる。また、金属箔と一体化したラミネートフィルムを外装体としたソフトパッケージ電池も採用し得る。
2.放電方法
現行のリチウムイオン二次電池においては、正極活物質としてLiCOO、Li(Ni,Mn,Co)O等を始めとする遷移金属酸化物が用いられており、一般式:
LiMO ⇔ Li1-xMO + xLi (充放電範囲 0≦x<1)
[式中、Mは少なくとも1種の遷移金属を示す。]
で表記される電気化学反応を行っている。ここで、x値は、1に近いほど分解及び発火の危険性を伴うため、特に充電時の制御をシビアに行っていることが通常である。すなわち、リチウムイオンが過剰に引き抜かれる過充電状態では、急激な発熱を伴う酸素脱離により、熱暴走を起こし、最悪発火に至る危険があるため、特に民生用途では、ガス開放機構弁や電圧監視回路等の二重のファイルセーフ機構等、充電側の制御をシビアに行っていることが通常である。一方、放電時は、過放電においても金属酸化物に過剰なリチウムイオンが挿入されることが無いため、精密な制御はせず、電気を供する電子機器の必要作動電圧に合わせるだけの制御となっている。実際の民生用途等では、実質的にはx=0.5程度で充放電を行っているが、その場合の実効容量値は150~180mAh/g程度となる。今後の高容量型革新電池を指向する上では、この容量値は要求値に対して低く、将来の革新型蓄電池に要求される500Wh/kgには対応できない。そのため、上記したリチウム非含有遷移金属硫化物等が必要となる。
リチウム非含有遷移金属硫化物は、LiMO系とは異なり、一般式:
MS + xLi ⇔ LiMS (充放電範囲 0≦x≦5~10)
で表記される電気化学反応を行う。
リチウム非含有遷移金属硫化物の具体例として、本発明の実施例で検討しているVSを例に取ると、一般式:
VS + xLi ⇔ LiVS (充放電範囲 0≦x≦5)
で表記される充放電反応を行っている。
上記のLiMOと異なり、x>1の領域も充放電反応させるため、実効容量は750mAh/g以上と高く、革新型蓄電池に対応し得る。しかも、上記LiMOと異なり、初期状態が完全充電(リチウム無し)であるために、過充電による構造の不安定化が生じず(熱暴走等は起こらない)、金属酸化物系のような過充電で熱暴走及び発火には至らない。そのため、金属酸化物系で必要とされる充電時のシビアな制御は要求されない。
一方、放電時については、リチウムイオンが過剰に挿入される過放電状態では、電極活物質の還元が進み、一部で金属状態まで還元が進むため、次段階の充電時での構造の可逆性に著しい問題を生じるとともに、極微細な金属微粒子は表面活性が高く、電解液等の分解が進行するため、電池のサイクル寿命を著しく低下させる。本発明では、鋭意研究を重ねた結果、ある特定の放電深度領域に制御することで、容量維持率を高く保持されることが明らかとなった。
つまり、本発明では、完全に放電させることはなく、一定程度放電された時点で放電をやめて充電に切り替える。本発明のように、正極活物質としてリチウム非含有遷移金属硫化物を使用する非水二次電池においては、放電深度は小さすぎても大きすぎても充放電サイクル特性は悪化する。つまり、放電深度が小さいほど充放電サイクル特性が向上するわけではない。このため、具体的には、充放電サイクルにおける放電深度は70~90%、好ましくは71~87%、より好ましくは72~80%である。
上記した放電深度について、さらに詳細に説明すると、リチウム非含有遷移金属硫化物がVSである場合に、
VS+xLi→LiVS
で示される放電反応において、x=5.0の場合を放電深度100%として、xが3.50~4.50、特に3.55~4.35、さらには3.60~4.00となるように調整することが好ましい。
具体的な放電制御方法は、特に限定されないが、例えば、同構成及び同型の試験用電気化学セル(リチウム二次電池)を複数用意し、1つのセルを用いて、想定される放電反応に従った試験を行い、その放電末状態での放電容量を放電深度100%の容量とする。この値をもとに、実際に放電深度制御を行う電気化学セルにおいて、セルの容量をモニターしながら、設定した放電深度の容量値に達するまで放電を行うことで放電深度制御を行う。
本願発明は、充放電サイクル時の放電深度を制御するものであるが、充放電サイクル時の充電深度については特に制限はなく、当該非水二次電池が有する容量を最大限活用しつつ、充放電サイクル特性を向上させやすいため、70~100%が好ましく、80~100%がより好ましく、90~100%がさらに好ましい。
また、充放電サイクル時の充放電レートについては特に制限はなく、当該非水二次電池が有する容量を最大限活用しつつ、充放電サイクル特性を向上させやすい電流密度であれば特に限定されないが、例えば0.05~5C程度の範囲を用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されないことは言うまでもない。
合成例1:バナジウム硫化物(正極活物質)の合成
市販の硫化バナジウム(III)(V;(株)高純度化学研究所製)及び硫黄(富士フイルム和光純薬(株)製)を、モル比が1:6となるよう、アルゴンガス雰囲気のグローブボックス内(露点-80℃)で秤量し、真空中にてガラス管内に封管を行った。真空封管した試料を管状炉にて400℃で5時間焼成を行った。焼成した試料を真空中にて200℃で8時間焼成することで、余剰硫黄を脱硫し、結晶性バナジウム硫化物VS(c-VS)を合成した。
次に、得られた結晶性VS(c-VS)を、アルゴンガス雰囲気のグローブボックス内(露点-80℃)で、ボールミル装置(フリッチュ製PL-7)で40時間メカニカルミリング処理(ボール径4mm、回転数270rpm)を行うことで、低結晶性バナジウム硫化物VS(a-VS)を合成し、正極活物質として使用した。
合成例2:電解液の調製
エチレンカーボネート(EC)及びプロピレンカーボネート(PC)の混合溶媒(EC:PC=50:50(体積比))に、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)を濃度が1.0mol/L(体積は溶媒基準)となるように添加し、さらに、フルオロエチレンカーボネート(FEC)を混合溶媒100質量部に対して1.0質量部及び1,3,2-ジオキサチオラン2,2-ジオキシド(DOTL)を混合溶媒100質量部に対して1.0質量部添加し、実施例及び比較例で使用した非水二次電池用電解液を得た。
試験用電気化学セル(リチウム二次電池)の作製
合成例1で得たVS粉末を正極活物質として用い、合成例2で得た非水二次電池用電解液を用いて、以下の方法で試験用電気化学セル(リチウム二次電池)を作製した。試験用電気化学セルの作製方法としては、まず、作用極(正極)は、合成例1で得たVS粉末10mgに対して、ケッチェンブラック1mg及び結着材であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)1mgを加え、乳鉢で8分間混合した後、アルミニウムメッシュに張り付けることで作製した。対極(負極)としてはリチウム金属を用いた。セパレータとしてはポリプロピレンを用いた。
実施例1~5及び比較例1~3
作製した試験用電気化学セル(リチウム二次電池)を用い、以下の条件で充放電試験を行った。25℃において、充放電レート:0.1C(1C=747mA/g)で、充電深度は100%、放電深度は69~100%の範囲で電圧範囲を設定し、サイクル間の休止時間10分として、定電流充放電測定を100サイクル行った。具体的には、放電時のセル容量をモニターし、設定した放電深度の容量まで放電試験を行った。放電の条件(放電深度(%)と、その放電深度に対応した、放電反応VS+xLi→LiVSにおけるxの値)と充放電サイクル特性の結果(容量維持率)を表1に示す。表1に示すように、本発明である放電深度を適正制御した充放電サイクルを行うことで、容量維持率の低下が抑制されて、電池の長寿命化を実現できることが確認された。
Figure 2022076868000008
本発明の非水二次電池用電解液及びそれを用いた非水二次電池は、公知の各種の用途に用いることが可能である。具体例としては、例えば、ノートパソコン、携帯電話、電気自動車、負荷平準化用電源、自然エネルギー貯蔵電源等が挙げられる。

Claims (12)

  1. 正極活物質としてリチウム非含有遷移金属硫化物を使用する非水二次電池の放電方法であって、
    充放電サイクル時における放電深度を70~90%とする、放電方法。
  2. 前記リチウム非含有遷移金属硫化物が、バナジウム硫化物、モリブデン硫化物及び鉄硫化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の放電方法。
  3. 前記リチウム非含有遷移金属硫化物がVSである場合に、
    VS+xLi⇔LiVS
    で示される充放電反応において、x=5.0の場合を充電深度100%として、xが3.50~4.50となるように調整する、請求項1又は2に記載の放電方法。
  4. 前記非水二次電池が、さらに、電解液を含有し、
    前記電解液は、環状カーボネート化合物を含む有機溶媒を含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の放電方法。
  5. 前記環状カーボネート化合物が、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)及びブチレンカーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項4に記載の放電方法。
  6. 前記有機溶媒の総量を100体積%として、前記環状カーボネート化合物の含有量が80~100体積%であり、鎖状カーボネート化合物の含有量が0~20体積%である、請求項4又は5に記載の放電方法。
  7. 前記鎖状カーボネート化合物が、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)及びメチルプロピルカーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項6に記載の放電方法。
  8. 前記電解液が、さらに、リチウム塩を含有する、請求項4~7のいずれか1項に記載の放電方法。
  9. 前記リチウム塩が、スルホニル基を有する有機リチウム塩、無機リチウム塩及びホウ素原子を有する有機リチウム塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項8に記載の放電方法。
  10. 前記リチウム塩が、リチウムトリフルオロメタンスルホネート(LiCFSO)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(Li(CSON)、リチウムヘキサフルオロフォスファート(LiPF)、リチウムテトラフルオロボレート(LiBF)、リチウムヘキサフルオロアルセナート(LiAsF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、リチウムビス(オキサレート)ボレート(LiBOB)、リチウムオキサレートジフルオロボレート(LiBF(C))、及びリチウムビス(マロネート)ボレート(LiB(C)よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項8又は9に記載の放電方法。
  11. 前記電解液中の前記リチウム塩の濃度が、0.3~2.0mol/Lである、請求項8~10のいずれか1項に記載の放電方法。
  12. 前記非水二次電池がリチウムイオン二次電池である、請求項1~11のいずれか1項に記載の放電方法。
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