以下本発明の実施の形態を図1~図25に基づいて説明する。
図1は本発明に係る搬送装置の簡略ブロック図を示し、この搬送装置は、図2に示すように、ローダ10とアンローダ11との間の供給ポジションQにローダ10から各被供給部材Sを搬送し、ワーク搭載が完了した被供給部材Sをアンローダ11へ搬出するものである。すなわち、グレードが相違する複数種のワークW(図27参照)をグレード毎に被供給部材Sの被供給部位Sa(図28参照)に供給するために、各被供給部材Sを供給ポジションQ(図28参照)に順次搬送するものである。ここで、ワークWとしては、図27に示すように、ウェハ(ワーク集合体)26から切り出されるチップ21であり、このウェハ26のチップ21には複数種のグレードを有する。この実施形態では、3種類のグレードを有し、この3種類のグレードを、第1グレードと第2グレードと第3グレードと呼ぶ。また、1枚のウェハ26においては、第1グレードが多く、第2グレード及び第3グレードが少ない。この場合、第2グレードが第3グレードよりも多くても、第3グレードが第2グレードよりも多くても、第2グレードと第3グレードとが同数であってもよい。
被供給部材Sとは、リードフレームなどの基板22であり、被供給部位Saとは、基板22上のアイランド部22aであり、各アイランド部22aにチップ21がボンディングされる。この際、図28に示すようなボンディング装置が用いられる。このようなボンディング装置は、ウェハ26から切り出されるチップ(半導体チップ)21をピックアップポジションPにてコレット(吸着コレット)23でピックアップして、リードフレームなどの基板22のボンディングポジションQに移送(搭載)するものである。ウェハ26は、金属製のリング(ウェハリング)に張設されたウェハシート(粘着シート25)上に粘着されており、ダイシング工程によって、多数のチップ21に分断(分割)される。
コレット23は、図28に示すように、ピックアップポジションP上での矢印A方向の上昇および矢印B方向の下降と、ボンディングポジションQ上での矢印C方向の上昇および矢印D方向の下降と、ピックアップポジションPとボンディングポジションQとの間の矢印E、F方向の往復動とが可能とされる。コレット23は、図示省略のボンディングヘッドに付設され、このボンディングヘッドはボンディングアーム(図示省略)に付設される。そこで、このボンディングアームが図示省略の制御手段にて制御されて、コレット23が前記矢印A、B、C、D、E、Fの移動が制御される。制御手段は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を中心としてROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等がバスを介して相互に接続されたマイクロコンピューターである。なお、ROMには、CPUが実行するプログラムやデータが格納されている。
この搬送装置は、図1と図2に示すように、ローダ10とアンローダ11との間の供給ポジションQに配置されるシャトル30と、被供給部材Sをローダ10側から供給ポジションQのシャトル30に搬送する上流側搬送機構31と、供給ポジションQとアンローダ11との間に配置される待機機構32と、供給ポジションQのシャトル30から待機機構32への被供給部材を搬送及び待機機構32からの供給ポジションQのシャトル30への被供給部材Sの戻しが可能な下流側搬送機構33と、ワークWの搭載が完了した被供給部材Sを、待機機構32からアンローダ11へ搬出する搬出機構34とを備える。
シャトル30には、加熱機構38及び吸着機構39が付設されている。すなわち、シャトル30は、図3に示すように、平板形状のシャトル本体30aと、このシャトル本体30aの上面に載置固定される副プレート30bとからなる。加熱機構38は、例えば、シャトル30に内蔵される電熱線と、この電熱線を加熱するための電源等とで構成することができるが、これに限るものではなく、蒸気を用いたものであっても、誘導加熱を用いたものであってもよい。すなわち、被供給部材Sとして加熱を必要とし、かつ、その加熱方法が被供給部材SやワークWに悪影響を与えないものであればよい。また、吸着機構39は、例えば、シャトル30に配設される吸引通路29と、この吸引通路に接続される真空発生器(図示省略)とで構成され、吸引通路29は、シャトル30の副プレート30bの上面(平坦面)28に開口する複数個の吸着口29aが形成されている。この場合、吸着口29aは上面28の全面にわたって配設され、被供給部材Sを全面吸着する。なお、真空発生器としては、真空ポンプを用いるものであっても、高圧空気を開閉制御してノズルよりディフューザに放出して拡散室に負圧を発生させるエジェクタ方式のものであってもよい。
この場合、シャトル30のシャトル本体30aの長手方向寸法(搬送方向寸法)を副プレート30bの長手方向寸法(搬送方向寸法)よりも長く設定している。すなわちシャトル本体30aの長手方向寸法(搬送方向寸法)をL1とし、副プレート30bの長手方向寸法(搬送方向寸法)をL2とし、基板22の長手方向寸法(搬送方向寸法)をLとしたときに、L1>L2とされ、L>L2とされ、L≒L1とされる。
ローダ10は、第1グレード用の被供給部材S(基板22A)を収納する第1ローダ10Aと、第2グレード用の被供給部材S(基板22B)を収納する第2ローダ10Bと、第3グレード用の被供給部材S(基板22C)を収納する第3ローダ10Bとを備える。そして、ローダ10は、被供給部材Sの搬送路T(ローダ10からアンローダ11を結ぶ直線方向の搬送路)と直交方向の矢印Y方向の往復動及びZ方向の往復動(上下動)が可能となっている。すなわち、これらの往復動には、シリンダ機構、ボールねじ機構、リニアガイド機構等の公知・公用の往復動機構を用いることができる。各第1・第2・第3ローダ10A,10B,10Cは、搬送路T上に配置された状態で、上下動させて所望の一の被供給部材Sが所定高さ位置に位置した際に、この被供給部材Sを図示省略のプッシャにて押圧して、図2に示すように、ローダ10から押し出すことができる。
アンローダ11は、第1グレード用の被供給部材S(基板22A)を収納する第1アンローダ11Aと、第2グレード用の被供給部材S(基板22B)を収納する第2アンローダ11Bと、第3グレード用の被供給部材S(基板22C)を収納する第3アンローダ11Bとを備える。そして、アンローダ11は、被供給部材Sの搬送路T(ローダ10からアンローダ11を結ぶ直線方向の搬送路)と直交方向の矢印Y方向の往復動及び矢印Z方向の往復動(上下動)が可能となっている。すなわち、これらの往復動には、シリンダ機構、ボールねじ機構、リニアガイド機構等の公知・公用の往復動機構を用いることができる。各第1・第2・第3アンローダ11A,11B,11Cは、搬送路T上に配置された状態で、上下動させて所望の一の被供給部材Sが所定高さ位置に位置した際に、被供給部材Sが待機機構32から搬出機構34にて押圧されることによって、被供給部材Sはアンローダ11に収納される。
また、ローダ10とアンローダ11とを結ぶ搬送路Tには、上流側(ローダ側)から、上流側ステージ41と、予熱ステージ42と、供給ポジションQに配置されているシャトル30と、待機機構32とが配設されている。
上流側ステージ41は、ローダ10から送出された被供給部材Sを受けるものであって、いわゆる幅寄せや高さ検出等が行われる。この場合、ローダ10から、例えば、図2に示すように、被供給部材Sの下流端部が突出した頭出し状態において、後述する送出機構48にて引き出される。その後、幅寄せや高さ検出等が行われることになる。
ステージ41は、ステージ本体41aと、このステージ本体41a上に配設(配置)された副プレート41bとからなる。この場合、副プレート41bの長手方向寸法(搬送方向寸法)がステージ本体41aの長手方向寸法(搬送方向寸法)よりも短く設定されている。すなわち、ステージ本体41aの長手方向寸法(搬送方向寸法)をL3とし、副プレート41bの長手方向寸法(搬送方向寸法)をL4としたときに、L3>L4とし、また、基板22の長手方向寸法(搬送方向寸法)をLとしたときに、L>L2とし、L≒L4としている。
予熱ステージ42は、予熱ステージ本体42aとこの予熱ステージ本体42a上に配設される副プレート42bとを備える。予熱ステージ42は、シャトル30と同様の加熱機構38からなる予熱機構43(図1参照)及び図示省略の吸着手段が設けられている。すなわち、予熱ステージ42に電熱線等が埋設される。このため、予熱ステージ42に搬送された被供給部材Sに予熱が付与される。ここで、予熱とは、シャトル30にて加熱される程度乃至この加熱温度よりも所定温度だけ低い温度であって、この予熱ステージ42からシャトル30に搬送した場合に、ただちに所定の加熱温度に達することができる温度である。また、吸着手段はシャトル30と同様の構成で構成できる。このため、予熱ステージ42に基板22が搬送された際には、予熱ステージ42の上面40(副プレート42bの上面)に基板22を吸着することができる。
この場合、予熱ステージ本体42aの長手方向寸法(搬送方向寸法)を副プレート42bの長手方向寸法(搬送方向寸法)よりも長く設定している。すなわち予熱ステージ本体42aの長手方向寸法(搬送方向寸法)をL5とし、副プレート42bの長手方向寸法(搬送方向寸法)をL6とし、基板22の長手方向寸法(搬送方向寸法)をLとしたときに、L5>L6とされ、L>L6とされ、L≒L5とされる。
供給ポジションQには、シャトル30が配置され、このシャトル30が図1に示すシャトル往復動機構45を介して搬送路Tに沿った矢印X方向の往復動が可能とされる。すなわち、図2に示すように、予熱ステージ42側に配置される被供給部材Sの受け取り可能ポジションと待機機構32側に配設される被供給部材Sの排出可能ポジションとの往復が可能とされる。シャトル往復動機構45には、シリンダ機構、ボールねじ機構、リニアガイド機構等の公知・公用の往復動機構を用いることができる。
待機機構32は、複数個の被供給部材Sを上下に収納する収納棚46と、この収納棚46を昇降させる昇降機構47とを備える。所定高さ位置に上昇させた被供給部材Sを搬出機構34にてアンローダ11に押し込むことができる。昇降機構47としては、エレベータ構造体を用いることができる。また、搬出機構34は、シリンダ機構、ボールねじ機構、リニアガイド機構等の公知・公用の往復動機構と、被供給部材Sに当接乃至挾持する基板押圧部とで構成できる。
ところで、前記上流側搬送機構31、待機機構32、下流側搬送機構33、搬出機構34、加熱機構38、吸着機構39、予熱機構43、シャトル往復動機構45、及び送出機構48等は、図1に示す制御手段50にて制御される。制御手段50としては、前記ボンディング装置と同様、例えば、CPU(Central Processing Unit)を中心としてROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等がバスを介して相互に接続されたマイクロコンピューターである。なお、ROMには、CPUが実行するプログラムやデータが格納されている。このため、この制御手段50でもって、ボンディング装置の制御手段を構成してもよい。
搬送機構31,33は、図3及び図4に示すに示すように、被供給部材Sの上流端をチャックする第1チャック部材51と、被供給部材Sの下流端をチャックする第2チャック部材52とを備える。そして、図3と図7に示すように、第1チャック部材51は、第1上下動機構54にて矢印Z1方向に上下動し、第1水平方向移動機構55にて水平方向に沿って矢印X1方向に往復動する。また、第1チャック部材52は、第2上下動機構56にて矢印Z1方向に上下動し、第2水平方向移動機構57にて水平方向に沿って矢印X1方向に往復動する。また、上下動機構54,56および移動機構55,57もシリンダ機構、ボールねじ機構、リニアガイド機構等の公知・公用の往復動機構で構成できる。
各チャック部材51、52は、被供給部材の下面側を受ける受け部51a、52aと被供給部材の上面側を押さえる押さえ部51b、52bとを備える。受け部51a、52aと押さえ部51b、52bとの相対的な接近離間が可能とされ、第1チャック部材51が、受け部51aの受け片51a1と押さえ部51bの押さえ片51b1とで被供給部材Sの上流端を挾持し、第2チャック部材52が、受け部52aの受け片52a1と押さえ部52bの押さえ片52b1とで被供給部材Sの下流端を挾持することができる。
受け部51a、52aの受け片51a1、52a1の幅寸法を、押さえ部51b、52bの押さえ片51b1,52b1の幅寸法よりも長く設定している。すなわち、図4に示すように、受け片51a1、52a1の幅寸法をW1とし、押さえ片51b1,52b1の幅寸法をW2としたときに、W1>W2としている。
この場合、図3に示すように、水平方向移動機構55、57にて往復動する基部60a、60bと、この基部60a、60bから突設されるアーム部61a、61bとを有し、アーム部61a、61bに、受け部51a、52aと押さえ部51b、52bとが付設される。そして、押さえ部51b、52bが、押さえ部上下動機構63(図7参照)にてアーム部61a、61bに対して上下動する。また、受け部51a、52aも、受け部上下動機構64(図7参照)にてアーム部61a、61bに対して上下動するように構成してもよい。上下動機構63,64もシリンダ機構、ボールねじ機構、リニアガイド機構等の公知・公用の往復動機構で構成できる。
このため、上流側搬送機構31は、1つの第1チャック部材51と1つの第2チャック部材52とを有する上流側チャック装置M1を備え、下流側搬送機構33は、1つの第1チャック部材51と1つの前記第2チャック部材52とを有する下流側チャック装置M2とを備える。そして、各チャック装置M1、M2は、図8に示すように、上下動機構65および水平方向往復動機構66を有する駆動機構67にて矢印Z方向の上下動及び矢印X方向の水平方向の往復動が可能となっている。駆動機構67の上下動機構65および水平方向往復動機構66としても、シリンダ機構、ボールねじ機構、リニアガイド機構等の公知・公用の往復動機構で構成できる。
これらの第1・第2上下動機構54,56、第1・第2水平方向移動機構55.57、押さえ部上下動機構63、受け部上下動機構64は、図7に示すように、前記制御手段70にて制御され、各チャック装置M1、M2における、上下動機構65および水平方向往復動機構66を有する駆動機構67は制御手段71にて制御される。なお、制御手段70及び制御手段71は、前記制御手段50と同様マイクロコンピューター等にて構成でき、これらの制御手段70,71として、前記制御手段50にて構成することも可能である。
ところで、チャック部材51,52の基本構成は、図4に示すように、それぞれ、一つずつの受け部51a、52aと一つずつの押さえ部51b、52bとを有するものであるが、上流側チャック装置M1の第1チャック部材51に、図5に示すように、上流側に、受け片51c1を有する受け部51c及び押さえ片51d1を有する押さえ部51dを有するチャック部53Aを設けてもよい。また、下流側チャック装置M2の第2チャック部材52に、図6に示すように、下流側に、受け片52c1を有する受け部52c及び押さえ片52d1を有する押さえ部52dを有するチャック部53Bを設けてもよい。
すなわち、第1のチャック部材51のチャック部53Aと、第1のチャック部材51を上下させる上下動機構54と、第1のチャック部材51を水平方向に往復動させる水平方向移動機構57とで、前記送出機構48を構成することも可能である。また、第2のチャック部材53Bと、第2のチャック部材52を上下させる上下動機構54と、第2のチャック部材51を水平方向に往復動させる水平方向移動機構57とで、搬出機構34を構成することも可能である。
次に前記のように構成された搬送装置による搬送方法を図9~図14等を用いて説明する。第1のグレードのチップを搭載する基板22を基板22Aとし、第2のグレードのチップを搭載する基板22を基板22Bとし、第3のグレードのチップを搭載する基板22を基板22Cとする。
まず図11に示すように、ステージ41上に第1グレード用に被供給部材Sとしての基板22Aを搬送する。この場合、上流側チャック装置M1の第1チャック部材51に図5に示すように上流側のチャック部53Aを備えたものであれば、この受け部51cと押さえ部51dとで、ローダ10から頭出しされた基板22Aの下流端をチャックすることができ、このチャック状態で、第1チャック部材51をアンローダ側へ移動させることによって、基板22をステージ41上に搬送することができる。ステージ41上に搬送されてきた基板22に対して、位置合わせ及び高さ検知が行われる。このため、このチャック部53Aと、上下動機構54と水平方向移動機構55とで、送出機構48を構成している。なお、図2では、第2ローダ10Bからの基板22Bの頭出し状態を示している。
そして、図11に示すように、ステージ上に搬送されてステージ上に載置された基板22を上流側チャック装置M1にてチャックする。この場合、図3(a)(b)に示すように、第1チャック部材51にて基板22の上流端をチャック(挾持)し、第2チャック部材52にて基板22の下流端をチャック(挾持)する。
すなわち、図4(a)に示すように、第1チャック部材51と第2チャック部材52とを、基板22の長手方向長さ(長辺)よりも広い間隔として、図4(b)に示すように、第1チャック部材51と第2チャック部材52を下降させる。この場合、副プレート41bの長手方向寸法(搬送方向寸法)がステージ本体41aの長手方向寸法(搬送方向寸法)よりも短く設定されているので、受け片51a1,52a1を副プレート41bよりも下方に位置させるとともに、ステージ本体41aよりも上位に位置させ、また、押え片51b1、52b1を基板22の上面よりも上方に位置させることができる。
この状態で、図4(c)に示すように、第1チャック部材51と第2チャック部材52を接近させ、第1チャック部材51の受け片51a1と押さえ片51b1との間に基板22の上流端部を介在させるとともに、第2チャック部材52の受け片52a1と押さえ片52b1との間に基板22の下流端部を介在させる。その後、第1チャック部材51および第2チャック部材52を上昇させるとともに、押さえ片51b1、52b1を下降させて、図4(d)のように、受け片51a1と押さえ片51b1とで基板22の上流端部を挾持し、受け片52a1と押さえ片52b1とで基板22の下流端部を挾持する。
この図4(d)に示すように、第1チャック部材51と第2チャック部材52とで基板22(22A)をチャックした状態の上流側チャック装置M1を下流側へ搬送して、図12に示すように、予熱ステージ42に搬送する。この場合、上流側チャック装置M1を予熱ステージ上に位置させた後、下降させて、基板22を予熱ステージ42上に載置する。すなわち、第1チャック部材51にて基板22の上流端部を挾持するとともに、第2チャック部材52にて基板22(22A)の下流端部を挾持している状態で、この上流側チャック装置M1を下降させて基板22(22A)を予熱ステージ42上に載置する。
この際、予熱ステージ42の副プレート42bの長手方向寸法(搬送方向寸法)L6が、本体42aの長手方向寸法(搬送方向寸法)L5より短く設定されているので、受け片51a1、52a1が基板22に接触することなく、予熱ステージ42上に載置することができる。その後は、押さえ片51b1,52b1を上昇させて第1チャック部材51と第2チャック部材52とを相対的に離間させた後、このチャック装置M1を上昇させる。これによって、チャック装置M1が予熱ステージ42上に載置された基板22の上方位置にチャック装置M1が配置された状態となる。
そして、予熱ステージ42にて所定予熱温度に加熱された基板22を、供給ポジションQの下流側に位置されたシャトル30に搬送する。この場合、予熱ステージ42上の基板22は、図4に示す工程を行うことで、上流側チャック装置M1にてチャックできる。このため、基板22をチャックした状態で、図13に示すように、上流側チャック装置M1をアンローダ11側へ移動させる。この場合、シャトル30は、ローダ側に位置させて、上流側チャック装置M1を上昇させた状態で、アンローダ側へ搬送し、上流側チャック装置M1をシャトル30上方に位置させる。
すなわち、図3(a)に示す状態であるシャトル30上方に位置させる。その後、上流側チャック装置M1を下降させて、基板22をシャトル30の上面、すなわち、副プレート30bの上面30b1に載置する。この際、副プレート30bの長手方向寸法(搬送方向寸法)L1を、シャトル本体30aの長手方向寸法L(搬送方向寸法)よりも短く設定している。このため、上流側チャック装置M1の両チャック部材51,52の受け片51a1、52a1が副プレート30bに接触することなく、図3(b)に示すように、基板22をシャトル30の上面に載置することができる。このように、載置する際には、チャック部材51,52を相対的に離間する方向に水平移動させる。これによって、基板22に対して、長手方向の張力を付与し、この張力付与状態で、シャトル30は基板22を全面吸着する。
シャトル30に基板22が吸着されれば、上流側チャック装置M1を基板22から離間させる。すなわち、予熱ステージ42に載置された状態から上流側チャック装置M1を離間させる工程と同様の工程を行うことによって、シャトル30に吸着保持された基板22の上方位置に上流側チャック装置M1が配置された状態となる。その後は、上流側チャック装置M1が上流側に戻る。
そして、シャトル30に吸着保持された基板22は加熱されて、この基板22のアイランド部22aにワークWとしてのチップ21がボンディングされる。この状態で、図9に示すように、第1グレードのチップ21のボンディングを開始する(ステップS1)。その後、ステップS2へ移行して、第1グレードのチップ21の搭載が完了したか否かを判断する(この場合、基板22Aへのチップの搭載が完了したか否かを判断する)。ステップS2で完了していれば、ステップS3へ移行して、第2グレードのチップ21のボンディングを開始する。この際、第1グレードのチップ21の搭載が完了した基板22Aを、待機機構32へ図14に示すように下流側チャック装置M2にて搬送する。
ボンディング工程は、搬送方向(長手方向)と直交する方向の一列のアイランド部22a(図10参照)へのボンディングが完了した後に、このボンディングしている基板22を受けているシャトル30を下流側へ所定量だけシャトル往復動機構45を介して移動させて、次の一列のアイランド部22aへのボンディングを可能とする。
下流側チャック装置M2も上流側チャック装置M1と同一構成であるので、ボンディングによって、下流側に位置するシャトル30の上方位置に下流側チャック装置M2を位置させる。すなわち、図4(a)に示す状態とする。その後は、図4(b)から図4(d)に示す工程を行うことによって、下流側チャック装置M2にて、第1のグレードのチップの搭載が完了した基板22Aをチャックすることができる。そして、下流側チャック装置M2にてこの基板22Aを図13に示すように、待機機構32に搬送できる。
ところで、下流側チャック装置M2として、図6に示すように、第2チャック部材52の下流側に、ローダ側チャック部53Aとを有するものを用いれば、このチャック部53Aで基板22Aの上流端部をチャックして、アンローダ11へ押し込むことができる。すなわち、下流側チャック装置M2の第2チャック部材52のチャック部53Bと、この第2チャック部材52を上下動させる上下動機構54と、水平移動機構55とで、搬出機構34を構成でき、これによって、アンローダ11へ基板22Aを排出することができる。
ステップS2で完了していなければ、ステップS4へ移行する。ステップS4では、第1グレードのチップ21がウェハ26に残っているか否かを判断する(残があるか否かを判断する)。残があれば、ステップS2へ戻り、第1グレードのチップ21のボンディングを続行する。ステップS4で、残が無ければ、第1グレード用の基板22Aを待機機構32に搬送して第1グレード用の基板22を退避状態とする。(ステップS5)。
この場合、第1のクレード用の基板22Aへのボンディング中、上流側チャック装置M1を用いて、予熱ステージ42に第2のグレード用の基板22Bを搬送しておき、この基板22Bに予熱を付与しておく。そして、空の状態となって上流側に位置しているシャトル30にこの基板22Bを搬送して、シャトル30の上面に基板22Bが全面吸着される状態とする。これによって、第2のグレードのチップ21を第2グレード用の基板22Bに搭載していくことができる。
第2グレードのチップ21のボンディングを開始すれば、ステップS6へ移行して、第2グレードのチップ21の搭載が完了したか否かが判断される。完了していれば、図6のステップS7へ移行する。すなわち、この搭載が完了した基板22Bを下流側チャック装置M2を用いて、待機機構32に搬送し、その後、アンローダ11へ搬出する。
ステップS6で完了していなければ、ステップS8へ移行する。ステップS8では、第2グレードのチップ21がウェハ26に残っているか否かを判断する(残がある否かを判断する)。残があれば、ステップS6へ戻り、第2グレードのチップ21のボンディングを続行する。ステップS8で、残が無ければ、第2グレード用の基板22Bを退避状態とする。すなわち、基板22Bを待機機構32に搬送する。
ステップS7では、第3のグレードのチップ21を第3のグレード用の基板22Cに対して、ボンディングを開始する。この場合、第2のグレードのチップ21を第2のグレード用の基板22Bのボンディング中、上流側チャック装置M1を用いて、予熱ステージ42に第2のグレード用の基板22Cを搬送しておき、この基板22Cに予熱を付与しておく。そして、空の状態となって上流側に位置しているシャトル30にこの基板22Cを搬送して、シャトル30の上面に基板22Cが全面吸着される状態とする。これによって、第3のグレードのチップ21を第3グレード用の基板22Cに搭載していくことができる。
第3のグレードのチップ21のボンディングを開始した後は、ステップS11へ移行して、第3グレードのチップ21の搭載が完了したか否かが判断される。完了していれば、ステップS12へ移行する。この際、この基板22Cをアンローダ11へ搬送(排出)する。ステップS11で搭載が完了していれば、ステップS12へ移行して、この作業を終了するか否かが判断され、終了する場合は終了し、終了しない場合は図9のステップS1に戻る。
ステップS11で搭載が完了していなければ、ステップS13へ移行して、第3グレードのチップ21がウェハ26に残っているか否かを判断する(残があるか否かを判断する)。残があれば、ステップS11へ戻り、第3グレードのチップ21のボンディングを続行する。ステップS13で、残が無ければ、ステップS14へ移行して、ウェハ26のすべてのチップ21がピックアップされたか否かが判断される。全てのチップ21がピックアップされた場合、ステップS15へ移行して、ピックアップポジションのウェハ26を交換して、図5のステップS1に移行する。
ステップS14で、全てのチップ21がピックアップされていない場合、ステップS16へ移行して、残っているチップ21をピックアップして、ボンディングすることになる。この場合、第1グレードのチップ21が残っていれば、待機機構32に待機していた第1グレード用の基板22Aがシャトル30に戻され、第1グレードのチップ21をボンディングすることになる。第2グレードのチップ21が残っていれば、待機機構32に待機していた第2グレード用の基板22Bがシャトル30に戻され、第2グレードのチップ21をボンディングすることになる。第3グレードのチップ21が残っていれば、待機機構32に待機していた第3グレード用の基板22Cがシャトル30に戻され、第3グレードのチップ21をボンディングすることになる。全てのチップ21がピックアップされるまで、ボンディング作業を行うことになる。
このように、グレードが相違するチップ21を、この搭載すべき基板22A,22B,22Cに順次ボンディングしていくことができ、しかも、搭載が完了した基板22A,22B,を下流側のアンローダ11へ搬出していくことができる。
本発明の搬送装置では、被供給部材Sをローダ側から供給ポジションQのシャトル30に搬送することができる。このため、この被供給部材Sの被供給部位SaにワークWを供給していくことができる。そして、ワークWの搭載が完了した被供給部材Sを、待機機構32を介してアンローダ11へ搬出することができる。
また、被供給部材SへのワークWの搭載完了前にワーク供給源の供給すべきグレードのワークWが無くなれば、この被供給部材SをシャトルSから待機機構32に搬送し、空の状態となった供給ポジションQへ他のグレード用の被供給部材Sを搬送するこができる。このため、この他のグレードのワークWを被供給部材Sに供給することができる。そして、ワークWの搭載が完了した被供給部材Sを、待機機構32を介してアンローダ11へ搬出することができる。
そして、ワーク供給源の全ワークが無くなれば、ワーク供給源に新しいワークWを供給することになる。このため、待機機構32に待機していた、ワークWの搭載が完了していない被供給部材Sを、再度、供給ポジションQのシャトル30に戻すことができる。このように供給ポジションQに戻った被供給部材Sの残りの被供給部位SaにワークWを供給することができる。
このため、本発明では、ワーク供給源(ワーク集合体)におけるグレード毎のワークの残数、被供給部材の被供給部位残数情報を活用でき、搬送ロスの軽減を図ることが可能となる。ワークのグレードが1種類であっても、複数種であっても対応でき、生産効率の向上を図ることができる。また、搬送路Tとして比較的短く設計でき、装置のコンパクト化を図ることができる。
供給ポジションQ内において、ローダ10とアンローダ11との間の搬送方向のシャトル30の往復動を行うシャトル往復動機構45を備えたものが好ましい。このように構成すれば、供給ポジションQ内においてシャトル30を上流側に配置した状態で、ローダ10からの被供給部材Sを受けることができる。このため、被供給部材Sの被供給部位Saへのワーク供給時に、例えば、被供給部材Sの搬送方向と直交する方向に沿ってワークWを供給し、一列に配設される複数個の被供給部位Sへのワーク供給が完了後、シャトル30を下流側へ所定ピッチ移動させて、次の列の複数個の被供給部位SへのワークWを供給することができる。この動作を行うことによって、被供給部材Sの全被供給部位へワークWを供給することがでる。しかも、ワークWの供給が完了すれば、シャトルSは下流側に位置することになり、アンローダ側へ迅速に搬出することができる。
待機機構32は、複数個の被供給部材Sを上下に収納する収納棚46と、この収納棚46を昇降させる昇降機構47とを備えたもので構成できる。このように構成することによって、複数個の被供給部材Sを収納棚46にコンパクトに収納でき、しかも、昇降機構47にて、被供給部材Sを上昇させることができ、収納棚46から被供給部材Sを搬出させる可能な高さに位置させることが可能となる。
上流側搬送機構31は、被供給部材Sをチャックする一対のチャック部材51,52と、チャック部材51,52の上下動を行う上下動機構54,56と、ローダ10とアンローダ11との間の搬送方向のチャック部材51,52の往復動を行う往復動機構55,57とを備えたものが好ましい。このように構成することによって、供給ポジションQに被供給部材Sを搬送しようとする場合に、この被供給部材Sよりも上流側で供給ポジションQに別の被供給部材Sが配置されていても、搬送しようとする被供給部材Sをこの別の被供給部材Sを越えて供給ポジションに搬送することができる。
ローダ10から被供給部材Sを送出する送出機構48を有し、ローダ10から送出された被供給部材Sを受けるステージ41を備えたものであってもよい。このようなものを備えることによって、ローダ10から安定して被供給部材Sを送出することができる。また、被供給部材Sを上流側搬送機構31にて、ステージ41に搬送することになるが、この場合、ステージ41上に被供給部材Sが受けられた状態であるので、被供給部材Sは安定した姿勢及び位置を維持することができ、上流側搬送機構31によるこのステージ41上におけるチャックが容易となる。
シャトル30は被供給部材Sを全面吸着する吸着機構39を有するものが好ましい。ここで、全面吸着することによって、被供給部材Sが薄肉であっても変形させることなく平面状に保持することができ、この被供給部材SへのワークWの供給作業が安定する。
シャトル30は被供給部材Sを加熱する加熱機構38を有するものとすることができる。このように加熱機構38を有するものでは、被供給部材Sを加熱することができ、ワークWを被供給部材Sに接着剤を介して接着する場合、迅速にかつ安定して接着することができる。
供給ポジションQよりもローダ側に被供給部材Sに予熱を付与する予熱ステージ42を設けてもよい。このように予熱ステージ42を設けることによって、ワーク供給時に迅速に被供給部材Sを所定温度に加熱することができ、作業時間の短縮化を図ることができる。
本発明のダイボンダでは、前記搬送装置を用いて、ボンディングポジションに基板22が搬送される。この場合、ワークWとしてのチップ21に複数種のグレードを有しても、各グレードのチップ21をそのグレードのチップ21がボンディングされるべき基板22に、順次チップをボンディングしていくことができる。
本発明の搬送方法によれば、被供給部材Sに供給すべきグレードのワークを被供給部材Sに供給でき、被供給部材S上に全てワークWの搭載が完了した後は、搭載が完了した被供給部材Sを下流側のアンローダ11へ搬出することができる。また、被供給部材SへのワークWの搭載完了前にワーク供給源の供給すべきグレードのワークWが無くなれば、この被供給部材Sをシャトル30から待機ポジションに搬送し、空の状態となった供給ポジションQへ他の被供給部材Sを搬送するので、この被供給部材Sに対してワークWを供給することができる。
ワーク供給源に供給すべきグレードのワークWが供給された状態で、待機ポジション(待機機構32)に待機させていた被供給部材Sを供給ポジションQに戻して、戻した被供給部材Sの被供給部位Saに供給すべきグレードのワークWを供給することができる。このように構成することによって、効率のよい搬送を行うことができる。
前記実施形態では、第1チャック部材51にて被供給部材Sの上流端をチャックし、第2チャック部材52にて、被供給部材Sの下流端をチャックすることによって、被供給部材Sを保持することができる。そして、この保持状態で、第1チャック部材51と第2チャック部材52との一体状の上下動及び水平方向往復動が可能であるので、被供給部材Sを持ち上げた状態で、水平方向に沿って往復動させることができる。このため、搬送レールを用いることなく、基板22を所定の位置まで搬送することができる。また、各チャック部材51,52は上下動及び水平方向往復動が可能であるで、種々のサイズの被供給部材Sに対応することができる。
受け部51a,52aの受け片51a1,52a1の幅寸法W1を押さえ部51b、52bの押さえ片51b1、52b2の幅寸法W2よりも長く設定することができる。これによって、安定して被供給部材Sを受けることができる。
第1チャック部材51にて被供給部材Sの上流端を挾持するとともに、第2チャック部材52にて被供給部材Sの下流端を挾持した状態での被供給部材Sへのテンションの付与を可能とするのが好ましい。このようにテンション付与することによって、押さえ機構を用いることなく、被供給部材Sの反りや撓みを矯正することができる。
上流側チャック装置M1と下流側チャック装置M2を備えたものであれば、上流側チャック装置M1にてローダ10からの被供給部材Sをローダ10とアンローダ11との間の所定部位(例えば、ポンディングポジション)に搬送でき、この部位にて、被供給部材Sに対して所定の動作(例えば、チップを搭載するマウント動作)を行い、この動作終了後に、動作が完了した被供給部材Sを下流側チャック装置M2でアンローダ側へ搬送できる。このため、効率のよい搬送作業を行うことができる。
上流側チャック装置M1の第1チャック部材51にローダ側チャック部53Aを設けたものでは、第1チャック部材51は上下動及び水平方向の往復動が可能であるので、このチャック部53Aにて被供給部材Sの下流端を挾持すれば、ローダ10に収納されている被供給部材Sを引き出すことができる。
下流側チャック装置M2の第2チャック部材52に、アンローダ側チャック部53Bを設けたものでは、第2チャック部材52は上下動及び水平方向の往復動が可能であるので、このチャック部53Bにて被供給部材Sの上流端を挾持すれば、被供給部材Sをアンローダ11に押し込むことができる。
実施形態のダイボンダによれば、搬送レールを用いることなく、基板22を所定の位置まで搬送することができる。また、各チャック部材51,52は上下動及び水平方向往復動が可能であるで、種々のサイズの被供給部材に対応することができる。すなわち、搬送レールを用いることなく、被供給部材Sである基板22を所定の位置まで搬送することができるので、いわゆる「こぜ」を生じさせず、安定した搬送を行うことができ、基板22に擦れ等が生じて基板が損傷するおそれもない。さらに、種々のサイズの基板に対応でき、汎用性に優れる。
図15及び図16は、他の実施形態を示し、この場合、待機機構32をアンローダ11側に配置せずに、ローダ10側に配置している。そして、待機機構32の下流側に予熱ステージ42を配置し、この予熱ステージ42の下方に、シャトル30の待機(退避)スペースが設けられる。ローダ10は、第1ローダ10A、第2ローダ10B、及び第3ローダ10Cに加え、第4のグレード用の基板22Dを収納する第4ローダ10Dを備えている。このため、アンローダ11は、第1アンローダ11A、第2アンローダ11B、及び第3アンローダ11Cに加え、第4のグレード用の基板22Dを収納する第4アンローダ11Dを備えている。
この場合の上流側搬送機構31は、図19に示すように、被供給部材Sの一方の側辺部(長辺側)をチャックする第3チャック部材81と、被供給部材Sの他方の側縁部(長辺側)をチャックする第4チャック部材82とを備える。そして、図17と図19に示すように、第3チャック部材81は、第3上下動機構84にて矢印Z1方向に上下動し、第3水平方向移動機構85にて水平方向に沿って矢印Y1方向に往復動する。また、第4チャック部材52は、第4上下動機構86にて矢印Z1方向に上下動し、第4水平方向移動機構87にて水平方向に沿って矢印Y1方向に往復動する。また、上下動機構84,86および移動機構85,87もシリンダ機構、ボールねじ機構、リニアガイド機構等の公知・公用の往復動機構で構成できる。
各チャック部材81、82は、被供給部材の下面側を受ける受け部81a、82aと被供給部材の上面側を押さえる押さえ部81b、82bとを備える。受け部81a、82aと押さえ部81b、82bとの相対的な接近離間が可能とされ、第3チャック部材81が、受け部81aの受け片81a1と押さえ部81bの押さえ片81b1とで被供給部材Sの一方の側辺部を挾持し、第4チャック部材82が、受け部82aの受け片82a1と押さえ部82bの押さえ片82b1とで被供給部材Sの他方の側辺部を挾持することができる。
受け部81a、82aの受け片81a1、82a1の幅寸法を、押さえ部81b、82bの押さえ片81b1,82b1の幅寸法よりも長く設定している。すなわち、図19に示すように、受け片81a1、82a1の幅寸法をW3とし、押さえ片81b1,82b1の幅寸法をW4としたときに、W4>W3としている。
この場合、押さえ部81b、82bが、押さえ部上下動機構75を介して矢印Z2に示すように上下動する。また、受け部81a、82aも、受け部上下動機構76を介して上下動するように構成している。上下動機構75,76もシリンダ機構、ボールねじ機構、リニアガイド機構等の公知・公用の往復動機構で構成できる。
また、各チャック部材81、82を備えたチャック装置M3は、図18に示すように、
上下動機構90および水平方向往復動機構91を有する駆動機構92にて矢印Z方向の上下動及び矢印X方向の水平方向の往復動が可能となっている。駆動機構92の上下動機構90および水平方向往復動機構91としても、シリンダ機構、ボールねじ機構、リニアガイド機構等の公知・公用の往復動機構で構成できる。
この上流側搬送機構31は、図16に示すようにローダ10から押し出された基板22をチャックして、待機機構32の上部に配設された上流側ステージ94上には搬送することができる。すなわち、基板22の各側辺部が第3・第4チャック部材81,82の受け片81a1、82a1と押さえ片81b1、82b1とで挾持され、上流側ステージ94上に搬送され、ここで、例えば、クリーニング等が行われる。この場合、上流側ステージ94の幅寸法H1が基板22の幅寸法Hよりも小さく設定され、第3・第4チャック部材81,82のチャック動作及チャック解除動作時にこの上流側ステージ94が邪魔にならない。
また、予熱ステージ42は前記実施形態と同様、予熱ステージ本体42aとこの予熱ステージ本体42a上に配設される副プレート42bとを備える。この場合、図19に示すように、副プレート42bの幅寸法H2を基板22の幅寸法Hよりも小さくしている。そして、図19に示すように、第3チャック部材81と第4チャック部材82とを最接近させた状態で、受け片81a1、82a1が副プレート42bに接触しないとともに、基板22の側辺部の下方に位置する状態とすることができ、さらに、押さえ片81b1、82b1が基板22の側辺部の上方に位置する状態とすることができる。
この上流側搬送機構31を用いて基板22を予熱ステージ42に供給する方法を説明する。まず。図19(c)に示すように、チャック装置M3(第3チャック部材81及び第4チャック部材82)にて基板22をチャックした状態で、予熱ステージ42の上方に位置させる。この状態で、チャック装置M3を下降させて、図19(b)に示すうように、基板22を予熱ステージ42の上面40に載置する。この場合、受け片81a1、82a1が基板22に接触することなく、予熱ステージ42上に載置することができる。その後は、図19(a)に示すように、押さえ片81b1,82b1を上昇させて、第3チャック部材81と第4チャック部材82とを相対的に離間させた後、このチャック装置M3を上昇させる。これによって、チャック装置M3が予熱ステージ42上に載置された基板22の上方位置にチャック装置M3が配置された状態となる。
逆に図19(a)に示すように、予熱ステージ42上に載置された基板22をピックアップする方法を説明する。まず、図19(a)に示すように、受け片81a1、82a1と押さえ片81b1,82b1との間にそれぞれ基板22の側辺部が介在する状態とする。その後、図19(b)に示すように、押さえ片81b1,82b1を下降させるとともに、受け片81a1、82a1を上昇させて、押さえ片81b1,82b1と受け片81a1、82a1とで、それぞれ基板22の側辺部を挾持して、図19(c)に示すように、このチャック装置M3を上昇させれば、予熱ステージ42が基板をピックアップすることができる。
ところで、被供給部材待機機構43は昇降(上下動)するものであるので、この昇降と連動して、ローダ側の送出機構48を上下動するようにできる。このように、送出機構48が上下動すれば、ローダ10を上下動させることなく、所望の高さ位置の基板22をローダ10から送出することができる。もちろん、被供給部材待機機構21と送出機構45とを連動させなくてもよい。
前記のチャック機構M3を介して、シャトル30へ基板22を搬送する方法を説明する。まず、図20(c)に示すように、チャック装置M3(第3チャック部材81及び第4チャック部材82)にて基板22をチャックした状態で、シャトル30の上方に位置させる。この状態で、チャック装置M3を下降させて、図20(b)に示すうように、基板22をシャトル30の上面に載置する。
この場合、副プレート30bの幅寸法H3を基板22の幅寸法Hよりも小さくしている。そして、図20に示すように、第3チャック部材81と第4チャック部材82とを最接近させた状態で、受け片81a1、82a1が副プレート30bに接触しないとともに、基板22の側辺部の下方に位置する状態となり、さらに、押さえ片81b1、82b1が基板22の側辺部の上方に位置する状態となる。これによって、受け片81a1、82a1が基板22に接触することなく、シャトル30上に載置することができる。
その後は、図20(a)に示すように、押さえ片81b1,82b1を上昇させて、第3チャック部材81と第4チャック部材82とを相対的に離間させた後、このチャック装置M3を上昇させる。これによって、シャトル30上に載置された基板22の上方位置にチャック装置M3が配置された状態となる。
逆に図20(a)に示すように、シャトル30上に載置された基板22をピックアプする方法を説明する。まず、図20(a)に示すように、受け片81a1、82a1と押さえ片81b1,82b1との間にそれぞれ基板22の側辺部が介在する状態とする。その後、図20(b)に示すように、押さえ片81b1,82b1を下降させるとともに、受け片81a1、82a1を上昇させて、押さえ片81b1,82b1と受け片81a1、82a1とで、それぞれ基板22の側辺部を挾持して、図20(c)に示すように、このチャック装置M3を上昇させれば、シャトル30が基板22をピックアップすることができる。なお、この実施形態では、2連(2個)のシャトル30を用いている。
ところで、この実施形態の搬出機構34は、図21に示すように、第3チャック部材81と第4チャック部材82とを備えたチャック機構M3と同一構造のチャック機構M4と、押し込み機構92とを備える。
押し込み機構92は、図22に示すように、基板22を受ける受け部材93と、受け部材93をX方向に往復動させるX方向往復動機構95と、受け部材93をY方向に往復動させるY方向往復動機構96とを備える。受け部材93は、基板22よりも一回り大きい平板板からなる受け板93aと、この受け板93aの上流側の短辺部中央部に立設される押圧用突起93bとからなる。なお、受け部材93を上下方向(Z方向)に往復動させるZ方向往復動機構(図示省略)を設けてもよい。
このように構成された搬出機構34にて基板22をアンローダ11へ搬出する方法を説明する。図23(a)に示すように、チャック装置M4の高さをシャトル30に載置固定されている基板22の高さ位置に合わせる。そして、矢印X3のように、シャトル30をX方向に沿ってアンローダ11側へ移動させて、図23(b)に示すように、シャトル30上の基板22を、受け片81a1、82a1と押さえ片81b1,82b1との間にそれぞれ基板22の側辺部が介在する状態とする。その後、受け片81a1、82a1と押さえ片81b1,82b1との間にそれぞれ基板22の側辺部を挾持した状態(チャックした状態)として、図20(c)に示すように、このチャック装置M4を矢印Z3方向に上昇させるとともに、シャトル30を矢印X4のように上流側へ搬送する。
その後、搬送路Tから矢印Y4方向に逃げていた受け部材93が図23(d)の矢印Y3のように移動して、この搬送路T内に侵入させる。この場合、受け部材93の受け板93aを第3チャック部材81及び第4チャック部材82よりも下方に位置させるとともに、押圧用突起93bを基板22よりも上流側に位置させる。この場合、押圧用突起93bの基板22の上流側短辺の中央部に対応する位置とする。
この状態で、受け部材93を図23(e)の矢印X5のように、下流側へ移動させる。これによって、基板22を押圧用突起93bを介して、下流側、すなわち、アンローダ11側へ押し出すことができ、この基板22をアンローダ11に収納することができる。
この場合、搬出機構34にて押し出す基板22の高さに応じて、アンローダ側を上下動させることによって、基板22の収納する高さ位置を変更できるが、第3チャック部材と第4チャック部材4と受け部材93とが上下動するものであれば、アンローダ側を上下動させる必要がない。なお、図16の仮想線で示すBHはボンディング装置のボンディングスペースを示している。
次に、この図16に示す搬送装置の動作(工程)を説明する。まず、第1グレードのワークW(チップ21)を基板22Aのアイランド部22aに搭載する場合を説明する。ローダ10がこの基板22Aを送出して、送出機構48(図15参照)及び上流側搬送機構31を介してステージ94に搬送した後、この基板22Aを上流側搬送機構31を介して予熱ステージ42に供給する。
予熱が付与された基板22Aを、この予熱ステージ42からシャトル30に供給する。この場合、平面的に見て予熱ステージ42に隣接する位置のシャトル30に供給することになる。このため、2個のシャトル30の内、下流側のシャトル30に基板22を供給する場合、このシャトル30を予熱ステージ42に隣接する位置に配置する必要がある。このため上流側のシャトル30を、予熱ステージ42の下方に待機させる。
シャトル30上に搬送された基板22Aは、シャトル30の上面28に吸着されるとともに、所定温度まで加熱される。そして、この基板22Aのアイランド部22aにチップ21がボンディングされていく。この場合、基板22Aの搬送方向と直交する方向に沿ってチップ21を供給し、一列に配設される複数個のアイランド部22aへのチップ供給が完了後、シャトル30を下流側へ所定ピッチ移動させて、次の列の複数個のアイランド部22aへのチップ21を供給することができる。この動作を行うことによって、基板22Aの全アイランド部へワークWを供給することができる。しかも、チップ21の供給が完了すれば、シャトル30は下流側に位置することになり、アンローダ側へ迅速に搬出することができる。
チップ21の搭載が完了した基板22Aは、図23で説明したように、シャトル30を搬出機構34へ移動させることによって、この搬出機構34を介して、アンローダ11へ供給できる。
また、基板22Aへの第1のグレードのチップ21がウェハ26に無くなって、第2のグレードのチップ21がウェハ26にある場合、この基板22Aをボンディングポジションから待機させる必要がある。この場合、上流側搬送機構31によって、この基板22Aを待機ポション、つまり待機機構32に搬送して待機させることになる。また、第2のグレードのチップ21が搭載される基板22Bが、ローダ10からステージ94を介して予熱ステージ42に供給されており、この予熱ステージ42の基板22Bがシャトル30に供給される。そして、基板22Bに第2グレードのチップ21を搭載(ボンディング)することになる。基板22Bへのチップ21の搭載が完了すれば、この基板22Bはアンローダ11へ供給される。
第2のグレードのチップ21の搭載が完了していないのにもかかわらず、第2グレードのチップ21がウェハ26に無くなって、第3のグレードのチップ21があれば、この基板22Bを、上流側搬送機構31によって、待機ポション、つまり待機機構32に搬送して待機させることになる。この際、第3のグレードのチップ21を搭載すべき基板22Cをボンディングポジション(すなわち、ボンディングポジションに配置されたシャトル30上)に配置する。
そして、この基板22Cに第3のグレードのチップ21を搭載(ボンディング)し、チップ21の搭載が完了した基板22Cを、(シャトル30を搬出機構34へ移動させることによって、)この搬出機構34を介して、アンローダ11へ供給する。
また、第3のグレードのチップ21の搭載が完了していないのにもかかわらず、第3グレードのチップ21がウェハ26に無くなって、このウェハ26に第4のグレードのチップ21があれば、この基板22Cを、上流側搬送機構31によって、待機ポション、つまり待機機構32に搬送して待機させることになる。この際、第4のグレードのチップ21を搭載すべき基板22Cをボンディングポジションに配置する。
そして、この基板22Dに第4のグレードのチップ21を搭載(ボンディング)し、チップ21の搭載が完了した基板22Dを、(シャトル30を搬出機構34へ移動させることによって、)この搬出機構34を介して、アンローダ11へ供給する。
基板22Dへの第4のグレードのチップ21がウェハ26に無くなった場合、前記工程が順次行われていれば、このウェハ26の全チップ21が無くなったことになる。このため、新しいウェハ26をピックアップポジションに供給することになる。
そして、基板22Aが待機機構32にある場合、この基板22Aへのチップ21の搭載が完了していないので、待機機構32から基板22Aを上流側搬送機構31を介してボンディングポジションのシャトル30に供給して、残りのアイランド部22aに第1グレードのチップ21をボンディングしていく。そして、チップ21の搭載が完了した基板22Aをアンローダ11へ搬出する。また、第1グレードのチップ21が無くなれば、この基板22Aを待機機構32に搬送することになり、第1グレードのチップ21がウェハ26にあれば、次の基板22Aをピックアップポジションに供給することになる。
また、第1グレードのチップ21が無くなって、基板22Bが待機機構32にある場合、この基板22Bへのチップ21の搭載が完了していないので、待機機構32から基板22Bを上流側搬送機構31を介してボンディングポジションのシャトル30に供給して、残りのアイランド部22aに第2グレードのチップ21をボンディングしていく。そして、チップ21の搭載が完了した基板22Bをアンローダ11へ搬出する。また、第2グレードのチップ21が無くなれば、この基板22Bを待機機構32に搬送することになり、第2グレードのチップ21があれば、次の基板22Bをピックアップポジションに供給することになる。
また、第2グレードのチップ21が無くなって、基板22Cが待機機構32にある場合、この基板22Cへのチップ21の搭載が完了していないので、待機機構32から基板22Cを上流側搬送機構31を介してボンディングポジションのシャトル30に供給して、残りのアイランド部22aに第3グレードのチップ21をボンディングしていく。そして、チップ21の搭載が完了した基板22Cをアンローダ11へ搬出する。また、第3グレードのチップ21が無くなれば、この基板22Cを待機機構32に搬送することになり、第3グレードのチップ21があれば、次の基板22Cをピックアップポジションに供給することになる。
また、第3グレードのチップ21が無くなって、基板22Dが待機機構32にある場合、この基板22Dへのチップ21の搭載が完了していないので、待機機構32から基板22Dを上流側搬送機構31を介してボンディングポジションのシャトル30に供給して、残りのアイランド部22aに第4グレードのチップ21をボンディングしていく。そして、チップ21の搭載が完了した基板22Dをアンローダ11へ搬出する。また、第4グレードのチップ21が無くなれば、この基板22Dを待機機構32に搬送することになり、第4グレードのチップ21があれば、次の基板22Dをピックアップポジションに供給することになる。
このような動作を行うことによって、図1等に示す前記実施形態と同様、ワーク供給源(ワーク集合体)におけるグレード毎のワークの残数、被供給部材の被供給部位残数情報を活用できる。ワークのグレードが1種類であっても、複数種であっても対応できる。また、搬送機構としてシンプルレーンとでき、シャトルが複数個となる。
特に、待機機構32をローダ側に配置することによって、この待機ポジション上にステージを配置でき、さらには、予熱ステージの下方位置にシャトル30の退避ポジションを設けことができる。このため、図2に示すように、待機機構32をアンローダ側に配置した装置よりも、待機機構32をローダ側に配置した装置の方が、ローダ10とアンローダ11との間隔を小さくでき、装置全体としてコンパクト化を図ることができる。
また、チャック部材81,82は、基板22の側辺部(長辺部)を挾持するものであり、しかも、そのチャック長さを大きくとることができ、各基板22を平面形状に維持させやすく、シャトル30の上面28に安定して密着でき、ボンディング作業が安定する。
ところで、前記実施形態では、搬送ライン100(図2参照)上に、アンローダ11と待機機構32とが配置されていた。しかしながら、図24に示すように、搬送ライン100上にアンローダ11と待機機構32とのいずれか一方が配置されるものであってもよい。
すなわち、この場合、図25に示すように、搬送ライン100の下流側において、待機機構32が搬送ライン100上に配置される状態(図26(b)の状態)とアンローダ11が搬送ライン100上に配置される状態(図26(a)の状態)との切換を行う切換機構101を備える。切換機構101としては、シリンダ機構、ボールねじ機構、モーターリニア機構等の種々の機構にて構成することができ,XYZ軸ステージ(ステージ装置)を使用することができる。
このように、切替機構101を備えたものでは、搬送ライン100上にアンローダ11と待機機構32とを配置する必要がなく、搬送ライン100を短く設定でき、装置のコンパクトを達成できる。
本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、搬送する被供給部材Sとして、前記実施形態では、ウェハ26から切り出されたチップ21をボンディングする基板22であったが、このような基板22ではなく、クレジットカード、キャッシュカード、ICカード等のカードや、板金等の平板体であってもよい。このため、被供給部材Sに供給するワークWとして、チップ21に限るものではなく、被供給部材Sに応じた部品となる。また、被供給部材Sとして、基板22でなく加熱を必要としないものであれば、予熱ステージ及びシャトルの加熱機構を省略することができる。
本発明の搬送方法は、グレードが相違する複数種のワークをグレード毎に被供給部材の被供給部位に供給するために、ローダとアンローダとの間の供給ポジションに各被供給部材を搬送し、ワーク搭載が完了した被供給部材をアンローダへ搬出する搬送方法であって、ローダから被供給部材を供給ポジションへ搬送し、ワークの搭載が完了した被供給部材をアンローダへ搬出し、被供給部材へのワークの搭載完了前にワーク供給源の供給すべきグレードのワークが無くなれば、この被供給部材をシャトルから、搬送ライン上であって、供給ポジションとアンローダとの間に設けられる待機ポジションに搬送し、空の状態となった供給ポジションへ、供給ポジションよりも上流側のローダから他の被供給部材を搬送するものである。