JP2022076133A - ヒータ - Google Patents

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浩輝 中野
Hiroteru Nakano
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【課題】寿命を長くすることができるヒータを提供することである。【解決手段】実施形態に係るヒータは、筒状部と;前記筒状部の内部に設けられ、前記筒状部の管軸に沿って延びるコイルと;前記筒状部の外面側を覆い、ヒータの通電時に、発生した赤外線を透過し、且つ、前記ヒータが設けられている雰囲気に含まれている物質と反応し難い材料を含む被膜と;を具備している。【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、ヒータに関する。
輻射熱により対象物を加熱するヒータがある。この様なヒータは、種々の用途に用いられている。そのため、ヒータが設けられた環境に含まれている物質が、ヒータのバルブの外面に付着する場合がある。例えば、ヒータが設けられた暖房装置が海岸付近のエリアにおいて使用される場合がある。この様な場合には、海水に含まれていた物質(例えば、NaClなど)がバルブの外面に付着する場合がある。例えば、ヒータが融雪灯具などに設けられている場合には、融雪剤に含まれていた物質(例えば、NaCl、CaCl、KClなど)がバルブの外面に付着する場合がある。
また、バルブの外面に反射膜や、防眩性を有する膜が設けられる場合がある。これらの膜が設けられる場合には、前述した物質がこれらの膜の外面に付着する場合がある。
ここで、ヒータに通電すると、バルブの温度が、例えば、500℃以上になる場合がある。前述した物質がバルブの外面に付着している場合、バルブの温度が高くなると、バルブの材料と前述した物質とが反応して、バルブに失透が生じる場合がある。バルブに失透が生じると、ヒータの寿命が短くなる。
反射膜や、防眩性を有する膜が設けられている場合には、これらの膜の温度も、例えば、500℃以上になる場合がある。そのため、これらの膜の材料と前述した物質とが反応して、これらの膜の機能が低下する場合がある。これらの膜の機能が低下すると、ヒータの寿命が短くなる。
そこで、種々の用途に用いられる場合であっても、寿命を長くすることができるヒータの開発が望まれていた。
特開2005-19317号公報
本発明が解決しようとする課題は、寿命を長くすることができるヒータを提供することである。
実施形態に係るヒータは、筒状部と;前記筒状部の内部に設けられ、前記筒状部の管軸に沿って延びるコイルと;前記筒状部の外面側を覆い、ヒータの通電時に、発生した赤外線を透過し、且つ、前記ヒータが設けられている雰囲気に含まれている物質と反応し難い材料を含む被膜と;を具備している。
本発明の実施形態によれば、寿命を長くすることができるヒータを提供することができる。
本実施の形態に係るヒータを例示するための模式図である。 図1におけるA部の模式拡大図である。 図2におけるヒータのB-B線方向の模式断面図である。 他の実施形態に係るヒータを例示するための模式図である。 図4におけるヒータのC-C線方向の模式断面図である。 他の実施形態に係るヒータを例示するための模式図である。 図6におけるヒータのE-E線方向の模式断面図である。 積層膜としての防眩膜を例示するための模式断面図である。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
本実施の形態に係るヒータ1は、例えば、対象物や、対象物が置かれている空間を加熱することができる。例えば、ヒータ1は、店舗などの空間を加熱する暖房装置や、融雪灯具などに用いることができる。ただし、ヒータ1の用途は、例示をしたものに限定されるわけではない。
図1は、本実施の形態に係るヒータ1を例示するための模式図である。
図2は、図1におけるA部の模式拡大図である。
なお、煩雑となるのを避けるために、図1および図2においては、被膜50を省いて描いている。
図3は、図2におけるヒータ1のB-B線方向の模式断面図である。
図1および図2に示すように、ヒータ1には、例えば、バルブ10、発熱部20、導電部30、リード40、および被膜50を設けることができる。
バルブ10は、例えば、筒状部11、封止部12、突起部13、およびディンプル14を有する。筒状部11、封止部12、突起部13、およびディンプル14は、一体に形成することができる。バルブ10は、例えば、透明、すなわち着色されていない石英ガラスから形成することができる。
筒状部11は、例えば、円筒状を呈している。筒状部11は、筒状部11の外径である管外径Dに比べて全長L(管軸方向の長さ)が長い形態を有する。なお、筒状部11の全長Lは、有効発光長と称される場合もある。筒状部11の内壁の管壁負荷が高くなり過ぎると、筒状部11の温度が高くなり過ぎて、筒状部11が変形したり、筒状部11の耐久性が低下したりするおそれがある。そのため、ヒータ1の電力に応じて、所定の管壁負荷を超えないように、筒状部11の管外径D、および全長L(有効発光長)を適宜決定することができる。例えば、ヒータ1の電力が2000W(ワット)の場合には、管外径Dを12mm程度、全長L(有効発光長)を280mm程度とすることができる。
筒状部11の内部空間には、ガスが封入される。ガスは、例えば、コイル21において発生した熱が筒状部11に伝わり難くするために封入される。そのため、ガスは、熱伝導率の低いガスとすることが好ましい。ガスは、例えば、キセノン(Xe)、クリプトン(Kr)、クリプトンと窒素ガスの混合ガスなどとすることができる。クリプトンと窒素ガスの混合ガスとする場合には、クリプトンの割合を90%以上とすることができる。この場合、キセノンを用いれば、コイル21において発生した熱が筒状部11に伝わるのを効果的に抑制することができる。クリプトン、または、クリプトンと窒素ガスの混合ガスを用いれば製造コストの低減を図ることができる。
また、ガスには、臭素やヨウ素などのハロゲン物質を含めることができる。例えば、前述したキセノンやクリプトンなどに、微量のジブロモメタン(CHBr)などを含めることができる。
筒状部11の内部空間の25℃におけるガスの圧力(封入圧力)は、例えば、0.6bar(60kPa)~0.9bar(90kPa)程度とすることができる。ここで、筒状部11の内部空間の25℃におけるガスの圧力(封入圧力)は、気体の標準状態(SATP(Standard Ambient Temperature and Pressure):温度25℃、1bar)により求めることができる。
封止部12は、筒状部11の管軸方向における両端に設けられる。筒状部11の両端に封止部12を設けることで、筒状部11の内部空間が気密に封止される。例えば、一対の封止部12は、加熱した筒状部11の両端部分を押しつぶすことで形成することができる。例えば、一対の封止部12は、ピンチシール法やシュリンクシール法を用いて形成することができる。ピンチシール法を用いて封止部12を形成すれば、図1および図2に例示をしたような板状の封止部12が形成される。シュリンクシール法を用いて封止部12を形成すれば、円柱状の封止部12が形成される。
突起部13は、筒状部11の外面に設けられる。突起部13は、ヒータ1を製造する際に、筒状部11の内部空間を排気したり、筒状部11の内部空間に前述したガスを導入したりするために設けられる。例えば、突起部13は、排気およびガスの導入後に、石英ガラスから形成された管を焼き切ることで形成されたものである。
ディンプル14は、例えば、筒状部11の内壁を局所的に突出させたものである。ディンプル14は、筒状部11を加熱して、筒状部11の外面を局所的に押圧することで形成することができる。そのため、ディンプル14が形成された位置における筒状部11の外面は、筒状部11の内部に向けて窪んでいる。
ディンプル14は、筒状部11の内壁から筒状部11の内部空間に突出し、アンカ23に接触している。例えば、図3に示すように、管径方向において、互いに対峙する一対のディンプル14を設け、一対のディンプル14によりアンカ23を保持することができる。ディンプル14が設けられていれば、アンカ23の位置を維持することができる。
アンカ23が複数設けられる場合には、管軸方向に複数のディンプル14を設けることができる。この場合、複数のアンカ23ごとにディンプル14を設けることもできるし、所定の間隔をあけてディンプル14を設けることもできる。図1および図2に例示をしたヒータ1の場合には、一部のアンカ23に対して一対のディンプル14が設けられている。なお、ディンプル14の数や配置は、筒状部11の全長Lやアンカ23の数などに応じて適宜変更することができる。また、筒状部11の全長Lやアンカ23の数などによっては、ディンプル14を省くこともできる。すなわち、ディンプル14は、必要に応じて設けるようにすればよい。
発熱部20は、例えば、コイル21、レグ22、およびアンカ23を有する。
コイル21およびレグ22は、例えば、一体に形成される。コイル21およびレグ22の材料は、例えば、タングステンとすることができる。
コイル21は、螺旋状を呈している。コイル21は、例えば、タングステン線を螺旋状に巻くことで形成することができる。コイル21の概観形状は、例えば、円筒状である。コイル21は、筒状部11の内部空間に設けられる。コイル21は、筒状部11の内部空間を管軸に沿って延びている。コイル21は、通電時に発熱するとともに赤外線を含む光を放出する。
レグ22は、コイル21の両側の端部のそれぞれに設けられている。レグ22は、線状を呈し、コイル21の端部から筒状部11の管軸に沿って延びている。レグ22の一方の端部は筒状部11の内部空間においてコイル21の端部と接続され、他方の端部は封止部12の内部において導電部30と接続されている。レグ22の端部の近傍は、例えば、導電部30とレーザ溶接または抵抗溶接することができる。
図3に示すように、アンカ23は、筒状部11の内部空間に設けられる。アンカ23の材料は、例えば、タングステンとすることができる。アンカ23は、例えば、タングステン線を曲げ加工することで形成することができる。
図2および図3に示すように、アンカ23の一方の端部23a側は、例えば、コイル21の外面に設けられる。例えば、アンカ23の端部23a側を、コイル21の外面に巻き付けることができる。例えば、アンカ23の他方の端部23b側は、筒状部11の内壁に接触している。例えば、アンカ23の端部23b側は、筒状部11の内壁に沿って湾曲した形状を有している。アンカ23の端部23a側がコイル21の外面に設けられ、アンカ23の端部23b側が筒状部11の内壁に接触することで、アンカ23により、コイル21が、筒状部11の内部空間に支持される。アンカ23は、コイル21を筒状部11の内壁に対して支持するサポート部材である。
導電部30は、例えば、1つの封止部12に対して1つ設けられている。導電部30は、封止部12の内部に設けられている。導電部30の平面形状は、例えば、四角形とすることができる。導電部30は、例えば、モリブデン箔から形成される。
リード40は、1つの導電部30に対して少なくとも1つ設けることができる。リード40は、線状を呈している。リード40の一方の端部側は、封止部12の内部において、導電部30と接続されている。例えば、リード40の一方の端部側は、導電部30にレーザ溶接または抵抗溶接される。リード40の他方の端部側は封止部12の外部に露出している。リード40には、ヒータ1の外部に設けられた電源などを電気的に接続することができる。例えば、リード40にはコネクタが接続され、コネクタに設けられているケーブルを介して、リード40が電源などと電気的に接続される。リード40は、例えば、モリブデン線などから形成することができる。
ここで、前述したように、ヒータ1の用途は、特に限定されない。そのため、例えば、ヒータ1が設けられた暖房装置が海岸付近のエリアにおいて使用される場合がある。この様な場合には、海水に含まれていた物質(例えば、NaClなど)が筒状部11の外面に付着する場合がある。また、例えば、ヒータ1が融雪灯具などに設けられている場合には、融雪剤に含まれていた物質(例えば、NaCl、CaCl、KClなど)が筒状部11の外面に付着する場合がある。
ヒータ1に通電すると、発生した熱や赤外線が、筒状部11を介して外部に放出される。そのため、筒状部11の温度が、例えば、500℃以上になる場合がある。前述した物質が筒状部11の外面に付着している場合、筒状部11の温度が高くなると、筒状部11の材料と前述した物質とが反応して、筒状部11に曇りなどが発生する場合がある。筒状部11に曇りなどが発生すると、いわゆる失透が生じて、ヒータ1の寿命が短くなるおそれがある。
そこで、本実施の形態に係るヒータ1には、被膜50が設けられている。
被膜50は、筒状部11の外面側を覆うように設けられている。
被膜50は、例えば、ディップ法、真空蒸着法、スパッタリング法などを用いて形成することができる。
被膜50は、ヒータ1の通電時に、発生した赤外線を透過し、且つ、ヒータ1が設けられている雰囲気に含まれている物質と反応し難い材料を含んでいる。ヒータ1が設けられている雰囲気に含まれている物質は、例えば、塩素化合物である。例えば、被膜50は、二酸化チタン(TiO)や、酸化クロム(Cr)などを含むことができる。
被膜50の厚みが薄すぎたり、厚すぎたりすると、被膜の割れやピンホールが発生し易くなり、筒上部11を保護できない可能性がある。
そのため、被膜50の厚みは、例えば、30nm以上、100nm以下とすることが好ましい。
本実施の形態に係るヒータ1には、被膜50が設けられているので、ヒータ1の通電時に、筒状部11の温度が高くなったとしても、ヒータ1が設けられている雰囲気に含まれている物質と、筒状部11の材料とが反応するのを抑制することができる。そのため、失透の発生を抑制することができるので、ヒータ1の寿命を長くすることができる。
図4は、他の実施形態に係るヒータ1aを例示するための模式図である。
なお、煩雑となるのを避けるために、図4においては、反射膜60および被膜50aを省いて描いている。
図5は、図4におけるヒータ1aのC-C線方向の模式断面図である。
図4および図5に示すように、ヒータ1aには、例えば、バルブ10、発熱部20、導電部30、リード40、反射膜60、および被膜50aを設けることができる。
反射膜60は、筒状部11の外面の一部の領域と、被膜50aと、の間に設けられている。
反射膜60は、ヒータ1aの通電時に、発生した赤外線を反射する。反射膜60は、入射した赤外線を反射して、所定の方向に出射させる。図5に示すように、反射膜60は、筒状部11の、管軸に直交する断面において、筒状部11の外面の一部の領域(例えば、外面の半分)を覆うことができる。
反射膜60は、赤外線に対する反射率が高い材料から形成することができる。反射膜60は、例えば、シリカ、ジルコニウム化合物、および酸化アルミニウムを主成分とした材料を、筒状部11の外面の一部の領域に塗布することで形成することができる。
反射膜60の厚みは、例えば、50μm程度とすることができる。
反射膜60が設けられていれば、加熱に寄与する赤外線を所定の方向に照射することができる。そのため、加熱効率を向上させることができる。また、ヒータ1aが設けられる装置などの要素が加熱されるのを抑制することができる。
ここで、前述したヒータ1の場合と同様に、ヒータ1aの用途は特に限定されないので、例えば、前述した物質が反射膜60の外面に付着することも考えられる。
ヒータ1aに通電すると、発生した熱や赤外線が反射膜60にも入射するので、反射膜60の温度が、例えば、500℃以上になる場合がある。前述した物質が反射膜60の外面に付着している場合、反射膜60の温度が高くなると、反射膜60の材料と前述した物質とが反応して、反射膜60の機能が低下する場合がある。反射膜60の機能が低下すると、ヒータの寿命が短くなるおそれがある。
そこで、本実施の形態に係るヒータ1aには、被膜50aが設けられている。
被膜50aは、反射膜60の外面、および、筒状部11の、反射膜60から露出する外面に設けることができる。すなわち、反射膜60は、筒状部11の外面の一部の領域と、被膜50aとの間に設けられている。被膜50aの材料、厚み、形成方法などは、前述した被膜50と同様とすることができる。
被膜50aが設けられていれば、ヒータ1aの通電時に、反射膜60の温度が高くなったとしても、ヒータ1aが設けられている雰囲気に含まれている物質と、反射膜60の材料とが反応するのを抑制することができる。そのため、反射膜60の機能が低下するのを抑制することができる。
また、筒状部11の外面の一部は反射膜60から露出しているが、被膜50aは、筒状部11の、反射膜60から露出する外面にも設けられている。そのため、ヒータ1aの通電時に、筒状部11の温度が高くなったとしても、ヒータ1aが設けられている雰囲気に含まれている物質と、筒状部11の材料とが反応するのを抑制することができる。そのため、失透の発生を抑制することができる。
以上に説明した様に、被膜50aが設けられていれば、ヒータ1aが種々の用途に用いられても、寿命を長くすることができる。
図6は、他の実施形態に係るヒータ1bを例示するための模式図である。
なお、煩雑となるのを避けるために、図6においては、防眩膜70および被膜50bを省いて描いている。
図7は、図6におけるヒータ1bのE-E線方向の模式断面図である。
図6および図7に示すように、ヒータ1bには、例えば、バルブ10、発熱部20、導電部30、リード40、防眩膜70、および被膜50bを設けることができる。
例えば、ヒータ1bを空間暖房などに用いる場合には、使用者が眩しくないようにすること、いわゆる防眩性が求められる場合がある。そのため、ヒータ1bには、防眩膜70(防眩性を有する膜)が設けられている。例えば、防眩膜70は、ヒータ1bの通電時に、発生した赤外線を透過し、発生した可視光領域(例えば、波長が380nm~780nmの領域)の光の透過を抑制する。
防眩膜70は、筒状部11の外面を覆う様に設けることができる。
ここで、防眩膜70の、可視光領域における光の平均透過率が24%よりも高いと、視感評価において眩しさが増すようになる。一方、平均透過率が24%以下となると、視感評価において眩しさが軽減される。この場合、平均透過率が21%以下となると、視感評価において眩しさが感じられなくなる。そのため、平均透過率が24%以下となるような防眩膜70とすることが好ましい。
可視光領域における光の平均透過率は、例えば、日本分光株式会社製の分光光度計V-570を用いて求めることができる。例えば、波長が380nm~780nmの領域において、分光光度計V-570を用いて5nmごとに光の透過率を測定し、測定された透過率を平均することで、可視光領域における光の平均透過率を求めることができる。
また、防眩膜70は、加熱に寄与する赤外線を透過し易く、防眩性のために可視光領域の光を透過し難いものとすることが好ましい。例えば、防眩膜70は、低屈折率膜71と、高屈折率膜72とを交互に複数積層した積層膜とすることができる。
図8は、積層膜としての防眩膜70を例示するための模式断面図である。
図8に示すように、防眩膜70は、低屈折率膜71と高屈折率膜72とを交互に複数積層した積層膜とすることができる。低屈折率膜71と高屈折率膜72は、例えば、ディップ法、真空蒸着法、スパッタリング法などを用いて形成することができる。
低屈折率膜71は、例えば、筒状部11の外面に設けることができる。すなわち、低屈折率膜71は第1層とすることができる。複数の低屈折率膜71を設ける場合には、複数の低屈折率膜71のそれぞれの厚みを略同じとすることができる。なお、本明細書において、「膜の厚みを略同じ」とは、製造上の誤差を許容することを意味する。
低屈折率膜71は、例えば、二酸化ケイ素(SiO)や酸化ケイ素(SiO)などのケイ素酸化物、フッ化マグネシウム(MgF)などを含むことができる。この場合、筒状部11は石英ガラスから形成されているため、石英ガラスになるべく近い成分を主成分として含む低屈折率膜71とすることが好ましい。この様にすれば、筒状部11の外面に設けられた低屈折率膜71と、筒状部11の外面と間の接合強度を向上させることができる。例えば、二酸化ケイ素を主成分として含む低屈折率膜71とすれば、低屈折率膜71と、筒状部11の外面との間の接合強度を大きくすることができる。また、二酸化ケイ素は、化学的な安定性、耐熱性、高い機械的強度を有しているため、二酸化ケイ素を主成分として含む低屈折率膜71を、高温となる筒状部11の外面に直接設けるようにしても剥離や損傷が発生する可能性が低い。
高屈折率膜72は、例えば、低屈折率膜71の上に設けることができる。すなわち、筒状部11の外面に直接形成される第1層から始まる奇数層を低屈折率膜71とし、第2層から始まる偶数層を高屈折率膜72とすることができる。高屈折率膜72の厚みは、低屈折率膜71の厚みと同じであってもよいし、異なっていてもよい。複数の高屈折率膜72を設ける場合には、複数の高屈折率膜72のそれぞれの厚みを略同じとすることができる。
高屈折率膜72は、例えば、酸化鉄(III)(Fe)などの鉄酸化物、酸化銅(I)(CuO)や酸化銅(II)(CuO)などの銅酸化物などを含むことができる。この場合、酸化銅(I)は、赤外線を透過しやすいので、酸化銅(I)を主成分として含む高屈折率膜72とすれば、赤外線の出射効率を向上させることができる。
低屈折率膜71と高屈折率膜72の積層数(低屈折率膜71と高屈折率膜72の合計の層数)は、要求される防眩性に応じて適宜変更することができる。例えば、いわゆるHigh Glareタイプのヒータ1bとする場合は、低屈折率膜71と高屈折率膜72の積層数を8層以上、好ましくは10層以上とすることができる。低屈折率膜71と高屈折率膜72の積層数が10層の場合、防眩膜70の厚みは、例えば、700nm程度とすることができる。また、防眩膜70が、二酸化ケイ素を主成分として含む低屈折率膜71と、酸化鉄(III)を主成分として含む高屈折率膜72とを有するものである場合には、ヒータ1bの非通電時における防眩膜70の色は、金色となる。
ここで、前述したヒータ1の場合と同様に、ヒータ1bの用途は特に限定されないので、例えば、前述した物質が防眩膜70の外面に付着することも考えられる。
ヒータ1bに通電すると、発生した熱や赤外線が防眩膜70にも入射するので、防眩膜70の温度が、例えば、500℃以上になる場合がある。前述した物質が防眩膜70の外面に付着している場合、防眩膜70の温度が高くなると、防眩膜70の材料と前述した物質とが反応して、防眩膜70の機能が低下する場合がある。防眩膜70の機能が低下すると、ヒータの寿命が短くなるおそれがある。
そこで、本実施の形態に係るヒータ1bには、被膜50bが設けられている。
被膜50bは、防眩膜70の外面に設けることができる。すなわち、防眩膜70は、筒状部11と被膜50bとの間に設けられている。被膜50bの材料、厚み、形成方法などは、前述した被膜50と同様とすることができる。
被膜50bが設けられていれば、ヒータ1bの通電時に、防眩膜70の温度が高くなったとしても、ヒータ1bが設けられている雰囲気に含まれている物質と、防眩膜70の材料とが反応するのを抑制することができる。そのため、防眩膜70の機能が低下するのを抑制することができる。
以上に説明した様に、被膜50bが設けられていれば、ヒータ1bが種々の用途に用いられても、寿命を長くすることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 ヒータ、1a ヒータ、1b ヒータ、10 バルブ、11 筒状部、20 発熱部、21 コイル、50 被膜、50a 被膜、50b 被膜

Claims (5)

  1. 筒状部と;
    前記筒状部の内部に設けられ、前記筒状部の管軸に沿って延びるコイルと;
    前記筒状部の外面側を覆い、ヒータの通電時に、発生した赤外線を透過し、且つ、前記ヒータが設けられている雰囲気に含まれている物質と反応し難い材料を含む被膜と;
    を具備したヒータ。
  2. 前記ヒータが設けられている雰囲気に含まれている物質は、塩素化合物である請求項1記載のヒータ。
  3. 前記被膜は、二酸化チタン(TiO)、および酸化クロム(Cr)の少なくともいずれかを含む請求項1または2に記載のヒータ。
  4. 前記筒状部の外面の一部の領域と、前記被膜と、の間に設けられ、前記ヒータの通電時に、前記発生した赤外線を反射する反射膜をさらに備えた請求項1~3のいずれか1つに記載のヒータ。
  5. 前記筒状部と、前記被膜と、の間に設けられ、前記ヒータの通電時に、前記発生した赤外線を透過し、発生した可視光領域の光の透過を抑制する防眩膜をさらに備えた請求項1~3のいずれか1つに記載のヒータ。
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