JP2022074999A - 配線基板の製造方法 - Google Patents
配線基板の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2022074999A JP2022074999A JP2020185506A JP2020185506A JP2022074999A JP 2022074999 A JP2022074999 A JP 2022074999A JP 2020185506 A JP2020185506 A JP 2020185506A JP 2020185506 A JP2020185506 A JP 2020185506A JP 2022074999 A JP2022074999 A JP 2022074999A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- conductor
- conductor layer
- wiring board
- layer
- laminated body
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
Abstract
【課題】配線基板の製造の容易化。【解決手段】実施形態の配線基板の製造方法は、下地基板10を用意することと、下地基板10の表面に剥離膜5を設けることと、剥離膜5の上に、下層導体層21を含む下側積層体2xを形成することと、下側積層体2xの上に、上層導体層22を含む上側積層体2yを形成することと、剥離膜5の外縁に沿って、下側積層体2x及び上側積層体2yを貫通する溝41を形成することと、下側積層体2x及び上側積層体2yにおいて溝41に囲まれている剥離部Rを除去することとを含んでいる。下側積層体2x及び上側積層体2yは、剥離膜5と平面視で重なる剥離領域内の導電体の体積に関して互いに異なるように形成され、剥離部Rを除去することは、加熱することによって剥離部Rに反りを生じさせることを含んでいる。【選択図】図2G
Description
本発明は、配線基板の製造方法に関する。
特許文献1にはキャビティを有するプリント配線板の製造方法が開示されている。特許文献1のプリント配線板の製造方法では、絶縁層の表面におけるキャビティ形成領域に樹脂からなる剥離フィルムが形成され、この剥離フィルム上にさらに第2絶縁層が形成される。剥離フィルムの周縁部に沿って第2絶縁層にレーザ光を照射することによって枠状の溝が形成される。そして、第2絶縁層のうちの溝に囲まれている部分を剥離フィルムと共に除去することによってキャビティが形成される。
特許文献1に開示のキャビティを有するプリント配線板の製造方法では、溝を形成すべく照射されるレーザ光は、第2絶縁層を貫通するように照射される。そのため、樹脂からなる剥離フィルムの周縁部もレーザ光に照射されると考えられる。レーザ光に照射される剥離フィルムの周縁部が変質し、その結果、第2絶縁層のうちの溝に囲まれている部分を剥離フィルムと共に除去することが困難になることがある。
本発明の配線基板の製造方法は、絶縁層を含む下地基板を用意することと、前記下地基板の表面における所定の領域に剥離膜を設けることと、前記剥離膜上、及び前記下地基板の前記表面上に、絶縁層及び導体層を交互に形成することによって下層導体層を含む下側積層体を形成することと、前記下側積層体の前記下地基板側と反対側に、絶縁層及び導体層を交互に形成することによって上層導体層を含む上側積層体を形成することと、前記剥離膜の外縁に沿って、前記下側積層体及び前記上側積層体を貫通する溝を形成することと、前記下側積層体及び前記上側積層体において前記溝に囲まれている部分である剥離部を除去することと、を含んでいる。そして、前記下側積層体及び前記上側積層体は、前記剥離膜と平面視で重なる領域である剥離領域内の導電体の体積に関して互いに異なるように形成され、前記剥離部を除去することは、加熱することによって前記剥離部に反りを生じさせることを含んでいる。
本発明の実施形態によれば、配線基板の表面に凹部を容易に形成することができるので、凹部を有する配線基板を容易に形成し得ることがある。
本発明の一実施形態の配線基板の製造方法が図面を参照しながら説明される。図1には、一実施形態の配線基板の製造方法によって製造される配線基板の一例である配線基板1の断面図が示されている。図2A~図2Hには、図1の配線基板1を例に、本実施形態の配線基板の製造方法による製造工程中の配線基板が示されている。まず図1を参照して配線基板1の構造が説明される。
図1に示されるように、本実施形態の配線基板1は、コア基板10と、それぞれコア基板10の表面上に積層されている、ビルドアップ層2、3を含んでいる。コア基板10は、絶縁層12と、絶縁層12の両面それぞれに形成されている導体層11とを含んでいる。絶縁層12には、絶縁層12の両面の導体層11同士を接続するスルーホール導体13が形成されている。コア基板10は、コア基板10の厚さ方向と直交する2つの主面(第1面10a及び第2面10b)を有している。コア基板10の第1面10a上にビルドアップ層2が形成され、第2面10b上にビルドアップ層3が形成されている。第1面10aは、絶縁層12のビルドアップ層2側の表面及びその表面上に形成されている導体層11のビルドアップ層2側の表面によって構成されている。第2面10bは、絶縁層12のビルドアップ層3側の表面及びその表面上に形成されている導体層11のビルドアップ層3側の表面によって構成されている。
ビルドアップ層2は、複数の絶縁層(3つの絶縁層2a及び3つの絶縁層2b)及び複数の導体層(3つの導体層21及び3つの導体層22)との積層体であって、各絶縁層と各導体層とが交互に積層されている。形成されている。ビルドアップ層3も同様に、交互に積層されている絶縁層3aと導体層31との積層体であって、6つの絶縁層3aと6つの導体層31とによって構成されている。ビルドアップ層2、3は、それぞれ、各絶縁層及び各導体層を逐次形成することによって形成されている。絶縁層2a、2b、3aそれぞれには、各絶縁層を挟む導体層同士を接続するビア導体20、30が形成されている。
図1の例の配線基板1は、さらに、ビルドアップ層2におけるコア基板10と反対側の最外層の導体層22及び絶縁層2b上にソルダーレジスト6を備えている。配線基板1は、ビルドアップ層3におけるコア基板10と反対側の表面上にもソルダーレジスト6を備えている。ソルダーレジスト6は、ビルドアップ層2の最外層の導体層22の一部、又は、ビルドアップ層3の最外層の導体層31の一部を露出させる開口6aを備えている。
導体層11、導体層21、22、導体層31、ビア導体20、30、及びスルーホール導体13は、銅又はニッケルなどの任意の金属を用いて形成され、例えば、銅箔などの金属箔、及び/又は、銅の電解若しくは無電解めっき膜によって構成される。図1の例において、2つの導体層11は、それぞれ、金属箔、無電解めっき膜、及び電解めっき膜を含む3層構造を有している。一方、導体層21、22、導体層31、ビア導体20、30、及びスルーホール導体13は、無電解めっき膜及び電解めっき膜を含む2層構造を有している。各導体層は、所望の導体パッド及び/又は配線パターンを有するように適宜パターニングされている。
絶縁層12、及び絶縁層2a、2b、3aは、例えばエポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)又はフェノール樹脂などの絶縁性樹脂を用いて形成され得る。各絶縁層は、ガラス繊維などの補強材及び/又はシリカなどの無機フィラーを含んでいてもよい。図1の例では、絶縁層12は、ガラス繊維を含む補強材12cを含んでいる。ソルダーレジスト6は、例えばエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂などを用いて形成される。
図1に示されるように、配線基板1は、配線基板1の使用時に部品Eを収容する凹部4を有している。すなわち配線基板1は、凹部4によって構成されていて部品Eが配置されるキャビティを有している。凹部4はビルドアップ層2内に位置しており、凹部4の底面4aは、コア基板10におけるビルドアップ層2を向く表面(第1面10a)によって構成されている。従って凹部4は、ビルドアップ層2、すなわち各絶縁層2a、2b及び各導体層21、22を貫通している。
図1の例では、凹部4の底面4aは具体的には導体層11の導体パッド11aによって構成されている。導体パッド11aは、部品搭載パッドとして機能する。なお、凹部4の底面4aは、導体層11ではなく、絶縁層12の第1面10a側の表面で構成されていてもよく、絶縁層12及び導体層11それぞれにおけるビルドアップ層2を向く表面によって構成されていてもよい。
凹部4に収容される部品Eとしては、例えば、半導体集積回路装置やトランジスタなどの能動部品、及び、電気抵抗などの受動部品のような電子部品が例示される。また部品Eは、半導体基板上に形成された微細配線を含む配線材であってもよい。しかし、凹部4に収容される部品Eはこれらに限定されない。部品Eは、例えば、はんだ、もしくは金などの金属、又は、絶縁性若しくは導電性の接着剤などの任意の接合剤Bを用いて導体パッド11aに接続される。
図1の例において、凹部4の内壁面4bは、底面4aに近づくほど、底面4aの中央部側に向かうように、配線基板1の厚さ方向に対して傾斜している。すなわち、凹部4は、底面4a側に向かって先細りとなるテーパー形状を有している。換言すると、凹部4の開口面積は、ビルドアップ層2上のソルダーレジスト6側ほど拡がっている。導体パッド11aへの部品Eの配置が容易であると考えられる。凹部4は平面視で任意の形状を有し得る。「平面視」は、配線基板1をその厚さ方向に沿った視線で見ることを意味する。例えば、凹部4は正方形及び長方形などの平面形状を有し得る。
図1の例の配線基板1では、凹部4の底面4aはコア基板10を構成する導体層11によって構成されている。しかし、実施形態の配線基板の製造方法によって製造される配線基板は、例えばビルドアップ層2のようなビルドアップ層内の導体層又は絶縁層によって構成される底面を有する凹部を備えていてもよい。
図1に示される配線基板1を例に、一実施形態の配線基板の製造方法が図2A~図2Hを参照して以下に説明される。
図2Aに示されるように、絶縁層12を含むコア基板10が用意される。本実施形態の配線基板の製造方法においてコア基板10は、後述されるように、その表面(第1面10a)に導体層及び絶縁層が積層される下地基板である。このように本実施形態の配線基板の製造方法は、少なくとも1つの絶縁層12を含む下地基板を用意することを含んでいる。コア基板10は、以下では「下地基板10」とも称される。図2Aの例では、絶縁層12に加えて、絶縁層12の両面それぞれに形成されている導体層11を含む下地基板10が用意されている。
下地基板10の用意では、例えば、絶縁層12となる絶縁層と、この絶縁層の両面に積層されている銅箔とを備えている両面銅張積層板が用意され、例えばレーザー加工などによって、スルーホール導体13の形成位置に貫通孔が形成される。そして、両面銅張積層板の銅箔上に、例えば、無電解めっき又はスパッタリングと、電解めっきとによって、それぞれ銅からなる、無電解めっき膜又はスパッタリング膜、及び電解めっき膜が形成される。その結果、3層構造の導体層11が絶縁層12の両面それぞれに形成され、貫通孔内には2層構造のスルーホール導体13が形成される。
その後、絶縁層12の両面の各導体層11は、例えばテンティング法を用いて、導体パッド11aなどの所望の導体パターンを有するようにパターニングされる。その結果、それぞれが所望の導体パターンを含む2つの導体層11、及び、2つの導体層11に挟まれる絶縁層12を含む下地基板10が用意される。なお、導体層11及びスルーホール導体13は、両面銅張積層板を用いずに、銅箔を用いるセミアディティブ法によって絶縁層12に形成されてもよい。また、導体層11を含まずに絶縁層12だけを含む下地基板が用意されてもよく、導体パターン11aを含まない導体層11を備える下地基板が用意されてもよい。
本実施形態の配線基板の製造方法は、さらに、図2Aに示されるように、下地基板10の表面(第1面10a)における所定の領域に剥離膜5を設けることを含んでいる。図2Aの例において剥離膜5は、導体層11における絶縁層12と反対側の表面上に設けられる。特に図2Aの例では、剥離膜5は、導体パターン11a上に設けられる。剥離膜5は、後工程で形成される凹部4(図2H参照)の形成領域4r内に設けられる。換言すると、剥離膜5は、後工程において凹部4の形成のために除去される剥離部R(図2E参照)と平面視で重なる領域に設けられる。なお、導体層11を備えない下地基板、又は、凹部4の形成領域4r内に導体パターンを有しない導体層を表面に備える下地基板が用意されている場合は、絶縁層12の第1面10a側の表面における凹部4の形成領域4r内に剥離膜5が設けられる。
図2Aの例において、剥離膜5は、絶縁層12側に向けられる第1層51と、第1層51に積層された第2層52とを有している。第1層51は、導体層11及び絶縁層12と強固に接着せず、しかし、導体層11及び絶縁層12と密着し得る材料を用いて形成される。すなわち、第1層51と、導体層11及び絶縁層12との界面への各種溶剤など(製造工程で用いられるめっき液及びエッチング液など)の浸透が、第1層51の密着性によって防がれる。しかし第1層51及び導体層11などは、比較的弱い力で容易に分離され得る。
一方、絶縁層12側とは反対側に向けられる第2層52は、銅などの金属及びエポキシ樹脂などに対して十分な接着性を発現し得る材料で形成される。例えば、剥離膜5において第2層52側の表面が、後工程で形成される下側積層体2x(図2C参照)との間に有する密着性は、第1層51側の表面が導体層11及び絶縁層12との間に有する密着性よりも高くてもよい。このような剥離膜5を設けることによって、後述されるように凹部4の形成が容易になる。第1層51の材料としてはアクリル樹脂が例示される。第2層52の材料としてはポリイミド樹脂が例示される。
剥離膜5は、例えば、図2Aの例のように、第1層51と第2層52とを有していて所望の形状及び大きさに成形された樹脂膜を導体層11及び/又は絶縁層12の上に載置することによって設けられる。剥離膜5を設ける方法は、図2Aの例に限定されず、導体層11及び/又は絶縁層12の全面に、第1層51及び第2層52それぞれの材料からなる樹脂層を順次形成し、不要部分を除去することによって剥離膜5が形成されてもよい。
図2B~図2Cに示されるように、本実施形態の配線基板の製造方法は、さらに、剥離膜5及び下地基板10の表面上に絶縁層2aと導体層21とを交互に形成することを含んでいる。絶縁層2a及び導体層21は、例えば、各絶縁層と各導体層とが逐次形成される一般的なビルドアップ基板の製法を用いて形成される。図2Bに示されるように、例えばフィルム状のエポキシ樹脂を、下地基板10の第1面10a上、及び剥離膜5の上に積層して熱圧着することによって絶縁層2aが形成される。下地基板10の第2面10b側には、第1面10a側と同様の方法で絶縁層3aが形成される。
図2Cに示されるように、絶縁層2a、3aにビア導体20用の貫通孔がレーザー加工又はドリル加工などによって形成される。そして例えばセミアディティブ法を用いて、所望の導体パターンを有する導体層21、及び導体層21と導体層11とを接続するビア導体20が形成される。導体層21において平面視で剥離膜5と重なる領域である剥離領域Raには、導体パターン211が形成されている。下地基板10の第2面10b側には、導体層21及びビア導体20の形成方法と同様の方法で、導体層31及びビア導体30が形成される。
さらに、2つの絶縁層2a、及び2つの導体層21が、形成済みの絶縁層2a及び導体層21と同様の方法で、その形成済みの絶縁層2a及び導体層21の上に交互に形成される。各絶縁層2aには導体層21と接続するビア導体20が形成される。下地基板10の第2面10b側には、同様に、さらに2つの絶縁層3a及び導体層31がそれぞれ形成され、各絶縁層3aにはビア導体30が形成される。
3つの絶縁層2a及び3つの導体層21の形成によって、3つの導体層21及び3つの絶縁層2aを含む下側積層体2xが形成される。導体層21は、以下では「下層導体層21」とも称される。このように本実施形態の配線基板の製造方法は、剥離膜5及び下地基板10の表面(第1面10a)上に、絶縁層及び導体層を交互に形成することによって下層導体層21を含む下側積層体2xを形成することを含んでいる。また本実施形態の配線基板の製造方法は、下側積層体2xに、下層導体層21と接続するビア導体20を形成することを含み得る。
下層導体層21それぞれにおいて平面視で剥離膜5と重なる剥離領域Ra内には、導体パターン211が形成されている。各導体パターン211は、剥離領域Raよりも小さくなるように形成されている。しかし各導体パターン211は、剥離領域Raの略全面に渡って形成されている。各導体パターン211は、剥離領域Raにおいて、所謂ベタパターンであってもよい。
図2Dに示されるように、下側積層体2xの下地基板10側と反対側に、さらに3つの絶縁層2bそれぞれと、3つの導体層22それぞれとを交互に形成することを含んでいる。各絶縁層2b及び各導体層22は、それぞれ、絶縁層2a及び下層導体層21と同様の方法で形成される。各絶縁層2bには導体層22と接続するビア導体20が形成される。下地基板10の第2面10b側には、同様に、さらに3つの絶縁層3a及び3つの導体層31がそれぞれ形成され、各絶縁層3aにはビア導体30が形成される。
3つの絶縁層2b及び3つの導体層22の形成によって、3つの導体層22及び3つの絶縁層2bを含む上側積層体2yが形成される。導体層22は、以下では「上層導体層22」とも称される。このように本実施形態の配線基板の製造方法は、下側積層体2xの下地基板10側と反対側に、絶縁層及び導体層を交互に形成することによって上層導体層22を含む上側積層体2yを形成することを含んでいる。また本実施形態の配線基板の製造方法は、上側積層体2yに、上層導体層22と接続するビア導体20を形成することを含み得る。
上側積層体2yの形成の結果、下側積層体2x及び上側積層体2yを含む積層体2が形成される。下地基板10の第2面10b側には、6つの絶縁層3a及び6つの導体層31を含む積層体3が形成される。図2B~図2Dに示される例では、各導体層21、22、31、及び各絶縁層2a、2b、3bが逐次形成されるので、図2Dに示される積層体2及び積層体3は、製造される配線基板のビルドアップ層であり得る。
本実施形態の配線基板の製造方法では、図2Dに示されるように、下側積層体2x及び上側積層体2yは、剥離領域Ra内の導電体の体積に関して互いに異なるように形成される。図2Dの例では、上側積層体2y内の上層導体層22が、剥離領域Ra内の導電体の体積に関して、下側積層体2x内の下層導体層21よりも小さくなるように形成されている。その結果、上側積層体2yは、剥離領域Ra内の導電体の体積に関して下側積層体2xよりも小さい。
具体的には、上層導体層22における剥離領域Ra内には導体パターンが形成されていない。すなわち、上層導体層22は、剥離領域Ra内に導体パターンを有さないように形成されている。一方、下層導体層21は剥離領域Ra内に導体パターン211を有している。すなわち、下層導体層21は、剥離領域Ra内に所定の導体パターンを有するように形成されている。このように、下層導体層21及び上層導体層22のうちで下層導体層21だけが剥離領域Ra内に導体パターン211を有するように形成されるので、下側積層体2xにおける剥離領域Ra内の導電体の体積と、上側積層体2yにおける剥離領域Ra内の導電体の体積とが異なっている。「剥離領域Ra内の導電体の体積」は、以下では、単に「対象導体体積」とも称される。
本実施形態では、このように、下側積層体2x及び上側積層体2yが、対象導体体積に関して互いに異なるように形成されるので、後述されるように、凹部4(図2H参照)の形成が容易化される。なお、下側積層体2x及び上側積層体2yが対象導体体積に関して互いに異なる態様は、後述されるように、図2Dの例のような導体パターンの有無に限定されない。
なお、本実施形態の配線基板の製造方法における積層体2の形成には、必ずしもビルドアップ基板の製法が用いられなくてもよい。例えば、絶縁層2a、2bそれぞれと導体層21、22それぞれとを事前に交互に積層することによって形成された1つ又は複数の配線板が一括してプリプレグを介して下地基板10上に積層されてもよい。また、各導体層の導体パターンの形成には、セミアディティブ法、サブトラクティブ法、又はフルアディティブ法などが、適宜用いられ得る。
図2Dに示されるように、積層体2、3それぞれの表面にソルダーレジスト6が形成される。ソルダーレジスト6は、例えば、感光性のエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂などを塗布したり噴霧したりすることによって形成される。ソルダーレジスト6には、露光及び現像によって開口6aが形成される。
図2E及び図2Fに示されるように、本実施形態の配線基板の製造方法は、剥離膜5の外縁に沿って下側積層体2x及び上側積層体2yを貫通する溝41を形成することを含んでいる。図2Fは、溝41の形成後の製造工程中の配線基板の平面図を示している。溝41の形成によって、剥離部Rとその周囲の部分との境界が画定される。剥離部Rは、溝41に囲まれていて後工程において除去される部分である。溝41によって、剥離部Rと、積層体2のうちの剥離部Rの周囲の部分とが、積層体2の積層方向と直交する平面上において分離される。その結果、剥離部Rの除去が容易になる。
図2Eの例では、レーザー光Lを上側積層体2y及び下側積層体2xに照射することによって溝41が形成されている。レーザー光Lは、積層体2の表面上のソルダーレジスト6に照射され、ソルダーレジスト6の被照射部分の融解及び焼失後、上側積層体2y及び下側積層体2xが順次レーザー光Lに照射される。レーザー光Lの種類としては、炭酸ガスレーザー、及びYAGレーザーなどが例示されるが、レーザー光Lの種類はこれらに限定されない。
溝41は、下地基板10に向かって先細りするテーパー形状を有している。溝41の内壁面41bは、積層体2の積層方向に対して傾斜している。レーザー光Lの集光条件を調整することによって、積層体2の積層方向に対する内壁面41bの角度を調整することができ、すなわち、図2Eに示される溝41の断面形状を調整することができる。
図2Fに示されるように、溝41は、好ましくは、連続的に、平面視で全体として枠状の形状を有するように剥離膜5の周囲に形成される。すなわち、レーザー光Lは剥離膜5の外縁5aに沿って照射される。レーザー光Lの照射によって剥離膜5における外縁5aの近傍部分が除去されてもよい。レーザー光Lは、好ましくは、導体パターン211の外縁よりも外側に照射される。レーザー光Lの進行が導体パターン211によって阻止されず、容易に溝41を形成することができる。
なお、溝41は、レーザー光Lの照射以外の方法で形成されてもよく、例えばドリル加工によって形成されてもよい。しかし、溝41がレーザー光の照射のように発熱などによる剥離膜5の変質を伴い得る方法で形成される場合、本実施形態の配線基板の製造方法は、後述するように特に有益なことがある。
図2G及び図2Hに示されるように、本実施形態の配線基板の製造方法は、下側積層体2x及び上側積層体2yにおける剥離部Rを除去することを含み、剥離部Rを除去することは、加熱することによって剥離部Rに反りを生じさせることを含んでいる。
本実施形態の配線基板の製造方法では、前述したように、下側積層体2x及び上側積層体2yが、対象導体体積に関して互いに異なるように形成される。そのため、剥離部R内において、下側積層体2xが有する熱膨張率と、上側積層体2yが有する熱膨張率とが異なり得る。そのため、剥離部Rを加熱することによって、図2Gに示されるように、剥離部Rに反りを生じさせることができる。図2Gの例では、上側積層体2yの対象導体体積は下側積層体2xの対象導体体積よりも小さい。積層体2内の絶縁層2a、2bは、十分な量の無機フィラー(図示せず)の添加によって、例えば銅からなる導体層21、22、及びビア導体20などの導電体よりも低い熱膨張率を有し得る。その場合、図2Gに示されるように、剥離部Rは、下地基板10側に凸となるように反ると考えられる。その結果、図2Gの例では剥離部Rの縁部が下地基板10から浮き上がっている。具体的には、剥離膜5と導体パッド11aとの間に隙間が生じている。
前述した特許文献1に開示の方法では、剥離フィルムの周縁部がレーザ光の照射によって溶解して下地の絶縁層に溶着することがある。その場合、剥離フィルム上の部分の除去が困難になり得る。本実施形態においても図2Eを参照して説明されたようなレーザー光を用いた溝41の形成では、レーザー光の熱によって剥離膜5における外縁5aの近傍部分が溶解し、導体パッド11aに溶着することが考えられる。
しかし、本実施形態では、加熱することによって剥離部Rに反りを生じさせることができる。その結果、剥離部Rの縁部に、下地基板10と反対方向に向く力を生じさせることができる。従って、図2Fに示されるように、剥離部Rの縁部を下地基板10から浮き上がらせることができる。また、剥離部Rの縁部が浮き上がらない場合でも、剥離部Rの縁部を、下地基板10からの離間を補助する力が作用している状態にすることができる。その結果、剥離部Rを容易に除去することができる。
図2Gの例では、下地基板10、下側積層体2x、及び上側積層体2yを含む、製造工程中の配線基板全体を所定の温度に調整された加熱炉F内に置くことによって、剥離部Rが加熱されている。このように、剥離部Rを加熱することは、下側積層体2x、上側積層体2y、及び、下地基板10全体を、所定の温度の雰囲気中に置くことを含み得る。「所定の温度」は、例えば、150℃以上、200℃以下が例示されるが、剥離部Rが加熱されるときの温度は、この温度範囲に限定されない。
剥離部Rの加熱方法は、剥離部Rを加熱炉F内に置くことに限定されない。例えば、加熱プレート上に製造工程中の配線基板を置くことによって剥離部Rが加熱されてもよい。また、熱風を吹き付けることによって、製造工程中の配線基板全体が加熱されてもよく、剥離部Rが局部的に加熱されてもよい。
図2Hに示されるように、剥離部Rが積層体2から除去される。前述したように、本実施形態の配線基板の製造方法は剥離部Rの加熱工程を含んでいるので、剥離部Rを容易に除去することができる。剥離部Rの除去によって、配線基板1に、部品E(図1参照)を収容するキャビティとして機能し得る凹部4が形成される。図2Hの例では、剥離膜5が剥離部Rと共に除去されている。本実施形態では、剥離部Rを除去することは剥離膜5を剥離部Rと共に除去することを含み得る。配線基板1に、凹部4からなるキャビティを効率良く形成することができる。
剥離部Rは、任意の方法で、積層体2から除去され得る。例えば、吸着治具(図示せず)などに剥離部Rが吸着されて積層体2から引き離されてもよく、L字型の治具が溝41内に挿入されて剥離部Rの側面に引っ掛けられた状態で剥離部Rと共に引き上げられてもよい。また、単に、積層体2側を重力方向に向けて、さらに必要に応じて振動を加えて、単に重力作用によって剥離部Rが積層体2から除去されてもよい。
剥離部Rは、加熱中に除去されてもよく、剥離部Rの加熱後に除去されてもよい。剥離部Rが加熱後に除去される場合、剥離部Rは、加熱による高温の状態を維持している状態で除去されてもよく、略常温まで降温後の状態で除去されてもよい。その場合でも剥離部Rには、加熱工程を経ているため下地基板10から剥離する力が一時的に作用している。そのため、例えば剥離膜5の溶着部分が既に破断していたり、その溶着による接着力が弱まっていたりして、剥離部Rの除去の容易性が高まっていることがある。
例えば以上の工程を経ることによって、図1の配線基板1が完成する。
図3~図6を参照して、本実施形態の配線基板の製造方法の変形例が説明される。図3~図6には、本実施形態の配線基板の製造方法の各変形例による製造工程中の配線基板がそれぞれ示されている。図3~図5には、先に参照された図2Dと同様にソルダーレジスト6の形成後の状態がそれぞれ示されており、図6には、図2Eと同様に溝42の形成後の状態が示されている。
図3に示される第1変形例では、上層導体層22の剥離領域Ra内に導体パターン221が形成されている。一方、下層導体層21には、剥離領域Ra内の略全体ではなく部分的に導体パターン212が形成されている。しかし、上層導体層22それぞれに形成されている導体パターン221の面積は、下層導体層21それぞれに形成されている導体パターン212の面積よりも大きい。従って、上層導体層22それぞれの剥離領域Ra内の残銅率は、下層導体層21それぞれの剥離領域Ra内の残銅率よりも小さい。すなわち、上層導体層22は、剥離領域Ra内の残銅率に関して下層導体層21よりも小さくなるように形成されている。
このように図3に示される第1変形例では、剥離領域Ra内の残銅率に関する上層導体層22と下層導体層21との差異によって、下側積層体2xの対象導体体積と上側積層体2yの対象導体体積とが異なっている。図3の例では、上側積層体2yの対象導体体積が下側積層体2xの対象導体体積よりも小さい。本実施形態の配線基板の製造方法では、このように、下側積層体2xの対象導体体積と上側積層体2yの対象導体体積とが異なるように、剥離領域Ra内の残銅率に関して互いに異なる下層導体層21及び上層導体層22が形成されてもよい。剥離領域Ra内に関する下層導体層21の残銅率と上層導体層22との間の好ましい残銅率の差は、例えば50%以上である。この程度の差異が両導体層間に存在すると、積層体2からの除去を補助する力が剥離部Rに生じ易いと考えられる。
なお、便宜上「残銅率」という用語が用いられているが、「残銅率」は、単に剥離領域Raの面積に対する剥離領域Ra内の導体パターンの面積の比率を示している。下層導体層21及び上層導体層22の材料は銅に限定されない。また図3の例のように、それぞれ複数の下層導体層21及び上層導体層22が形成される場合、各下層導体層21の残銅率のうちの最大の残銅率と、各上層導体層22の残銅率のうちの最大の残銅率とが異なるように、各導体層が形成されてもよい。
なお、先に参照された図2Dの例において上層導体層22の剥離領域Ra内の残銅率はゼロであり、下層導体層21は剥離領域Raにおいて90%以上の残銅率を有し得る。従って、図2Dの例においても、剥離領域Ra内の残銅率に関して互いに異なる下層導体層21及び上層導体層22が形成されている。
図3に示される第1変形例による製造工程中の配線基板は、導体パターン212、221を除いて、図2Dに示される製造工程中の配線基板と同様の構造を有している。図3における図2Dと同様の構成要素には、図2Dに付されている符号と同じ符号が付されるか適宜省略され、同様の構成要素に関する説明は省略される。
図4に示される第2変形例では、下側積層体2xは、金属箔210を含む3層構造の下層導体層21a、及び、ガラス繊維などからなる補強材2a1を含む絶縁層2aを含んでいる。下層導体層21aは、剥離領域Ra内に導体パターン213を含んでいる。一方、上層導体層22は、それぞれ、剥離領域Ra内に導体パターン222を含んでおり、各導体パターン222は、剥離領域Raの略全面に渡って形成されている。3層構造を有する下層導体層21a及び2層構造を有する上層導体層22は、互いに異なる厚さを有している。図4の例では、下層導体層21aの厚さは上層導体層22の厚さよりも大きい。
そのため、上層導体層22に剥離領域Raの略全面にわたる導体パターン222が形成されているにも拘らず、下層導体層21aの厚さと上層導体層22の厚さとの差異によって、下側積層体2xの対象導体体積と上側積層体2yの対象導体体積とが異なっている。図4の例では、上側積層体2yの対象導体体積が下側積層体2xの対象導体体積よりも小さい。本実施形態の配線基板の製造方法では、このように、下側積層体2xの対象導体体積と上側積層体2yの対象導体体積とが異なるように、厚さの異なる下層導体層21a及び上層導体層22が形成されてもよい。
また、図4の例では、下側積層体2xの絶縁層2aにおける剥離領域Ra内に、下層導体層21aと接続するビア導体20が形成されている。一方、上側積層体2yの絶縁層2bにもビア導体20が形成されているが、絶縁層2bにおける剥離領域Ra内にはビア導体20は形成されていない。すなわち、図4の例では、絶縁層2aにおける剥離領域Ra内のビア導体20の数は、絶縁層2bにおける剥離領域Ra内のビア導体20の数よりも多い。剥離領域Ra内のビア導体20の数の差異も、下側積層体2xの対象導体体積と上側積層体2yの対象導体体積との差異をもたらしている。図4の例では剥離領域Ra内で、絶縁層2aに含まれるビア導体20の数が絶縁層2bに含まれるビア導体20の数よりも多いので、上側積層体2yの対象導体体積が、下側積層体2xの対象導体体積よりも、さらに小さくされている。このように、下側積層体2xの対象導体体積と上側積層体2yの対象導体体積とが異なるように、剥離領域Ra内において、上層導体層22と接続するビア導体20の数と、下層導体層21aと接続するビア導体20の数とが異なるように、ビア導体20が形成されてもよい。
図4に示される第2変形例による製造工程中の配線基板は、下層導体層21a、導体パターン213、222、及び補強材2a1を除いて、図2Dに示される製造工程中の配線基板と同様の構造を有している。図4における図2Dと同様の構成要素には、図2Dに付されている符号と同じ符号が付されるか適宜省略され、同様の構成要素に関する説明は省略される。
図5に示される第3変形例では、下側積層体2xを構成する下層導体層21のうちの下地基板10側の2つの導体層21だけが、剥離領域Ra内に導体パターン211を有している。一方、上側積層体2yを構成する絶縁層2bの厚さは、下側積層体2xを構成する絶縁層2aの厚さよりも薄い。
図5の第3変形例のように、積層体2に含まれる導体層のうちの下地基板10側の半数以下の導体層だけが、剥離領域Ra内に導体パターンを有するように形成されてもよい。そのような場合でも、図2Gを参照して説明されたように、積層体2から除去される部分に、下地基板10から離間する方向の力を加熱によって生じさせ得ることがある。従って、積層体2から除去される部分の除去を容易にし得ることがある。特に、図5の例のように、積層体2の積層方向において、導体パターンを有する導体層が形成されている側と反対側の絶縁層の厚さが比較的薄い場合は、下地基板10から離間する方向の力を、除去される部分に生じさせ易いと考えられる。
なお、図5に示される第3変形例では、下地基板10側の2組の導体層21及び絶縁層2aが下側積層体2xと見なされてもよい。その場合、残りの一組の導体層21及び絶縁層2aと、3つの導体層22及び3つの絶縁層2bとの積層体が上側積層体2yと見なされ得る。すなわち、本実施形態の配線基板の製造方法では、下地基板10上に交互に積層される複数の絶縁層及び複数の導体層のうちの下地基板10側の任意の数の絶縁層と導体層との積層体が、下側積層体2xと見なされ得る。そして、下地基板10上に交互に積層される複数の絶縁層及び複数の導体層のうちの下側積層体2x以外の絶縁層と導体層との積層体が上側積層体2yと見なされ得る。下側積層体2x及び上側積層体2yからなる積層体2において積層体2の厚さ方向の中心に関して下地基板10側とその反対側とで導電体の体積が異なっていれば、下地基板10から離間する方向の力が除去される部分に作用し得ると考えられる。
図5に示される第3変形例による製造工程中の配線基板は、絶縁層2aの厚さと絶縁層2bの厚さとが異なる点と、導体パターン211が2つの導体層21だけに設けられている点を除いて、図2Dに示される製造工程中の配線基板と同様の構造を有している。図5における図2Dと同様の構成要素には、図2Dに付されている符号と同じ符号が付されるか適宜省略され、同様の構成要素に関する説明は省略される。
図6に示される第4変形例では、コア基板10と、コア基板10の両面に形成されているビルドアップ層2zを構成する絶縁層及び導体層のうちの一部とが、下地基板100として用意される。具体的には、コア基板10とその両側の6つの絶縁層2cと6つの導体層23とが下地基板100として用意される。すなわち第4変形例では、複数の絶縁層を含む下地基板100が用意される。下地基板100の第1面100a上に剥離膜5が形成され、剥離膜5と下地基板100の第1面100a上に下側積層体2xxが形成され、さらに上側積層体2yyが形成されている。下側積層体2xxは下層導体層24と絶縁層2dとによって構成されており、上側積層体2yyは、2つの上層導体層25と2つの絶縁層2eとによって構成されている。そして、上側積層体2yy及び下側積層体2xxを貫通する溝42が形成されている。
下層導体層24は剥離領域Ra内に導体パターン241を有し、上層導体層25は剥離領域Ra内に導体パターンを有していない。従って、図6に示される例においても、剥離部Rを加熱することによって、剥離部Rに下地基板100から離間する方向の力を作用させ得ると考えられる。従って、剥離部Rを容易に除去し得ることがある。図6に示される第4変形例のように、本実施形態の配線基板の製造方法では、剥離膜5は、ビルドアップ層2zの一部を含む下地基板100の表面上に設けられてもよい。
図7A及び図7Bを参照して、本実施形態の配線基板の製造方法の更なる変形例が説明される。図7A及び図7Bには、本実施形態の配線基板の製造方法の第5変形例による製造工程中の配線基板がそれぞれ示されている。図7Aには、先に参照された図2Dと同様にソルダーレジスト6の形成後の配線基板が示されており、図7Bには、図2Gと同様に剥離部Rの加熱中の配線基板が示されている。
図7A及び図7Bに示される第5変形例は、上側積層体2yに含まれる上層導体層22が剥離領域Ra内に導体パターン223を有し、下側積層体2xに含まれる下層導体層21が剥離領域Ra内に導体パターンを有していない点で、図2Dの例と異なる。すなわち、第5変形例では、上層導体層22は、剥離領域Ra内に所定の導体パターンを有するように形成されている。一方、下層導体層21は、剥離領域Ra内に導体パターンを有さないように形成されている。換言すると、上層導体層22は、剥離領域Ra内の残銅率に関して下層導体層21よりも大きくなるように形成されている。そして、上層導体層22は、剥離領域Ra内の導電体の体積に関して下層導体層21よりも大きくなるように形成されている。その結果、上側積層体2yの対象導体体積は、下側積層体2xの対象導体体積よりも大きい。
図7A及び図7Bの例において、導体パターン223は、剥離領域Raよりも小さくなるように形成されている。溝41が容易に形成され得る。なお第5変形例でも、先に参照された図4に示される第2変形例のように、剥離領域Ra内にビア導体20が形成されていてもよい。その場合、第5変形例では、上層導体層22と接続するビア導体20の数が、下層導体層21と接続するビア導体20の数よりも多くなるように、ビア導体20が形成されてもよい。
第5変形例においても上側積層体2yの対象導体体積と下側積層体2xの対象導体体積とが互いに異なるので、図7Bに示されるように、剥離部Rを加熱炉Fなどで加熱することによって剥離部Rに反りを生じさせることができる。図7Bの例では、上側積層体2yの対象導体体積は下側積層体2xの対象導体体積よりも大きい。従って、絶縁層2a、2bが、下層導体層21及び上層導体層22などの導電体よりも低い熱膨張率を有する場合、図7Bに示されるように、剥離部Rには、下地基板10側と反対側に凸となるような反りが生じ得る。そして、図7Bに示されるように剥離部Rの中央部が下地基板10から浮き上がることがある。その場合、剥離部Rの縁部には下地基板10と反対方向に向く力は生じないかもしれないが、剥離部Rの中央部が下地基板10から浮き上がることによって、剥離部Rの縁部に剥離部Rの中央部に向かう力が生じ得る。従って、剥離膜5の外縁付近が溶解して導体パッド11aに溶着していても、その溶着部分を破断させたり、その溶着による接着力を弱めたりし得ることがある。その結果、剥離部Rを容易に除去できることがある。図7A及び図7Bに示される例のように、本実施形態の配線基板の製造方法では、上側積層体2yの対象導体体積が下側積層体2xの対象導体体積よりも大きくなるように、上側積層体2y及び下側積層体2xが形成されてもよい。
図7A及び図7Bに示される第5変形例による製造工程中の配線基板は、剥離領域Ra内において下層導体層21に導体パターンが形成されずに上層導体層22に導体パターン223が形成されている点を除いて図2D及び図2Gに示される製造工程中の配線基板と同様の構造を有している。図7A及び図7Bにおける図2D又は図2Gと同様の構成要素には、図2D又は図2Gに付されている符号と同じ符号が付されるか適宜省略され、同様の構成要素に関する説明は省略される。
なお、図2Gなどを参照する剥離部Rの加熱についての説明では、絶縁層2a、2bが導電体よりも低い熱膨張率を有する場合について剥離部Rに生じる反りなどが説明されたが、絶縁層2a、2bは各導体層などの導電体よりも高い熱膨張率を有していてもよい。その場合、加熱時に剥離部Rに生じる反りの向きが、図2G及び図7Bそれぞれに示される向きと逆になるだけで、図2G又は図7Bを参照して説明されたように、剥離部Rの除去が容易になり、従って凹部4を容易に形成することができる。
実施形態の配線基板の製造方法は、各図面を参照して説明された方法に限定されない。例えば、各絶縁層は、フィルム状のエポキシ樹脂に限らず、例えばプリプレグなどの任意の形態及び種類の樹脂を用いて形成され得る。また剥離膜は、2層構造ではなく単層であってもよく、又は3層以上の積層構造を有していてもよい。単層構造の剥離膜は、例えば、銅などの金属に対して強固に接着せず、エポキシ樹脂などに対して強固に接着する材料を用いて形成され得る。本実施形態の配線基板の製造方法は、任意の層数の多層配線基板の製造に用いることができる。また実施形態の配線基板の製造方法では、コア基板を含まない下地基板が用意されてもよい。例えば、製造初期段階の絶縁層や導体層の支持に用いられて配線基板の完成時に除去される支持基板を含む下地基板が用意されてもよい。実施形態の配線基板の製造方法には、前述された各工程以外に任意の工程が追加されてもよく、前述された工程のうちの一部が省略されてもよい。
1 配線基板
10 コア基板(下地基板)
100 下地基板
12 絶縁層
2 ビルドアップ層(積層体)
21、21a、24 導体層(下層導体層)
211~213、241 導体パターン
22、25 導体層(上層導体層)
221~223 導体パターン
2a~2e 絶縁層
2x、2xx 下側積層体
2y、2yy 上側積層体
20、30 ビア導体
4 凹部
41、42 溝
4a 底面
5 剥離膜
R 剥離部
Ra 剥離領域
L レーザー光
10 コア基板(下地基板)
100 下地基板
12 絶縁層
2 ビルドアップ層(積層体)
21、21a、24 導体層(下層導体層)
211~213、241 導体パターン
22、25 導体層(上層導体層)
221~223 導体パターン
2a~2e 絶縁層
2x、2xx 下側積層体
2y、2yy 上側積層体
20、30 ビア導体
4 凹部
41、42 溝
4a 底面
5 剥離膜
R 剥離部
Ra 剥離領域
L レーザー光
Claims (13)
- 絶縁層を含む下地基板を用意することと、
前記下地基板の表面における所定の領域に剥離膜を設けることと、
前記剥離膜上、及び前記下地基板の前記表面上に、絶縁層及び導体層を交互に形成することによって下層導体層を含む下側積層体を形成することと、
前記下側積層体の前記下地基板側と反対側に、絶縁層及び導体層を交互に形成することによって上層導体層を含む上側積層体を形成することと、
前記剥離膜の外縁に沿って、前記下側積層体及び前記上側積層体を貫通する溝を形成することと、
前記下側積層体及び前記上側積層体において前記溝に囲まれている部分である剥離部を除去することと、
を含む配線基板の製造方法であって、
前記下側積層体及び前記上側積層体は、前記剥離膜と平面視で重なる領域である剥離領域内の導電体の体積に関して互いに異なるように形成され、
前記剥離部を除去することは、加熱することによって前記剥離部に反りを生じさせることを含んでいる。 - 請求項1記載の配線基板の製造方法であって、前記上層導体層は、前記剥離領域内の導電体の体積に関して前記下層導体層よりも小さくなるように形成される。
- 請求項1記載の配線基板の製造方法であって、前記上層導体層は、前記剥離領域内の残銅率に関して前記下層導体層よりも小さくなるように形成される。
- 請求項1記載の配線基板の製造方法であって、前記上層導体層は、前記剥離領域内に導体パターンを有しないように形成され、前記下層導体層は、前記剥離領域内に所定の導体パターンを有するように形成される。
- 請求項4記載の配線基板の製造方法であって、前記所定の導体パターンは、前記剥離領域よりも小さくなるように形成される。
- 請求項1記載の配線基板の製造方法であって、前記上層導体層は、前記剥離領域内の導電体の体積に関して前記下層導体層よりも大きくなるように形成される。
- 請求項1記載の配線基板の製造方法であって、前記上層導体層は、前記剥離領域内の残銅率に関して前記下層導体層よりも大きくなるように形成される。
- 請求項1記載の配線基板の製造方法であって、前記上層導体層は、前記剥離領域内に所定の導体パターンを有するように形成され、前記下層導体層は、前記剥離領域内に導体パターンを有しないように形成される。
- 請求項8記載の配線基板の製造方法であって、前記所定の導体パターンは、前記剥離領域よりも小さくなるように形成される。
- 請求項1記載の配線基板の製造方法であって、前記上層導体層及び前記下層導体層は、互いに異なる厚さを有している。
- 請求項1記載の配線基板の製造方法であって、さらに、前記上層導体層又は前記下層導体層と接続するビア導体を前記下側積層体及び前記上側積層体の少なくとも一方に形成することを含み、
前記ビア導体は、前記剥離領域内で前記上層導体層と接続する前記ビア導体の数と、前記剥離領域内で前記下層導体層と接続する前記ビア導体の数とが異なるように形成される。 - 請求項1記載の配線基板の製造方法であって、前記剥離部を加熱することは、前記下側積層体、前記上側積層体、及び前記下地基板全体を、150℃以上、200℃以下の雰囲気中に置くことを含んでいる。
- 請求項1記載の配線基板の製造方法であって、前記剥離部を除去することは前記剥離膜を前記剥離部と共に除去することを含んでいる。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020185506A JP2022074999A (ja) | 2020-11-06 | 2020-11-06 | 配線基板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020185506A JP2022074999A (ja) | 2020-11-06 | 2020-11-06 | 配線基板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022074999A true JP2022074999A (ja) | 2022-05-18 |
Family
ID=81605793
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020185506A Pending JP2022074999A (ja) | 2020-11-06 | 2020-11-06 | 配線基板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022074999A (ja) |
-
2020
- 2020-11-06 JP JP2020185506A patent/JP2022074999A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3811680B2 (ja) | 配線基板の製造方法 | |
JP5855905B2 (ja) | 多層配線基板及びその製造方法 | |
US9060459B2 (en) | Printed wiring board and method for manufacturing same | |
JP4332162B2 (ja) | 配線基板の製造方法 | |
JP2002232135A (ja) | 積層用両面回路基板とその製造方法及びそれを用いた多層プリント配線板 | |
US10477682B2 (en) | Printed wiring board and method for manufacturing the same | |
TW201334647A (zh) | 多層配線基板及其製造方法 | |
TW201347639A (zh) | 多層配線基板之製造方法 | |
US7807215B2 (en) | Method of manufacturing copper-clad laminate for VOP application | |
JP2017135357A (ja) | 印刷配線板およびその製造方法 | |
JP2019121766A (ja) | プリント配線板およびその製造方法 | |
JP6072332B2 (ja) | 半導体パッケージ基板 | |
JP2002094236A (ja) | 多層回路基板の製造方法 | |
US11792937B2 (en) | Component built-in wiring substrate | |
JP2022074999A (ja) | 配線基板の製造方法 | |
KR100366411B1 (ko) | 다층 인쇄회로기판 및 그 제조방법 | |
JP2001185854A (ja) | 多層プリント配線板およびその製造方法 | |
KR101119380B1 (ko) | 기판 제조용 캐리어 부재 및 이를 이용한 기판의 제조방법 | |
JP2020004930A (ja) | プリント配線板 | |
JP2008078487A (ja) | Vop用銅張積層板の製造方法 | |
JP2004158671A (ja) | 多層基板およびその製造方法 | |
KR20110060624A (ko) | 기판 제조용 캐리어 부재 및 이를 이용한 기판의 제조방법 | |
JP2022179156A (ja) | 配線基板及び配線基板の製造方法 | |
KR100722606B1 (ko) | Vop용 동박적층판의 제조방법 | |
JP2021012957A (ja) | プリント配線板 |