JP2022074539A - 遊星ローラ式動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置内部の熱を効率よく外部へ放熱することができる技術を提供する。【解決手段】 動力伝達装置1は、ハウジング14に固定された固定輪2と、固定輪2の径方向内方側に配置される太陽軸4と、固定輪2と太陽軸4との間に介在する複数の遊星ローラ6と、複数の遊星ローラ6を支持する複数の駆動ピン8と、複数の駆動ピン8の一端部8aが固定され、複数の遊星ローラ6を保持するキャリア10と、キャリア10に一体回転可能に設けられハウジング14外方へ突出する出力軸12と、を備える。複数の駆動ピン8のうち少なくとも1つの駆動ピン8の内部には、1つの駆動ピン8の長手方向に沿って延びる、密閉空間20が設けられる。密閉空間20には、密閉空間20内の移動に伴って熱を移動させる作動媒体22が収容されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、遊星ローラ式動力伝達装置に関する。
特許文献1には、遊星ローラ式動力伝達装置が開示されている。この遊星ローラ式動力伝達装置は、固定輪と、固定輪の径方向内方に設けられた第1軸(太陽軸)と、固定輪と第1軸との間に設けられた複数の遊星ローラと、遊星ローラを回転可能に支持するキャリアと、キャリアと一体回転する第2軸とを備える。
遊星ローラ式動力伝達装置は、減速機として用いられる場合、第1軸に伝達される回転を減速し第2軸から出力する。遊星ローラは、第1軸に伝達された回転により、第1軸と固定輪との間の環状空間を自転しながら公転する。遊星ローラの公転がキャリアの回転力となり、この回転力によって第2軸が回転する。
特開2019-78340号公報
上記遊星ローラ式動力伝達装置は、歯車を用いた減速機と比較して、歯車同士のかみ合いがないため、高速回転時の振動や騒音が少なく、高速回転での使用に適している。
しかし、近年のモータ等の高速化等に伴い、遊星ローラ式動力伝達装置において許容される回転入力のさらなる高速化が求められている。
遊星ローラ式動力伝達装置の潤滑方式としては、装置内部に貯留された潤滑油を遊星ローラや、キャリアプレート等により攪拌し各部を潤滑するオイルバス方式が通常採用される。
このようなオイルバス方式では、装置に対する回転入力がより高速になると、各部の摩擦や潤滑油の攪拌抵抗等により、装置内部の発熱が顕著になるという問題が生じる。装置内部の発熱は、潤滑油の早期劣化や、回転部分の焼き付き等の原因となるため抑制する必要がある。
そこで、遊星ローラ式動力伝達装置の潤滑方式として、潤滑油を循環させる循環方式を採用することが考えられる。循環方式を採用すれば潤滑油の冷却が容易となる。このため、装置内部を潤滑油によって冷却することができ、装置内部の発熱を効率よく抑制することができる。しかし、この場合、潤滑油を循環させるための循環装置が必要となり、装置全体が大型化してしまうというデメリットがある。
また、装置のハウジングに放熱フィンを設けたりすることが考えられる。この場合、装置全体の大型化を抑制することはできるが、遊星ローラ等の装置内部に配置される部材の放熱には適しておらず、装置内部の熱を効率よく放熱することは困難である。
このため、装置内部の熱を効率よく外部へ放熱することができる方策が望まれる。
本発明に係る遊星ローラ式動力伝達装置は、ハウジングに固定された固定輪と、前記固定輪の径方向内方側に前記固定輪と同心に配置される第1軸と、前記固定輪と前記第1軸との間に介在する複数の遊星ローラと、前記複数の遊星ローラを支持する複数のピンと、前記複数のピンの一端部が固定され、前記複数の遊星ローラを保持するキャリアと、前記キャリアに一体回転可能に設けられ前記ハウジング外方へ突出する第2軸と、を備え、前記複数のピンのうち少なくとも1つのピンの内部には、前記1つのピンの長手方向に沿って延びる、密閉空間が設けられ、前記密閉空間には、前記密閉空間内の移動に伴って熱を移動させる作動媒体が収容されている。
上記構成によれば、密閉空間内をピンの長手方向に沿って移動する作動媒体によって、ピンに伝達する熱を、金属の熱伝導等よりも効率よく移動させることができる。
このため、例えば、ピンの他端部に伝達した熱を、作動媒体によってピンの一端部へ効率よく移動させ、ピンの一端部を支持するキャリア及びキャリアに繋がる第2軸へ放熱することができる。この結果、装置内部で発生する熱を、ピンを介してキャリア、及びハウジング外方へ突出する第2軸へ効率よく伝達することができ、装置内部の熱を効率よく外部へ放熱することができる。
前記作動媒体は、前記複数のピンに伝達する熱によって蒸発可能な液体であり、前記密閉空間は、前記ピンの一端部側から前記ピンの他端部側へ向かうに従って前記第1軸の中心線から漸次離間する方向に傾斜していてもよい。
この場合、密閉空間及び作動媒体は、いわゆるヒートパイプを構成する。よって、作動媒体は、密閉空間内で気化及び液化を繰り返し、密閉空間内で熱を移動させる。
ピンの一端部側はキャリアに固定されているためにピンの他端部側と比較して放熱され易い。よって、ピンの他端部側は、一端部側と比較してより高温となる。
本構成では、密閉空間をピンの一端部側からピンの他端部側へ向かうに従って第1軸の中心線から漸次離間する方向に傾斜させることで、密閉空間内において放熱し液体状態にある作動媒体を、一端部側からより高温の他端部側へ遠心力によって積極的に移動させることができる。これにより、作動媒体の気化を促して作動媒体による他端部側での吸熱を促進することができ、作動媒体による熱の移動をより効率よく行うことができる。
上記遊星ローラ式動力伝達装置において、前記密閉空間は、前記1つのピンの内部に設けられた、前記1つのピンの長手方向に沿って延びる第1空間部と、前記第2軸の内部に設けられた、前記第2軸の長手方向に沿って延びる第2空間部と、前記キャリアの内部に設けられた、前記第1空間部と、前記第2空間部とを繋ぐ第3空間部と、を含むものであってもよい。
この場合、作動媒体の移動によって、ピンからキャリア、第2軸に亘って、金属の熱伝導等よりも効率よく熱を移動させることができる。よって、装置内部の熱をより効率よく放熱することができる。
本発明によれば、装置内部の熱を効率よく外部へ放熱することができる。
図1は、本実施形態に係る遊星ローラ式動力伝達装置の断面図である。 図2は、図1中、II-II線矢視断面図である。 図3は、図1の要部拡大図である。 図4は、変形例に係る遊星ローラ式動力伝達装置の断面図である。
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
〔全体構成について〕
図1は、本実施形態に係る遊星ローラ式動力伝達装置の断面図であり、図2は、図1中、II-II線矢視断面図である。
この遊星ローラ式動力伝達装置1は、モータMに取り付けられており、モータMの出力軸m1の回転を減速して出力する。以下、遊星ローラ式動力伝達装置1を動力伝達装置1ともいう。
動力伝達装置1は、固定輪2と、太陽軸(第1軸)4と、複数の遊星ローラ6と、複数の駆動ピン8と、キャリア10と、出力軸(第2軸)12とを備える。
太陽軸4は、モータMの出力軸m1にカップリング5を介して接続されている。つまり、太陽軸4は、モータMの回転力が入力される入力軸である。
太陽軸4の中心線は、動力伝達装置1の中心線Cと一致する。
本実施形態において、中心線Cに沿った方向及び中心線Cに平行な方向を「軸方向」と定義する。また、太陽軸4において出力軸m1の回転が入力される側(図1において右側)を「軸方向一方側」と定義し、出力軸12において回転を出力する側(図1において左側)を「軸方向他方側」と定義する。
さらに、中心線Cに直交する方向を「径方向」と定義し、中心線Cを中心とする円に沿う方向を「周方向」と定義する。
動力伝達装置1は、ハウジング14を備える。ハウジング14は、本体部14aと、蓋部14bとを備える。蓋部14bは、多数のボルト14cによって本体部14aに固定されている。蓋部14bには、モータMが固定されている。
固定輪2、太陽軸4、複数の遊星ローラ6、複数の駆動ピン8、及びキャリア10は、ハウジング14内に収容されている。
また、ハウジング14内には、各部を潤滑するための潤滑油が貯留されており、オイルバス方式による潤滑が行われる。
固定輪2は、ハウジング14の内周面に固定されている。固定輪2は、中心線Cを中心とする円環状の部材であり、機械構造用鋼等を用いて形成される。固定輪2は、内周側に複数の遊星ローラ6が転がり接触する内周面2aを有する。
太陽軸4は、機械構造用鋼等を用いて形成された部材であり、固定輪2に径方向内方側に固定輪2に同心に配置される。太陽軸4は、中心線Cを中心として回転可能に支持される。太陽軸4は、その外周側に複数の遊星ローラ6が転がり接触する円筒面4aを有する。
出力軸12は、機械構造用鋼等を用いて形成された部材であり、中心線Cに沿って太陽軸4の軸方向他方側に配列されている。出力軸12の中心線も、中心線Cと一致している。
出力軸12は、ハウジング14の開口14a1を通過するように設けられている。出力軸12の軸方向他方側の端部12aは、ハウジング14の外部に位置し、出力軸12の軸方向一方側の端部12bは、ハウジング14の内部に位置する。よって、出力軸12は、ハウジング14の外方へ突出している。出力軸12は、開口14a1に設けられた転がり軸受16によりハウジング14に対して回転自在に支持されている。
出力軸12の軸方向一方側の端面12cには、玉12c1が設けられている。玉12c1は、端面12cに設けられた孔に回転自在配置されている。玉12c1の一部は、端面12cから突出しており、太陽軸4の端面4bに接触している。これにより、太陽軸4の回転が直接出力軸12に伝達するのを防止している。
キャリア10は、出力軸12の端部12bに設けられている。キャリア10は、中心線Cを中心とする円板形状であり、機械構造用鋼等を用いて形成された部材である。キャリア10の中心孔10aには、出力軸12の端部12bが差し込まれて圧入固定されている。これにより、キャリア10と、出力軸12とは、一体回転可能とされている。よって、キャリア10は、出力軸12とともに中心線C回りに回転可能である。
複数の駆動ピン8は、キャリア10の軸方向一方側の端面10bから軸方向一方側へ突出して設けられている。本実施形態では、遊星ローラ6を3つ備えており、遊星ローラ6に対応して3つ設けられている。
3つの駆動ピン8は、機械構造用鋼等を用いて形成された棒状の部材である。駆動ピン8の軸方向他方側の一端部8aは、キャリア10に設けられた孔10cに差し込まれて圧入固定されている。
駆動ピン8の軸方向一方側の他端部8bには、遊星ローラ6が設けられている。駆動ピン8の他端部8bと遊星ローラ6との間には、一対の転がり軸受18が介在している。これにより、3つの駆動ピン8は、3つの遊星ローラ6を回転可能に支持する。
3つの遊星ローラ6は、固定輪2と太陽軸4との間に介在している。図2に示すように、3つの遊星ローラ6は、周方向に沿って等間隔で固定輪2と太陽軸4との間に配置されている。3つの遊星ローラ6は、太陽軸4の回りを周回する。つまり、3つの遊星ローラ6は、自転しながら太陽軸4の回りを公転する。
また、3つの遊星ローラ6は、固定輪2の内周面2aと、太陽軸4の円筒面4aとの間に所定の締め代をもって挟まれている。よって、3つの遊星ローラ6の外周面6aと内周面2aとは圧接している。同様に、3つの遊星ローラ6の外周面6aと、円筒面4aとは圧接している。
3つの遊星ローラ6を支持する3つの駆動ピン8は、3つの遊星ローラ6の配置に対応して、周方向に沿って等間隔となるようにキャリア10の端面10bに設けられている。
キャリア10は、3つの駆動ピン8を介して3つの遊星ローラ6を保持している。キャリア10は、3つの遊星ローラ6の周方向の配置を維持しつつ、3つの遊星ローラ6を太陽軸4の回りで回転可能に保持する。
例えば、モータMの出力軸m1の回転が太陽軸4に伝達し、太陽軸4が回転すると、太陽軸4に接触(圧接)している3つの遊星ローラ6が転走し駆動ピン8を中心に回転する。3つの遊星ローラ6が駆動ピン8を中心に回転すると、3つの遊星ローラ6は、固定輪2の内周面2aを走行し、太陽軸4の回りを公転する。
3つの遊星ローラ6が太陽軸4の回りを(中心線Cの回りを)公転すると、3つの遊星ローラ6を支持するキャリア10及び出力軸12は中心線Cを中心に回転する。これにより、動力伝達装置1は、太陽軸4に伝達された回転を減速し、出力軸12から出力する。
図1に示すように、3つの駆動ピン8のうちの1つの駆動ピン8、キャリア10、及び出力軸12には、密閉空間20が設けられている。
密閉空間20は、駆動ピン8の内部、キャリア10の内部、及び出力軸12の内部に亘って設けられた1つの空間である。
密閉空間20には、作動媒体22が収容されている。作動媒体22は、密閉空間20内を移動可能であり、密閉空間20内の移動に伴って熱を移動させる媒体である。本実施形態において、作動媒体22は、水である。
〔密閉空間について〕
図3は、図1の要部拡大図である。
図3に示すように、密閉空間20は、駆動ピン8の内部に設けられた第1空間部26と、出力軸12の内部に設けられた第2空間部28と、キャリア10の内部に設けられた第3空間部30とを含む。
第1空間部26は、駆動ピン8の長手方向に沿って延びる細長い円筒状の空間である。つまり、第1空間部26は、断面円形の孔である。
図3に示すように、第1空間部26の中心線c1は、軸方向他方側から軸方向一方側へ向かって中心線Cから離間する方向に傾斜している。これにより、第1空間部26は、駆動ピン8の一端部8a側から駆動ピン8の他端部8b側へ向かうに従って中心線Cから漸次離間する方向に傾斜している。
第1空間部26は、一端部8a側の側面に開口26aを有する。
第1空間部26は、駆動ピン8の他端部8bの端面8b1からドリルによる切削によって形成される。ドリルによって端面8b1から一端部8a側の側面まで孔を貫通させた後、端面8b1側の開口を栓36によって塞ぐ。これにより、開口26aを有する第1空間部26が形成される。
第2空間部28は、出力軸12の長手方向に沿って延びる細長い円筒状の空間である。第2空間部28は、断面円形の孔である。
図3に示すように、第2空間部28の中心線c2は、軸方向他方側から軸方向一方側へ向かって中心線Cから離間する方向に傾斜している。これにより、第2空間部28は、軸方向他方側から軸方向一方側へ向かうに従って中心線Cから漸次離間する方向に傾斜している。
第2空間部28は、軸方向一方側の端部12b側の側面に開口28aを有する。
第2空間部28は、出力軸12の端部12aの端面12a1からドリルによる切削によって形成される。ドリルによって端面12a1から端部12b側の側面まで孔を貫通させた後、端面12a1側の開口を栓38によって塞ぐ。これにより、開口28aを有する第2空間部28が形成される。
第3空間部30は、キャリア10の内部において径方向に沿って延びる細長い円筒状の空間である。第3空間部30は、断面円形の孔である。
第3空間部30は、出力軸12が差し込まれる中心孔10aと、駆動ピン8が差し込まれる孔10cとを繋ぐように設けられている。よって、第3空間部30は、中心孔10a側の開口30aと、孔10c側の開口30bとを有する。
開口30aは、第2空間部28の開口28aに一致している。また、開口30bは、第1空間部26の開口26aに一致している。これにより、第3空間部30は、第1空間部26と、第2空間部28とを繋ぐ。
なお、栓36,38や、開口30aと開口28aとの繋ぎ目、開口30bと開口26aとの繋ぎ目は、気密となるように接合されている。
以上のように、密閉空間20は、第1空間部26と、第2空間部28と、第3空間部30とを含んで構成される。
密閉空間20の作動媒体22は、動力伝達装置1を動作させたときに駆動ピン8に伝達する熱によって蒸発可能であり、上述のように水である。
また、密閉空間20は、気密であり、減圧状態とされている。つまり、密閉空間20及び作動媒体は、いわゆるヒートパイプを構成している。よって、作動媒体22は、密閉空間20内で気化及び液化を繰り返し、密閉空間20内で熱を移動させる。
出力軸12の端部12aは、ハウジング14の外方へ突出しているため、駆動ピン8の他端部8bと比較して放熱性がよい。よって、出力軸12の端部12a側は、駆動ピン8の他端部8b側と比較してより低温となる。駆動ピン8の他端部8b側は、動力伝達装置1の内部に位置しており、潤滑油等や各部の摩擦熱等が伝達するため、比較的高温となる。このため、液体状態の作動媒体22は、図3に示すように、駆動ピン8の他端部8b側で吸熱して気化する。気化した作動媒体22は、駆動ピン8の他端部8b側から、第3空間部30を通過し、第2空間部28へ向かって移動し、その移動の間に冷却されて液化し放熱する。このように、密閉空間20内の作動媒体22は駆動ピン8の他端部8b側から、キャリア10を経て出力軸12へ向かって熱を移動させる。
上記構成によれば、密閉空間20内を移動する作動媒体22によって、駆動ピン8に伝達する熱を、金属の熱伝導等よりも効率よく移動させることができる。
このため、例えば、駆動ピン8の他端部8b側に伝達した熱を、作動媒体22によって駆動ピン8の一端部8a側を経てキャリア10及び出力軸12へ効率よく移動させ、第2軸へ放熱することができる。この結果、装置内部で発生する熱を、ハウジング14の外方へ突出する出力軸12へ効率よく伝達することができ、装置内部の熱を効率よく外部へ放熱することができる。
ここで、駆動ピン8の一端部8a側はキャリア10に固定されているために他端部8b側と比較して放熱され易い。よって、駆動ピン8の他端部8b側は、一端部8a側と比較してより高温となる。
これに対して、本実施形態では、密閉空間20に含まれる第1空間部26が、駆動ピン8の一端部8a側から駆動ピン8の他端部8b側へ向かうに従って中心線Cから漸次離間する方向に傾斜している。
これによって、第1空間部26内において液体状態の作動媒体22を、駆動ピン8の一端部8a側からより高温の他端部8b側へ遠心力によって積極的に移動させることができる。これにより、作動媒体22の気化を促して作動媒体22による吸熱を促進することができ、作動媒体22による熱の移動をより効率よく行うことができる。
さらに、本実施形態では、第2空間部28も、軸方向他方側から軸方向一方側へ向かうに従って中心線Cから漸次離間する方向に傾斜している。
これによって、第2空間部28内において液体状態の作動媒体22を、軸方向他方側から軸方向一方側へ遠心力によって積極的に移動させることができる。これにより、作動媒体22をキャリア10の第3空間部30へ移動させて駆動ピン8側へ移動させることができ、作動媒体22による熱の移動をより効率よく行うことができる。
また、本実施形態では、密閉空間20が、駆動ピン8の内部に設けられた第1空間部26と、出力軸12の内部に設けられた第2空間部28と、キャリア10の内部に設けられた第3空間部30とを含む場合を示した。
この場合、作動媒体22の移動によって、駆動ピン8からキャリア10、出力軸12に亘って、金属の熱伝導よりも効率よく熱を移動させることができる。よって、装置内部の熱をより効率よく放熱することができる。
なお、密閉空間20は、少なくとも第1空間部26を含んでいればよい。
この場合においても、駆動ピン8の他端部8b側に伝達した熱を、作動媒体22によって駆動ピン8の一端部8a側へ効率よく移動させ、駆動ピン8の一端部8aを支持するキャリア10及びキャリア10に繋がる出力軸12へ放熱することができる。この結果、装置内部で発生する熱を、駆動ピン8を介してキャリア10、及びハウジング14外方へ突出する出力軸12へ効率よく伝達することができ、装置内部の熱を効率よく外部へ放熱することができる。
〔その他〕
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。
例えば、上記実施形態では、第1空間部26、第2空間部28、及び第3空間部30を含む密閉空間20を気密にし、作動媒体22を収容した場合を例示したが、例えば、図4に示すように、内部に気密な密閉空間40を有し、密閉空間40内に作動媒体42を収容する管状部材44を、第1空間部26、第2空間部28、及び第3空間部30に亘って配置してもよい。管状部材44は、例えば、銅合金等により形成されており、駆動ピン8、キャリア10、及び出力軸12と熱交換を効率的に行うことができるように構成されている。
この場合も、上記実施形態と同様、装置内部の熱を効率よく外部へ放出することができる。
また、上記実施形態では、3つの駆動ピン8のうちの1つの駆動ピン8に密閉空間20(第1空間部26)を設けた場合を例示したが、3つの駆動ピン8それぞれに第1空間部26を設け、密閉空間20が3つの第1空間部26を含んでいてもよい。
また、上記実施形態では、作動媒体22として水を用いたが、アルコールやフロン等を用いることができる。
本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 遊星ローラ式動力伝達装置 2 固定輪 4 太陽軸(第1軸)
6 遊星ローラ 8 駆動ピン 8a 一端部
8b 他端部 10 キャリア 12 出力軸(第2軸)
14 ハウジング 20 密閉空間 22 作動媒体
26 第1空間部 28 第2空間部 30 第3空間部
40 密閉空間 42 作動媒体 C 中心線

Claims (3)

  1. ハウジングに固定された固定輪と、
    前記固定輪の径方向内方側に前記固定輪と同心に配置される第1軸と、
    前記固定輪と前記第1軸との間に介在する複数の遊星ローラと、
    前記複数の遊星ローラを支持する複数のピンと、
    前記複数のピンの一端部が固定され、前記複数の遊星ローラを保持するキャリアと、
    前記キャリアに一体回転可能に設けられ前記ハウジング外方へ突出する第2軸と、を備え、
    前記複数のピンのうち少なくとも1つのピンの内部には、前記1つのピンの長手方向に沿って延びる、密閉空間が設けられ、
    前記密閉空間には、前記密閉空間内の移動に伴って熱を移動させる作動媒体が収容されている
    遊星ローラ式動力伝達装置。
  2. 前記作動媒体は、前記複数のピンに伝達する熱によって蒸発可能な液体であり、
    前記密閉空間は、前記ピンの一端部側から前記ピンの他端部側へ向かうに従って前記第1軸の中心線から漸次離間する方向に傾斜している
    請求項1に記載の遊星ローラ式動力伝達装置。
  3. 前記密閉空間は、
    前記1つのピンの内部に設けられた、前記1つのピンの長手方向に沿って延びる第1空間部と、
    前記第2軸の内部に設けられた、前記第2軸の長手方向に沿って延びる第2空間部と、
    前記キャリアの内部に設けられた、前記第1空間部と、前記第2空間部とを繋ぐ第3空間部と、を含む
    請求項1又は請求項2に記載の遊星ローラ式動力伝達装置。
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