JP2022073523A - ω-ヨードカルボン酸エステル誘導体の製造方法 - Google Patents

ω-ヨードカルボン酸エステル誘導体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ω-ヨードカルボン酸エステル誘導体の高収率な製造方法を提供する。【解決手段】ラクトン化合物とヨードトリアルキルシランとを混合して第1混合物を得ることと、第1混合物、アルキルアルコール、及び硫酸を混合することを含む、下記式(II)で表されるω-ヨードカルボン酸エステル誘導体を得ることとを含む。JPEG2022073523000013.jpg3370【選択図】なし

Description

本発明は、ω-ヨードカルボン酸エステル誘導体の製造方法に関する。
下記式(II’)に表される5-ヨード吉草酸エチル(エチル5-ヨードペンタノエート)は、医薬品等に使用可能な化合物の合成材料として使用され得る。
Figure 2022073523000001
例えば、非特許文献1には、上記5-ヨード吉草酸エチルが、ビオチンの合成のための亜鉛試薬の原料として使用できることが記載されている。ビオチンは、人及び動物の健康のために重要なビタミンの一種と考えられている。
非特許文献1には、下記チオラクトン化合物(DTL)と5-ヨード吉草酸エチルから合成された亜鉛試薬とを反応させて、下記化合物(DVE)を得ることと、この化合物(DVE)を水素化することにより化合物(HVC)を得ることと、この化合物(HVC)を脱ベンジル化することによりビオチン(BIOF)を得ることが記載されている。
Figure 2022073523000002
非特許文献1には、δ-バレロラクトンの溶液にヨウ化ナトリウム(NaI)及びクロロトリメチルシラン(TMS-Cl)を加えて攪拌した後、これにエタノールを加えることにより、5-ヨード吉草酸エチルを得ることが記載されている。
Toshiaki Shimizu,Masahiko Seki, "Facile synthesis of (+)-biotin via Fukuyama coupling reaction" Tetrahedron Letters, 41, 2000, 5099-5101.
本発明の目的は、ω-ヨードカルボン酸エステル誘導体の高収率な製造方法を提供することにある。
一実施形態によると、ω-ヨードカルボン酸エステル誘導体の製造方法が提供される。この製造方法は、下記式(I)で表されるラクトン化合物とヨードトリアルキルシランとを混合して第1混合物を得ることと、第1混合物、下記式(1)で表されるアルコール、及び硫酸を混合して、下記式(II)で表されるω-ヨードカルボン酸エステル誘導体を得ることとを含む。
Figure 2022073523000003
式(I)において、R、R、及びRは、それぞれ、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアラルキル基、又は、置換基を有してもよい複素環基である。nは、0以上4以下である。
-OH (1)
式(1)において、Rはアルキル基である。
Figure 2022073523000004
式(II)において、R、R、R及びnは、式(I)におけるものと同義である。Rは、式(1)におけるものと同義である。
実施形態によると、ω-ヨードカルボン酸エステル誘導体の高収率な製造方法が提供される。
実施形態に係るω-ヨードカルボン酸エステル誘導体の製造方法は、上記式(I)で表されるラクトン化合物(以下、単にラクトン化合物とも称する)とヨードトリアルキルシランとを混合して第1混合物を得ることと、この第1混合物に、上記式(1)で表されるアルコール(以下、単にアルコールとも称する)に加えて硫酸を混合することを含む。これにより、上記式(II)で表されるω-ヨードカルボン酸エステル誘導体(以下、単にω-ヨードカルボン酸エステル誘導体とも称する)の収率を高めることができる。この理由は、以下のとおりであると本発明者は考えている。
先ず、ラクトン化合物とヨードトリアルキルシラン(TASI)とを用いた方法においては、以下の2つのステップを経てω-ヨードカルボン酸エステル誘導体が合成されていると考えられる。
Figure 2022073523000005
ステップ1として、式(I)で表されるラクトン化合物にTASIを接触させる。これにより、ラクトン化合物の開環が生じ、そのω位がヨード基で修飾されるとともに、α位がTAS(トリアルキルシリル)基で修飾されて、上記式(I-i)に表される中間体を含む第1混合物が得られる。TASIは、例えば、クロロトリアルキルシラン(TASCl)と、ヨウ素化剤(I agent)とを接触させることにより得られる。
次に、ステップ2として、この第1混合物にアルコール(R-OH)を接触させる。これにより、TASIとR-OHとが反応して、ヨウ化水素(HI)が生成される。このHIは、中間体(I-i)のTAS基の除去を促進する。TAS基脱離後の中間体(I-i)とR-OHとが反応することにより、中間体(I-i)のα位がアルキルエステル化されて、式(II)で表されるω-ヨードカルボン酸エステル誘導体が生成される。HIは、このアルキルエステル化も促進する。
実施形態に係る方法においては、このステップ2において、R-OHとともに硫酸(HSO)を混合する。硫酸は、α位のアルキルエステル化を促進できる。したがって、実施形態に係る方法によると、硫酸を用いない方法と比較して、ω-ヨードカルボン酸エステル誘導体の収率を高められる。また、この方法によると、α位のアルキルエステル化が十分に促進されるため、HIの使用量を低減できる。したがって、HIの生成に必要なヨードトリアルキルシランの量、すなわち、クロロトリアルキルシラン及びヨウ素化剤等の量を低減できる。それゆえ、この方法によると、低コストで高収率にω-ヨードカルボン酸エステル誘導体を製造できる。
第1混合物と硫酸との混合は、アルコールと同時でもよく、アルコール混合後でもよい。すなわち、ステップ2において、アルコールとともに第1混合物と硫酸とを接触させることにより、ω-ヨードカルボン酸エステル誘導体をより低コストに製造できる。あるいは、第1混合物とアルコールとを混合して得られた第2混合物に対して、ステップ3として硫酸を接触させることにより、ω-ヨードカルボン酸エステル誘導体の収率をより高められる。
以下、本発明の詳細を説明する。
(ラクトン化合物)
ラクトン化合物は、下記式(I)で表される。
Figure 2022073523000006
式(I)において、R、R、及びRは、それぞれ、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアラルキル基、又は、置換基を有してもよい複素環基である。R、R、及びRは、水素原子であることが好ましい。
置換基を有してもよいアルキル基及び置換基を有してもよいアルコキシ基の炭素数は、1以上20以下であることが好ましい。置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、及び、置換基を有してもよい複素環基の炭素数は、5以上30以下であることが好ましい。複素環基に含まれるヘテロ原子としては、硫黄原子、窒素原子、又は酸素原子が挙げられる。
アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アラルキル基、又は、複素環基が有する置換基としては、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、アミノ基、又はハロゲノ基が挙げられる。ハロゲノ基としては、ブロモ基、クロロ基、ヨード基、又はフルオロ基である。
nは、0以上4以下である。すなわち、ラクトン化合物は、4員環、5員環、6員環、7員環、又は8員環である。nは、1以上2以下であることが好ましい。
ラクトン化合物の好ましい具体例としては、下記式(I’)で表されるδ-バレロラクトンが挙げられる。
Figure 2022073523000007
(ヨードトリアルキルシラン)
ヨードトリアルキルシラン(TASI)は、ラクトン化合物と反応して上記中間体(I-i)を生成する。また、TASIは、中間体(I-i)のα位のアルキルエステル化に必要なHIの生成源となる。
ヨードトリアルキルシランは、例えば、ヨードトリメチルシラン、ヨードトリエチルシラン、ヨードトリプロピルシラン、及びヨードトリブチルシランからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。ヨードトリアルキルシランは、ヨードトリメチルシランを含むことが好ましい。
1モルのラクトン化合物に対するTASIの量は、例えば、0.5モル以上5モル以下であり、好ましくは、1.0モル以上3モル以下である。TASIの量が過剰に少ないと、ω-ヨードカルボン酸エステル誘導体の収率が低下し得る。一方、TASIの量が過剰に多いと、コストが高まる。実施形態に係る方法によると、硫酸を用いて中間体(I-i)のα位のアルキルエステル化を促進できる。したがって、1モルのラクトン化合物に対するTASIの量を、1.50モル以下、1.20モル以下、又は1.10モル以下にまで低減できる。
ヨードトリアルキルシランは、ヨウ素化剤とトリアルキルクロロシラン(TASCl)とを接触させて合成することが好ましい。
ヨウ素化剤としては、無機ヨウ素化合物を用いてもよく、有機ヨウ素化合物を用いてもよい。無機ヨウ素化合物の例には、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化カリウム(KI)、及びヨウ化アンモニア(NHI)が挙げられる。有機ヨウ素化合物の例には、MeNI(テトラメチルアンモニウムヨージド)、及びn-BuNI(テトラブチルアンモニウムヨージド)が挙げられる。ヨウ素化剤としては、1種類を用いてもよく、複数種類を用いてもよい。ヨウ素化剤としては、NaIを用いることが好ましい。
1モルのラクトン化合物に対するヨウ素化剤の量は、例えば、0.5モル以上5モル以下であり、好ましくは、1.0モル以上3モル以下である。1モルのラクトン化合物に対するヨウ素化剤の量は、1.50モル以下、1.20モル以下、又は1.10モル以下にまで低減できる。
1モルのTASClに対するヨウ素化剤の量は、0.5モル以上2モル以下であることが好ましい。TASClとヨウ素化剤とのモル比は、1であることが好ましい。
トリアルキルクロロシランは、例えば、トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、トリプロピルクロロシラン、及びトリブチルクロロシランからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。トリアルキルクロロシランは、トリメチルクロロシランを含むことが好ましい。
1モルのラクトン化合物に対するトリアルキルクロロシランの量は、例えば、0.5モル以上5モル以下であり、好ましくは、1.0モル以上3モル以下である。1モルのラクトン化合物に対するヨウ素化剤の量は、1.50モル以下、1.20モル以下、又は1.10モル以下にまで低減できる。
(アルコール)
アルコールは、下記式(1)で表される。式(1)において、Rはアルキル基である。アルキル基の炭素数は、1以上20以下であることが好ましく、1以上10以下であることがより好ましい。
-OH (1)
アルコールは、メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-ブタノール2-メチル-1-プロパノール、2-ブタノール、及び2-メチル-2-プロパノールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。アルコールは、エタノールを含むことがより好ましい。
1gのラクトン化合物に対するアルコールの量は、例えば、1mL以上10mL以下であり、好ましくは、2mL以上5mL以下である。
(硫酸)
硫酸としては、濃硫酸を用いることが好ましい。硫酸の濃度は、95質量%以上であることが好ましく、98質量%以上であることがより好ましい。硫酸の濃度に上限は特にないが、一例によると、100質量%である。
1モルのラクトン化合物に対する硫酸の量は、0.001モル以上1.0モル以下であることが好ましい。硫酸の量がこの範囲内にあると、ω-ヨードカルボン酸エステル誘導体の収率がより高まる。1モルのラクトン化合物に対する硫酸の量は、0.01モル以上0.5モル以下であることがより好ましく、0.1モル以上0.5モル以下であることが更に好ましい。
1モルのTASIに対する硫酸の量は、0.01モル以上1.0モル以下であることが好ましく、0.1モル以上0.5モル以下であることがより好ましい。
1mLのアルコールに対する硫酸の量は、例えば、0.01g以上1g以下であり、好ましくは、0.03g以上0.10g以下である。
(ω-ヨードカルボン酸エステル誘導体)
ω-ヨードカルボン酸エステル誘導体は、下記式(II)で表される。このω-ヨードカルボン酸エステル誘導体は、例えば、ビオチン合成のための中間体として使用し得る。
Figure 2022073523000008
式(II)において、R、R、R及びnは、式(I)におけるものと同義である。Rは、式(1)におけるものと同義である。
ω-ヨードカルボン酸エステル誘導体の具体例としては、上述した式(II’)に表される5-ヨード吉草酸エチルが挙げられる。
ω-ヨードカルボン酸エステル誘導体と、有機亜鉛化合物とを接触させることにより、下記式(III)に表される化合物を得ることができる。式(III)に表される化合物は、例えば、ビオチン合成のための中間体や、福山カップリング用の有機亜鉛試薬として使用できる。
Figure 2022073523000009
式(III)において、R、R、R及びnは、式(I)におけるものと同義である。Rは、式(1)におけるものと同義である。
(ω-ヨードカルボン酸エステル誘導体の製造方法)
実施形態に係るω-ヨードカルボン酸エステル誘導体の製造方法は、ラクトン化合物とヨードトリアルキルシランとを混合して第1混合物を得ることと、第1混合物、アルコール、及び硫酸を混合して、ω-ヨードカルボン酸エステル誘導体を得ることとを含む。
ラクトン化合物とヨードトリアルキルシランとの混合温度は、例えば、-10℃以上70℃以下であり、好ましくは0℃以上50℃以下であり、より好ましくは10℃以上40℃以下である。ラクトン化合物とヨードトリアルキルシランとの混合時間は、例えば、2時間以上48時間以下であり、好ましくは、10時間以上30時間以下である。ラクトン化合物とヨードトリアルキルシランとは、混合時間の間、攪拌されることが好ましい。
ラクトン化合物とヨードトリアルキルシランとの混合は、反応溶媒中で行われることが好ましい。反応溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン(THF)、2-メチルTHF、1,4-ジオキサン、tert-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、ジグライム、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、及びヘプタンからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いる。反応溶媒としては、アセトニトリルを用いることが好ましい。
反応溶媒を用いる場合、以下の方法で第1混合物を得ることが好ましい。先ず、ラクトン化合物とヨウ素化剤と反応溶媒とを混合して懸濁液を調製する。この懸濁液と、トリアルキルクロロシランとを混合する。これにより、反応液内でヨードトリアルキルシランを生成させ、これとラクトン化合物とを反応させて第1混合物を得る。懸濁液とトリアルキルクロロシランとの接触温度は0℃以上40℃以下であることが好ましく、混合時間は10時間以上30時間以下であることが好ましい。
次に、このようにして得られた第1混合物と、アルコールと、硫酸とを混合して、ω-ヨードカルボン酸エステル誘導体を含む混合物を得る。第1混合物と、アルコールと、硫酸との混合温度は、例えば、-10℃以上70℃以下であり、好ましくは0℃以上50℃以下であり、より好ましくは10℃以上40℃以下である。第1混合物と、アルコールと、硫酸とは、例えば、1時間以上20時間以下、好ましくは、2時間以上10時間以下にわたって攪拌されることが好ましい。
硫酸は、第1混合物とアルコールとを混合して得られた第2混合物に加えてもよい。第1混合物とアルコールとを混合した後に硫酸を加えると、ω-ヨードカルボン酸エステル誘導体の収率がより高まる傾向にある。この場合、第1混合物とアルコールとの混合条件は、上記第1混合物とアルコールと硫酸との混合条件と同一でもよい。第2混合物と硫酸との混合温度は、例えば、-10℃以上70℃以下であり、好ましくは0℃以上50℃以下であり、より好ましくは10℃以上40℃以下である。第2混合物と硫酸とは、例えば、10分以上10時間以下、好ましくは、1時間以上5時間以下にわたって攪拌されることが好ましい。
以上の方法で得られたω-ヨードカルボン酸エステル誘導体は、以下の方法で取り出されることが好ましい。先ず、反応液を減圧濃縮させて、残渣を得る。この残渣に水を加えた後、ヘキサン等の有機溶媒を加えて、有機層と水層とに分離させる。有機層を抽出した後、水層に有機溶媒を加えて、有機層と水層とに再び分離させる。有機層を抽出し、先に抽出した有機層と合わせて総有機層を得る。総有機層を、亜硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水、及び水等で洗浄する。洗浄後の総有機層を減圧濃縮させて、ω-ヨードカルボン酸エステル誘導体の生成物を得る。
ω-ヨードカルボン酸エステル誘導体の構造は、例えば、この生成物について核磁気共鳴(NMR)分光分析を行うことにより確認できる。また、この生成物におけるω-ヨードカルボン酸エステル誘導体の純度は、例えば、ガスクロマトグラフィーにより測定できる。実施形態に係る方法によると、ガスクロマトグラフィーの面積百分率による純度が99.0%以上の高純度なω-ヨードカルボン酸エステル誘導体を得られる。
以下に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、具体例であって、本発明はこれらにより限定されるものではない。
<実施例1>
以下の方法で、上記式(I’)で表されるδ-バレロラクトンから、式(II’)に表される5-ヨード吉草酸エチルを得た。
25g(0.25モル)のδ-バレロラクトンと、41.17g(0.275モル)のヨウ化ナトリウム(NaI)と、125mLのアセトニトリルとを混合して、懸濁液を得た。この懸濁液に、29.84g(0.275モル)のクロロトリメチルシラン(TMSCl)を加え、30℃の温度で24時間にわたって攪拌して第1混合物を得た。第1混合物を薄層クロマトグラフィー上に展開して、δ-バレロラクトンの消失を確認した。第1混合物に62.5mLのエタノールを加え、30℃の温度で5時間にわたって攪拌して第2混合物を得た。第2混合物に、4.90g(0.055モル)の濃硫酸を加え、30℃の温度で2時間にわたって攪拌して反応液を得た。
反応液を減圧濃縮させて残渣を得た。この残渣に200mLの水を加えた後、50mLのヘキサンを加えて有機層と水層とに分離させた。有機層を抽出した後、水層に50mLのヘキサンを加えて、有機層と水層とに再び分離させた。有機層を抽出し、先に抽出した有機層と合わせて総有機層を得た。総有機層を、25mLの5質量%亜硫酸ナトリウム水溶液、25mLの飽和食塩水、及び25mLの水の順で洗浄した。洗浄後の総有機層を減圧濃縮させて、5-ヨード吉草酸エチルの生成物を得た。5-ヨード吉草酸エチルの生成物の量は、57.2gであり、その収率は89.48%であった。
<比較例1、2、及び参考例1>
下記表1に記載のとおりにヨウ化ナトリウム及びクロロトリメチルシランの量を変更したこと、及び、硫酸を省略したこと以外は、実施例1と同様の方法で5-ヨード吉草酸エチルの生成物を得た。5-ヨード吉草酸エチルの収率を表1に示す。
<NMR分光分析>
実施例1、比較例1、2、及び参考例1で得られた生成物について、NMR分光分析により、5-ヨード吉草酸エチルが合成されていることを確認した。分析結果は以下のとおりであった。
H-NMR(CDCl)δ: 4.132(q、J=7.6Hz、2H)、3.166-3.211(m、2H)、2.301-2.349(m、2H)、1.564-1.894(m、4H)、1.258(t、J=7.6Hz、3H)。
<純度測定>
実施例1、比較例1、2、及び参考例1で得られた生成物の純度を、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて測定した。その結果を下記表1に示す。GC条件は、以下のとおりとした。
機器名: Shimadzu Nexis GC-2030、A0C-20i PLUS , FID Detector
カラム: OV-5(30m x 0.53mm、3.0μm
検出器: FID
キャリヤーガス: 窒素
圧力: 2.8psi
スプリット比: 1:10
温度: 100℃~280℃(10°C/min.)
Injector temp: 300°C
Injection Volume: 0.2 μL
ヨード吉草酸エチルの保持時間: 13.075 min。
Figure 2022073523000010
上記表1において、NaI、TMSCl、及びHSOと表記した列には、1モルのδ-バレロラクトンに対するNaI、TMSCl、及びHSOの物質量をそれぞれ記載している。
上記表1のとおり、硫酸を使用した実施例1においては、NaI及びTMSClの量が少ないにも関わらず、NaI及びTMSClの量が多い参考例1と同等の収率及び純度を実現した。これに対して、硫酸を用いない比較例1及び2では、高い収率を実現できなかった。

Claims (5)

  1. 下記式(I)で表されるラクトン化合物とヨードトリアルキルシランとを混合して第1混合物を得ることと、
    前記第1混合物、下記式(1)で表されるアルコール、及び硫酸を混合して、下記式(II)で表されるω-ヨードカルボン酸エステル誘導体を得ることと
    を含む、ω-ヨードカルボン酸エステル誘導体の製造方法:
    Figure 2022073523000011
    前記式(I)において、
    、R、及びRは、それぞれ、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアラルキル基、又は、置換基を有してもよい複素環基であり、
    nは、0以上4以下であり、
    -OH (1)
    前記式(1)において、Rはアルキル基であり、
    Figure 2022073523000012
    前記式(II)において、
    、R、R及びnは、前記式(I)におけるものと同義であり、
    は、前記式(1)におけるものと同義である。
  2. 1モルの前記式(I)で表されるラクトン化合物に対する前記硫酸の量は、0.001モル以上1モル以下である請求項1に記載のω-ヨードカルボン酸エステル誘導体の製造方法。
  3. 前記ヨードトリアルキルシランは、ヨウ素化剤とトリアルキルクロロシランとを接触させて得られる請求項1又は2に記載のω-ヨードカルボン酸エステル誘導体の製造方法。
  4. 1モルの前記式(I)で表されるラクトン化合物に対する前記ヨウ素化剤の量は、1.2モル以下である請求項3に記載のω-ヨードカルボン酸エステル誘導体の製造方法。
  5. 1モルの前記式(I)で表されるラクトン化合物に対する前記トリアルキルクロロシランの量は、1.2モル以下である請求項3又は4に記載のω-ヨードカルボン酸エステル誘導体の製造方法。
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