JP2022071682A - 車輪用軸受および車輪用軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】外側継手部材における凸部の第2凹部に対する圧入異常の発生を抑制できる車輪用軸受装置を提供する。【解決手段】外輪2とハブ輪3および内輪4からなる内方部材とを有する車輪用軸受10と、外側継手部材21を有する等速自在継手20と、外側継手部材21をハブ輪3に締結するボルト41とを備えた車輪用軸受装置1であって、外側継手部材21のハブ輪3に対する嵌合部であるステム部27は、軸方向に延びる複数の凸部28を有しており、ハブ輪3の軸孔3eは、凸部28よりも大径に形成され、外側継手部材21がハブ輪3に嵌合される際に凸部28を案内する複数の第1凹部35と、軸方向において第1凹部35のアウター側に隣接して配置され、凸部28よりも小径に形成されるとともに凸部28に対して締め代を有して嵌合可能な複数の第2凹部36と、第1凹部35と第2凹部36との境界部に形成され、軸方向に対して垂直な段差面37とを有する。【選択図】図2
Description
本発明は車輪用軸受および車輪用軸受装置に関する。
従来、自動車等の懸架装置において車輪を回転自在に支持する車輪用軸受と、前記車輪用軸受にトルク伝達可能に結合される等速自在継手とを備えた車輪用軸受装置が知られている。このような車両用軸受装置においては、等速自在継手の外側継手部材が車輪用軸受を構成するハブ輪の内径部に嵌合されることにより、車輪用軸受と等速自在継手とが結合されている。
近年、車輪用軸受装置においては軽量化が求められているため、外側継手部材とハブ輪の内径部とを密着嵌合させて嵌合部の許容トルクを増大させることにより、外側継手部材のハブ輪に対する嵌合部長さを短くして、車輪用軸受装置の軽量化を図ることが行われている。
外側継手部材とハブ輪の内径部とを密着嵌合させる構成としては、例えば特許文献1に開示される構成が知られている。特許文献1に開示される車輪用軸受装置おいては、外側継手部材におけるステム部の外周面に軸方向に延びる複数の凸部からなる雄スプラインが形成されている。また、ハブ輪の内径部は、ステム部における雄スプラインの凸部よりも大きめの第1凹部が複数形成されたガイド部と、雄スプラインの凸部に対して締め代を有する複数の第2凹部とを有している。
そして、ガイド部の第1凹部により雄スプラインの凸部をガイドしながら、雄スプラインの凸部を第2凹部に圧入することにより、雄スプラインの凸部と第2凹部とを密着嵌合させるように構成されている。ステム部の第2凹部への圧入は、例えばハブ輪に支持されたボルトを外側継手部材に螺装して、ステム部を第2凹部側へ引き込むことにより行われる。
ここで、第1凹部は第2凹部よりも大径に形成されているため、第1凹部と第2凹部との境界部には段差が形成されている。また、車輪用軸受装置の軸方向を水平方向に向けた姿勢で雄スプラインの凸部を第2凹部に圧入する際に、第1凹部によって凸部がガイドされた状態のステム部のインナー側が、自重により軸方向に対して路面側に傾斜した姿勢となる場合がある。
この場合、例えば第1凹部と第2凹部との境界部の段差形状が第1凹部から第2凹部へ向けて縮径するテーパ形状に形成されていると、ステム部を第2凹部側へ引き込んだ際に、第1凹部と第2凹部との境界部に凸部が当接した後、ステム部が傾斜した姿勢のままで第2凹部に圧入され、路面側における凸部と第2凹部との締め代が増大することとなる。これにより、ステム部を第2凹部側へ向けて引き込むために必要なボルトの締結による軸力が大きくなり、ステム部の雄スプラインにおける凸部の第2凹部に対する圧入異常が生じるおそれがある。
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、第1凹部によって凸部がガイドされた状態の外側継手部材が軸方向に対して傾斜した姿勢となった場合でも、外側継手部材における凸部の第2凹部に対する圧入異常の発生を抑制することができる車輪用軸受および車輪用軸受装置の提供を目的とする。
第一の発明は、内周に複列の外側軌道面を有する外方部材と、外周に軸方向に延びる小径段部を有するハブ輪、および前記ハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、前記複列の外側軌道面に対向する複列の内側軌道面を有する内方部材と、前記外方部材と前記内方部材との両軌道面間に転動自在に収容された複列の転動体とからなる車輪用軸受と、前記ハブ輪の内径部に嵌合可能な外側継手部材を有する等速自在継手と、前記ハブ輪に嵌合した外側継手部材を前記ハブ輪に締結するボルトと、を備えた車輪用軸受装置であって、前記外側継手部材の前記ハブ輪に対する嵌合部は、外周面に軸方向に沿って延びる複数の凸部を有しており、前記ハブ輪の内径部は、前記外側継手部材の前記凸部よりも大径に形成され、前記外側継手部材が前記ハブ輪に嵌合される際に前記凸部を案内する複数の第1凹部と、軸方向において第1凹部のアウター側に隣接して配置され、前記凸部よりも小径に形成されるとともに前記凸部に対して締め代を有して嵌合可能な複数の第2凹部と、前記第1凹部と前記第2凹部との境界部に形成され、軸方向に対して垂直な段差面と、を有することを特徴とする車輪用軸受装置である。
第二の発明は、内周に複列の外側軌道面を有する外方部材と、外周に軸方向に延びる小径段部および等速自在継手の外側継手部材が嵌合可能な内径部を有するハブ輪、ならびに前記ハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、前記複列の外側軌道面に対向する複列の内側軌道面を有する内方部材と、前記外方部材と前記内方部材との両軌道面間に転動自在に収容された複列の転動体と、からなる車輪用軸受であって、前記ハブ輪の前記内径部は、前記外側継手部材の外周面に軸方向に沿って形成される複数の凸部よりも大径に形成される複数の第1凹部と、軸方向において第1凹部のアウター側に隣接して配置され、前記凸部よりも小径に形成される複数の第2凹部と、前記第1凹部と前記第2凹部との境界部に形成され、軸方向に対して垂直な段差面と、を有することを特徴とする車輪用軸受である。
本発明によれば、外側継手部材における凸部のハブ輪における第2凹部に対する圧入異常が生じることを抑制することが可能である。
以下に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
[車輪用軸受装置]
図1に示す車輪用軸受装置1は、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態であり、車輪用軸受10と等速自在継手20とを有している。
図1に示す車輪用軸受装置1は、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態であり、車輪用軸受10と等速自在継手20とを有している。
(車輪用軸受)
車輪用軸受10は、自動車等の車両の懸架装置において車輪を回転自在に支持するものである。車輪用軸受10は、外方部材である外輪2と、内方部材であるハブ輪3および内輪4と、転動列である二列のインナー側ボール列5およびアウター側ボール列6と、インナー側シール部材9Aと、アウター側シール部材9Bとを具備する。
車輪用軸受10は、自動車等の車両の懸架装置において車輪を回転自在に支持するものである。車輪用軸受10は、外方部材である外輪2と、内方部材であるハブ輪3および内輪4と、転動列である二列のインナー側ボール列5およびアウター側ボール列6と、インナー側シール部材9Aと、アウター側シール部材9Bとを具備する。
ここで、インナー側とは、車体に取り付けた際の車輪用軸受装置1の車体側を表し、アウター側とは、車体に取り付けた際の車輪用軸受装置1の車輪側を表す。また、軸方向とは、車輪用軸受装置1の回転軸に沿った方向を表す。
外輪2のインナー側端部には、インナー側シール部材9Aが嵌合可能なインナー側開口部2aが形成されている。外輪2のアウター側端部には、アウター側シール部材9Bが嵌合可能なアウター側開口部2bが形成されている。
インナー側シール部材9Aがインナー側開口部2aに嵌合されることにより、外輪2と内方部材とによって形成された環状空間15のインナー側の開口端が塞がれている。アウター側シール部材9Bがアウター側開口部2bに嵌合されることにより、環状空間15のアウター側の開口端が塞がれている。
外輪2の内周面には、インナー側の外側軌道面2cと、アウター側の外側軌道面2dとが形成されている。外輪2の外周面2oには、外輪2を車体側部材(ナックル)に取り付けるための車体取り付けフランジ2eが一体的に形成されている。車体取り付けフランジ2eには、車体側の部材と外輪2とを締結する締結部材が挿通されるボルト孔2fが設けられている。
ハブ輪3の外周面3oにおけるインナー側端部には、アウター側端部よりも縮径され軸方向に延びる小径段部3aが形成されている。ハブ輪3のアウター側端部には、車輪を取り付けるための車輪取り付けフランジ3bが一体的に形成されている。車輪取り付けフランジ3bには、ハブボルト3gが圧入されるボルト孔3fが設けられている。
ハブ輪3には、外輪2のアウター側の外側軌道面2dに対向するようにアウター側の内側軌道面3cが設けられている。また、ハブ輪3においては、車輪取り付けフランジ3bの基部側にアウター側シール部材9Bが摺接するリップ摺動面3dが形成されている。ハブ輪3の内径部には、軸方向に沿って形成され、等速自在継手20が結合される軸孔3eが形成されている。ハブ輪3の小径段部3aには、内輪4が設けられている。
内輪4の外周面には、内側軌道面4aが形成されている。ハブ輪3のインナー側に、内輪4によって内側軌道面4aが構成されている。内側軌道面4aは、外輪2のインナー側の外側軌道面2cに対向している。
転動列であるインナー側ボール列5とアウター側ボール列6とは、転動体である複数のボール7が保持器8によって保持されることにより構成されている。インナー側ボール列5は、内輪4の内側軌道面4aと、外輪2のインナー側の外側軌道面2cとの間に転動自在に挟まれている。アウター側ボール列6は、ハブ輪3の内側軌道面3cと、外輪2のアウター側の外側軌道面2dとの間に転動自在に挟まれている。
車輪用軸受装置1においては、外輪2と、ハブ輪3および内輪4と、インナー側ボール列5と、アウター側ボール列6とによって複列アンギュラ玉軸受が構成されている。なお、車輪用軸受装置1は、複列円錐ころ軸受によって構成されていてもよい。
(等速自在継手)
等速自在継手20は、内周面にトラック溝25が形成された外側継手部材21と、トラック溝25と対向するトラック溝22aが外周面に形成された内側継手部材22と、トラック溝25とトラック溝22aとの間に組み込まれたボール23と、外側継手部材21の内周面と内側継手部材22の外周面との間に介在してボール23を保持するケージ24とを有している。
等速自在継手20は、内周面にトラック溝25が形成された外側継手部材21と、トラック溝25と対向するトラック溝22aが外周面に形成された内側継手部材22と、トラック溝25とトラック溝22aとの間に組み込まれたボール23と、外側継手部材21の内周面と内側継手部材22の外周面との間に介在してボール23を保持するケージ24とを有している。
外側継手部材21は、内側継手部材22、ボール23、およびケージ24からなる内部部品を収容するマウス部26と、マウス部26から軸方向におけるアウター側へ向けて一体的に延びるステム部27とを有している。内側継手部材22にはシャフト31の軸端が圧入されている。内側継手部材22とシャフト31とは、スプライン嵌合によりトルク伝達可能に結合されている。
[ハブ輪とステム部との嵌合構造]
ステム部27におけるアウター側の外周面には、軸方向に延びる複数の凸部28が形成されている。複数の凸部28により雄スプラインが構成されている。本実施形態においては、凸部28は切削加工により形成されている。ハブ輪3の軸孔3eにおける内周面には、ステム部27の凸部28が嵌合される被嵌合部3hが設けられている。被嵌合部3hは、軸孔3eにおけるインナー側の部分に設けられている。ステム部27は、外側継手部材21のハブ輪3に対する嵌合部の一例である。
ステム部27におけるアウター側の外周面には、軸方向に延びる複数の凸部28が形成されている。複数の凸部28により雄スプラインが構成されている。本実施形態においては、凸部28は切削加工により形成されている。ハブ輪3の軸孔3eにおける内周面には、ステム部27の凸部28が嵌合される被嵌合部3hが設けられている。被嵌合部3hは、軸孔3eにおけるインナー側の部分に設けられている。ステム部27は、外側継手部材21のハブ輪3に対する嵌合部の一例である。
図2に示すように、軸孔3eの被嵌合部3hは、凸部28よりも大径に形成される複数の第1凹部35と、凸部28よりも小径に形成される複数の第2凹部36とを有している。第2凹部36は、第1凹部35のアウター側に隣接して配置されている。
第1凹部35は第2凹部36よりも大径に形成されており、第1凹部35と第2凹部36との境界部には段差面37が形成されている。段差面37は、軸方向に対して垂直な面に形成されている。本実施形態においては、第1凹部35および第2凹部36は、切削加工により形成されている。
第1凹部35は、ステム部27が軸孔3eに嵌合される際に凸部28を案内して、凸部28と軸孔3eの第2凹部36との周方向における位相合わせを行うための凹部である。複数の第1凹部35により雌スプラインが構成されている。第2凹部36は、凸部28に対して締め代を有しており、凸部28が圧入される凹部である。複数の第2凹部36により雌スプラインが構成されている。
ステム部27は、軸方向に沿って形成され、ステム部27のアウター側端面に開口する雌ねじ部27aを有している。ハブ輪3における軸孔3eのアウター側端部には、ボルト41が挿通可能な挿通孔3jが形成されている(図1参照)。ボルト41は、挿通孔3jにアウター側から挿通されることで、挿通孔3jにおけるアウター側の周縁部に係止可能となっている。
車輪用軸受装置1においては、ボルト41を挿通孔3jにアウター側から挿通するとともに、ステム部27をハブ輪3の軸孔3eにインナー側から挿入した後、ボルト41を雌ねじ部27aに螺装してステム部27を軸孔3eのアウター側に引き込むことにより、ステム部27を被嵌合部3hに嵌合させることが可能となっている。
この場合、ステム部27をボルト41によりアウター側へ向けて引き込むと、図3に示すように、まずステム部27の凸部28がハブ輪3の被嵌合部3hにおける第1凹部35に嵌合される。第1凹部35は凸部28よりも大径に形成されているため、第1凹部35と凸部28との間には隙間mが形成されている。
これにより、ステム部27の凸部28をハブ輪3の第2凹部36に圧入する際に、第1凹部35により凸部28を案内して、凸部28と第2凹部36との周方向の位相決めを行うことができる。従って、凸部28を容易かつ確実に第2凹部36に圧入させることができ、外側継手部材21のハブ輪3に対する組付性を向上することが可能となっている。
図3に示す状態から、ステム部27をボルト41によりさらにアウター側へ向けて引き込むと、図4に示すように、第2凹部36は凸部28よりも小径に形成されていて凸部28に対する締め代nを有しているため、凸部28が第2凹部36に圧入される。
凸部28が第2凹部36に圧入されると、ハブ輪3における第2凹部36の内周面に凸部28の形状が転写されて第3凹部38が形成される。この場合、凸部28により第2凹部36の内周面が極僅かに切削加工され、また極僅かな塑性変形および弾性変形を付随的に伴いながら、第2凹部36の内周面に凸部28の形状が転写される。
図5に示すように、凸部28の第2凹部36に対する圧入が完了すると、第2凹部36が形成されていた部分の略全域にわたって第3凹部38が形成され、凸部28と第3凹部38との嵌合接触部位Xが形成される。嵌合接触部位Xにおいては、凸部28の外周面と第3凹部38の内周面とは、全体的に密着している。
このように、凸部28と第3凹部38とが嵌合接触部位Xにおいて全体的に密着することにより、嵌合接触部位Xにおける許容トルクを増大させることができるため、嵌合接触部位Xの軸方向長さを短くして車輪用軸受け10の軽量化を図ることが可能となっている。
このように構成される車輪用軸受装置1においては、図6に示すように、車輪用軸受装置1の軸方向を水平方向に向けた姿勢で、ステム部27の凸部28がハブ輪3の第2凹部36に圧入される場合がある。この場合、第1凹部35によって凸部28がガイドされた状態のステム部27のインナー側が、自重により軸方向に対して路面側に傾斜した姿勢(図6において2点鎖線で示した姿勢)となることがある。
軸方向に対して傾斜した姿勢のステム部27がアウター側へ引き込まれると、路面側の凸部28が反路面側の凸部28よりも先に第1凹部35と第2凹部36との段差面37に当接する。その後、ステム部27がさらにアウター側へ引き込まれると、段差面37は軸方向に対して垂直な面に形成されているため、ステム部27は反路面側の凸部28が段差面37に当接する側に引き起こされることとなる。
これにより、ステム部27の軸方向に対する傾きが是正され、ステム部27の凸部28が形成された部分のアウター側端面と段差面37とが全体的に当接するようになる(図6において実線で示した姿勢を参照)。
ステム部27のアウター側端面と段差面37とが全体的に当接した状態で、ステム部27がアウター側へ引き込まれると、凸部28と第2凹部36との締め代が周方向において全体的に均一となる。従って、図7に示すように、凸部28は第2凹部36に対して均一に圧入され、凸部28が第2凹部36に圧入される際に発生する軸方向の力Fは、周方向において全体的に均一となる
これにより、ステム部27をアウター側へ向けて引き込む際に必要となるボルト41の締結による軸力が必要以上に上昇することがなく、凸部28の第2凹部36に対する圧入異常が生じることを抑制することが可能となっている。
[第1凹部および第2凹部の第2実施形態]
次に第2実施形態における第1凹部35Aおよび第2凹部36Aについて説明する。図8(a)に示すハブ輪3Aには、第1凹部35Aおよび第2凹部36Aが形成されている。第1凹部35Aは第2凹部36Aよりも大径に形成されており、第1凹部35Aと第2凹部36Aとの境界部には段差面37Aが形成されている。段差面37Aは、軸方向に対して垂直な面に形成されている。
次に第2実施形態における第1凹部35Aおよび第2凹部36Aについて説明する。図8(a)に示すハブ輪3Aには、第1凹部35Aおよび第2凹部36Aが形成されている。第1凹部35Aは第2凹部36Aよりも大径に形成されており、第1凹部35Aと第2凹部36Aとの境界部には段差面37Aが形成されている。段差面37Aは、軸方向に対して垂直な面に形成されている。
第1凹部35Aおよび第2凹部36Aは、プレス加工により成形されており、第2凹部36Aは軸方向における中央部が両端部よりも大径に形成される樽型形状に形成されている。
これは、第1凹部35Aおよび第2凹部36Aのプレス加工を行うときに、ハブ輪3Aの軸孔3eにスプラインパンチをインナー側からアウター側へ向けて圧入すると、第1凹部35Aの成形時に、すでに成形されている第2凹部36A側へハブ輪3Aの材料を押し込むことになるため、第2凹部36Aの形状が崩れて樽型形状になるものである。
図8(b)に示すように、第2凹部36Aは、大径に形成される軸方向の中央部361Aと、中央部361Aよりも小径に形成される軸方向のインナー側端部362Aおよびアウター側端部363Aとを有している。中央部361Aは、ステム部27の凸部28よりも大径に形成されており、凸部28と中央部361Aとの間には隙間mが形成されている。また、インナー側端部362Aおよびアウター側端部363Aは、ステム部27の凸部28よりも小径に形成されており、凸部28との間に締め代nを有している。
このように形成される第2凹部36Aにおいては、凸部28に対して締め代nを有している箇所が、第2凹部36Aの一部であるインナー側端部362Aおよびアウター側端部363Aのみとなっている。従って、第2凹部36Aが凸部28に対して全体的に締め代nを有している場合に比べて、凸部28を第2凹部36Aに圧入するときに発生する力である圧入荷重を小さくすることができる。
これにより、ステム部27をアウター側へ向けて引き込む際に必要となるボルト41の締結による軸力を小さくすることができ、凸部28の第2凹部36Aに対する圧入異常が生じることを抑制することが可能となる。
また、第2凹部36Aのインナー側端部362Aは、隣接する第1凹部35Aよりも縮径されているため、第1凹部35Aによりガイドされる凸部28を
第2凹部36Aへ案内する効果を高めることができ、ハブ輪3Aにおける軸孔3eの軸心とステム部27の軸心とを一致させた状態で凸部28を第2凹部36Aに圧入させ易くすることができる。
第2凹部36Aへ案内する効果を高めることができ、ハブ輪3Aにおける軸孔3eの軸心とステム部27の軸心とを一致させた状態で凸部28を第2凹部36Aに圧入させ易くすることができる。
[第1凹部および第2凹部の第3実施形態]
次に第3実施形態における第1凹部35Bおよび第2凹部36Bについて説明する。図9(a)に示すハブ輪3Bには、第1凹部35Bおよび第2凹部36Bが形成されている。第1凹部35Bは第2凹部36Bよりも大径に形成されており、第1凹部35Bと第2凹部36Bとの境界部には段差面37Bが形成されている。段差面37Bは、軸方向に対して垂直な面に形成されている。
次に第3実施形態における第1凹部35Bおよび第2凹部36Bについて説明する。図9(a)に示すハブ輪3Bには、第1凹部35Bおよび第2凹部36Bが形成されている。第1凹部35Bは第2凹部36Bよりも大径に形成されており、第1凹部35Bと第2凹部36Bとの境界部には段差面37Bが形成されている。段差面37Bは、軸方向に対して垂直な面に形成されている。
図9(b)に示すように、第2凹部36Bは、軸方向における中央部が両端部よりも小径に形成される逆樽型形状に形成されており、小径に形成される軸方向の中央部361Bと、中央部361Bよりも大径に形成される軸方向のインナー側端部362Bおよびアウター側端部363Bとを有している。
中央部361Bは、ステム部27の凸部28よりも小径に形成されており、凸部28との間に締め代nを有している。また、インナー側端部362Bおよびアウター側端部363Bは、ステム部27の凸部28よりも大径に形成されており、凸部28とインナー側端部362Bおよびアウター側端部363Bとの間には隙間mが形成されている。
このように形成される第2凹部36Bにおいては、凸部28に対して締め代nを有している箇所が、第2凹部36Bの一部である中央部361Bのみとなっている。従って、第2凹部36Bが凸部28に対して全体的に締め代nを有している場合に比べて、凸部28を第2凹部36Bに圧入するときに発生する力である圧入荷重を小さくすることができる。
これにより、ステム部27をアウター側へ向けて引き込む際に必要となるボルト41の締結による軸力を小さくすることができ、凸部28の第2凹部36Bに対する圧入異常が生じることを抑制することが可能となる。
なお、本実施形態における車輪用軸受装置1は、ハブ輪3の外周に内側軌道面3cが直接形成されている第3世代構造の車輪用軸受装置1として構成されているがこれに限定するものではなく、ハブ輪3に一対の内輪4が圧入固定された第2世代構造であってもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1 車輪用軸受装置
2 外輪
2c (インナー側の)外側軌道面
2d (アウター側の)外側軌道面
3 ハブ輪
3a 小径段部
3c 内側軌道面
3e 軸孔
3h 被嵌合部
4 内輪
4a 内側軌道面
5 インナー側ボール列
6 アウター側ボール列
7 ボール
8 保持器
10 車輪用軸受
20 等速自在継手
21 外側継手部材
27 ステム部
28 凸部
35 第1凹部
36 第2凹部
37 段差面
41 ボルト
m 隙間
n 締め代
2 外輪
2c (インナー側の)外側軌道面
2d (アウター側の)外側軌道面
3 ハブ輪
3a 小径段部
3c 内側軌道面
3e 軸孔
3h 被嵌合部
4 内輪
4a 内側軌道面
5 インナー側ボール列
6 アウター側ボール列
7 ボール
8 保持器
10 車輪用軸受
20 等速自在継手
21 外側継手部材
27 ステム部
28 凸部
35 第1凹部
36 第2凹部
37 段差面
41 ボルト
m 隙間
n 締め代
Claims (2)
- 内周に複列の外側軌道面を有する外方部材と、外周に軸方向に延びる小径段部を有するハブ輪、および前記ハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、前記複列の外側軌道面に対向する複列の内側軌道面を有する内方部材と、前記外方部材と前記内方部材との両軌道面間に転動自在に収容された複列の転動体とからなる車輪用軸受と、
前記ハブ輪の内径部に嵌合可能な外側継手部材を有する等速自在継手と、
前記ハブ輪に嵌合した外側継手部材を前記ハブ輪に締結するボルトと、
を備えた車輪用軸受装置であって、
前記外側継手部材の前記ハブ輪に対する嵌合部は、外周面に軸方向に沿って延びる複数の凸部を有しており、
前記ハブ輪の内径部は、
前記外側継手部材の前記凸部よりも大径に形成され、前記外側継手部材が前記ハブ輪に嵌合される際に前記凸部を案内する複数の第1凹部と、
軸方向において第1凹部のアウター側に隣接して配置され、前記凸部よりも小径に形成されるとともに前記凸部に対して締め代を有して嵌合可能な複数の第2凹部と、
前記第1凹部と前記第2凹部との境界部に形成され、軸方向に対して垂直な段差面と、
を有することを特徴とする車輪用軸受装置。 - 内周に複列の外側軌道面を有する外方部材と、外周に軸方向に延びる小径段部および等速自在継手の外側継手部材が嵌合可能な内径部を有するハブ輪、ならびに前記ハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、前記複列の外側軌道面に対向する複列の内側軌道面を有する内方部材と、前記外方部材と前記内方部材との両軌道面間に転動自在に収容された複列の転動体と、からなる車輪用軸受であって、
前記ハブ輪の前記内径部は、
前記外側継手部材の外周面に軸方向に沿って形成される複数の凸部よりも大径に形成される複数の第1凹部と、
軸方向において第1凹部のアウター側に隣接して配置され、前記凸部よりも小径に形成される複数の第2凹部と、
前記第1凹部と前記第2凹部との境界部に形成され、軸方向に対して垂直な段差面と、
を有することを特徴とする車輪用軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020180764A JP2022071682A (ja) | 2020-10-28 | 2020-10-28 | 車輪用軸受および車輪用軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020180764A JP2022071682A (ja) | 2020-10-28 | 2020-10-28 | 車輪用軸受および車輪用軸受装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2022071682A true JP2022071682A (ja) | 2022-05-16 |
Family
ID=81594046
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2020180764A Pending JP2022071682A (ja) | 2020-10-28 | 2020-10-28 | 車輪用軸受および車輪用軸受装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022071682A (ja) |
-
2020
- 2020-10-28 JP JP2020180764A patent/JP2022071682A/ja active Pending
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