JP2018154238A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Mikihiro Tada
幹大 多田
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Abstract

【課題】突発的な衝撃荷重が嵌合部に付与されても、ボルト部材の抜けを有効に防止することができ、しかも、メンテナンス性に優れた構成も維持できる車輪用軸受装置を提供する。【解決手段】ハブ輪と、ハブ輪の軸孔に嵌挿される等速自在継手の外側継手部材のステム部とを凹凸嵌合構造を介して連結するとともに、車輪用軸受に等速自在継手をねじ締め付け構造により分離可能に結合させた車輪用軸受装置である。凹凸嵌合構造は、ハブ輪または外側継手部材のどちらか一方の凸部とその凸部に嵌合する相手部材の凹部との嵌合接触部位全域が密着している。ねじ締め付け構造は、ボルト部材に装着されるクリップ部材と、ハブ輪側または外側継手部材のステム部側にクリップ部材が嵌合する周方向溝とを有する抜け防止構造を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車の懸架装置に対して駆動車輪(FF車の前輪、FR車の後輪、4WD車の全輪)を回転自在に支持する車輪用軸受装置に関する。
車輪用軸受装置は、特許文献1に記載のように、内方部材であるハブ輪1および内輪2、複列の転動体3,4、外輪5からなる車輪用軸受20と等速自在継手6とで主要部が構成されている。図11は車輪用軸受20に等速自在継手6を組み付けた後の状態を示している。
ハブ輪1は、その外周面にアウトボード側の内側軌道面7が形成されると共に、車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ9を備えている。この車輪取付フランジ9の円周方向等間隔に、ホイールディスクを固定するためのハブボルト部材10が植設されている。このハブ輪1のインボード側外周面に形成された小径段部12に内輪2を嵌合させ、この内輪2の外周面にインボード側の内側軌道面8が形成されている。
内輪2は、クリープを防ぐために適当な締め代をもって圧入されている。ハブ輪1の外周面に形成されたアウトボード側の内側軌道面7と、内輪2の外周面に形成されたインボード側の内側軌道面8とで複列の軌道面を構成する。この内輪2をハブ輪1の小径段部12に圧入し、その小径段部12の端部を揺動加締めにより外側に加締めることにより、加締め部11でもって内輪2を抜け止めしてハブ輪1と一体化し、車輪用軸受20に予圧を付与している。
外輪5は、内周面にハブ輪1および内輪2の軌道面7,8と対向する複列の外側軌道面13,14が形成され、車体(図示せず)の懸架装置から延びるナックルに取り付けるための車体取付フランジ19を備えている。この車体取付フランジ19は、車体の懸架装置から延びるナックル(図示せず)に嵌合されてボルト部材等により固定される。
車輪用軸受20は、複列のアンギュラ玉軸受構造で、ハブ輪1および内輪2の外周面に形成された内側軌道面7,8と外輪5の内周面に形成された外側軌道面13,14との間に転動体3,4を介在させ、各列の転動体3,4を保持器15,16により円周方向等間隔に支持した構造を有する。
車輪用軸受20の両端開口部には、ハブ輪1と内輪2の外周面に摺接するように、外輪5とハブ輪1および内輪2との環状空間を密封する一対のシール17,18が外輪5の両端部内径に嵌合され、内部に充填されたグリースの漏洩ならびに外部からの水や異物の侵入を防止するようになっている。
等速自在継手6は、内周面にトラック溝23が形成された外側継手部材24と、その外側継手部材24のトラック溝23と対向するトラック溝25が外周面に形成された内側継手部材26と、外側継手部材24のトラック溝23と内側継手部材26のトラック溝25との間に組み込まれたボール27と、外側継手部材24の内周面と内側継手部材26の外周面との間に介在してボール27を保持するケージ28とで構成されている。
外側継手部材24は、内側継手部材26、ボール27およびケージ28からなる内部部品を収容したマウス部29と、マウス部29から軸方向に一体的に延びるステム部30とで構成されている。内側継手部材26は、シャフト22の軸端が圧入されてスプライン嵌合によりトルク伝達可能に結合され、止め輪21により抜け止めされている。
等速自在継手6の外側継手部材24とシャフト22との間に、継手内部に封入されたグリース等の潤滑剤の漏洩を防ぐと共に継手外部からの異物侵入を防止するための樹脂製の蛇腹状ブーツ31を装着して、外側継手部材24の開口部をブーツ31で閉塞した構造としている。
このブーツ31は、外側継手部材24の外周面にブーツバンド32により締め付け固定された大径端部33と、シャフト22の外周面にブーツバンド34により締め付け固定された小径端部35と、大径端部33と小径端部35とを繋ぎ、その大径端部33から小径
端部35へ向けて縮径した可撓性の蛇腹部36とで構成されている。
この車輪用軸受装置は、外側継手部材24のステム部30のインボード側外周面に円柱状の嵌合面を形成すると共に、ステム部30のアウトボード側外周面に軸方向に延びる複数の凸部37(図12参照)からなる雄スプラインを形成する。これに対して、ハブ輪1の軸孔38のインボード側内周面に円筒状の嵌合面を形成すると共に、その軸孔38のアウトボード側内周面に前述の凸部37に対して締め代を有する複数の凹部39(図12参照)を形成する。
この車輪用軸受装置では、外側継手部材24のステム部30をハブ輪1の軸孔38に圧入し、相手側の凹部形成面であるハブ輪1の軸孔38に凸部37の形状を転写することにより凹部40を形成し、凸部37と凹部40との嵌合接触部位全域が密着する凹凸嵌合構造M1を構成する(図12参照)。
この車輪用軸受装置は、以下のようなねじ締め付け構造N1を具備する。このねじ締め付け構造N1は、外側継手部材24のステム部30の軸端に形成された雌ねじ部41と、その雌ねじ部41に螺合した状態でハブ輪1に係止される雄ねじ部であるボルト部材42とで構成されている。この構造では、ステム部30の雌ねじ部41にボルト部材42を螺合させることによりそのボルト部材42をハブ輪1の端面に係止させた状態で締め付けることで、等速自在継手6をハブ輪1に固定する。なお、車輪用軸受20は、加締め部11でもって内輪2を抜け止めしてハブ輪1と一体化した構造となっていることから、等速自在継手6の外側継手部材24と分離可能となっている。
特開2013−68261号公報
このように、前記特許文献1に記載のものでは、ステム部30の軸方向長さを短くして、軽量化を図り、しかも、ボルト部材を締結させることで、メンテナンス性に優れた車輪用軸受装置となる。
しかしながら、このような車輪用軸受装置は、車両の駆動部で使用されるため、突発的な衝撃荷重が嵌合部(ハブ輪と等速自在継手の外側継手部材との嵌合部)に入力される場合がある。このような場合、ボルト部材を締結させているため、ボルト部材から抜けるおそれがある。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みて、突発的な衝撃荷重が嵌合部に付与されても、ボルト部材の抜けを有効に防止することができ、しかも、メンテナンス性に優れた構成も維持できる車輪用軸受装置を提供するものである。
本発明の車輪用軸受装置付は、内周に複列の外側軌道面が形成された外方部材と、外周に前記外側軌道面と対向する複列の内側軌道面を有する内方部材と、前記外方部材の外側軌道面と内方部材の内側軌道面との間に介装された複列の転動体とからなる車輪用軸受を備え、前記内方部材が車輪に取付られるハブ輪を有し、前記ハブ輪と、このハブ輪の軸孔に嵌挿される等速自在継手の外側継手部材のステム部とを凹凸嵌合構造を介して連結するとともに、前記車輪用軸受に等速自在継手をねじ締め付け構造により分離可能に結合させた車輪用軸受装置において、ねじ締め付け構造は、そのボルト部材に装着されるクリップ部材と、ハブ輪側または外側継手部材のステム部側に前記クリップ部材が嵌合する周方向溝とを有する抜け防止構造を備えたものである。
本発明の車輪用軸受装置によれば、凹凸嵌合構造は、嵌合接触部位全域が密着しているので、ガタが生じにくいトルク伝達機能を発揮することができる。また、車輪用軸受に等速自在継手をねじ締め付け構造により分離可能に結合させているので、メンテナンス性に優れる。しかも、クリップ部材を有する抜け防止構造を備えているので、突発的な衝撃荷重が嵌合部に付与されても、ボルト部材の抜けを有効に防止することができる。
ハブ輪は、前記ねじ締め付け構造のボルト部材が挿通される貫通孔を備え、前記外側継手部材のステム部に前記ボルト部材が螺合するねじ孔が設けられ、前記貫通孔の内径面に前記周方向溝が形成されているものであっても、ねじ孔に周方向溝が形成されているものであってもよい。ハブ輪の貫通孔の内径面に周方向溝が形成されているものであっても、外側継手部材のステム部のねじ孔に周方向溝が形成されているものであっても、安定してボルト部材の抜けを防止することができる。
周方向溝のボルト部材抜け方向側の側面を、溝底から溝開口側に向かってボルト部材抜け方向側へ傾斜するテーパ面とするのが好ましい。このように構成することによって、分解作業の容易化を図ることができ、メンテナンス性の向上を図ることができる。
この場合、テーパ面の傾斜角度を45°以下に設定するのが好ましい。また、クリップ部材を丸サークリップにて構成したり、異形クリップにて構成したりできる。ここで、異形クリップとは、円形ではない異形のリング形状のクリップである。
本発明では、車輪用軸受に等速自在継手をねじ締め付け構造により分離可能であるため、メンテナンス性に優れる。さらに、突発的な衝撃荷重が嵌合部に付与されても、ボルト部材の抜けを有効に防止することができ、安定してこの車輪用軸受装置は、軸受装置としての機能を長期にわたって発揮することができる。
本発明の第1の実施形態を示す車輪用軸受装置の断面図である。 図1に示す車輪用軸受装置の要部拡大断面図である。 図1に示す車輪用軸受装置の分離状態を示す断面図である。 抜け防止構造のクリップを示し、(a)は丸クリップの正面図であり、(b)は異形クリップの正面図である。 図1に示す車輪用軸受装置の凹凸嵌合構造を示す要部拡大図である。 図1に示す車輪用軸受装置の抜け防止構造の周方向凹溝の変形例を示す拡大断面図である。 本発明の第2の実施形態を示す車輪用軸受装置の断面図である。 図7に示す車輪用軸受装置の要部拡大断面図である。 図7に示す車輪用軸受装置の抜け防止構造の周方向凹溝の変形例を示す拡大断面図である。 他の凹凸嵌合構造を示す要部拡大図である。 従来の車輪用軸受装置の断面図である。 図11に示す車輪用軸受装置の凹凸嵌合構造を示す要部拡大図である。
以下本発明の実施の形態を図1〜図10に基づいて説明する。図1および図2に示す車輪用軸受装置は、内方部材であるハブ輪51および内輪52、複列の転動体53,54、外輪55からなる車輪用軸受70と等速自在継手56とで主要部が構成されている。図1は車輪用軸受70に等速自在継手56を組み付けた後の状態を示し、図3は車輪用軸受20に等速自在継手56を組み付ける前の状態を示す。なお、本明細書の説明では、車体に組み付けた状態で、車体の外側寄りとなる側をアウトボード側(図面左側)と呼び、中央寄りとなる側をインボード側(図面右側)と呼ぶ。
ハブ輪51は、その外周面にアウトボード側の内側軌道面57が形成されると共に、車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ59を備えている。この車輪取付フランジ59の円周方向等間隔に、ホイールディスクを固定するためのハブボルト部材60が植設されている。このハブ輪51のインボード側外周面に形成された小径段部62に内輪52を嵌合させ、この内輪52の外周面にインボード側の内側軌道面58が形成されている。
内輪52は、クリープを防ぐために適当な締め代をもって圧入されている。ハブ輪51の外周面に形成されたアウトボード側の内側軌道面57と、内輪52の外周面に形成されたインボード側の内側軌道面58とで複列の軌道面を構成する。この内輪52をハブ輪51の小径段部62に圧入し、その小径段部62の端部を揺動加締めにより外側に加締めることにより、加締め部61でもって内輪52を抜け止めしてハブ輪51と一体化し、車輪用軸受70に予圧を付与している。
外輪55は、内周面にハブ輪51および内輪52の軌道面57,58と対向する複列の外側軌道面63,64が形成され、車体(図示せず)の懸架装置から延びるナックルに取り付けるための車体取付フランジ69を備えている。この車体取付フランジ69は、車体の懸架装置から延びるナックル(図示せず)に嵌合されてボルト部材等により固定される。
車輪用軸受70は、複列のアンギュラ玉軸受構造で、ハブ輪51および内輪52の外周面に形成された内側軌道面57,58と外輪55の内周面に形成された外側軌道面63,64との間に転動体53,54を介在させ、各列の転動体53,54を保持器65,66により円周方向等間隔に支持した構造を有する。
車輪用軸受20の両端開口部には、ハブ輪51と内輪52の外周面に摺接するように、外輪55とハブ輪51および内輪52との環状空間を密封する一対のシール67,68が外輪55の両端部内径に嵌合され、内部に充填されたグリースの漏洩ならびに外部からの水や異物の侵入を防止するようになっている。
等速自在継手56は、内周面にトラック溝73が形成された外側継手部材74と、その外側継手部材74のトラック溝73と対向するトラック溝(図示省略)が外周面に形成された内側継手部材(図示省略)、外側継手部材74のトラック溝73と内側継手部材のトラック溝(図示省略)との間に組み込まれたボール(図示省略)と、外側継手部材74の内周面と内側継手部材の外周面との間に介在してボールを保持するケージ(図示省略)とで構成されている。
外側継手部材74は、内側継手部材、ボールおよびケージからなる内部部品を収容したマウス部79と、マウス部79から軸方向に一体的に延びるステム部80とで構成されている。内側継手部材は、シャフト(図示省略)の軸端が圧入されてスプライン嵌合によりトルク伝達可能に結合され、止め輪(図示省略)により抜け止めされている。
この車輪用軸受装置は、外側継手部材74のステム部80外周面に軸方向に延びる複数の凸部87からなる雄スプラインを形成する。また、ハブ輪51の軸孔50は、フランジ59側の大径の第1部50aと、車輪用軸受70側の第2部50bと、第1部50aと第2部50bを連通する小径首部である貫通孔50cとを有する。そして、この第2部50bの内周面に円筒状の嵌合面82(図3参照)を形成するとともに、その嵌合面82に凸部87に対して締め代を有する複数の凹部90を形成する(図5参照)。
この車輪用軸受装置では、外側継手部材74のステム部80をハブ輪51の軸孔50に圧入し、相手側の凹部形成面であるハブ輪51の軸孔50の嵌合面82に、凸部87の形状を転写することにより凹部90を形成し、これにより、凸部87と凹部90との嵌合接触部位93全域が密着する凹凸嵌合構造Mを構成する。つまり、周方向全周にわたって、凸部87とこれに嵌合する凹部90とがタイトフィットしている。これにより、低コストで信頼性の高い結合が実現でき、ステム部とハブ輪の嵌合部分の径方向および周方向においてガタが生じる隙間が形成されないので、嵌合接触部位全域が回転トルク伝達に寄与して安定したトルク伝達が可能であり、耳障りな歯打ち音を長期に亘り防止できる。しかも、このように嵌合接触部位全域で密着していることから、トルク伝達部位の強度が向上するため、車両用軸受装置の軽量コンパクト化が図れる。
この場合、図5(a)では、各凸部87の外面全体と、凹部90の内面全体とが密着して嵌合接触部位93を構成しているが、図5(b)に示すように、凸部87の突出方向のいずれかの部位(図例では、突出方向中間部)が、凹部形成前の凹部形成面の位置に対応するものであってもよい。すなわち、各凸部87は、その断面が凸アール状の頂点を有する三角形状(山形状)であり、各凸部87と各凹部90との嵌合接触部位93とは、図5(b)に示す範囲Hであり、断面における山形の中腹部から山頂にいたる範囲である。また、周方向の隣合う凸部87間において、嵌合面82よりも内径側に隙間95が形成されている。なお、図例のように、凸部87の突出方向中間部が凹部形成前の凹部形成面の位置に対応せずに、一部(例えば先端部位)が対応するものであってもよい。
ところで、前記図5(a)(b)に示す凹凸嵌合構造Mでは、凸部87の突出方向中間部位の周方向厚さLと、周方向に隣り合う凸部87間における前記中間部位に対応する位置での周方向寸法L0とがほぼ同一となっている。
これに対して、図5(c)に示すように、凸部87の突出方向中間部位の周方向厚さL2が、周方向に隣り合う凸部87間における前記中間部位に対応する位置での周方向寸法L1よりも小さいものであってもよい。すなわち、凸部87の突出方向中間部位の周方向厚さ(歯厚)L2を、凸部87間に嵌合する相手側つまりハブ輪51の凸部の突出方向中間部位の周方向厚さ(歯厚)L1より小さくしている。
図5(c)における凸部87は、断面台形(富士山形状)としているが、これに限るものではなく、図5(a)(b)に示すような三角山形状であってもよく、また、図5(a)(b)において、図5(c)における凸部87も断面台形(富士山形状)としてもよい。
この場合、少なくともステム部の凸部87に熱硬化処理が施されてなる硬化処理層を形成するとともに、ハブ輪51の軸孔50の嵌合面82を未硬化処理状態とするのが好ましい。ステム部80の凸部87は、熱硬化処理前において、従来からの公知公用の手段である転造加工、切削加工、プレス加工、引き抜き加工等の種々の加工方法によって形成することがきる。また、硬化処理層の熱硬化処理としては、高周波焼入れ、浸炭焼入れ等の種々の熱処理を採用することができる。
このため、ステム部80の凸部87は、ハブ輪51の軸孔50の嵌合面82よりも硬度が高くなっている。また、嵌合面82の径寸法(直径寸法)を、各凸部87の頂点が描く円形の径寸法(直径寸法)よりも小さくし、各凸部87間の凹部の底面で描かれる円形の径寸法(直径寸法)よりも大きく又は同等とする。
このため、図3に示すように、凸部87が形成されたステム部80を、ハブ輪51の軸孔50に図3に示す矢印Xのように嵌挿していけば、ステム部80の凸部87がハブ輪51の軸孔50の嵌合面82に食い込んでいき、凸部87が、この凸部87に嵌合する凹部90を形成することができる。
これによって、図5(a)(b)(c)に示すように、凸部87と凹部90との嵌合接触部位全域93が密着している嵌合状態を構成することができる。すなわち、相手側の凹部形成面に凸部87の形状の転写を行うことになる。この際、凸部87が軸孔50の嵌合面82に食い込んでいくことによって、嵌合面82が僅かに拡径した状態となって、凸部87の軸方向の移動を許容し、軸方向の移動が停止すれば、嵌合面82が元の径に戻ろうとして縮径することになる。言い換えれば、凸部87の圧入時にハブ輪51が径方向に弾性変形し、この弾性変形分の予圧が凸部87の歯面(嵌合接触部位93の表面)に付与される。このため、凸部87と凹部90との嵌合接触部位93全域が密着する凹凸嵌合構造Mを確実に形成することができる。しかも、凹部90が形成される部材には、スプライン部等を形成しておく必要がなく、生産性に優れ、しかもスプライン同士の位相合わせを必要とせず、組立性の向上を図るとともに、圧入時の歯面の損傷を回避することができ、安定した嵌合状態を維持できる。ステム部側の硬度を高くでき、また、ステム部の捩り強度を向上させることができる。
この車輪用軸受装置は、以下のようなねじ締め付け構造N(図1参照)を具備する。このねじ締め付け構造Nは、外側継手部材74のステム部80の軸端に形成されたねじ孔91と、そのねじ孔91に螺合した状態でハブ輪51に係止されるボルト部材92とで構成されている。この構造では、ステム部80のねじ孔91にボルト部材92を螺合させることによりそのボルト部材92をハブ輪51の端面に係止させた状態で締め付けることで、等速自在継手56をハブ輪51に固定する。なお、車輪用軸受70は、加締め部61でもって内輪52を抜け止めしてハブ輪51と一体化した構造となっていることから、等速自在継手56の外側継手部材74と分離可能となっている。
外側継手部材74のステム部80をハブ輪51の軸孔51に圧入するに際して、前記したように、凸部87の表面硬度を嵌合面82の表面硬度よりも大きくしている。その場合、凸部87の表面硬度と嵌合面82の表面硬度との差をHRCで20以上とする。これにより、圧入時における塑性変形および切削加工により、相手側の凹部形成面に凸部87の形状を容易に転写することができる。
ところで、ステム部80のハブ輪51への圧入時、ハブ輪51の軸孔51に凸部87の形状を転写することにより凹部90を形成する場合、凸部87に対して締め代n(図5(b)参照)を有する凹部90a、つまり、凸部87よりも小さく設定された凹部90aを予め形成しておくことができる。このように、凹部90aをあらかじめ形成しておけば、凸部をハブ輪の円筒状内周面に転写する場合、凹部90aを有さないものと比較して、凸部37と凹部40との嵌合接触部位全域93で密着する際の圧入荷重を下げることができる。
また、本発明に係る車輪用軸受装置では、ねじ締め付け構造Nを有するものであるので、ボルト部材92の締め付けにより引き込む力を発生させることができる。このため、発生する軸力以下という比較的小さな引き込み力の付与でハブ輪51の軸孔50に外側継手部材74のステム部80を圧入することができる。これにより、専用の治具を別に用意する必要がなく、ボルト部材92による圧入作業性の向上が図れる。さらに、大きな圧入荷重を付与しないで済むことから、凹凸嵌合構造Mでの凹凸が損傷する(むしれる)ことを防止でき、高品質で長寿命の凹凸嵌合構造Mを実現できる。
ところで、この車輪用軸受装置では、ねじ締め付け構造Nは、ボルト部材92の抜け防止構造100を備える。抜け防止構造100は、図2に示すように、ボルト部材92に装着されるクリップ部材101と、ハブ輪側に設けられる周方向凹溝102とからなる。なお、ボルト部材92は、頭部92aと、雄ねじ部を有する軸本体部92bとからなる。また、クリップ部材101は、弾性材料からなり、のぞましくは、炭素工具鋼、ばね用冷間圧延鋼帯等の一般的に止め輪等のばね用途に用いられる材料から構成されている。
すなわち、ボルト部材92の軸本体部92における頭部92aの近傍に周方向凹溝102を設け、この周方向凹溝102にクリップ部材101を嵌着している。この場合のクリップ部材101としては、図4(a)に示すような丸クリップ101Aや図4(b)に示すような異形クリップ101Bである。丸クリップ101Aは、周方向の一部に欠損部101aを有する円形リング体からなる丸サークリップであり、異形クリップ101bは、周方向の一部に欠損部101bを有する非円形リング体からなる。また、ハブ輪51の軸孔50の貫通孔50cの内径面に周方向溝103を設けている。
このため、ボルト部材92を外側継手部材74のステム部80のねじ孔91に螺合させて、このボルト部材92を、ハブ輪51の軸孔50の第1部50aの底面104に当接させた状態で、周方向凹溝102に嵌合しているクリップ部材101が貫通孔50cの内径面に周方向溝103に嵌合する。これによって、ボルト部材92の抜けが防止される。
本発明の車輪用軸受装置では、低コストで信頼性の高い結合により、ステム部80とハブ輪51の嵌合部分の径方向および周方向においてガタが生じる隙間が形成されないので、嵌合接触部位全域93が回転トルク伝達に寄与して安定したトルク伝達が可能であり、耳障りな歯打ち音を長期に亘り防止できる。しかも、このように嵌合接触部位93全域で密着していることから、トルク伝達部位の強度が向上するため、車両用軸受装置の軽量コンパクト化が図れる。また、車輪用軸受に等速自在継手をねじ締め付け構造により分離可能であるため、メンテナンス性に優れる。突発的な衝撃荷重が嵌合部に付与されても、ボルト部材92の抜けを有効に防止することができ、安定してこの車輪用軸受装置は、軸受装置としての機能を長期にわたって発揮することができる。
ところで、図1に示す車輪用軸受装置では、クリップ部材101が嵌合する周方向溝103として、その断面形状を矩形状としていたが、図6に示すように、周方向溝103のボルト部材抜け方向側の側面103aを、溝底103bから溝開口側に向かってボルト部材抜け方向側へ傾斜するテーパ面としている。この場合、テーパ面である側面103aの傾斜角度θを45°以下としている。
このように、周方向溝103のボルト部材抜け方向側の側面103aを、溝底103bから溝開口側に向かってボルト部材抜け方向側へ傾斜するテーパ面とすることによって、分解作業の容易化を図ることができ、メンテナンス性の向上を図ることができる。しかし、傾斜角度θが45°を超えると、抜け易くなる。
また、図1に示す車輪用軸受装置では、ねじ締め付け構造Nのボルト部材92が挿通される貫通孔、つまり軸孔50の貫通孔50cに対応する部材にクリップ部材101が配置されるものであったが、図7に示すように、外側継手部材74のステム部80のねじ孔開口部に、クリップ部材101が配置されるものであってもよい。
すなわち、図8に示すように、ボルト部材92の軸部材92bの頭部92a側に、クリップ部材101が嵌合する周方向凹溝102を形成するとともに、外側継手部材74のステム部80に前記ボルト部材101が螺合するねじ孔に、クリップ部材101が嵌合する周方向溝103を形成している。この場合も、ボルト部材92の抜けが防止される。
ところで、図8に示す周方向溝103は、その断面形状を矩形状としているが、この場合も、図9に示すように、周方向溝103のボルト部材抜け方向側の側面103aを、溝底103bから溝開口側に向かってボルト部材抜け方向側へ傾斜するテーパ面としてもよい。この場合、テーパ面である側面103aの傾斜角度θを45°以下としている。
周方向溝103のボルト部材抜け方向側の側面103aを、溝底103bから溝開口側に向かってボルト部材抜け方向側へ傾斜するテーパ面とすることによって、分解作業の容易化を図ることができる。しかし、傾斜角度θが45°を超えると、抜け易くなる。
ハブ輪51の軸孔50の嵌合面82に凸部87を設け、外側継手部材のステム部をハブ輪51の軸孔50に圧入することによって、図10に示すように、ハブ輪51側の凸部87によってステム部の外径面に、この凸部87に嵌合する凹部90を設けるようにしてもよい。
なお、図10に示すように、ハブ輪51の軸孔50の嵌合面82(図3参照)に凸部87を設けたものであっても、図1、図6、図7、及び図9等に示す抜け防止構造を設けることになる。このため、ハブ輪51の軸孔50の嵌合面82に凸部87を設けた凹凸嵌合構造Mを有するものであっても、前記図1に示す車輪用軸受装置や図5に示す車輪用軸受装置と同様の作用効果を奏する。
ところで、抜け防止構造100に用いるクリップ部材101として、丸クリップ101Aであっても異形クリップ101Bであってもよく、いずれの場合も同様の機能を発揮する。このため、本発明において、いずれを用いてもよく、しかも、クリップ部材101の装着部位としても、ボルト部材92の頭部92aの近傍であっても、ボルト部材92の軸本体部92bの雄ねじ部であってもよく、抜け防止構造100の設計性に優れる。
また、クリップ部材101としては、ボルト部材92を外側継手部材74のステム部80のねじ孔91に螺着(螺合)する際には、ボルト部材92に装着されている。このため、ボルト部材92がハブ輪51の貫通孔50cを通過する際やボルト部材92がねじ孔91に対して螺進する際においては、クリップ部材101は縮径し、クリップ部材101が、周方向溝103に対応した際には、拡径して、周方向溝103に嵌合(係合)する。これによって、抜け止め機能を有効に発揮することができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、ハブ輪51および内輪52からなる内方部材に形成された複列の内側軌道面57,58の一方、つまり、アウトボード側の内側軌道面57をハブ輪51の外周に形成した(第三世代と称される)タイプの駆動車輪用軸受装置に適用した場合を例示したが、本発明はこれに限定されることなく、ハブ輪の外周に一対の内輪を圧入し、アウトボード側の軌道面57を一方の内輪の外周に形成すると共にインボード側の軌道面58を他方の内輪の外周に形成した(第一、第二世代と称される)タイプの駆動車輪用軸受装置にも適用可能である。また、ハブ輪と外側継手部材に、あらかじめ設けたスプラインを嵌合させる従来の嵌合構造にも適用可能であり、その他の嵌合構造でも良い。
図1に示すように、周方向溝103をハブ輪51の貫通孔50cに設ける場合、貫通孔50cの軸方向のいずれの部位であってもよく、また、周方向溝103をステム部80のねじ孔91に設ける場合も、ねじ孔91の軸方向のいずれの部位であってもよい。このため、ボルト部材92に装着されるクリップ部材101の装着位置、つまり周方向凹溝102の位置としては、形成される周方向溝103に応じて種々変更できる。
なお、周方向凹溝102や周方向溝103の断面形状としては、前記図例のもの限らず、クリップ部材101が嵌合(係合)する範囲で種々変更できる。
50c 貫通孔
51 内方部材(ハブ輪)
52 内方部材(内輪)
53,54 転動体
55 外方部材(外輪)
56 等速自在継手
57,58 内側軌道面
63,64 外側軌道面
70 車輪用軸受
74 外側継手部材
80 ステム部
87 凸部(雄スプライン)
90 凹部
91 ねじ孔
92 ボルト部材
93 嵌合接触部位全域
100 抜け防止構造
101 クリップ部材
101A 丸クリップ
101B 異形クリップ
103 周方向溝
103a 側面
103b 溝底
M 凹凸嵌合構造
N ねじ締め付け構造

Claims (7)

  1. 内周に複列の外側軌道面が形成された外方部材と、外周に前記外側軌道面と対向する複列の内側軌道面を有する内方部材と、前記外方部材の外側軌道面と内方部材の内側軌道面との間に介装された複列の転動体とからなる車輪用軸受を備え、前記内方部材が車輪に取付られるハブ輪を有し、前記ハブ輪と、このハブ輪の軸孔に嵌挿される等速自在継手の外側継手部材のステム部とを凹凸嵌合構造を介して連結するとともに、前記車輪用軸受に等速自在継手をねじ締め付け構造により分離可能に結合させた車輪用軸受装置において、
    ねじ締め付け構造は、そのボルト部材に装着されるクリップ部材と、ハブ輪側または外側継手部材のステム部側に前記クリップ部材が嵌合する周方向溝とを有する抜け防止構造を備えたことを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. ハブ輪は、前記ねじ締め付け構造のボルト部材が挿通される貫通孔を備え、前記外側継手部材のステム部に前記ボルト部材が螺合するねじ孔が設けられ、前記貫通孔の内径面に前記周方向溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. ハブ輪は、前記ねじ締め付け構造のボルト部材が挿通される貫通孔を備え、前記外側継手部材のステム部に前記ボルト部材が螺合するねじ孔が設けられ、ねじ孔に前記周方向溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  4. 周方向溝のボルト部材抜け方向側の側面を、溝底から溝開口側に向かってボルト部材抜け方向側へ傾斜するテーパ面としたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
  5. テーパ面の傾斜角度を45°以下に設定したことを特徴とする請求項4に記載の車輪用軸受装置。
  6. 前記クリップ部材を丸サークリップにて構成したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
  7. 前記クリップ部材を異形クリップにて構成したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
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