JP2022070690A - 簡易道路 - Google Patents

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Abstract

【課題】工事現場や災害復旧現場等において容易かつ迅速に施工することができる簡易道路を提供する。【解決手段】道路施工部の地盤Gに沿って敷設される複数のパネル体と2と、相隣接する前記パネル体2の縁部を着脱可能に連結する連結具3とを備え、前記パネル体2が、繊維補強コンクリートを主体として構成され、前記連結具3は、前記相隣接するパネル体2の縁部を挟持するように配設された上下一対の接合部材31,32と、前記両接合部材31,32を一体に締結する締結部材33とを有しているている簡易道路1。【選択図】図1

Description

本発明は、工事現場や災害復旧現場等において施工される簡易道路に関する。
従来、例えば特許文献1に示すように、工事用車両等を容易に通過させることを目的として、仮設用鉄板を地盤上に敷設するとともに、隣り合って敷設された二枚の仮設敷鉄板を固定金具で締結することが行われている。
特開2000-178912号公報
特許文献1に開示されているように仮設用鉄板を用いた場合、仮設用鉄板が極めて重いので、その運搬作業や敷設作業が困難であり、作業効率が悪いという問題があった。また、表面に凹凸がある地盤上、あるいは軟弱な地盤上に仮設用鉄板を敷設した場合には、大型の工事用車両等が通過する際に仮設敷鉄板が跳ね上がったり、仮設敷鉄板が地盤中に沈下したりするという問題がある。このため、上記地盤上に砕石を敷き詰める等の整地作業が必要であり、工事現場、災害復旧現場や、整地作業を行うことができない田畑や鉄塔付近等において仮設的に設置される簡易道路の施工作業を迅速に行うことが困難であった。
本発明の目的は、工事現場や災害復旧現場等において容易かつ迅速に施工することができる簡易道路を提供することである。
本発明に係る簡易道路は、道路施工部の地盤に沿って敷設される複数のパネル体と、相隣接する前記パネル体の縁部を着脱可能に連結する連結具とを備え、前記パネル体が、繊維補強コンクリートを主体としたものである。
この構成によれば、工場等で予め製造されたパネル体を、施工現場に搬入して地盤上に設置する作業等を容易に行うことができる。また、1平米当たりにおけるパネル体の質量を軽量化しつつ、その板厚を十分に確保することにより、簡易道路の表面層と路盤層との両方の役割をパネル体に持たせることができるため、地盤上に砕石を敷き詰める等の整地作業を要することなく、道路施工部の地盤に沿ってパネル体を敷設するとともに、連結具によって相隣接するパネル体を連結するだけで、直ぐに大型車両の通過が可能である。
また、前記パネル体の表面には、安全溝が形成されていることが好ましい。
この構成によれば、路面が凍結し易い山間部や急カーブの走行路等を車両が走行する際に、タイヤのグリップ力を増加させることによりタイヤの横滑りを抑制し、あるいは急勾配の路面等を車両が走行する際に、タイヤとの摩擦抵抗を増大させて制動力を向上させることにより車両の走行安全性を向上させることができる。
また、前記連結具は、前記相隣接するパネル体の縁部を挟持するように配設された上下一対の接合部材と、前記両接合部材を一体に締結する締結部材とを有していることが好ましい。
この構成によれば、相隣接するパネル体の縁部の上下に接合部材を配設し、両接合部材を締結部材で一体に締結するだけで、相隣接するパネル体の縁部を容易かつ強固に連結して、パネル体のがたつき等を防止することができる。
また、前記パネル体の縁部上面には、前記接合部材の板厚に対応した深さを有する凹部が形成されていることが好ましい。
この構成によれば、接合部材がパネル体の上方に突出した状態となるのを防止できるという利点がある。
また、前記凹部と前記接合部材との間に形成された隙間部には、充填材を充填することもできる。
この構成によれば、パネル体の下方から前記隙間部を通ってパネル体の上方に水分が滲出するのを、前記充填材により防止できるという利点がある。
また、長期間の使用を前提とした前記簡易道路であって、前記相隣接するパネル体の縁部には、前記締結部材が挿入される透孔が形成されていることが好ましい。
この構成によれば、締結部材を前記透孔に挿入して、両接合部材を一体に締結することにより、相隣接するパネル体の縁部を、上下の接合部材で挟持した状態で強固に連結することができる。このため、例えば10年程度の長期間に亘る使用を前提とした簡易道路において、両パネル体が互いに離間した状態となること等を効果的に防止し、各パネル体の設置状態を安定させることができる。
また、短期間の使用を前提とした前記簡易道路であって、前記相隣接するパネル体の縁部間には、前記締結部材が挿入される間隙が設けられた構成としてもよい。
この構成によれば、相隣接するパネル体の縁部に前記透孔を形成する必要がないので、パネル体の構造を簡略化することができる。しかも、前記締結部材を前記間隙に挿入して、両接合部材を一体に締結する作業を容易に行うことができる。
また、軟弱地盤上に敷設される安定シートを、さらに備え、前記安定シ-トに沿って前記パネル体が敷設された構成としてもよい。
この構成によれば、大型の工事用車両が簡易道路上を通過する際等に、水や泥等が湿った地盤の上方に滲出するのを、前記安定シートにより、効果的に防止できるという利点がある。
また、前記安定シート上に敷設される軽量路盤を、さらに備え、前記軽量路盤が、前記パネル体よりも比重の小さい素材からなり、前記軽量路盤上に前記パネル体が敷設された構成としてもよい。
この構成によれば、前記パネル体よりも比重の小さい素材からなる軽量路盤がパネル体の下方に配設されているため、この軽量路盤に大きな浮力を作用させることができる。したがって、道路施工部の地盤が、例えばN値0の超軟弱地盤である場合、またはぬかるんだ路面である場合等においても、パネル体の圧密沈下を効果的に防止できるという利点がある。
また、前記軽量路盤は、繊維補強軽量セメントを主体とした複数の単位路盤体が相隣接して敷設された上段の軽量路盤と、繊維補強軽量セメントを主体とした複数の単位路盤体が相隣接して敷設された下段の軽量路盤とを有し、前記上段に位置する前記各単位路盤体の相隣接部と、前記下段に位置する前記各単位路盤体の相隣接部とが、水平方向に位置ずれした状態で配置された構成としてもよい。
この構成によれば、下段の相隣接部から上方に滲出した水分が上段の相隣接部を通ってパネル体の設置部に到達することが抑制され、簡易道路の表面が水浸しとなるのを効果的に防止することができる。また、上段に位置する各単位路盤体の相隣接部と、下段に位置する各単位路盤体の相隣接部とを、水平方向に位置ずれさせた状態で配置することにより、上段または下段に位置する単位路盤体が、前記相隣接部において上下に変位するのを防止できるという利点がある。
また、前記軽量路盤の表面が、一定角度で傾斜したテーパ面に形成された構成としてもよい。
この構成によれば、軽量路盤を平坦な地盤上に敷設するとともに、この軽量路盤上に前記パネル体を敷設することにより、簡易道路の開始点と到達点との間に段差がある場合等に、この段差に応じて簡易道路の表面を所定の角度で傾斜させて、車両等の通行をスムーズに行わせることができる。
本発明に係る簡易道路によれば、工事現場や災害復旧現場等において容易かつ迅速に施工できるという効果を奏する。
本発明に係る簡易道路の第一実施形態を示す断面図である。 パネル体の連結部の構成を示す断面図である。 パネル体の連結部の構成を示す平面図である。 パネル体の外観形状を示す斜視図である。 パネル体の表面に形成された安全溝を示す断面図である。 パネル体の表面に形成された安全溝を示す斜視図である。 パネル体の表面に形成された安全溝の変形例を示す斜視図である。 連結具の変形例を示す断面図である。 本発明に係る簡易道路の第二実施形態を示す断面図である。 単位路盤体の配列状態を示す斜視図であり、(a)は複数段の単位路盤体を上下に分離した状態を示し、(b)は、複数段の単位路盤体を上下に重ねた状態を示している。 単位路盤体の構成を示す断面図である。 本発明に係る簡易道路の第三実施形態を示す断面図である。
以下、本発明に係簡易道路の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第一実施形態)
図1~図3は、本発明の第一実施形態に係る簡易道路1を示している。また、図4は、簡易道路1を構成するパネル体2の外観形状を示している。簡易道路1は、道路施工部の地盤G上に敷設される安定シート10と、この安定シート10上に載置されることにより前記地盤Gに沿って敷設される複数のパネル体2と、相隣接するパネル体2の縁部を着脱可能に連結する連結具3とを備えている。
安定シート10は、適度の強度と防水性と柔軟性とを有する素材、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン等の合成樹脂製シートにより構成されている。この安定シート10は、道路施工部の地盤Gの軟弱度合いを示すN値が、例えば1程度である軟弱地盤上に敷設されることにより、大型の工事用車両が簡易道路1上を通過する際等に、前記地盤Gから水や泥等が上方に滲出するのを防止するものである。
パネル体2は、例えばセメント、水、補強繊維を混練した混練物を成形型内に充填して、養生固化することで得られる繊維補強コンクリート材からなる周辺のパネル本体21と、このパネル本体21内に配設された真中のコア体22とからなっている。このコア体22は、0.5程度の比重を有する多孔質の軽量コンクリート成形体等からなり、上記パネル本体21(比重1.9程度)よりも軽量に構成されている。
パネル本体21を構成するセメントの材質は、特に限定されず、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント等、各種セメントを使用できる。これらのなかでも、生産性、強度等の点から早強ポルトランドセメントを使用することが好ましい。セメントに対する水の配合割合が多すぎると、パネル体2の強度が低下する傾向にあり、逆に水の配合割合が少なすぎると、成形時にセメント混練物の流動性が低下して成形性を阻害する傾向にある。このため、セメント100重量部に対する水の配合割合は、15~60重量部であることが好ましく、さらには15~30重量部の範囲内であることが、より好ましい。
前記補強繊維としては、ポリビニルアルコール繊維(ビニロン繊維)、ポリプロピレン繊維やポリエチレン繊維等のポリオレフィン系繊維、アラミド繊維、炭素繊維、鋼繊維、ガラス繊維等が挙げられる。補強繊維の繊維長は特に限定されないが、15~45mmの範囲が好ましい。補強繊維の繊維長が15mm未満では補強効果が不足する傾向がみられる。補強繊維の繊維長が長い方が補強効果の点では有利であるが、その一方で、繊維長が長くなるほど分散性が低下し、成形体内で補強繊維が偏在して、却ってパネル体2の強度を低下させる場合もある。また、補強繊維の太さにも特に限定はないが、通常、10μm~1000μmのものが用いられる。
補強繊維の配合量は、セメント100重量部に対して0.2~6重量部とすることが好ましい。補強繊維の配合量が少ないと、補強効果も低く、パネル体強度も低くなる。補強繊維の配合量が多いほどパネル体補強効果においては有利である。しかし、補強繊維の配合量が過剰であるとセメント混練物中での分散性が悪くなり、補強繊維が偏在して、パネル体2の強度が不均一になり、却ってパネル体2の強度を低下させるおそれがある。このような観点から、補強繊維の配合量の好ましい範囲は、セメント100重量部に対して0.4~4重量部である。
パネル本体21を構成する繊維補強コンクリート材は、その軽量化を目的として、多孔質であってもよい。なお、「多孔質」であるとは、例えば、発泡剤や起泡剤等を用いてパネル体2の内部に独立気泡および連続気泡等の気泡を含ませることを意味する。また、パネル体2を構成する繊維補強コンクリート材は、その軽量化を目的として、樹脂発泡体をさらに含んでいてもよい。
コア体22は、例えばセメント、水、補強繊維および起泡剤をプレフォームした泡を混練した混練物を、密閉したセメント用成形型内に充填し、養生固化した多孔質の軽量コンクリート成形体からなり、この成形体中に前記補強繊維及び泡を分散状態で含有したものである。なお、コア体22の成形に際しては、シラスなどの軽量骨材を配合した構成としてもよい。
コア体22を構成するセメントおよび補強繊維は、パネル本体21を構成するセメントおよび補強繊維と同様である。また、コア体22にプレフォームされる起泡剤は、特に限定されず、セメント用、コンクリート用の起泡剤、例えば、タンパク質系、界面活性剤系、樹脂系等の公知の各種の起泡剤を使用できる。さらに、前記起泡剤とともに、アルミニウム粉等の金属系発泡剤を使用することもでき、これらの起泡剤や金属系発泡剤の添加量や添加方法は特に限定されない。
上述のコア体22がパネル体2の真中に配設されることにより、パネル体2が軽量化されつつ、その曲げや捩じりに対する強度剛性が高められている。
パネル体2の縁部の上面および下面には、後述する接合部材31,32の板厚に対応した深さを有する凹部25がそれぞれ形成されている。凹部25内の二個所には、後述する締結部材33が挿入される透孔26が、パネル体2の縁部を貫通するように形成されている。凹部25の設置個所は、この部分に作用する締結部材33の締め付け荷重に耐え得るように、強度の高い前記パネル本体21により形成されている。なお、パネル体2の縁部の下面側には、凹部25を必ずしも設ける必要はなく、これ省略してもよい。しかし、上述のようにパネル体2の縁部の上面および下面の両方に凹部25をそれぞれ形成した場合には、パネル体2の敷設時に凹部25を上面側に位置させるために上下を判別する必要がなく、使い勝手が良いという利点がある。
また、パネル体2の縁部上面に設けられた前記凹部25と接合部材31との間に形成された隙間部(目地部)には、充填材27が充填されるようになっている。この充填材27としては、高強度の接合力と優れた防水性とを備えた樹脂モルタル、例えばエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂またはポリエレア樹脂等からなる合成樹脂と、砂等の細骨材とが混合された樹脂モルタルが好適に使用される。なお、前記充填材27として、通常のモルタル材や、弾性ゴム等を使用することも可能である。
連結具3は、図1~図3示すように、相隣接するパネル体2の縁部を挟持するように配設されたプレート材等からなる上下一対の接合部材31,32と、両接合部材31,32を一体に締結する4本の締結ボルト等からなる締結部材33とを有している。上方側の接合部材31には、締結部材33のねじ軸が挿通される挿通孔34が、コーナー部の4個所に形成され、下方側の接合部材32には、前記ねじ軸の先端部が螺合されるねじ孔35が、コーナー部の4個所に形成されている。
そして、上下の接合部材31,32を、それぞれパネル体2の凹部25内に配設した状態で、4本の締結ボルト等からなる締結部材33のねじ部を、上方側の接合部材31の挿通孔34およびパネル体2の透孔26に挿入して挿通させるとともに、前記ねじ軸の先端部を、下方側の接合部材32のねじ孔35に螺合するように構成されている。このようにして、上下の接合部材31,32を締結部材33で一体に締結することにより、相隣接するパネル体2の縁部が、上下の接合部材31,32で挟持された状態で互いに連結される。また、締結部材33を回動操作して、ねじ孔35に対するねじ軸の螺合を離脱させることにより、相隣接するパネル体2の連結状態を解除可能に構成されている。
パネル体2の表面には、図5および図6に示すように、車両の走行方向Sと平行に延びる縦溝、つまり路面が凍結し易い山間部や急カーブの走行路等を車両が走行する際に、タイヤの横滑りを抑制するための縦溝11からなる安全溝が形成されている。なお、図7に示すように、車両の走行方向Sと直交する方向に延びる横溝12からなる安全溝をパネル体2の表面に形成してもよい。
本発明の簡易道路1を施工するには、まず製造工場等において、パネル体2を作製した後、これを簡易道路1の施工現場に搬送する。そして、道路施工部における地盤Gの軟弱度合いを示すN値を判別し、例えばN値が1以下の軟弱地盤である場合には、前記安定シート10を地盤G上に敷設する。その後、安定シート10上に複数のパネル体2を敷設するとともに、相隣接するパネル体2の縁部を連結具3により着脱可能に連結した後、パネル体2の表面側に形成された凹部25と連結具3の接合部材32との隙間からなる目地部に充填材27を充填して固化させる。
このようにして、相隣接するパネル体2の縁部が連結具3により連結された状態で、複数のパネル体2が地盤Gに沿って敷設された簡易道路1が容易に形成される。なお、上記N値が2以上であり、道路施工部の地盤Gが軟弱ではないこと、つまり通常地盤であることが確認された場合には、安定シート10を省略し、前記地盤G上にパネル体2を直接、敷設することが可能である。
上述のように本発明に係る簡易道路1は、道路施工部の地盤Gに沿って敷設される複数のパネル体2と、相隣接するパネル体2の縁部を着脱可能に連結する連結具3とを備え、パネル体2が、繊維補強コンクリートを主体としているため、パネル体2の搬送作業や、敷設作業等を容易に行うことができる。すなわち、前記パネル体2は、通常の鉄筋コンクリート材からなるプレキャストパネル体よりも軽量であるため、工場等で予め製造されたパネル体2を、施工現場に搬入して地盤G上に設置する作業や、傷んだパネル体2を交換する作業等を容易に行うことができる。
また、特許文献1に示されるように仮設用鉄板を用いて簡易道路を施工した場合と比べても、簡易道路1の施工作業を迅速化して、作業日数を大幅に低減することができる。例えば、厚さ22ミリの仮設鉄板を用いた場合、1平米当たりの仮設鉄板の質量は約172kgである。これに対し、厚さ130mmの第一実施形態に係るパネル体2を用いた場合、1平米当たりの質量は約140kgであり、前記仮設鉄板と比べて22%程度の軽量化が可能である。このため、本発明に係る簡易道路1の施工速度を、仮設用鉄板を用いた場合の約1.5倍~2.2倍に迅速化することができ、施工作業に要する機材のリース費等からなる固定経費を大幅に縮減できる等の利点がある。
さらに、1平米当たりにおけるパネル体2の質量を軽量化しつつ、その板厚を十分に確保することにより、簡易道路1の表面層と路盤層との両方の役割をパネル体2に持たせることができる。したがって、地盤G上に砕石を敷き詰める等の整地作業を要することなく、表面に凹凸がある地盤G、あるいは軟弱な地盤Gに沿って、パネル体2を敷設するとともに、連結具3によって相隣接するパネル体2を連結するだけで、直ぐに大型車両の通過が可能となる。また、パネル体2の単位体積当たりの質量を、0.6t/m以下に設定することも可能であり、パネル体2に適度の浮力を作用させて、軟弱な地盤Gやぬかるんだ地盤Gにおける圧密沈下を効果的に防止できるという利点がある。しかも、連結具3で相隣接するパネル体2の連結状態を解除することにより、簡易道路1を撤去して元の状態に容易に復元することもできる。
前記繊維補強コンクリートを主体としたパネル体2の滑り抵抗値は、80程度であり、滑り抵抗値が53である鉄板に比べて極めて、極めて滑りにくいため、工事用車両等を安全に走行させることができる。特に、図4および図5に示すように、車両の走行方向Sと平行に延びる縦溝11からなるスリップ防止用の安全溝をパネル体2の表面に形成した場合、路面が凍結し易い山間部や急カーブの走行路等を車両が走行する際に、タイヤTが縦溝11に食い込むことで、タイヤTのグリップ力が増大されて横滑りが抑制されるため、車両の走行安全性を効果的に向上させることができる。
一方、図6に示すように、車両の走行方向Sと直交する方向に延びる横溝12からなる安全溝をパネル体2の表面に形成した場合には、急勾配の路面を車両が走行する際等に、タイヤTとの間に生じる摩擦抵抗に応じた制動力を増大させる等によって車両の走行安全性を向上させることができる。
上述の第一実施形態では、連結具3が、上下一対の接合部材31,32と、両接合部材31,32を一体に締結する締結部材33とを有する構成としている。この構成では、相隣接するパネル体2の縁部の上下に接合部材31,32を配設し、接合部材31,32を締結部材33で一体に締結するだけで、相隣接するパネル体2の縁部を容易かつ強固に連結して、パネル体2のがたつき等を防止することができる。
また、第一実施形態では、図1および図2に示すように、接合部材31の板厚に対応した深さを有する凹部25を、パネル体2の縁部上面に形成し、この凹部25と接合部材31との間に形成された隙間部に充填材27を充填している。これにより、接合部材31がパネル体2の上方に突出した状態となるのを防止できるとともに、パネル体2の下方から前記隙間部を通ってパネル体2の上方に水分が滲出するのを、充填材27により防止できるという利点がある。
上述の第一実施形態では、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂またはポリエレア樹脂等の合成樹脂と、砂等の細骨材とを有する樹脂モルタルからなる充填材27を、前記隙間部に充填するように構成している。この樹脂モルタルからなる充填材27は、通常のセメントモルタルに比べて作業性が良いので、前記間隙部内に充填して固化させる作業を容易に行うことができる。しかも、前記樹脂モルタルは、優れた接合力、防水性、耐薬品性、および耐磨耗性等を有しているため、相隣接するパネル体2の連結部を効果的に保護することができる。なお、パネル本体21を構成する繊維補強コンクリート材により充填材27を構成してもよい。
さらに、図1および図2に示す第一実施形態では、相隣接するパネル体2の縁部に締結部材33のねじ軸が挿入される透孔26をそれぞれ形成している。そして、この透孔26に締結部材33のねじ軸を挿入した状態で、相隣接するパネル体2の縁部の上下に配設された接合部材31,32を、4本の締結ボルト等からなる締結部材33で一体に締結するように構成している。この構成によれば、相隣接するパネル体2の縁部を、上下の接合部材31,32で挟持した状態で強固に連結することができる。したがって、例えば10年程度の長期間に亘る使用を前提とした簡易道路1において、両パネル体2が互いに離間した状態となること等を効果的に防止し、各パネル体2の設置状態を安定させることができる。
なお、相隣接するパネル体2の縁部をそれほど強固に連結する必要がない場合、例えば3か月程度の短期間の使用を前提とした簡易道路1では、図8に示すように、相隣接するパネル体2の縁部間に所定の間隙、つまり締結部材33aのねじ軸が挿入される間隙28を設けた構成としてもよい。そして、相隣接するパネル体2の縁部の上下に配設された接合部材31a,32aと、前記間隙28にねじ軸が挿入される1本または2本の締結ボルト等からなる締結部材33aとを備えた連結具3aにより、相隣接するパネル体2の縁部を着脱可能に連結するように構成してもよい。なお、接合部材31aの下面には、パネル体2の表面に食い込むピン36が突設され、接合部材32aの表面には、パネル体2の裏面に圧接されるリブ37が形成されている。なお、このリブ37に代え、接合部材31aと同様にピンを設けた構成としてもよい。
図8に示す構成では、図1および図2に示すように相隣接するパネル体2の縁部に透孔26を形成する必要がないので、パネル体2の構造を簡略化することができる。しかも、前記締結部材33のねじ軸を透孔26に挿入して挿通させるという作業が不要であり、連結具3aにより相隣接するパネル体2の縁部を連結する作業を容易に行うことができる。
また、第一実施形態では、図1に示すように、軟弱地盤G上に安定シート10を敷設した後、この安定シート10上に、複数のパネル体2を敷設している。このため、大型の工事用車両が簡易道路1上を通過する際等に湿った地盤Gに作用する圧力に応じ、この地盤Gから水や泥等がパネル体2の設置部に滲出するのを、前記安定シート10によって効果的に防止することができ、パネル体2の表面を車両の走行に適した乾いた状態に維持することができる。
(第二実施形態)
図9は、例えば地盤Gの軟弱度合いを示すN値が0である超軟弱地盤である場合等に、好適に施工される本発明の第二実施形態に係る簡易道路1bを示している。この第二実施形態に係る簡易道路1bは、地盤G上に敷設される安定シート10と、この安定シート10上に敷設される上下二段の軽量路盤4,5とを備えている。そして、軽量路盤4,5に沿って前記パネル体2が敷設されるように構成されている。なお、当第二実施形態は、超軟弱地盤以外、つまり地盤Gの軟弱度合いを示すN値が1である軟弱地盤等についても適用可能であることは勿論である。
上段の軽量路盤4は、図10(a)に示すように、一辺部に複数の単位路盤体41が縦長状態で相隣接して配列されるとともに、他辺部に複数の単位路盤体41が横長状態で相隣接して配列されることにより構成されている。一方、下段の軽量路盤5は、一辺部に複数の単位路盤体51が横長状態で相隣接して配列されるとともに、他辺部に複数の単位路盤体41が縦長状態で相隣接して配列されることにより構成されている。そして、単位路盤体41と単位路盤体51とが上下に重ねられることにより、図10(b)に示すように、上段に位置する単位路盤体41の相隣接部42と、下段に位置する各単位路盤体51の相隣接部52とが、水平方向に位置ずれした状態で配置されている。なお、軽量路盤4,5を地盤Gに沿って敷設する際に、上述の横長状態で配列される単位路盤体41,51の側辺部を切断することにより、簡易道路およびパネル体2の幅寸法に合わせて軽量路盤4,5の幅寸法を容易に調節することができる。
前記単位路盤体41は、例えば図11に示すように、路盤本体43と、その表面を覆う表面保護層44と、路盤本体43の側端部を覆う発泡合成樹脂からなる側部発泡層45と、表面保護層44の外周端部及び側部発泡層45を覆う端部保護層46とを備えている。なお、表面保護層44と端部保護層46との少なくとも一方を省略してもよい。
路盤本体43は、例えば例えば、セメント、水、補強繊維及び起泡剤をプレフォームした泡を混練した混練物をセメント用成形型内に充填し、養生固化することで得られる多孔質成形体からなる繊維補強軽量セメントにより構成されている。前記セメントは特に限定されず、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント等、各種セメントを使用できる。
セメントと水との配合割合は、セメント100重量部に対して水が15~60重量部、更には15~30重量部の範囲が好ましい。水が多すぎると強度が低下する傾向にあり、水が少なすぎると成形時にセメント混練物の流動性が低下して成形性を阻害する傾向にある。
前記補強繊維としては、ポリビニルアルコール繊維(ビニロン繊維)、ポリプロピレン繊維やポリエチレン繊維等のポリオレフィン系繊維、アラミド繊維、炭素繊維、鋼繊維、ガラス繊維等が挙げられる。これらの繊維のなかでも、ビニロン繊維は耐久性が高く、しかもセメントとの親和性に優れるので好ましい。補強繊維の繊維長は特に限定されないが、短繊維であることが好ましく、例えば15~45mmの範囲が好ましい。補強繊維の繊維長が15mm未満では補強効果が不足する傾向がみられる。補強繊維の繊維長が長い方が補強効果の点では有利であるが、その一方で、繊維長が長くなるほど分散性が低下し、成形体内で補強繊維が偏在して、却ってパネル強度を低下させる場合もある。また、補強繊維の太さにも特に限定はないが、通常、10~1000μmのものが用いられる。
前記路盤本体43は、セメント混練時にビニロンやガラスチョップ等の補強繊維を均一に分散させるだけで、補強繊維の絡み合いによる補強構造が得られる。したがって、路盤本体43の製造に際して、網状補強材等の補強材を埋設する場合の位置決め操作等の煩雑な作業が不要であり、強度にバラツキのない路盤本体43を容易に製造できる。
補強繊維の配合量は、前記セメント100重量部に対して0.2~6重量部とすることが好ましい。補強繊維の配合量が少ないと、補強効果も低く、パネル強度も低くなる。補強繊維の配合量が多いほどパネル補強効果においては有利であるものの、補強繊維の配合量が過剰であるとセメント混練物中での分散性が悪くなり、補強繊維が偏在して、パネル強度が不均一になり、却ってパネル強度を低下させるおそれがある。このような観点から、補強繊維の配合量のより好ましい範囲は、セメント100重量部に対して0.4~4重量部である。
前記起泡剤は特に限定されず、セメント用、コンクリート用の起泡剤、例えば、タンパク質系、界面活性剤系、樹脂系等の公知の各種の起泡剤を使用できる。さらに、前記起泡剤とともに、アルミニウム粉等の金属系発泡剤を使用することもできる。起泡剤の添加量や添加方法は特に限定されないが、通常はセメント100重量部に対して0.1~3重量部の範囲内とされ、これにより得られる路盤本体43の比重が、前記パネル体2よりも低い値となるように適宜調整される。
前記セメント、水、補強繊維及び起泡剤をプレフォームした泡、その他の添加剤等からなる混練物の混練に際しては、従来公知のセメントミキサーやコンクリートミキサーなどを使用できるが、混練物中の起泡剤をプレフォームした泡(気泡)の状態や補強繊維にダメージを与えることなく、かつ全体を均一に混練することが必要である。混練時に起泡剤の泡(気泡)がダメージを受けると、成形後のパネルにおける気泡の大きさが不均一となり、パネル強度にバラツキが生じることがある。また、補強繊維がダメージを受けると折損して所期の補強効果が得られない虞がある。
路盤本体43は、上記のようなセメント、水、補強繊維および起泡剤をプレフォームした泡を混練し、セメント用成形型に充填して使用目的に応じた大きさの板状に成形するか、またはそれより大きなブロック状に成形した後、養生することで、気泡を含んだセメントミルクが、セメントと水との水和反応により硬化して、補強繊維と多数の気泡を分散状態で含有する軽量な多孔質成形体が得られる。路盤本体43の厚さにも特に限定はなく、例えば20~200mmであり、通常は20~150mm程度であるが、好ましい範囲は30~50mmである。
軽量セメントからなる路盤本体43の具体的な製造法の一例を挙げると、セメントに水及び減水剤を混合し、これに補強繊維を加えて混練する。一方、起泡剤に空気を導入し、所定の倍率にプレフォームする。この起泡剤をプレフォームした泡を、前記混練物に加えて混練する。なお、混練の途中で混練物の比重を適宜測定し、目標値に近づけるよう、起泡剤をプレフォームした泡を更に追加して混練してもよい。このセメント混練物を、例えば、金属製の耐圧成形型に充填し、例えば900mm程度の幅寸法と、1800mm程度の長さと、所定の厚さとを有する板状に成形し、これを養生、固化させる。これにより、図7に示すような、セメントが固化した多孔質成形体からなり、その中に分散した補強繊維の絡み合いにより補強された軽量セメントからなる路盤本体43が得られる。
そして、本発明の第二実施形態に係る単位路盤体41は、上述のパネル体2よりも比重の小さい素材、つまり繊維補強軽量セメントを主体した路盤本体43と、その側端面を被覆する側部発泡層45等とで構成されている。なお、前記側部発泡層45を構成する発泡合成樹脂は特に限定されるものではないが、例えばポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、硬質ポリウレタンフォーム、軟質ポリウレタンフォーム、硬質塩化ビニルフォーム、ユリアフォーム、フェノールフォーム、アクリルフォーム、酢酸セルロースフォーム、その他の発泡合成樹脂が例示できる。
また、側部発泡層45の発泡倍率に特に限定はないが、通常は2~10倍程度でよい。側部発泡層45の発泡倍率が小さいほどパネル強度は増大するが、その一方でパネル重量も増大する。また、側部発泡層45の発泡倍率が大きくなるほどパネルは軽量化されるが、その一方でパネル強度が低下する傾向が見られる。したがって、側部発泡層45の発泡倍率は、パネルの軽量性、強度、耐衝撃性などの観点から適宜決定される。
本実施形態の単位路盤体41は、路盤本体43の表面を被覆する表面保護層44を有している。この表面保護層44により、単位路盤体41の強度が増大するとともに、表面性、耐水性も向上する。表面保護層44は路盤本体43の表裏両面を被覆するように設けることが好ましいが、一方の表面のみを被覆するように設けた構成としてもよい。
前記表面保護層44の材質には特に限定はないが、非発泡合成樹脂により構成することができる。非発泡合成樹脂にて表面保護層44を設ける方法には特に限定はないが、例えば、路盤本体43の表面に合成樹脂製のフィルム、シート又はボードを接着する方法、路盤本体43の表面に合成樹脂を塗布する方法などが挙げられる。前記合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂の他、ABS、MMA等、コンクリート型枠用として使用した場合に打設コンクリートとの離型性が良好な合成樹脂が好ましい例として挙げられる。
図11に示すように、表面保護層44は、単位路盤体41の全表面と同じ大きさに設定され、表面保護層44の外周端部は側部発泡層45の外周端部に沿って配置されている。このように構成することで、表面保護層44の外周部を被覆するように設けられる端部保護層46と、表面保護層44との重ね合わせ部分の長さを極力大きく設定して、単位路盤体41の外周端部からの水の浸入を効果的に防止できる。ただし、表面保護層44の外周端部を側部発泡層45の途中部まであるいは路盤本体43の外周端部まで設けることもできる。また、表面保護層44の外周端部が側部発泡層45で被覆されるように構成することも好ましい。
また、単位路盤体41の表面保護層44の外周端部及び側部発泡層45は、端部保護層46にて一体に被覆されている。そして、この端部保護層46により、表面保護層44の外周端面からの吸水を防止でき、単位路盤体41の耐水性、耐久性を一層向上できるとともに、表面保護層44がその外周端部から剥離したり、路盤本体43から側部発泡層45が脱落したりすることを防止できる。なお、端部保護層46は、表面保護層44の剥離の剥離や、側部発泡層45の脱落を防止する上で設けることが好ましいが、省略してもよい。
端部保護層46は、水密性を有する封止テープを貼着して形成したり、合成樹脂製のフィルム、シートを接着や熱融着して形成したり、路盤本体43の外周端部に合成樹脂を塗布して形成したりするなど、任意の方法で形成することができる。また、合成樹脂製の断面コ字状のフレーム材をパネル本体21の側端部に沿って嵌合し、接着剤で固定して設けることもできる。
なお、下段に位置する軽量路盤5を構成する各単位路盤体51は、図11に示す上段の単位路盤体41と構造が同じであるため、その具体的な説明を省略する。
上述のように本発明の第二実施形態に係る簡易道路1bでは、道路施工部の地盤G上に敷設される安定シート10と、この安定シート10上に敷設される上下複数段の軽量路盤4,5とを備え、上段の軽量路盤4上に、前記パネル体2が敷設されるように構成されている。この構成では、道路施工部の地盤Gが、例えばN値0の超軟弱地盤である場合、またはぬかるんだ路面である場合においても、パネル体2の圧密沈下を効果的に防止できるという利点がある。
すなわち、前記パネル体2よりも比重の小さい素材からなる軽量路盤4,5がパネル体2の下方に配設されているため、この軽量路盤4,5に大きな浮力を作用させることにより、パネル体2の圧密沈下を効果的に防止できる。また、ぬかるんだ地盤Gに沿って軽量路盤4,5を敷設するとともに、その上にパネル体2を敷設するだけで、従来のように地盤上に砕石を敷き詰める等の整地作業を要することなく、直ぐに大型車両の通過が可能となる。
また、上述の第二実施形態では、複数の単位路盤体41が相隣接して敷設された上段の軽量路盤4と、複数の単位路盤体51が相隣接して敷設された下段の軽量路盤5とを有し、上段に位置する各単位路盤体41の相隣接部42と、下段に位置する各単位路盤体51の相隣接部52とが、水平方向に位置ずれした状態で配置されるようにしている。これにより、下段位置する軽量路盤5を構成する単位路盤体51の相隣接部52から上方に滲出した水分が、その上段に位置する軽量路盤4の単位路盤体41により遮断されて、パネル体2の設置部に到達することが抑制されるため、簡易道路1の表面が水浸しとなること等が防止される。
なお、上述の構成に代え、上段に位置する各単位路盤体41の相隣接部42と、下段に位置する各単位路盤体51の相隣接部52とを、水平方向に位置ずれさせることなく、同じ位置に配置することも可能であるが、この場合には、車両の走行時に下向きに作用する圧力に応じて軽量路盤4,5が湾曲し易いため、その上に敷設されるパネル体2が湾曲して破損や亀裂が生じ易いという問題がある。これに対して、上述の第二実施形態に示すように. 各単位路盤体41の相隣接部42と、下段に位置する各単位路盤体51の相隣接部52とを、水平方向に位置ずれさせた場合には、車両の走行時に下向きに作用する圧力に応じて軽量路盤4,5が湾曲するのを効果的に抑制し、その上に敷設されるパネル体2に破損や亀裂が生じるのを防止することができる。また、仮に軽量路盤4,5の一方が割れても、この割れた個所の湾曲を、他方の軽量路盤で抑えることができるために、前記パネル体2の湾曲を防止できるという利点がある。
車両の走行時に下向きの圧力が作用した場合、地盤G上に敷設された安定シート10にも伸びが生じることにより、その破断が防止されるために、安定シート10の防水効果を維持することができる。また、仮に軽量路盤4,5が湾曲した場合においても、これに追従させて安定シート10に湾曲させて、その破断を防止できるために、安定シート10の防水効果を維持することができる。
なお、上述の第三実施形態では上下二段の軽量路盤4,5を設けた例ついて説明したが、上下三段以上の軽量路盤を設けてもよく、あるいは一段の軽量路盤を設けた構成としてもい。また、地盤Gから水分が滲出する虞がない場合には、前記安定シート10を省略して、地盤G上に軽量路盤4,5を直接、敷設するようにしてもよい。
(第三実施形態)
図12は、本発明の第三実施形態に係る簡易道路1cを示している。この簡易道路1cは、平坦な地盤G上に所定の角度で傾斜した路面を構成するものであり、上面61が一定角度で傾斜したテーパ面に形成された複数個の軽量路盤6を有している。そして、軽量路盤6が平坦な地盤に沿って敷設されるとともに、この軽量路盤6上に前記パネル体2が敷設されるように構成されている。この構成によれば、簡易道路1cの開始点と到達点との間に段差がある場合等に、この段差に応じて簡易道路1cの表面を所定の角度で傾斜させることにより、車両等の通行をスムーズに行わせることができる。
1,1b,1c 簡易道路
2 パネル体
3,3a 連結具
4,5 軽量路盤
6 軽量路盤
10 安定シート
11 縦溝
12 横溝
21 パネル本体
22 コア体
25 凹部
26 透孔
27 充填材
28 間隙
31,32 接合部材
31a,32a 接合部材
33,33a 締結部材
34 挿通孔
35 透孔
36 ピン
37 リブ
41 単位路盤体
42 相隣接部
43 路盤本体
44 表面保護層
45 側部発泡層
46 端部保護層
51 単位路盤体
52 相隣接部
61 上面
G 地盤
T タイヤ

Claims (10)

  1. 道路施工部の地盤に沿って敷設される複数のパネル体と、
    相隣接する前記パネル体の縁部を着脱可能に連結する連結具とを備え、
    前記パネル体が、繊維補強コンクリートを主体としている簡易道路。
  2. 前記パネル体の表面には、安全溝が形成されている請求項1記載の簡易道路。
  3. 前記連結具は、前記相隣接するパネル体の縁部を挟持するように配設された上下一対の接合部材と、前記両接合部材を一体に締結する締結部材とを有している請求項1または2記載の簡易道路。
  4. 前記パネル体の縁部上面には、前記接合部材の板厚に対応した深さを有する凹部が形成されている請求項3記載の簡易道路。
  5. 前記凹部と前記接合部材との間に形成された隙間部には、充填材が充填されている請求項4記載の簡易道路。
  6. 長期間の使用を前提とした前記簡易道路であって、
    前記相隣接するパネル体の縁部には、前記締結部材が挿入される透孔が形成されている請求項3~5のいずれか1項に記載の簡易道路。
  7. 短期間の使用を前提とした前記簡易道路であって、
    前記相隣接するパネル体の縁部間には、前記締結部材が挿入される間隙が設けられている請求項3または4記載の簡易道路。
  8. 軟弱地盤上に敷設される安定シートを、さらに備え、
    前記安定シ-トに沿って前記パネル体が敷設されている請求項1~7のいずれか1項に記載の簡易道路。
  9. 前記安定シート上に敷設される軽量路盤を、さらに備え、
    前記軽量路盤が、前記パネル体よりも比重の小さい素材からなり、
    前記軽量路盤上に前記パネル体が敷設されている請求項8記載の簡易道路。
  10. 前記軽量路盤は、繊維補強軽量セメントを主体とした複数の単位路盤体が相隣接して敷設された上段の軽量路盤と、繊維補強軽量セメントを主体とした複数の単位路盤体が相隣接して敷設された下段の軽量路盤とを有し、
    前記上段に位置する前記各単位路盤体の相隣接部と、前記下段に位置する前記各単位路盤体の相隣接部とが、水平方向に位置ずれした状態で配置されている請求項9記載の簡易道路。
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