JP2022070674A - イブプロフェンとトラネキサム酸との結晶 - Google Patents

イブプロフェンとトラネキサム酸との結晶 Download PDF

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Abstract

【課題】イブプロフェンとトラネキサム酸とを含む固形製剤であって、高温条件下で保存しても膨張が抑制される製剤を提供することである。【解決手段】本発明は、イブプロフェンとトラネキサム酸とからなる新規な結晶を用いることによって、高温条件下で保存しても膨張が抑制される安定な固形製剤を提供することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、イブプロフェンとトラネキサム酸との結晶またはその製造方法に関する。さらに、本発明は、前記結晶を含む組成物、特に、固形製剤に関する。
イブプロフェンは、非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)の一種であり、抗炎症・鎮痛・解熱剤として、広く用いられている。トラネキサム酸は、抗プラスミン作用により、炎症やアレルギーを抑えるので、のどの痛みなどのかぜの症状に用いられている。
イブプロフェンとトラネキサム酸は、消炎・解熱鎮痛薬や感冒薬などの医薬製剤に、薬効成分として同時に配合されることがある。しかしながら、イブプロフェンとトラネキサム酸とを含む固形製剤は、高温保存で経時的に膨張が生じ、特に、錠剤のひび割れといった商品性を著しく低下させる問題があった。
一般的に、2成分間の相性が悪い場合は、成分間の接触を避ける方法や第3成分を配合することで、2成分間の反応を阻害する方法が用いられる。
イブプロフェンとトラネキサム酸とによる高温保存での経時的膨張の問題においても、従来、(1)2成分を実質的に互いに接触させないように配合する方法(特許文献1、2)、(2)第3成分を配合することで、2成分間の反応を阻害する方法、例えば、ケイ酸カルシウム(特許文献3)、有機酸(特許文献4)を配合するなどの方法が知られている。その他に、(3)膨張がイブプロフェンとトラネキサム酸の2成分だけによるものではなく、イブプロフェン、トラネキサム酸、及びステアリン酸マグネシウムの3成分の組合せに起因するものであるとして、ステアリン酸金属塩を配合しない方法(特許文献5)も知られている。しかしながら、上記膨張のメカニズムが複雑であり解明されていないため、従来の方法では、膨張が完全に抑制できない、製造工程数が増えることでコストが高くなるなどの問題があった。
特開2007-284423 特開2013-163698 特開2010-30903 特開2009-203218 WO2008/044331
本発明の目的は、イブプロフェンとトラネキサム酸とを含む固形製剤であって、高温条件下で保存しても膨張が抑制される製剤を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、従来、イブプロフェンとトラネキサム酸との接触を避けるべきであると考えられていたのにもかかわらず、意外なことに、イブプロフェンとトラネキサム酸とを接触させることにより新規結晶が形成され、この新規結晶から固形製剤を調製することによれば、上記高温下で保存しても膨張が抑制できることを発見し、本発明を完成させた。
以下に、本発明の態様を記載する。
態様1
イブプロフェンと、
トラネキサム酸と
からなる結晶。
態様2
イブプロフェンと、トラネキサム酸は、1:1のモル比で存在する、
態様1に記載の結晶。
態様3
イブプロフェンとトラネキサム酸が4分子ずつの結晶単位格子を形成している、態様1または2に記載の結晶。
態様4
イブプロフェンのカルボン酸基とトラネキサム酸のカルボン酸基との間と、イブプロフェンのカルボン酸基とトラネキサム酸のアミノ基との間に、水素結合が形成されている、態様1-3のいずれかに記載の結晶。
態様5
示差走査熱量測定(DSC)において、180℃付近の吸熱ピークを有する、態様1-4のいずれかに記載の結晶。
態様6
粉末X線回折において、2θ=8.4±0.5°に特徴的なピークを有する態様1-5のいずれかに記載の結晶。
態様7
イブプロフェンとトラネキサム酸とからなる結晶の製造方法であって、
(1)溶媒の添加または加熱により、流動性ある流体のイブプロフェンを生成すること、(2)得られた流動性ある流体のイブプロフェンとトラネキサム酸とを混合すること、(3)得られた混合物から結晶を生成させることを含む、方法。
態様8
イブプロフェンとトラネキサム酸とからなる結晶の製造方法であって、
(1)流動性ある流体のトラネキサム酸を得ること、(2)得られた流動性ある流体のトラネキサム酸と、イブプロフェン、または溶媒の添加または加熱により得られる流動性ある流体のイブプロフェンとを混合すること、(3)得られた混合物から結晶を生成させることを含む、方法。
態様9
(3)の工程において、得られた混合物を乾燥させることを含む、態様7または8に記載の方法。
態様10
イブプロフェンに添加する溶媒は、エタノール、アセトン、ジメチルスルホキシド、またはこれらの1以上の混合物から選択される、態様7-9のいずれかに記載の方法。
態様11
イブプロフェン1重量部に対して約0.1重量部以上、好ましくは約0.2重量部以上の溶媒を加える、態様7-10のいずれかに記載の方法。
態様12
イブプロフェンを加熱するときに、約80℃以上のイブプロフェン溶融液が得られる、態様7-11のいずれかに記載の方法。
態様13
流動性ある流体のトラネキサム酸は、トラネキサム酸に水を加えることによって得られる、態様8-12のいずれかに記載の方法。
態様14
態様7または8に記載の(2)の工程において、得られた混合物へ、滑沢剤を添加して混合することをさらに含む、態様7-13のいずれかに記載の方法。
態様15
滑沢剤が、マグネシウムまたはカルシウムを含む炭素数16~18の有機酸、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、及び硬化油などの水素添加油脂から選択される、態様14に記載の方法。
態様16
態様7または8に記載の(2)の工程における混合が湿式造粒である、態様7-15のいずれかに記載の方法。
態様17
湿式造粒が、乳鉢造粒、攪拌造粒、流動層造粒、転動造粒、または押し出し造粒である、態様16に記載の方法。
態様18
イブプロフェンとトラネキサム酸とからなる結晶の製造方法であって、
(1)イブプロフェン及びトラネキサム酸を溶媒中に加えて、溶液または分散液を得ること、(2)得られた溶液または分散液を噴霧、乾燥すること、または(1)工程で得られた溶液を静置して、静置後に得られた生成物を濾過して、前記生成物を乾燥することを含む、方法。
態様19
(2)の工程で、前記溶液または分散液を噴霧して造粒した後に乾燥する、
態様18に記載の方法。
態様20
溶媒は、エタノール、水、またはこれらの混合物である、態様18または19に記載の方法。
態様21
イブプロフェンとトラネキサム酸との配合比が、約1重量部:約10重量部-約10重量部:約1重量部である、態様7-20のいずれかに記載の方法。
態様22
態様7-21のいずれかに記載の方法によって得られた結晶。
態様23
態様1-6のいずれかに記載の結晶または態様22に記載された結晶を含む組成物。
態様24
イブプロフェンと、トラネキサム酸が、1:1のモル比で存在する態様22に記載された結晶を含む組成物であって、前記結晶が原料のイブプロフェンとトラネキサム酸の物質量(モル)でいずれか少ない方を基準とし、80モル%以上含まれる、組成物。
態様25
固形製剤である、態様23または24に記載の組成物。
態様26
固形製剤が錠剤である、態様25に記載の組成物。
態様27
消炎・解熱鎮痛薬または感冒薬である、態様23-26のいずれかに記載の組成物。
本発明の新規結晶によれば、イブプロフェンとトラネキサム酸とを含む固形製剤であって、高温条件下で保存しても膨張が抑制される安定性に優れた製剤を提供することができる。
実施例1で調製された本発明の結晶の構造を示す。 実施例1で調製された本発明の結晶のX線構造解析時に得られた測定データからシミュ―レートしたX線回折パターンを示す。 実施例1で調製された本発明の結晶の示差走査熱量測定(DSC)カーブを示す。
以下、本発明を実施するための形態を具体的に説明する。
本発明は、イブプロフェンとトラネキサム酸とからなる結晶に関する。
本発明における「イブプロフェン」は、化学名:(2RS)-2-[4-(2-メチルプロピル)フェニル]プロパン酸(一般名:イブプロフェン)の公知の化合物であり、その入手方法としては、市販品を用いてもよく、また公知の方法に基づき製造することも可能である。
本発明における「トラネキサム酸」は、化学名:トランス-4-(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸(一般名:トラネキサム酸)の公知の化合物であり、その入手方法としては、市販品を用いてもよく、または公知の方法に基づき製造することも可能である。
本発明の結晶については、以下で説明する実施例1で得られた単結晶から、X線回折データを採取し、データ測定・処理ソフトウェアCrysAlisPro、構造解析プログラムパッケージOlex2および構造解析プログラムMercury3.1を用いてデータ処理・構造解析を行った。その結果得られた結晶構造を図1に示し、測定データからシミュレートしたX線回折パターンを図2に示す。また、実施例1で得られた単結晶の示差走査熱量測定(DSC)カーブを図3に示す。
結晶構造解析および示差走査熱量測定(DSC)の結果より、本発明の結晶は以下の特徴を示す。
イブプロフェンと、トラネキサム酸は、1:1のモル比で存在し、イブプロフェンとトラネキサム酸が4分子ずつの結晶単位格子を形成している。
イブプロフェンのカルボン酸基とトラネキサム酸のカルボン酸基との間と、イブプロフェンのカルボン酸基とトラネキサム酸のアミノ基との間に、水素結合が形成されている。
X線回折パターンにおいて、主要な7つのピーク(2θ=6.3、8.4、16.2、18.5、19.1、21.1、25.6±0.5°)を有する。
示差走査熱量測定(DSC)において、180℃付近の吸熱ピークを有する。なお、イブプロフェンに特徴的な75℃付近の融解熱ピークは消滅している。
本発明のイブプロフェンとトラネキサム酸とからなる結晶は、以下の方法A-Cで製造することができる。理論に拘束されるわけではないが、イブプロフェンはそれ自体通常2分子の結晶を形成しているが、本発明の方法の過程で、単分子状態になったイブプロフェンがトラネキサム酸と反応することが考えられる。
本発明の結晶の製造方法において、トラネキサム酸とイブプロフェンとの配合割合は、約1重量部:約10重量部-約10重量部:約1重量部が好ましく、約1重量部:約10重量部-約5重量部:約1重量部がより好ましく、約1重量部:約3重量部-約3重量部:約1重量部がさらに好ましい。
方法A
(1)溶媒の添加または加熱により、流動性ある流体のイブプロフェンを生成すること、(2)得られた流動性ある流体のイブプロフェンとトラネキサム酸を混合すること、(3)得られた混合物から結晶を生成させることを含む、方法。
本発明において、「流動性ある流体のイブプロフェン」とは、溶液、分散液、湿潤状態(ペースト状態を含む)または溶融状態のイブプロフェンをいう。
(1)の工程で用いられる溶媒は、好ましくは、エタノール、アセトン、ジメチルスルホキシド、またはこれらの1以上の混合物から選択され、より好ましくは、エタノールである。
(1)の工程で用いられる溶媒の好ましい添加量は、イブプロフェン1重量部に対して約0.1重量部以上、より好ましくは約0.2重量部以上である。(2)の工程で造粒する場合には、造粒法に合わせた量の溶媒を添加することが好ましく、例えば、攪拌造粒等でペースト状態にする場合には、溶媒の添加量は、イブプロフェン1重量部に対して約1重量部以下、例えば、0.83重量部以下が好ましい。例えば、流動層造粒で分散液を噴霧する場合には、イブプロフェンの溶解度を考慮して分散液全体の固形分の量が16重量%以下になるように溶媒を添加するのが好ましい。
(1)の工程で、イブプロフェンを加熱するときに、イブプロフェンの融点よりも高い温度で加熱することが好ましい。好ましい態様の1例としては、80℃以上で加熱してイブプロフェン溶融液を得ることである。
(2)の工程において、混合しながら造粒物とすることができる。造粒は、好ましくは湿式造粒であり、例えば、乳鉢造粒、攪拌造粒、流動層造粒、転動造粒、押し出し造粒等があげられる。
造粒の具体的な態様としては、例えば、溶媒を加えて湿潤状態にしたイブプロフェン、または加熱融解した溶融状態のイブプロフェンと、トラネキサム酸とを混合して造粒する攪拌造粒、押し出し造粒、転動造粒、イブプロフェンに溶媒を加えて溶液または分散液にして、装置内で吹き上げられたトラネキサム酸に噴霧する流動層造粒があげられるが、これらに限定されない。
方法B
(1)流動性ある流体のトラネキサム酸を得ること、(2)得られた流動性ある流体のトラネキサム酸と、イブプロフェン、または溶媒の添加または加熱により得られる流動性ある流体のイブプロフェンとを混合すること、(3)得られた混合物から結晶を生成させることを含む、方法。
本発明において、「流動性ある流体のトラネキサム酸」とは、溶液、分散液または湿潤状態(ペースト状態を含む)のトラネキサム酸をいう。
(1)の工程において、流動性ある流体のトラネキサム酸は、好ましくはトラネキサム酸に水を加えることによって得られる。加える水の好ましい添加量は、トラネキサム酸1重量部に対して約0.2重量部以上であり、例えば、ペースト状態にする場合には、約0.2~0.6重量部である。
(2)の工程において、イブプロフェンに加える溶媒は、好ましくは、エタノール、アセトン、ジメチルスルホキシド、またはこれらの1以上の混合物から選択され、より好ましくは、エタノールである。
(2)の工程において、方法Aと同様に、混合しながら造粒物とすることができる。造粒は、好ましくは湿式造粒であり、例えば、乳鉢造粒、攪拌造粒、流動層造粒、転動造粒、押し出し造粒等があげられる。
造粒の具体的な態様としては、例えば、水を加えて湿潤状態にしたトラネキサム酸と、イブプロフェン、または湿潤状態か溶融状態のイブプロフェンとを混合して造粒する攪拌造粒、押し出し造粒、転動造粒、トラネキサム酸に水を加えて溶液または分散液にして、装置内で吹き上げられたイブプロフェンに噴霧する流動層造粒があげられるが、これらに限定されない。
方法A及び方法Bにおける第三成分の添加
方法A及び方法Bの(2)の工程において、得られた混合物へ、滑沢剤を添加して混合することができる。なお、方法Bでは、流動性ある流体のトラネキサム酸、好ましくは、湿潤状態のトラネキサム酸と、イブプロフェンとの混合物に滑沢剤を添加して混合することが好ましい。混合しながら造粒物とすることができ、造粒は、好ましくは湿式造粒であり、例えば、乳鉢造粒、攪拌造粒、流動層造粒、転動造粒、押し出し造粒等があげられる。
結晶形成に関与する上記滑沢剤は、好ましくは、マグネシウムまたはカルシウムを含む炭素数16~18の有機酸(例えば、パルミチン酸、ステアリン酸)、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、及び硬化油などの水素添加油脂から選択され、より好ましくは、タルク、またはステアリン酸マグネシウムである。
上記滑沢剤の好ましい添加量は、イブプロフェンとトラネキサム酸の造粒物1重量部に対して約0.09重量部-約0.36重量部であり、より好ましくは、約0.18重量部以上である。また、流動性ある流体のトラネキサム酸に、イブプロフェンを混合して、pHが酸性側になる場合は、滑沢剤添加によって、pHが約6.8以上になることが好ましい。
方法A及び方法Bに関連するその他の工程
方法A及び方法Bの(2)の工程で得られた混合物は必要に応じて乾燥することが好ましい。乾燥は、乾燥機を用いて行うことが好ましく、例えば、デジタル温度表示大型循環送風式乾燥機(型式:PSD-80、メーカー:(株)清水理化学機器製作所)を給気温度60℃に設定して用いる場合、最も温度が高いと考えられる給気口付近で約60℃であることから、乾燥時の造粒物の温度は最も高くて60℃程度であると推測される。(1)の工程で用いられる溶媒の種類により、好ましい乾燥時の造粒物の温度は異なり、例えばエタノールを用いる場合には、約30-約80℃が好ましく、約40-約60℃がより好ましい。
方法C
(1)イブプロフェン及びトラネキサム酸を溶媒中に加えて、溶液または分散液を得ること、(2)得られた溶液または分散液を噴霧、乾燥すること、または(1)の工程で得られた溶液を静置して、静置後に得られた生成物を濾過して、前記生成物を乾燥することを含む、方法。
(1)の工程で用いる溶媒は、好ましくは、エタノール、水、またはこれらの混合物であり、より好ましくは、50%エタノールである。分散液の場合には、分散液中の溶解していないイブプロフェンまたはトラネキサム酸の固形分について、噴霧乾燥機のノズルが詰まる等の問題を起こさずに噴霧乾燥が可能な量にすることが好ましく、分散液全体の約16重量%以下であることが好ましく、約2.4重量%以下であることがより好ましい。
(2)の工程において、溶液または分散液を噴霧、乾燥して造粒物を得る場合、溶液または分散液を噴霧乾燥して乾燥と同時に造粒すること(例えば噴霧乾燥造粒)もできるし、溶液または分散液を噴霧して造粒した後に乾燥すること(例えば流動層造粒)もできる。
(2)の工程の静置は、室温(18-26℃)で行うことができ、約5℃以下で冷却して行うこともできる。
医薬として用いるためには、上述したように有効量のイブプロフェンとトラネキサム酸とから製造した本発明の結晶を含む中間組成物(造粒物の形態をとることができる)とし、中間組成物に、その他の有効成分、結晶形成に関与する以外の添加剤、例えば、賦形剤、結合剤、吸着剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤、矯味剤、着香剤などを加えて最終組成物にして、医薬的製剤、特には、固形製剤とすることができる。
固形製剤の剤形としては例えば、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、錠剤、散剤等があげられ、特に錠剤が好ましい。固形製剤は糖衣やフィルムコーティング等により被覆されていても良い。 錠剤の場合は、上記組成物を公知の方法にて圧縮成型することによって、製造することができる。
本発明のイブプロフェンとトラネキサム酸とからなる結晶を用いて固形製剤を調製することによれば、高温条件下で保存しても膨張が抑制できる。これに対して、従来の製剤では、イブプロフェンとトラネキサム酸がいずれも結晶の形成に関与していないフリーの状態で存在しており、高温下での保存時にこれらが反応して、膨張がおこっていたと推察される。
下記試験例に示されるように、上記方法A~Cで製造される本発明の結晶を含む中間組成物を用いて調製した固形製剤は、その結晶形成率が高いほど、50℃・2ヵ月保存時の膨張が抑制されている。結晶形成率は、原料のイブプロフェンとトラネキサム酸のいずれか少ない方の物質量(モル)を基準とし、示差走査熱量測定(DSC)結果から算出した、結晶製造後の試料中に含まれる本発明の結晶の形成に関与していないフリーの状態のイブプロフェンの量と原料のイブプロフェンの基準量とから、結晶形成に関与したイブプロフェンの割合を算出することにより求めた。下記試験例に結晶形成率の算出例を示すが、算出方法はこれに限らない。
上記方法A~Cで製造される本発明の結晶を含む中間組成物は、前記結晶が原料のイブプロフェンとトラネキサム酸の物質量(モル)でいずれか少ない方を基準とし、80モル%以上含まれることが好ましく、より好ましくは85モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、さらにより好ましくは95モル%以上含まれる。
本発明の固形製剤には、その他の有効成分、結晶形成に関与する以外の添加剤、例えば、賦形剤、結合剤、吸着剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤、矯味剤、着香剤などを加えることができ、一例として下記のものがあげられるが、これらに限定されるべきではない。
賦形剤としては、乳糖、ショ糖、還元麦芽糖水アメ、トレハロース等の糖類、デンプン類、結晶セルロース、糖アルコール、軽質無水ケイ酸等があげられる。結合剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、アルファー化デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、プルラン等があげられる。吸着剤としては、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、クロスポビドン、含水二酸化ケイ素、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、カルメロースカルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、クロスカルメロースナトリウム等があげられる。崩壊剤としては、カルメロース、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム等があげられる。滑沢剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、硬化油、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク等があげられる。コーティング剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、アルファー化デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、プルラン、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体等があげられる。矯味剤としては、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、スクラロース、ステビア抽出物等があげられる。
本発明の固形製剤には、イブプロフェンまたはトラネキサム酸以外の有効成分、例えば、下記に例示される医薬成分を、単一成分として配合してもよく、2つ以上の成分を組み合わせて配合してもよい。なお、以下は例示であって、これらに限定されるものではない。
解熱鎮痛薬:
アスピリン、アスピリンアルミニウム、サザピリン、エテンザミド、サリチルアミド、アセトアミノフェン、イソプロピルアンチピリン、ラクチルフェネチジン、ロキソプロフェン等、
中枢神経興奮薬:
カフェイン、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン等、
抗ヒスタミン剤:
アゼラスチン塩酸塩、イソチペンジル塩酸塩、クレマスチンフマル酸塩、ケトチフェンフマル酸塩、ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ジフェテロール塩酸塩、トリプロリジン塩酸塩、トリペレナミン塩酸塩、トンジルアミン塩酸塩、フェネタジン塩酸塩、メトジラジン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、カルビノキサミンジフェニルジスルホン酸、アリメマジン酒石酸塩、ジフェンヒドラミンタンニン酸塩、ジフェニルピラリンテオクル酸塩、メブヒドロリンナパジシル酸塩、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、カルビノキサミンマレイン酸塩、dl-クロルフェニラミンマレイン酸塩、メキタジン、ジフェテロールリン酸塩、フェキソフェナジン等、
鎮咳剤:
アロクラミド塩酸塩、クロペラスチン塩酸塩、カルベタペンタンクエン酸塩、チペピジンクエン酸塩、ジブナートナトリウム、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、デキストロメトルファン・フェノールフタリン塩、チペピジンヒベンズ酸塩、クロペラスチンフェンジゾ酸塩、コデインリン酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩、ノスカピン塩酸塩、ノスカピン、dl-メチルエフェドリン塩酸塩、dl-メチルエフェドリンサッカリン塩等、
去痰剤:
グアヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシン、ブロムヘキシン塩酸塩、アンブロキソール塩酸塩、カルボシステイン等、
生薬:
ジリュウ、ケイヒ、ショウキョウ、ニンニク、マオウ、ナンテンジツ、オウヒ、オンジ、カンゾウ、キキョウ、キョウニン、ハンゲ、シャゼンシ、シャゼンソウ、セキサン、セネガ、バイモ、ウイキョウ、オウバク、オウレン、ガジュツ、カミツレ、ゲンチアナ、ゴオウ、シャジン、ソウジュツ、チョウジ、チンピ、ビャクジュツ、チクセツニンジン(竹節人参)、ニンジン等の生薬及びこれらの抽出物(エキス、チンキ、乾燥エキス等)等、
胃粘膜保護剤:
グリシン、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸Al・Mg、ビタミンU、銅クロロフィリンNa、スクラルファート、銅クロロフィリンK、塩酸セトラキサート、ゲファルナート、アズレンスルホン酸Na、アルジオキサ、ソファルコン、テプレノン、メチルメチオニンスルホニウムクロライド、トロキシピド、L-グルタミン、酸化Mg、ヒドロタルサイト、水酸化Mg、無水リン酸水素Ca、沈降炭酸Ca、炭酸水素ナトリウム、炭酸Mg、炭酸Ca、乾燥水酸化Mg、ロートエキス、H2ブロッカー(ラニチジン、シメチジン、ロキサチジン、ファモチジン)等、
ビタミン剤:
ビタミンA、肝油、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC、アスコルビン酸カルシウム、ビタミンD、ビタミンE、コハク酸トコフェロールカルシウム等。
さらに、本発明の固形製剤の患者への投与量は、患者の性別、年齢、体重、症状、投与方法、投与回数、投与時期等により適宜検討を行ない、適当な投与量を決めればよい。例えば、トラネキサム酸は1日あたり10~3000mg投与することが好ましく、400~750mg投与することがより好ましく、750mg投与することが特に好ましい。イブプロフェンは、1日あたり30~2000mg投与することが好ましく、200~600mg投与することがより好ましく、600mg投与することが特に好ましい。
本発明の固形製剤は、消炎・解熱鎮痛薬または感冒薬として用いられるのが好ましい。
以下、比較例、実施例、製剤例及び試験例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるべきではない。なお、特に断りがない場合、実験操作は室温(18-26℃)で行った。また、イブプロフェンは、ALBEMRLE CORPORATIONから入手した「IBUPROFEN」を使用し、トラネキサム酸は、協和ファーマケミカル株式会社から入手した「トラネキサム酸」を使用し、タルクは、日本タルク株式会社から入手した「食品添加物タルクMS」を使用した。
比較例
比較例1
イブプロフェン7.2gおよびトラネキサム酸15.0gを乳鉢と乳棒を用いて均一となるよう混合した後、直径13 mmの杵を取り付けた打錠機(製品名:理研油圧パワー、型式:P-1B、メーカー:理研精機(株))にて200kg/cmの打錠圧で製錠し、1錠の重量が2gの錠剤を得た。
比較例2
イブプロフェン7.2g、トラネキサム酸15.0gおよびタルク4.0gを乳鉢と乳棒を用いて均一となるよう混合した後、比較例1と同様の打錠条件で錠剤を得た。
比較例3
イブプロフェン5.0gおよびトラネキサム酸5.0gを乳鉢と乳棒を用いて均一となるよう混合した後、比較例1と同様の打錠条件で錠剤を得た。
実施例
実施例1
500mLガラスビーカーに50w/w%エタノール水溶液400gを調製し、次いで、イブプロフェン10.0gおよびトラネキサム酸10.0gを投入し、攪拌機(製品名:MAGNETIC STIRRER、型式:RP-1DR、メーカー:アズワン(株))にて撹拌溶解させた。この溶液を5℃の条件で1週間静置して結晶を析出させた。この析出した結晶入りの溶液を濾紙(製品名:FILTER PAPER、グレード:131、SIZE:95mm、メーカー:アドバンテック(株))を用いて濾過した後、給気温度を60℃に設定した乾燥機(製品名:デジタル温度表示大型循環送風式乾燥機、型式:PSD-80、メーカー:(株)清水理化学機器製作所)を用いて1時間乾燥させてイブプロフェンとトラネキサム酸の両成分から成る単結晶を得た。
実施例2
イブプロフェン20.0gを300mLガラスビーカーに投入し、100℃に設定した恒温水槽(製品名:WATER BATH、型式:TBM206AA、メーカー:ヤマト科学(株))で加温融解させ、イブプロフェン溶融液が81℃の状態で、トラネキサム酸20.0gを加えて撹拌して混合粉末を得た。この混合粉末を乳鉢と乳棒を用いて混合粉砕した後、比較例1と同様の打錠条件で錠剤を得た。
実施例3
イブプロフェン7.2gを乳鉢に投入後、エタノールを0.7g添加して乳棒にて練合した。この練合物にトラネキサム酸15.0gを添加して乳棒にて造粒した後、給気温度を60℃に設定した乾燥機(製品名:デジタル温度表示大型循環送風式乾燥機、型式:PSD-80、メーカー:(株)清水理化学機器製作所)を用いて2時間乾燥させた。この乾燥物を乳鉢と乳棒を用いて混合粉砕した後、比較例1と同様の打錠条件で錠剤を得た。
実施例4
イブプロフェン7.2gを乳鉢に投入後、エタノールを1.5g添加して乳棒にてペースト状となるまで練合した。この練合物にトラネキサム酸15.0gを添加して乳棒にて造粒した。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
実施例5
イブプロフェン7.2gを乳鉢に投入後、エタノールを2.9g添加して乳棒にてペースト状となるまで練合した。この練合物にトラネキサム酸15.0gを添加して乳棒にて造粒した。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
実施例6
イブプロフェン7.2gを乳鉢に投入後、エタノールを3.6g添加して乳棒にてペースト状となるまで練合した。この練合物にトラネキサム酸15.0gを添加して乳棒にて造粒した。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
実施例7
イブプロフェン7.2gを乳鉢に投入後、エタノールを6.0g添加して乳棒にてペースト状となるまで練合した。この練合物にトラネキサム酸15.0gを添加して乳棒にて造粒した。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
実施例8
イブプロフェン5.0gを乳鉢に投入後、エタノールを2.5g添加して乳棒にてペースト状となるまで練合した。この練合物にトラネキサム酸50.0gを添加して乳棒にて造粒した。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
実施例9
イブプロフェン10.0gを乳鉢に投入後、エタノールを5.0g添加して乳棒にてペースト状となるまで練合した。この練合物にトラネキサム酸30.0gを添加して乳棒にて造粒した。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
実施例10
イブプロフェン10.0gを乳鉢に投入後、エタノールを5.0g添加して乳棒にてペースト状となるまで練合した。この練合物にトラネキサム酸20.0gを添加して乳棒にて造粒した。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
実施例11
イブプロフェン10.0gを乳鉢に投入後、エタノールを5.0g添加して乳棒にてペースト状となるまで練合した。この練合物にトラネキサム酸10.0gを添加して乳棒にて造粒した。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
実施例12
イブプロフェン20.0gを乳鉢に投入後、エタノールを10.0g添加して乳棒にてペースト状となるまで練合した。この練合物にトラネキサム酸10.0gを添加して乳棒にて造粒した。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
実施例13
イブプロフェン30.0gを乳鉢に投入後、エタノールを15.0g添加して乳棒にてペースト状となるまで練合した。この練合物にトラネキサム酸10.0gを添加して乳棒にて造粒した。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
実施例14
イブプロフェン50.0gを乳鉢に投入後、エタノールを25.0g添加して乳棒にてペースト状となるまで練合した。この練合物にトラネキサム酸10.0gを添加して乳棒にて造粒した。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
実施例15
イブプロフェン50.0gを乳鉢に投入後、エタノールを25.0g添加して乳棒にてペースト状となるまで練合した。この練合物にトラネキサム酸5.0gを添加して乳棒にて造粒した。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
実施例16
イブプロフェン7.2gを乳鉢に投入後、エタノールを1.5g添加して乳棒にてペースト状となるまで練合した。この練合物にトラネキサム酸15.0gを添加して乳棒にて造粒後、次いで、タルク4.0gを添加してさらに乳棒で造粒した。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
実施例17
イブプロフェン7.2gを乳鉢に投入後、エタノールを3.6g添加して乳棒にてペースト状となるまで練合した。この練合物にトラネキサム酸15.0gを添加して、乳棒にて造粒後、次いで、タルク2.0gを添加して、さらに乳棒で造粒した。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
実施例18
イブプロフェン180.0gを撹拌造粒機(製品名:ハイスピードミキサー、型式:LFS-GS-1J、メーカー:深江工業(株))に投入後、エタノールを75.0g添加してペースト状となるまで練合した。この練合物にトラネキサム酸375.0gを添加して造粒した。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
実施例19
イブプロフェン10.0gを乳鉢に投入後、ジメチルスルホキシドを4.5g添加して乳棒にてペースト状となるまで練合した。この練合物にトラネキサム酸10.0gを添加して乳棒にて造粒した。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
実施例20
イブプロフェン10.0gを乳鉢に投入後、アセトンを14.0g添加して乳棒にてペースト状となるまで練合した。この練合物にトラネキサム酸10.0gを添加して乳棒にて造粒した。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
実施例21
500mLガラスビーカーに50w/w%エタノール水溶液400gを調製し、次いで、イブプロフェン10.0gおよびトラネキサム酸10.0gを投入し、攪拌機(製品名:MAGNETIC STIRRER、型式:RP-1DR、メーカー:アズワン(株))にて撹拌溶解させた。この溶液を噴霧乾燥機(製品名:スプレードライヤー、型式:B-290、メーカー:日本ビュッヒ(株))を用いて、給気温度70℃、排気温度40℃の条件で噴霧乾燥させた。噴霧乾燥後の粉末を乳鉢と乳棒を用いて均一となるよう混合した後、比較例1と同様の打錠条件で錠剤を得た。
実施例22
500mLガラスビーカーにエタノール400gを投入し、次いで、イブプロフェン10.0gおよびトラネキサム酸10.0gを投入し、攪拌機(製品名:MAGNETIC STIRRER、型式:RP-1DR、メーカー:アズワン(株))にて撹拌して分散液を得た。この分散液を実施例21と同様の条件で噴霧乾燥させ、噴霧乾燥後の粉末を乳鉢と乳棒を用いて均一となるよう混合した後、比較例1と同様の打錠条件で錠剤を得た。
実施例23
500mLガラスビーカーに精製水400gを投入し、次いで、イブプロフェン10.0gおよびトラネキサム酸10.0gを投入し、攪拌機(製品名:MAGNETIC STIRRER、型式:RP-1DR、メーカー:アズワン(株))にて攪拌して分散液を得た。この分散液を実施例21と同様の条件で噴霧乾燥させ、噴霧乾燥後の粉末を乳鉢と乳棒を用いて均一となるよう混合した後、比較例1と同様の打錠条件で錠剤を得た。
実施例24
500mLガラスビーカーに50w/w%エタノール水溶液400gを調製し、次いで、イブプロフェン50.0gおよびトラネキサム酸50.0gを投入し、攪拌機(製品名:MAGNETIC STIRRER、型式:RP-1DR、メーカー:アズワン(株))にて撹拌して分散液を得た。この分散液を実施例21と同様の条件で噴霧乾燥させ、噴霧乾燥後の粉末を乳鉢と乳棒を用いて均一となるよう混合した後、比較例1と同様の打錠条件で錠剤を得た。
実施例25
トラネキサム酸15.0gを乳鉢に投入後、精製水を9.2g添加して乳棒にてペースト状となるまで練合した。この練合物にイブプロフェン7.2gを添加して乳棒にて造粒した。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
実施例26
トラネキサム酸15.0gを100mLのガラスビーカーに投入し、精製水を9.2g添加して撹拌棒にてペースト状となるまで撹拌した。次いで、イブプロフェン7.2gを乳鉢に投入後、エタノールを1.5g添加して乳棒にてペースト状となるまで練合した。このイブプロフェンの練合物にトラネキサム酸の撹拌物を添加して乳棒にて造粒した。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
実施例27
トラネキサム酸15.0gを100mLのガラスビーカーに投入し、精製水を9.2g添加して撹拌棒にてペースト状となるまで撹拌した(pHは7.7)。次いで、イブプロフェン7.2gを乳鉢に投入後、エタノールを1.5g添加して乳棒にてペースト状となるまで練合した(pHは3.6)。このイブプロフェンの練合物にトラネキサム酸の撹拌物を添加して乳棒にて造粒し(pHは6.7)、次いで、タルク4.0gを添加してさらに乳棒で造粒した(pHは6.9)。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
実施例28
トラネキサム酸15.0gを乳鉢に投入後、精製水を9.2g添加して乳棒にてペースト状となるまで練合した。この練合物にイブプロフェン7.2gを添加して、乳棒にて造粒後、次いで、タルク2.0gを添加して、さらに乳棒で造粒した。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
実施例29
トラネキサム酸15.0gを乳鉢に投入後、精製水を9.2g添加して乳棒にてペースト状となるまで練合した(pHは7.3)。この練合物にイブプロフェン7.2gを添加して(pHは6.6)、乳棒にて造粒後、次いで、タルク4.0gを添加して(pHは6.8)、さらに乳棒で造粒した。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
実施例30
トラネキサム酸15.0gを乳鉢に投入後、精製水を9.2g添加して乳棒にてペースト状となるまで練合した。この練合物にイブプロフェン7.2gを添加して、乳棒にて造粒後、次いで、タルク8.0gを添加して、さらに乳棒で造粒した。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
実施例31
トラネキサム酸15.0gを乳鉢に投入後、精製水を9.2g添加して乳棒にてペースト状となるまで練合した(pHは7.5)。この練合物にイブプロフェン7.2gを添加して(pHは6.6)、乳棒にて造粒後、次いで、ステアリン酸マグネシウム4.0gを添加して(pHは7.6)、さらに乳棒で造粒した。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
実施例32
トラネキサム酸15.0gを乳鉢に投入後、精製水を9.2g添加して乳棒にてペースト状となるまで練合した(pHは7.7)。この練合物にイブプロフェン7.2gを添加して乳棒にて造粒後(pHは6.8)、次いで、ステアリン酸カルシウム4.0gを添加してさらに乳棒で造粒した(pHは7.0)。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
実施例33
トラネキサム酸15.0gを乳鉢に投入後、精製水を適量9.2g添加して乳棒にてペースト状となるまで練合した(pHは7.7)。この練合物にイブプロフェン7.2gを添加して乳棒にて造粒後(pHは6.8)、次いで、ショ糖脂肪酸エステル4.0gを添加してさらに乳棒で造粒した(pHは6.9)。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
実施例34
トラネキサム酸15.0gを乳鉢に投入後、精製水を9.2g添加して乳棒にてペースト状となるまで練合した(pHは7.7)。この練合物にイブプロフェン7.2gを添加して乳棒にて造粒後(pHは6.8)、次いで、硬化油4.0gを添加してさらに乳棒で造粒した(pHは6.8)。造粒後は実施例3と同様の条件で錠剤を得た。
製剤例
製剤A
イブプロフェン144.0gを撹拌造粒機(製品名:ハイスピードミキサー、型式:LFS-GS-1J、メーカー:深江工業(株))に投入後、エタノールを60.0g添加してペースト状となるまで練合した後、トラネキサム酸300.0gを添加してさらに造粒した。この造粒物を、給気温度を60℃に設定した乾燥機(製品名:デジタル温度表示大型循環送風式乾燥機、型式:PSD-80、メーカー:(株)清水理化学機器製作所)を用いて2時間乾燥させた後、14メッシュを取り付けた整粒機(製品名:ニュースピードミル、型式:ND-02S型、メーカー:岡田精工(株))にて整粒した。この整粒物と、結晶セルロース483.1g、クロスカルメロースナトリウム28.0g、軽質無水ケイ酸8.0g、ステアリン酸マグネシウム8.9gを混合機(製品名:V型混合機、型式:V-5型、メーカー:徳寿工作所(株))に投入して混合した。この混合物を、直径9mmの杵を取り付けた打錠機(製品名:PICCOLA、型式:B/10、メーカー:(株)エステック)にて打錠速度30rpm、打錠圧11kNの条件で製錠し、1錠の重量が0.27gの錠剤を得た。
製剤B
イブプロフェン144.0gを撹拌造粒機(製品名:ハイスピードミキサー、型式:LFS-GS-1J、メーカー:深江工業(株))に投入後、エタノールを60.0g添加してペースト状となるまで練合した後、トラネキサム酸300.0gを添加して造粒した。次いで、タルク80.0gを添加してさらに1分間造粒した。この造粒物を、製剤Aと同様の条件で乾燥させ、整粒した。この整粒物と、結晶セルロース403.1g、クロスカルメロースナトリウム28.0g、軽質無水ケイ酸8.0g、ステアリン酸マグネシウム8.9gを混合機(製品名:V型混合機、型式:V-5型、メーカー:徳寿工作所(株))に投入して混合した。この混合物を、製剤Aと同様の打錠条件で製錠し、同重量の錠剤を得た。
試験例
試験例A
イブプロフェンとトラネキサム酸との結晶の構造解析および示差走査熱量測定(DSC)
実施例1の単結晶をガラスプレート上でカッターにて適切な大きさに切り出し、操作用のオイル(製品名:Paratone-N、メーカー:Chevron(株))に浸漬した後、Dual-Thickness-MicroloopsLD(グレード:75μmφ、メーカー:MiTeGen社)ですくい、窒素吹付低温装置で凍結して試料を調製した。調製した試料について、単結晶X線回折装置(製品名:XtaLAB Synergy-S、メーカー:(株)リガク)を用いて、線源Cu、電圧50kV、電流-1mA、測定温度-173℃の条件でX線回折データを採取し、データ測定・処理ソフトウェアCrysAlisProおよび構造解析プログラムパッケージOlex2を用いて構造を精密化した。その結果得られた結晶学的データを表1に示す。また、結晶構造(水素原子は省略)を図1に、測定データからシミュレートしたX線回折パターンを図2に示す(使用プログラム:Mercury3.1)。
結晶構造解析により、本発明の結晶は、イブプロフェンとトラネキサム酸が1:1のモル比で存在し、4分子ずつのイブプロフェンとトラネキサム酸が結晶単位格子を形成していること、イブプロフェンのカルボン酸基とトラネキサム酸のカルボン酸基との間と、イブプロフェンのカルボン酸基とトラネキサム酸のアミノ基との間に、水素結合が形成されていることが確認された。
測定データからシミュレートしたX線回折パターンでは、主要な7つのピーク(2θ=6.3、8.4、16.2、18.5、19.1、21.1、25.6±0.5°)が認められた。
また、実施例1の単結晶をアルミニウム製のセルに秤量し、示差走査熱量計(製品名:DSC-60A、メーカー:(株)島津製作所)を用いて、窒素下、昇温速度10℃/min、測定温度30~350℃の条件で測定した。その結果、図3に示すカーブが得られ、180℃付近に吸熱ピークが確認された。本吸熱ピークは、イブプロフェン若しくはトラネキサム酸単体では認められないことから、本発明の結晶の融解に関する吸熱ピークであると考えられた。なお、イブプロフェンの融解に関する75℃付近の吸熱ピークは消滅していることが確認された。
Figure 2022070674000001
試験例B
粉末X線回折測定(PXRD)
比較例1、3および実施例1~34の打錠前の試料について、粉末X線回折装置(製品名:MiniFlexII、メーカー:(株)リガク)を用いて、線源Cu、電圧30kV、電流15mA、スキャン速度2θ=4.00°/分、サンプリング幅2θ=0.02°、スキャン範囲2θ=4.00~40.00°の条件で測定した。
その結果、実施例1~34では、図2と同様のX線回折パターンが認められ、本発明の結晶に特徴的なピークである2θ=8.4±0.5°のピークを有することを確認した(表2)。一方で、比較例1、3のX線回折パターンでは、2θ=8.4±0.5°のピークは認められなかった。以上の結果から、実施例1~34と比較例1、3とでは、結晶を形成する原子や分子の配列が異なること、実施例1~34には本発明の結晶が含まれることが考えられた。
Figure 2022070674000002
試験例C
示差走査熱量測定(DSC)
比較例3および実施例1-13、16-25、28-30の打錠前の試料を、アルミニウム製のセルに約10mg秤量し、示差走査熱量計(製品名:DSC-60A、メーカー:(株)島津製作所)を用いて、窒素下、昇温速度10℃/min、測定温度30~350℃の条件で測定した。
その結果、実施例1-13、16-25、28-30では、75℃付近のイブプロフェンの融解に関する吸熱量の減少および180℃付近の本発明の結晶の融解に関する吸熱ピークが認められたが、比較例3では、180℃付近の吸熱ピークは認められなかった(表3)。以上の結果から、実施例1-13、16-25、28-30には本発明の結晶が含まれると考えられた。
Figure 2022070674000003
試験例D
結晶形成率の算出
比較例1、2および実施例2、4-13、16-19、21-23、26、28-32の打錠前の試料について、本発明の結晶の形成に関与していないイブプロフェン(フリーのイブプロフェン)の融解時の吸熱量を、示差走査熱量計(製品名:DSC-60A、メーカー:(株)島津製作所)により測定し、以下に示す方法により、本発明の結晶の形成率を算出した。なお、本発明の結晶において、イブプロフェンとトラネキサム酸は1:1のモル比で存在する。
(1)イブプロフェン単体の測定結果から得られた融解時(75℃付近)の吸熱量(約119.47J/g)をフリーのイブプロフェンの基準吸熱量とした。
(2)試料の測定結果から得られた75℃付近の吸熱量を、試料中のフリーのイブプロフェンの吸熱量とした。
(3)(1)のフリーのイブプロフェンの基準吸熱量に、試料中に配合したイブプロフェンの重量比(イブプロフェン重量/試料重量)を乗じ、試料中のイブプロフェンが全てフリーのイブプロフェンであるとした場合の吸熱量を算出した。
(4)試料中のイブプロフェンの物質量(モル)がトラネキサム酸の物質量(モル)より小さいか同じである場合には、イブプロフェンの物質量(モル)を基準量とし、(2)と(3)から、試料中のフリーのイブプロフェンの割合を算出した(試料中のフリーのイブプロフェンの吸熱量/試料中のイブプロフェンの全てがフリーのイブプロフェンであるとした場合の吸熱量=フリーのイブプロフェン率)。
(5)試料中のイブプロフェンの物質量(モル)がトラネキサム酸の物質量(モル)より大きい場合には、トラネキサム酸の物質量(モル)を基準量とし、(3)で算出した吸熱量に、基準量をひいたイブプロフェンの割合((試料中のイブプロフェンの物質量-基準量)/試料中のイブプロフェンの物質量)を乗じた値を、(2)で測定した吸熱量から減じ、基準量のフリーのイブプロフェンの吸熱量を算出した。
(6)試料中のイブプロフェンの物質量(モル)がトラネキサム酸の物質量(モル)より大きい場合には、トラネキサム酸の物質量(モル)を基準量とし、(3)で算出した吸熱量に、基準量の割合(基準量/試料中のイブプロフェンの物質量)を乗じ、基準量のイブプロフェンが全てフリーのイブプロフェンであるとした場合の吸熱量を算出した。
(7)試料中のイブプロフェンの物質量(モル)がトラネキサム酸の物質量(モル)より大きい場合には、(5)と(6)から、基準量のイブプロフェンのうちフリーのイブプロフェンの割合を算出した(試料中の基準量のイブプロフェンのうちフリーの状態のイブプロフェンの吸熱量/基準量のイブプロフェンが全てフリーのイブプロフェンであるとした場合の吸熱量=フリーのイブプロフェン率)。
(8)(4)あるいは(7)で算出したフリーのイブプロフェンの割合から、基準量のイブプロフェンのうち結晶形成に関与しているイブプロフェンの割合を算出し、本発明の結晶の形成率を算出した((1-フリーのイブプロフェン率)×100=結晶形成率(%))。
試験例E
錠厚変化率の算出(膨張抑制効果の評価)
比較例1、2および実施例2、4-13、16-19、21-23、26、28-32で調製した各錠剤3錠を1錠ずつ錠剤規格瓶(5K)に充填し、金属キャップで密栓した後、50℃の恒温槽(製品名:プログラム低温恒温器、型式:IQ820、メーカー:ヤマト科学(株))に2ヵ月間保存した。マイクロメータ(製品名:標準外側マイクロメータM300、型式:M320-25AA、メーカー:(株)ミツトヨ)で測定した製造直後の錠剤の厚みと保存後の錠剤の厚みから、以下の式に従って錠厚変化率(%)を算出した。
錠厚変化率(%)={(保存後の錠剤の厚さ)-(製造直後の錠剤の厚さ)}/(製造直後の錠剤の厚さ)×100

試験例Dで算出した結晶形成率および試験例Eで算出した錠厚変化率を表4に示す。比較例1、2では、本発明の結晶の形成はほとんど認められないのに対し、実施例2、4-13、16-19、21-23、26、28-32では80%以上の高い結晶形成率であった。また、比較例1、2では、50℃で2ヵ月保存した際の錠厚変化率が23.7%、31.1%と錠剤の膨張が認められたのに対し、実施例2、4-13、16-19、21-23、26、28-32では、錠厚変化率がいずれも5%未満であり、錠剤の膨張が抑制されていた。以上の結果より、実施例2、4-13、16-19、21-23、26、28-32は、本発明の結晶が高い割合で含まれ、高温条件下や長期間の保存でも膨張が抑制された安定な固形製剤であると考えられた。なお、結晶形成率が高いほど、錠厚変化率が低くなるという相関関係がみられた。
Figure 2022070674000004
本発明は、イブプロフェンとトラネキサム酸とからなる新規な結晶を用いることによって、イブプロフェン及びトラネキサム酸を同時配合した際に懸念される高温保存時の膨張が抑制される安定な固形製剤を提供することができる。イブプロフェン及びトラネキサム酸を含有する製剤は、これらの成分が有する薬効のみではなく、薬効増強や副作用低減といった付加的な効果を得られることも知られており、本発明はこのような有用な医薬製剤を、高温条件下や長期間の保存でも安定な固形製剤として提供することを可能とし、製薬産業において極めて有用である。

Claims (25)

  1. イブプロフェンと、
    トラネキサム酸と
    からなる結晶。
  2. イブプロフェンと、トラネキサム酸は、1:1のモル比で存在する、
    請求項1に記載の結晶。
  3. イブプロフェンとトラネキサム酸が4分子ずつの結晶単位格子を形成している、請求項1または2に記載の結晶。
  4. イブプロフェンのカルボン酸基とトラネキサム酸のカルボン酸基との間と、イブプロフェンのカルボン酸基とトラネキサム酸のアミノ基との間に、水素結合が形成されている、請求項1-3のいずれか1項に記載の結晶。
  5. 示差走査熱量測定(DSC)において、180℃付近の吸熱ピークを有する、請求項1-4のいずれか1項に記載の結晶。
  6. 粉末X線回折において、2θ=8.4±0.5°に特徴的なピークを有する請求項1-5のいずれか1項に記載の結晶。
  7. イブプロフェンとトラネキサム酸とからなる結晶の製造方法であって、
    (1)溶媒の添加または加熱により、流動性ある流体のイブプロフェンを生成すること、(2)得られた流動性ある流体のイブプロフェンとトラネキサム酸とを混合すること、(3)得られた混合物から結晶を生成させることを含む、方法。
  8. イブプロフェンとトラネキサム酸とからなる結晶の製造方法であって、
    (1)流動性ある流体のトラネキサム酸を得ること、(2)得られた流動性ある流体のトラネキサム酸と、イブプロフェン、または溶媒の添加または加熱により得られる流動性ある流体のイブプロフェンとを混合すること、(3)得られた混合物から結晶を生成させることを含む、方法。
  9. (3)の工程において、得られた混合物を乾燥させることを含む、請求項7または8に記載の方法。
  10. イブプロフェンに添加する溶媒は、エタノール、アセトン、ジメチルスルホキシド、またはこれらの1以上の混合物から選択される、請求項7-9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 流動性ある流体のトラネキサム酸は、トラネキサム酸に水を加えることによって得られる、請求項8-10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 請求項7または8に記載の(2)の工程において、得られた混合物へ、滑沢剤を添加して混合することをさらに含む、請求項7-11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 滑沢剤が、マグネシウムまたはカルシウムを含む炭素数16~18の有機酸、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、及び硬化油などの水素添加油脂から選択される、請求項12に記載の方法。
  14. 請求項7または8に記載の(2)の工程における混合が湿式造粒である、請求項7-13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 湿式造粒が、乳鉢造粒、攪拌造粒、流動層造粒、転動造粒、または押し出し造粒である、請求項14に記載の方法。
  16. イブプロフェンとトラネキサム酸とからなる結晶の製造方法であって、
    (1)イブプロフェン及びトラネキサム酸を溶媒中に加えて、溶液または分散液を得ること、(2)得られた溶液または分散液を噴霧、乾燥すること、または(1)工程で得られた溶液を静置して、静置後に得られた生成物を濾過して、前記生成物を乾燥することを含む、方法。
  17. (2)の工程で、前記溶液または分散液を噴霧して造粒した後に乾燥する、
    請求項16に記載の方法。
  18. 溶媒は、エタノール、水、またはこれらの混合物である、請求項16または17に記載の方法。
  19. イブプロフェンとトラネキサム酸との配合比が、約1重量部:約10重量部-約10重量部:約1重量部である、請求項7-18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 請求項7-19のいずれか1項に記載の方法によって得られた結晶。
  21. 請求項1-6のいずれか1項に記載の結晶または請求項20に記載された結晶を含む組成物。
  22. イブプロフェンと、トラネキサム酸が、1:1のモル比で存在する請求項20に記載された結晶を含む組成物であって、前記結晶が原料のイブプロフェンとトラネキサム酸の物質量(モル)でいずれか少ない方を基準とし、80モル%以上含まれる、組成物。
  23. 固形製剤である、請求項21または22に記載の組成物。
  24. 固形製剤が錠剤である、請求項23に記載の組成物。
  25. 消炎・解熱鎮痛薬または感冒薬である、請求項21-24のいずれか1項に記載の組成物。
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