JP2022068124A - 時計用文字板の取付装飾物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】少なくとも二つの異なる材料から構成された取付装飾物における最適な仕上げを、簡単に、かつ繰り返し可能な方法で達成することを可能とする、時計用文字板の取付装飾物を製造する解決策を提案する。【解決手段】時計用文字板の取付装飾物1’の製造方法であって、それぞれ第1の材料と第2の材料製の、少なくとも二つの異なる構成部10’、20’を含み、第1及び第2の材料は異なっており、製造方法は、時計用文字板の取付装飾物のブランク材を得るため、第1の材料製の第1ブランク材の中にまたは少なくとも部分的に中に、少なくとも第2の材料製の第2ブランク材を形成することからなる第1段階、その後、取付装飾物ブランク材の第1及び第2ブランク材それぞれの形状及びまたは表面状態を変更するため、前記二つのブランク材それぞれの機械加工を行う第2段階を含む、製造方法。【選択図】図11

Description

本発明は、時計用文字板の取付装飾物(はめ細工またはアップリケ)の製造方法に関する。本発明はまた、そのような製造方法を実施する時計、特に腕時計、の製造に関する。本発明はさらに、そのような製造方法によって得られた取付装飾物、及び当該取付装飾物を含む時計自体に関する。
従来から、二つの異なる材料からなる取付装飾物が知られている。そのような取付装飾物は、特に時計用文字板上の文字や数字を形成し、例えば時刻を知らせるといった情報を与える機能だけでなく、装飾的な機能をも有する。そのため、そのような取付装飾物が完璧な外観を示すことが重要である。
二つの異なる材料から構成される、時計用文字板の取付装飾物を製造するための一つの従来技術による解決策は、しばしば、第1の材料、例えば貴金属、製の型を作成し、その後当該型に第2の液状材料が鋳込まれ、続いて硬化することにより最終外観を取ることからなる。そのような方法によると、満足のいく結果を得ることが可能であるが、あらゆる可能な形状や最も精巧な種類の仕上げを得ることができないといった欠点を有する。
そのため、時計用文字板の取付装飾物を製造する、他の解決策が必要である。より詳細には、本発明は、以下の目的の全てまたはいくつかを達成することを目的とする。
本発明の第一の目的は、少なくとも二つの異なる材料から構成された取付装飾物における最適な仕上げを、簡単に、かつ繰り返し可能な方法で達成することを可能とする、時計用文字板の取付装飾物を製造する解決策を提案することからなる。
本発明の第二の目的は、様々な三次元形状を取ることが可能な取付装飾物を製造する解決策を提案することからなる。
そのため、本発明は、時計用文字板の取付装飾物の製造方法に関し、取付装飾物は、それぞれ第1の材料と第2の材料製の、少なくとも二つの異なる構成部を含み、前記第1と第2の材料は異なっており、製造方法は、
時計用文字板の前記取付装飾物のブランク材を得るため、第1の材料製の第1ブランク材の中にまたは少なくとも部分的に中に、少なくとも第2の材料製の第2ブランク材を形成することからなる第1段階、その後
取付装飾物ブランク材の第1及び第2ブランク材それぞれの形状及びまたは表面状態を変更するため、二つのブランク材それぞれの機械加工を行う第2段階、
を含む。
機械加工の第2段階は、第1の材料製の第1ブランク材及び第2の材料製の第2ブランク材からなる取付装飾物ブランク材をルーティング(またはトリミング)する工程を含んでもよく、当該ルーティングは取付装飾物ブランク材の外形の少なくとも一部を形成する。
本発明はさらに、第1の材料製の第1構成部と第2の材料製の第2構成部を含む時計用文字板の取付装飾物に関し、第1及び第2の材料は異なっており、取付装飾物は、取付装飾物を文字板に固定することを可能とする固定装置、特に固定足部と、文字板の可視面に留まることを意図される上面とを含み、上面は、取付装飾物が固定されることを意図される文字板に対して平行でない少なくとも一部分を有し、上面部分は二つの並置された材料を含み、及びまたは取付装飾物は二つの並置材料を含む面を含み、面は取付装飾物が固定されることを意図される文字板に実質的に直角を成す方向に伸びる。
本発明は、特許請求の範囲により明確に定義される。
本発明の有するこれらの目的、特徴及び有利点は、添付した図面を参照して以下に詳述された特定実施形態の非限定的な記載において開示される。
図1は、本発明の第一実施形態に係る、時計用文字板の取付装飾物を上から見た斜視図である。 図2は、本発明の第一実施形態に係る、時計用文字板の取付装飾物を上から見た図である。 図3は、本発明の第一実施形態に係る、時計用文字板の取付装飾物の長手方向中立面I-Iを通る断面図である。 図4は、本発明の第一実施形態に係る、時計用文字板の取付装飾物の製造方法の工程を示す図である。 図5は、本発明の第一実施形態に係る、時計用文字板の取付装飾物の製造方法の工程を示す図である。 図6は、本発明の第一実施形態に係る、時計用文字板の取付装飾物の製造方法の工程を示す図である。 図7は、本発明の第一実施形態に係る、時計用文字板の取付装飾物の製造方法の工程を示す図である。 図8は、本発明の第一実施形態に係る、時計用文字板の取付装飾物の製造方法の工程を示す図である。 図9は、本発明の第一実施形態に係る、時計用文字板の取付装飾物の製造方法の工程を示す図である。 図10は、本発明の第一実施形態に係る、時計用文字板の取付装飾物の製造方法の工程を示す図である。 図11は、本発明の第二実施形態の第一変形例に係る、時計用文字板の取付装飾物を上から見た斜視図である。 図12は、本発明の第二実施形態の第一変形例に係る、時計用文字板の取付装飾物を上から見た図である。 図13は、本発明の第二実施形態の第一変形例に係る、時計用文字板の取付装飾物の長手方向中立面II-IIを通る断面図である。 図14は、本発明の第二実施形態に係る、時計用文字板の取付装飾物の製造方法の工程を示す図である。 図15は、本発明の第二実施形態に係る、時計用文字板の取付装飾物の製造方法の工程を示す図である。 図16は、本発明の第二実施形態に係る、時計用文字板の取付装飾物の製造方法の工程を示す図である。 図17は、本発明の第二実施形態に係る、時計用文字板の取付装飾物の製造方法の工程を示す図である。 図18は、本発明の第二実施形態の第二変形例に係る、時計用文字板の取付装飾物を上から見た斜視図である。 図19は、本発明の第二実施形態の第二変形例に係る、時計用文字板の取付装飾物の長手方向中立面を通る断面図である。 図20は、本発明の第二実施形態の第二変形例に係る、時計用文字板の取付装飾物を上から見た図である。 図21は、本発明の各実施形態に係る製造方法の各工程を示す図である。
説明を分かりやすくするため、次の用語が慣習に従って使用される。「長手方向」は取付装飾物の長さに沿った方向xを指し、「横方向」は直角を成す方向yを指し、これら二つの方向x、yは、取付装飾物が取り付けられるまたは取り付けられることを意図される、文字板、特に文字板プレート、に実質的に平行な平面を形成する。鉛直方向は、文字板、特に文字板プレート、に直角を成すよう配置された前述のxとyの二つの方向と直角を成す方向zである。湾曲した文字板の場合、方向zは、文字板プレートの周辺を明確に通過する文字板の平面に直角を成すように配置されたものとして認識されてもよい。
「上」及び「下」の形容詞は、上述の鉛直方向zに関して使用され、「下」の形容詞は、ムーブメントに面して位置することを意図される面の向きを指し、「上」の形容詞は、反対の面、特に装着者から見える面の向きを指す。さらに、「幅」という用語は、横方向または方向yの寸法、「長さ」という用語は、長手方向または方向xの寸法、そして「高さ」という用語は、鉛直方向または方向zの寸法を指すのに使用される。
さらに、同じ符号は同一のまたは同等の部品を指すのに使用され、第二実施例の二つの変形例を互いに区別するため、’及び’’の記号を付加する。
図1から3は、本発明の第一実施形態に係る時計用文字板のための取付装飾物1を示す。
当該取付装飾物1は、全体では、平行六面体形状、特に直方体形状を有し、選択された慣習に従って方向x、yに平行な、つまり、取付装飾物が取り付けられるよう意図される、時計用文字板または文字板プレートまたは時計用文字板または文字板プレートの平面に実質的に平行な、平面に配置された、実質的に平らな上面3によって範囲を定められる。取付装飾物1は、時計用文字板に面して、特に時計用文字板上に、位置するよう意図される、下面2を含む。この実施形態に依拠する足部の形を取る固定装置4は、当該下面に配置され、取付装飾物1から外側に突出し、時計用文字板に凹ませたハウジング内に位置することを意図される。当然、この固定装置はあらゆる他の形を取ってもよく、特に例えばいくつかの足部を有してもよい。代替的に、固定装置は取付装飾物の周囲に存在してもよい。取付装飾物はさらに、長さ(x-z面)に沿った二つの長辺16、17と幅(y-z面)にわたる二つの短辺5、6の、四つの面によって、範囲を定められる。時計用文字板に直角を成す鉛直方向にある方向x、yに平行な面にある取付装飾物1の突出部は、矩形を有する。当然、変形例として、この形は若干異なってもよく、例えば台形であってよい。一般に、この形状は多角形であってよい。代替的に、この形状は湾曲、特に丸みを帯びたまたは楕円形であってよい。
この第一実施形態によると、取付装飾物1は二つの異なる材料からなる二つの構成部10、20を含む。第1構成部10は、特に取付装飾物1の下部分、及び取付装飾物の長さ全体にわたる二つの長辺16、17上に伸びる。第2構成部20は上面3の中央部分において、第1構成部10内に形成された溝の中に伸びる。第2構成部20は取付装飾物1の長さ全体にわたって、かつ取付装飾物の短辺5、6の高さ全体にわたって、伸びる。
上面3は、腕時計の装着者から見えるよう意図される表面である。上面3は、その長さ全体にわたって平行に伸びる三つの部分、つまり第1の材料製の二つの外側面13a、13bと、その間に配置された第2の材料製の中央表面23、を含む。各外側面13a、13bの上面は、それぞれ、傾斜平面18、19を有し、傾斜平面は取付装飾物1の各長辺16、17の平面(x-z方向)に上面の平面(x-y方向)を接続する面取り部を形成する。
下面2は、取付装飾物1の長手方向の両端に、第2の材料製の部分22を含む。下面2はまた、第1の材料製の、長辺16、17及び固定足部を有する中央部分12を含む。
長辺16、17は、従って、その全体が第1の材料製である。対称的に、短辺5、6はそれぞれ、第2の材料製の中央面24、25と、その両側に、第1の材料製の二つの外側面14a、14b、15a、15bをそれぞれ有する。これらの外側面14a、15a及び14a、15bは、それぞれ、長辺16、17の両端部を構成する。
図4から10は第一実施形態に係る取付装飾物1の製造方法を示し、その各工程は図21にまとめられる。図4から6は、当該方法の第1段階を示し、図7から10は、その第2段階を示す。
当該方法の第1段階は、取付装飾物1のブランク材1aを得るため、少なくとも第2の材料製の第2ブランク材20aを、第1の材料製の第1ブランク材10aの中にもしくは部分的に中に、形成することからなる。
図4は、第1の材料製の基板P1aを得ることからなる第1工程E1を示す。この板は平らで、その厚みは製造される取付装飾物の高さに実質的に対応する。その面は、選択された慣習に従い、将来得られる取付装飾物の面x-yに対応する。言い換えれば、取付装飾物または複数の取付装飾物は、時計用文字板におけるであろう配向と同じ配向で当該板内に形成される。
図5は、少なくとも第1ブランク材10aを形成するため、板P1aの第一面の機械加工を行う、第2工程E2を示す。この第2の機械加工工程は、少なくとも第1ブランク材10aの外形を少なくとも部分的に形成するため、材料を取り除く。この第2工程は、特に第1ブランク材10aに、第2の材料を受けることを意図される一つ以上の穴を形成する。特に、この第2工程は、ブランク材10aの少なくとも上面を伸びる縦溝100aを形成する。これは横方向または方向y向きの鉛直側面101a、102a、103a及び104aによって範囲を定められる。その結果、第1の材料製の第1ブランク材10aが得られる。
有利には、当該工程は、いくつかの同一の取付装飾物1を平行に製造するため、複数のブランク材10aを製造することを可能とする。代替的に、当該工程は、いくつかの異なる取付装飾物1を平行に製造するため、いくつかのブランク材10aを作成することを可能とする。この実施形態によると、異なるブランク材は、利用可能な表面積をできるだけ能率的に利用するため、取付装飾物の平面に規則的な行と列の配列で配置される。
図6は、穴を、より詳細には第1ブランク材10aのそれぞれの少なくとも上面に伸びる溝100aを、第2の材料で充填する、第3工程E3を示す。有利には、この充填工程は、第2の材料を穴の中に、より詳細には各第1ブランク材10aの少なくとも上面に伸びる溝100aの中に、鋳込むことにより実行される。
第4工程E4は、第2の材料を、特に架橋結合により、硬化することからなる。これにより、第2の材料製の第2ブランク材20aを形成することが可能となる。このように、二つのブランク材10a、20aによって、製造される取付装飾物1のブランク材1aが形成される。
その後、機械加工段階と呼ばれる、当該方法の第2段階が開始される。
この第2段階において、第5のルーティング工程E5は、取付装飾物1の仕上げられた鉛直外表面の一部分を形成することを可能とする、二つのブランク材10aと20aとを同時にルーティング(くりぬき、削り取り)することからなる。特に、この工程は第1の材料において長辺16、17の顕著な部分、及び、二つの材料の並置を含む短辺5、6の顕著な部分を形成することを可能にする。当該工程の最後には、図7に示すように、製造される取付装飾物1のブランク材1aが板P1aのセルA1aに位置される。このように形成された面や、仕上げられた表面状態は、将来得られる取付装飾物1の高さのほぼすべてにわたって伸びることが見て取れる。
第6の表面仕上げ工程E6は、主に取付装飾物の上面、特に外側傾斜面18、19を形成することを可能とする。より一般的には、この工程は、二つの並置材料に作用することにより当該上面の最終状態を作成し、それにより図8に示すように、上述した取付装飾物1の表面13a、13b、23aを形成する。
第7工程E7では、各セルA1aは、後続の工程のため、取付装飾物1の各ブランク材1aを板P1aに強固に固定することを意図するUV接着剤C1aによって充填される。
第8工程E8では、板P1aはひっくり返される。次に、第9工程E9では、図9及び10に示すように、取付装飾物1の各ブランク材1aの固定装置4、当該実施形態では足部、がルーティングされる。当該第9工程E9は同時に、取付装飾物1の下面12、22を仕上げられた状態で得ることを可能とする。この工程の最後に、各取付装飾物1は仕上げられ、接着剤C1aのおかげで、板P1a上の位置に保持される。
第10工程E10は、板P1aから各取付装飾物1を取り外すため、接着剤C1aを溶かすことからなる。
図11から13は、第二実施形態の第一変形例に係る取付装飾物1’を示す。この取付装飾物1’は、主にその上面3’の形状によって、第一実施形態のそれと異なり、当該上面3’は、面x-yに対して傾斜した傾斜部分3a’を少なくとも含み、傾斜部分3a’は側面の傾斜面18’、19’を形成する長手方向面取り部の単なる斜面よりも急な斜面を有する。図11及び13に示す通り、上面は、図13に示す中立面II―IIを通る断面と同様に、幅全体にわたり面x-yを通る断面すべてに伸びる傾斜部分3a’を含む。言い換えれば、傾斜部分3a’は取付装飾物の幅全体にわたる傾斜面を形成する。より詳細には、この傾斜面は当該実施形態において横方向yに伸びる。
上面3’の残りは実質的に平面の形状を取り、平面は、第一実施形態の上面3と同様、取付装飾物が固定されることを意図される文字板または文字板プレートまたは文字板の面または文字板プレートの面に実質的に平行に配置される。これは非傾斜面3b’と呼ばれる。
この実施形態によると、上面の傾斜部分3a’は、上面3’の非傾斜面3b’から湾曲した部分、さらにこの非傾斜面3b’に対して、及び取付装飾物1’の下面2’に対して、角度αで傾斜した、実質的に平らな部分を有する。好ましくは、この角度αは5°と80°の間、または10°と60°の間である。上述した通り、傾斜部分3a’は取付装飾物の幅全体にわたって伸びる。そのため傾斜部分3a’は側面傾斜部分130a’、130b’を含み、それらは第1の材料製の外側面13a’、13b’に属し、第2の材料製の中央表面23’に属する中央表面23a’の側面に配置される。言い換えれば、傾斜部分3a’もまた、二つの並置材料を含み、それらは連続面を形成する。
さらに、取付装飾物1’の第1構成部10’は取付装飾物1’の長辺16’、17’全体の側面端に傾斜面18’、19’を含み、第一実施形態と同様、それぞれ辺16’、17’と外側面13a’、13b’との接合を形成する。これらの傾斜面は、上面3’の上述した第一斜面にならう。従って、これらはまたそれぞれ二つの部分、それぞれ傾斜面3a’における第1部分18a’、19a’と、非傾斜面3b’における第2部分18b’、19b’を含む。傾斜面18a’、19a’はそれぞれ、面x-yに関連して及び面y-zに関連して、二つの斜面を有し、それらはそれぞれ、二つの面x-y及び面y-zを通る断面で見ることができる。
説明された第二実施形態の第一変形例において、取付装飾物1’の第1構成部10’は取付装飾物の外形を形成し、つまり、それだけで取付装飾物の外周部を画定する。これは特に、図12に示すように、取付装飾物を上から見たときに明らかである。より詳細には、二つの長辺16’、17’及び二つの短辺5’、6’を形成する。二つの短辺はさらに、異なる形状を有する。第1短辺5’は鉛直であり、第2短辺6’は傾斜部分3a’に連続している。
さらに、第二実施形態によると、取付装飾物1’はもはや平行六面体形状を有していない。面x―yから鉛直方向zへの突出部は、実際もはや長方形ではなく多角形であり、特に中心長手軸に関して対称である。代替的に、当該突出部はあらゆる他の形状を有してよい。この形状は湾曲してよく、特に丸みを帯びた形または楕円形であってよい。
当然、第二実施形態に係る本発明は、上述の実施形態に制限されない。例えば、第2構成部20’は、代替的に、取付装飾物の外形を少なくとも一部、形成することができる。これはすでに、傾斜部分3a’の上部分で部分的に事実である。図18から20に、二つの構成部10’’、20’’にそれぞれ対応する二つの材料からなる鉛直な第1短辺5’’に関して、取付装飾物1’’が第一変形例とは異なる、第二実施形態の第二変形例を示す。第1短辺5’’は、それぞれ二つの外側面15a’’、15b’’が両側にある、第2の材料製の中央表面25’’ を含む。上面3’’ は第一変形例の傾斜面と同一の傾斜面3a’’を含む。第2短辺6’’は第一変形例のそれと同一である。
取付装飾物の全ての実施形態において、好ましくは、第1構成部の第1の材料は金属合金、特に金または白金の合金などの貴金属合金である。好ましくは、第2構成部の第2の材料は複合材、特にセラミック及びまたはポリマー系複合材である。この第2の材料は、例えば、バインダ及びセラミック粒子を含む。第2の材料は、オプションで、顔料、発光材料またはその他の機能材料で充填されてよい。第2の材料が発光する場合、材料は特に発光性ジルコンを含んでもよい。
当然、本発明は上述の実施形態に限定されない。特に、傾斜面は、その長さ及びまたはその幅の全体または一部が湾曲または丸みを帯びてよく、及びまたは一つ以上の平面部を含む。従って、特に、取付装飾物の第2構成部の少なくとも一部分は、当該取付装飾物が固定されることを意図される文字板または文字板プレートまたは文字板または文字板プレートの面に平行な表面に対して傾斜している。さらに、この斜面はあらゆる方向に向いてよい。従って、傾斜面は横方向yまたは長手方向xに平行であってよく、それぞれ、他の二方向x、zまたはy、zには平行でない。変形例として、当該斜面は、傾斜した部分が鉛直方向zに平行でなく、かつ長手方向xにも平行でなく、かつ横方向yにも平行でない。したがって、取付装飾物の上面は、少なくとも、取付装飾物が固定されるよう意図される文字板または文字板プレートに平行でない一部分を有する。
第二実施形態に係る取付装飾物1’、1’’は、第一実施形態と同様な方法で製造される。
図14から17は、第一実施形態と比較した製造方法の違いをより詳細に示す。
取付装飾物の第二実施形態の製造方法は、主に第6の表面仕上げ工程E6’において第一実施形態の取付装飾物の製造方法と異なっており、第1工程E1’からE5’は同じままである。具体的には、その成果が図14に示される第一実施形態(図7)に係る方法の工程E5と同様な、ルーティング工程E5’の後、この第6の表面仕上げ工程E6’において、取付装飾物の上面3’が形成される。図15に示す第二実施形態のための第6の表面仕上げ工程E6’の間、当初は平らで面x―yに平行な上面は、機械加工され、少なくとも一つの傾斜した部分を有する上面3’を含む取付装飾物1’のブランク材1a’を形成する。
この表面仕上げ工程E6’の間、取付装飾物ブランク材1a’は、それぞれ、特に方向zに、工具の及びまたは矢印F及びまたは矢印F’によって示される板P1a’を支持する台の、通り道に沿って機械加工される。そのため、第二実施形態に係る取付装飾物1’の製造のための、表面仕上げ工程E6’は、第1及び第2の材料を少なくとも長手方面x及び鉛直方面z方向に取り除くことにより、傾斜した部分を含む上面3’を得ることを可能とする特徴を有する。これにより、当該工程の最後に、仕上げられた表面を得ることができる。
好ましくは、当該表面仕上げ工程E6’は、図16に示すように、傾斜面18’、19’の面取りまたは機械加工を行うサブステップを含んでもよい。好ましくは、この傾斜面18’、19’の面取りまたは機械加工を行うサブステップは、上述した表面仕上げの下流で行われる。
第7工程E7’において、各セルA1a’は、後続の工程のため、取付装飾物1’の各ブランク材1a’を板P1a’に強固に固定することを意図するUV接着剤C1aによって充填される。
第8工程E8’では、板P1a’はひっくり返される。次に、第9工程E9’では、図17に示すように、取付装飾物1’の各ブランク材1a’の固定装置4’がルーティングされる。この場合、当該固定装置4’は足部の形をとる。当該第9工程E9’は同時に、下面12’を仕上げ状態で得ることを可能とする。この工程はまた、傾斜面3’の端部のルーティングを可能とし、この場合、とがった端部の形をとる。
第9工程E9’の最後において、このように形成される各取付装飾物1’は、接着剤C1aによって、板P1a’上の位置に保持される。第10工程E10’は、接着剤から取付装飾物または複数の取付装飾物1’を取り外すため、第7工程E7’の間に充填された接着剤C1aを溶かすことからなる。
第二実施形態の第二変形例に係る取付装飾物1’’の製造は、同様の方法を使用して実施されることを注記したい。
すべてのケースにおいて、本発明に係る取付装飾物の製造方法は、従って、取付装飾物ブランク材の第1及び第2ブランク材のそれぞれの形状及びまたは表面状態、特にその上面の状態を変更するため、機械加工を行う第2段階を含み、特に取付装飾物の二つのブランク材のそれぞれを機械加工する工程を含む。
有利には、この機械加工を行う第2段階は機械によるものであり、特に、同一の切削工具を使って取付装飾物ブランク材の第1及び第2の材料を切削する工程を含む。代替的にまたは追加的に、この機械加工を行う第2段階は、同一の研磨工具を使って取付装飾物ブランク材の第1及び第2の材料を研磨する工程を含んでもよい。すべてのケースにおいて、同一の工具を使った同一工程において、取付装飾物ブランク材の第1及び第2の材料を同時にまたは実質的に同時に機械加工することを含む。
代替的にまたは追加的に、この機械加工を行う第2段階は、レーザ、特にフェムト秒レーザによって取付装飾物ブランク材を機械加工する工程を含んでもよい。従ってこの工程は、同一のレーザを使った同一工程において、取付装飾物ブランク材の第1及び第2の材料を同時にまたは実質的に同時に機械加工することを伴う。
本発明はまた、上述した少なくとも一つの取付装飾物の製造方法の実施、その後当該少なくとも一つの取付装飾物を時計用文字板に固定することを含む、時計用文字板の製造方法に関する。
本発明はまた、上述した時計の時計用文字板の製造方法を実施することを含む、時計、特に腕時計の製造方法に関する。
最後に、本発明は、上述した方法によって製造された時計用文字板の取付装飾物に関し、当該取付装飾物は少なくとも第1の材料からなる第1構成部と第2の材料からなる第2構成部とを含み、これら第1及び第2の材料は異なっており、当該取付装飾物は取付装飾物を文字板に固定することが可能な固定装置、特に固定足部と、文字板の可視面に留まるよう意図される上面とを含み、当該上面は取付装飾物が固定されることを意図される文字板に平行でない少なくとも一部分を有し、この上面部分は並置された二つの材料を含む、及びまたは取付装飾物はこれら二つの並置材料を含む面を含み、この面は取付装飾物が固定されることを意図される文字板に対して実質的に直角を成す方向に伸びる。
取付装飾物は、固定装置が配置される下面を含んでもよく、取付装飾物が固定されることを意図される文字板に平行な面に、実質的に矩形の突出部を有してもよい。取付装飾物は、当該文字板と実質的に直角を成す、下面を上面に接続する四面を含んでもよく、これら四面は第1の材料で一体に形成される。
第2構成部は、第一面から実質的に取付装飾物の長さ全体にわたり、実際、少なくとも取付装飾物の上面にある第二面に届くまで取付装飾物の長さ全体にわたり、伸びてもよい。
第1の材料製の第1構成部は、上面から凹んだ状態で取付装飾物の全体のまたは一部の長さにわたって伸び、その中に第2構成部を形成する第2の材料が位置される、溝を含んでもよい。
取付装飾物の上面は、第1構成部の二つの部分の間に配置された第2構成部の一部を含んでもよい。
上面の前記部分の長手-鉛直平面を通る断面及びまたは横断-鉛直平面を通る断面は、取付装飾物が固定されることを意図される文字板に平行でなく、前記文字板に対して傾斜した、平らな、または湾曲した形状を有する。
本発明はさらに、上述した取付装飾物を少なくとも一つ含む、時計、特に腕時計、及び時計用文字板に関する。
1、1’、1’’ 取付装飾物
1a、1a’ 取付装飾物ブランク材
2、2’、2’’ 下面
3、3’、3’’ 上面
4、4’、4’’ 固定装置
10、10’、10’’ 第1構成部
20、20’、20’’ 第2構成部
10a、10a’ 第1ブランク材
20a、20a’ 第2ブランク材
100a 溝

Claims (16)

  1. 時計用文字板の取付装飾物(1;1’:1’’)の製造方法であって、前記取付装飾物(1;1’:1’’)は、それぞれ第1の材料と第2の材料製の、少なくとも二つの異なる構成部(10、20;10’、20’;10’’、20’’)を含み、前記第1及び第2の材料は異なっており、前記製造方法は、
    時計用文字板の前記取付装飾物のブランク材(1a;1a’)を得るため、前記第1の材料製の第1ブランク材(10a;10a’)の中にまたは少なくとも部分的に中に、少なくとも前記第2の材料製の第2ブランク材(20a;20a’)を形成することからなる第1段階(E1からE4;E1’からE4’)、その後
    前記取付装飾物ブランク材(1a;1a’)の前記第1及び第2ブランク材それぞれの形状及びまたは表面状態を変更するため、前記二つのブランク材(10a、20a;10a’、20a’)それぞれの機械加工を行う第2段階(E5,E6;E5’、E6’)、
    を含む、製造方法。
  2. 前記機械加工を行う第2段階(E5,E6;E5’、E6’)は、機械によるものであり、特に切削工具を使って前記取付装飾物ブランク材(1a;1a’)の前記第1及び第2の材料を切削する工程及びまたは研磨工具を使って前記取付装飾物ブランク材(1a;1a’)の前記第1及び第2の材料を研磨する工程を含み、及びまたはレーザ機械加工工程によって実施され、及びまたは前記第2段階は、同一工具を使って同一の工程において、実質的に同時に前記取付装飾物ブランク材(1a;1a’)の前記第1及び第2の材料の機械加工を行うことを伴う、
    請求項1に記載の時計用文字板の取付装飾物の製造方法。
  3. 前記機械加工を行う第2段階(E5,E6;E5’、E6’)は、前記第1の材料製の前記第1ブランク材(10a;10a’)及び前記第2の材料製の前記第2ブランク材(20a;20a’)からなる前記取付装飾物ブランク材(1a;1a’)をルーティングする工程(E5;E5’)を含み、当該ルーティングにより前記取付装飾物ブランク材(1a;1a’)の外形の少なくとも一部が形成され、前記取付装飾物ブランク材(1a;1a’)が配置されるセル(A1a;A1a’)が形成される、
    請求項1または2に記載の時計用文字板の取付装飾物の製造方法。
  4. 前記時計用文字板の取付装飾物は、下面(2;2’;2’’)と、対向する上面(3;3’;3’’)とを含み、前記機械加工を行う第2段階は、前記第1の材料製の前記第1ブランク材(10a;10a’)及び前記第2の材料製の前記第2ブランク材(20a;20a’)からなる前記取付装飾物ブランク材(1a;1a’)の表面仕上げ工程(E6;E6’)を含み、当該表面仕上げは、前記上面(3;3’;3’’)を形成することを可能とし、前記上面(3;3’;3’’)は並置された前記二つの材料を含む、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の時計用文字板の取付装飾物の製造方法。
  5. 前記表面仕上げ工程(E6;E6’)は、前記取付装飾物が固定されることを意図される前記文字板に平行でない、特に平らなまたは湾曲した、形状を有する前記上面(3;3’;3’’)を形成することを可能とする、
    請求項4に記載の時計用文字板の取付装飾物の製造方法。
  6. 前記時計用文字板の取付装飾物は、前記取付装飾物が固定されることを意図される前記文字板に実質的に直角を成す方向に伸びる、並置された前記二つの材料を含む少なくとも一面を含み、前記ルーティングする工程(E5;E5’)は、前記面の全てまたは一部を形成することを可能とする、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の時計用文字板の取付装飾物の製造方法。
  7. 前記第1段階(E1からE4;E1’からE4’)は、前記第1の材料製の前記第1ブランク材(10a;10a’)の形成、その後、前記第1ブランク材内に前記第2の材料を、特に鋳込みにより、充填する工程(E3;E3’)による前記第2ブランク材(20a;20a’)の獲得、続いて前記第2の材料を硬化する工程(E4;E4’)を含む、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の時計用文字板の取付装飾物の製造方法。
  8. 前記第1段階(E1からE4;E1’からE4’)は、
    前記第1の材料製の平板(P1a;P1a’)を得る;
    少なくとも第1ブランク材(10a;10a’)を形成するため、前記板の第一面の機械加工を行う(E2;E2’)、
    各工程により、前記第1ブランク材(10a;10a’)を形成することを含む、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の時計用文字板の取付装飾物の製造方法。
  9. 前記第1ブランク材(10a;10a’)を形成する前記機械加工工程(E2;E2’)は、少なくとも一つの穴を形成し、前記第1段階(E1からE4;E1’からE4’)は、前記少なくとも一つの穴に前記第2の材料を、特に鋳込みにより、充填する工程(E3;E3’)、その後、前記第2の材料を硬化する工程(E4;E4‘’)による前記第2ブランク材(20a;20a’)の形成を含む、
    請求項8に記載の時計用文字板の取付装飾物の製造方法。
  10. 前記二つのブランク材(10a、20a;10a’、20a’)のそれぞれを前記ルーティングする工程(E5;E5’)及び前記表面仕上げ工程(E6;E6’)によりセル(A1a;A1a’)を形成した後、接着剤(C1a;C1a’)を前記セル(A1a;A1a’)に充填する工程(E7;E7’)、その後、前記少なくとも一つの取付装飾物ブランク材を前記板の前記第一面と対向する第二面からルーティングする、特に前記時計用文字板取付装飾物(1;1’;1’’)を固定する足部(4;4’;4’’)をルーティングすることからなる工程(E9;E9’)、その後、特に前記接着剤を溶かすことにより、前記接着剤を取り除くことにより前記時計用文字板取付装飾物(1;1’;1’’)を前記板(P1a;P1a’)から取り外す工程(E10;E10’)を含む、
    請求項1から9のいずれか一項に記載の時計用文字板の取付装飾物の製造方法。
  11. 前記第1の材料は金属または金属合金、例えば金または白金の合金であり、前記第2の材料は複合材であり、特にセラミック及びまたはポリマー系複合材であり、任意に発光性を有する、
    請求項1から10のいずれか一項に記載の時計用文字板の取付装飾物の製造方法。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の少なくとも一つの取付装飾物の製造方法、その後、前記少なくとも一つの取付装飾物を前記時計用文字板に固定する工程を実施することを含む、時計用文字板の製造方法。
  13. 請求項12に記載の時計の時計用文字板の製造方法を実施することを含む、時計の、特に腕時計の、製造方法。
  14. 前記取付装飾物は第1の材料製の第1構成部(10;10’;10’’)と第2の材料製の第2構成部(20;20’;20’’)を含み、前記第1及び第2の材料は異なっており、前記取付装飾物は、前記取付装飾物を文字板に固定することを可能とする固定装置(4;4’;4’’)、特に固定足部(4;4’;4’’)と、前記文字板の可視面に留まることを意図される上面(3’;3’’)とを含み、前記上面(3’;3’’)は、前記取付装飾物が固定されることを意図される前記文字板に対して平行でない少なくとも一部分を有し、前記上面部分(3’;3’’)は並置された前記二つの材料を含み、及びまたは前記取付装飾物は前記二つの並置材料を含む面(5、6;5’’、6’’)を含み、前記面は前記取付装飾物が固定されることを意図される前記文字板に実質的に直角を成す方向に伸びる、
    請求項1から11のいずれか一項に記載の方法により製造された時計用文字板の取付装飾物(1;1’;1’’)。
  15. 前記第1の材料は金属または金属合金、例えば金または白金の合金であり、前記第2の材料は複合材であり、特にセラミック及びまたはポリマー系複合材であり、任意に発光性を有する、
    請求項14に記載の時計用文字板の取付装飾物。
  16. 請求項14または15に記載の取付装飾物を少なくとも一つ含む、時計、特に腕時計、または時計用文字板。
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