JP2022068069A - 蓋体 - Google Patents

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【課題】閉蓋時に容器との密閉度をより向上させることのできる蓋体を提供する。【解決手段】容器口部に着脱可能に取り付けられる蓋体1であって、フィルム状物で形成された天蓋部2と、紙系素材で形成されており、前記天蓋部を囲繞状に配置される側壁部3とを備え、前記天蓋部及び前記側壁部は、該天蓋部の周縁を折り曲げ形成して成形された立ち下がり部と前記側壁部とが接合一体化されており、前記側壁部には、前記天蓋部の下面側に前記容器口部と係合するための係合部が形成されていることを特徴とする蓋体。【選択図】図1

Description

本発明は、蓋体に関する。
従来から、コンビニエンスストアやスーパーマーケットのような店舗等においては、コーヒー等の飲料、総菜をはじめとする各種の食品のほか、インスタントラーメン等のようなインスタント食品といった各種の食料品が販売されている。一般に、これらの食料品は、飲食物を容器の中に収容し、さらにその容器の口部を蓋体で閉じて販売されている。蓋体は、食料品の種類や容器の態様に応じて様々な態様が存在し、用いられる素材も樹脂材料や紙系素材など、種々のものがある。その中でも、特に近年は環境問題が重要視されるとともに、脱プラスチックの傾向が強くなってきている。そのため、近年は、下記に示す特許文献1において開示されているような、紙系素材を用いて蓋体を形成することが行われつつある。
特許文献1に開示されている蓋体は、紙製容器に用いられる紙製蓋である。この紙製蓋は、紙製容器の内面と係合する外面を有する壁面部と、この壁面部に囲まれた状態で該壁面部と接合一体化された天蓋部とから構成されている。この紙製蓋は、閉蓋するときは紙製容器の内面に壁面部を挿入し、この壁面部の外面と紙製容器の内面とを接触させることで密閉させるという、容器の内側で嵌合する形態の蓋である。また、特許文献2に開示されている紙製包装器や紙製カップの蓋は、天面を構成する頂板部とこの頂板部の周縁から垂下する側垂部とから構成されており、閉蓋するときは容器に形成されたカール部の外周面と側垂部の内周面とを接触させて密閉させるという、容器の外側で嵌合する形態の蓋である。
特開2006-248530号公報 特開2005-343557号公報
上記した特許文献1,2に開示された蓋は、いずれも天蓋部を紙系素材で形成しているので、蓋全体としての強度を維持することは可能である。しかしながら、天蓋部も紙性素材を用いて強度を有するように形成しているため、容器に寸法誤差が生じた場合に、その誤差に対応させることが難しいといった問題がある。そのため、容器の口部と蓋との間に微小な隙間が生じ、その隙間から内容物が漏出したりするといったことも生じるおそれがあった。このような問題は、天蓋部の強さを調整して蓋が柔軟性を有するように形成し、容器の寸法誤差にも対応できるようにすることで解消することも考えられる。しかし、上記した特許文献1.2に開示された蓋体のように、天蓋部を紙系素材で形成した場合には、例えば天蓋部を形成するための紙系素材の厚さを薄くしたとしても紙系素材が元々有している強さがあるため、柔軟性を有するように形成するにも限界がある。また、閉蓋時に蓋の天蓋部と容器の口部(例えば容器に形成されたカール部の上端など)が接触可能に形成した場合であっても、天蓋部と容器の口部とがいずれも紙材料で形成されている場合には、紙材料の表面が粗いために、天蓋部と容器の口部とを接触させても高い密閉状態を形成することが難しいといった問題もあった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、閉蓋時に容器との密閉度をより向上させることのできる蓋体を提供することを目的とする。
本発明は、
(1)容器口部に着脱可能に取り付けられる蓋体であって、フィルム状物で形成された天蓋部と、
紙系素材で形成されており、前記天蓋部を囲繞状に配置される側壁部とを備え、前記天蓋部及び前記側壁部は、該天蓋部の周縁を折り曲げ形成して成形された立ち下がり部と前記側壁部とが接合一体化されており、前記側壁部には、前記天蓋部の下面側に前記容器口部と係合するための係合部が形成されていることを特徴とする蓋体、
(2)前記フィルム状物が透光性を有する上記(1)記載の蓋体、
(3)前記フィルム状物が熱融着性を有する上記(1)記載の蓋体、
(4)前記天蓋部は、折り曲げ部を介して前記立ち下がり部と連続形成された天面部を有しており、前記天面部には、周縁部分に接触領域が形成されており、前記接触領域において前記容器口部と接合される上記(1)記載の蓋体、
(5)前記係合部は、前記側壁部の内部が押圧成形されることで形成されている上記(1)記載の蓋体、
(6)前記係合部が前記側壁部の内面から前記蓋体の内方向に向けて凸状に形成されている上記(1)記載の蓋体、
(7)前記係合部が前記側壁部の内面に凹状に形成されている上記(1)記載の蓋体、
(8)前記側壁部の内面と前記立ち下がり部の外面とが接合一体化されている上記(1)記載の蓋体、
(9)前記側壁部は、上端部よりも下端部の方が小さく形成されている上記(1)記載の蓋体、
(10)前記側壁部は、上端部から下端部に向けて先細りテーパ状に形成されている上記(1)記載の蓋体、
(11)前記側壁部は、下端位置から前記立ち下がり部の内面に折り曲げられた折り返し部を有しており、前記折り返し部は、前記立下り部の内面と接合一体化されている上記(1)記載の蓋体、
(12)前記折り返し部が、少なくとも前記係合部が形成される位置まで前記立ち下がり部の内面側に形成されている上記(11)記載の蓋体を要旨とする。
本発明によれば、フィルム状物で形成された天蓋部と、紙系素材で形成されており、天蓋部を囲繞状に配置される側壁部とを備え、これら天蓋部と側壁部とが接合一体化されて形成されているので、側壁部に対して天蓋部を形成するフィルム状物は、蓋体を平面視したときにおける該蓋体の中央部分から外側へと向かう方向に引っ張られた状態が維持されながら側壁部と接合される。そのため、天蓋部には、フィルム状物が元々有する柔らかさと、側壁部と接合されることによって加わる引っ張り力による強さとを併せ持たせることができ、全体としての柔軟性及び強度を両立させた蓋体を提供することが可能になる。特に、この蓋体は、容器口部の製造時における寸法誤差が生じた場合であっても、天蓋部をフィルム部材で形成しているので柔軟に対応することができるとともに、閉蓋時における容器との密閉状態も形成し、かつ維持させることが可能になる。
また、本発明によれば、天蓋部をフィルム状物で形成しているため、閉蓋時に天蓋部と容器の口部とを接触させたりする場合には、天蓋部と容器の口部とを密着させやすく、この部分からの漏れを大きく低減させることができる。また、天蓋部と容器の口部とを接触させる場合、天蓋部がフィルム状物で形成されているので、閉蓋時において容器の口部が天蓋部を下方向から押し上げる方向に力が作用したときに天蓋部がその加えられた力によって弾性変形しやすく、より密閉度を向上させるとともに漏れの発生を低減することが可能になる。
さらに、本発明によれば、透光性を有するフィルム状物により天蓋部を形成することにより、容器や蓋体の外部から容器の内部を視認することもできる。また、本発明によれば、熱融着性を有するフィルム状物を用いることで、例えば閉蓋時に容器口部に嵌合した蓋体を熱シール等の方法により容器に接合することもでき、容器内部を高い密閉状態にすることも可能になる。また、このように蓋体を容器に接合した場合、所定の力で熱シールを剥がしつつ蓋体を開けた後は、係合部と容器口部とを係合させることで、やはり高い密閉性を維持しながら閉蓋させることもできる。
このように、本発明によれば、蓋全体としての柔軟性及び強さを併せ持たせることができ、かつ閉蓋時には高い密閉性を維持することもできる蓋体を提供することができる。
(a)図は本発明に係る蓋体の第1の実施の形態を表す外観斜視図であり、(b)図は蓋体の平面図である。 蓋体を容器に嵌めた状態を表す斜視図である。 蓋体の縦断面図である。 蓋体を容器に取り付けるときの作用を説明するための説明図である。 蓋体を容器に取り付けるときの作用を説明するための説明図である。 蓋体をスタッキングしたときの作用を説明するための説明図である。 蓋体の変更例を表す平面図である。 側壁部の延出壁の変更例を表す説明図である。 側壁部の係合部の変更例を表す説明図である。
本発明に係る蓋体の第1の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本明細書におけるそれぞれの実施の形態については、各実施の形態における蓋体の態様を独立して用いてもよいし、各実施の形態における蓋体の複数の態様を組み合わせて用いてもよい。また、複数の態様を組み合わせる場合には、その組み合わせる態様の数は限定されず、任意の数の態様を組み合わせることが可能である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、蓋体1は、天蓋部2及び側壁部3を備えており、これら天蓋部2及び側壁部3が接合一体化されて構成されている。天蓋部2と側壁部3との接合の態様は従来から公知の方法を任意に採用してよく、例えばヒートシールによる接合、超音波接合、高周波接合、ホットメルト接着剤をはじめとする各種接着剤を用いた接合その他の方法を任意に用いてよい。
蓋体1は、図2及び図3に示すように、容器51の口部52に対して着脱可能に取り付けられるようになっている。なお、容器51は、口部52と収容空間53を有しており、収容空間53内に飲食物等のような内容物を収容することができるようになっている。なお、この容器51の形状は図2に示しているように平面視円形状のものに限定されず、楕円形状や多角形状など、種々の形状を任意に選択して採用してよい。また、容器51を形成する材質についても、紙材料や各種樹脂材料などに限定されず、例えば金属製であってもよいし、これら以外の他の素材で形成されているものであってもよい。また、蓋体1についても、容器51の口部52に着脱可能に形成されていればよく、その形状は任意に決定してよい。例えば、容器51の口部52の形状が平面視円形状であれば、蓋体1の形状も容器51に対応した平面視円形状であればよく、また容器51の口部52の形状が平面視楕円形状であれば蓋体1の形状も平面視楕円形状とすればよい。また、蓋体1を平面視したときの形状は、容器51が密閉できていれば、口部52の形状と対応した形状でなくてもよい。
天蓋部2は、蓋体1において側壁部3により周囲を囲まれるようにして配置されている。この天蓋部2は天面部4と立ち下がり部5とを有しており、これら天面部4と立ち下がり部5との間に折り曲げ部6が形成されている。天面部4と立ち下がり部5が折り曲げ部6を介して連続形成されている。図3等に示すように、天蓋部2は、縦断面を見ると断面形状が略コ字形となるように形成されている。ここで、天面部4と立ち下がり部5とは、折り曲げ部6において直角に交わるように形成することもできるが、上端部よりも下端部の方が小さくなるように形成されていることが好ましく、上端部から下端部に向けて先細りテーパ状に形成されていることがより好ましい。なお、この立ち下がり部5のテーパ角度は、側壁部3のテーパ角度に合わせて形成されることが好ましい。
図1(b)に示すように、天蓋部2には、天面部4の周縁側の端部に接合領域7がある。この接合領域7は、図1(b)に示すように、側板部3の内周面に対して所定の間隔を有しつつ、該内周面に沿うように形成されている。この接合領域7は、図3に示すように蓋体1が容器51に取り付けられた場合であって、容器51のカール部54の上端部が天面部4の裏面4aと接した状態のときに、これら天面部4とカール部54とをヒートシール等の方法によって接合するための領域である。例えば図3に示すように、天面部4とカール部54とが接する位置に接合領域7が形成されているため、この場合に天面部4の表面4b側から接合領域7の部分にのみ熱を加えることによって、天面部4とカール部54とが熱融着をして接合させることができる。このように、天面部4とカール部54とを接合することにより、容器51の収容空間53内の密閉性を大きく向上させることが可能となるように構成されている。
なお、接合領域7において天面部4の裏面4aとカール部54とを接合する必要がない場合には、上記したように接合する必要はない。例えば、容器51に内容物を入れて蓋体1を取り付ける場合には、接合領域7において天面部4の裏面4aとカール部54の上端部とが接触できればよい。この場合でも、天蓋部2がフィルム状物で形成されているため、これら天面部4の裏面4aとカール部54との接触によって密着させても、容器51の収容空間53内の十分な気密性を確保することができる。
天蓋部2は、フィルム状物で形成されている。ここで「フィルム状物」とは、薄い膜状のものを含むほか、シート状のものも含む。この天蓋部2は、単層のフィルム状物で形成しても良いし、複数のフィルム状物を積層して形成してもよい。また、天蓋部2は、フィルム状物の厚さが0.01mmから1.0mmで構成されているが、フィルム状物の厚さは0.02mmから0.5mmであることが好ましく、0.02mmから0.2mmであることがより好ましい。フィルム状物の厚さを薄くしすぎると、天蓋部2の強度が弱くなりすぎて、例えば蓋体1で閉蓋した容器を積み重ねてスタッキングするときに、天蓋部2の上に乗った物の重さに耐えられなくなるおそれがあり、好ましくない。一方、フィルム状物の厚さを厚くしすぎると、製造コストが大きく増大するために好ましくない。本発明に係る蓋体1は、1個の蓋体1における製造コストの増加が微小であっても、供給される蓋体1の数が膨大であるために提供する蓋体1の全体的な製造コストは莫大なものとなる。そのため、蓋体1の製造コストを増加させないこと、ひいては、製造コストを低減することは、蓋体1をより安価でより多く提供するためには必要不可欠である。なお、フィルム状物の厚さは、天蓋部2が複数のフィルム状物で形成されている場合には、積層されたフィルム状物全体の厚さが上記した範囲にあることが好ましい。
天蓋部2は、透光性及び/又は熱融着性を有することが好ましい。天蓋部2が透光性を有すると、蓋体1を容器51の口部52に取り付けたときに容器51の内部に収容された内容物の内容や状態などを視認することができるため、飲食物を提供する者や摂取する者に対して安心感を与えることができる。また、天蓋部2が熱融着性を有していると、例えば上記した接触領域7において天面部4の裏面4aとカール部54とをヒートシール等によって接合させることができ、容器51の収容空間53の気密性・密閉性を大きく向上させることができる。
天蓋部2をフィルムやシート材で構成すると、天蓋部2が紙系素材よりなる場合よりも屈曲性が高いため、蓋体1の容器51へのはめ込みがより容易となる。また透明なフィルムやシート材で構成すると、容器7に取り付けた際に、容器51内の収納物を容易に目視確認することができる。フィルムやシート材としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル系樹脂であるポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体等、ポリエチレンテレフタレート、セロファン、ナイロン、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリメチルペンテン、ポリ酢酸ビニル、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート、デンプン系樹脂や、これらの複合体等を用いることができるが、ポリ酢酸ビニル、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート、デンプン系樹脂等の生分解性を有するものが好ましい。天蓋部2をフィルムやシート材で構成する場合、PET等のヒートシールが困難な材質を用いる場合、側壁3と接合する面に、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン(OPP、CPP等)がコートされていると、ヒートシールによる接合を容易に行うことができる。
また、天蓋部2を構成するフィルム状物としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル等からなるものが用いられる。また、接合領域7において天面部4の裏面4aとカール部54とを接合する場合には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンやオレフィン共重合樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン-イソブチルアクリレート共重合樹脂などのエチレン-アクリル酸エステル共重合樹脂等のエチレン系ホットメルト樹脂、ポリアミド系ホットメルト樹脂、ブチラール系ホットメルト樹脂、ポリエステル系ホットメルト樹脂、ポリアミド系ホットメルト樹脂、ポリエステル系ホットメルト樹脂、ポリメチルメタクリレート系ホットメルト樹脂、ポリビニルエーテル系ホットメルト樹脂、ポリウレタン系ホットメルト樹脂、ポリカーボネート系ホットメルト樹脂、酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体等のホットメルト系樹脂及びそのフィルムやシートを用いることできる。また、ホットメルト系樹脂及びそのフィルムやシートには、種々の酸化防止剤等添加剤を配合したものも用いることができる。また、低密度ポリエチレンやメタロセン触媒使用のポリエチレンを用いることもできる。
天蓋部2を構成するフィルム状物が複数の層を積層して構成されている場合、用いられるフィルム状物としては、特に、天面部4の裏面4aとカール部54とを接合する場合には、少なくとも最裏面層に位置するフィルム状物が熱融着性を有することが好ましい。また、例えば3層のフィルム状物を積層する場合には、表面側の層にポリエチレン又はポリプロピレン、中間の層にPET、裏面側の層にポリエチレン又はポリプロピレンを用いて積層することが好ましい。このように積層したフィルム状物は、透光性と熱融着性のいずれをも兼ね備えた天蓋部2を形成することができる。このような天蓋部2は、フィルム状物を打ち抜き加工するとともに、プレス加工等を施すことにより製造することができる。
なお、天蓋部2を形成するフィルム状物として用いられる素材は、天然分解性を有するものであることが好ましい。天然分解性を有する素材で形成することにより、近年特に重要視されている環境への負荷を大きく低減することができるとともに、使用後に廃棄するときにも非常に簡便に捨てることが可能になるため、利便性を向上させることができる。
側壁部3は、天蓋部2の周囲を囲繞するように配置されている。側壁部3と天蓋部2とは、側壁部3内面3a(本実施の形態の場合にはない周面)と天蓋部2の立ち下がり部5の外面5aとが接合一体化されている。また、側壁部3は、下端位置3bから立ち下がり部5の内面に折り曲げられた折り返し部8を有している。この折り返し部8は、立ち下がり部5の内面とヒートシール等の上記した方法によって接合一体化されている。すなわち、蓋体1は、天蓋部2よりも下側の位置においては、側壁部3、立ち下がり部5及び折り返し部8が接合一体化されている。
また、側壁部3には、天蓋部2における天面部4の裏面4a側に係合部9が形成されている。係合部9は、容器51に蓋体1を取り付けたときに、容器51の口部52に形成されているカール部54と係合することができるように形成されており、蓋体1が容器51に対して閉蓋した状態を維持することができるようになっている。図3に示す例では、側壁部3は、上端部から下端部に向けて先細りテーパ状になっており、上端部よりも下端部が小さくなるように形成されている。また、図3に示すように、容器51のカール部54の外径Dと蓋体1の下端部5bにおける内径dとを比べると、外径Dの方が内径dよりも大きくなるように形成されている。また、蓋体1の内径は、下端部5における内径dから上端に向けて順次大きくなり、天面部4の裏面4bと接する位置においては、蓋体1の内径は容器51のカール部53の外径よりも若干大きいか、又は外径Dと略等しくなる。そのため、蓋体1は、容器51のカール部54と折り返し部8の内面とが接触して係合する箇所が存在する。その個所が係合部9となっている。図3に示す例では、係合部9が形成されている箇所において容器51のカール部54が係合している。また、この例では、上記係合が行われている箇所は、カール部54の上端部が天面部4の裏面4bとも接触する位置となっている。このような位置に係合部9を形成すると、カール部54と複数個所において接触する箇所を形成することができる。その上、天面部4はフィルム状物で形成されているため、容器51が蓋体1の下側から嵌合して係合部9において係合状態が保持されると、容器51が天面部4を下側から上方向に向けて突き上げるように接触させ、より気密性を保持することができるように構成されている。
側壁部3が上端側から下端側に先細り傾斜状に形成されている本実施形態の蓋体1は、蓋体1の側壁部3の傾斜角:αと、容器51の側壁51aの傾斜角:βは、同じであっても異なっていても良く、異なる場合には側壁部3の傾斜角:αが、容器51の側壁51aの傾斜角:βより大きくても小さくても良いが、傾斜角:αが傾斜角:βより小さい場合(傾斜が大きい場合)には、蓋体1の容器51への嵌合力がより高くなり、より密閉性が高められる。
折り返し部8は少なくとも係合部9が形成される位置まで、立ち下がり部5の内面側に形成されていることが好ましい。このように折り返し部8を形成することによって、紙系素材で形成されている側壁部3及びフィルム状物で形成されている立ち下がり部5に加えて、紙系素材で形成されている折り返し部8を接合した箇所で容器51を係合保持することができるようになり、より閉蓋時の気密性を保持し、容器51の収容空間53内の内容物の漏出を防止することができるように構成されている。
側壁部3は、天蓋部2の天面部4の表面4bよりも上方に延出する延出壁10を有している。延出壁10の延出長さは任意に決定することができる。例えば、容器51の内容物がコーヒー等の飲料である場合には、飲料を飲む人が飲みやすいようにするために延出壁10を形成してもよく、また飲む人の鼻の高さに応じて延出壁10の延出高さを変えてもよい。また、容器51から蓋体1を取り外す際に、飲食をする人が蓋体1を取り外すための手がかりとする観点からも、延出壁10を形成しておくことが好ましい。この場合、容器の大きさや形状、また内容物の種類等によって延出壁10の延出高さを任意に変更することもでき、また他の要件に基いて延出壁10の延出高さを変更してもよい。
また、図1等にも示されているように、延出壁10の上端縁には、外方向に張り出す張出部11が形成されている。この張出部11は、図1等に示す例ではカール状に形成された態様を用いて説明しているが、張出部11の形態はこれに限定されるものではない。張出部11は、例えば容器51の内容物が飲料だった場合に、飲料を飲もうとする人が蓋体1に口を当てて飲むことになるところ、この張出部11を形成しておくことによって口当たりを向上させることができる。また、本実施の形態における張出部11のように、外方向にカール状に張り出すように形成しておくと、人が口を当てた時に、容器51に直接口を当てて飲料を飲むときと同じ感覚で、蓋体1を取り付けた状態で飲むことができる。そのため、飲む人にとっても、蓋体1を取り付けた状態で違和感なく飲むことも可能になる。
側壁部3は、紙系素材を用いて形成されており、紙系素材はパルプ系素材により形成されている。ここで、パルプ系素材とは、木材パルプ、非木材パルプ、古紙パルプ等のパルプを主体とするもので、パルプを好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上含むもの、特にパルプ100%からなるものが好ましい。パルプ系素材におけるパルプ以外の素材としては、パルプ系繊維原料のスラリーを網状に抄き取り、乾燥ないし押圧乾燥、抄紙してシート状にして得られるいわゆる紙や、粉砕パルプ等の開繊繊維原料を空気流によって積繊し、積繊体の繊維をバインダーで固定して得られるいわゆるパルプ系エアレイド等やこれらを複数枚積層したもの等、更には紙やパルプ系エアレイドと、合成樹脂や天然樹脂のフィルムや樹脂繊維の不織布等の樹脂材料、アルミ箔等の金属系素材、木箔等の木質系素材等の他の素材との複合材料も用いることができるが、複合材料の場合、パルプを50%以上含むことが好ましい。
パルプ系素材に用いられるパルプは、赤松、トド松、エゾ松、ダグラスファー、ヘムロック、スプルース等の針葉樹パルプ、ブナ、ナラ、カバ、ユーカリ、ポプラ、アルダー等の広葉樹パルプ、針葉樹パルプと広葉樹パルプの混合物等の木材パルプ、ケナフ、バガスパルプ、タケパルプ、シリアルパルプ、ワラパルプ、アバカパルプ、木綿パルプ等の非木材パルプ、古紙パルプ等を用いることができる。また、粉砕パルプとしては、パルプ系繊維からなる原料シートを粉砕機で粉砕して得られるものが挙げられる。
紙系素材は、多数の繊維の集合体により構成されている。針葉樹パルプは、粉砕後においても広葉樹パルプに比べて繊維長が長い。そのため、針葉樹パルプより得た粉砕パルプを用いた紙材料は、繊維相互の絡み具合が高まる。その結果、紙系素材の強度が向上する。紙系素材は、液透過性を有する繊維により形成される。その中でも、パルプ紙又はパルプを主原料とする繊維により形成されることが好ましい。紙系素材に用いる繊維は、パルプの配合が50%以上であることが好ましい。パルプの配合が50%以上の繊維により紙系素材を形成する場合、紙系素材の柔軟性を全体的に向上させたり、製造時の生産効率を向上させたりすることができる。また、パルプの配合を高くすることにより、この紙系素材を用いて形成される蓋体が、水中や土中、空中のいずれかにおいて分解されやすくすることができる。これにより、環境負荷をより低減することができ、環境面に対する配慮をより向上させることが可能になる。
パルプ系素材は、複数層を重ねて形成する場合には、それぞれの材料の厚さや材料等が同じものを用いてもよいし、異なるものを用いてもよい。また、パルプ系素材としては、目付量が300g/mから1000g/mの厚紙を用いることが好ましく、400g/mから900g/mの厚紙を用いることが好ましい。パルプ系素材として用いられる紙系素材である紙材料は、一枚の厚紙から構成してもよく、目付量が200g/mから500g/mの厚紙を複数枚貼り合わせて、上記した目付量としたものであってもよい。パルプ系素材として厚紙を用いる場合、厚紙の目付量が300g/mよりも少ないと、側壁部3の剛性を十分に確保して保形性を維持することが難しくなる。一方、厚紙の目付量が1000g/mよりも多いと、材料費が高くなり側壁部3の製造コスト、ひいては蓋体1の全体的な製造コストが増加する。また、側壁部3を形成する際に、厚紙に対する穴あけ加工や折り加工・曲げ加工といった種々の加工を施す場合、このような加工を施すことも難しくなる。
側壁部3は、パルプ系素材を打ち抜き加工や長手方向端部同士の熱プレス等による接合等を施すことにより製造することができる。このように、側壁部3を製造する際にプレス加工を行うことにより、蓋体1の全体的な強度を確保することができる。また、厚さが薄い紙材料を複数枚重ね合わせてプレス加工することにより貼り合わせたものであると、紙の繊維が並ぶ方向を比較的一定の方向に向けることができるため、より一層、紙材料の強度を向上させることが可能になる。
蓋体1に用いる紙系素材には、あらかじめコート層を設けたコート紙等の耐水紙、又は紙系素材の片面若しくは両面にさらにコート層を設けて耐水性をさらに向上させたものを用いることが好ましい。耐水性を向上させるためのコート層は、紙系素材のいずれか一方の面に有していてもよいが、水分等の液体に対する紙系素材の耐久性、この紙系素材を用いて形成された蓋体1の強度を維持するとともに耐久性を向上させるという観点から、耐水性を向上させるためのコート層は両面に有することが好ましい。
コート層は、フィルム部材を貼着したり、塗工剤を塗布する等により形成することができる。コート層を形成するフィルム部材としては、例えばポリエチレン、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルシアノアクリレート、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸等のアクリル系樹脂、ナイロン、ポリカーボネート;ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリヒドロキシブチレート、ポリ乳酸、エステル化デンプン等のデンプン系樹脂、酢酸セルロース、ポリエチレンサクシネート、ポリビニルアルコール、ポリグリコール酸、キトサン/セルロース/デンプン、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)、ポリ(エチレンテレフタレート/サクシネート)、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)ポリ(テトラメチレンアジペート/テレフタレート)等の天然分解性樹脂や天然分解性樹脂混合物;天然分解性バイオマス樹脂や天然分解性バイオマス樹脂の混合物;フッ素樹脂、シリコーン樹脂、紫外線硬化樹脂や、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-プロピレン-ブタジエン共重合体、アクリル-スチレン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体等、上記した樹脂を構成するモノマーの共重合体、天然樹脂、パラフィン、ゼラチン、セロファン、ポリメチルペンテン等からなるフィルムを用いることができる。これらの中でも、天然分解性樹脂、天然分解性バイオマス樹脂、天然樹脂等の天然分解性樹脂フィルムが好ましく、疎水性の高いものがより好ましい。
コート層を形成するための塗工剤としては、上記合成樹脂、天然分解性樹脂、天然分解性バイオマス樹脂、天然樹脂、さらには松脂、漆、コハク、ゼラチン、カゼイン、鼈甲、キチン、キトサン、牡蠣、ガム等天然高分子類の溶液や分散液からなる塗料、例えば水系インクをはじめとする各種のインク等が挙げられる。
塗工剤を塗布する方法としては、スプレーコート、ロールコート(リバースロールコート、制回転ロールコート等)、ナイフコート、ダイコート、スロットオリフィスコート、エアドクタコート、キスコート、ブレードコート、キャストコート、スピンコート、押出コート、ホットメルトコート、オフセットコート等が挙げられる。その中でも、フレキソコート、グラビアコート、スクリーンコート、オフセットコートが好ましく、さらにその中ではグラビアコート、フレキソコートがより好ましい。塗工剤を塗布してコート層を形成する場合、蓋体1の耐水性とリサイクル性との面から、塗工剤の塗布量は固形分換算で2g/mから30g/mであることが好ましく、4g/mから20g/mであることがより好ましい。
コート層をフィルム部材で形成する場合、用いるフィルム部材は単層フィルムでも複層フィルムでもよい。また、コート層を塗工剤で形成する場合、用いる塗工剤は1種類でも2種類以上でもよい。2種類以上の塗工剤を塗工する場合には、2種類以上の塗工剤を重ね塗工してもよい。フィルム部材や塗工剤は、デンプン系樹脂、ポリ乳酸等の天然分解性樹脂や天然分解性樹脂混合物を用いることが好ましく、環境負荷をより少なくすることもできる。なお、ポリ(テトラメチレンアジペート/テレフタレート)等でも、40%程度の含有量であれば天然分解性を有する。なお、本明細書における「天然分解性」とは、空中、土中、水中のいずれかにおいて、微生物、紫外線、気候の変化等によって分解される性質を意味する。この天然分解性を有する素材を蓋体1に適用することにより、環境負荷を大きく低減することができる。特に、蓋体1は、一般に市場の流通量が著しく多いため、天然分解性を有する材料で蓋体1を形成することは、環境負荷を大きく低減し、環境問題への貢献の度合いを飛躍的に大きくすることが可能になる。
次に、本実施の形態に係る蓋体1の作用効果について説明する。まず、図4に基いて、蓋体1により容器51を閉蓋するときの作用効果について説明する。本発明に係る蓋体1は、側壁部3が上端から下端に向けて先細りテーパ状に形成されており、上端部の大きさよりも下端部の大きさの方が小さくなるように形成されている。そのため、蓋体1を容器51に嵌めようとするときは、図4(a)に示すように、蓋体1の一方側の係合部9を容器51のカール部54に係合させる。そして、図4(b)に示すように、蓋体1の一方側から他方側に向けて、係合部9を順次容器51のカール部54にはめ込んでいく。このとき、天蓋部2を反らせるようにしながら蓋体1の他方側の係合部9を容器51のカール部54にはめ込む。このようにして、容器51に蓋体1を取り付けて閉蓋することができる。
蓋体1は、天蓋部2がフィルム状物で形成されているため、全体としての撓み性を有しており、かつ側壁部3の天面部4よりも下側の部分であり、係合部9が形成されている箇所は、紙系素材の厚さに比べて薄いフィルム状物で形成された立ち下がり部5が存在するものの、実質的にはこのフィルム状物は側壁部3における肉厚方向の強さには影響が少ない。したがって、係合部9が形成されている箇所における肉厚方向の強度は、そのほとんどが側壁部3と折り返し部8によるものとなり、係合部9が形成されている箇所には、肉厚方向の強度と弾力性を併せ持たせることができる。そのため、本発明に係る蓋体1は、図5(a)に示すように、側壁部3の下端位置3bでの内寸dよりも容器51のカール部54の外寸Dの方が大きい場合であっても、容器51に蓋体1を順次はめ込んでいくと、容器51の口部52が縮まる方向へと変形し、カール部54の外寸Dが側壁部3の下端位置3bでの内寸dと同じになる。そのため、容器51の口部52及びカール部54が蓋体1に嵌合する。そして、蓋体1を容器51の口部52やカール部54が天面部4の裏面4bに近づく方向に嵌合させていくと、側壁部3の下端位置3bにおいては縮まる方向へ変形していた容器51が、蓋体1の折り返し部8で囲まれた空間内で、折り返し部8の内面に沿いながら元の形状に復元するよう、口部52が徐々に広がる方向へと変形する。そして、図5(c)に示すように、容器51のカール部54は上端部が天面部4の裏面4bと接触し、かつ外周部分が折り返し部8の内周面にある係合部9と係合する。
このように、容器51に対して蓋体1を係合部9において係合させると、蓋体1が上端から下端に向けて先細りテーパ状に形成されているため、蓋体1の係合部9と容器51のカール部54とが強く係合する。そのため、例えば蓋体1のみを手に取って容器51を上方向に持ち上げて容器51及び内容物の自重が蓋体1にかかる状態となっても、蓋体1が容器51から外れるといったおそれを大きく低減させることが可能になる。
また、この蓋体1は、容器51のカール部54と天面部4とを接触しやすくすることもでき、また接触したときの状態によっては、容器51が天蓋部2を下方向から突き上げる方向に力を加えるようにすることもできる。この場合、蓋体1は天蓋部2がフィルム状物で形成されているため、容器51の突き上げ方向への力が加わった場合にはその方向へ伸張するように弾性変形しやすい。そのため、この場合にはより天蓋部2に作用する張力が大きくなり、よりカール部54との密着度が向上する。そのため、より閉蓋時の容器51の収容空間53の密閉性を向上させることができるとともに、内容物の漏れの発生をより強く防止することが可能になる。
また、この蓋体1は、天蓋部2をフィルム状物で形成しているため、閉蓋時に容器51の収容空間53内にある内容物が閉蓋したまま視認することも可能になる。そのため、例えば、内容物を外気に触れさせたくないといった場合などは、蓋体1を取り外さずに内容物を確認することもできるので、内容物をより長持ちさせることもでき、また簡単に内容物の状態などを確認できるので、人に安心感を与えることもできる。
また、この蓋体1は、天面部4の接合領域7において容器51のカール部53と熱シールや超音波接合等の上記した種々の方法によって接合することもできる。そのため、例えばインスタント食品のように、流通時は容器51の収容空間53内を高い密閉度にしておき、かつ飲食時には容易に取り外すことができる蓋体1としても適用することが可能である。この場合、蓋体1は、流通時は接合領域7でカール部54との接合がなされており、飲食時に接合箇所を剥がして蓋体1を取り外す。そして、開蓋後は容器51のカール部54を蓋体1の係合部9と係合させることによって、高い密閉性を確保した状態で閉蓋することもできる。このように、本発明に係る蓋体1によれば、容器と熱シール等の方法により閉蓋する蓋と、その蓋を剥がして一度開蓋した後に用いる蓋とを兼用することができるので、蓋体としての利便性を大きく向上させることもでき、かつ部材点数を減らせることからコストも大きく低減させることが可能になる。
また、この蓋体1は、側壁部3が延出壁10を有しているので、蓋体1を容器51から取り外す際の手がかりとすることができ、開蓋時の操作性も大きく向上させることができる。また、この延出壁10を形成することで、例えば内容物が飲料の場合には飲みやすさや口当たりの良さも確保することができ、使いやすい蓋体とすることが可能になる。
また、この蓋体1は、図6に示すように、蓋体1の延出壁10を形成することによって、流通時におけるスタッキング性も大きく向上させることができる。これは、蓋体1が上端から下端に向けて先細りテーパ状に形成されているため、下に位置する蓋体1の天面部4の表面4b上に次の蓋体1を載せていくことができ、少ないスペースでの保管や運搬が可能になり、保管や運搬のコストを低減することができる。また、蓋体1は延出壁10を形成しておくことにより、例えば商品を陳列する際なども含めて、スタッキングした蓋体や商品を崩れにくくすることができる。
以上、本発明に係る蓋体1の構成及び作用効果について詳細に説明したが、本発明に係る蓋体1は上記した態様に限定されるものではない。例えば、図7に示す変形例に係る蓋体1のように、天蓋部2に飲み口を形成しておき、その飲み口を開閉しやすくするためにラベル31を張り付け等により設けてもよい。この場合、飲み口21を形成するための切込み線23は、ハーフカットにより形成しても良いし、数か所に点止め部を形成しておく態様でもよいし、これら以外の方法でもよい。また、ラベル22は、図7の例では切込み線23を全体的に覆うように設けた例を用いて説明しているが、切込み線23を覆うようにしなくてもよく、またラベル23の形状もこれに限定されるものではない。
なお、図示はしていないが、天蓋部2に設けるのは飲み口21に限定されない。例えば、ストローを挿入する開口孔や切込みを形成してもよいし、また、湯切りの孔を形成しておいてもよい。これら以外にも、任意に形状変更等をすることも可能である。
また、図8に示すように、側壁部3の延出壁10の形状も先に説明したものに限定されない。例えば、先に説明したのは図8(b)に示すカール状の張出部11を形成した例であるが、図8(a)に示すように張出部11を形成しなくても良い。また、図8(c)に示すように張出部11をカール状にせず、外側に折り返した態様でもよいし、図8(d)や図8(e)に示すように内側に折り返した態様でもよい。また、内側に折り返す場合、折り返し方は図8(d)に示すように、折り返した片の端部が天蓋部2に接する位置まで設けてもよいし、図8(e)に示すように、折り返した片の端部が天蓋部2の上方位置となるようにしてもよい。さらには、図8(f)に示すように、側壁部3は延出壁10を有していなくてもよい。
図9に示すのは、係合部9の変形例である。すなわち、係合部9は側壁部3(折り返し部8を含む)の内部が押圧形成されることで形成するようにしてもよく、その場合に、図9(a)、図9(c)に示すように、側壁部3の内面に凹状に形成されるようにしてもよいし、図9(b)に示すように、側壁部3の内面から蓋体1の内方向に向けて凸状に形成されていてもよい。また、これら以外の態様であっても良い。なお、本発明に係る蓋体は、各種の飲食物を内容物として収容する容器の蓋体として適用することができ、大きさや形状は任意に変更してよい。また、飲食物は、容器に収容されるものの総称であり、例えばコーヒーやジュース等のような各種の飲料、総菜やインスタント食品等のような各種の食品が含まれる。本発明に係る蓋体の適用例としては、インスタントラーメン、スープ、各種弁当、ヨーグルトやプリン等が挙げられるが、これに限定するものではない。
以上、本発明に係る蓋体について詳細に説明したが、上記したのは本発明に係る蓋体の実施の形態を例示したに過ぎないものである。そのため、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変更してよい。
1 蓋体
2 天蓋部
3 側壁部
3a 内面
3b 下端位置
4 天面部
4a 裏面
4b 表面
5 立ち下がり部
5a 外面
5b 下端部
6 折り曲げ部
7 接合領域
8 折り返し部
9 係合部
10 延出壁
11 張出部
21 飲み口
22 ラベル
51 容器
52 口部
53 収容空間
54 カール部

Claims (12)

  1. 容器口部に着脱可能に取り付けられる蓋体であって、
    フィルム状物で形成された天蓋部と、
    紙系素材で形成されており、前記天蓋部を囲繞状に配置される側壁部とを備え、
    前記天蓋部及び前記側壁部は、該天蓋部の周縁を折り曲げ形成して成形された立ち下がり部と前記側壁部とが接合一体化されており、
    前記側壁部には、前記天蓋部の下面側に前記容器口部と係合するための係合部が形成されていることを特徴とする蓋体。
  2. 前記フィルム状物が透光性を有する請求項1記載の蓋体。
  3. 前記フィルム状物が熱融着性を有する請求項1記載の蓋体。
  4. 前記天蓋部は、折り曲げ部を介して前記立ち下がり部と連続形成された天面部を有しており、
    前記天面部には、周縁部分に接触領域が形成されており、
    前記接触領域において前記容器口部と接合される請求項1記載の蓋体。
  5. 前記係合部は、前記側壁部の内部が押圧成形されることで形成されている請求項1記載の蓋体。
  6. 前記係合部が前記側壁部の内面から前記蓋体の内方向に向けて凸状に形成されている請求項1記載の蓋体。
  7. 前記係合部が前記側壁部の内面に凹状に形成されている請求項1記載の蓋体。
  8. 前記側壁部の内面と前記立ち下がり部の外面とが接合一体化されている請求項1記載の蓋体。
  9. 前記側壁部は、上端部よりも下端部の方が小さく形成されている請求項1記載の蓋体。
  10. 前記側壁部は、上端部から下端部に向けて先細りテーパ状に形成されている請求項1記載の蓋体。
  11. 前記側壁部は、下端位置から前記立ち下がり部の内面に折り曲げられた折り返し部を有しており、
    前記折り返し部は、前記立下り部の内面と接合一体化されている請求項1記載の蓋体。
  12. 前記折り返し部が、少なくとも前記係合部が形成される位置まで前記立ち下がり部の内面側に形成されている請求項11記載の蓋体。

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