JP2022067177A - ガス還流装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧力センサによる圧力の検出精度を高める。【解決手段】エンジン11の排気系19から吸気系17に排出ガスの一部を供給するガス還流装置10であって、排気系19と吸気系17とを互いに接続するEGR配管53と、EGR配管53に設けられ、排出ガスの供給量を制御するEGRバルブ52と、EGR配管53の排気系19とEGRバルブ52との間に設けられるEGR圧力センサ55と、EGR圧力センサ55の出力信号を補正するセンサ補正部と、を有し、センサ補正部は、エンジン11が回転停止状態に制御される場合に、大気圧力を検出する大気圧センサの出力信号に基づいて、EGR圧力センサ55の出力信号を補正し、エンジン11が燃料カット状態に制御される場合に、吸入空気量を検出するエアフローセンサ76の出力信号に基づいて、EGR圧力センサ55の出力信号を補正する。【選択図】図8

Description

本発明は、エンジンの排気系から吸気系に排出ガスの一部を供給するガス還流装置に関する。
排気系から吸気系に対して排出ガスの一部を還流させるエンジンが開発されている(特許文献1~3参照)。排気系から吸気系に排出ガスを還流させることにより、燃焼室に向かう吸入空気に排出ガスを混ぜることができるため、エンジンの燃費性能や排気浄化性能を高めることができる。また、近年の車両においては、エンジンの燃費性能や排気浄化性能を更に向上させる観点から、吸入空気に対する排出ガスの混合比であるEGR率が高められている。
特開平10-184408号公報 特開2003-269143号公報 国際公開第2011/52066号
ところで、吸気系に多くの排出ガスを還流させてEGR率を高める際には、シリンダ内の燃焼安定性等を確保するため、還流させる排出ガス量を高精度に検出してEGR率を制御することが重要である。このため、吸気系に向けて排出ガスを案内するEGR通路には、EGR通路内の圧力を検出する圧力センサが設けられている。しかしながら、EGR通路に設けられた圧力センサは排出ガスに曝されることから、圧力センサによる圧力の検出精度が低下する虞がある。このため、圧力センサがEGR通路に設けられる場合であっても、圧力センサによる圧力の検出精度を高めることが求められている。
本発明の目的は、圧力センサによる圧力の検出精度を高めることにある。
本発明のガス還流装置は、エンジンの排気系から吸気系に排出ガスの一部を供給するガス還流装置であって、前記排気系と前記吸気系とを互いに接続するEGR通路と、前記EGR通路に設けられ、排出ガスの供給量を制御するEGRバルブと、前記EGR通路の前記排気系と前記EGRバルブとの間に設けられる圧力センサと、前記圧力センサの出力信号を補正するセンサ補正部と、を有し、前記センサ補正部は、前記エンジンが回転停止状態に制御される場合に、大気圧力を検出する大気圧センサの出力信号に基づいて、前記圧力センサの出力信号を補正し、前記エンジンが燃料カット状態に制御される場合に、吸入空気量を検出するエアフローセンサの出力信号に基づいて、前記圧力センサの出力信号を補正する。
本発明によれば、センサ補正部は、エンジンが燃料カット状態に制御される場合に、吸入空気量を検出するエアフローセンサの出力信号に基づいて、圧力センサの出力信号を補正する。これにより、圧力センサによる圧力の検出精度を高めることができ、EGRバルブを適切に制御することができる。
本発明の一実施の形態であるガス還流装置を備えたエンジンを示す概略図である。 ガス還流装置が備える制御系の一例を示す図である。 (A)はストイキ燃焼モードとリーン燃焼モードとの実行領域の一例を示す図であり、(B)はストイキ燃焼モードおよびリーン燃焼モードと空燃比との関係の一例を示す図である。 (A)はEGR圧力センサの一部を示す拡大断面図であり、(B)はEGR圧力センサの出力電圧の一例を示す図である。 センサ補正制御が実行されるエンジンの回転停止状態を示す図である。 センサ補正制御の実行状況を示す図である。 EGR圧力センサの出力電圧の補正例を示す図である。 センサ補正制御が実行されるエンジンの燃料カット状態を示す図である。 推定オフセット量の積算状況の一例を示す図である。 (A)はエンジン回転数とオフセット積算速度との関係を示す図であり、(B)はエンジンに対する要求駆動力とオフセット積算速度との関係を示す図である。 モード判定処理の実行状況の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
[エンジン構造]
図1は本発明の一実施の形態であるガス還流装置10を備えたエンジン11を示す概略図である。図1に示すように、エンジン11は、シリンダブロック12と、これに取り付けられるシリンダヘッド13と、を有している。シリンダブロック12には、クランク軸14が回転自在に支持されるとともに、クランク軸14に連結されるピストン15が往復動自在に収容されている。また、シリンダヘッド13には、吸気ポート16に向けて吸入空気を案内する吸気系17が接続されており、排気ポート18から排出された排出ガスを案内する排気系19が接続されている。さらに、シリンダヘッド13には、燃焼室20内に燃料を噴射するインジェクタ21が設けられている。
シリンダヘッド13に接続される吸気系17は、エアクリーナボックス30、スロットルバルブ31、吸気マニホールド32、およびこれらの部品を連結する吸気管33,34によって構成されている。また、シリンダヘッド13に接続される排気系19は、排気マニホールド35、触媒コンバータ36~38、消音器39、およびこれらの部品を連結する排気管40~43によって構成されている。エアクリーナボックス30から取り込まれた吸入空気は、スロットルバルブ31を経て吸気マニホールド32に供給され、吸気マニホールド32から吸気ポート16を経て燃焼室20に供給される。そして、燃焼室20から排出される排出ガスは、排気マニホールド35から各種触媒コンバータ36~38および消音器39を経て外部に放出される。なお、図示する例では、触媒コンバータ36~38として、三元触媒コンバータ(Three Way Catalyst,TWC)36が設けられており、前後2つのリーンNOx吸蔵触媒コンバータ(Lean NOx Trap catalyst,LNT)37,38が設けられている。
[ガス還流装置]
エンジン11には、排気系19から吸気系17に排出ガスの一部を供給するガス還流装置10が設けられている。以下の説明では、排気系19から吸気系17に供給される排出ガスを、EGRガスとして記載する。なお、EGRとは、「Exhaust Gas Recirculation」である。
ガス還流装置10は、排気系19の排気管40に接続されるEGR上流配管50と、吸気系17の吸気マニホールド32に接続されるEGR下流配管51と、EGR上流配管50とEGR下流配管51との間に設けられるEGRバルブ52と、を有している。つまり、EGR上流配管50およびEGR下流配管51によって構成されるEGR配管(EGR通路)53には、EGR配管53を開閉するEGRバルブ52が設けられている。また、EGR上流配管50には、EGRガスを冷却するEGRクーラ54が設けられており、EGRガスの圧力を検出するEGR圧力センサ(圧力センサ)55が設けられている。さらに、EGR下流配管51には、EGRガスの温度を検出するEGR温度センサ56が設けられている。
排気系19から吸気系17に対するEGRガスの供給は、図示しないソレノイドを備えたEGRバルブ52によって制御される。つまり、ソレノイドを制御してEGRバルブ52が開かれると、排気系19からEGR配管53を介して吸気系17にEGRガスが供給される。一方、ソレノイドを制御してEGRバルブ52が閉じられると、EGR配管53が遮断されるため、排気系19から吸気系17に対するEGRガスの供給が止められる。なお、排気系19から吸気系17に供給されるEGRガスの供給量は、後述するように、EGRバルブ52の前後に作用する圧力差によって増減するとともに、EGRバルブ52の開度に応じて増減する。
[制御系]
図2はガス還流装置10が備える制御系の一例を示す図である。図2に示すように、ガス還流装置10は、マイコン等からなるコントローラ60を有している。コントローラ60には、スロットルバルブ31の開度を制御するスロットル制御部61、インジェクタ21の燃料噴射量を制御するインジェクタ制御部62、およびEGRバルブ52の開度を制御するEGR制御部63が設けられている。コントローラ60に接続されるセンサとして、アクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ70、ブレーキペダルの操作量を検出するブレーキセンサ71、および車両の走行速度を検出する車速センサ72がある。また、コントローラ60に接続されるセンサ等として、クランク軸14の回転速度であるエンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ73、大気圧力を検出する大気圧センサ74、および車両の制御システムを起動する際に操作されるスタートスイッチ75がある。さらに、コントローラ60に接続されるセンサとして、前述したEGR圧力センサ55およびEGR温度センサ56があり、吸気系17を流れる吸入空気の流量つまり吸入空気量を検出するエアフローセンサ76があり、吸気マニホールド32内の圧力を検出する吸気圧力センサ77等がある。
コントローラ60の各制御部61~63は、各センサからの出力信号に基づいて、スロットルバルブ31の目標開度、インジェクタ21の目標噴射量、およびEGRバルブ52の目標開度を設定する。そして、コントローラ60の各制御部61~63は、各目標値に応じて設定された制御信号を、スロットルバルブ31、インジェクタ21およびEGRバルブ52に向けて出力する。例えば、EGRバルブ52を制御するEGR制御部63は、エンジン11の運転状態に応じて目標となるEGR率(吸入空気に対するEGRガスの混合率)を設定し、このEGR率に基づきEGRバルブ52の開度を制御する。
すなわち、EGR制御部63は、エアフローセンサ76からの出力信号に基づいて吸入空気量を算出し、この吸入空気量に混合させるEGRガス量をEGR率に基づいて算出する。また、EGR制御部63は、吸気圧力センサ77およびEGR圧力センサ55からの出力信号に基づいて、EGRバルブ52の前後の圧力差を算出する。そして、EGR制御部63は、目標とするEGRガス量が流れるように、EGRバルブ前後の圧力差に基づきEGRバルブ52の開度を制御している。つまり、同量のEGRガス量を得る場合であっても、EGRバルブ前後の圧力差が小さい場合には、EGRバルブ52の開度が大きく制御される一方、EGRバルブ前後の圧力差が大きい場合には、EGRバルブ52の開度が小さく制御されることになる。なお、EGR制御部63は、EGRガス量を高精度に制御する観点から、EGRガスの温度に基づきEGRガスの密度を算出し、EGRガスの密度に基づきEGRバルブ52の目標開度を補正している。
[燃焼モード]
続いて、エンジン11の燃焼モードについて説明する。図3(A)はストイキ燃焼モードとリーン燃焼モードとの実行領域の一例を示す図であり、図3(B)はストイキ燃焼モードおよびリーン燃焼モードと空燃比との関係の一例を示す図である。図3(A)に示すように、エンジン11の燃焼モードとして、ストイキ燃焼モードおよびリーン燃焼モードが設定されている。ストイキ燃焼モードは、エンジン11に対する要求駆動力が大きい領域や、エンジン回転数が高い領域で実行される燃焼モードである。また、リーン燃焼モードは、エンジン11に対する要求駆動力が小さい領域や、エンジン回転数が低い領域で実行される燃焼モードである。なお、コントローラ60のスロットル制御部61、インジェクタ制御部62およびEGR制御部63はエンジン制御部として機能しており、これらの制御部61~63によってストイキ燃焼モードやリーン燃焼モードが実行されている。
図3(B)に示すように、ストイキ燃焼モードにおいては、エンジン11を運転する際の空燃比が、理論空燃比(例えば14.7)を含む所定範囲r1で制御される。また、リーン燃焼モードにおいては、エンジン11を運転する際の空燃比が、所定範囲r1よりも大きな所定範囲r2で制御される。つまり、リーン燃焼モードは、エンジン11を理論空燃比よりも燃料の薄い空燃比で運転する燃焼モードである。また、燃料の薄いリーン燃焼モードにおいては、混合気の燃焼安定性を確保する観点から、ストイキ燃焼モードに比べてEGR率を高精度に制御する必要がある。つまり、EGRバルブ52を制御するコントローラ60には、EGR圧力センサ55および吸気圧力センサ77からの出力信号に基づいて、EGRバルブ52の前後に作用する圧力差を正確に把握することが求められている。
[EGR圧力センサ]
図4(A)はEGR圧力センサ55の一部を示す拡大断面図であり、図4(B)はEGR圧力センサ55の出力電圧の一例を示す図である。図4(A)に示すように、EGR圧力センサ55は、凹状のセンサ取付部80を備えたケース本体81と、センサ取付部80に台座82を介して取り付けられるセンサチップ83と、ケース本体81に設けられるリード端子84と、を有している。また、ケース本体81のセンサ取付部80にはフッ素ゲル等のゲル素材からなるゲル保護材85が充填されており、このゲル保護材85によってセンサチップ83が保護されている。ところで、EGR圧力センサ55は排出ガスであるEGRガスに曝されることから、センサチップ83を覆うゲル保護材85がEGRガスによって膨潤および変形し、ゲル保護材85を介してセンサチップ83に伝達される圧力を変化させてしまう虞がある。
例えば、図4(B)に特性線Lxで示すように、EGR圧力センサ55は、圧力Pxが作用する場合に、出力電圧(出力信号)Vxを出力するように設計されている。しかしながら、ゲル保護材85の膨潤等によって特性線が「La」に変化していた場合には、EGR圧力センサ55に圧力Pxが作用する状況であっても、出力電圧として「Vx」よりも高い「Va」が出力されることになる。また、ゲル保護材85の膨潤等によって特性線が「Lb」に変化していた場合には、EGR圧力センサ55に圧力Pxが作用する状況であっても、出力電圧として「Vx」よりも低い「Vb」が出力されることになる。
[センサ補正制御]
・(回転停止状態)
前述したように、EGR圧力センサ55の出力電圧は、ゲル保護材85の膨潤等によって変化してしまう虞がある。そこで、コントローラ60にはセンサ補正部64が設けられており、このセンサ補正部64によってEGR圧力センサ55の出力電圧を補正するセンサ補正制御が実行される。図5はセンサ補正制御が実行されるエンジン11の回転停止状態を示す図であり、図6はセンサ補正制御の実行状況を示す図であり、図7はEGR圧力センサ55の出力電圧の補正例を示す図である。
図5に示すように、エンジン11が回転停止状態に制御される場合に、コントローラ60のセンサ補正部64によってセンサ補正制御が実行される。なお、エンジン11の回転停止状態とは、クランク軸14の回転が停止する状態である。例えば、スタートスイッチ75がオフ操作されている場合や、アイドリングストップ制御が実行されている場合に、エンジン11は回転停止状態に制御される。また、エンジン11の回転停止状態においては、吸気系17や排気系19に対して吸入空気や排出ガスが流れることはなく、EGR上流配管50内の圧力は外部の大気圧力APに対して等しくなる。
つまり、図5に破線の矢印で示すように、EGR上流配管50と外部とは互いに連通することから、EGR上流配管50内の圧力は外部の大気圧力APに対して等しくなっている。このように、エンジン11の回転停止状態において、EGR圧力センサ55には大気圧力APが作用することから、このタイミングにおけるEGR圧力センサ55の出力電圧が、大気圧力APを示す所定の基準電圧(基準信号)に補正される。なお、コントローラ60のセンサ補正部64には、EGR圧力センサ55の特性線Lxが記憶されており、センサ補正部64は、特性線Lxに基づき大気圧力APを示す基準電圧を求めている。
すなわち、図6に矢印αで示すように、エンジン11が回転停止状態に制御される状況、つまりEGR圧力センサ55に大気圧力APが作用する状況において、EGR圧力センサ55の出力電圧が基準電圧V1xよりも高い「V1a」であった場合には、EGR圧力センサ55が特性線L1aに沿って出力電圧を出力していると推定される。この場合には、出力電圧V1aを基準電圧V1xに補正する補正電圧として「-a1」が設定される。このように、補正電圧として「-a1」が設定されると、図7に示すように、EGR圧力センサ55の出力電圧Voxが、出力電圧Voxから補正電圧「a1」を減算した出力電圧Voaに補正される。
また、図6に矢印αで示すように、エンジン11が回転停止状態に制御される状況、つまりEGR圧力センサ55に大気圧力APが作用する状況において、EGR圧力センサ55の出力電圧が基準電圧V1xよりも低い「V1b」であった場合には、EGR圧力センサ55が特性線L1bに沿って出力電圧を出力していると推定される。この場合には、出力電圧V1bを基準電圧V1xに補正する補正電圧として「+b1」が設定される。このように、補正電圧として「+b1」が設定されると、図7に示すように、EGR圧力センサ55の出力電圧Voxが、出力電圧Voxに補正電圧「b1」を加算した出力電圧Vobに補正される。
・(燃料カット状態)
前述したセンサ補正制御の実行タイミングとしては、エンジン11の回転停止状態に限られることはなく、エンジン11の燃料カット状態においてもセンサ補正制御が実行される。ここで、図8はセンサ補正制御が実行されるエンジン11の燃料カット状態を示す図である。
図8に示すように、エンジン11が燃料カット状態に制御される場合に、コントローラ60のセンサ補正部64によってセンサ補正制御が実行される。なお、エンジン11の燃料カット状態とは、クランク軸14の回転を維持したままインジェクタ21の燃料噴射が停止する状態である。例えば、アクセルペダルの踏み込みが解除された場合や、ブレーキペダルが踏み込まれた場合に、エンジン11は燃料カット状態に制御される。また、エンジン11の燃料カット状態においては、排気系19を流れる排出ガスの圧力が安定することから、吸入空気の流量に基づいてEGR上流配管50の圧力を推定することができる。
図8に示すように、エンジン11の燃料カット状態においては、エンジン11の燃焼室20を通過した吸入空気が、そのまま排出ガスとして触媒コンバータ36~38および消音器39を通過して外部に放出される。つまり、吸入空気の流量と排出ガスの流量とが互いにほぼ一致するため、エアフローセンサ76によって検出された吸入空気の流量を排出ガスの流量とみなすことができる。そして、コントローラ60のセンサ補正部64は、吸入空気の流量つまり排出ガスの流量と、排気系19の所定区間Ex1の配管抵抗とを用いることにより、排気系19の所定区間Ex1における圧力損失PLを算出する。
続いて、センサ補正部64は、以下の式(1)に示すように、消音器39の開放端部の圧力である大気圧力APに圧力損失PLを加算し、排気系19の所定位置Ex2における圧力Pex2を算出する。この排気系19の所定位置Ex2には、EGR配管53のEGR上流配管50が接続されることから、所定位置Ex2の圧力Pex2をEGR配管53の圧力つまりEGR圧力センサ55に作用する圧力とみなすことができる。このように、エンジン11の燃料カット状態においては、EGR圧力センサ55には所定位置Ex2の圧力Pex2が作用することから、このタイミングにおけるEGR圧力センサ55の出力電圧が、圧力Pex2を示す所定の基準電圧(基準信号)に補正される。なお、コントローラ60のセンサ補正部64には、排気系19の所定区間Ex1の配管抵抗が記憶されている。また、コントローラ60のセンサ補正部64には、EGR圧力センサ55の特性線Lxが記憶されており、センサ補正部64は、特性線Lxに基づき圧力Pex2を示す基準電圧を求めている。
Pex2=AP+PL ・・(1)
すなわち、図6に矢印βで示すように、エンジン11が燃料カット状態に制御される状況、つまりEGR圧力センサ55に圧力Pex2が作用する状況において、EGR圧力センサ55の出力電圧が基準電圧V2xよりも高い「V2a」であった場合には、EGR圧力センサ55が特性線L2aに沿って出力電圧を出力していると推定される。この場合には、出力電圧V2aを基準電圧V2xに補正する補正電圧として「-a2」が設定される。このように、補正電圧として「-a2」が設定されると、図7に示すように、EGR圧力センサ55の出力電圧Voxが、出力電圧Voxから補正電圧「a2」を減算した出力電圧Voaに補正される。
また、図6に矢印βで示すように、エンジン11が燃料カット状態に制御される状況、つまりEGR圧力センサ55に圧力Pex2が作用する状況において、EGR圧力センサ55の出力電圧が基準電圧V2xよりも低い「V2b」であった場合には、EGR圧力センサ55が特性線L2bに沿って出力電圧を出力していると推定される。この場合には、出力電圧V2bを基準電圧V2xに補正する補正電圧として「+b2」が設定される。このように、補正電圧として「+b2」が設定されると、図7に示すように、EGR圧力センサ55の出力電圧Voxが、出力電圧Voxに補正電圧「b2」を加算した出力電圧Vobに補正される。
このように、エンジン11が回転停止状態や燃料カット状態に制御される際に、大気圧力および吸入空気量に基づいてEGR圧力センサ55の出力電圧を補正したので、EGR圧力センサ55によってEGR上流配管50の圧力を高精度に検出することができる。これにより、EGRバルブ52の前後に作用する圧力差を高精度に算出することができるため、EGRバルブ52によってEGR率を高精度に制御することができる。
[モード判定処理]
続いて、リーン燃焼モードの実行許可を判定するモード判定処理について説明する。前述したように、燃料の薄いリーン燃焼モードにおいては、混合気の燃焼安定性を確保する観点から、ストイキ燃焼モードに比べてEGR率を高精度に制御することが求められている。また、EGR率を高精度に制御するためには、EGR圧力センサ55によってEGR上流配管50の圧力を高精度に検出することが重要である。そこで、コントローラ60にはモード判定部(オフセット推定部)65が設けられており、このモード判定部65によってリーン燃焼モードを許可するか否かを判定するモード判定処理が実行される。
まず、モード判定処理において用いられる推定オフセット量について説明する。図9は推定オフセット量の積算状況の一例を示す図である。図10(A)はエンジン回転数とオフセット積算速度との関係を示す図であり、図10(B)はエンジン11に対する要求駆動力とオフセット積算速度との関係を示す図である。
図9に示すように、エンジン11が燃料噴射状態に制御される場合には、EGR圧力センサ55の推定オフセット量(オフセット量)が積算され、エンジン11が回転停止状態や燃料カット状態に制御される場合には、EGR圧力センサ55の推定オフセット量はゼロにリセットされる。モード判定部65によって算出される推定オフセット量は、エンジン11の運転状態に応じて積算される値であり、EGRガスに曝されることで変化するEGR圧力センサ55の出力電圧のオフセット量を意味している。
すなわち、図10(A)および(B)に示すように、モード判定部65は、燃料噴射状態におけるエンジン回転数や要求駆動力に基づきオフセット積算速度を設定し、設定されたオフセット積算速度に基づき推定オフセット量を算出する。つまり、エンジン11の燃料噴射中においては、オフセット積算速度つまり単位時間当たりのオフセット量が積算され、積算されたオフセット量が推定オフセット量として算出される。換言すれば、燃料噴射中に積算される推定オフセット量は、燃料噴射中におけるエンジン回転数および要求駆動力の積分値に相当する。なお、図9に示した例では、エンジン11の運転状態が一定に制御された場合、つまりエンジン回転数や要求駆動力が一定である場合の推定オフセット量が示されている。
以下、推定オフセット量を用いたモード判定処理について説明する。図11はモード判定処理の実行状況の一例を示す図である。図11にはエンジン11が始動されてから停止するまでの状況が示されている。図11に示すように、時刻t1では、エンジン11が回転停止状態に制御されることから(符号a1)、EGR圧力センサ55の出力電圧の補正が実施され(符号b1)、EGR圧力センサ55の推定オフセット量は「0」に設定される(符号c1)。また、時刻t1においては、推定オフセット量が後述する閾値Xaを下回ることから、リーン燃焼モードの実行が許可される(符号d1)。
時刻t2で示すように、エンジン11が燃料噴射状態に制御されると(符号a2)、EGR圧力センサ55の電圧補正が停止され(符号b2)、EGR圧力センサ55の推定オフセット量が「0」から増加し始める(符号c2)。続いて、時刻t3で示すように、減速走行等によってエンジン11が燃料カット状態に制御されると(符号a3)、EGR圧力センサ55の電圧補正が実施され(符号b3)、EGR圧力センサ55の推定オフセット量が「0」にリセットされる(符号c3)。その後、時刻t4で示すように、再びエンジン11が燃料噴射状態に制御されると(符号a4)、EGR圧力センサ55の電圧補正が停止され(符号b4)、EGR圧力センサ55の推定オフセット量が「0」から増加し始める(符号c4)。
そして、時刻t5で示すように、推定オフセット量が所定の閾値Xaを上回ると(符号c5)、リーン燃焼モードの実行が禁止される(符号d2)。つまり、推定オフセット量が閾値Xaを上回る状況とは、EGR圧力センサ55の出力電圧に大きなずれが生じる状況であり、EGR圧力センサ55による圧力の検出精度が低下する状況である。このため、推定オフセット量が閾値Xaを上回る場合には、EGR率の高精度な制御が求められるリーン燃焼モードの実行が禁止される。その後、時刻t6で示すように、エンジン11が回転停止状態に制御されると(符号a5)、EGR圧力センサ55の電圧補正が実施され(符号b5)、EGR圧力センサ55の推定オフセット量が「0」にリセットされる(符号c6)。このように、推定オフセット量がリセットされて閾値Xaを下回ると、再びリーン燃焼モードの実行が許可される(符号d3)。
このように、エンジン11の運転状態に基づき推定オフセット量が算出され、この推定オフセット量が閾値Xaを上回る場合には、EGR率の高精度な制御が求められるリーン燃焼モードの実行が禁止される。これにより、リーン燃焼モードを実行する際には、EGR圧力センサ55の検出精度が高い状態であることから、燃料の薄いリーン燃焼モードを適切に実行することができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、図4および図6には、EGR圧力センサ55の出力電圧が変化する状況として、特性線La,Lb,L1a,L1b,L2a,L2bを例に挙げているが、これらの特性線に限られることはない。また、EGR圧力センサ55として、センサチップ83をゲル保護材85で覆うようにした圧力センサを例示したが、これに限られることはなく、如何なる構造の圧力センサであっても、本発明を用いて出力電圧を補正しても良い。また、前述の説明では、EGRバルブ52の開度をソレノイドによって制御しているが、これに限られることはなく、EGRバルブ52の開度を電動モータによって制御しても良い。また、前述の説明では、エンジン11の燃焼モードとして、ストイキ燃焼モードおよびリーン燃焼モードを例示しているが、これに限られることはなく、他の燃焼モードを追加しても良い。
10 ガス還流装置
11 エンジン
17 吸気系
19 排気系
52 EGRバルブ
53 EGR配管(EGR通路)
55 EGR圧力センサ(圧力センサ)
61 スロットル制御部(エンジン制御部)
62 インジェクタ制御部(エンジン制御部)
63 EGR制御部(エンジン制御部)
64 センサ補正部
65 モード判定部(オフセット推定部)
74 大気圧センサ
76 エアフローセンサ

Claims (4)

  1. エンジンの排気系から吸気系に排出ガスの一部を供給するガス還流装置であって、
    前記排気系と前記吸気系とを互いに接続するEGR通路と、
    前記EGR通路に設けられ、排出ガスの供給量を制御するEGRバルブと、
    前記EGR通路の前記排気系と前記EGRバルブとの間に設けられる圧力センサと、
    前記圧力センサの出力信号を補正するセンサ補正部と、
    を有し、
    前記センサ補正部は、
    前記エンジンが回転停止状態に制御される場合に、大気圧力を検出する大気圧センサの出力信号に基づいて、前記圧力センサの出力信号を補正し、
    前記エンジンが燃料カット状態に制御される場合に、吸入空気量を検出するエアフローセンサの出力信号に基づいて、前記圧力センサの出力信号を補正する、
    ガス還流装置。
  2. 請求項1に記載のガス還流装置において、
    前記センサ補正部は、
    前記エンジンが回転停止状態に制御される場合に、大気圧力を示す基準信号に前記圧力センサの出力信号を補正し、
    前記エンジンが燃料カット状態に制御される場合に、吸入空気量および大気圧力に基づき前記EGR通路の圧力を推定し、前記EGR通路の圧力を示す基準信号に前記圧力センサの出力信号を補正する、
    ガス還流装置。
  3. 請求項1または2に記載のガス還流装置において、
    前記エンジンの運転状態に基づいて、前記圧力センサの出力信号のオフセット量を推定するオフセット推定部と、
    前記エンジンを理論空燃比よりも燃料の薄い空燃比で運転するリーン燃焼モードに制御するエンジン制御部と、
    を有し、
    前記オフセット量が閾値を上回る場合に、前記リーン燃焼モードの実行は禁止される、
    ガス還流装置。
  4. 請求項3に記載のガス還流装置において、
    前記オフセット推定部は、前記圧力センサの出力信号が補正される場合に、前記オフセット量をゼロにリセットする、
    ガス還流装置。
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