JP2022065889A - 樹脂組成物およびそれを用いた光学フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス域光弾性係数が小さく、良好な位相差発現性および高いガラス転移温度を有する位相差フィルムを与える樹脂組成物を提供する。【解決手段】式(1)で示される残基単位を含有する重合体A(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は水素原子または炭素数1~8のアルキル基)と、芳香環およびヘテロ原子を1つ以上含んでもよい5~10員環複素環残基単位を含有する重合体Bを含む樹脂組成物およびそれを用いた光学フイルム。JPEG2022065889000008.jpg4155【選択図】なし
Description
本発明は、樹脂組成物およびそれを用いた光学フィルムに関するものであり、より詳しくは、樹脂組成物、耐熱性ならびに位相差特性に優れた液晶ディスプレイ用の光学補償フィルムに関する。
液晶や有機ELなどのフラットパネルディスプレイ(FPD)は、マルチメディア社会における最も重要な表示デバイスとして、携帯電話、コンピュ-タ-用モニタ-、ノ-トパソコン、テレビまで幅広く使用されている。FPDには、表示特性向上のため、多くの光学フィルムが用いられている。特に、位相差フィルムは正面や斜めから見た場合の視認性向上に必要な部材である。
位相差フィルムは、1/4波長、1/2波長板が知られており、材料としてセルロース系樹脂、ポリカーボネートや環状ポリオレフィンなどの延伸フィルムが用いられている。(例えば、特許文献1~3参照。)特にトリアセチルセルロースフィルムなどのセルロース系樹脂からなるフィルムは、偏光子であるポリビニルアルコールとの接着性も良好なことから幅広く使用されている。
ただし、位相差フィルムに用いる材料の種類によっては応力歪みによる複屈折が生じやすく、1/4波長、1/2波長からの位相差ずれによる色相の低下を引き起こす。
ポリメチルメタクリレート(PMMA)は、小さい|Cg|を有するため応力歪みを加えた際に応力歪みによる複屈折が小さく、1/4波長、1/2波長からの位相差ずれが小さい特性を有しているが、固有複屈折(Δn0)も小さいため延伸した際に発現する位相差(面内位相差(Re)=固有複屈折(Δn0)×配向度(f))も小さい。また、PMMAは透明性に優れるもののガラス転移温度(Tg)が低く耐熱性が不足するといった問題があった。
ただし、位相差フィルムに用いる材料の種類によっては応力歪みによる複屈折が生じやすく、1/4波長、1/2波長からの位相差ずれによる色相の低下を引き起こす。
ポリメチルメタクリレート(PMMA)は、小さい|Cg|を有するため応力歪みを加えた際に応力歪みによる複屈折が小さく、1/4波長、1/2波長からの位相差ずれが小さい特性を有しているが、固有複屈折(Δn0)も小さいため延伸した際に発現する位相差(面内位相差(Re)=固有複屈折(Δn0)×配向度(f))も小さい。また、PMMAは透明性に優れるもののガラス転移温度(Tg)が低く耐熱性が不足するといった問題があった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は2種以上のポリマーからなる樹脂組成物が、小さい|Cg|、良好な位相差発現性および高Tgを有する位相差フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討の結果、特定の構成単位を含む重合体Aと重合体Bを含む樹脂組成物が上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記式(1)で示される残基単位を含有する重合体Aと、下記式(2)および下記式(3)で示される残基単位を含有する重合体Bを含む樹脂組成物である。
(式中、R1は水素原子又はメチル基のいずれかを表す。R2は水素原子または炭素数1~8のアルキル基のいずれかを表す。)
(式中、R3、R4はそれぞれ独立して水素原子(ただし、R3、R4が共に水素原子である場合を除く。)、シアノ基、エステル基(-C(=O)OX’1)、アミド基(-C(=O)N(X’2)(X’3))、またはアシル基(-C(=O)X’4)からなる群の1種である。X’1~X’3はそれぞれ独立して炭素数1~12の直鎖状アルキル基、炭素数1~12の分岐状アルキル基、または炭素数3~6の環状アルキル基からなる群の1種である。X‘4は炭素数1~12の直鎖状アルキル基、炭素数1~12の分岐状アルキル基、または炭素数3~14の環状基からなる群の1種である。R5~R9はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1~12の直鎖状アルキル基、炭素数1~12の分岐状アルキル基、炭素数3~14の環状基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、シアノ基、アルコキシ基(-OX’5)、エステル基(-C(=O)OX’6)、アミド基(-C(=O)N(X’7)(X’8))、アシル基(-C(=O)X’9)、アミノ基(-N(X’10)(X’11))、またはスルホン酸基(-SOOX’12)からなる群の1種である。R5~R9は隣接する置換基同士で縮合環構造を形成してもよい。X’5~X’8は、それぞれ独立して炭素数1~12の直鎖状アルキル基、炭素数1~12の分岐状アルキル基、または炭素数3~6の環状アルキル基からなる群の1種である。X’9~X’12はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1~12の直鎖状アルキル基、炭素数1~12の分岐状アルキル基、または炭素数3~6の環状アルキル基のいずれかである。)
(式中、R10はヘテロ原子を1つ以上含むm員環複素環残基またはヘテロ原子を含まないn員環残基を示し、それぞれ置換基を有してもよい。前記m員環複素環残基および前記n員環残基は縮合環構造を形成してもよい。m、nはそれぞれ5~10の整数を示す。)
本発明によれば、ガラス域において応力歪みにより生じる複屈折が低減され高い位相差性能を発現する位相差フィルムの作製に資する、ガラス域光弾性係数の絶対値が小さい樹脂組成物を提供することができる。
以下に本発明の一態様である樹脂組成物について、詳細に説明する。
本発明は、上記式(1)で示される残基単位を含有する重合体Aと、上記式(2)および上記式(3)で示される残基単位を含有する重合体Bを含む樹脂組成物である(以下、「本発明の樹脂組成物」という。)。
本発明の重合体Aは、上記式(1)で示される残基単位を含有する重合体である。
上記式(1)中、R1は水素原子又はメチル基のいずれかを表す。
上記式(1)中、R2は水素原子または炭素数1~8のアルキル基のいずれかを表す。
上記式(1)中、R2は水素原子または炭素数1~8のアルキル基のいずれかを表す。
R2における炭素数1~8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
本発明の重合体Aは、本発明の範囲を超えない限り、前述した残基単位以外の他の単量体残基単位を含有する共重合体であってもよいが、好ましくは上記式(1)で示される残基単位のみを含む。
上記式(1)で示される残基単位の中でも、ガラス域光弾性係数および透明性により優れることからR1はメチル基であることが好ましい。また、R2はメチル基、エチル基またはn-プロピル基からなる群の1種であることが好ましい。具体的な上記式(1)で表される残基単位としては、例えば、メタクリル酸メチル残基単位、メタクリル酸エチル残基単位、メタクリル酸-n-プロピル残基単位、メタクリル酸-イソプロピル残基単位からなる群の少なくとも1種が好ましい。これにより、重合体Aの波長分散特性がフラットとなる。波長分散特性がフラット、―通常、Re(450)/Re(550)=0.98以上―であることにより、ディスプレイ部材用途に好適に使用することができる。
本発明の樹脂組成物は重合体Bを含有する。重合体Bは、上記式(2)および上記式(3)で示される残基単位を含有する重合体である。
本発明の樹脂組成物における重合体Bは、上記式(2)で示される残基単位を有する
上記式(2)において、R3、R4はそれぞれ独立して水素原子(ただし、R3、R4が共に水素原子である場合を除く。)、シアノ基、エステル基(-C(=O)OX’1)、アミド基(-C(=O)N(X’2)(X’3))、またはアシル基(-C(=O)X’4)からなる群の1種である。X’1~X’3はそれぞれ独立して炭素数1~12の直鎖状アルキル基、炭素数1~12の分岐状アルキル基、または炭素数3~6の環状アルキル基からなる群の1種である。X‘4は炭素数1~12の直鎖状アルキル基、炭素数1~12の分岐状アルキル基、または炭素数3~14の環状基からなる群の1種である。
上記式(2)において、R3、R4はそれぞれ独立して水素原子(ただし、R3、R4が共に水素原子である場合を除く。)、シアノ基、エステル基(-C(=O)OX’1)、アミド基(-C(=O)N(X’2)(X’3))、またはアシル基(-C(=O)X’4)からなる群の1種である。X’1~X’3はそれぞれ独立して炭素数1~12の直鎖状アルキル基、炭素数1~12の分岐状アルキル基、または炭素数3~6の環状アルキル基からなる群の1種である。X‘4は炭素数1~12の直鎖状アルキル基、炭素数1~12の分岐状アルキル基、または炭素数3~14の環状基からなる群の1種である。
上記式(2)において、R5~R9はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1~12の直鎖状アルキル基、炭素数1~12の分岐状アルキル基、炭素数3~14の環状基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、シアノ基、アルコキシ基(-OX’5)、エステル基(-C(=O)OX’6)、アミド基(-C(=O)N(X’7)(X’8))、アシル基(-C(=O)X’9)、アミノ基(-N(X’10)(X’11))、またはスルホン酸基(-SOOX’12)からなる群の1種である。ここで、R5~R9は隣接する置換基同士で縮合環構造を形成してもよい。X’5~X’8は、それぞれ独立して炭素数1~12の直鎖状アルキル基、炭素数1~12の分岐状アルキル基、または炭素数3~6の環状アルキル基からなる群の1種である。X’9~X’12はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1~12の直鎖状アルキル基、炭素数1~12の分岐状アルキル基、または炭素数3~6の環状アルキル基からなる群の1種である。
R5~R9における炭素数1~12の直鎖状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基等が挙げられる。
R5~R9における炭素数1~12の分岐状アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
R5~R9における炭素数3~14の環状基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
R5~R9におけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
X’5~X’8における炭素数1~12の直鎖状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基等が挙げられる。
X’5~X’8における炭素数1~12の分岐状アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
X’5~X’8における炭素数3~6の環状基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
X’9~X’12における炭素数1~12の直鎖状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基等が挙げられる。
X’9~X’12における炭素数1~12の分岐状アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
X’9~X’12における炭素数3~6の環状基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
本発明の式(2)におけるR5~R9としては、位相差特性および透明性により優れることから、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、シアノ基、チオール基、スルホン酸基、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、メチルエステル基、エチルエステル基、n―プロピルエステル基、イソプロピルエステル基、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n-プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、アミド基、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジn-プロピルアミド基、ジイソプロピルアミド基、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジn-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基が好ましく、ヒドロキシ基、カルボキシ基、チオール基、スルホン酸基、メチルエステル基、エチルエステル基、n-プロピルエステル基、イソプロピルエステル基、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n-プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、アミド基、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジn-プロピルアミド基、ジイソプロピルアミド基、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジn-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基からなる群の1種が好ましく、ヒドロキシ基またはカルボキシ基のいずれかがさらに好ましい。
そして、本発明の上記式(2)において、R3、R4のいずれか一方がシアノ基、エステル基、アミド基、アシル基からなる群より選択され、他方がシアノ基であり、かつ、R5~R9のうち少なくとも1以上が、ヒドロキシ基、カルボキシ基、チオール基、スルホン酸基、エステル基、アミド基、アシル基、アミノ基、スルホニル基、アシルオキシ基からなる群より選択される1種の水素結合性置換基であることが好ましい。本発明の上記式(2)において、R3、R4のいずれか一方がエステル基、他方がシアノ基であることが好ましい。また、R5~R9のうち少なくとも1つが、ヒドロキシ基であることが特に好ましい。
具体的な上記式(2)で表される残基単位としては、例えば、α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、2-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、3-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、4-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、2,3-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、3,4-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、2-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、3-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、4-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、2,3-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、3,4-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、2-カルボキシ-3-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、3-カルボキシ-2-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、3-カルボキシ-4-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、4-カルボキシ-3-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、2-スルファニル-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、3-スルファニル-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、4-スルファニル-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、2-スルホン酸-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、3-スルホン酸-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、4-スルホン酸-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、2-メトキシカルボニル-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、3-メトキシカルボニル-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、4-メトキシカルボニル-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、2-エトキシカルボニル-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、3-エトキシカルボニル-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、4-エトキシカルボニル-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、2-ホルミル-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、3-ホルミル-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、4-ホルミル-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、2-アセチル-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、3-アセチル-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、4-アセチル-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、2-アミノ-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、3-アミノ-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、4-アミノ-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、2-メチルスルホニル-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、3-メチルスルホニル-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、4-メチルスルホニル-α-シアノケイ皮酸メチル残基単位、α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、2-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、3-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、4-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、2,3-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、3,4-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、2-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、3-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、4-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、2,3-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、3,4-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、2-カルボキシ-3-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、3-カルボキシ-2-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、3-カルボキシ-4-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、4-カルボキシ-3-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、2-カルボキシ-4-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、4-カルボキシ-2-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、2-スルファニル-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、3-スルファニル-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、4-スルファニル-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、2-スルホン酸-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、3-スルホン酸-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、4-スルホン酸-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、2-メトキシカルボニル-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、3-メトキシカルボニル-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、4-メトキシカルボニル-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、2-エトキシカルボニル-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、3-エトキシカルボニル-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、4-エトキシカルボニル-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、2-ホルミル-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、3-ホルミル-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、4-ホルミル-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、2-アセチル-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、3-アセチル-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、4-アセチル-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、2-アミノ-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、3-アミノ-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、4-アミノ-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、2-メチルスルホニル-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、3-メチルスルホニル-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、4-メチルスルホニル-α-シアノケイ皮酸エチル残基単位、α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、2-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、3-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、4-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、2,3-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、3,4-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、2-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、3-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、4-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、2,3-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、3,4-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、2-カルボキシ-3-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、3-カルボキシ-2-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、3-カルボキシ-4-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、4-カルボキシ-3-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、2-カルボキシ-4-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、4-カルボキシ-2-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、2-スルファニル-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、3-スルファニル-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、4-スルファニル-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、2-スルホン酸-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、3-スルホン酸-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、4-スルホン酸-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、2-メトキシカルボニル-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、3-メトキシカルボニル-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、4-メトキシカルボニル-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、2-エトキシカルボニル-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、3-エトキシカルボニル-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、4-エトキシカルボニル-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、2-ホルミル-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、3-ホルミル-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、4-ホルミル-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、2-アセチル-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、3-アセチル-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、4-アセチル-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、2-アミノ-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、3-アミノ-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、4-アミノ-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、2-メチルスルホニル-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、3-メチルスルホニル-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、4-メチルスルホニル-α-シアノケイ皮酸n-プロピル残基単位、α-シアノケイ皮酸イソプロピル残基単位、2-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸イソプロピル残基単位、3-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸イソプロピル残基単位、4-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸イソプロピル残基単位、2,3-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸イソプロピル残基単位、3,4-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸イソプロピル残基単位、2-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸イソプロピル残基単位、3-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸イソプロピル残基単位、4-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸イソプロピル残基単位、2,3-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸イソプロピル残基単位、3,4-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸イソプロピル残基単位、2-カルボキシ-3-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸イソプロピル残基単位、3-カルボキシ-2-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸イソプロピル残基単位、3-カルボキシ-4-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸イソプロピル残基単位、4-カルボキシ-3-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸イソプロピル残基単位、2-カルボキシ-4-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸イソプロピル残基単位、4-カルボキシ-2-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸イソプロピル残基単位、α-シアノケイ皮酸n-ブチル残基単位、2-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸n-ブチル残基単位、3-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸n-ブチル残基単位、4-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸n-ブチル残基単位、2,3-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸n-ブチル残基単位、3,4-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸n-ブチル残基単位、2-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸n-ブチル残基単位、3-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸n-ブチル残基単位、4-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸n-ブチル残基単位、2,3-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸n-ブチル残基単位、3,4-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸n-ブチル残基単位、2-カルボキシ-3-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸n-ブチル残基単位、3-カルボキシ-2-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸n-ブチル残基単位、3-カルボキシ-4-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸n-ブチル残基単位、4-カルボキシ-3-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸n-ブチル残基単位、α-シアノケイ皮酸イソブチル残基単位、2-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸イソブチル残基単位、3-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸イソブチル残基単位、4-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸イソブチル残基単位、2,3-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸イソブチル残基単位、3,4-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸イソブチル残基単位、2-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸イソブチル残基単位、3-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸イソブチル残基単位、4-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸イソブチル残基単位、2,3-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸イソブチル残基単位、3,4-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸イソブチル残基単位、2-カルボキシ-3-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸イソブチル残基単位、3-カルボキシ-2-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸イソブチル残基単位、3-カルボキシ-4-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸イソブチル残基単位、4-カルボキシ-3-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸イソブチル残基単位、2-カルボキシ-4-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸イソブチル残基単位、4-カルボキシ-2-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸イソブチル残基単位、ベンザルマロノニトリル残基単位、2-ヒドロキシベンザルマロノニトリル残基単位、3-ヒドロキシベンザルマロノニトリル残基単位、4-ヒドロキシベンザルマロノニトリル残基単位、2,3-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル残基単位、3,4-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル残基単位、2-カルボキシベンザルマロノニトリル残基単位、3-カルボキシベンザルマロノニトリル残基単位、4-カルボキシベンザルマロノニトリル残基単位、2,3-ジカルボキシベンザルマロノニトリル残基単位、3,4-ジカルボキシベンザルマロノニトリ
ル残基単位、2-カルボキシ-3-ヒドロキシ-ベンザルマロノニトリル残基単位、3-カルボキシ-2-ヒドロキシ-ベンザルマロノニトリル残基単位、3-カルボキシ-4-ヒドロキシ-ベンザルマロノニトリル残基単位、4-カルボキシ-3-ヒドロキシ-ベンザルマロノニトリル残基単位、2-スルファニル-ベンザルマロノニトリル残基単位、3-スルファニルベンザルマロノニトリル残基単位、4-スルファニルベンザルマロノニトリル残基単位、2-スルホン酸ベンザルマロノニトリル残基単位、3-スルホン酸ベンザルマロノニトリル残基単位、4-スルホン酸ベンザルマロノニトリル残基単位、2-メトキシカルボニルベンザルマロノニトリル残基単位、3-メトキシカルボニルベンザルマロノニトリル残基単位、4-メトキシカルボニルベンザルマロノニトリル残基単位、2-エトキシカルボニルベンザルマロノニトリル残基単位、3-エトキシカルボニルベンザルマロノニトリル残基単位、4-エトキシカルボニルベンザルマロノニトリル残基単位、2-ホルミルベンザルマロノニトリル残基単位、3-ホルミルベンザルマロノニトリル残基単位、4-ホルミルベンザルマロノニトリル残基単位、2-アセチルベンザルマロノニトリル残基単位、3-アセチルベンザルマロノニトリル残基単位、4-アセチルベンザルマロノニトリル残基単位、2-アミノベンザルマロノニトリル残基単位、3-アミノベンザルマロノニトリル残基単位、4-アミノベンザルマロノニトリル残基単位、2-メチルスルホニルベンザルマロノニトリル残基単位、3-メチルスルホニルベンザルマロノニトリル残基単位、4-メチルスルホニルベンザルマロノニトリル残基単位、シンナモニトリル残基単位、2-ヒドロキシシンナモニトリル残基単位、3-ヒドロキシシンナモニトリル残基単位、4-ヒドロキシシンナモニトリル残基単位、2,3-ジヒドロキシシンナモニトリル残基単位、3,4-ジヒドロキシシンナモニトリル残基単位、2-カルボキシシンナモニトリル残基単位、3-カルボキシシンナモニトリル残基単位、4-カルボキシシンナモニトリル残基単位、2,3-ジカルボキシシンナモニトリル残基単位、3,4-ジカルボキシシンナモニトリル残基単位、2-カルボキシシンナモニトリル残基単位、3-カルボキシ-2-ヒドロキシ-シンナモニトリル残基単位、3-カルボキシ-4-ヒドロキシ-シンナモニトリル残基単位、4-カルボキシ-3-ヒドロキシ-シンナモニトリル残基単位、2-カルボキシ-4-ヒドロキシ-シンナモニトリル残基単位、4-カルボキシ-3-ヒドロキシ-シンナモニトリル残基単位、カルコン残基単位、2-ヒドロキシカルコン残基単位、4-ヒドロキシカルコン残基単位、4-ヒドロキシカルコン残基単位、2,3-ジヒドロキシカルコン残基単位、3,4-ジヒドロキシカルコン残基単位、2-カルボキシカルコン残基単位、3-カルボキシカルコン残基単位、4-カルボキシカルコン残基単位、2,3-ジカルボキシカルコン残基単位、3,4-ジカルボキシカルコン残基単位、2-カルボキシカルコン残基単位、3-カルボキシ-2-ヒドロキシ-カルコン残基単位、3-カルボキシ-4-ヒドロキシ-カルコン残基単位、4-カルボキシ-3-ヒドロキシ-カルコン残基単位、2-カルボキシ-4-ヒドロキシ-カルコン残基単位、4-カルボキシ-2-ヒドロキシ-カルコン残基単位からなる群より選択される1種が挙げられる。
ル残基単位、2-カルボキシ-3-ヒドロキシ-ベンザルマロノニトリル残基単位、3-カルボキシ-2-ヒドロキシ-ベンザルマロノニトリル残基単位、3-カルボキシ-4-ヒドロキシ-ベンザルマロノニトリル残基単位、4-カルボキシ-3-ヒドロキシ-ベンザルマロノニトリル残基単位、2-スルファニル-ベンザルマロノニトリル残基単位、3-スルファニルベンザルマロノニトリル残基単位、4-スルファニルベンザルマロノニトリル残基単位、2-スルホン酸ベンザルマロノニトリル残基単位、3-スルホン酸ベンザルマロノニトリル残基単位、4-スルホン酸ベンザルマロノニトリル残基単位、2-メトキシカルボニルベンザルマロノニトリル残基単位、3-メトキシカルボニルベンザルマロノニトリル残基単位、4-メトキシカルボニルベンザルマロノニトリル残基単位、2-エトキシカルボニルベンザルマロノニトリル残基単位、3-エトキシカルボニルベンザルマロノニトリル残基単位、4-エトキシカルボニルベンザルマロノニトリル残基単位、2-ホルミルベンザルマロノニトリル残基単位、3-ホルミルベンザルマロノニトリル残基単位、4-ホルミルベンザルマロノニトリル残基単位、2-アセチルベンザルマロノニトリル残基単位、3-アセチルベンザルマロノニトリル残基単位、4-アセチルベンザルマロノニトリル残基単位、2-アミノベンザルマロノニトリル残基単位、3-アミノベンザルマロノニトリル残基単位、4-アミノベンザルマロノニトリル残基単位、2-メチルスルホニルベンザルマロノニトリル残基単位、3-メチルスルホニルベンザルマロノニトリル残基単位、4-メチルスルホニルベンザルマロノニトリル残基単位、シンナモニトリル残基単位、2-ヒドロキシシンナモニトリル残基単位、3-ヒドロキシシンナモニトリル残基単位、4-ヒドロキシシンナモニトリル残基単位、2,3-ジヒドロキシシンナモニトリル残基単位、3,4-ジヒドロキシシンナモニトリル残基単位、2-カルボキシシンナモニトリル残基単位、3-カルボキシシンナモニトリル残基単位、4-カルボキシシンナモニトリル残基単位、2,3-ジカルボキシシンナモニトリル残基単位、3,4-ジカルボキシシンナモニトリル残基単位、2-カルボキシシンナモニトリル残基単位、3-カルボキシ-2-ヒドロキシ-シンナモニトリル残基単位、3-カルボキシ-4-ヒドロキシ-シンナモニトリル残基単位、4-カルボキシ-3-ヒドロキシ-シンナモニトリル残基単位、2-カルボキシ-4-ヒドロキシ-シンナモニトリル残基単位、4-カルボキシ-3-ヒドロキシ-シンナモニトリル残基単位、カルコン残基単位、2-ヒドロキシカルコン残基単位、4-ヒドロキシカルコン残基単位、4-ヒドロキシカルコン残基単位、2,3-ジヒドロキシカルコン残基単位、3,4-ジヒドロキシカルコン残基単位、2-カルボキシカルコン残基単位、3-カルボキシカルコン残基単位、4-カルボキシカルコン残基単位、2,3-ジカルボキシカルコン残基単位、3,4-ジカルボキシカルコン残基単位、2-カルボキシカルコン残基単位、3-カルボキシ-2-ヒドロキシ-カルコン残基単位、3-カルボキシ-4-ヒドロキシ-カルコン残基単位、4-カルボキシ-3-ヒドロキシ-カルコン残基単位、2-カルボキシ-4-ヒドロキシ-カルコン残基単位、4-カルボキシ-2-ヒドロキシ-カルコン残基単位からなる群より選択される1種が挙げられる。
上記式(2)で表される残基単位としては、位相差特性および透明性により優れることから、2-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル残基単位、3-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル残基単位、4-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル残基単位、2,3-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル残基単位、2,4-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル残基単位、3,4-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル残基単位、2-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル残基単位、3-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル残基単位、4-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル残基単位、2,3-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル残基単位、2,4-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル残基単位、3,4-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル残基単位、2-カルボキシ-3-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル残基単位、3-カルボキシ-2-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル残基単位、3-カルボキシ-4-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル残基単位、4-カルボキシ-3-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル残基単位、2-ヒドロキシベンザルマロノニトリル残基単位、3-ヒドロキシベンザルマロノニトリル残基単位、4-ヒドロキシベンザルマロノニトリル残基単位、2,3-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル残基単位、2,4-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル残基単位、3,4-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル残基単位、2-カルボキシベンザルマロノニトリル残基単位、3-カルボキシベンザルマロノニトリル残基単位、4-カルボキシベンザルマロノニトリル残基単位、2,3-ジカルボキシベンザルマロノニトリル残基単位、2,4-ジカルボキシベンザルマロノニトリル残基単位、3,4-ジカルボキシベンザルマロノニトリル残基単位、2-カルボキシ-3-ヒドロキシ-ベンザルマロノニトリル残基単位、3-カルボキシ-2-ヒドロキシ-ベンザルマロノニトリル残基単位、3-カルボキシ-4-ヒドロキシ-ベンザルマロノニトリル残基単位、4-カルボキシ-3-ヒドロキシ-ベンザルマロノニトリル残基単位からなる群より選択される1種がさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物における重合体Bは、上記式(3)で表される残基単位を有する。
上記式(3)において、R10はヘテロ原子を1つ以上含むm員環複素環残基またはヘテロ原子を含まないn員環残基を示し、それぞれ置換基を有してもよい。前記m員環複素環残基および前記n員環残基は縮合環構造を形成してもよい。m、nはそれぞれ5~10の整数を示す。R10におけるヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が挙げられる。
上記式(3)で示される残基単位の中でも、位相差特性および透明性により優れることから、スチレン残基単位、α-メチルスチレン残基単位等のスチレン類残基単位;2-ビニルナフタレン残基等のビニルナフタレン類残基単位;1-ビニルインドール残基単位;9-ビニルカルバゾール残基単位;N-ビニルスクシンイミド残基単位;N-ビニルフタルイミド残基単位;2-ビニルフラン残基単位等のビニルフラン類残基単位;2-ビニルベンゾフラン残基単位およびその置換基付加物等が好ましく、スチレン類残基単位、1-ビニルナフタレン残基単位、2-ビニルナフタレン残基単位、1-ビニルインドール残基単位、9-ビニルカルバゾール残基単位、N-ビニルスクシンイミド残基単位、N-ビニルフタルイミド残基単位、2-ビニルフラン残基単位、2-ビニルベンゾフラン残基単位(これらの残基単位は環状基上の水素が任意の置換基で置換されていてもよい。)からなる群より選択される1種以上がさらに好ましい。
具体的な重合体Bとしては、光学特性に優れるフィルムが得られるため、4-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-スチレン共重合体、4-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-2-ビニルナフタレン共重合体、4-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-1-ビニルインドール共重合体、4-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-9-ビニルカルバゾール共重合体、4-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-N-ビニルスクシンイミド共重合体、4-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-N-ビニルフタルイミド共重合体、4-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-2-ビニルフラン共重合体、4-ヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-2-ビニルベンゾフラン共重合体、2,3-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-スチレン共重合体、2,3-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-2-ビニルナフタレン共重合体、2,3-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-1-ビニルインドール共重合体、2,3-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-9-ビニルカルバゾール共重合体、2,3-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-N-ビニルスクシンイミド共重合体、2,3-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-N-ビニルフタルイミド共重合体、2,3-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-2-ビニルフラン共重合体、2,3-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-2-ビニルベンゾフラン共重合体、2,4-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-スチレン共重合体、2,4-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-2-ビニルナフタレン共重合体、2,4-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-1-ビニルインドール共重合体、2,4-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-9-ビニルカルバゾール共重合体、2,4-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-N-ビニルスクシンイミド共重合体、2,4-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-N-ビニルフタルイミド共重合体、2,4-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-2-ビニルフラン共重合体、2,4-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-2-ビニルベンゾフラン共重合体、3,4-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-スチレン共重合体、3,4-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-2-ビニルナフタレン共重合体、3,4-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-1-ビニルインドール共重合体、3,4-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-9-ビニルカルバゾール共重合体、3,4-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-N-ビニルスクシンイミド共重合体、3,4-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-N-ビニルフタルイミド共重合体、3,4-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-2-ビニルフラン共重合体、3,4-ジヒドロキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-2-ビニルベンゾフラン共重合体、4-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-スチレン共重合体、4-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-2-ビニルナフタレン共重合体、4-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-1-ビニルインドール共重合体、4-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-9-ビニルカルバゾール共重合体、4-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-N-ビニルスクシンイミド共重合体、4-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-N-ビニルフタルイミド共重合体、4-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-2-ビニルフラン共重合体、4-カルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-2-ビニルベンゾフラン共重合体、2,3-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-スチレン共重合体、2,3-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-2-ビニルナフタレン共重合体、2,3-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-1-ビニルインドール共重合体、2,3-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-9-ビニルカルバゾール共重合体、2,3-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-N-ビニルスクシンイミド共重合体、2,3-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-N-ビニルフタルイミド共重合体、2,3-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-2-ビニルフラン共重合体、2,3-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-2-ビニルベンゾフラン共重合体、2,4-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-スチレン共重合体、2,4-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-2-ビニルナフタレン共重合体、2,4-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-1-ビニルインドール共重合体、2,4-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-9-ビニルカルバゾール共重合体、2,4-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-N-ビニルスクシンイミド共重合体、2,4-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-N-ビニルフタルイミド共重合体、2,4-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-2-ビニルフラン共重合体、2,4-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-2-ビニルベンゾフラン共重合体、3,4-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-スチレン共重合体、3,4-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-2-ビニルナフタレン共重合体、3,4-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-1-ビニルインドール共重合体、3,4-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-9-ビニルカルバゾール共重合体、3,4-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-N-ビニルスクシンイミド共重合体、3,4-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-N-ビニルフタルイミド共重合体、3,4-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-2-ビニルフラン共重合体、3,4-ジカルボキシ-α-シアノケイ皮酸エステル-2-ビニルベンゾフラン共重合体、4-ヒドロキシベンザルマロノニトリル-スチレン共重合体、4-ヒドロキシベンザルマロノニトリル-2-ビニルナフタレン共重合体、4-ヒドロキシベンザルマロノニトリル-1-ビニルインドール共重合体、4-ヒドロキシベンザルマロノニトリル-9-ビニルカルバゾール共重合体、4-ヒドロキシベンザルマロノニトリル-N-ビニルスクシンイミド共重合体、4-ヒドロキシベンザルマロノニトリル-N-ビニルフタルイミド共重合体、4-ヒドロキシベンザルマロノニトリル-2-ビニルフラン共重合体、4-ヒドロキシベンザルマロノニトリル-2-ビニルベンゾフラン共重合体、2,3-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル-スチレン共重合体、2,3-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル-2-ビニルナフタレン共重合体、2,3-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル-1-ビニルインドール共重合体、2,3-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル-9-ビニルカルバゾール共重合体、2,3-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル-N-ビニルスクシンイミド共重合体、2,3-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル-N-ビニルフタルイミド共重合体、2,3-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル-2-ビニルフラン共重合体、2,3-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル-2-ビニルベンゾフラン共重合体、2,4-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル-スチレン共重合体、2,4-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル-2-ビニルナフタレン共重合体、2,4-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル-1-ビニルインドール共重合体、2,4-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル-9-ビニルカルバゾール共重合体、2,4-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル-N-ビニルスクシンイミド共重合体、2,4-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル-N-ビニルフタルイミド共重合体、2,4-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル-2-ビニルフラン共重合体、2,4-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル-2-ビニルベンゾフラン共重合体、3,4-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル-スチレン共重合体、3,4-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル-2-ビニルナフタレン共重合体、3,4-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル-1-ビニルインドール共重合体、3,4-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル-9-ビニルカルバゾール共重合体、3,4-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル-N-ビニルスクシンイミド共重合体、3,4-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル-N-ビニルフタルイミド共重合体、3,4-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル-2-ビニルフラン共重合体、3,4-ジヒドロキシベンザルマロノニトリル-2-ビニルベンゾフラン共重合体、4-カルボキシベンザルマロノニトリル-スチレン共重合体、4-カルボキシベンザルマロノニトリル-2-ビニルナフタレン共重合体、4-カルボキシベンザルマロノニトリル-1-ビニルインドール共重合体、4-カルボキシベンザルマロノニトリル-9-ビニルカルバゾール共重合体、4-カルボキシベンザルマロノニトリル-N-ビニルスクシンイミド共重合体、4-カルボキシベンザルマロノニトリル-N-ビニルフタルイミド共重合体、4-カルボキシベンザルマロノニトリル-2-ビニルフラン共重合体、4-カルボキシベンザルマロノニトリル-2-ビニルベンゾフラン共重合体、2,3-ジカルボキシベンザルマロノニトリル-スチレン共重合体、2,3-ジカルボキシベンザルマロノニトリル-2-ビニルナフタレン共重合体、2,3-ジカルボキシベンザルマロノニトリル-1-ビニルインドール共重合体、2,3-ジカルボキシベンザルマロノニトリル-9-ビニルカルバゾール共重合体、2,3-ジカルボキシベンザルマロノニトリル-N-ビニルスクシンイミド共重合体、2,3-ジカルボキシベンザルマロノニトリル-N-ビニルフタルイミド共重合体、2,3-ジカルボキシベンザルマロノニトリル-2-ビニルフラン共重合体、2,3-ジカルボキシベンザルマロノニトリル-2-ビニルベンゾフラン共重合体、2,4-ジカルボキシベンザルマロノニトリル-スチレン共重合体、2,4-ジカルボキシベンザルマロノニトリル-2-ビニルナフタレン共重合体、2,4-ジカルボキシベンザルマロノニトリル-1-ビニルインドール共重合体、2,4-ジカルボキシベンザルマロノニトリル-9-ビニルカルバゾール共重合体、2,4-ジカルボキシベンザルマロノニトリル-N-ビニルスクシンイミド共重合体、2,4-ジカルボキシベンザルマロノニトリル-N-ビニルフタルイミド共重合体、2,4-ジカルボキシベンザルマロノニトリル-2-ビニルフラン共重合体、2,4-ジカルボキシベンザルマロノニトリル-2-ビニルベンゾフラン共重合体、3,4-ジカルボキシベンザルマロノニトリル-スチレン共重合体、3,4-ジカルボキシベンザルマロノニトリル-2-ビニルナフタレン共重合体、3,4-ジカルボキシベンザルマロノニトリル-1-ビニルインドール共重合体、3,4-ジカルボキシベンザルマロノニトリル-9-ビニルカルバゾール共重合体、3,4-ジカルボキシベンザルマロノニトリル-N-ビニルスクシンイミド共重合体、3,4-ジカルボキシベンザルマロノニトリル-N-ビニルフタルイミド共重合体、3,4-ジカルボキシベンザルマロノニトリル-2-ビニルフラン共重合体、3,4-ジカルボキシベンザルマロノニトリル-2-ビニルベンゾフラン共重合体からなる群の少なくとも1種が好ましい。
本発明の重合体Bは、本発明の範囲を超えない限り、前述した残基単位以外の他の単量体残基単位を含有する共重合体であってもよい。他の単量体残基単位としては、アクリル酸残基単位;アクリル酸メチル残基単位、アクリル酸エチル残基単位、アクリル酸ブチル残基単位などのアクリル酸エステル類残基単位;メタクリル酸残基単位;メタクリル酸メチル残基単位、メタクリル酸エチル残基単位、メタクリル酸ブチル残基単位などのメタクリル酸エステル類残基単位;アクリル酸2-ヒドロキシメチル残基単位等のアクリル酸ヒドロキシエステル残基単位;メタクリル酸2-ヒドロキシメチル残基単位等のメタクリル酸ヒドロキシエステル残基単位;酢酸ビニル残基単位、プロピオン酸ビニル残基単位などのビニルエステル類残基単位;アクリロニトリル残基単位;メタクリロニトリル残基単位;メチルビニルエーテル残基単位、エチルビニルエーテル残基単位、ブチルビニルエーテル残基単位などのビニルエーテル残基単位;フマル酸ジエチル残基単位等のフマル酸エステル類残基単位;N-メチルマレイミド残基単位、N-シクロヘキシルマレイミド残基単位、N-フェニルマレイミド残基単位等のN-置換マレイミド類残基単位;エチレン残基単位、プロピレン残基単位などのオレフィン類残基単位より選ばれる1種または2種以上を挙げることができる。
各残基単位の重合性から、通常、交互共重合している。一方の残基単位の比率が多い場合は、多い単位が連続的に重合している。
重合体Bは、重合体Aとの相溶性が良好であること、ガラス域光弾性係数が小さくなることから式(2)及び式(3)の2成分のみを有することが好ましい。
重合体Bは、重合体Aとの相溶性が良好であることから式(2)残基単位が10モル%~50モル%、式(3)残基単位が50~90モル%が好ましく、式(2)残基単位が20モル%~50モル%、一般式(3)残基単位が50~80モル%がさらに好ましい。
重合体Bは、重合体Aとの相溶性が良好であること、ガラス域光弾性係数が小さくなることから式(2)及び式(3)の2成分のみを有することが好ましい。
重合体Bは、重合体Aとの相溶性が良好であることから式(2)残基単位が10モル%~50モル%、式(3)残基単位が50~90モル%が好ましく、式(2)残基単位が20モル%~50モル%、一般式(3)残基単位が50~80モル%がさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物は、小さいガラス域光弾性係数の絶対値(|Cg|)を発現することから、重合体Aと重合体Bの合計を100重量%とした場合、重合体Aの含有量が20重量%~90重量%、重合体Bの含有量が10重量%~80%重量であることが好ましい。さらに好ましくは重合体Aの含有量が25重量%~80重量%、重合体Bの含有量が20重量%~75重量%、またさらに好ましくは重合体Aの含有量が30重量%~70重量%、重合体Bの含有量が30重量%~70%重量%である。
本発明の樹脂組成物に用いられる重合体Aの重量平均分子量は、好ましくは80,000~2,000,000、さらに好ましくは100,000~1,500,000である。
重合体Bの重量平均分子量はさらに好ましくは10,000~500,000、またさらに好ましくは30,000~500,000である。これにより、本発明の樹脂組成物より得られる光学フィルムがより良好な機械的強度を発現する。
重量平均分子量は、例えばゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定することができる。
本発明の樹脂組成物より得られるフィルムの耐熱性がより優れたものとなるために、樹脂組成物のガラス転移温度は110℃~190℃であることが好ましい。
重合体Aのガラス転移温度は、好ましくは95℃~120℃、さらに好ましくは100℃~120℃である。重合体Bのガラス転移温度は好ましくは150℃~250℃、さらに好ましくは180℃~220℃である。これにより、本発明樹脂組成物を用いて位相差フィルムとした場合、携帯電話やタブレット端末、車載用ディスプレイといった広範な用途へと応用が可能となる。
ガラス転移温度は、例えば示差走査熱量測定により測定することができる。
本発明の樹脂組成物における重合体Aの製造方法としては、該樹脂が得られる限りにおいて如何なる方法により製造してもよい。例えば、上記式(1)で示される残基単位に係る単量体とこれと共重合可能な単量体を併用し、ラジカル重合を行うことにより製造することができる。ラジカル重合の方法としては、例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、沈殿重合法、乳化重合法等のいずれかの方法を採用することができる。
本発明の樹脂組成物における重合体Bの製造方法としては、該樹脂が得られる限りにおいて如何なる方法により製造してもよい。例えば、上記式(2)、(3)で示される残基単位に係る単量体とこれと共重合可能な単量体を併用し、ラジカル重合を行うことにより製造することができる。ラジカル重合の方法としては、例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、沈殿重合法、乳化重合法等のいずれかの方法を採用することができる。
ラジカル重合を行う際の重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン等の有機過酸化物;2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-ブチロニトリル)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル-2’-アゾビスイソブチレート、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)等のアゾ系開始剤等が挙げられる。
そして、溶液重合法、懸濁重合法、沈殿重合法、乳化重合法を採用する場合において使用可能な溶媒として特に制限はなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;シクロヘキサン;ジオキサン;テトラヒドロフラン;アセトン;メチルエチルケトン;N,N-ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド;酢酸イソプロピル;水等が挙げられ、これらの混合溶媒も挙げられる。
また、ラジカル重合を行う際の重合温度は、重合開始剤の分解温度に応じて適宜設定することができ、反応の制御が容易であることから、一般的には30~150℃の範囲で行うことが好ましい。
また、重合体A及び重合体Bは、前駆体を介して高分子反応により得られたものでもよい。
本発明の樹脂組成物は、少なくとも重合体Aと重合体Bとをブレンドすることによって得られるものである。
以下に本発明の一態様である光学フィルムについて、詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、光学部材向けの光学フィルムとして好適に使用することができる。特に、フィルム状に成形し、延伸することにより優れた位相差を発現するため、位相差フィルムとして使用することができ、所望の位相差を発現させることでディスプレイ等における光学補償フィルムとして使用することできる。
本発明の樹脂組成物を光学補償フィルムとして用いる場合、該光学補償フィルムが目的の位相差特性を発現することを特徴とするものである。すなわち、本発明の樹脂組成物からなる光学フィルムは、延伸により大きな位相差を発現することから、重合体A及び重合体Bをブレンドして得られる本発明に係る樹脂組成物を用いる時、位相差特性に優れる光学補償フィルムを得ることができる。
ブレンドの方法としては、溶融ブレンド、溶液ブレンド等の方法を用いることができる。溶融ブレンド法とは加熱により樹脂を溶融させて混練することにより製造する方法である。溶液ブレンド法とは樹脂を溶剤に溶解しブレンドする方法である。溶液ブレンドに用いる溶剤としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルムなどの塩素系溶剤;トルエン、キシレンなどの芳香族溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶剤;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール溶剤;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル溶剤;ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン等を用いることができる。各樹脂および添加剤を溶剤に溶解したのちブレンドすることも可能であり、各樹脂の粉体、ペレット等を混練後、溶剤に溶解させることも可能である。得られたブレンド樹脂溶液を貧溶剤に投入し、樹脂組成物を析出させることも可能であり、またブレンド樹脂溶液のまま位相差フィルムの製造に用いることも可能である。
ブレンドの方法としては、溶融ブレンド、溶液ブレンド等の方法を用いることができる。溶融ブレンド法とは加熱により樹脂を溶融させて混練することにより製造する方法である。溶液ブレンド法とは樹脂を溶剤に溶解しブレンドする方法である。溶液ブレンドに用いる溶剤としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルムなどの塩素系溶剤;トルエン、キシレンなどの芳香族溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶剤;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール溶剤;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル溶剤;ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン等を用いることができる。各樹脂および添加剤を溶剤に溶解したのちブレンドすることも可能であり、各樹脂の粉体、ペレット等を混練後、溶剤に溶解させることも可能である。得られたブレンド樹脂溶液を貧溶剤に投入し、樹脂組成物を析出させることも可能であり、またブレンド樹脂溶液のまま位相差フィルムの製造に用いることも可能である。
本発明の光学フィルムは、該位相差フィルムを実装したデバイスを使用状態・使用環境に起因する様々な応力が加わっても小さな複屈折を示すことから、そのガラス域光弾性係数(Cg)の絶対値が|Cg|≦10×10-12Pa-1であることが好ましく、|Cg|≦8×10-12Pa-1であることがさらに好ましく、|Cg|≦6×10-12Pa-1であることが特に好ましい。
本発明の樹脂組成物を用いた位相差フィルムの位相差特性は、光学部材の光学補償を目的とした位相差を有したものであり、面内位相差(Re)が30~300nmであることが好ましく、35~290nmがさらに好ましく、40~280nmが特に好ましい。また、面外位相差(Rth)が-200~50nmであることが好ましく、-180~30nmがさらに好ましく、-150~0nmが特に好ましい。上記範囲であることで、光学部材の面内及び面外の位相差を調節することができ光学補償が可能となる。
本発明の樹脂組成物を用いた位相差フィルムの位相差特性は、光学部材の光学補償を目的とした位相差を有したものであり、面内位相差(Re)が30~300nmであることが好ましく、35~290nmがさらに好ましく、40~280nmが特に好ましい。また、面外位相差(Rth)が-200~50nmであることが好ましく、-180~30nmがさらに好ましく、-150~0nmが特に好ましい。上記範囲であることで、光学部材の面内及び面外の位相差を調節することができ光学補償が可能となる。
ディスプレイ等を構成する部材は、正のRthを有している場合が多く、ディスプレイの構成全体としてのNz係数が大きくなり、IPSモードの液晶ディスプレイ等ではカラーシフトが起こる等問題がある。本発明の樹脂組成物からなる位相差フィルムは、負のRthを有しているためディスプレイの構成全体のRthを調節することができる。したがって、本発明の樹脂組成物を位相差フィルムとして用いた場合、ディスプレイの広視野角化を可能とする。
ここで、位相差フィルムの面内位相差(Re)は下記式(a)で計算することできる。また、位相差フィルムの面外位相差(Rth)は下記式(b)で計算することができる。
Re=(nx-ny)×d (a)
Rth={(nx+ny)/2-nz}×d (b)
(式(a)及び式(b)中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を示す。nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率を示す。nzはフィルム面外の屈折率を示す。dはフィルム厚み(nm)を示す。)
ここで、位相差フィルムの面内位相差(Re)は下記式(a)で計算することできる。また、位相差フィルムの面外位相差(Rth)は下記式(b)で計算することができる。
Re=(nx-ny)×d (a)
Rth={(nx+ny)/2-nz}×d (b)
(式(a)及び式(b)中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を示す。nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率を示す。nzはフィルム面外の屈折率を示す。dはフィルム厚み(nm)を示す。)
本発明の位相差フィルムのNz係数は-0.9~0.9であることが好ましく、-0.7~0.7であることがさらに好ましく、-0.5~0.5であることが特に好ましい。上記範囲であることで、ディスプレイ等の光学部材の位相差フィルムとして使用された際に広視野角化を可能とする。
ここで、位相差フィルムのNz係数(Nz)は下記式(c)で計算することができる。
Nz=(nx-nz)/(nx-ny) (c)
(式(c)中、nx、ny、nzは式(a)および(b)と同義である)
Nz=(nx-nz)/(nx-ny) (c)
(式(c)中、nx、ny、nzは式(a)および(b)と同義である)
本発明の樹脂組成物を用いた位相差フィルムの波長分散性は、450nmにおける位相差R(450)と550nmにおける位相差R(550)の比で表すことができ、1.10≧Re(450)/Re(550)≧1.00が好ましく、1.09≧Re(450)/Re(550)≧1.01がさらに好ましく、1.08≧Re(450)/Re(550)≧1.02が特に好ましい。
本発明の樹脂組成物は光学フィルム(以下、「本発明の光学フィルム」という。)として好適に使用することができ、光学補償フィルムや位相差フィルムとして特に好適に使用することができる。
本発明の光学フィルムは、フィルムの取扱い性及び光学部材の薄膜化への適合性の観点から、厚みが5μm~200μmであることが好ましく、5μm~150μmであることがさらに好ましく、5μm~120μmであることが特に好ましい。
本発明の樹脂組成物は、光学フィルムとする際の熱安定性を向上させるために酸化防止剤を含有していても良い。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ヒドロキシルアミン系酸化防止剤、ビタミンE系酸化防止剤、その他酸化防止剤等が挙げられ、これら酸化防止剤はそれぞれ単独でもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
本発明の樹脂組成物は、光学フィルムとする際の耐候性を高めるためヒンダードアミン系光安定剤や紫外線吸収剤を含有していてもよい。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、トリアジン、ベンゾエート等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、いわゆる可塑剤として知られる化合物を、光学フィルムとする際の機械的性質向上、柔軟性を付与、耐吸水性付与、水蒸気透過率低減、レターデーション調整等の目的で添加してもよく、可塑剤としては、例えば、リン酸エステルやカルボン酸エステル等が挙げられる。また、アクリル系ポリマーなども用いられる。
リン酸エステルとしては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、フェニルジフェニルホスフェート等を挙げることが出来る。
カルボン酸エステルとしては、例えば、フタル酸エステル、クエン酸エステル、脂肪酸エステル、グリセロールエステル、アルキルフタリルアルキルグリコレート等を挙げることができる。フタル酸エステルとしては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート及びジエチルヘキシルフタレート等が挙げられ、またクエン酸エステルとしては、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル等を挙げることが出来る。また、脂肪酸エステルとしては、例えば、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバチン酸ジブチル等が挙げられ、グリセロールエステルとしては、例えば、トリアセチン、トリメチロールプロパントリベンゾエート等が挙げられ、アルキルフタリルアルキルグリコレートとしては、例えば、メチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルプロピルグリコレート、プロピルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルメチルグリコレート、ブチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルオクチルグリコレート、エチルフタリルオクチルグリコレート、オクチルフタリルメチルグリコレート、オクチルフタリルエチルグリコレート等を挙げることが出来る。これら可塑剤は単独でもよく、2種以上混合して使用してもよい。
本発明の樹脂組成物は、発明の主旨を超えない範囲で、その他ポリマー、界面活性剤、高分子電解質、導電性錯体、顔料、染料、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤等を含有していてもよい。
酸化防止剤、安定剤、可塑剤等は、前述の重合体Aと重合体Bをブレンドする際に添加してもよく、組成物をフィルムに製膜する際に添加してもよい。
本発明の光学フィルムは、必要に応じて他樹脂を含むフィルムと積層することができる。他樹脂としては、例えば、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、マレイミド系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド等が挙げられる。また、ハードコート層やガスバリア層を積層することも可能である。
本発明の光学フィルムを位相差フィルムとして用いる場合、位相差フィルムは、本発明の光学フィルムを一軸以上の方向に延伸して得られたフィルムであることが好ましい。
本発明の樹脂組成物より得られる光学フィルムの製造方法としては、特に制限はなく、例えば、溶融製膜法、溶液キャスト法等の方法が挙げられる。
溶融製膜する方法は、具体的にはTダイを用いた溶融押出法、カレンダ-成形法、熱プレス法、共押出法、共溶融法、多層押出、インフレ-ション成形法等があり、特に限定されないが、中でも後の延伸処理のし易さから、Tダイを用いた溶融押出法が好ましい。
溶融製膜法で光学フィルムを成形する場合、よりフィルム厚みを均一にするのに好適で、かつ、よりフィルムの欠陥や着色を防ぐのに好適な成形方法となるため、成形温度は好ましくは200~265℃、さらに好ましくは210~260℃、特に好ましくは220~258℃である。ここで、該成形温度とは、溶融製膜法における成形時の温度であって、通常、溶融樹脂を押出すダイス出口の温度を測定した値である。
溶液キャスト法は、本発明の樹脂組成物を溶媒に溶解した溶液(以下、「ド-プ」という。)を支持基盤上に流延した後、加熱等により溶媒を除去してフィルムを得る方法である。その際、ド-プを支持基盤上に流延する方法としては、Tダイ法、ドクタ-ブレ-ド法、バ-コ-タ-法、ロ-ルコ-タ-法、リップコ-タ-法等が用いられる。特に工業的にはダイからド-プをベルト状またはドラム状の支持基板に連続的に押し出す方法が最も一般的である。用いられる支持基板としては、例えば、ガラス基板、ステンレスやフェロタイプ等の金属基板、ポリエチレンテレフタレ-ト等のフィルム等がある。溶液キャスト法において、高い透明性を有し、かつ厚み精度、表面平滑性に優れたフィルムを製膜する際には、ド-プの溶液粘度は極めて重要な因子であり、10~20000cPsが好ましく、100~10000cPsであることがさらに好ましい。
本発明の光学フィルムは、前記製膜法により得られた膜をさらに延伸製膜することが好ましく、一軸延伸またはアンバランス二軸延伸することが特に好ましい。
延伸の温度は特に制限はないが、良好な位相差特性が得られることから、好ましくは50~200℃、さらに好ましくは90~180℃である。一軸延伸の延伸倍率は良好な位相差特性が得られることから、1.05~3.5倍が好ましく、1.1~3.0倍がさらに好ましい。アンバランス二軸延伸の延伸倍率は良好な位相差特性が得られることから、長さ方向には1.05~3.5倍が好ましく、1.1~3.0倍がさらに好ましく、幅方向には1.0~1.2倍が好ましく、1.0~1.1倍がさらに好ましい。延伸温度、延伸倍率により面内位相差(Re)を制御することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例により示す諸物性は、以下の方法により測定した。
<重合体の解析>
核磁気共鳴測定装置(日本電子製、商品名JNM-ECZ400S/L1)を用い、プロトン核磁気共鳴分光(1H-NMR)スペクトル分析より求めた。また、1H-NMRスペクトル分析により求めることが困難であるものについては、元素分析装置(Perkin Elmer製、商品名2400II)を用い、CHN元素分析により求めた。
<平均分子量の測定>
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)装置(東ソー製、商品名HLC8320GPC(カラムGMHHR―Hを装着))を用い、テトラヒドロフランまたはN,N―ジメチルホルムアミドを溶媒として、40℃で測定し、標準ポリスチレン換算値として求めた。
<位相差特性の測定>
試料傾斜型自動複屈折計(AXOMETRICS製、商品名:AxoScan)を用いて波長589nmの光を用いて光学補償フィルムの面内位相差Re、面外位相差Rth、Nz係数を測定した。ReおよびRthの値は、膜厚70μm換算値とした。
<ガラス域光弾性係数の測定>
試料傾斜型自動複屈折計(AXOMETRICS製、商品名:AxoScan)により、波長589nmの光で荷重変化に対する複屈折測定から算出した。
測定は、延伸前のフィルムに対し実施した。
<ガラス転移温度の測定>
示差走査型熱量計(セイコ-電子工業(株)製、商品名DSC2000)を用い、10℃/min.の昇温速度にて測定した。
<フィルムのヘーズの測定>
作製した光学フィルムのヘーズの測定は、ヘーズメーター(日本電色工業製、商品名:NDH2000)を使用し、ヘーズの測定はJIS-K 7136(2000年版)に準拠して測定した。
<波長分散特性の測定>
試料傾斜型自動複屈折計(AXOMETRICS製、商品名:AxoScan)を用い、波長450nmの光による位相差R(450)と波長550nmの光による位相差R(550)の比として光学補償フィルムの波長分散特性を測定した。
<重合体の解析>
核磁気共鳴測定装置(日本電子製、商品名JNM-ECZ400S/L1)を用い、プロトン核磁気共鳴分光(1H-NMR)スペクトル分析より求めた。また、1H-NMRスペクトル分析により求めることが困難であるものについては、元素分析装置(Perkin Elmer製、商品名2400II)を用い、CHN元素分析により求めた。
<平均分子量の測定>
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)装置(東ソー製、商品名HLC8320GPC(カラムGMHHR―Hを装着))を用い、テトラヒドロフランまたはN,N―ジメチルホルムアミドを溶媒として、40℃で測定し、標準ポリスチレン換算値として求めた。
<位相差特性の測定>
試料傾斜型自動複屈折計(AXOMETRICS製、商品名:AxoScan)を用いて波長589nmの光を用いて光学補償フィルムの面内位相差Re、面外位相差Rth、Nz係数を測定した。ReおよびRthの値は、膜厚70μm換算値とした。
<ガラス域光弾性係数の測定>
試料傾斜型自動複屈折計(AXOMETRICS製、商品名:AxoScan)により、波長589nmの光で荷重変化に対する複屈折測定から算出した。
測定は、延伸前のフィルムに対し実施した。
<ガラス転移温度の測定>
示差走査型熱量計(セイコ-電子工業(株)製、商品名DSC2000)を用い、10℃/min.の昇温速度にて測定した。
<フィルムのヘーズの測定>
作製した光学フィルムのヘーズの測定は、ヘーズメーター(日本電色工業製、商品名:NDH2000)を使用し、ヘーズの測定はJIS-K 7136(2000年版)に準拠して測定した。
<波長分散特性の測定>
試料傾斜型自動複屈折計(AXOMETRICS製、商品名:AxoScan)を用い、波長450nmの光による位相差R(450)と波長550nmの光による位相差R(550)の比として光学補償フィルムの波長分散特性を測定した。
[合成例1]
以下の試薬を反応容器に投入した。
4-ヒドロキシベンズアルデヒド 276.0g(2.26モル)
シアノ酢酸イソブチル 319.g(2.26モル)
臭化リチウム 86.8g(0.45モル)
ここで、4-ヒドロキシベンズアルデヒドは東京化成工業社製、シアノ酢酸イソブチルは東京化成工業社製、臭化リチウムは和光純薬社製を用いた。
上記試薬を80℃、18時間反応(Knoevenagel縮合)させた。得られた反応生成物に対してヘキサン洗浄および純水洗浄を行い、真空乾燥することでイソブチルα-シアノ-4-ヒドロキシシンナメート(以下、「iBCHC」という)を得た。
以下の試薬を反応容器に投入した。
4-ヒドロキシベンズアルデヒド 276.0g(2.26モル)
シアノ酢酸イソブチル 319.g(2.26モル)
臭化リチウム 86.8g(0.45モル)
ここで、4-ヒドロキシベンズアルデヒドは東京化成工業社製、シアノ酢酸イソブチルは東京化成工業社製、臭化リチウムは和光純薬社製を用いた。
上記試薬を80℃、18時間反応(Knoevenagel縮合)させた。得られた反応生成物に対してヘキサン洗浄および純水洗浄を行い、真空乾燥することでイソブチルα-シアノ-4-ヒドロキシシンナメート(以下、「iBCHC」という)を得た。
[合成例2]
以下の試薬を反応容器に投入した。
iBCHC 17.54g(0.072モル)
スチレン 7,47g(0.072モル)
2,5-ジメチル-2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン
1.03g(0.0012モル)
テトラヒドロフラン 22.17g
ここで、iBCHCはイソブチルα-シアノ-4-ヒドロキシシンナメート(合成例1で得られたものを用いた)を表し、スチレンは(東京化成工業社製社製、以下「St」ともいう)を表す。2,5-ジメチル-2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン(日本日油社製)は重合開始剤である。テトラヒドロフランは東京化成工業社製を用いた。
該アンプルに対して、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを62℃の恒温槽に入れ、48時間保持することによりラジカル重合を行った。重合反応終了後、アンプルから重合物を取り出し、テトラヒドロフランに溶解させた。このポリマー溶液をメタノール中に滴下して析出させた後、60℃で10時間真空乾燥することにより、iBCHC/ St共重合体(重合体B)13.84gを得た(収率:55%、Mw=3.9×104、iBCHC残基単位30モル%、St残基単位70モル%)
以下の試薬を反応容器に投入した。
iBCHC 17.54g(0.072モル)
スチレン 7,47g(0.072モル)
2,5-ジメチル-2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン
1.03g(0.0012モル)
テトラヒドロフラン 22.17g
ここで、iBCHCはイソブチルα-シアノ-4-ヒドロキシシンナメート(合成例1で得られたものを用いた)を表し、スチレンは(東京化成工業社製社製、以下「St」ともいう)を表す。2,5-ジメチル-2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン(日本日油社製)は重合開始剤である。テトラヒドロフランは東京化成工業社製を用いた。
該アンプルに対して、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを62℃の恒温槽に入れ、48時間保持することによりラジカル重合を行った。重合反応終了後、アンプルから重合物を取り出し、テトラヒドロフランに溶解させた。このポリマー溶液をメタノール中に滴下して析出させた後、60℃で10時間真空乾燥することにより、iBCHC/ St共重合体(重合体B)13.84gを得た(収率:55%、Mw=3.9×104、iBCHC残基単位30モル%、St残基単位70モル%)
[実施例1]
市販のPMMA(東京化成工業社製、Mw=1,200,000)(重合体A)3.71gと合成例2により得られた重合体B1.59gをメチルエチルケトン30.0gに溶解させて15重量%の透明樹脂溶液を得た。その透明樹脂溶液をコーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃、15分の後160℃、5分にて2段乾燥し、フィルムを得た(重合体A:70重量%、重合体B:30重量%)。得られたフィルムを50mm角に切り出し、128℃で1.3倍に一軸延伸した。得られた光学補償フィルムの位相差特性、ガラス転移温度(Tg)、ガラス域光弾性係数(Cg)、ヘーズを表1に示す。波長分散性はRe(450)/Re(550)=1.06を示した。
得られた光学補償フィルムは、PMMAのみの比較例1~3と比べ高位相差化、高Tg化、同等のCgを有するものであった。このことから、PMMAに共重合体Aをブレンドすることで位相差性能が向上し、耐熱性も向上していることがわかる。
市販のPMMA(東京化成工業社製、Mw=1,200,000)(重合体A)3.71gと合成例2により得られた重合体B1.59gをメチルエチルケトン30.0gに溶解させて15重量%の透明樹脂溶液を得た。その透明樹脂溶液をコーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃、15分の後160℃、5分にて2段乾燥し、フィルムを得た(重合体A:70重量%、重合体B:30重量%)。得られたフィルムを50mm角に切り出し、128℃で1.3倍に一軸延伸した。得られた光学補償フィルムの位相差特性、ガラス転移温度(Tg)、ガラス域光弾性係数(Cg)、ヘーズを表1に示す。波長分散性はRe(450)/Re(550)=1.06を示した。
得られた光学補償フィルムは、PMMAのみの比較例1~3と比べ高位相差化、高Tg化、同等のCgを有するものであった。このことから、PMMAに共重合体Aをブレンドすることで位相差性能が向上し、耐熱性も向上していることがわかる。
[実施例2]
実施例1において、延伸倍率を1.5倍へ変更した以外は同様にして光学補償フィルムを調製し、得られた光学補償フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学補償フィルムは、PMMAのみの比較例1~3と比べ高位相差、高Tg、同等のCgを有するものであった。このことから、PMMAに共重合体Bをブレンドすることで位相差性能が向上し、耐熱性も向上していることがわかる。
実施例1において、延伸倍率を1.5倍へ変更した以外は同様にして光学補償フィルムを調製し、得られた光学補償フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学補償フィルムは、PMMAのみの比較例1~3と比べ高位相差、高Tg、同等のCgを有するものであった。このことから、PMMAに共重合体Bをブレンドすることで位相差性能が向上し、耐熱性も向上していることがわかる。
[実施例3]
実施例1において、延伸倍率を1.7倍へ変更した以外は同様にして光学補償フィルムを調製し、得られた光学補償フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学補償フィルムは、PMMAのみの比較例1~3と比べ高位相差、高Tg、同等のCgを有するものであった。このことから、PMMAに共重合体Bをブレンドすることで位相差性能が向上し、耐熱性も向上していることがわかる。
実施例1において、延伸倍率を1.7倍へ変更した以外は同様にして光学補償フィルムを調製し、得られた光学補償フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学補償フィルムは、PMMAのみの比較例1~3と比べ高位相差、高Tg、同等のCgを有するものであった。このことから、PMMAに共重合体Bをブレンドすることで位相差性能が向上し、耐熱性も向上していることがわかる。
[実施例4]
実施例1においてPMMAを2.65g、共重合体Aを2.65g、延伸温度を147℃へ変更した以外は同様にして光学補償フィルムを調製し、得られた光学補償フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。波長分散性はRe(450)/Re(550)=1.06を示した。
得られた光学補償フィルムは、PMMAのみの比較例1~3と比べ高位相差、高Tg、同等のCgを有するものであった。このことから、PMMAに共重合体Bをブレンドすることで位相差性能が向上し、耐熱性も向上していることがわかる。
実施例1においてPMMAを2.65g、共重合体Aを2.65g、延伸温度を147℃へ変更した以外は同様にして光学補償フィルムを調製し、得られた光学補償フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。波長分散性はRe(450)/Re(550)=1.06を示した。
得られた光学補償フィルムは、PMMAのみの比較例1~3と比べ高位相差、高Tg、同等のCgを有するものであった。このことから、PMMAに共重合体Bをブレンドすることで位相差性能が向上し、耐熱性も向上していることがわかる。
[実施例5]
実施例4において、延伸倍率を1.5倍へ変更した以外は同様にして光学補償フィルムを調製し、得られた光学補償フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学補償フィルムは、PMMAのみの比較例1~3と比べ高位相差、高Tg、同等のCgを有するものであった。このことから、PMMAに共重合体Bをブレンドすることで位相差性能が向上し、耐熱性も向上していることがわかる。
実施例4において、延伸倍率を1.5倍へ変更した以外は同様にして光学補償フィルムを調製し、得られた光学補償フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学補償フィルムは、PMMAのみの比較例1~3と比べ高位相差、高Tg、同等のCgを有するものであった。このことから、PMMAに共重合体Bをブレンドすることで位相差性能が向上し、耐熱性も向上していることがわかる。
[実施例6]
実施例4において、延伸倍率を1.7倍へ変更した以外は同様にして光学補償フィルムを調製し、得られた光学補償フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学補償フィルムは、PMMAのみの比較例1~3と比べ高位相差、高Tg、同等のCgを有するものであった。このことから、PMMAに共重合体Bをブレンドすることで位相差性能が向上し、耐熱性も向上していることがわかる。
実施例4において、延伸倍率を1.7倍へ変更した以外は同様にして光学補償フィルムを調製し、得られた光学補償フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学補償フィルムは、PMMAのみの比較例1~3と比べ高位相差、高Tg、同等のCgを有するものであった。このことから、PMMAに共重合体Bをブレンドすることで位相差性能が向上し、耐熱性も向上していることがわかる。
[実施例7]
実施例1において重合体Aを1.59g、重合体Bを3.71g、延伸温度を167℃へ変更した以外は同様にして光学補償フィルムを調製し、得られた光学補償フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。波長分散性はRe(450)/Re(550)=1.06を示した。
得られた光学補償フィルムは、PMMAのみの比較例1~3と比べ高位相差、高Tg、同等のCgを有するものであった。このことから、PMMAに共重合体Bをブレンドすることで位相差性能が向上し、耐熱性も向上していることがわかる。
実施例1において重合体Aを1.59g、重合体Bを3.71g、延伸温度を167℃へ変更した以外は同様にして光学補償フィルムを調製し、得られた光学補償フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。波長分散性はRe(450)/Re(550)=1.06を示した。
得られた光学補償フィルムは、PMMAのみの比較例1~3と比べ高位相差、高Tg、同等のCgを有するものであった。このことから、PMMAに共重合体Bをブレンドすることで位相差性能が向上し、耐熱性も向上していることがわかる。
[実施例8]
実施例7において延伸倍率を1.5倍へ変更した以外は同様にして光学補償フィルムを調製し、得られた光学補償フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学補償フィルムは、PMMAのみの比較例1~3と比べ高位相差、高Tg、同等のCgを有するものであった。このことから、PMMAに共重合体Bをブレンドすることで位相差性能が向上し、耐熱性も向上していることがわかる。
実施例7において延伸倍率を1.5倍へ変更した以外は同様にして光学補償フィルムを調製し、得られた光学補償フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学補償フィルムは、PMMAのみの比較例1~3と比べ高位相差、高Tg、同等のCgを有するものであった。このことから、PMMAに共重合体Bをブレンドすることで位相差性能が向上し、耐熱性も向上していることがわかる。
[実施例9]
実施例7において延伸倍率を1.7倍へ変更した以外は同様にして光学補償フィルムを調製し、得られた光学補償フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学補償フィルムは、PMMAのみの比較例1~3と比べ高位相差、高Tg、同等のCgを有するものであった。このことから、PMMAに共重合体Bをブレンドすることで位相差性能が向上し、耐熱性も向上していることがわかる。
実施例7において延伸倍率を1.7倍へ変更した以外は同様にして光学補償フィルムを調製し、得られた光学補償フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学補償フィルムは、PMMAのみの比較例1~3と比べ高位相差、高Tg、同等のCgを有するものであった。このことから、PMMAに共重合体Bをブレンドすることで位相差性能が向上し、耐熱性も向上していることがわかる。
[比較例1]
市販のPMMA(東京化成工業社製、Mw=1,200,000)5.23gをメチルエチルケトン30.0gに溶解させて15重量%の透明樹脂溶液を得た。その透明樹脂溶液をコーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃、15分の後160℃、5分にて2段乾燥し、フィルムを得た得られたフィルムを50mm角に切り出し、98℃で1.3倍に一軸延伸した。得られた光学補償フィルムの位相差特性、ガラス転移温度(Tg)、ガラス域光弾性係数(Cg)、ヘーズを表1に示す。波長分散性はR(450)/R(550)=1.03を示した。
市販のPMMA(東京化成工業社製、Mw=1,200,000)5.23gをメチルエチルケトン30.0gに溶解させて15重量%の透明樹脂溶液を得た。その透明樹脂溶液をコーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃、15分の後160℃、5分にて2段乾燥し、フィルムを得た得られたフィルムを50mm角に切り出し、98℃で1.3倍に一軸延伸した。得られた光学補償フィルムの位相差特性、ガラス転移温度(Tg)、ガラス域光弾性係数(Cg)、ヘーズを表1に示す。波長分散性はR(450)/R(550)=1.03を示した。
[比較例2]
比較例1において延伸倍率を1.5倍へ変更した以外は同様にして光学補償フィルムを調製し、得られた光学補償フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
比較例1において延伸倍率を1.5倍へ変更した以外は同様にして光学補償フィルムを調製し、得られた光学補償フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
[比較例3]
比較例1において延伸倍率を1.7倍へ変更した以外は同様にして光学補償フィルムを調製し、得られた光学補償フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
比較例1において延伸倍率を1.7倍へ変更した以外は同様にして光学補償フィルムを調製し、得られた光学補償フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
[比較例4]
合成例2により得られた重合体A 5.23gをメチルエチルケトン30.0gに溶解させて15重量%の透明樹脂溶液を得た。その透明樹脂溶液をコーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃の後160℃にて2段乾燥し、フィルムを得た。得られたフィルムを50mm角に切り出し、1.3倍に一軸延伸を試みたが、ガラス転移温度が高く延伸が困難であった。
合成例2により得られた重合体A 5.23gをメチルエチルケトン30.0gに溶解させて15重量%の透明樹脂溶液を得た。その透明樹脂溶液をコーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃の後160℃にて2段乾燥し、フィルムを得た。得られたフィルムを50mm角に切り出し、1.3倍に一軸延伸を試みたが、ガラス転移温度が高く延伸が困難であった。
Claims (10)
- 下記式(1)で示される残基単位を含有する重合体Aと、
下記式(2)および下記式(3)で示される残基単位を含有する重合体Bを含む樹脂組成物。
(式中、R10はヘテロ原子を1つ以上含むm員環複素環残基またはヘテロ原子を含まないn員環残基を示し、それぞれ置換基を有してもよい。前記m員環複素環残基および前記n員環残基は縮合環構造を形成してもよい。m、nはそれぞれ5~10の整数を示す。) - 上記式(1)の式中、R1がメチル基である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 上記式(2)の式中、R5~R9において少なくとも1以上のヒドロキシ基を表す残基単位を有する請求項1乃至2に記載の樹脂組成物。
- 樹脂組成物の全重量に対し、重合体Aの含有量が20重量%以上90重量%以下、重合体Bの含有量が10重量%以上80重量%以下である請求項1乃至3に記載の樹脂組成物。
- ガラス転移温度が110℃以上190℃以下である請求項1乃至4に記載の樹脂組成物。
- 請求項1乃至5に記載の樹脂組成物からなる光学フィルム。
- ガラス域光弾性係数(Cg)の絶対値が|Cg|≦10×10-12Pa-1である請求項6に記載の光学フィルム。
- 請求項6乃至7に記載の光学フィルムを一軸以上の方向に延伸してなる位相差フィルム。
- 下記式(a)で示される面内位相差(Re)が30~300nmであり、下記式(b)で示される面外(Rth)が-200~50でnmである請求項6乃至8に記載の位相差フィルム。
Re=(nx-ny)×d (a)
Rth={(nx+ny)/2-nz}×d (b)
(ここでnxは面内遅相軸の屈折率を示し、nyは面内進相軸の屈折率を示し、nzは面外の屈折率を示す) - 下記式(c)で示されるNz係数(Nz)が-0.9≦Nz≦0.9である請求項6乃至9記載の位相差フィルム。
Nz=(nx-nz)/(nx-ny) (c)
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- 2020-10-16 JP JP2020174664A patent/JP2022065889A/ja active Pending
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