JP2022065742A - 鉄道車両用低騒音装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】鉄道車両が高速で走行した場合でも空力音を低減することができ、車両のメンテナンス性を阻害しない鉄道車両用低騒音装置を提供する。【解決手段】車輪の前後にそれぞれに配置されると共に、台車に腕部を介して取付けられた低騒音部材を備え、低騒音部材は、車幅方向に沿って延びると共に車体の下面から突出する騒音低減部と、騒音低減部から鉛直方向に伸びる空力音抑止部とを有し、腕部は、前記車両の進行方向に沿って延びると共に、一端が台車に取付けられ、他端が低騒音部材に取付けられ、低騒音部材は、台車収容部に収容されると共に、騒音低減部は、車両の進行方向に対して鋭角に傾斜する傾斜面を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、鉄道車両の走行に伴って発生する空力音を低減するための鉄道車両用低騒音装置に関する。
従来、鉄道車両の走行に伴って、空力音が発生することが知られており、この空力音を低減することを目的として、鉄道車両が走行する際の台車回りの流れを変化させる種々の方法が知られている。
空力音の低減には、鉄道車両の本体に取り付ける構造や、台車に取り付ける構造が知られているが、鉄道車両の本体に取りつけられる構造は、鉄道車両の変位によって車両限界や建築限界を支障する可能性があるという問題がある。
これに対し、台車に取り付ける構造では、鉄道車両の変位によって車両限界や建築限界を支障することを考慮する必要がないというメリットがある。このような台車に取り付ける構造としては、特許文献1や特許文献2に記載された構造などが知られている。
特許文献1に記載された鉄道車両用の台車は、車幅方向両側に車輪を夫々有する一対の輪軸を軸受によって回転自在に夫々支持する複数の軸箱と、前記複数の軸箱の各々に垂下され、前記車輪が軌道から脱線した際に前記軌道に当たって前記車輪の車幅方向に移動を規制する逸脱防止具と、前記逸脱防止具を被覆すると共に、前記逸脱防止具に向かって流れる空気を車両長手方向外側から内側へと受け流し、且つ前記車輪が前記軌道から脱線した際に前記軌道に当たると前記逸脱防止具を表出させる逸脱防止具用フェアリングと、を備えている。
このような鉄道車両用の台車によれば、軸箱に垂下されている逸脱防止具に向かって流れてくる空気を逸脱防止具用フェアリングによって車両長手方向外側から内側に受け流すことができる。これにより、空気が逸脱防止具に当たって乱れることを抑制することができ、乱れによって発生する騒音を低減することができる。即ち、台車で発生する空力音を低減することができる。
また、特許文献2に記載された鉄道車両用台車は、台車下部に水平面内において平滑なカバーを取付けた構造を有している。
このような鉄道車両用台車によれば、台車下部カバーは進行方向の空気の流れを整風するとともに、万一、バラスト等が飛散して来た時には、台車枠に取付けられた機器を保護することができ、かつ、該バラストの車体側方への飛散も抑制することができる。
しかし、特許文献1に記載された鉄道車両用の台車は、車輪の外側の軸箱に取り付ける構造であるため、軸箱や逸脱防止具のみに効果を有し、軸箱等以外の音源に対しては効果が見込まれないという問題があった。また、特許文献2に記載された鉄道車両用台車は、台車下部カバーが大型であり、この台車下部カバーが台車下部に水平面内において平滑に取り付けられていることから、台車などのメンテナンス時にこれを取り外す必要があるなど、メンテナンス時の負担が大きくなるという問題があった。なお、鉄道車両が高速走行を行った場合、台車に速い流速が当たることで発生する空力音は、沿線騒音において、大きな影響を与え、特に20Hz以下の圧力変動は家屋のがたつきなどの原因となることが知られている。
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、鉄道車両が高速で走行した場合でも空力音を低減することができ、車両のメンテナンス性を阻害しない鉄道車両用低騒音装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る鉄道車両用低騒音装置は、車幅方向両側に一対の車輪を有するとともに、車両の進行方向に沿って配列された一対の輪軸を回転自在に支持する複数の軸箱を有する台車と、前記台車が取付けられる台車収容部を有する車体を備えた鉄道車両に用いられる鉄道車両用低騒音装置であって、前記車輪の前後にそれぞれに配置されると共に、前記台車に腕部を介して取付けられた低騒音部材を備え、前記低騒音部材は、前記台車収容部に収容されると共に、車幅方向に沿って延びると共に前記車体の下面から突出する騒音低減部と、前記騒音低減部から鉛直方向に伸びる空力音抑止部とを有し、前記腕部は、前記車両の進行方向に沿って延びると共に、一端が前記台車に取付けられ、他端が前記低騒音部材に取付けられ、前記騒音低減部は、前記車両の進行方向に対して鋭角に傾斜する傾斜面を有することを特徴とする。
また、本発明に係る鉄道車両用低騒音装置において、前記騒音低減部は、前記傾斜面と該傾斜面と連続する斜面を有する下方に凸の凸状形状を有し、前記凸状形状の頂点は、前記低騒音部材の前記進行方向に沿った中心線よりも前記斜面側に位置すると好適である。
また、本発明に係る鉄道車両用低騒音装置において、前記空力音抑止部は、上端の前記進行方向に沿った断面が曲線に形成されていると好適である。
また、本発明に係る鉄道車両用低騒音装置において、前記低騒音部材は、一対の前記車輪と前記進行方向に重畳するように前記車幅方向に沿って延びると好適である。
また、本発明に係る鉄道車両用低騒音装置において、前記低騒音部材は、一対の前記車輪の間に沿って延びると好適である。
また、本発明に係る鉄道車両用低騒音装置において、前記腕部の一端は、前記台車の前記軸箱に取り付けられると好適である。
また、本発明に係る鉄道車両用低騒音装置において、前記腕部の一端は、前記台車の横梁に取り付けられると好適である。
また、本発明に係る鉄道車両用低騒音装置において、前記低騒音部材は、前記一対の前記車輪と前記車幅方向に重畳するように前記車幅方向に沿って延びると好適である。
本発明に係る鉄道車両用低騒音装置は、車輪の前後にそれぞれに配置されると共に、台車に腕部を介して取付けられた低騒音部材を備え、低騒音部材は、台車収容部に収容されると共に、車幅方向に沿って延びると共に車体の下面から突出する騒音低減部と、騒音低減部から鉛直方向に伸びる空力音抑止部とを有し、腕部は、車両の進行方向に沿って延びると共に、一端が台車に取付けられ、他端が低騒音部材に取付けられ、騒音低減部は、車両の進行方向に対して鋭角に傾斜する傾斜面を有するので、台車に当たる流れを下向きに偏向し、主電動機等の台車構成機器に速い流れが当たらないようにして台車から発生する空力音を低減することができる。また、低騒音部材は、台車収容部に収容されるので、車両限界や建築限界を支障することがなく、台車等のメンテナンス時にメンテナンス作業を阻害することがない。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置の構成を示す図であって、(a)は鉄道車両の進行方向断面を示す断面図であり、(b)は、底面図であり、図2(a)は、本発明の第1の実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置の低騒音部材の構成を説明するための図であり、(b)は、低騒音部材の変形例を示す図であり、図3は、本発明の第1の実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置と従来の鉄道車両の低周波領域での空力音を比較したグラフであり、図4は、本発明の第1の実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置と従来の鉄道車両の高周波領域での空力音を比較したグラフである。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置の構成を示す図であって、(a)は鉄道車両の進行方向断面を示す断面図であり、(b)は、底面図であり、図2(a)は、本発明の第1の実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置の低騒音部材の構成を説明するための図であり、(b)は、低騒音部材の変形例を示す図であり、図3は、本発明の第1の実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置と従来の鉄道車両の低周波領域での空力音を比較したグラフであり、図4は、本発明の第1の実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置と従来の鉄道車両の高周波領域での空力音を比較したグラフである。
図1(a)及び(b)に示すように、本実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置30は、車幅方向両側に一対の車輪11,11を有するとともに、鉄道車両1の進行方向に沿って配列された一対の輪軸13,13を回転自在に支持する複数の軸箱12を有する台車10と、台車10が揺動可能に取り付けられる台車収容部2を有する車体3を備えた鉄道車両1の台車収容部2内に取り付けられる。
鉄道車両用低騒音装置30は、車輪11,11の進行方向に沿った前後にそれぞれに配置されると共に、台車10に腕部14を介して取付けられた低騒音部材20を備えている。低騒音部材20は、図1(b)に示すように、台車収容部2の幅方向に沿って延設されており、一対の車輪11,11と進行方向に沿って重畳するように配置されている。
また、低騒音部材20は、車輪11,11の両端に配置された軸箱12,12から延びる腕部14,14を介して取り付けられている。腕部14は、鉄道車両1の走行に伴う振動によって上下に移動しないように、所定の剛性を有した平板,棒及びL字鋼などで構成されており、必要に応じてリブなどの補強構造を有しても構わない。また、腕部14は、どのような材料で構成しても構わないが、例えば、対候性を有する表面処理を施した金属で構成されると好適である。
図2(a)に示すように、低騒音部材20は、車体3の下面Lから突出する騒音低減部21と、騒音低減部21から鉛直方向に延びる空力音抑止部22とを備えている。騒音低減部21は、鉄道車両1の進行方向に対して鋭角に傾斜する傾斜面23と当該傾斜面23と連続する斜面24を備え、下方に凸の凸状形状である断面略三角形状に構成されている。
また、下方に凸の断面略三角形状の頂点は、低騒音部材20の進行方向に沿った中心線よりも斜面24側に位置し、傾斜面23の進行方向に沿った長さは、斜面24よりも長く形成されている。また、騒音低減部21と空力音抑止部22とは同一の部材で一体に構成されていると好適であり、低騒音部材20の表面のうち、少なくとも傾斜面23の表面は平滑に構成されていると好適である。この平滑な表面は、低騒音部材20の表面を研磨等しても構わないし、表面処理を施しても構わない。
このように騒音低減部21が車両の進行方向に対して鋭角に傾斜した傾斜面23を有しているので、車体3の下面に発生する流れを下向きに偏向させ、台車収容部2内に流入する流れを抑制することで、流れが台車収容部2内に流入した際の騒音発生を抑制することができる。
空力音抑止部22は、図2(a)に示すように、騒音低減部21の上端から上方に延設する断面矩形状の部材であり、上端の角部は略垂直に形成されている。空力音抑止部22は、騒音低減部21の上方を通る流れが台車収容部2内に流入することを防ぐことにより、台車10や台車収容部2の下流側端部で騒音が発生することを抑制することができる。
なお、空力音抑止部22の上端の角部は、図2(b)に示すように、曲線状に面取り22aを施しても構わない。また、面取りの方法は断面を直線状に面取りした所謂C面取りで形成しても構わない。
次に、本発明を更に具体的に説明するために、実施例及び比較例を挙げて、本実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置30について騒音低減効果を確認する実験を実施した。当該実験は、鉄道車両下部を模した1/5縮尺模型を用いた風洞試験機において、風速を260km/h,及び325km/hで生じる空力音の音圧レベルを測定したものである。
実施例は、風洞試験用模型に本実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置30を取り付けた風洞試験結果であり、比較例は、従来の鉄道車両用低騒音装置30を取り付けない風洞試験用模型を用いて、それぞれの音圧レベルを測定した。
図3に示すように、風速が260km/hにおいて、実施例では、比較例と比べて12.5Hzから250Hz帯におけるほぼ全ての空力音を低減することが確認でき、所謂低周波による騒音を効果的に抑制することができていることが確認できた。この結果より、本実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置30を取り付けた鉄道車両が高速で走行を行った場合であっても、特に20Hz以下の圧力変動を抑制して沿線の家屋のガタツキなどを抑制することが可能であることが確認できた。
また、図4に示すように、風速が325km/hにおいて、250Hzから4000Hzの所謂高周波帯でも全ての帯域で音圧レベルが低減していることが確認できた。
このように、本実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置30は、車輪11の前後にそれぞれに配置されると共に、台車10に腕部14を介して取付けられた低騒音部材20を備え、低騒音部材20は、車幅方向に沿って延びると共に車体3の下面から突出する騒音低減部21と、騒音低減部21から鉛直方向に伸びる空力音抑止部22とを有し、腕部14は、鉄道車両1の進行方向に沿って延びると共に、一端が台車10に取付けられ、他端が低騒音部材20に取付けられ、騒音低減部21は、台車収容部2に収容されると共に、車両1の進行方向に対して鋭角に傾斜する傾斜面23を有するので、鉄道車両の走行に伴って車体3の下面に形成された流れを下側に偏向させることで、空力音の発生を抑制することができる。また、騒音低減部21は、台車収容部2に収容されるので、車両限界や建築限界を支障することがなく、台車10等のメンテナンス時にメンテナンス作業を阻害することがない。
[第2の実施形態]
以上説明した第1の実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置30は、低騒音部材20を軸箱12から延びる腕部14に取り付け、台車収容部2の幅方向に沿って延設されており、一対の車輪11,11と進行方向に沿って重畳するように配置されている場合について説明を行った。次に説明する第2の実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置30aは、第1の実施形態とは異なる形態を有する低騒音部材の実施例について説明を行うものである。なお、上述した第1の実施形態の場合と同一又は類似する部材については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
以上説明した第1の実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置30は、低騒音部材20を軸箱12から延びる腕部14に取り付け、台車収容部2の幅方向に沿って延設されており、一対の車輪11,11と進行方向に沿って重畳するように配置されている場合について説明を行った。次に説明する第2の実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置30aは、第1の実施形態とは異なる形態を有する低騒音部材の実施例について説明を行うものである。なお、上述した第1の実施形態の場合と同一又は類似する部材については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置の構成を示す図であって、(a)は鉄道車両の進行方向断面を示す断面図であり、(b)は、底面図である。
図5(a)に示すように、本実施形態に係る低騒音部材20aは、第1の実施形態に係る低騒音部材20と同様に台車収容部2内に収容され、図2(b)に示すように、台車収容部2の幅方向に沿って延設されており、一対の車輪11,11と進行方向に沿って重畳しないように配置されている。
また、低騒音部材20aは、台車10の横梁15から延びる腕部14a,14aを介して取り付けられている。一対の腕部14a,14aは、一対の車輪11,11の間を鉄道車両の進行方向に沿って配置されている。
このように、本実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置30aは、低騒音部材20aの車幅方向の長さを短く形成し、車軸間のみに重畳するように配置しているので、低騒音部材20aの小型化を図ることができる。また、低騒音部材20aを台車10の横梁15から延びる腕部14aによって取り付けているので、低騒音部材20aの取付強度を向上させることができる。なお、本実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置30aは、低騒音部材によって偏向された流れが車輪に当たることで発生する空力音を抑制することができる。
[第3の実施形態]
以上説明した第2の実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置30aは、低騒音部材20aを台車10の横梁15に取り付けた腕部14aによって取り付けた場合について説明を行った。次に説明する第3の実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置30bは、第1及び第2の実施形態とは異なる形態を有する低騒音部材の実施例について説明を行うものである。なお、上述した第1及び第2の実施形態の場合と同一又は類似する部材については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
以上説明した第2の実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置30aは、低騒音部材20aを台車10の横梁15に取り付けた腕部14aによって取り付けた場合について説明を行った。次に説明する第3の実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置30bは、第1及び第2の実施形態とは異なる形態を有する低騒音部材の実施例について説明を行うものである。なお、上述した第1及び第2の実施形態の場合と同一又は類似する部材については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図6は、本発明の第3の実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置の構成を示す図であって、(a)は鉄道車両の進行方向断面を示す断面図であり、(b)は、底面図である。
図6(a)に示すように、本実施形態に係る低騒音部材20bは、第2の実施形態に係る低騒音部材20aと同様に台車収容部2内に収容され、図2(b)に示すように、台車収容部2の幅方向に沿って車輪11,11間のみに延設されている。
低騒音部材20bは、車輪11,11の両端に配置された軸箱12,12から延びる腕部14b,14bを介して取り付けられている。腕部14bは、軸箱12から進行方向に沿って延びる軸箱取付部16と、軸箱取付部16の先端から車幅方向に沿って延びる低騒音部材取付部17とを有する概略L字状の部材であると好適である。
このように、本実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置30bは、低騒音部材20bの車幅方向の長さを短く形成し、車軸間のみに重畳するように配置しているので、低騒音部材20bの小型化を図ることができる。また、低騒音部材20bを台車10の軸箱12から延びる腕部14bによって取り付けているので、腕部14bの進行方向に沿った長さを短くすることで、鉄道車両の走行に伴う振動による影響を低減することができる。さらに、腕部14bを略L字状に構成することで、腕部14b自体の機械強度を向上させることができる。なお、本実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置30bは、第2の実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置30aと同様に、低騒音部材によって偏向された流れが車輪に当たることで発生する空力音を抑制することができる。
[第4の実施形態]
以上説明した第3の実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置30bは、低騒音部材20aを台車10の軸箱12に取り付けた腕部14bによって取り付けた場合について説明を行った。次に説明する第4の実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置30cは、第1から第3の実施形態とは異なる形態を有する低騒音部材の実施例について説明を行うものである。なお、上述した第1から第3の実施形態の場合と同一又は類似する部材については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
以上説明した第3の実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置30bは、低騒音部材20aを台車10の軸箱12に取り付けた腕部14bによって取り付けた場合について説明を行った。次に説明する第4の実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置30cは、第1から第3の実施形態とは異なる形態を有する低騒音部材の実施例について説明を行うものである。なお、上述した第1から第3の実施形態の場合と同一又は類似する部材については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図7は、本発明の第4の実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置の構成を示す図であって、(a)は鉄道車両の進行方向断面を示す断面図であり、(b)は、底面図である。
図7(a)に示すように、本実施形態に係る低騒音部材20cは、第2及び第3の実施形態に係る低騒音部材20a,20bと同様に台車収容部2内に収容され、図7(b)に示すように、台車収容部2の幅方向に沿って車輪11,11間のみに延設されている。
低騒音部材20cは、台車10の横梁15から延びる腕部14c,14cを介して取り付けられている。一対の腕部14c,14cは、一対の車輪11,11の間を鉄道車両の進行方向に沿って配置されている。また、低騒音部材20cは、一対の車輪11,11と車幅方向に重畳するように配置されている。
このように、本実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置30cは、低騒音部材20cの車幅方向の長さを短く形成し、車軸間のみに重畳するように配置すると共に、車輪11と車幅方向に重畳するように配置されるので、腕部14cの長さを短く構成することができ、鉄道車両用低騒音装置30cの小型化を図ることができる。なお、本実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置30cは、第2及び第3の実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置30a,30bと同様に、低騒音部材によって偏向された流れが車輪に当たることで発生する空力音を抑制することができるほか、台車構成機器の近傍で流れを偏向することができるため、より高い騒音低減効果を発揮することができる。
また、上述した本実施形態に係る鉄道車両用低騒音装置30,30a,30b,30cは、低騒音部材の長さや取り付け方法について種々の形態で形成した場合について説明を行ったが、これらの形態は、各実施形態に係る鉄道車両用低騒装置の形状に限らず、種々の形状に変更しても構わない。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれうることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1 鉄道車両, 2 台車収容部, 3 車体, 10 台車, 11 車輪, 12 軸箱, 13 輪軸, 14,14a,14b,14c 腕部, 15 横梁, 16 軸箱取付部, 17 低騒音部材取付部, 20,20a,20b,20c 低騒音部材, 21 騒音低減部, 22 空力音抑止部, 22a 面取り, 23 傾斜面, 24 斜面, 30,30a,30b,30c 鉄道車両用低騒音装置。
Claims (8)
- 車幅方向両側に一対の車輪を有するとともに、車両の進行方向に沿って配列された一対の輪軸を回転自在に支持する複数の軸箱を有する台車と、前記台車が取付けられる台車収容部を有する車体を備えた鉄道車両に用いられる鉄道車両用低騒音装置であって、
前記車輪の前後にそれぞれに配置されると共に、前記台車に腕部を介して取付けられた低騒音部材を備え、
前記低騒音部材は、前記台車収容部に収容されると共に、車幅方向に沿って延びると共に前記車体の下面から突出する騒音低減部と、前記騒音低減部から鉛直方向に伸びる空力音抑止部とを有し、
前記腕部は、前記車両の進行方向に沿って延びると共に、一端が前記台車に取付けられ、他端が前記低騒音部材に取付けられ、
前記騒音低減部は、前記車両の進行方向に対して鋭角に傾斜する傾斜面を有することを特徴とする鉄道車両用低騒音装置。 - 請求項1に記載の鉄道車両用低騒音装置において、
前記騒音低減部は、前記傾斜面と該傾斜面と連続する斜面を有する下方に凸の凸状形状を有し、
前記凸状形状の頂点は、前記低騒音部材の前記進行方向に沿った中心線よりも前記斜面側に位置することを特徴とする鉄道車両用低騒音装置。 - 請求項1又は2に記載の鉄道車両用低騒音装置において、
前記空力音抑止部は、上端の前記進行方向に沿った断面が曲線に形成されていることを特徴とする鉄道車両用低騒音装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の鉄道車両用低騒音装置において、
前記低騒音部材は、一対の前記車輪と前記進行方向に重畳するように前記車幅方向に沿って延びることを特徴とする鉄道車両用低騒音装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の鉄道車両用低騒音装置において、
前記低騒音部材は、一対の前記車輪の間に沿って延びることを特徴とする鉄道車両用低騒音装置。 - 請求項4又は5に記載の鉄道車両用低騒音装置において、
前記腕部の一端は、前記台車の前記軸箱に取り付けられることを特徴とする鉄道車両用低騒音装置。 - 請求項5に記載の鉄道車両用低騒音装置において、
前記腕部の一端は、前記台車の横梁に取り付けられることを特徴とする鉄道車両用低騒音装置。 - 請求項7に記載の鉄道車両用低騒音装置において、
前記低騒音部材は、前記一対の前記車輪と前記車幅方向に重畳するように前記車幅方向に沿って延びることを特徴とする鉄道車両用低騒音装置。
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2020
- 2020-10-16 JP JP2020174404A patent/JP2022065742A/ja active Pending
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