以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。複数の図面において同一の符号は同一の要素を表し、重複した説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る「預金引き出し予約管理システム」を含む構成を例示する図である。図1は概略的に、エンドユーザー・デバイス101および承認者デバイス106が、ネットワーク110を介して管理・運営サーバ121に接続されることを例示している。また、管理・運営サーバ121が口座保有銀行サーバ141および預金引き出し銀行サーバ161に接続され、また、口座保有銀行サーバ141および預金引き出し銀行サーバ161も相互に接続されていることを示している。
エンドユーザー・デバイス101は、預金者たるエンドユーザー100により操作されるデバイスであり、例えば、PC、タブレット、スマートフォン、またはサーバ等、あるいはこれらの組み合わせとすることができる。エンドユーザー・デバイス101は、エンドユーザー100自身の情報、「預金の引き出し予約に係る初期セットアップ」、「預金の引き出し予約」、「預金の実引き出し」、及び「預金引き出し予約のキャンセル」に係る情報等を管理・運営サーバ121に送信することができる。
「預金の引き出し予約に係る初期セットアップ」にはエンドユーザーの認証情報や名前等のエンドユーザー自身の情報、およびエンドユーザーの出金口座に関する情報を含み得る。また「預金の引き出し予約」の情報には、引き出し日時、引き出しを行うATMの設置場所・種別、引き出し金額、及びこの引き出し予約に付随する各種明細情報(出金口座情報等)を含み得る。また、「預金の実引き出し」に係る情報には、引き出し予約番号、ワンタイムパスワード等の情報を含み得る。また、「預金の引き出し予約のキャンセル」に係る情報には、当初予約を実行した際の予約番号に相当する情報を含み得る。
承認者デバイス106は、預金者たるエンドユーザーが行う「預金引き出し予約」の行為を承認する承認者105が使用するデバイスであり、例えば、PC、タブレット、スマートフォン、またはサーバ等、あるいはこれらの組み合わせとすることができる。承認者デバイス106は、エンドユーザー100がエンドユーザー・デバイス101を用いて行う「預金の引き出し予約」の承認指示の受付を実行し、また必要に応じ「預金の引き出し予約に係る初期セットアップ」情報、及び「預金の引き出し予約のキャンセル」に係る承認を行い、これらの情報を管理・運営サーバ121に送信することができる。
なお、承認者105および承認者デバイス106は、本「預金引き出し予約管理システム」において必須の構成要素ではなく、任意のものである。
管理・運営サーバ121は、1つまたは複数のサーバで構成され、ネットワーク110経由でエンドユーザー・デバイス101から、エンドユーザーの「初期セットアップ」情報、「預金引き出し予約」情報、及び「預金の引き出し予約のキャンセル」に係る情報を受信することができる。また、必要に応じて、ネットワーク110経由で承認者デバイス106から、エンドユーザーの「初期セットアップ」情報、「預金引き出し予約」情報、及び「預金の引き出し予約のキャンセル」に係る承認情報を受信することができる。管理・運営サーバ121は、また、エンドユーザー・デバイス101、または承認者デバイス106から送信されたこれらの情報を、データベース122に登録することができる。
また、管理・運営サーバ121は、ネットワーク110を通じてエンドユーザー・デバイス101から受信した「初期セットアップ」情報、「預金引き出し予約」情報、及び「預金の引き出し予約のキャンセル」に係る情報を、ネットワーク130を通じて口座保有銀行サーバ141に送信することができる。また、管理・運営サーバ121は、ネットワーク170を通じて、預金引き出し銀行サーバ161に対して「預金引き出し予約」情報、及び「預金の引き出し予約のキャンセル」に係る情報を送信することができる。
口座保有銀行サーバ141は、1つまたは複数のサーバで構成され、ネットワーク130を通じて管理・運営サーバ121からの「初期セットアップ」情報、「預金引き出し予約」情報、及び「預金の引き出し予約のキャンセル」に係る情報を受付け、指定された該当口座を「預金引き出し予約処理対象口座」として登録し、また「預金引き出し予約」処理を実行し、また「預金の引き出し予約のキャンセル」に関する処理を実行し、これらの結果を管理・運営サーバ121に送信する。また、これら一連の結果をデータベース142に保存することができる。
また、口座保有銀行サーバ141は、ネットワーク150を通じて預金引き出し銀行サーバ161に対し、「預金引き出し予約」情報、及び「預金の引き出し予約のキャンセル」に係る情報を送信してもよい。また、この際、引き出し所要資金に関する送金処理を行ってもよい。
預金引き出し銀行サーバ161は、1つまたは複数のサーバで構成され、ネットワーク170を通じて管理・運営サーバ121からの「預金引き出し予約」情報、及び「預金の引き出し予約のキャンセル」に係る情報を受付け、「預金引き出し予約」処理を実行し、または、「預金の引き出し予約のキャンセル」に関する処理を実行し、これらの結果を管理・運営サーバ121に返信する。また、これら一連の結果をデータベース162に保存することができる。
また、預金引き出し銀行サーバ161は、ネットワーク150を通じて口座保有銀行サーバ141からの「預金引き出し予約」情報、及び「預金の引き出し予約のキャンセル」に係る情報を受信してもよい。また、この際、引き出し所要資金に関する送金受領処理を行ってもよい。
また、預金引き出し銀行サーバ161は、ネットワーク180を通じてATM190からの「預金引き出し」要求に係る情報を受信し、事前に受信していた預金引き出しに係る予約情報との整合を確認し、預金引き出し処理を実行する。また、この際、引き出された金額について、引き出し予定金額と実引き出し金額の差分を控除する方式としてもよい。
なお、預金引き出し銀行サーバ161は、「預金引き出し予約」処理、およびATMを用いた「預金引き出し」の一連の処理を実行するにあたって、一時的に専用の仮想的な口座(以降「ワンタイム口座」という)を作成し、この口座で引き出し処理、および残高管理等の処理を行ってもよい。
ネットワーク110は、例えばインターネット等、エンドユーザー・デバイス101及び承認者デバイス106と管理・運営サーバ121との間で相互通信可能な周知のネットワークとすることができ、特に限定されることはない。ネットワーク130は、例えばインターネット等、管理・運営サーバ121と口座保有銀行サーバ141との間で相互通信可能な周知のネットワークとすることができ、特に限定されることはない。ネットワーク150は、例えばインターネット等、口座保有銀行サーバ141と預金引き出し銀行サーバ161との間で相互通信可能な周知のネットワークとすることができ、特に限定されることはない。ネットワーク170は、例えばインターネット等、管理・運営サーバ121と預金引き出し銀行サーバ161との間で相互通信可能な周知のネットワークとすることができ、特に限定されることはない。ネットワーク180は、例えばインターネット等、ATM190と預金引き出し銀行サーバ161との間で相互通信可能な周知のネットワークとすることができ、特に限定されることはない。
なお、図1における管理・運営会社120、および管理・運営サーバ121は、預金引き出し予約に関する一連の煩雑、且つ共通的な処理を、銀行(口座保有銀行140、預金引き出し銀行160)に代わって実行するものである。一方、上記銀行が、一連の処理を自行内で処理する場合は、管理・運営会社120、および管理・運営サーバ121は本「預金引き出し予約管理システム」において、必須の構成要素とはならない。これらに関する具体的な説明は、図3以降で行う。
また、図1において、口座保有銀行サーバ141、預金引き出し銀行サーバ161は、それぞれ独立したものとして記載しているが、エンドユーザーの口座保有銀行140内で処理を完結できる場合は、口座保有銀行サーバ141、預金引き出し銀行サーバ161は実質同一サーバとなる場合があり得る。かかる場合、ATM190は、口座保有銀行サーバ141と通信可能に接続されることとなる。これらに関する具体的な説明は、図3以降で行う。
図2は、本発明の一実施形態に係るエンドユーザー・デバイス101の構成を例示する図である。エンドユーザー・デバイス101は、概略的に、IF部1010、表示部1011、入力受付部1012、スキャナー部1013を備える。
IF部1010は、管理・運営サーバ121から、エンドユーザー・デバイス101に表示する為のエンドユーザー自身の情報(名前等)、「預金引き出し予約」処理の結果、「預金引き出し予約のキャンセル」の結果、現在の予約明細、また過去の取扱い履歴に関する情報などを受信するインタフェースである。また、エンドユーザー・デバイス101は、IF部1010を介して、エンドユーザーの認証情報(ID、パスワード等)、エンドユーザーの名前等の「初期セットアップ」に係る情報、「預金引き出し予約」の指示、「預金引き出し予約のキャンセル」の指示に関する情報を送信することができる。
表示部1011は、ディスプレイ装置であり、エンドユーザー自身の情報(名前等)、「預金引き出し予約」処理の結果、「預金引き出し予約のキャンセル」の結果、現在の予約明細、また過去の予約および預金引き出し予約の履歴に関する情報等を表示することができる。
入力受付部1012では、エンドユーザーによる入力を受け付けることができる。具体的には、エンドユーザーの認証情報(ID、パスワード等)の入力、エンドユーザーの名前等の初期セットアップに係る情報入力、「預金引き出し予約」の指示、「預金引き出し予約のキャンセル」の指示に関する入力操作等である。
スキャナー部1013では、二次元バーコード等を読み取ることができる。このスキャナー部1013は、ATM操作において二次元バーコード等の読み取り処理が必要となる場合に使用される任意の構成要素である。具体的には、ATMからの出金の際に、ATMに表示された二次元バーコードを読み取り、これを解析し、文字列等を抽出する等の処理を実行する。これら抽出された文字列等は、IF部1010を通じて、管理・運営サーバ121、又は口座保有銀行サーバ141等に送信される。
なお、承認者デバイス106の構成は、入出力されるデータは、預金引き出し予約の承認等に関わる情報のみとなるものの、基本的な構成は図2で示したエンドユーザー・デバイス101と同様である。
図3は、本発明の一実施形態に係る「預金引き出し予約管理システム」全体の論理的な機能構成を例示する概念図である。この図3は、初期セットアップが完了した後の「預金引き出し予約」処理および、これに続く「預金の実引き出し」処理に係る論理的な流れを示している。
以下に記述するS301~S304は、エンドユーザー名義の口座を保有する口座保有銀行140と、実際に預金引き出し処理を実行する銀行が異なる場合の流れを示している。
S301(引き出し予約):エンドユーザー100は、エンドユーザー・デバイス101を用いて、銀行が提供するネットバンキング画面、または所定のスマホアプリ等から、預金引き出し予約を行う。この際、エンドユーザー100は、引き出しを行う予定日時、金額、使用するATMの設置場所(コンビニ、銀行支店ATM等)等の情報を指定する。
S302(引き出し予約承認):口座保有銀行サーバ141は、エンドユーザー100の入力情報を受け付ける。この際、当該口座に関する初期セットアップ時の情報にもとづき、事前に登録された承認者105、または承認者デバイス106に対してエンドユーザー100が行った預金引き出し予約に関する承認の要求を行ってもよい。承認者105は、この承認要求に対する承認許可、または不許可の情報を承認者デバイス106を介して入力する。このような第三者による承認または不承認は、当該預金引き出しの安全性をより高める効果をもつ。
S303(通知・送金):口座保有銀行サーバ141は、エンドユーザー100からの預金引き出し予約(及び必要に応じて承認者105からの承認情報を受けて)、当該引き出しが自行内で処理できるかどうかを判定する。もし、システム的な理由、契約上の理由等で当該引き出しが自行で処理できないと判定された場合は、当該引き出しを実行可能な預金引き出し銀行サーバ161に当該引き出しの処理を依頼する。この際、口座保有銀行サーバ141は、預金引き出し銀行サーバ161に対し、エンドユーザー100からの預金引き出し予約情報を通知する。
この際、同時に口座保有銀行140から預金引き出し銀行160に引き出し予定金額を送金することが一般的な処理となるが、当該送金は事後に、または事前にまとめて実行する方式でもよい。また、同一銀行(すなわち、口座保有銀行140あるいは預金引き出し銀行160)内に、口座保有銀行140名義の口座と、預金引き出し銀行160名義の口座が存在する場合、口座間の振替処理等で資金手当てを行ってもよい。
また、この際、預金引き出し処理の依頼を受けた預金引き出し銀行サーバ161は、当該引き出しに備えて、当該用途にのみ使用される一時的な「ワンタイム口座」を作成してもよい。
S304(引き出し・チャージ):エンドユーザー100は、事前に予約した預金引き出し情報に沿い、その利用を予約したATMを用いて預金引き出しを行う。この際、当該預金引き出し処理を実行するのは、預金引き出し銀行サーバ161である。
なお、前記の通り、この場合の引き出しは預貯金の引き出しに限らず、キャッシングやカードローン等の実行でも同様である。また、銀行振込やこれに伴う口座出金、支払・決済用アプリへの残高チャージ、または支払・決済用アプリの残高からの現金出金等も同様である。
また、この預金引き出しに際して、実際に当該引き出しを処理するシステムが口座保有銀行サーバ141ではなく、預金引き出し銀行サーバ161となることから、エンドユーザー100が所持する口座保有銀行140の口座のキャッシュカードは使用できないことが想定される。このため、エンドユーザー100が預金引き出しの際に使用する媒体は、スマートフォンまたは専用の引き出し専用カードとする方式としてもよい。
上記、S301~S304によって、システム的、または契約上、その他の理由によって従来引き出しができなかったATMであっても、安全に預金の引き出しを行うことができるようになる。
また、S304の引き出しの際、当該引き出しにのみ有効なワンタイムパスワード等を用いることにより、予約に伴う引き出しを、より安全なものとすることができる。
上記、S301~S304は、口座保有銀行140と実際に預金引き出し処理を行う預金引き出し銀行160が異なる場合の説明である。以下のS3010は、口座保有銀行140と実際に預金引き出し処理を行う銀行が同一の場合の説明である。
以下の説明は、エンドユーザー100による設定、または口座保有銀行140の設定により、例えば夜間・休日(平日・日中も同様)は事前の預金引き出し予約を必須にした場合などに適用可能である。
このような口座保有銀行140が単独で処理を行う場合でも、S301(引き出し予約)とS302(引き出し予約承認)は、前記の口座保有銀行140と預金引き出し銀行160が異なる場合と同様である。
ただし、口座保有銀行140と実際に預金引き出し処理を行う銀行が同一であるため、S303(通知・送金)は処理が同一銀行内で行われるため明示的には不要となる。
S3010:口座保有銀行140と実際に預金引き出し処理を行う銀行が同一の場合は、ATM190と接続されるサーバは口座保有銀行サーバ141となり、預金の引き出し処理は口座保有銀行サーバ141が実行する。
また、S304(引き出し・チャージ)の際に用いる媒体は、処理するサーバが口座保有銀行サーバ141であるため、一般に、エンドユーザー100が保持する口座保有銀行140のキャッシュカードが使用できる。
上記のように、口座保有銀行140と実際に預金引き出し処理を行う銀行が同一の場合であっても、預金引き出しに際して事前の予約または第三者の承認を必須とすることによって、不正な預金の引き出しを防止し、エンドユーザー100の預金を安全に保全することができるようになる。
なお、このような預金の引き出しに際し、予約を必須とすれば、通常のキャッシュカード媒体、暗証番号に加えて、予約用のインターネットバンキング、あるいは予約用スマホアプリの認証、さらに引き出し用ワンタイムパスワードなどを活用することによって多くの認証要素を使用することになり、また、引き出しの時間、使用するATMを限定することによって、通常の引き出しに比べ、よりセキュア預金引き出しを実現できることになる。
以上が、口座保有銀行140と実際に預金引き出し処理を行う銀行が同一の場合の説明であるが、このような預金引き出しの事前予約や第三者の承認処理、引き出し可能な銀行の判定や、実際の引き出しを行う銀行への通知・送金などをシステム化するのは、各銀行にとって大きな開発・運用負担を強いることになる。そこで、以下では、このような引き出し予約、第三者承認、他行への通知・送金などの処理を、銀行本体とは異なる別途の管理・運営会社120が運営する場合の例を説明する。
S3020:「預金引き出し予約管理システム」に係る予約受付、預金引き出しに備えた事前準備処理、預金引き出しの事後処理等の処理全般を管理・運営会社120の管理・運営サーバ121が実行する場合、エンドユーザー100によって実行されるS301(引き出し予約)に相当する処理は、エンドユーザー・デバイス101と管理・運営サーバ121の間で実行され、エンドユーザー100による預金引き出し予約の情報は管理・運営サーバ121に通知される。
S3021:エンドユーザー・デバイス101から預金引き出し予約の情報を受け取った管理・運営サーバ121は、初期セットアップの情報等にもとづき、必要に応じ、承認者105の承認を得るため、この情報を承認者デバイス106に通知し、当該引き出し予約に関する許可/不許可の返信情報を得る。
S3022:上記の預金引き出し予約情報の受付(S3020)、及び必要に応じて行う引き出し予約の承認処理(S3021)を完了した後、管理・運営サーバ121は、口座保有銀行サーバ141に対し、当該予約の通知を行う。この際、口座保有銀行サーバ141は、管理・運営サーバ121からの通知内容をもとに当該口座から引き出し予定金額の口座出金処理を行ってもよい。予約に関する通知を受け取った口座保有銀行サーバ141は口座属性・ステータスの確認、初期セットアップ情報との整合、及び上記口座出金等必要な処理を行った後、その処理結果を管理・運営サーバ121に通知する。
S3023:口座保有銀行サーバ141から予約登録の結果通知を受け取った管理・運営サーバ121は、預金引き出し銀行サーバ161に対し、引き出し予約の通知を行う。この通知を受けた預金引き出し銀行サーバ161は、当該予約に備えて「ワンタイム口座」の作成等の処理を行う。なお、この際、同時に、管理・運営会社120は、口座保有銀行140に依頼して預金引き出し銀行160に対し、該当資金の送金を行ってもよい。なお、この送金処理は事後または事前にまとめて送金してもよい。
なお、S3023は、口座保有銀行140と預金引き出し銀行160が異なる場合の処理を示しているが、これらが同一の銀行となる場合は、S3023の預金引き出し準備の依頼は、口座保有銀行サーバ141に対して行われることになる。
また、一連の準備処理が完了した時点(S3023)、あるいはS3020の予約受付の時点等で、管理・運営サーバ121は、エンドユーザー・デバイス101に対して、預金引き出しの際に用いる予約番号や、引き出し用ワンタイムパスワードを通知してもよい。このワンタイムパスワードの利用は、悪意をもった第三者の不正利用を防止するという観点から、預金引き出しをより安全なものにすることができる。
次のステップであるエンドユーザー100による預金引き出し処理は、S304と同様である。この場合、引き出し時に使用する媒体は、口座保有銀行140と預金引き出し銀行160が異なる場合は、S304の説明と同様に、主にスマートフォンまたは専用の引き出し用カードとなることが想定され、口座保有銀行140と預金引き出し銀行160が同一の場合は、主に既に保持している口座保有銀行140のキャッシュカードとなることが想定される。
図4は、エンドユーザー・デバイス101に表示される画面を例示したものである。エンドユーザー・デバイス101に表示される画面の中で、図4は、預金引き出し予約の画面例を示している。
図4では、出金口座、出金予定金額、使用するATMの種別、引き出し予定日時(レンジ指定)、口座出金の種別(限定なし、現金引き出し、アプリ残高チャージ等)等の項目をエンドユーザー100が入力する画面例を示している。なお、この画面では、利用するATMのコンビニチェーンも指定できる例を示している。
なお、この画面における「引き出し予定日時」の項目でも示されているように、預金引き出しの予約を行う場合は、「数時間後」、「数日後」等の将来に限らず「今すぐ(「今からX時間以内」)」のような指定・利用も可能である。
なお、この図4の画面は例示であって、これらの項目、ボタン配置等は図4で示した例に限定されない。また、図4はスマートフォン用の画面を示しているが、PC、タブレット等のための画面とした場合も同様である。
図5は、本発明の一実施形態に係る預金引き出し予約管理システムに関する処理シーケンスの概要を例示する図である。図5では、預金引き出し予約を行うに際して、その事前の処理となる初期セットアップの処理の流れを示している。また図5は、特に管理・運営会社120を介在させることなく、口座保有銀行140単独で処理を完結させる場合のシーケンスを示している。
S501:エンドユーザー100は、預金引き出し予約サービスの利用に先立ち、エンドユーザー・デバイス101を用いて、当該サービスの利用申請を行う。この際、用いる画面は口座保有銀行140が提供するネットバンキング画面またはスマホアプリなどがあり得るがこれらに限定されない。
S502:口座保有銀行サーバ141は、S501の利用申請を受けて、指定された口座について「預金引き出し予約サービス」利用の旨の登録を行う。また、この際、当該サービスのオプションとして(a)承認者設定の要否、及びその連絡先(eメールアドレス等)、(b)適用する時間帯(24時間365日予約必須/夜間休日のみ予約必須等)、(c)対象とするサービス(現金引き出しのみ/銀行振込、アプリ残高へのチャージを含む等)などの選択肢を設けてもよい。また、口座保有銀行サーバ141は、このサービス利用申請受付の際、同時に口座種別(法人口座/個人口座等、普通預金/当座預金/定期預金等)や口座のステータス(差押えの有無等)のチェックを行ってもよい。
S503:本「預金引き出し予約サービス」に係る初期セットアップ手続きにおいて、エンドユーザー100以外の承認者105が登録された場合は、本サービス利用登録に関する情報を、承認者105、または承認者デバイス106に送信してもよい。また、この際の通知は、eメール、SMS(ショートメッセージサービス)、プッシュ通知またはこれらと同等の通信手段から一つまたは複数の手段を用いて行ってもよい。加えて、初期セットアップ手続きは、承認者からの許諾連絡を待ってから最終完了させる方式としてもよい。
S504:口座保有銀行サーバ141における預金引き出し予約サービスの利用登録が正常に完了した後、口座保有銀行サーバ141は、エンドユーザー・デバイス101またはエンドユーザー100に対して、登録完了の通知を行ってもよい。この通知は、登録画面上での通知でもよいし、eメール、SMS(ショートメッセージサービス)、プッシュ通知またはこれらと同等の通信手段から一つまたは複数の手段を用いて行ってもよい。
図6は、本発明の一実施形態に係る預金引き出し予約管理システムに関する処理シーケンスの概要を例示する図である。図6では、預金引き出し予約を行うに際して、その事前の処理となる初期セットアップの処理の流れを示している。前出図5では、管理・運営会社120を介在させることなく、口座保有銀行140内で処理を完結させる場合のシーケンスを示していたが、図6では管理・運営会社120を介在させた場合のシーケンスを示す。
S601:エンドユーザー100は、エンドユーザー・デバイス101を用いて、預金引き出し予約サービスの利用に先立ち、当該サービスの利用申請を行う。この際用いる画面は管理・運営サーバ121が提供するウェブサイトやスマホアプリの画面になどがありうるが、これらに限定されない。
S602:管理・運営サーバ121は、S601の利用申請を受けて、利用者氏名、利用者連絡先、出金口座に関する情報等の基本情報の仮登録処理を行う。また、この利用申請受付の際、当該サービスのオプションとして(a)承認者設定の要否、及びその連絡先(eメールアドレス等)、(b)適用する時間帯(24時間365日予約必須/夜間休日のみ予約必須等)、(c)対象とするサービス(現金引き出しのみ/銀行振込、アプリ残高へのチャージを含む等)などの選択肢を設け、これらも同時に登録する方式としてもよい。
S603:管理・運営サーバ121は、S602の仮登録の後、口座保有銀行サーバ141に対して、エンドユーザー100によって指定された口座を、本預金引き出し予約サービスの対象口座として登録するよう依頼する。
S604:口座保有銀行サーバ141は、管理・運営サーバ121から受けた依頼をもとに当該口座に関する属性設定等の処理を行った後、その結果を管理・運営サーバ121に対して返信する。なお、この口座保有銀行サーバ141による属性設定に際して、口座種別(法人口座/個人口座等、普通預金/当座預金/定期預金等)や口座のステータス(差押えの有無等)のチェックを行ってもよい。
S605:管理・運営サーバ121は、口座保有銀行サーバ141からの返信電文をもとに、エンドユーザーからの申し込み内容を登録する。
S606:本預金引き出し予約サービスに係るS602の初期セットアップ手続きにおいて、承認者が登録されている場合は、本サービス利用登録に関する情報を、承認者105、または承認者デバイス106に送信してもよい。また、この際この通知は、eメール、SMS(ショートメッセージサービス)、プッシュ通知またはこれらと同等の通信手段から一つまたは複数の手段を用いて行ってもよい。加えて、初期セットアップ手続きは、承認者からの許諾通知を待ってから最終完了させる方式としてもよい。
S607:管理・運営サーバ121における預金引き出し予約サービスの登録が正常に完了した後、管理・運営サーバ121は、エンドユーザー・デバイス101またはエンドユーザー100に対して、登録完了の通知を行ってもよい。この通知は、登録画面上での通知でもよいし、eメール、SMS(ショートメッセージサービス)、プッシュ通知またはこれらと同等の通信手段から一つまたは複数の手段を用いて行ってもよい。
図7は、本発明の一実施形態に係る預金引き出し予約管理システムに関する処理シーケンスの概要を例示する図である。図7では、預金引き出し予約に関する事前の初期セットアップ処理が完了した後、実際に預金引き出し予約を実行する場合の流れを示している。図7では、管理・運営会社120を介在させることなく、口座保有銀行140内で処理を完結させる場合のシーケンスを示しているおり、これは前出図5で説明した、同一銀行内で初期セットアップが完了するケースに対応するものである。
S701:エンドユーザー100は、エンドユーザー・デバイス101を用いて、口座保有銀行サーバ141によって提供される所定の登録画面に対し、預金引き出し予約に関する情報を登録する。この際、前出図4で示したように、引き出し予定の日時を範囲で指定すると共に、引き出し予定金額、出金口座、使用するATMの種別(設置場所等)、口座出金の種別(現金引き出し、アプリ残高チャージ等)等の情報を登録するが、登録する情報はこれらに限定されない。
S702:エンドユーザー・デバイス101からの預金引き出し予約に関する情報を受けて、口座保有銀行サーバ141は、当該予約情報の仮登録を行う。
S703:S502で示した預金引き出し予約サービスに係る初期セットアップ手続きにおいて、承認者が指定された場合は、本預金引き出し予約に関する情報を、承認者105、または承認者デバイス106に送信してもよい。また、この際の通知は、eメール、SMS(ショートメッセージサービス)、プッシュ通知またはこれらと同等の通信手段から一つまたは複数の手段を用いて行ってもよい。
S704:預金引き出し予約に関する承認者105は、口座保有銀行サーバ141からの承認要求を受け、承認者デバイス106等を用いて、予約承認または非承認の情報を口座保有銀行サーバ141に通知する。この際の通知手段は、主に口座保有銀行サーバ141に接続された承認受付画面が想定されるが、eメール、SMS(ショートメッセージサービス)、またはこれらと同等の通信手段から一つまたは複数の手段を用いて行ってもよい。
S705:S702の引き出し予約仮登録処理、及び必要に応じて実行される承認者105による承認(S704)を確認した後、口座保有銀行サーバ141は、当該預金引き出し予約に関する確定登録処理を行う。
この確定登録の際、口座保有銀行サーバ141は、引き出し時に用いるワンタイムパスワード、ワンタイムパスコード、予約番号を決定し、同時にデータベース142に登録してもよい。
S706:口座保有銀行サーバ141における預金引き出し予約の登録が正常に完了した後、口座保有銀行サーバ141は、エンドユーザー・デバイス101またはエンドユーザー100に対して、登録完了の通知を行ってもよい。この通知は、登録画面上での通知でもよいし、eメール、SMS(ショートメッセージサービス)、プッシュ通知またはこれらと同等の通信手段から一つまたは複数の手段を用いて行ってもよい。
また、この通知の際、預金引き出しの際に用いる、ワンタイムパスワード、またはワンタイムパスコードや予約番号も同時に通知する方式としてもよい。このようなワンタイムパスワード、ワンタイムパスコード、予約番号等を預金引き出しの際に必須入力項目とすることによって、第三者による不正な引出しを防止し、預金の引き出しをより安全なものとすることができる。
なお、預金引き出し予約を伴わない通常の預金の引き出しにおいても、従来のキャッシュカードと暗証番号に加えて、口座保有銀行140が提供するスマホアプリ等で表示されるワンタイムパスワード、ワンタイムパスコード等を入力必須とすれば、第三者による不正な引出しを防止し、預金の引き出しをより安全なものとすることができる。
S707:本予約に関し承認者105が登録されている場合、S705の預金引き出し予約サービスの登録が正常に完了した後、口座保有銀行サーバ141は、承認者デバイス106または承認者105に対して、登録完了の通知を行ってもよい。この通知は、口座保有銀行サーバ141が提供する画面上での通知でもよいし、eメール、SMS(ショートメッセージサービス)、プッシュ通知またはこれらと同等の通信手段から一つまたは複数の手段を用いて行ってもよい。
図8は、本発明の一実施形態に係る預金引き出し予約管理システムに関する処理シーケンスの概要を例示する図である。本図8では、預金引き出し予約に関する事前の初期セットアップ処理が完了した後、実際に預金引き出し予約を実行する場合の流れを示している。本図8では、管理・運営サーバ121を介在させ、且つ、口座保有銀行140と、実際に預金引き出しサービスを実行する預金引き出し銀行160が異なる場合のシーケンスを示しており、これは前出図6で説明した、管理・運営会社を介在させた初期セットアップ処理に対応するものである。
S801:エンドユーザー100は、エンドユーザー・デバイス101を用いて、管理・運営サーバ121から提供される所定の登録画面を用いて、預金の引き出しに関する予約情報を登録する。この際、前出図4で示したように、引き出し予定の日時を範囲指定すると共に、引き出し予定金額、出金口座、使用するATMの種別(設置場所等)等の情報を登録するが、登録する情報はこれらに限定されない。
S802:エンドユーザー・デバイス101からの預金引き出し予約に関する情報を受けて、管理・運営サーバ121は、当該予約情報の仮登録を行う。
S803:S602で示した預金引き出し予約サービスに係る初期セットアップ手続きにおいて、承認者105が登録されている場合は、本預金引き出し予約に関する情報を、承認者105、または承認者デバイス106に送信する。また、この際この通知は、eメール、SMS(ショートメッセージサービス)、プッシュ通知またはこれらと同等の通信手段から一つまたは複数の手段を用いて行ってもよい。
S804:預金引き出し予約に関する承認者105は、管理・運営サーバ121からの承認要求を受け、承認者デバイス106等を用いて、予約承認または非承認の情報を管理・運営サーバ121に通知する。この際、通知手段は、主に管理・運営サーバ121に接続された承認受付画面が想定されるが、eメール、SMS(ショートメッセージサービス)、またはこれらと同等の通信手段から一つまたは複数の手段を用いて行ってもよい。
S805:管理・運営サーバ121は、事前に収集・登録されているATM接続・運用管理情報にもとづき、エンドユーザー100によって登録された預金引き出し予約情報のうち、使用するATMの情報、及び引き出し時間帯などの情報から、当該予約時間帯において、口座保有銀行サーバ141が預金引き出しサービスを提供可能かどうかを判定する。
S805からS809の処理は、指定されたATMが、指定された時間帯に、口座保有銀行サーバ141に接続されていないため、引き出し処理に対応可能な、他の銀行(預金引き出し銀行160)へ引き出しサービスを委託することが必要と判定された場合の処理である。
S805において、管理・運営サーバ121は、口座保有銀行サーバ141に対して、指定された出金口座から指定された金額に関する出金指示を実施してもよい。この口座出金は、後に実行される預金引き出し銀行サーバ161における引き出し所要資金を確保するための処理であるが、資金管理、システム的な手当、契約上等の観点から、これが可能な場合、この時点では実出金を実行しない、または、与信限度枠を減らす等の出金同等の処理を行ってもよい。
口座から出金された資金は、口座保有銀行140における管理・運営会社120の口座に振替入金してもよいし、管理・運営会社の所定の口座に送金してもよいし、口座保有銀行140の別段預金等に入金してもよいし、また、上記以外の同等の方法で保全する方式でもよい。
S806:口座保有銀行サーバ141は、引き出し予定資金に係る口座出金処理、または同等の処理が完了した後、この完了通知を管理・運営サーバ121に対して送信する。
S807:管理・運営サーバ121は、預金引き出し銀行サーバ161に対して、預金引き出しサービスの代行・委託に関する電文を送信する。この際、この電文には、エンドユーザー100から受信した、引き出し予定金額、引き出し予定日時、口座出金の種別(現金引き出し、アプリ残高チャージ等)等の情報を含めてもよい。また、管理・運営サーバ121は、同時に決定したワンタイムパスワード、ワンタイムパスコード、引き出し予約番号を預金引き出し銀行サーバ161に通知してもよい。
S808:管理・運営サーバ121から預金引き出しの委託電文を受信した預金引き出し銀行サーバ161は、当該引き出しに備え、当該目的のための一時的な口座(ワンタイム口座)を開設し、同時に引き出し予定金額を当該口座に入金する。
この際、上記の入金金額に相当する資金は、管理・運営会社120から送金を受けてもよいし、管理・運営会社120が預金引き出し銀行160に保持する口座から所要資金を振り替えてもよいし、または、預金引き出し銀行160が一時的に立て替える方式、または、これらに相当する別の手段でもよい。
S809:預金引き出し銀行サーバ161は、預金の引き出し予約に関する準備が完了した後、この完了通知電文を管理・運営サーバ121に対して送信する。
S810:管理・運営サーバ121は、預金引き出し銀行サーバ161からのワンタイム口座開設・口座入金処理の完了を含む準備完了連絡を受信した後、この準備完了情報をデータベース122上に記録する。
S811:管理・運営サーバ121は、エンドユーザー・デバイス101またはエンドユーザー100に対して、登録完了の通知を行ってもよい。この通知は、登録画面上での通知でもよいし、eメール、SMS(ショートメッセージサービス)、プッシュ通知またはこれらと同等の通信手段から一つまたは複数の手段を用いて行ってもよい。
また、この通知の際、預金引き出しの際に用いる、ワンタイムパスワード、またはワンタイムパスコードや予約番号も同時に通知する方式としてもよい。このようなワンタイムパスワード、ワンタイムパスコードや予約番号を預金引き出しの際に必須入力項目とすることによって、第三者による不正な引出しを防止し、預金の引き出しをより安全なものとすることができる。
S812:本予約に関し承認者105が登録されている場合、S810の預金引き出し予約サービスの登録が正常に完了した後、管理・運営サーバ121は、承認者デバイス106または承認者105に対して、登録完了の通知を行ってもよい。この通知は、管理・運営サーバ121が提供する画面上での通知でもよいし、eメール、SMS(ショートメッセージサービス)、プッシュ通知またはこれらと同等の通信手段から一つまたは複数の手段を用いて行ってもよい。
S805からS809の、一連の処理に先立ち、口座保有銀行サーバ141において、エンドユーザー100が希望する預金引き出しについて、口座保有銀行140が処理できるか否か、或いは、どの銀行が預金の引き出しサービスを提供できるかの判定は、S805において、管理・運営サーバ121が行うとしていた。一方、この判定を口座保有銀行140が実行可能な場合は、この判定を口座保有銀行サーバ141が実行する方式としてもよい。また、この判定の後の、預金引き出し銀行サーバ161への委託電文(S807相当)は、口座保有銀行サーバ141が発信する方式としてもよい。
なお、このように預金引き出し銀行サーバ161への委託電文(S807相当)を口座保有銀行サーバ141が発信する方式とした場合、引き出し所要資金は、口座保有銀行140から預金引き出し銀行160に送金する方式としてもよい。
また、S805において、預金の引き出しの所要資金の確保(出金)は、預金引き出し予約の時点で実行される方式を記載しているが、これが可能な場合、エンドユーザー口座からの出金は、実際に預金の引き出しが実行された時点で実行される方式としてもよい。
図9は、本発明の一実施形態に係る預金引き出し予約管理システムに関する処理シーケンスの概要を例示する図である。本図9では、預金引き出し予約の処理が完了した後、実際に預金引き出しを実行する場合の流れを示している。本図9では、管理・運営サーバ121を介在させずに、口座保有銀行140が単独で、予約された預金引き出し処理を実行する場合のシーケンスを示している。この図9は、図5(初期セットアップ処理)、及び図7(預金引き出し予約処理)に対応するものである。
S901:預金者たるエンドユーザー100は、予め実行している予約登録の内容に従い、予約登録済の時間帯に予約登録済のATM190に対し、預金の引き出しの処理を指示する。なお、ATM190において、通常の預金引き出しのメニューボタン以外に、預金引き出し予約に伴う引き出しのためのメニューボタンを設定し、このボタンから以降の処理を誘導する方式としてもよい。
S902:図9は、預金引き出し予約に伴う預金引き出しを口座保有銀行140内で完結させる場合を示したものである。したがってエンドユーザー100が、預金引き出し予約に伴う引き出しを実行する際、ここで使用する媒体は口座保有銀行が発行する既存のキャッシュカードであり、これに加えて当該口座の暗証番号を使用することが想定される。
なお、ATM190に二次元バーコードの表示/読取り等、スマホアプリとの連携機能が装備されている場合は、キャッシュカードに代えて(または併用する方式で)スマホアプリを用いて預金引き出し手続きを行ってもよい。加えて、預金の引き出し予約時に、あらかじめ口座保有銀行サーバ141からワンタイムパスワード、ワンタイムパスコード、または予約番号が発行され、これが預金引き出し時の必須入力項目とされている場合は、これを入力する方式としてもよい。
S903:ATM190は、口座保有銀行サーバ141に対し、エンドユーザー100がATM190に対して入力を行った預金引き出し指示の内容を送信する。
S904:口座保有銀行サーバ141は、ATM190からの預金引き出し要求の電文を受け、当該口座の預金引き出しに関する属性(預金引き出し予約サービスの利用有無等)、及び予約内容との整合(引き出し予定時間、金額等)をチェックし、また、同時に預金残高等の確認を行う。
S905:口座保有銀行サーバ141は、S904のチェックにおいて当該引き出し要求が問題ないと確認された後、当該口座に関する出金処理を実行する。
S906:口座保有銀行サーバ141は、S905の当該口座に関する出金処理の完了を確認した後、この完了通知をATM190に対して返信する。
S907:ATM190は、口座保有銀行サーバ141から受信した当該口座に関する資金引き出し処理の完了の通知を受けて、現金出金処理を行う。
S907において、預金口座からの現金出金処理を例にとっているが、前記の通り、キャッシングやカードローン等の実行でも同様である。また、銀行振込やこれに伴う口座出金、支払・決済用アプリへのチャージ等も同様の処理で対応可能である。
図10は、本発明の一実施形態に係る預金引き出し予約管理システムに関する処理シーケンスの概要を例示する図である。本図10では、預金引き出し予約の処理が完了した後、実際に預金引き出しを実行する場合の流れを示している。本図10では、管理・運営サーバ121を介在させ、且つ、口座保有銀行140と預金引き出し銀行160が異なる場合のシーケンスを示している。この図10は、図6(初期セットアップ処理)、及び図8(預金引き出し予約処理)に対応するものである。
S1001:預金者たるエンドユーザー100は、予め実行している予約登録の内容に従い、予約登録済の時間帯に予約登録済のATM190に対し、預金引き出し予約に伴う引き出しの処理を指示する。
本図10は、口座保有銀行140と預金引き出し銀行160が異なる場合を示したものである。したがってエンドユーザー100が、預金引き出し予約に伴う引き出しを実行する際、ここで使用する媒体は口座保有銀行が発行する既存のキャッシュカードではなく、スマホアプリや専用の引き出し用カードとなることが主に想定される。したがって、ATMにおけるメニューにおいても、通常の預金引き出しのメニューボタンではなく、専用のメニューボタン(例:「予約引き出し」等)が設定されることが想定される。
S1002:S1002~S1004は、引き出し予約がなされた預金の引き出しの処理を、スマホアプリを用いて行う場合の処理ステップの一例を示したものである。この場合、ATM190は、エンドユーザー100が選択したメニューに従い二次元バーコードを表示する。上記二次元バーコードには、当該ATM190を特定する情報以外に、当該ATM190の属性(設置場所等)と共に、預金引き出し予約の処理であることを示す情報などを含めてもよい。
S1003:エンドユーザー100は、エンドユーザー・デバイス101上のスマホアプリを用いて、ATM190の画面上に表示された二次元バーコードを読み取る。
S1004:エンドユーザー・デバイス101は、上記スマホアプリを介して、この二次元バーコードに含まれた情報と共に、エンドユーザー100を特定する情報等を、管理・運営サーバ121に送信し、預金引き出し予約情報との一致・整合の確認を依頼する。
S1005:管理・運営サーバ121は、S1004においてスマホアプリから送信された情報と、事前に登録されている預金引き出し予約の情報を突合し、予約情報との一致・整合を確認する。
S1006:管理・運営サーバ121はS1005の確認結果をエンドユーザー・デバイス101上のスマホアプリに送信する。この際、預金引き出し時に用いる、ワンタイムパスワード、ワンタイムパスコードや予約番号等を同時に送信してもよい。
S1007:エンドユーザー100は、ATM190に対して、引き出し金額、当該引き出しを特定するための情報(口座番号、予約番号等)に加えて、必要に応じ、当該引き出しの正当性を保証するための情報(ワンタイムパスワード、ワンタイムパスコード等)を入力する。
S1008:ATM190は、エンドユーザー100によって入力された情報を預金引き出し銀行サーバ161に送信し、預金引き出しの処理を依頼する。
S1009:預金引き出し銀行サーバ161は、預金残高、及び口座ステータス(差押えの有無等)の確認に加え、事前に登録されている預金引き出し予約の情報との一致・整合を確認した上で、当該口座に関する出金処理を実行する。なお、この際、ATM190から、ワンタイムパスワード、ワンタイムパスコード等の認証関係の情報が送信されている場合は、この情報の整合性も確認する。
S1010:預金引き出し銀行サーバ161は、S1009の処理結果をATM190に通知する。
S1011:ATM190は、預金引き出し銀行サーバ161の口座出金処理の結果通知を受けて、エンドユーザー100に対し、現金払い出し処理を実行する。
S1011において、預金口座からの現金出金処理を例にとっているが、前記の通り、キャッシングやカードローン等の実行でも同様である。また、銀行振込やこれに伴う口座出金、支払・決済用アプリへのチャージ等も同様の処理で対応可能である。
S1012:預金の出金処理を実行した預金引き出し銀行サーバ161は、その処理結果を管理・運営サーバ121に通知する。
S1013:管理・運営サーバ121は、S1012の通知内容に従い、引き出し実績の情報をデータベース122上に記録する。
S1001からS1013で説明したシーケンスにおいて、管理・運営サーバ121と預金引き出し銀行サーバ161の間の役割分担は、いくつかのパターンがあり、例えば、予め登録されている預金引き出し予約情報との一致・整合性の確認は、管理・運営サーバ121を介さずに、預金引き出し銀行サーバ161で実行することも可能である。
図11は、本発明の一実施形態に係る預金引き出し予約管理システムに関する処理シーケンスの概要を例示する図である。本図11では、予約された預金引き出しの処理が実行されずに、あるいは、予約された金額の一部のみが実行され、予約期間経過後において未引き出し残高が残存した場合に実行される、予約キャンセル処理の流れを示している。本図11では、管理・運営サーバ121を介在させ、且つ、口座保有銀行140と預金引き出し銀行160が異なる場合のシーケンスを示している。
S1101:管理・運営サーバ121は、登録されている預金引き出し予約情報のうち、予約期限が経過し、且つ、預金引き出し銀行サーバ161のワンタイム口座に、未引き出し残高が存在している予約情報をデータベース122から抽出する。
このような未引き出し残高は、引き出し予約期間を過ぎており、もはやエンドユーザー100による引き出しを行うことができないため、何らかのかたちでエンドユーザー100に返金する必要がある。ここでは、口座保有銀行140におけるエンドユーザー100の出金口座に返金する処理シーケンスの例を示す。
S1102:管理・運営サーバ121は、預金引き出し銀行サーバ161に対して、未引き出し残高が残存している予約明細について、該当金額分を、口座保有銀行サーバ141のエンドユーザー口座に返金するよう依頼する。
S1103:預金引き出し銀行サーバ161は、管理・運営サーバ121からの依頼に基づき、該当口座の残存資金について、口座保有銀行サーバ141に対し、送金処理を実行する。この際、所定の手数料を差し引いて送金してもよい。
S1104:送金を受けた口座保有銀行サーバ141は、指定されたエンドユーザー100の口座に当該資金の入金処理を実行する。
S1105:指定口座への入金処理を完了した口座保有銀行サーバ141は、処理の完了通知を、依頼元である預金引き出し銀行サーバ161に対して返信する。
S1106:預金引き出し銀行サーバ161は、口座保有銀行サーバ141における指定口座に対する入金処理の完了を、管理・運営サーバ121に対して通知する。
S1107:管理・運営サーバ121は、預金引き出し予約に係る未実行分の返金処理の完了を、データベース122に記録する。
S1108:管理・運営サーバ121は、S1107の預金の返金処理の完了を受け、キャンセル・返金処理の完了を、エンドユーザー100、またはエンドユーザー・デバイス101に通知してもよい。この通知は、登録画面上での通知でもよいし、eメール、SMS(ショートメッセージサービス)、プッシュ通知またはこれらと同等の通信手段から一つまたは複数の手段を用いて行ってもよい。
S1109:本予約に関し承認者105が設定されている場合、管理・運営サーバ121は、S1107の返金処理の完了を受け、キャンセル・返金処理の完了を、承認者105、または承認者デバイス106に通知してもよい。この通知は、登録画面上での通知でもよいし、eメール、SMS(ショートメッセージサービス)、プッシュ通知またはこれらと同等の通信手段から一つまたは複数の手段を用いて行ってもよい。
本図11は、預金引き出し予約に関し、引き出し予約期間経過後に未引き出し残高が残存した場合の処理を説明したものであるが、予約された引き出しを、エンドユーザー100が取消した場合も同様な処理となる。但し、この場合は、エンドユーザー100による取消・キャンセル操作が契機となって一連の予約キャンセル処理が実行される。
S1101からS1109において、一連の返金・キャンセル処理は、管理・運営サーバ121が主体となって起動・実行されている例を示しているが、この一連の処理は、預金引き出し銀行サーバ161等のサーバが主体となって実行することも可能である。
S1102からS1106の返金に伴う送金について、個別の予約明細ごとに送金することとしているが、関連する手数料の削減等のため、まとめて送金する、或いは、銀行間の実送金を行わず、管理・運営会社120、預金引き出し銀行160、或いは、口座保有銀行140が、保持する口座間の振替処理で資金移動を実行することも可能である。
図7は、本発明の一実施形態に係る預金引き出し予約管理システムに関する処理シーケンスの概要を例示する図である。図7では、預金引き出し予約に関する事前の初期セットアップ処理が完了した後、実際に預金引き出し予約を実行する場合の流れを示している。図7では、管理・運営会社120を介在させることなく、口座保有銀行140内で処理を完結させる場合のシーケンスを示しており、これは前出図5で説明した、同一銀行内で初期セットアップが完了するケースに対応するものである。