JP2022064491A - サポーター - Google Patents

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えり 猪口
Eri Inoguchi
鎮廣 ▲高▼木
Nobuhiro Takagi
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Abstract

【課題】径や着圧の調整を簡単かつ自在に行えるサポーターを提供すること。【解決手段】筒状に巻いて身体に装着するサポーター1であって、装着時に外側に向けられる表面生地2が面ファスナーを形成する基体5を具備し、前記基体5は、筒状に巻かれるときの巻き方向の一端5a側に、凹部6を介して繋がった複数の引手部分7を有し、前記複数の引手部分7の各々には、装着時に内側に向けられる裏面側に、前記表面生地2に面的に着脱可能な面ファスナーを形成する面ファスナー部8を設けてある。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、身体に装着して用いるサポーターに関する。
従来、がんの手術後等に見られることの多いリンパ浮腫の治療には、リンパ液の流れを改善する目的で、患部(脹脛等)に包帯を何重にも巻き付けて着圧を加えるといったことが行われている。
上記従来の方法では、患部の太さが変化した場合、その変化に合わせて包帯を巻き直さなければ、着圧が好ましい範囲に維持されなくなる恐れがある。しかし、包帯の巻き直し作業は煩雑であるため、その作業者(患者自身やその家族、医療従事者等)に大きな負担が掛かり得る。
そこで、上記のように包帯を巻き直す手間を省く観点から、ストッキングタイプの筒状サポーターを患部に装着し、患部の太さの変化については筒状サポーターの伸縮性で対応することが考えられる。
しかし、この筒状サポーターでは、患部の太さが部分的あるいは全体的に大きく変化したような場合に、その全ての部分で着圧を好ましい範囲に保つといったことは不可能である。しかも、リンパ液の流れ改善効果の確実化を重視して筒状サポーターの伸縮性を小さくし、大きな着圧が得られるようにしてあると、特に患部が肥大化した場合には、その装着作業が困難化する上、正常時より肥大化した患部の肌が弱くなっているところに装着に伴って筒状サポーターとの間に強い摩擦が働くと、肌に大きなダメージを与えてしまうことにもなり兼ねない。逆に、装着作業の容易性を重視して筒状サポーターの伸縮性を大きくし、着圧が小さくなるようにしてあると、リンパ液の流れの改善効果が不十分となる恐れがある。
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、径や着圧の調整を簡単かつ自在に行えるサポーターを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係るサポーターは、筒状に巻いて身体に装着するサポーターであって、装着時に外側に向けられる表面生地が面ファスナーを形成する基体を具備し、前記基体は、筒状に巻かれるときの巻き方向の一端側に、凹部を介して繋がった複数の引手部分を有し、前記複数の引手部分の各々には、装着時に内側に向けられる裏面側に、前記表面生地に面的に着脱可能な面ファスナーを形成する面ファスナー部を設けてある(請求項1)。
上記サポーターにおいて、前記基体は、装着時に内側に向けられる裏面生地と前記表面生地とが積層された積層生地を、筒状に巻くことができる形状に裁断することによって構成され、前記積層生地を任意の箇所で裁断してもその断面から前記裏面生地と前記表面生地との接合一体性を損なう剥離が生じて広がらないように、該積層生地を構成する前記裏面生地と前記表面生地とは全面にわたって点状、線状又は面状に接合されていてもよい(請求項2)。
上記サポーターおいて、前記基体は、前記巻き方向に伸び難く、前記巻き方向に対して直交する方向に伸び易いように構成されていてもよい(請求項3)。
上記サポーターが、前記面ファスナー部に面的に着脱可能な面ファスナーが設けられたカバーを具備してもよい(請求項4)。
本願発明では、径や着圧の調整を簡単かつ自在に行えるサポーターが得られる。
すなわち、本願の各請求項に係る発明のサポーターでは、各面ファスナー部を表面生地に押し付けて係合させるだけで、身体に簡単に巻き付け装着することができ、各面ファスナー部は、表面生地の限られた範囲ではなく、その全面における任意の位置に係合させることができるので、サポーターの各部の径や着圧の調整を自在に行える。
請求項2に係る発明のサポーターでは、積層生地を裁断した際、その断面から裏面生地と表面生地との接合一体性を損なう剥離が生じて広がり、完成したサポーターの機能が損なわれることが防止される上、そのために、パイピングなどによる生地端の始末を行う必要も無いので、生産性の向上にも資するものとなる。そして、パイピングなどによる生地端(裁断端)の始末が不要になることで段差が無くなり、部分的に肌当たりが強くなるのを回避することもできる。
請求項3に係る発明のサポーターでは、サポーターを巻き付けた際にその巻き付け部位に強い圧迫を掛け易くなる。
請求項4に係る発明のサポーターでは、サポーターの洗濯の際に各面ファスナー部にカバーを取り付けて(係合させて)おくことで、面ファスナー部に他の衣類が引っかかって破損等を生じたり、面ファスナー部にゴミが付着してその接合性能が低下したりすることを防止することができる。
(A)及び(B)は本発明の一実施の形態に係るサポーターの装着状態の構成を概略的に示す正面図及び背面図である。 (A)~(C)は、前記サポーターの構成を概略的に示す正面図、背面図及び横断面図である。 (A)及び(B)は、前記サポーターの第一及び第二の変形例を示す背面図である。 (A)及び(B)は、前記サポーターの第三及び第四の変形例を示す背面図である。
本発明の実施の形態について以下に説明する。
図1(A)及び(B)に示すように、本例のサポーター1は、リンパ浮腫の治療のために、筒状(略円錐台の外周面状)に巻いて脹脛を含む膝下(膝から足首までの間の部分。身体の一例)に装着して使用するものである。そして、図2(A)~(C)に示すように、サポーター1は、表面生地2と、裏面生地3とが積層された伸縮性を有する積層生地4(図2(C)参照)を、筒状に巻くことができる形状(図2(A)及び(B)参照)に裁断することによって構成された基体5を具備している。
表面生地2は、基体5において装着時に外側に向けられる面側に設けられ、面ファスナーを形成するファスナー素材の生地(起毛生地)よりなり、本例では、B面(雌型)ファスナー素材を用いている。
裏面生地3は、基体5において装着時に内側(肌側)に向けられる面側に設けられ、つまりは装着時に直接肌が触れ得る部分であるから、肌触り等のよい性状を有していることが好ましく、例えばサテン生地、綿生地等とすることが考えられる。
積層生地4は、表面生地2と裏面生地3とを適宜の手段(例えば熱接着や接着剤の塗布等)により接合して一体化したものであり、例えば長尺の帯状(矩形状)に形成される積層生地4を適宜に裁断することによって基体5が得られる。
ここで、積層生地4を裁断した際、その断面から裏面生地3と表面生地2との接合一体性を損なう剥離が生じて広がると、完成したサポーター1の機能が損なわれるので、積層生地4を任意の箇所で裁断してもその断面から裏面生地3と表面生地2との接合一体性を損なう剥離が生じて広がらないように、裏面生地3と表面生地2とは全面にわたって点状、線状又は面状に接合してある(全面にわたって接合箇所又は非接合箇所を分散させてあるか、隙間なく接合してある)ことが望ましく、このようにすることで、パイピングなどによる生地端の始末の必要を無くすことができる。そして、パイピングなどによる生地端(裁断端)の始末が不要になることで段差が無くなり、部分的に肌当たりが強くなるのを回避することもできる。なお、両者2,3の接合面積を減らして通気性の向上を図るという観点からは、全面にわたって隙間なく接合するよりも接合箇所又は非接合箇所を全面にわたって(なるべく均等に)分散させてある(例えば点状または線状に接合してある)のが好ましい。
基体5は、筒状に巻かれて用いられるときの巻き方向の一端5a側に、凹部6を介して繋がった複数(本例では三つ)の引手部分7を有し、複数の引手部分7の各々には、装着時に内側に向けられる裏面側(裏面生地3側)に、表面生地2に面的に着脱可能な面ファスナーを形成する面ファスナー片(面ファスナー部の一例)8を設けてある。
なお、基体5において、筒状に巻かれて用いられるときの巻き方向の他端5b側は、凹凸のない略ストレートな形状を呈する。
面ファスナー片8は、面ファスナーを形成するファスナー部材(起毛生地)よりなり、本例では、A面(雄型)ファスナー部材を用いている。
また、図2(A)及び(B)に示すように、基体5は、展開した状態で略扇形環状を呈し、巻き方向に対して直交する方向の一端側にある上端5cは、他端側にある下端5dよりも寸法が大きい。そして、上端5c及び下端5dはそれぞれ直線ではなく、上に凸の湾曲状をしている。これにより、サポーター1を一般に先(下)端側ほど細くなる膝下に筒状(略円錐台の外周面状)に巻いた際、基体5の上下(巻き方向に対して直交する方向)に無駄に生地が迫り出したり逆に引っ込んだりせず、その巻き付けの緊張力を脹脛に効率的に伝達することが可能となり、ひいては、サポーター1を巻き付け装着する際に余計な力が不要となり、その取扱い性の向上を図ることができる。
また、基体5は、装着時の身体への当たりを考慮して、周縁に角ばった部分が形成されないように全ての角を丸めてある。
以上のように構成したサポーター1では、裏面生地3の左右方向における略中央を脹脛に当て、裏面生地3の左右(基体5の一端5a及び他端5b)が脛側に向かうように裏面生地3全体を膝下(脹脛及び脛)に沿わせて曲げ、その状態で、各面ファスナー片8を表面生地2に押し付けて係合させるだけで、図1(A)及び(B)に示すように、サポーター1を膝下に簡単に巻き付け装着することができる。そして、各面ファスナー片8は、表面生地2の限られた範囲ではなく、その全面における任意の位置に係合させることができるので、サポーター1の各部の径や着圧の調整を自在に行える。
特に、凹部6を介して引手部分7を複数設けてあるので、サポーター1の巻き付け装着対象とする膝下の形状の個人差や経時変化に広く対応することができる上、例えば足首側から膝側に向かって径や圧迫を段階的に調整するというように、サポーター1の径ないし圧迫度合いを部位によって変えることも可能となる。
図2(A)及び(B)の例では、引手部分7を三つ設けているが、使用者の体ないしサポーター1の巻き付け装着対象部位の大きさ等に応じて、図3(A)及び(B)に示すように、引手部分7を二つとしたり、四つ以上としたりすることも考えられる。
また、図3(A)及び(B)に示す例において、標準的な凹部6を基準にした場合、これより浅い凹部6Aにすると、サポーター1を巻き付けた際にその巻き付け部位に強い圧迫を掛けやすくなり、逆にこれより深い凹部6Bにすると、引手部分7の引手方向の自由度が上がり、脹脛との密着度合いを向上させることができる。
また、本例の基体5は、その巻き方向(横方向)に伸び難く、巻き方向に対して直交する方向(縦方向)に伸び易いように構成してあるので、この点でも、サポーター1を巻き付けた際にその巻き付け部位に強い圧迫を掛け易くなっている。このように縦横で基体5の伸び易さが異なるようにすることは、例えばその向きによって伸縮性の異なる積層生地4を裁断して基体5を得る場合、積層生地4における基体5の向きを適宜に調整する(積層生地4の伸縮性が最も小さくなる所定方向に基体5の横方向が向くようする)、といった手段により、容易に実現可能である。ここで、積層生地4の伸縮性が向きによって異なるのは、積層生地4を構成する生地(表面生地2、裏面生地3)の少なくとも一つが、地の目の方向とこれに直交する方向とで異なる伸縮性を有することに由来している。生地2,3の両方がそれぞれその向きによって伸縮性が異なる場合、伸縮し易い方向を合致させた状態で両者2,3を積層することが考えられる。また、生地2,3を接合して積層生地4を得る際、その接合箇所を縞状に設ける等することによっても、積層生地4の伸縮性をその向きによって異ならせることができる。
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論である。例えば、以下のような変形例を挙げることができる。
図4(A)に示すように、各面ファスナー片8に面的に着脱可能であり面ファスナー片8と略同じサイズ(好ましくは面ファスナー片8と同一サイズかこれより若干大きいサイズ)の面ファスナーが設けられたカバー9を用いるようにしてもよい。この場合、サポーター1の洗濯の際に各面ファスナー片8にカバー9を取り付けて(係合させて)おくことで、面ファスナー片8に他の衣類が引っかかって破損等を生じたり、面ファスナー片8にゴミが付着してその接合性能が低下したりすることを防止することができる。図示例では、面ファスナー片8とカバー9とを一対一で(三つの面ファスナー片8に対して三つのカバー9を)設けているが、これに限らず、一つのカバー9に対して複数の面ファスナー片8に対応する複数の面ファスナーを設けるようにしてもよい。
また、図4(A)に示すように、基体5において脹脛(患部)に当てる範囲Aの左右に沿って(上下方向に)延びるボーン10を設け、サポーター1を装着し易くするとともに、脹脛にある腓腹筋を左右からサポート(押圧)することができるようにしてもよい。ここで、ボーン10とは、基体5におけるボーン10以外の部分よりも伸縮性の小さい部分であり、例えば基体5よりも伸縮性の小さい生地片を接合(熱接着、縫製等)することにより形成することができる。そして、図示例では、ボーン10を、基体5の上端5cから下端5dまで延びるようにはせず、上端5cから下方に離間させ、かつ、下端5cから上方に離間させておくことにより、基体5全体の上下方向の伸縮性を確保し易くしてある。なお、ボーン10は、基体5の表裏いずれに設けてあってもよいが、図示例では裏面側(裏面生地3)に設け、腓腹筋のサポートをより強力に行えるようにしてある。
図4(B)に示すように、基体5の表面側(表面生地2)の適宜の箇所(図示例では他端5b付近)に直線状のステッチ(上下方向に延びるランニングステッチ)のような目印11を設け、サポーター1の着用状態の変化(つまりはサポーター1巻き付け装着部位の太さ・形状の変化)を観察・視認し易くするようにしてもよい。
本発明のサポーターは、医療用(リンパ浮腫の治療用)に限らず、例えば、軽いむくみに対応する一般用としても使用することができる。また、サポーターの巻き付け装着部位も、膝下(脹脛)に限らず、太もも、前腕、二の腕等とすることも考えられ、部位によって寸法等を適宜に定めればよい。
図2(A)等の例では、三つの引手部分7の形状・大きさを不揃いにし、これに伴い、三つの面ファスナー片8の形状・大きさも不揃いにしてあるが、これらの形状・大きさを画一化してもよく、この場合、面ファスナー片8が1種類になり、製造コストの低減を図ることができる。
なお、上記変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。
1 サポーター
2 表面生地
3 裏面生地
4 積層生地
5 基体
5a 一端
5b 他端
5c 上端
5d 下端
6 凹部
6A 浅い凹部
6B 深い凹部
7 引手部分
8 面ファスナー片
9 カバー
10 ボーン
11 目印
A 範囲

Claims (4)

  1. 筒状に巻いて身体に装着するサポーターであって、
    装着時に外側に向けられる表面生地が面ファスナーを形成する基体を具備し、
    前記基体は、筒状に巻かれるときの巻き方向の一端側に、凹部を介して繋がった複数の引手部分を有し、
    前記複数の引手部分の各々には、装着時に内側に向けられる裏面側に、前記表面生地に面的に着脱可能な面ファスナーを形成する面ファスナー部を設けてあるサポーター。
  2. 前記基体は、装着時に内側に向けられる裏面生地と前記表面生地とが積層された積層生地を、筒状に巻くことができる形状に裁断することによって構成され、
    前記積層生地を任意の箇所で裁断してもその断面から前記裏面生地と前記表面生地との接合一体性を損なう剥離が生じて広がらないように、該積層生地を構成する前記裏面生地と前記表面生地とは全面にわたって点状、線状又は面状に接合されている請求項1に記載のサポーター。
  3. 前記基体は、前記巻き方向に伸び難く、前記巻き方向に対して直交する方向に伸び易いように構成されている請求項1または2に記載のサポーター。
  4. 前記面ファスナー部に面的に着脱可能な面ファスナーが設けられたカバーを具備する請求項1~3の何れか一項に記載のサポーター。
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