JP3117699U - 女性用胸部止血具 - Google Patents

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Abstract

【課題】女性胸部における手術創の止血に際して、手術創部分のみを十分に圧迫しながら、快適に装着できる器具を提供する。
【解決手段】女性用胸部止血具Xとして、女性の使用者の少なくとも一方の乳房を覆うパッド10と、前記パッドに連結され使用者の胸部に、当該パッドとともに周回して固定し得るベルトである胸部固定ベルト20と、前記パッドと前記胸部に固定された状態における前記胸部固定ベルトの背面側とに連結される使用者の肩に掛け得るベルトである肩掛けベルト30と、パッド内に固定される内部の空気量を調整することができる風船体により構成されるエアバッグ40とを有する。
【選択図】図1

Description

本考案は、乳癌の手術などによる女性の胸部における手術創からの出血を抑えるための器具に関する。
従来、乳癌の手術を行った際にできる手術創からの止血は、布製の胸帯を手術創の上を通るように巻くことで圧迫するか、ガーゼを粘着テープにより手術創の上に重ねて固定する方法が採られていた。
しかし、胸帯を巻く場合は、十分に手術創を圧迫することが困難であるために、いきおい強く胸帯を巻く結果、胸部全体が強く締め付けられ、使用者が息苦しくなってしまうという問題がある。また、胸帯を利用する場合は、胸帯がずれる結果、圧迫する部位がずれてしまうという問題も生じる。一方、ガーゼを粘着テープで固定する場合は、このような問題は生じないが、粘着テープが直接肌に触れるために、肌がかぶれることがあり、また、十分に手術創を圧迫することができないという問題がある。
本考案は、かかる問題に鑑みて、女性胸部における手術創の止血に際して、手術創部分のみを十分に圧迫しながら、快適に装着できる器具を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本考案は次のような構成を有する。
請求項1に記載の考案は、女性の使用者の少なくとも一方の乳房を覆うパッドと、前記パッドに連結され使用者の胸部に、当該パッドとともに周回して固定し得るベルトである胸部固定ベルトと、前記パッドと前記胸部に固定された状態における前記胸部固定ベルトの背面側とに連結される使用者の肩に掛け得るベルトである肩掛けベルトと、パッド内に固定される内部の空気量を調整することができる風船体により構成されるエアバッグとを有する女性用胸部止血具である。なお、エアバッグが固定される位置は想定される手術創の位置に応じて定められる。
請求項2に記載の考案は、前記女性用胸部止血具において、前記エアバッグは着脱可能に形成されるものである。
請求項3に記載の考案は、前記女性用胸部止血具において、前記エアバッグはパッド内における位置を変更することができるものである。
請求項4に記載の考案は、前記女性用胸部止血具において、前記エアバックは透明な素材で形成されるとともに、前記パッドの少なくとも前記エアバッグに当接する部分は、透ける生地により形成されるものである。なお、「透明」とは傷口からの出血の有無が確認できる程度のものであればよく、半透明が含まれる。また「透ける生地」とは透明な合成樹脂性のもののほか、メッシュ地のように多くの孔を形成することで透けるものが含まれる。
請求項1に記載の考案は、パッドに固定されるエアバッグに空気を適量入れることにより乳房の所定部位のみを圧迫することができる。また、粘着テープなどを使用しないので肌への負担が少なく快適に装着することができ、胸部固定ベルトと、肩掛けベルトによりエアバッグが固定されるパッドの位置はほとんどずれることが無い。
請求項2に記載の考案は、エアバッグを着脱可能に形成することにより、異なる大きさや形状のエアバッグに交換することができ、また、洗濯をする際にエアバッグを取り外すことでエアバッグが傷むことを防ぎ、また、エアバッグ以外の部分の洗濯の効果も高めることができる。
請求項3に記載の考案は、エアバッグの位置が調節できるので、使用者の乳房の大きさや位置、手術創の位置に応じて最も適切な位置にエアバッグを固定することができる。
請求項4に記載の考案は、エアバッグが透明であり、これに当接するパッドも透ける生地により形成されるので、圧迫部位からの止血の有無を確認することができる。
以下、本考案の実施形態について、図を参照しながら説明する。
図1に本実施形態に係る女性用胸部止血具Xの斜視図を示し、図2に女性用胸部止血具Xの展開図を示す。女性用胸部止血具Xは、バッド10、胸部固定ベルト20、肩掛けベルト30、エアバッグ40から構成される。パッド10は、ほぼ長方形状の厚手のメッシュ地の布により成り、一側縁側には、やはり厚手のメッシュ地の布により成る長尺の帯状の胸部固定ベルト20が一体に形成されている。メッシュ地により形成することでパッド10は透けるようになっている。パッド10の表面には、上辺のやや側端部よりに肩掛けベルト30を固定するために面ファスナーの係合部からなる肩掛けベルト係合部11が設けられ、また、側端部やや下方よりに胸部固定ベルト20を固定するための面ファスナーの係合部からなる胸部固定ベルト係合部12が設けられている。また、パッド40の裏面には、エアバッグ40を固定するための面ファスナーの2枚の係合部からなるエアバッグ係合部13が、中央やや胸部固定ベルト20側に設けられている。胸部固定ベルト20は胸部に沿うようにやや下方に向かって曲がっており、先端近傍の裏面に面ファスナーの被係合部からなる胸部固定ベルト被係合部21が設けられている。肩掛けベルト30は、やや厚手の布から成る長尺の帯状体であり、一端が胸部固定ベルトの使用者Pに装着した状態における背面側(展開図における胸部固定ベルト20のややパッド10より)に固定され、他端の裏面には、面ファスナーの被係合部からなる肩掛けベルト被係合部31が固定されている。エアバッグ40は、半透明なシリコーンゴムからなる丸みを帯びた長方形状の風船体であり、内部と連通する筒状の空気挿入孔41が設けられている。空気挿入孔41の先端にはバルブ41aが設けられており、エアバッグ40内部を封止し、開放することができるようになっている。また、エアバッグ40の表面には面ファスナーの被係合部からなるエアバッグ被係合部42が設けられている。
次に、以上のような構成を有する女性用胸部止血具Xの使用方法について説明する。まず、エアバッグ40内に適量の空気を入れ、バルブ41aを締めて空気を封入する。次に、エアバッグ40のエアバッグ被係合部42をパッド40裏面のエアバッグ係合部40の適当な位置に係合させることで、エアバッグ40をパッド40の裏面に固定する。そして、図1に示すように、使用者Pの一方の乳房の止血すべき位置にエアバッグ40が位置するようにパッド10を胸部に当てて、胸部固定ベルト20を使用者Pの背中側から胸部を周回させて胸部固定ベルト20先端の胸部固定ベルト被係合部21をパッド10表面の胸部固定ベルト係合部12に係合させる。これにより、パッド10と胸部固定ベルト20とにより使用者Pの胸部を周回して固定されることとなる。この際、胸部固定ベルト係合部12はやや大きく形成されているので、使用者の胸囲に合わせて係合位置を調整する。その後、肩掛けベルトを使用者Pの背中側から肩越しに前方へ回し、先端の肩掛けベルト被係合部31をパッド10の肩掛けベルト係合部11に係合させる。この際、やはり、肩掛けベルト係合部11はやや大きく形成されているので、肩掛けベルト30が使用者Pの肩に適切に掛かるような位置に係合位置を調節する。これにより、女性用胸部止血具Xの装着が完了する。女性用止血具Xをこのように装着することにより、止血箇所のみに圧迫を加えることが可能であり、さらに、エアバッグ40内の空気量を調節することで止血箇所への圧迫の強さも適宜調節することができる。また、胸部固定ベルト20と肩掛けベルト30とによりしっかりと固定されるので、エアバッグ40の止血位置がずれることもほとんどなく、また、強く締め付ける必要もないので快適に装着することができる。さらに、面ファスナーによりエアバッグ40がパッド10に固定されているので、必要に応じてエアバッグ40の位置を調整することでより確実な止血を実現することができ、また、洗濯時などにはエアバッグ40を取り外すことができる。なお、上記に示す女性用胸部止血具Xは右胸用のものであるが左胸用のものは左右対称に形成すればよい。それから、パッド10がメッシュ地で形成され、また、エアバッグ40が半透明な素材で形成されることにより、傷からの出血状況を確認することができるので、必要に応じて止血位置を調整等を行うことができる。
また、パッド10や肩掛けベルト20、胸部固定ベルト30等の形状や材質は上記実施形態に示すものに限られず種々の変形が可能である。図3に変形例として他の形態の女性用胸部止血具Yの背面図を示す。この女性用胸部止血具Yは、一般的なブラジャーの形態をしたものであり、パッド50はカップにより形成され、胸部固定ベルト60は袖部により形成され、肩掛けベルト70はストラップにより形成されている。なお、胸部固定ベルト60の先端にはホックの係合部61と被係合部62が固定されている。そして、パッド50の裏面にエアバッグ80を入れるポケット51が設けられており、ポケット51内にエアバッグ80を挿入することでパッド50にエアバッグ80を固定するようになっている。ポケット51は左右に設けられており、必要に応じてエアバッグ80を固定する左右のパッド50を選択できるようになっている。このような構成によっても、胸部の特定の止血箇所のみを圧迫することができるとともに、使用者に快適に装着させることができる。
さらに、上記実施形態では、肩掛けベルト20は、パッド10が覆う胸部とは反対側の肩に掛けるようにしているが、パッド10が覆う胸部と同じ側の肩に掛けるようにしてもよい。
実施形態に係る女性用胸部止血具を示す斜視図である。 実施形態に係る女性用胸部止血具の展開図である。 女性用止血具の変形例を示す背面図である。
符号の説明
X、Y 女性用胸部止血具
10、50 パッド
20、60 胸部固定ベルト
30、70 肩掛けベルト
40、80 エアバッグ

Claims (4)

  1. 女性の使用者の少なくとも一方の乳房を覆うパッドと、
    前記パッドに連結され前記使用者の胸部に、当該パッドとともに周回して固定し得るベルトである胸部固定ベルトと、
    前記パッドと前記胸部に固定された状態における前記胸部固定ベルトの背面側とに連結される使用者の肩に掛け得るベルトである肩掛けベルトと、
    パッド内に固定される内部の空気量を調整することができる風船体により構成されるエアバッグと
    を有する女性用胸部止血具。
  2. 前記エアバッグは着脱可能に形成される請求項1に記載の女性用胸部止血具。
  3. 前記エアバッグはパッド内における位置を変更することができる請求項1又は2に記載の女性用胸部止血具。
  4. 前記エアバックは透明な素材で形成されるとともに、前記パッドの少なくとも前記エアバッグに当接する部分は、透ける生地により形成される請求項1から3のいずれか1項に記載の女性用胸部止血具。
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