JP2022062991A - ダイカスト装置 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1に係るダイカスト装置の潤滑油供給手段は、潤滑油供給通路と、この潤滑油供給通路を開閉する潤滑油供給弁と、スリーブの内周面と注入ピストンの外周面との間にエアを供給するエア供給通路と、このエア供給通路を開閉するエア供給弁を備えている。
特許文献1に係るダイカスト装置によれば、潤滑油を広範囲にわたって、かつ速やかに行き渡らせることができる。そのため、僅かな潤滑油量でスリーブと注入ピストンの寿命を延ばすと共に、スリーブ内で溶湯との反応によるガスの発生を抑制することができる。その結果、鋳巣の発生を防止して鋳物製品の品質向上を図ることができる。
これについて説明すると、ダイカスト装置の近傍は高温状態に置かれている。そのため、ダイカスト装置を構成するスリーブの内周面と注入ピストンの外周面との間の注油対象部に対し、給油源、及び給油源に貯められた潤滑油を注油対象部に送る給油ポンプは、ダイカスト装置の熱影響を避け得る程に離隔して設けられている。つまり、給油源と注油対象部との間は、熱影響を避け得る程の長尺寸法を呈する給油配管によって接続されている。
なお、注油対象部近傍で潤滑油の液垂れが生じると作業場を汚してしまう。また、液垂れによる潤滑油の無駄が生じる。さらに、作業場に垂れた潤滑油が火災を引き起こし兼ねないという懸念もあった。
なお、以下に示す図面において、共通の機能を有する部材には同一の参照符号を付するものとする。また、部材のサイズ及び形状は、説明の便宜のため、変形又は誇張して模式的に表す場合がある。
はじめに、本発明の実施形態に係るダイカスト装置11の概要について、図1Aを参照して説明する。
図1Aは、本発明の実施形態に係るダイカスト装置11を正面から視た概略構成図である。
なお、型締装置13の構成は従来技術と同等であるため、その詳細な説明を割愛する。
なお、射出装置15の構成は従来技術と同等であるため、本発明と関連のある部分を除き、その詳細な説明を割愛する。
金型21のキャビティ22は、本発明の「鋳造空間」に相当する。
ダイカスト装置11において、チップ部34はピストン33と共に進退移動する。そのため、本発明において、チップ部34は本発明の「ピストン」の概念に含まれる。また、本発明の「ピストンの外周面」とは、チップ部34の外周面34aであっても構わない。
なお、押出装置17の構成は従来技術と同等であるため、その詳細な説明を割愛する。
次に、ダイカスト装置11に備わる給油装置20について、図1Bを参照して説明する。
図1Bは、ダイカスト装置11のプランジャ19における注油対象部37へ潤滑油を注油するための給油装置20の概略構成を表すブロック図である。
なお、注油対象部37としては、スリーブ31の内周面31a及びチップ部34の外周面34aの隙間を含む。スリーブ31の内周面31a及びチップ部34の外周面34aの隙間を注油対象部37として注油を行うことによって、スリーブ31に対するピストン33の往復運動を円滑に行わせることができる。
給油配管43のうち逆止弁47の直の下流側の第1中継点49は、本発明の「給油配管43のうち給油ポンプ45から注油対象部37に至る途中」に相当する。また、エアポンプ51は、本発明の「給気部」に相当する。
すなわち、ダイカスト装置11の近傍は高温状態に置かれている。かかる高温領域に給油ポンプ45やエアポンプ51等の機器を設けると、これら機器の寿命が短くなる。そこで、ダイカスト装置11のうちプランジャ19に備わる注油対象部37に対して、給油ポンプ45及びエアポンプ51は、ダイカスト装置11の熱影響を避け得る程に離隔して設けられる。つまり、前記所定の間隔は、ダイカスト装置11の熱影響を避け得ることを考慮した適宜の長さに設定される。
また、エアポンプ51の吐出口は、第2中継点52及び分岐配管53(図1B参照)を介して、ピストン33の軸部に仕込まれたエア管57に接続されている。このエア管57を介して送出されてきたエア圧によって、給油配管43を介するエア圧により圧送されてきた潤滑油が、注油対象部37へとスプレー塗布(散布)される。
なお、潤滑油をスプレー塗布(散布)することは、潤滑油を注油する概念に含まれる。
次に、本発明の実施形態に係るダイカスト装置11に備わるプロセス制御装置61の内部及び周辺部の構成について、図2を参照して説明する。
図2は、ダイカスト装置11に備わるプロセス制御装置61の内部及び周辺部の構成を表すブロック図である。
詳しく述べると、駆動制御部69は、給油ポンプ45によって潤滑油の給送を行わせた後、ピストン駆動部65によるピストン33の駆動前の所定のタイミングで、エアポンプ51によって給油配管43内に存する潤滑油を注油対象部37へ圧送する駆動制御を行う。
次に、本発明の実施形態に係るダイカスト装置11に備わる給油装置20の動作について、図3を参照して説明する。
図3は、ダイカスト装置11に備わる給油装置20の動作説明に供するタイムチャート図である。
時刻t0~t1の時間長は、特に限定されないが、例えば15秒程度である。
時刻t1~t2の時間長は、特に限定されないが、例えば3秒程度である。
時刻t2~t3の時間長は、特に限定されないが、例えば20秒程度である。また、時刻t3~t4の時間長は、特に限定されないが、例えば12秒程度である。
時刻t4~t5の時間長は、特に限定されないが、例えば3秒程度である。
そこで、ステップS5の注油工程について、時系列に沿って説明する。
時刻t11~t12の時間長は、特に限定されないが、例えば1秒程度である。
時刻t12~t4の時間長は、特に限定されないが、例えば30秒程度である。
次に、本発明の実施形態に係るダイカスト装置11の作用効果について説明する。
第1の観点に基づくダイカスト装置11は、キャビティ(鋳造空間)22を形成する金型21に設けられ、キャビティ22に溶湯を導くスリーブ31と、スリーブ31に対して進退自在に設けられ、該スリーブ31を通してキャビティ22に注湯するピストン33とを有するプランジャ19と、ピストン33をスリーブ31に対して進退移動させるピストン駆動部(駆動部)65と、プランジャ19のうちスリーブ31の内周面31aとピストン33(チップ部34)の外周面34aとの隙間を含む注油対象部37に潤滑油を供給する給油装置(潤滑油供給手段)20と、を備えるダイカスト装置が前提となる。
給油装置20は、滑油の供給元である給油源41と、給油源41と注油対象部37との間を連通接続する給油配管43と、給油配管43に設けられて潤滑油を給送する給油ポンプ45と、を備える。
給油配管43のうち給油ポンプ45から注油対象部37に至る途中には、給油配管43内に存する潤滑油を注油対象部37へエア圧により圧送するエアポンプ(給気部)51が設けられている。
その結果、注油対象部37への注油に際し、給油配管43の吐出口44における潤滑油の液垂れを抑制することができる。
この点、第1の観点に基づくダイカスト装置11では、給油配管43内に存する潤滑油が注油対象部37へエア圧により圧送されると、給油配管43のうちダイカスト装置11の近傍箇所に潤滑油が残存することはない。
第1の観点に基づくダイカスト装置11によれば、潤滑油の酸化損傷を抑制すると共に、給油配管43の詰まりを抑制することができる。
駆動制御部69は、給油ポンプ45によって潤滑油の給送を行わせた後、ピストン駆動部65によるピストン33の駆動前の所定のタイミングで、エアポンプ51によって給油配管43内に存する潤滑油を注油対象部37へ圧送する駆動制御を行う。
ピストン33の駆動前の所定のタイミングとは、具体的には、例えば、図3に示すステップS4の後退工程が始まる直前のタイミングである。潤滑油の注油対象部37への注油は、後退工程と同期して遂行されるのが好ましいからである。
ここで、所定の間隔とは、ダイカスト装置11の熱影響を避け得ることを考慮して適宜設定される間隔である。
以上説明した実施形態は、本発明の具現化の例を示したものである。したがって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならない。本発明はその要旨又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形態で実施することができるからである。
19 プランジャ
20 給油装置(潤滑油供給手段)
21 金型
22 キャビティ(鋳造空間)
31 スリーブ
31a スリーブの内周面
33 ピストン
34 チップ部(ピストン)
34a ピストン(チップ部)の外周面
37 注油対象部
41 給油源
43 給油配管
45 給油ポンプ
51 エアポンプ(給気部)
65 ピストン駆動部(駆動部)
69 駆動制御部
Claims (3)
- 鋳造空間を形成する金型に設けられ、前記鋳造空間に溶湯を導くスリーブと、当該スリーブに対して進退自在に設けられ、該スリーブを通して前記鋳造空間に注湯するピストンとを有するプランジャと、
前記ピストンを前記スリーブに対して進退駆動させる駆動部と、
前記プランジャのうち前記スリーブの内周面と前記ピストンの外周面との隙間を含む注油対象部に潤滑油を供給する潤滑油供給手段と、を備えるダイカスト装置において、
前記潤滑油供給手段は、
潤滑油の供給元である給油源と、
前記給油源と前記注油対象部との間を連通接続する給油配管と、
前記給油配管に設けられて潤滑油を給送する給油ポンプと、を備え、
前記給油配管のうち前記給油ポンプから前記注油対象部に至る途中には、該給油配管内に存する潤滑油を前記注油対象部へエア圧により圧送する給気部が設けられている
ことを特徴とするダイカスト装置。 - 請求項1に記載のダイカスト装置であって、
前記駆動部、前記給油ポンプ、及び前記給気部の駆動制御を行う駆動制御部をさらに備え、
前記駆動制御部は、前記給油ポンプによって潤滑油の給送を行わせた後、前記駆動部による前記ピストンの駆動前の所定のタイミングで、前記給気部によって前記給油配管内に存する潤滑油を前記注油対象部へ圧送する駆動制御を行う
ことを特徴とするダイカスト装置。 - 請求項1又は2に記載のダイカスト装置であって、
前記給油ポンプ及び前記給気部は、前記注油対象部に対して少なくとも所定の間隔を置いて設けられている
ことを特徴とするダイカスト装置。
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