本開示は、有益な挿入機構、駆動機構、滅菌流体経路アセンブリ、状態インジケータ、安全特徴、及び他の有益な構成要素を有する薬剤送達デバイスを提供する。そのような薬剤送達デバイスは、安全で使用しやすく、美学的または人間工学的に、自己投与を行う患者には魅力的である。本明細書に説明される薬剤送達デバイスは、訓練されていない患者でさえにも、薬剤送達デバイスのアクティブ化、動作、及びロックアウトを容易にする特徴を組み込んでいる。本開示の薬剤送達デバイスは、既知の先行技術デバイスと関連付けられる様々な問題がなく、これらの望ましい特徴を提供する。さらに、本開示の滅菌流体経路アセンブリは、標準的充填機器及びシステムを使用して、薬品治療物で充填され得る。下記により詳細に検討されるように、この有益性は、本開示の充填終了カートリッジによって可能になり、その充填終了カートリッジは、流体経路アセンブリの滅菌性を維持するように機能し、そのアセンブリがトレイ内に入れ子になり、搭載され、またはそうでなければ標準的充填終了プロセスのために取り外し可能に挿入されることを可能にする。
下記により詳細に検討されるように、本開示の薬剤送達デバイスはまた、薬物または医薬品としても称され得る薬剤を含有してよい。薬剤は、限定ではないが、様々な生物製剤(例えば、ペプチド、ペプチボディ、または抗体)、バイオシミラー、巨大分子薬剤(例えば、約900ダルトンよりも大きい、またはそれに等しい分子量がある薬剤)、小分子薬剤(例えば、約900ダルトンよりも小さい、またはそれに等しい分子量がある薬剤)、高粘度薬剤、低粘度薬剤、剪断減粘等の非ニュートン流体特徴を表す薬剤、及び/またはニュートン流体特徴を表す薬剤であり得る。薬剤は流体または液体形態であり得るが、特定の状態(例えば、溶液、ゲル、または凍結乾燥製剤の間で意図される区別がない)に限定されない。
ある既知の薬剤送達デバイスの1つの把握されている不利点は、直ちに及び/または患者の苦痛が少ない状態で、ある生物製剤等の高粘性薬剤を送達する、そのデバイスの能力がないことである。高粘度薬剤は、一般的に、低粘度薬剤よりも長く注射にかかる時間を要する。患者は、それが、高粘度薬剤を注入することに必要な時間中、患者の皮膚に接するように自己注射器またはシリンジを保持することが困難及び/または望ましくないことを把握し得る。駆動機構の力を増加させることによって注射時間を減少させることができる一方、より強力な駆動機構が、薬剤コンテナ及び本デバイスの他の内部構成要素の破損の危険性を増加させる。また、より強力な駆動機構は、患者が、患者を妨害し、または驚かせ得る衝動または機械衝撃波を経験する可能性を増加させる。結果として、患者は、薬剤送達デバイスを皮膚から引き離すことを試み得、完全な投薬に支障をきたす可能性がある。
長時間の注射は、薬剤が装着型薬剤送達デバイスを介して投与される場合、患者によって許される可能性が高い。シリンジまたは自己注射器とは異なり、装着型薬剤送達デバイスは、薬剤送達中に患者によって適所に保持される必要はない。従って、薬剤送達デバイスが皮膚上に置かれ起動した後に、またはそうでなければ適所に薬剤送達デバイスを保持することによって負荷がかからない状態になった後に、患者は身体的活動を再開することができる。
しかしながら、装着型薬剤送達デバイスのある態様は、高粘度薬剤の分野において、そのデバイスの採用の意欲を阻害している。患者の体から著しく突出していない薄型のコンパクト設計を達成するために、装着型薬剤送達デバイスは、多くの場合、挿入機構に対してずれており、かつそれに直交している、薬剤コンテナを含む。この配列は、通常、薬剤コンテナ及び挿入機構を流体結合するために、1つ以上の曲がり目を伴う管状導管を必要とする。従って、シリンジ及び自己注射器と比較して、装着型薬剤送達デバイスの内部流体流路は、比較的長くかつ蛇行する傾向がある。
ニュートン流体(すなわち、剪断率が流量に正比例する流体)のように挙動する薬剤に関して、より長い流路は、より遅い流速をもたらす可能性がある。従って、装着型薬剤送達デバイスは、そのより長い流路に起因して、高粘度薬剤と関連付けられる注入問題を悪化させる可能性がある。駆動機構の力は流量の減少を相殺するように増加し得るが、より強力な駆動機構は、薬剤コンテナの破損の危険性を増加させ、ひいては、一般的に、望ましくないと考えられている。少なくともこれらの理由に関して、装着型薬剤送達デバイスは、特別に高粘度薬剤の送達に適切ではないようなものとして、一部の人々によって考察されていた。
本開示の発明者は、様々な高粘度薬剤(例えば、PCSK9特異的抗体、G-CSF、スクレロスチン抗体、及びCGRP抗体)が装着型薬剤送達デバイスを介して注入されるときに非ニュートン流体特徴を表すことを把握していた。そのような1つの特徴は剪断減粘があり、剪断歪にさらされるときに粘度の減少を表す非ニュートン流体の能力がある。剪断減粘は、流体が導管によって押動されるとき、流体の粘度を減らす。従って、導管によって流体を押動するために必要とされる力は、流体がニュートン流体である場合であろうものよりも小さい。装着型薬剤送達デバイスと関連して、剪断減粘は、本デバイスの長い内部流路の目詰まり効果を軽減する。従って、本開示の発明者によって把握されている装着型薬剤送達デバイスの予想外の利点は、剪断減粘のような非ニュートン流体特徴を有する高粘度薬剤を送達することに適切であることである。本開示の発明者は、剪断減粘が、多くの場合、約900ダルトン(例えば、±10%の精度)よりも大きい、またはそれに等しい分子量がある比較的大きなタンパク分子を有する生物製剤等の薬剤中で発生することを把握していた。本明細書に説明される装着型薬剤送達デバイスのいずれかは、剪断減粘能力を有する高粘度薬剤で充填される薬剤コンテナを有し、ひいては、本デバイスの動作及び使用に剪断減粘の予想外の利点を実現し得る。
薬剤送達デバイス及びその各々の構成要素のある非限定実施形態は、ここでは、付随の図面を参照して説明される。
駆動機構、挿入機構、流体経路コネクタ、薬剤送達デバイス、または本開示の構成要素の関係位置のいずれかを説明するために本明細書に使用されるような用語「軸」または「軸方向」は、概して、必ずしもその周囲に対称的ではないが、構成要素が好ましく位置付けられる縦軸「A」を指す。用語「半径方向」は、概して、軸Aに垂直な方向を指す。用語「proximal(近位)」、「rear(背面)」、「rearward(後方)」、「back(背部)」、または「backward(後部)」は、概して、方向「P」の軸方向を指す。用語「distal(遠位)」、「front(前面)」、「frontward(前方)」、「depressed(押し下げ)」、または「forward(前部)」は、概して、方向「D」の軸方向を指す。本明細書に使用されるような用語「ガラス」は、限定ではないが、環状オレフィンコポリマー(COC)及び環状オレフィンポリマー(COP)等のある非反応性ポリマーを含む、通常ガラスを必要とするであろう、医薬品グレードアプリケーションで使用されるのに好適である他の同様の非反応物質を含むことを理解されたい。用語「樹脂」は、熱可塑性ポリマー及び熱硬化性ポリマーの両方を含み得る。熱可塑性ポリマーは、原状に再軟化することができる。熱硬化性ポリマーは、それをすることができない。本明細書に使用されるような用語「樹脂」は主に、加熱下及び圧力下で形成または成形されることができる、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン、またはアクリル樹脂等の成形可能である熱可塑性ポリマーを指し、また、一般的に、治療薬、充填材、補強材、着色剤、及び/または可塑剤等の他の原料を含有する。本明細書に使用されるような用語「樹脂」は、樹脂と接触し得る、またはそうでなければ樹脂から液体に入る置換基によって分解され得る治療液と直接接触する用途に使用されるために認められた、ガラス、非反応性ポリマー、またはエラストマーを含むことを意味しない。用語「elastomer(エラストマー)」、「elastomeric(エラストマーの)」、または「elastomeric material(エラストマー材料)」は、主に、樹脂よりもさらに容易に変形可能であるが、医薬品グレード流体とともに使用されるために認められ、周囲温度及び周囲圧力下で洗脱またはガス移動の影響をすぐに受けない、架橋熱硬化性ゴム状ポリマーを指す。本明細書に使用されるような用語「流体」は主に液体を指すが、また、液体中に分散した固体の懸濁液と、薬剤送達デバイスの流体含有部の内側の液体中で分解する、またはそうでなければ一緒に存在する気体とを含み得る。本明細書に説明される様々な態様及び実施形態によると、針、トロカール、及び/またはカニューレの挿入または後退のための1つ以上の付勢部材等に関して、「付勢部材」が言及される。付勢部材がエネルギーを保管及び放出することが可能である任意の部材であり得ることを認識されるであろう。非限定的実施例は、例えば、コイルばね、圧縮ばね、もしくは引張ばね、トーションばね、及び板バネ、弾性的に圧縮可能なバンドもしくはゴムバンド、または同じ機能を伴う任意の他の部材を含む。本開示の少なくとも1つの実施形態では、付勢部材は、ばね、好ましくは、圧縮ばねである。また、本明細書に使用されるような用語「薬剤送達デバイス」は、アクティブ化すると、流体を患者に分注することが可能である任意の数のデバイスを含むことが意図される。そのような薬剤送達デバイスは、例えば、装着型薬剤送達デバイス、体上注射器、体外注射器、自己注射器、薬物注入ポンプ、ボーラス注射器等を含む。さらに、本明細書に使用されるような用語「装着型薬剤送達デバイス」は、アクティブ化すると、流体を患者に分注することが可能であり、患者の皮膚また衣類に取り付けられることが可能である、任意の数のデバイスを含むことが意図される。そのような装着型薬剤送達デバイスは、例えば、体上注射器及び体外注射器を含む。
I.薬剤送達デバイス
図1A-1Cは、本開示の少なくとも1つの実施形態による、薬剤送達デバイス10の例を示す。薬剤送達デバイス10は、薬剤治療物の送達を患者の体内に投与するために利用され得る。図1A~図Cに示されるように、薬剤送達デバイス10は、ハウジング12を含む。ハウジング12は、1つ以上のハウジング補助構成要素を含み得、それらのハウジング補助構成要素は、薬剤送達デバイス10の製造、組立、動作をより容易にするように係合可能に固定されている。例えば、薬剤送達デバイス10は、上側ハウジング12A及び下側ハウジング12Bを含む、ハウジング12を含む。薬剤送達デバイス10は、さらに、アクティブ化機構14、状態インジケータ16、及び窓18を含み得る。窓18は、薬剤送達デバイス10の動作が視認され得る任意の半透明または透過性表面であり得る。少なくとも1つの実施形態では、窓18は、上側ハウジング12A及び下側ハウジング12Bを一緒に接続及び保持するように構成され得る。図1Bに示されるように、薬剤送達デバイス10は、さらに、アセンブリプラットホーム20と、滅菌流体導管30と、薬剤コンテナ50を有する駆動機構100と、挿入機構200と、流体経路コネクタ300と、電力及び制御システム400とを含む。薬剤送達デバイス10の1つ以上の構成要素は、例えば、別個の構成要素として事前に組み立てられ、製造中に、薬剤送達デバイス10のアセンブリプラットホーム20上の位置に構成され得る。
ハウジング12は、デバイス構成要素の一部または全てを含有し得る。いくつかの実施形態では、ハウジング12は、薬剤送達デバイス10を患者の皮膚または衣類に取り外し可能に取り付ける手段を提供し、それによって、薬剤送達デバイス10を装着型薬剤送達デバイスの状態にし得る。いくつかの実施形態では、接着剤の層はハウジング12の外部表面に塗布され得、その外部表面は、薬剤送達デバイス10を患者の皮膚に解放可能に取り付けるために、カニューレが動作中に突出する表面である。
ハウジング12は、また、環境の影響に対する薬剤送達デバイス10の内部構成要素への保護を提供する。ハウジング12は、より容易なパッケージ、保管、取り扱い、ならびに訓練されていない及び/または身体に障害があり得る患者による使用を容易にするようなサイズ、形状、及び関連特徴で、人間工学的及び美学的に設計されている。さらに、ハウジング12の外側表面は、製品ラベル付、安全命令等を提供するために利用され得る。加えて、上記に説明されたように、ハウジング12は、動作フィードバックを患者に提供し得る状態インジケータ16及び窓18の等のある構成を含み得る。
コンテナ50は、約0.5~20mL、または1~10mL、または2~10mL、または2~8mL、または2~6mL、または2~4mL、または0.5~2mL、または0.5~1mL、または3.5mL(例えば、±10%の精度)の範囲の薬剤投与量を含む、種々の異なる薬剤投与量を含有するように構成され得る。コンテナ50は、完全または部分的に、薬剤で充填され得る。
少なくとも1つの実施形態では、薬剤送達デバイス10は、開始コマンドを電力及び制御システム400にトリガするために、患者によって変位するアクティブ化機構を提供する。好ましい実施形態では、アクティブ化機構は、ハウジング12を通るように(上側ハウジング12Aと下側ハウジング12Bとの間の開口等を通るように)位置する開始ボタン14であり、開始ボタン14は、電力及び制御システム400の制御アーム40に接触する。少なくとも1つの実施形態では、開始ボタン14は押しボタンであり得、他の実施形態では、オン/オフスイッチ、トグルスイッチ、または、当技術分野で既知である任意の同様のアクティブ化特徴であり得る。ハウジング12は、また、状態インジケータ16及び窓18を提供する。他の実施形態では、アクティブ化機構14、状態インジケータ16、窓18、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つは、上側ハウジング12Aまたは下側ハウジング12B上に提供され得る(例えば、薬剤送達デバイス10が患者の体上に置かれるときに患者に可視である側に提供され得る)。ハウジング12は、本開示の他の構成要素及び実施形態を参照して、下文にさらに詳細に説明される。
薬剤送達デバイス10は、アクティブ化機構の押し下げによって患者によりアクティブ化すると、薬剤送達デバイス10が、流体経路を患者内に挿入することと、薬剤コンテナと流体経路と滅菌流体導管との間に必要な接続を可能、接続、または開放することと、患者内に送達するための流体経路及び流体導管を通して、薬剤コンテナ内に保管される薬剤流体を押勢することとを開始するように構成され得る。1つ以上の随意的安全機構は、例えば、薬剤送達デバイス10の時期尚早のアクティブ化を防止するために利用され得る。例えば、随意的体上センサ24(図1Cに示される)は、一実施形態では、電力及び制御システム400またはアクティブ化機構が、薬剤送達デバイス10が患者の体と接触しない場合に係合することができないことを確実するために、安全特徴として提供され得る。そのような1つの実施形態では、体上センサ24は、患者の体と接触し得る下側ハウジング12Bの底面上に位置する。体上センサ24が変位すると、アクティブ化機構の押し下げは可能になる。従って、少なくとも1つの実施形態では、体上センサ24は、アクティブ化機構14による薬剤送達デバイス10の始動を防止する機械的安全機構(例えば、機械的ロックアウト等)である。別の実施形態では、体上センサは、アクティブ化を可能にする電力及び制御システム400に信号を送信する機械ロックアウト等の電気機械センサであり得る。さらに他の実施形態では、体上センサは、例えば、電力及び制御システム400のアクティブ化を可能にする前に組織を検出する必要がある容量性ベースのセンサまたはインピーダンスベースのセンサ等の電気ベースのセンサであり得る。少なくとも1つの実施形態では、そのような電気ベースのセンサは、約1MΩ(例えば、±10%の精度)のインピーダンスを伴う抵抗器を組み込み得る。これらの概念は、相互に排他的ではなく、1つ以上の組み合わせは、例えば、薬剤送達デバイス10の時期尚早のアクティブ化を防止するために本開示の範疇内で利用され得る。好ましい実施形態では、薬剤送達デバイス10は、1つ以上の機械体上センサを利用する。追加の統合型安全機構は、薬剤送達デバイス10の他の構成要素を参照して、本明細書に説明される。
II.電力及び制御システム
電力及び制御システム400は、薬剤送達デバイス10内部の様々な電気構成要素にエネルギーを提供する電源と、1つ以上のフィードバック機構と、マイクロコントローラと、回路基板と、1つ以上の導電性パッドと、1つ以上の相互接続部とを含む。また、当業者によって認識されるであろうように、そのような電気システム内で通常使用される他の構成要素を含み得る。1つ以上のフィードバック機構は、例えば、圧電アラーム等の可聴アラーム及び/または発光ダイオード(LED)等の光インジケータを含み得る。マイクロコントローラは、例えば、マイクロプロセッサであり得る。電力及び制御システム400は、患者とのいくつかのデバイス相互作用を制御し、駆動機構100とインターフェースをとる。一実施形態では、電力及び制御システム400は、制御アーム40とインターフェースをとり、体上センサ24及び/またはアクティブ化機構14がアクティブ化になる時間を識別する。電力及び制御システム400は、また、光伝送を可能にする透過性または半透明材料であり得るハウジング12の状態インジケータ16とインターフェースをとり、視覚フィードバックを患者に提供し得る。電力及び制御システム400は、1つ以上の相互接続部を経由して駆動機構100とインターフェースをとり、アクティブ化、薬剤送達、及び投与終了等の状態表示を患者に中継する。そのような状態表示は、可聴アラーム等による聴覚トーンを用いて、及び/またはLED等による可視インジケータを用いて、患者に提示され得る。好ましい実施形態では、電力及び制御システムと薬剤送達デバイス10の他の構成要素との間の制御インターフェースは、患者によってアクティブ化するまで係合または接続されない。これは、薬剤送達デバイス10の予期しない動作を防止する望ましい安全特徴であり、加えて、保管、輸送等の間、電源内に含有されるエネルギーを維持し得る。
電力及び制御システム400は、いくつかの異なる状態インジケータを患者に提供するように構成され得る。例えば、電力及び制御システム400は、体上センサ及び/または留め金機構が押圧された後、電力及び制御システム400は、デバイス起動確認がエラーを提供しない場合、状態インジケータ16を介して起動準備完了状態信号を提供するように構成され得る。起動準備完了状態信号を提供した後に、及び随意的体上センサを用いた実施形態では、体上センサが患者の体と接触したままである場合、電力及び制御システム400は、駆動機構100に電力供給し、流体経路コネクタ300及び滅菌流体導管30を通した薬剤治療物の送達を始める。本開示の好ましい実施形態では、挿入機構200及び流体経路コネクタ300をアクティブ化機構14の患者の操作によって直接アクティブ化させ得る。薬剤送達プロセス中、電力及び制御システム400は、状態インジケータ16を介して分注状態信号を提供するように構成されている。薬剤が患者の体内に投与された後、及び任意の追加のドウェル時間の終了後、実質的に全用量が患者に送達されたことを確実にするために、電力及び制御システム400は、状態インジケータ16を介して取り外しOK状態信号を提供し得る。これは、ハウジング12の窓18を通して、駆動機構100及び薬剤投与量送達を視認することによって患者により単独で検証され得る。加えて、電力及び制御システム400は、例えば、故障または動作障害状況を示す警告等の状態インジケータ16を介して1つ以上の警告信号を提供するように構成され得る。
他の電源構成及び制御システム構成は、本開示の薬剤送達デバイスで利用され得る。例えば、薬剤送達中に、あるアクティブ化の遅延を利用し得る。上記に言及されたように、システム構成内に随意に含まれるそのような1つの遅延は、患者に完了の信号を送る前に実質的に全部の薬剤投与量が送達されることを確実にするドウェル時間である。同様に、薬剤送達デバイス10のアクティブ化は、薬剤送達デバイス10のアクティブ化機構14の押し下げ(すなわち、押動)の遅延を必要とし得る。加えて、本システムは、患者が投与終了信号に応答することと、薬剤送達デバイス10を非アクティブ化または電源遮断することとを可能にする特徴を含み得る。そのような特徴は、同様に、本デバイスの予期しない非アクティブ化を防止するために、アクティブ化機構の押し下げの遅延を必要とし得る。そのような特徴は、望ましい安全統合及び使い易いパラメータを薬剤送達デバイス10に提供する。追加の安全特徴は、アクティブ化機構に統合され、部分的な押動、ひいては、薬剤送達デバイスの部分的アクティブ化を防止し得る。例えば、アクティブ化機構及び/または電源及び制御システムは、部分的アクティブ化を防止するために、本デバイスが完全にオフまたは完全にオンのどちらかになるように構成され得る。そのような特徴は、薬剤送達デバイス10の他の態様に関して、下文にさらに詳細に説明される。
III.流体経路コネクタ
本開示は、薬剤コンテナとの流体連通を提供する患者起動型流体経路コネクタと、薬剤送達デバイスの動作前、動作中、及び動作後に流体経路の滅菌性を維持することが可能である流体経路コネクタを利用する薬剤送達デバイスとを提供する。一実施形態では、図2A及び図2Bに示されるように、流体経路コネクタ300は、滅菌流体導管30、貫通部材330、接続ハブ310、及び滅菌スリーブ320を含む。流体経路コネクタ300は随意に、さらに1つ以上の流量制限器を含み得る。患者による薬剤送達デバイス10の適切にアクティブ化すると、流体経路コネクタ300は、薬剤コンテナ50に接続され、それによって、流体経路コネクタ300、流体導管30、挿入機構200を通って、及びかつ患者の体内に、薬剤コンテナ(駆動機構100によって押勢され得るようなもの)からの流体流動を可能にする。そのような、流体経路コネクタ300と薬剤コンテナ50との間の接続は、薬剤コンテナ50の貫通可能密閉部56(図3A、図3B、図4A、及び図4B)を貫通する針等の貫通部材330により容易になり得る。この接続の滅菌性は、可撓性滅菌スリーブ320内部で接続を行うことによって、維持され得る。挿入機構200を実質的に同時にアクティブ化すると、薬剤コンテナ50と挿入機構200との間の流体経路は、患者の体内に薬物送達を可能にするように完全になる。
本開示の少なくとも1つの実施形態では、流体経路コネクタ300の貫通部材330を、患者によるアクティブ化機構14の押し下げ等によって、患者の直接行動によって、駆動機構100の薬剤コンテナ50の貫通可能密閉部56を貫通させる。例えば、アクティブ化機構14自体が、流体経路コネクタ300を圧迫し得、それにより、当社の位置からのそのアクティブ化機構14の変位は、また、流体経路コネクタ300の変位をもたらす。好ましい実施形態では、この接続は、患者アクティブ化機構14を押し下げることによって可能になり、それによって、貫通可能密閉部56を通るように貫通部材330を押し込むようになる。患者によってアクティブ化するまで流体経路コネクタ300が薬剤コンテナ50に接続されないため、患者により所望されるまで薬剤コンテナ50からの流体流動は防止される。これは、また薬剤コンテナ50のコンテナの完全性及び流体流路の滅菌性も維持しながら、患者への重要な安全特徴を提供する。そのような実施形態では、折り畳み可能または圧縮可能な滅菌スリーブ320は、薬剤コンテナ50のキャップ52と流体経路の接続ハブ310との間に固定して取り付けられ得る。貫通部材330は、流体経路コネクタ300と薬剤コンテナ50との間の接続が所望されるまで、滅菌スリーブ320内部に存在し得る。滅菌スリーブ320は、本デバイスのアクティブ化より前に、及び流体経路コネクタ300と薬剤コンテナ50との間の接続より前に、貫通部材330及び流体経路の滅菌性を確実にするために滅菌され得る。
図2Aに示されるように、流体経路コネクタ300は、薬剤コンテナ50に取り付けられ、いくつかの既知の方法によって、薬剤送達デバイス10のアセンブリプラットホーム20及び/またはハウジング12に、固定して、または取り外し可能のどちらかで搭載され得る。アセンブリプラットホームは、ハウジングと別個の構成要素であり得、または、ハウジングの内部表面上の事前に形成された搭載面等のハウジングの一体型構成要素であり得る。一実施形態では、薬剤コンテナ50は、アセンブリプラットホーム20またはハウジングの固定面に、搭載、接続、またはそうでなければ、取り付けされ得る一方、流体経路コネクタ300は、アクティブ化機構14の患者の並進に応じて並進することが可能である移動可能ガイド390に搭載、接続、またはそうでなければ取り付けされ得る。代替実施形態では、本構成は、薬剤コンテナ50が移動可能ガイド390に取り付けられ、流体経路コネクタ300がアセンブリプラットホーム20またはハウジングの固定面に取り付けられるように、逆にすることができる。どちらの構成でも、流体経路の滅菌性が維持され、流体流動用経路は、患者によって所望されるまで接続されず、患者が起動するアクティブ化は、薬剤コンテナ及び流体経路コネクタの接続をもたらす。前者の構成が好まれるが、後者の構成は、例えば、カートリッジ式薬剤コンテナを利用するもの等のある実施形態で所望され得る。患者の並進またはアクティブ化機構14の同様の変位は、流体経路コネクタと薬剤コンテナとの間の接続を可能にするガイド390の直接的または間接的のどちらかの変位をもたらす。ガイド390のそのような変位は随意に、例えば、圧縮ばね、もしくは引張ばね、ゴムバンド等を含む、いくつかの異なる付勢部材によって、アクティブ化機構14に作用する患者によって必要とされるアクティブ化力を小さくすることを補助され得る。
図2Bは、ハウジング、アセンブリプラットホームから離れた流体経路コネクタ300及び薬剤コンテナ50と、薬剤送達デバイス10の他の構成要素とを示す。上記に述べたように、薬剤コンテナ50は、一端にプランジャ密閉部60及び別端にキャップ52を有するバレル58を含み得る。流体経路コネクタ300は、キャップ52において薬剤コンテナ50に搭載、接続、またはそうでなければ取り付けされ得る。少なくとも最初の構成では、貫通部材330は滅菌スリーブ320内部に維持され、滅菌スリーブ320の遠位端が薬剤コンテナ50の貫通可能密閉部に隣接または接触する。貫通部材330は、剛性針等のいくつかのカニューレまたは導管であり得、鋼鉄のようないくつかの材料から成り得る。少なくとも1つの実施形態では、貫通部材330は剛性鋼鉄針である。滅菌スリーブ320は、薬剤コンテナ50と接続ハブ310との間に位置付けられる圧縮式または折り畳み式膜であり、貫通部材330が存在し得る滅菌環境を提供する。滅菌スリーブ320は、圧縮可能または折り畳み可能ないくつかの材料から成り得るが、好ましくはエラストマー膜である。滅菌スリーブ320は、円錐、角錐、楕円、卵形、球、八面体(ダイヤモンド形)等を含む、いくつかの異なる形状または構成であり得、これらの形状は、2つの隣接構成要素が、スリーブ内の内部環境の滅菌性を維持しながら、一緒に密接する状態になることを可能にするように、圧縮、折り畳み、またはそうでなければ変形することが可能である。同様に、滅菌スリーブ320は、圧縮性または折り畳み性を促進する、縦方向(すなわち、軸方向)及び/または縦方向(すなわち、半径方向)の溝線条、隆起、谷部、蛇腹状等の1つ以上の面を有し得る。そのような面は、等距離または非等距離に位置付けられ、滅菌スリーブの内側表面、外側表面、または両表面に沿った面を含む多種多様の構成であり得る。図2Bは、滅菌スリーブ320の周囲外部表面に沿って等距離にある縦方向溝を有する実施形態を示す。
貫通部材330は、滅菌スリーブ320内部で滅菌環境に位置される。この滅菌環境は、接続ハブ310と薬剤コンテナ50のキャップ52との間に維持される。図3Aは、本開示の少なくとも1つの実施形態による、流体経路コネクタの構成要素の配列の分解図を示す一方、図3Bは、断面分解図を示す。これらの図は、構成要素が流体経路コネクタ300の接続に関連するような、薬剤コンテナのある構成要素、具体的には、貫通可能密閉部56及び随意的接続マウント54を含む。示されるように、滅菌スリーブ320のスリーブ接触表面320Aを、組み立てるとき貫通可能密閉部56の密閉接触表面56Aに接触させる。これらの対応する接触表面は、図4A及び図4Bに示されるように、キャップ52によって適切な位置に及び/または接続部に保定され得、それにより、滅菌スリーブ320の遠位端はキャップ52内部に固定しながら保持され得、滅菌スリーブ320の残りはキャップ52の外側にある。利用されるとき、随意的接続マウント54は、貫通可能密閉部56の密閉凹部56B内部に、及び滅菌スリーブ320の滅菌内部環境内に、存在し得る。代替として、貫通可能密閉部56及び滅菌スリーブ320は、単一の事前に形成された構成要素の2態様(すなわち、2つ以上の機能を有する一体型構成要素)であり得る。そのような構成では、キャップ52は、同様に、薬剤コンテナ50の近位端における適所で構成要素を保持し、(バレル58の近位端に取り付けられる)ために利用され得る。これらの実施形態のいずれかでは、滅菌スリーブ320は、遠位端においてコンテナ接続開口部320Bを有し得、その遠位端を通るように貫通部材330が貫通可能密閉部56を貫通するように並進し、薬剤コンテナ50との流体連通を可能にし得る。代替として、接続開口部320Bは、閉鎖表面であり、流体経路と薬剤コンテナとの間に貫通可能膜として機能し得る。しかしながら、本開示の少なくとも1つの好ましい実施形態では、貫通可能密閉部56は、薬剤コンテナを流体経路に対して開放するように貫通され得るであろう密閉バリア56Cを有する。最初の位置では、貫通部材330の遠位端は、貫通可能密閉部56の密閉バリア56Cに隣接して、またはそれと接触して存在し、例えば、流体経路コネクタ300の並進距離を最小にし、貫通可能密閉部56を貫通し、薬剤コンテナを流体経路に開口し得る。1つの特定の実施形態では、貫通部材330の遠位端は少なくとも部分的に貫通可能密閉部56の密閉バリア56C内部に存在するが、患者によってデバイスがアクティブ化するまで、遠位端を十分に通過しない場合がある。例えば、貫通可能密閉部56の軸方向の貫通を確実にするために随意的接続マウント54が利用されるとき、貫通部材330は、接続マウント54の貫通部材凹部54Aを通過し得る。
滅菌スリーブ320は、接続ハブ310に近位端において接続される。一実施形態では、この接続は、滅菌スリーブ320のハブコネクタ320Cと接続ハブ310の対応するスリーブコネクタ310Cとの間の係合によって容易にされる。この係合は、スナップ嵌合式、締まりばめ式、ねじ嵌合式、またはいくつかの他の接続式リンク機構であり得る。貫通部材330は、接続ハブ310を通過し、貫通部材接続開口310Aにおい適所に保持される。下記にさらに説明されるように、一実施形態では、接続ハブ310は、屈曲した貫通部材330を受けるように構成されており、それにより、貫通部材接続開口310A及び導管接続開口310Bの両方において、適所に保持される。流体導管30は、導管接続開口310Bにおいて貫通部材330の近位端に接続される。当業者によって容易に認識されるであろうように、多くののり、接着剤、またはスナップ嵌合式、締まりばめ式、ねじ嵌合式、溶融接合、溶接、超音波溶接等の他の接続方法は、随意に、本明細書に説明される1つ以上の構成要素を係合するために利用され得る。図5A~図5Cは、本開示の一実施形態による、接続ハブ310を示し、流体導管30及び貫通部材330が取り付けられている。図5A及び図5Bは、貫通部材330が接続ハブ310を通過し得ることを示す。図5Cは、上記に説明されたような流体導管30に接続する屈曲した貫通部材330を有する実施形態では、接続ハブ310の透視図を提供する。
1つ以上の随意的流量制限器は、本明細書に説明される流体経路コネクタの構成内で利用され得る。例えば、流量制限器は、貫通部材330と流体導管30との間の接続部において利用され得る。薬剤送達デバイス10は、異なる粘度及び量を伴う色々な薬剤を送達することが可能である。薬剤送達デバイス10は、制御流量(速度)における及び/または規定量の薬剤を送達することが可能である。一実施形態では、薬剤送達プロセスは、流体経路コネクタ及び/または滅菌流体導管内部で1つ以上の流量制限器によって制限される。他の実施形態では、他の流量は、流体流路もしくは送達導管の形状を変え、駆動機構の構成要素が薬剤コンテナ内で前進しその中で薬剤を分注する速度を変えることによって、またはそれらの組み合わせによって提供され得る。
本開示の一実施形態では、接続ハブ自体は、流体経路の一部として利用され得、随意に、流量制限器として機能し得る。図6A及び6Bは、接続ハブ3310が、(図6Cに示される透視図で可視である)接続ハブ3310の内部開口3310Dの反対端に接続される貫通部材3330及び流体導管3030を有する当該実施形態を示す。従って、内部開口3310Dは、流体経路の一部として機能し、患者の体までの薬剤流体の送達のために、薬剤コンテナ50から挿入機構200まで、流体の流動を制限し、またはそうでなければ修正するために利用され得る。例えば、内部開口3310Dは、流体経路コネクタ300を通って流体流動を制限するような流体導管30よりも小さい径を有し得る。加えて、または代替として、内部開口3310Dは、流体経路の長さを延在し、薬剤が薬剤コンテナから患者まで流動するのに要する時間を延ばすように構成され得る。例えば、図6Cに示される実施形態が直線で短距離の内部開口3310Dを示す一方、内部開口は、流体経路を延在し及び/またはシステムに対するさらなる流量制限を提供する、接続ハブ内部の迂回経路または蛇行経路であり得る。1つ以上の非反応材料及び/または非反応性ポリマーを利用し接続ハブ3310を形成することによって、コンテナの完全性及び流体流路の滅菌性が維持され得る。
ここで、図4A及び図4Bを参照すると、アクティブ化機構14(実線矢印の方向に動作中)の患者による変位に応じて、貫通部材330を、薬剤コンテナ50から流体経路コネクタ300までの流体経路を開放するように、(密閉バリア56Cを通って)貫通可能密閉部56を貫通させる。上記に説明されたように、貫通部材330が滅菌スリーブ320内部で、滅菌環境で維持されるため、流体経路の滅菌性に支障をきたさない。圧縮可能または折り畳み可能な滅菌スリーブ320は、患者が操作を開始すると、流体経路コネクタ300の並進または変位を可能にするように変形される。図4Aは、キャップ52による薬剤コンテナ50のバレル58の近位端に取り付けられる別個の構成要素のような滅菌スリーブ320及び貫通可能密閉部56を利用する本開示の実施形態を示す。しかしながら、上記に説明されたように、滅菌スリーブ320及び貫通可能密閉部56は、2つ以上の機能を提供する一体型構成要素であり得る。また、アクティブ化すると貫通部材330を誘導する随意的接続マウント54が示される。本実施形態では、軸方向に圧縮するにつれて半径方向に変形する滅菌スリーブ320が示される。しかしながら、他の実施形態では、例えば、蛇腹状の滅菌スリーブ320等の滅菌スリーブ320を軸方向において滅菌スリーブ320自体の上で折り畳め得る。患者によって使用されるまで流体経路が切断している状態を継続することにより、流体経路及び薬剤コンテナの滅菌性が維持される。この新規構成は、また、追加の安全特徴を患者に提供し、この特徴は、患者によって、所望されかつアクティブに開始されるまで、薬剤流動を防止する。
本明細書に説明されるように、流体経路コネクタ、具体的には、流体経路コネクタの滅菌スリーブは、本デバイスの患者が起動するアクティブ化に応じて、薬剤コンテナのキャップ及び/または貫通可能密閉部に接続され得る。流体導管は、流体経路コネクタの一端に、及び挿入機構の別端に接続され得、その状態では、流体経路は、開放され、接続され、またはそうでなければ可能になると、患者の体内への薬剤送達のために、直接、薬剤コンテナ、流体経路コネクタ、流体導管、挿入機構から、及びカニューレを通って進行する。ここで、流体流動のための経路を構成する構成要素が組み立てられる。これらの構成要素は、図1Bに示されるように、多くのの既知の方法によって滅菌され、次に、薬剤送達デバイス10のアセンブリプラットホームまたはハウジングに、固定して、または取り外し可能のどちらかで搭載され得る。
滅菌経路接続部300または薬剤送達デバイス10のある随意的標準構成要素または変形例は、本開示の範疇及び範囲内に存在しながらの状況で想到される。例えば、上側または下側ハウジングは、随意に、図1Aに示されるような1つ以上の透明または半透明の窓18を含有し、患者が、薬剤送達デバイス10の動作を視認し、または薬剤投与が完了したことを検証することを可能にし得る。加えて、薬剤送達デバイス10は、ハウジング12の底表面に接着パッチ26及びパッチライナ28を含有し得る。接着パッチ26は、薬剤投与量の送達のために、薬剤送達デバイス10を患者の体に接着するために利用され得る。当業者によって容易に理解されるであろうように、接着パッチ26は、患者の体への薬剤送達デバイス10の接着のための接着表面を有し得る。接着パッチ26の接着表面は、最初に、非接着パッチライナ28によって覆われ得、非接着パッチライナ28は、患者の体と接触する薬剤送達デバイス10の設置前に、接着パッチ26から取り外される。パッチライナ28の取り外しは、さらに、(図1Cに示されるように)挿入機構200の密閉膜254を取り外し、薬剤送達のために、患者の体に対して挿入機構を開放し得る。いくつかの実施形態では、パッチライナ28の取り外しは、また、搭載電子機器(例えば、電力及び制御システム400)に搭載電池から電気を供給することによって、その搭載電子機器を起動させ得る。さらに、上記に説明されたように、いくつかの流量制限器は、随意に、流体経路コネクタ内部の流体の流動を修正するために利用され得る。
同様に、流体経路コネクタ300及び薬剤送達デバイス10の1つ以上の構成要素は、本開示の範疇及び範囲内に機能的に存在している間に修正され得る。例えば、上記に説明されたように、薬剤送達デバイス10のハウジングが、2つの別個の構成要素(上側ハウジング12Aと下側ハウジング12B)として示されるが、これらの構成要素は、単一の一体型構成要素であり得る。同様に、滅菌スリーブ320が貫通可能密閉部56と別個の構成要素であるが、貫通可能密閉部の一部として事前に形成された一体型構成要素であり得る。上記に検討されたように、のり、接着剤、または他の既知の材料もしくは方法は、流体経路コネクタ及び/または薬剤送達デバイスのうちの1つ以上の構成要素を相互に添着するために利用され得る。例えば、上側ハウジング及び下側ハウジングは、のりもしくは接着剤、ねじ嵌合接続、締まりばめ、溶融接合、溶接、超音波溶接等によって一緒に添着される別個の構成要素であり得、または上側ハウジング及び下側ハウジングは、単一の一体型構成要素であり得る。そのような標準構成要素及び機能的変形例は、当業者によって認識されるであろう、従って、本開示の範疇及び範囲内にある。
本明細書に開示される流体経路コネクタ及び薬剤送達デバイスが、薬剤コンテナからの自動薬剤送達用の効率的かつ容易に動作するシステムを提供することを上記の説明から認識されるであろう。本開示は、患者により起動され、流体経路の滅菌性を維持するコンテナ接続部と、そのような滅菌流体経路コネクタを薬剤コンテナに組み込む薬剤送達デバイスとを提供する。そのようなデバイスは、安全で使用しやすく、美学的または人間工学的に、自己投与を行う患者には魅力的である。本明細書に説明されるデバイスは、訓練されていない患者でさえにも、本デバイスのアクティブ化、動作、及びロックアウトを容易にする特徴を組み込んでいる。薬剤送達が患者によって所望されるまで流体経路が切断されているため、流体経路コネクタ、薬剤コンテナ、薬剤流体、及び本デバイスの滅菌性は、全体として維持される。本開示のこれらの態様は、非常に望ましい保管、輸送、及び安全の有益性を患者に提供する。さらに、本開示の流体経路コネクタ及び薬剤デバイスの新規構成は、本デバイスの動作によって、流体経路の滅菌性を維持する。薬剤流体が本デバイス内部で進行する経路が全体的に滅菌状態に維持されるために、これらの構成要素だけ、製造プロセス中に滅菌される必要がある。そのような構成要素は、駆動機構の薬剤コンテナ、流体経路コネクタ、滅菌流体導管、及び挿入機構を含む。本開示の少なくとも1つの実施形態では、電源及び制御システム、アセンブリプラットホーム、制御アーム、アクティブ化機構、ハウジング、及び薬剤送達デバイスの他の構成要素は、滅菌される必要はない。これは、大きく、本デバイスの製造性を改善し、関連する組立費を減らす。従って、本開示のデバイスは、組立の完了時、最終滅菌を必要としない。本開示のさらなる利点は、本明細書に説明される構成要素が、例えば、薬剤送達デバイスのハウジング及び他の構成要素が、接続ハブ310、接続ハブ3310、または本明細書に説明される構成要素のいくつかの他の変形例を受けて、動作させるように容易に構成され得るようなモジュールになるように設計されていることである。
流体経路コネクタ300、薬剤送達デバイス10、または個々の構成要素のいずれかの組立及び/または製造は、当技術分野のいくつかの既知の材料及び手法を利用し得る。例えば、イソプロピルアルコール及びヘキサン等のいくつかの既知の洗浄液は、構成要素及び/または本デバイスを洗浄するために使用され得る。いくつかの既知の接着剤またはのりは、同様に、製造プロセスで採用され得る。加えて、既知のシリコーン表面処理流体及び/または潤滑流体ならびにシリコーン表面処理プロセス及び/または潤滑プロセスは、新規構成要素及び新規デバイスの製造中に採用され得る。さらに、既知の滅菌プロセスは、最終製品の滅菌性を確実にするために、1つ以上の製造段階または組立段階で採用され得る。
流体経路コネクタは、いくつかの手法で組み立てられ得る。組立の一方法では、薬剤コンテナ50は組み立てられ、患者への送達のために、ある量の流体で充填され得る。流体は、例えば、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはPCSK9(プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型)特異的抗体等の以下に説明されるような薬剤のうちの1つであり得る。組立の一方法では、薬剤で充填された後、薬剤コンテナ50は、滅菌(例えば放射線滅菌)に曝されない場合があり、そのため、薬剤は、一般的に滅菌に使用される高エネルギー線によって損傷されない。薬剤コンテナ50は、キャップ52、貫通可能密閉部56、バレル58、及びプランジャ密閉部60を含む。貫通可能密閉部56は、バレル58の遠位端において、キャップ52とバレル58との間に固定係合され得る。バレル58は、バレル58の近位端からのプランジャ密閉部60の挿入前に開放近位端を通るように薬剤流体で充填され得る。随意的接続マウント54は、貫通可能密閉部56の遠位端に搭載され得る。接続マウント54は、薬剤コンテナ50のバレル58内への流体経路コネクタの貫通部材の挿入を誘導する。次に、薬剤コンテナ50は、駆動ハウジング130の遠位端に搭載され得る。滅菌スリーブ320は、上記に説明されたように、貫通可能密閉部56に接続され、キャップ52によって固定接点に保持され得る。図4Aに示されるように、接続ハブ310、流体導管30、及び貫通部材330は、一緒に組み立てられ、次に、滅菌スリーブ320のハブコネクタ320Cと、接続ハブ310の対応するスリーブコネクタ310Cとの間の係合によって、滅菌スリーブ320の近位端に取り付けられ得る。駆動機構100は、薬剤コンテナ50の遠位端に取り付けられ得る。挿入機構200は、流体導管30の他端に組み立てられ、かつ取り付けられ得る。駆動機構100、薬剤コンテナ50、流体経路コネクタ300、流体導管30、及び挿入機構200を含む、このサブアセンブリ全体は、上記に説明されたように、薬剤送達デバイス10内の組立前に滅菌され得る。このサブアセンブリのある構成要素は、アセンブリプラットホーム20に、または直接ハウジング12の内部に搭載され得る一方、他の構成要素は、患者によるアクティブ化のために、ガイド390に搭載される。
薬剤送達デバイス10の製造はさらに、流体経路コネクタ300及び薬剤コンテナ50の両方を、別個に、または組み合わされた構成要素としてのどちらかで、薬剤送達デバイス10のアセンブリプラットホーム20またはハウジング12に取り付けるステップを含み得る。本ステップは、滅菌環境または非滅菌環境で行われ得る。薬剤コンテナ50から挿入機構200までの滅菌流体経路は事前に確立されている場合があるため、非滅菌環境で本ステップを行うことが可能であり得る。従って、さらなる可撓性は、薬剤送達デバイス10のハウジング12内に、流体経路コネクタ300、コンテナ50、及び挿入機構200の組み合わされたアセンブリを設置するための製造場所を選ぶ際に、存在し得る。製造する方法は、さらに、アセンブリプラットホーム20またはハウジング12への駆動機構100、コンテナ50、及び挿入機構200の取り付けを含む。上記に説明されたような電力及び制御システム400、アクティブ化機構14、及び制御アーム40を含む、薬剤送達デバイス10の追加構成要素は、アセンブリプラットホーム20またはハウジング12に取り付けられ、事前に形成され、または事前に組み立てられ得る。接着パッチ及び/またはパッチライナは、本デバイスの動作中に、患者に接触する薬剤送達デバイス10の外側ハウジング表面に取り付けられ得る。
IV.挿入機構
図7Aに示されるように、挿入機構200は、1つ以上のロックアウト窓202Aを有する挿入機構ハウジング202と、基部252と、及び滅菌ブーツ250とを含む。基部252は、挿入機構を薬剤送達デバイス10(図1Bに示されるようなもの)に統合するように、アセンブリプラットホーム20に接続され得る。アセンブリプラットホーム20への基部252の接続は、例えば、基部の底面が、患者の体への基部の直接接触を可能にするように、アセンブリプラットホーム内の孔を貫通することが可能になり得る。そのような構成では、基部252の底面は、少なくとも1つの実施形態では、薬剤送達デバイス10の使用前に取り外し可能である密閉膜254を含み得る。代替として、密閉膜254は、基部252の底面に取り付けられたままであり得、その状態では、針214は、薬剤送達デバイス10の動作中に、密閉膜254を貫通する。図8A及び図8Bに示されるように、挿入機構200は、さらに、挿入付勢部材210、ハブ212、針214、後退付勢部材216、クリップ218、マニホールドガイド220、隔壁230、カニューレ234、及びマニホールド240を含み得る。本明細書にさらに詳細に説明されるように、マニホールド240は滅菌流体導管30に接続し、薬剤送達中に、マニホールド240、カニューレ234を通って、かつ患者の体内への流体流動を可能にし得る。
マニホールドガイド220は、マニホールドガイドリング228によって分離される、上側チャンバ222及び下側チャンバ226を含み得る。上側チャンバ222は、クリップ218の係合可能な保定のためのクリップ接触スロット220Aを含み得る。上側チャンバ222は、内部上側チャンバ222A(後退付勢部材216、クリップ218、及びハブ212が、動作の最初のロック段階中に存在し得る)と、外部上側チャンバ222B(挿入付勢部材210と接触する)とを有し得る。少なくとも1つの実施形態では、挿入付勢部材210及び後退付勢部材216は、ばね、好ましくは、圧縮ばねである。ハブ212は、針214の近位端に係合可能に接続され得、それにより、ハブ212の変位または軸方向並進は、針214の関連運動をもたらす。
本明細書に示されるような「針」は、限定ではないが、剛性中空鋼鉄針等の従来式中空針と、より一般に「トロカール」という称される固体コア針とを含む、種々の針を指すことが意図される。好ましい実施形態では、針は27ゲージ固体コアトロカールであり、他の実施形態では、針は、薬剤の種類及び意図される薬剤投与(例えば、皮下、筋肉内、皮内等)に関して、カニューレ234を挿入するのに好適な任意のサイズの針であり得る。組み立てると、針214の近位端がハブ212と固定しながら接触して維持される一方、針214の残りは、後退付勢部材216、クリップ218の開口218C(図10Aに示される)、及びマニホールドガイド220を貫通することが可能になる。針214は、さらに、隔壁230、カニューレ234、マニホールドヘッダ242を通るマニホールド240、滅菌ブーツ250、及び基部開口部252Aを通る基部252を貫通し得る。マニホールドヘッダ242は、マニホールド240の内壁によって画定される内部チャンバを含み得る。カニューレ234は、マニホールドヘッダ242の内部チャンバと流体連通するように構成され得る。隔壁230、カニューレ234、マニホールド240は、挿入機構が動作するまで、マニホールドガイド220の下側チャンバ226内部に、及び滅菌ブーツ250内に存在し得る。この位置では、カニューレ234は、針214の遠位部を覆うように存在し、フェルール232によってマニホールド240のマニホールドヘッダ242内部で適所に保持され得る。フェルール232は、カニューレ234が、例えば、マニホールドヘッダ242の滅菌性を維持するために、マニホールド240内部で実質的に固定されたままで、密閉係合していることを確実にする。同様に、隔壁230は、マニホールドヘッダ242の滅菌性を維持するために、実質的に固定されたままで、マニホールド240の上部と密閉係合している。
滅菌ブーツ250は、近位端においてマニホールド240と、及び遠位端において基部252と固定係合する折り畳み可能または圧縮可能な滅菌膜である。少なくとも1つの実施形態では、図11A~図116Cに示されるように、滅菌ブーツ250は、基部252と挿入機構ハウジング202との間で遠位端に固定係合して維持される。下記にさらに説明されるように、基部252は、針及びカニューレが挿入機構の動作中に貫通し得る基部開口部252Aを含む。カニューレ及び針の滅菌性が、挿入機構の滅菌部内部でそれらの最初の位置付けによって維持される。具体的には、上記に説明されたように、針214及びカニューレ234は、マニホールドヘッダ242及び滅菌ブーツ250の滅菌環境に維持される。その上、基部252の基部開口部252Aは、例えば、密閉膜254等によって、非滅菌環境から閉鎖され得る。
図8A~図8B、図9、図10A~図10Cは、さらに詳細に、少なくとも第1の実施形態による、挿入機構の構成要素を示す。図9に示されるように、挿入機構ハウジング202は、ガイド突出部204を有する内側チャンバを有する実質的に円筒形構成要素であり得る。ガイド突出部204は、挿入機構ハウジング202の内部に事前に形成された面であり得、または、挿入機構ハウジング202の内部近位端に固定係合される別個のガイド突出スリーブであり得る。ガイド突出部204は、マニホールドガイドリング228上の貫通孔224でマニホールドガイド220に摺動可能に係合する。挿入付勢部材210は最初に、ガイド突出部204と挿入機構ハウジング202の内側表面との間に、かつ挿入機構ハウジング202の内部近位端とマニホールドガイド220のマニホールドガイドリング228との間に、エネルギー蓄積状態で存在する。従って、患者によってアクティブ化すると、下文にさらに説明されるように、挿入付勢部材210を、挿入付勢部材210が展開し及び/またはエネルギー解放するときに、マニホールドガイド220のマニホールドガイドリング228を圧迫させ、かつ力をそれに働かせ、マニホールドガイド220及びその下側チャンバ226内部に保定される構成要素の遠位方向に軸方向並進をもたらす。アクティブ化より前に、挿入付勢部材210は、圧縮されているエネルギー蓄積状態で、ロッキング窓202Aの実質的に上方に維持される。
図7Bに示される挿入機構の代替実施形態では、挿入機構2000は2つの挿入付勢部材2210A、2210Bを含み得る。挿入機構2000は、さらに、挿入機構ハウジング2202(透視図で示される)、マニホールドガイド2220、滅菌ブーツ2250、基部2252、及び挿入機構200を参照して上記に説明されたものと同様の他の構成要素を含む。図7Bに示される挿入機構の2つの挿入付勢部材の実施形態では、マニホールドガイドリングは、挿入付勢部材2210A、2210Bが圧迫し得る2つの円形プラットホームを含む。挿入機構2000は、挿入機構200のように完全に同じに機能し得るが、複数の挿入付勢部材2210A、2210Bの使用によって、追加の挿入力を提供し得る。挿入機構の構成要素及び機能は、同様または同一の構成要素が挿入機構200、挿入機構2000、及びそれらの全ての合理的に理解される変形例のために利用され得る理解とともに本明細書にさらに説明される。
図10Aは、本開示の一実施形態による、クリップ218を示す。クリップ218は、針214が貫通し得るプラットホーム218E上にある開口218Cと、解放表面218Aと、アーム218Dのロックアウト表面218Bとを含む。クリップ218は、曲がることが可能で、かつ実質的にその原形に戻ることが可能である任意の数の弾力材で作成され得る。原形では、クリップ218は、肛門状部218Dがプラットホーム218Eと垂直ではないように、外向きに曲がり得る。クリップ218がマニホールドガイド220と固定係合するがアーム218Dが曲がることが可能になるように、クリップ218はマニホールドガイド220のクリップ接触スロット220A内部に存在する。最初のロック段階では、後退付勢部材216及びハブ212(接続された針214を伴う)は、クリップ218の解放表面218Aとプラットホーム218Eとの間に、及びマニホールドガイド220(図9及び図10Bに示される)の内部上側チャンバ222Aの内部に保定される。針は、クリップ218の開口218C及びマニホールドガイド220を通って、隔壁230及びマニホールド240の中を通過し得る。障壁230は、図10Cに示されるように、マニホールドガイド240内部に存在する。マニホールド240は、さらに、滅菌流体導管30が接続され得るマニホールド吸入口240Aを含む。マニホールド吸入口240Aは、マニホールドヘッダ242の内部チャンバに通じ得、それにより、滅菌流体導管30をマニホールド吸入口240Aに接続することで、滅菌流体導管30とマニホールドヘッド242の内部チャンバとの間に流体連通する。さらに、マニホールド吸入口240Aと滅菌流体導管30との間の接続により、滅菌性が、駆動機構100の薬剤コンテナ50から、流体経路コネクタ300及び滅菌流体導管30を通って、マニホールド240のマニホールドヘッダ242及び滅菌ブーツ250の中まで維持され、薬剤送達のために患者内に挿入されるまで、針214、カニューレ234、及び流体経路の滅菌性を維持するようになる。
挿入機構の動作が、図11A~図11Cを考慮して、上記の構成要素を参照して本明細書に説明される。図11Aは、ロックされた使用準備段階における、本開示の少なくとも1つの実施形態による挿入機構の断面図を示す。ロックアウトピン208(複数可)は、最初に、挿入機構ハウジング202のロックアウト窓202A内部に位置付けられる。この最初の位置では、マニホールドガイド220のマニホールドガイドリング228、クリップ218、及びハブ212は、ロックアウト窓202A及びロックアウトピン208(
複数可)の上方に保定される。この最初の構成では、挿入付勢部材210及び後退付勢部材216はそれぞれ、それらの圧縮されているエネルギー蓄積状態で保定される。
図11Bに示されるように、ロックアウトピン208(複数可)(目視不可)は、アクティブ化機構14の患者の押し下げによって直接変位し得る。患者が随意的体上センサ24(図11Cに示される)等の任意の安全機構から係脱するとき、アクティブ化機構14は、薬剤送達デバイスを起動するために押し下げられ得る。アクティブ化機構14の押し下げは、直接、制御アーム40の並進または変位をもたらす場合があり、直接的または間接的に、挿入機構ハウジング202のロッキング窓202A内部のその最初の位置からロックアウトピン208(複数可)の変位をもたらす場合がある。ロックアウトピン208(複数可)の変位は、挿入付勢部材210が、その最初の圧縮されているエネルギー蓄積状態で、展開及び/またはエネルギー解放することを可能にする。従って、ロックアウトピン208(複数可)は、第2のリテーナがエネルギー蓄積状態で挿入付勢部材210を保定する第2のリテーナ保定位置(図11A)と、第2のリテーナが挿入付勢部材210をエネルギー解放することを可能にする第2のリテーナ解放位置(図12B)とを有する、第2のリテーナとして機能し得る。
図11Aに示されるように、ハブレッジ212Aは、内部上側チャンバ222Aの内部において、ハブ212とマニホールドガイド220との間に圧縮されているエネルギー蓄積状態で、後退付勢部材216を維持する。ハブ212は、ハブ凹部212Bで針214の近位端に固定係合する。動作前に、密閉部材254は基部252の底面から取り外され得、基部252は患者の体上の標的注射部位と接触するように設置される。上記に説明されたように、ロックアウトピン208(複数可)はアクティブ化機構によって変位し、挿入付勢部材210は、遠位方向(すなわち、図11Aの実線矢印の方向)における軸方向に伸長することが可能になり、マニホールドガイドリング228は、挿入付勢部材210の展開及び/またはエネルギー解放によって押勢され、遠位方向において軸方向に並進し、針214及びカニューレ234を患者の体内に挿入する。マニホールドガイドの軸方向並進は方向性を持ち、挿入機構ハウジング202のガイド突出部204と、マニホールドガイド220の対応する貫通部224との間の相互作用によって、回転整列に維持される。下記にさらに説明されるように、クリップ218の解放表面218Aはハブ212に係合し、圧縮されているエネルギー蓄積状態で後退付勢部材216を保定する一方、クリップ218がガイド突出部204の端に達するまで、マニホールドガイド220は遠位方向に軸方向に進行し、クリップ218は、外向きに弾性的に曲がることを可能にする。
図11Bは、針挿入段階における挿入機構の断面図を示す。示されるように、挿入付勢部材210が針214及びカニューレ234を伸長させるように患者の体内にそれらを挿入するとき、滅菌ブーツ250は折り畳まれることが可能になる。図11A及び図11Bに示されるように、挿入付勢部材210の伸長中に、マニホールド240は遠位方向に移動し、カニューレ234及び滅菌流体導管30がマニホールド240に固定接続されるため、カニューレ234及び滅菌流体導管30は、また、遠位方向に移動する。本段階において、図11Bに示されるように、針218は、カニューレ234を薬剤送達のための位置に留置するように、患者の体内に導入される。図11Cに示されるように、上記に説明されたような挿入付勢部材210の動作によって針214及びカニューレ234を挿入すると、針214は、挿入機構ハウジング202内に後退する(すなわち、近位方向において軸方向に並進する)。マニホールドガイド220、クリップ218、及びマニホールド240は、ガイド突出部204が実質的に基部252の底に達する(すなわち、遠位方向において、その完全な軸方向並進に達する)とき、クリップ218は、ガイド突出部204から自由になり、外向きに(すなわち、図11Bに示される白抜き矢印の方向に)弾性的に曲がり、解放表面218Aをハブ212から係脱するように寸法決定される。ハブ212から解放表面218Aが係脱されると、後退付勢部材216は、その最初の圧縮され
ているエネルギー蓄積状態から、近位方向において軸方向に(すなわち、図11Cの斜線矢印の方向に)伸長することを可能にする。図11Cに示されるように、クリップ218は、ロックアウト表面218Bと、ガイド突出部204の遠位端との間の接触によって、近位方向における後退または軸方向並進を防止する。このロックアウトはまた、マニホールドガイド220及びマニホールドガイドリング228の遠位に(すなわち、下方に)ある挿入機構構成要素の近位方向における軸方向並進を防止する。従って、クリップ218は、第3のリテーナがその電状態で後退付勢部材216を保定する第3のリテーナ保定位置(図11A及び図11B)と、第3のリテーナが後退付勢部材216をエネルギー解放することを可能にする第3リテーナ解放位置(図11C)とを有する、第3のリテーナとして機能し得る。
後退付勢部材216の伸長は、それが接続されるハブ212及び針214を、近位方向において軸方向に並進させる。フェルール232は、基部開口部252Aを通って患者の体内に挿入されるカニューレ234を保定する。カニューレ234から針214が後退すると、マニホールドヘッダ242からカニューレ234を通る患者の体までの流体経路が開放されている。流体経路コネクタが薬剤コンテナに対して設けられ駆動機構がアクティブ化しているとき、流体薬剤治療物が、患者の体内への送達のために、薬剤コンテナから、流体経路コネクタ及び滅菌流体導管を通ってマニホールドヘッダ242内に、及びカニューレ234を通って押勢される。従って、挿入機構のアクティブ化は、針214及びカニューレ234を患者の体内に挿入し、連続的に、患者の体と流体連通するカニューレ234を維持しながら針214を後退させる。針214の後退は、また、カニューレ234を通るマニホールドヘッダ242と患者の体との間の流体経路を開放する。薬剤投与量送達の終了時、カニューレ234は、患者との接点から薬剤送達デバイスの取り外しによって、患者の体から取り外され得る。
いくつかの実施形態では、カニューレ234は、比較的柔らかい可撓性材料(例えば、ゴムまたは樹脂)で作成され、針214は、比較的硬質の剛体材料(例えば、金属)で作られ得る。いくつかの実施形態では、カニューレ234は、針214よりもさらに可撓性がある材料で作成され得る。針214の剛性は、患者の皮膚に刺すことを容易にし得、カニューレ234の可撓性は、カニューレ234が患者の体内に配置されるとき、患者を安心させ易くし得る。従って、針214及びカニューレ234の組み合わせは、患者の苦痛が少ない、またはそれがなく、患者の身体的活動を妨げずに、継続時間にわたって(例えば、10秒、10分、10時間、または数日間でも)、薬物の皮下投与を提供する際に効果的であり得る。
本開示の一実施形態による挿入機構200を動作する方法は、挿入機構ハウジング202の対応する1つ以上のロックアウト窓202Aから1つ以上のロックアウトピン208を取り外すことであって、当該ロックアウトピン208の取り外しは、挿入付勢部材210が、その最初のエネルギー蓄積状態から伸長することを可能にする、当該取り外すことと;挿入付勢部材210の伸長によって、遠位方向において軸方向にマニホールドガイド220を押し込み、少なくとも部分的に挿入機構200の外に、及び患者の体内に、針214及びカニューレ234を押勢することと;マニホールドガイド220の上側チャンバ内に保定されるクリップ218の外側への屈曲を可能にすることであって、当該クリップ210はエネルギー蓄積状態にハブ212及び後退付勢部材216を最初に保定し、屈曲はハブ212との接点からクリップ210の1つ以上の解放表面218Aを係脱し、それによって、近位方向において軸方向に後退付勢部材216の伸長を可能にする、当該可能にすることと;流体送達のために患者の体内に挿入されたカニューレ234を維持しながら、針214とハブ212との間の固定接続部を通ってハブ212が後退するときに針214を後退させることとを含む。
挿入機構200または薬剤送達デバイス10のある随意的標準構成要素または変形例は、本開示の範疇及び範囲内に存在しながらの状況で想到される。例えば、上側または下側ハウジングは、随意に、図1A~図1Cに示されるような1つ以上の透明または半透明の窓18を含有し、患者が、薬剤送達デバイス10の動作を視認し、または薬剤投与が完了したことを検証することを可能にし得る。加えて、薬剤送達デバイス10は、ハウジング12の底表面に接着パッチ26及びパッチライナ28を含有し得る。接着パッチ26は、薬剤投与量の送達のために、薬剤送達デバイス10を患者の体に接着するために利用され得る。当業者によって容易に理解されるであろうように、接着パッチ26は、患者の体への薬剤送達デバイスの接着のための接着表面を有し得る。接着パッチ26の接着表面は、最初に、非接着パッチライナ28によって覆われ得、非接着パッチライナ28は、患者の体と接触する薬剤送達デバイス10の設置前に、接着パッチ26から取り外される。接着パッチ26は、随意に、随意的体上センサ24の作動を防止し、基部開口部252Aを覆う保護的覆いを含み得る。パッチライナ28の取り外しは保護的覆いを取り外し得、または保護的覆いは別個に取り外され得る。パッチライナ28の取り外しは、さらに、挿入機構200の密閉膜254を取り外し、薬剤送達のために、患者の体に対して挿入機構を開放し得る。いくつかの実施形態では、パッチライナ28の取り外しは、また、搭載電子機器(例えば、電力及び制御システム400)に搭載電池から電気を供給することによって、その搭載電子機器を起動させ得る。
同様に、挿入機構200及び薬剤送達デバイス10の1つ以上の構成要素は、本開示の範疇及び範囲内に機能的に存在している間に修正され得る。例えば、上記に説明されたように、薬剤送達デバイス10のハウジングが、2つの別個の構成要素(上側ハウジング12Aと下側ハウジング12B)として示されるが、これらの構成要素は、単一の一体型構成要素であり得る。同様に、ガイド突出部204が挿入機構ハウジング202の事前に形成された一体型構成要素として示されるが、挿入機構ハウジング202の内部表面に固定添着される別個の構成要素であり得る。上記に検討されたように、のり、接着剤、または他の既知の材料もしくは方法は、挿入機構及び/または薬剤送達デバイスのうちの1つ以上を相互に添着するために利用され得る。代替として、挿入機構及び/または薬剤送達デバイスの1つ以上の構成要素は、一体型構成要素であり得る。例えば、上側ハウジング及び下側ハウジングは、のりもしくは接着剤、ねじ嵌合接続、締まりばめ、溶融接合、溶接、超音波溶接等によって一緒に添着される別個の構成要素であり得、または上側ハウジング及び下側ハウジングは、単一の一体型構成要素であり得る。そのような標準構成要素及び機能的変形例は、当業者によって認識されるであろう、従って、本開示の範疇及び範囲内にある。
本明細書に開示される挿入機構及び薬剤送達デバイスが、薬剤コンテナからの自動薬剤送達用の効率的及び容易に動作するシステムを提供することを上記の説明から認識されるであろう。本明細書に説明される新規実施形態は、統合型安全特徴を提供し、挿入機構の直接の患者によるアクティブ化を可能にし、流体経路の滅菌性を維持するように構成されている。上記に説明されたように、統合型安全特徴は、随意的体上センサと、冗長ロックアウトと、患者によるアクティブ化に応じた自動針挿入及び後退と、視覚及び聴覚フィードバックオプションを含む多数の患者フィードバックオプションとを含む。本開示の新規の挿入機構は、患者によって直接的にアクティブ化され得る。例えば、少なくとも1つの実施形態では、ロックアウトピン(複数可)(挿入機構をそのロックされたエネルギー蓄積状態に維持する)は、アクティブ化機構の患者の押し下げによって、挿入機構ハウジングの対応するロックアウト窓から直接変位する。代替として、任意の介在ステップなしで、患者によってアクティブ化機構が直接変位するときにロックアウトピン(複数可)を変位させる、ばね機構等の1つ以上の追加構成要素が含まれ得る。
さらに、本開示の挿入機構及び薬剤送達デバイスの新規構成は、保管中、輸送中、及び本デバイスの動作によって、流体経路の滅菌性を維持する。薬剤流体が本デバイス内部で進行する経路が全体的に滅菌状態に維持されるために、これらの構成要素だけ、製造プロセス中に滅菌される必要がある。そのような構成要素は、駆動機構の薬剤コンテナ、流体経路コネクタ、滅菌流体導管、及び挿入機構を含む。本開示の少なくとも1つの実施形態では、電源及び制御システム、アセンブリプラットホーム、制御アーム、アクティブ化機構、ハウジング、ならびに薬剤送達デバイスの他の構成要素は、滅菌される必要はない。これは、大きく、本デバイスの製造性を改善し、関連する組立費を減らす。従って、本開示のデバイスは、組立の完了時、最終滅菌を必要としない。本開示のさらなる利点は、本明細書に説明される構成要素が、例えば、薬剤送達デバイスのハウジング及び他の構成要素が、挿入機構200、挿入機構2000、または本明細書に説明される挿入機構のいくつかの他の変形例を受け、動作させるように容易に構成され得るようなモジュールになるように設計されていることである。
挿入機構200、薬剤送達デバイス10、または個々の構成要素のいずれかの組立及び/または製造は、当技術分野の多くの既知の材料及び手法を利用し得る。例えば、イソプロピルアルコール等のいくつかの既知の洗浄液は、構成要素及び/または本デバイスを洗浄するために使用され得る。いくつかの既知の接着剤またはのりは、同様に、製造プロセスで採用され得る。加えて、既知のシリコーン表面処理流体及びシリコーン表面処理プロセスは、新規構成要素及び新規デバイスの製造中に採用され得る。さらに、既知の滅菌プロセスは、最終製品の滅菌性を確実にするために、1つ以上の製造段階または組立段階で採用され得る。
挿入機構は、いくつかの手法で組み立てられ得る。一方法では、ハブは、最初に、針の近位端に接続される。ハブ及び針は、マニホールドガイドの内部上側チャンバの中に挿入され、後退付勢部材は、マニホールドガイドとハブとの間でエネルギー蓄積状態に維持される。ハブ、針、及び後退付勢部材は、クリップによって、この整列に保持され、クリップは、クリップ接触面においてマニホールドガイドに固定的に、及び弾力的に接続される。カニューレは、マニホールド内に挿入され、フェルールによって適所に保持される。隔壁とマニホールドの間にマニホールドヘッダを作るように、カニューレに対向する端において、マニホールド内に挿入される。針が隔壁を貫通しカニューレ内部に存在するように、マニホールド、隔壁、カニューレ、及びフェルールは、マニホールドガイドの下側チャンバ内に挿入される。貫通先端を提供するように、針は、カニューレの遠位端を越えて延在する。滅菌ブーツはマニホールドに接続され、針及びカニューレは、カニューレが伸長構成にあるときに滅菌ブーツ内に存在する。
挿入ばねは、ハウジングと、近端からハウジングの内部に延在する1つ以上のガイド突出部との間の挿入機構ハウジング内に挿入される。ガイド突出部がマニホールドガイドのマニホールドガイドリング面上の対応する貫通部を通って延在するように、本明細書に説明されるようなマニホールドに取り付けられる構成要素を有するマニホールドガイドは、挿入機構ハウジング内に挿入される。マニホールドガイドが近位方向に並進するとき、挿入付勢部材をマニホールドガイドリングに接触させ、エネルギー蓄積状態にさせる。マニホールドガイドの並進及び挿入付勢部材の圧縮が挿入機構ハウジングの1つ以上のロックアウト窓の上方の点に達するとき、1つ以上の対応するロックアウトピン(複数可)は、この位置でマニホールドガイドを保定し、圧縮されているエネルギー蓄積状態で挿入付勢部材を保定するように挿入され得る。
滅菌ブーツの遠位端は、基部とのハウジングの係合によって挿入機構ハウジングの遠位端と固定係合するように、位置付け、保持され得る。この位置では、滅菌ブーツが、針及びカニューレの周囲に伸長構成にあり、滅菌であり得る環状容積を作る。流体経路が開放時に流体導管からマニホールド吸入口を通ってマニホールドヘッダ内に、針が後退するときにカニューレを通って直接進行するように、流体導管がマニホールド吸入口に接続され得る。流体経路コネクタは、流体導管の反対端に取り付けられ得る。流体経路コネクタ、具体的には、流体経路コネクタの滅菌スリーブは、薬剤コンテナのキャップ及び貫通可能密閉部に接続され得る。プランジャ密閉部及び駆動機構は、流体経路コネクタに対向する端において、薬剤コンテナに接続され得る。密閉膜は、その環境から挿入機構を閉鎖するように基部の底面に取り付けられ得る。ここで、流体流動のための経路を構成する構成要素が組み立てられる。これらの構成要素は、いくつかの既知の方法によって滅菌され、次に、薬剤送達デバイスのアセンブリプラットホームまたはハウジングに、固定して、または取り外し可能のどちらかで搭載され得る。
薬剤送達デバイス10の製造は、挿入機構200の基部を、薬剤送達デバイス10のアセンブリプラットホーム20またはハウジング12に取り付けるステップを含む。少なくとも1つの実施形態では、挿入機構200の基部がアセンブリプラットホーム20及び/またはハウジング12を貫通し、患者の体と直接接触することが可能になるように取り付けが行われる。製造する方法は、さらに、アセンブリプラットホーム20またはハウジング12への流体経路コネクタ300、薬剤コンテナ50、駆動機構100の取り付けを含み得る。上記に説明されたような電力及び制御システム400、アクティブ化機構14、及び制御アーム40を含む、薬剤送達デバイスの追加構成要素は、アセンブリプラットホーム20またはハウジング12に取り付けられ、事前に形成され、または事前に組み立てられ得る。接着パッチ及び/またはパッチライナは、薬剤送達デバイス10の動作中に、患者に接触するハウジング12の外部表面に取り付けられ得る。
薬剤送達デバイス10を動作させる方法は、患者によって、アクティブ化機構14をアクティブ化させるステップと、挿入機構200を作動させるように制御アームを変位させるステップと、流体経路コネクタ300を並進するようにガイドを変位させるステップと、電力及び制御システム400を作動させ、駆動機構100をアクティブ化し、薬剤送達デバイス10を通って流体薬剤流動を活発にするステップであって、流体経路コネクタ300を並進させることで貫通部材330に貫通可能密閉部56を貫通させ、それによって、薬剤コンテナ50から流体経路コネクタ300まで流体経路を開放する、当該駆動するステップと、を含む。本方法は、さらに、アクティブ化機構14をアクティブ化させる前に、随意的体上センサに係合するステップを含み得る。さらに、本動作方法は、駆動機構100内部にプランジャ密閉部60を並進させ、患者の体への流体薬剤の送達のために、薬剤コンテナ50、流体経路コネクタ300、滅菌流体導管30、及び挿入機構200を通って流動するように、流体薬剤を押勢することを含み得る。薬剤送達デバイス10の動作の方法は、上記に説明されたように、図4A~図4B及び図11A~図11Cを参照して認識され得る。
V.駆動機構
図12及び図13に示される実施形態を参照すると、駆動機構100は、駆動ハウジング130と、状態スイッチ相互接続部132と、薬剤コンテナ50(キャップ52、貫通可能密閉部56、バレル58、及びプランジャ密閉部60を有する)とを含む。薬剤コンテナ50は、患者の体内に挿入機構及び薬剤送達デバイス10による送達のために、貫通可能密閉部とプランジャ密閉部との間のバレル内部に薬剤流体を含有し得る。本明細書に説明される密閉部は、いくつかの材料から成り得るが、好ましい実施形態では、1つ以上のエラストマーまたはゴムから成る。駆動機構は、さらに、薬剤コンテナ50のバレル58内への流体経路コネクタの貫通部材の挿入を誘導する接続マウント54を含み得る。本明細書にさらに説明されるように、駆動機構100は、さらに、1つ以上の駆動付勢部材と、1つ以上の解放機構と、1つ以上のガイドとを含有し得る。駆動機構の構成要素は、患者の体内への流体経路コネクタ、滅菌流体導管、及び挿入機構を通る送達のために、薬剤コンテナから、貫通可能密閉部を通して外に、または好ましくは流体経路コネクタの貫通部材を通して、流体を押勢するように機能する。
駆動機構は、さらに、対応する構成要素上に1つ以上の接触表面を含み得る。そのような接触表面は、電気接触表面、機械接触表面、または電気機械接触表面であり得る。そのような表面は、最初に接触され、及び係脱させられ、または最初に切断され、及び係合させられ、信号を電力制御システム400に及び/またはそこから送信することを可能にし得る。少なくとも1つの実施形態では、本明細書にさらに説明されるように、接触表面は、電気接触表面であり得、最初に切断され、及び係合され、それによって、そのように係合されると、接触表面は、エネルギー経路を連続すること、またはそうでなければ、信号を電力及び制御システム400に中継することが可能である。本開示の別の実施形態では、接触表面は、機械接触表面であり、最初に接続され、かつ係脱され、それによって、そのように係脱されると、そのような係脱は、電力及び制御システム400に通信される。そのような信号は、電力及び制御システム400に1つ以上の相互接続部132を横断して、または電力及び制御システム400に機械的作用によって伝送され得る。そのような構成要素は、駆動機構内部に利用され、駆動機構の動作の状態に関連する情報を測定かつ中継し得、その状態では、電力及び制御システム400によって、患者への触覚、聴覚、及び/または視覚フィードバックに変換され得る。そのような実施形態は、本明細書にさらに説明される。接触表面の電気性質または機械性質に関わらず、電気制御システム400への信号の伝達を可能にする構成要素の運動は、本デバイスの操作中に、遠位方向に接触スリーブ140を軸方向に並進させる付勢部材122によって可能になる。
1つの特定の実施形態では、駆動機構100は、付勢部材(複数可)として1つ以上の圧縮ばねを採用する。患者によって薬剤送達デバイス10をアクティブ化すると、電源及び制御システムは、エネルギー蓄積状態から圧縮ばね(複数可)を直接的または間接的に解放するように作動し得る。解放すると、圧縮ばね(複数可)は、プランジャ密閉部を圧迫し、それに作用し、流体薬剤を薬剤コンテナから外に押勢し得る。流体経路コネクタは、薬物送達のために、薬剤コンテナから、流体経路コネクタ、滅菌流体導管、及び挿入機構を通って、及び患者の体内への流体流動を可能にするために、駆動機構のアクティブ化と同時に、またはその後に、貫通可能密閉部を通って接続され得る。少なくとも1つの実施形態では、流体は、挿入機構のマニホールド及びカニューレだけを通って流動し、それによって、薬剤送達前に、及び薬剤送達中に、流体経路の滅菌性を維持する。そのような構成要素及びその機能は、下文にさらに詳細に説明される。
ここで、図13に示される駆動機構の実施形態を参照すると、駆動機構100は、薬剤コンテナ50(キャップ52、貫通可能密閉部56、バレル58、及びプランジャ密閉部60と、随意に、接続マウント54とを有する)を含む。薬剤コンテナ50は、駆動ハウジング130の遠位端に搭載される。本明細書にさらに説明されるように、駆動付勢部材122及びピストン110は、薬剤コンテナ50とハウジング130の近位端との間で、駆動ハウジング130内部で圧縮され、駆動付勢部材122は、ピストン110の接触表面110Cを圧迫するように構成されている。随意に、カバースリーブ120は、駆動付勢部材122とピストン110の接触表面110Cとの間で利用され、例えば、駆動付勢部材122からピストン110までの力のより均一な分散を促進し、駆動付勢部材122のよじれを防止し、及び/または患者の視界から付勢部材を隠し得る。ピストン110の接触表面110Cは、密閉部60の近位端に実質的に隣接するように、またはそれと接触するように載せられる。
駆動機構100は、さらに、遠位端に搭載される状態スイッチ相互接続部132を含む。接触スリーブ140の遠位端にあるスリーブフック140Bを、ピストン110の近位端に近い接触表面110と接触突出部110Bとの間でピストン110に接触させるように、接触スリーブ140は、駆動ハウジング130の軸上開口を通るように駆動ハウジング130に摺動可能に搭載される。ピストン110は、また。接触突出部110Bとピストン110の近位端との間で、ロック溝110Aを含む。接触スリーブ140は、その近位端において半径方向に延在するリング140Cを有し、1つ以上の柔軟突起部140Aが、その近位端上に存在する。電気接点134は、リング140Cに接続され、搭載され、焼き付きられ、またはそうでなければ搭載され得、リング140Cは、駆動機構の動作中、対応する状態スイッチ相互接続部132と接触し、電気回路を完全にし、またはそうでなければ電源及び制御システムへの伝達を可能にし、フィードバックを患者に提供し得る。
駆動機構100の構成要素は、アクティブ化すると、薬剤コンテナ50のプランジャ密閉部60の遠位方向に軸方向並進を駆動させるために使用され得る。随意に、駆動機構100は、1つ以上のコンプライアンス特徴を含み得、それらの特徴は、プランジャ密閉部60の追加の軸方向並進を可能にし、実質的に全部の薬剤投与量を患者に送達していることを確実にし、フィードバック接触機構を接続していることを確実にする。例えば、本開示の一実施形態では、スリーブフック140Bは、ピストン110上の駆動付勢部材122によって十分に力が印加されると、接触表面110Cが、スリーブフック140Bを越えて軸方向に並進し薬剤コンテナからの薬剤流体のコンプライアンスプッシュに関するプランジャ密閉部60のさらなる軸方向並進を駆動することを可能にし得る柔軟アームである。加えて、または代替として、プランジャ密閉部60自体は、薬剤コンテナからの薬剤流体のコンプライアンスプッシュを可能にするいくつかの圧縮性を有し得る。
本開示の少なくとも1つの実施形態では、薬剤コンテナからの薬剤流体のコンプライアンスプッシュは、ピストン延在部102によって可能になる。そのような実施形態では、駆動機構100は、さらに、ピストン110の遠位端に、及び軸方向貫通部内部に、摺動可能に搭載されるピストン延在部102を含む。図14A~図14Eに示されるように、ピストン延在部102は、ピストン延在部102の延在アーム102Bとピストン110の接続スロット110Dとの間の相互作用によって、ピストン110内部に保定され得る。ピストン延在部は、ピストン延在付勢部材106によって駆動され得、ピストン延在付勢部材106は、ピストン110の軸方向貫通部内部に搭載され、ピストン延在部102とピストン110との間で最初に圧縮される。随意的ピストン付勢部材支持部104は、ピストン延在付勢部材106とピストン延在部102との間に利用され、例えば、ピストン延在付勢部材106からピストン延在部102までの力のより均一な分散を促進し得る。随意的ピストン延在部の機能は、下文にさらに詳細に説明される。
本開示の新規の駆動機構は、状態表示を薬剤投与量送達に統合する。1つ以上の状態スイッチ相互接続部及び1つ以上の対応する電気接点の使用によって、動作前、動作中、及び動作後の駆動機構の状態は、電源及び制御システムに中継され、フィードバックを患者に提供することができる。そのようなフィードバックは、上記に説明されたように、触覚、聴覚、及び/または視覚であり得、2つ以上の信号またはフィードバックの種類が本デバイスの使用中に患者に提供されるように非常に豊富であり得る。例えば、患者に、本システムが動作可能であり、薬物送達の準備ができていることを識別する最初のフィードバックが提供され得る。アクティブ化すると、本システムは、次に、1つ以上の薬物送達状態表示を患者に提供し得る。薬物送達の完了時、駆動機構及び薬剤送達デバイス10は、投与終了表示を提供し得る。投与終了表示がピストンの軸方向並進の終了に達したピストンに関係するとき、駆動機構及び薬剤送達デバイス10は、真の投与終了表示を患者に提供する。
少なくとも1つの実施形態では、図12及び図13に示されるように、いったん状態スイッチ相互接続部132を薬剤コンテナ50のバレル58の内部のピストン110及びプランジャ60の軸方向進行の終了時に電気接点134に接触させると、投与終了状態表示は患者に提供され得る。さらなる実施形態では、薬剤送達の様々な段階を中継する増加的状態表示は、動作中に患者に通信されることができる。そのような1つの実施形態では、カバースリーブ120のスリーブフック140Bは、動作中に、ピストン110の外側表面上に1つ以上の電気接点と接触する1つ以上の相互接続部を有し得る。ピストン110が遠位方向において軸方向に並進し、プランジャ密閉部60を遠位に押動するとき、それによって、流体を、貫通可能密閉端を通って薬剤コンテナから外に押動し、ピストン110の電気接点は、連続的に、スリーブフック140B上の相互接続部に接触し、動作の増加的状態を中継し得る。ピストン110の外側表面上に位置する電気接点の数に応じて、増加的状態表示の頻度は、所望どおり変動し得る。接点及び相互接続部の場所は、交換され得、または、電気回路の完了を可能にする、もしくはそうでなければ構成要素間の伝達を可能にする、いくつかの他の構成であり得る。
図15及び図16に示される駆動機構500の別の実施形態では、増加的状態表示は、別個の増加的状態ステム650及び対応するステム相互接続部652によって測定かつ中継され得る。ステム相互接続部652は、増加的状態ステム650に搭載され、添着され、焼き付きられ、またはそうでなければ取り付けられ得る。増加的状態ステム650は、静的構成要素であり得(すなわち、それは、移動または並進しない)、接触スリーブ640の遠位端に、及び/または駆動ハウジング630の遠位端に搭載され、その状態では、増加的状態ステム650は、接触スリーブ640及び駆動ハウジング630の軸方向貫通部の内部に存在する。増加的状態ステム650は、さらに、ピストン610の軸方向貫通部の内部に存在する。本開示のそのような実施形態では、1つ以上の接点は、ピストン610の内側表面上に位置し得、その状態では、接点は、連続的に、増加的状態ステム650上の1つ以上の対応する相互接続部に接する。ピストン610が遠位方向において軸方向に並進し、プランジャ密閉部60を遠位に押動するとき、それによって、流体を、貫通可能密閉端を通って薬剤コンテナから外に押動し、ピストン610の電気接点は、連続的に、増加的状態ステム650上の相互接続部に接触し、動作の増加的状態を中継し得る。電気接点の数に応じて、増加的状態表示の頻度は、所望どおり変動し得る。接点及び相互接続部の場所は、交換され得、または、電気回路の完了を可能にする、もしくはそうでなければ構成要素間の伝達を可能にする、いくつかの他の構成であり得る。
図17は、駆動機構の動作中の図15に示される駆動機構の実施形態の断面図を示す。示されるように、増加的状態ステム650は、静的構成要素であり得、それは、接触スリーブ640の遠位端に、及び/または駆動ハウジング630の遠位端に搭載され、その状態では、増加的状態ステム650は、接触スリーブ640及び駆動ハウジング630の軸方向貫通部の内部に存在する。ピストン610が遠位方向において軸方向に(すなわち、実線矢印の方向に)並進しプランジャ密閉部60を遠位に押動するとき、ピストン610の電気接点は、連続的に、増加的状態ステム650上の相互接続部に接触し、動作の増加的状態を、ステム相互接続部652を経由して中継し得る。従って、駆動機構の増加的状態、ひいては、薬剤送達の状態は、本デバイスの使用中、患者に伝えられ得る。
ここで、図12及び図13に示される実施形態に戻り、それを参照すると、新規の駆動機構のさらなる態様は、図14A~図14Eを参照して説明される。これらの1つ以上の態様は、同様に、図15に示される実施形態において、または本明細書に説明される実施形態によって取り込まれる任意の他の変形例において利用され得る。図14Aは、駆動機構の最初のロック段階中の、少なくとも第1の実施形態による駆動機構の断面図を示す。薬剤流体等の流体は、患者への送達のために、プランジャ密閉部60と貫通可能密閉部56との間にあるバレル58内部に含有され得る。患者によってアクティブ化されると、流体経路コネクタは、貫通可能密閉部56を通って薬剤コンテナに接続され得る。上記に説明されたように、流体接続は、貫通可能密閉部を貫通し、かつ薬剤流体の送達のために、薬剤コンテナから流体経路コネクタ、流体導管、挿入機構、及びカニューレを通した患者の体までの流体経路を完了する、流体経路の貫通部材によって容易にさせられ得る。最初に、1つ以上のロック機構(図示されない)は、ピストン110のロック溝110A内部に存在し得る。直接的または間接的に、患者によって本デバイスをアクティブ化すると、ロック機構は、ピストン110のロック溝110Aから取り外され、駆動機構の動作を可能にし得る。そのようなロック機構は、第1のリテーナがエネルギー蓄積状態で駆動勢部材122を保定する第1のリテーナ保定位置と、第1のリテーナが駆動勢部材122をエネルギー解放することを可能にする第1のリテーナ解放位置とを有する、第1のリテーナとして機能し得る。第1のリテーナは構造的にかつ機能的に、図22及び図23Aに示され、かつ下記により詳細に説明されるようなクリップ2115と同様であり得る。
図14Aに示されるように、ピストン延在付勢部材106及び駆動付勢部材122の両方は、最初に、圧縮されているエネルギー蓄積状態にある。駆動付勢部材122は、駆動ハウジング130の内部特徴とピストン110の接触表面110Cとの間で、本デバイスがアクティブ化するまで、この状態で維持され得る。ロック機構がピストン110のロック溝110Aから取り外されるとき、駆動付勢部材122は、遠位方向において軸方向に(すなわち、実線矢印の方向に)、伸長(すなわち、展開)することを可能にする。そのような伸長は、駆動付勢部材122に、接触表面110C及びピストン110に作用し、それらを遠位に並進させ、それによって、プランジャ60を遠位に並進させ、バレル58の外に薬剤流体を押動する。そのような随意的特徴が本デバイス内に組み込まれるとき、ピストン110の遠位並進は、ピストン延在付勢部材106及びピストン延在部102の遠位並進をもたらす。図14Bに示されるように、ピストン110及びプランジャ密閉部60のそのような遠位並進は、貫通可能密閉部56を通ってバレル58から外に流体流動を押勢することを継続する。図14Cに示されるように、状態スイッチ相互接続部132を1つ以上の柔軟突起部140Aによって電気接点134に時期尚早に接触することを防止する。代替として、低圧力ばね、または他の抵抗機構は、同じ機能を達成するために、柔軟突起部140Aに加えて、または代替として利用され得る。ピストン110の遠位並進中に、スリーブフック140Bは、ピストン110の外側表面に摺動可能に接触し得る。上記に説明されたように、相互接続部及び電気接点は、これらの構成要素上に位置し、駆動機構の動作中、増加的状態表示を提供し得る。
駆動機構100が投与終了に近づく、またはそれに達するとき、柔軟突起部140Aを、駆動付勢部材122の展開力によって、外向きに(すなわち、白抜き矢印の方向に)曲げさせ得る。柔軟突起部140Aのそのような屈曲は、状態スイッチ相互接続部132は、電気接点134に接触することを可能にし、回路を完全にし、またはそうでなければ、電源及び制御システムへの伝達を可能し、フィードバックを患者に提供し得る。本段階において、1つ以上の送達コンプライアンス機構は、状態スイッチ相互接続部132が電気接点134に接触していることと、及び/または実質的に薬剤投与量全体が送達されていることとを確実にするために利用され得る。例えば、本開示の一実施形態では、スリーブフック140Bは、ピストン110上の駆動付勢部材122によって十分に力が印加されると、接触表面110Cが、スリーブフック140Bを越えて軸方向に並進し薬剤コンテナからの薬剤流体のコンプライアンスプッシュに関するプランジャ密閉部60のさらなる軸方向並進を駆動することを可能にし得る柔軟アームである。加えて、または代替として、プランジャ密閉部60自体は、薬剤コンテナからの薬剤流体のコンプライアンスプッシュを可能にするいくつかの圧縮性を有し得る。例えば、急に飛び出るプランジャ密閉部(すなわち、最初の状態から変形可能であるプランジャ密閉部)が採用されるとき、プランジャ密閉部を、薬剤コンテナから薬剤流体のコンプライアンスプッシュを提供するために、変形させ、または「急に飛び出させ」得る。
本開示の少なくとも1つの実施形態では、薬剤コンテナからの薬剤流体のコンプライアンスプッシュは、ピストン延在部102によって可能になる。そのような実施形態では、駆動機構100は、さらに、ピストン110の遠位端に、かつ軸方向貫通部内部に、摺動可能に搭載されるピストン延在部102を含む。図14Dに示されるように、ピストン延在部102は、ピストン延在部102の延在アーム102Bとピストン110の接続スロット110Dとの間の相互作用によって、ピストン110内部に保定され得る。ピストン延在部は、ピストン延在付勢部材106によって駆動され得、ピストン延在付勢部材106は、ピストン110の軸方向貫通部内部に搭載され、ピストン延在部102とピストン110との間で最初に圧縮される。随意的ピストン付勢部材支持部104は、ピストン延在付勢部材106とピストン延在部102との間に利用され、例えば、ピストン延在付勢部材106からピストン延在部102までの力のより均一な分散を促進し得る。
ピストン110がバレル58内部で進行のその終了に達するとき、ピストン延在部102は、ピストン延在付勢部材106によって働く力によって、遠位方向に軸方向に進行することが可能になり得る。図14Dに示されるように、本段階において、ピストン延在付勢部材106が遠位方向において軸方向に伸長(すなわち、展開)し、その状態では、ピストン延在部102の延在アーム102Bは、ピストン110の接続スロット110D内部で遠位に(すなわち、実線矢印の方向に)並進させ得る。
図14Eに示されるように、ピストン延在部102のそのような遠位並進(すなわち、斜線矢印の方向に進む)は、薬剤コンテナからの薬剤流体のコンプライアンスプッシュ(図14Eに寸法「C」によって示される)を可能にする。ピストン延在部102は、延在アーム102Bが接続スロット110Dの遠位端に接触し、かつそれに力を印加し、ピストン110をさらに遠位に(すなわち、斜線矢印の方向に)並進させ得るように構成され得る。ピストン110のこのさらなる遠位並進は、状態スイッチ相互接続部132が接点134に係合していることを確実にするために利用され得る。
上記に説明されたように、本開示の新規の駆動機構は、状態表示を薬剤投与量送達に統合する。ピストンの軸方向並進への投与終了表示機構の統合によって、従って、プランジャ密閉によって、真の、かつ正確な投与終了表示は、患者に提供され得る。対応する構成要素上の1つ以上の接触表面の使用によって、動作前、動作中、及び動作後の駆動機構の状態は、電源及び制御システムに中継され、フィードバックを患者に提供することができる。そのようなフィードバックは、上記に説明されたように、触覚、視覚、及び/または聴覚であり得、2つ以上の信号またはフィードバックの種類が本デバイスの使用中に患者に提供されるように非常に豊富であり得る。図14A~図14E(上記)は、いったん状態スイッチ相互接続部132を薬剤コンテナ50のバレル58の内部のピストン110及びプランジャ60の軸方向進行の終了時に電気接点134に接触させると、投与終了状態表示は患者に提供する配列を示す。上記に説明されたように、本明細書に説明される新規デバイスは加えて、増加的状態表示を提供し、動作中に、薬剤送達の様々な段階を患者に中継する。そのような1つの実施形態では、カバースリーブ120のスリーブフック140Bは、動作中に、ピストン110の外側表面上に1つ以上の電気接点と接触する1つ以上の相互接続部を有し得る。豊富な投与終了表示は、接触スリーブ140のスリーブフック140Bとピストン110の接触突出部110Bとの間で接触するときに利用され得る。ピストン110に沿った電気接点または相互接続部は、スリーブフック140B上の対応する相互接続部または接点に連続的に接触し、動作の増加的状態を中継し得る。ピストン110の外側表面上に位置する電気接点の数に応じて、増加的状態表示の頻度は、所望どおり変動し得る。接点及び相互接続部の場所は、交換され得、または、電気回路の完了を可能にする、もしくはそうでなければ構成要素間の伝達を可能にする、いくつかの他の構成であり得る。
図15~図17に示される駆動機構500の別の実施形態では、増加的状態表示は、別個の増加的状態ステム650及び対応するステム相互接続部652によって測定かつ中継され得る。図17に示されるように、増加的状態ステム650は、静的構成要素であり得、それは、接触スリーブ640の遠位端に、及び/または駆動ハウジング630の遠位端に搭載され、その状態では、増加的状態ステム650は、接触スリーブ640及び駆動ハウジング630の軸方向貫通部の内部に存在する。ピストン610が遠位方向において軸方向に(すなわち、実線矢印の方向に)並進しプランジャ密閉部60を遠位に押動するとき、ピストン610の電気接点は、連続的に、増加的状態ステム650上の相互接続部に接触し、動作の増加的状態を、ステム相互接続部652を経由して中継し得る。電気接点の数に応じて、増加的状態表示の頻度は、所望どおり変動し得る。接点及び相互接続部の場所は、交換され得、または、電気回路の完了を可能にする、もしくはそうでなければ構成要素間の伝達を可能にする、多くの他の構成であり得る。従って、駆動機構の増加的状態、ひいては、薬剤送達の状態は、本デバイスの使用中、患者に伝えられ得る。
図18及び図19A~図19Cに示される駆動機構のさらなる実施形態では、上記に説明されたように、駆動機構1000は、機構100または機構500と同様であり、そのような実施形態の各々の構成要素及び機能を組み込むが、電気接触表面の代わりに機械接触表面を利用し得る。図18は、本開示のさらなる実施形態による、駆動機構100の等角図を示す。図19A~図19Cは、図18に示される駆動機構の断面図を示し、駆動機構が、最初の非アクティブ状態、作動状態、機構が薬剤送達の完了に近い状態、及び機構が薬剤送達を完了し、投与終了をトリガするときの状態のものである。そのような実施形態では、状態スイッチ相互接続部は機械留め金1150であり、接触表面はピン1140Pである。図19Aに示されるように、随意的ピストン延在付勢部材1106及び駆動付勢部材1122の両方は、最初に、圧縮されているエネルギー蓄積状態にある。駆動付勢部材1122は、駆動ハウジング1130の内部特徴とピストン1110の接触表面1110Cとの間で、本デバイスがアクティブ化するまで、この状態で維持され得る。ロック機構がピストン1110のロック溝1110Aから取り外されるとき、駆動付勢部材1122は、遠位方向において軸方向に(すなわち、実線矢印の方向に)、伸長(すなわち、展開)することを可能にする。そのような伸長は、駆動付勢部材1122に、接触表面1110C及びピストン1110に作用し、それらを遠位に並進させ、それによって、プランジャ1060を遠位に並進させ、バレル1058の外に薬剤流体を押動する。そのような随意的特徴が本デバイス内に組み込まれるとき、ピストン1110の遠位並進は、ピストン延在付勢部材1106及びピストン延在部1102の遠位並進をもたらす。
図19Bに示されるように、ピストン1110及びプランジャ密閉部1060のそのような遠位並進は、貫通可能密閉部1056を通ってバレル1058から外に流体流動を押勢することを継続する。上記に説明されたように、相互接続部及び電気接点は、これらの構成要素上に位置し、駆動機構の動作中、増加的状態表示を提供し得る。図19Cに示されるように、駆動機構1000が投与終了に達するとき、ピン1140Pは、機械留め金1150から係脱し、電力及び制御システム400への伝達を可能にし、フィードバックを患者に提供する。そのような1つの実施形態では、機械留め金1150からのピン1140Pの係脱は、留め金が定荷重ばね1170等の付勢部材によって付勢されるように回転することを可能にする。最初に、定荷重ばね1170は、ピン1140Pに接するように機械留め金1150を付勢する。ピン1140Pが軸方向並進すると、上記に説明されたように、ピン1140Pは、機械留め金1150から係脱され、機械留め金1150は、次に、回転し、またはそうでなければ、患者へのフィードバックの伝達を可能にするように変位する。本段階において、1つ以上の送達コンプライアンス機構は、上記に説明されたように、ピン1140Pが機械留め金1150から係脱していることと、及び/または実質的に薬剤投与量全体が送達されていることとを確実にするために利用され得る。
駆動機構100、薬剤送達デバイス10、または個々の構成要素のいずれかの組立及び/または製造は、当技術分野のいくつかの既知の材料及び手法を利用し得る。例えば、イソプロピルアルコール及びヘキサン等のいくつかの既知の洗浄液は、構成要素及び/または本デバイスを洗浄するために使用され得る。いくつかの既知の接着剤またはのりは、同様に、製造プロセスで採用され得る。加えて、既知のシリコーン表面処理流体及び/または潤滑流体ならびにシリコーン表面処理プロセス及び/または潤滑プロセスは、新規構成要素及び新規デバイスの製造中に採用され得る。さらに、既知の滅菌プロセスは、最終製品の滅菌性を確実にするために、1つ以上の製造段階または組立段階で採用され得る。
駆動機構は、いくつかの手法で組み立てられ得る。組立の一方法では、薬剤コンテナ50は、最初に、組み立てられ、患者への送達のために、流体で充填され得る。薬剤コンテナ50は、キャップ52、貫通可能密閉部56、バレル58、及びプランジャ密閉部60を含む。貫通可能密閉部56は、バレル58の遠位端において、キャップ52とバレル58との間に固定係合され得る。バレル58は、バレル58の近位端からのプランジャ密閉部60の挿入前に開放近位端を通るように薬剤流体で充填され得る。随意的接続マウント54は、貫通可能密閉部56の遠位端に搭載され得る。接続マウント54は、薬剤コンテナ50のバレル58内への流体経路コネクタの貫通部材の挿入を誘導する。次に、薬剤コンテナ50は、駆動ハウジング130の遠位端に搭載され得る。
1つ以上のスイッチ状態相互接続部132は、駆動ハウジング130の近位端に搭載され得る。遠位端に1つ以上のスリーブフック140Bと、近位端(その上に電気接点134を有する)にリング140Cとを有する接触スリーブ140は、駆動ハウジング130の近位端から軸方向貫通部を通って駆動ハウジング130に搭載され得る。駆動付勢部材122は、駆動ハウジング130の遠位端に挿入され得る。随意に、カバースリーブ120は、駆動ハウジング130の遠位端に挿入され、実質的に付勢部材122を覆い得る。ピストンは、駆動ハウジング130の遠位端に、及び接触スリーブ140の軸方向貫通部を通って、挿入され得、その状態では、ピストン110の接触突出部110Bは、接触スリーブ140のスリーブフック140Bの近位にある。ピストン110及び駆動付勢部材122ならびに随意的カバースリーブ120は、駆動ハウジング130内で圧縮され得る。そのような組立は、その最初の圧縮されているエネルギー蓄積状態で、駆動付勢部材122を位置付け、好ましくは、バレル58の近位端内部でプランジャ密閉部60の近位表面と接触するピストン接触表面110Cを設置する。ピストン延在部102が採用されるとき、ピストン延在部102及びピストン延在付勢部材106ならびにピストン延在付勢支持部は、ピストン110の軸方向貫通部内で圧縮され得る。ピストン、ピストン付勢部材、接触スリーブ、及び随意的構成要素は、薬剤コンテナ50の取り付け、または搭載より前に、駆動ハウジング130内部で、圧縮され、作動準備完了状態にロックされ得る。
1つ以上の相互接続部または接点が状態表示のために利用されると、そのような構成要素は、駆動機構100内へのそのような構成要素の組立前に、それらの対応する構成要素に搭載され、接続され、焼き付きられ、またはそうでなければ取り付けられ得る。別個の増加的状態ステム650及び対応するステム相互接続部652がそのような増加的状態表示のために利用されるとき、ステム相互接続部652は、増加的状態ステム650に搭載され、添着され、焼き付きられ、またはそうでなければ取り付けられ得る。増加的状態ステム650及びステム相互接続部652は、増加的状態ステム650が接触スリーブ640及び駆動ハウジング630の軸方向貫通部の内部に存在する様式で、接触スリーブ640の近位端に、及び/または駆動ハウジング630の近位端に搭載される。増加的状態ステム650は、さらに、ピストン610の軸方向貫通部の内部に存在するように搭載される。
投与終了表示または相互接続部/接点は、例えば、機械的、電気的、電気機械的、超音波的、容量性、または磁気的配列を含む、任意の適切な配列を含み得ることを認識されるであろう。同様に、駆動機構は、任意の適切な設計であり得る。
駆動機構と、投与終了表示または相互接続部/接点との両方の代替配列が、図20A~図24Bに示される。分かり易くするために、図20A~図24Bで利用される参照番号は、図1A~図11Cの実施形態のものと同様であり、4桁(すなわち、2XXX)を有する参照番号を提供するために適切であるように、番号「2」または「20」だけが前にくる。例えば、図20A~図24Bの薬剤送達デバイス10は、図1A~図11Cの薬剤送達デバイス10及び駆動機構100に対向するような、各々、番号2010及び2100によって指定される。しかしながら、この相関関係は、図1A~図11Cの実施形態のものと同様である参照番号を伴う図20A~図24Bの構成要素が、図1A~図11Cの各々の構成要素と全く同じであることを示唆するものとして見なされるべきではない。
図20A~図20Cに示されるように、薬剤送達デバイス2010は、薬剤コンテナ2050を受容するための駆動機構2100と、挿入機構2200と、流体導管2030を含む流体経路コネクタ2300と、電源及び制御システム2400と(それらの全てが、ハウジング2012内部に存在する)、ハウジング2012の外側から患者によって作動可能であるアクティブ化機構2014とを含む。ハウジング2012は、任意の数の構成要素をとり、単体または複数の構成要素ハウジング2012等の任意の数の構成要素によって促進され得る。電力供給及び信号伝達のための電子機器等のある他の構成要素、アクティブ化ボタン、及び安全センサはまた、分かり易くするために省略されるが、そのような薬剤送達デバイス10の内部の標準構成要素であることを理解されたい。ハウジング2012、挿入機構2200、流体経路コネクタ2300、及び電源及び制御システム2500ならびにアクティブ化機構2014は、詳細に検討されないが、当業者は、それらが、本明細書に開示される他の実施形態に関して、詳細に検討される構成要素及びシステムと同じまたは同様であり得ることを認識するであろう。
駆動機構2100、主要薬剤コンテナ2050、及び流体経路コネクタ2300の流体経路の一部は、図21に等尺性を保って、図22に分解形態で示される。図23A~図23Cは、駆動機構2100がいくつかの動作段階にわたって進んでいるときの、駆動機構2100の断面を示す。図24A~図24Bは、いくつかの動作段階における、駆動機構2100の横断面を示す。
主要薬剤コンテナ2050は、患者内へ注射または注入される薬剤治療物を保定し、薬剤治療物を投与することができる小瓶または同様のコンテナであり得る。薬剤治療物に滅菌環境を提供するために、薬剤コンテナ2050は、遠位端に配置される貫通可能密閉部2056と、近位端内部に配置されるプランジャ密閉部2060とを伴う、円筒状バレル2058を含み得る。貫通可能密閉部2056及びプランジャ密閉部2060は、1つ以上のエラストマー材料等のいくつかの材料から形成され得、バレル2058で密閉を維持するようにサイズ決定かつ考案されている。
図21~図23Cに示される流体経路コネクタ2300の一部は、接続マウント2054、滅菌ブーツ2310、及び貫通アセンブリ2320を含む。貫通アセンブリ2320は、貫通部材2322を支持するハブ2324から延在する貫通部材2322を含み、流体導管2030または他の流体コネクタが薬剤コンテナ2050を挿入機構2200に流体結合するように流体結合され得る、流体接続部2326(図21参照)を提供する。接続マウント2054は、貫通可能密閉部2056に隣接して配置され、薬剤コンテナ2050の貫通可能密閉部2056内への流体経路コネクタの貫通部材2322の挿入を誘導するように適合させる開口を含む。滅菌ブーツ2310は、貫通アセンブリ2320の周りに配置され、流体経路コネクタ2300の流体結合を完全にするために、滅菌環境を提供する。滅菌ブーツ2310のフランジ、接続マウント2054、貫通可能密閉部、及びバレル2058を相互に固定関係で固定するために、カラー2052が提供され得る。
図20A及び図20Bを参照すると、動作中、患者がアクティブ化機構2014を示された開始ボタン等を押し下げることによってアクティブ化すると、アクティブ化機構2014に結合されるアーム2015は、貫通アセンブリ2320に軸力を働かせ、貫通部材2322を軸方向に移動させ貫通可能密閉部2056を貫通させる。駆動機構2100は、薬剤コンテナ2050の近位端と協働して使用するために適合され、バレル2058内部でプランジャ密閉部2060を軸方向に前進させ、いったん貫通可能密閉部2056が貫通部材2322によって貫通されると流体経路コネクタ2300を通って薬剤治療物を分注する。
駆動機構2100は、駆動機構2100の軸Aと一致する軸を有する駆動機構2130を含む。(図21参照)。軸Aは、コンテナ2050及びプランジャ密閉部2060の軸と一致するように配置され得る。ピストン2110は、少なくとも部分的に、駆動機構2100の軸に沿った縦移動のために、駆動ハウジング2130内部に配置される。駆動ハウジング2130に関連して使用されるとき、用語「軸」は、軸が駆動ハウジング2130の中心場所にあることを要求することを意図しないことと、駆動ハウジング2130が円形であることとを認識されるであろう。
ピストン2110は、ピストン2110が少なくとも部分的に駆動ハウジング2130内部に配置される第1の後退位置(図23Aに示される)と、ピストン2110が駆動ハウジング2130から軸方向に外向きに延在する第2の延在位置(図23B及び図23Cに示される)との間で移動するように搭載される。ピストン2110は、薬剤コンテナ2050と組み立てられるときにプランジャ密閉部2060に直接直面するように配置される、またはそうでなければ、作動力をプランジャ密閉部2060に伝達するように配置される、接触表面2110Cを含む。言い換えれば、図20A~図24Bの駆動機構2100のピストン2110は、分注力を薬剤コンテナ2050のプランジャ密閉部2060に働かせ、ハウジング2012の遠位端から外向きに並進し、薬剤コンテナ2050内部でプランジャ密閉部2060を前進させ、薬剤を分注するように適合させる。図23Aに示される最初の位置がハウジング2012の遠位端に実質的に隣接して配置されるようにピストン2110の接触表面2110Cを示すが、代替実施形態では、ピストンは、最初に、駆動ハウジング2130の外側に延在する位置に配置され得ることを認識されるであろう。そのような配列では、薬剤コンテナ2050との駆動機構2100の最初の組立において、ピストン2110は最初に、少なくとも部分的に、薬剤コンテナ2050の近位端内部に配置され得る。
軸方向運動をピストン2010に付与するために、駆動機構2100は、さらに、エネルギー蓄積されている第1の位置から複数のピストン付勢部材2106、2122を含み、ピストン付勢部材2106、2122は、ピストン2110が第1の後退位置にあるときの第1のエネルギー蓄積位置から、ピストン2110が第2の延在位置にあるときの第2のエネルギー解放位置まで移動するように配置される。本開示及び付随の特許請求の範囲の目的のために、用語「第2のエネルギー解放位置」は、相対語であることを認識されるであろう。すなわち、「第2のエネルギー解放位置」にあるピストン付勢部材2106、2122は、「第1のエネルギー蓄積位置」にあるピストン付勢部材2106、2122よりも小さいエネルギーをもたらす。しかしながら、「第2のエネルギー解放位置」にあるピストン付勢部材2106、2122は必ずしも、完全に、エネルギー解放している、またはエネルギーを保存しないというわけではない。
ピストン2110が第1の後退位置に維持される限り、付勢部材2106、2122は、それらの第1のエネルギー蓄積位置に維持される(図23A参照)。ピストン2110は、保定要素またはクリップ2115によって第1の後退位置に維持される。任意の適切な配列が第1の後退位置にピストン2110を保定するために利用され得るが、クリップ2115は、薬剤送達デバイス10のハウジング2012の外側表面を圧迫し、ピストン2110のロック溝2110A内に受容され得る。図23Aは、第1の保定位置に配置されるクリップ2115を示す。従って、ピストン付勢部材2106、2122でピストン2110の第1の後退位置にピストン2110を維持する保定要素またはクリップ2115の係合は、駆動機構2100が薬剤送達デバイス2010内で、または薬剤コンテナ2050と協働して組み立てられ得るような独立型ユニットとして駆動機構2100を扱うことを可能にすることが当業者によって認識されるであろう。しかしながら、動作中、いったんクリップ2115が取り外され、第2の解放位置(図22B及び図23C)に移動すると、ピストン付勢部材2106、2122は、それらが第2のエネルギー解放位置に移動しピストンがその第2の延在位置に移動するとき、軸分注力をピストン2110に働かせる。少なくとも1つの実施形態では、クリップ2115は、アクティブ化機構2014の移動によって、直接的または間接的に、もたらされる作用によって取り外され得る。クリップ2115を取り外す作用を、いくつかの方法で達成することができる。例えば、図22を参照して、クリップ2114を取り外す作用は、薬剤コンテナ2050の軸「A」に対して垂直移動するように直線的である。
図20A~図24Bの実施形態に示されるような本開示の態様に従って、駆動機構2100は、サイズ及び/またはデバイスの設置面積が小さいが、挿入機構2200を介した薬剤送達のために、薬剤コンテナ2050から流体導管2030を通る薬剤流体を押動するために必要な分注力を提供することが可能である。駆動機構2100のこの実施形態では、図1A~図11Cの実施形態の直列配置と対照的に、ピストン付勢部材2106、2122は並列に配置される。従って、図20A~図24Bの駆動機構2100が、先行技術のデバイス、またはさらに本明細書の他の実施形態の駆動機構100、500、1000よりも著しく小さい設置面積を生じることが当業者によって認識されるであろう。
本開示及びその特許請求の範囲の目的のために、付勢部材に関連して使用されるとき、ばね等の具体的な実施形態、または用語「付勢部材」、用語「並列」の一般的な使用は、それらが当業者によって解釈されるであろうものとして解釈されたい。すなわち、用語「直列」、「直列に」、または「直列に配置される」は、それらが端から端まで接続されているときのものであろうように、配置される、及び動作する、ばねとして解釈されたい。用語「並列」、「並列に」、または「並列に配置される」は、それらが隣り合って並んでいる関係にあろうように、配置される、及び動作する、ばねとして解釈されたい。
当業者は、直列に配置される付勢部材に関して、同等のばね定数の逆数は、個々の付勢部材のばね定数の各々の逆数の合計に等しくなることを認識するであろう。対照的に、並列関係にある付勢部材2106、2122と同等のばね定数は、個々の付勢部材のばね定数の合計である。同様に、並列関係にある付勢部材2106、2122によって働く分注力は、個々に、付勢部材2106、2122によって働く力の合計であろう。結果として、並列に配置される付勢部材2106、2122の使用は、実質的によりコンパクトなパッケージ内で所望の分注力を提供し、駆動機構2100が図1A~図11Cの実施形態よりもコンパクトになることを可能にする。延在によって、並列に配置される付勢部材2106、2122の使用は、薬剤送達デバイス2010全体が、直列に配置される配列よりも実質的にコンパクトであることを可能にし得る。
本実施形態では、付勢部材2106、2122は、一対の同軸に配列される圧縮ばねの形態である。いくつかの実施形態では、付勢部材2106、2122は、反対方向に巻かれ、それによって、付勢部材2106、2122によってもたらされる、いずれかの横力のバランスを保ち得る。しかしながら、代替の配列も、また、予測される。例えば、1つ以上の付勢部材は代替として、駆動機構の構成要素の構成に応じて、例えば、引張ばねであり得る。さらに、示される駆動機構2100では、付勢部材2106、2122は、相互に対して、及びピストン2100に対して同軸に配置される。しかしながら、代替実施形態では、付勢部材は代替として、あくまで例として、隣り合って並んでいる配列で、またはピストンの反対側に、配置され得る。またさらなる実施形態では、3つ以上の付勢部材は、任意の適切な構成で並列に提供かつ配置され得る。さらに、追加付勢部材が、1つ以上の並列に配列される付勢部材と直列に提供及び配置され得ることが認識されるであろう。例えば、ピストンが延在部を含む実施形態では、図1A~図11Cの実施形態のピストン延在部102と同様に、例えば、追加付勢部材は、ピストン延在部に係合するように提供され得る。
ここで、図20A~図24Bに示される実施形態に戻り、それを参照すると、駆動機構2100は、投与終了表示部2133を含む。投与終了表示部2133は、スイッチ相互接続部2132と、ピストン2110とともに移動するために適合させる接触スリーブアセンブリ2120とを含む。ピストン2110は、プランジャ密閉部2060に接触することが可能である、またはそうでなければそれを圧迫することが可能であり、患者への送達のために、薬剤流体をバレル2058から外に流体経路コネクタ2300を通るように押勢する、接触表面2112を有する。駆動ハウジング2130の内部へ投与終了表示部2133のアクセスを提供するために、ハウジング2130は、アクセス窓2131を含み、これらの重要性は下記にさらに説明される。
図21~図23Cに示される実施形態の接触スリーブ2120は、一対の伸縮式スリーブ2124、2126を含む。第1のスリーブ2124は、ピストン付勢部材2106、2122がエネルギー解放されるとき、ピストン2110と移動するために適合させる。第1のスリーブ2124の遠位に略半径方向に延在するフランジ2124Aは、ピストン2110のヘッド2111の下に配置される。このように、付勢部材2106、2122の1つまたは両方がフランジ2124Aを圧迫し、フランジ2124Aは、ピストンヘッド2111を圧迫し軸方向運動をピストン2110に付与する。第2のスリーブ2126は、第1のスリーブ2124に摺動可能に結合され、第1のスリーブ2124は、第2のスリーブ2126から外向きに遠位に摺動する。第1のスリーブ2124が第2のスリーブ2126から十分に延在するときに第2のスリーブ2126が第1のスリーブ2124とともに進行することを可能にするために、結合構造が提供される。示される実施形態では、スリーブ2124、2126は、各々のフランジ2124B、2126Aを含み、フランジ2124B、2126Aは、第1のスリーブ2124の近位端が第2のスリーブ2126の遠位端に近づき(図23A参照)、第2のスリーブ2126を同様にピストン2110とともに軸方向に移動させるように係合する(図23C参照)。
しかしながら、代替の配列が予測されることを認識されるであろう。あくまで例として、であるが、第1のスリーブ2124は、代替として、ピストン2110とともに統合的に形成され得る。このように、ピストン2110とともに形成される第1のスリーブ2124は、上記に説明されたものと同様な様式で、第2のスリーブ2126から外向きに伸縮するであろう。さらに、スリーブアセンブリ2120が一対の伸縮式スリーブを含むように説明されているが、3つ以上の伸縮式スリーブ等の別の数のスリーブが使用され得る。しかしながら、スリーブの数は、駆動ハウジング2130の相対寸法及びピストン2110の進行等の協働構造によって決定し得る。例えば、より小さい駆動ハウジングを利用するが同様のピストン進行を有する実施形態では、3つ以上の伸縮式スリーブが望まれ得る。例示される実施形態に示されるもの等の、複数のスリーブが付勢部材2106、2122の周りに提供され及び付勢部材2106、2122が圧縮ばねの形態である、いくつかの実施形態では、圧縮されているエネルギー蓄積状態のばねは、伸縮していないスリーブ2124、2126に等しい長さを有するが、伸縮式スリーブの長さに等しい、エネルギー解放し展開している長さを有し得る。さらに、投与終了表示部2133が並列に配列される複数の付勢部材を含む駆動機構2100に関連して説明されているが、当業者は、投与終了表示部2133がまた直列に及び/または並列に配置される単一の付勢デバイスまたは複数の付勢部材を含む駆動機構に関連して利用され得ることも認識するであろう。
スリーブアセンブリ2120が軸方向に外向きに移動するとき、スリーブアセンブリ2120の近位端2126Bは、駆動ハウジング2130の窓2131を通過させる。特に示される実施形態では、第2のスリーブ2126が軸方向に外向きに移動するとき、第2のスリーブ2126の近位端2126Bは、駆動ハウジング2130の窓2131を通過させる。
スイッチ相互接続部2132は、センサ2134と、電源及び制御システム2400への電子結合部2136とを有する。センサ2134の少なくとも一部は、窓2131に隣接して配置され、駆動ハウジング2130内部の窓2131の近位にある接触スリーブアセンブリ2120の存在下で変化を識別するように適合させる。例えば、示される実施形態では、センサ2134は、スリーブアセンブリ2120が窓2131の近位に既に存在しないことを読み取り得る。
スリーブアセンブリ2120の移動中のセンサ2134及びスリーブアセンブリ2120の関係を良好に示すために、スリーブアセンブリ2120の一部は、図23A~図23Bで省略されている。図24A~図24Bでは、ハウジング2130、スリーブ2126、付勢部材2106、2122、及び投与終了表示部2133は、図11の線14-14に沿った断面で示される。示される実施形態では、ピストン2110が第1の後退位置にあるとき(図23A参照)、及びスリーブアセンブリ1120がピストン2110とともに外向きに伸縮し始めるとき(図23B及び図24A参照)、スリーブアセンブリ1120は窓2131に隣接して配置される。逆に、ピストン2110が第2の延在位置(十分に延在している位置)にあるとき(図23C及び図24B参照)、スリーブアセンブリ1120は窓2131に隣接して配置されない。第2のスリーブ2126の近位端2126Bが窓を通過するとき、スイッチ相互接続部2132は、スリーブアセンブリが窓2131を通過したことと、投与の終了が発生したこととを識別し、その情報を電源及び制御システム2400に提供する。電子結合部2136は、任意の適切な設計であり得る。示される実施形態では、例えば、センサ2134は、PCB基板2138に直接接続する。
示されるスイッチ相互接続部2132は、枢動可能に搭載される留め金2135の形態の機械センサ2134(要するに、オン/オフ機械スイッチ)を含む。ピストン2110が第1の後退位置にあるとき、留め金2135がスリーブアセンブリ2120と接触する第1の位置に配置される。ピストン2110が駆動ハウジング2130から外向きに移動するとき、第2のスリーブ2126の近位端2126Bが窓2131(すなわち、留め金2135)を通過するようなときまで、留め金2135は伸縮式スリーブアセンブリ2120に沿って摺動する。第2のスリーブ2126が留め金2135を通過するとき、留め金2135は第2の位置に移動する。第2の位置への留め金2135の移動により、電子結合部2135が電源及び制御システム2400の投与の終了を示す信号を提供することをもたらす。
しかしながら、スイッチ相互接続部2132は、任意の適切な設計であり得る。例えば、スイッチ相互接続部2132は、図20A~図24Bに示されるもの等の電気機械性質があるセンサ、または、例えば、光学式読取装置もしくはセンサ等の電気性質があるセンサを含み得る。加えて、または代替として、スイッチ相互接続部2132は、超音波センサ、容量センサ、磁気センサ、またはいくつかの他の種類のセンサを利用し得る。従って、センサは、対応する参照構成要素との物理接触を必要としない場合がある。光学センサを含む実施形態では、センサは、駆動ハウジング2130の有無であるときに読み取り、例えば、窓2131の反対にある駆動ハウジング2130の内部を読み取り得る。センサは、加えて、または代替として、スリーブアセンブリが窓の下に配置されるとき、スリーブアセンブリが窓の下に配置されないとき、窓または別の参照構成要素に対してスリーブアセンブリの相対運動、そのような運動の停止、及び運動速度または運動速度の変化のうちの少なくとも1つを識別するように構成され得る。
伸縮式スリーブの位置を読み取る電気機械配列として示されているが、任意の適切な配列は、任意の適切な構成要素の相対位置と、信号を電源及び制御システムに提供し薬剤の全てが投与されたことを示す投与終了表示とを読み取るように提供され得る。加えて、スイッチ相互接続部及び対応する接点及び/または参照構成要素は、投与終了表示に加えて、増加的状態表示を提供するために利用され得る。例えば、図20A~図23Cを参照して上記に説明されたスイッチ相互接続配列では、スイッチ相互接続部2132は、対応するスリーブ2126または任意の他の参照構成要素内の、多数のへこみ、隆起、または溝と、スイッチ相互接続部が増加的状態表示(例えば、送達開始、送達される体積の量、プランジャ進行の期間等)及び最終投与終了表示の信号を送ることが可能である接点とを認識するように構成されている電気機械センサであり得る。本明細書に説明されるように、同様の増加的状態表示は、異なる種類のセンサ配列を利用することによって本構成で提供され得る。例えば、スイッチ相互接続部2132は、対応するスリーブ2126上に、または任意の他の参照構成要素上に多数のマーキングを認識するように構成されている光学センサであり得る。光学センサがいくつかのマーキングを認識すると、光学センサは、スイッチ相互接続部が増加的状態表示(例えば、送達開始、送達される体積の量、プランジャ進行の期間等)及び最終投与終了表示の信号を送ることを可能にする。任意の適切な配列は、任意の適切な参照構成要素上の多数のマーキング、隆起、溝、または各々の表示の相対位置を読み取るように提供され得、スイッチ相互接続部によるそのような表示の認識は、そのスイッチ相互接続部が、信号を電源及び制御システムに提供し、薬剤の全てが投与されたことを示す最終状態を含む薬剤送達の増加的状態を示すことを可能にする。当業者によって認識されるであろうように、表示部は、必ずしも、参照構成要素上に画定された面ではない場合があり、スイッチ相互接続部は、参照構成要素自体の実際の進行を認識するように構成され得る。従って、スイッチ相互接続部は、参照構成要素の実際の進行における、変化率、進行距離、または他の関連寸法を認識するように、及び電源及び制御システムへの信号が、患者にそのような情報またはフィードバックを提供することを可能にするように構成され得る。
本開示の実施形態は、駆動機構及びデバイス全体の設置面積を小さくし、または最小化させながら、薬剤コンテナ内部でプランジャ密閉部及び薬剤流体を押動するために必要な駆動力を提供することが当業者によって認識されるであろう。従って、本開示は、よりコンパクトな薬剤送達デバイス内部で利用され得る駆動機構を提供する。本開示の実施形態は、同様に、高粘性薬剤流体に、または大容量薬剤コンテナに必要であり得るような追加力を提供するために利用され得る。
本明細書に示され、詳述される実施形態は、本開示のごく少数の可能である変形例を開示し、他の同様の変形例は、本開示の範疇内で想到され、組み込まれる。
駆動機構は、さらに、対応する構成要素上に1つ以上の接触表面を含み得る。そのような接触表面は、電気接触表面、機械接触表面、または電気機械接触表面であり得る。そのような表面は、最初に接触され、及び係脱させられ、または最初に切断され、及び係合させられ、信号を電力制御システム2400に及び/またはそこから送信することを可能にし得る。
流体経路コネクタ、具体的には、流体経路コネクタの滅菌スリーブは、薬剤コンテナのキャップ及び/または貫通可能密閉部に接続され得る。流体導管は、それ自体が挿入機構に接続される流体経路コネクタの他端に接続され得、その状態では、流体経路は、開放され、接続され、またはそうでなければ可能になると、患者の体内への薬剤送達のために、直接、薬剤コンテナ、流体経路コネクタ、流体導管、挿入機構から、及びカニューレを通って進行する。ここで、流体流動のための経路を構成する構成要素が組み立てられる。これらの構成要素は、図1Bに示されるように、多数の既知の方法によって滅菌され、次に、薬剤送達デバイスのアセンブリプラットホームまたはハウジングに、固定して、または取り外し可能のどちらかで搭載され得る。
駆動機構100または薬剤送達デバイス10のある随意的標準構成要素または変形例は、本開示の範疇及び範囲内に存在しながらの状況で想到される。例えば、上側または下側ハウジングは随意に、図1Aに示されるような1つ以上の透明または半透明の窓18を含有し、患者が、薬剤送達デバイス10の動作を視認し、または薬剤投与が完了したことを検証することを可能にし得る。加えて、薬剤送達デバイス10は、ハウジング12の底表面に接着パッチ26及びパッチライナ28を含有し得る。接着パッチ26は、薬剤投与量の送達のために、薬剤送達デバイス10を患者の体に接着するために利用され得る。当業者によって容易に理解されるであろうように、接着パッチ26は、患者の体への薬剤送達デバイス10の接着のための接着表面を有し得る。接着パッチ26の接着表面は、最初に、非接着パッチライナ28によって覆われ得、非接着パッチライナ28は、患者の体と接触する薬剤送達デバイス10の設置前に、接着パッチ26から取り外される。パッチライナ28の取り外しは、さらに、(図1Cに示されるように)挿入機構200の密閉膜254を取り外し、薬剤送達のために、患者の体に対して挿入機構を開放し得る。いくつかの実施形態では、パッチライナ28の取り外しは、また、搭載電子機器(例えば、電力及び制御システム400)に搭載電池から電気を供給することによって、その搭載電子機器を起動させ得る。
同様に、駆動機構100及び薬剤送達デバイス10の1つ以上の構成要素は、本開示の範疇及び範囲内に機能的に存在している間に修正され得る。例えば、上記に説明されたように、薬剤送達デバイス10のハウジングが、2つの別個の構成要素(上側ハウジング12Aと下側ハウジング12B)として示されるが、これらの構成要素は、単一の一体型構成要素であり得る。同様に、電気接点134が接触スリーブ140と別個の構成要素であるが、電気接点134は、接触スリーブ140のリング表面上で焼き付けられた一体型構成要素であり得る。上記に検討されたように、のり、接着剤、または他の既知の材料もしくは方法は、駆動機構及び/または薬剤送達デバイス10のうちの1つ以上を相互に添着するために利用され得る。代替として、駆動機構及び/または薬剤送達デバイス10の1つ以上の構成要素は、一体型構成要素であり得る。例えば、上側ハウジング及び下側ハウジングは、のりもしくは接着剤、ねじ嵌合接続、締まりばめ、溶融接合、溶接、超音波溶接等によって一緒に添着される別個の構成要素であり得、または上側ハウジング及び下側ハウジングは、単一の一体型構成要素であり得る。そのような標準構成要素及び機能的変形例は、当業者によって認識されるであろう、従って、本開示の範疇及び範囲内にある。
本明細書に開示される駆動機構及び薬剤送達デバイスが、薬剤コンテナからの自動薬剤送達用の効率的かつ容易に動作するシステムを提供することを上記の説明から認識されるであろう。本明細書に説明される新規実施形態は、患者にフィードバックを提供する統合型状態表示を提供する。本開示の新規の駆動機構は、患者によって、直接的または間接的にアクティブ化され得る。例えば、少なくとも1つの実施形態では、ロックアウトピン(複数可)(駆動機構をそのロックされたエネルギー蓄積状態に維持する)は、アクティブ化機構の患者の押し下げによって、ピストン110の対応するロックアウト溝から直接変位する。さらに、本開示の駆動機構及び薬剤送達デバイスの新規構成は、保管中、輸送中、及び本デバイスの動作によって、流体経路の滅菌性を維持する。薬剤流体が本デバイス内部で進行する経路が全体的に滅菌状態に維持されるために、これらの構成要素だけ、製造プロセス中に滅菌される必要がある。そのような構成要素は、駆動機構の薬剤コンテナ、流体経路コネクタ、滅菌流体導管、及び挿入機構を含む。本開示の少なくとも1つの実施形態では、電源及び制御システム、アセンブリプラットホーム、制御アーム、アクティブ化機構、ハウジング、ならびに薬剤送達デバイス10の他の構成要素は、滅菌される必要はない。これは、大きく、本デバイスの製造性を改善し、関連する組立費を減らす。従って、本開示のデバイスは、組立の完了時、最終滅菌を必要としない。本開示のさらなる利点は、本明細書に説明される構成要素が、例えば、薬剤送達デバイスのハウジング及び他の構成要素が、駆動機構100、駆動機構500、または本明細書に説明される駆動機構のいくつかの他の変形例を受け、動作させるように容易に構成され得るようなモジュールになるように設計されていることである。
薬剤送達デバイス10の製造は、駆動機構及び薬剤コンテナの両方を、別個に、または組み合わされた構成要素としてのどちらかで、薬剤送達デバイスのアセンブリプラットホームまたはハウジングに取り付けるステップを含む。製造する方法は、さらに、アセンブリプラットホームまたはハウジングへの流体経路コネクタ、薬剤コンテナ、挿入機構の取り付けを含む。上記に説明されたような電力及び制御システム、アクティブ化機構、及び制御アームを含む、薬剤送達デバイスの追加構成要素は、アセンブリプラットホームまたはハウジングに取り付けられ、事前に形成され、または事前に組み立てられ得る。接着パッチ及びパッチライナは、本デバイスの動作中に、患者に接触する薬剤送達デバイス10のハウジング表面に取り付けられ得る。
VI.充填終了カートリッジ
上記に説明された滅菌流体経路アセンブリは、標準的充填機器及びシステムを使用して、下記に説明される薬剤等の薬品治療物で充填され得る。下記により詳細に検討されるように、この有益性は、下記に説明される充填終了カートリッジによって可能になり、その充填終了カートリッジは、流体経路アセンブリの滅菌性を維持するように機能し、かつ、そのアセンブリが入れ子になり、搭載され、またはそうでなければ標準的充填終了プロセスのためにトレイ内に取り外し可能に挿入されることを可能にする。図25~図47に関連して下記に説明される、駆動機構、流体経路コネクタ、挿入機構、ならびに薬剤送達デバイスの他の構成要素及び補助構成要素は、図1A~図24Bに関連して上記に説明された薬剤送達デバイスのいずれかに実装され得る。さらに、下記に説明される製造方法及び使用方法のいずれかは、図1A~図24Bに関連して上記に説明された薬剤送達デバイスに適用され得る。
図25を参照してすると、本開示の態様を組み込んでいる薬剤送達デバイス10の例の略図が示される。デバイス10は、アクティブ化機構614を有するハウジング612を含む。理解を容易にするために、ハウジング612は、概略的に示される。本開示に従って、本デバイスは、さらに、充填終了カートリッジ616を含む。充填終了カートリッジ616は、薬剤コンテナ618と、流体経路コネクタ622を含む薬剤経路アセンブリ620と、針挿入機構624とを含む。薬剤経路アセンブリ620は、例えば、流体導管26を含む様々な構成要素の配置を容易にするさらなる構成を含み得る。流体経路コネクタ622は薬剤コンテナ618の遠位端628に実質的に隣接して配置され、針挿入機構624は流体経路コネクタ622の遠位端630に実質的に隣接して配置される。例示される実施形態では、薬剤コンテナ618は、概して、水平に位置付けられ、垂直に位置付けられる針挿入機構624から直角に位置付けられる。しかしながら、構成要素が任意の適切な様式で位置付けられ得ることを認識されるであろう。
薬剤コンテナ618内に含有される薬剤の投与は、アクティブ化機構614によって開始され得る。アクティブ化機構614は、例えば、患者によって手動で作動される、または、例えば、電力及び制御モジュール632によって自動で作動されるアクティブ化機構を含み得、電力及び制御モジュール632は、さらなる例として、マイクロプロセッサまたは適切な接続を伴う他の自動投与配列を含み得る。本実施形態では、アクティブ化機構614は、例えば、ハウジング612の外側表面に沿って配置され得るボタン634であり、患者によって選択的に押し下げられ得る。薬剤送達デバイス10及びアクティブ化機構614が、任意の適切な設計であり得ることを認識されるであろう。
電力及び制御モジュール632は、必要な場合、薬剤送達デバイス内部の様々な電気構成要素にエネルギーを提供する電源と、1つ以上のフィードバック機構と、マイクロコントローラと、回路基板と、1つ以上の導電性パッドと、1つ以上の相互接続部とを含み得る。また、当業者によって認識されるであろうように、そのような電気システム内で通常使用される他の構成要素を含み得る。1つ以上のフィードバック機構は、例えば、圧電アラーム等の可聴アラーム及び/または発光ダイオード(LED)等の光インジケータを含み得る。マイクロコントローラは、例えば、マイクロプロセッサであり得る。電力及び制御モジュール632は、患者とのいくつかのデバイス相互作用を制御し、薬剤送達デバイス10の1つ以上の他の構成要素とインターフェースをとり得る。一実施形態では、電力及び制御モジュール632は、体上センサ24及び/またはアクティブ化機構614がアクティブ化になる時間を識別する。電力及び制御モジュール632は、また、光伝送を可能にする透過性または半透明材料であり得る状態インジケータとインターフェースをとり、視覚フィードバックを患者に提供し得る。電力及び制御モジュール632は、1つ以上の相互接続部を経由して、駆動機構及び/または統合型滅菌流体経路コネクタ、及び薬剤コンテナ618とインターフェースをとり、アクティブ化、薬剤送達、及び/または投与終了等の状態表示を患者に中継し得る。そのような状態表示は、振動等の触覚フィードバックを用いて、可聴アラーム等による聴覚トーンを用いて、及び/またはLED等による可視インジケータを用いて、患者に提示され得る。好ましい実施形態では、電力及び制御システムと、薬剤送達デバイスの他の構成要素との間の制御インターフェースは、患者によってアクティブ化するまで係合されない、または接続されない。これは、薬剤送達デバイスの予期しない動作を防止する望ましい安全特徴であり、また、保管、輸送等の間、電源内に保存されるエネルギーを維持し得る。
電力及び制御モジュール632は、いくつかの異なる状態インジケータを患者に提供するように構成され得る。例えば、電力及び制御モジュール632は、体上センサ及び/または留め金機構が押圧された後、電力及び制御モジュール632は、デバイス起動確認がエラーを提供しない場合、状態インジケータを介して起動準備状態信号を提供するように構成され得る。起動準備完了状態信号を提供した後に、かつ随意的体上センサを用いた実施形態では、体上センサが患者の体と接触したままである場合、電力及び制御モジュール632は、駆動機構に電力供給し、統合型滅菌流体経路コネクタ622及び滅菌流体導管26を通した薬剤治療物の送達を始める。本開示の好ましい実施形態では、挿入機構624及び駆動機構をアクティブ化機構614の患者の操作によって直接アクティブ化させ得る。本明細書にさらに詳述されるように、統合型滅菌流体経路コネクタは、駆動機構のアクティブ化によってもたらされる薬剤コンテナ618内部の薬剤流体の空気圧によって接続される(すなわち、流体経路が開放される)。薬剤送達プロセス中、電力及び制御モジュール632は、状態インジケータを介して分注状態信号を提供するように構成されている。薬剤が患者の体内に投与された後、及び任意の追加のドウェル時間の終了後、実質的に全用量が患者に送達されたことを確実にするために、電力及び制御モジュール632は、状態インジケータを介して取り外しOK状態信号を提供し得る。これは、ハウジング612の窓を通して、薬剤コンテナ内部の駆動機構及び薬剤投与量の送達を視認することによって患者により単独で検証され得る。加えて、電力及び制御モジュール632は、例えば、故障または動作障害状況を示す警告等の状態インジケータを介して1つ以上の警告信号を提供するように構成され得る。
他の電源構成及び制御システム構成は、本開示の新規の薬剤送達デバイスで利用され得る。例えば、薬剤送達中に、あるアクティブ化の遅延を利用し得る。上記に言及されたように、システム構成内に随意に含まれるそのような1つの遅延は、患者に完了の信号を送る前に実質的に全部の薬剤投与量が送達されることを確実にするドウェル時間である。同様に、デバイスのアクティブ化は、薬剤送達デバイスのアクティブ化より前に、薬剤送達デバイス10のアクティブ化機構614の長期の押し下げ(すなわち、押動)を必要とし得る。加えて、本システムは、患者が投与終了信号に応答することと、薬剤送達デバイスを非アクティブ化または電源遮断することとを可能にする特徴を含み得る。そのような特徴は、同様に、本デバイスの予期しない非アクティブ化を防止するために、アクティブ化機構の押し下げの遅延を必要とし得る。そのような特徴は、望ましい安全統合及び使い易いパラメータを薬剤送達デバイスに提供する。追加の安全特徴は、アクティブ化機構に統合され、部分的な押動、ひいては、薬剤送達デバイスの部分的アクティブ化を防止し得る。例えば、アクティブ化機構及び/または電源及び制御システムは、部分的アクティブ化を防止するために、本デバイスが完全にオフまたは完全にオンのどちらかになるように構成され得る。そのような特徴は、新規の薬剤送達デバイスの他の態様に関して、下文にさらに詳細に説明される。
含まれている場合、電力及び制御モジュール632は、プロセッサ(図示されない)と、メモリ構成要素(図示されない)とを含み得る。プロセッサは、当技術分野で既知であるようなマイクロプロセッサまたは他のプロセッサであり得る。いくつかの実施形態では、プロセッサは、複数のプロセッサで構成され得る。プロセッサは、投与信号を生成し、かつ薬剤コンテナ618内に含有される薬剤の投与を制御するための命令を実行し得る。そのような命令は、メモリ構成要素またはプロセッサの外部に提供されるもの等のコンピュータ可読媒体内で読み取られ、またはそれに組み込まれ得る。代替実施形態では、配線回路は、薬剤投与を実施するために、ソフトウェア命令の代わりに、またはそれと組み合わせて使用され得る。従って、本実施形態は、ハードウェア回路及びソフトウェアの任意の具体的な組み合わせに限定されるわけではない。
本明細書に示されるような用語「コンピュータ可読媒体」は、実行のために命令をプロセッサに提供することに関与する、任意の媒体または媒体の組み合わせを指す。そのような媒体は、多くの形態をとり得る。メモリ構成要素は、上記に説明されたようなコンピュータ可読媒体の任意の形態を含み得る。メモリ構成要素は、複数のメモリ構成要素を含み得る。
電力及び制御モジュール632は、単一のハウジング内に包囲され得る。代替実施形態では、電力及び制御モジュール632は、複数のハウジング内に接続かつ包囲されるように機能する複数の構成要素を含み得る。
電力及び制御モジュール632は、患者による作動、事前プログラムによる作動、または遠隔作動の機能として、投与信号を生成するように構成され得る。電力及び制御モジュール632は、個々に、充填終了カートリッジ616、及び/または薬剤コンテナ618、流体経路コネクタ622、及び/または針挿入機構624に通信可能に結合され得る。
本開示の実施形態の態様に従って、例示される実施形態では、下記により詳細に検討されるように、アクティブ化機構614の作動、ここでは、ボタン634の押し下げにより、流体経路コネクタ622の係合をもたらす。下記により詳細に同様に説明されるように、患者によるこの同じ作用は、針挿入機構624をトリガし、針またはカニューレを患者内に注射し得る。従って、アクティブ化機構614の作動は、薬剤コンテナ618から、流体経路コネクタ622、流体導管26、及び針挿入機構624を通して、患者(図示されない)までの薬剤経路の完了をもたらす。アクティブ化機構614の作動は、流体を、滅菌経路を通って押勢するように、駆動機構が薬剤コンテナ618と関連付けられる構造に作用することをもたらし得る。本開示の実施形態では、針挿入機構624は、患者から針を後退するように始動し、薬剤送達が完了すると、明確な投与終了送達表示を与え得る。ハウジング612は加えて、例えば、薬物送達を確認するために薬剤コンテナ618を視認する場合がある窓を含み得る。
本開示の実施形態の態様によると、充填終了カートリッジ616は、薬剤送達デバイス10のハウジング612への組立前に構成かつ充填される。これに関連して、充填終了カートリッジ616は、充填前のいくつかの実施形態では、及び充填後のいくつかの実施形態では、充填終了カートリッジ616を滅菌するための処置に耐えるために十分に頑丈である。滅菌構造化及び充填終了カートリッジ616の後、本デバイスは、薬剤送達デバイス10内部で必要に応じて位置付けられ得る。いずれのイベントにおいて、流体経路アセンブリ620及び薬剤コンテナ618の滅菌性は、組立プロセス、充填プロセス、及び製造プロセスの態様を通して維持される。従って、薬剤送達デバイス10の最終組立は、滅菌環境以外で行われることができる。滅菌流体経路アセンブリ620の構成要素だけが滅菌されることを必要とし、及び滅菌されているため、薬剤送達デバイス10の残りの構成要素は、滅菌(すなわち、最終滅菌)を必要としていない。これは、いくつかの有益性をもたらす。本開示の新規実施形態は、また、使用時に薬剤送達デバイスを充填する必要性を軽減し得るが、本開示のいくつかの実施形態は、同様に使用時における充填のために構成されているデバイスで利用され得る。
本開示の実施形態の別の態様によると、充填終了カートリッジ616の個々の構成要素の様々な実施形態は、充填終了カートリッジ616の様々な実施形態を提供するように、様々な構成で組み立てられ得る。以下の開示は、充填終了カートリッジ616に組み込まれ得、及び以下に開示される全てを参照することによって本明細書に組み込まれる個々の要素の例示的構造を開示する(米国特許出願第13/600,114号(2012年8月30日出願)、米国特許出願第13/599,727号(2012年8月30日出願)、米国特許出願第13/612,203号(2012年9月12日出願)、及び第13/796,156号(2013年3月12日出願)。図26Bは、充填終了カートリッジ616の実施形態の様々な構成を生じ得る個々の構成要素間の接続の可能性である構造に関する変数の例の表である一方、図26Aは、図26Aに参照される態様を識別する充填終了カートリッジ616の例を示す。理解を容易にするために、図25にあるようなものと同じ参照番号を利用する。個々の構成要素、ならびに個々の構成要素間の相互作用及び接続は、様々な設計をもたらし得る。例えば、針挿入機構624は、任意の好適な設計であり得る。同様に、コンテナ618及び流体経路コネクタ622は、それぞれ、任意の好適な設計であり得る。
同様に、構成要素間の相互作用は、任意の適切な設計であり得る。例えば、薬剤コンテナ618との流体経路コネクタ622の係合は、密閉が得られる限り、ねじ接続もしくはスナップ接続、締まりばめ、または外部支持もしくは他の配列を含み得る。同様に、針挿入機構624との流体経路コネクタ622の係合は、ねじ接続もしくはスナップ接続、締まりばめ、突端及び溝配列、外部支持、またはいくつかの他の配置(限定ではないが、接続のために、流体経路コネクタ622と針挿入機構624との間の流体導管を利用することを含む)を含み得る。さらに、いくつかの実施形態では、針挿入機構624との流体経路コネクタ622の係合は、滅菌流体接続が維持される限り、針挿入機構624を充填終了カートリッジ616の残りと軸方向以外に配向することを可能にするために、充填終了プロセスを続いて分解され得る。
様々な実施形態では、充填終了カートリッジ616は、充填終了プロセス中に軸整列して、薬剤送達デバイス10とともに使用されるときに、維持され得る。すなわち、例えば、針挿入機構624は、図26Bに示されるもの等の充填終了プロセス及び薬剤送達での使用時の両方の期間中、充填終了カートリッジ616の残りと、軸方向に配列され得る。他の実施形態では、充填終了カートリッジ616は、図26Bに示されるもの等の充填終了プロセス中に軸整列して維持され得る一方、構成要素は、薬剤送達デバイス10とともに使用されるときの軸整列の以外のもので維持され得る。例えば、図25に示されるように、針挿入機構624は、流体経路コネクタ622及び薬剤コンテナ618から離間され、及び90度の配向で配置される。他な実施形態では、充填終了カートリッジは、充填終了プロセス中に軸整列しているもの以外の構成要素で維持されるが、薬剤送達デバイス10とともに使用されるときに軸方向に整列され得る。他の実施形態では、充填終了カートリッジ616は、充填終了プロセス及び薬剤送達デバイス10とともに使用されるときの両方の期間中に、軸整列しているもの以外の構成要素で維持され得る。
さらに、全ての実施形態では含まれないが、下記により詳細に説明されるように、充填終了カートリッジ616に構造的完全性の追加を提供するために、搬送部が提供され得る。そのような搬送部は、充填終了カートリッジ616の構造と統合され得、その状態では、その搬送部は、薬剤送達デバイス10内の充填終了カートリッジ616の少なくとも一部の周りに、もしくは、それに沿って維持され、または、そのような搬送部は、完全に、または部分的に使い捨てであり得る。搬送部は、それを組み込んでいる充填終了カートリッジまたは薬剤送達デバイス上で行われる組立の間に、充填プロセスの間に、または他の動作の間に、様々な充填終了カートリッジ構成要素の相対位置の維持等の、いくつかの機能を行い得る。搬送部または搬送部の一部は、薬剤送達デバイス10への充填終了カートリッジ616の取り付けにおいて、または薬剤送達デバイス10の動作等に関連して、薬剤送達デバイス10との充填終了カートリッジとの相互作用において利用され得る。変形した構成におけるそのような構造の様々な例のより詳細な説明が以下に続く。これらの構造をそれらの特定の構成に限定する意図はない。むしろ、説明される個々の配列は、本開示の範囲内の様々な可能である構成及び構造の例として提供される。
図27は、本開示の充填終了カートリッジ716の一実施形態の分解図を示す。理解を容易にするために、図25で利用される番号は、接頭数字を用いて本開示の実施形態のさらなる例で利用される。本実施形態では、1XXが利用される。本実施形態の充填終了カートリッジ716は、薬剤コンテナ718に接続される流体経路アセンブリ720を含む。
流体経路アセンブリ720は、流体導管726によって流体経路コネクタ722に結合される針挿入機構724を含む。針挿入機構724の近位端は、流体導管726の遠位端に接続され、流体導管726は、その近位端において、流体経路コネクタ722に接続される。
針挿入機構724は、薬剤送達デバイス内における充填終了カートリッジ716の設置前に滅菌され得る限り、任意の適切な設計であり得る。移植及び液剤に関するそのような針挿入機構724の例は、以下に開示される全てを参照することによって本明細書に組み込まれる、米国特許出願第13/599,727号(2012年8月30日出願)に開示される。図27の針挿入機構724が軸構造を含み、その状態では、投与針(図27では目視不可)は、投与のために充填終了カートリッジ716の遠位端から軸方向に延在することが留意されるであろう。しかしながら、流体経路コネクタ722及び/または薬剤コンテナ718の軸に対してある角度で配置される針挿入機構724は代替として利用され得ることが認識されるであろう。
針挿入機構724、流体経路コネクタ722、及び流体導管726を含む流体経路アセンブリ720の構成要素は、従来の滅菌技術及び滅菌機械によって滅菌され得る材料から形成される。流体導管726は、例えば、プラスチックチューブ等の可撓管の長さの、任意の適切な材料から形成され得る。しかしながら、流体経路コネクタ722及び針挿入機構724は、いくつかの実施形態(図27及び図28に示されない)では、直接取り付けられ得ることを認識されるであろう。
流体経路アセンブリ720の構成要素は、そのような接続よりも先に滅菌され得、または、一体型構成要素として滅菌より前に接続され得る。そのような接続よりも先に滅菌される場合、流体経路アセンブリ720は、組立中または作動中に貫通され得る透過性密閉部等の流体経路コネクタ722に追加密閉部(図示せず)を含み得る。
本実施形態及び各実施形態の薬剤コンテナ718は、任意の適切な材料または任意の適切な形状及びサイズであり得、そのコンテナ内に含有される完全性及び滅菌性を維持する密閉部を含み得る。例えば、薬剤コンテナ718は、ガラス、樹脂、または他の適切な材料から作成され得る。本実施形態及び各実施形態の薬剤コンテナ718は、薬剤送達デバイス内部での取り扱い、搭載、滅菌を容易にする構造を含み、及び/または充填終了カートリッジ716の他の構成要素と接し得る。例えば、フランジ719は、薬剤コンテナ716に沿った任意の適切な場所に提供され得る。そのようなフランジ719は、薬剤コンテナ718と統合的に形成され得、または薬剤コンテナに固着される別個の要素であり得る。示される実施形態では、フランジ719は、薬剤コンテナ718の近位端に結合される別個の構成要素である。
任意の適切な駆動機構は、本開示の実施形態では、薬剤コンテナ718から流体経路アセンブリ720まで薬物を移動させるために提供され得ることが認識されるであろう。例えば、米国特許出願第13/600,114(2013年8月30日出願)は、薬剤コンテナと関連付けられる駆動機構の実施形態を開示し、この出願に開示される全てを参照することによって本明細書に組み込まれる。
薬剤コンテナ718を充填することと、薬剤コンテナから薬物を投与することとの両方を容易にするために、薬剤コンテナ718は、各々、近端端6127、遠位端728において開口部718a、718bを含み得る。薬剤コンテナ718を密閉するために、透過性密閉部150は、薬剤コンテナ718の遠位端728に提供され得る。このように、いったん充填されると、密閉部150が流体経路を完全にするように流体経路コネクタ722によって貫通されるようなときまで、薬剤コンテナ718内部に含有される薬剤は滅菌環境に維持され得る。透過性密閉部150は、任意の適切な設計及び材料であり得る。
下記により詳細に説明されるように、薬剤コンテナ718の遠位端728は、充填前または充填後に、滅菌のために流体経路アセンブリ720と組み立てられ得る。図28は、図28の流体経路コネクタ722及び透過性密閉部150の拡大断面図を示す(これらの構成要素が組み立てられ、滅菌の準備ができた後のもの)。透過性密閉部150が薬剤コンテナ718の遠位端728に開口部718bを横断する単一の薄膜等であり得るが、透過性密閉部150は、薬剤コンテナ718及び/または流体経路コネクタ722との接続を容易にする、さらなる構造を含み得る。示されるように、本開示の少なくとも1つの実施形態では、透過性密閉部150は、薬剤コンテナ718を被せ、流体経路コネクタ722に支持を提供するコンテナの先端の形態である。本実施形態では、透過性密閉部150は、薬剤コンテナ718の内側に載せる部分152を含み、透過性密閉部150を薬剤コンテナ718に搭載する合わせ面を提供し得る。薬剤コンテナ718との透過性密閉部150の接続を維持することを補助するために、キャップ151は、薬剤コンテナ718の辺縁の周囲等、透過性密閉部150及び薬剤コンテナ718の一部の周りに提供され得る。そのようなキャップ151は、ホイル等の任意の適切な材料であり得る。薬剤コンテナ718が透過性密閉部150との接触面でくびれるが、代替の設計が同様に提供され得ることを認識されるであろう。
透過性密閉部150は、また、流体経路コネクタ722との搭載を容易にする延在部153を有し得る。図28に示される実施形態では、流体経路コネクタ722は、カニューレ158が延在し得るハブ154を含む。本明細書に使用されるような用語「カニューレ」158は、必要な流体接続を提供するように動作可能であり得る針またはカニューレを含むことを認識されるだろう。流体導管726は、それがハブ154の表面から延在するとき、カニューレ158に流体接続される。流体経路コネクタ722のハブ154は、ここで示されるように、透過性密閉部150の延在部153に搭載され、取り付けられ、またはそうでなければそれに接触するために採用され得、カニューレ158の近位端は、延在部153の穴760内部に配置される。薬剤コンテナ718と流体導管726との間の流体経路の完了前に、カニューレ158は、図28に示されるような適切な位置に保持される。
透過性密閉部150は、カニューレ158によって貫通され得る膜762として作用する位置を有する。図27及び図28の実施形態では、膜762は、カニューレ158に略垂直に配置され、流体経路コネクタ722から薬剤コンテナ718を閉鎖し、それによって、薬剤コンテナ718から流体導管726までの流体経路を遮断する。患者によってアクティブ化すると、薬剤コンテナ718を遮断する透過性密閉部150の一部、ここでは、膜762を流体経路コネクタ722のカニューレ158によって貫通させ、それによって、流体経路を完全にし、薬剤流体がコンテナ718からカニューレ158及び流体導管726まで、及び針挿入機構724上へ通過することを可能にする。貫通を容易にするために、透過性密閉部150の延在部153は、十分な軸力に応答して外側に撓み、例えば、カニューレ158が膜762を貫通し流体経路を完全にすることを可能にし得る。
本開示の実施形態の別の態様によると、充填終了カートリッジ716の薬剤コンテナ718、流体経路コネクタ722、及び針挿入機構724は、充填終了プロセスで利用され、薬剤送達デバイスのハウジング内に組立てられるような、十分な構造的完全性を表す。任意の適切な流体経路コネクタ722は、本開示の実施形態に組み込まれ得ることを認識されるだろう。例えば、米国特許出願第13/612,203号(2012年9月12日出願)等に開示される搭載型流体経路コネクタが利用され得る。同様に、例えば、米国特許出願第13/796,156号(2013年3月12日出願)等に開示される統合型流体経路コネクタが利用され得る。これらの出願の両方は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
同様に、適切な任意の接続が流体経路コネクタ722と針挿入機構724との間で提供されることを認識されるだろう。いくつかの接続の例が本明細書に詳細に開示されるが、本開示を限定することは出願者の意図ではない。そのような接続は、例えば、スナップ接続(図45~図47参照)、ねじ接続(図40~図44参照)、締まりばめ接続、突端及び溝接続、外部支持(図27参照)、または任意の適切な接続を含み得る。
図27に戻り、それを参照すると、流体経路コネクタ722と透過性密閉部150との間の接触面、及び/または流体経路コネクタ722と針挿入機構724との間の接触面等のさらなる構造的完全性を提供するために、搬送部742が提供され得る。本実施形態の搬送部742は、接続カラー740及びバレル6141を含む。製造する目的のために、接続カラー740は、それ自体、図27に示されるような複数の構成要素を含み得、それらの複数の構成要素は、任意の適切な機構によって、流体経路コネクタ722、透過性密閉部150、及び薬剤コンテナ718の一部の周りに結合され得る。しかしながら、一体式接続カラー740が代替として提供され得ることを認識されるであろう。さらに、接続カラー740が全ての実施形態では要求されない、または望まれない場合があることと、そのような接続カラー740が、設計構造の統合部として提供され得る、または、組立プロセス中もしくは滅菌プロセス中に、完全に、または部分的に使い捨てであり得ることとを認識されるであろう。
さらなる構造的完全性は、バレル6141によって提供され得、バレル6141は、滅菌プロセス中または組立プロセス中に、流体経路アセンブリ720を支持し得る。任意の適切な結合が提供され得るが、接続カラー740は、流体経路アセンブリ720の周りにバレル6141の結合を容易にし得る。示される実施形態では、接続カラー740は、バレル6141内で一対の凹部746と噛合する一対の突出部744(図27で目視できるものは1つだけ)を含む。接続カラー740と同様に、さらに、バレル6141が全ての実施形態では要求されない、または望まれない場合があることと、そのようなバレル6141が、設計構造の統合部として提供され得る、または、組立プロセス中もしくは滅菌プロセス中に、完全に、または部分的に使い捨てであり得ることとを認識されるであろう。針挿入機構724が薬物を投与する動作を可能にするために、バレル6141は、投与針が使用中に延在し得る開口部741aを含み得る。
動作効率に関して、針挿入機構724は流体経路コネクタ722に結合され得、流体経路コネクタ722は、滅菌プロセス、充填プロセス、及び組立プロセスを通して非貫通構成に維持される針挿入機構724で、透過性密閉部150に接続され得る。このように、充填終了カートリッジ716は図29に示されるように現れ得、流体経路アセンブリ720が搬送部742によって外部環境から全体的に隠れるように存在する。薬剤コンテナ718が薬品治療物で充填されると、密閉部764は薬剤コンテナ718の近位端727内に提供され、適切な薬剤送達デバイス内に挿入され得る閉鎖充填終了カートリッジ716を提供し得る。図29~図30に示される実施形態では、エラストマープランジャ密閉部764は、薬剤コンテナ718の近位端727内に挿入される。しかしながら、他の適切な密閉配列が提供され得ることが認識されるであろう。図29及び図30では、相互に対する流体経路コネクタ722、コンテナ718、及び挿入機構724は、第1の構成になるように考慮され得る。第1の構成は、例えば、標準的充填機器及びシステムの使用を可能にすることによって、製造プロセスを容易にし得る。図29及び図30に示される第1の構成は、コンテナ718及び挿入機構724の軸整列を伴うが、他の実施形態では、第1の構成は、コンテナ718及び挿入機構724の非軸整列、またはコンテナ718及び挿入機構724の任意の他の相対位置関係を伴い得る。続いて、薬剤送達デバイス610内で組み立てられるとき、図25に示されるように、流体経路コネクタ722、コンテナ718、及び挿入機構724は、相互に対して配列され得、そのように、それらは、第2の構成を有する。第2の構成は、図25に示されるようにコンテナ718及び挿入機構724の非整列を伴い、または、代替実施形態では、コンテナ718及び挿入機構724の軸整列、もしくはコンテナ718及び挿入機構724の任意の他の相対位置関係を伴い得る。いくつかの実施形態では、第1の構成は、第2の構成と異なる。
本開示の他の態様によると、流体経路アセンブリは滅菌状態に維持され得、各アセンブリは、当技術分野で既知であるものと同様のプロセスを使用して、無菌に医薬品で充填され得る。薬品治療物が薬剤コンテナ内に充填され及びコンテナが、例えば、図27~図30の実施形態のプランジャ密閉部764で密閉された後、充填終了カートリッジ716は、薬剤コンテナ718、流体経路アセンブリ720、またはそれらの個々の構成要素の滅菌性または完全性を含むことなく、滅菌充填環境から外され得る。
代替として、充填終了プロセスは、薬品治療物でコンテナ718を充填する前に、プランジャ密閉部764は薬剤コンテナ718の近位端に挿入されるようなプロセスであり得る。そのような実施形態では、薬品治療物は、流体経路コネクタ722及び流体経路アセンブリ720の挿入及び接続より前に、薬剤コンテナ718の遠位端728から充填され得る。従って、本開示の充填終了カートリッジは、本開示の流体経路を標準的充填終了プロセスにおいて薬品治療物で充填することを可能にし、その充填終了カートリッジが組み込まれる構成要素及び薬剤送達デバイスの製造及び動作に関連付けられる複雑度を大きく減らす。
本開示の別の態様によると、本開示の充填終了カートリッジの実施形態は、充填終了カートリッジを標準的充填終了プロセスにおいて充填することを可能にし得る。これに関連して、充填終了カートリッジは、既存のまたは標準的充填終了機器を利用し得る。図27~図30に示されるもの等の複数の充填終了カートリッジ716は、薬品治療物で充填するために、例えば、図31~図32に示されるもの等の標準的充填終了トレイ770内に、取り外し可能に、搭載され、噛合され、挿入され、またはそうでなければ設置され得る。上記に説明されたように、薬剤コンテナ718のフランジ719は、充填終了カートリッジ716の設置及び取り扱いを補助し得る。図31~図32に示される充填終了トレイ770は、36個の薬剤コンテナ、ここでは、充填終了カートリッジ716を保持するように構成されているが、任意の構成のトレイまたは任意の数のコンテナを保持することが可能であるトレイを利用し得る。
本開示の別の態様によると、充填終了カートリッジは、固定式カートリッジまたは調整可能カートリッジであるように構成され得る。例えば、カートリッジは、可撓部または調整可能部を有し得、それらの部は、いくつかの異なる流体経路アセンブリに適合するように、または異なる寸法の充填終了処理トレイと噛合するように、カートリッジが屈曲、回転、伸長、または接触することを可能にする。
本開示のまた別の態様によると、充填終了カートリッジのいくつかの実施形態の構成要素は、薬剤送達デバイス内に組み込まれ得る一方、他の実施形態では、充填終了カートリッジの構成要素は、充填終了プロセスに利用され、次に、薬剤送達デバイス内に流体経路アセンブリ及び薬剤コンテナを搭載するとき廃棄され得る。例えば、図27~図30に示されるもの等の実施形態では、図25に示されるように利用され得、バレルを取り外すことによって、接続カラーが薬剤送達デバイス内部の位置に薬剤コンテナを搭載及び/または抱持するために利用され得る一方、針挿入機構は、薬剤コンテナから離れるように、それに対して約90度で搭載される。
図33~図35の実施形態では、薬剤送達デバイス内への挿入より前である充填終了プロセス後に、処分され得る搬送部842を含む充填終了カートリッジ816が示される。本実施形態の充填終了カートリッジ816は、薬剤コンテナ818に接続される流体経路アセンブリ820を含む。流体経路アセンブリ820は、流体導管826によって流体経路コネクタ822に結合される針挿入機構824を含む。針挿入機構824の近位端は、流体導管826の遠位端に接続され、流体導管826は、その近位端において、流体経路コネクタ822に接続される。充填終了カートリッジ816にさらなる支持を提供するために、示される搬送部842は、薬剤コンテナ818及び流体経路アセンブリ820の一部の周りに(すなわち、流体経路コネクタ822、流体導管826、及び針挿入機構824の一部の周りに)配置される。
搬送部842は、概して、所望に応じて、組立及び分解を容易にする複数の構成要素内に加工され得る長尺の管状構成である。示される実施形態では、搬送部842の一部は、突出部844を有する円周方向に延在アーム843を含む一方、搬送部842の噛合部は、充填終了カートリッジ816の周りに組み立てたれるときに突出部844が延在し得る凹部または開口部846を含む。
充填終了カートリッジ816の構成要素をその相対位置に維持することを補助するために、搬送部842は、さらに、1つ以上の半径方向に突き出るフランジ848a、848b、848cを含み得る。下記の説明から明らかであるように、フランジ848a及び848bは、さらに、流体経路コネクタ822及び薬剤コンテナ818の面をそれらの相対位置に固着するように配置され得る。さらに、同様に下記の説明から明らかであるように、フランジ848b及び848cは、充填中に、及び薬剤送達デバイス内部での設置中に、充填終了カートリッジ816を非作動位置に維持するように配置され得る。本デバイスの作動を可能にするために、搬送部842は、充填終了カートリッジ816から取り外され、かつ廃棄され得る。搬送部842は、さらに、取り外し可能なブレース840を含み得る。取り外し可能ブレース840は、薬剤コンテナ818から流体経路コネクタ822までの流体経路の時期尚早の完了を防止するように、略U字形構造と、充填終了カートリッジ816の表面に直面する表面とを有し得る。取り外し可能ブレース840は、それが薬剤送達デバイスのハウジング内で組み立てられるとき、充填終了カートリッジ816に存在するままであり得る。いくつかの実施形態では、薬剤送達デバイスのハウジング内部の構造は、取り外し可能ブレース840の1つ以上の表面に直面し、取り外し可能ブレース840を、それがハウジング内で組み立てられるとき、充填終了カートリッジ816から係脱させ得る。
薬剤コンテナ818が長尺であり略環状構造であるが、薬剤コンテナ818は代替の設計であり得る。例えば、フランジ819は、薬剤コンテナ818に沿った任意の適切な場所に提供され得る。そのようなフランジ819は、薬剤コンテナ818と統合的に形成され得、または薬剤コンテナ818に固着される別個の要素であり得る。示される実施形態では、フランジ819は、薬剤コンテナ818の近位端827に結合される別個の構成要素である。ある実施形態では、フランジ819は、充填終了カートリッジ816を組み込む薬剤送達デバイスのハウジングの壁と接し得る。さらに、本実施形態では、フランジ817は、薬剤コンテナ818の遠位端828に提供される。図35に示されるように、フランジ817は、搬送部842のフランジ848aと係合し、充填終了プロセス及び取り扱い中に、充填終了カートリッジ816の構成要素の相対位置の維持を容易にし得る。
薬剤コンテナ818を密閉するために、透過性密閉部850は、薬剤コンテナ818の遠位端828に提供され得る。このように、密閉部850が流体経路を完全するように流体経路コネクタ822によって貫通されるようなときまで、薬剤コンテナ818内部に含有される薬剤は滅菌環境に維持され得る。薬剤コンテナ818は、充填前または充填後に、滅菌のために、透過性密閉部850及び流体経路アセンブリ820と組み立てられ得る。透過性密閉部850は、任意の適切な設計及び材料であり得る。透過性密閉部850は、薬剤コンテナ818から流体経路コネクタ822及び流体導管826を通って針挿入アセンブリ824までの流体経路を完全にするために貫通され得る、薄膜862等を含む。
透過性密閉部850は、薬剤コンテナ818及び/または流体経路コネクタ822との接続を容易にする構造を含み得る。例えば、透過性密閉部850は、薬剤コンテナ818の内側に載せる部分852を含み、透過性密閉部850を薬剤コンテナ818に搭載する合わせ面を提供し得る。
流体経路コネクタ822は、任意の適切な設計であり得る。そのような貫通配列は、例えば、米国特許出願第13/612,203号及び米国特許出願第13/796,156号(これらの両方が参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されている。
図35を参照すると、流体経路コネクタ822は、作動中、透過性密閉部850の膜862を貫通するように配置されるカニューレ858を含み、カニューレ858は、非作動位置(図35参照)にある透過性密閉部850から離間され、近位方向において軸方向に各々前進し、作動の結果として、膜862に直面し、かつ貫通する。図35に示される実施形態では、流体経路コネクタ822は、カニューレ858が延在し得るハブ854を含む。ハブ854内部に固着されるカニューレ858からの経路は、カニューレ858の管腔から流体導管826の管腔まで延在する。従って、カニューレ858が透過性密閉部850の膜862を貫通するとき、流体経路は、薬剤コンテナ818と、流体導管826と、針挿入機構824の針825との間に提供される。
ハブ854を維持するために、ひいては、薬剤コンテナ818を閉鎖している透過性密閉部850に対する所望の位置にカニューレ858を維持するために、流体経路コネクタ822は、さらに、エラストマー材料等の折り畳み可能な材料から形成されるブーツ853を含む。ブーツ853の遠位端は、ハブ854の一部の周囲に配置される略軸方向に延在する穴853aを含む一方、ブーツ853の近位端は、略半径方向に延在するフランジ853bを含む。透過性密閉部850は、また、流体経路コネクタ822のブーツ853のフランジ853bと、薬剤コンテナ818の遠位端828におけるフランジ817との間に挟着され得るフランジ849を含み得る。図27~図30に示される実施形態と同様に、キャップ851等の保定構造は、フランジ817、849、853bの周縁の周りに提供され得る。
例えば、薬剤コンテナ818の近位端827の手動の押し下げによって、または代替の配列によって、流体経路を完全にするように、充填終了カートリッジ816の流体経路コネクタ822に透過性密閉部850の膜862を貫通させ得る。作動中、ブーツ853は、外向きに撓み、ハブ854と透過性密閉部850との間における相対軸運動を可能にし、それにより、カニューレ858は、透過性密閉部850の膜862を貫通し、流体導管826を介して、薬剤コンテナ818を針挿入機構824の送達針825に流体接続する。
流体経路コネクタ822の不注意の作動を抑制するために、いったん搬送部842が取り外されると、取り外し可能ブレース840は、滅菌ブーツ853の外周の一部の周囲に、及び/または薬剤コンテナ818に対するハブ854の軸方向運動を抑制する表面の間に提供され得る。取り外し可能ブレース840は、例えばハブ854の表面上の対向表面840a、840bと、滅菌ブーツ853のフランジ853b、または、ここでは、フランジ853bに沿ったキャップ851のようなものとに直面する比較的剛体構造であり得る。結果として、取り外し可能ブレース840は、密閉部850に対してハブ854の軸方向運動を抑制する。示される取り外し可能ブレース840は、また、滅菌ブーツ853の周縁の少なくとも一部を閉鎖するように続く。結果として、取り外し可能ブレース840は、同様に、カニューレ858が軸方向に移動し密閉部850を貫通するとき、滅菌ブーツ853が外向きに撓むことを防止する。本実施形態では、取り外し可能ブレース840は、例えば、取り外し可能ブレース840が送達デバイスのハウジングの対面表面に係合するとき(図示せず)、充填終了カートリッジ816を薬剤送達デバイス内に組み立てる前に患者によって、または薬剤送達デバイス内の設置の行動によって、滅菌ブーツ853上の位置から外れ得る。
針挿入機構824は、任意の適切な設計であり得る。図33~図36の実施形態に関連して示される針挿入機構824は、同様に、針後退機構を含み、参照することによって本明細書に組み込まれる米国特許出願第13/599,727号により詳細に示され、かつ説明されている。
挿入機構824は、1つ以上のロックアウト窓865aを有する挿入機構ハウジング865と、基部866と、及び滅菌ブーツ879とを含む。基部866は、針825の通路に対する開口部を含み、少なくとも1つの実施形態では充填終了カートリッジ816の使用前に取り外し可能である密閉膜867を含み得る。代替として、密閉膜867は、基部866の底面に取り付けられたままであり得、その状態では、針825は、それを組み込む薬剤送達デバイス内部の充填終了カートリッジ816の動作中に密閉膜867を貫通する。
挿入機構824は、さらに、挿入付勢部材868、ハブ869、針825、後退付勢部材871、クリップ872、マニホールドガイド873、隔壁874、カニューレ875、及びマニホールド876を含み得る。図35に示されるように、挿入付勢部材868及び後退付勢部材871の両方は、エネルギー蓄積状態で保持される。本明細書にさらに詳細に説明されるように、マニホールド876は滅菌流体導管826に接続し、薬剤送達中に、マニホールド876、カニューレ875を通って、患者の体内への流体流動を可能にし得る。
本明細書に示されるような「針825」は、限定ではないが、剛性中空鋼鉄針等の従来式中空針と、多くの場合「トロカール」という称される固体コア針とを含む、種々の針を指すことが意図される。ある実施形態では、針825は27ゲージ固体コアトロカールであり、他の実施形態では、針は、薬剤の種類及び意図される薬剤投与(例えば、皮下、筋肉内、皮内等)に関して、カニューレを挿入するのに好適な任意のサイズの針であり得る。
組み立てると、針825の近位端は、ハブ869と固定しながら接触して維持される。針825は、提供される場合、針825の移動をさらに制御するために、カニューレ875を通って移動するように位置付けられ得る。ハブ869、ひいては、針825は、クリップ872によってマニホールドガイド873と選択的に接触して維持される。付勢部材868及び871がマニホールドガイド873を圧迫するが、マニホールドガイド873は、少なくとも1つのロックアウトピン878によって適切な位置に維持され、ロックアウトピン878は、ハウジング865の窓865aを通って延在する。
針挿入機構824の作動は、ロックアウトピン878の取り外しによって生じる。ロックアウトピン878は、充填終了カートリッジ816の作動の結果として、直接的または間接的のどちらかで、窓865aから取り外され得る。ロックアウトピン878が取り外されると、ハブ869及び針825を支えるマニホールドガイド873は、注射付勢部材868の付勢部材868の付勢力下で軸方向に移動することが可能になる。すなわち、針825は、注射位置に移動する。ハブ869及び針825が注射位置に移動するとき、滅菌ブーツ879は折り畳まれる。
図35に示される実施形態等の少なくともいくつかの実施形態では、針挿入機構824は、さらに、注射に続いて、針825を後退する後退機構を含む。そのような後退機構は、任意の適切な設計であり得る。マニホールドガイド873が遠位方向において軸方向に移動するとき、クリップ872はハブ869を解放する。解放されると、後退付勢部材871の付勢力は、ハブ869及び関連付けられる針825を後退させる。
図27~図30の実施形態と同様に、図33~図36の針挿入機構824は、投与針825が投与中に充填終了カートリッジ816の遠位端から軸方向に延在するような軸方向整列構造を含む。構成要素が任意の適切な構造及び方法によって一緒に固着され得ることを認識されるであろう。流体経路コネクタ822及び針挿入機構824の相対位置は、図34~図36に示され得るように、例えば、ブラケット880によって維持され得る。示されるブラケット880は、図35に最良に示され得るような流体経路コネクタ822のハブ854と、挿入機構ハウジング865との間に延在する。ブラケット880は、例えば、流体導管826の管理などの追加機能を行い得る。
いくつかの実施形態では、ブラケット880が流体経路コネクタ822もしくは針挿入機構824のどちらかとのその接続から外され、または、充填終了カートリッジはブラケット880を含まず、流体経路コネクタ822と針挿入機構824との間に柔軟な流体接続を提供し、流体経路コネクタ822及び針挿入機構824を軸整列以外になるように設置することを可能にし得ることが認識されるであろう。そのような実施形態は、例えば、図25または図37~図40に示される。
図37を参照すると、本開示の教示による、薬剤送達デバイス910の他の実施形態が示される。薬剤送達デバイス910のハウジング912の一部は、その内部に含有される構成要素の相対位置を示すために省略されている。充填終了カートリッジ916は、流体経路アセンブリ920が結合される薬剤コンテナ918を含む。流体経路アセンブリ920は、流体導管926によって針挿入機構924に流体結合される流体経路コネクタ922を含む。本実施形態では、それらが流体結合されたままであるが、針挿入機構924は、ハウジング912内に組み立てられるとき、充填終了カートリッジ916の流体経路コネクタ922から離されることを認識されるであろう。図38及び図39に示されるように、充填終了プロセス中、構成要素は、充填終了カートリッジ916を図31及び図32に示されるもの等のトレイ内に容易に設置することを可能にするように整列される。しかしながら、針挿入機構924の軸が薬剤コンテナ918及び流体経路接続部922の軸に垂直に延在するため、構成要素が充填終了カートリッジ916内に軸整列されないことを留意されたい。図38に最良に示され得るように、針挿入機構924は密閉膜967を含み得、密閉膜967は、少なくとも1つの実施形態では、薬剤送達デバイス内部で充填終了カートリッジ916の使用前に取り外し可能であり、針挿入機構924の針の通過を可能にする。代替として、密閉膜967は、針挿入機構924の底面に取り付けられたままであり得、その状態では、針は、それを組み込む薬剤送達デバイス910内部の充填終了カートリッジ916の動作中に密閉膜967を貫通する。
図38を参照すると、充填終了プロセス中に組み立てられた充填終了カートリッジ916を部分的に囲繞する搬送部942と一緒に、充填終了カートリッジ916が示される。図38に示されるように、搬送部942は、実質的に、薬剤コンテナ918の遠位部、流体経路コネクタ922、及び針挿入機構924を囲繞する。本実施形態の搬送部942は、3つの別個の区分を含むが、それよりも大きい数または小さい数の区分が提供されてよい。本実施形態では、搬送部942の部分が薬剤送達デバイス910のハウジング912内への充填終了カートリッジ916の設置前に使い捨て可能である一方、他の部分が、ハウジング912内に配置されるとき、充填終了カートリッジ916に留まり、デバイス910の動作で利用され得る。
図14及び図15に示さ得るように、搬送部942は、第1のバレル区分941aと、第2のバレル区分941bとを含む。第1のバレル区分941a及び第2のバレル区分941bは、任意の適切な機構によって一緒に選択的に結合され得る。例示される実施形態では、図33~図35に示されるものと同様の結合配列は、第1のバレル区分941a及び第2のバレル区分941bが薬剤送達デバイス910のハウジング912内への設置前に、離され、かつ取り外され得るように利用される。搬送部942は、さらに、充填終了カートリッジ916に組み立てられるとき、バレルを完全にするカラー940を含む。
流体経路コネクタ922及び針挿入機構924は、任意の適切な設計であり得る。流体経路コネクタ922は、例えば、図33~図36に関して説明され、針挿入機構924は、同様に、図33~図36に関して説明され得る。図39を参照すると、要するに、透過性密閉部950と、薬剤コンテナ918と流体経路コネクタ922の滅菌ブーツ953との間に配置される。ハブ954から延在するカニューレ958は、滅菌ブーツ953内部で軸方向に配置される。透過性密閉部950に向かうカニューレ958の近位の相対的軸運動が継続すると、透過性密閉部950の貫通と、針挿入機構924への流体経路の完了とをもたらす。
薬剤送達デバイスハウジング912内への充填された充填終了カートリッジ916の組立では、カラー940は、図37に示されるように、流体経路コネクタ922に結合されているままである。本開示のいくつかの実施形態では、搬送部またはその一部(ここでは、カラー940等)は、充填終了カートリッジ916の動作または作動に利用され得る。本実施形態では、ボタン等のアクティブ化機構914は、患者が薬物を選択的に提供するために、薬剤送達デバイスハウジング912の外側表面に沿って提供され得る。本実施形態では、アクティブ化機構914は、軸方向において近位に向けられた力をカラー940に付与する。カラー940は、さらに、軸方向において近位に向けられた力をハブ954に付与し、カニューレ958に、流体経路コネクタ922の透過性密閉部950を貫通させ、薬剤コンテナから針挿入機構924までの流体経路を完全にする。針挿入機構924は、任意の適切な設計によって作動され得る。図33~図36に示される実施形態に関してより詳細に説明されるように、例えば、カラー940の一部の移動により、ロックアウトピンが外れることが生じ、針挿入機構924の作動を生じさせ得る。
ここで、図40~図46に示される実施形態を参照すると、充填終了カートリッジ1116は、近位端1127及び遠位端1128を有する薬剤コンテナ1118を含む。近位端1127は、フランジ1119を含み得、プラグまたはプランジャ密閉部1164を受容するように適合させる一方、遠位端1128はフランジ1117を含み得、流体経路アセンブリ1120と併せて、透過性密閉部1150を受容するように適合されている。流体経路アセンブリ1120は、流体導管1126によって流体結合される流体経路コネクタ1122及び針挿入機構824を含む。
本実施形態では、流体経路コネクタ1122は、薬剤コンテナ1118の透過性密閉部と統合される。流体経路コネクタ1122は、図41の断面図及び図43の分解図に最良に示され得る。流体経路コネクタ1122は、ハブ1154及びキャップ1155を有するハブアセンブリ1156を含む。カニューレ1158は、それが通る流体経路を提供するハブ1154に固着される。流体導管1126は、任意の適切な構造によってカニューレ1158に結合され得る。本実施形態では、流体導管1126はカニューレ1158を流体的に開放するニップル1159に結合される。
透過性密閉部1150に対して適切な位置に関連付けられるカニューレ1158と一緒にハブアセンブリ1156を維持するために、密閉マウント1130が提供される。密閉マウント1130が任意の適切な構造によって透過性密閉部1150に結合され得るが、例示される実施形態では、透過性密閉部1150及び密閉マウント1130は、各々の連動するフランジ1131、1132の形態の噛合構造を含む。
ハブアセンブリ1156が薬剤コンテナ1118に結合するために密閉マウント1130及び透過性密閉部1150と関連付けられ得るが、透過性密閉部1150及び密閉マウント1130は、ハブアセンブリ1156に対して摺動可能に配置される。この摺動(ただし、結合関係にある)を可能にするために、ハブ1154は、密閉マウント1130内に相補的に配置される穴1160と噛み合う表面が存在する1つ以上の弾性支柱1154aを含む。図41に示されるように、一緒に組み立てられるとき、カニューレ1158は、透過性密閉部1150の膜1162の下に配置される。このように、透過性密閉部1150、密閉マウント1130、及び結合されたハブアセンブリ1156は、コンテナ1118の遠位端1128内に組み立てられ得る統合型流体経路コネクタ1122を形成する。
コンテナ1118への流体経路コネクタ1122の組立をさらに容易にするために、キャップ1151が提供され得る。1つ以上のガスケット1133は、流体経路コネクタ1122の隣接表面間に、例えば、薬剤コンテナ1118のフランジ1117に提供され得る。そのような1つのガスケット1133が図41に示されるが、追加のガスケットが提供され得る。
針挿入機構1124は、例えば、図35に示される針挿入機構1124等の任意の適切な設計であり得る。流体経路コネクタ1122のカニューレ1158は、流体導管1126を用いて針挿入機構1124の針425に流体接続される。
本実施形態では、流体経路コネクタ1122及び針挿入機構1124は、相補的ねじ山1134、1135を用いて、例えば、機械的結合によって結合される。示される実施形態では、流体経路コネクタ1122(ここでは、ハブ1154)は外側ねじ山1134を含む一方、針挿入機構1124、ここでは、挿入機構ハウジング1165の延在部1137の穴436は、相補的内側ねじ山1135を含む。代替の配列が予測されることを認識されるであろう。例えば、ねじ配列が逆にされる場合があり、流体経路コネクタ1122が内側ねじ山を含む、及び針挿入機構1124が外側ねじ山を含む場合がある。代替として、ねじ付カラー等は、構成要素を一緒に結合するように提供され得る。
さらに、流体経路コネクタ1122及び針挿入機構1124が、充填プロセスに充填終了カートリッジ1116内で軸整列するように結合されるが、構成要素は、代替として、配置され得る。例えば、針挿入機構1124の軸は、流体経路コネクタ1122及び薬剤コンテナ1118の軸に対して直角に配置され得る。
本開示の別の態様によると、充填終了カートリッジ1116は、流体導管1126の管理の制御を提供する。本実施形態では、針挿入機構1124及び流体経路コネクタ1122のねじ結合は、流体導管1126の設置の制御を提供し得る。切り離された針挿入機構1124及び流体経路コネクタ1122が、図44に示される。針挿入機構1124及び流体経路コネクタ1122が図40及び図41に示される位置に一緒にねじ付けられるとき、流体導管1126は、針挿入機構1124のハウジング1165の周りに巻きつくようになる。図44に針挿入機構1124及び流体経路コネクタ1122が分解構成で示されるが(流体経路コネクタ1122がコンテナ1118に組み立てられた状態である)、構成要素が任意の順番で組み立てられ得ることを認識されるであろう。例えば、針挿入機構1124及び流体経路コネクタ1122は、充填終了カートリッジ1116を形成するように流体経路コネクタ1122をコンテナ1118に結合する前に、一緒に組み立てられ得る。
図45~図47に示される実施形態を参照すると、示される充填終了カートリッジ1216は、動作中、図40~図44の充填終了カートリッジ1116と同様である。図45~図47に示される充填終了カートリッジ1216は、しかしながら、流体経路コネクタ1222が、スナップ接続1238を用いて針挿入機構1224に結合され、針挿入機構1224及び流体経路コネクタ1222は、構成要素を一緒にスナップ留めする相補的構造を含む点で異なる。例えば、針挿入機構1224のハウジング1265は、流体経路コネクタ1222の対応する雄部1234を受容するように適合させる、凹部もしくは穴1236または雌部を有する延在部1237を含み得る。延在部1237及び雄部1234の軸整列を確実にするために、それぞれは、1つ以上の直面する肩部が存在し得る。例えば、凹部1236は、流体経路コネクタ1222の1つ以上の外向きに延在する肩部1283、1285が着座するような肩部1282、1284を含み得る。接続を容易にするために、流体経路コネクタ1222のハブ1254は、ハブ1254から延在する1つ以上の指部586を含み得る。組立中、指部586が凹部または穴1236を通って移動するときに肩部1283が略半径方向内向きに移動し得るように、ならびに流体経路コネクタ1222及び針挿入機構1224がそれらの最終の組み立てられた軸方向位置にあるときに肩部1283が肩部1282と係合するように外向きにスナップ留めするように、指部586が曲がり得る。しかしながら、スナップ接続1238が、例えば、流体経路コネクタ1222が肩部凹部を含み、針挿入機構1224が外向きに延在する噛合肩部を含むように、代替の構造を有し得ることを認識されるであろう。
図40~図44の実施形態と同様に、図45~図47の実施形態は、流体経路コネクタ1222及び針挿入機構1224を流体結合する流体導管1226の管理の制御を可能にする。例えば、その導管は、スナップ接続部1238の係合前、係合後、または係合中に、図47に示されるように、針挿入機構1224のハウジング1265の周縁の周囲に巻かれ得る。
ねじ接続が図40~図44に関して、スナップ接続が図45~図47に関して説明されているが、代替の機械的接続が、カートリッジに十分な構造的完全性を提供し、従来の充填終了プロセスでコンテナを充填することを容易にするために利用され得ることを認識されるであろう。例えば、突端式及び溝式接続が利用され得る。代替として、または加えて、図33~図36のブラケット880等の外部支持が利用され得る、または、その相対位置が、図27~図30の搬送部742等の搬送部を用いて維持され得る。他の機械的結合配列は、同様に、本開示の範囲内にある。
従って、本明細書に説明される本発明の配列は、様々な構成で組み立てられ得る構成要素の多様な設計を提供し、従来の充填終了プロセスで滅菌かつ充填され得る充填終了カートリッジの様々な設計を提供することを認識されるであろう。
さらなる利点として、本開示の実施形態が事前充填式注入ポンプまたは注射ポンプの製造を可能にするために、これらのポンプは、単回使用式ポンプまたは再利用式ポンプであるように構成され得る。例えば、本開示の流体経路アセンブリ及び/または充填終了カートリッジは、再利用式ポンプ内部で交換できるカートリッジであるように構成され得る。
本開示のいくつかの実施形態は、薬物治療物を滅菌環境または滅菌状態に露出する必要なく、薬剤コンテナを標準的充填終了プロセスで充填することを可能にする。しかしながら、いくつかの薬物治療物は、効果等を低下、損なうことなく、滅菌状態に耐えることが可能である。従って、本開示の少なくとも1つの実施形態では、構成要素及び薬剤コンテナが薬品治療物で充填された後に、流体経路アセンブリ及び/または充填終了カートリッジの滅菌が発生し得る。本開示の新規実施形態を製造し、充填し、及び使用する本方法は、さらに、標準的充填終了プロセスに適合可能であるような利点を提供し得る。加えて、本方法は、薬剤送達デバイスの製造業者及び充填業者に対して、流体経路の構成要素(すなわち、薬剤流体と接触し得る構成要素)を滅菌するだけという利点を可能にする。本開示の充填終了カートリッジ、流体経路アセンブリ、及び個々の構成要素は、薬剤送達デバイス内でそれらの統合より前に滅菌され得る。そのため、概して、薬剤流体に決して接触しない薬剤送達デバイスの他の構成要素は、本開示によってもたらされる有益性のために、滅菌される必要はない。従って、本開示の実施形態は、例えば、より複雑な形状及びより標準的材料を高度な薬剤送達デバイスの製造のために採用することを可能にする。
本開示の流体経路アセンブリ及び充填終了カートリッジの新規構成は、市場でかなりの利点をもたらし得る。本開示の実施形態は、容易に、無菌環境で製造され、薬品治療物を充填する態様のために、標準的薬物充填(例えば、充填終了)プロセスラインに統合され、薬剤送達デバイス内の費用効果が高いアセンブリのために利用されることができる。これらの有益性のそれぞれは、既存の手法によってかなりの利点をもたらす。
例えば、流体経路アセンブリ自体が、充填プロセス及び本デバイス組立プロセス中に、滅菌状態に滅菌され、維持されることができるため、結果として生じる薬剤送達デバイスは、組立後に滅菌される必要はない(すなわち、最終的に滅菌される必要はない)。これは、薬剤送達デバイスの製造に関する既存の手法によって対面するいくつかの既知の課題を回避する。
従来式薬剤送達デバイスは、多くの場合、使用時に充填することを必要とする。本デバイスの最終滅菌を薬剤コンテナ内部の調合薬で完了することはできない。様々な調合薬は、組立後の本デバイスの滅菌に必要である温度、圧力、及び他の条件に耐えることができない。言い換えれば、既存の製造プロセスがデバイス全体の滅菌を必要とし、滅菌前に薬剤を本デバイス内に「事前充填」することができない。これにより、本デバイスの最終組立後に複雑なステップが増加し、その複雑なステップは、多くの場合、高価な追加機器、別個の薬剤コンテナの取り扱い、及び/または注射前に充填ステップ自体を行う患者の訓練を必要とする。その代わりに、本開示の実施形態は、様々な製造ステップをとおして流体経路アセンブリの滅菌性を維持する事前充填式薬剤送達デバイスの製造、組立、及び使用を可能にする。
加えて、本開示の新規実施形態を組み込む薬剤送達デバイスが最終的に滅菌される必要がないため、本デバイスの構成要素は、通常、滅菌環境に耐えないであろう他の安価な材料から成り得る。例えば、安価な樹脂が、組立後に滅菌される必要がないため、あるデバイス構成要素のために利用され得る。
言い換えれば、本開示の実施形態は、製造業者が、薬剤流体と接触するであろう、及び/または滅菌流体経路を維持する必要がある構成要素だけを滅菌することを可能にし得る。これらの実施形態は、薬剤充填業者が、薬剤送達デバイスの組立と関連付けられる充填ステップ及び最終ステップ中に、これらの構成要素の滅菌性を維持することを可能にし得る。同様に、本開示の流体経路アセンブリを組み込む薬剤送達デバイスは、本デバイスが組立後に滅菌するために構成される必要はないため、効率的ではない形状、または、より効率的な形状を有し得る。
加えて、本開示の実施形態は、薬剤コンテナを充填する標準的充填終了プロセスの利用を可能にする。これは、薬剤送達デバイスを構築するために使用される製造プロセスを大きく簡略化する。標準的充填終了プロセスは、シリンジ等の複数の薬剤コンテナを保持するトレイを利用する。本開示の実施形態は、薬剤送達デバイス製造業者、製薬会社、及び契約薬剤充填業者が、同じ標準的充填終了プロセスを使用して注入ポンプまたは注射ポンプのための薬剤コンテナを充填することを可能にする。一般的な業界の慣行であるため、流体経路アセンブリの滅菌性を保つ費用効率が高い様式で、これらの薬剤コンテナを無菌に充填することができる。流体経路コネクタ機構の搭載後、その次に、組み合わされたアセンブリは、デバイス構成要素の残りのものを滅菌することを必要としないで、薬剤送達デバイス内で噛合されることができる。従って、本開示の実施形態は、費用効率が高く合理化されたプロセスにおいて、流体経路アセンブリを薬剤送達デバイス内で滅菌し、組み立て、充填し、組み込むことを可能にする新規構成要素を提供し得る。
加えて、本開示の流体経路アセンブリは、治療液または治療薬剤と実質的に反応しない、及び医薬品グレードアプリケーションでの使用に好適である材料を利用する。新規の流体経路アセンブリ及び充填終了カートリッジは、治療液または治療薬剤で、ある樹脂等の分解性材料間の接触または相互作用の可能性を最小化または排除するように構成されている。適合可能な針注射機構及び針後退機構を伴う流体経路アセンブリは、また、分解性材料が実質的に存在しない針またはカニューレによって、薬剤コンテナから患者までの流体導管を提供し得る。そのような構成は、充填終了カートリッジまたは薬剤送達デバイス内に統合されるとき、向上した安定性及び保存期間のパラメータを、薬剤デバイス及び薬剤送達デバイスに提供し得る。これらの特徴は、略全ての薬品治療物に対して非常に望ましいと考えられるが、多分、生物製剤及び他の複合療法とともに使用される薬剤送達デバイス内で特に価値がある。
本開示の1つ以上の実施形態は、さらに、ある標準的構成要素を含み得る。例えば、本開示の充填終了カートリッジ構成及び薬剤送達デバイスは、1つ以上の膜を含み得る。少なくとも1つの実施形態では、1つ以上の透過性膜は、薬剤コンテナを密閉するために、及び/または薬剤チャンバ内部で滅菌環境及びコンテナの完全性を確実にするために採用される。同様に、薬剤コンテナは、フランジを含み得る。フランジは、コンテナの任意の部分にそって事前に形成され得る、またはコンテナに接続もしくは添着される別個の構成要素であり得る。少なくとも1つの実施形態では、フランジは、薬剤コンテナの近位端に取り外し可能に接続された構成要素である。フランジは、充填終了カートリッジ及び薬剤コンテナが、標準的充填終了プロセスの範囲内で、医薬品で充填するために、充填終了トレイ内で載せられることを可能にするように構成され得る。そのような構成要素に関する位置、形状、数、及び材料は、当業者によって容易に認識されるであろうように、いくつかの所望の特徴を満たすために変わり得る。
同様に、充填終了カートリッジ及び流体経路アセンブリの構成要素が別個の構成要素として本明細書に説明されているが、これらの構成要素のあるグループが個々の構成要素の機能を行うことが可能である単一の構成要素を形成するように組み合わされ得ることが本開示の想到の範囲内である。少なくとも1つの実施形態では、針挿入機構及び針後退機構は、二重機能を提供し得る1つの一体型構成要素であってよい。加えて、当業者によって認識されるであろうように、本デバイスの構成要素は、個々の構成要素または単一の構成要素として製造され得る。例えば、フランジは、薬剤コンテナ自体の一部として、製造プロセス中に事前に形成された構成要素であり得る。従って、少なくとも1つの実施形態では、フランジは、コンテナのガラス製フランジ延在部であり得る。さらに、充填終了カートリッジ及び流体経路アセンブリの構成要素が別個の構成要素として本明細書に説明されているが、それらの構成要素は複数の機能を有する一体型構成要素であり得る。構成要素及びそのアセンブリの構成は、組立プロセス、デバイスパラメータ、及び他の所望の特徴に基づいて変わり得る。
本開示の実施形態は、流体経路アセンブリと、充填終了カートリッジと、そのようなカートリッジを製造する方法と、それらの使用方法とを提供し得る。充填終了カートリッジ及び流体経路アセンブリは、いくつかの異なる構成で利用され得、それら自体、1つ以上の構成要素から成り得る。そのような修正例は、本開示の実施形態によって想到され、それに包含される。他の構成要素は、同様に、上記に検討された実施形態で説明されたように、単一の構成要素、一体型構成要素、または多目的構成要素であり得る。従って、本開示の修正例及び変形例が添付の請求項及びそれらの均等物の範囲内にあると仮定すると、本開示は、本開示の修正例及び変形例を対象範囲とする。
VII.アクティブ化機構
図74及び図75に関連して下記に説明されるのはアクティブ化機構9000であり、アクティブ化機構9000は、ユーザ(例えば、自己投与を行う患者)が、本明細書に開示される薬剤送達デバイス(例えば、薬剤送達デバイス10、910、2010、6000、または8000)の1つ以上の機構またはサブシステムをアクティブ化することを可能にする。アクティブ化機構9000は、同時に、または連続的に、駆動機構(例えば、駆動機構100、500、1000、または2100)、針挿入機構(例えば、針挿入機構200、624、または724)、流体経路コネクタ(例えば、流体経路コネクタ300、622、722、822、922、または2300)、及び/または電源及び制御システム(例えば、電力及び制御システム400または2400)のうちの1つ以上をアクティブ化するように構成され得る。
図74及び図75は、アクティブ化機構9000が、開始ボタン14または2014に対応し得るボタン9010と、留め金アセンブリ9020とを含み得る。ボタン9010は、上側ハウジング12Aと下側ハウジング12Bとの間の開口部等を通ってハウジング12から突出し得、ボタン9010がユーザによってハウジング12内に押し下げられることができるように、ユーザによって手動で変位可能であり得る。少なくとも1つの実施形態では、ボタン9010は、ボタン9010が突出するハウジング12の外部表面に直交する直線方向において前後に摺動するように構成され得る。
概して、留め金アセンブリ9020は、ボタン9010の運動を、1つ以上の駆動機構、針挿入機構、流体経路コネクタ及び/または電源及び制御システムをアクティブ化する運動に伝送、変換、及び/または伝達するように構成され得る。少なくとも1つの実施形態では、ユーザによるボタン9010の変位に応答して、留め金アセンブリ9020は、同時に、または連続的に、(1)針挿入機構が針(例えば、針214)及び/またはカニューレ(例えば、カニューレ234)を患者内に挿入する、針挿入機構(例えば、針挿入機構200、624、または724)をアクティブ化し、(2)流体経路コネクタ(例えば、流体経路コネクタ300、622、722、822、922、または2300)をアクティブ化し、薬剤コンテナ(例えば、コンテナ50、618、718、818、918、1118、または2050)と挿入機構との間の流体連通を確立し、(3)駆動機構(例えば、駆動機構100、500、1000、または2100)をアクティブ化し、薬剤コンテナ内に保管される薬剤(例えば、PCSK9特異的抗体、G-CSF、スクレロスチン抗体、CGRP抗体等)を、流体経路コネクタ及び挿入機構を通して、かつ最終的に患者内に押勢するように構成され得る。少なくとも1つの実施形態では、ユーザによるボタン9010の変位は、また、同時に、または連続的にのどちらかで、針挿入機構、流体経路コネクタ、及び/または駆動機構のアクティブ化により、電源及び制御システム(例えば、電力及び制御システム400または2400)をアクティブ化し得る。従って、留め金アセンブリ9020は、ユーザが、ボタン9010を1回押すことで、複数の機構及び/またはサブシステムをアクティブ化することを可能にし、それによって、ユーザのために薬剤送達デバイスの動作を簡略化し得る。
図75の分解組立図に示されるように、留め金アセンブリ9020は、留め金アーム9030、第1の制御アーム9032、第2の制御アーム9034、ボタンばね9036、メイン摺動ばね9038、及びラッチ9040を含む、複数の相互接続構成要素及び/または協働構成要素を含み得る。留め金アーム9030はボタン9010に直接接続され得、その状態では、留め金アーム9030及びボタン9010は単一ユニットとして一緒に移動する。ボタンばね9036は、留め金アーム9030と第1の制御アーム9032との間に配置され得、メイン摺動ばね9038は、第1の制御アーム9032とハウジング12との間に配置され得る。少なくとも1つの実施形態では、ボタンばね9036及びメイン摺動ばね9038は、相互に直列に、及び平行に配列され得、第1の制御アーム9032がそれらの間に配置される。メイン摺動ばね9038は、ボタンばね9036よりも大きい剛性を有し得る。従って、ユーザによるボタン9010の最初の変位は、ボタンばね9036を留め金アーム9030と第1の制御アーム9032との間で圧縮させ得る。しかしながら、そのより大きい剛性に起因して、メイン摺動ばね9038は、ボタン9010の最初の変位中、第1の制御アーム9032とハウジング12との間で縮まない場合がある。ユーザによるボタン9010のさらなる変位は、ボタンばね9036の個々のコイルを相互に接触させ、ボタンばね9036の追加圧縮を極めて困難または不可能である状態にし得る。従って、ボタン9010のさらなる変位は、メイン摺動ばね9038を第1の制御アーム9032とハウジング12との間で圧縮させ得る。従って、ボタンばね9036が十分に圧縮された後だけ、第1の制御アーム9032は、ボタン9010の変位に応答して移動し得る。ボタンばね9036とメイン摺動ばね9038との間の相互作用、及び結果として生じる第1の制御アーム9032の移動は、ボタン9010の「引き返し限界点」特徴と称され得る。
ボタン9010の引き返し限界点特徴によって提供される遅延は、ユーザに、薬剤送達デバイスをアクティブ化するユーザの意図を確認する時間を与える。さらに、ボタン9010の引き返し限界点特徴は、予期しないアクティブ化の危険性を減らし、ボタンばね9036が次第に圧縮された状態になるにつれてユーザがアクティブ化に近づいていることをユーザに知らせる触覚フィードバックを、ユーザに提供する。
第1の制御アーム9032はハウジング12に摺動可能に接続され得、その状態では、ボタン9010の直線変位は、第1の制御アーム9032の直線変位をもたらす。第2の制御アーム9034は、第1の制御アーム9032に回転可能に接続され、ハウジング12に回転可能に接続され得、それにより、第1の制御アーム9032の直線変位は、第1の制御アーム9032及びハウジング12に対する第2の制御アーム9034の回転をもたらす。
第1の制御アーム9032は、流体経路コネクタ及び針挿入機構の両方と相互作用し、その両方をアクティブ化するように構成され得る。第1の制御アーム9032は、縦軸Aに沿って延在する本体9042と、縦軸Aから離れるように本体9042の反対側から延在する第1の突出部9044及び第2の突出部9046とを含み得る。動作中、第1の制御アーム9032は、縦軸Aに平行である方向に摺動し得る。少なくとも1つの実施形態では、第1の突出部9044及び第2の突出部9046は、それぞれ、縦軸Aに直交して延在し得る。第1の突出部9044及び第2の突出部9046を本体9042の反対側に配列することによって、第1の突出部9044及び第2の突出部9046は、薬剤送達デバイスの反対側に位置する機構をアクティブ化するために使用されることができる。従って、第1の突出部9044及び第2の突出部9046は、薬剤送達デバイスの全体サイズを減らす配列を容易にし得る。
第1の制御アーム9032の第1の突出部9044は、流体経路コネクタの一部に接触し、それを移動させるように構成され得、その構成では、流体連通が薬剤コンテナと挿入機構との間に確立される。例えば、第1の突出部9044は、ボタン9010の変位に応答して、薬剤コンテナ50に向かって流体経路コネクタ300の接続ハブ310に接触し、それを移動させるように構成され得る。その結果、接続ハブ310に搭載される貫通部材330は、貫通可能密閉部56を貫通し、薬剤コンテナ50の内部にアクセスし、それによって、流体経路コネクタ300を介して、薬剤コンテナ50と針挿入機構200との間に流体連通を確立し得る。第1の突出部9044による接続ハブ310に付与される直線運動の例が、図4A及び図4Bによって示される。
第1の制御アーム9032の第2の突出部9046は、針挿入機構の一部に接触し、それを移動させるように構成され得、その構成では、針挿入機構が針及び/またはカニューレを患者内に挿入するようになる。例えば、第2の突出部9046は、ロックアウトピン208(複数可)(すなわち、第2のリテーナ)に接触し、それを移動させるように構成され得、この構成では、それらは、図11Aに示される保定位置を塞がないようになる。結果として、図11Bに示されるように、針214及びカニューレ234をエネルギー解放し、それらを患者内に挿入するように、挿入付勢部材210を可能にし得る。
第2の制御アーム9034は、駆動機構の一部に接触し、それを移動させるように構成され得、その構成では、駆動機構が薬剤をコンテナから放出する。例えば、第1の制御アーム9032の直線変位からもたらせられる第2の制御アーム9034の回転により、第2の制御アーム9034が、クリップ2115(すなわち、第1のリテーナ)を図23Aに示されるその保定位置から変位をもたらし得る。その結果、ピストン付勢部材2106、2122は、エネルギー解放され、薬剤コンテナ2050の遠位端から、最終的に患者まで薬剤を放出するためにプランジャ密閉部2060を移動させることを可能にされ得る。図74に示される実施形態では、ボタン9010を有するハウジング12側から離れるような第1の制御アーム9032の直線運動は、第2の制御アーム9034の時計回り回転をもたらし得る。制御アーム9034の中心部9050から延在する半径方向突出部9048は、クリップ2115(図示せず)に接続され得、その状態では、半径方向突出部9048の時計回り回転が、クリップ2115をその保定位置からその解放位置まで移動させる。
また、図74及び図75を参照すると、アクティブ化機構9000は、1つ以上の安全特徴を組み込み、薬剤送達デバイスの時期尚早及び/または不注意の作動を防止し得る。少なくとも1つの実施形態では、アクティブ化機構9000は、下側ハウジング12Bと患者の皮膚との間の接触を検出する体接触センサ9052を含み得る。少なくとも1つの実施形態では、体接触センサ9052は、図1Cに示される体上センサ24に対応し得る。体接触センサ9052は、下側ハウジング12Bに回転可能に接続される連動部9054と、下側ハウジング12B内の開口部9058を通って連動部9054の一部を付勢するように構成される連動ばね9056とを含み得る。下側ハウジング12Bと患者の皮膚との間の接触は、連動部9054を連動ばね9056の付勢力に対抗してハウジング12内に後退させ得る。図74に示されるように、連動部9054がハウジング12Bから開口部9058を通って突出するとき、連動部9054は、連動部9054が留め金アーム9030の直線変位を妨害するロック位置を塞ぎ得る。従って、ユーザは、連動部9054がそのロック位置を塞いでいるとき、ボタン9010を押し下げることが不可能であり得る。患者の皮膚との接触に起因して連動部9054がハウジング12内に後退するとき、連動部9054は、連動部9054が留め金アーム9030の移動を妨害しないアンロック位置に移動し得る。従って、連動部9054がそのアンロック位置を塞いでいるとき、ユーザは、ボタン9010を押し下げ、留め金アセンブリ9020を用いて、駆動機構、針挿入機構、流体経路コネクタ、及び/または電源及び制御システムのうちの1つ以上をアクティブ化することを可能にし得る。
体接触センサ9052は主に機械式ロックアウト機構として機能するが、代替実施形態は、例えば、電力及び制御システムのアクティブ化を可能にする前に組織を検出する必要がある容量性ベースのセンサまたはインピーダンスベースのセンサ等の電気ベースのセンサである体接触センサを組み込み得る。少なくとも1つの実施形態では、そのような電気ベースの体上センサは、約1MΩ(例えば、±10%の精度)のインピーダンスを伴う抵抗器を組み込み得る。
VIII.流体経路コネクタの追加実施形態
少なくとも、図1~図47、図74、図75、及び図77~図91Bに関連して説明されるものを含む、本出願に説明される薬剤送達デバイスの少なくとも一部は、図48~図56及び図76A~図76Cに関連して下記に説明される流体経路コネクタの実施形態を組み込むように構成され得る。
薬剤コンテナ及び他の薬剤送達デバイスを充填するプロセスでは、時々、2つ以上の滅菌構成要素またはサブアセンブリを接続する必要がある。例えば、装着型注射器または薬剤ポンプは、標準的薬品充填終了プロセスを使用して薬剤流体で充填され得る薬剤コンテナを含み得る。薬剤コンテナの充填後、流体連通が薬剤コンテナとこれらの構成要素との間に確立され得るように、薬剤コンテナを1つ以上の追加構成要素またはサブアセンブリに接続することが必要であり得る。流体経路を無菌状態に維持することは非常に重要であり、薬剤及び/または流体経路への有害な細菌の導入を防止する。2つ以上の無菌構成要素またはサブアセンブリは、一般的に、クリーンルーム等の無菌環境で行われ、それによって、有害な細菌がアセンブリに導入されないことを確実にする。しかしながら、これは、薬剤送達デバイスを製造する費用増加につながり得る。
本開示の実施形態は、無菌環境における2つ以上の構成要素またはサブアセンブリで行われる無菌接続を可能にする。図48A~図48Cに示されるように、流体経路コネクタの接続ハブ310は、薬剤コンテナ350に接続され得る。図48Aは、接続前のこれらの構成要素を示す。第1のフィルム318は、接続ハブ312上の適所にある。第1のフィルム318は、接続ハブ312の開口312Bを覆い、細菌が第1の開口312Bを通って空洞312Aに入ることを防止し、それによって、開口312B及び貫通部材316を無菌状態に維持する。貫通部材316は、部分的に空洞312A内に、及び少なくとも部分的にリテーナ314内に配置される。貫通部材は、中空針であり得る。リテーナ314は、接続ハブ312と係合し、貫通部材316の長軸に平行な方向における接続ハブに対して並進するために構成され得る。リテーナは、接続ハブ312内で1つ以上の第1の凹部312Cに係合し得る1つ以上のロッキングアーム314Aを含み得る。ロッキングアームは、少なくとも部分的に上側凹部内に配置される、その下端に突出部を含み得る。柔軟アームの係合は、リテーナ及び接続ハブの空間関係を維持する。
薬剤コンテナ350は、貫通可能密閉部326とバレル(図示されない)との間の接続を維持するクリンプキャップ324を含み得る。貫通可能密閉部は、バレル内部で薬剤流体を維持し、細菌及び他の物質が薬剤チャンバに入ることを防止する。凹部328は、貫通可能密閉部の形状によって形成される。第2のフィルム322は、凹部328を包囲するように、薬剤コンテナに添着され、それによって、凹部328を無菌状態に維持する。第1及び第2のフィルムは、関連付けられる表面の無菌状態を維持する必要があるバリア特性を提供することが可能である任意の材料で作られ得る。好ましい実施形態では、フィルムは、ホイル材料から作られ得る。代替として、フィルムは、任意の種類の滅菌可能膜、フィルム、またはホイルであり得る。加えて、フィルムは、取り外し可能及び/または貫通可能、ならびに、通気可能及び/または透過可能であり得る。
接着剤は、流体経路コネクタ及び薬剤コンテナ312を接合する前に、第1のフィルム318及び第2のフィルム322の両方の外部表面に塗布され得る。接着剤は、抗菌性化合物、制菌性化合物、及び抗ウイルス性化合物を含有し、密閉部の表面上のいくつかの該当する物質を制限し、またはそれらを減らし得る。接続中、柔軟アーム312Eは、クリンプキャップ324または薬剤コンテナ312の別の部分に係合し、それによって、薬剤コンテナ312に対する流体経路コネクタの軸方向並進を制限し得る。この位置では、第1のフィルム318及び第2のフィルム322は、相互に接触し、または相互に密接する。接着剤が1つ以上のフィルム上の面上に存在する場合、フィルムは一緒に接合され得る。
流体経路コネクタ及び薬剤コンテナ312が接合された後、リテーナ314は、接続ハブに対して軸方向に並進し得る。リテーナの並進は、ロッキングアーム314Aを曲げ、第1の凹部312Cから係脱される状態にさせる。リテーナの並進は、また針316も並進させる。この並進は、針を第1のフィルム318及び第2のフィルム322を貫通させる。リテーナの並進後、貫通部材は、少なくとも部分的に貫通可能密閉部326の凹部328内に配置される。リテーナは、さらに並進し、貫通部材316による貫通可能密閉部326の貫通をもたらし得る。貫通可能密閉部の貫通後、薬剤コンテナから、及び針を通る流体経路が確立される。針はまた導管と流体連通し得、導管は、患者への送達のために、流体内容物を、挿入機構等の送達機構に搬送するように構成されている。第1及び第2のフィルムの貫通は、組立時に発生し得る。代替として、フィルムの貫通は、薬剤送達デバイスの使用時または使用時に近い時期に発生し得る。薬剤送達デバイスの使用時または使用時に近い時期における貫通可能密閉部の貫通は、アクティブ化機構との相互作用によって、患者により開始され得る。
いくつかの実施形態では、貫通部材の端が、使用時まで、空洞328内部に配置されたままであり得る。貫通可能密閉部は、薬剤チャンバ内部の水圧及び/または空気圧に応答して、それが変形し、貫通部材と接触されるように構成され得る。貫通可能密閉部のこの変形は、貫通部材によって密閉部の貫通をもたらす。
図49A~図49Dは、流体経路コネクタの接続ハブ1312が薬剤コンテナに接続され、その状態では、貫通部材1316の長軸が薬剤コンテナの薬剤バレル1330の長軸に直交する実施形態を示す。図49Bに示されるように、柔軟アーム1312Eは、キャップ1324の一部に係合し、流体経路コネクタを薬剤コンテナに着実に取り付ける。流体経路コネクタは、さらに、接続ハブ1312内部に配置される挿入部1332を含み得る。リテーナ1314の延在部1314Dは、挿入部1332と密閉係合され、その挿入部に対して軸方向並進のために構成され得る。リテーナ1314の突出部1314Bは、最初に、接続ハブ1312の第1の凹部1312C内に配置される。この位置では、貫通部材1316の貫通端は、挿入部1332内部に配置される。図49Cは、組立後の、及び流体経路の接続前の、薬剤コンテナ及び流体経路コネクタの断面図を示す。その断面に示されるように、キャップ1324は、貫通部材が貫通可能密閉部にアクセスすることを可能にする側面ポート1324Aを含有し得る。また、図49Cに示されるのは、導管をリテーナに接続することを可能にするように構成され得る導管ポート1314Cである。この導管は、患者までの薬剤流体の送達のために、薬剤コンテナを送達機構に接続する流体経路を提供し得る。図49Dは、開放流体経路構成のアセンブリを示す断面図である。示されるように、リテーナ1314は、薬剤コンテナの中心軸に向かって変位している。柔軟アーム1314の突出部1314Bは、第1の凹部1312Cから係脱し、第2の凹部1312Dに係合している。貫通部材1316は、第1のフィルム1318、第2のフィルム1322、及び貫通可能密閉部1326を貫通している。これらのそれぞれの貫通は、患者が操作を開始した使用時に発生し得る。代替として、第1及び第2のフィルムは、組立時に貫通され得る。これは、患者への送達のための、薬剤コンテナから貫通部材、導管、及び挿入機構を通る流体経路を作る。貫通部材の長軸が薬剤コンテナの長軸に直交するような流体経路コネクタの接続は、薬剤送達デバイス内のよりコンパクトなパッケージを可能にし得る。
図50A~図50Dに示される他の実施形態では、貫通部材は、内側貫通部材2316A及び外側貫通部材2316Bを含む。内側貫通部材2316Aは、中空外側貫通部材2316B内部に配置される。薬剤コンテナ2330への接続ハブ2312の接続後、外側貫通部材2316Bは、その中空内側空洞内部に内側貫通部材2316Aを維持しながら、接続ハブ2312の末端を覆う第1のフィルム2318と、薬剤コンテナ2330の末端を覆う第2のフィルム2322とを貫通する。貫通は、薬剤コンテナに向かう外側貫通部材2316A及び外側貫通部材2316Bの関節運動によってもたらせ得、または、代替として、接続ハブを変位させる薬剤コンテナによってもたらせ得、それらによって、外側貫通部材2316Bを露出させ得る。内側貫通部材2316Aが第1のフィルム2318及び第2のフィルム2322に接触しないため、フィルム2318及び2322の表面上に存在する任意の汚染物質が内側貫通部材2316Aと接触しない。フィルム2318及び2322を貫通した後、外側貫通部材が後退し、それによって、内側貫通部材2316Aを露出させる。この位置では、図50Cに示されるように、内側貫通部材2316Aの端は、貫通可能密閉部2326によって作られる空洞2328内に配置される。図50Dに示されるように、薬剤コンテナ内部の水圧及び/または空気圧に応答して、貫通可能密閉部2326は変形し得る。貫通可能密閉部2326の変形は、内側貫通部材2316Aに貫通可能密閉部2326を貫通させ、それによって、患者への送達のため、薬剤コンテナ2330から内側貫通部材2316Aを通る流体経路を作る。
図51~図52の代替実施形態に示されるように、流体経路コネクタは、エラストマー構成要素3334を含み得る。外側貫通部材2316Bの少なくとも一部は、エラストマー構成要素3334内に埋め込まれ得る。外側貫通部材2316Bは、無菌環境を維持しながら、エラストマー構成要素3334内に埋め込まれ得る。流体経路接続機構がエラストマー構成要素3334との外側貫通部材2316Bの密閉係合に起因して無菌環境に移ると、外側貫通部材2316Bの埋め込み部の無菌状態が維持される。従って、薬剤コンテナへの流体経路コネクタの搭載後、流体経路コネクタは、外側貫通部材2316Bを用いた第1のフィルム2318及び第2のフィルム2322を最初に貫通することよって、開放構成に移り得、次に、外側貫通部材2316Bが静止した状態を継続しながら、外側貫通部材2316Bに対して内側貫通部材2316Aを移動させることによって、内側貫通部材2316Aで貫通可能密閉部3324を貫通し得る。このように、内側貫通部材2316Aは、第1のフィルム2318及び第2のフィルム2322の非滅菌外部表面に触れることによって汚染される。代替実施形態では、外側貫通部材2316Bは、唯一の貫通部材であり得、及び/または第1のフィルム2318及び第2のフィルム2322に加えて貫通可能密閉部3324を貫通し得る。図52A~図52Dのさらなる代替実施形態に示されるように、第1のフィルム2318及び/または第2のフィルム2322は、さらに、上記に説明されたような抗菌薬を含有する接着剤を含み得る。最初に、第1のフィルム2318の抗菌性接着剤は、取り外し可能ライナ2319によって覆われ得、第2のフィルム2322の抗菌性接着剤は、取り外し可能ライナ2323によって覆われ得る。第2のフィルム2322と係合する第1のフィルム2318を取り付ける前に、取り外し可能ライナ2319及び2323が取り外さられ得る。第1のフィルム2318及び第2のフィルム2322の外側表面上のこの抗菌性接着剤の存在は、この組立のステップが非滅菌環境で行われる場合に、それらの表面の汚染を抑制または防止する。
いくつかの実施形態では、図53A~図53Bに示されるように、追加フィルムまたは密閉部4336は、外側貫通部材4316B上に存在し得、さらに、外側貫通部材4316Bの内側空洞、ひいては、内側貫通部材4316Aを隔離する。この密閉部4336は、外側貫通部材が第1のフィルム4318及び第2のフィルム4322を貫通するとき、無傷のままであり得る。これは、密閉部の表面上に存在する任意の細菌が、内側貫通部材と接触することを防止し得る。第1のフィルム4318及び第2のフィルム4322を貫通した後、外側貫通部材4318Bの並進は、外側貫通部材が貫通可能密閉部4326を貫通する前に制限され得る。内側貫通部材4316Aは、薬剤コンテナ2330に向かって並進することを継続し、第1のフィルム4318及び第2のフィルム4322と、貫通可能密閉部4326とを貫通し、それによって、流体経路を開放する。さらに、図53A~図53Bに示される実施形態では、抗菌性接着剤4325は、最初に、第1のフィルム4318及び/または第2のフィルム4322の外部表面(複数可)を覆い得る。
図54A~図54Cに示される他の実施形態では、第1及び第2のフィルムは、流体経路コネクタの搭載直前に、流体経路コネクタ及び薬剤コンテナから取り外される。フィルムの取り外し前に、その配置は、薬剤コンテナの貫通可能密閉部と、流体経路コネクタのエラストマー構成要素の面との滅菌性を維持する。流体経路コネクタ及び薬剤コンテナの接続前の第1及び第2のフィルムの除去と、外側貫通部材2316Bの省略とを除いて、図54A~図54Cに示される実施形態は、図51A~図51Cに示される実施形態と同じまたは同様の要素を含む。従って、同じ参照番号が、図の両方のセットで同じまたは同様の要素を示すために使用される。図51A~図51Cに示される実施形態の外側貫通部材2316Bが、図54A~図54Cに示される実施形態の代替形態で実装されることができることを留意されたい。また、図54A~図54Cの実施形態のエラストマー構成要素3334が、図51A~図51Cの実施形態のエラストマー構成要素3334とは異なり、薬剤コンテナ2330の遠位端2329との密着嵌合(例えば、気密干渉または圧入)を受容かつ形成するように構成されている凹部または空洞2327を含むことを留意されたい。この密着嵌合は、汚染物質の進入を防止し、それによって、薬剤コンテナと流体経路コネクタとの間の接触面の滅菌性を維持し得る。いくつかの実施形態では、薬剤コンテナ2330の遠位端2329は、非滅菌状態または無菌状態下で凹部2327及びエラストマー構成要素3334内に挿入され得、これにより、汚染物質は、組立の結果として、薬剤コンテナ2330とエラストマー構成要素3334との間に閉じ込められない。
図55A~図55Dの代替実施形態に示されるように、流体経路コネクタは、また、ガラス管2335を使用して、薬剤コンテナ2330に搭載され得る。搭載後、ガラス管2335、エラストマー貫通部材リテーナまたは構成要素3334の表面、及び貫通可能密閉部3324の表面は、紫外線殺菌を使用して滅菌され得る(図55C参照)。ガラス管は、薬剤コンテナ2330及び流体経路コネクタのエラストマー構成要素3334の両方と密閉係合(例えば、気密密閉)し得、それにより、滅菌後、細菌及び他の外的要素はガラス管に入ることが不可能であり、それによって、ガラス管2335の内部の無菌状態を維持する。第1のホイル2318及び第2のホイル2322の省略と、ガラス管2335を含めたこととを除いて、図55A~図55Dの実施形態は、図54A~図54Cに示される実施形態と同じまたは同様の要素を含み得る。従って、同じ参照番号が、図の両方のセットで同じまたは同様の要素を示すために使用される。
図56に示される実施形態は、薬剤コンテナの長軸に直交にされている接続を示す。本実施形態では、第1のフィルム5318は、最初に、適所にわたって、接続ハブ5312の空洞5312Aの滅菌性を維持する。接続中、第1のフィルム5318は、薬剤コンテナの挿入部5340によって貫通させる。貫通部は、貫通後に、挿入部の凹面部5342内部で保定される。凹面部内部にこの貫通部を保定することによって、第1のフィルムの非無菌表面は隔離され、その表面上に存在する任意の物質は、薬剤流体または流体経路を汚染させることが防止される。第2のフィルム5322は最初に、挿入部5340内の開口5340A上の適所に存在し、開口の無菌状態を維持する。第2のフィルム5322は、細菌及び他の汚染物質が開口に入ることを防止するような、挿入部に密に適合する剛性またはエラストマー構成要素であり得る。薬剤コンテナへ接続ハブが搭載されると、第2のフィルムは、その最初の位置から変位し、それによって、薬剤コンテナから流体経路コネクタを通る流体経路が確立されることを可能にし得る。薬剤コンテナへ接続ハブが搭載された後、挿入部5340内の開口5340Aは、接続ハブ5312内に開口5312Bと整列される。貫通可能密閉部は、流体経路を確立する貫通可能密閉部によって貫通され得る1つ以上の開口上の適所に存在し得る。1つ以上のスナップアームは、薬剤バレルに対して適切な位置に挿入部を保定し得る。スナップアームは、薬剤コンテナの薬剤バレル自体または別の構成要素に接続し得る。
流体経路コネクタの多くの上記に説明された実施形態は、薬剤送達デバイスがアクティブ化するとき薬剤コンテナにアクセスするように移動する貫通部材を組み込んでいるが、図76A~図76Cに示される実施形態等の流体経路コネクタの代替実施形態は、薬剤送達の全期間、静止しているままの貫通部材を含み得る。そのような代替実施形態では、薬剤コンテナは、薬剤送達デバイスがアクティブ化するとき、静止している貫通部材に向かって移動し得る。薬剤コンテナの移動は、薬剤コンテナの遠位端に位置する貫通部材を通って薬剤コンテナにアクセスする貫通部材が静止することをもたらし得る。
図76A~図76Cは、薬剤コンテナ10050(1つ以上の薬剤コンテナ50、618、718、818、918、1118、2050、または6050と交換され得る)と、駆動機構10100(駆動機構100、500、1000、または2100に交換可能と交換され得る)と、流体経路コネクタ10300とを含む、薬剤送達デバイス(例えば、薬剤送達デバイス10、910、2010、6000、または8000)のサブアセンブリを示す。薬剤コンテナ10050は、バレル10058と、バレル10058を通るプランジャ密閉部10060と、バレル10058の開放遠位端を覆い、バレル10058の内部へのアクセスを制御するプランジャ密閉部10056とを含み得る。
駆動機構10100は、駆動ハウジング10130と、駆動ハウジング10130に対して移動可能であり、運動をプランジャ密閉部10060に付与するように構成されている、ピストン10110と、駆動ハウジング10130とピストン10110との間に配置されるピストン付勢部材10106とを含み得る。図76Aに示されるように、送達前に、ピストン付勢部材10106は、ピストン付勢部材がエネルギー蓄積された状態で保定され得る。ピストン付勢部材10106が解放され、その結果エネルギー解放されたとき(図76B及び図76Cに示されるような状態)、ピストン付勢部材10106は、流体経路コネクタ10300に向かってピストン10110及び/またはプランジャ密閉部10060を移動させ得る。
流体経路コネクタ10300は、薬剤コンテナ10050と挿入機構(例えば、針挿入機構200、624、または724)との間で滅菌流体経路を画定し得る。流体経路コネクタ10300は、接続ハブ10310と、接続ハブ10310と挿入機構との間に流体連通を提供する管状導管(図示せず)と、貫通可能密閉部10056を貫通し、薬剤送達中にバレル10058と管状導管との間に流体連通を確立するように構成されている、貫通部材10330(例えば、コンテナアクセス針)と、バレルコネクタ10332と、可撓性密閉部材10334とを含み得る。いくつかの実施形態では、管状導管は、可撓性材料で作成された単一の一体型管であり得、接続ハブ10310と挿入機構との間で直接延在し得る。他の実施形態では、流圧、液体流速、または薬剤の他の特徴を調節または変更する必要に応じて、管状導管は、比較的剛体材料で作成され、反対端において、各々、接続ハブ10310及び挿入機構に可撓管を介して接続される、1つ以上の流量制限器を含み得る。
また、図76A~図76Cを参照すると、可撓性密閉部材10334は、バレル10058の遠位端と接続ハブ10310との間の折り畳み可能な量で、滅菌チャンバ10062を画定し得る。少なくとも1つの実施形態では、可撓性密閉部材10334は、略円錐形状を有し、可撓性ベローズのように機能し得る。可撓性密閉部材10334の近位端は、バレルコネクタ10332とバレル10058の遠位端表面との間に挟着され得る。その遠位端において、可撓性密閉部材10334は、接続ハブ10310に接続され得る。
バレルコネクタ10332は、バレル10058の円周表面周囲にぴったり適合するように構成されている管状本体部10335と、管状本体部10335の反対端に、半径方向内向きに変動する第1の環状突出部10336及び第2の環状突出部10338とを有し得る。第1の環状突出部10336はバレル10058の首部を把持し得、第2の環状突出部10338はバレル10332の遠位端表面に接するように可撓性密閉部材10334の近位端を挟着し得る。
接続ハブ10310は薬剤送達デバイスのハウジング(例えば、ハウジング12)に対して固定され得、その状態では、接続ハブ10310が薬剤送達デバイスのハウジングに対して移動することが防止される。貫通部材10330の遠位端は接続ハブ10310に剛接続され得、この状態では、貫通部材10330は、また、薬剤送達デバイスのハウジングに対して固定される。バレル10058は薬剤送達デバイスのハウジングに摺動可能に接続され得、その状態では、バレル10058は薬剤送達デバイスのハウジングに対して移動することができる(例えば、直線方向に並進することができる)。図78B及び図76Cに示されるように、バレル10058が接続ハブ10310に向かって移動するとき、可撓性密閉部材10334は、滅菌チャンバ10062の量が減少するように、弾性的に、または非弾性的に変形し得る。
送達前の状態(図76A)では、貫通部材10330の近位端は、可撓性密閉部材10334によって画定される滅菌チャンバ10062内部に配置され得る。ピストン付勢部材10106が解放されると、ピストン付勢部材10106がエネルギー解放し始め、それによって、ピストン10110及びプランジャ密閉部10060を貫通部材10330に向かって移動させ得る。プランジャ密閉部10060とバレル10058の内壁との間の摩擦は、ハウジングに摺動可能に接続されるバレル10058を、最初に、プランジャ密閉部10060と一緒に遠位方向に移動させ得る。バレル10058の移動は、貫通可能密閉部10056を貫通部材10330によって貫通させる。結果として、貫通部材10330は、バレル10058の内部にアクセスし、バレル10058と接続ハブ10310との間に流体連通を確立し得る。
図76Bは、バレル10058が停止部材(本実施形態では、接続ハブ10310に対応する)に接触するまで遠位方向に移動することを継続することを示す。停止部材によってバレル10058に働く反動力は、プランジャ密閉部10060とバレル10058の内壁との間の摩擦力よりも上回り、それによって、プランジャ密閉部10060が、バレル10058に対して移動し、バレル10058から貫通部材10330を介して薬剤を放出する。図76Cは、プランジャ密閉部10060の移動が停止し、それによって、プランジャ密閉部10060がバレル10058の首部においてバレル10058の内壁の一部に衝突するとき、薬剤送達を終了することを示す。
静止している貫通部材10330を有する流体経路コネクタ10300及び移動可能バレル10058を有する薬剤コンテナ10050の組み合わせは、薬剤送達デバイスがアクティブ化するときにバレル10058の内部との流体連通を確立するための別個の機構の必要性をなくす。その代わりに、ピストン付勢部材10106の力は、貫通可能密閉部10056を貫通部材10330内に移動させ、バレル10058の内部との流体連通を確立するために利用される。従って、薬剤送達デバイスの設計及び製造は簡略化され得、薬剤送達デバイスの全体サイズは小さくなり得る。
IX.モータ駆動式薬剤送達デバイス
薬剤送達デバイス6000の別の実施形態は、図57A~図57Bに示される。薬剤送達デバイス6000は、患者への送達のために、ある量の流体(複数可)で充填されるコンテナ6050を含み得る。流体(複数可)は、例えば、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、PCSK9(プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型)特異的抗体、スクレロスチン抗体、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)抗体等の以下に説明されるような薬剤のうちの1つ以上のものを含み得る。薬剤送達デバイス6000内では、挿入機構、流体経路コネクタ、及び薬剤送達駆動機構は、モータ6207の回転によって制御される。加えて、または代替として、脱進機構は、1つ以上のギヤの回転速度を制御するために使用され得る。複数のギヤのうちの1つは、挿入機構ハウジング6202の歯6208と係合され得る。そのため、ギヤトレインの回転により、挿入機構ハウジングの回転を制御し、それによって、患者の皮膚内への針の挿入を制御する。挿入機構の動作は、本明細書にさらに説明される。
X.挿入機構の追加実施形態
少なくとも、図1~図57Bに関連して説明されるものを含む、本出願に説明される薬剤送達デバイスの少なくとも一部は、図58A~図68に関連して以下に説明される挿入機構の実施形態を組み込むように構成され得る。
一実施形態では、図58A及び図58Bに示されるように、挿入機構6200は、1つ以上の延在アーム6202Aを有する挿入機構ハウジング6202と、基部6252と、滅菌ブーツ6250とを含む。基部6252は、挿入機構を薬剤送達デバイス10(図1Bに示されるようなもの)または薬剤送達デバイス6000に統合するように、アセンブリプラットホーム20に接続され得る。アセンブリプラットホーム20への基部6252の接続は、例えば、基部の底面が、患者の体への基部の直接接触を可能にするように、アセンブリプラットホーム内の孔を貫通することが可能になり得る。そのような構成では、基部6252の底面は、少なくとも1つの実施形態では、薬剤送達デバイス10または薬剤送達デバイス6000の使用前に取り外し可能である密閉膜6254を含み得る。代替として、密閉膜6254は、基部6252の底面に取り付けられたままであり得、その状態では、針6214は、薬剤送達デバイス10または薬剤送達デバイス6000の動作中に、密閉膜6254を貫通する。図58A及び図58Bに示されるように、挿入機構6200は、さらに、回転付勢部材6210、針ハブ6212、針6214、後退付勢部材6216、スリーブ6220、及び導管6218を含み得る。本明細書にさらに詳細に説明されるように、導管6218は滅菌流体導管30または滅菌アクセス接続部300に接続し、薬剤送達中に、導管6218、針6214を通って、及び患者の体内への流体流動を可能にし得る。
本明細書に示されるような「針」は、限定ではないが、剛性中空鋼鉄針等の従来式中空針を含む、種々の針を指すことが意図される。組み立てると、針6214の近位端はハブ6212と固定しながら接触して維持される一方、針6124の残りは好ましくは滅菌ブーツ6250内部に位置する。針6124は、さらに、基部開口部6252Eを貫通し得る。
滅菌ブーツ6250は、近位端においてハブ6212と、及び遠位端においてスリーブ6220及び/または基部6252と固定係合する折り畳み可能または圧縮可能な滅菌膜である。用語「滅菌ブーツ」は、1つ以上の動作段階で滅菌状態にある、ある内部構成要素が存在し得るブーツ部を説明するために使用される。ブーツ部は、機構または薬剤送達デバイスの全動作を通して滅菌である必要はなく、実際に、ある構成要素の組立及び滅菌が発生するまで、最初に無菌ではない場合がある。加えて、用語「ブーツ」は、任意の具体的な形状または構成を意味することを意図しないが、その代わりに、他の構成要素が動作の1つ以上の段階において存在し得る内部空間を提供することができる構成要素を説明するために利用される。少なくとも1つの実施形態では、滅菌ブーツ6250は、基部6252とスリーブ6220との間で遠位端に固定係合して維持される。他の実施形態では、滅菌ブーツ6250は、基部6252と挿入機構ハウジング6202との間で遠位端に固定係合して維持される。下記にさらに説明されるように、基部6252は、針が挿入機構の動作中に貫通し得る基部開口部6252Eを含む。針の滅菌性が、挿入機構の滅菌部内部でのその最初の位置付けによって維持される。具体的には、上記に説明されたように、針6214は、滅菌ブーツ6250の滅菌環境に維持される。その上、基部6252の基部開口部6252Eは、例えば、密閉膜6254等によって、非滅菌環境から閉鎖され得る。
図59A~図59B、及び図60~図62は、さらに詳細に、少なくとも第1の実施形態による、挿入機構の構成要素を示す。図59A~図59Bに示されるように、挿入機構ハウジング6202は、導管6218、ハブ6212、針6214、スリーブ6220、後退付勢部材6216、及び滅菌ブーツ6250が実質的に、最初の構成に配置される、内側チャンバを有する実質的に円筒形構成要素であり得る。誘導表面6204(図59Bに最良に示されるようなもの)は、ハウジング6202の内側表上に位置し、ハブ6212の延在アーム6212Aと相互作用するように構成されている。下文にさらに詳細に説明されるように、ハウジング6202の回転は、ハブ6212の延在アーム6212Aとの誘導表面6204の相互作用によってハブ6212の軸方向運動に伝送される。ハウジング6202は、さらに、1つ以上の突出部6202Aを含み得る。突出部6202Aは、回転付勢部材6210の近位端に係合するように構成されている。突出部6202Aは、回転付勢部材6210の近位端が配置され得る凹部6202Bを形成し得る。このように、回転付勢部材6210の巻き戻し及び/またはエネルギー解放は、軸Aを中心にハウジング6202の回転をもたらす。回転付勢部材6210は、実質的に同心関係において、ハウジング6202の外側に位置し得る。回転付勢部材の遠位端は、基部6252、または薬剤送達デバイス10もしくは薬剤送達デバイス6000の別の特徴部と係合され得、その状態では、回転付勢部材6210の遠位端の移動が制限される。突出部6202Aまたは別の特徴部は、さらに、ハウジング6202の回転中に滅菌アクセス接続部の一部に接触し得る。ハウジング6202の回転と連動している、この接点は、貫通可能密閉部の貫通を開始し、それによって、薬剤コンテナの内容物が導管を通って流動することを可能にするために使用され得る。
図60に示されるようなハブ6212は、上記に説明されたような延在アーム6212Aを含む。ハブ6212は、導管6218の一部を受容するように構成されている開口6212Bを含む。開口6212Bは、導管6218が、患者までの薬剤流体の送達のために、針6124と流体連通することを可能にする。針6124は、接合、圧入、または当業者に既知である他の手段によって、ハブ6212と着実に係合される。
図61に示されるようなスリーブ6220は、ハブ6212の延在アーム6212Aが少なくとも部分的に挿入機構の動作中に配置される、複数のスロット6220Aを含む。これらのスロットは、ハブ6212が回転する能力を制限する。スリーブ6220は、さらに、基部6252の柔軟アーム6252Aと接するように構成されている1つ以上の開口6220Bを含む。組立中、柔軟アーム6252Aは開口6220Bに係合し、それによって、基部6252に対するスリーブ6220の移動を限定する。図62に示されるような基部6252は、さらに、スリーブ6220の1つ以上の整列切り欠き6220Cに係合するように構成されている1つ以上の下側整列部材6252Cを含み得る。この係合は、スリーブ6220を基部6252に対して整列し、基部6252に対してスリーブ6220の回転を制限する。基部6252は、また、設置中にハウジング6202の面206に係合するように構成されている1つ以上の上側整列部材6252Dを含み得、それによって、基部6252に対してハウジング6202を位置づける。
挿入機構の動作が、図63~図65を考慮して、上記の構成要素を参照して本明細書に説明される。図63Aは等角図を示し、図63Bは、ロックされた使用準備段階における、本開示の少なくとも1つの実施形態による挿入機構の断面図を示す。回転付勢部材6210の近位端はハウジング6202の凹部6202B内に配置され、回転付勢部材6210はエネルギー蓄積状態にある。この最初の位置では、ハブ6212は後退して近位位置にあり、その状態では、針6124は基部6252の開口部6252Eを通過するように延在しない。滅菌ブーツ6250は延在構成にあり、一端がハブ6212と係合され、他端がシェル6220及び基部6252と係合される。後退付勢部材6216は、比較的展開状態及び/またはエネルギー解放状態にある。ハブ6212の延在アーム6212Aは、誘導表面6204の近位部6204A内部に、またはそれに実質的に隣接する位置する。コイル状流体導管6218は、ハブ6212に対して近位に位置し得る。流体導管6218は、ハブ6212の一端に接続され、薬剤流体内容物が、患者への送達のために、薬剤コンテナ50から針6214まで通過することを可能にし得る。
挿入機構6200は、薬剤送達デバイス10または薬剤送達デバイス6000の他の構成要素との相互作用によって、この最初の構成に保持され得る。例として、アクティブ化部材14は、最初の構成で延在アーム6202Aとの相互作用によってハウジング6202の回転を防止する摺動部と係合され得る。留め金部材14の押し下げは、摺動部を変位させ、摺動部をハウジング6202の延在アーム6202Aから係脱し、それによって、ハウジング6202の回転を可能にし得る。図57A~図57Bに示される代替実施形態では、ハウジング6202の一部は、ハウジングの回転を防止するギヤ6209と接触するように構成されているギヤ歯6208を有し得る。本構成では、ギヤは、ギヤ、ひいてはハウジングの回転を制御するモータ6207に接続され得る。ハウジングは、ギヤから係脱されることが可能であり、それによって、回転付勢部材のエネルギー解放に応答して、ハウジングの自由回転を可能にし得る。ギヤ6209は、ギヤトレインを通ってモータ6207に接続され得、ギヤトレインは、モータ6207の回転とギヤ6209との間の関係を制御する。加えて、または代替として、脱進機構は、ギヤトレインの回転を制御するために使用され得る。
図64Aは等角図であり、図64Bは針挿入段階における挿入機構の断面図を示す。図63Aに示されるように、回転付勢部材6210の巻き戻し及び/またはエネルギー解放は、ハウジング6202を軸Aを中心に回転させる。ハウジング6202が回転するとき、ハブ6212の延在アーム6212Aとの誘導表面6204の接点は、ハブ6212を遠位方向に並進させる。ハブ6212は、延在アーム6212Aとスリーブ6220のスロット6220Aとの間の相互作用によって回転することが防止される。スリーブ6220は、開口6220Bとの柔軟アーム6252Bの係合によって基部6252に接続される。示されるように、ハウジング6202回転し、ハブ6212が遠位方向に並進し針6214を患者の体内に挿入するとき、滅菌ブーツ6250は折り畳まれることが可能になる。本段階において、図63Bに示される針6214は、薬剤送達のために患者の体内に導入される。ハブ6212の遠位並進に起因して、後退付勢部材6216は圧縮またはエネルギー蓄積される。ハウジング6202の回転は好ましくは、制限され、または誘導表面6204がハブ6212を遠位位置に保定する位置で停止する。ハウジング6202の回転は、突出部6202Aと、薬剤送達デバイス10または薬剤送達デバイス6000の停止構成要素との間の相互作用によって、この位置に停止され得る。代替として、停止構成要素は、ハウジング6202の別の部と相互作用し得る。針6214が後退すると、導管から針6214を通る患者の体までの流体経路が開放されている。流体経路コネクタが薬剤コンテナに対して設けられ駆動機構がアクティブ化しているとき、流体薬剤治療物が、患者の体内への送達のために、薬剤コンテナから流体経路コネクタ及び滅菌流体導管を通って針6124内に押勢される。
図65A及び図65Bに示されるように、薬剤送達が完了すると、針6124は、挿入機構ハウジング6202内に後退する(すなわち、近位方向において軸方向に並進する)。ハウジング6202の回転が継続すると、誘導表面6204の近位突出部6204Aをハブ6212の延在アーム6212Aと整列し、その状態では、ハブ6212の近位並進は限定されない。この位置では、後退付勢部材6216は、展開またはエネルギー解放することが可能である。後退付勢部材6216の伸長は、それが接続されるハブ6212及び針6214を、近位方向において軸方向に並進させる。従って、挿入機構のアクティブ化は、針6124を患者の体内に挿入し、連続的に、薬剤送達の完了後、またはいくつかの他の後退起動機構が作動するとき、針6124を後退させる。
図11~図13は、挿入機構の別の実施形態を示す。図66に示されるように、回転付勢部材7210の一端は、挿入機構のハウジング7202内に形成される凹部7202B内に配置される。このように、ハウジングに係合することによって、ハウジングから外向きに延在する突出部の要件は排除され、それによって、挿入機構の全体サイズが小さくなることを可能になる。さらに、図67に示されるように、滅菌ブーツ7250は「蛇腹」構成で構成され得、「蛇腹」構成は、滅菌ブーツの径が前記の実施形態に示されるような滅菌ブーツ未満になることを可能にし得る。また、図67では、プラットホーム7020が、針挿入機構を置いてそれを維持することを援助する、上向きに延在するボス7020Aを有し得ることが、図67に示され得る。回転付勢部材7210は、ボス7020Aの外側の周囲に位置付けられ得る。針挿入機構は、また、キャップ7222を含み得る。キャップは、シェル7220に係合し、針挿入機構の構成要素を適所に保定するように作用し得る。具体的には、キャップは、導管をハウジング7202内部の適切な位置に保定し得る。キャップは、1つ以上の周囲にある柔軟アーム7222Aを含み得、柔軟アーム7222Aは、設置中、シェル7220の突出部との接触に応答して、外向きに曲がり得る。次に、柔軟アームは、その本来位置に戻り得、それによって、図68の断面図に最良に示されるようなシェルに対して適所に保定される。また、図68に示されるように、プラットホーム7020の1つ以上の柔軟アーム7020Bは、ハウジング7220の開口7220Bに係合し得る。この係合は、プラットホーム7020に対して、挿入機構を保定し、位置付ける。薬剤送達デバイスのプラットホーム7020は、また、シェルの開口7220Bに係合するように構成されているロッキングアーム7020Bを含み得る。この係合は、挿入機構を薬剤送達デバイスに対して適切な位置に、挿入機構を保定する。本実施形態の動作の段階は、上記に説明されたものと実質的に同様であり得る(すなわち、回転付勢部材のエネルギー解放は針の挿入をもたらし、後退付勢部材のエネルギー解放は針の後退をもたらす)。
いくつかの実施形態では、患者の体から薬剤送達デバイスを取り外すと、後退がアクティブ化する。他の実施形態では、エラーが患者への物質の送達において発生していることが判定される場合、後退がアクティブ化する。例えば、薬物の流動を防げる薬剤送達経路の閉塞が、薬剤送達デバイスの感知機能によって検出され得る。閉塞を感知すると、電気的入力または機械的入力は、針の後退を開始するように使用され得る。
針の後退のアクティブ化は、多くの機構によって達成され得る。例えば、ボタンは、ハウジング12の外側に提供され得、患者によって押し下げられると、患者の体からの針の後退をアクティブ化する。例えば、一実施形態では、ボタンの押し下げは、ハウジング6202が回転することを可能にし、従って、後退付勢部材6216が針6124を伸長かつ後退させることを可能にし得る。ボタンの作動は、ボタンを押し下げるために必要な進行及び/または力が小さくなるように補助されるばねのような作動であり得る。代替として、または加えて、駆動機構100が投与終了に達すると、電気的または機械的アクチュエータは、後退のアクティブ化をもたらし得る。例えば、投与終了に応じて、電流がニチノール構成要素に印加されるように、電気接続が行われ得る。電流が印加すると、ニチノール構成要素の温度が上昇する。ニチノールの形状メモリ特性のため、この構成要素は、温度が増加すると、第1の構成から第2の構成に変形するように構成され得る。この第2の構成では、ニチノール構成要素は、例えば、ハウジング6202の回転を可能にすることによって、針の後退の作動を可能にし、またはそれをもたらし得る。
代替として、または加えて、体上センサ24等のセンサは、薬剤送達デバイス10が患者の体から取り外されるとき、針の後退のアクティブ化を可能にし、またはそれをもたらし得る。例えば、薬剤送達デバイス10が患者上に設置されると、体上センサ24の位置は、後退位置までのハウジング6202の回転を防止し得る。患者から取り外されると、体上センサ24の構成の変化は回転を可能にし得る。別の実施形態では、光センサは、基部開口部6252の近くで、薬剤送達デバイス10上に置かれ得る。薬剤送達デバイス10が患者の体上の適所にあるとき、光が、実質的に、光センサに入ることを遮断するであろう。患者の体から薬剤送達デバイス10を取り外すと、光は光センサによって感知され得、光センサは、電気機械アクチュエータを始動させ、後退のアクティブ化を可能にし、またはそれをもたらし得る。他の実施形態では、ピン型圧入相互接続は、針の後退を開始するために使用される。ピンは、ハウジング12から少なくとも部分的に突出するように付勢し、患者上に薬剤送達デバイス10が設置されると変位し得る。変位すると、ピンはPCB上の雌孔に係合し得、PCBは電力及び制御システム400の一部であり得る。患者から薬剤送達デバイス10を取り外すと、付勢されたピンはPCBの雌孔から係脱し、それによって、針の後退をアクティブ化する信号を生じさせる。
挿入機構6200または薬剤送達デバイス10または6000のある随意的標準構成要素または変形例は、本開示の範疇及び範囲内に存在しながらの状況で想到される。例えば、上側または下側ハウジングは、随意に、図1A~図1Cに示されるような1つ以上の透明または半透明の窓18を含有し、患者が、薬剤送達デバイス10の動作を視認し、または薬剤投与が完了したことを検証することを可能にし得る。加えて、薬剤送達デバイス10は、ハウジング12の底表面に接着パッチ26及びパッチライナ28を含有し得る。接着パッチ26は、薬剤投与量の送達のために、薬剤送達デバイス10を患者の体に接着するために利用され得る。当業者によって容易に理解されるであろうように、接着パッチ26は、患者の体への薬剤送達デバイスの接着のための接着表面を有し得る。接着パッチ26の接着表面は、最初に、非接着パッチライナ28によって覆われ得、非接着パッチライナ28は、患者の体と接触する薬剤送達デバイス10の設置前に、接着パッチ26から取り外される。接着パッチ26は、随意に、随意的体上センサ24の作動を防止し、基部開口部6252Eを覆う保護的覆いを含み得る。パッチライナ28の取り外しは保護的覆いを取り外し得、または保護的覆いは別個に取り外され得る。パッチライナ28の取り外しは、さらに、挿入機構6200の密閉膜6254を取り外し、薬剤送達のために、患者の体に対して挿入機構を開放し得る。
同様に、挿入機構6200ならびに薬剤送達デバイス10及び6000の1つ以上の構成要素は、本開示の範疇及び範囲内に機能的に存在している間に修正され得る。例えば、上記に説明されたように、薬剤送達デバイス10のハウジングが、2つの別個の構成要素(上側ハウジング12Aと下側ハウジング12B)として示されるが、これらの構成要素は、単一の一体型構成要素であり得る。上記に検討されたように、のり、接着剤、または他の既知の材料もしくは方法は、挿入機構及び/または薬剤送達デバイスのうちの1つ以上を相互に添着するために利用され得る。代替として、挿入機構及び/または薬剤送達デバイスの1つ以上の構成要素は、一体型構成要素であり得る。例えば、上側ハウジング及び下側ハウジングは、のりもしくは接着剤、ねじ嵌合接続、締まりばめ、溶融接合、溶接、超音波溶接等によって一緒に添着される別個の構成要素であり得、または上側ハウジング及び下側ハウジングは、単一の一体型構成要素であり得る。そのような標準構成要素及び機能的変形例は、当業者によって認識されるであろう、従って、本開示の範疇及び範囲内にある。
本明細書に開示される挿入機構及び薬剤送達デバイスが、薬剤コンテナからの自動薬剤送達用の効率的及び容易に動作するシステムを提供することを上記の説明から認識されるであろう。本明細書に説明される新規実施形態は、統合型安全特徴を提供し、挿入機構の直接の患者によるアクティブ化を可能にし、流体経路の滅菌性を維持するように構成されている。上記に説明されたように、統合型安全特徴は、随意的体上センサと、冗長ロックアウトと、患者によるアクティブ化に応じた自動針挿入及び後退と、視覚及び聴覚フィードバックオプションを含む多数の患者フィードバックオプションとを含む。本開示の新規の挿入機構は、患者によって直接アクティブ化され得る。例えば、少なくとも1つの実施形態では、回転防止特徴は、挿入機構をそのロックされた後退状態に維持する、突出部6202Aまたはハウジング6202の歯と係合されるギヤに係合するように構成されている停止構成要素であろうとなかろうと、アクティブ化機構の患者の押し下げによって、そのロック位置から直接変位される。代替として、任意の介在ステップなしで、患者によってアクティブ化機構が直接変位するときに回転防止特徴部を変位させる、ばね機構等の1つ以上の追加構成要素が含まれ得る。少なくとも1つの構成では、モータの回転は、ギヤの回転をもたらす、またはそれを可能にし、それによって、挿入機構のハウジングの回転を可能にする。
さらに、本開示の挿入機構及び薬剤送達デバイスの新規構成は、保管中、輸送中、及び本デバイスの動作によって、流体経路の滅菌性を維持する。薬剤流体が本デバイス内部で進行する経路が全体的に滅菌状態に維持されるために、これらの構成要素だけ、製造プロセス中に滅菌される必要がある。そのような構成要素は、駆動機構の薬剤コンテナ、流体経路コネクタ、滅菌流体導管、及び挿入機構を含む。本開示の少なくとも1つの実施形態では、電源及び制御システム、アセンブリプラットホーム、制御アーム、アクティブ化機構、ハウジング、ならびに薬剤送達デバイスの他の構成要素は、滅菌される必要はない。これは、大きく、本デバイスの製造性を改善し、関連する組立費を減らす。従って、本開示のデバイスは、組立の完了時、最終滅菌を必要としない。本開示のさらなる利点は、本明細書に説明される構成要素が、例えば、薬剤送達デバイスのハウジング及び他の構成要素が、挿入機構6200、または本明細書に説明される挿入機構のいくつかの他の変形例を受け、動作させるように容易に構成され得るようなモジュールになるように設計されていることである。
挿入機構6200、薬剤送達デバイス10もしくは6000、または個々の構成要素のいずれかの組立及び/または製造は、当技術分野のいくつかの既知の材料及び手法を利用し得る。例えば、イソプロピルアルコール等のいくつかの既知の洗浄液は、構成要素及び/または本デバイスを洗浄するために使用され得る。いくつかの既知の接着剤またはのりは、同様に、製造プロセスで採用され得る。加えて、既知のシリコーン表面処理流体及びシリコーン表面処理プロセスは、新規構成要素及び新規デバイスの製造中に採用され得る。さらに、既知の滅菌プロセスは、最終製品の滅菌性を確実にするために、1つ以上の製造段階または組立段階で採用され得る。
さらなる実施形態では、本開示は、ハブを針の近端に接続するステップと、導管をハブに接続するステップと、滅菌ブーツをハブに接続するステップと、後退付勢部材を針挿入機構のスリーブ内に挿入するステップと、ハブ、針、導管、滅菌ブーツをスリーブ内に挿入するステップと(この位置では、後退付勢部材が、一端にあるハブと他端にあるシェルとの間に拘束される)、ハウジングをスリーブの周囲に設置するステップと、後退付勢部材をスリーブ内に挿入するステップと、ハウジング内の開口との柔軟アームの係合によって基部をスリーブに接続するステップとを含む、挿入機構を組み立てる方法を提供する。回転付勢部材は、ハウジング周囲に設置され得、回転付勢部材がハウジングの一部と係合し、それによって、付勢部材のエネルギー解放をハウジングの回転と連動させる。
滅菌ブーツの遠位端は、基部とのハウジングの係合によって挿入機構ハウジングの遠位端と固定係合するように、位置付け、かつ保持され得る。この位置では、滅菌ブーツが、針の周囲で伸長構成にあり、滅菌であり得る環状容積を作る。流体経路が開放時に流体導管からハブを通って、及び針を通って直接進行するように、流体導管がハブに接続され得る。流体経路コネクタは、流体導管の反対端に取り付けられ得る。流体経路コネクタ、具体的には、流体経路コネクタの滅菌スリーブは、薬剤コンテナのキャップ及び貫通可能密閉部に接続され得る。プランジャ密閉部及び駆動機構は、流体経路コネクタに対向する端において、薬剤コンテナに接続され得る。密閉膜は、その環境から挿入機構を閉鎖するように基部の底面に取り付けられ得る。ここで、流体流動のための経路を構成する構成要素が組み立てられる。これらの構成要素は、多くの既知の方法によって滅菌され、次に、薬剤送達デバイスのアセンブリプラットホームまたはハウジングに、固定して、または取り外し可能のどちらかで搭載され得る。
薬剤送達デバイスの製造は、挿入機構の基部を、薬剤送達デバイスのアセンブリプラットホームまたはハウジングに取り付けるステップを含む。少なくとも1つの実施形態では、挿入機構の基部がアセンブリプラットホーム及び/またはハウジングを貫通し、患者の体と直接接触することが可能になるように取り付けが行われる。製造する方法は、さらに、アセンブリプラットホームまたはハウジングへの流体経路コネクタ、薬剤コンテナ、駆動機構の取り付けを含む。上記に説明されたような電力及び制御システム、アクティブ化機構、及び制御アームを含む、薬剤送達デバイスの追加構成要素は、アセンブリプラットホームまたはハウジングに取り付けられ、事前に形成され、または事前に組み立てられ得る。接着パッチ及びパッチライナは、本デバイスの動作中に、患者に接触する薬剤送達デバイスのハウジング表面に取り付けられ得る。
薬剤送達デバイスを動作させる方法は、患者によってアクティブ化機構をアクティブ化するステップと、制御アームを変位させ挿入機構を作動させるステップと、電源及び制御システムを作動させ、駆動制御機構をアクティブ化させ、薬剤送達デバイスを通るように流体薬剤流動を活発にするステップとを含み得る。本方法は、さらに、アクティブ化機構をアクティブ化させる前に、随意的体上センサに係合するステップを含み得る。本方法は、同様に、流体経路コネクタと薬剤コンテナとの間の接続を確立するステップを含み得る。さらに、本動作方法は、駆動制御機構及び薬剤コンテナ内部にプランジャ密閉部を並進させ、患者の体への流体薬剤の送達のために、薬剤コンテナ、流体経路コネクタ、滅菌流体導管、及び挿入機構を通るように流体薬剤流動を押勢することを含み得る。
XI.多機能駆動機構を伴う薬剤送達デバイス
薬剤送達デバイス8000の別の実施形態は、図69A~図73Dに示される。図1~図68に関連して説明された薬剤送達デバイスと関連付けられる、様々な態様、構成要素、機構、アセンブリ、製造方法、及び使用方法は、薬剤送達デバイス8000と関連付けられる、様々な態様、構成要素、機構、アセンブリ、製造方法、及び使用方法に矛盾しない程度まで、薬剤送達デバイス8000に組み込まれ、及び/または適用され得る。さらに、薬剤送達デバイス8000は、患者への送達のために、ある量の流体(複数可)で充填されるコンテナ8050を含み得る。流体は、例えば、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、PCSK9(プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型)特異的抗体、スクレロスチン抗体、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)抗体等の上記に説明されたような薬剤のうちの1つ以上のものを含み得る。
本開示は、製剤原料送達の制御、該当する駆動機構での薬剤送達ポンプの制御、該当するデバイスを動作させる方法、及び該当するデバイスを組み立てる方法に関する多機能駆動機構を提供する。とりわけ、本開示の多機能駆動機構は、(i)抵抗を調量し、提供することによって、またはそうでなければ、薬剤コンテナの外に製剤原料を押勢するために利用されるプランジャ密閉部の自由な軸方向並進を防止することによって、薬剤送達の速度を制御することと、(ii)針挿入機構を始動し、患者への薬剤送達のために流体経路を提供することと、(iii)滅菌流体経路を薬剤コンテナに接続し、患者への送達のために薬剤コンテナから針挿入機構までの流体流動を可能にすることとを含む、いくつかの機能を可能にする、または開始する。従って、本開示の新規実施形態は、可変速度で製剤原料を送達することが可能である。下記により詳細に説明されるように、本開示の駆動機構は、電源及び制御システムによる制御等によって、事前に構成可能である、または動的に構成可能であり、所望の送達速度または送達特性を満たし得る。加えて、本開示の駆動機構は、薬剤デバイスの動作前、動作中、及び動作後に、フィードバックを患者に提供する統合型状態表示特徴を提供する。例えば、患者に、本システムが動作可能であり、薬物送達の準備ができていることを識別する最初のフィードバックが提供され得る。アクティブ化すると、本システムは、次に、1つ以上の薬物送達状態表示を患者に提供し得る。薬物送達の完了時、駆動機構及び薬剤送達デバイスは、投与終了表示を提供し得る。投与終了表示が、駆動機構の1つ以上の構成要素の軸方向並進及び/または軸方向進行の物理的終了に達したピストンに関連するため、駆動機構及び薬剤送達デバイスは、真の投与終了表示を患者に提供する。これらの機構によって、薬剤投与量送達の確認を患者または投与者に正確に提供することができる。従って、本開示の新規デバイスは、上記に参照されたもの等の先行技術デバイスと関連付けられる1つ以上の問題を軽減する。
第1の実施形態では、本開示は、アクチュエータと、メインギヤを含むギヤアセンブと、駆動ハウジングと、薬剤コンテナ(キャップ、貫通可能密閉部(目視不可)、バレル、及びプランジャ密閉部を有する)とを提供する。メインギヤは、例えば、複数のセカンダリギヤまたはギヤ表面に接触するように配置されるスターギヤであり得る。貫通可能密閉部とプランジャ密閉部との間のバレル内部に位置する薬剤チャンバは、挿入機構及び薬剤送達デバイスを通って患者の体内への送達のために薬剤流体を含有し得る。1つ以上の付勢部材が最初にエネルギー蓄積状態で保定され、ピストンの接触表面を圧迫するように構成される、ピストン及び1つ以上の付勢部材は、また、多機能駆動機構内に組み込まれ得る。ピストンは、プランジャ密閉部及びバレルを有する薬剤コンテナ内部で実質的に軸方向に並進するように構成されている。テザーは、一端においてピストンに接続され、別端において調節機構の巻上ドラム/ギヤに接続され、テザーは、付勢部材の最初のエネルギー蓄積状態からの付勢部材の自由伸長と、付勢部材が圧迫するピストンの自由な軸方向並進とを抑える。薬剤コンテナは、患者への送達のために、薬剤チャンバ内部に薬剤流体を含有し得る。随意に、カバースリーブは、駆動機構の動作中に視界からバレルの内部構成要素(すなわち、ピストン及び付勢部材)を隠すように、付勢部材とピストンの接触表面との間で利用され得る。テザーは、付勢部材の最初のエネルギー蓄積状態からの付勢部材の自由伸長と、付勢部材が圧迫するピストンの自由な軸方向並進とを調量するために、多機能駆動機構の調節機構の巻上ドラム/ギヤから解放されるように構成されている。
本開示の少なくとも1つの実施形態では、調節機構は、多機能駆動機構のアクチュエータによって駆動されるギヤアセンブリである。調節機構は、テザーの分散を遅らせる、またはそれを抑え、テザーが調節された速度または所望の速度で前進することだけを可能にする。これは、1つ以上の付勢部材によって押動されるバレル内部のピストンの移動を制限し、従って、プランジャ密閉部の移動及びチャンバ内に含有される薬剤の送達を制御する。プランジャ密閉部が薬剤コンテナ内で前進するとき、製剤原料は、薬剤送達のために、滅菌経路接続部、導管、挿入機構を通って、患者の体内に分注される。アクチュエータは、例えば、モータ(例えば、DCモータ、ACモータ、またはステッピングモータ)またはソレノイド(例えば、リニアソレノイド、回転ソレノイド)を含む、いくつかの動力源/運動源であり得る。特定の実施形態では、アクチュエータは、メインギヤ/スターギヤのギヤ歯に対応する切り欠きを伴う回転式ステッピングモータである。
調節機構は、さらに、ギヤアセンブの1つ以上のギヤを含み得る。1つ以上のギヤは、例えば、共有中心点において大径ギヤに取り付けられた小径ギヤを有する複合ギヤであり得る。ギヤアセンブは、テザーが解放可能に巻かれ得る巻上ドラム/ギヤに結合される巻上ギヤを含み得る。従って、アクチュエータによって開始されるギヤアセンブリの回転は、巻上ドラム/ギヤに連動され(すなわち、ギヤアセンブリによって)、それによって、テザーの分散と、付勢部材の伸長の速度及びピストンの軸方向並進の速度と、薬剤チャンバからの流体を押勢するバレル内部のプランジャ密閉部の移動速度とを制御し得る。本明細書に説明されるように、巻上ドラム/ギヤの回転運動、ひいては、ピストン及びプランジャ密閉部の軸方向並進は、調量され、抑えられ、またはそうでなければ調節要素の他の構成要素によって、自由な軸方向並進を防止する。とりわけ、本開示の調節機構は、薬剤チャンバからの液状物質の送達を活発にしない。薬剤チャンバからの液状物質の送達は、ピストン及びプランジャ密閉部に作用する付勢部材の最初のエネルギー蓄積状態からの付勢部材の伸長によってもたらされる。その代わりに、調節機構は、付勢部材の最初のエネルギー蓄積状態からの付勢部材の伸長によって押動されるとき、ピストン及びプランジャ密閉部の自由運動に対する抵抗を提供するように機能する。調節機構は、送達を活発にしないが、送達運動だけを制御する。テザーは、ピストン及びプランジャ密閉部の運動を制限またはそうでなければ抑えるが、送達のための力を印加しない。
抵抗を調量し、提供することによって、またはそうでなければ、薬剤コンテナの外に製剤原料を押勢するために利用されるプランジャ密閉部の自由な軸方向並進を防止することによって(それによって、可変速度及び/または送達特性において製剤原料を送達する)、薬剤送達の速度を制御することに加えて、本開示の多機能駆動機構は、同時に、または連続的に、針挿入機構を始動し、患者への薬剤送達のために流体経路を提供するステップと、滅菌流体経路を薬剤コンテナに接続し、患者への送達のために薬剤コンテナから針挿入機構までの流体流動を可能にするステップと、を行い得る。少なくとも1つの実施形態では、多機能駆動機構のアクチュエータの最初の運動は、メインギヤ/スターギヤの回転をもたらす。一様式では、メインギヤ/スターギヤは、ギヤアセンブリによって、運動を調節機構に伝える。別の様式では、メインギヤ/スターギヤは、ギヤによって、運動を針挿入機構に伝える。上記に詳細に説明されたように、ギヤがメインギヤ/スターギヤによって回転すると、ギヤが針挿入機構に係合し、患者内へ流体経路コネクタを起動させる。1つの特定の実施形態では、針挿入機構は、回転式針挿入機構である。従って、ギヤは、針挿入機構の対応するギヤ表面に係合するように構成されている。ギヤの回転は、駆動機構のギヤと針挿入機構の対応するギヤ表面との間のギヤ相互作用によって針挿入機構の回転をもたらす。本明細書に詳細に説明されるように、いったん針挿入機構の好適な回転が発生すると、針挿入機構は、患者内に流体経路コネクタをもたらすように起動し得る。
少なくとも1つの実施形態では、この様式の針挿入機構の回転は、また、患者への送達のために薬剤コンテナから針挿入機構までの流体流動を可能にする薬剤コンテナへの滅菌流体経路の接続をもたらし得る。針挿入機構の傾斜面を滅菌流体経路コネクタの移動可能接続ハブに圧迫させる。針挿入機構が多機能駆動機構によって回転すると、針挿入機構の傾斜面は、滅菌流体経路コネクタの移動可能接続ハブを圧迫し、それを並進させ、その中での流体接続を容易にする。少なくとも1つの実施形態では、上記に説明されたように、針挿入機構は、特定の回転度だけ針/トロカールが後退することを可能にするように構成され得る。加えて、または代替として、そのような針/トロカールの後退は、患者の活動に応じて、または薬剤送達デバイスの別の構成要素の運動もしくは機能に応じて、発生するように構成され得る。少なくとも1つの実施形態では、本明細書に説明されるように、針/トロカールの後退は、例えば、調節機構及び/または1つ以上の状態読取装置によって始動されるように、薬剤送達終了に応じて発生するように構成され得る。
また別の実施形態では、駆動機構は、1つ以上の対応する状態トリガを読み取りまたは認識するように構成されている状態読取装置を含み得る。状態トリガはテザー上で徐々に大きくなるように離間され得、駆動機構の動作中、状態読取装置と状態トリガとの間に相互作用は、信号を電源及び制御システムに伝達し、フィードバックを患者に提供する。状態読取装置は光学式状態読取装置であり得、対応する状態トリガは光学式状態トリガであり、電気機械式状態読取装置及び対応する状態トリガは電気機械式状態トリガであり、または機械式状態読取装置及び対応する状態トリガは機械式状態トリガである。
さらなる実施形態では、本開示は、薬剤送達ポンプに薬剤送達の制御を提供する。薬剤送達ポンプは、ハウジング及びアセンブリプラットホームを有し、それらの上には、アクティブ化機構、挿入機構、流体経路コネクタ、電源及び制御システム、ならびに制御式送達駆動機構が搭載され得、当該駆動機構は、最初に、エネルギー蓄積状態で保定され、ピストンの接触表面を圧迫するように構成されている。ピストンは、プランジャ密閉部及びバレルを有する薬剤コンテナ内部で実質的に軸方向に並進するように構成されている。テザーは、一端においてピストンに接続され、別端において送達調節機構の巻上ドラム/ギヤに接続され、テザーは、付勢部材の最初のエネルギー蓄積状態からの付勢部材の自由伸長と、付勢部材が圧迫するピストンの自由な軸方向並進とを抑える。薬剤コンテナは、患者への送達のために、薬剤チャンバ内部に薬剤流体を含有し得る。随意に、カバースリーブは、駆動機構の動作中に視界からバレルの内部構成要素(すなわち、ピストン及び付勢部材)を隠すように、付勢部材とピストンの接触表面との間で利用され得る。テザーは、付勢部材の最初のエネルギー蓄積状態からの付勢部材の自由伸長と、付勢部材が圧迫するピストンの自由な軸方向並進とを調量するために、送達調節機構の巻上ドラム/ギヤから解放されるように構成されている。
別の実施形態では、薬剤送達デバイスは、さらに、ギヤアセンブを含む。ギヤアセンブリは、テザーが解放可能に巻かれ得る巻上ドラム/ギヤに接続される巻上ギヤを含み得、巻上ドラム/ギヤの回転は、付勢部材の最初のエネルギー蓄積状態からの付勢部材の自由伸長と、付勢部材が圧迫するピストンの自由な軸方向並進とを調量するために、テザーを巻上ドラム/ギヤから解放する。テザーの調量は、患者への薬剤送達の速度または特性を制御する。ピストンは、1つ以上の部分であり、テザーの遠位端に接続する。巻上ドラム/ギヤは、巻上ドラム/ギヤの回転を制御し、ひいては、ピストンの並進を調量する調節機構に結合される。
また別の実施形態では、薬剤送達デバイスは、1つ以上の対応する状態トリガを読み取りまたは認識するように構成されている状態読取装置を含み得る。状態トリガはテザー上で徐々に大きくなるように離間され得、駆動機構の動作中、状態読取装置と状態トリガとの間に相互作用は、信号を電源及び制御システムに伝達し、フィードバックを患者に提供する。状態読取装置は光学式状態読取装置であり得、対応する状態トリガは光学式状態トリガであり、電気機械式状態読取装置及び対応する状態トリガは電気機械式状態トリガであり、または機械式状態読取装置及び対応する状態トリガは機械式状態トリガである。
別の実施形態では、薬剤送達デバイスの電源及び制御システムは、1つ以上の入力を受信し、巻上ドラム/ギヤによるテザーの開放を調量し、それによって、付勢部材によるピストンの軸方向並進がバレル内部でプランジャ密閉部を並進させることを可能にするように構成されている。1つ以上の入力は、アクティブ化機構、制御インターフェース、及び/または遠隔制御機構の作動によって提供され得る。電源及び制御システムは、1つ以上の入力を受信し、付勢部材が所望の薬剤送達速度もしくは薬剤送達特性を満たすように圧迫するピストンの自由な軸方向並進でテザー及び巻上ドラム/ギヤによってもたらされる拘束力を調製し、患者への送達のための投与量を変更し、及び/またはそうでなければ駆動機構の動作を開始、停止、もしくは一時停止させるように構成され得る。
本開示の新規実施形態は、抵抗を調量し提供することが可能である、またはそうでなければ、薬剤コンテナの外に製剤原料を押勢するために利用されるプランジャ密閉部の自由な軸方向並進を防止し、それによって製剤原料の送達速度を制御することが可能である、駆動機構を提供する。新規の制御送達駆動機構は、加えて、本デバイスの動作前、動作中、及び動作後に、薬剤送達の増加的状態を提供することが可能である。本明細書の全体を通して、特段指示がない限り、「comprise(備える)」、「comprises(備える)」、及び「comprising(備える)」または「includes(含む)」もしくは「consists of(から成る)」等の関連語は、排他的ではなく、むしろ包含的に使用され、これにより、提示された整数または一群の整数は、1つ以上の他の提示されていない整数または一群の整数を含み得る。下記にさらに説明されるように、本開示の実施形態は、医療デバイスの業界で標準構成要素と見なされる場合がある1つ以上の追加構成要素を含み得る。例えば、本実施形態は、本開示のモータ、駆動機構、及び薬剤送達デバイスに電力供給するために利用される1つ以上の電池を含み得る。本構成要素及びそのような構成要素を含有する実施形態は、本開示の想到の範囲内にあり、本開示の範疇及び範囲内に収まるものとして理解されたい。
本開示は、製剤原料の送達の制御のための多機能駆動機構と、そのような多機能駆動機構を組み込む薬剤送達ポンプとを提供する。本開示の多機能駆動機構は、(i)抵抗を調量し、提供することによって、またはそうでなければ、薬剤コンテナの外に製剤原料を押勢するために利用されるプランジャ密閉部の自由な軸方向並進を防止することによって、薬剤送達の速度を制御することと、(ii)針挿入機構を始動し、患者への薬剤送達のために流体経路を提供することと、(iii)滅菌流体経路を薬剤コンテナに接続し、患者への送達のために薬剤コンテナから針挿入機構までの流体流動を可能にすることとを含む、いくつかの機能を可能にする、または開始する。本開示の駆動機構は、抵抗を調量し、提供することによって、またはそうでなければ、薬剤コンテナの外に製剤原料を押勢するために利用されるプランジャ密閉部の自由な軸方向並進を防止することによって薬剤送達の速度を制御し、従って、可変速度及び/または送達特性において製剤原料を送達することが可能である。加えて、本開示の駆動機構は、薬剤デバイスの動作前、動作中、及び動作後に、フィードバックを患者に提供する統合型状態表示特徴を提供する。例えば、患者に、本システムが動作可能であり、薬物送達の準備ができていることを識別する最初のフィードバックが提供され得る。アクティブ化すると、本システムは、次に、1つ以上の薬物送達状態表示を患者に提供し得る。薬物送達の完了時、駆動機構及び薬剤送達デバイスは、投与終了表示を提供し得る。
本開示の新規デバイスは、統合型状態表示を伴う駆動機構と、そのような駆動機構を組み込む薬剤送達ポンプとを提供する。そのようなデバイスは、安全で使用しやすく、美学的または人間工学的に、自己投与を行う患者には魅力的である。本明細書に説明されるデバイスは、訓練されていない患者でさえにも、本デバイスのアクティブ化、動作、及びロックアウトを容易にする特徴を組み込んでいる。本開示の新規デバイスは、既知の先行技術デバイスと関連付けられるいずれの問題もなく、この望ましい特徴を提供する。新規の薬剤送達デバイス、駆動機構、及びその各々の構成要素のある非限定実施形態は、ここでは、付随の図面を参照して説明される。
図1A~1Cは、上部ハウジングが、内部構成が可視であるように除去されている本開示の少なくとも1つの実施形態による、例示的薬剤送達デバイスを示す。薬剤送達デバイスは、薬剤治療物の送達を患者の体内に投与するために利用され得る。図69A~図69Cに示されるように、薬剤送達デバイス8000は、ポンプハウジング8012を含む。ポンプハウジング8012は、1つ以上のハウジング補助構成要素を含み得、それらのハウジング補助構成要素は、薬剤送達デバイスの製造、組立、動作をより容易にするように係合可能に固定されている。例えば、薬剤送達デバイス8000は、上側ハウジング及び下側ハウジング(内部構成要素を視認することを容易にするために図示されない)を含み得るポンプハウジング8012を含む。薬剤送達デバイスは、さらに、アクティブ化機構、状態インジケータ、及び窓を含み得る。窓は、薬剤送達デバイスの動作が視認され得る任意の半透明または透過性表面であり得る。図69Bに示されるように、薬剤送達デバイス8000は、さらに、アセンブリプラットホーム8020と、滅菌流体導管8030と、薬剤コンテナ8050を有する駆動機構8100と、挿入機構8200と、流体経路コネクタ8300と、電力及び制御システム(図示されない)とを含む。そのような薬剤送達デバイスの1つ以上の構成要素は、例えば、別個の構成要素として事前に組み立てられ、製造中に、薬剤送達デバイス8000のアセンブリプラットホーム8020上の位置に構成され得る点において、モジュールになり得る。
ポンプハウジング8012は、全てのデバイス構成要素を含有し、デバイス8000を患者の皮膚に取り外し可能に取り付ける手段を提供する。ポンプハウジング8012は、また、環境の影響に対するデバイス8000の内部構成要素への保護を提供する。ポンプハウジング8012は、より容易なパッケージ、保管、取り扱い、ならびに訓練されていない及び/または身体に障害があり得る患者による使用を容易にするようなサイズ、形状、及び関連特徴で、人間工学的及び美学的に設計されている。さらに、ポンプハウジング8012の外側表面は、製品ラベル付、安全命令等を提供するために利用され得る。加えて、上記に説明されたように、ハウジング8012は、動作フィードバックを患者に提供し得る1つ以上の状態インジケータ及び窓の等のある構成要素を含み得る。
少なくとも1つの実施形態では、薬剤送達デバイス8000は、開始コマンドを電力及び制御システムにトリガするために、患者によって変位するアクティブ化機構を提供する。好ましい実施形態では、アクティブ化機構は、ポンプハウジング8012を通るように(上側ハウジングと下側ハウジングとの間の開口等を通るように)位置する開始ボタンであり、開始ボタンは、電力及び制御システムに直接的または間接的に接触する。少なくとも1つの実施形態では、開始ボタンは押しボタンであり得、他の実施形態では、オン/オフスイッチ、トグルスイッチ、または、当技術分野で既知である任意の同様のアクティブ化特徴であり得る。ポンプハウジング8012は、また、1つ以上の状態インジケータ及び窓を提供する。他の実施形態では、アクティブ化機構、状態インジケータ、窓、及びそれらの組み合わせのうちの1つ以上は、上側ハウジングまたは下側ハウジング上に提供され得る(例えば、薬剤送達デバイス8000が患者の体上に置かれるときに患者に可視である側に提供され得る)。ハウジング8012は、本開示の他の構成要素及び実施形態を参照して、下文にさらに詳細に説明される。
薬剤送達デバイス8000は、アクティブ化機構の押し下げによって患者によりアクティブ化すると、多機能駆動機構が、流体経路を患者内に挿入することと、薬剤コンテナと流体経路と滅菌流体導管との間に必要な接続部を可能、接続、または開放することと、患者内に送達するための流体経路及び流体導管を通して、薬剤コンテナ内に保管される薬剤流体を押勢することとを作動するように構成され得る。少なくとも1つの実施形態では、患者内への薬剤流体のそのような送達は、制御様式で多機能駆動機構によって行われる。1つ以上の随意的安全機構は、例えば、薬剤送達デバイスの時期尚早のアクティブ化を防止するために利用され得る。例えば、一実施形態では、随意的体上センサ(目視不可)は、電力及び制御システムまたはアクティブ化機構が、薬剤送達デバイス8000が患者の体と接触しない場合に係合することができないことを確実するために、安全特徴として提供され得る。そのような1つの実施形態では、体上センサは、患者の体と接触し得る下側ハウジングの底面上に位置する。体上センサが変位すると、アクティブ化機構の押し下げは可能になる。従って、少なくとも1つの実施形態では、体上センサは、アクティブ化機構による薬剤送達デバイス8000の始動を防止する機械的安全機構(例えば、機械的ロックアウト等)である。別の実施形態では、体上センサは、アクティブ化を可能にする電力及び制御システムに信号を送信する機械ロックアウト等の電気機械センサであり得る。さらに他の実施形態では、体上センサは、例えば、電力及び制御システムのアクティブ化を可能にする前に組織を検出する必要がある容量性ベースのセンサまたはインピーダンスベースのセンサ等の電気ベースのセンサであり得る。少なくとも1つの実施形態では、そのような電気ベースの体上センサは、約1MΩ(例えば、±10%の精度)のインピーダンスを伴う抵抗器を組み込み得る。これらの概念は、相互に排他的ではなく、1つ以上の組み合わせは、例えば、薬剤送達デバイスの時期尚早のアクティブ化を防止するために本開示の範疇内で利用され得る。好ましい実施形態では、薬剤送達デバイス8000は、1つ以上の機械体上センサを利用する。追加の統合型安全機構は、新規の薬剤送達デバイスの他の構成要素を参照して、本明細書に説明される。
XI.A.電力及び制御システム
電力及び制御システムは、薬剤送達デバイス内部の様々な電気構成要素にエネルギーを提供する電源と、1つ以上のフィードバック機構と、マイクロコントローラと、回路基板と、1つ以上の導電性パッドと、1つ以上の相互接続部とを含み得る。また、当業者によって認識されるであろうように、そのような電気システム内で通常使用される他の構成要素を含み得る。1つ以上のフィードバック機構は、例えば、圧電アラーム等の可聴アラーム及び/または発光ダイオード(LED)等の光インジケータを含み得る。マイクロコントローラは、例えば、マイクロプロセッサであり得る。電力及び制御システムは、患者とのいくつかのデバイス相互作用を制御し、駆動機構8100とインターフェースをとる。一実施形態では、電源及び制御システムは、直接的または間接的にのどちらかで、体上センサ24とインターフェースをとり、本デバイスが患者及び/またはアクティブ化機構と接触する時間を識別し、本デバイスがアクティブ化する時間を識別する。電力及び制御システムは、また、光伝送を可能にする透過性または半透明材料であり得るポンプハウジング8012の状態インジケータとインターフェースをとり、視覚フィードバックを患者に提供し得る。電力及び制御システムは、1つ以上の相互接続部を経由して駆動機構8100とインターフェースをとり、アクティブ化、薬剤送達、及び投与終了等の状態表示を患者に中継する。そのような状態表示は、可聴アラーム等による聴覚トーンを用いて、及び/またはLED等による可視インジケータを用いて、患者に提示され得る。好ましい実施形態では、電力及び制御システムと、薬剤送達デバイスの他の構成要素との間の制御インターフェースは、患者によってアクティブ化するまで係合されない、または接続されない。これは、薬剤送達デバイスの予期しない動作を防止する望ましい安全特徴であり、加えて、保管、輸送等の間、電源内に含有されるエネルギーを維持し得る。
電力及び制御システムは、いくつかの異なる状態インジケータを患者に提供するように構成され得る。例えば、電力及び制御システムは、体上センサ及び/または留め金機構が押圧された後、電力及び制御システムは、デバイス起動確認がエラーを提供しない場合、状態インジケータを介して起動準備状態信号を提供するように構成され得る。起動準備状態信号を提供した後に、かつ随意的体上センサを用いた実施形態では、体上センサが患者の体と接触したままである場合、電力及び制御システムは、駆動機構8100に電力供給し、流体経路コネクタ8300及び滅菌流体導管8030を通した薬剤治療物の送達を始める(図示されない)。
加えて、電源及び制御システムは、そのパッケージからの薬剤送達デバイスの取り外しを識別するように構成され得る。電源及び制御システムは、パッケージに機械的に、電子的に、または電気機械的に接続され得、それにより、パッケージからの薬剤送達デバイスの取り外しが、使用するために電源及び制御システムをアクティブ化し、またはそれを電源投入し、または電源及び制御システムを患者によって電源投入することを可能にし得る。そのような実施形態は、パッケージから薬剤送達デバイスを取り外さないで、薬剤送達デバイスをアクティブ化することができない。これは、患者のために薬剤送達デバイスの追加安全機構を提供する。少なくとも1つの実施形態では、薬剤送達デバイスまたは電源及び制御システムは、パッケージに機械的に、電子的に、または電気機械的に接続され得、例えば、ホール効果センサ;巨大磁気抵抗(GMR)センサまたは磁場センサ;光学センサ;容量変化式センサまたは静電容量変化式センサ;超音波センサ;線形進行センサ、LVDTセンサ、線形抵抗センサ、または放射線形抵抗センサ;及びそれらを組み合わせたものの色々なセンサのうちの1つ以上の相互作用センサ等によって接続され、これらのセンサは、構成要素間の場所を識別するために、構成要素間に信号を伝達するように連係することが可能である。加えて、または代替として、薬剤送達デバイスまたは電源及び制御システムは、ピンが取り外されるときに(すなわち、いったん薬剤送達デバイスがパッケージから取り外されるときに)本システムをアクティブ化するピンとスロットとの関係等によって、パッケージに機械的に接続され得る。
本開示の好ましい実施形態では、いったん電源及び制御システムがアクティブ化すると、電源及び制御システムは、また薬剤流体を薬剤コンテナから押勢することを可能にしながら、挿入機構8200及び流体経路コネクタ8300を作動させるために開始される。薬剤送達プロセス中、電力及び制御システムは、状態インジケータを介して分注状態信号を提供するように構成されている。薬剤が患者の体内に投与された後、かつ任意の追加のドウェル時間の終了後、実質的に全用量が患者に送達されたことを確実にするために、電力及び制御システムは、状態インジケータを介して取り外しOK状態信号を提供し得る。これは、ポンプハウジング8012の窓を通して、駆動機構及び薬剤投与量送達を視認することによって患者により単独で検証され得る。加えて、電力及び制御システムは、例えば、故障または動作障害状況を示す警告等の状態インジケータを介して1つ以上の警告信号を提供するように構成され得る。
電源及び制御システムは、加えて、患者からの様々な入力を受け、駆動機構8100を動的に制御し、所望の薬剤送達速度または薬剤送達特性を満たすように構成され得る。例えば、電源及び制御システムは、アクティブ化機構の部分的または完全なアクティブ化、押し下げ、及び/または解放等から入力を受信し、電源及び制御システムを用いて駆動機構8100の制御を設定、開始、停止、またはそうでなければ調整し、所望の薬剤送達速度もしくは薬剤送達特性を満たし得る。同様に、電源及び制御システムは、そのような入力を受信し薬剤投与量を調整し、駆動機構、流体経路コネクタ、及び流体導管を準備し、及び/または駆動機構8100の動作を開始、停止、または一時停止するように構成され得る。そのような入力は、アクティブ化機構8014もしくは異なる制御インターフェース等の使用によって、薬剤送達デバイス8000に直接的に作用する患者によって受信され得、または電源及び制御システムは、そのような入力を遠隔制御デバイスから受信するように構成され得る。加えて、または代替として、そのような入力は、事前にプログラムされ得る。
他の電源構成及び制御システム構成は、本開示の新規の薬剤送達デバイスで利用され得る。例えば、薬剤送達中に、あるアクティブ化の遅延を利用し得る。上記に言及されたように、システム構成内に随意に含まれるそのような1つの遅延は、患者に完了の信号を送る前に実質的に全部の薬剤投与量が送達されることを確実にするドウェル時間である。同様に、デバイスのアクティブ化は、薬剤送達デバイスのアクティブ化より前に、薬剤送達デバイス8000のアクティブ化機構の押し下げ(すなわち、押動)の遅延を必要とし得る。加えて、本システムは、患者が投与終了信号に応答することと、薬剤送達デバイスを非アクティブ化または電源遮断することとを可能にする特徴を含み得る。そのような特徴は、同様に、本デバイスの予期しない非アクティブ化を防止するために、アクティブ化機構の押し下げの遅延を必要とし得る。そのような特徴は、望ましい安全統合及び使い易いパラメータを薬剤送達デバイスに提供する。追加の安全特徴は、アクティブ化機構に統合され、部分的な押動、ひいては、薬剤送達デバイスの部分的アクティブ化を防止し得る。例えば、アクティブ化機構及び/または電源及び制御システムは、部分的アクティブ化を防止するために、本デバイスが完全にオフまたは完全にオンのどちらかになるように構成され得る。そのような特徴は、新規の薬剤送達デバイスの他の態様に関して、下文にさらに詳細に説明される。
XI.B.挿入機構
いくつかの挿入機構は、本開示の薬剤送達デバイス内部で利用され得る。本開示のポンプ式送達デバイスは、例えば、任意の好適な中空管を通る、患者に流体連通して接続され得る。固形穴針は、患者の皮膚を刺し、中空カニューレを適切な送達位置に留置するために使用され得、固形穴針は、患者への薬剤送達の前に、取り外され、または後退される。上記に述べたように、流体は、限定ではないが、自動挿入針、カニューレ、極微針配置、または輸液セット管を含む、任意の手段によって、体内に導入されることができる。いくつかの機構は、また、患者内への針挿入をアクティブ化するために採用され得る。例えば、ばね等の付勢部材は、針及びカニューレを患者の皮膚に刺させる十分な力を提供するために採用され得る。同じばね、追加ばね、または別の同様の機構は、針を患者から後退させるために利用され得る。好ましい実施形態では、挿入機構は、概して、国際特許出願第PCT/US2012/53174号(全ての目的のためにその全体において参照により本明細書に含まれる)に説明されるようなものであり得る。そのような構成は、患者への痛みを最小にする様式で、患者の皮膚(または筋肉)内に、またはその下方に、薬剤送達経路の挿入のために利用され得る。本開示によって説明されるように、剛性針挿入機構及び/または回転式針挿入機構を含む、流体経路の挿入の他の既知の方法を利用する場合があり、本開示の範囲内で想到される。
少なくとも1つの実施形態では、(図69B及び図69Cに示されるように)挿入機構8200は、1つ以上のロックアウト窓を有する挿入機構ハウジングと、アセンブリプラットホーム及び/またはポンプハウジングに接続するための基部とを含む。アセンブリプラットホーム8020への基部の接続は、例えば、基部の底面が、患者の体への基部の直接接触を可能にするように、アセンブリプラットホーム内の孔を貫通することが可能になり得る。そのような構成では、基部の底面は、薬剤送達デバイス8000の使用前に取り外し可能である密閉膜を含み得る。挿入機構は、さらに、1つ以上の挿入付勢部材、針、後退付勢部材、カニューレ、及びマニホールドを含み得る。マニホールドは滅菌流体導管8030に接続し、薬剤送達中に、マニホールド、カニューレを通って、及び患者の体内への流体流動を可能にし得る。
本明細書に示されるような「針」は、限定ではないが、剛性中空鋼鉄針等の従来式中空針と、より一般に「トロカール」という称される固体コア針とを含む、種々の針を指すことが意図される。好ましい実施形態では、針は27ゲージ固体コアトロカールであり、他の実施形態では、針は、薬剤の種類及び意図される薬剤投与(例えば、皮下、筋肉内、皮内等)に関して、カニューレを挿入するのに好適な任意のサイズの針であり得る。滅菌ブーツは、針挿入機構内部で利用され得る。滅菌ブーツは、近位端においてマニホールドと、遠位端において基部と固定係合する折り畳み可能な滅菌膜である。少なくとも1つの実施形態では、滅菌ブーツは、基部と挿入機構ハウジングとの間で遠位端に固定係合して維持される。下記にさらに説明されるように、基部は、針及びカニューレが挿入機構の動作中に貫通し得る基部開口部を含む。カニューレ及び針の滅菌性が、挿入機構の滅菌部内部でそれらの最初の位置付けによって維持される。具体的には、上記に説明されたように、針及びカニューレは、マニホールドヘッダ及び滅菌ブーツの滅菌環境に維持される。その上、基部の基部開口部は、例えば、密閉膜(目視不可)等によって、非滅菌環境から閉鎖され得る。
本開示の少なくとも1つの実施形態によると、挿入機構は最初に、挿入機構ハウジングのロックアウト窓内部に最初に位置付けられるロックアウトピン(複数可)によって、使用準備完了段階にロックされる。この最初の構成では、挿入付勢部材及び後退付勢部材はそれぞれ、それらの圧縮されているエネルギー蓄積状態で保定される。引っ張り、押動、摺動、及び/または回転等の1つ以上の方法によるロックアウトピン(複数可)の変位は、挿入付勢部材がその最初の圧縮されているエネルギー蓄積状態から展開することを可能にする。挿入付勢部材のこの展開は、針を駆動し、随意に、患者の体内にカニューレを駆動する。(多機能駆動機構によって始動されるような)挿入段階の終了時または薬剤送達の終了時に、後退付勢部材は、その最初のエネルギー蓄積状態から近位方向に伸長することを可能にする。後退付勢部材の近位方向のこの軸方向伸長は、針を後退させる。挿入針/トロカール構成が利用される場合、患者の体と流体連通しているカニューレを維持しながら、針の後退が発生し得る。従って、挿入機構は、針及びカニューレを患者内に挿入し、続いて、患者の体への薬剤送達のために、適切な位置にカニューレを保定しながら針を後退させるために使用され得る。
XI.C.流体経路コネクタ
いくつかの流体経路コネクタは、本開示の実施形態の内部で利用され得る。概して、好適な流体経路コネクタは、滅菌流体導管と、貫通部材と、薬剤コンテナに取り付けられる滅菌スリーブまたは薬剤コンテナ内部に統合される摺動貫通可能密閉部とを含む。流体経路コネクタは、さらに、1つ以上の流量制限器を含み得る。デバイス8000が適切にアクティブ化すると、流体経路コネクタ8300は、滅菌流体導管8030を駆動機構8100の薬剤コンテナに接続するように可能になる。そのような接続は、針の貫通部材によって容易にされ、駆動機構8100の薬剤コンテナの貫通可能密閉部を貫通させ得る。この接続の滅菌性は、可撓性滅菌スリーブ内部で接続を行うことによって、維持され得る。挿入機構を実質的に同時にアクティブ化すると、薬剤コンテナと挿入機構との間の流体経路は、患者の体内に薬物送達を可能にするように完全になる。そのような1つの実施形態では、流体経路コネクタは、国際特許出願第PCT/US2012/054861号(全ての目的のためにその全体において参照により本明細書に含まれる)に説明されるようなものと実質的に同様であり得る。そのような実施形態では、圧縮可能な滅菌スリーブは、薬剤コンテナのキャップと流体経路の接続ハブとの間に固定して取り付けられ得る。貫通部材は、流体経路コネクタと薬剤コンテナとの間の接続が所望されるまで、滅菌スリーブ内部に存在し得る。滅菌スリーブは、アクティブ化前に、貫通部材及び流体経路の滅菌性を確実にするために滅菌され得る。
代替として、流体経路コネクタは、例えば、国際特許出願第PCT/US2013/030478号または第PCT/US2014/052329号(全ての目的のためにそれらの全体において参照により本明細書に含まれる)に説明されるように、薬剤コンテナ内に統合され得る。そのような実施形態によると、薬剤コンテナは、貫通可能密閉部とプランジャ密閉部との間のバレル内部の薬剤チャンバを有し得る。薬剤流体は、薬剤チャンバ内に含有される。患者によって本デバイスをアクティブ化すると、駆動機構は、薬剤コンテナ内に含有されるプランジャ密閉部に力を付与する。プランジャ密閉部が薬剤流体及び任意の空隙/ガスギャップまたは気泡に力を付与するとき、組み合わせられた空気圧及び水圧は、空隙/ガスギャップ及び薬剤流体の圧縮によって増大し、その力は、摺動プランジャ密閉部に中継される。貫通可能密閉部をキャップに向かって摺動させ、統合型滅菌流体経路コネクタ内部に保定される貫通部材によって、その貫通可能密閉部を貫通させる。従って、統合型滅菌流体経路コネクタは、駆動機構のアクティブ化によってもたらされる薬剤コンテナ内部の空隙/ガスギャップ及び薬剤流体の組み合わせられた空気圧/水圧によって接続される(すなわち、流体経路が開放される)。いったん統合型滅菌流体経路コネクタが接続または開放されると、薬剤流体は、薬物送達のために、薬剤コンテナから、統合型滅菌流体経路コネクタ、滅菌流体導管、及び挿入機構を通って、及び患者の体内へ流体することを可能になる。少なくとも1つの実施形態では、流体は、挿入機構のマニホールド及びカニューレ及び/または針だけを通って流動し、それによって、薬剤送達前に、及び薬剤送達中に、流体経路の滅菌性を維持する。
好ましい実施形態では、滅菌流体経路コネクタは、針挿入機構の移動によって起動され、その針挿入機構は、多機能駆動機構によって起動する。加えて、または代替として、滅菌流体経路コネクタは、多機能駆動機構の移動によって直接起動する。例えば、多機能駆動機構は、本明細書に詳細に説明されるスターギヤ等の回転ギヤ(同時に、または連続的に作用する)を含み、薬剤送達の速度を制御し、針挿入機構を作動させ、及び/または滅菌流体経路コネクタを起動させ得る。図69A~図69Cに示される代替実施形態では、多機能駆動機構は、これらのステップの全てを実質的に同時に行う。多機能駆動機構は、いくつかの他の構成要素に作用するギヤを回転させる。ギヤは、また針挿入機構に接触し流体経路を患者内に導入しながら、薬剤送達の速度を制御するようにギヤアセンブリに作用する。針挿入機構が起動すると、滅菌流体接続は、多機能駆動機構のギヤ及びギヤアセンブリは薬剤送達の速度を制御するために、患者内への送達のために、薬剤コンテナから流体導管を通って針挿入機構内への薬剤流体流動を可能にされる。
薬剤送達デバイスによって利用される流体経路コネクタに関わらず、薬剤送達デバイスは、異なる粘度及び量を伴う色々な薬剤を送達することが可能である。薬剤送達デバイスは、制御流量(速度)における及び/または規定量の薬剤を送達することが可能である。一実施形態では、薬剤送達プロセスは、流体経路コネクタ及び/または滅菌流体導管内部で1つ以上の流量制限器によって制限される。他の実施形態では、他の流量は、流体流路もしくは送達導管の形状を変え、駆動機構の構成要素が薬剤コンテナ内に前進しその中で薬剤を分注する速度を変えることによって、またはそれらの組み合わせによって提供され得る。流体経路コネクタ8300及び滅菌流体導管8030についてのまたさらなる詳細は、他の実施形態を参照して後のセクションにおいて下文に提供される。
XI.D.多機能駆動機構
本開示の多機能駆動機構は、(i)抵抗を調量し、提供することによって、またはそうでなければ、薬剤コンテナの外に製剤原料を押勢するために利用されるプランジャ密閉部の自由な軸方向並進を防止することによって、薬剤送達の速度を制御することと、(ii)針挿入機構を始動し、患者への薬剤送達のために流体経路を提供することと、(iii)滅菌流体経路を薬剤コンテナに接続し、患者への送達のために薬剤コンテナから針挿入機構までの流体流動を可能にすることとを含む、いくつかの機能を可能にする、または開始する。図70A~図70D及び図71A~図71Dに示される実施形態を参照すると、多機能駆動機構8100は、アクチュエータ8101と、メインギヤ8102を含むギヤアセンブリ8110と、駆動ハウジング8130と、薬剤コンテナ8050(キャップ8052、貫通可能密閉部(目視不可)、バレル8058、及びプランジャ密閉部8060を有する)とを含む。メインギヤ8102は、例えば、複数のセカンダリギヤまたはギヤ表面に接触するように配置されるスターギヤであり得る。貫通可能密閉部とプランジャ密閉部8060との間のバレル8058内部に位置する薬剤チャンバ8021は、挿入機構及び薬剤送達デバイスを通って患者の体内への送達のために薬剤流体を含有し得る。本明細書に説明される密閉部は、いくつかの材料から成り得るが、好ましい実施形態では、1つ以上のエラストマーまたはゴムから成る。本明細書にさらに説明されるように、駆動機構8100は、さらに、1つ以上の駆動付勢部材と、1つ以上の解放機構と、1つ以上のガイドとを含有し得る。駆動機構の構成要素は、患者の体内への流体経路コネクタ、滅菌流体導管、及び挿入機構を通る送達のために、薬剤コンテナから、貫通可能密閉部を通して外に、または好ましくは流体経路コネクタの貫通部材を通して、流体を押勢するように機能する。
1つの特定の実施形態では、駆動機構8100は、付勢部材(複数可)として1つ以上の圧縮ばねを採用する。患者によって薬剤送達デバイスをアクティブ化すると、電源及び制御システムは、エネルギー蓄積状態から圧縮ばね(複数可)を直接的または間接的に解放するように作動し得る。解放すると、圧縮ばね(複数可)は、プランジャ密閉部を圧迫し、それに作用し、流体薬剤を薬剤コンテナから外に押勢し得る。圧縮ばねは、ピストンを圧迫し、それに作用し得、そのピストンは、順に、プランジャ密閉部に作用し、薬剤流体を薬剤コンテナから外に押勢する。流体経路コネクタは、薬物送達のために、薬剤コンテナから、流体経路コネクタ、滅菌流体導管、及び挿入機構を通って、かつ患者の体内への流体流動を可能にするために、駆動機構のアクティブ化と同時に、またはその後に、貫通可能密閉部を通って接続され得る。少なくとも1つの実施形態では、流体は、挿入機構のマニホールド及びカニューレだけを通って流動し、それによって、薬剤送達前に、及び薬剤送達中に、流体経路の滅菌性を維持する。そのような構成要素及びその機能は、本明細書にさらに詳細に説明される。
ここで、図70A~図70D及び図71A~図71Dに示される多機能駆動機構の実施形態を参照して、多機能駆動機構8100は、アクチュエータ8101と、メインギヤ8102を含むギヤアセンブリ8110と、駆動ハウジング8130と、薬剤コンテナ8050(キャップ8052、貫通可能密閉部(目視不可)、バレル8058、及びプランジャ密閉部8060を有する)とを含む。メインギヤ8102は、例えば、複数のセカンダリギヤまたはギヤ表面に接触するように配置されるスターギヤであり得る。貫通可能密閉部とプランジャ密閉部8060との間のバレル8058内部に位置する薬剤チャンバ8021は、挿入機構及び薬剤送達デバイスを通って患者の体内への送達のために薬剤流体を含有し得る。本明細書にさらに説明されるように、駆動付勢部材8122及びピストン8110の1つ以上のものは、薬剤コンテナ8050とハウジング8130の近位端との間で、駆動ハウジング8130内部で圧縮され、駆動付勢部材8122は、ピストン8110の接触表面8110Cを圧迫するように構成されている。随意に、カバースリーブ(図示されない)は、駆動付勢部材8122とピストン8110の接触表面8110Cとの間で利用され、例えば、駆動付勢部材8122からピストン8110までの力のより均一な分散を促進し、駆動付勢部材8122のよじれを防止し、及び/または患者の視界から付勢部材8122を隠し得る。ピストン8110の接触表面8110Cは、密閉部8060の近位端に実質的に隣接するように、またはそれと接触するように載せられる。図70A~図70D及び図71A~図71Dに示される実施形態が単一の付勢部材を示すが、また、並列に作用するように配置される1つ以上の付勢部材が使用され得ることが想到される。
図70D及び図71Dに最良に示されるように、ピストン8110は2つの構成要素8110A及び8110Bから成り、プランジャ密閉部に接触する接触表面8110Cを有し得る。テザー、リボン、ひも、または他の保定ストラップ(本明細書では「テザー」8525と称される)は、一端において、ピストン8110A、8110Bに接続され得る。例えば、テザー8525は、組立時、2つの構成要素8110Aと8110Bとの間に保定されることによってピストン8110A、8110Bに接続され得る。テザー8525は、別端において、送達制御機構8500の巻上ドラム/ギヤ8520に接続される。テザー8525の一端に接続される巻上ドラム/ギヤ8520と、別端においてピストン8110A、8110Bに接続されるテザー8525との使用によって、調節機構8500は、抵抗を制御、調量、提供し、またはそうでなければ薬剤コンテナ8050の外に製剤原料を押勢するために利用されるピストン8110A、8110B及びプランジャ密閉部8060の自由な軸方向並進を防止するように機能する。従って、調節機構8500は、患者への薬剤送達の速度または特性を制御するように一緒に機能する多機能駆動機構のギヤアセンブリ8116の態様の一部である。
図70A~図70D及び図71A~図71Dに示され、かつ図72及び図73A~図73Bから分離して示されるように、本開示の実施形態では、調節機構8500は、多機能駆動機構8100のアクチュエータ8101によって駆動されるギヤアセンブリである。調節機構は、テザー8525の分散を遅らせる、またはそれを抑え、テザーが調節された速度または所望の速度で前進することだけを可能にする。これは、1つ以上の付勢部材8122によって押動されるバレル8058内部のピストン8110の移動を制限し、従って、プランジャ密閉部8060の移動及びチャンバ8021内に含有される薬剤の送達を制御する。プランジャ密閉部8060が薬剤コンテナ8050内で前進するとき、製剤原料は、薬剤送達のために、滅菌経路接続部8300、導管8030、挿入機構8200を通って、かつ患者の体内に分注される。アクチュエータ8101は、例えば、ソレノイド、ステッピングモータ、または回転駆動モータを含む、いくつかの動力源/運動源であり得る。特定の実施形態では、アクチュエータ8101は、メインギヤ/スターギヤ8102のギヤ歯に対応する切り欠きを伴う回転式ステッピングモータである。一般に、そのような回転式ステッピングモータは、「パックマン」モータとして称され得る。少なくとも1つの実施形態では、パックマンモータは、メインギヤの1つ以上の歯が部分的に本システムの動作中に存在し得るギヤインターフェースを有する。これは、図73A-73Bにより明確に可視である。パックマンモータ8101のギヤインターフェース8101Aがメインギヤ8102の歯8102Aに整列するとき、パックマンモータ8101の回転運動は、メインギヤ8102のギヤインターフェースの回転をもたらす。パックマンモータ8101がメインギヤのギヤ歯の間にあるとき、例えば、ギヤアセンブリ8116の逆回転または巻き戻りに対する抵抗として作用し得る。ギヤアセンブリ8116、調節機構8500、及び多機能駆動機構8100についてのさらなる詳細は、本明細書に提供される。
図73A~図73Bに示される特定の実施形態では、調節要素8500は、さらに、ギヤアセンブリ8516の1つ以上のギヤ8511、8512、8513、8514を含む。1つ以上のギヤ8511、8512、8513、8514は、例えば、共有中心点において大径ギヤに取り付けられた小径ギヤを有する複合ギヤであり得る。ギヤ8513は、例えば、キー付きシャフトによって巻上ドラム/ギヤ8520に回転可能に結合され、それによって、ギヤアセンブリ8516の回転を巻上ドラム/ギヤ8520に連動させ得る。複合ギヤ8512は小径ギヤ8513に係合し、その状態では、複合ギヤ面8512Bの回転運動は、ギヤ8513へのギヤの係合によって(対応するギヤ歯の係合によって)伝えられる。ギヤ面8512Bの回転に連動する複合ギヤ面8512Aは、メインギヤ/スターギヤ8102の複合ギヤ面8102Bの作用によって回転させられる。メインギヤ/スターギヤ8102の回転に連動する複合ギヤ面8102Bは、メインギヤ/スターギヤ8102Aとアクチュエータ8101の接触面8101Aとの間の相互作用によって回転させられる。従って、メインギヤ/スターギヤ8102の回転は、巻上ドラム/ギヤ8520に伝えられる。従って、アクチュエータ8101によって開始されるギヤアセンブリ8516の回転は、巻上ドラム/ギヤ8520に連動され(すなわち、ギヤアセンブリ8516によって)、それによって、テザー8525の分散と、薬剤チャンバ8021からの流体を押勢するバレル8058内部のプランジャ密閉部8060の移動速度とを制御し得る。本明細書に説明されるように、巻上ドラム/ギヤ8520の回転運動、ひいては、ピストン8110及びプランジャ密閉部8060の軸方向並進は、調量され、抑えられ、またはそうでなければ調節要素8500の他の構成要素によって、自由な軸方向並進を防止する。上記に説明されたように、アクチュエータ8101は、例えば、モータ(例えば、DCモータ、ACモータ、またはステッピングモータ)またはソレノイド(例えば、リニアソレノイド、回転ソレノイド)を含む、いくつかの既知の動力源/運動源であり得る。
とりわけ、本開示の調節機構8500は、薬剤チャンバ8021からの液状物質の送達を活発にしない。薬剤チャンバ8021からの液状物質の送達は、ピストン8110A、8110B及びプランジャ密閉部8060に作用する付勢部材8122の最初のエネルギー蓄積状態からの付勢部材8122の伸長によってもたらされる。その代わりに、調節機構8500は、付勢部材8122の最初のエネルギー蓄積状態からの付勢部材8122の伸長によって押動されるとき、ピストン8110A、8110B及びプランジャ密閉部8060の自由運動に対する抵抗を提供するように機能する。調節機構8500は、送達を活発にしないが、送達運動だけを制御する。テザーは、ピストン8110及びプランジャ密閉部8060の運動を制限またはそうでなければ抑えるが、送達のための力を印加しない。好ましい実施形態によると、本開示の制御式送達駆動機構及び薬剤送達デバイスは、付勢部材8122によって軸方向に並進するように駆動されている、ピストン8110A、8110B及びプランジャ密閉部8060の軸方向並進を調量するテザーに間接的または直接的に接続される調節機構を含む。調節機構によって制御されるような薬剤送達の速度は、メインギヤ/スターギヤ8102の回転速度を制御するために、電気機械アクチュエータ8101または当業者に任意の他の方法を使用する、ギヤアセンブリ8516のギヤ速度の選択と、メインギヤ/スターギヤ8102の選択と、巻線ドラム/ギヤ8520の直径の選択とによって判定され得る。電気機械アクチュエータ8101を使用することによって、メインギヤ/スターギヤ8102の回転速度に関して、可変投与速度(すなわち、治療中、薬剤送達の速度が変動する)を提供するように薬剤送達デバイスを構成することが可能であり得る。
別の実施形態では、薬剤送達デバイスの電源及び制御システムは、1つ以上の入力を受信し、巻上ドラム/ギヤ8520によるテザー8525の解放を調量し、それによって、付勢部材8122によるピストン8110の軸方向並進がバレル8058内部でプランジャ密閉部8060を並進させることを可能にするように構成されている。1つ以上の入力は、アクティブ化機構、制御インターフェース、及び/または遠隔制御機構の作動によって提供され得る。電源及び制御システムは、1つ以上の入力を受信し、付勢部材8122が所望の薬剤送達速度もしくは薬剤送達特性を満たすように圧迫するピストン8110の自由な軸方向並進でテザー8525及び巻上ドラム/ギヤ8520によってもたらされる拘束力を調節し、患者への送達のための投与量を変更し、及び/またはそうでなければ駆動機構の動作を開始、停止、もしくは一時停止させるように構成され得る。
駆動機構8100の構成要素は、アクティブ化すると、薬剤コンテナ8050のプランジャ密閉部8060の遠位方向に軸方向並進を駆動させるために使用され得る。随意に、駆動機構8100は、1つ以上のコンプライアンス特徴を含み得、それらの柔軟特徴は、プランジャ密閉部8060の追加の軸方向並進を可能にし、例えば実質的に全部の薬剤投与量を患者に送達していることを確実にする。例えば、プランジャ密閉部8060自体は、薬剤コンテナからの薬剤流体のコンプライアンスプッシュを可能にするいくつかの圧縮性を有し得る。
本開示の新規の制御式駆動機構は、随意に、状態表示を薬剤投与量送達に統合し得る。1つ以上の状態トリガ及び対応する状態読取装置の使用によって、動作前、動作中、及び動作後の駆動機構の状態は、電源及び制御システムに中継され、フィードバックを患者に提供することができる。そのようなフィードバックは、上記に説明されたように、触覚、聴覚、及び/または視覚であり得、2つ以上の信号または種類のフィードバックが本デバイスの使用中に患者に提供されるように非常に豊富であり得る。例えば、患者に、本システムが動作可能であり、薬物送達の準備ができていることを識別する最初のフィードバックが提供され得る。アクティブ化すると、本システムは、次に、1つ以上の薬物送達状態表示を患者に提供し得る。薬物送達の完了時、駆動機構及び薬剤送達デバイスは、投与終了表示を提供し得る。投与終了表示がピストンの軸方向並進の終了に達したピストンに関係するとき、駆動機構及び薬剤送達デバイスは、真の投与終了表示を患者に提供する。
テザー8525は、状態読取装置に接触すること、または、それによって認識されることが可能である、電気接点、光マーキング、または電気機械式ピンもしくは凹部等の1つ以上の状態トリガを有し得る。少なくとも1つの実施形態では、いったん状態読取装置が、薬剤コンテナ8050のバレル8058内部でピストン8110A、8110B及びプランジャ8060の軸方向進行の終了時に状態読取装置に接触するであろうテザー8525上に位置付けられる最終の状態トリガに接触し、またはそれを認識すると、投与終了状態表示は患者に提供され得る。状態読取装置は、対応する電気接点に接触する電気スイッチ読取装置、対応する光マーキングを認識する光学式読取装置、または対応するピン、孔、テザー上の同様の面に接触するように構成されている機械式または電気機械式読取装置であり得る。状態トリガは、薬剤送達の開始及び終了に対応する位置で、及び薬剤送達中の所望の増分量で、読み取られる、または認識されるテザー8525に沿って位置付けられ得る。薬剤送達デバイスが作動し、薬剤送達が付勢部材8122の解放によって開始し、結果として生じる力がピストン8110A、8110B及びプランジャ密閉部8060に印加されるとき、患者への薬剤送達の速度または特性は、テザー8525を解放し、付勢部材8122の伸長とピストン8110A、8110B及びプランジャ密閉部8060の軸方向並進とを可能にする、調節機構8500、ギヤアセンブリ8516、及び巻上ドラム/ギヤ8520によって制御される。これが発生するとき、テザー8525の状態トリガは、状態読取装置によって接触または認識され、動作前、動作中、及び動作後の駆動機構の状態は、電源及び制御システムに中継され、フィードバックを患者に提供することができる。テザー8525に位置する状態トリガの数に応じて、増加的状態表示の頻度は、所望どおり変動し得る。上記に説明されたように、色々な状態読取装置は、本システムによって利用される状態トリガに応じて利用され得る。
好ましい実施形態では、状態読取装置は、張力をテザー8525に印加し得る。本システムが投与終了に達するとき、テザー8525は緩み、状態読取装置8544は、支点を中心に回転することが可能になる。この回転は、スイッチ等の電気スイッチまたは電気機械スイッチを動作させ、電源及び制御システムのテザー8525の信号を送り得る。加えて、ギヤアセンブリ8516のギヤ8511は、センサと一緒にエンコーダとして作用し得る。センサ/エンコーダの組み合わせは、ギヤアセンブリの回転のフィードバックを提供するために使用され、順に、テザー8525に緩みがないとき、ピストン8110の位置まで較正されることができる。一緒に、状態読取装置及びセンサ/エンコーダは、センサ/エンコーダによって計数されたような予測モータ回転数に達する前のテザー8525の緩みを観測することによって、位置に関するフィードバック、投与終了信号、及び閉塞等のエラー表示を提供し得る。
図70A~図70D及び図71A~図71Dを参照すると、抵抗を調量し、提供することによって、またはそうでなければ、薬剤コンテナの外に製剤原料を押勢するために利用されるプランジャ密閉部の自由な軸方向並進を防止することによって(それによって、可変速度及び/または送達特性において製剤原料を送達する)、薬剤送達の速度を制御することに加えて、本開示の多機能駆動機構は、同時に、または連続的に、針挿入機構を始動し、患者への薬剤送達のために流体経路を提供するステップと、滅菌流体経路を薬剤コンテナに接続し、患者への送達のために薬剤コンテナから針挿入機構までの流体流動を可能にするステップと、を行い得る。少なくとも1つの実施形態では、図70A~図70D及び図71A~図71Dに示されるように、多機能駆動機構8100のアクチュエータ8101の最初の運動は、メインギヤ/スターギヤ8102の回転をもたらす。メインギヤ/スターギヤ8102は、面8102A及び面8102Bを伴う複合ギヤとして示される(図72参照)。一様式では、メインギヤ/スターギヤ8102は、ギヤアセンブリ8516によって、運動を調節機構8500に伝える。別の様式では、メインギヤ/スターギヤ8102は、ギヤ8112によって、運動を針挿入機構8200に伝える。上記に詳細に説明されたように、ギヤ8112がメインギヤ/スターギヤ8102によって回転すると、ギヤ8112が針挿入機構8200に係合し、患者内へ流体経路コネクタを起動させる。1つの特定の実施形態では、針挿入機構8200は、回転式針挿入機構である。従って、ギヤ8112は、針挿入機構8200の対応するギヤ表面8208に係合するように構成されている。ギヤ8112の回転は、駆動機構8100のギヤ8112と針挿入機構8200の対応するギヤ表面8208との間のギヤ相互作用によって針挿入機構8200の回転をもたらす。本明細書に詳細に説明されるように、いったん針挿入機構8200の好適な回転(例えば、図70B~図70Cに示される軸「R」に沿った回転)が発生すると、針挿入機構は、患者内に流体経路コネクタをもたらすように起動し得る。
図70A~図70D及び図71A~図71Dに示されるように、この様式の針挿入機構の回転は、また、患者への送達のために薬剤コンテナから針挿入機構までの流体流動を可能にする薬剤コンテナへの滅菌流体経路の接続をもたらし得る。針挿入機構8200の傾斜面8222を滅菌流体経路コネクタ8300の移動可能接続ハブ322に圧迫させる。針挿入機構8200が多機能駆動機構8100によって回転すると、針挿入機構8200の傾斜面8222は、滅菌流体経路コネクタ8300の移動可能接続ハブ322を圧迫し、それを並進させ、その中での流体接続を容易にする。そのような並進は、図70B及び図71Bに示される、例えば、軸「C」に沿った白抜き矢印の方向に発生し得る。少なくとも1つの実施形態では、上記に説明されたように、針挿入機構8200は、回転軸「R」(図70B~図70Cに示される)を特定の回転度だけ針/トロカールが後退することを可能にするように構成され得る。加えて、または代替として、そのような針/トロカールの後退は、患者の活動に応じて、または薬剤送達デバイスの別の構成要素の運動もしくは機能に応じて、発生するように構成され得る。少なくとも1つの実施形態では、上記に説明されたように、針/トロカールの後退は、例えば、調節機構8500及び/または1つ以上の状態読取装置によって始動されるように、薬剤送達終了に応じて発生するように構成され得る。これらの動作の段階中、薬剤チャンバ8021からの液状物質の送達は、ピストン8110A、8110B及びプランジャ密閉部8060に作用する付勢部材8122の最初のエネルギー蓄積状態からの付勢部材8122の伸長によって開始、継続、及び/または完了し得る。上記に説明されたように、調節機構8500は、付勢部材8122の最初のエネルギー蓄積状態からの付勢部材8122の伸長によって押動されるとき、ピストン8110A、8110B及びプランジャ密閉部8060の自由運動に対する抵抗を提供するように機能する。調節機構8500は、送達を活発にしないが、送達運動だけを制御する。テザーは、ピストン8110及びプランジャ密閉部8060の運動を制限またはそうでなければ抑えるが、送達のための力を印加しない。これは、図70A~図70D及び図71A~図71Dに示される構成要素の推移を通して視認できる。図70A~図70D及び図71A~図71Dの変遷に示されるように、ピストン8110A、8110B及びプランジャ密閉部8060の運動(それらが付勢部材8122の最初のエネルギー蓄積状態からの付勢部材8122の伸長によって押動されるときの運動)は、近位位置または第1の位置「P」から遠位位置または第2の位置「D」まで、軸「A」に沿った実線矢印の方向に示される。
新規の駆動機構のさらなる態様は、図72及び図73A~図73Bを参照して説明される。図4は、多機能駆動機構の最初のロック段階中の、少なくとも第1の実施形態による多機能駆動機構の断面図を示す。最初に、テザー8525は、ピストン8110A、8110B内部において最初のエネルギー蓄積状態で付勢部材8122を保定し得る。直接的または間接的に、患者によって本デバイスをアクティブ化すると、多機能駆動機構8100は、付勢部材が力をピストン8110に、ひいてはテザー8525に付与することを可能にするように作動し得る。テザー8525の力は、トルクを巻線ドラム8520に付与し、これにより、ギヤアセンブリ8516及び調節機構8500に運動を始めさせる。図73Aに示されるように、ピストン8110及び付勢部材8122の両方は、最初に、プランジャ密閉部8060の後ろで圧縮されているエネルギー蓄積状態になる。付勢部材8122は、駆動ハウジング8130の内部特徴とピストン8110A、8110Bの接触表面8110Cとの間で、本デバイスがアクティブ化するまで、この状態で維持され得る。薬剤送達デバイス8000がアクティブ化し、駆動機構8100が動作するために始動するとき、駆動付勢部材8122は、遠位方向において軸方向に(すなわち、図70A~図70D及び図71A~図71Dの実線矢印の方向に)、伸長(すなわち、展開)することを可能にする。そのような伸長は、付勢部材8122に、接触表面8110C及びピストン8110に作用し、かつそれらを遠位に並進させ、それによって、プランジャ密閉部8060を遠位に並進させ、バレル8058の薬剤チャンバ8021の外に薬剤流体を押動する。少なくとも1つの実施形態では、いったん状態読取装置が、薬剤コンテナ8050のバレル8058内部でピストン8110A、8110B及びプランジャ8060の軸方向進行の終了に実質的に対応するテザー8525上に位置付けられる状態トリガに接触し、またはそれを認識すると、投与終了状態表示は患者に提供され得る。状態トリガは、ある容量測定に対応する増分量等の様々な増分量でテザー8525に沿って位置付けられ、増加的状態表示を患者に提供し得る。少なくとも1つの実施形態では、状態読取装置は、テザー上の対応する光学式状態トリガーを認識するように構成されている光学式状態読取装置である。当業者によって理解されるであろうように、そのような光学式状態トリガは、光学式状態読取装置から認識可能であるマーキングであり得る。別の実施形態では、状態読取装置は、テザー上の対応するピン、孔、同様の面に物理的に接触するように構成されている機械式または電気機械式読取装置である。電気接点は、同様に、対応する電気式状態読取装置に接触し、またはそうでなければ、それによって認識される状態インジケータとして、テザー上で利用され得る。状態トリガは、薬剤送達の開始及び終了に対応する位置で、及び薬剤送達中の所望の増分量で、読み取られる、または認識されるテザー8525に沿って位置付けられ得る。示されるように、テザー8525は、駆動機構ハウジング8130、付勢部材8122を通って、実質的に軸方向を通過し、ピストン8110A、8110Bに接続し、ピストン8110A、8110B及びそれらに隣接して存在するプランジャ密閉部8060の軸方向並進を制限する。
本開示の新規実施形態は、巻線ドラム8520の自由な回転運動、ひいては、制御式送達駆動機構8100の構成要素の軸方向並進を調量し、抑える、またはそうでなければ防止するために利用され得る。従って、調節機構8500は、駆動機構の運動だけを制御するが、薬剤送達のために力を印加しない。圧縮ばね等の1つ以上の追加付勢部材8122は、ピストン8110を駆動し、またはその駆動を補助するために利用され得る。例えば、圧縮ばねは、この目的のために、駆動ハウジング8130内部で利用され得る。調節機構8500は、そのような作用だけを制御、計量、調節する。本開示の制御式送達駆動機構及び/または薬剤送達デバイスは、加えて、コンプライアンスプッシュが、実質的に全ての製剤原料が薬剤チャンバ8021の外に押動されることを確実にすることを可能にし得る。プランジャ密閉部8060自体は、薬剤コンテナからの薬剤流体のコンプライアンスプッシュを可能にするいくつかの圧縮性を有し得る。例えば、急に飛び出るプランジャ密閉部(すなわち、最初の状態から変形可能であるプランジャ密閉部)が採用されるとき、プランジャ密閉部を、薬剤コンテナから薬剤流体のコンプライアンスプッシュを提供するために、変形させ、または「急に飛び出させ」得る。加えて、または代替として、電気機械状態スイッチ及び相互接続アセンブリは、電源及び制御システムに接触、接続し、またはそうでなければ、患者に投与終了の信号を送るために、電源及び制御システムへの伝達を可能にするために利用され得る。本構成は、さらに、患者への真の投与終了表示を可能にする。
少なくとも1つの実施形態では、増加的状態表示は、ギヤアセンブリ8516の1つ以上のギヤの回転運動を読み取る、または認識することによって、患者に提供され得る。ギヤアセンブリ8516が回転するとき、状態読取装置は、ギヤアセンブリ内の複数のギヤの1つの上に対応する1つ以上の状態トリガを読み取る、または認識し、可変速度制御式送達駆動機構の動作前、動作中、及び動作後の増加的状態表示を提供し得る。いくつかの状態読取装置が、本開示の実施形態の内部で利用され得る。例えば、駆動機構は、ギヤアセンブリの複数のギヤの1つのギヤ歯によって物理的に接触される機械式状態読取装置を利用し得る。状態読取装置が状態トリガ(複数可)によって接触するとき(この例示的実施形態では、状態トリガは複数のギヤの1つのギヤ歯(または、ギヤ上の孔、ピン、隆起、マーキング、電気接点等)であり得る)、状態読取装置は、ギヤの回転位置を測定し、患者への状態表示のために、信号を電源及び制御システムに伝達する。加えて、または代替として、駆動機構は、光学式状態読取装置を利用し得る。光学式状態読取装置は、例えば、運動を認識することが可能であり、及び信号を電源及び制御システムに伝達することが可能である、光線であり得る。例えば、駆動機構は、ギヤアセンブリの複数のギヤの1つのギヤ歯(または、ギヤ上の孔、ピン、隆起、マーキング、電気接点等)の運動を認識するように構成されている光学式状態読取装置を利用し得る。同様に、状態読取装置は、ギヤ上の電気接点を認識するように構成されている電気スイッチであり得る。これらの実施形態のいずれかでは、センサは、そのとき、信号を電源及び制御システムに中継し、フィードバックを患者に提供するために利用され得る。
当業者によって認識されるであろうように、光学式状態読取装置及び対応するトリガ、電気機械式状態読取装置及び対応する状態トリガ、及び/または機械式状態読取装置及び対応する状態トリガは全て、増加的状態表示を患者に提供するために本開示の実施形態によって利用され得る。本開示の駆動機構が図に示されるギヤアセンブリ及び調節機構を参照して説明されるが、色々な構成は、当業者によって容易に認識されるであろうように、本開示の実施形態の範囲内で容認可能であること、及び採用されることが可能である。従って、本開示の実施形態は、制御式送達駆動機構及び薬剤送達ポンプ内部で採用するためのそのような機構の例示的実施形態として提供される、本明細書に説明される具体的なギヤアセンブリ及び調節機構に限定されない。
制御式送達駆動機構8100、薬剤送達デバイス8000、または個々の構成要素のいずれかの組立及び/または製造は、当技術分野のいくつかの既知の材料及び手法を利用し得る。例えば、イソプロピルアルコール及びヘキサン等のいくつかの既知の洗浄液は、構成要素及び/または本デバイスを洗浄するために使用され得る。いくつかの既知の接着剤またはのりは、同様に、製造プロセスで採用され得る。加えて、既知のシリコーン表面処理流体及び/または潤滑流体ならびにシリコーン表面処理プロセス及び/または潤滑プロセスは、新規構成要素及び新規デバイスの製造中に採用され得る。さらに、既知の滅菌プロセスは、最終製品の滅菌性を確実にするために、1つ以上の製造段階または組立段階で採用され得る。
駆動機構は、いくつかの手法で組み立てられ得る。組立の一方法では、薬剤コンテナ8050は、最初に、組み立てられ、患者への送達のために、流体で充填され得る。薬剤コンテナ8050は、キャップ8052、貫通可能密閉部8056、バレル8058、及びプランジャ密閉部8060を含む。貫通可能密閉部8056は、バレル8058の遠位端において、キャップ8052とバレル8058との間に固定係合され得る。バレル8058は、バレル8058の近位端からのプランジャ密閉部8060の挿入前に開放近位端を通るように薬剤流体で充填され得る。随意的接続マウント854は、貫通可能密閉部8056の遠位端に搭載され得る。接続マウント854は、薬剤コンテナ8050のバレル8058への流体経路コネクタの貫通部材の挿入を誘導し得る。次に、薬剤コンテナ8050は、駆動ハウジング8130の遠位端に搭載され得る。
1つ以上の駆動付勢部材8122は、駆動ハウジング8130の遠位端に挿入され得る。随意に、カバースリーブ8140は、駆動ハウジング8130の遠位端に挿入され、実質的に付勢部材8122を覆い得る。ピストンは駆動ハウジング8130の遠位端に挿入され得、その状態では、そのピストンが付勢部材8122の軸方向貫通部内部に存在し、付勢部材8122が、付勢部材8122の遠位端にあるピストン8110A、8110Bのピストン接触表面8110Cに接触することが可能になる。随意的カバースリーブ8140は、付勢部材8122を包囲し、ピストン8110A、8110Bのピストン接触表面8110Cに接触するために利用され得る。ピストン8110A、8110B及び駆動付勢部材8122ならびに随意的カバースリーブ8140は、駆動ハウジング8130内で圧縮され得る。そのような組立は、その最初の圧縮されているエネルギー蓄積状態で、駆動付勢部材8122を位置付け、好ましくは、バレル8058の近位端内部でプランジャ密閉部8060の近位表面と接触するピストン接触表面8110Cを設置する。ピストン、ピストン付勢部材、接触スリーブ、及び随意的構成要素は、薬剤コンテナ8050の取り付け、または搭載より前に、駆動ハウジング8130内部で、圧縮され、作動準備状態にロックされ得る。テザー8525は、ピストン8110A、8110Bの近位端に事前に接続し、付勢部材8122及び駆動機構8130の軸上開口を通過し、次に、薬剤送達デバイスの内部を通るように巻かれ、テザー8525の他端が調節機構8500の巻上ドラム/ギヤ8520周囲に巻かれる。
流体経路コネクタ、具体的には、流体経路コネクタの滅菌スリーブは、薬剤コンテナのキャップ及び/または貫通可能密閉部に接続され得る。流体導管は、それ自体が挿入機構に接続される流体経路コネクタの他端に接続され得、その状態では、流体経路は、開放され、接続され、またはそうでなければ可能になると、患者の体内への薬剤送達のために、直接、薬剤コンテナ、流体経路コネクタ、流体導管、挿入機構から、及びカニューレを通って進行する。ここで、流体流動のための経路を構成する構成要素が組み立てられる。これらの構成要素は、図69Bに示されるように、多くの既知の方法によって滅菌され、次に、薬剤送達デバイスのアセンブリプラットホームまたはハウジングに、固定して、または取り外し可能のどちらかで搭載され得る。
駆動機構8100または薬剤送達デバイス8000のある随意的標準構成要素または変形例は、本開示の範疇及び範囲内に存在しながらの状況で想到される。例えば、本実施形態は、本開示のモータまたはソレノイド、駆動機構、及び薬剤送達デバイスに電力供給するために利用される1つ以上の電池を含み得る。当技術分野で既知の色々な電池は、この目的のために利用され得る。加えて、上側または下側ハウジングは随意に、1つ以上の透明または半透明の窓18を含有し、患者が、薬剤送達デバイス8000の動作を視認し、または薬剤投与が完了したことを検証することを可能にし得る。同様に、薬剤送達デバイス8000は、ハウジング8012の底表面に接着パッチ8026及びパッチライナ8028を含有し得る。接着パッチ8026は、薬剤投与量の送達のために、薬剤送達デバイス8000を患者の体に接着するために利用され得る。当業者によって容易に理解されるであろうように、接着パッチ8026は、患者の体への薬剤送達デバイスの接着のための接着表面を有し得る。接着パッチ8026の接着表面は、最初に、非接着パッチライナ8028によって覆われ得、非接着パッチライナ8028は、患者の体と接触する薬剤送達デバイス8000の設置前に、接着パッチ8026から取り外される。パッチライナ8028の取り外しは、さらに、(図69Cに示されるように)挿入機構8200の密閉膜254を取り外し、薬剤送達のために、患者の体に対して挿入機構を開放し得る。いくつかの実施形態では、パッチライナ8028の取り外しは、また、搭載電子機器(例えば、電力及び制御システム2400)に搭載電池から電気を供給することによって、その搭載電子機器を起動させ得る。
同様に、制御式駆動機構8100及び薬剤送達デバイス8000の1つ以上の構成要素は、本開示の範疇及び範囲内に機能的に存在している間に修正され得る。例えば、上記に説明されたように、薬剤送達デバイス8000のハウジングが、2つの別個の構成要素(上側ハウジング8012Aと下側ハウジング8012B)として示されるが、これらの構成要素は、単一の一体型構成要素であり得る。上記に検討されたように、のり、接着剤、または他の既知の材料もしくは方法は、制御式送達駆動機構及び/または薬剤送達デバイスのうちの1つ以上の構成要素を相互に添着するために利用され得る。代替として、制御式送達駆動機構及び/または薬剤送達デバイスの1つ以上の構成要素は、一体型構成要素であり得る。例えば、上側ハウジング及び下側ハウジングは、のりもしくは接着剤、ねじ嵌合接続、締まりばめ、溶融接合、溶接、超音波溶接等によって一緒に添着される別個の構成要素であり得、または上側ハウジング及び下側ハウジングは、単一の一体型構成要素であり得る。そのような標準構成要素及び機能的変形例は、当業者によって認識されるであろうため、本開示の範疇及び範囲内にある。
本明細書に開示される制御式送達駆動機構及び薬剤送達デバイスが、薬剤コンテナからの自動薬剤送達用の効率的及び容易に動作するシステムを提供することを上記の説明から認識されるであろう。本明細書に説明される新規実施形態は、製剤原料の送達の制御のための駆動機構と、そのような制御式駆動機構を組み込む薬剤送達ポンプとを提供する。本開示の駆動機構は、抵抗を調量し、提供することによって、またはそうでなければ、薬剤コンテナの外に製剤原料を押勢するために利用されるプランジャ密閉部の自由な軸方向並進を防止することによって薬剤送達の速度を制御し、従って、可変速度及び/または送達特性において製剤原料を送達することが可能である。加えて、本開示の駆動機構は、薬剤送達の前、最中、及び後に、フィードバックを患者に提供する統合型状態表示特徴を提供し得る。例えば、患者に、本システムが動作可能であり、薬物送達の準備ができていることを識別する最初のフィードバックが提供され得る。アクティブ化すると、本システムは、次に、1つ以上の薬物送達状態表示を患者に提供し得る。薬物送達の完了時、駆動機構及び薬剤送達デバイスは、投与終了表示を提供し得る。本開示の新規の制御式送達駆動機構は、患者によって、直接的または間接的にアクティブ化され得る。さらに、本開示の制御式駆動機構及び薬剤送達デバイスの新規構成は、保管中、輸送中、及び本デバイスの動作によって、流体経路の滅菌性を維持する。薬剤流体が本デバイス内部で進行する経路が全体的に滅菌状態に維持されるために、これらの構成要素だけ、製造プロセス中に滅菌される必要がある。そのような構成要素は、駆動機構の薬剤コンテナ、流体経路コネクタ、滅菌流体導管、及び挿入機構を含む。本開示の少なくとも1つの実施形態では、電源及び制御システム、アセンブリプラットホーム、制御アーム、アクティブ化機構、ハウジング、ならびに薬剤送達デバイスの他の構成要素は、滅菌される必要はない。これは、大きく、本デバイスの製造性を改善し、関連する組立費を減らす。従って、本開示のデバイスは、組立の完了時、最終滅菌を必要としない。
薬剤送達デバイスの製造は、制御式駆動機構及び薬剤コンテナの両方を、別個に、または組み合わされた構成要素としてのどちらかで、薬剤送達デバイスのアセンブリプラットホームまたはハウジングに取り付けるステップを含む。製造する方法は、さらに、アセンブリプラットホームまたはハウジングへの流体経路コネクタ、薬剤コンテナ、挿入機構の取り付けを含む。上記に説明されたような電力及び制御システム、アクティブ化機構、及び制御アームを含む、薬剤送達デバイスの追加構成要素は、アセンブリプラットホームまたはハウジングに取り付けられ、事前に形成され、または事前に組み立てられ得る。接着パッチ及びパッチライナは、本デバイスの動作中に、患者に接触する薬剤送達デバイスのハウジング表面に取り付けられ得る。
薬剤送達デバイスを動作させる方法は、患者によってアクティブ化機構をアクティブ化するステップと、制御アームを変位させ挿入機構を作動させるステップと、電源及び制御システムを作動させ、制御式駆動送達機構をアクティブ化させ、制御速度または薬剤送達特性に従って、薬剤送達デバイスを通るように流体薬剤流動を活発にするステップとを含む。本方法は、さらに、アクティブ化機構をアクティブ化させる前に、随意的体上センサに係合するステップを含み得る。本方法は、同様に、流体経路コネクタと薬剤コンテナとの間の接続を確立するステップを含み得る。さらに、本動作方法は、薬剤コンテナ内部のピストンに作用する付勢部材の伸長によって制御式送達駆動機構内部でプランジャ密閉部を並進させ、患者の体への流体薬剤の送達のために、薬剤コンテナ、流体経路コネクタ、滅菌流体導管、及び挿入機構を通るように流体薬剤流動を押勢することを含み得、テザーの分散を抑えるように作用する調節機構は、ピストンの自由な軸方向並進を調量するために利用される。駆動機構及び薬剤送達デバイスの動作の方法は、上記に説明されたように、図70A~図70D及び図71A~図71Dを参照してより良く認識され得る。
XII.温度制御システム
いくつかの薬剤に関して、温度は、患者への送達中、及び送達前の両方で、重要な検討事項である。生物学的製剤は、例えば、多くの場合、患者への送達前に、冷却または冷凍を必要とする。低温が薬剤の保存期間を長くすることに役立ち得るが、薬剤の粘性の増加をもたらす可能性がある。より粘性のある薬剤は、追加の注入力を注入及び/または要求するのに長時間かかり得る。さらに、低温薬剤を注入することは、一部の患者に不快であり、潜在的にさらに苦痛である可能性がある。従って、低温状態で保管されている薬剤は、通常、患者への送達前に、室温に近づくまで暖めることが可能である。この暖気期間は、30分以上かかる可能性があり、患者に不便である可能性があり、その結果、患者の順守率に悪影響をもたらす。
本開示の薬剤送達デバイスは、本デバイス内部で薬剤の温度を監視及び/または制御するための温度制御システムを含むように構成されることができる。本開示の原理に従った温度制御システム11600を組み込む参照番号11010によって示される薬剤送達デバイスの一実施形態は、図77に示される。温度制御システム11600が薬剤送達デバイス11010の特定の要素及び特徴と併せて説明されるが、温度制御システム11600は、必要に応じて、限定ではないが、薬剤送達デバイス10、910、2010、6000、または8000のいずれか1つを含む、本明細書に開示される薬剤送達デバイスのいずれか1つで実施されることができる。薬剤送達デバイス11010の様々な要素は、薬剤送達デバイス10に関連して事前に説明されたものと構造的及び/または機能的に同様である。これらの要素は、2桁の接頭数字「11」が追加された事前に提供されたものと同様の割り当てられた参照番号であり、簡潔にするために、下記に詳細に説明されない。例えば、薬剤送達デバイス11010は、薬剤送達デバイス10の針挿入機構200の構造的及び/または機能的に少なくともいくつかの類似物を圧迫する針挿入機構11200を含む。しかしながら、温度制御システム11600が薬剤送達デバイス10の要素と併せて使用されることに限定されず、必要に応じて、本明細書に開示される薬剤送達デバイスのいずれか1つで実装されることができることを留意されたい。
図77を参照すると、薬剤送達デバイス11600は、開始ボタン11014、薬剤コンテナ11050、駆動機構11100、針挿入機構11200、流体経路コネクタ11300、電源及び制御システム11400、及び電源及び制御システム11600を含み得る。薬剤コンテナ11050は、バレル11058と、バレル11058を通るように移動可能であり、かつバレル11058から薬剤を放出する、プランジャ密閉部11060と、バレル11058の内部へのアクセスを制御するプランジャ密閉部(図示せず)とを含み得る。駆動機構11100は、駆動ハウジング11130と、駆動ハウジング11130に対して移動可能であり、運動をプランジャ密閉部11060に付与するように構成されている、ピストン11110と、駆動ハウジング11130とピストン11110との間に配置されるピストン付勢部材11106とを含み得る。流体経路コネクタ11300は、コンテナ11050と挿入機構11200との間に滅菌流体流路を画定し得る。流体経路コネクタ11300は、接続ハブ11310と、接続ハブ11310と挿入機構11200との間に流体連通を提供する管状導管11030と、貫通可能密閉部を貫通し、薬剤送達中にバレル11058と管状導管11030との間に流体連通を確立するように構成されている、貫通部材(図示せず)とを含み得る。
管状導管11030は、第1の可撓管11032と、第2の可撓管11034と、第1の可撓管11032と第2の可撓管11034との間に接続され、流体連通を提供する剛体管11036とを含み得る。第1の可撓管11032は、接続ハブ11310を剛体管11036の近位端11037と流体接続させ得、第2の可撓管11034は、針挿入機構11200を剛体管11036の遠位端11038と流体接続させ得る。第1の可撓管11032及び第2の可撓管11034は、それぞれ、剛体管11036を構成するために使用される材料よりも可撓性がある材料で作られ得る。少なくとも1つの実施形態では、第1の可撓管11032及び第2の可撓管11034はポリマー材料で作成され、剛体管11036が金属で作成される。下記に説明されるように、剛体管11036を構成するために使用される金属は、比較的高熱伝導性を保有し得、それにより、送達中、加熱素子から剛体管11036を通って流動する薬剤に伝送することができる。
剛体管11036の内径は、第1の可撓管11032及び/または第2の可撓管11034の内径よりも小さい場合がある。従って、剛体管11036は、薬剤送達の流量を減らし、及び/または調節する流量制限器として役割を果たし得る。剛体管11036は、標的流量に応じて、異なる内径を有する他の剛体管と交換され得る。さらに、流量制限器の含有は、駆動ばね等の他の起因する要素と結合するとき、広い設計空間を提供し得る。代替実施形態では、剛体管11036は、第1の可撓管11032及び/または第2の可撓管11034のものに等しい内径を有し得る。
また、図77を参照すると、温度制御システム11600は、加熱素子11602と、第1の温度センサ11604と、第2の温度センサ11606とを含み得る。示される実施形態では、加熱素子11602は、剛体管10036の外部の周囲に巻かれ、それに接触する導電性コイルを含む。加熱素子11602は、電源及び制御システム11400に電気的に接続され得、それにより、加熱素子11602は、制御様式で電源及び制御システム11400から電気が供給される。加熱素子11602を構成するために使用される材料のインピーダンスは、供給される電気の少なくとも一部を熱に変換させ得る。剛体管11036に対して加熱素子11602の近接度または接近度に起因して、加熱素子11602によって生成される熱は、剛体管11036を暖め、剛体管11036の熱伝導率に起因して、剛体管11036を通って流動薬剤を暖め得る。
加熱素子11602の含有は、薬剤送達デバイス11010が低温保管から外れている場合、事前送達電気期間の必要性がなくなり得る。さらに、加熱素子11602から薬剤までに熱伝送は比較的効率的であり得、これは、剛体管11036の長さ単位当たりの薬剤の体積は比較的小さいためである。従って、流量を減らすことなく、または流体経路の長さを増加させることなく、薬剤を標的温度まだ暖めることが可能であり得る。従って、送達期間を変えることなく、送達中に薬剤を加熱することが可能であり得る。さらに、加熱素子11602は、事前に存在する流体経路コネクタに対する修正が少ない、またはそれがない状態で設置され、それによって、製造費及び/または設計費を減らすことができる。
いくつかの実施形態では、加熱素子11602は、リアルタイムの薬剤温度測定値に基づいて動的に制御され、薬剤を所望の温度で患者に送達することを確実にし得る。図77に示されるように、第1の温度センサ11604は、剛体管11036の近位端11037に接続され得、その状態では、第1の温度センサ11604は、剛体管11036内に流動する薬剤の温度を測定することができる。第2の温度センサ11606は、剛体管11036の遠位端11038に接続され得、その状態では、第2の温度センサ11606は、剛体管11036から外に流動する薬剤の温度を測定することができる。いくつかの実施形態では、第1の温度センサ11604及び第2の温度センサ11606は、薬剤の温度を直接測定しない場合がある。むしろ、第1の温度センサ11604及び第2の温度センサ11606は、剛体管11036(または、薬剤に近接する薬剤送達デバイスの他の部分)の入口ポート及び出口ポートそれぞれの温度を測定し得る。これらの温度は、剛体管11036(または、薬剤に近接する薬剤送達デバイスの他の部分)を構成するために使用される材料の熱伝送特徴に基づいて、薬剤の温度を推定するために使用され得る。
第1の温度センサ11604及び第2の温度センサ11606は、それらの温度測定値を電源及び制御システム11400に出力し得、電源及び制御システム11400は、温度測定値を分析し、標的薬剤温度を達成するための加熱素子11602に供給される必要がある電気量を判定し得る。加えて、第1の温度センサ11604及び第2の温度センサ11606の温度測定値は、薬剤の流量を判定するために、熱希釈技術に従って、電源及び制御システム11400によって分析され得る。さらに、薬剤送達デバイスがピストン付勢部材(例えば、薬剤送達デバイス6000または8000と同種)の伸長を制御するモータ制御式調節機構を組み込む実施形態では、電源及び制御システム11400は、第1の温度センサ11604及び第2の温度センサ11606の出力に基づいてモータを制御し、薬剤が加熱素子11602によって十分に暖められない場合、流量を減らし得、その状態では、患者は、低温に起因する痛みを伴う注射を経験しないようになる。さらに、第1の温度センサ11604及び第2の温度センサ11606からの入力は、駆動機構11100がロックアウトし得る場合、薬剤が加熱素子11602によって加熱されている、従って、注射には好適ではないかどうかを判定するために使用され得る。追加温度センサは、例えば、保管中のコンテナ内の薬剤の温度を監視し、薬剤が適切な温度で保管されているかどうかを判定するために含まれ得る。そうではない場合、電源及び制御システム11400は本デバイスをロックアウトし、及び/または患者に薬剤が実行可能ではないことを警告し得る。
温度制御システム11600は、加えて、ユーザに薬剤温度を知らせるための、及び/または薬剤温度が注射に好適であるかどうかを知らせるための、温度計(例えば、光、音、グラフ表示等)を含み得る。
図77に示される管状導管の実施形態が2つの可撓管と、それらの間に接続される剛体管とを組み込んでいるが、代替実施形態は、管状導管が単一の一体型可撓管によって形成されるように、剛体管を含まない場合がある。そのような実施形態では、加熱素子11602は、単一の一体型可撓管の周囲に巻かれ得る。
一代替実施形態では、電源及び制御システム11400は、加熱素子11602として、または補助加熱素子として、役割を果たし得る。電源及び制御システム11400は、そのデータ処理機能を行いながら加熱する回路基板及び/または他の電子部品を含み得る。回路基板及び/または他の電子部品を管状導管11030に直接隣接して(例えば、管状導管11030の真上に)位置付けることによって、回路基板及び/または他の電子部品によって生成される熱は、薬剤が管状導管11030を通って流動するとき、薬剤を暖めるために使用され得、また、いくつかの実施形態では、電源及び制御システム11400によって生成される熱が薬剤を暖めることができない方が望ましい場合がある。そのような実施形態では、電源及び制御システム11400は、薬剤コンテナから離れたヒートシンク、流体経路コネクタ、及び/または挿入機構を含み得、これにより、ヒートシンクは、薬剤を含む薬剤送達デバイスの領域から離れて熱を取り出すことができる。
上記に説明された加熱素子11602が主に電気抵抗により熱を生成するが、加熱素子の他の実施形態は、限定ではないが、誘導、ペルチェ効果、及び/または化学反応を含む、他の手段によって熱を生成し得る。
さらに、温度制御システム11600の他の実施形態は、薬剤がコンテナ11050内に配置され、及び/または管状導管11030を通って流動する間に、薬剤の温度を下げるための冷却システム(図示せず)を含み得る。そのような冷却システムは、薬剤送達デバイスの外側から冷気を引き込み、及び/または薬剤送達デバイスの内側から暖気を吐き出すファンを採用し得る。代替として、または加えて、冷却システムは、薬剤の温度を下げるために以下の説明を採用し得る。熱電冷却素子は、ペルチェ効果及び/または化学反応を活用する。
XIII.皮膚への取り付け
本開示の薬剤送達デバイスは、薬剤を送達する間に、患者の体内組織(例えば、患者の皮膚)への一時的な取り付けのために構成され得る。薬剤送達デバイスは、患者の腹部、大腿部、腕部、または患者の身体の他の一部に取り付けられ得る。上記に説明されたように、接着パッチ(例えば、接着パッチ26)は、ハウジングの基部上に、または、それを覆うように配置され、薬剤送達デバイスを患者の体内組織に接着し得る。接着パッチの接着表面は、最初に、非接着パッチライナ(例えば、非接着パッチライナ28)によって覆われ得、非接着パッチライナは、患者の体内組織と接触する薬剤送達デバイスの設置前に、接着パッチ26から取り外される。
患者の体内組織から接着を解放すると、特に、患者の体内組織の大きい表面積に付着している場合、患者を不快にさせ得る。従って、接着剤と接触する体内組織の量を減らすために、薬剤送達デバイスの基部の限定された部だけが、接着剤で覆われ得る。図78A及び図78Bはそれぞれ、接着剤と接触する体内組織の量を減らすが、さらに、薬剤送達中に薬剤送達デバイスを患者の体内組織に固着する十分な接着剤を提供する、接着パッチ12000及び12100を示す。接着パッチ12000及び12100は、それぞれ、限定ではないが、薬剤送達デバイス10、910、2010、6000、または8000のいずれか1つを含む、本明細書に開示される薬剤送達デバイスのいずれか1つの基部に適用され得る。
図78Aは、接着パッチ12000が接着ドット12002のパターンと、それらの間に位置する非接着領域12004とを含むことを示す。示されたパターンは、対称的であり、円形接着ドット12002の等間隔の行列を含む。代替実施形態は、非対称的であり、及び/または非円形接着ドットを有し得る。接着パッチ12000は、薬剤送達デバイスに取り付けるための第1の側(図示せず)と、接着ドット12002のパターンを含む反対にある第2の側12006とを有する、基部12006を含む。代替実施形態では、基部12006は省略され得、接着ドット12002のパターンは薬剤送達デバイスの外部表面に直接塗布され得る。
接着ドットの代わりに、図78Bに示される接着パッチ12100が、複数の接着ストライプ12102と、それらの間に位置する非接着領域12104とを含む。接着ストライプ12102は、等間隔であり、接着パッチ12100を横断して縦方向に延在する。代替実施形態は、非線形(例えば、湾曲)接着ストリップを有し得、及び/または非線形接着ストリップは、接着パッチ12100を横断して縦方向に延在し得る。接着パッチ12100は、薬剤送達デバイスに取り付けるための第1の側(図示せず)と、接着ストライプ12102を含む反対にある第2の側12106とを有する、基部12106を含む。代替実施形態では、基部12106は省略され得、接着ストライプ12102のパターンは薬剤送達デバイスの外部表面に直接塗布され得る。非接着パッチライナ(例えば、非接着パッチライナ28)は、使用前に、接着パッチ12100及び12200のそれぞれの接着側を覆うために使用され得る。
図79は、非接着パッチライナ12300と、非接着パッチライナ12300によって覆われる接着パッチ(例えば、接着パッチ28、12100、または12200)とに剛性を付与するための補剛部材12310を含む、参照番号12300によって示される、非接着パッチライナの実施形態を示す。非接着パッチライナ12300の本体12312は、接着パッチと同延であり、薬剤送達デバイスの使用前に意図しない接着を防止し得る。補剛部材12310は、それぞれ、非接着パッチライナ12300の本体12312よりも大きい剛性がある材料(例えば、金属または硬化樹脂)で作成され得る。加えて、図79に示されるように、補剛部材12310のそれぞれは先細り形状を有し、補剛部材12310が本体12312の外側周辺端に近づくにつれて狭くなる幅を伴い得る。図79に示されるような薬剤送達デバイス12340の本体の外端を越えて延在し得る、接着パッチの外側周辺端に補剛部材12300によって付与される剛性は、接着パッチの外側周辺端が巻き上がりをあまり経験しない状態にする。従って、補剛部材12310は、接着パッチがその平面形状を保つことの手助けをし得、これにより、患者は、非接着パッチライナ12300を取り外すと、患者の体内組織に接するように同一平面に接着パッチを押圧することができる。
図79に示される非接着パッチライナの実施形態が非接着パッチライナの周縁の周囲の離散点に位置する補剛部材を含み、非接着パッチライナの他の実施形態は、非接着パッチライナの周縁の周囲に連続的に延在する補剛部材を含み得る。図80Aは、非接着パッチライナ12400、接着パッチ12500、及び薬剤送達デバイスの基部12600の分解組立図を示す。接着パッチ12500は、限定ではないが、接着パッチ28、12100、または12200のいずれか1つを含む、本明細書に開示される接着パッチの1つと同様であり得る。非接着パッチライナ12400は、(図80Bに示される組立図に見られるように)中心本体部12402と、中心本体部12402の周縁の周囲に位置付けられる輪状補剛部12404とを含み得る。中心本体部12402は、接着パッチ12500の中心部を覆い、接着パッチ12500の外側周辺端を露出した状態にし得る。輪状補剛部12404は、接着パッチ12500のこの露出した外側周辺端を覆うために使用され、それによって、それが巻き上がることを防止し得る。いくつかの実施形態では、輪状補剛部12404は、中心本体部12402の外側周辺端と、接着パッチ12500の外側周辺端と、接着パッチ12500を囲繞する薬剤送達デバイスの基部12600の一部とのそれぞれを覆い、それに接触し得る。そのような実施形態では、輪状補剛部12404の下面は、薬剤送達デバイスの基部12600と、中心本体部12402とに輪状補剛部12404を直接接着するための接着剤を含み得る。そのため、中心本体部12402を取り外すと(例えば、中心本体12402から延在するタブを引っ張ることによって)、輪状補剛部12404を、薬剤送達デバイスの基部12600と、接着パッチ12500とから係脱し得る。
上記の補剛部材が非接着パッチライナに取り付け、またはそれと統合的に形成され得るが、補剛部材の代替実施形態は、接着パッチに取り付け、またはそれと統合的に形成され得る。図81は、ハウジング12712と、ハウジング12712の下面に取り付けられる接着パッチ12726と、接着パッチ12726の下面に取り外し可能に取り付けられる非接着パッチライナ12728とを含む、薬剤送達デバイス12710(限定ではないが、薬剤送達デバイス10、910、2010、6000、または8000のいずれか1つを含む、本明細書に開示される薬剤送達デバイスのいずれか1つに対応し得る)を示す。
接着パッチ12726は、基部12730と、複数の補剛部材12732とを含み得る。基部12730は、ハウジング12712の下面に堅く取り付けられる上側表面12734と、皮膚接着剤で覆われる下側表面(図81に隠されている)とを有し得る。基部12730は、ハウジング12712よりも大きい設置面積を有し得、その状態では、基部12730の外側周縁部12736は、ハウジング12712の外縁を越えて囲いを形成する。
また、図81を参照すると、補剛部材17232は、基部12730の外側周縁部12736に形成され得る。示される実施形態では、補剛部材12732及び基部12730が単一の材料から作成される単一の一体型構造を形成するように、補剛部材12732及び基部12730は統合的に形成される。代替として、補剛部材12732は、基部12730と違う構造であり得る。図81に示されるように、補剛部材12732は、基部12730の周縁の周囲の別々の場所に位置する複数の等間隔のリブとして設計され得る。さらに、補剛部材12732は、基部12730の外側周縁部12736の上側表面12734から上向きに突出し得る。それにもかかわらず、補剛部材12732の高さは、補剛部材12732の上部がハウジング12712の底表面の下方に位置するようになり得る。
補剛部材12732は剛性を、接続パッチ12726を付与し得、これにより、接着パッチ12726はその略平面形状を保つことができる。従って、接着パッチ12726の周縁は、それ自体の上であまり折り畳まれることがなく、または、薬剤送達デバイス12710が患者の皮膚に塗布されているとき、もしくは非接着パッチライナ12728が取り外されているとき、巻き上がりをあまり経験しない。
図82を参照すると、少なくとも1つの実施形態では、非接着パッチライナ12728は、接着パッチ12726の下面の各々の部分を覆う、別個の第1の区部12740及び第2の区分12742から成り得る。第1の区部12740は、接着パッチ12726側から外向きに突出する第1のタブ12744を有し得、第2の区部12742は、接着パッチ12726の反対側から外向きに突出する第2のタブ12746を有し得る。図83A~図83Cを参照して下記に説明されるように、第1の区部12740及び第2の区分12742は、それぞれ、第1のタブ12744及び第2のタブ12746を引っ張ることによって別個に取り外され得る。
少なくとも1つの実施形態では、薬剤送達デバイス12710を患者の皮膚12750に取り付けるプロセスは、以下のステップを含有し得る。最初に、非接着パッチライナ12728は、患者の皮膚12750に接するように配置され得る。次に、図83Aに示されるように、ユーザまたは患者がハウジング12712の第1の端12752(第1のタブ12744の反対側にある)を下に押す間、第1のタブ12744は、非接着パッチライナ12728の第1の区分12740を接着パッチ12726から取り出すように、外向きに引っ張られ得る。続いて、図83Bに示されるように、ユーザまたは患者がハウジング12712の第2の端12754(第2のタブ12746の反対側にある)を下に押す間、第2のタブ12746は、非接着パッチライナ12728の第2の区分12742を接着パッチ12726から取り出すように、外向きに引っ張られ得る。図83Cに示されるように、これは、接着パッチ12726が患者の皮膚12750と同一平面になることをもたらす。
いくつかの実施形態では、図83A~図83Cに示されるもの等のように、第1のタブ12744は、非接着パッチライナ12728(それ自体の上で折り畳まれる)の第1の区分12740の一部によって形成され得る。より具体的には、第1の区分12740は、接着パッチ12726と接触する第1の端12760と、第1の端12760上で折り畳まれ、患者の皮膚12750に最初に接触するように構成されている第2の端12762とを有し得る。第2の端12762は、第1のタブ12744を含み得る。第1のタブ12744を外向きに引っ張ることによって、第1の区分12740の第1の端12760は、それが接着パッチ12726から離れて剥がれるように広がり得る。図83Aに示されるように、非接着パッチライナ12728の第1の区分12740のこの構成は、薬剤送達デバイス12710が患者の皮膚12750に接して押動されることにかかわらず、接着パッチ12726から第1の区分12740の取り外しを容易にし得る。
同様に、第2のタブ12746は、非接着パッチライナ12728(それ自体の上で折り畳まれる)の第2の区分12742の一部によって形成され得る。より具体的には、第2の区分12742は、接着パッチ12726と接触する第1の端12770と、第1の端12770上で折り畳まれ、患者の皮膚12750に最初に接触するように構成されている第2の端12772とを有し得る。第2の端12772は、第2のタブ12746を含み得る。第2のタブ12746を外向きに引っ張ることによって、第2の区分12746の第2の端12770は、それが接着パッチ12726から離れて剥がれるように広がり得る。第1の区分12740のように、図83Bに示されるように、非接着パッチライナ12728の第2の区分12742のこの構成は、薬剤送達デバイス12710が患者の皮膚12750に接して押動されることにかかわらず、接着パッチ12728から第2の区分12742の取り外しを容易にし得る。
患者の体内組織への本明細書に開示される薬剤送達デバイスの取り付けは、接着手段に限定されるわけではない。接着パッチの代わりに、または接着パッチの補完として、薬剤送達デバイスは、薬剤送達デバイスを患者の体内組織に一時的に取り付けるための空気圧システムを取り込み得る。そのような空気圧システムは、薬剤送達デバイスの基部から延在し、及び基部に接するように体内組織を引くような負の流圧を分散する少なくとも1つの圧力連通チャネルまたは開口を含み得る。薬剤送達デバイスを体内組織に一時的に取り付けるためのそのような接着システム及び/または空気圧システムの実施形態は、全ての目的のために以下の全体において参照により本明細書に含まれる「DRUG DELIVERY DEVICE WITH VACUUM ASSISTED SECUREMENT AND/OR FEEDBACK」と題する米国仮特許出願第62/117,420号に説明される。限定ではないが、薬剤送達デバイス10、910、2010、6000、または8000のいずれか1つを含む、本明細書に開示される薬剤送達デバイスのいずれも、米国仮特許出願第62/117,420号に説明されるような、薬剤送達デバイスを体内組織に一時的に取り付けるための接着システム及び/または空気圧システムの1つ以上の実施形態を組み込むように構成され得る。
さらに、またさらなる実施形態では、本明細書に開示される薬剤送達デバイスは、患者の柔らかい体内組織と、柔らかい体内組織の後方にある骨または他のより固い解剖学的構造との間で薬剤送達デバイスを挟着または押し込むような機構(例えば、ストラップ)を用いて、患者の柔らかい体内組織に一時的に取り付けられ得る。
XIV.接続態様
本開示の薬剤送達デバイスは、様々なデータ処理機能を含む、及び/または様々なデータ処理ネットワーク内で動作するように構成され得る。薬剤送達デバイスに関連するそのようなデータ機能及びネットワークの実施形態は、以下のそれぞれが全ての目的のために以下の全体において参照により本明細書によって組み込まれる、国際特許出願公開第WO/2015/187793号、国際特許出願公開第WO/2015/187797号、国際特許出願公開第WO/2015/187799号、国際特許出願公開第WO/2015/187802号、及び国際特許出願公開第WO/2015/187805号に開示される。限定ではないが、薬剤送達デバイス10、910、2010、6000、または8000のいずれか1つを含む、本明細書に開示される薬剤送達デバイスのいずれも、国際特許出願公開第WO/2015/187793号、国際特許出願公開第WO/2015/187797号、国際特許出願公開第WO/2015/187799号、国際特許出願公開第WO/2015/187802号、及び国際特許出願公開第WO/2015/187805号に開示される、1つ以上のデータ処理機能を組み込む、及び/または1つ以上のデータ処理ネットワーク内で動作するように構成され得る。
現在開示される薬剤送達デバイスと連通する現在開示される薬剤送達デバイスまたはデータ処理システムは、薬剤送達デバイスの1つ以上の状態を判定するように構成され得、その状態は、1つ以上の制御器と組み合わせた1つ以上のセンサの使用によって判定され得る。センサは、機械センシング機構、電気センシング機構、化学センシング機構であり、制御器は、機械式、電気式、及び/または電気機械式であり得る。例として、及び限定的ではなく、その状態は、薬剤送達デバイスの動作及び/また状況に関連し得る。薬剤送達デバイス、または薬剤送達デバイスと通信するデータ処理システムは、状態判定を使用し、薬剤送達デバイスの動作を制御し得、及び/または、薬剤送達デバイスから受信された状態判定を収集し、処理し、及び/もしくは広め得る第三者のサーバ等の他のデバイスに状態判定を通信させる場合がある。少なくとも1つの実施形態では、薬剤送達デバイスは、モバイルコンピューティングデバイス等(例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレット、ラップトップ等)の1つ以上のローカルコンピューティングデバイスに状態判定を通信させ得る。
少なくとも1つの実施形態では、本開示による薬剤送達デバイスは、ソーシャルサポートネットワークに、本デバイスまたは患者に関連するデータを通信させ得る。例えば、薬剤送達デバイスは、センサまたは他の手段で本デバイスの患者の使用を監視し、患者を、患者が治療計画(例えば、治療規制)に順守することを奨励することができるサポートグループにリンクさせ得る。このように、薬剤送達デバイスは、ソーシャルネットワークサービス(例えば、Facebook、Twitter等)の能力を活かし、患者が従いそうなアドバイスを行うサポートグループを識別し、それによって、患者の治療計画に患者が順守する可能性を増加させ得る。
図84は、(限定ではないが、薬剤送達デバイス10、910、2010、6000、または8000のいずれか1つを含む)本明細書に開示される他の薬剤送達デバイスのいずれにも対応する薬剤送達デバイス13100と通信するデータ処理ネットワーク13000の実施形態を示す。薬剤送達デバイス13100は、薬剤送達デバイス13100を使用し治療計画の一部として薬剤を注射し得る患者13102と関連付けられる。薬剤送達デバイス13100は、1つ以上の中間コンピューティングデバイス及び/または1つ以上のネットワークを介して、サーバ13104と通信し得る。順に、サーバ13104は、1つ以上の中間コンピューティングデバイス及び/または1つ以上のネットワークを介して、薬物送達デバイス13100、患者13102、及び1つ以上のコンピューティングデバイス、(それらの関係者)と通信し得る。また、図84に示されるように、サーバ13104は、例えば、4Gアンテナを使用して、装着型薬剤送達デバイス13100と直接的に及び/または無線で通信し得る。
また、図84を参照すると、薬剤送達デバイス13100は、第1の通信リンク13112を介してモバイルコンピューティングデバイス13110(例えば、スマートフォン)と通信するように、及び第2の通信リンク13116を介してコンピューティングデバイス13114(例えば、パソコンまたは専用ハブ)と通信するように、例示される。リンク13112及びリンク13116の両方は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信プロトコルに従って動作し得る。モバイルコンピューティングデバイス13110は、通信リンク13120を介してセルラーネットワーク13118と通信し得るが、コンピューティングデバイス13114は、通信リンク13124を介して有線ネットワーク13122(例えば、ローカルネットワークまたはワイドエリアネットワーク)と通信し得る。これらのネットワーク13118及び13122は、また、サーバ13104と通信し得る。
これらのネットワーク13118及び13122は、サーバ13104と患者13102と関連付けられる1人以上の関係者(患者の介護者13130、支援を与える人13132、及びヘルスケア提供者13134)との間の通信を、それらのモバイルコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン)を介して容易にし得る。サーバ13104は、また、患者13102と関連付けられる1人以上の追加の関係者と関連付けられる1つ以上のコンピューティングデバイス(例えば、サーバ)と通信し得る。例えば、ヘルスケアシステムサーバ13140、支払いサーバ13142、薬局サーバ13144、販売業者サーバ13146、及び行政機関サーバ13148は、ネットワーク13122を介してサーバ13104と通信するように示される。また、ネットワーク13118及び13122が相互に通信し得ることを認識されるであろう。
少なくとも1つの実施形態では、モバイルコンピューティングデバイス13110は、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)と、プロセッサによって実行されるコンピュータ実行可能命令を記憶するためのメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、不揮発性メモリ(ハードディスク、フラッシュメモリ、着脱式メモリ、非着脱式メモリ等))とを含み得る。いくつかの実施形態では、コンピュータ実行可能命令は、モバイルコンピューティングデバイス13110のメモリ内に記憶されるソフトウェアアプリケーション(例えば、また、一般に「モバイルアプリ」と称されるモバイルソフトウェアアプリケーション)内に含まれ得る。ソフトウェアアプリケーションは、インターネットへの接続を介して好適なアプリケーションストアからダウンロードされた実行可能パッケージインストールファイル等の1つ以上のダウンロードファイルとして、モバイルコンピューティングデバイス13110にインストールされ得る。パッケージダウンロードファイルの例は、パッケージインストールファイルを別のコンピューティングデバイス等からダウンロードする、iTunesストア、Google Playストア、Windows Phoneストアを介したダウンロードを含み得る。ソフトウェアアプリケーションは、Google及びAppleそれぞれから開発されたAndroid(商標)またはiOS(登録商標)等のモバイルオペレーションシステム用に開発され得る。いくつかの実施形態では、本アプリケショーンは、モバイルコンピューティングデバイス13110のディスプレイ(例えば、タッチスクリーン)のホーム画面上に示されるアイコンを選択するユーザによって開始され得る。国際特許出願公開第WO/2015/187797号の図に示されるものと同様の情報プロンプト及び/または命令プロンプトを有するものを含む様々なディスプレイは、ソフトウェアアプリケーションで生成され、モバイルコンピューティングデバイス13110のディスプレイを介して、ユーザ及び/または患者に表示され得る。
XV.エネルギー管理
上記に説明されたように、本開示の薬剤送達デバイスは、1つ以上のばねを含む駆動機構を組み込み、プランジャ密閉部を移動させるためにエネルギーを提供し、薬剤をコンテナから放出し得る。ばねの使用は、単純性及び低費用の利点をもたらす可能性があるが、ある制限をもたらす可能性がある。
ばねアクチュエータにおける力と変位との間の直線関係が存在する。プランジャ密閉部のストロークの終了時に薬剤送達のための十分なエネルギーを提供するために、過量のエネルギーは、薬剤送達が始まるときに本システムに入力され得る。
さらに、高粘度薬剤は、薬剤送達デバイスを用いて送達されるとき、必要なばね力は増加する可能性がある。より高いばね定数を伴うばねは、より大きい力を薬剤製品及びコンテナに伝達する。運動エネルギーは速度の2乗に比例するため、ばね定数のさらなる増分的増加は、薬剤及びコンテナに印加される正味運動エネルギーの大きい変化をもたらす可能性がある。
ばね駆動ピストンが薬剤を保管するコンテナのプランジャ密閉部に衝突するとき、患者はこの過度のエネルギーを「はたき」または同様の物理的な「ぶつかり」を感じ得る。そのような機械的ぶつかりは、また、注射器のユーザの気を散らし混乱させる可能性があり、従って、適切な投与完了を妨げる可能性があることが知られている。従って、そのような混乱をなくすことが望ましい。
従って、薬剤製品への伝達力及び結果として生じるエネルギーを減らしながら、駆動機構の意図するばね力荷重を維持し、それによって、薬剤送達デバイスのコンテナまたは他の構成要素への構造的損傷の可能性を減らすことができるエネルギー管理システムを伴う、薬剤送達デバイスの必要性が存在する。そのような薬剤送達デバイスは、潜在的に、使用するのに快適で安全であり、より広範な薬剤に適用可能であり得る。
本開示の薬剤送達デバイスは、薬剤製品への伝達力及び結果として生じるエネルギーを減らしながら、駆動機構の意図するばね力荷重を維持するエネルギー管理システムを含むように構成され得る。そのようなエネルギー管理システムの実施形態は、以下のそれぞれが全ての目的のために以下の全体において参照により本明細書によって組み込まれる、国際特許出願第PCT/US15/29485号(「AUTOINJECTOR WITH SHOCK REDUCING ELEMENTS」と題する)、及び国際特許出願公開第WO/2016/003813号、国際特許出願公開第WO/2015/187799号に開示されている。限定ではないが、薬剤送達デバイス10、910、2010、6000、または8000のいずれか1つを含む、本明細書に開示される薬剤送達デバイスのいずれか1つは、国際特許出願公開第PCT/US15/29485号及び国際特許出願公開第WO/2015/187799号に開示されるエネルギー管理システムの1つ以上の態様、特徴、及び/または機能を組み込むように構成され得る。
図85A~図85C、図86A~図86C、及び図87A~図87Cは、各々、14000a、14000b、14000cを示し、それらのそれぞれが、薬剤コンテナ14050(限定ではないが、コンテナ50、618、718、818、918、1118、または2050のいずれにも対応し得る)、駆動機構14100(限定ではないが、駆動機構100、500、1000、または2100のいずれか1つに対応し得る)、流体経路コネクタ14300(限定ではないが、流体経路コネクタ300、622、722、822、922、または2300のいずれにも対応し得る)、及びエネルギー管理システムとして機能する駆動減衰機構14170a、14170b、または14170cを有する。接着パッチ14000a、14000b、及び14000cは、それぞれ、限定ではないが、薬剤送達デバイス10、910、2010、6000、または8000のいずれか1つを含む、本明細書に開示される薬剤送達デバイスのいずれにも実装され得る。
薬剤コンテナ14050は、バレル14058と、バレル14058を通るように移動可能であり、かつバレル14058から薬剤14038を放出する、プランジャ密閉部14060と、バレル14058の内部へのアクセスを制御する貫通可能密閉部(図示せず)とを含み得る。駆動機構14100は、駆動ハウジング14130と、駆動ハウジング14130に対して移動可能であり、かつ運動をプランジャ密閉部14060に付与するように構成されている、ピストン14110と、駆動ハウジング14130とピストン14110との間に配置されるピストン付勢部材14106とを含み得る。ピストン14110は、その端部に配置されるヘッド部材14148を含み得る。
ピストン14110がバレル14058を通って遠位にプランジャ密閉部14060を移動させ始める前に、駆動減衰機構14170は、駆動機構14100の意図する力を保ちながら、ピストン14110の速度を遅くする。ピストン14110の速度を遅くすることによって、減衰機構14170は本質的に、それが薬剤14038及び薬剤コンテナ14050に印加される運動エネルギーを減らすため、衝撃減少要素として動作する。減衰機構14170は、ピストン14110の速度を遅くし、本システムに送達される圧力がシリンジの破損を誘導しないこと、本システムに送達される圧力が患者への感知可能な「はたき」もしくは不快を防止すること、及び/または薬剤14038に送達される圧力が、剪断力により薬剤14038を損傷することを防止することを確実にするように適合させることができる。
いくつかの実施形態では、駆動減衰機構は、ピストンの速度を1%未満だけ遅くするように適合させることができる。他の実施形態では、駆動減衰機構は、ピストンの速度を約1~5%だけ遅くするように適合させることができる。さらなる実施形態では、駆動減衰機構は、ピストンの速度を約5~10%だけ遅くするように適合させることができる。さらなる実施形態では、駆動減衰機構は、ピストンの速度を約10~15%だけ遅くするように適合させることができる。さらなる実施形態では、駆動減衰機構は、ピストンの速度を約15~20%だけ遅くするように適合させることができる。さらなる実施形態では、駆動減衰機構は、ピストンの速度を約20~30%だけ遅くするように適合させることができる。またさらなる実施形態では、駆動減衰機構は、ピストンの速度を約30~50%だけ遅くするように適合させることができる。またさらなる実施形態では、駆動減衰機構は、ピストンの速度を約51~100%だけ遅くするように適合させることができる。駆動減衰機構によって提供される速度の減少は、感知可能な「はたき」を防止することによって患者への物理的混乱及び/または不快を防止するために、及び/または薬剤保管デバイスの破損を減らすために、及び/または、剪断荷重によってもたらされる薬剤製品の破損を減らすために、及び/または、注射デバイスを高粘度の薬剤を注射するために使用することを可能にするために選択されることができる。
図85A~図85Cに示されるように、減衰機構14170は、薬剤コンテナ14050のプランジャ密閉部14060とピストン14110のプランジャヘッド14148との間に一列に並んで配置され、アセンブリ14000aのサイズを最小にし、プランジャヘッド/ストッパー接触面でピストン14110の運動をより効果的に減衰することができる。他の実施形態では、図86A~図86Cに示されるように、駆動減衰機構は、駆動機構のピストン14110の近位端と薬剤送達デバイスのメインハウジングとの間に一列に並んで配置されることができる。さらなる実施形態では、駆動減衰機構は、ピストンに統合されることができる。
アセンブリ14000aの様々な実施形態に従って、減衰機構14170は、ダッシュポットを備え得る。ダッシュポットは、粘性摩擦を使用してピストン14110の運動に抵抗し、それによって、ピストン14110の速度を遅くする。図85A~図85Cは、アセンブリ14000a内で使用されることができる、直線状ダッシュポット14172の例示的実施形態を示す。示されるように、直線状ダッシュポット14172は、駆動減衰機構ハウジング14174と、ハウジング14174の内側に含有される作動流体14178と、ハウジング14174内部に移動可能に配置されるピストンアセンブリ14176とを含む。ハウジング14174は、端壁14174ewによって、そのハウジングの第1の端及び第2の端のそれぞれにおいて閉鎖される円筒形側壁14174swを備えることができる。いくつかの実施形態においてハウジング14174は、樹脂または金属等の剛体材料で作成されることができる。ハウジング14174内部に含有される作動流体14178は、限定ではなく、油(例えば、鉱油)、シリコーン材料、水または空気を含み得る。
図85A~図85Cに示されるように、ピストンアセンブリ14176は、ピストン14180をハウジング14174を通るように押動するためのピストン14180及びロッド14184を備える。他の実施形態では、図86A~図86C等に示されるように、ピストンロッドは、ピストンをダッシュポットハウジング14174を通るように引っ張るように構成及び適合させることができる。図85A~図85Cに示されるように、ピストン14180は、先端表面14182l及び後端表面14182tの各々を有する、単一のディスク状構造または部材14182(ピストンディスク状部材14182)を備え得る。ピストンロッド14184は、それが減衰ストローク状態のピストンディスク状部材14182を押動する(図85A~図85C参照)または引っ張る(図86A~図86C参照)かどうかに応じて、ハウジング14174の端壁14174ewの1つの中に開口14174aを通って延在し、ピストンディスク状部材14182の先端表面14182lまたは後端表面14182tに取り付けられる、またはそれと一体となる一端を有し得る。図85A~図85Cに示されるように、一般的にハウジング14174の外部に配置されるピストンロッド14184の自由端は、プランジャヘッド14148に取り付けられることができる。Oリング(目視不可)等の密閉部は、開口14174a内に提供され、またはそれに隣接し、作動流体14178が、ハウジング14174の端壁14174ew内のピストンロッド14184と開口14174aとの間でハウジング14174から漏出することを防止し得る。いくつかの実施形態では、ピストンアセンブリ14176は、樹脂または金属等の剛体材料で作成されることができる。他の実施形態では、ピストンアセンブリ14176は、天然ポリマーまたは合成ポリマー等の弾力材で作成されることができる。またさらなる実施形態では、ピストンアセンブリ14176は、多孔質材、剛体材料で作成されることができる。
図85A~図85Cは、ダッシュポット14172の動作の一例示的モードを示す。図85Aに示されるように、駆動トリガ機構が作動すると、駆動機構14100のエネルギー源(例えば、ピストン付勢部材14106)が、ピストン14110を、薬剤コンテナ14050のバレル14058内に配置されるプランジャ密閉部14060に向かって前進させる。いったん直線状ダッシュポット14172がプランジャ密閉部14060に接触すると、図85Bに示されるように、ピストン付勢部材14106からの荷重が、直線状ダッシュポット14172に伝達し始め、ピストンディスク状部材14182がハウジング14174の一端から他端まで移動するとき、ダッシュポットピストンディスク状部材14182の前方に位置する作動流体14178を、1つ以上の狭窄を通って、ピストンディスク状部材14182の後方の場所まで押動または変位させる。1つ以上の狭窄による作動流体14178の流動は、粘性摩擦を発生させ、その粘性摩擦は、ピストンディスク状部材14182の移動に抵抗し、それによって、プランジャの運動を減衰させる。いくつかの実施形態(ピストンディスク状部材14182が剛体材料で作成される)では、狭窄(複数可)は、ピストンディスク状部材14182の周辺端とダッシュポットハウジング14174の側壁174swとの間に小さい間隙(図示されない)を含み得る。他の実施形態では、狭窄(複数可)は、さらに、または代替として、ピストンディスク状部材の周辺端内に提供される1つ以上の溝14186と、及び/または作動流体178がピストンディスク状部材14182の前方からピストンディスク状部材14182の後方まで変位するとき、作動流体178が流動するピストンディスク状部材14182を通って延在する1つ以上の開口部とを備える。他の実施形態(ピストンディスク状部材14182が弾力材で作成される)では、ピストンディスク状部材14182の周辺端は、ピストンディスク状部材14182の周辺端とダッシュポットハウジング14174の側壁174sw(図示されない)との間の狭い間隙または狭窄を生成するために十分に後ろ向きに曲がることができ、これにより、作動流体178は、それらを通って流動することができる。他の実施形態(ピストンディスク状部材14182が多孔質材で作成される)では、作動流体178は、ピストンディスク状部材14182の細孔(狭窄)を通って流動する。これらの実施形態のそれぞれは、直線状ダッシュポット14172の1つ以上の狭窄は、速度依存性抵抗を、ピストン14110に作用するエネルギー源144(例えば、ピストン付勢部材14106)の力に提供する。この抵抗は、ピストン14110に結合されるとき、ピストン14110がプランジャ密閉部14060を移動させ始める前に、エネルギー源144(例えば、ピストン付勢部材14106)の力を維持しながら、ピストン14110の速度を遅くする。狭窄のサイズ、数、及び種類と、直線状ダッシュポット14172内で使用される作動流体178の種類、ハウジング14174及びピストンアセンブリ14176の構造、ならびにそれらの任意の組み合わせとは、減衰機構14170の減衰特徴により、駆動機構14100の衝撃特徴を適切に減衰するように調節することが可能になるように、調整及び/または選択されることができる。
図85Cに示されるように、ピストンディスク状部材14182は、ダッシュポットハウジング14174の端壁の先端のものに係合し、ピストン付勢部材14106の力は、プランジャ密閉部14060、直線状ダッシュポット14172及びピストン14110を、薬剤コンテナ14050のバレル14058を通って遠位に減少速度で移動させ、薬剤14038をバレル14058から放出する。
図86A~図86Cは、注射駆動機構のピストンロッド14146の近位端14146peと薬剤送達デバイスのメインハウジングとの間に一列に並んで配置される、ダッシュポット14192の動作の一例示的モードを示す。本実施形態では、ダッシュポットハウジング14194は、管状支持部材14122と統合的に形成される戻り止め14123によって、メインハウジングの管状支持部材14122内で保定されることができる。そのような配列は、管状支持部材14122内で画定される片持ち梁ばね14125上に提供されることができる。ダッシュポットハウジング14194内部に配置されるピストンロッド14204の端は、ピストンディスク状部材14202の先端表面14202lに取り付けられることができ、ピストンロッド14204の自由端は、ピストンロッド14146の近位端14146peに取り付けられることができ、その状態では、ピストンロッド14146がエネルギー源(例えば、ピストン付勢部材14106)によって遠位に駆動する。ピストンロッド14204は、ピストンディスク状部材14202をダッシュポットハウジング14194を通るように引っ張る。
図86A~図86Cに示されるように、駆動トリガ機構が作動すると、注射駆動機構のエネルギー源(例えば、ピストン付勢部材14106)は、ピストン14110を、薬剤コンテナ14050のバレル14058内に配置されるプランジャ密閉部14060に向かって前進し始める。ピストン付勢部材14106によってピストン14110に印加される荷重は、ダッシュポット14192に伝達することができる。ピストンディスク状部材14202がハウジング14194の一端から他端まで引っ張られるとき、ピストンディスク状部材14202の前方に位置する作動流体194を、1つ以上の狭窄を通って、ピストンディスク状部材14202の後方の場所まで押動または変位させる。1つ以上の狭窄を通って流動する作動流体14198によって生成される抵抗は、ピストン14110のヘッド部材がプランジャ密閉部14060に衝突する前に、ピストン14110の速度を遅くしながら、ピストン付勢部材14106の力を維持する。ピストン14110のヘッド部材は減少速度でプランジャ密閉部14060に衝突し、エネルギー源(例えば、ピストン付勢部材14106)の力は、プランジャ密閉部14060及びピストン14110を、薬剤コンテナ14050のバレル14058を通って遠位に移動させ始め、薬剤14038をバレル14058から放出する。ほぼ同時に、ダッシュポット14192のピストンディスク状部材14202は、そのストロークに達し、ダッシュポットハウジング14194の先端壁194ewに係合する。エネルギー源(例えば、ピストン付勢部材14106)は、十分なエネルギーをピストン14110に印加し、戻り止め123及び片持ち梁配置125を上回るように選択することができ、その状態では、ピストン付勢部材14106がダッシュポット14192を管状支持部材14122から解放し、エネルギー源(例えば、ピストン付勢部材14106)がピストン14110、プランジャ密閉部14060、及び薬剤14038を薬剤コンテナ14050のバレル14058を通るように駆動させるとき、ピストン14110の移動を可能にする。管状支持部材14122からのダッシュポット14192の解放は係合期間を短くし、これは、注射デバイスの全長を小さくすることを可能にする。
図87A~図87Cは、図ピストン14242に統合されるダッシュポット14212の動作の例示的モードを示す。図87A~図87Cに示されるように、統合型ダッシュポット14212は、管状壁14214t及びプランジャヘッド14248によって形成されるハウジング14214を含み、プランジャヘッド14248は、管状壁14214tの開放遠位端を閉鎖する。ダッシュポット14212は、さらに、中空プランジャロッド14246の遠位端壁14220によって形成されるピストンを含み、遠位端壁14220は、最初に、ダッシュポットハウジング14214の管状壁14214tの開放近位端内に配置される。ダッシュポット14212の作動流体14218は、最初に、プランジャロッド14246の遠位端壁14220の前方にあるダッシュポットハウジング14214内に提供される。図87Aに示されるように、駆動トリガ機構(図示されない)が作動すると、注射駆動機構のエネルギー源(例えば、ばね14244s)は、力をプランジャロッド14246に印加し、ピストン14242を、薬剤コンテナ14050のバレル14058内に配置されるプランジャ密閉部14060に向かって前進する。いったんプランジャヘッド14248がプランジャ密閉部14060に接触すると、図87Bに示されるように、ばね14244sからの荷重は、ピストン14242と統合的に形成されるダッシュポット14212に伝達する。プランジャロッド14246の端壁220の前方に位置する作動流体14218は、それがダッシュポットハウジング14214内に遠位で移動するとき端壁220の後方で、端壁220内に提供される1つ以上の狭窄(事前に説明されたもの)を通って、及び中空プランジャロッド14246によって画定されるスぺ―ス内に押動または変位される。ダッシュポット14212によって提供される抵抗または減衰は、プランジャロッド14246がプランジャヘッド14248に係合しプランジャ密閉部14060を移動させる前にプランジャロッド14246の速度を遅くし、ばね14244sの力を維持しながら減衰を行う。
図87Cに示されるように、プランジャロッド14246の端壁220はプランジャヘッド14248に係合し、これは、ダッシュポットの減衰ストロークの終了を示す。次に、ばね14244sは、プランジャ密閉部14060に接する単一の構成要素(例えば、プランジャ)としてプランジャロッド14246及びプランジャヘッド14248を押し進め、または押勢し、プランジャ密閉部14060を薬剤コンテナ14050のバレル14058を通って遠位に駆動させ、薬剤14038をバレル14058から放出する。
図88は、ダッシュポットの別の例示的実施形態を示す。ダッシュポット14270は、ピストンアセンブリ14276のピストンがピストンロッド14284に沿って相互に離間する2つ以上のディスク状部材14282を備えることを除いて、事前に説明されたダッシュポットと実質的に同様である。各ピストンディスク状部材14282と関連付けられ得る2つ以上のディスク状部材14282及び事前に説明された狭窄は、直列の抵抗をピストン運動に提供し、抵抗のそれぞれは、同一及び/または異なる可能性がある。ダッシュポット14270の直列抵抗は、プランジャの速度を、エネルギー源(例えば、ばね14144s)の力を維持しながら、ある段階または増分状態で遅くすることを可能にする。いくつかの実施形態では、多板式ピストンアセンブリ14276は、樹脂または金属等の剛体材料で作成されることができる。そのような実施形態では、各ピストンディスク状部材14282によって提供される抵抗を制御または画定する狭窄(複数可)は、ピストンディスク状部材14282の1つ以上の周辺端と、ダッシュポットハウジング14274の側壁14274swとの間に小さい間隙(図示されない)を含み得る。他のそのような実施形態では、狭窄(複数可)は、多孔ディスクのような1つ以上のピストンディスク状部材を形成する、1つ以上のピストンディスク状部材14182の周辺端内に1つ以上の溝、または1つ以上のピストンディスク状部材14182を通って延在する1つ以上の開口部14188、及びそれらの任意の組み合わせを備え得る。他の実施形態では、多板式ピストンアセンブリ14276は、天然エラストマーまたは合成エラストマー等の弾力材で作成されることができ、その実施形態では、各ピストンディスク状部材14282の周縁端は、ピストンディスク状部材14282の周辺端とダッシュポットハウジング14274の側壁14274swとの間の狭い間隙または狭窄を生成するために十分に後ろ向きに曲がることができ、それにより、作動流体は、それらを通って流動することができる。空気が作動流体として使用される場合、ピストンアセンブリ276の弾性ピストンディスク状部材282は、スクイーズフィルム減衰効果をもたらすために使用され得る。図85A~図85C、図86A~図86C、及び図87A~図87Cを参照して上記に説明されたダッシュポットのいずれも、図88のピストンアセンブリ14276を利用することができる。
図89は、本開示のダッシュポットの例示的実施形態を示す。ダッシュポット14370は、ハウジング14374と、中空ピストンロッド14384及びハウジング14374内部に配置されるピストンロッド14384の端に取り付けられるベローズ状構造(ベローズピストン構造)のように構成されているピストンを備えるピストンアセンブリ14376とを備える。中空ピストンロッド14384は、ダッシュポットハウジング14374の外側に、中空ピストンロッド14384を通って流動する作動流体(図示されない)を排出するための開口14384aを有し得る。ベローズピストン構造は作動流体を含有する1つ以上の折り畳み可能ローブを備え得、その流体は空気または任意の他の好適な作動流体であり得る。開口部14386(狭窄)は、ベローズピストン構造のそれぞれ隣接する対のローブを相互に接続し、かつ中空ピストンロッド14384に接続する、ローブ壁の部分に提供されることができる。開口部14386は、ローブ内に含有される作動流体が、一方のローブから別のローブまで流動することを可能にし、それによって、狭窄として機能する。ベローズピストン構造が、ダッシュポットハウジング14374の端壁14374ew内に押動または引っ張られ、かつ駆動プランジャ機構のエネルギー源(例えば、ばね14144s)によって供給されるプランジャ14142に作用する力によって折り畳まれるとき、ダッシュポット14370は減衰をもたらす。ベローズピストン構造のローブが折り畳まれるにつれて、ローブの内側に含有される作動流体が開口部14386、中空ピストンロッド14384、及びロッド開口14384aを通って流動するとき、減衰作用がもたらされる。図85A~図85C、図86A~図86C、及び図87A~図87Cを参照して上記に説明されたダッシュポットの実施形態のいずれも、図89のピストンアセンブリ14376を利用することができる。
図90を参照すると、エネルギー管理システム15000が装備されている、図14Aの駆動機構100及び薬剤コンテナ50が示される。エネルギー管理システム15000は、複数の減衰部材15010a~eを含む。減衰部材15010a~eは、ゴム、樹脂、または任意の他の好適な材料等の衝撃吸収物質で作成され得る。減衰部材15010aは、ピストン延在部102とプランジャ密閉部60との間の接触面に位置付けられる。減衰部材15010b及び15010cは、バレル58の首部の外部に配置される。代替実施形態では、減衰部材15010b及び15010cは、バレル58の首部の周知に配置される単一の輪状減衰部材と交換されたものである。減衰部材15010d及び15010eは、キャップ52の遠位端表面に配置される。代替実施形態では、減衰部材15010d及び15010eは、キャプ52の遠位端表面上に配置される単一の輪状減衰部材と交換されたものである。使用中、減衰部材15010a~eは、ピストン110がプランジャ密閉部60に衝突するときにもたらされる衝撃波を減衰し、それによって、バレル58が砕ける、及び/またはユーザが不快な機械的ぶつかり音または打音を経験する可能性を減らし得る。
図91A及び図91Bを見ると、エネルギー管理システム16000が装備されている、図23A及び図23Bの駆動機構2100、薬剤コンテナ2150、及び流体経路コネクタ2300が示される。エネルギー管理システム16000は、複数の減衰部材16010a~cを含む。減衰部材16010a~cは、ゴム、樹脂、または任意の他の好適な材料等の衝撃吸収物質で作成され得る。減衰部材16010aは、ピストン延在部2110とプランジャ密閉部2060との間の接触面に位置付けられる。減衰部材16010b及び16010cは、キャップ23152の遠位端表面に配置される。代替実施形態では、減衰部材16010b及び16010cは、キャプ2052の遠位端表面上に配置される単一の輪状減衰部材と交換されたものである。使用中、減衰部材16010a-cは、ピストン2110がプランジャ密閉部2060に衝突するときにもたらされる衝撃波を減衰し、それによって、バレル2058が砕ける、及び/またはユーザが不快な機械的ぶつかり音または打音を経験する可能性を減らし得る。
XVI.粘度モデリング
上記または下記に説明される少なくともいくつかの実施形態は、粘性流体剤形を被験者に送達することが可能である送達デバイスを提供し得る。これらの実施形態の少なくとも一部は、許容可能レベルの痛みを伴う適正な粘性流体の大きい体積用量(例えば、2mL~2.5mLまたは2mL~3mL)の皮下(SQ)注射を被験者に提供する。従って、本明細書に開示される実施形態の少なくとも一部は、大きい体積粘性剤形を、痛みが規定の投薬計画への順守に悪影響を及ぼさない割合で投与することができる。さらに、本明細書に開示される少なくともいくつかの実施形態では、例えば、抗体、タンパク質、ペプチド、または核酸を含む流体剤形(大きい体積剤形を含む)を送達することが可能である送達デバイスを提供する。
少なくとも1つの実施形態は、挿入機構、駆動機構、及び滅菌流体経路を備える送達デバイスを提供し、当該デバイスは、最大約12mL/分の流量で、約1.0mL~約2.5mLの粘性剤形をヒト患者に送達するように構成されている。ある実施形態では、送達は皮下注射である。少なくとも1つの実施形態では、薬剤送達デバイスは、体上デバイスまたは装着型デバイスである。特定の実施形態では、本デバイスは、剤形で事前に投入される。いくつかの実施形態では、剤形は、抗体またはその抗原結合部等の生物製剤を含む。いくつかの実施形態では、剤形は、約50mg~約400mgの生物製剤を含む。いくつかの態様では、薬剤は、固定用量で投与される。具体的な態様では、薬剤は、約50mg~約400mg(約50mg、約100mg、約150mg、約175mg、約200mg、約300mg、または約325mg(薬剤量/1回の投与)の固定用量)から選択された固定用量で投与される。いくつかの態様では、薬剤は、2回以上の投与で投与される。他の態様では、薬剤は、週1回、2週間に1回、または月1回で投与される。ある態様では、薬剤は、2週間に1回で投与される。いくつかの実施形態では、本デバイスは、約300mgの薬剤を含む剤形の約2mLの皮下送達のために構成されている。いくつかの実施形態では、本デバイスは、1回/日、2回/週(週2回)、1回/週、1回/2週(2週間毎)、1回/月、2回/月(月2回)、2ヶ月毎(2ヶ月に1回)、またはヘルスケア専門家によって決定された頻度で、剤形の送達のために構成されている。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、事前に選択された流量(約0.167mL/分~約12mL/分の範囲から選ばれた流量)で剤形を送達するように構成されている。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、約12mL/分の流量で剤形を送達するように構成されている。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、約2mL/分の流量で剤形を送達するように構成されている。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、約0.167mL/分の流量で剤形を送達するように構成されている。いくつかの実施形態では、本デバイスは消耗品である。
少なくとも1つの実施形態は、最大約12mL/分の流量の約1mL~約2.5mLの粘性剤形量をヒト被験者に送達するための手段を含む薬剤送達デバイスを提供する。ある実施形態では、送達は皮下注射である。いくつかの実施形態では、剤形は生物製剤を含む。生物製剤は、抗体を含み得る。いくつかの実施形態では、剤形は、約100mg~約400mgの生物製剤を含む。特定の実施形態では、本デバイスは、抗体等の生物製剤を含む剤形で事前に投入される。いくつかの実施形態では、本デバイスは、約2mLの薬剤の皮下送達のために構成されている。いくつかの実施形態では、本デバイスは、1日1回、剤形の送達のために構成されている。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、流量(約0.167mL/分~約12mL/分範囲から選ばれた流量)で剤形を送達するように構成されている。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、約12mL/分の流量で剤形を送達するように構成されている。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、約2mL/分の流量で剤形を送達するように構成されている。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、約0.167mL/分の流量で剤形を送達するように構成されている。
少なくとも1つの実施形態は、投与を必要とするヒト被験者に、粘性のある薬の剤形を含む剤形を投与するための方法を提供し、本方法は、最大約12mL/分の流量の約1.0mL~約2.5mLの粘性剤形を送達するように構成されている薬剤送達デバイスとヒト患者を接触させることと、当該デバイスを作動し当該剤形を送達することとを含む。ある実施形態では、送達は皮下注射である。いくつかの実施形態では、粘性のある剤形は、抗体等の生物製剤を含む。いくつかの実施形態では、本デバイスは、約2mLの剤形の皮下送達のために構成されている。いくつかの実施形態では、本デバイスは、1日1回、作動する。いくつかの実施形態では、送達量(投与量)は、約0.167mL/分~約12mL/分の範囲のものである。いくつかの実施形態では、送達速度は、約12mL/分である。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、約2mL/分の流量で剤形を送達するように構成されている。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、約0.167mL/分の流量で剤形を送達するように構成されている。
少なくとも1つの実施形態は、挿入機構、駆動機構、及び滅菌流体経路を備える送達デバイスを提供し、当該デバイスは、最大約12mL/分の流量の薬剤を含む約2mLの剤形をヒト患者に送達するように構成されている。ある実施形態では、送達は皮下注射である。特定の実施形態では、本デバイスは、薬剤を含む剤形で事前に投入される。いくつかの実施形態では、剤形は、約300mgの薬剤を含む。いくつかの実施形態では、本デバイスは、1日1回、薬剤を含む剤形の送達のために構成されている。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、約0.167mL/分~約12mL/分の範囲の流量で剤形を送達するように構成されている。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、約12mL/分の流量で剤形を送達するように構成されている。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、約2mL/分の流量で剤形を送達するように構成されている。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、約0.167mL/分の流量で剤形を送達するように構成されている。
少なくとも1つの実施形態は、最大約12mL/分の流量の薬剤を含む、ヒト患者に約2mLの薬剤を送達するための手段を含む、薬剤送達デバイスを提供する。ある実施形態では、送達は皮下注射である。いくつかの実施形態では、剤形は、約300mgの薬剤を含む。特定の実施形態では、本デバイスは、薬剤を含む剤形で事前に投入される。いくつかの実施形態では、本デバイスは、1日1回、薬剤を含む剤形の送達のために構成されている。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、約0.167mL/分~約12mL/分の範囲の流量で剤形を送達するように構成されている。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、約12mL/分の流量で剤形を送達するように構成されている。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、約2mL/分の流量で剤形を送達するように構成されている。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、約0.167mL/分の流量で剤形を送達するように構成されている。
少なくとも1つの実施形態は、投与を必要とするヒト患者に剤形を投与するための方法を提供し、本方法は、最大約12mL/分の流量の薬剤を含む約2mLの剤形を送達するように構成されている薬剤送達デバイスとヒト患者を接触させることと、当該デバイスを作動し当該剤形を送達することとを含む。ある実施形態では、送達は皮下注射である。いくつかの実施形態では、本デバイスは、1日1回、作動する。いくつかの実施形態では、剤形は、約300mgの薬剤を含む。いくつかの実施形態では、本デバイスは、1日1回、薬剤を含む剤形の送達のために構成されている。いくつかの実施形態では、送達量(投与量)は、約0.167mL/分~約12mL/分の範囲のものである。いくつかの実施形態では、送達速度は、約12mL/分である。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、約2mL/分の流量で剤形を送達するように構成されている。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、約0.167mL/分の流量で剤形を送達するように構成されている。
本明細書に使用されるような「粘度」は、概して、「粘稠性」の形式張らない概念に対応する、高粘度の、粘つく、及び半流動体の稠度の状態を指す。しかしながら、特に、流体の「粘度」は、剪断応力または引張応力による段階的な変形に対する流体の抵抗力の測定値である。粘度は、例えば、流動に抵抗する単位面積当たりの力によって測定されるような内部摩擦を上回るために必要な力の大きさとして表すことができる。その流動に関して、単位距離間隔の平行層が相互に対する単位速さを有する。ニュートン流体の粘度は、温度だけによって決まり、剪断率及び剪断時間によって決まらない。非ニュートン流体の粘度、時間依存性は、温度、剪断率、及び剪断時間によって決まる。粘度が時間とともにどのように変化するかに応じて、流体挙動は、チキソトロピック(経時的粘度低下、すなわち、粘度が時間とともに減少する)、レオペクチック(経時的粘度増加、すなわち、粘度が時間とともに増大する)、またはレオマイアシス(経時的粘度低下が構造の分解に相関する)として特徴付けられることができる。非ニュートン流体の粘度、時間依存性は、温度だけではなく、剪断率によっても決まる。粘度は、センチポイズ(cps)として測定され得る。センチポイズに関して、水は、1cpsが標準である。血液は約10cpsの粘度を有し、メープルシロップは150cps~200cpsの粘度を有し、潤滑油SAE60は1000cps~2000cpsの粘度を有し、ケチャップは50,000cps~70,000cpsの粘度を有し、ピーナッツバターは150,000csp~250,000cpsの粘度を有し、コーキング材は5,000,000cps~10,000,000cpsの粘度を有する。
上述のように、温度は、粘性流体力学の要因であるが、本明細書に検討される解析的モデリングの目的のために、温度は、周囲温度であると仮定され、薬剤送達が経過するために、実質的にそのままの状態である。本明細書を所持している当業者は、薬剤送達デバイスの構成を調整し、温度に帰属する粘度の変化を制御、管理、または利用することができる。本明細書に予想される粘稠液は、液体形態であり、または凍結乾燥形態から復帰させたものであり得る。粘性流体の非限定的例は、0.1/秒の剪断率で、少なくとも約10cpsまたは約100cpsをと伴うものを含む。例示的粘度は、約80,000cps~約300,000cpsの範囲であり得、または粘度は、0.1/秒の剪断率、25°Cで、約140,000cps~約280,000cpsの範囲であり得、または粘度は、0.1/秒の剪断率、25°Cで、約100cps~約1,000cpsの範囲であり得る。粘度は血流計で測定されることができる。
本明細書に説明される実施形態は、許容範囲の薬物動態及び耐性を伴う300mgの薬剤を含む2mL剤形の皮下送達が可能である薬剤送達デバイスを提供する。いくつかの実施形態では、2mLの注射の薬物動態及び耐性は、2回の150mの薬剤/1mLの皮下注射と同程度である。耐性要因は、注射後に局所注射部位に痛み及び注射部位の掻痒症と、注射後に局所注射部位の反応(例えば、紅斑、出血、発疹)と、注射直後に流体の漏えいの存在と、臨床的に、生体信号、健康診断、及び検査値の変化を含む治療中に発生した有害反応の発生とを含む。加えて、生体指標は、薬剤作用の機械に関し、抗薬物抗体の存在は、2回の注射計画に対して許容可能であることが分かり得る。従って、本実施形態は、長い注射時間にわたって、かなり粘性のある剤形のより多い投与量の投与による注射の回数の減少を可能にし、さらに、薬物動態要件及び患者の痛みの耐性を満足する、薬剤送達デバイスを提供する。
送達時間(すなわち、速さ)、駆動システム力、及び主要コンテナの圧力に関する分析モデルは、本明細書に説明される実施形態の一部を実施する際に有用である可能性がある。例えば、流体力学では、レイノルズ数は、異なる流体流動状況における同様の流動パターンを予知することに役立つように使用される無次元量である。レイノルズ数は、モーメント力(または慣性力)対粘性力の比率として定義され、与えられた流動条件に関するこれらの2種類の力の相対的重要性を数値で表したものである。レイノルズ数は、流体力学モデリングのスケーリングを行うときに有用であり、従って、流体流動の2つの異なる場合の力学類似点を判定するために使用されることができる。そのような分析モデルに関する方程式及び他の方程式は、以下の方程式を含む。
式1:
式中、tdは送達時間であり、Rgは幾何学的な流体抵抗である。Apcは主要コンテナの面積(m2)であり、kdsは事象ばね定数(N/m)であり、Z1subQはグループ分け用語1「皮下送達」(mm)であり、Tfは最終位置(投与終了)の進行位置(mm)であり、Tiは最初の送達(気泡圧縮後)の進行位置(mm)である。
式2:
式中、Z1subQはグループ分け用語1「皮下送達」(mm)であり、Foは荷重をかけられたハウジングの力(N)であり、Ffgは摺動力(N)であり、Ptbは組織背圧(psi)であり、Apcは主要コンテナの面積(m2)であり、kdsは事象ばね定数(N/m)である。
式3:
Rgは幾何学的な流体抵抗であり、Lnは針の長さ(mm)であり、Ltは管の長さであり、Lfrは流量制限器の長さ(mm)であり、Lcはカニューレの長さ(mm)であり、Dnは針の直径(mm)であり、Dtは管の直径(mm)であり、Dfrは流量制限器の直径(mm)であり、Dcはカニューレの直径(mm)である。
式4:
式中、Reはレイノルズ数であり、Qは流量(mL/分)であり、ρは流体密度(kg/m3)であり、μは動的粘度(cP(また、Pa×s、N×s/m2またはkg/(ms)でも計算され得る))であり、Dは水力直径(mm)(「接液外周」、流体と接触する全てのチャネルの外周合計[内側パイプ直径])である。流体が1.0g/mLの密度を有することを仮定するのに便利であり得る。流動は、値が2300未満である場合、層流である。
例示的実施形態毎の変数、構成要素、及び送達時間を示す表及び棒グラフは、図92~図99に示される。例えば、図98は、上記により詳細に説明されている構成要素パートのグループの送達時間に対する寄与度を示す。4つのモデル(出力、送達時間、ケース1~ケース4参照)に関して上記のテーブルで説明される、送達時間に関連するさらなるデータは、図92の棒グラフのように表示される。駆動システム力と送達された流体の進行距離との間の関係は、図93に示される。4つのモデルは、さらに、図94(ケース1)、図95(ケース2)、図96(ケース3)、図97(ケース4)、及び図99(ケース1)の送達時間に対する構成要素の寄与度に関して分析される。図94及び図99は、流体の送達における構成要素の寄与度と異なる粘度との比較を可能にする。
本開示の一態様は、薬物送達デバイスは、挿入機構、駆動機構、滅菌流体経路、及び薬剤を含む剤形を含む薬剤コンテナを備え、当該デバイスは、最大約12mL/分の流量の約2mLの剤形をヒト患者に送達するように構成されている。加えて、薬剤送達デバイスは、皮下投与のために構成され得る。その上、薬剤送達デバイスは、約300mgの薬剤を送達するように構成されている。その上、薬剤送達デバイスは、1日1回、薬剤を含む剤形の送達のために構成され得る。その上、薬剤送達デバイスは、約0.167mL/分~約12mL/分の範囲の流量で剤形を送達するように構成され得る。その上、薬剤送達デバイスは、約12mL/分の流量で剤形を送達するように構成され得る。その上、薬剤送達デバイスは、約2mL/分の流量で剤形を送達するように構成され得る。その上、薬剤送達デバイスは、約0.167mL/分の流量で剤形を送達するように構成され得る。その上、薬剤送達デバイスは、最大約12mL/分の流量の薬剤を含む、ヒト患者に約2mLの薬剤を送達するための手段を含み得る。
本開示の一態様では、方法は投与を必要とするヒト被験者に剤形を投与することを含み、本方法は、最大約12mL/分の流量の薬剤を含む約2mLの剤形を送達するように構成されている薬剤送達デバイスとヒト患者を接触させることと、当該デバイスを作動し当該剤形を送達することとを含む。加えて、本方法は、送達において約300mgの薬剤を含む剤形を投与させ得る。加えて、本方法は、送達において皮下注射をさせる。加えて、本方法の作動ステップは、1日1回、実行され得る。加えて、本方法の送達量は、約0.167mL/分~約12mL/分の範囲のものであり得る。加えて、本方法の送達量は、約12mL/分、約2mL/分、または約0.167mL/分の範囲のものであり得る。
XVII.挿入機構の追加実施形態
少なくとも、図1~図56、図74~図91B、及び図118~図127Dに関連して説明されるものを含む、本出願に説明される薬剤送達デバイスの少なくとも一部は、図100A~図117に関連して下記に説明される挿入機構の実施形態を組み込むように構成され得る。図100A~図117に関連して下記に説明される挿入機構の実施形態は、必要に応じて、全体的または部分的に、上記に説明された挿入機構200、挿入機構2000、または本明細書に説明される任意の他の挿入機構の代わりになるように使用され得る。
一実施形態では、図100Aに示されるように、挿入機構17200は、挿入機構ハウジング17202と、ハウジングキャップ17203と、基部17252と、滅菌ブーツ17250とを含む。基部17252は、挿入機構を薬剤送達デバイス10(図1A~図1Cに示されるようなもの)に統合するように、アセンブリプラットホーム1720に接続され得る。アセンブリプラットホーム1720への基部17252の接続は、例えば、基部の底面が、標的への基部の直接接触を可能にするように、アセンブリプラットホーム内の孔を通過することが可能になり得る。そのような構成では、基部17252の底面は、少なくとも1つの実施形態で薬剤送達デバイス10の使用前に取り外し可能である密閉膜17254を含み得る。代替として、密閉膜17254は、基部17252の底面に取り付けられたままであり得、その状態では、中空針17214は、薬剤送達デバイス10の動作中に、密閉膜17254を貫通する。図100A及び図100Bに示されるように、挿入機構17200は、さらに、挿入付勢部材17210、ハブ17212、針17214、後退付勢部材17216、クリップ17218、クリップリテーナ17219、マニホールドガイド17220、隔壁17230A及び17230B、及びマニホールド本体17240を含み得る。本明細書にさらに詳細に説明されるように、マニホールド17240は滅菌流体導管30に接続し、薬剤送達中に、マニホールド17240を通って、中空針17214の内部へ、及び標的への流体流動を可能にし得る。
図101~図117は、さらに詳細に、少なくとも第1の実施形態による、挿入機構の構成要素を示す。図101に示されるように、挿入機構ハウジング17202は、挿入機構の構成要素が実質的に収納される内側チャンバを有する実質的に円筒形構成要素であり得る。下文により詳細に説明されるように、ハウジング17202は、さらに、クリップリテーナ17219の突出部17219Hが挿入中に摺動可能に並進する軸方向スロット17202Bを含む。ハウジング17202は、さらに、突出部17219Hが回転することを可能にし、後退付勢部材17216を針17214を後退させることを可能にする、周方向スロット17202Cを含み得る。ハウジング17202は、さらに、滅菌流体導管30が針挿入中に並進し得る軸方向スロット17202Dを含み得る。ハウジング17202は、さらに、最初のロック構成でロックアウトピン17208に係合するように構成されている1つ以上のロックアウト窓17202Aを含む。ロックアウトピン17208は、窓17202Aを通ってハウジング17202の内部まで通過し得、その状態では、マニホールドガイドリング17220Cが最初のロック構成でロックアウトピン17208上に載り得る。ハウジング17202は、加えて、トラベルリミッタ17229を受け、及びそれに係合するように構成されているリミッタスロット17202F及び開口17202Eを含み得る。代替として、突出部17219Hは、マニュアルボタン等、またはタイマーもしくは他の制御システムもしくは他の方法(図示されない)に応答する自動化された機構、または自動機構と代わり得る。
図102に示されるハウジングキャップ17203は、ガイド突出部17204を含有する。ガイド突出部17204は、挿入機構ハウジング17202の内部の事前に形成された面であり得る。ガイド突出部17204は、貫通部17219Dでクリップリテーナ17219に摺動可能に係合し、マニホールドガイドリング17220C上の貫通部17220Dでマニホールドガイド17220に摺動可能に係合し得る。挿入付勢部材17210は最初に、ガイド突出部17204と挿入機構ハウジング17202の内側表面との間に、かつ挿入機構ハウジングキャップ17203の内部近位端とクリップリテーナ17219のフランジ17219Eとの間に、エネルギー蓄積状態で存在する。従って、ユーザによってアクティブ化すると、下文にさらに説明されるように、挿入付勢部材17210は、挿入付勢部材17210が展開し及び/またはエネルギー解放するときに、クリップリテーナ17219のフランジ17219Eを圧迫させ、力をそれに働かせ、クリップリテーナ17219、クリップ17218、ハブ17212、後退付勢部材17216、マニホールドガイド17220、及びマニホールドガイド下側のチャンバ17220E内部に保定される構成要素の遠位方向に軸方向並進をもたらす。アクティブ化より前に、挿入付勢部材17210は、圧縮されているエネルギー蓄積状態で、ロッキング窓17202Aの実質的に上方に維持される。ハウジングキャップ17203は、ねじ切り、接合、超音波溶接、圧入、スナップ嵌合等の当業者に既知である任意の手段によって、ハウジング17202に搭載され得る。
図103は、本開示の一実施形態による、クリップ17218を示す。クリップ17218は、針17214が貫通し得る面17218Eを通る開口17218Cと、解放表面17218Aと、アーム17218Dのロックアウト表面17218Bとを含む。クリップ17218は、さらに、突起部17218Fを含む。クリップ17218は、曲がることが可能で、及び実質的にその原形に戻ることが可能である任意の数の弾力材で作成され得る。原形では、クリップ17218は、アーム17218Dが面17218Eと垂直ではないように、外向きに曲がり得る。クリップ17218がクリップリテーナ17219と固定係合するがアーム17218Dがスロット17219A内部で曲がることが可能になるように、クリップ17218はクリップリテーナ17219内部に存在する。突起部17218Fは、クリップリテーナ17219のスロット17219Fに係合するように構成されており、従って、クリップ17218及びクリップリテーナ17219の回転を連動させる。最初のロック段階では、後退付勢部材17216及びハブ17212(接続された針17214を伴う)は、クリップ17218の解放表面17218Aと面17218Eとの間に、かつクリップリテーナ17219の内部チャンバ17219Bの内部に保定される。針は、クリップ17218の開口17218Cを通って、クリップリテーナ17219の開口17219Gを通って、及びマニホールドガイド17220を通って、隔壁17230及びマニホールド17240の中を通過し得る。障壁17230は、図106に示されるように、マニホールドガイド17240内部に存在する。マニホールド17240は、さらに、滅菌流体導管30が接続され得るマニホールド吸入口17240Aを有するマニホールド本体17240Bを含む。この接続により、滅菌性が、駆動機構100の薬剤コンテナ50から、流体経路接続部300及び滅菌流体導管30を通って、マニホールド17240のマニホールドヘッダ17242及び滅菌ブーツ17250の中まで維持され、薬剤送達のために標的内に挿入されるまで、針17214及び流体経路の滅菌性を維持するようになる。
図104に示されるクリップリテーナ17219は、図103に示されるクリップ17218の係合可能な保定のためのクリップ接触スロット17219Aを含み得る。可撓性延在部17219Gは、クリップ接触スロット17219A内へのクリップ17218の設置中に外向きに曲がり、かつクリップが挿入されると、その本来位置に戻るように構成され得る。従って、クリップ17218は、実質的に、クリップリテーナ17219に対して軸方向位置に保定される。クリップリテーナ17219は、内部チャンバ17219B(後退付勢部材17216、クリップ17218、及びハブ17212が、動作の最初のロック段階中に存在し得る)と、外部上側チャンバ17219C(挿入付勢部材17210と接触する)とを有し得る。少なくとも1つの実施形態では、挿入付勢部材17210及び後退付勢部材17216は、ばね、好ましくは、圧縮ばねである。ハブ17212は、針17214の近位端に係合可能に接続され得、それにより、ハブ17212の変位または軸方向並進は、針17214の関連動作をもたらす。
図105に示されるクリップリテーナ17220は、マニホールドガイドリング17220Cによって分離される、上側突出部17220A及び下側チャンバ17220Bを含み得る。上側突出部17220Aは、マニホールド17240に係合するように構成されている。マニホールドガイドリング17220Cは、動作の最初のロック段階中に、ロックアウトピン17208によって支持されるように構成されている。
本明細書に示されるような「針」は、限定ではないが、剛性中空鋼鉄針等の従来式中空針と、より一般に「トロカール」という称される固体コア針とを含む、種々の針を指すことが意図される。針17214は、流体を針の中空内部内に収容するための少なくとも1つの側面ポート17214Aを含み得る。そのような1つの側面ポート17214Aが示されるが、複数の側面ポートが、流体を針17214の中空内部に収容するために提供され得ることを認識されるであろう。針は、薬剤の種類及び意図される薬剤投与(例えば、皮下、筋肉内、皮内等)に好適である任意のサイズの針であり得る。
組み立てると、針17214の近位端は、ハブ17212と固定しながら接触して維持される。針の近位端は、プラグ(例えば、樹脂プラグ、接合剤のプラグ)で埋められ得る、または、ハブ17212内部に被包され得る。針17214の近位端を差し込むことによって、流体は、薬剤送達中、この方向に針から流出することを防止される。針17214の残りは、後退付勢部材17216、クリップ17218の開口17218C、クリップリテーナ17219、及びマニホールドガイド17220を貫通することが可能になる。針17214は、さらに、隔壁17230、マニホールドヘッダ17242を通るマニホールド本体17240B、滅菌ブーツ17250、及び基部開口部17252Aを通る基部17252を貫通し得る。隔壁17230及びマニホールド本体17240Bは、挿入機構が動作するまで、マニホールドガイド17220の下側チャンバ17220B内部に、及び滅菌ブーツ17250内部に存在し得る。同様に、隔壁17230Aは、マニホールド本体17240Bの上部と実質的に固定され、及びその中で密閉係合するように存在し、隔壁17230Bは、マニホールド本体17240Bの下部と実質的に固定され、及びその中で密閉係合するように存在し、マニホールドヘッダ17242の無菌性を維持する。標的内へ針17214を挿入すると、ポート17214Aは、上部隔壁と下部隔壁との間にマニホールド17220内部に位置する。これは、流体が標的内への送達のために針内へ通過することが可能になる。
滅菌ブーツ17250は、近位端においてマニホールド17240と、及び遠位端において基部17252と固定係合する折り畳み可能または圧縮可能な滅菌膜である。少なくとも1つの実施形態では、図108C、図109C、及び図110Cに示されるように、滅菌ブーツ17250は、基部17252と挿入機構ハウジング17202との間で遠位端に固定係合して維持される。下記にさらに説明されるように、基部17252は、針が挿入機構の動作中に通過し得る基部開口部17252Aを含む。針の滅菌性が、挿入機構の滅菌部内部でのその最初の位置付けによって維持される。具体的には、上記に説明されたように、針17214は、マニホールドヘッダ17242及び滅菌ブーツ17250の滅菌環境に維持される。その上、基部17252の基部開口部17252Aは、例えば、密閉膜17254等によって、非滅菌環境から閉鎖され得る。
図107は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、トラベルリミッタ17229を示す。トラベルリミッタ17229は、突起部17229A及びアーム17229Cを含む。トラベルリミッタ17229は、ハウジング17202に係合するように構成されており、その構成では、アーム17229Cは、ハウジング17202の1つ以上の下側周方向スロット17202F内部に少なくとも部分的に配置される。突起部17229Aは、ハウジング17202の開口17202Eに係合するように構成されている。突起部17229Aは、開口17202Eの壁との衝突に起因して、開口17202Eを通って挿入中に内向きに曲がる。突出部17229Dが開口17202Eを完全に貫通した後、突起部17229Aが外向きに曲がり、その後、実質的に、ハウジング17202に対して適所にトラベルリミッタ17229を固定する。下文により詳細に説明されるように、1つ以上の近位面17229Bは、マニホールドガイド17220及び/またはクリップリテーナ17219の移動を制限するために使用される。
挿入機構の動作が、図108~図110を考慮して、上記の構成要素を参照して本明細書に説明される。図108Aは等角図を示し、図108Bは、ロックされた使用準備完了段階における、本開示の少なくとも1つの実施形態による挿入機構の断面図を示す。ロックアウトピン17208(複数可)は、最初に、挿入機構ハウジング17202のロックアウト窓17202A内部に位置付けられる。この最初の位置では、マニホールドガイド17220のマニホールドガイドリング17220C、クリップリテーナ17219、クリップ17218、及びハブ17212は、ロックアウト窓17202A及びロックアウトピン17208(複数可)の上方に保定される。この最初の構成では、挿入付勢部材17210及び後退付勢部材17216はそれぞれ、それらの圧縮されているエネルギー蓄積状態で保定される。突出部17219Hは、ハウジング17202のスロット17202B内部に位置する。
図1Bに示されるように、ロックアウトピン17208(複数可)(目視不可)は、アクティブ化機構14のユーザの押し下げによって直接変位し得る。ユーザが随意的体上センサ24(図1Cに示される)等の任意の安全機構から係脱するとき、アクティブ化機構14は、薬剤ポンプを起動するために押し下げられ得る。アクティブ化機構14の押し下げは、直接、制御アーム40の並進または変位をもたらす場合があり、直接的または間接的に、挿入機構ハウジング17202のロッキング窓17202A内部のその最初の位置からロックアウトピン17208(複数可)の変位をもたらす場合がある。ロックアウトピン17208(複数可)の変位は、挿入付勢部材17210が、その最初の圧縮されているエネルギー蓄積状態で、展開及び/またはエネルギー解放することを可能にする。
図108Bに示されるように、ハブレッジ17212Aは、チャンバ17219Bの内部において、ハブ17212とクリップリテーナ17219との間に圧縮されているエネルギー蓄積状態で、後退付勢部材17216を維持する。ハブ17212は、ハブ凹部17212Bにおいて、針17214の近位端に固定係合し、ハブ17212及び針17214を最初の位置に位置付ける。動作前に、密閉部材17254は基部17252の底面から取り外され得、基部17252は標的上の標的注射部位と接触するように設置される。上記に説明されたように、ロックアウトピン17208(複数可)はアクティブ化機構によって変位し、挿入付勢部材17210は、遠位方向(すなわち、図108Bの実線矢印の方向)における軸方向に伸長することが可能になり、フランジ17219Eは、挿入付勢部材17210の展開及び/またはエネルギー解放によって押勢され、遠位方向において軸方向に並進し、針17214を標的内に挿入する。クリップリテーナ及びマニホールドガイドの軸方向並進は方向性を持ち、挿入機構ハウジングキャップ17203のガイド突出部17204と、クリップリテーナ17219及びマニホールドガイド17220の対応する貫通部17219D及び17220Dとの間の相互作用によって回転整列に維持される。マニホールドガイド17220が遠位方向において軸方向に進行する間、クリップ17218の解放表面17218Aは、ハブ17212に係合し、後退付勢部材17216を圧縮されているエネルギー蓄積状態で保定する。
図109Aは等角図を示し、図109Bは、投与構成(すなわち、針17214及びハブ17212が投与位置にある)にある挿入機構の断面図を示す。この位置では、マニホールドガイド17220は、トラベルリミッタ17229の近位表面17229Bに接触する。示されるように、挿入付勢部材17210が針17214を伸長させて標的内へ挿入するとき、滅菌ブーツ17250は折り畳まれることが可能になる。本段階において、図109に示されるように、針17214は、薬剤送達のために標的内へ導入される。流体経路接続部が薬剤コンテナに対して設けられ駆動機構がアクティブ化しているとき、流体薬剤治療物が、標的内への送達のために、薬剤コンテナから、流体経路接続部及び滅菌流体導管を通ってマニホールドヘッダ17242内に、及び針17214を通って押勢される。従って、挿入機構のアクティブ化は、針17214を標的内に挿入し、当該標的には、標的と連通する流体経路が留置される。図109Bに示されることができるように、アーム17218Dは、ガイド突出部17204との接触に起因して内向きに曲がる。従って、解放表面17218Aは、ハブ17212との接触を維持し、後退付勢部材17216が展開またはエネルギー解放することを防止する。
図110A~図110Bに示されるように、針17214は、挿入機構ハウジング17202内に後退する(すなわち、近位方向において軸方向に並進する)。図110Aは、本構成では、挿入機構の等角図を示し、図110Bは、断面図を示す。図110Bの断面の平面は、図108B及び図109Bのものと同じではないが、それらの図の断面に対して回転したものである。この後退は、ユーザによるアクティブ化、投与量送達の完了時の自動後退、駆動機構の故障もしくは障害時の自動後退によって、または1つ以上のセンサによってアクティブ化されると、始動され得る。挿入付勢部材17210を十分に遠位に変位すると、突出部17219Hは、ハウジング17202の周方向スロット17202Cと実質的に整列し、アーム17218Dは、図11A~図11B(位置A)に示されるようなガイド突出部17204によって拘束される。この位置では、クリップリテーナ17219は、ハウジング17202、ハウジングキャップ17203、及びガイド突出部17204を図110A~図110Bに示されるような位置Bまで回転することが可能である。クリップリテーナ17219の回転は、クリップ17218に伝達される。位置Bでは、クリップ17218のアーム17218Dは、ガイド突出部17204によって抑えられておらず、従って、アーム17218Dは、外向きの付勢に起因して、半径方向外向き(すなわち、図109Bに示される白抜き矢印の方向)に曲がる。これは、解放表面17218Aをハブ17212から係脱させる。ハブ17212から解放表面17218Aが係脱されると、後退付勢部材17216は、その最初の圧縮されているエネルギー蓄積状態から、近位方向において軸方向に(すなわち、図110Bの斜線矢印の方向に)伸長することができる。図110Bに示されるように、クリップ17218は、ロックアウト表面17218Bと、ガイド突出部17204の遠位端との間の接触によって、近位方向における後退または軸方向並進を防止する。このロックアウトはまた、クリップリテーナ17219、マニホールドガイド17220、及びマニホールドガイドリング17220Cの遠位に(すなわち、下方に)ある挿入機構構成要素の近位方向における軸方向並進を防止する。本構成では、針17214が露出せず、従って、ポンプ10を扱うことを安全にする。
図111に示される第2の実施形態では、図111A及び図111Bに示されるように、挿入機構172200は、挿入機構ハウジング172202と、基部172252と、滅菌ブーツ172250とを含む。基部172252は、挿入機構を薬剤送達デバイス10(図1A~図1Cに示されるようなもの)に統合するように、アセンブリプラットホーム1720に接続され得る。アセンブリプラットホーム1720への基部172252の接続は、例えば、基部の底面が、標的への基部の直接接触を可能にするように、アセンブリプラットホーム内の孔を通過することが可能になる。そのような構成では、基部172252の底面は、少なくとも1つの実施形態では、薬剤ポンプ10の使用前に取り外し可能である密閉膜172254を含み得る。代替として、密閉膜172254は、基部172252の底面に取り付けられたままであり得、その状態では、針172214は、薬剤ポンプ10の動作中に、密閉膜172254を貫通する。図111A及び図111Bに示されるように、挿入機構172200は、さらに、挿入付勢部材172210、ハブ172212、針172214、後退付勢部材172216、クリップ172218、マニホールドガイド172220、トラベルリミッタ172229、マニホールド本体172240Bを含むマニホールド172240、隔壁172230A及び172230Bを含み得る。本明細書にさらに詳細に説明されるように、マニホールド172240は滅菌流体導管30に接続し、薬剤送達中に、マニホールド172240、針172214を通って、及び標的内への流体流動を可能にし得る。
図112に示されるように、挿入機構ハウジング172202は、挿入機構の構成要素が実質的に収納される内側チャンバを有する実質的に円筒形構成要素であり得る。下文に説明されるように、ハウジング172202は、さらに、滅菌流体導管30が針挿入中に並進し得る軸方向スロット172202Dを含み得る。ハウジング17202は、さらに、最初のロック構成でロックアウトピン17208に係合するように構成されている1つ以上のロックアウト窓172202Aを含む。ロックアウトピン17208は、窓172202Aを通ってハウジング172202の内部まで通過し得、その状態では、マニホールドガイドリング172220Cが最初のロック構成でロックアウトピン17208上に載り得る。ハウジング172202は、加えて、トラベルリミッタ172229を受け、及びそれに係合するように構成されているリミッタスロット172202Fを含み得る。
ハウジング172202は、加えて、ガイド突出部172204を含み得る。ガイド突出部172204は、代替として、ハウジング172202内部に位置する別個の構成要素の一部であり得る。ガイド突出部172204は、マニホールドガイドリング172220C上の貫通孔172220Dでマニホールドガイド172220に摺動可能に係合する。挿入付勢部材172210は最初に、ガイド突出部172204と挿入機構ハウジング172202の内側表面との間に、かつ挿入機構ハウジング172202の内部近位端とマニホールドガイドリング172220Cとの間に、エネルギー蓄積状態で存在する。従って、ユーザによってアクティブ化すると、下文にさらに説明されるように、挿入付勢部材172210は、挿入付勢部材172210が展開し及び/またはエネルギー解放するときに、マニホールドガイドリング172220Cを圧迫させ、力をそれに働かせ、マニホールドガイド172220及びマニホールドガイド172220内部に保定される構成要素の遠位方向に軸方向並進をもたらす。アクティブ化より前に、挿入付勢部材172210は、圧縮されているエネルギー蓄積状態で、ロッキング窓172202Aの実質的に上方に維持される。
図113に示されるマニホールドガイド172220は、ガイドリング172220Cによって分離される、上側クリップリテーナまたはクリップ保定部172219及び下側チャンバ172220Bを含み得る。クリップリテーナまたはクリップ保定部172219は、クリップ172218の係合可能な保定のためのクリップ接触スロット172219Aを含み得る。可撓性延在部172219Gは、クリップ接触スロット172219A内へのクリップ172218の設置中に外向きに曲がり、かつクリップが挿入されると、その本来位置に戻るように構成され得る。従って、クリップ172218は、実質的に、マニホールドガイド172220に対して軸方向位置に保定される。クリップリテーナまたはクリップ保定部172219は、内部チャンバ172219B(後退付勢部材172216、クリップ172218、及びハブ172212が、動作の最初のロック段階中に存在し得る)と、外部上側チャンバ172219C(挿入付勢部材172210と接触する)とを有し得る。少なくとも1つの実施形態では、挿入付勢部材172210及び後退付勢部材172216は、ばね、好ましくは、圧縮ばねである。ハブ172212は、針172214の近位端に係合可能に接続され得、それにより、ハブ172212の変位または軸方向並進は、針172214の関連動作をもたらす。マニホールドガイドリング172220Cは、動作の最初のロック段階中に、ロックアウトピン17208によって支持されるように構成されている。
図114に示されるトラベルリミッタ172229は、リビングヒンジ172229Dを含むように構成され得、リビングヒンジ172229Dは、トラベルリミッタ172229のアーム172229Cが、近位面172229Bがマニホールドガイド172220の軸方向移動を制限する「閉鎖」位置から、「開放」位置(トラベルリミッタ172229がマニホールドガイド172220の追加軸方向運動を可能にする)まで変わることを可能にし、それによって、針の後退が可能になる。トラベルリミッタ172229は、少なくとも部分的に、最初の設置構成でハウジング172202の内部にあるように構成されている。その「開放」位置への変化後、トラベルリミッタ172229がウジング172202の実質的に外側に位置付けられ得る、または、ハウジング172202内部に部分的に存在しているままであり得るが、マニホールドガイド172220の追加遠位運動を可能にし得る。代替として、「閉鎖」位置から「開放」位置までの変化は、軸Aに垂直な方向にトラベルリミッタ172229を並進することによって行われ得、それにより、近位面172229Bは、マニホールドガイド172220の追加移動を可能にする。
本明細書に示されるような「針」は、限定ではないが、剛性中空鋼鉄針等の従来式中空針と、より一般に「トロカール」という称される固体コア針とを含む、種々の針を指すことが意図される。針は、薬剤の種類及び意図される薬剤投与(例えば、皮下、筋肉内、皮内等)に好適である任意のサイズの針であり得る。第1の実施形態の針17214と同様に、針172214は、流体を針の中空内部内に収容するための少なくとも1つの側面ポート172214Aを含み得る。そのような1つの側面ポート172214Aが示されるが、複数の側面ポートが、流体を針172214の中空内部に収容するために提供され得ることを認識されるであろう。組み立てると、針172214の近位端は、ハブ172212と固定しながら接触して維持される。針の近位端は、プラグ(例えば、樹脂プラグ、接合剤のプラグ)で埋められ得る、または、ハブ172212内部に被包され得る。針172214の近位端を差し込むことによって、流体は、薬剤送達中、この方向に針から流出することを防止される。針172214の残りは、後退付勢部材172216、クリップ172218の開口172218C、及びマニホールドガイド172220を貫通することが可能になる。針172214は、さらに、隔壁172230、マニホールドヘッダ172242を通るマニホールド本体172240B、滅菌ブーツ172250、及び基部開口部172252Aを通る基部172252を貫通し得る。隔壁172230及びマニホールド本体172240Bは、挿入機構が動作するまで、マニホールドガイド172220の下側チャンバ172220B内部に、及び滅菌ブーツ172250内部に存在し得る。同様に、隔壁172230Aは、マニホールド本体172240Bの上部と実質的に固定され、及びその中で密閉係合するように存在し、隔壁172230Bは、マニホールド本体172240Bの下部と実質的に固定され、かつその中で密閉係合するように存在し、マニホールドヘッダ172242の無菌性を維持する。標的内へ針172214を挿入すると、ポート172214Aは、上部隔壁と下部隔壁との間にマニホールド172220内部に位置する。これは、流体が標的内への送達のために針172214内へ通過することが可能になる。
滅菌ブーツ172250は、近位端においてマニホールド172240と、及び遠位端において基部172252と固定係合する折り畳み可能または圧縮可能な滅菌膜である。少なくとも1つの実施形態では、図115A~図115Cに示されるように、滅菌ブーツ172250は、基部172252と挿入機構ハウジング172202との間で遠位端に固定係合して維持される。下記にさらに説明されるように、基部172252は、針が挿入機構の動作中に通過し得る基部開口部172252Aを含む。針の滅菌性が、挿入機構の滅菌部内部でのその最初の位置付けによって維持される。具体的には、上記に説明されたように、針172214は、マニホールドヘッダ172242及び滅菌ブーツ172250の滅菌環境に維持される。その上、基部172252の基部開口部172252Aは、例えば、密閉膜172254等によって、非滅菌環境から閉鎖され得る。
挿入機構の一実施形態の動作が、図115A~図115Cを考慮して、上記の構成要素を参照して本明細書に説明される。図115Aは、ロックされた使用準備完了段階における、本開示の少なくとも1つの実施形態による挿入機構の断面図を示す。ロックアウトピン172208(複数可)は、最初に、挿入機構ハウジング172202のロックアウト窓172202A内部に位置付けられる。この最初の位置では、マニホールドガイド172220のマニホールドガイドリング172220C、クリップ172218、及びハブ172212は、ロックアウト窓172202A及びロックアウトピン172208(複数可)の上方に保定される。この最初の構成では、挿入付勢部材172210及び後退付勢部材172216はそれぞれ、それらの圧縮されているエネルギー蓄積状態で保定される。
図1Bに示されるように、ロックアウトピン172208(複数可)(目視不可)は、アクティブ化機構14のユーザの押し下げによって直接変位し得る。ユーザが随意的センサ24(図1Cに示される)等の任意の安全機構から係脱するとき、アクティブ化機構14は、薬剤ポンプを起動するために押し下げられ得る。アクティブ化機構14の押し下げは、直接、制御アーム40の並進または変位をもたらす場合があり、直接的または間接的に、挿入機構ハウジング172202のロッキング窓172202A内部のその最初の位置からロックアウトピン17208(複数可)の変位をもたらす場合がある。ロックアウトピン172208(複数可)の変位は、挿入付勢部材172210が、その最初の圧縮されているエネルギー蓄積状態で、展開及び/またはエネルギー解放することを可能にする。
図115Bに示されるように、ハブレッジ172212Aは、チャンバ172219Bの内部において、ハブ172212とマニホールドガイド172220との間に圧縮されているエネルギー蓄積状態で、後退付勢部材172216を維持する。ハブ172212は、ハブ凹部172212Bで針172214の近位端に固定係合する。動作前に、密閉部材172254は基部172252の底面から取り外され得、基部172252は標的上の標的注射部位と接触するように設置される。上記に説明されたように、ロックアウトピン172208(複数可)はアクティブ化機構によって変位し、挿入付勢部材172210は、遠位方向(すなわち、図115Aの実線矢印の方向)における軸方向に伸長することが可能になり、ガイドリング172220Cは、挿入付勢部材172210の展開及び/またはエネルギー解放によって押勢され、遠位方向において軸方向に並進し、針172214を標的内に挿入する。マニホールドガイドの軸方向並進は方向性を持ち、挿入機構ハウジング172202のガイド突出部172204と、マニホールドガイド172220の対応する貫通部172220Dとの間の相互作用によって、回転整列に維持される。クリップ172218の解放表面172218Aは、圧縮されているエネルギー蓄積状態で、ハブ172212に係合し、後退付勢部材172216を保定する一方、マニホールドガイド172220は遠位方向において軸方向に進行する。図115Bは、投与構成(すなわち、針172214及びハブ172212が投与位置にある)にある少なくとも1つの実施形態による挿入機構の断面図を示す。この位置では、マニホールドガイド172220は、トラベルリミッタ172229の近位表面172229Bに接触する。示されるように、挿入付勢部材172210が針172214を伸長させるように標的内へ挿入するとき、滅菌ブーツ172250は折り畳まれることが可能になる。本段階において、針172214は、薬剤送達のために標的内へ導入される。流体経路接続部が薬剤コンテナに対して設けられ駆動機構がアクティブ化しているとき、流体薬剤治療物が、標的内への送達のために、薬剤コンテナから、流体経路接続部及び滅菌流体導管を通ってマニホールドヘッダ172242内に、及び針172214を通って押勢される。従って、挿入機構のアクティブ化は、針172214を標的内に挿入し、当該標的は組織であり得、例えば、標的と連通する流体経路が留置され得る。図115Bに示されることができるように、アーム172218Dは、ガイド突出部172204との接触に起因して内向きに曲がる。従って、解放表面172218Aは、ハブ172212との接触を維持し、後退付勢部材172216が展開またはエネルギー解放することを防止する。
図115Cに示されるように、針172214は、挿入機構ハウジング172202内に後退する(すなわち、近位方向において軸方向に並進する)。この後退は、ユーザによるアクティブ化、投与量送達の完了時の自動後退、駆動機構の故障もしくは障害時の自動後退によって、または1つ以上のセンサによってアクティブ化されると、始動され得る。針172214の後退を効果的にするために、トラベルリミッタ172229が変位及び/または変化され、その状態では、マニホールドガイドリング172220Cは、近位面172229Bによって支持されていない。従って、挿入付勢部材172210のさらなる展開またはエネルギー解放は、マニホールドガイド172220を遠位方向(図115Aの実線矢印の方向に)に移動させる。この位置では、クリップ172218のアーム172218Dは、ガイド突出部172204によって抑えられておらず、従って、アーム172218Dは、外向きの付勢に起因して、半径方向外向き(すなわち、図115Bに示される白抜き矢印の方向)に曲がる。これは、解放表面17218Aをハブ172212から係脱させる。ハブ172212から解放表面172218Aが係脱されると、後退付勢部材172216は、その最初の圧縮されているエネルギー蓄積状態から、近位方向において軸方向に(すなわち、図115Cの斜線矢印の方向に)伸長することを可能にする。図115Cに示されるように、クリップ172218は、ロックアウト表面172218Bと、ガイド突出部172204の遠位端との間の接触によって、近位方向における後退または軸方向並進を防止する。このロックアウトはまた、マニホールドガイド172220及びマニホールドガイドリング172220Cに遠位に(すなわち、下方に)ある挿入機構構成要素の近位方向における軸方向並進を防止する。本構成では、針172214が露出せず、従って、ポンプ10を扱うことを安全にする。
針の後退のアクティブ化は、多くの機構によって達成され得る。例えば、ボタン等の後退アクティブ化機構は、ハウジング12の外側に提供され得、ユーザによって押し下げられると、標的からの針の後退をアクティブ化する。例えば、一実施形態では、後退アクティブ化機構の押し下げは、クリップリテーナ17219が位置Bまで回転することを可能にし、従って、後退付勢部材17216が針17214を伸長かつ後退させることを可能にし得る。別の実施形態では、後退アクティブ化機構の押し下げは、トラベルリミッタ172229の変位及び/または変化をもたらし、後退アクティブ化機構172216が針を押し下げ、及び後退することを可能にし得る。後退アクティブ化機構の作動は、後退アクティブ化機構を押し下げるために必要な進行及び/または力が小さくなるように補助されるばねのような作動であり得る。代替として、または加えて、駆動機構100が投与終了に達すると、電気的または機械的アクチュエータは、後退のアクティブ化をもたらし得る。例えば、投与終了に応じて、電流がニチノール構成要素に印加されるように、電気接続が行われ得る。電流が印加すると、ニチノール構成要素の温度が上昇する。ニチノールの形状記憶特性のために、この成分は、温度が増加すると、第1の構成から第2の構成まで変形するように構成され得る。この第2の構成では、ニチノール構成要素は、例えば、クリップリテーナ17219を回転させることによって、または、トラベルリミッタ172229を変位もしくは変化させることによって、針の後退の作動を可能にし、またはそれをもたらし得る。
代替として、または加えて、センサ24等のセンサは、薬剤ポンプ10が標的から取り外されるとき、針の後退のアクティブ化をもたらす、または可能にし得る。例えば、ポンプ10が標的上に設置されると、センサ24の位置は、針の後退を防止する。標的から取り外されると、センサ24の構成の変化は後退を可能にし得る。別の実施形態では、光センサは、基部開口部17252の近くで、薬剤ポンプ10上に置かれ得る。薬剤ポンプ10が標的上の適所にあるとき、光が実質的に光センサに入ることを遮断するであろう。標的から薬剤ポンプ10を取り外すと、光は光センサによって感知され得、光センサは、電気機械アクチュエータを始動させ、後退のアクティブ化を可能にし、またはそれをもたらし得る。他の実施形態では、ピン型圧入相互接続は、針の後退を開始するために使用される。ピンは、ハウジング12から少なくとも部分的に突出するように付勢し、標的上にポンプ10が設置されると変位し得る。変位すると、ピンはPCB上の雌孔に係合し得、PCBは電力及び制御システム400の一部であり得る。標的からポンプ10を取り外すと、付勢されたピンはPCBの雌孔から係脱し、それによって、針の後退をアクティブ化する信号を生じさせる。
さらに、挿入機構は、ハウジング12またはプラットホーム1720に対して挿入機構の変位等の危険な状況の存在または検出が針の後退の作動をもたらすように構成され得る。例えば、ロックアウト窓からロックアウトピン17208を取り外すと、針挿入機構は、ハウジング12及び/またはプラットホーム1720に対して遠位方向に自由に浮動し得る。付勢部材は、針挿入機構がハウジング12及び/またはプラットホーム1720に対して遠位方向に移動するように付勢されるように使用され得る。しかしながら、ポンプ10が標的上の適所にあるとき、運動は標的によって抑える。標的からポンプ10を取り外すと、付勢部材は、展開またはエネルギー解放し、針挿入機構が、ハウジング12及び/またはプラットホーム1720に対して遠位に移動させ得る。この遠位変位は、後退のアクティブ化をもたらし、またはそれを可能にし得る。代替として、または加えて、接着剤は、針挿入機構の遠位面上に位置し、標的からの取り外しに抵抗し、針挿入機構が、ハウジング12及び/またはプラットホーム1720に対して遠位に移動させ得る。ユーザに対する安全は、これらの針後退のためのこれらの機構の1つ以上の使用によって高められ得る。例えば、薬剤ポンプ10が針挿入後に標的から意図せずに取り外される場合、上記に説明された手段の1つによる針の自動後退は、針刺し損傷の危険性を減らしている。
図116は、後退アクティブ化機構の一実施形態を示す。後退アクティブ化付勢部材1764は、一端で制御アーム1740に接続され、他端で枢動軸1770の接続アーム1778に接続される。枢動軸1770の標的接触部1772は、下側ハウジング12Bを通って延在し得、その運動は、ポンプ10が標的上に設置されると、標的との接触によって抑え得る。枢動軸1770のピン1776は、ハウジング12またはポンプの別の構成要素に係合するように構成され、それによって、ピン1776を中心とする枢動軸1770の回転を可能にする。枢動軸1770の延在部1774は、動作中、突出部17219Hに接触するように構成されている。ユーザによるアクティブ化機構14の押し下げは、摺動部40の変位をもたらし、これは、薬剤ポンプをアクティブ化し、ロックアウトピン17208を変形することによって針を標的内に挿入する、アクティブ化機構14の押し下げは、また、薬剤ポンプをアクティブ化し、追加の作用を行い得る。制御アーム1740の変位は、後退アクティブ化付勢部材1764の第1の端を変位させ、後退アクティブ化付勢部材の第2の端の変位は、枢動軸1770の標的接触部1772と標的との間の接触により、枢動軸1770によって抵抗される。標的から薬剤ポンプ10を取り外すと、枢動軸1770は、後退アクティブ化付勢部材1764内に保管されるエネルギーによって回転させられる。枢動軸1770が回転するとき、延在部1774は、突出部17219Hに接触し、回転をクリップリテーナ17219に付与し、それによって、標的からの針の後退をもたらし、またはそれを可能にする。
針の後退は、さらに、駆動機構100の故障及び/または障害に応じて開始し得る。例えば、駆動機構は、薬剤コンテナ50の内容物の送達の量を調量または制御する役割するテザーを含み得る。テザーに加えられる、またはそれによって維持される張力は、1つ以上のセンサによって監視され得る。テザーの張力の減少は、テザーが薬物の送達を適切に調量または制御しない事の示唆であり得る。センサは、テザーの一部と接触する機械構成要素またはリンク機構であり、接点は、少なくとも部分的に、センサの位置及び/または構成を制御し得る。テザー内の張力の減少に応答して、センサは、第1の位置から第2の位置まで変わる。この変化は、直接的または間接的に、針の後退をもたらし得る。後退は、完全な機械的作用によってもたらされ得、または、代替として、電力及び制御システム400によって受信及び/または生成される電気信号を含有し得る。
他の実施形態では、センサは、テザー上に存在する歪み、荷重、または張力を測定及び/または監視するように構成されている、歪みゲージ、ロードセル、力センサ、または他のセンサであり得る。これらの実施形態では、センサは、テザーに少なくとも部分的に添着され、テザーの張力に基づいて電気信号を生成する。電気信号は、テザーの張力の大きさに比例する大きさで変動し得る。代替として、テザーの張力が規定の大きさを下回る、また超えるとき、信号送信を中断する、または開始するのどちらかであり得る。信号は電源及び制御システムによって監視され得、電源及び制御システムは、信号の存在、不在、または大きさに基づいて、針及び/またはカニューレの後退をもたらし、またはそれを可能にし得る。
さらに他の実施形態では、テザーの機械故障が、直接、電気信号を開始または中断させ得る。例えば、テザーは、少なくとも部分的に、導体材料から作られ得る。テザーは、電源及び制御システムと電気通信し得る。テザーの機械故障は、テザーを通る電流路を遮断し、1つ以上の回路内に電流の流動の変化をもたらし得る。この変化は、針の後退を開始または可能にし得る。
加えて、または代替として、駆動システムの1つ以上の特徴の位置及び/または速度は、光学センサ等のセンサ、符号器、電位差計、または変換器によって監視され得る。監視された特徴の位置及び/または速度が規定閾値を超える、または下回る場合、電源及び制御システムは、針の後退を開始及び/または可能にし得る。
同様の機構は、マニホールドガイド172220の軸方向運動を制限する構成から、マニホールドガイド172220が遠位方向において軸方向に並進することを可能にする構成まで、トラベルリミッタ172229を変形させるように使用され、それによって、標的からの針の後退を可能にし得る。例えば、トラベルリミッタ172229は、リビングヒンジ特徴72229Dで曲げられ、トラベルリミッタ172229はその「開放」位置まで変形させられ得る。
本開示による挿入機構を動作する方法は、挿入機構ハウジングの対応する1つ以上のロックアウト窓から1つ以上のロックアウトピンを取り外すことであって、当該ロックアウトピンの取り外しは、挿入付勢部材が、その最初のエネルギー蓄積状態から伸長することを可能にする、当該取り外すことと;挿入付勢部材の伸長によって、遠位方向において軸方向にクリップリテーナ及びマニホールドガイドを押し込み、少なくとも部分的に挿入機構の外に、かつ標的内に、針を押勢することと;流体送達のために標的内に挿入されるときであろうときに、針を投与位置に維持することと;クリップリテーナのチャンバ内に保定されるクリップの外側への屈曲を可能にすることであって、当該クリップはエネルギー蓄積状態でハブ及び後退付勢部材を最初に保定し、屈曲はハブとの接点からクリップの1つ以上の解放表面を係脱し、それによって、近位方向において軸方向に後退付勢部材の伸長を可能にする、当該可能にすることと;針とハブとの間の固定接続によってハブが後退するときに針を後退させることとを含む。
別の実施形態では、本開示による挿入機構を動作する方法は、挿入機構ハウジングの対応する1つ以上のロックアウト窓から1つ以上のロックアウトピンを取り外すことであって、当該ロックアウトピンの取り外しは、挿入付勢部材が、その最初のエネルギー蓄積状態から伸長することを可能にする、当該取り外すことと;挿入付勢部材の伸長によって、遠位方向において軸方向にマニホールドガイドを押し込み、少なくとも部分的に挿入機構の外に、及び標的内に、針を押勢することと;流体送達のために、針を投与位置に維持することと;トラベルリミッタを変形または変位させ、マニホールドガイドのチャンバ内に保定されるクリップの外側への屈曲を可能にすることであって、当該クリップはエネルギー蓄積状態でハブ及び後退付勢部材を最初に保定し、屈曲はハブとの接点からクリップの1つ以上の解放表面を係脱し、それによって、近位方向において軸方向に後退付勢部材の伸長を可能にする、当該可能にすることと;針とハブとの間の固定接続によってハブが後退するときに針を後退させることとを含む。
挿入機構または薬剤ポンプ10のある随意的標準構成要素または変形例は、本開示の範疇及び範囲内に存在しながらの状況で想到される。例えば、上側または下側ハウジングは、随意に、図1A~図1Cに示されるような1つ以上の透明または半透明の窓18を含有し、ユーザが、薬剤ポンプ10の動作を視認し、または薬剤投与が完了したことを検証することを可能にし得る。加えて、薬剤ポンプ10は、ハウジング12の底表面に接着パッチ1726及びパッチライナ1728を含有し得る。接着パッチ1726は、薬剤投与量の送達のために、薬剤ポンプ10を標的に接着するために利用され得る。当業者によって容易に理解されるであろうように、接着パッチ1726は、標的への薬剤ポンプの接着のための接着表面を有し得る。接着パッチ1726の接着表面は、最初に、非接着パッチライナ1728によって覆われ得、非接着パッチライナ1728は、標的と接触する薬剤ポンプ10の設置前に、接着パッチ1726から取り外される。接着パッチ1726は、随意に、随意的センサ24の作動を防止し、挿入機構の基部開口部を覆う保護的覆いを含み得る。パッチライナ1728の取り外しは保護的覆いを取り外し得、または保護的覆いは別個に取り外され得る。パッチライナ1728の取り外しは、さらに、挿入機構の密閉膜を取り外し、薬剤送達のために、標的に対して挿入機構を開放し得る。
同様に、挿入機構及び薬剤ポンプ10の1つ以上の構成要素は、本開示の範疇及び範囲内に機能的に存在している間に修正され得る。例えば、上記に説明されたように、薬剤ポンプ10のハウジングが、2つの別個の構成要素(上側ハウジング12Aと下側ハウジング12B)として示されるが、これらの構成要素は、単一の一体型構成要素であり得る。同様に、ガイド突出部172204が挿入機構ハウジング172202の事前に形成された一体型構成要素として示されるが、挿入機構ハウジング172202の内部表面に固定添着される別個の構成要素であり得る。上記に検討されたように、のり、接着剤、または他の既知の材料もしくは方法は、挿入機構及び/または薬剤ポンプのうちの1つ以上の構成要素を相互に添着するために利用され得る。代替として、挿入機構及び/または薬剤ポンプの1つ以上の構成要素は、一体型構成要素であり得る。例えば、上側ハウジング及び下側ハウジングは、のりもしくは接着剤、ねじ嵌合接続、締まりばめ、溶融接合、溶接、超音波溶接等によって一緒に添着される別個の構成要素であり得、または上側ハウジング及び下側ハウジングは、単一の一体型構成要素であり得る。そのような標準構成要素及び機能的変形例は、当業者によって認識されるであろう、従って、本開示の範疇及び範囲内にある。
本明細書に開示される挿入機構及び薬剤ポンプが、薬剤コンテナからの自動薬剤送達用の効率的及び容易に動作するシステムを提供することを上記の説明から認識されるであろう。本明細書に説明される新規実施形態は、統合型安全特徴を提供し、挿入機構の直接のユーザによるアクティブ化を可能にし、流体経路の滅菌性を維持するように構成されている。上記に説明されたように、統合型安全特徴は、随意的センサと、冗長ロックアウトと、ユーザによるアクティブ化に応じた自動針挿入及び後退と、視覚及び聴覚フィードバックオプションを含む多数のユーザフィードバックオプションとを含む。本開示の新規の挿入機構は、ユーザによって直接的にアクティブ化され得る。例えば、少なくとも1つの実施形態では、ロックアウトピン(複数可)(挿入機構をそのロックされたエネルギー蓄積状態に維持する)は、アクティブ化機構のユーザの押し下げによって、挿入機構ハウジングの対応するロックアウト窓から直接変位する。代替として、任意の介在ステップなしで、ユーザによってアクティブ化機構が直接変位するときにロックアウトピン(複数可)を変位させる、ばね機構等の1つ以上の追加構成要素が含まれ得る。
さらに、本開示の挿入機構及び薬剤ポンプの新規構成は、保管中、輸送中、及び本デバイスの動作によって、流体経路の滅菌性を維持する。薬剤流体が本デバイス内部で進行する経路が全体的に滅菌状態に維持されるために、これらの構成要素だけ、製造プロセス中に滅菌される必要がある。そのような構成要素は、駆動機構の薬剤コンテナ、流体経路コネクタ、滅菌流体導管、及び挿入機構を含む。本開示の少なくとも1つの実施形態では、電源及び制御システム、アセンブリプラットホーム、制御アーム、アクティブ化機構、ハウジング、及び薬剤ポンプの他の構成要素は、滅菌される必要はない。これは、大きく、本デバイスの製造性を改善し、関連する組立費を減らす。従って、本開示のデバイスは、組立の完了時、最終滅菌を必要としない。本開示のさらなる利点は、本明細書に説明される構成要素が、例えば、薬剤ポンプのハウジング及び他の構成要素が、挿入機構17200、挿入機構172000、または本明細書に説明される挿入機構のいくつかの他の変形例を受け、及び動作させるように容易に構成され得るようなモジュールになるように設計されていることである。
挿入機構、薬剤ポンプ10、または個々の構成要素のいずれかの組立及び/または製造は、当技術分野のいくつかの既知の材料及び手法を利用し得る。例えば、イソプロピルアルコール等のいくつかの既知の洗浄液は、構成要素及び/または本デバイスを洗浄するために使用され得る。いくつかの既知の接着剤またはのりは、同様に、製造プロセスで採用され得る。加えて、既知のシリコーン表面処理流体及びシリコーン表面処理プロセスは、新規構成要素及び新規デバイスの製造中に採用され得る。さらに、既知の滅菌プロセスは、最終製品の滅菌性を確実にするために、1つ以上の製造段階または組立段階で採用され得る。
挿入機構は、いくつかの手法で組み立てられ得る。一方法では、ハブは、最初に、針の近位端に接続される。ハブ及び針は、クリップリテーナの内側チャンバの中に挿入され、後退付勢部材は、クリップリテーナとハブとの間でエネルギー蓄積状態に維持される。ハブ、針、及び後退付勢部材は、クリップによって、この整列に保持され、クリップは、クリップ接触面においてクリップリテーナに固定的に、及び弾力的に接続される。1つ以上の隔壁は、マニホールドヘッダを作るように、マニホールド内に挿入される。針が隔壁を貫通するように、マニホールド及び隔壁は、マニホールドガイドの下側チャンバ内に挿入される。滅菌ブーツはマニホールドに接続され、針は、針が伸長構成にあるときに滅菌ブーツ内に存在する。
挿入ばねは、ハウジングと、ハウジングキャップからハウジングの内部に延在する1つ以上のガイド突出部との間の挿入機構ハウジング内に挿入される。ガイド突出部がマニホールドガイドのクリップリテーナフランジ上及びマニホールドガイドリング面上の対応する貫通部を通って延在するように、本明細書に説明されるようなマニホールド等に取り付けられる構成要素を有するマニホールドガイド及びクリップリテーナは、挿入機構ハウジング内に挿入される。クリップリテーナ及びマニホールドガイドが近位方向に並進するとき、挿入付勢部材をマニホールドガイドリングに接触させ、エネルギー蓄積状態にさせる。クリップリテーナ及びマニホールドガイドの並進ならびに挿入付勢部材の圧縮が挿入機構ハウジングの1つ以上のロックアウト窓の上方の点に達するとき、1つ以上の対応するロックアウトピン(複数可)は、この位置でマニホールドガイドを保定し、圧縮されているエネルギー蓄積状態で挿入付勢部材を保定するように挿入され得る。トラベルリミッタは、さらに、ハウジング内に挿入され得、その状態では、トラベルリミッタの突起部は、ハウジングの開口に係合する。
滅菌ブーツの遠位端は、基部とのハウジングの係合によって挿入機構ハウジングの遠位端と固定係合するように、位置付け、及び保持され得る。この位置では、滅菌ブーツが、針の周囲で伸長構成にあり、滅菌であり得る環状容積を作る。流体経路が開放時に流体導管からマニホールド吸入口を通って直接マニホールドヘッダ内に、及び針を通って進行するように、流体導管がマニホールド吸入口でマニホールドに接続され得る。流体経路接続部は、流体導管の反対端に取り付けられ得る。流体経路接続部、具体的には、流体経路接続部の滅菌スリーブは、薬剤コンテナのキャップ及び貫通可能密閉部に接続され得る。プランジャ密閉部及び駆動機構は、流体経路接続部に対向する端において、薬剤コンテナに接続され得る。密閉膜は、その環境から挿入機構を閉鎖するように基部の底面に取り付けられ得る。ここで、流体流動のための経路を構成する構成要素が組み立てられる。これらの構成要素は、いくつかの既知の方法によって滅菌され、次に、薬剤ポンプのアセンブリプラットホームまたはハウジングに、固定して、または取り外し可能のどちらかで搭載され得る。
薬剤ポンプの製造は、挿入機構の基部を、薬剤ポンプのアセンブリプラットホームまたはハウジングに取り付けるステップを含む。少なくとも1つの実施形態では、挿入機構の基部がアセンブリプラットホーム及び/またはハウジングを貫通し、標的と直接接触することが可能になるように取り付けが行われる。製造する方法は、さらに、アセンブリプラットホームまたはハウジングへの流体経路接続部、薬剤コンテナ、駆動機構の取り付けを含む。上記に説明されたような電力及び制御システム、アクティブ化機構、及び制御アームを含む、薬剤ポンプの追加構成要素は、アセンブリプラットホームまたはハウジングに取り付けられ、事前に形成され、または事前に組み立てられ得る。接着パッチ及びパッチライナは、本デバイスの動作中に、標的に接触する薬剤ポンプのハウジング表面に取り付けられ得る。
薬剤ポンプを動作させる方法は、ユーザによってアクティブ化機構をアクティブ化するステップと、制御アームを変位させ挿入機構を作動させるステップと、電源及び制御システムを作動させ、駆動制御機構をアクティブ化し、薬剤ポンプを通る流体薬剤流動を活発にするステップとを含み得る。本方法は、さらに、アクティブ化機構をアクティブ化させる前に、随意的センサに係合するステップを含み得る。本方法は、同様に、流体経路接続部と薬剤コンテナとの間の接続を確立するステップを含み得る。さらに、本動作方法は、駆動制御機構及び薬剤コンテナ内部にプランジャ密閉部を並進させ、標的への流体薬剤の送達のために、薬剤コンテナ、流体経路接続部、滅菌流体導管、及び挿入機構を通る流体薬剤流動を押勢することを含み得る。駆動機構及び薬剤ポンプの動作の方法は、上記に説明されたように、図108~図110及び図115を参照して最良に認識され得る。
少なくとも1つの実施形態では、本開示は、薬剤ポンプ用の挿入機構を提供し、当該挿入機構は、内部チャンバを有する挿入機構ハウジングと、マニホールドガイドリングによって分離される上側チャンバ及び下側チャンバを有するマニホールドガイドと、ハウジングキャップとマニホールドガイドリングとの間の挿入機構ハウジングの内部チャンバ内にエネルギー蓄積状態で最初に保持される1つ以上の挿入付勢部材と、マニホールドガイドの上側チャンバと弾性的に係合されるクリップと、後退付勢部材及び針の端に接続されるハブであって、後退付勢部材は、最初にハブとマニホールドガイドとの間にエネルギー蓄積状態で保定される、当該後退付勢部材及び当該ハブと、1つ以上の隔壁を有するマニホールドであって、隔壁間の環状空間はマニホールドヘッダを画定する、当該マニホールドとを含む。
少なくとも1つの実施形態では、挿入機構は、2つ以上の挿入付勢部材を含み得る。マニホールドは、流体導管への接続用のマニホールド吸入口を有する。挿入機構は、さらに、ハウジングと係合するトラベルリミッタを含み、それらの一部が、ハウジング内部チャンバ内に位置する。
別の実施形態では、本開示は、薬剤ポンプ用の挿入機構を提供し、当該挿入機構は、内部チャンバを有する挿入機構ハウジングと、ハウジングと係合されるハウジングキャップと、内部チャンバ及びフランジを有するクリップリテーナと、内部チャンバ及びマニホールドガイドリングを有するマニホールドガイドと、ハウジングキャップとクリップリテーナフランジとの間の挿入機構ハウジングの内部チャンバ内にエネルギー蓄積状態で最初に保持される1つ以上の挿入付勢部材と、クリップリテーナの内部チャンバと弾性的に係合されるクリップと、後退付勢部材及び針の端に接続されるハブであって、後退付勢部材は、最初にハブとマニホールドガイドとの間にエネルギー蓄積状態で保定される、当該後退付勢部材及び当該ハブと、1つ以上の隔壁を有するマニホールドであって、隔壁間の環状空間はマニホールドヘッダを画定する、当該マニホールドとを含む。代替実施形態では、挿入機構は、2つ以上の挿入付勢部材を含み得る。マニホールドは、流体導管への接続用のマニホールド吸入口を有する。挿入機構は、さらに、ハウジングと係合するトラベルリミッタを含み、それらの一部が、ハウジング内部チャンバ内に位置する。
挿入機構は、さらに、挿入機構ハウジングの遠位端に接続される基部を含み得る。滅菌ブーツは、マニホールドと、挿入機構ハウジングの遠位端に接続される基部との間に接続され得る。用語「滅菌ブーツ」は、1つ以上の動作段階で滅菌状態にある、ある内部構成要素が存在し得るブーツ部を説明するために使用される。ブーツ部は、機構またはポンプの全動作をとおして滅菌である必要はなく、実際に、ある構成要素の組立及び滅菌が発生するまで、最初は、無菌ではない場合がある。加えて、用語「ブーツ」は、任意の具体的な形状または構成を意味することを意図しないが、その代わりに、他の構成要素が動作の1つ以上の段階において存在し得る内部空間を提供することができる構成要素を説明するために利用される。
1つ以上のガイド突出部は、挿入機構ハウジングの近位端またはハウジングキャップから内部チャンバ内に延在し得る。代替として、1つ以上のガイド突出部は、挿入機構ハウジングに固定される別個の構成要素であり得る。マニホールドガイドリング及び/またはクリップリテーナフランジは、ガイド突出部と対応する1つ以上の貫通部を有し、マニホールドガイド及び/またはクリップリテーナは、貫通部とガイド突出部との間の相互作用によってハウジングと摺動可能に係合される。貫通部とガイド突出部との間の相互作用は、また、マニホールドガイドの回転整列を維持するように、及び/または構成要素の適切な組立を促進するように、機能し得る。
クリップは1つ以上のアームを有し得、各アームは、解放表面及びロックアウト表面を有する。最初のロック構成では、解放表面はハブに係合し後退付勢部材を通電状態に維持し、後退構成では、解放表面はハブから係脱し後退付勢部材の通電状態を可能にし、それによって、ハブ及び針を後退させる。マニホールド及びマニホールドガイド及びクリップリテーナはそれらの最終位置に維持され、クリップのロックアウト表面とガイド突出部の遠位端との間の相互作用によって、近位方向に軸方向並進を防止し、効果的に、これらの構成要素のさらなる運動をロックアウトする。いくつかの実施形態では、クリップは、第1の構成から第2の構成へのトラベルリミッタの変形による、ロック構成から後退構成に変形させられ、またはそれを可能にする。第1の構成では、トラベルリミッタは、マニホールドガイドの遠位運動を制限し、クリップの解放表面がハブから係脱することを防止する。第2の構成では、トラベルリミッタは、クリップの解放表面がハブから係脱することを可能にするマニホールドガイドのいくつかの追加遠位運動を可能にする。他の実施形態では、クリップリテーナは、第1の位置から第2の構成まで回転し、この回転はクリップに伝達される。第1の構成では、クリップの解放表面はハブから係脱することを防止する。第2の構成では、クリップの解放表面はハブから係脱することを防止しない。
別の実施形態では、本開示は、薬剤ポンプ用のアクティブ化機構、駆動機構、流体経路接続部、電力制御システム、及び挿入機構が搭載され得る、ハウジング及びアセンブリプラットホームを含む統合型安全特徴を伴う薬剤送達ポンプを提供し、当該挿入機構は、内部チャンバを有する挿入機構ハウジングと、マニホールドガイドリングによって分離される上側チャンバ及び下側チャンバを有するマニホールドガイドと、ハウジングキャップとマニホールドガイドリングとの間の挿入機構ハウジングの内部チャンバ内にエネルギー蓄積状態で最初に保持される1つ以上の挿入付勢部材と、マニホールドガイドの上側チャンバと弾性的に係合されるクリップと、後退付勢部材及び針の近位端に接続されるハブであって、後退付勢部材は、最初にハブとマニホールドガイドとの間にエネルギー蓄積状態で保定される、当該後退付勢部材及び当該ハブと、1つ以上の隔壁を有するマニホールドであって、隔壁間の環状空間はマニホールドヘッダを画定する、当該マニホールドと、挿入機構ハウジングと係合するトラベルリミッタ及びアセンブリプラットホームへの挿入機構の接続用の基部とを含む。
別の実施形態では、本開示は、薬剤ポンプ用のアクティブ化機構、駆動機構、流体経路接続部、電力制御システム、及び挿入機構が搭載され得る、ハウジング及びアセンブリプラットホームを含む統合型安全特徴を伴う薬剤送達ポンプを提供し、当該挿入機構は、内部チャンバを有する挿入機構ハウジングと、ハウジングに取り付けられるハウジングキャップと、内部チャンバ及びフランジを有するクリップリテーナと、内部チャンバ及びマニホールドガイドリングを有するマニホールドガイドと、ハウジングキャップとマニホールドガイドリングとの間の挿入機構ハウジングの内部チャンバ内にエネルギー蓄積状態で最初に保持される1つ以上の挿入付勢部材と、クリップリテーナの内部チャンバと弾性的に係合されるクリップと、後退付勢部材及び針の端に接続されるハブであって、後退付勢部材は、最初にハブとクリップリテーナとの間にエネルギー蓄積状態で保定される、当該後退付勢部材及び当該ハブと、1つ以上の隔壁を有するマニホールドであって、隔壁間の環状空間はマニホールドヘッダを画定する、当該マニホールドと、挿入機構ハウジングと係合するトラベルリミッタと、アセンブリプラットホームへの挿入機構の接続用の基部とを含む。
薬剤ポンプの挿入機構は、さらに、挿入機構ハウジングの遠位端に接続される基部を含み得る。マニホールドは、流体導管への接続用のマニホールド吸入口を有し得、流体導管は、流体経路接続部と挿入機構との間で流体伝送に採用可能である。滅菌ブーツは、マニホールドと、挿入機構ハウジングの遠位端に接続される基部との間に接続され得る。これらの構成要素は、標的への挿入前に、流体経路及び針の滅菌性を維持するように機能する。
さらなる実施形態では、本開示は、ハブを針の近位端に接続するステップと、ハブ及び針をマニホールドガイドの内部上側チャンバの中に挿入するステップであって、後退付勢部材がマニホールドガイドとハブとの間でエネルギー蓄積状態に維持され、クリップ接触面においてマニホールドガイドに固定的に、及び弾力的に接続されるクリップによってエネルギー蓄積状態に維持される、当該ステップとを含む、挿入機構を組み立てる方法を提供する。本方法は、さらに、1つ以上の隔壁をマニホールド内に挿入し、それらの間にマニホールドヘッダを作り、続いて、針が少なくとも1つの隔壁を貫通し、最初に少なくとも部分的にマニホールドヘッダ内部に存在するように、マニホールド及び隔壁をマニホールドガイドの下側チャンバ内に挿入することを含む。さらに、本方法は、ハウジングと、近位端から、またはハウジングキャップからハウジングの内部に延在する1つ以上のガイド突出部との間の挿入機構ハウジング内に、挿入付勢部材を挿入することと、ガイド突出部がマニホールドガイドのマニホールドガイドリング面上の対応する貫通部を通って延在するように、マニホールドガイドを挿入機構ハウジング内に挿入することとであって、マニホールドガイドが近位方向に並進するとき、挿入付勢部材がマニホールドガイドリングに接触させられ、エネルギー蓄積状態にさせられる、当該挿入することとを含む。
代替実施形態では、本開示は、ハブを針の近位端に接続するステップと、ハブ及び針をクリップリテーナの内部チャンバの中に挿入するステップであって、後退付勢部材がクリップリテーナとハブとの間でエネルギー蓄積状態に維持され、クリップ接触面においてマニホールドガイドに固定的に、及び弾力的に接続されるクリップによってエネルギー蓄積状態に維持される、当該ステップとを含む、挿入機構を組み立てる方法を提供する。本方法は、さらに、1つ以上の隔壁をマニホールド内に挿入し、それらの間にマニホールドヘッダを作り、続いて、針が少なくとも1つの隔壁を貫通し、最初に少なくとも部分的にマニホールドヘッダ内部に存在するように、マニホールド及び隔壁をマニホールドガイドの内部チャンバ内に挿入することを含む。さらに、本方法は、ハウジングと、近位端から、またはハウジングキャップからハウジングの内部に延在する1つ以上のガイド突出部との間の挿入機構ハウジング内に、挿入付勢部材を挿入することと、ガイド突出部が、クリップリテーナのフランジ上の、及びマニホールドガイドのマニホールドガイドリング面上の対応する貫通部を通って延在するように、クリップリテーナ及びマニホールドガイドを挿入機構ハウジング内に挿入することとであって、クリップリテーナ及びマニホールドガイドが近位方向に並進するとき、挿入付勢部材がクリップリテーナフランジに接触させられ、エネルギー蓄積状態にさせられる、当該挿入することとを含む。
マニホールドガイド及び/またはクリップリテーナの並進時ならびに挿入機構ハウジングの1つ以上のロックアウト窓の上方の点への挿入付勢部材の圧縮時に、本方法は、1つ以上の対応するロックアウトピン(複数可)をロックアウト窓内に設置し、かつマニホールドガイドと取り外し可能に係合して、この位置でマニホールドガイドを保定し、エネルギー蓄積状態で挿入付勢部材を保定するステップを含む。最後に、基部は、挿入機構ハウジングの遠位端に取り付けられ、適切な位置に構成要素を維持し得る。組立の方法は、さらに、滅菌ブーツを固定係合するように近位端でマニホールドに取り付け、滅菌ブーツを固定係合するように遠位端で基部に取り付けるステップを含み得る。同様に、本方法は、流体導管を、マニホールド吸入口でマニホールドに取り付けることを含み得る。組立の方法は、さらに、トラベルリミッタの少なくとも一部がハウジング内部に位置するように、トラベルリミッタをハウジングに取り付けるステップを含み得る。
また別の実施形態では、本開示は、薬剤送達ポンプを動作する方法を提供する。動作方法は、挿入機構ハウジングの対応するロックアウト窓から1つ以上のロックアウトピンを係脱するように、アクティブ化機構を変位させることであって、そのような係脱は挿入付勢部材がその最初のエネルギー蓄積状態から挿入機構ハウジングの縦軸に実質的に沿って遠位方向に伸長することを可能にし、そのような伸長は標的内への針の挿入を駆動する、当該変位させることと、貫通部材を有する流体経路接続部を貫通密閉部を有する薬剤コンテナに接続させることと、駆動機構をアクティブ化し、流体経路接続部、針を通るように、及びかつ標的内に薬剤を押勢することを含む。本方法は、さらに、マニホールドガイド内部に保定されるハブまたは挿入機構ハウジング内部のクリップリテーナとの係合からクリップの1つ以上の解放表面を係脱することであって、そのような係脱は、後退付勢部材が、その最初のエネルギー蓄積状態から挿入機構ハウジングの縦軸に実質的に沿って遠位方向に伸長することを可能にし、そのような伸長は針の後退を活発にする、当該係脱することを含む。好ましい実施形態では、動作の方法は、最初に、アクティブ化機構の変位を可能にするように、1つ以上のセンサを変位することを含み得る。本方法は、針の後退をアクティブ化する1つ以上の追加ステップを含み得る。これらのステップは、例えば、第2のアクティブ化部材を変位させること等、ユーザによって行なわれ得、または、薬剤送達の完了時、駆動機構の故障あるいは障害時、もしくは標的からの薬剤ポンプの取り外し時に、薬剤ポンプによって自動的に行われ得る。
XVIII.流体経路コネクタの追加実施形態
少なくとも、図1~図47、図74、図75、及び図77~図117に関連して説明されるものを含む、本出願に説明される薬剤送達デバイスの少なくとも一部は、図118~図127Dに関連して下記に説明される流体経路コネクタの実施形態を組み込むように構成され得る。図118~図127Dに関連して下記に説明される流体経路コネクタの実施形態は、必要に応じて、全体的または部分的に、上記に説明された流体経路コネクタ300、流体経路コネクタ622、流体経路コネクタ722、流体経路コネクタ922、流体経路コネクタ1122、流体経路コネクタ2300、または本明細書に説明される任意の他の流体経路コネクタの代わりになるように使用され得る。
上記に検討されたように、薬剤コンテナ及び他の薬剤送達デバイスを充填するプロセスでは、時々、2つ以上の滅菌構成要素またはサブアセンブリを接続する必要がある。例えば、装着型注射器または薬剤ポンプは、標準的無菌薬品充填終了プロセスを使用して流体薬剤で充填され得る薬剤コンテナを含み得る。薬剤コンテナの充填後、流体連通が薬剤コンテナとこれらの構成要素との間に確立され得るように、薬剤コンテナを1つ以上の追加構成要素またはサブアセンブリに接続することが必要であり得る。流体経路を無菌状態に維持することは非常に重要であり、薬剤及び/または流体経路への有害な細菌の導入を防止する。2つ以上の無菌構成要素またはサブアセンブリの接続は、一般的に、無菌環境で行われ、それによって、有害な異物がアセンブリに導入しないことを確実にする。しかしながら、これは、薬剤送達デバイスを製造する費用増加につながり得る。本開示の流体経路接続部は、流体経路及び薬剤流体の無菌状態を維持しながら、非無菌環境で薬剤コンテナに組み立てられ得る。
図118~図120の実施形態に示されるように、薬剤コンテナ1850は、バレル1858、キャップ1852、及び貫通可能密閉部1856から成り得る。貫通可能密閉部1856の基部1856Aは、バレル1858の内側と密閉係合し得る。キャップ1852は、バレル1858の外側に固定係合し得、貫通可能密閉部1856を適切な位置に保定し、バレル1858に対して貫通可能密閉部1856の移動を制限し得る。キャップ1852は、1つ以上のロッキングアーム1852Aを含み得、1つ以上のロッキングアーム1852Aは、軸A-Aに実質的に平行であるキャップ1852のリング1852Bから、及び遠位方向に延在する。ロッキングアーム1852Aは、その遠位端において、またはその遠位端の近くで、半径方向に延在する突出部1852Cを含み得る。薬剤コンテナは、さらに、ドーナツ状密閉部1857を含み得る。図118に示される最初の構成では、ドーナツ状密閉部は、突出部1852Bと、貫通可能密閉部1856の近位円周リブ1856Bとの間に保定される。貫通可能密閉部1856は、さらに、ドーナツ状密閉部1857をさらに保定する遠位円周リブ1856Cを含み得る。薬剤コンテナが無菌環境にあるときに、ドーナツ状密閉部をこの位置に設置することによって、ドーナツ状密閉部1857の内面と接触する貫通可能密閉部1856の一部(すなわち、近位円周リブと遠位円周リブとの間のエリア)は、薬剤コンテナが無菌環境に移動する場合であっても無菌状態に維持される。
流体経路接続部18300は、接続ハブ18310、リテーナ18320、貫通部材18330、及びプラグ密閉部18330を含む。図120Aに示されるように、プラグ密閉部18330は、最初に、接続ハブ18310の穴18310A内部に配置される。流体経路接続部が組み立てられるとき、プラグ密閉部は、穴18310Aと密閉係合を維持することによって、流体経路接続部の少なくとも一部の無菌状態を維持する。リテーナは、軸B-B(図120Dに示される)に平行な方向に、接続ハブ18310に対して並進を摺動するために配置される。最初に、リテーナ18320の並進は制限され得る。その制限は、接続ハブ18310内の凹部との柔軟アーム18320Bの係合によってされ得る。貫通部材18330は、リテーナ18320と固定係合され得、その状態では、リテーナ18320の並進は、貫通部材に伝送される。貫通部材は、リテーナに、接合、圧入され、または他の適切な手段を使用して係合され得る。貫通部材は、最初に、接続ハブ18310の空洞18310D及び/または開口18310C内部に少なくとも部分的に配置され得る。空洞18310D及び18310Cの両方は、プラグ密閉部18340によって無菌状態に維持される。リテーナ18320は、さらに、滅菌流体導管30(図1B参照)が取り付けられ得る導管接続部18320Aを含み得る。これは、滅菌流体経路接続部から挿入機構までの滅菌流体経路をもたらす。貫通部材18330は、流体が貫通部材の中空内部を通って、及び滅菌流体導管内に通過し得るように、中空針であり得る。
図120A~図120Dは、流体経路接続部を薬剤コンテナに接続するステップを示す。本接続は、非滅菌環境で行われ得る。図120Aでは、流体経路接続部のプラグ密閉部は、軸A-Aと実質的に整列する(すなわち、プラグ密閉部18340は、貫通可能密閉部56の遠位端と整列する)。図120Bは、薬剤コンテナと接触する流体経路接続部18300の断面図を示す。接続ハブ18310の凹部18310Bは、ロッキングアーム1852Aと整列され、この整列は、流体経路接続部の設置を誘導し、薬剤コンテナに対して流体経路接続部の回転を防止する。図120Cに示されるように、接続ハブが軸A-Aに沿って近位方向に並進するとき、プラグ密閉部18340は、貫通可能密閉部1856との接触に起因する接続ハブとの並進が防止される。これは、プラグ密閉部を、穴18310A内部のその位置から変位させる。加えて、ドーナツ状密閉部1857との接続ハブ18310の肩部18130Eの接触は、ドーナツ状密閉部を軸A-Aに沿って近位方向に並進させる。接続ハブが軸A-Aに沿って並進するとき、穴18310Aだけが、ドーナツ状密閉部1857によって事前に覆われたドーナツ状密閉部の一部と接触するようになる。さらに、接続ハブがドーナツ状密閉部に接触するとき、これらの構成要素は、細菌及び他の異物が貫通可能密閉部及び流体経路接続部の滅菌部と接触しない場合があるように密閉係合する。このように、貫通可能密閉部1856、開口18310C、空洞18310D、及び貫通部材18330の無菌状態は、流体経路接続部の設置中に維持される。
図120Dに示されるように、接続ハブのさらなる近位並進は、薬剤コンテナ1850の一部が接触する接続ハブをもたらし、従って、接続ハブのさらなる遠位並進を防止する。示される実施形態では、接続ハブは、キャップ1852の一部に接触する。接続ハブがこの位置に達するとき、プラグ密閉部は、アセンブリから取り外され、廃棄され得る。スナップアーム1852Aは、接続ハブの1つ以上の面に係合し、それによって、接続ハブが薬剤コンテナから取り外されることを防止し得る。
設置後、貫通部材は、ドーナツ状密閉部と元々係合していた貫通可能密閉部の滅菌部と整列される。本構成要素は、薬剤送達デバイス10(図1A~図1C参照)内に組み立てられ、ユーザによって薬剤ポンプがアクティブ化するまで、本構成のままであり得る。アクティブ化すると、リテーナ18320は、接続ハブに対して軸B-Bに平行な方向に並進し、貫通部材18330の並進をもたらす。この並進に起因して、貫通部材は、その後、貫通可能密閉部1856と接触するようになる。これは、薬剤コンテナから、及び貫通部材を通る流体経路を開放する。流体経路は、さらに、リテーナ18320の導管接続部18320Aと係合する滅菌流体導管30(図1B参照)を含み得る。このように、患者への送達のための薬剤コンテナから挿入機構までの滅菌流体経路が提供される。
図121A~図121Bは、接続ハブ181310が薬剤コンテナ181050のキャップ181052に係合し得るスナップアーム181310Fを含む。ドーナツ状密閉部181057は、最初に、近位円周リブ181056Bと、貫通可能密閉部181056の遠位円周リブ181056Cとの間に保定され、接続ハブとの接触による近位方向に並進させられる。薬剤コンテナへの流体経路接続部の搭載後、流体経路も開放は、上記に説明されたものと実質的に同様である。
図122は、接続ハブの穴内に配置されるプラグ密閉部の詳細図を示す。これは、タブ181310Gを使用して適切な位置にプラグ密閉部を保定する可能な方法を示す。これらのタブは、内側穴内のプラグ密閉部の場所を制御する。
図123~図125は、キャップ及び貫通可能密閉部の代替構成を示す本開示の追加実施形態を示す。
図126に示される実施形態では、穴182310Aは、遠位フィルム182350によって、その遠位面上で包囲され、近位フィルム182352によって、その近位面上で包囲される。近位フィルム及び遠位フィルムは、異物の通過を防止するために十分なバリア特性を伴ういずれかの材料から作られ得る。例えば、フィルムは、ホイル材料から作られ得る。このフィルムは、接続ハブに接合、またはそうでなければ、それに固定添着され得る。このように、穴182310Aは、無菌状態に維持される。
流体経路接続部が薬剤コンテナに接触するようになるとき、薬剤コンテナの一部が、近位フィルム182352の一部を貫通し、裂き、またはそうでなければ、近位フィルム182352の一部を接続ハブから取り外すようになる。例えば、図126に示されるように、キャップ182052の一部が、設置中、近位フィルムに接触し、その一部を接続ハブから係脱する。近位密閉部182352の係脱した部分は、キャップ182052及び貫通可能密閉部182056によって形成される孔隙182055内部に保定され、それによって、近位フィルム182352の滅菌部が、貫通可能密閉部182056の無菌部に接触することを防止し得る。
また、図126に示されるような密閉部182057は、貫通可能密閉部182056の外周の一部だけの無菌状態を維持するように構成され得る。この部分は、流体経路接続部182300の設置後、開口182310C及び貫通部材182330と整列されるように構成され得る。設置中、密閉部182057は、他の実施形態を参照して説明されるように、接続ハブによって変位する。密閉部182057は、キャップ182052のスロット182052D、近位円周リブ182056B、及び遠位円周リブ182056Cの密閉部との係合によって、貫通可能密閉部に対して適切な位置に保定され得る。変位中、密閉部は、近位方向に、スロット182052D内部で並進し得る。
図127A~図127Dは、流体経路接続部が第1の回転ディスク183360を含み、薬剤コンテナ183050が第2の回転ディスク183051を含む、流体経路接続部の別の実施形態を示す。第1の回転ディスク183360は、中心軸を中心に接続ハブ183310に対して回転するように構成され、第1の開口部183360Aを含み得る。図127Aに示されるように、第1の回転ディスクは、また、ポスト183360Bと、レセプタクル183360Cとを含み得る。第2の回転ディスク183051は、第2の開口部183051Aとの第1の開口部183360Aの整合を可能にする相補的特徴を含み得る。第2の回転ディスク183051は、薬剤コンテナに対して回転するように構成され、第2の開口部183051Aを有し得る。開口部の1つまたは両方は、最初に、フィルムによって覆われ得、それにより、フィルムは、異物が開口部に入ることを防止する。
図127Cに示されるように、設置中、第1及び第2の回転ディスクは、第1及び第2の開口部が整列されるように接触するようになる。回転ディスクは、接着剤の使用によって接合され得、または、代替として、他の実施形態に関して事前に説明されたスナップアーム等の特徴部によって接触して保持され得る。いったん接続されると、ディスクがチムニ183053と接続ハブ183310内の開口部183310Fと整列するように回転し得る。チムニ183053は、エネルギーを保管することが可能であるばねまたは他の付勢部材等による遠位方向における軸方向運動に対して付勢部材され得る。図127Dに示されるように、第1及び第2の開口部と整列すると、チムニは、遠位方向に並進し、第1及び第2の開口部の両方を通る。チムニは、内容物が薬剤コンテナから流動することを可能にする貫通部を有し得る。このように、滅菌流体経路は、薬剤コンテナと流体経路接続部との間に作られる。流体経路接続部は、さらに、ユーザによってアクティブ化されると、チムニを通り、及び薬剤コンテナの貫通可能密閉部を貫通する、貫通部材を含み得る。貫通可能密閉部が貫通された後、薬剤流体は、貫通部材を通り、患者に送達し得る。貫通部材は、リテーナ183320と係合し得る。リテーナは、また、導管接続部183320Aにおいて、滅菌流体導管30(図1B参照)と接続するように構成され得る。貫通部材の並進は、リテーナの並進によってもたらされ得る。
少なくとも1つの実施形態では、本開示は、ユーザ起動型流体経路接続部を提供する。流体経路接続部は、接続ハブと、貫通部材と、貫通部材リテーナと、薬剤コンテナ(キャップ、貫通可能密閉部、及びバレルを有する)とを含み、貫通部材は、少なくとも部分的に、接続ハブによって画定される滅菌チャンバ内に配置される。流体経路接続部は、流体経路の無菌状態を維持しながら、それが薬剤コンテナに接続され得るように構成されている。薬剤コンテナは、送達のために、薬剤流体を含有し得る。流体経路接続部は、さらに、患者への流体薬剤の送達のために、流体経路を提供する導管と流体連通し得る。ユーザによって開始されると、流体薬剤は、流体経路を通ってユーザの体に送達される。貫通可能密閉部は、ユーザにより開始されると、貫通部材によって貫通され得る密閉バリアを含む。
別の実施形態では、本開示は、アクティブ化機構、流体経路接続部、電力及び制御システム、及び薬剤コンテナを有する駆動機構が搭載され得る、ハウジング及びアセンブリプラットホームを有する統合型滅菌維持特徴を伴う薬剤送達ポンプを提供し、当該流体経路接続部は、接続ハブと、貫通部材と、貫通部材リテーナと、薬剤コンテナ(キャップ、貫通可能密閉部、及びバレルを有する)とを含み、貫通部材は、少なくとも部分的に、接続ハブによって画定される滅菌チャンバ内に配置される。流体経路接続部は、流体経路の無菌状態を維持しながら、それが薬剤コンテナに接続され得るように構成されている。薬剤コンテナは、送達のために、薬剤流体を含有し得る。流体経路接続部は、さらに、患者への流体薬剤の送達のために、流体経路を提供する導管と流体連通し得る。ユーザによって開始されると、流体薬剤は、流体経路接続部を通ってユーザの体に送達される。貫通可能密閉部は、ユーザにより開始されると、貫通部材によって貫通され得る密閉バリアを含む。
XIX.皮膚への取り付けに関連する追加実施形態
少なくとも、図1~図127Dに関連して説明されるものを含む、本出願に説明される薬剤送達デバイスの少なくとも一部は、図128A~図129Dに関連して下記に説明される接着剤の実施形態を組み込むように構成され得る。
本実施形態は、刺激剤の存在を検知できる接合強度を有する接着剤を開示する。接着剤は、薬剤送達デバイスを患者の皮膚に接着するために使用され得る。刺激剤の導入は、接着剤の接合強度を減少され得、それにより、本デバイスが患者の皮膚からより容易に取り外され、同様に、可能性として、その取り外しに起因して、患者への痛みまたは不快を減らし得る。刺激剤は、紫外線光等の光、熱、及び電気を含む接合力を減少することが可能である刺激剤のグループのいずれかから選ばれ得る。刺激剤源は、医療デバイスに統合され得る、または、代替として、医療デバイスから独立し得る。また、使用及び組立の方法も説明される。
図128A~図128Cに示されるように、薬剤送達デバイス19010は、本体19001、刺激剤源19002、第1の接着パッチ19003、及び第2の接着パッチ19004を含み得る。本体19001は、刺激剤源19002を包含または包囲し得る、または、代替として、刺激剤源19002は、本体19001の外側に位置し得る。刺激剤源は、不活性状態及び活性状態を有する。不活性状態では、刺激剤源は、刺激剤源を産出及び/または放出しない。活性状態では、刺激剤源は、刺激剤源を産出及び放出する。第1の接着パッチ19003の接合強度は、刺激剤源19002の活性化に応答して、減少しないようになり得る。第1の接着材は、医療デバイスと接触して第2の接触材を保定し得る。第2の接着剤19004の接合強度は、最初に、刺激剤が不在の第1の接合力と、刺激剤が存在する第2の接合力とを有し得る。デバイス190010は、随意に、発送中、及び患者への医療デバイスの適用前に、接着剤を保護及び分離される取り外し可能な接着カバーを含み得る。
薬物の送達の開始前に、患者または医師は、装備されている場合、接着カバーを取り外し得る。次に、医療デバイスは、接着剤を使用して、患者に固着され得る。第2の接着剤の第1の接合強度によって、本デバイスを患者の皮膚に固着して取り付け、故意ではない取り外しを防ぐようになり得る。薬物の送達後、または任意の他の所望時間で、刺激剤源19002は活性化し得る。活性化は、薬物送達の完了時に自動的に発生し得、または患者の入力に応答して発生し得る。例えば、本デバイスは、ボタン、スイッチ等の刺激剤活性化機構、または当業者に既知の任意の他の機構を含み得る。刺激剤源の活性化は、第2の接着パッチ19004の少なくとも一部の接合強度を、第2の接合力まで減少させる。少なくとも1つの実施形態では、第2の接着剤の外周の接合強度は、第2の接合強度まで減少されられ、それによって、ユーザが接着剤の端に容易に係合することが可能であり、それによって、接着剤の残りは患者の皮膚から取り外し、または剥がされ得る。これらの実施形態では、刺激剤源は、本デバイスの外側外形の周囲に配列され得、刺激剤源の位置及び刺激剤源の強度は、影響を受ける第2の接着剤の一部を制御する。他の実施形態では、実質的に全ての第2の接着剤の接合強度が減少し、それによって、患者の皮膚から本デバイスの容易な取り外しを可能にする。第2の接着剤の接合強度は、刺激剤源の活性化に応答して、均一に減少する必要はない。言い換えれば、第2の接着剤の同じ部分の接合強度は、他の部分よりも大きい程度まで減少し得る。接着剤の凝集性は、完全に排除され、または、代替として、同じ接合強度を保ち得る。例えば、接着剤の接合強度は、活性化したアクティブ化刺激剤の存在下で、取り外し動作が患者によって行われるまで、患者の皮膚に対するその接着を維持するのに十分であり得る。
刺激剤は、紫外線光源であり得、図128A~図128Cに示されるような本デバイスの不可欠な態様であり得る。紫外線光源が接着パッチの近位であるように、紫外線光源は、本デバイスの底部に位置し得る。紫外線光源は、本デバイスの1つ以上の他の面と電子通信し得、その状態では、紫外線光源の活性化が、PCBまたは他の種類の電子制御器によって行われ及び/または制御され得る。電子制御器による活性化は、患者への薬物の送達の完了に応答して発生し得る。活性化は、また、ボタンの押し下げ等によって、ユーザの入力によって始動され得る。
図129A~図129Dに示される他の実施形態では、刺激剤源190015は、外部刺激剤源(すなわち、医療デバイスの物理的に接続されない)である。これらの実施形態では、刺激剤源は、薬剤送達デバイス19020により、ユーザに供給され得、または、別個に供給され得る。外部刺激剤源は、複数回及び複数のデバイスに対して使用され得る。接着剤への刺激剤の塗布を容易にするために、本デバイスの本体の1つ以上の面は、少なくとも部分的に半透明であり、それによって、紫外線光等の刺激剤が通過することを可能にし得る。少なくとも1つの実施形態では、医療デバイスは、取り外し可能部19011を有し得る。医療デバイスのこの部分の取り外しは、半透明部19012を露出し得る。半透明部19012は、本デバイスの薄部であり、それによって、刺激剤源が接着剤と密接して接触することが可能になり得る。第1の接着剤19013は、半透明部19012に接合され得る。第1の接着剤の接合強度は、刺激剤の存在によって影響を及ぼされない場合がある。第2の接着剤19014が塗布され得、その接合強度が、事前に説明されたような刺激剤の存在によって変わる。外部刺激剤源は、ハンドヘルド式紫外線光源の形態であり得、それにより、ユーザは、接着剤に向かって光源を向け得る。
本発明の別の態様では、第2接着剤は再使用可能であり得る。刺激剤の取り外しは、接着剤がその第1の接合強度に戻ることを可能にし得る。第1の接合強度に戻った後、本デバイスは、患者の皮膚に再度当てられ得る。これは、再使用可能医療デバイスの用途で使用され得る。
接着剤の接合強度が光によって影響を及ぼされる用途では、接着剤は、ある波長の光だけに応答するように構成され得る。これは、接合強度の不意の減少を防止するフィルタに塗布されることを可能にし得る。
接着剤の接合強度は、刺激剤の存在において、すぐに減少し得る。代替として、接着剤が、接合強度を減少するために、長期間、刺激剤に露出されることが必要であり得る。時間は、数秒の短い時間から数分の長い時間であり得る。
他の実施形態では、使用方法が提供される。使用方法は、接着剤を使用して医療デバイスを患者の皮膚に当てるステップと、医療デバイスの動作を開始するステップと、刺激剤源を活性化し接着剤の少なくとも一部の接合強度を減少させるステップと、医療デバイスを患者から取り外すステップとを含み得る。刺激剤源は、医療デバイスに不可欠であり得、または、医療デバイスから独立し得る。また、本方法は随意に、接着パッチカバーを取り外すステップを含み得る。本方法は、また、医療デバイスの1つ以上の部分を医療デバイスの他の1つ以上の部分から取り外すことを含み得る。
さらに他の実施形態では、組立方法が提供される。組立の方法は、第1の接着剤を医療デバイスの一部に塗布するステップと、第2の接着剤を第2の接着剤に少なくとも部分的に塗布するステップとを含み得る。組立の方法は、さらに、刺激剤源を医療デバイスに集合させることを含み得る。
XX.流体経路コネクタの追加実施形態
少なくとも、図1~図56、図74~図129に関連して説明されるものを含む、本出願に説明される薬剤送達デバイスの少なくとも一部は、図130~図136Bに関連して下記に説明される流体経路コネクタの実施形態を組み込むように構成され得る。図130~図136Bに関連して下記に説明される流体経路コネクタの実施形態は、必要に応じて、全体的または部分的に、上記に説明された流体経路コネクタ300、流体経路コネクタ622、流体経路コネクタ722、流体経路コネクタ922、流体経路コネクタ1122、流体経路コネクタ2300、または本明細書に説明される任意の他の流体経路コネクタの代わりになるように使用され得る。
概して、本実施形態は、患者内への薬剤送達のために、抵抗を提供することによって、及び/または薬剤コンテナから針挿入機構までの流体送達経路の長さを長くすることによって、薬剤送達の割合を制御する流体制限機構に関する。加えて、本開示の流体制限機構は、色々な流体経路を提供するように、及び多種多様の薬剤送達の必要性を満たすように、容易に交換可能、構成可能、及び/または積み重ね可能であり得る。例えば、製造業者、薬剤充填業者、組立業者、または製造プロセスの他のメンバーは、所望の薬剤送達特性を満たすように、必要な流体制限機構を選択及び挿入し得る。この選択及び挿入は、流体制限機構の最初の設置または交換によって行われ得る。加えて、または代替として、これは、組立前の流体経路を修正するように開放または閉鎖され得る通路を伴う複数の流体経路または単一の経路を有する構成可能な流体制限機構の回転等によって、流体制限機構を調整することによって行われ得る。加えて、または代替として、流体送達特性は、並列構成で、または平行構成で、少なくとも部分的に、多数の流体制限機構を利用することによって満たされ得る。流体制限機構のこれらの変形例のそれぞれは、薬剤送達デバイスからの所望の流体送達特性を満たすように利用され得る。
さらに、本実施形態の流体制限機構は、流体経路からのガス状流体の通気を可能にする透過性膜を含み得る。そのような流体経路システム及び流体制限機構を含むポンプ式薬剤送達システムは、患者への液体流体の導入前に、流体経路システムからのガス状流体を減らし、または排除するようにプライミングすることが可能である。流体を皮下に送達するときに、患者内に送達されるガス状流体の量を最小にし、または排除することが重要である。空気または不活性ガス等のガス状流体の送達は、患者の痛みの認知の増加に相関性があり、薬品治療物の吸収特性に悪影響を及ぼし得る。そのため、薬剤の注射の前に、本システムからのそのようなガス状流体を最小にし、または排除することが重要である。流体制限機構は、また、組立前に、または組立中に、流体制限機構の特注生産を可能にし色々な流体制限パラメータを可能にしながら、1種類の機構(例えば、プレート、チップ等)の製造を可能にするように容易に構成可能である。
下記により詳細に説明されるように、単一の制限機構は、異なる制限パラメータを備えるいくつかの選択可能な流体経路またはチャネルを有し得る。所望の流体流動特徴に基づいて、製造業者または組立業者は、適切な流体経路を選択し、所望の流体経路が利用されるように構成要素を組み立てることができる。同様に、流体経路は、特定の流動特性を満たすことが所望され得るように、より長いまたはより短い流体経路を可能にするように、組立業者/製造業者によって開放または閉鎖され得る。これらは薬剤送達デバイスの重要な特徴及び望ましい特徴であるが、そのような特徴は、ユーザにとって面倒または複雑にするべきではない。本開示は、流体制限機構の構成機能と、また流体経路からのガス状流体の減少または排除とを可能にするが、また臨床医及び患者にとって使用することが容易である、システムとを提供する。
流体を皮下に送達するときに、患者内に送達される流体の流動を制御または制限することが重要である。薬物注入ポンプまたはボーラス注射器等の薬剤送達デバイスは、ある期間内の特定の薬剤流体量を送達することが必要であり得る。しかしながら、薬剤流体の流動が薬剤コンテナから針挿入機構まで及び患者内に、本システムを通過するように、薬剤流体の流動を制限する必要があり得る。いくつかの薬剤送達デバイスシステムは、1つ以上のアクティブな流体制限機構、1つ以上のパッシブな流体制限機構、またはそれら両方の組み合わせを利用し得る。本開示は、薬剤コンテナと針挿入機構との間で流体経路内部のポンプ式送達デバイスに容易に統合されることができるマイクロ流体経路用に構成可能な流体制限機構(例えば、プレート、チップ等)を提供する。
ポンプ式送達デバイスは、例えば、任意の好適な中空管を通る、患者またはユーザに流体連通して接続され得る。中空管は、患者の皮膚を刺すように、及びその中空管を通って流体媒体を送達するように設計される中空針に接続され得る。代替として、中空針は、カニューレ等を通って患者に直接接続され得る。さらなるオプションとして、固形穴針は、患者の皮膚を刺し、中空カニューレを適切な送達位置に留置するために使用され得、固形穴針は、患者への薬剤送達の前に、取り外され、または後退される。上記に述べたように、流体は、限定ではないが、自動挿入針、カニューレ、極微針配置、または輸液セット管を含む、任意の数の手段によって、体内に導入されることができる。流体の流動が、薬剤コンテナ内部のプランジャ密閉部を押動するいくつかの異なる駆動機構によって開始し、それによって、薬剤コンテナの外から薬剤流体を押勢し得る。少なくとも1つの実施形態では、駆動機構は、1つ以上のばねを利用しプランジャ密閉部を駆動または押動させるばねベースの駆動機構であり得る。駆動機構のアクティブ化及びプランジャ密閉部の押動は、流体接続が完全になる前またはその後に発生し得る、または、それ自体は、流体接続によって流体を押動する前に、流体接続を最初に行わせ得る。いったん流体流動が開始されると、本開示の流体制限機構は、薬剤送達デバイスを通る流体流動の期間を制御するために利用され得る。流体制限機構は、薬剤コンテナと挿入機構に導く流体導管との間に、または挿入機構を通って薬剤コンテナから患者までの流体経路内部の1つ以上の場所に位置し得る。
第1の実施形態は、本開示は、薬剤送達デバイス用の選択的に交換可能な流体制限機構を提供する。流体制限機構は、流体経路接続部に隣接して存在し、及び流体経路接続部が開放されるときに開口を通る薬剤流体の流動を可能にするように構成されている開口と、薬剤流体の流動が開口を通って入口点まで、流体チャネルを通って出口点まで進行できるように構成されている流体チャネルの入口点と、薬剤流体の流動が出口点から出た後に進行し得るポートの出口開口(流体導管が出口開口で流体制限機構に接続される)とを含む。選択的に交換可能な流体制限機構は、さらに、流体制限機構の近位側から流体制限機構の遠位側までの空気またはガスを通気する通気開口と、それを通る流体の通過を妨げながら一方向における空気またはガスの通過を容易にする膜とを含み得る。膜は、透過性膜であり得る。
別の実施形態では、本開示は、薬剤送達デバイス用の構成可能な流体制限機構を提供し、構成可能流体制限機構は、流体経路接続部に隣接して存在し、及びかつ流体経路接続部が開放されるときに薬剤流体の流動を可能にするように構成されている開口と、薬剤流体の流動が開口を通って入口点まで進行することができるように構成されている入口点と、流体制限機構の入口点及び出口点と整列するように選択可能である複数の流体チャネルと、薬剤流体の流動が出口点から出た後に進行し得るポートの出口開口(流体導管が出口開口で流体制限機構に接続される)と、を含む。構成可能な流体制限機構は、流体制限機構の近位側から流体制限機構の遠位側までの空気またはガスを通気する通気開口と、それを通る流体の通過を妨げながら一方向における空気またはガスの通過を容易にする膜とを含み得る。複数の流体チャネルは、薬剤流体の流動に異なる期間の進行をもたらす長さが変わり得、及び/または複数の流体チャネルは、薬剤流体の流動に異なる流体制限をもたらす直径が変わり得る。
少なくとも1つの実施形態では、複数の構成可能な流体制限機構は、積み重ね構成で直列に接続され得、第1の流体制限機構の開口は、流体経路接続部に隣接して存在し、流体経路接続部が開放されるときに開口を通る薬剤流体の流動を可能にするように構成されており、流体導管は、積み重ね構成の流体制限機構の一番後の出口開口に接続される。別の実施形態では、1つ以上の流体チャネルは、薬剤流体の流動を可能にするように選択的に開放され、及び/または薬剤流体の流動を防止するように選択的に閉鎖され得る。少なくとも1つの実施形態では、1つ以上の流体チャネルは、相互に接続され、薬剤流体が流動する必要がある進行期間を増加させ得る。流体制限機構は、ディスク状、回転楕円体、正方形、球、立方体、長方形、または角錐の形状であり得る。
また別の実施形態では、本開示は、アクティブ化機構、挿入機構、及びプランジャ密閉部を有する薬剤コンテナが搭載され得る、ハウジングを含む流体送達制御を伴う薬剤送達デバイスと、上記に説明された1つ以上の流体制限機構とを提供し、薬剤コンテナは、一端で駆動機構に、及び他端で流体経路接続部に接続され、流体制限機構は、一端で流体経路接続部に、及び他端で流体導管に接続され、流体導管は、別端で挿入機構に接続され、その状態では、流体制限機構が、薬剤コンテナから挿入機構までの薬剤流体の流動を制限または制御するように構成されている。流体制限機構は、薬剤コンテナのバレルに搭載され、及びその中で統合される流体経路接続部の構成要素であり得、または流体制限機構は、流体経路接続部に隣接し、いったん流体経路接続部が開放されると、薬剤送達デバイスを通って薬剤コンテナのバレルからの薬剤流体の流動を制限するように構成されている、構成要素であり得る。代替として、流体制限機構は第1の流体導管によって流体経路接続部に接続され得、流体制限機構は第2の流体導管によって挿入機構に接続され、その状態では、薬剤流体の流動が、流体制限機構によって、薬剤コンテナと挿入機構との間で制限される。
ここで、図130を参照すると、薬剤送達デバイス10に実装される流体制限機構20500の実施形態が示される。上記に説明されたように、薬剤送達デバイス10は、薬剤治療物の送達をユーザの体内に投与するために利用され得る。薬剤送達デバイス10は、ポンプハウジング12を含む。ポンプハウジング12は、1つ以上のハウジング補助構成要素を含み得、それらのハウジング補助構成要素は、薬剤送達デバイス10の製造、組立、動作をより容易にするように係合可能に固定されている。例えば、ポンプハウジング12は、上側ハウジング12Aと下側ハウジング12Bを含み得る。薬剤送達デバイス10は、さらに、アクティブ化機構14、状態インジケータ16、及び窓18を含み得る。窓18は、薬剤送達デバイスの動作が視認され得る任意の半透明または透過性表面であり得る。図130に示されるように、薬剤送達デバイス10は、さらに、アセンブリプラットホーム20と、滅菌流体導管30と、薬剤コンテナ50を有する駆動機構100と、挿入機構200と、流体経路接続部300と、電力及び制御システム400とを含む。流体制限機構20500は、好ましくは、流体経路接続部300と挿入機構200との間で、滅菌流体導管30に接続され得る。そのような薬剤送達デバイスの1つ以上の構成要素は、例えば、別個の構成要素として事前に組み立てられ、製造中に、薬剤送達デバイス10のアセンブリプラットホーム20上の位置に構成され得る点において、モジュールになり得る。
本開示の流体制限機構は、現在請求されている実施形態の範囲内に存在しながらの状況で、いくつかの構成をとり得る。流体制限機構は、流体進行の流動を制限することによって、及び/または患者内への送達前に、流体が薬剤コンテナと挿入機構との間を通って進行する必要がある流体経路の長さを増加させることによって、流体送達制御のための手段を提供する。本開示の流体制限機構は、薬剤送達デバイスが所望の薬剤送達特性(例えば、送達期間)を満たすことを可能にするように、容易に交換可能、構成可能、及び/または積み重ね可能であり得る。流体制限機構20500は、好ましくは、流体経路接続部300と挿入機構200との間で、滅菌流体導管30に接続され得る。例えば、流体制限機構20500は、流体導管30の先頭に(滅菌流体経路接続部300と流体導管30との間)、流体導管30の端に(流体導管30と挿入機構200との間)、または流体導管30に沿ってその間のいずれかの場所で接続され得る。
図130に示されるように、流体制限機構20500は、薬剤送達デバイスのハウジング内部に存在する。図131Aは、統合型滅菌流体経路接続部及び薬剤コンテナに取り付けられる、本開示の少なくとも1つの実施形態による、流体制限機構の等角図を示す。そのような実施形態では、流体制限機構は、統合型滅菌流体経路コネクタ及び薬剤コンテナの構成要素であり得る。図131Bに示されるように、流体制限機構は、バレル58に圧着されるキャップであり得るキャプ52等によって保定されることによって、流体経路接続部及び薬剤コンテナに取り付けられ得る。本構成では、流体制限機構は、薬剤コンテナ50のバレル58の薬剤チャンバ21から流体流動を可能にするように、滅菌流体経路接続部の密閉部56を貫通することが可能である針等の貫通部材20510を含み得る。本構成では、密閉部56は、プランジャ密閉部60に作用する駆動機構100によってもたらされる薬剤チャンバ21内部の流体の水圧及び/または空気圧に応じて、摺動させられ、貫通部材20510によって貫通させられる。いったん流体経路接続部300が開放されると、薬剤流体は、患者への薬剤送達のために、貫通部材20510を通って、流体制限機構20500の流体チャネル(複数可)を通って、流体導管30を通りポート20512を通って外に、挿入機構200まで進行し得る。図131Cは図131Aに示される流体制限機構の側面図を示す。本明細書にさらに詳述されるように、流体制限機構20500は、また、流体制限機構20500と密閉部56との間に滅菌空洞からの空気または他の気体を通気することが可能である部分的に透過性膜等の膜20309を含み得る。そのような構成では、流体経路接続部300が薬剤コンテナ50内部での統合が発生するとき、いったん薬剤コンテナ50のバレル58に取り付けられると、流体制限機構20500は移動または並進する必要がない。流体制限機構のこの構成は、以下の全体において参照により本明細書によって組み込まれる、国際特許出願第PCT/US2013/030478号に説明される統合型流体経路接続部及び薬剤コンテナとともに使用されるのに好ましい場合がある。
図132Aは、本開示の別の実施形態による流体制限機構の等角図を示す。本構成では、流体制限機構201500は、薬剤コンテナ内部に統合され得る、または統合され得ない滅菌流体経路接続部に取り付けられる。本構成では、密閉部56は、キャップ52によってバレル58の遠位端における適切な位置に保定され得、滅菌流体経路接続部300は、薬剤コンテナ50のバレル58の外部にあり得る(すなわち、統合されない)。流体制限機構のこの構成は、以下の全体において参照により本明細書によって組み込まれる、国際特許出願第PCT/US2012/054861号に説明される流体経路接続部及び薬剤コンテナとともに使用されるのに好ましい場合がある。本実施形態の流体制限機構201500は、薬剤コンテナ50のバレル58内部に保定される密閉部56に作用し、及びそれを貫通することが可能である滅菌流体経路接続部300の遠位端に取り付けられ得る。本実施形態では、貫通部材201510は、代わりに、流体経路接続部の遠位表面に接続される導管またはポートであろう。代替として、貫通部材201510は、統合型流体経路コネクタ及び薬剤コンテナの一部として機能し、薬剤コンテナ50からの薬剤流動を可能にするように密閉部56を貫通するために、本実施形態で利用され得る。図132Bは、図132Aに示される、流体制限機構、滅菌流体経路接続部、及び薬剤コンテナの分解等角図を示す。図132Cは図132Aに示される流体制限機構の側面図を示す。
図133Aは図131A~図131Cに示される流体制限機構の分解等角図を示す。下記の説明が図131A~図131Cに示される実施形態を参照して詳細を提供するが、流体制限機構の機能を参照する説明は、また、図132A~図132Cに示される実施形態の詳細を提供し得る。図133Aは、2つの別個の構成要素として、流体制限機構20500を示す。図133Bは図133Aに示される流体制限機構の分解等角図の別の角度を示す。当業者によって理解されるであろうように、これは、主に、製造を容易にするためのものであり、機構20500は、例えば、射出成形または他の好適な手段によって製造される場合、単一の一体型構成要素であり得る。この2つの部品の組立では、流体チャネル(複数可)は、流体制限機構の第1の構成要素20500B上にカービングまたは他の好適な製造手段等によって付与され、次に、第2の構成要素20500Aの取り付けによって閉鎖され得る。2つの構成要素は、スナップアーム、接着剤等、または密閉を流体制限機構の流体チャネル(複数可)に提供する当業界で容易に既知である他の機構によって取り付けられ、一緒に保持され得る。第2の構成要素(例えば、カバープレート)20500Aは、溶解、成形され、またはそうでなければ第1の構成要素(例えば、制限プレート)20500Bに接続され得る。流体経路のそれぞれの流体経路は、例えば、任意の所望の範囲の流体制限をもたらすように、経路の厚さ、長さ、曲がり、及び任意の数の蛇行経路パラメータのために調整され得る。薬剤流体が流体制限機構20500を通って進行し得る経路は、図133Cを参照して示され、図133Cは、図133A~図133Bに示される流体制限機構の断面図を提供する。薬剤流体が、貫通部材20510の開口20520Aを通って流体制限機構20500に入り得る。次に、薬剤流体が、入口点20520Bにおいて流体チャネル(複数可)に入る。第1の構成要素20500Bへの第2の構成要素20500Aの噛合によって提供される密閉により、薬剤流体が流体チャネル(複数可)20520C内に保定される。
示される実施形態では、流体チャネル(複数可)は、流体が通過する必要がある進行の長さを長くするような(すなわち、薬剤送達の時間または期間を延長するような)、らせん形状である。チャネル(複数可)は、また、流体制限機構を通る流動パラメータを制御するように修正かつ利用され得る。次に、薬剤流体は、流体チャネル(複数可)20520Cを通って出口点20520Dまで進行し、出口点20520Dにおいて、薬剤流体がポート20512の出口開口20514を通って流体導管30(図131A~図131Cで可視である)まで進行させられる。流体チャネル(複数可)は、流体送達時間の所望の期間を提供するように、短くまたは長くなり得る(すなわち、薬剤流体が、流体制限機構を通って、より長い経路またはより短い経路を進行させられ得る)。加えて、または代替として、流体チャネル(複数可)は、オリフィスとして機能することによって、薬剤流体の流動を制限し得る。当業者によって容易に理解されるであろうように、パイプまたは導管内の流体流動は、常に、相互に接して擦る流体粒子の摩擦に付随して発生し、その結果、作業に利用可能であるエネルギーの損失に付随して発生する。言い換えれば、流動方向に圧力降下が必要である。従って、流体制限機構の流体チャネル(複数可)は、流動を制限し及び/または圧力を低下することによって、流速を調量するオリフィスのように機能し得る。液体の流動に関して、いくつかのオリフィスは、時々、キャビテーションを回避するように次第に圧力を小さくするように使用される。同時に、通気開口20530A、20530Bは、流体制限機構20500の近位側から流体制限機構20500の遠位側まで空気またはガスを通気するために利用され得る。部分的に透過性膜等の膜20309は、例えば、それを通る流体の通過を妨げながら一方向におけるガス(例えば、空気)の通過を容易にするために利用され得る。
図134A~図134Bは、各々、分解図及び前面図に本開示の別の実施形態による、構成可能な流体制限機構を示す。本実施形態では、流体制限機構20500は、2つ以上の流体チャネル20520C、20521C、20522C、及び20523Cを含有する。従って、同じ流体制限機構20500は、所望の流体流動パラメータを提供するようないくつかの構成で利用され得る。より短い薬剤送達期間が所望される場合、チャネル20522Cは選択され、入口点20520B及び出口点20520Dと整列され得る。より制限的な流体流動が所望される場合、チャネル20523Cは選択され、入口点20520B及び出口点20520Dと整列され得る。代替として、チャネル20521Cまたは20520Cは、選択され、所望の薬剤送達パラメータに達するように、入口点20520B及び出口点20520Dと整列され得る。これは、例えば、本デバイスの組立中に所望の薬剤送達パラメータ及び適切な流体チャネルを識別することによって、及び選択された流体チャネルが入口点20520B及び出口点20520Dに整合するように流体チップ20550Aを回転させ、かつそれを対応する凹部20550B内に搭載することによって、容易になる。これは、図134Bに示される。
任意の数の異なるチャネルは、構成可能な流体制限機構の本実施形態で提供かつ利用され得る。加えて、所望のチャネルは、各々、チャネル間にバリアを除去または追加することによって、開放または閉鎖され得る。例えば、さらに長い流体チャネルが所望される場合、チャネル20521Cとチャネル20520Cとの間のバリアは、流体が最初に入口点20520Bを通ってチャネル20520Cに流動し、次にチャネル20521Cを通って、次にチャネル20520Cの残りを通って出口点20520Dまで逆流するように、修正され得る。さらなる実施形態では、流体制限プレートは、所望の流体制限パラメータを送達するように構成可能であるいくつかの連続的経路または平行経路を有し得る。例えば、流体制限プレートは、異なる長さ及び制限のいくつかの異なる経路を有し得、具体的に所望される流体経路は、薬剤送達デバイスシステム用の所望の流体制限をもたらすように組立中に選択され得る。1つ以上のこれらの経路は、色々な構成可能な流体経路を可能にするために組立前に、「開放」または「閉鎖」され得る。プレートが本明細書に検討され示されるが、流体制限器は、限定ではないが、球、ディスク、パック、半円、長方形、立方体、角錐等を含む、いくつかの異なる形状及び構成をとり得る。この構成可能力は、より多くの変形例を、本開示によって採用されることが可能であるいくつかのチャネルまたは流体経路構成に提供する。異なる流体経路チャネルを含むより複雑な形状が利用され得、これらは、経済的可能性があり、既知の製造方法だけによって制限される。例えば、より複雑な形状及び流体チャネル構成は、3次元印刷または他の複雑な製造方法を用いて可能であり得る。同時に、通気開口20530A、20530Bは、流体制限機構20500の近位側から流体制限機構20500の遠位側まで空気またはガスを通気するために利用され得る。部分的に透過性膜等の膜20309は、例えば、それを通る流体の通過を妨げながら一方向におけるガス(例えば、空気)の通過を容易にするために利用され得る。
図135Aは、本開示の別の実施形態による積み重ね可能な流体制限機構の等角図を示す。図135Bは、積み重ね可能な流体制限機構の分解等角図を示す。積み重ね可能な流体制限機構は、図131A~図131C、図132A~図132C、または本明細書に説明される他の構成における、図133A及び図134Aを参照して上記に説明された流体制限配列のいずれかを利用し得る。従って、1つ以上の流体制限機構は、薬剤流体が薬剤送達の期間を延長するように進行する必要がある追加距離を提供する積み重ね構成で利用され得る。そのような積み重ね構成では、スペーサープレート20503Bは、流体入口点及び流体出口点を対応する、または当接するプレートと整列するために、2つの制限プレート20503Aと20500Bとの間で利用され得る。任意の数のこれらのプレートは、所望の薬剤送達パラメータに達するために利用され得る。
本開示の流体制限機構が主にディスク状構成で示されるが、その形状は、本開示で限定される必要はなく、任意の数の既知の形状が利用され得る。例えば、図136Aは、本開示のさらなる実施形態による流体制限機構の等角図を示す。図136Bは、流体制限機構の上部構成要素が除去されている図136Aに示される流体制限機構202500の等角図を示す。示されるように、薬剤流体が進行し得る少なくとも1つの入口点及び少なくとも1つの出口点を有する流体制限機構内に少なくとも1つの流体チャネルがある条件で、流体制限機構202500は任意の数の形状または寸法を取り得る。加えて、流体制限機構202500は、好ましくは、流体経路接続部300と挿入機構200との間で、滅菌流体導管30に接続され得る。例えば、流体制限機構202500は、流体導管30の先頭に(滅菌流体経路接続部300と流体導管30との間)、流体導管30の端に(流体導管30と挿入機構200との間)、または流体導管30に沿ってその間のいずれかの場所(図136A~図136Bに示されるようなもの)で接続され得る。
流体制限機構、薬剤送達ポンプ10、または個々の構成要素のいずれかの上記に説明された実施形態の組立及び/または製造は、当技術分野のいくつかの既知の材料及び手法を利用し得る。例えば、イソプロピルアルコール及びヘキサン等のいくつかの既知の洗浄液は、構成要素及び/または本デバイスを洗浄するために使用され得る。いくつかの既知の接着剤またはのりは、同様に、製造プロセスで採用され得る。加えて、既知のシリコーン表面処理流体及び/または潤滑流体ならびにシリコーン表面処理プロセス及び/または潤滑プロセスは、新規構成要素及び新規デバイスの製造中に採用され得る。さらに、既知の滅菌プロセスは、最終製品の滅菌性を確実にするために、1つ以上の製造段階または組立段階で採用され得る。
流体経路接続部、具体的には、流体経路接続部の滅菌スリーブは、薬剤コンテナのキャップ及び/または貫通可能密閉部に接続され得る。流体制限機構は、流体経路接続部の他端に接続され得る。流体導管は、一端で流体制限機構に接続され得、他端で挿入機構に接続され得、その状態では、流体経路は、開放され、接続され、またはそうでなければ可能になると、ユーザの体内への薬剤送達のために、直接、薬剤コンテナ、流体経路接続部、流体制限機構、流体導管、挿入機構から、及びカニューレを通って進行する。上記に説明されたように、流体制限機構は、代替として、滅菌経路接続部と挿入機構との間に位置し得、その状態では、第1の流体導管が、滅菌経路接続部に、及び流体制限機構に直接接続され、次に、第2の流体導管が、流体制限機構に、及び挿入機構に接続される。構成または構成要素の順序に関わらず、流体経路は、開放され、接続され、またはそうでなければ可能になると、ユーザの体内への薬剤送達のために、直接、薬剤コンテナ、流体経路接続部、流体制限機構、流体導管、挿入機構から、及びカニューレを通って進行する。ここで、流体流動のための経路を構成する構成要素が組み立てられる。これらの構成要素は、図130に示されるように、いくつかの既知の方法によって滅菌され、次に、薬剤送達デバイスのアセンブリプラットホームまたはハウジングに、固定して、または取り外し可能のどちらかで搭載され得る。
XXI.挿入機構の追加実施形態
少なくとも、図1~図56、図74~図136Bに関連して説明されるものを含む、本出願に説明される薬剤送達デバイスの少なくとも一部は、図137A~図139Cに関連して下記に説明される挿入機構の実施形態を組み込むように構成され得る。図137A~図139Cに関連して下記に説明される挿入機構の実施形態は、必要に応じて、全体的または部分的に、上記に説明された挿入機構200、挿入機構2000、挿入機構17200、挿入機構172200、または本明細書に説明される任意の他の挿入機構の代わりになるように使用され得る。
皮下注射または筋肉注射等によって、薬剤流体をユーザに送達するときに、ユーザ内に送達されるガス状流体の量を最小にし、または排除することが重要である。空気または不活性ガス等のガス状流体の送達は、患者の痛みの認知の増加に相関性があり、薬品治療物の吸収特性に悪影響を及ぼし得る。そのため、薬剤の注射の前に、本システムからのそのようなガス状流体を最小にし、または排除することが重要である。これは薬剤送達デバイスの重要な特徴及び望ましい特徴であるが、そのような特徴は、ユーザにはとって面倒または複雑であるべきではない。本実施形態は、流体経路からのガス状流体の減少または排除を可能にするが、また臨床医及び患者にとって使用することが容易である、システムを提供する。
より具体的には、本実施形態は、通気式流体経路及びポンプ式薬剤送達システムを有する挿入機構を提供し、ポンプ式薬剤送達システムは、ユーザへの液体流体の導入前に、流体経路システムからのガス状流体を減らし、または排除するようにプライミングすることが可能である、そのような通気式流体経路を含む。本実施形態は、透過性膜または半透過性膜等の膜を有する通気式流体経路システムと、薬剤流体の非経口投与用のそのような通気式流体経路システムを利用する薬剤送達ポンプとに関する。そのような新規構成要素及びデバイスは、注射前に、及び薬物治療の投薬前に、流体経路にプライミング(例えば、空気または他のガス状流体の排気または除去)するための機構を提供する。本開示の新規システム及び新規デバイスは、いくつかの異なる構成で採用されることができ、事前充填カートリッジ及び使用時充填主要コンテナの両方で利用されることができる。
少なくとも1つの実施形態では、本開示は、1つ以上の挿入付勢部材と、ハブと、針と、後退付勢部材と、マニホールド(隔壁、カニューレ、マニホールド吸入口、及び膜を有する)と含む、通気式流体経路を有する挿入機構を提供し、隔壁と、カニューレと、マニホールド吸入口、及び膜との間のマニホールド内部の環状空間は、マニホールドヘッダを画定し、マニホールドは、膜を通してガス状流体を通気し、カニューレを通してユーザに送達するために液体流体で充填するように構成されている。マニホールド吸入口は、流体導管との接続が可能である。挿入機構は、薬剤ポンプ内で内部に搭載される、または導管によって薬剤ポンプに外部に束縛されるように構成され得る。少なくとも1つの実施形態では、通気式または通気可能挿入機構は、2つの挿入付勢部材を備える。隔壁は、針がそれを貫通することを可能にしながら、マニホールドの上部を閉鎖する。マニホールドからの別の開口部は、挿入機構の動作前に、フェルールまたはプラグ等のカニューレ及び/または別の閉塞要素内に開口部が存在するときに、針によって少なくとも一時的に塞がれる。マニホールド吸入口は、流体導管からの流体流動を受容する。マニホールドからの残りの開口部だけは、挿入機構が動作するまでに、膜によって塞がれる。
膜は、ガス状流体の通過を可能にすることができるが、液体流体の通過を妨げることが可能であるいくつかのフィルタ膜であり得る。例えば、膜は、透過性膜または半透過性膜であり得る。加えて、膜は、滅菌バリアであり得、滅菌バリアのように機能し得る。少なくとも1つの実施形態では、膜は、テレフタル酸ポリエチレン(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、1つ以上のスチレン、及びポリエチレン繊維、ならびにそれらの組み合わせから成る群から選択される透過性膜である。膜は、マニホールドの壁の一部等の、別個の構成要素または統合部であり得る。
通気式流体経路を有する挿入機構は、さらに、センサを含み得る。センサは、圧力センサ、流体センサ、光学センサ、機械センサ、電気センサ、及び電気機械センサ、ならびにそれらの組み合わせから成る群から選択されるもの等の当業者に既知である任意の数のセンサであり得る。
別の実施形態では、本開示は、アクティブ化機構、駆動機構、流体経路接続部、電力及び制御システム、及び通気式流体経路を有する挿入機構が搭載され得る、ハウジング及びアセンブリプラットホームを含む薬剤送達ポンプを提供する。通気式流体経路を有する挿入機構は、上記に説明されたものであり得る。好ましい実施形態では、薬剤ポンプは、1つ以上の挿入付勢部材と、ハブと、針と、後退付勢部材と、マニホールド(隔壁、カニューレ、マニホールド吸入口、及び膜を有する)とを含む、通気式流体経路を有する通気式または通気可能挿入機構を利用し、隔壁と、カニューレと、マニホールド吸入口、及び膜との間のマニホールド内部の環状空間は、マニホールドヘッダを画定し、マニホールドは、膜を通してガス状流体を通気し、カニューレを通してユーザに送達するために液体流体で充填するように構成されている。マニホールド吸入口は、流体導管との接続が可能である。挿入機構は、薬剤ポンプ内で内部に搭載される、または導管によって薬剤ポンプに外部に束縛されるように構成され得る。少なくとも1つの実施形態では、通気式または通気可能挿入機構は、2つの挿入付勢部材を備える。
本開示のまた別の実施形態では、通気式流体経路を有する挿入機構の動作方法は、(i)カニューレを通ってマニホールドのマニホールドヘッダからの流体通路が遮断される第1の位置に針を最初に維持するステップと、(ii)薬剤コンテナから流体導管を通ってマニホールドのマニホールドヘッダまでの液剤流体の流動をアクティブ化するステップと、(iii)膜を通る液剤流体の通過を妨げながらマニホールド内部で膜を通るガス状流体を通気するステップと、(iv)挿入付勢部材をアクティブ化し、針及びカニューレをユーザの体内において第1の位置から第2の位置まで並進するステップと、(v)後退付勢部材をアクティブ化し、針を第2の位置から第3の位置まで並進するステップであって、第3の位置がカニューレを通り、及びユーザの体内へのマニホールドのマニホールドヘッダからの液剤流体の通過を可能にする、当該ステップとを含む。少なくとも1つの実施形態では、挿入付勢部材をアクティブ化し針及びカニューレを第1の位置から第2の位置まで並進するステップは、マニホールド内部で膜を通るガス状流体を通気するステップ後に発生する。別の実施形態では、挿入付勢部材をアクティブ化し針及びカニューレを第1の位置から第2の位置まで並進するステップは、膜を通る通気が、針が第2の位置にあるときだけ可能であるように、マニホールド内部で膜を通るガス状流体を通気するステップの前に発生し得る。そのような実施形態では、挿入付勢部材をアクティブ化し針及びカニューレを第1の位置から第2の位置まで並進するステップは、マニホールドの外側にある膜からの被覆要素の除去が、流体経路からの任意のガス状流体の通気を可能にし得る。被覆要素は、例えば、カバー、シース、またはスリーブであり得る。しかしながら、いずれの実施形態でも、液剤流体の通過は、通気ステップ後かつ第2の位置から第3の位置までの針の並進時だけ発生することが可能であり、第3の位置は、マニホールドのマニホールドヘッダからカニューレを通って、及びユーザの体内への液剤流体の通過を可能にする。また別の実施形態では、本方法は、さらに、後退付勢部材をアクティブ化し、針を第2の位置から第3の位置まで並進するステップの前に、膜を通るガス状流体を通気する実質的完了をセンサによって測定するステップを含む。
図を参照すると、本開示のポンプ式送達デバイスは、例えば、任意の好適な中空管を通って、患者またはユーザに流体連通して接続され得る。固形穴針は、患者の皮膚を刺し、中空カニューレを適切な送達位置に留置するために使用され得、固形穴針は、患者への薬剤送達の前に、取り外され、または後退される。上記に述べたように、流体は、限定ではないが、自動挿入針、カニューレ、極微針配置、または輸液セット管を含む、任意の数の手段によって、体内に導入されることができる。いくつかの機構は、また、患者内への針挿入をアクティブ化するために採用され得る。例えば、単一のばね挿入機構(図7Aに示されるようなもの)または2つのばね挿入機構(図7Bに示されるようなもの)は、針及びカニューレを患者の皮膚に貫通させる十分な力を提供するために採用され得る。同じばね、追加ばね、または別の同様の機構は、針を患者から後退させるために利用され得る。少なくとも1つの実施形態では、挿入機構は、概して、国際特許出願第PCT/US2012/53174号(その全体において本明細書に参照することにより、本明細書に組み込まれる)に説明されるようなものであり得る。そのような構成は、患者への痛みを最小にする様式で、患者の皮膚(または筋肉)内に、またはその下方に、薬剤送達経路の挿入のために利用され得る。流体経路の挿入のための他の既知の方法が利用され得、本開示の範囲内で想到される。
第1の実施形態では、本開示は、管、導管、または他の流体チャネルを動作前に空気(または別のガス状流体)を排出することを可能にする流体経路システムを提供する。そのような1つの実施形態では、通気可能流体経路システムは、挿入機構200に統合される。図8Aに示されるように、挿入機構は、1つ以上のロックアウト窓202Aを有する挿入機構ハウジング202と、基部252と、滅菌ブーツ250とを含む。基部252は、挿入機構を薬剤送達ポンプ10(図1Bに示されるようなもの)に統合するように、アセンブリプラットホーム20に接続され得る。アセンブリプラットホーム20への基部252の接続は、例えば、基部の底面が、ユーザの体への基部の直接接触を可能にするように、アセンブリプラットホーム内の孔を貫通することが可能になり得る。そのような構成では、基部252の底面は、少なくとも1つの実施形態で薬剤送達ポンプ10の使用前に取り外し可能である密閉膜254を含み得る。代替として、密閉膜254は、基部252の底面に取り付けられたままであり得、その状態では、針214は、薬剤送達ポンプ10の動作中に、密閉膜254を貫通する。図8A及び図8Bに示されるように、挿入機構200は、さらに、挿入付勢部材210、ハブ212、針214、後退付勢部材216、クリップ218、マニホールドガイド220、隔壁230、カニューレ234、及びマニホールド240を含み得る。下記により詳細に説明されるように、マニホールド240は流体導管30に接続し、薬剤送達中に、マニホールド240、カニューレ234を通って、及びユーザの体内への流体流動を可能にし得る。
マニホールドガイド220は、マニホールドガイドリング228によって分離される、上側チャンバ222及び下側チャンバ226を含み得る。上側チャンバ222は、内部上側チャンバ222A(後退付勢部材216、クリップ218、及びハブ212が、動作の最初のロック段階中に存在し得る)と、外部上側チャンバ222B(挿入付勢部材210と接触する)とを有し得る。少なくとも1つの実施形態では、挿入付勢部材210及び後退付勢部材216は、ばね、好ましくは、圧縮ばねである。ハブ212は、針214の近位端に係合可能に接続され得、それにより、ハブ212の変位または軸方向並進は、針214の関連動作をもたらす。図137A及び図137Bは、マニホールド吸入口240Aでマニホールド240に接続される流体導管30の等角図を示す。図137A及び図137Bは、膜21233がマニホールド吸入口240Aの実質的に反対にあるマニホールド240の一部に位置する本開示の実施形態を示す。しかしながら、膜は、マニホールド240内部の任意の数の位置に位置し得る。隔壁230は、針またはトロカールの貫通を可能にしながら、ポンプハウジングの環境及び/または内側からのマニホールド240の上面部を閉鎖する。
本明細書に示されるような「針」は、限定ではないが、剛性中空鋼鉄針等の従来式中空針と、より一般に「トロカール」という称される固体コア針とを含む、種々の針を指すことが意図される。好ましい実施形態では、針は27ゲージ固体コアトロカールであり、他の実施形態では、針は、薬剤の種類及び意図される薬剤投与(例えば、皮下、筋肉内、皮内等)に関して、カニューレを挿入するのに好適な任意のサイズの針であり得る。組み立てると、針214の近位端がハブ212と固定しながら接触して維持される一方、針214の残りは、後退付勢部材216、クリップ218の開口、及びマニホールドガイド220を貫通することが可能になる。針214は、さらに、隔壁230、カニューレ234、マニホールドヘッダ242を通るマニホールド240、滅菌ブーツ250、及び基部開口部252Aを通る基部252を貫通し得る。隔壁230、カニューレ234、及びマニホールド240は、挿入機構が動作するまで、マニホールドガイド220の下側チャンバ226内部に、及び滅菌ブーツ250内部に存在し得る。この位置では、カニューレ234は、針214の遠位部を覆うように存在し、フェルール232によってマニホールド240のマニホールドヘッダ242内部で適所に保持され得る。フェルール232は、カニューレ234が、例えば、本デバイスが動作するまで、マニホールドヘッダ242の滅菌性を維持するために、マニホールド240内部で実質的に固定されたままで、密閉係合していることを確実にする。上記に説明されたように、フェルール232は、また、少なくとも部分的にマニホールド240からカニューレ234を通る液体流体の流動を制限するように、制限要素または閉塞要素として機能し得る。同様に、隔壁230は、マニホールドヘッダ242の滅菌性を維持するために、実質的に固定されたままで、マニホールド240の上部と密閉係合している。これらの態様及び構成要素は、図138Aに示される断面図でより明確に可視であり得る。
当業者によって認識されるであろうように、カニューレを通るマニホールドヘッダからユーザまでの流体流動の制限は、所望の流体流動特徴に達するように調整され得る。少なくとも1つの実施形態では、流体流動は、それが望ましくなり制限の除去により可能になるまで、実質的に全体的に防止される。しかしながら、他の実施形態では、制限部(例えば、針、プラグ、または流体流動を防止または減らす他の閉塞要素)は、全体的に流体流動を防止しないが、代わりに、カニューレを通る流体流動を減らす、または調量するために使用され得る。これは、例えば、流体流動が最初は低量であり、次に本デバイスの動作が進行するにつれて後になって増加するとき、望まれ得る。同様に、1つ以上の制限部または閉塞要素は、別個または共に、利用され得る。例えば、本明細書にさらに説明されるように、フェルールは、マニホールドからカニューレを通ってユーザまでの流体流動を制限するために利用され得る。
図7A及び図8A~図8Bに関連して説明される挿入機構200と同様に、図138A~図138Fの挿入機構21200は、通気式流体経路を有し得、単一の挿入付勢部材210を利用し得る。通気式流体経路を有する挿入機構21200の代替実施形態では、図7Bに示されるように、挿入機構21200は2つの挿入付勢部材210A、210Bを含み得る。挿入機構21200は、さらに、挿入機構ハウジング202(透視図で示される)、マニホールドガイド220、滅菌ブーツ250、基部252、及び挿入機構21200を参照して上記に説明されたものと同様の他の構成要素を含む。図7Bに示される挿入機構の2つの挿入付勢部材の実施形態では、マニホールドガイドリングは、挿入付勢部材2210A、2210Bが圧迫し得る2つの円形プラットホームを含む。挿入機構21200は、挿入機構21200のように完全に同じに機能し得るが、複数の挿入付勢部材210A、210Bの使用によって、追加の挿入力を提供し、及び/または異なるパッケージ構成を容易にし得る。挿入機構の構成要素及び機能は、同様または同一の構成要素が挿入機構21200、挿入機構22200、及びそれらの全ての合理的に理解される変形例のために利用され得る理解とともに本明細書にさらに説明される。単一または複数の挿入付勢部材構成に関わらず、本開示の挿入機構は、患者への薬剤流体の送達前に、薬剤コンテナ、流体導管、及びマニホールドのプライミング(例えば、ガス状流体の排気または排出)を可能にすることができる通気式流体経路を取り込んでいる。これは、少なくとも部分的に、マニホールド240内の膜21233の場所に基づいて、及び動作の挿入段階中及び後退段階中の挿入機構21200の機能によって可能になる。
通気式流体経路を有する挿入機構の動作が、図138A~図138Fを考慮して、上記の構成要素を参照して本明細書に説明される。図138Aは、ロックされた使用準備完了段階における、本開示の少なくとも1つの実施形態による、通気式流体経路を有する挿入機構21200の断面図を示す。この最初の構成では、挿入付勢部材210及び後退付勢部材216はそれぞれ、それらの圧縮されているエネルギー蓄積状態で保定される。示されるように、針214は、クリップ218の開口及びマニホールドガイド220を通って、隔壁230及びマニホールド240の中を通過し得る。隔壁230は、マニホールド240内部に存在する。マニホールド240は、さらに、流体導管30が接続され得るマニホールド吸入口240Aを含む。この接続により、滅菌性が、駆動機構100の薬剤コンテナ50から、流体経路接続部300及び流体導管30を通って、マニホールド240のマニホールドヘッダ242及び滅菌ブーツ250の中まで維持され、薬剤送達のためにユーザ内に挿入されるまで、針214、カニューレ234、及び流体経路の滅菌性を維持するようになる。流体導管30は、薬剤コンテナ50(図1Bで可視である)から挿入機構21200までの流体経路を、マニホールド吸入口240Aにおいて、及びマニホールドヘッダ242内で接続する。前述で説明されたように、隔壁230は、針214がそれを貫通することを可能にしながら、マニホールド240の上部を閉鎖する。マニホールド240からの別の開口部は、挿入機構21200の動作前に、フェルール232等のカニューレ234及び/または別の閉塞要素内に開口部が存在するときに、針214によって少なくとも一時的に塞がれる。マニホールド240からの残りの開口部だけが、膜21233によって塞がれる。当業者によって容易に理解されるであろうように、膜21233は、液体流体の膜21233を通る通過を妨げながら、ガス状流体の通過を可能にする任意の数の透過性膜または半透過性膜であり得る。本開示の少なくとも1つの実施形態では、これは、液体薬物治療物等のガス状流体に透過性があるが液体流体ではない疎水透過性膜等の透過性膜を利用することによって達成される。本開示の少なくとも1つの実施形態では、また滅菌バリアである透過性膜を利用するのに利点があり得る。例えば、膜21233は、多くの他の種類の好適な医療グレードガスフィルタ膜のうちの、テレフタル酸ポリエチレン(PET)またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、いくつかの種類のスチレン、及び/または高密度ポリエチレン繊維(デュポンによる商標TYVEKの下で販売されるもの等)で作成される高分子フィルタであり得る。従って、マニホールド240からカニューレ234を通るユーザまでの所望の流体経路が針214によって遮断されるため、任意のガス状流体の利用可能な経路だけが膜21233を通るようになる。
図138Bに示されるように、薬剤ポンプがアクティブ化し、液剤流体(斜線エリアとして示される)が流体導管30を通過することを可能にするとき、流体経路内に任意のガス状流体をマニホールド240のマニホールドヘッダ242内に入るようにされる。液剤流体の圧力が流体導管30内に上昇することが継続するとき、膜21233を通ってマニホールドヘッダ242の外にガス状流体を押動する(実線矢印として示される)。上記に述べたように、これは、カニューレ234を通ってユーザまでの流体経路が針214によって遮断されたままの状態になる。図138Cは、(ほとんど膜21233に達し、及びマニホールドヘッダ242の全部を充填している斜線エリアによって示されるように)液剤流体がマニホールドを充填し、ガス状流体が透過性膜を通って実質的に完全に押動するとき、通気式流体経路を有する挿入機構の断面図を示す。図138A~図138Cに示されるような通気式流体経路を有する挿入機構の動作の段階をとおして、針214は、挿入機構21200内部の、実質的に第1の位置(例えば、遮断位置)に存在する。この第1の位置では、針214は、ユーザまでのカニューレ234を通る流体経路を遮断する。薬剤コンテナ、流体導管30、及びマニホールドヘッダ242で空気または不活性ガス等のガス状流体が通気されるとき、針挿入機構は、ロック解除され、針214を第2の位置(例えば、挿入位置)まで移動させるようにアクティブ化され得る。図138Dは、ロック解除された挿入段階にあり針214が第2の位置にある、本開示の第1の実施形態による、通気式流体経路を有する挿入機構の断面図を示す。この第2の位置では、針214及びカニューレ234は、ユーザの体内に(図138Dの実線矢印の方向に)挿入される。
第1の位置から第2の位置まで針214を移動させる挿入機構21200のアクティブ化のタイミングは、例えば、電源及び制御システムによって、または薬剤ポンプのユーザによるアクティブ化からの直接的機械的遅延によって制御されるタイミング機構によって連係され得る。加えて、または代替として、いくつかのセンサは、ガス状流体が実質的に全体的に流体経路から放出され、流体経路がユーザへの液剤流体の送達のためにプライミングされる時間を識別するために利用され得る。例えば、圧力センサは、マニホールドヘッダ242を実質的に充填する液体流体と、薬剤コンテナ、流体導管30、及びマニホールド240からの任意のガス状流体の排出とから結果として生じる流体経路内の背圧(例えば、圧力上昇)を監視するために利用され得る。同様に、流体流動の流量は、能動的に制御され得る、または受動的にに制御され得る。例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態では、調整された直径もしくは形状を伴う管または他の流体導管、オリフィス、または制限機構は、流動の流量を制御するために利用され得る。そのような機構は、送達の量の受動制御のための手段を提供し得る。オリフィスまたは管は、主要薬剤コンテナ内の誘起圧力(すなわち、流体が主要薬剤コンテナから外に押勢されるときに、液体流体にポンプ機構によって働く圧力)と連動されるときに、流動を受動的に調節するために利用されることができる。いくつかの実施形態では、本デバイスは、電気的手段、機械的手段、またはそれら両方の組み合わせによって、送達の流動を能動的に制御するように構成され得る。例えば、1つ以上のソレノイドは、流体経路を閉鎖及び/または開放することによって、送達の流動を能動的アクティブに制御するために利用され得る。
加えて、または代替として、ある量の液体流体を主要薬剤コンテナから送達するために、送達の量または合計時間を続けて制動または調量する駆動機構に直接結合される、1つ以上のタイミング機構が利用され得る。本開示の機構、方法、及びデバイスが、薬剤送達の合計時間、送達の全時間中の送達の静止率、送達の全時間の任意のインターバル期間中の送達の動的レート、または上記の任意の組み合わせを制御するために利用され得ることを理解されたい。例えば、本デバイスは、開始から終了するまで具体的な時間、例えば、5分で完了する薬剤送達を提供するように構成され得る。これは、送達の量に関係ないように構成され得、その構成では、(a)送達の量は、最初に多く、その後少なくなり、(b)送達の全時間中に一定割合になり、もしくは(c)送達の全時間内で異なるインターバルで変わる一定割合、または(d)これらの送達手法の任意の組み合わせになるように構成される。遮断針の挿入及び液体流体(例えば、薬物治療)の流動のアクティブ化は、同様に、ユーザへの液体流体の導入前に、本システムが通気する(すなわち、流体経路をプライミングする)のに十分な時間があることを確実にするために制御され得る。実質的に全てのガス状流体が薬剤コンテナ、流体導管、及びマニホールドから放出され、挿入機構が第1の位置から第2の位置まで針を移動させた後、流体経路は、ユーザへの薬剤流体の送達を可能にする準備ができている。
図138Dは、第2の位置(例えば、針挿入位置)における挿入機構の断面図を示す。示されるように、挿入付勢部材210が針214及びカニューレ234を伸長させるようにユーザの体内にそれらを挿入するとき、滅菌ブーツ250は折り畳まれることが可能になる。本段階において、針214は、カニューレ234を薬剤送達のための位置に留置するように、ユーザの体内に導入される。図138Eに示されるように、上記に説明されたような挿入付勢部材210の動作によって針214及びカニューレ234を挿入すると、針214は、挿入機構21200のハウジング内に後退する(すなわち、近位方向において軸方向に並進する)。マニホールドガイド220及びクリップ218(図8A及び図8Bに示される)ならびに、ガイド突出部204は、マニホールド240が実質的に基部252の底に達する(すなわち、遠位方向において、その完全な軸方向並進に達する)とき、クリップ218は、ガイド突出部204から自由になり、外向きに曲がり、ハブ212から係脱することが可能になるように寸法決定される。そのように係脱されると、後退付勢部材216は、その最初の圧縮されているエネルギー蓄積状態から、近位方向において軸方向に(すなわち、図138Eの実線矢印の方向に)伸長することを可能にする。好適なロックアウト機構はまた、マニホールドガイド220、及びマニホールドガイドリング228の遠位に(すなわち、下方に)ある挿入機構構成要素の近位方向における軸方向並進を防止する。後退付勢部材216の伸長は、それが接続されるハブ212及び針214を、第2の位置から第3の位置(すなわち、針後退位置)まで、近位方向において軸方向に並進させる。フェルール232は、基部開口部252Aを通ってユーザの体内に挿入されるカニューレ234を保定する。カニューレ234から針214が後退すると、マニホールドヘッダ242からカニューレ234を通るユーザの体までの流体経路が開放され、流体は、図138Eに示されるように、カニューレ234を貫通し始め得る。ユーザへの流体経路接続部が完全になり、流体薬剤治療物が、ユーザの体内への送達のために、薬剤コンテナから、流体経路接続部及び滅菌流体導管を通ってマニホールドヘッダ242内に、及びカニューレ234を通って押勢される。従って、挿入機構のアクティブ化は、第1の位置から第2の位置まで針214及びカニューレ234をユーザの体内に挿入し、連続的に、ユーザの体と流体連通するカニューレ234を維持しながら第2の位置から第3の位置(すなわち、後退位置)まで針214を後退させる。図138Fは、薬剤送達のための第3の後退位置における、通気式流体経路を有する挿入機構の断面図を示す。示されるように、針214は、隔壁230から完全に後退する必要はないが、これは、ユーザの体へのカニューレ234を通る流体経路が開放する限り、本開示の他の実施形態では、望ましく、許容され得る。薬剤投与量送達の終了時、カニューレ234は、ユーザとの接点から薬剤ポンプの取り外しによって、ユーザの体から取り外され得る。
本開示の別の実施形態では、流体経路は、プラグ、ストッパー、コルク、または他の取り外し可能閉塞要素によって遮断され得る。例えば、通気段階中、取り外し可能プラグまたはストッパーは、ユーザと接続する流体経路の部分を遮断するために利用され得る。プラグ、ストッパー、または他の同様の閉塞要素は、通気が実質的に完了された後に経路から後退し、または取り外され、液体流体をユーザ内に送達することを可能にする。これは、例えば、患者と流体連通する剛性針を使用する構成において望まれ得る。例えば、本開示の少なくとも1つの実施形態では、剛性中空針は、上記に説明された固体コアトロカール針の代わりに利用され得る。そのような実施形態では、針、随意に、カニューレは、ユーザ内において第1の位置から第2の位置まで挿入される。次に、針及び随意式カニューレは、ユーザの体内に保定される。針を後退する代わりに、針は、第2の位置にあるままであり、プラグ、ストッパー、または他の同様の閉塞要素は、通気段階後、針から取り外され、または第3の位置に後退され、ユーザへの薬剤送達のために流体経路を開放する。
本開示による通気式流体経路を有する挿入機構を動作させる方法は、カニューレ内部で第1の位置に針を最初に維持し、それによって、カニューレを通ってマニホールドのマニホールドヘッダからの流体通路を遮断することと、薬剤コンテナから流体導管を通ってマニホールドのマニホールドヘッダまでの液剤流体の流動をアクティブ化することと、膜を通る液剤流体の通過を妨げながらマニホールド内部で膜を通るガス状流体を通気することと、挿入付勢部材をアクティブ化し、針及びカニューレをユーザの体内において第1の位置から第2の位置まで並進することと、後退付勢部材をアクティブ化し、針を第2の位置から第3の位置まで並進することであって、第3の位置がカニューレを通り、及びユーザの体内へのマニホールドのマニホールドヘッダからの液剤流体の通過を可能にする、当該並進することとを含む。本開示の少なくとも1つの実施形態では、挿入付勢部材をアクティブ化し針及びカニューレを第1の位置から第2の位置まで並進するステップは、膜マニホールド内部で膜を通るガス状流体を通気するステップ後に発生する。しかしながら、代替実施形態では、挿入付勢部材をアクティブ化し針及びカニューレを第1の位置から第2の位置まで並進するステップは、膜を通る通気が、針が第2の位置にあるときだけ可能であるように、マニホールド内部で膜を通るガス状流体を通気するステップの前に発生し得る。針挿入機構22200のそのような実施形態は、図139A~図139Cに示される。本実施形態では、図139Aに示されるように、流体導管内の流圧は、上昇し、膜を通して通気するためにマニホールド内における流体経路内の任意のガス状流体を押勢し得る。いったん流体経路が好適にこのように加圧されると、挿入付勢部材は、第1の位置から第2の位置まで針及びカニューレを並進するように始動され、それによって、膜を開放し、露出し、またはそうでなければ遮断せず、ガス状流体をマニホールドから排出し得る。これは、図139Bで可視である。図139Cに示されるように、スリーブ、カバー、シース、または他の同様の構成要素等の遮断または被覆要素22263は、膜に隣接するマニホールドの外側で利用され、第1の位置で膜を最初に覆い、または塞ぎ、通気を可能にする第2の位置で膜を露出し、またはそれを遮断しない場合がある。しかしながら、いずれの実施形態でも、液剤流体の通過は、通気ステップ後及び第2の位置から第3の位置までの針の並進時だけ発生することが可能であり、第3の位置は、マニホールドのマニホールドヘッダからカニューレを通って、及びユーザの体内への液剤流体の通過を可能にする。本方法は、さらに、後退付勢部材をアクティブ化し、針を第2の位置から第3の位置まで並進するステップの前に、膜を通るガス状流体を通気する実質的完了をセンサによって測定するステップを含む。
挿入機構21200または薬剤送達デバイス10のある随意的標準構成要素または変形例は、本開示の範疇及び範囲内に存在しながらの状況で想到される。例えば、上側または下側ハウジングは、随意に、図1A~図1Cに示されるような1つ以上の透明または半透明の窓18を含有し、ユーザが、薬剤送達デバイス10の動作を視認し、または薬剤投与が完了したことを検証することを可能にし得る。加えて、薬剤送達デバイス10は、ハウジング12の底表面に接着パッチ26及びパッチライナ28を含有し得る。接着パッチ26は、薬剤投与量の送達のために、薬剤送達デバイス10をユーザの体に接着するために利用され得る。当業者によって容易に理解されるであろうように、接着パッチ26は、ユーザの体への薬剤ポンプの接着のための接着表面を有し得る。接着パッチ26の接着表面は、最初に、非接着パッチライナ28によって覆われ得、非接着パッチライナ28は、ユーザの体と接触する薬剤送達デバイス10の設置前に、接着パッチ26から取り外される。接着パッチ26は、随意に、随意的体上センサ24の作動を防止し、基部開口部252Aを覆う保護的覆いを含み得る。パッチライナ28の取り外しは保護的覆いを取り外し得、または保護的覆いは別個に取り外され得る。パッチライナ28の取り外しは、さらに、挿入機構21200の密閉膜254を取り外し、薬剤送達のために、ユーザの体に対して挿入機構を開放し得る。
同様に、本開示のある構成要素は、説明される実施形態の範疇及び範囲内に存在しながらの状態の、一体型構成要素または別個の構成要素であり得る。例えば、膜は、挿入機構のマニホールドの構成要素として示される。当業者によって容易に認識されるであろうように、膜は、別個の構成要素であり得、またはマニホールドの壁を備え得る。代替実施形態では、膜は、流体導管の遠位端に位置し得る、または流体導管自体の遠位部であり得る。しかしながら、膜によって可能になる通気場所によって、本システムがプライミングされ得る程度を判定する。流体経路内部の死容積を減らすために、及びユーザに送達され得るガス状流体を減らすために、流体経路の端まで可能な限り閉鎖するように膜を有することが望まれ得る。従って、膜は、好ましくは、針挿入機構のマニホールドの統合態様である。そのような標準構成要素及び機能的変形例は、当業者によって認識されるであろうので、本開示の範疇及び範囲内にある。
XXII.流体経路コネクタの追加実施形態
少なくとも、図1~図139Cに関連して説明されるものを含む、本出願に説明される薬剤送達デバイスの少なくとも一部は、図140A~図155に関連して下記に説明される流体経路コネクタの実施形態を組み込むように構成され得る。図140A~図155に関連して下記に説明される流体経路コネクタの実施形態は、必要に応じて、全体的または部分的に、上記に説明された流体経路コネクタ300、流体経路コネクタ622、流体経路コネクタ722、流体経路コネクタ922、流体経路コネクタ1122、流体経路コネクタ2300、または本明細書に説明される任意の他の流体経路コネクタの代わりになるように使用され得る。
概して、本実施形態は、流体経路の滅菌性を維持し、及び流体コンテナに統合されるコンテナ接続部と、そのような滅菌流体経路コネクタを流体コンテナに組み込む薬剤送達デバイスと、そのようなデバイスを組み立てる方法とを提供する。本実施形態の流体経路コネクタは、流体送達前、流体送達中、及び流体送達後に、流体経路の滅菌性を確実にする統合型安全特徴を提供する。一態様では、流体経路は、本デバイスがオペレータによって開始されるまで、流体コンテナから切断されたままである。別の態様では、流体経路は、オペレータによってアクティブ化される前において滅菌空洞内部で流体コンテナと接続される前に、貫通部材の滅菌性を維持する。オペレータによってアクティブ化されると、流体内の空気圧及び/もしくは水圧または力等によって、実質的に固定された貫通可能密閉部に向かって、貫通可能密閉部の少なくとも一部が並進し、その状態では、貫通可能密閉部が貫通し、流体経路が本デバイスからの流体送達のために、流体経路を通る流体流動を可能にするように接続または開放される。
薬物注入ポンプまたはボーラス注射器等の薬剤送達デバイスは、ある期間内の特定の流体量を送達することが必要であり得る。例えば、薬剤流体を皮下に送達するとき、患者内に送達される流体の流動を制御することと、流体送達デバイスのアクティブ化または動作前に、流体コンテナ及び流体経路の滅菌性を維持することとは重要である。ユーザが本デバイスをアクティブ化し、流体流動をコンテナから開始するまで、流体経路コネクタがコンテナ完全性、滅菌性、及び他の目的のために切断されたままであることが所望され得る。いくつかの薬剤送達デバイスは、1つ以上のアクティブ流体経路制御機構を利用し、時期尚早の流体経路コネクタ送達または薬剤送達を防止し得る。他の薬剤送達デバイスは、流体経路コネクタが製造中に作成され、流体送達がユーザによって所望されるまで遮断されるように構成される。そのような設計は、コンテナ完全性及び薬剤送達デバイスの内部構成要素の滅菌性を維持することと関連付けられる役に立つ利点をもたらさない。本実施形態は、滅菌薬剤送達デバイス用の統合型流体経路コネクタ機構を提供する。これらの新規実施形態は両方、ユーザに不必要なステップを追加することなく、流体コンテナと流体導管との間の滅菌流体経路を開放または接続する接続機構を提供する。これは、プランジャ密閉部の駆動機構及び並進のアクティブ化を可能にし、貫通可能密閉部の少なくとも一部の並進を押勢する流体内の空気圧及び/または水圧をもたらし、その貫通可能密閉部を実質的に静止貫通部材に衝突させ、従って、流体コンテナと流体導管との間の滅菌流体経路を開放する。
従って、本開示の実施形態は、流体コンテナに統合され、及び本デバイス及び駆動機構の動作によって開放、接続、アクティブ化され、またはそうでなければ可能になる滅菌流体経路コネクタを提供する。駆動機構のアクティブ化及び駆動機構からプランジャ密閉部まで伝送される力は、それ自体、流体コンテナと流体導管との間の滅菌流体経路を開放するために使用される。従って、流体コンテナのコンテナ完全性及び滅菌性は、本デバイスの動作前、及び動作中に維持される。この新機構成は、また、滅菌流体経路コネクタのステップを自動化し、本デバイスの複雑度と、本デバイスまたはユーザによって行われる必要がある動作ステップとを大きく減らす。本開示の新規実施形態は、また、デバイス構成要素の構成の柔軟性を可能にし、別個の滅菌流体経路コネクタ機構が流体コンテナのキャップ側で必要とされないため、本デバイスのレイアウトまたは設置面積全体を小さくする。本実施形態は、また、薬剤充填終了プロセスを含み、吸引機の吸引を必要とする適用を含む、滅菌液の標準製品に完全に実装され、または利用され得る。加えて、本実施形態は、また、いくつかの異なる状態表示機構を本デバイスに統合し、滅菌流体コンテナからコネクタまでの流体伝送の状態に関する表示機構の一部として貫通部材またはプランジャ密閉部を利用することを含み得る。例えば、流体コンテナが薬剤コンテナであるとき、そのような構成要素及びデバイスは、プランジャ密閉部の実際の進行及び薬剤送達状態に連動する投与終了表示を提供する。
少なくとも1つの実施形態は、貫通部材、コネクタハブ、及び貫通可能密閉部を含む滅菌流体経路コネクタを提供する。より具体的には、少なくとも1つの実施形態は、滅菌流体経路を接続するように構成されている第1の部及び滅菌流体コネクタを搭載するように構成されているハウジングを備えている第2の部を備える滅菌流体コネクタと、コネクタハブと滅菌流体コンテナとの間に少なくとも部分的に配置され、コネクタハブと貫通可能密閉部との間の滅菌流体チャンバを形成する、貫通可能密閉部と、滅菌流体チャンバと滅菌流体経路との間で滅菌流体連通を提供することが可能であるコネクタハブ内部に配置される貫通部材とを提供し、貫通可能密閉部の少なくとも一部は、貫通可能密閉部が無傷である非アクティブ状態から、貫通可能密閉部が滅菌流体コンテナと滅菌流体経路との間に滅菌流体連通を作るように貫通部材によって破裂されるアクティブ状態まで変わるように構成されている。ハウジングは、さらに、滅菌流体コンテナ内部にコネクタの一部を凹部にするように構成され得る。コネクタハブは、さらに、少なくとも1つのポートまたは通気口を備え得る。滅菌流体経路は、また、滅菌流体コンテナからコネクタまでの流体伝送の状態を示すように構成されている少なくとも1つのセンサを含み得る。加えて、滅菌流体経路コネクタは、1つ以上の流量制限器を含み得る。少なくとも1つの実施形態では、コネクタハブは、少なくとも部分的に、流体導管または流量制限器として機能し得る。少なくとも1つの実施形態では、流体経路コネクタは、さらに、フィルタを含む。いくつかの既知のフィルタは、当業者によって容易に認識されるであろう本開示の実施形態の範囲内で利用され得る。例えば、フィルタは、外側環境から滅菌空洞を包囲する、透過性膜、半透過性膜、または多孔質膜を含み得る。
貫通部材は、最初に、コネクタハブと貫通可能密閉部との間の滅菌空洞内部の実質的固定位置に保定される。オペレータ(例えば、患者)によってアクティブ化されると、貫通可能密閉部の少なくとも一部は、貫通可能密閉部が貫通部材によって貫通される第2の位置まで移動させられる。滅菌空洞に対向する側の貫通可能密閉部に印加される空気力及び/または水力等の力は、貫通部材に向かう貫通可能密閉部の少なくとも一部の並進をもたらす。貫通可能密閉部の並進は、それが実質的に静止または固定貫通部材に衝突させ、貫通可能密閉部を通る流体経路を開放する。従って、貫通可能密閉部の少なくとも一部は、貫通可能密閉部の流体によって印加される力によって、第1の位置から第2の位置まで移動するように構成されている。第1の位置から第2の位置までの貫通可能密閉部の一部の移動に応じた貫通可能密閉部の貫通部材による貫通は、貫通可能密閉部及び貫通部材を通る流体導管までの流体経路を開放する。
少なくとも1つの実施形態では、貫通可能密閉部は、貫通部材によって貫通されることができる密閉バリアを備える。貫通部材は、最初に、密閉バリアと接触し、またはそれに隣接し得る。
流体経路コネクタは、さらに、貫通部材ガイドを含み得、貫通部材ガイドは、コネクタハブに係合する、またはその上で並進することが可能である。貫通部材ガイドは、貫通可能密閉部、または密閉バリア等のその少なくとも一部が、適切に、貫通部材に接触し、その上で並進し、貫通可能密閉部及び貫通部材を通る流体導管までの流体経路を開放する。
貫通部材は、コネクタハブ内を通り、流体導管に接続するように構成され得る。別の実施形態では、コネクタハブは貫通部材を流体導管に接続し得、流体導管は少なくとも部分的にコネクタハブの一部であり得る。少なくとも1つの実施形態では、流体導管は、コネクタハブ内のポートでコネクタハブ内を通る。
少なくとも1つの実施形態では、滅菌流体コネクタは、滅菌流体経路からコネクタまでの流体伝送の状態を示すように構成されている少なくとも1つのセンサを含む。例えば、滅菌流体経路コネクタはさらに、信号をユーザに伝達するために、1つ以上の相互接続部と、随意に、1つ以上の対応する接点とを含み得る。例えば、相互接続部(複数可)は、流体コンテナ内部で並進可能であるプランジャ密閉部の内部にまたは少なくとも部分的に近位にあり得、その状態では、貫通部材は、信号をユーザに伝達するために、プランジャ密閉部を貫通し、接点(複数可)として作用することが可能である。加えて、または代替として、相互接続部(複数可)または接点(複数可)は、薬剤コンテナ内部で並進可能であるプランジャ密閉部の内部にまたは少なくとも部分的に近位にあり、他の部分は、プランジャ密閉部及び貫通可能密閉部が実質的に接触するとき、信号をユーザに伝達するために、貫通密閉部の内部にまたは少なくとも部分的に遠位にある。加えて、または代替として、相互接続部(複数可)及び接点(複数可)は、コネクタハブと貫通可能密閉部との間の滅菌空洞内部にあり、その状態では、流体伝送の終了時に空気圧及び/または水圧の解放により、相互接続部を解放し、ユーザへの信号を伝達し、またはその伝達を止めるようになる。いくつかの既知の相互接続部及び接点は、当業者によって容易に認識されるであろう本開示の実施形態の範囲内で利用され得る。例えば、ホール効果センサ;巨大磁気抵抗(GMR)センサまたは磁場センサ;光学センサ;容量変化式センサまたは静電容量変化式センサ;超音波センサ;線形進行センサ、LVDTセンサ、線形抵抗センサ、または放射線形抵抗センサ;及びそれらを組み合わせたものの色々なセンサは、信号をユーザに伝達するように連係することが可能であり、そのような目的のために利用され得る。
別の実施形態は、貫通部材を有する統合型流体経路コネクタ及び薬剤コンテナと、コネクタハブと、バレル及びプランジャ密閉部を有する薬剤コンテナ内部に少なくとも部分的に統合される貫通可能密閉部とを提供する。貫通可能密閉部は実質的に静止貫通部材上で並進可能であり、貫通可能密閉部は、第1の位置(貫通部材がコネクタハブと貫通可能密閉部との間の滅菌空洞内部に位置付けられる位置)から第2の位置(貫通可能密閉部が貫通部材によって貫通される位置)まで移動するように構成されている。流体コンテナは、最初に流体を保定するように、貫通可能密閉部とプランジャ密閉部との間に流体チャンバを含有し、貫通可能密閉部は、貫通可能密閉部の流体によって印加される力によって、第1の位置から第2の位置まで移動するように構成されている。少なくとも1つの実施形態では、貫通可能密閉部は貫通部材によって貫通されることができる密閉バリアを有し、貫通部材は、最初に、密閉バリアと接触し、またはそれに隣接する。
統合型流体経路コネクタは、さらに、コネクタハブまたは貫通部材に取り付けられる貫通部材ガイドピースを含み得、貫通部材ガイドは、コネクタハブまたは貫通部材に摺動可能に係合し、コネクタからの流動出口の方向において、貫通可能密閉部またはその一部の並進を可能にする。流体コンテナの方向における貫通可能密閉部の並進は、動作中に適切な位置にコネクタハブ、貫通部材、及び貫通可能密閉部を保定する流体コンテナバレルに搭載される、例えば、クリンプキャップ等の、ハウジングによる貫通可能密閉部の一部の保定によって防止され得る。そのような構成は、滅菌流体経路コネクタの機能に支障をきたすことなく流体で充填する前に、吸引機等によって流体コンテナの流体チャンバが真空になることを可能にするために使用され得る。
少なくとも1つの実施形態では、コネクタハブは、導管ポートと、チャンバと、滅菌空洞がチャネルを通して真空になり得るような、チャンバにつながるチャネルを伴う真空ポートとを有する。導管ポートは、チャンバから出る流体流動を可能にする膜または密閉部を有し得、プラグ接続されることが可能であり得る。同様に、真空ポートは、ポリマープラグ等によって、プラグ接続されることが可能であり得る。そのような構成は、例えば、滅菌空洞が真空になることを可能にし、滅菌空洞と貫通可能密閉部の反対側との間における滅菌性及び圧力平衡の両方を維持し、またはそうでなければ、ユーザによる本デバイスの動作前に、またはその動作中に、構成要素の相対位置を維持することを補助する。
少なくとも1つの実施形態では、貫通可能密閉部またはその少なくとも一部は、貫通部材上で並進可能であり、貫通可能密閉部は、さらに、第2の位置(貫通可能密閉部が貫通部材によって貫通される位置)から、第3の位置(少なくとも1つのセンサが滅菌流体経路からコネクタまでの流体伝送の状態を示す位置)まで移動するように構成されている。例えば、第3の位置では、1つ以上の相互接続部及び1つ以上の対応する接点は、信号をユーザに伝達することを可能にする。そのような1つの実施形態では、相互接続部(複数可)または接点(複数可)は、駆動機構の面上にあり、他の部分は、プランジャ密閉部及び貫通可能密閉部が実質的に接触するとき、信号をユーザに伝達するために、プランジャ密閉部の内部にまたは少なくとも部分的に近位にある。代替として、相互接続部(複数可)または接点(複数可)は、貫通可能密閉部の内部にまたは少なくとも部分的に遠位にあり、他の部分は、プランジャ密閉部及び貫通可能密閉部が実質的に接触するとき、信号をユーザに伝達するために、コネクタハブの近位にある。加えて、または代替として、相互接続部(複数可)及び接点(複数可)は、コネクタハブと貫通可能密閉部との間の滅菌空洞内部にあり、その状態では、投与終了時に空気圧及び/または水圧の解放により、相互接続部を解放し、ユーザへの信号を伝達し、またはその伝達を止めるようになる。いくつかの既知の相互接続部及び接点は、当業者によって容易に認識されるであろう本実施形態で使用され得る。例えば、ホール効果センサ;巨大磁気抵抗(GMR)センサまたは磁場センサ;光学センサ;容量変化式センサまたは静電容量変化式センサ;超音波センサ;線形進行センサ、LVDTセンサ、線形抵抗センサ、または放射線形抵抗センサ;及びそれらを組み合わせたものの色々なセンサは、信号をユーザに伝達するように連係することが可能であり、そのような目的のために利用され得る。
また別の実施形態は、アクティブ化機構、挿入機構、及びプランジャ密閉部を有する流体コンテナが搭載され得る、ハウジングを備える統合型滅菌維持特徴を伴う薬剤送達デバイスを提供する。流体コンテナは、一端において駆動機構に接続され、別端において流体経路コネクタに接続される。流体経路コネクタは、貫通部材、コネクタハブ、及び貫通可能密閉部を含み、貫通部材はコネクタハブと貫通可能密閉部との間の滅菌空洞内部で保定され、貫通可能密閉部は、第1の位置から第2の位置(貫通可能密閉部が貫通部材によって貫通される位置)まで移動するように構成されている。流体コンテナは、最初に流体を保定するように、貫通可能密閉部とプランジャ密閉部との間に流体チャンバを含有し、貫通可能流体密閉部は、貫通可能密閉部の流体によって印加される力によって、第1の位置から第2の位置まで移動するように構成されている。少なくとも1つの実施形態では、貫通可能密閉部は貫通部材によって貫通されることができる密閉バリアを有し、貫通可能密閉部は、最初に、密閉バリアと接触し、またはそれに隣接する。
薬剤送達デバイスは、さらに、コネクタハブまたは貫通部材と係合する貫通部材ガイドを含み得、貫通部材ガイドは、コネクタハブまたは貫通部材に摺動可能に係合し、(流体がコネクタから出る場所から流体導管に向かって)貫通可能密閉部またはその一部の並進を可能にする。近位方向における貫通可能密閉部の並進は、ハウジングが動作中に適切な位置にコネクタハブ、貫通部材、及び貫通可能密閉部を保定するバレルに搭載される、例えば、クリンプキャップ等の、ハウジングによる貫通可能密閉部またはその一部の保定によって防止され得る。そのような構成は、滅菌流体経路コネクタの機能に支障をきたすことなく流体で充填する前に、吸引機等によって薬剤コンテナの薬剤チャンバを真空にすることを可能にするために使用され得る。少なくとも1つの実施形態では、コネクタハブは、導管ポートと、チャンバと、滅菌空洞がチャネルを通して真空になり得るような、チャンバにつながるチャネルを伴う真空ポートとを有する。導管ポートは、チャンバから出る流体流動を可能または制限する、フィルタ、膜または密閉部を有し得る。同様に、真空ポートは、ポリマープラグ等によって、プラグ接続されることが可能であり得る。そのような構成は、例えば、滅菌空洞が真空になることを可能にし、滅菌空洞と貫通可能密閉部の反対側との間における滅菌性、圧力平衡を維持し得、または、ユーザによる本デバイスの動作前に、またはその動作中に、構成要素の相対位置を維持することを補助し得る。
少なくとも1つの実施形態では、貫通可能密閉部は、貫通部材上またはコネクタハブの面上で並進可能であり、さらに、第2の位置(貫通可能密閉部が貫通部材によって貫通される位置)から第3の位置(1つ以上の相互接続部及び1つ以上の対応する接点が信号をユーザに伝達することを可能にする位置)まで移動するように構成されている。相互接続部(複数可)及び対応する接点(複数可)は、例えば、以下の(a)~(c)のように構成されている。(A)相互接続部(複数可)または接点(複数可)は、駆動機構の面上に位置付けられ、他の部分は、プランジャ密閉部及び貫通可能密閉部が実質的に接触するとき、信号をユーザに伝達するために、プランジャ密閉部の内部にまたは少なくとも部分的に近位にある。(b)相互接続部(複数可)または接点(複数可)は、貫通可能密閉部の内部にまたは少なくとも部分的に遠位に位置付けられ、他の部分は、プランジャ密閉部及び貫通可能密閉部が実質的に接触するとき、信号をユーザに伝達するために、コネクタハブの近位に位置付けられる。(c)相互接続部(複数可)または接点(複数可)は、密閉部が貫通された後、コネクタハブと貫通可能密閉部との間の滅菌空洞内部に据付けられ、薬剤チャンバ内部で継続する圧力は、信号をユーザに伝達する相互接続をもたらし、これは、いったん薬剤チャンバの内側の圧力が降下し相互接続しなくなると信号が終了する(すなわち、投与終了する)。いくつかの既知の相互接続部及び接点は、当業者によって容易に認識されるであろう本開示の実施形態の範囲内で利用され得る。例えば、ホール効果センサ;巨大磁気抵抗(GMR)センサまたは磁場センサ;光学センサ;容量変化式センサまたは静電容量変化式センサ;超音波センサ;線形進行センサ、LVDTセンサ、線形抵抗センサ、または放射線形抵抗センサ;及びそれらを組み合わせたものの色々なセンサは、信号をユーザに伝達するように連係することが可能であり、そのような目的のために利用され得る。
加えて、滅菌流体経路コネクタは、1つ以上の流量制限器を含み得る。少なくとも1つの実施形態では、コネクタハブは、少なくとも部分的に、流体導管または流量制限器として機能し得る。少なくとも1つの実施形態では、流体経路コネクタは、さらに、フィルタを含む。いくつかの既知のフィルタは、当業者によって容易に認識されるであろう本開示の実施形態の範囲内で利用されることができる。例えば、フィルタは、外側環境から滅菌空洞を包囲する、透過性膜、半透過性膜、または多孔質膜であり得る。
本実施形態の新規デバイスは、流体経路の滅菌性を維持し、かつ流体コンテナに統合されるコンテナ流体経路コネクタと、そのような統合型滅菌流体経路コネクタを流体コンテナに組み込む薬剤送達デバイスとを提供する。流体送達がオペレータによって所望されるまで流体経路が切断されているため、流体経路コネクタ、流体コンテナ、流体、及び本デバイスの内部の滅菌性は、全体として維持される。さらに、本開示の流体経路コネクタ及び薬剤送達デバイスの新規構成は、本デバイスの動作によって、流体経路の滅菌性を維持する。流体が本デバイス内部で進行する経路が全体的に滅菌状態に維持されるために、これらの構成要素だけ、製造プロセス中に滅菌される必要がある。そのような構成要素は、駆動機構のコンテナ、流体経路コネクタ、滅菌流体導管、及び挿入機構を含む。本開示の少なくとも1つの実施形態では、電源及び制御システム、アセンブリプラットホーム、制御アーム、アクティブ化機構、ハウジング、ならびに薬剤送達デバイスの他の構成要素は、滅菌される必要はない。これは、大きく、本デバイスの製造性を改善し、関連する組立費を減らす。従って、本実施形態のデバイスは、組立の完了時、最終滅菌を必要としない。本実施形態のさらなる利点は、本明細書に説明される構成要素が、例えば、流体経路コネクタ及び本デバイスの他の構成要素がハウジングに統合され、薬剤送達デバイスとして機能するように容易にインターフェースをとり得るようなモジュールになるように設計されていることである。
さらなる実施形態は、統合型滅菌流体経路コネクタ及び流体コンテナの組立方法である。滅菌流体経路コネクタは、最初に組み立てられ、次に、流体コンテナに取り付けられ、搭載され、接続され、またはそうでなければ、統合され、その状態では、貫通可能密閉部の少なくとも一部が薬剤コンテナ内部に含有される。次に、流体コンテナは、ユーザへの送達のために、流体で充填され、貫通可能密閉部に対向する端においてプランジャ密閉部とプラグ接続されることができる。バレルは、バレルの近位端からのプランジャ密閉部の挿入前に開放近位端を通る薬剤流体で充填されることができる。次に、駆動機構は、流体コンテナの近位端に取り付けられることができ、その状態では、駆動機構の構成要素は、プランジャ密閉部に接触することが可能である。挿入機構は組み立てられ、流体導管の他端に取り付けられることができる。駆動機構、薬剤コンテナ、流体経路コネクタ、流体導管、及び挿入機構を含む、このサブアセンブリ全体は、上記に説明されたように、薬剤送達デバイスの組立前に滅菌されることができる。このサブアセンブリのある構成要素は、ハウジング内部のアセンブリプラットホームまたはハウジングの内部に直接搭載され得、他の構成要素は、ユーザによるアクティブ化のために、ガイド、チャネル、または他の構成要素または面に搭載され得る。薬剤送達デバイスの製造方法は、流体経路コネクタ及び流体コンテナの両方を、別個に、または組み合わされた構成要素としてのどちらかで、薬剤送達デバイスのアセンブリプラットホームまたはハウジングに取り付けるステップを含む。製造する方法は、さらに、アセンブリプラットホームまたはハウジングへの駆動機構、流体コンテナ、挿入機構の取り付けを含む。本明細書に説明されるように、電力及び制御システム、アクティブ化機構、及び制御アームを含む、薬剤送達デバイスの追加構成要素は、アセンブリプラットホームまたはハウジングに取り付けられ、事前に形成され、または事前に組み立てられ得る。流体が薬剤であり、薬剤送達デバイスが移動式薬物注入ポンプである場合、接着パッチ及びパッチライナは、本デバイスの動作中にユーザに接触する薬剤送達デバイスのハウジング表面に取り付けられ得る。
薬剤送達デバイスの動作方法は、ユーザによってアクティブ化機構をアクティブ化するステップ、制御アームを変位させ挿入機構を作動させるステップ、駆動制御機構をアクティブ化しプランジャ密閉部を押動し、滅菌流体経路コネクタに接続し、薬剤送達デバイスを通る流体流動を活発にするステップのような1つ以上のステップを含み、プランジャ密閉部の押動は、流体を並進させ、従って、貫通可能密閉部を流体導管の方向に変形させ、貫通部材によって貫通させ、それによって、流体コンテナから流体導管までの流体経路を開放する。駆動制御機構は、電源及び制御システムを作動することによってアクティブ化され得る。本方法は、さらに、アクティブ化機構をアクティブ化させる前に、随意的体上センサに係合するステップを含み得る。さらに、本動作方法は、駆動制御機構及び流体コンテナ内部にプランジャ密閉部を並進させ、所望の標的への(例えば、患者の体への)流体の送達のために、流体コンテナ、流体経路コネクタ、流体導管、及び挿入機構を通って流動するように、流体流動を押勢することを含み得る。
本実施形態の新規デバイスは、流体経路の滅菌性を維持し、流体コンテナに統合されるコンテナ接続部と、そのような統合型滅菌流体経路コネクタを流体コンテナに組み込む薬剤送達デバイスとを提供する。例えば、そのようなデバイスは、安全で使用しやすく、美学的または人間工学的に、自己投与を行う患者には魅力的である。
少なくとも1つの実施形態では、現在開示されている滅菌流体経路コネクタは、貫通部材、コネクタハブ、及び貫通可能密閉部を含み、貫通可能密閉部の少なくとも一部は、第1の位置(貫通部材が貫通可能密閉部とコネクタハブとの間の滅菌空洞内部に保定される位置)から、第2の位置(貫通可能密閉部が貫通部材によって貫通される位置)まで移動するように構成されている。フィルタは、外側環境から滅菌空洞を包囲するために使用され得る。そのような流体経路コネクタは、バレル及びプランジャ密閉部を有する流体コンテナに統合され得る。流体経路コネクタの構成要素は、さらに、流体送達の完了時、例えば、プランジャ密閉部と貫通可能密閉部との間において接触すると、信号をユーザに伝達することが可能であり得る。流体送達ポンプは、そのような統合型流体経路コネクタ及び流体コンテナを含む。
本明細書に提示される新規実施形態は、統合型滅菌流体経路コネクタ及び流体コンテナと、そのような接続部を利用する薬剤送達デバイスとを提供し、薬剤送達デバイスは、本デバイスの動作前、動作中、及び動作後に流体経路の滅菌性を維持するように構成され、本デバイスのアクティブ安全制御を可能にする。流体コンテナの一部への流体経路コネクタの統合は、コンテナ完全性及び流体経路の無菌性を確実にすることを促進する。加えて、滅菌流体経路コネクタを流体コンテナの一部に統合することによって、流体伝送の接続は、ユーザによって制御され(すなわち、ユーザによってアクティブ化される)、駆動機構の機能によって可能になり得る。従って、ユーザによってアクティブ化されるステップ及び薬剤送達デバイスの内部動作は、本実施形態の新規の統合型滅菌流体経路コネクタによって大きく簡略化されることができる。
新規実施形態は、流体経路の滅菌性を維持し、流体コンテナに統合されるコンテナ接続部と、そのような統合型滅菌流体経路コネクタを流体コンテナに組み込む薬剤送達デバイスとを提供する。また、本実施形態は、さらに、滅菌経路コネクタを流体コンテナに統合し、必要な構成要素を減らし、または、接続部及び薬剤送達デバイスのより容易でより効率的な動作を提供する。本明細書に開示されるコネクタ、滅菌流体経路アセンブリ、及び薬物注入ポンプは、医療用途に限定されず、滅菌または汚染されていない流体送達が所望され得る工業的用途を含む任意の用途を含み得る。流体が薬剤であるとき、本開示は、安全で使用しやすく、美学的または人間工学的に、自己投与を行う患者には魅力的であるデバイスを提供する。本明細書に説明される実施形態は、訓練されていないユーザにとっても、本デバイスのアクティブ化、動作、及びロックアウトを簡単にする特徴を組み込んでいる。本実施形態の1つ以上の構成要素は、例えば、別個の構成要素として事前に組み立てられ、製造中に、薬剤送達デバイスのハウジング内部の位置に構成され得る点において、モジュールになり得る。
図140A及び図140Bは、流体チャンバ23021及びプランジャ密閉部23060を有する流体コンテナ23050と統合される滅菌流体経路コネクタ23030の実施形態の最初の構成要素を示す。いくつかの実施形態では、流体経路コネクタ23030及び流体コンテナ23050は、部分的または全体的に、本出願の図1Bに示される流体経路コネクタ30及び流体コンテナ50の代わりになり得る。流体経路コネクタ23030は、プランジャ密閉部23060に対向する端において、流体コンテナ23050に、取り外し不可能に、または取り外し可能に、搭載、接続され、またはそうでなければ、取り付けられ得る。図140A及び図140Bの実施形態に示されるように、流体コンテナ23050は、貫通可能密閉部23056及びプランジャ密閉部23060の位置によって画定される、バレル23058内部に柔軟な流体チャンバ23021を有する。本明細書に説明される密閉部は、いくつかの材料から作成されることができるが、一般的に、1つ以上のエラストマーまたはゴムから作成される。流体チャンバ23021は、統合型滅菌流体経路コネクタ23030を通る送達のために、流体を含有し得る。図140A及び図140Bの実施形態では、流体経路コネクタ23030は、滅菌流体導管23035、貫通部材23033、コネクタハブ23031、及び貫通部材23056を含む。流体経路接続部23030は、コネクタハブ23031と係合する貫通部材ガイド23037を含み、コネクタハブ23031では、貫通可能密閉部23056は、動作中にコネクタハブ23031の貫通部材23033と接し得る。フィルタ23039等の透過性膜、半透過性膜、または多孔質膜は、コネクタハブ23031内のポートまたは通気口23031B等によって、本デバイスの動作中に流体経路コネクタ23030内部からの空気の通気を可能にするために使用され得る。フィルタ23039は、コネクタハブ23031の外部と貫通可能密閉部23056との間で滅菌空洞23032を包囲するように、取り付けられ、搭載、接合、外側被覆、共成形、事前に形成され、またはそうでなければ接続され得る。用語「包囲する」または「包囲」は、少なくとも、半透過性または多孔質の密閉エリア(滅菌され、吸引機によって真空になり、通気されることが可能であるが、微生物、汚染物質、または他の望ましくない環境因子によって貫通可能ではない)を画定するものとして、本明細書に使用される。例えば、フィルタ23039は、少なくとも部分的に、滅菌空洞23032を外側環境から分離するように、コネクタハブ23031内部で外側被覆されることができる。いくつかの実施形態では、フィルタは、膜(例えば、半透過性膜)であり、その膜は、貫通可能密閉部23056、流体経路接続部23030、及びポンプデバイスの作動中、空気の通気を可能にする。フィルタ23039は、当業者に既知の方法によって滅菌され得、従って、フィルタは、滅菌バリアを維持し、微生物、汚染物質、または他の望ましくない環境因子への貫通部材23033の露出を防止する。
図140Bに示されるように、貫通部材23033は、貫通可能密閉部23056の密閉バリア23056Cにおいて、またはその近くで、統合型滅菌流体経路接続部23030内部で保定される。当業者によって容易に認識されるであろうように、貫通部材23033は、流体導管23035の面であり得、または流体導管23035と別個の構成要素であり得る。加えて、流体経路コネクタ23030は、随意に、バレル23058(特に辺縁23058Aにおいて)と、コネクタハブ23031と、及びハウジング23052との間を密閉するように圧縮される、1つ以上のガスケット、Oリング、または他の密閉部材を含み得る。少なくとも1つの実施形態では、貫通可能密閉部23056の密閉面23056Aは、バレル辺縁23058Aと、コネクタハブ23031と、及びハウジング23052との間の密閉部として構成され得る。ハウジング23052は、クリンプキャップ等の別個の構成要素であり得、または、バレル23058に搭載することが可能であるコネクタハブ23031の面であり得る。ハウジングまたはキャップは、また、流体コンテナ内でねじ山を補完するように構成されているねじ山を有し、または、流体コンテナを滅菌流体経路コネクタに接続するための他の一時的手段を使用し得る。図140A及び図140Bに示されるように、滅菌流体経路コネクタ23030は、流体コンテナ23050に取り付けられ得(すなわち、それと統合され)、これは、順に、図1A~図1Cに示されるような薬剤送達デバイス10等のアセンブリプラットホームまたは流体ポンプのハウジングに、固定して、または取り外し可能のどちらかで、いくつかの既知の方法によって搭載されることができる。アセンブリプラットホームは、ハウジングと別個の構成要素であり得、または、ハウジングの内部表面上の事前に形成された搭載面等のハウジングの一体型構成要素であり得る。そのような構成では、流体経路の滅菌性が維持され、流体流動用経路は、ユーザによって所望されるまで接続されず、ユーザが起動するアクティブ化は、流体チェンバ及び流体経路接続部の接続をもたらす。流体経路接続部は、随意に、さらに、1つ以上の別個の流量制限器または1つ以上の貫通部材23033を含み得、流体導管23035は、加えて、流量制限器として機能し得る。
図141A及び図141Bに示されるように、本実施形態の統合型流体接続部は、さらに、駆動機構を参照して示される。本実施形態は、係合部23038で貫通部材23033と係合される流体導管23035と、通気口23031Bを含むコネクタハブ23031と、コネクタハブ23031に接して収納されるフィルタ23039と、密閉部23056Aがコネクタハブ23031及びバレル23058の端に当接する貫通可能密閉部23056とを備え、これらの全ては、キャップ23052内に収納される。バレル23058は、柔軟な流体チャンバ23021を備え、バレル23058内に摺動可能に配置され、かつ駆動機構(例えば、図1Bに示される駆動機構50)と接触するプランジャ密閉部23060を収納し、その駆動機構は、付勢部材23099を含む。図141Aは、少なくとも1つの実施形態による、統合型滅菌流体経路コネクタ及び流体コンテナの構成要素の分解側面図である。図141Bは、同じ実施形態の断面分解図を示す。滅菌流体経路コネクタ23030は、プランジャ密閉部23060に対向する端において、流体コンテナ23050内部に少なくとも部分的に統合され得る。例示的駆動機構23090は、これらの構成要素の方位を明らかにするために、これらの図に示される。新規滅菌流体経路接続部23030の構成要素は、事前に組み立てられ(例えば、図143A参照)、続いて、取り外し不可能に、または取り外し可能に、流体コンテナ23050等の流体コンテナに取り付けられ、搭載され、接続され、またはそうでなければ噛合され得る。
いくつかの駆動機構は、送達用の流体コンテナから流体を押勢するために利用され得る。そのような1つの実施形態では、駆動機構23090は、第WO2013/023033467号(第PCT/US2012/023052303241号)に説明されるもの等と実質的に同様であり得る。駆動機構の構成要素は、アクティブ化すると、流体コンテナのプランジャ密閉部の遠位方向(すなわち、図140のハウジング23052に向かって)に軸方向並進を駆動させるために使用され得る。随意に、駆動機構は、1つ以上のコンプライアンス特徴を含み得、それらのコンプライアンス特徴は、プランジャ密閉部の追加の軸方向並進を可能にし、例えば、実質的に全部の薬剤投与量をユーザに送達していることと、フィードバック接触機構に接続または相互接続していることとを確実にする。さらに、駆動機構は、本機構及び本デバイスの安全性及び有用性を高める、時期尚早アクティブ化防止機構等の1つ以上の安全機構を含み得る。
特定の実施形態では、図141Bに示されるように、駆動機構23090は、付勢部材(複数可)として1つ以上の圧縮ばね23099を採用する。ユーザによって流体ポンプをアクティブ化すると、電源及び制御システムは、エネルギー蓄積状態から圧縮ばね(複数可)を直接的または間接的に解放するように作動し得る。図142A~図142Cを参照してさらに説明されるように、解放すると、圧縮ばね(複数可)は、プランジャ密閉部23060に接して圧迫し、それに作用し、薬剤コンテナ23050の柔軟な流体チャンバ23021から出る流体を押勢し得る。
図142A~図142Cは、使用前、貫通可能密閉部の貫通時、及び流体送達の完了時の実施形態の特徴を示す。より具体的には、図142Aに示される構成では、貫通部材23033は、滅菌空洞23032内部に位置され、第1の端(近位端)は、流体経路コネクタ23030の貫通可能密閉部23056に隣接し、またはそれに接触する。空洞23032及び貫通部材23033の滅菌性は、例えば、滅菌空洞23032と外側環境との間に配置されるフィルタ23039によって維持される。少なくとも1つの実施形態では、図142に示されるように、フィルタ23039は、コネクタハブ23031に接続され、係合され、またはその一部であり、滅菌空洞23032を外側環境から包囲する。滅菌空洞23032は、ハブ接続部23031内部の通気口またはポート23031Bを用いて通気されることができる。従って、流体経路コネクタ23030は、少なくとも1つの実施形態では、例えば、バレル23058の辺縁23058Aと係合されるハウジング(キャップ)23052によって、流体コンテナ23050に搭載かつ統合される。貫通部材は、剛性針等のいくつかのカニューレまたは導管であり得、鋼鉄のようないくつかの材料から成り得る。少なくとも1つの実施形態では、貫通部材23033は剛性鋼鉄針である。貫通可能密閉部23056は、貫通可能密閉部23056を、バレル23058と、コネクタハブ23031と、キャップ23052との間に適切な位置に、直接搭載され、またはそうでなければその位置に保持することを可能にする、密閉面23056Aを有し得る。コネクタハブ23031は、貫通可能膜23056のより静止している面の位置をさらに安定にする内部密閉マウント23034を含む。密閉バリア23056C等の貫通可能密閉部23056の少なくとも一部は、貫通部材23033に接して断裂し、滅菌流体導管23035への流体経路接続部を可能にするように、本明細書に説明されるように、コネクタハブ23031上で並進可能である。好都合に、そのような配列は、貫通可能密閉部23056がキャップ23052に向かって(しかし、プランジャ密閉部23060に向かわない)並進することを可能にする。これは、滅菌流体経路コネクタ23030の機能に支障をきたすことなく流体で充填する前に、吸引機等によって流体コンテナ23050の流体チャンバ23021が真空になることを可能にする望ましい特徴である。
最初の位置では、貫通部材23033の近位端は、貫通可能密閉部23056の密閉バリア23056Cに隣接して、またはそれと接触して存在し、例えば、密閉バリア23056Cの並進距離を最小にし、流体コンテナ23050を流体経路コネクタ23030に対して貫通かつ開口する状態になり得る。1つの特定の実施形態では、貫通部材23033の近位端は少なくとも部分的に貫通可能密閉部23056の密閉バリア23056C内部に存在するが、ユーザによってデバイスがアクティブ化するまで、それを十分に通過しない場合がある。
図142Bに示されるように、いったんポンプデバイスがアクティブ化され駆動機構がプランジャ密閉部23060を押動すると、プランジャ密閉部23060は、力を流体チャンバ23021に付与し、空気圧及び/または水圧は、流体チャンバ23021内の流体の圧縮によって上昇する。空気圧及び/または水圧が流体チャンバ23021内部で上昇するにつれて、力は、貫通可能密閉部23056に中継され、密閉バリア23056Cを変化させる。この変化は、偏移、反転、並進、屈曲、変形、発射、スナップ、または任意の他の機能に同等な変化を含み得、それにより、図142Bに示すように、密閉バリア23056C等の貫通可能密閉部23056の一部は、貫通部材23033の実質的固定位置に接するようにぶつかり、貫通部材23033を密閉バリア23056Cで貫通可能密閉部23056を貫通させ、それによって、柔軟な流体チャンバ23021と、貫通部材23033と、流体導管23035との間に流体経路を開放し、またはそうでなければ接続する。
従って、統合型滅菌流体経路コネクタ23030は、駆動機構のアクティブ化によってもたらされる流体チャンバ23021内部の流体の空気力及び/または水力によって接続される(すなわち、流体経路が開放される)。いったん統合型滅菌流体経路接続部23030が接続または開放されると、流体が、流体コンテナ23050から、統合型滅菌流体経路接続部23030及び滅菌流体導管23035を通って流動することを可能にする。流体ポンプが移動式薬剤注入ポンプである態様では、次に、流体薬剤は、挿入機構を通って、薬剤送達のためにユーザの体内へ流動する。少なくとも1つの実施形態では、いくつかの流量制限器は、随意に、流体経路接続部内部の流体の流動を修正するために利用され得る。少なくとも1つの実施形態では、流体は、挿入機構のマニホールドならびにカニューレまたは針だけを通って流動し、それによって、流体送達前に、及び薬剤送達中に、流体経路の滅菌性を維持する。
加えて、または代替として、プランジャ密閉部23060または貫通可能密閉部23056は、薬剤コンテナ23050からコンプライアンスプッシュを可能にするいくつかの圧縮性を有し得る。加えて、駆動機構、プランジャ密閉部23060、コネクタハブ23031、貫通可能密閉部23056、またはそれらの組み合わせは、流体を送達する本デバイスの動作前、動作中、及び動作後に薬剤送達駆動の状態を測定及び通信する、相互接続部及び接点等のセンサまたは状態表示機構を含み得る。
図142Cは、実質的に全ての流体が流体コンテナ23050の外に押動された後の、流体コンテナ23050及び滅菌流体経路コネクタ23030の構成要素を示す。特に、プランジャ密閉部23060は、バレル23058内の最遠位置にある。図142Cの実施形態では、プランジャ密閉部23060のコネクタハブ側(例えば、遠位端)は、随意式突出部及び空洞面23069で構成され、それらの構造が、ここでは折り畳まれ、流体チャンバ23021内に残っている残留量を最小にする。代替として、プランジャ密閉部は、平面プランジャ密閉部(例えば、図144A及び図145のプランジャ密閉部23160)であり得、または、当業者によって容易に認識されるであろうような任意の数の他の構成を有し得る。図142に示される実施形態では、プランジャ密閉部23060は、さらに、相互接続部/接点23061を備え、コネクタハブ23031は、さらに、相互接続部/接点23062を備える。送達終了時、プランジャ密閉部23060の相互接続部/接点23061及びコネクタハブ23031の相互接続部/接点23062は、ユーザによって認知され得る信号を相互接続及び変換する。本明細書に説明されるように、多数のセンサ及び信号変換手段は、本実施形態で使用されるように組み込まれ、または適合させることができる。
本実施形態の流体経路コネクタの新規設計及び流体コンテナ内部での少なくとも部分的なその統合のため、流体経路の滅菌性は、本デバイスの輸送、保管、及び動作全体を通して維持され、本デバイスのユーザによるアクティブ化が簡略化され、流体経路は、ユーザによって所望されるときだけ接続される。流体経路接続部の滅菌性は、最初に、コネクタハブ23031と、貫通可能密閉部23056と、貫通部材ガイド23037との間における滅菌空洞23032内部で接続を行うことによって維持される。少なくとも1つの実施形態では、空洞23032の無菌性は、当接するフィルタ23039によって維持され、コネクタハブ23031と係合され、またはその一部である。フィルタ23039は、例えば、貫通可能密閉部23056の作動中及び並進中、コネクタハブ23031の通気23031Bを通る空気の通気を可能にする半透過性膜であり得る。フィルタ23039は、当業者によって容易に認識されるであろう一般的な滅菌方法によって滅菌され得、微生物、汚染物質、または他の望ましくない環境因子への貫通部材23033の露出を防止する滅菌バリアを良好に維持するために使用され得る。例えば、挿入機構を実質的に同時にアクティブ化すると、柔軟な流体チャンバ23021と挿入機構との間の流体経路は、ユーザの体内に薬物送達を可能にするように完全になる。流体ポンプ及び駆動機構をアクティブ化するまで流体経路コネクタ23030が流体チャンバ23021と流体接続または流体連通しないため、流体コンテナ23050からの流体流動は、ユーザによって所望されるまで防止される。これは、ユーザへの重要な安全特徴を提供し、また、薬剤コンテナのコンテナ完全性及び流体流路の滅菌性も維持する。
プランジャ密閉部23060を並進させる駆動機構は、1つ以上の駆動付勢部材(例えば、図141Bに示されるようなもの)を含有し得る。駆動機構の構成要素は、流体経路コネクタ23030を通る送達のために、柔軟な流体チャンバ23021から、貫通可能密閉部23056を通り、貫通部材23033または滅菌流体導管23035を通る流体を押勢するように機能する。さらに、駆動機構に関して、いくつかの駆動機構は、ユーザの体への送達のために、薬剤コンテナからの流体を押勢するために利用され得る。そのような1つの実施形態では、駆動機構23090は、以下の全体において参照により本明細書に組み込まれる、第WO2013/023033467号(第PCT/US2012/023052303241号)に説明されるもの等と実質的に同様であり得る。駆動機構の構成要素は、アクティブ化すると、薬剤コンテナのプランジャ密閉部の遠位方向に軸方向並進を駆動させる。随意に、駆動機構は、1つ以上のコンプライアンス特徴を含み得、それらのコンプライアンス特徴は、プランジャ密閉部の追加の軸方向並進を可能にし、例えば、実質的に全部の流体投与量をユーザに送達していることを確実にし、フィードバック接触機構に接続していることを確実にする。さらに、駆動機構は、本機構及び本デバイスの安全性及び有用性を高める、時期尚早アクティブ化防止機構等の1つ以上の安全機構を含み得る。
少なくとも1つの実施形態は、モジュール式流体経路接続部を提供する。図143A及び図143Bは、密閉部材23056Aにおいて、フィルタ23039及び貫通可能密閉部23056に当接する、コネクタハブ23031を備えるモジュール式流体経路コネクタの実施形態を詳述する。図143Aに示されるように、コネクタハブ23031、フィルタ23039、及び貫通可能密閉部23056は、キャップ23052内部に収納される。コネクタハブ23031は、さらに、流体導管23035及び貫通部材23033の接合点を形成するヘッダ23031Cを備える。図143A及び図143Bに示されるように、流体導管23035は、貫通部材23033に直接接続され得る。代替として、図144Aに示されるように、流体導管223035は、導管ポート223038を介して接続され得る。それにもかかわらず、モジュール式流体経路接続部は、いくつかの代替のバレル及び駆動構成とともに使用されるために適合され、種々の移動式薬物注入デバイス内部に使用されることができる。新規滅菌流体経路コネクタ23030の構成要素は、図143Aに例示されるように現れるように、事前に組み立てられ、続いて、流体コンテナ23050等の流体コンテナに取り付けられ、搭載され、接続され、またはそうでなければ噛合され得る。代替として、滅菌流体経路コネクタ23030の構成要素は、薬剤コンテナ23050内に直接組み立てられ得る。当業者によって容易に認識されるであろうように、いくつかの、のりもしくは接着剤、またはスナップ嵌合式、締まりばめ式、ねじ嵌合式、溶融接合、溶接、超音波溶接、レーザ溶接、及び機械式締め具等の他の接続方法は、特定の使用に所望されるような永続的または非永続的な接続において、本明細書に説明される1つ以上の構成要素に係合するために使用されることができる。例えば、のりは、バレル23058の遠位端と、密閉部材23056Aと、またはコネクタハブ23031Aとの間で使用されることができる。加えて、または代替として、滅菌流体経路コネクタ23030の構成要素は、バレル23058に搭載され、バレル23058の遠位面(バレル23058Aのフランジ面または辺縁等)にクリンプキャップ23052を適所に保持し得る。
少なくとも1つの実施形態では、図144A~図144Cに示されるように、貫通部材ガイド230237は、貫通可能密閉部23056を誘導し、かつコネクタハブ230231に摺動可能に係合するために利用され得る。加えて、または代替として、密閉バリア23056Cの所望される部において貫通可能密閉部23056を貫通するように、貫通部材230233が軸上の実質的中心にある状態のままであることを確実にするために、貫通部材ガイド230237を利用し得る。図144Aの実施形態は、バレル23058を備え、プランジャ密閉部230260と貫通可能密閉部56との間に柔軟な流体チャンバ23021を形成する流体コンテナを示す。図144Aに示されるように、プランジャ密閉部230260は、平面プランジャ密閉部であるが、種々のプランジャ密閉形式が、本実施形態の流体接続部及び薬物注入ポンプとともに使用されるように適合させることができる。図144Aの実施形態は、さらに、コネクタハブ230231に当接するフィルタ23039を備え、コネクタハブ230231と貫通可能密閉部23056との間に滅菌チャンバ23032の滅菌性を維持するために使用される。コネクタハブ230231は、また、貫通可能密閉部23056に当接する密閉マウント230234と、密閉部23056の密閉部材23056Aに当接し、同様に、バレル23058の遠位辺縁23058Aに当接するフランジ230231Aとを含む。コネクタハブ230231A、密閉部材23056A、及びバレル辺縁23058Aは、キャップ23052のリムの内部に適所に位置付けられ、その内部に固着される。コネクタハブ230231は、また、流体導管230235に接続する貫通部材230233を収納する。コネクタハブ230231は、また、滅菌チャンバ23032につながるフィルタ済チャネルである真空ポート230231Bを有する。コネクタハブ230231は、また、導管ポート230231Dで構成されており、導管ポート230231Dは、滅菌流体導管23035(図示されない)等を介して、滅菌流体コネクタ230230から薬物注入デバイス(例えば、注入手段)の残りの部分までの出口を提供する。導管ポート230231D及び真空ポート230231Bは、使い捨て密閉部等の膜または密閉部を含有し得、その膜または密閉部は、各々のポートを通るチャンバ23032から出る流体流動を可能にするが、これらのポートを通るチャンバ23032内への流体流動を可能にしない。加えて、または代替として、導管ポート230231D及び真空ポート230231Bは、組立または動作のある時点でプラグ接続され得る。例えば、真空ポート230231Bは、本デバイスの製造中、組立中、または本デバイスの動作前の任意の時点で、滅菌空洞23032を真空にするために利用され得、次に、真空ポート230231Bは、真空化が完了した後、プラグ接続されることができる。
さらに、貫通部材ガイド230237に関して、この構成要素は、コネクタハブ230231に摺動可能に取り付けられ得る。当技術分野で既知のいくつかの手段は、例えば、コネクタハブ230231内に相補的空洞230236を伴う貫通部材ガイド230237のコネクタ突起230237Dと脚部230237Aとの間の係合等の、この摺動可能な取り付けを容易にするために使用され得る。これらの構成要素は、図144A及び図144Bより明確に可視である。図144Bは、ヘッダ230237Cにおいて貫通部材ガイド230237から出る貫通部材ガイド230237内部の貫通部材230233の方位を示す。図144Cは、コネクタハブ230231内部の貫通部材23033及び貫通部材ガイド230237の方位を示す。そのような配列は、少なくとも密閉バリア23056Cの一部の並進のために、貫通可能密閉部23056及び貫通部材ガイド230237が一緒にハウジング23052に並進することを可能にする。加えて、貫通可能密閉部23056は、例えば、取り付し可能なスナップ式係合等の当技術分野で既知のいくつかの手段によって貫通部材ガイド230237に取り外し可能に取り付けられ得る、または、貫通可能密閉部23056は、貫通部材230233上の密閉バリア23056Cの並進を誘導するように構成要素間の接触を可能にするように構成され得る。図144Aの貫通部材ガイド230237等の貫通部材ガイドが使用されるとき、貫通部材ガイドは、少なくとも一部の並進のために、貫通可能密閉部23056とともに並進し、密閉バリア23056Cが貫通部材230233に接触し、それによって貫通されることを確実にし得る。いったん流体経路が開放または接続されると、駆動機構による遠位方向におけるプランジャ密閉部230160の並進は、薬剤チャンバ23021内の流体を滅菌流体コネクタを通るように押勢させる。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような針挿入機構は、流体導管23035の他端に接続され、ユーザへの流体伝送を容易するように、針をユーザの体内に挿入し得る。
図144Aに示される実施形態は、また、プランジャ密閉部230260を備え、プランジャ密閉部230260は、貫通部材ガイド230237と一緒に、状態表示機構の一部として使用され得る。より具体的には、本実施形態では、プランジャ密閉部230260は、相互接続部/接点230261を含み、対応する相互接続部/接点230262は、貫通部材ガイド230237上に位置する。プランジャ密閉部230260及び貫通部材ガイド230237が、送達終了時に近位に達すると(例えば、図144Cに示されるように)、相互接続部/接点230261及び相互接続部/接点230262は、ユーザに認知可能な信号を相互接続かつ変換する。
本明細書に提示される新規実施形態は、統合型滅菌流体経路接続部及び流体コンテナと、そのような接続部を利用する流体ポンプとを提供し、流体ポンプは、本デバイスの動作前、動作中、及び動作後に流体経路の滅菌性を維持するように構成され、本デバイスのアクティブ安全制御を可能にする。流体コンテナの一部への流体経路コネクタの統合は、コンテナ完全性及び流体経路の無菌性を確実にすることを促進する。加えて、滅菌流体経路コネクタを流体コンテナの一部に統合することによって、流体伝送の接続は、ユーザによって制御され(すなわち、ユーザによってアクティブ化される)、駆動機構の機能によって可能になり得る。従って、ユーザによってアクティブ化されるステップ及び流体ポンプの内部動作は、本実施形態の新規の統合型滅菌流体経路接続部によって大きく簡略化され得る。
別の実施形態では、流体コンテナは、少なくとも2つの柔軟な内部区画を備え、各区画間の接触面は、滅菌流体経路と滅菌流体コンテナのその区画との間で滅菌流体連通をもたらす、滅菌流体経路コネクタの貫通部材によって破裂することが可能である独特の貫通可能密閉部を備える。図145に示されるように、コンテナ230150は、プランジャ密閉部230160及び貫通可能密閉部230156に加えて、1つ以上の密閉部を利用し得る。これは、例えば、複数の流体物質がコンテナ及び薬物注入ポンプデバイスによって送達されることが所望される。図145は、1つ以上の流体物質が送達のために保管され得る区画またはチャンバ230121A、230121B、及び230121Cを作るような、2つの追加密閉部230163及び230165を利用する、そのような1つの実施形態を示す。図145の実施形態は、貫通可能密閉部230156は、密閉バリア230156A及び基部230156Aを含み、基部230156Aがその遠位側のバレル辺縁23058A及びその近位側のコネクタハブ230131Aに当接し、当接部は、ハウジング23052内に保持される。コネクタハブ230151は、さらに、滅菌チャンバ23032につながるチャネルを伴う、真空ポート230131Bを含む。コネクタハブ230131は、また、導管ポート230131Dで構成されており、導管ポート230131Dは、滅菌流体コネクタ230130から注入デバイス(例えば、注入機構)の残りの部分までの出口を提供する。導管ポート230131D及び真空ポート230131Bは、それぞれ、使い捨て密閉部等の膜、フィルタ、または密閉部を含有し得、その膜、フィルタ、または密閉部は、各々のポートを通るチャンバ23032から出る流体流動を可能にするが、当該ポートを通るチャンバ23032内への流体流動を可能にしない。加えて、または代替として、導管ポート230131D及び真空ポート230131Bは、組立または動作のある時点でプラグ接続され得る。例えば、真空ポート230131Bは、本デバイスの製造中、組立中、または本デバイスの動作前の任意の時点で、滅菌空洞32を真空にするために利用され得、次に、真空ポート230131Bは、真空化が完了した後、プラグ接続されることができる。
流体ポンプがアクティブ化すると、プランジャ密閉部230160の接触面230168における圧力は、ハウジング23052に向かうプランジャ密閉部230160の遠位並進をもたらす。薬剤チャンバ230121A、230121B、及び230121C内に保持される流体物質(複数可)内の空気圧及び/または水圧は、力を、チャンバ密閉部230163、チャンバ密閉部230165、及び貫通可能密閉部230156に中継し、それらの遠位並進をもたらし、密閉バリア230156Cをハウジング23052に向かって並進させ、かつ貫通部材230133によって貫通させる。本明細書に説明されるように、これは、滅菌流体経路接続部を作成させ、または開放させる。プランジャ密閉部230160がさらに並進すると、柔軟な薬剤チャンバ230121A内に保持される液状物質は、導管230135を通して分注される。流体及び密閉部がさらに並進すると、次に、密閉部230165は、貫通部材230133によって貫通され、それによって、柔軟な流体チャンバ23021B内の液状物質を流体経路コネクタから分注することを可能にし得る。さらなる区画またはチャンバが所望される場合、より多くの密閉部及びチャンバ(密閉部230163及び柔軟なチャンバ230121C等)が構成され、続いて、プランジャ密閉部230160がハウジング23052に向かって十分に並進するまで、同じ様式で係合され得る。本構成は、単一区画流体コンテナに対して有益性をもたらし得る。例えば、希釈剤は柔軟な流体チャンバ230121A内に保管され得、治療薬剤は柔軟な流体チャンバ230121B内に保管され得、その状態では、滅菌流体経路は、最初に、患者への薬剤治療物の送達前に希釈剤により清浄される。送達のために混合薬が所望されるとき、複数の治療薬は、本実施形態によって提供される構成を使用して保管かつ送達され得る。貫通部材230133、駆動機構、及び本実施形態の他の構成要素がそのような送達のために適切に構成されることを仮定すると、任意の数の密閉部及び薬剤チャンバがそのような構成で利用され得る。
本発明の新規の統合型滅菌流体経路コネクタは、加えて、状態表示を流体送達機構に組み込み得る。そのような状態表示特徴は、第WO2013033467号に説明されるような駆動機構23090に組み込まれ得る。加えて、または代替として、状態表示特徴は、滅菌流体経路コネクタの構成要素に組み込まれ得る。一実施形態では、1つ以上の相互接続部は、プランジャ密閉部の内部に含有され、またはその近位に含有される。流体送達の終了時、貫通部材は、相互接続部に接触するために、または相互接続部の接点として利用され、開放し、閉鎖し、またはそうでなければ、電源及び制御システムへの信号を作り、ユーザにフィードバックを提供し得る。別の実施形態では、相互接続部/接点のいずれか1つが、プランジャ密閉部の内部に含有され、またはプランジャ密閉部の近位にある一方、他の1つが、密閉マウントまたはガイドピース等の内部またはその上における、プランジャ密閉部の内部に含有され、またはその遠位にある。流体送達の終了時、相互接続部及び対応する接点は、ユーザにフィードバックを提供するために、電源及び制御システムに信号を送信することを可能にするために十分に近くにある。
別の実施形態では、滅菌チャンバ23032内に隔離されているコネクタハブの表面は、状態表示機構の接点または相互接続部を組み込み、またはその表面自体が、接点または相互接続部として利用され得る。例えば、送達終了信号は、コネクタハブの表面と係合し、ハブによって適切な電子機器に接続される、滅菌区画23032内部に含有されるリーフ/柔軟アームまたはばね式スイッチ機構を使用して提供されることができる。本配列では、非加圧状態(デバイスアクティブ化の前)において、スイッチは開放位置にあり、接点/相互接続部または変換された信号が存在しない。本デバイスがアクティブ化されると、すなわち、駆動部が薬剤コンテナ内部でプランジャ密閉部に係合し、空気圧及び/または水圧は、貫通可能密閉部を貫通部材内で並進させ、従って、貫通可能密閉部を破裂させ、流体が滅菌流体コネクタを通って流動することを可能にする。スイッチ機構がその相補的接点と相互作用するまで、空気圧及び/または水圧は、さらに、貫通可能密閉部の隔壁をスイッチ機構に接するように押圧させ、スイッチ機構は、回路を閉鎖し、かつ信号をユーザに対して変換することを可能し、薬剤送達が開始されたことを示す。送達終了時、滅菌チャンバ内部の空気圧及び/または水圧は解放され、スイッチは、再度開になり、回路を開き、送達終了信号をユーザに提供する。
そのような構成(滅菌流体経路コネクタの滅菌チャンバ内に隔離されているコネクタハブの表面が、状態表示機構の接点または相互接続部を組み込み、または表面自体が、接点または相互接続部として利用され得る)は、貫通可能密閉部の構成によって容易にされ得る。例えば、図146A~図146Eに示されるように、流体チャンバ23058は、滅菌流体コネクタ230130に向かってプランジャ密閉部230160を押勢する駆動機構に係合するように構成されているプランジャ密閉部230160を備える。最初の位置(すなわち、駆動部が係合される位置)では、図146Aに示されるように、貫通可能密閉部230356は、密閉マウント230134によって部分的に維持されるように、貫通可能密閉部230356及びコネクタハブ230131によって画定される空間内部に滅菌チャンバ23032を維持する。コネクタハブ230131は、さらに、貫通部材23033と、真空ポートまたは通気口230131B(チャンバ23032の滅菌性がフィルタ23039によって維持される)とを含む。コネクタハブ基部230131A、貫通可能部材230356の密閉部材230356A、及びバレル辺縁23058Aは、全て、ハウジング23052内で固着され、ハウジングは、クリンプキャップ等のキャップであり得る。コネクタハブ230131は、また、出口ポート230131Dを含み、出口ポート230131Dは、滅菌流体経路コネクタから流体導管23035の出口通路を提供する。いったんポンプ駆動がアクティブ化され、プランジャ密閉部230160が貫通部材23033に向かって押勢されると、柔軟な流体チャンバ23021内部の空気圧及び/または水圧は、貫通可能密閉部230356の密閉バリア230356Cを貫通部材23033(密閉バリア230356Cを貫通し、滅菌流体経路を開放する)内に押勢する。図146Bに示されるように、柔軟なチャンバ23021内部の空気圧及び/または水圧が継続すると、貫通可能密閉部230356の少なくとも一部を押勢し、滅菌チャンバ23032内部のコネクタハブ230131の少なくとも一部に接触する。このように、空気圧及び/または水圧が継続すると、駆動部がアクティブ化され流体が柔軟なチャンバ23021内にある限り、図146C及び図146Dに示されるように、密閉部230356とコネクタハブ230131との間で接触を維持する。図146Eに示されるように、流体が柔軟な流体チャンバ23021から送り出されているとき(その状態では、このチャンバは本質的にすでに存在しない)、密閉部230356に接する空気圧及び/または水圧は解放され、密閉部230356はチャンバ23032内部で非加圧状態に戻り、チャンバ23032内では、密閉部230356とハブ230131との間に接触はすでにない。
本実施形態の本態様は、滅菌流体コンテナからコンテナまでの流体伝送の状態を示すように構成されている少なくとも1つのセンサを伴う滅菌流体経路コネクタを提供するのに有用である、いくつかのデバイス及び構成に有益性がある。そのようなセンサの例は、滅菌流体コネクタ内の滅菌チャンバ内部に含有される「スイッチ」機構である。例えば、図147A~図147Hに示される実施形態では、流体コンテナ230350は、流体チャンバ230321及びプランジャ密閉部230360を収納するバレル230358を含み、バレル230358は、プランジャ密閉部230360及び柔軟な流体チャンバ230321を滅菌流体コネクタ230330に向かって押勢する駆動機構に係合するように構成されている。図147A及び図147B(流体経路が「閉鎖」されている)に示されるように、貫通可能密閉部230356は、貫通可能密閉部230356及びコネクタハブ230331によって画定される空間内部で滅菌チャンバ230332を維持する。コネクタ230330は、コネクタハブ230331、さらに真空ポート230331Bと(そこでは、チャンバ230332の滅菌性がフィルタ230339によって維持される)、滅菌流体経路コネクタ230330からの流体導管230335の出口経路を提供する出口ポート230331Dとを有し、貫通部材230333に係合する。コネクタハブ基部230331A、貫通可能密閉部230356、密閉部材230356A及びバレル辺縁230358Aは、ハウジング230352内に固着される。コネクタハブ230331は、さらに、滅菌チャンバ230332内に、コネクタハブ230331の密閉マウント230334に装着される型打ちリング230391と、接点230392と、可撓性パワーストリップ230394(曲がり部)と通信する相互接続部230362とを収納する。図147A及び図147Bに示されるように、駆動部がアクティブ化する前の最初の状態では、ばね230393は非圧縮状態にあり、接点230392は、相互接続部230362と接点230392との間に接触がない位置において、ばね230393と型打ちリング230391との間に保持される。接点230392は、さらに、通路230392Cを通って接点230392を通過する貫通部材230333の位置によって滅菌チャンバ230332内部で安定にされる。
図147C及び図147Dに示されるように、いったん駆動機構がアクティブ化され、プランジャ密閉部230360が貫通部材230333に向かって押勢されると、矢印によって示されるように、柔軟な流体チャンバ230321内部の空気圧及び/または水圧は、貫通可能密閉部230356の密閉バリア230356Cを貫通部材230333内に押勢し、それによって、流体が滅菌流体導管230335まで通過することができるように、密閉バリア230356Cを貫通し、かつ滅菌流体経路を開放する。柔軟なチャンバ230321内部のこの空気圧及び/または水圧は、また、接点230392の少なくとも一部に接してバリア密閉部230356Cで押勢し、それにより、ばね230393は、接点230392が滅菌チャンバ230332内部の相互接続部230362と接し、相互接続部を形成する。次に、信号は、接点230392、相互接続部230362、及び曲がり部230394を介して変換されることができる。空気圧及び/または水圧(矢印参照)が継続すると、駆動部がアクティブ化され流体が柔軟なチャンバ230321内にある限り、図147E~図147Fに示されるように、ばね230393を圧縮し、密閉部230356と、接点230392と、相互接続部230362との間で接触を維持し、それにより、相互接続が継続する。流体が柔軟な流体チャンバ230321から送り出されているとき(その状態では、このチャンバは本質的にすでに存在せず、滅菌流体コネクタ230330を通る流動が止まるようになる)、図147G及び図147H(後者は、コネクタハブ230331内部の相互接続部230362の位置を示す滅菌流体経路コネクタの異なる断面図)に示すように、密閉部230356に接する空気圧及び/または水圧が解放され、ばね230393は非圧縮状態に戻り、型打ちリング230391に向かって戻るように接点230362を押動し、接点230392と相互接続部230362との間の相互接続を遮断する。いったん、この相互接続が切断されると、信号はもう曲がり部230394を介して変換されることができない。
加圧状態及び非加圧状態における膜の位置を使用して、信号の変換を容易にし、滅菌流体コンテナからコネクタまでの流体伝送の状態を示す、他のスイッチ機構が設計されることができる。例えば、図148A~図148Gに示されるように、コネクタハブ230331は、リーフ/柔軟アーム230395を備えるスイッチの構成要素を収納することができる。図148B、図148D及び図148Eは、貫通可能密閉部230356が貫通されず無傷である、使用前の位置にある滅菌流体経路コネクタを示す。この位置では、接点230395は、相互接続部230362に接触しない状態(または、それに十分に近接近していない)であり、信号を変換することができない。図148C、図148F及び図148Gは、流体チャンバからの空気圧及び/または水圧が、貫通部材230333に接するバリア密閉部230356Cを変形し、貫通可能密閉部230356を貫通し、流体経路を開放する、アクティブ化されている加圧位置にある滅菌流体経路コネクタを示す。この位置では、バリア密閉部230356Cは、さらに、接点230395に接するように押勢されており、それにより、接点230395は、相互接続部230362と接し(または、それに十分に近接近するようになり)、その状態では、相互接続部は、曲がり部230394を介して変換されることができる信号を形成する。図148D及び図148Fは、斜視図(バレル及びハウジングが図示されない)であり、各々、使用前の加圧位置にある、貫通可能密閉部230356、コネクタハブ230331、及び貫通部材230333の位置を示す。図148E及び図148Gは、バレル、ハウジング、及び貫通可能密閉部が図示されない斜視図であり、各々、使用前(相互接続がない)の加圧位置(相互接続される位置)にある、接点230395及び相互接続部230362を示す。
図149A~図149Dは、さらに、図149B及び図149Dに示されるように、空気圧及び/または水圧は、密閉バリア230356Cを接点230395に押勢し、次に、相互接続部230362に接触する接点230395を設置するように伝送されるように押勢し、その次に、曲がり部230394を介して信号伝達を可能にするまで、及びそうならないかぎりリーフ/アーム230395が相互接続部230362との相互接続を形成しない実施形態を示す。加えて、図149A~図149Dの実施形態に示されるように、コネクタハブ230331は、さらに、内部ポスト230334Aと、滅菌流体経路コネクタを通る流体通路と衝突し得る中央上方位置を回避する接点230395及び膜230356の位置を制限する構造とを含む。
図12A~図12Dは、さらに、滅菌流体コンテナからコネクタまでの流体伝送の状態を示す信号を伝達することが可能である滅菌流体コネクタの実施形態を示す。図150Bは非加圧状態における滅菌流体コネクタ230330の構成要素の位置を示すが、図150Cは加圧状態を示し、図150Dは送達終了状態を示す。相互接続部(複数可)230362及び接点(複数可)230395は、コネクタハブ230331と貫通可能密閉部230356との間に滅菌チャンバ230332内部に据付けられ、その状態では、貫通可能密閉部230356が貫通された後、薬剤チャンバ230321内部で圧力が継続すると、1つ以上の相互接続部(複数可)230362と、1つ以上の接点(複数可)230395との間に相互接続をもたらし、これは、信号をユーザに伝達し、いったん薬剤チャンバ230321の内側の圧力が降下し相互接続しなくなると信号が終了する(すなわち、投与終了する)。いくつかの既知の相互接続部及び接点は、当業者によって容易に認識されるであろう本実施形態で使用され得る。例えば、ホール効果センサ;巨大磁気抵抗(GMR)センサまたは磁場センサ;光学センサ;容量変化式センサまたは静電容量変化式センサ;超音波センサ;線形進行センサ、LVDTセンサ、線形抵抗センサ、または放射線形抵抗センサ;及びそれらを組み合わせたものの色々なセンサは、信号をユーザに伝達するように連係することが可能であり、そのような目的のために利用され得る。図151A~図151Cは、滅菌流体コンテナからコネクタまでの流体伝送の状態を示す信号を伝達することが可能である滅菌流体コネクタの別の実施形態を示す。
また別のスイッチ機構は、図152A及び図152Bに示され、これらの図は、滅菌流体経路コネクタ(バレルは図示されない)の断面図及び断面等角図を示す。本実施形態では、滅菌チャンバ230332は、貫通可能密閉部230356、密閉マウント230334、及びハブ接続部230331の位置によって部分的に画定される。コネクタハブは、また、滅菌チャンバ230332内部に貫通部材230333及び相互接続部230362を保持する。スイッチ機構は、相互接続部230362、第1の圧縮ばね230393、接点230392、及び第2の圧縮ばね230396を含む。本実施形態では、非アクティブ減圧状態に示されるように、圧縮ばね230393及び230396の両方は、接点230392が相互接続部230362との相互接続部を形成するために、圧縮される。密閉バリア230356に接する空気圧及び/または水圧の解放前および解放時に、圧縮ばね230393及び230396は展開し、相互接続は遮断される。
スイッチ機構の別の実施形態は、図153A及び図153Bに示される。本実施形態では、貫通可能密閉部230456は、導体材料または塗装膜を備える。コネクタハブ230241は、リブ230434Aと、システム圧力が流体送達の終了時に降下すると、導電性貫通可能密閉部230456と接点230462との間の導通が遮断されることを確実にする構造とを含む。より具体的には、図151Bに示されるように、空気圧及び/または水圧が導電性貫通可能膜230456を貫通部材230433によって断裂させている加圧システムでは、導電性貫通可能膜230456は、相互接続部230462に接するために、リブ230434にさらに近位になるように変形する。いったん空気圧及び/または水圧が止まると(すなわち、流体送達の終了時)、導電性貫通可能膜230456は、リブ230434の近位部による相互接続から自然に解放される。
スイッチ機構のまた別の実施形態は、図154に示される。本実施形態では、コネクタハブ230531は、コネクタハブ230531と貫通可能膜230566との間で滅菌チャンバ230532に保持される導電性エラストマー230597を備える。本実施形態では、導電性エラストマー230597の少なくとも一部は、密閉マウント230534に取り付けられ、またはそうでなければ、それと係合し、中心に位置する開口で構成され、ポンプがアクティブ化されるとき、及び貫通可能膜230566に接する空気圧及び/または水圧が発生するとき、バリア密閉部230556Cが貫通部材230533と接触するように押勢することが可能になる。導電性エラストマー230597は、実際に「ばね」であり、貫通可能密閉部230556からの遠位の力に応答して、変形(すなわち、伸びる)し、それによって、貫通可能密閉部230556からの圧力下で、相互接続部230362に接するように変形することができる。導電性エラストマー230597のエラストマー性質が、それが変形前の状態に戻ることを可能にし、その状態では、非加圧環境で相互接続がない。従って、いったん空気圧及び/または水圧が止まると(すなわち、送達終了時)、導電性エラストマー膜230597は、相互接続部230562との接触から受動的に解放され、信号が中断される。
別の実施形態では、図155に示されるように、滅菌流体経路コネクタは、ドーム型スイッチ230666を備えるセンサ機構を含み、ドーム型スイッチ230666に関して、ドーム部が導体材料から作成され、またはそれを含み、それにより、ドーム型スイッチ230666が相互接続部230662に接し、またはそれの十分に近くに移動し回路を完全にするとき、信号を作る接点として作用することができる。ドーム型スイッチ230666は、変形に抵抗し、コネクタハブ密閉マウント230634の内壁と係合し、またはそれを圧迫する、少なくとも1つの外側部230666Aで構成されている。代替として、ドーム型スイッチの外側変形抵抗部は、ラジアルリング、または滅菌流体経路コネクタ内部のドーム部の位置を安定させる任意の構造であり得る。ドーム型スイッチの導電部は、そのドーム形状を「記憶」する形状記憶合金を備え得るが、圧力下でより平坦形状に変形されることができ、次に、いったん圧力が解放されると、ドーム形状に戻る。図155の実施形態では、ドーム型スイッチ230666はさらに、ドーム型スイッチ230666が相互接続部230662の方向に押圧されるとき、貫通部材230633が通過することができる開口230666Cを備える。より具体的には、ポンプデバイスが作動し、空気圧及び/または水圧が貫通可能膜(図示されない)に接して上昇するとき、貫通可能膜は、貫通可能膜230633上に押勢され、流体経路を開放するように断裂される。ドーム型スイッチ230666は、同様に、空気圧及び/または水圧によって、またはそれを圧迫する貫通可能密閉部の変形部の遠位圧力によって変形され、ドーム型スイッチ230666は、相互接続部230662に向かって平坦になっており、信号を変換することを可能にする。いったん空気圧及び/または水圧が停止すると(すなわち、送達終了時)、ドーム型スイッチは、その変形前のドーム形状に戻り、相互接続しなくなる。図155に示されるように、ドーム型スイッチ230666は、流体経路コネクタの滅菌空洞内部で、貫通可能密閉部(図示されない)の下に設置されるように構成される。しかしながら、ドーム型スイッチは、貫通可能密閉部の上に「乗る」ように構成され得、圧力下で、信号を生成するために、相互接続部230662と十分に近接近して押動されるであろう。代替として、ドーム型スイッチは、均一に変形可能/抵抗力のある形状記憶材料で作成され得、ドーム型スイッチの導電部は、ドーム部の外側部またはリム内に構成され、流体経路コネクタの滅菌チャンバ内に「逆さま」に(ボウル状のように)設置される。本構成では、貫通された貫通可能膜に接する空気圧及び/または水圧は、ドーム部の外側導電部がコネクタハブ内に位置付けられる相互接続部と十分に接触し、信号が可能になるまで、ドーム部を十分に平坦にするであろう。圧力が止まると(すなわち、送達終了時)、ドーム部は、その記憶されたドーム形状にすぐに戻り、それによって、相互接続部から接続接点が外れるであろう。
前述の検討から明らかなはずであるように、いくつかの既知の相互接続部及び接点、または同様の構成要素は、当技術分野で既知であり、本明細書に開示される新規実施形態の範囲内で利用され得る。当業者によって容易に認識されるであろうように、かなり様々な磁石、センサ、コイル等は、ユーザのフィードバック用の信号を接続、伝達、または中継するために利用され得る。概して、直列または並列に接続される、抵抗器、誘導子、及びキャパシターを有する任意のRLC回路システムは、この目的のために利用され得る。例えば、ホール効果センサ;巨大磁気抵抗(GMR)センサまたは磁場センサ;光学センサ;容量変化式センサまたは静電容量変化式センサ;超音波センサ;線形進行センサ、LVDTセンサ、線形抵抗センサ、または放射線形抵抗センサ;及びそれらを組み合わせたものの様々なセンサは、信号を電源及び制御システムに送信し、ユーザにフィードバックを提供することを可能にするために使用される相互接続部及び対応する接点として利用され得る。接点及び相互接続部の場所は、交換され得、または、電気回路の完了を可能にする、もしくはそうでなければ構成要素間の伝達を可能にする、いくつかの他の構成であり得る。1つ以上の状態スイッチ相互接続部及び1つ以上の対応する電気接点の使用によって、動作前、動作中、及び動作後の駆動機構の状態は、電源及び制御システムに中継され、フィードバックをユーザに提供することができる。そのようなフィードバックは、触覚、聴覚、または視覚であり得、2つ以上の信号または種類のフィードバックが本デバイスの使用中にユーザに提供されるように非常に豊富であり得る。
加えて、本発明の実施形態は、実質的に全部の流量を送達していることと、状態表示特徴が正確なフィードバックをユーザに提供するために適切に連絡していることとを確実にするために、送達終了コンプライアンスを提供する。これらの機構によって、流体送達の確認をユーザまたは投与者に正確に提供することができる。従って、本発明の新規デバイスは、先行技術デバイスと関連付けられる1つ以上の問題を軽減する。随意に、駆動機構は、1つ以上のコンプライアンス特徴を含み得、それらのコンプライアンス特徴は、プランジャ密閉部の追加の軸方向並進を可能にし、例えば、実質的に全部の流量を送達していることを確実にし、フィードバック接触機構に接続していることを確実にする。例えば、本発明の一実施形態では、駆動機構は、流体コンテナからの、プランジャ密閉部または流体のコンプライアンスプッシュのために、プランジャ密閉部の少なくとも一部の軸方向並進をさらに駆動させるように構成され得る。加えて、または代替として、プランジャ密閉部自体は、コンプライアンスプッシュを可能にするいくつかの圧縮性を有し得る。例えば、急に飛び出るプランジャ密閉部(すなわち、最初の状態から変形可能であるプランジャ密閉部)が採用されるとき、プランジャ密閉部を、コンプライアンスプッシュを提供するために、変形させ、または「急に飛び出させ」得る。同様に、プランジャ密閉部は、それ自体コンプライアンスプッシュを提供できることが可能であるように、多孔質、圧縮可能、変形可能等であり得る。
上記に説明されたように、接点及び相互接続部の場所は、交換され得、または、電気回路の完了を可能にする、もしくはそうでなければ構成要素間の伝達を可能にする、いくつかの他の構成であり得る。一実施形態では、プランジャ密閉部は、状態表示機構(例えば、図142Cの23061)用の接点または相互接続部を組み込み、またはプランジャ密閉部自体が接点または相互接続部として利用され得る。一実施形態では、密閉マウントは、状態表示機構(例えば、図142Cの23062)用の接点または相互接続部を組み込み、または密閉マウント自体が接点または相互接続部として利用され得る。一実施形態では、ガイドピースは、状態表示機構(例えば、図144Aの232)用の接点または相互接続部を組み込み、またはガイドピース自体が接点または相互接続部として利用され得る。別の実施形態では、滅菌チャンバ内に隔離されているコネクタハブの近位表面は、状態表示機構(例えば、図147~図155に示される)の接点または相互接続部を組み込み、またはその表面自体が、接点または相互接続部として利用され得る。
滅菌流体経路接続部の他の構成要素は、同様に、複数の機能に利用され得る。代替として、他の随意的構成要素は、本発明の新規実施形態の範囲内で利用され得る。例えば、1つ以上の随意的流量制限器は、本明細書に説明される流体経路接続部の構成内で利用され得る。少なくとも1つの実施形態では、流量制限器は、貫通部材と流体導管との間の接続部において利用され得る。流体ポンプは、異なる粘度及び量を伴う色々な流体を送達することが可能である。流体ポンプは、制御流量(速さ)における、または規定量の流体を送達することが可能である。一実施形態では、流体送達プロセスは、流体経路接続部及び/または滅菌流体導管内部で1つ以上の流量制限器によって制限される。他の実施形態では、他の流量は、流体流路もしくは送達導管の形状を変え、駆動機構の構成要素が流体コンテナ内で前進し、その中で流体を分注する速さを変えることによって、またはそれらの組み合わせによって提供され得る。本発明の少なくとも1つの実施形態では、コネクタハブ自体は、流体経路の一部として利用され得、随意に、流量制限器として機能し得る。
本明細書に開示される流体経路接続部及び流体ポンプが、流体コンテナからの自動流体送達用の効率的かつ容易に動作するシステムを提供することを上記の説明から認識されるであろう。本実施形態の新規デバイスは、流体経路の滅菌性を維持し、流体コンテナに統合されるコンテナ接続部と、そのような統合型滅菌流体経路接続部を流体コンテナに組み込む流体送達ポンプとを提供する。そのようなデバイスは、安全で使用しやすく、美学的または人間工学的に、自己投与を行う患者には魅力的である。本明細書に説明されるデバイスは、訓練されていないユーザでさえにも、本デバイスのアクティブ化、動作、及びロックアウトを簡単にする特徴を組み込んでいる。流体送達がオペレータによって所望されるまで流体経路が切断されているため、流体経路接続部、流体コンテナ、流体、及び本デバイスの滅菌性は、全体として維持される。本実施形態のこれらの態様は、非常に望ましい保管、輸送、及び安全の有益性をオペレータに提供する。さらに、本発明の流体経路コネクタ及び薬剤ポンプの新規構成は、本デバイスの動作によって、流体経路の滅菌性を維持する。流体が本デバイス内部で進行する経路が全体的に滅菌状態に維持されるために、これらの構成要素だけ、製造プロセス中に滅菌される必要がある。そのような構成要素は、駆動機構のコンテナ、流体経路接続部、滅菌流体導管、及び挿入機構(流体が薬剤であるとき)を含む。本発明の少なくとも1つの実施形態では、電源及び制御システム、アセンブリプラットホーム、制御アーム、アクティブ化機構、ハウジング、ならびに流体ポンプの他の構成要素は、滅菌される必要はない。これは、大きく、本デバイスの製造性を改善し、関連する組立費を減らす。従って、本実施形態のデバイスは、組立の完了時、最終滅菌を必要としない。本実施形態のさらなる利点は、本明細書に説明される構成要素が、例えば、流体経路接続部及び本デバイスの他の構成要素がハウジングに統合され、流体ポンプとして機能するように容易にインターフェースをとり得るようなモジュールになるように設計されていることである。
流体経路接続部23030または個々の構成要素のいずれかの組立または製造は、当技術分野のいくつかの既知の材料及び手法を利用し得る。例えば、イソプロピルアルコール及びヘキサン等のいくつかの既知の洗浄液は、構成要素または本デバイスを洗浄するために使用され得る。いくつかの既知の接着剤は、同様に、製造プロセスで採用され得る。加えて、既知のシリコーン表面処理流体または潤滑流体及びシリコーン表面処理プロセスまたは潤滑プロセスは、新規構成要素及び新規デバイスの製造中に採用され得る。さらに、既知の滅菌プロセスは、最終製品の滅菌性を確実にするために、1つ以上の製造段階または組立段階で採用され得る。
流体経路接続部は、いくつかの手法で組み立てられ得る。組立の一方法では、滅菌流体経路接続部が、例えば、図143A及び図143Bに示されるように、組み立てられ得、次に、流体コンテナ23050に取り付けられ、搭載され、接続され、またはそうでなければ、統合され、その状態では、貫通可能密閉部23056の少なくとも一部が流体コンテナ23050内部に含有される。次に、流体コンテナ23050は、流体で充填され、貫通可能密閉部23056に対向する端においてプランジャ密閉部23060とプラグ接続され得る。バレル23058は、バレル23058の近位端からのプランジャ密閉部23060の挿入前に開放近位端を通るように流体で充填され得る。次に、駆動機構23090は、流体コンテナ23050の近位端に取り付けられ得、その状態では、駆動機構23090の構成要素は、プランジャ密閉部23060に接触することが可能である。挿入機構23070は組み立てられ、流体導管23035の他端に取り付けられ得る。駆動機構23090、流体コンテナ23050、流体経路接続部23030、流体導管23035、及び挿入機構23070を含む、このサブアセンブリ全体は、既知の技術によって、薬剤送達デバイス230100内の組立前に滅菌され得る。このサブアセンブリのある構成要素は、ハウジング12A、12B内部のアセンブリプラットホームまたはハウジング12A、12Bの内部に直接搭載され得る一方、他の構成要素は、ユーザによるアクティブ化のために、ガイド、チャネル、または他の構成要素または面に搭載され得る。
流体ポンプの製造は、流体経路接続部及び流体コンテナの両方を、別個に、または組み合わされた構成要素としてのどちらかで、薬剤ポンプのアセンブリプラットホームまたはハウジングに取り付けるステップを含む。製造する方法は、さらに、アセンブリプラットホームまたはハウジングへの駆動機構、流体コンテナ、挿入機構の取り付けを含む。上記に説明されたような電力及び制御システム、アクティブ化機構、及び制御アームを含む、流体ポンプの追加構成要素は、アセンブリプラットホームまたはハウジングに取り付けられ、事前に形成され、または事前に組み立てられ得る。接着パッチ及びパッチライナは、本デバイスの動作中に、ユーザに接触する薬剤ポンプのハウジング表面に取り付けられ得る。
流体ポンプの動作方法は、ユーザによってアクティブ化機構をアクティブ化するステップ、制御アームを変位させ挿入機構を作動させるステップ、駆動制御機構をアクティブ化しプランジャ密閉部を押動し、滅菌流体経路接続部に接続し、流体ポンプを通る流体流動を活発にするステップのような1つ以上のステップを含み、流体経路接続部を並進させることは、貫通可能密閉部を貫通部材によって貫通させ、それによって、流体コンテナから流体導管までの流体経路を開放する。駆動制御機構は、電源及び制御システムを作動することによってアクティブ化され得る。本方法は、さらに、アクティブ化機構をアクティブ化させる前に、随意的体上センサに係合するステップを含み得る。さらに、本動作方法は、駆動制御機構及び流体コンテナ内部にプランジャ密閉部を並進させ、ユーザの体への流体の送達のために、流体コンテナ、流体経路接続部、滅菌流体導管、及び随意に挿入機構を通る流体薬剤流動を押勢することを含み得る。
XXIII.駆動機構の追加実施形態
少なくとも、図1~56及び図74~図157Bに関連して説明されるものを含む、本出願に説明される薬剤送達デバイスの少なくとも一部は、図156~図157Bに関連して下記に説明される駆動機構の実施形態を組み込むように構成され得る。図156~図157Bに関連して下記に説明される駆動機構の実施形態は、必要に応じて、全体的または部分的に、上記に説明された駆動機構100、500、1000、2100、10100、または本明細書に説明される任意の他の駆動機構の代わりになるように使用され得る。
概して、本実施形態は、統合型状態表示と、そのような駆動機構、そのようなデバイスの動作方法、及びそのようなデバイスの組立方法を組み込む、薬剤送達デバイスとを提供する。本開示の駆動機構は、薬剤送達の前、最中、及び後に、フィードバックをユーザに提供する統合型状態表示特徴を提供する。例えば、ユーザに、本システムが動作可能であり、薬物送達の準備ができていることを識別する最初のフィードバックが提供され得る。アクティブ化すると、本システムは、次に、1つ以上の薬物送達状態表示をユーザに提供し得る。薬物送達の完了時、駆動機構及び薬剤送達デバイスは、投与終了表示を提供し得る。投与終了表示がピストンの軸方向並進の終了に達したピストンに関係するとき、駆動機構及び薬剤送達デバイスは、真の投与終了表示をユーザに提供する。加えて、本開示の実施形態は、実質的に全部の薬剤投与量をユーザに送達していることと、状態表示特徴が正確なフィードバックをユーザに提供するために適切に連絡していることとを確実にするために、送達終了コンプライアンスを提供する。これらの機構によって、薬剤投与量送達の確認をユーザまたは投与者に正確に提供することができる。
少なくとも1つの実施形態では、本開示は、駆動ハウジング、状態スイッチ相互接続部、駆動付勢部材、ピストン、及び薬剤コンテナ(キャップ、貫通可能密閉部、バレル、及びプランジャ密閉部を有する)を含む、統合型状態表示を有する駆動機構を提供する。駆動付勢部材は、ピストンの接触表面を圧迫するように構成され得る。薬剤コンテナは、好ましくは、ユーザへの送達のために、薬剤流体を含有し得る。駆動機構は、さらに貫通可能密閉部に取り付けられる接続マウントを含み得る。カバースリーブは、例えば、付勢部材からピストンまでの力のより均一な分散を提供するために、駆動付勢部材とピストンの接触表面との間で利用され得る。接触スリーブの遠位端にあるスリーブフックを、ピストンの近位端に近くで、接触表面と接触突出部との間でピストンに接触させるように、接触スリーブは、駆動ハウジングの軸上開口を通るように駆動ハウジングに摺動可能に搭載され得る。ピストンは、また、接触突出部とピストンの近位端との間で、ロッキング溝を含み得る。接触スリーブは、その近位端において半径方向に延在するリングを有し、1つ以上の柔軟突起部が、その近位端上に存在する。
駆動機構は、さらに、対応する構成要素上に位置する1つ以上の接触表面を含み得る。そのような接触表面は、電気接触表面、機械接触表面、または電気機械接触表面であり得る。そのような表面は、最初に接触され得、かつ係脱させられ、または最初に切断され、及び係合させられ、信号を電力制御システムに及び/またはそこから送信することを可能にする。少なくとも1つの実施形態では、本明細書にさらに説明されるように、接触表面は、電気接触表面であり得、最初に切断され、かつ係合され、それによって、そのように係合されると、接触表面は、エネルギー経路を連続すること、またはそうでなければ、信号を電力及び制御システムに中継することが可能である。本開示の別の実施形態では、接触表面は、機械接触表面であり、最初に接続され、係脱され、それによって、そのように係脱されると、そのような係脱は、電力及び制御システムに通信される。そのような信号は、電力及び制御システムに1つ以上の相互接続部を横断して、または電力及び制御システムに機械的作用によって伝送され得る。そのような構成要素は、駆動機構内部に利用され、駆動機構の動作の状態に関連する情報を測定かつ中継し得、その状態では、電力及び制御システムによって、ユーザへの触覚、聴覚、及び/または視覚フィードバックに変換され得る。接触表面の電気性質または機械性質に関わらず、電気制御システムへの信号の伝達を可能にする構成要素の運動は、本デバイスの操作中に、遠位方向において接触スリーブを軸方向に並進させる付勢部材によって可能になる。
駆動機構は、ピストンの遠位端及び軸方向貫通部の内部に摺動可能に取り付けられるピストン延在部と、ピストンの軸方向貫通部内部に搭載され、かつピストン延在部とピストンとの間で最初に圧縮されるピストン延在付勢部材と、随意に、ピストン延在付勢部材とピストン延在部との間にピストン付勢部材支持部とを含み得る。ピストン延在部は、ピストン延在部の1つ以上の延在アームと、ピストンの1つ以上の対応する接続スロットとの間における相互作用によって、ピストン内部に保定される。ピストン延在部は、薬剤コンテナからの薬剤流体のコンプライアンスプッシュを行うために利用され得る。加えて、または代替として、駆動機構は、圧縮可能プランジャ密閉部を利用し得、そのような圧縮容量または圧縮距離は、薬剤コンテナからの薬剤流体のコンプライアンスプッシュを可能にする。他のコンプライアンス特徴は、本明細書にさらに説明される。
本開示の別の実施形態では、統合型増加的状態表示を有する駆動機構は、駆動ハウジングと、駆動付勢部材と、ピストンと、増加的状態ステム(その上に搭載され、添着され、焼き付きられ、またはそうでなければ取り付けられるステム相互接続部を有する)と、薬剤コンテナ(キャップ、貫通可能密閉部、バレル、及びプランジャ密閉部を有する)とを含み、増加的状態ステムは、駆動ハウジング及びピストンの軸方向貫通部内部に存在する。増加的状態ステムは、増加的状態フィードバックをユーザに提供するように、ピストン上に1つ以上の接点に接触する1つ以上の相互接続部を有し得る。増加的状態実施形態は、同様に、上記に説明される、電気的、機械的、または電気機械的相互接続部及び接点と、及び/または1つ以上のコンプライアンス特徴とを有し得る。
さらなる実施形態では、本開示は、統合型状態表示を伴う薬剤送達ポンプを提供する。薬剤送達デバイスは、アクティブ化機構、挿入機構、流体経路接続部、電力及び制御システム、及び薬剤コンテナを有する駆動機構が搭載され得る、ハウジング及びアセンブリプラットホームを含む。駆動付勢部材は、ピストンの接触表面を圧迫するように構成され得る。薬剤コンテナは、好ましくは、ユーザへの送達のために、薬剤流体を含有し得る。駆動機構は、さらに貫通可能密閉部に取り付けられる接続マウントを含み得る。カバースリーブは、例えば、付勢部材からピストンまでの力のより均一な分散を提供するために、駆動付勢部材とピストンの接触表面との間で利用され得る。接触スリーブの遠位端にあるスリーブフックを、ピストンの近位端に近くで、接触表面と接触突出部との間でピストンに接触させるように、接触スリーブは、駆動ハウジングの軸上開口を通るように駆動ハウジングに摺動可能に搭載され得る。ピストンは、また、接触突出部とピストンの近位端との間で、ロッキング溝を含み得る。接触スリーブは、その近位端において半径方向に延在するリングを有し、1つ以上の柔軟突起部が、その近位端上に存在する。駆動機構は、さらに、対応する構成要素上に位置する1つ以上の接触表面を含み得る。そのような接触表面は、電気接触表面、機械接触表面、または電気機械接触表面であり得る。そのような表面は、最初に接触され、係脱させられ、または最初に切断され、係合させられ、信号を電力制御システムに及び/またはそこから送信することを可能にし得る。少なくとも1つの実施形態では、本明細書にさらに説明されるように、接触表面は、電気接触表面であり得、最初に切断され、係合され、それによって、そのように係合されると、接触表面は、エネルギー経路を連続すること、またはそうでなければ、信号を電力及び制御システムに中継することが可能である。本開示の別の実施形態では、接触表面は、機械接触表面であり、最初に接続され、及び係脱され、それによって、そのように係脱されると、そのような係脱は、電力及び制御システムに通信される。接触表面の電気性質または機械性質に関わらず、電気制御システムへの信号の伝達を可能にする構成要素の運動は、本デバイスの操作中に、遠位方向において接触スリーブを軸方向に並進させる付勢部材によって可能になる。
また別の実施形態では、本開示は、増加的状態表示を伴う薬剤送達デバイスを提供する。薬剤送達デバイスは、アクティブ化機構、挿入機構、流体経路接続部、電力及び制御システム、及び薬剤コンテナを有する駆動機構が搭載され得る、ハウジング及びアセンブリプラットホームを含み、さらに、増加的状態ステム(その上に搭載され、添着され、焼き付きられ、またはそうでなければ取り付けられるステム相互接続部を有する)を含み、増加的状態ステムは、駆動ハウジング及びピストンの軸方向貫通部内部に存在し、増加的状態ステムは、電源及び制御システムへの伝達を完了し、増加的状態フィードバックをユーザに提供する、ピストン上に1つ以上の接点に接触する1つ以上の相互接続部を有する。増加的状態表示を伴う薬剤送達デバイスは、同様に、上記に説明される、電気的、機械的、または電気機械的相互接続部及び接点と、及び/または1つ以上のコンプライアンス特徴とを有し得る。
本開示は、さらに、組立方法を提供する。薬剤コンテナは、最初に、組み立てられ、薬剤流体で充填され得る。薬剤コンテナは、キャップ、貫通可能密閉部、バレル、及びプランジャ密閉部を含む。貫通可能密閉部は、バレルの遠位端において、キャップとバレルとの間に固定係合され得る。バレルは、バレル58の近位端からのプランジャ密閉部の挿入前に開放近位端を通る薬剤流体で充填され得る。随意的接続マウントは、貫通可能密閉部の遠位端に搭載され得る。接続マウントは、薬剤コンテナのバレルへの流体経路接続部の貫通部材の挿入を誘導する。次に、薬剤コンテナは、駆動ハウジングの遠位端に搭載され得る。
薬剤コンテナをハウジングに取り付ける前に、スイッチ状態相互接続部は、駆動ハウジングの近位端に搭載され得る。遠位端に1つ以上のスリーブフックと、近位端(その上に電気接点を有する)にリングとを有する接触スリーブは、駆動ハウジングの近位端から軸方向貫通部を通って駆動ハウジングに搭載され得る。駆動付勢部材は、駆動ハウジングの遠位端に挿入され得る。随意に、カバースリーブは、駆動ハウジングの遠位端に挿入され、実質的に付勢部材を覆い得る。ピストンは、駆動ハウジングの遠位端に、及び接触スリーブの軸方向貫通部を通って、挿入され得、その状態では、ピストンの接触突出部は、接触スリーブのスリーブフックの近位にある。ピストン及び駆動付勢部材ならびに随意的カバースリーブは、駆動ハウジング内で圧縮され得る。そのような組立は、その最初の圧縮されているエネルギー蓄積状態で、駆動付勢部材を位置付け、好ましくは、バレルの近位端内部でプランジャ密閉部の近位表面と接触するピストン接触表面を設置する。ピストン延在部が採用されるとき、ピストン延在部及びピストン延在付勢部材ならびにピストン延在付勢支持部は、構成要素の圧縮前に、ピストンの軸方向貫通部内で圧縮され得る。これらの構成要素を駆動機構ハウジング内に設置する前に、またはその後に、主要コンテナは、取り付けられ得る。
1つ以上の相互接続部または接点が状態表示のために利用されると、そのような構成要素は、駆動機構内へのそのような構成要素の組立前に、それらの対応する構成要素に搭載され、接続され、焼き付きられ、またはそうでなければ取り付けられ得る。別個の増加的状態表示及び対応するステム相互接続部がそのような増加的状態表示のために利用されるとき、増加的状態ステムが接触スリーブ及び駆動ハウジングの軸方向貫通部内部に存在するような様式における、接触スリーブの近位端への、及び/または駆動ハウジングの近位端への増加的状態ステムの組み立て前に、ステム相互接続部は、増加的状態ステムに搭載され、添着され、焼き付きられ、またはそうでなければ取り付けられ得る。増加的状態ステムは、さらに、ピストンの軸方向貫通部の内部に存在するように搭載される。
本開示は、一態様では、プランジャ密閉部を含む薬剤コンテナと協働して使用する薬剤送達デバイス駆動機構を記載する。駆動機構は軸を有し、駆動ハウジングと、薬剤コンテナ内部のプランジャ密閉部に移動を付与するように適合させるピストンと、並列に配置される複数の付勢部材と、リテーナとを含む。ピストンは、第1の後退位置から軸に沿って第2の延在位置まで移動するように配置される。付勢部材は、エネルギーの解放の結果として、第1のエネルギー蓄積位置から第2の非エネルギー蓄積位置まで移動するように適合させる。付勢部材が第1のエネルギー蓄積位置から第2の非エネルギー蓄積位置まで移動するとき、付勢部材は第1の後退位置から第2の延在位置までのピストンの移動をもたらすように配置される。リテーナは、リテーナが第1の保定位置にあるとき付勢部材を第1のエネルギー蓄積位置に維持するように配置され、リテーナが第2の解放位置まで移動するとき付勢部材を第1のエネルギー蓄積位置から解放するように配置される。
少なくとも1つの実施形態では、複数の付勢部材は、引張ばねまたは圧縮ばねのうちの少なくとも1つを含む。少なくとも1つの実施形態では、複数の付勢部材は、ばねが圧縮ばねである少なくとも1つの実施形態では、一対のばねを含む。少なくとも実施形態では、圧縮ばねは、同軸に配置され、ピストンの少なくとも一部の周りに配置される。少なくとも1つの実施形態では、リテーナがその第1の保定位置にあるとき、リテーナは、ピストンの少なくとも一部に係合し、その後退位置にピストンを保定する。少なくとも1つの実施形態は、さらに、複数の付勢部材の少なくとも1つの周りに配置されるスリーブアセンブリを含む。少なくとも1つの実施形態では、スリーブアセンブリは、複数の伸縮式スリーブを含み、スリーブアセンブリは、ピストンとともに軸方向に移動するように配置される。少なくとも1つの実施形態は、さらに、少なくとも1つの窓を含み、スリーブアセンブリの少なくとも一部は、窓によって可視である。スリーブアセンブリの少なくとも一部は、ピストンが第2の延在位置にあるまで、当該窓によって可視である。少なくとも1つの実施形態は、さらに、窓に実質的に隣接して配置される投与終了インジケータを含む。投与終了インジケータは、スリーブアセンブリが窓の下に配置されるとき、及びスリーブアセンブリが窓の下に配置されないときのうちの少なくとも1つと、窓または別の参照構成要素に対するスリーブアセンブリの相対運動と、そのような運動の停止と、運動速度または運動速度との変化を識別するように適合させる。少なくとも1つの実施形態では、投与終了インジケータは、スリーブアセンブリが窓の下に配置されるとき、スリーブアセンブリが窓の下に配置されないときのうちの少なくとも1つを感知するように配置されるセンサを含む。少なくとも1つの実施形態では、センサは、機械センサ、電気センサ、超音波センサ、容量センサ、磁気センサ、または光学センサである。少なくとも1つの実施形態では、スリーブアセンブリが窓の下に配置されるとき、センサは、スリーブアセンブリを圧迫するように配置される機械センサである。
本開示の別の態様では、プランジャ密閉部を有する薬剤コンテナと協働して使用する薬剤送達デバイスが提供され、駆動機構は、軸を有し、駆動ハウジングと、薬剤コンテナ内部のプランジャ密閉部に移動を付与するように適合させるピストンと、少なくとも1つの付勢部材と、リテーナと、スリーブアセンブリと、投与終了インジケータとを含む。ピストンは、少なくとも第1の後退位置から第2の延在位置まで当該軸に沿って移動するように配置される。少なくとも1つの付勢部材は、エネルギーの解放の結果として、第1のエネルギー蓄積位置から第2の非エネルギー蓄積位置まで移動するように配置及び適合させる。付勢部材が第1のエネルギー蓄積位置から第2の非エネルギー蓄積位置まで移動するとき、付勢部材は第1の後退位置から第2の延在位置までのピストンの移動をもたらすように配置される。リテーナは、リテーナが第1の保定位置にあるとき付勢部材を第1のエネルギー蓄積位置に維持するように配置され、リテーナが第2の解放位置まで移動するとき付勢部材を第1のエネルギー蓄積位置から解放するように配置される。スリーブアセンブリは、ピストンとともに軸に沿って移動するように適合させる。スリーブアセンブリは、駆動ハウジング内部に少なくとも部分的に配置され、ピストンが第1の後退位置または第2の延在位置のうちの一方であるとき、スリーブアセンブリの少なくとも一部は、窓によって可視ではない。ピストンが第1の後退位置または第2の延在位置のうちの他方であるとき、スリーブアセンブリは、当該窓によって可視である。投与終了インジケータは、窓に実質的に隣接して配置されている。投与終了インジケータは、スリーブアセンブリが窓の下に配置されるとき、及びスリーブアセンブリが窓の下に配置されないときのうちの少なくとも1つを識別するように適合させる。
少なくとも1つの実施形態では、スリーブアセンブリは、少なくとも1つの付勢部材の周りに配置され、複数の伸縮式スリーブを含む。ある実施形態では、スリーブアセンブリは、付勢部材(複数可)の周りに配置される。少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの付勢部材は、複数の付勢部材を含む。特定の実施形態は、並列に配置される少なくとも2つの圧縮ばねを含む。少なくとも1つの実施形態では、投与終了インジケータは、スリーブアセンブリが窓の下に配置されるとき、及びスリーブアセンブリが窓の下に配置されないときのうちの少なくとも1つを感知するように配置されるセンサを含む。少なくとも1つの実施形態では、センサは、機械センサ、電気センサ、超音波センサ、容量センサ、磁気センサ、または光学センサのうちの少なくとも1つである。特定の実施形態では、スリーブアセンブリが窓の下に配置されるとき、センサは、スリーブアセンブリを圧迫するように配置される機械センサである。いくつかの実施形態では、ピストンの遠位端の少なくとも一部は、薬剤コンテナ内部に配置されるように適合され、このとき、ピストンは第1の後退位置に配置され、薬剤送達デバイス駆動機構は薬剤コンテナと協働して使用されるように配置される。
本開示の少なくともいくつかの実施形態は、駆動機構及びデバイス全体の設置面積を小さくし、または最小にしながら、薬剤コンテナ内部でプランジャ密閉部及び薬剤流体を押動するために必要な駆動力を提供する。従って、本開示は、よりコンパクトな薬剤送達デバイス内部で利用され得る駆動機構を提供し得る。本開示のいくつかの実施形態は、同様に、高粘性薬剤流体に、または大容量薬剤コンテナに必要であり得るような追加力を提供するために利用され得る。
本開示の別の態様によると、プランジャ密閉部及び電源及び制御システムを含む薬剤コンテナと協働して使用される薬剤送達デバイス駆動機構が提供される。駆動機構は、駆動ハウジング、ピストン、少なくとも1つの付勢部材、リテーナ、スリーブアセンブリ、及び投与終了インジケータを含む。駆動ハウジングは軸を含み、ハウジングはさらに少なくとも1つの窓を含む。ピストンは、少なくとも第1の後退位置から第2の延在位置まで軸に沿って移動するように配置される。ピストンは、また、薬剤コンテナ内部で移動をプランジャ密閉部に移動を付与するように適合させる。少なくとも1つの付勢部材は、エネルギーの解放の結果として、第1のエネルギー蓄積位置から第2の非エネルギー蓄積位置まで移動するように配置及び適合させる。付勢部材が第1のエネルギー蓄積位置から第2の非エネルギー蓄積位置まで移動するとき、付勢部材は、また、第1の後退位置から第2の延在位置までのピストンの移動をもたらすように配置される。リテーナは、第1の保定位置と第2の解放位置との間で移動可能である。リテーナは、リテーナが第1の保定位置にあるとき付勢部材を第1のエネルギー蓄積位置に維持するように配置され、リテーナが第2の解放位置まで移動するとき付勢部材を第1のエネルギー蓄積位置から解放するように配置される。スリーブアセンブリは、駆動ハウジング内部で少なくとも部分的に配置される。スリーブアセンブリの少なくとも一部は、ピストンとともに軸に沿って移動するように適合させる。スリーブアセンブリの少なくとも一部は、ピストンが第1の後退位置または第2の延在位置のうちの一方であるとき、窓によって可視であり、スリーブアセンブリは、ピストンが第1の後退位置または第2の延在位置のうちの他方であるとき、窓によって可視ではない。投与終了インジケータは、少なくとも1つのスイッチ相互接続部と、窓の実質的に下に配置され、及びスリーブアセンブリが窓の下に配置されるとき、及びスリーブアセンブリが窓の下に配置されないときのうちの少なくとも1つを識別するように適合させるものの少なくとも一部とを含む。スイッチ相互接続部は、窓を通ってスリーブアセンブリに係合するように適合させる機械留め金を含む。スイッチ相互接続部は、さらに、留め金の係合または係脱の終了の結果として、電源及び制御システムに選択的に係合するように適合させる。
本開示の新規実施形態は、本デバイスの動作前、動作中、及び動作後に薬剤送達の増加的状態を提供することが可能である統合型状態表示を伴う駆動機構を提供し、薬剤投与コンプライアンスを確実にし、すなわち、実質的に全部の薬剤投与量をユーザに送達していることを確実にするための手段を提供する。本明細書の全体を通して、特段指示がない限り、「comprise(備える)」、「comprises(備える)」、及び「comprising(備える)」または「includes(含む)」もしくは「consists of(から成る)」等の関連語は、排他的よりはむしろ包含的に使用され、これにより、提示された整数または一群の整数は、1つ以上の他の提示されていない整数または一群の整数を含み得る。下記にさらに説明されるように、本開示の実施形態は、医療デバイスの業界で標準構成要素と見なされる場合がある1つ以上の追加構成要素を含み得る。本構成要素、及びそのような構成要素を含有する実施形態は、本開示の想到の範囲内にあり、本開示の範疇及び範囲内に収まるものとして理解されたい。
図156及び図157A~図157Bは、投与終了インジケータ3133を含む駆動機構3100の実施形態を示す。投与終了インジケータ3133は、スイッチ相互接続部3132と、ピストンとともに移動するように適合させる接触スリーブアセンブリ3120とを含む。図20A~図24Bに示される実施形態を参照すると、ピストンは、プランジャ密閉部に接触することが可能である、またはそうでなければそれを圧迫することが可能であり、患者への送達のために、薬剤流体をバレルから外に流体経路接続部を通るように押勢する、接触表面を有する。駆動ハウジング3130の内部へ投与終了インジケータ3133のアクセスを提供するために、駆動ハウジング3130は、アクセス窓3131を含む。少なくとも1つの実施形態では、駆動ハウジング3130は、2つ以上のスイッチ相互接続部、センサ、及び/または留め金の貫通を可能にする、例えば、スリーブアセンブリ3120と整合する、2つ以上のアクセス窓3131を含む。スリーブアセンブリ3120の移動中の投与終了インジケータ3133及びスリーブアセンブリ3120の関係を良好に示すために、図157A及び図157Bでは、各々、作動前及び作動後の図156の線15-15に沿った断面における、ハウジング3130、スリーブ3126、付勢部材3106、3122、及び投与終了インジケータ3133を示す。PCBボード3138は、投与終了インジケータ3133とPCBボード3138との間の相互関係を示すように、駆動機構3100のこの図に含まれる。
示される投与終了インジケータ3133は、枢動可能に搭載される機械留め金3135(要するに、オン/オフ機械スイッチ)を含むセンサ3134を含む。少なくとも1つの実施形態では、投与終了インジケータ3133は、機能的冗長性及び動作のロバスト性に関して、駆動機構3100の2つ以上の対応する窓3131を通って搭載される2つ以上の留め金3135を有する。図157Aに示されるように、ピストン3110が第1の後退位置にあるとき、留め金3135のそれぞれがスリーブアセンブリ3120(特に、そのスリーブ3126)と接触する第1の位置に配置される。ピストン3110が駆動ハウジング3130から外向きに移動するとき、第2のスリーブ3126の近位端が窓3131(すなわち、留め金3135)を通過するようなときまで、留め金3135は伸縮式スリーブアセンブリ3120に沿って摺動する。図157Bに示されるように、第2のスリーブ3126が留め金3135の少なくとも1つを通過するとき、留め金3135は第2の位置に移動する。第2の位置への留め金3135の移動により、電源及び制御システムの投与終了を示す信号の伝達をもたらす。本構成では、少なくとも1つの留め金3135の移動は、信号の伝達を発生させる。
当業者は、いくつかの構成では、スリーブ3126の軸方向運動に続いて窓3131の下にあるばね3122の取り外しにより、例えば、作動位置への留め金3135の移動を抑制することによって、スイッチ相互接続部3132のセンサ3134の作動を抑制し得ることを認識するであろう。センサ3134または留め金3135が一時的にだけ作動することを防止され得るが、そのような遅延は、投与終了の表示の対応する遅延をもたらし得る。従って、2つ以上のセンサ3134または留め金3135の包含は、望ましい冗長性を提供し得る。さらに、窓3131及びセンサ3134は、投与送達終了と同時に留め金3135の少なくとも1つの作動の機会を最大にするように位置付けられ得る。2つ以上の留め金3135が本構成で利用されるため、投与終了インジケータ3133は、機能的冗長性を提供し、正確な信号が電源及び制御システムに伝達されることを確実にする。
本開示及び添付の請求項の目的のために、信号の伝達は、投与終了が発生した表示の提供を意味する。その伝達は、機械的動作(例えば、係合または係脱)、もしくは電気信号(例えば、電気信号もしくは電気的接続、または電気信号もしくは電気的接続の遮断)、またはそのような伝達の組み合わせに関連付けられ得る。
図156~図157Bに示されるような構成の少なくとも1つの実施形態では、スイッチ相互接続部3132は、PCBボード3138と直接係合し、電力制御システムへの信号の伝達を可能にする。スイッチ相互接続部3132はさらに、最初に、PCBボード3138に接続(閉回路または完全な回路)される、またはPCBボード3138から係脱される(例えば、開放回路または開回路)ように構成され得るが、図157A~図157Bは、PCBボード3138に最初に接続される、すなわち、投与終了前に、スイッチ相互接続部3132を示す。第2のスリーブ3126が留め金3135の少なくとも1つを通過するとき、図157A~図157Bの変遷に示されるように、留め金3135は、第2の位置、すなわち、図157Bの「D1」として示される距離まで移動する。第2の位置への留め金3135の移動は、少なくとも1つの実施形態では、PCBボード3138からスイッチ相互接続部3132の切断と、投与終了を電源及び制御システムに表示する結果として生じる信号の伝達とをもたらす。示される設計がPCBボード3138と直接係合するスイッチ相互接続部3132を示すが、スイッチ相互接続部3132は、代替として、または加えて、1つ以上の中間体導電構造または中間体非導電構造に係合し得ることが認識されるであろう。
投与終了インジケータ3133、留め金3135、及びPCBボード3138は、代替として、当業者によって容易に認識されるであろうように、留め金3135が移動すると、それらの間の接続部を第2の位置に移動させるように構成され得る。あくまで例として、留め金は、スイッチ相互接続部が投与終了前にPCBボードと通信しなくなり、投与終了時の留め金の移動が、PCBボードとの直接の接続、またはそれに伝わる接続を生じるように切り替わる。加えて、下記に説明されるように、スイッチ相互接続部3132とPCBボードとの間の接続または切断(または、逆もまた同様)は、増加的状態表示を提供するために利用され得る。
投与終了インジケータ3133は、任意の適切な設計であり、任意の適切な材料または複数の材料から、及び任意の適切な製作方法によって形成され得る。例示されるスイッチ相互接続部3132は、例えば、導電材料の全部または一部から形成され得る。留め金3135が図157Aに示される位置にあるとき電気接続が発生し、留め金3135が図157Bに示される位置にあるとき電気接続が切断する配列では、例えば、PCBボード3138と係合するように配置されるスイッチ相互接続部3132の少なくとも一部は、導電材料から形成され、それで表面を覆われ得る。逆に、留め金3135が図157Aに示される位置にあるとき電気接続が発生せず、留め金3135が図157Bに示される位置にあるとき電気接続が発生する配列では、例えば、PCBボード3138と係合するように配置されるスイッチ相互接続部3132の少なくとも一部は、絶縁材料から形成され、それで表面を覆われ得る。
伸縮式スリーブの位置を読み取る電気機械配列として示されているが、任意の適切な配列は、任意の適切な構成要素の相対位置と、信号を電源及び制御システムに提供し薬剤の全てが投与されたことを示す投与終了インジケータとを読み取るように提供され得る。加えて、スイッチ相互接続部及び対応する接点及び/または参照構成要素は、投与終了表示に加えて、増加的状態表示を提供するために利用され得る。例えば、図20A~図24Bまたは図156~図157Bを参照して上記に説明されたスイッチ相互接続配列では、スイッチ相互接続部2132、3132は、対応するスリーブ2126、3126または任意の他の参照構成要素内の、いくつかのへこみ、隆起、または溝と、スイッチ相互接続部が増加的状態表示(例えば、送達開始、送達される体積の量、プランジャ進行の期間等)及び最終投与終了表示の信号を送ることが可能である接点とを認識するように構成されている電気機械センサであり得る。本明細書に説明されるように、同様の増加的状態表示は、異なる種類のセンサ配列を利用することによって本構成で提供され得る。例えば、スイッチ相互接続部2132、3132は、対応するスリーブ2126、3126上に、または任意の他の参照構成要素上にいくつかのマーキングを認識するように構成されている光学センサであり得る。光学センサがいくつかのマーキングの数を認識すると、光学センサは、スイッチ相互接続部が増加的状態表示(例えば、送達開始、送達される体積の量、プランジャ進行の期間等)及び最終投与終了表示の信号を送ることを可能にする。任意の適切な配列は、任意の適切な参照構成要素上のいくつかのマーキング、隆起、溝、または各々のインジケータの相対位置を読み取るように提供され得、スイッチ相互接続部によるそのようなインジケータの認識は、そのスイッチ相互接続部が、信号を電源及び制御システムに提供し、薬剤の全てが投与されたことを示す最終状態を含む薬剤送達の増加的状態を示すことを可能にする。当業者によって認識されるであろうように、インジケータは、必ずしも、参照構成要素上に画定された面ではない場合があり、スイッチ相互接続部は、参照構成要素自体の実際の進行を認識するように構成され得る。従って、スイッチ相互接続部は、参照構成要素の実際の進行における、変化率、進行距離、または他の関連測定値を認識するように、及び電源及び制御システムへの信号が、ユーザにそのような情報またはフィードバックを提供することを可能にするように構成され得る。
本開示の実施形態は、駆動機構及びデバイス全体の設置面積を小さくし、または最小にしながら、薬剤コンテナ内部でプランジャ密閉部及び薬剤流体を押動するために必要な駆動力を提供することが当業者によって認識されるであろう。従って、本開示は、よりコンパクトな薬剤送達デバイス内部で利用され得る駆動機構を提供する。本開示の実施形態は、同様に、高粘性薬剤流体に、または大容量薬剤コンテナに必要であり得るような追加の力を提供するために利用され得る。
本明細書に示され、詳述される実施形態は、本開示のごく少数の可能である変形例を開示し、他の同様の変形例は、本開示の範疇内で想到され、かつ組み込まれる。
駆動機構は、さらに、対応する構成要素上に位置する1つ以上の接触表面を含み得る。そのような接触表面は、電気接触表面、機械接触表面、または電気機械接触表面であり得る。そのような表面は、最初に接触され、及び係脱させられ、または最初に切断され、及び係合させられ、信号を電力制御システム2400に及び/またはそこから送信することを可能にし得る。
流体経路接続部、具体的には、流体経路接続部の滅菌スリーブは、薬剤コンテナのキャップ及び/または貫通可能密閉部に接続され得る。流体導管は、それ自体が挿入機構に接続される流体経路接続部の他端に接続され得、その状態では、流体経路は、開放され、接続され、またはそうでなければ可能になると、ユーザの体内への薬剤送達のために、直接、薬剤コンテナ、流体経路接続部、流体導管、挿入機構から、及びカニューレを通って進行する。ここで、流体流動のための経路を構成する構成要素が組み立てられる。これらの構成要素は、図1Bに示されるように、いくつかの既知の方法によって滅菌され、次に、薬剤送達デバイス10のアセンブリプラットホームまたはハウジングに、固定して、または取り外し可能のどちらかで搭載され得る。
駆動機構100または薬剤送達デバイス10のある随意的標準構成要素または変形例は、本開示の範疇及び範囲内に存在しながらの状況で想到される。例えば、上側または下側ハウジングは、随意に、図1Aに示されるような1つ以上の透明または半透明の窓18を備えし、ユーザが、薬剤送達デバイス10の動作を視認し、または薬剤投与が完了したことを検証することを可能にし得る。加えて、薬剤送達デバイス10は、ハウジング12の底表面に接着パッチ26及びパッチライナ28を含有し得る。接着パッチ26は、薬剤投与量の送達のために、薬剤送達デバイス10をユーザの体に接着するために利用され得る。当業者によって容易に理解されるであろうように、接着パッチ26は、ユーザの体への薬剤送達デバイスの接着のための接着表面を有し得る。接着パッチ26の接着表面は、最初に、非接着パッチライナ28によって覆われ得、非接着パッチライナ28は、ユーザの体と接触する薬剤送達デバイス10の設置前に、接着パッチ26から取り外される。パッチライナ28の取り外しは、さらに、(図1Cに示されるように)挿入機構200の密閉膜254を取り外し、薬剤送達のために、患者の体に対して挿入機構を開放し得る。
同様に、駆動機構100及び薬剤送達デバイス10の1つ以上の構成要素は、本開示の範疇及び範囲内に機能的に存在している間に修正され得る。例えば、上記に説明されたように、薬剤送達デバイス10のハウジングが、2つの別個の構成要素(上側ハウジング12Aと下側ハウジング12B)として示されるが、これらの構成要素は、単一の一体型構成要素であり得る。同様に、電気接点134が接触スリーブ140と別個の構成要素であるが、電気接点134は、接触スリーブ140のリング表面上で焼き付けられた一体型構成要素であり得る。上記に検討されたように、のり、接着剤、または他の既知の材料もしくは方法は、駆動機構及び/または薬剤送達デバイスの1つ以上の構成要素を相互に添着するために利用され得る。代替として、駆動機構及び/または薬剤送達デバイスの1つ以上の構成要素は、一体型構成要素であり得る。例えば、上側ハウジング及び下側ハウジングは、のりもしくは接着剤、ねじ嵌合接続、締まりばめ、溶融接合、溶接、超音波溶接等によって一緒に添着される別個の構成要素であり得、または上側ハウジング及び下側ハウジングは、単一の一体型構成要素であり得る。そのような標準構成要素及び機能的変形例は、当業者によって認識されるであろうため、本開示の範疇及び範囲内にある。
本明細書に開示される駆動機構及び薬剤送達デバイスが、薬剤コンテナからの自動薬剤送達用の効率的かつ容易に動作するシステムを提供することを上記の説明から認識されるであろう。本明細書に説明される新規実施形態は、ユーザにフィードバックを提供する統合型状態表示を提供する。本開示の新規の駆動機構は、ユーザによって、直接的または間接的にアクティブ化され得る。例えば、少なくとも1つの実施形態では、ロックアウトピン(複数可)(駆動機構をそのロックされたエネルギー蓄積状態に維持する)は、アクティブ化機構のユーザの押し下げによって、ピストン110の対応するロックアウト溝から直接変位する。さらに、本開示の駆動機構及び薬剤送達デバイスの新規構成は、保管中、輸送中、及び本デバイスの動作によって、流体経路の滅菌性を維持する。薬剤流体が本デバイス内部で進行する経路が全体的に滅菌状態に維持されるために、これらの構成要素だけ、製造プロセス中に滅菌される必要がある。そのような構成要素は、駆動機構の薬剤コンテナ、流体経路コネクタ、滅菌流体導管、及び挿入機構を含む。本開示の少なくとも1つの実施形態では、電源及び制御システム、アセンブリプラットホーム、制御アーム、アクティブ化機構、ハウジング、及び薬剤送達デバイスの他の構成要素は、滅菌される必要はない。これは、大きく、本デバイスの製造性を改善し、関連する組立費を減らす。従って、本開示のデバイスは、組立の完了時、最終滅菌を必要としない。本開示のさらなる利点は、本明細書に説明される構成要素が、例えば、薬剤送達デバイスのハウジング及び他の構成要素が、駆動機構100、駆動機構500、または本明細書に説明される駆動機構のいくつかの他の変形例を受け、及び動作させるように容易に構成され得るようなモジュールになるように設計されていることである。
薬剤送達デバイスの製造は、駆動機構及び薬剤コンテナの両方を、別個に、または組み合わされた構成要素としてのどちらかで、薬剤送達デバイスのアセンブリプラットホームまたはハウジングに取り付けるステップを含む。製造する方法は、さらに、アセンブリプラットホームまたはハウジングへの流体経路接続部、薬剤コンテナ、挿入機構の取り付けを含む。上記に説明されたような電力及び制御システム、アクティブ化機構、及び制御アームを含む、薬剤送達デバイスの追加構成要素は、アセンブリプラットホームまたはハウジングに取り付けられ、事前に形成され、または事前に組み立てられ得る。接着パッチ及びパッチライナは、本デバイスの動作中に、ユーザに接触する薬剤送達デバイスのハウジング表面に取り付けられ得る。
薬剤送達デバイスを動作させる方法は、ユーザによってアクティブ化機構をアクティブ化するステップと、制御アームを変位させ挿入機構を作動させるステップと、電源及び制御システムを作動させ、駆動制御機構をアクティブ化し、薬剤送達デバイスを通る流体薬剤流動を活発にするステップとを含む。本方法は、さらに、アクティブ化機構をアクティブ化させる前に、随意的体上センサに係合するステップを含み得る。本方法は、同様に、流体経路接続部と薬剤コンテナとの間の接続を確立するステップを含み得る。さらに、本動作方法は、駆動制御機構及び薬剤コンテナ内部にプランジャ密閉部を並進させ、ユーザの体への流体薬剤の送達のために、薬剤コンテナ、流体経路接続部、滅菌流体導管、及び挿入機構を通る流体薬剤流動を押勢することを含み得る。挿入機構及び薬剤送達デバイスの動作の方法は、上記に説明されたように、図14A~図14Eを参照して最良に認識され得る。
XXIV.薬剤情報
上記の記述は、薬剤送達デバイスとともに使用される様々なシステム及び方法が説明されている。薬剤送達デバイスまたは方法は、さらに、以下のリストが包括的でも限定的でもないように考慮されるべきである仮出願とともに、下記に列挙される薬物の使用を含み得る。薬物は、リザーバ(例えば、コンテナ50、コンテナ618、コンテナ718、コンテナ818、コンテナ918、コンテナ1118、コンテナ2050、コンテナ6050、コンテナ8050)内に含有される。いくつかの事例では、リザーバは、薬物での治療のために充填済、または事前に充填された主要薬剤コンテナである。主要コンテナは、カートリッジまたは事前充填シリンジであり得る。加えて、いくつかの事例では、リザーバは、事前に装填された主要薬剤コンテナであり得る。
例えば、薬剤送達デバイス、または、より具体的には、本デバイスのリザーバは、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)等のコロニー刺激因子で充填され得る。G-CSF剤は、限定ではないが、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム)及びNeulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム)を含む。様々な他の実施形態では、薬剤送達デバイスは、液体形態または凍結乾燥形態であり得る赤血球生成促進剤(ESA)等の様々な医薬品とともに使用され得る。ESAは、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ)、Aranesp(登録商標)(ダーベポエチンアルファ)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ)、Hematide(登録商標)、MRK-2578、INS-22、Retacrit(登録商標)(エポエチンゼータ)、Neorecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Silapo(登録商標)(エポエチンゼータ)、Binocrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、エポエチンアルファヘキサル、Abseamed(登録商標)(エポエチンアルファ)、Ratioepo(登録商標)(エポエチンシータ)、Eporatio(登録商標)(エポエチンシータ)、Biopoin(登録商標)(エポエチンシータ)、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンゼータ、エポエチンシータ、及びエポエチンデルタ等の赤血球生成を促進する任意の分子と、以下のそれぞれが以下の全体において参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4,703,008号、第5,441,868号、第5,547,933号、第5,618,698号、第5,621,080号、第5,756,349号、第5,767,078号、第5,773,569号、第5,955,422号、第5,986,047号、第6,583,272号、第7,084,245号、及び第7,271,689号と、PCT公開第WO91/05867号、第WO95/05465号、第WO96/40772号、第WO00/24893号、第WO01/81405号、及び第WO2007/136752号、以上の特許または特許出願に開示されるようなそれらの分子または変異体もしくは類似体である。
ESAは、赤血球生成刺激タンパク質であり得る。本明細書に示されるような「赤血球生成刺激タンパク質」は、例えば、受容体の二量化に結合し、かつそれをもたらすことによって、エリスロポエチン受容体の活性化を直接的または間接的にもたらす任意のタンパク質を意味する。赤血球生成刺激タンパク質は、エリスロポエチン、及びエリスロポエチン受容体に結合し、かつそれを活性化するエリスロポエチンの変異体、類似体、もしくは派生体;エリスロポエチン受容体に結合し、かつ受容体を活性化する抗体;または、エリスロポエチン受容体に結合し、かつ受容体を活性化するペプチドを含む。赤血球生成刺激タンパク質は、限定ではないが、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンデルタ、エポエチンオメガ、エポエチンイオタ、エポエチンゼータ、及びそれらの類似体と、ペグ化エリスロポエチン、カルバミル化エリスロポエチン、模倣ペプチド(EMP1/へマタイドを含む)、及び模倣抗体とを含む。例示的赤血球生成刺激タンパク質は、エリスロポエチン、ダーベポエチン、エリスロポエチンアゴニスト変異体と、エリスロポエチン受容体に結合し、それを活性化するペプチドまたは抗体(及び以下のそれぞれの開示が以下の全体において参照により本明細書に組み込まれる、米国公開第2003/0215444号及び第2006/0040858号に報告された化合物を含むペプチドまたは抗体)と、それぞれが以下の全体において参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4,703,008号、第5,441,868号、第5,547,933号、第5,618,698号、第5,621,080号、第5,756,349号、第5,767,078号、第5,773,569号、第5,955,422号、第5,830,851号、第5,856,298号、第5,986,047号、第6,030,086号、第6,310,078号、第6,391,633号、第6,583,272号、第6,586,398号、第6,900,292号、第6,750,369号、第7,030,226号、第7,084,245号、及び第7,217,689号と、第米国公開第2002/0155998号、第2003/0077753号、第2003/0082749号、第2003/0143202号、第2004/0009902号、第2004/0071694号、第2004/0091961号、第2004/0143857号、第2004/0157293号、第2004/0175379号、第2004/0175824号、第2004/0229318号、第2004/0248815号、第2004/0266690号、第2005/0019914号、第2005/0026834号、第2005/0096461号、第2005/0107297号、第2005/0107591号、第2005/0124045号、第2005/0124564号、第2005/0137329号、第2005/0142642号、第2005/0143292号、第2005/0153879号、第2005/0158822号、第2005/0158832号、第2005/0170457号、第2005/0181359号、第2005/0181482号、第2005/0192211号、第2005/0202538号、第2005/0227289号、第2005/0244409号、第2006/0088906号、及び第2006/0111279号と、ならびに第PCT公開第WO91/05867号、第WO95/05465号、第WO99/66054号、第WO00/24893号、第WO01/81405号、第WO00/61637号、第WO01/36489号、第WO02/014356号、第WO02/19963号、第WO02/20034号、第WO02/49673号、第WO02/085940号、第WO03/029291号、第WO2003/055526号、第WO2003/084477号、第WO2003/094858号、第WO2004/002417号、第WO2004/002424号、第WO2004/009627号、第WO2004/024761号、第WO2004/033651号、第WO2004/035603号、第WO2004/043382号、第WO2004/101600号、第WO2004/101606号、第WO2004/101611号、第WO2004/106373号、第WO2004/018667号、第WO2005/001025号、第WO2005/001136号、第WO2005/021579号、第WO2005/025606号、第WO2005/032460号、第WO2005/051327号、第WO2005/063808号、第WO2005/063809号、第WO2005/070451号、第WO2005/081687号、第WO2005/084711号、第WO2005/103076号、第WO2005/100403号、第WO2005/092369号、第WO2006/50959号、第WO2006/02646号、及び第WO2006/29094号との以上の特許または特許出願に開示されるようなエリスロポエチン分子またはそれらの変異体もしくは類似体とを含む。
本デバイスとともに使用される他の医薬品の例は、限定ではないが、Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xgeva(商標)(デノスマブ)、及びProlia(商標)(デノサマブ)等の抗体と、Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF-受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Neulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム、ペグ化フィルグラスチム、ペグ化G-CSF、ペグ化hu-Met-G-CSF)、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、及びNplate(登録商標)(ロミプロスチム)等の他の生物学的作用物質と、Sensipar(登録商標)(シナカルセト)等の小分子薬剤とを含み得る。本デバイスはまた、治療抗体、ポリペプチド、タンパク質または他の化学薬品(鉄、例えば、フェルモオキシトール、デキストラン鉄、鉄グルコネート、及び鉄スクロース等)とともに使用され得る。医薬品は、液体形態であり、または凍結乾燥形態から戻したものであり得る。
特定の例証的タンパク質のうち、それらの融合物、断片、類似体、変異体、または派生体を含む、以下に説明される具体的なタンパク質である。
OPGL特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等(また、RANKL特異的抗体、ペプチボディ等と称される)は、完全ヒト化特異的抗体及びヒトOPGL特異的抗体(特に、完全ヒト化モノクローナル抗体)を含み、限定ではないが、OPGL特異的抗体及び抗体関連タンパク質について以下の全体において本明細書に組み込まれるPCT公開第WO03/002713号に説明される抗体を含み(その抗体は、特に、それに説明される配列を有するものであり、特に、9H7、18B2、2D8、2E11、16E1、及び22B3のその特許出願に示されるものに限定されない)、前述の特許公開に開示されるように完全に以下の全体が本明細書に参照により個々にまたは具体的に組み込まれる、その図2に説明されるようなSEQ ID NO:2の軽鎖及び/またはその図4に説明されるようなSEQ ID NO:4の重鎖のいずれかを有するOPGL特異的抗体を含む。
ミオスタチン特異的ペプチボディを含む、ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ、及び関連タンパク質等は、特に、米国公開第2004/0181033号及びPCT公開第WO2004/058988号(特にミオスタチン特異的ペプチボディに関する部分において、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる)に説明されるものであり、限定ではないが、mTN8-19ファミリー(SEQ ID NOS:305-351のものを含み、TN8-19-1~TN8-19-40、TN8-19 con1及びTN8-19 con2を含む)、SEQ ID NOS:357-383のmL2ファミリーのペプチボディ、SEQ ID NOS:384-409のmL15ファミリー、SEQ ID NOS:410-438のmL17ファミリー、SEQ ID NOS:439-446のmL20ファミリー、SEQ ID NOS:447-452のmL21ファミリー、SEQ ID NOS:453-454のmL24ファミリー、及びSEQ ID NOS:615-631のもののペプチボディを含み、それらのペプチボディのそれぞれは、前述の特許公開に開示されるように完全にそれらの全体が本明細書に参照により個々にまたは具体的に組み込まれる。
IL-4受容体特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等は、特に受容体へのIL-4及び/またはIL-13の結合によって媒介される活性を抑制するものであり、PCT公開第WO2005/047331号またはPCT出願第PCT/US2004/37242号、及び米国第2005/112694号に説明されるものを含み、それらの特許等は、特にIL-4受容体特異的抗体に関する部分において、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれ、特に、そのような抗体は、特別にそれらに説明されるようなものであり、限定されず、それらに指定されるL1H1、L1H2、L1H3、L1H4、L1H5、L1H6、L1H7、L1H8、L1H9、L1H10、L1H11、L2H1、L2H2、L2H3、L2H4、L2H5、L2H6、L2H7、L2H8、L2H9、L2H10、L2H11、L2H12、L2H13、L2H14、L3H1、L4H1、L5H1、L6H1に関するものであり、それらの抗体のそれぞれは、前述の特許等に開示されるように完全にそれらの全体が本明細書に参照により個々に及び具体的に組み込まれる。
インターロイキン1-受容体1(「IL1-R1」)特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等は、限定ではないが、米国公開第2004/097712号に説明されるものを含み、その特許公開は、IL1-R1特異的抗体、特に、モノクローナル抗体に関する部分において、その全体において参照により本明細書に組み込まれ、とりわけ、それに説明されるようなものであり、限定されず、それに指定される15CA、26F5、27F2、24E12、及び10H7に関するものであり、それらの抗体のそれぞれは、前述の特許公開に開示されるように完全にその全体が本明細書に参照により個々にまたは具体的に組み込まれる。
Ang2特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等は、限定ではないが、PCT公開第WO03/057134号及び米国公開第2003/0229023号に説明されるものを含み、それらの特許公開のそれぞれは、特にAng2特異的抗体、ペプチボディ、等に関する部分において、その全体において参照により本明細書に組み込まれ、とりわけ、それに説明される配列のものであり、限定ではないが、L1(N)、L1(N)WT、L1(N)1K WT、2xL1(N)、2xL1(N)WT、Con4(N)、Con4(N)1K WT、2xCon4(N)1K、L1C、L1C 1K、2xL1C、Con4C、Con4C 1K、2xCon4C 1K、Con4-L1(N)、Con4-L1C、TN-12-9(N)、C17(N)、TN8-8(N)、TN8-14(N)、Con1(N)を含み、また、上記と同じものについて以下の全体において参照により本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2003/030833号に説明されるもの等の抗Ang2抗体及び剤形を含み、特に、その特許公開に説明されるような以下の様々な配列における、Ab526、Ab528、Ab531、Ab533、Ab535、Ab536、Ab537、Ab540、Ab543、Ab544、Ab545、Ab546、A551、Ab553、Ab555、Ab558、Ab559、Ab565、AbF1AbFD、AbFE、AbFJ、AbFK、AbG1D4、AbGC1E8、AbH1C12、AblA1、AblF、AblK、AblP、及びAblPを含み、それらの抗体のそれぞれは、前述の特許公開に開示されるように完全にその全体が本明細書に参照により個々にまたは具体的に組み込まれる。
NGF特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等は、特に、限定ではないが、この関連でNGF特異的抗体及び関連タンパク質について、以下の全体において参照により本明細書に組み込まれる、米国出願第2005/0074821号及び米国特許第6,919,426号に説明されるものを含み、特に、それらに指定されるNGF特異的抗体4D4、4G6、6H9、7H2、14D10及び14D11を含み、それらの抗体のそれぞれは、前述の特許公開に開示されるように完全にその全体が本明細書に参照により個々にまたは具体的に組み込まれる。
CD22特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等は、米国特許第5,789,554号に説明されるもの等であり(その特許は、特に、限定ではないが、ヒト化抗体及び完全ヒト抗体等のヒト化CD22特異的抗体及び関連タンパク質について、その全体において参照により本明細書に組み込まれ)、限定ではないが、ヒト化抗体及び完全ヒトモノクローナル抗体を含み、特に、限定ではないが、例えば、ヒト-マウスモノクローナルhLL2カッパ鎖に連鎖するヒト-マウスモノクローナルhLL2ガンマ鎖ジスルフィドの二量体等のヒトCD22特異的IgG抗体を含み、限定ではないが、例えば、エプラツズマブのヒトCD22特異的完全ヒト化抗体(CAS登録番号501423-23-0)を含む。
IGF-1受容体特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等は、PCT公開第WO06/069202号に説明されるもの等であり(その特許公開は、IGF-1受容体特異的抗体及び関連タンパク質について、その全体において参照により本明細書に組み込まれ)、限定ではないが、その特許公開に指定されるIGF-1特異的抗体L1H1、L2H2、L3H3、L4H4、L5H5、L6H6、L7H7、L8H8、L9H9、L10H10、L11H11、L12H12、L13H13、L14H14、L15H15、L16H16、L17H17、L18H18、L19H19、L20H20、L21H21、L22H22、L23H23、L24H24、L25H25、L26H26、L27H27、L28H28、L29H29、L30H30、L31H31、L32H32、L33H33、L34H34、L35H35、L36H36、L37H37、L38H38、L39H39、L40H40、L41H41、L42H42、L43H43、L44H44、L45H45、L46H46、L47H47、L48H48、L49H49、L50H50、L51H51、L52H52、及びIGF-1R-結合断片、ならびにそれらの派生体を含み、それらの抗体のそれぞれは、前述の特許公開に開示されるように完全にその全体が本明細書に参照により個々にまたは具体的に組み込まれる。
また、本開示の方法及び組成で使用される抗IGF-1R抗体の非限定例のうち、以下に説明されるもののそれぞれ及び全てのものが該当する。
(i)米国公開第2006/0040358号(2006年に2月23日公開)、第2005/0008642号(2005年1月13日公開)、第2004/0228859号(2004年11月18日公開)。それらは、限定ではないが、それらに説明されるような、例えば、抗体1A(DSMZ受託番号:DSM ACC 2586)、抗体8(DSMZ受託番号:DSM ACC 2589)、抗体23(DSMZ 受託番号 DSM ACC 2588)、及び抗体18を含む。
(ii)PCT公開第WO06/138729号(2006年12月28日公開)及び第WO05/016970号(2005年2月24日公開)、ならびにLu
et al.他(2004年)、J. Biol.Chem.279:2856-2865。それらは、限定ではないが、それらに説明されるような、抗体2F8、A12、及びIMC-A12を含む。
(iii)PCT公開第WO07/012614号(2007年2月1日公開)、第WO07/000328号(2007年1月4日公開)、第WO06/013472号(2006年2月9日公開)、第WO05/058967号(2005年6月30日公開)、及び第WO03/059951号(2003年7月24日公開)。
(iv)米国公開第2005/0084906号(2005年4月21日公開)。それは、限定ではないが、それに説明されるような、抗体7C10、キメラ抗体C7C10、抗体h7C10、抗体7H2M、キメラ抗体*7C10、抗体GM607、ヒト化抗体7C10バージョン1、ヒト化抗体7C10バージョン2、ヒト化抗体7C10バージョン3、及び抗体7H2HMを含む。
(v)米国公開第2005/0249728号(2005年11月10日公開)、第2005/0186203号(2005年8月25日公開)、第2004/0265307号(2004年12月30日公開)、及び第2003/0235582号(2003年12月25日公開)、ならびにMaloney et al.(2003)、Cancer Res.63:5073-5083。それらは、限定ではないが、それらに説明されるような、抗体EM164、表面再構成EM164、ヒト化EM164、huEM164 v1.0、huEM164 v1.1、huEM164 v1.2、及びhuEM164 v1.3 を含む。
(vi)米国特許第7,037,498号(2006年5月2日公布)、米国公開第2005/0244408号(2005年11月30日公開)、及び第2004/0086503号(2004年5月6日公開)、ならびにCohen et al.(2005)、Clinical Cancer Res.11:2063-2073、例えば、抗体CP-751、871。それらは、限定ではないが、それらに説明されるような、ATCC受入番号PTA-2792、PTA-2788、PTA-2790、PTA-2791、PTA-2789、PTA-2793を有するハイブリドーマによって生成される抗体と、及び抗体2.12.1、2.13.2、2.14.3、3.1.1、4.9.2、及び4.17.3とのそれぞれを含む。
(vii)米国公開第2005/0136063号(2005年6月23日公開)及び第2004/0018191号(2004年1月29日公開)。それらは、限定ではないが、それらに説明されるような、抗体19D12と、番号PTA-5214の下ATCCに預けられたプラスミド15H12/19D12HCA(γ4)のポリヌクレオチドによってコードされた重鎖及び番号PTA-5220の下ATCCに預けられたプラスミド15H12/19D12LCF(κ)のポリヌクレオチドによってコードされた軽鎖を備える抗体とを含む。
(viii)米国公開第2004/0202655号(2004年10月14日公開)。それは、限定ではないが、それらに説明されるような、抗体PINT-6A1、PINT-7A2、PINT-7A4、PINT-7A5、PINT-7A6、PINT-8A1、PINT-9A2、PINT-11A1、PINT-11A2、PINT-11A3、PINT-11A4、PINT-11A5、PINT-11A7、PINT-11A12、PINT-12A1、PINT-12A2、PINT-12A3、PINT-12A4、及びPINT-12A5を含み、それらの抗体のそれぞれ及び全ては、特に、IGF-1受容体を対象とする前述の抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等について、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。
B-7関連タンパク質1特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等(「B7RP-1」は、またB7H2、ICOSL、B7h、及びCD275として文献において称される)は、特にB7RP特異的完全ヒトモノクローナルIgG2抗体、特に、B7RP-1の第1の免疫グロブリン様ドメインのエピトープを結合する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体、とりわけ、特に活性化T細胞上のその自然受容体ICOSでB7RP-1の相互作用を抑制するもの、とりわけ、前述の事項の全てにおいて、米国公開第2008/0166352号及びPCT公開第WO07/011941号に開示されるものであり、それらの特許公開は、そのような抗体及び関連タンパク質について、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれ、限定ではないが、以下のようなそれらに指定される抗体を含む。その抗体として、16H(各々、それにある、軽鎖可変配列及び重鎖可変配列(SEQ ID NO:1及びSEQ ID NO:7)を有する)、5D(各々、それにある、軽鎖可変配列及び重鎖可変配列(SEQ ID NO:2及びSEQ ID NO:9)を有する)、2H(各々、それにある、軽鎖可変配列及び重鎖可変配列(SEQ ID NO:3及びSEQ ID NO:10)を有する)、43H(各々、それにある、軽鎖可変配列及び重鎖可変配列(SEQ ID NO:6及びSEQ ID NO:14)を有する)、41H(各々、それにある、軽鎖可変配列及び重鎖可変配列(SEQ ID NO:5及びSEQ ID NO:13)を有する)、及び15H(各々、それにある、軽鎖可変配列及び重鎖可変配列(SEQ ID NO:4及びSEQ ID NO:12)を有する)が挙げられ、それらの抗体のそれぞれは、前述の特許公開に開示されるように完全にその全体が本明細書に参照により個々にまたは具体的に組み込まれる。
IL-15特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等は、特に、ヒト化モノクローナル抗体等であり、特に、米国公開第2003/0138421号、第2003/023586号、及び第2004/0071702号と、米国特許第7,153,507号とに開示されるもの等の抗体であり(それらの特許等は、IL-15特異的抗体及び関連タンパク質について、その全体において参照により本明細書に組み込まれ)、ペプチボディを含み、特に、限定ではないが、例えば146B7等のHuMax IL-15抗体及び関連タンパク質を含む。
IFNガンマ特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等は、例えば、米国公開第2005/0004353号に説明されるもの等の、とりわけヒトIFNガンマ特異的抗体であり、特に完全ヒト抗IFNガンマ抗体であり(その特許公開は、IFNガンマ特異的抗体について、その全体において参照により本明細書に組み込まれる)、特に、例えば、それに指定される抗体1118、1118*、1119、1121、及び1121*である。これらの抗体のそれぞれの重鎖及び軽鎖の全配列と、ならびにそれらの重鎖可変領域及び軽鎖可変領域の配列と、相補性決定領域とは、それぞれ、個々にまたは具体的に、前述の特許公開及びThakur et al.(1999)、Mol.Immunol.36:1107-1115に開示されるように完全にその全体が本明細書に参照により本明細書に組み込まれる。加えて、前述の特許公開に提供されるこれらの抗体の特性の説明は、また、その全体が本明細書に参照により本明細書に組み込まれる。特異的抗体は、前述の特許公開に開示されるような、SEQ ID NO:17の重鎖及びSEQ ID NO:18の軽鎖を有するもの、SEQ ID NO:6の重鎖可変領域及びSEQ ID NO:8の軽鎖可変領域を有するもの、SEQ ID NO:19の重鎖及びSEQ ID NO:20の軽鎖を有するもの、SEQ ID NO:10の重鎖可変領域及びSEQ ID NO:12の軽鎖可変領域を有するもの、SEQ ID NO:32の重鎖及びSEQ ID NO:20の軽鎖を有するもの、SEQ ID NO:30の重鎖可変領域及びSEQ ID NO:12の軽鎖可変領域を有するもの、SEQ ID NO:21の重鎖配列及びSEQ ID NO:22の軽鎖配列を有するもの、SEQ ID NO:14の重鎖可変領域及びSEQ ID NO:16の軽鎖可変領域を有するもの、SEQ ID NO:21の重鎖及びSEQ ID NO:33の軽鎖を有するもの、ならびにSEQ ID NO:14の重鎖可変領域及びSEQ ID NO:31の軽鎖可変領域を有するものを含む。想到される特異的抗体は、前述の米国特許公開に開示されるような抗体1119であり、それに開示されるようなSEQ ID NO:17の完全な重鎖を有し、それに開示されるようなSEQ ID NO:18の完全な軽鎖を有する。
TALL-1特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、ならびに他のTALL特異的結合タンパク質は、米国公開第2003/0195156号及び第2006/0135431号に説明されるもの等であり、それらの公開特許は、TALL-1結合タンパク質(特に、テーブル4及びテーブル5Bの分子)について、その全体において参照により本明細書に組み込まれ、それらの公開特許のそれぞれは、前述の特許公開に開示されるように完全にその全体が本明細書に参照により個々にまたは具体的に組み込まれる。
副甲状腺ホルモン(「PTH」)特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等は、特にPTHを結合するタンパク質に関する部分において、以下の全体において参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,756,480号に説明されるもの等である。
トロンボポエチン受容体(「TPO-R」)特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等は、特にTPO-Rを結合するタンパク質に関する部分において、以下の全体において参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,835,809号に説明されるもの等である。
肝細胞増殖因子(「HGF」)特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等は、完全ヒトモノクローナル抗体等のHGF/SF:cMet軸(HGF/SF:c-Met)を対象とするものを含み、その抗体は、米国公開第2005/0118643号及びPCT公開第WO2005/017107号に説明される肝細胞増殖因子/分散因子(HGF/SF)と、米国特許第7,220,410号に説明されるhuL2G7と、米国特許第5,686,292号及び第6,468,529号ならびにPCT公開第WO96/38557号に説明されるOA-5d5と、を中和するものであり、それらの特許公開等のそれぞれは、特にHGFを結合するタンパク質に関する部分において、その全体において参照により本明細書に組み込まれる。
TRAIL-R2特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等は、特にTRAIL-R2を結合するタンパク質に関する部分において、以下の全体において参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,521,048号に説明されるもの等である。
アクチビンA特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等は、限定ではないが、特にアクチビンAを結合するタンパク質に関する部分において、以下の全体において参照により本明細書に組み込まれる米国公開第2009/0234106号に説明されるものを含む。
TGFベータ特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等は、限定ではないが、特にTGFベータを結合するタンパク質に関する部分において、以下の全体において参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,803,453号及び米国公開第2007/0110747号に説明されるものを含む。
アミロイドベータタンパク質特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等は、限定ではないが、特にアミロイドベータタンパク質を結合するタンパク質に関する部分において、以下の全体において参照により本明細書に組み込まれるPCT公開第2006/081171号に説明されるものを含む。想到されるある抗体は、前述の特許公開に開示されるようなSEQ ID NO:8を含む重鎖可変領域及びSEQ ID NO:6を含む軽鎖可変領域を有する抗体である。
c-Kit特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等は、限定ではないが、特にc-Kit及び/または他の幹細胞因子受容体を結合するタンパク質に関する部分において、以下の全体において参照により本明細書に組み込まれる米国公開第2007/0253951号に説明されるものを含む。
OX40L特異的抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等は、限定ではないが、特にOX40L及び/または他のOX40L受容体のリガンドを結合するタンパク質に関する部分において、以下の全体において参照により本明細書に組み込まれる米国公開第2006/0002929号に説明されるものを含む。
他のタンパク質の例は、Activase(登録商標)(アルテプラーゼ、tPA);Aranesp(登録商標)(ダーベポエチンアルファ);Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ、またはエリスロポエチン);GLP-1、Avonex(登録商標)(インターフェロンベータ-1a);Bexxar(登録商標)(トシツモマブ、抗CD22モノクローナル抗体);Betaseron(登録商標)(インターフェロン-ベータ);Campath(登録商標)(アレムツズマブ、抗CD52モノクローナル抗体);Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ);Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ);MLN0002(抗α4β7mAb);MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb);Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF-受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬);Eprex(登録商標)(エポエチンアルファ);Erbitux(登録商標)(セツキシマブ、抗EGFR/HER1/c-ErbB-1);Genotropin(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ、抗HER2/neu(erbB2)受容体mAb);Humatrope(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);Humira(登録商標)(アダリムマブ);インスリン溶液;Infergen(登録商標)(インターフェロンアルファコン-1);Natrecor(登録商標)(ネシリチド;組み換え型ヒトBタイプナトリウム利尿ペプチド(hBNP);Kineret(登録商標)(アナキンラ);Leukine(登録商標)(サラグラモスティム、rhuGM-CSF);LymphoCide(登録商標)(エプラツズマブ、抗CD22 mAb);Benlysta(商標)(lymphostatB、ベリムマブ、抗BlyS mAb);Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ、t-PA類似物);Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ);Mylotarg(登録商標)(ゲムツズマブオゾガマイシン);Raptiva(登録商標)(エファリズマブ);Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴル、CDP870);Soliris(商標)(エクリズマブ);ペキセリズマブ(抗C5補体);Numax(登録商標)(MEDI-524);Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ);Panorex(登録商標)(17-1A、エドレコロマブ);Trabio(登録商標)(レルデリムマブ);TheraCim hR3(ニモツズマブ);Omnitarg(パーツズマブ、2C4);Osidem(登録商標)(IDM-1);OvaRex(登録商標)(B43.13);Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ);カンツズマブメルタンシン(huC242-DM1);NeoRecormon(登録商標)(エポエチンベータ);Neumega(登録商標)(オプレルベキン、ヒトインターロイキン-11);Neulasta(登録商標)(ペグ化フィルグラスチム、ペグ化G-CSF、ペグ化hu-Met-G-CSF);Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF);Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3、抗CD3モノクローナル抗体);Procrit(登録商標)(エポエチンアルファ);Remicade(登録商標)(インフリキシマブ、抗TNFαモノクローナル抗体);Reopro(登録商標)(アブシキシマブ、抗GP lIb/Ilia受容体モノクローナル抗体);Actemra(登録商標)(抗IL6受容体mAb);Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ);Rituxan(登録商標)(リツキシマブ、抗CD20 mAb);Tarceva(登録商標)(エルロチニブ);Roferon-A(登録商標)-(インターフェロンアルファ-2a);Simulect(登録商標)(basiliximab);Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ);Synagis(登録商標)(パリビズマブ);146B7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7,153,507参照);Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ、抗α4インテグリンmAb);Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗B.炭疽防御抗原mAb);ABthrax(商標)Vectibix(登録商標)(パニツムマブ);Xolair(登録商標)(オマリズマブ);ETI211(抗MRSA mAb);IL-1 trap(ヒトIgG1のFc部分及びIL-1受容体成分(タイプI受容体及び受容体付属タンパク質)の両方の細胞外領域);VEGFトラップ(IgG1 Fcと融合されたVEGFR1のIg領域);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ、抗IL-2Rα mAb);Zevalin(登録商標)(イブリツモマブチウキセタン);Zetia(登録商標)(エゼチマイブ);Orencia(登録商標)(アタシセプト、TACI-Ig);抗CD80モノクローナル抗体(ガリキシマブ);抗CD23 mAb(ルミリキシマブ);BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFF拮抗薬);CNTO148(ゴリムマブ、抗TNFα mAb);HGS-ETR1(マパツムマブ;ヒト抗TRAIL受容体-1mAb);HuMax-CD20(オクレリズマブ、抗CD20ヒトmAb);HuMax-EGFR(ザルツムマブ);M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb);MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4 mAb及びVEGFR-1(IMC-18F1);抗BR3 mAb;抗C.difficile毒素A及び毒素B C mAbs MDX-066(CDA-1)及びMDX-1388;抗CD22 dsFv-PE38複合体(CAT-3888及びCAT-8015);抗CD25 mAb(HuMax-TAC);抗CD3 mAb(NI-0401);アデカツムマブ;抗CD30 mAb(MDX-060);MDX-1333(抗IFNAR);抗CD38 mAb(HuMax CD38);抗CD40L mAb;抗クリプトmAb;抗CTGF特発性肺線維症フェーズI Fibrogen(FG-3019);抗CTLA4 mAb;抗エオタキシン1 mAb(CAT-213);抗FGF8 mAb;抗ガングリオシドGD2 mAb;抗ガングリオシドGM2 mAb;抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029);抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001);抗HepC mAb(HuMax HepC);抗IFNα mAb(MEDI-545、MDX-1103);抗IGF1R mAb;抗IGF-1R mAb(HuMax-Inflam);抗IL12 mAb(ABT-874);抗IL12/IL23 mAb(CNTO 1275);抗IL13 mAb(CAT-354);抗IL2Ra mAb(HuMax-TAC);抗IL5受容体 mAb;抗インテグリン受容体mAb(MDX-018、CNTO95);抗IP10潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100);抗LLY抗体;BMS-66513;抗マンノース受容体/hCGβ mAb(MDX-1307);抗メソテリンdsFv-PE38複合体(CAT-5001);抗PD1mAb(MDX-1106(ONO-4538));抗PDGFRα抗体(IMC-3G3);抗TGFβ mAb(GC-1008);抗TRAIL受容体-2ヒトmAb(HGS-ETR2);抗TWEAK mAb;抗VEGFR/Flt-1 mAb;抗ZP3 mAb(HuMax-ZP3);NVS抗体#1;及びNVS抗体#2を含む。
また、限定ではないが、ロモソズマブ、ブロソズマブ、またはBPS804(ノバルティス)等のスクレロスチン抗体が含まれ得る。さらに、リロツムマブ、ビキサロマー、トレバナニブ、ガニツマブ、コナツムマブ、モテサニブ二リン酸、ブロダルマブ、ビズピプラント、パニツムマブ、デノスマブ、NPLATE、PROLIA、VECTIBIXまたはXGEVA等の治療剤が含まれ得る。加えて、本デバイスには、ヒトプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)を結合するモノクローナル抗体(IgG)が含まれ得る。そのようなPCSK9特異的抗体は、限定ではないが、Repatha(登録商標)(エボロクマブ)及びPraluent(登録商標)(アリロクマブ)と、以下の特許または特許出願(それぞれは、全ての目的のために、その全体において参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるような、その抗体の分子、変異体、類似体、または派生体とを含む。該当する特許または特許出願として、米国特許第8,030,547号、米国特許第8,563,698号、米国特許第8,829,165号、米国特許第8,859,741号、米国特許第8,871,913号、米国特許第8,871,914号、米国特許第8,883,983号、米国特許第8,889,834号、米国特許第8,981,064号、米国特許第9,056,915号、米国特許第8,168,762号、米国特許第9,045,547号、米国特許第8,030,457号、米国特許第8,030,457号、米国特許第8,829,165号、米国特許第8,981,064号、米国特許第8,030,457号、米国公開第2013/0064825号、米国特許出願公開第2012/0093818号、米国特許出願公開第2013/0079502号、米国特許出願公開第2014/0357850号、米国特許出願公開第2011/0027287号、米国特許出願公開第2014/0357851号、米国特許出願公開第2014/0357854号、米国特許出願公開第2015/0031870号、米国特許出願公開第2013/0085265号、米国特許出願公開第2013/0079501号、米国特許出願公開第2012/0213797号、米国特許出願公開第2012/0251544号、米国特許出願公開第2013/0072665号、米国特許出願公開第2013/0058944号、米国特許出願公開第2013/0052201号、米国特許出願公開第2012/0027765号、米国特許出願公開第2015/0087819号、米国特許出願公開第2011/0117011号、米国特許出願公開第2015/0004174号、米国仮特許出願第60/957,668号、米国仮特許出願第61/008,965号、米国仮特許出願第61/010,630号、米国仮特許出願第61/086,133号、米国仮特許出願第61/125,304号、米国仮特許出願第61/798,970号、米国仮特許出願第61/841,039号、米国仮特許出願第62/002,623号、米国仮特許出願第62/024,399号、米国仮特許出願第62/019,729号、米国仮特許出願第62/067,637号、米国特許出願第14/777,371号、国際特許出願第PCT/US2013/048714号、国際特許出願第PCT/US2015/040211号、国際特許出願第PCT/US2015/056972号、国際特許出願公開第WO/2008/057457号、国際特許出願公開第WO/2008/057458号、国際特許出願公開第WO/2008/057459号、国際特許出願公開第WO/2008/063382号、国際特許出願公開第WO/2008/133647号、国際特許出願公開第WO/2009/100297号、国際特許出願公開第WO/2009/100318号、国際特許出願公開第WO/2011/037791号、国際特許出願公開第WO/2011/053759号、国際特許出願公開第WO/2011/053783号、国際特許出願公開第WO/2008/125623号、国際特許出願公開第WO/2011/072263号、国際特許出願公開第WO/2009/055783号、国際特許出願公開第WO/2012/0544438号、国際特許出願公開第WO/2010/029513号、国際特許出願公開第WO/2011/111007号、国際特許出願公開第WO/2010/077854号、国際特許出願公開第WO/2012/088313号、国際特許出願公開第WO/2012/101251号、国際特許出願公開第WO/2012/101252号、国際特許出願公開第WO/2012/101253号、国際特許出願公開第WO/2012/109530号、及び国際特許出願公開第WO/2001/031007号、国際特許出願公開第WO/2009/026558号、国際特許出願公開第WO/2009/131740号、国際特許出願公開第WO/2013/166448号、及び国際特許出願公開第WO/2014/150983号が挙げられる。
また、黒色腫または他の癌の治療のためのタリモジーンラハーパレプベック(talimogene laherparepvec)または別の腫瘍崩壊HSVも含まれ得る。腫瘍崩壊HSVの例は、限定ではないが、タリモジーンラハーパレプベック(米国特許第7,223,593号及び第7,537,924号)と、OncoVEXGALV/CD(米国特許第7,981,669号)と、OrienX010(Lei et al.(2013)、World J. Gastroenterol.、19:5138-5143)と、G207、1716と、NV1020と、NV12023と、NV1034及びNV1042(Vargehes et al.(2002)、Cancer Gene Ther.、9(12):967-978)とを含む。
また、TIMPが含まれる。TIMPは、メタロプロテイナーゼの内因性組織阻害剤(TIMP)であり、多くの自然作用で重要である。TIMP-3は、様々な細胞によって発現され、細胞外マトリックス内に存在する。それは、全ての主要な軟骨分解金属プロテアーゼを阻害し、関節リウマチ及び骨関節炎を含む結合組織の多くの分解疾患において、及び癌及び心血管病態において、役割を果たし得る。TIMP-3のアミノ酸配列、及びTIMP-3をコードするDNAの核酸配列は、米国特許第6,562,596号(2003年5月13日公布、その開示が参照により本明細書に組み込まれる)に開示される。TIMP変異の説明は、米国公開第2014/0274874号及びPCT公開第WO2014/152012号で見つけることができる。
また、ヒトカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体に関するアンタゴニスト抗体と、CGRP受容体を対象とする二重特異性抗体分子と、他の頭痛対象とが含まれる。これらの分子に関するさらなる情報は、PCT出願第WO2010/075238号で見つけることができる。
加えて、二重特異性T細胞誘導抗体(BiTe)、例えば、ブリノツモマブは、本デバイス内で使用されることができる。代替として、APJ巨大分子アゴニスト、例えば、本デバイス内のアペリンまたは、その類似体が含まれ得る。そのような分子に関する情報は、PCT出願第WO2014/099984号で見つけることができる。
ある実施形態では、薬物は、抗胸腺間質性リンホポエチン(TSLP)またはTSLP受容体抗体の治療効果のある量を含む。そのような実施形態で使用され得る抗TSLP抗体の例は、限定ではないが、米国特許第7,982,016号及び第8,232,372号と、米国公開第2009/0186022号とに説明されるものを含む。抗TSLP受容体抗体の例は、限定ではないが、米国特許第8,101,182号に説明されるものを含む。特に好ましい実施形態では、薬物は、米国特許第7,982,016号の範囲内でA5として指定される抗TSLP抗体の治療効果のある量を含む。
XXV.追加態様
上記に説明された薬剤送達デバイス、アセンブリ、機構、構成要素、特徴、機能、製造方法、及び使用方法は、以下の文書(それぞれは、全ての目的のために、その全体において参照により本明細書に組み込まれる)に説明される、薬剤送達デバイス、アセンブリ、機構、構成要素、特徴、機能、製造方法、及び使用方法の様々な態様を組み込み得る。該当する特許または特許出願として、米国特許第8,939,935号;米国特許出願公開第2013/0060233号;米国特許出願公開第2013/0066274号;米国特許出願公開第2013/0237916号;米国特許出願公開第2014/0200510号;米国特許出願公開第2014/0288511A1号;米国特許出願公開第2015/0290390号;米国特許出願公開第2015/0374919A1号;米国特許出願公開第2015/0209505号;米国特許出願公開第2015/0297827号;米国特許出願公開第2015/0359965号;米国特許出願公開第2015/0190588号;米国特許出願公開第2015/0217045号;米国特許出願公開第2015/0057613号;米国特許出願公開第2014/0296787号;米国仮特許出願第62/094,395号、発明の名称「DRUG DELIVERY DEVICE WITH PROXIMITY SENSOR」;米国仮特許出願第62/114,200号、発明の名称「ROTATIONALLY BIASED INSERTION MECHANISM FOR A DRUG DELIVERY PUMP」;米国仮特許出願第62/117,420号、発明の名称「DRUG DELIVERY DEVICE WITH VACUUM ASSISTED SECUREMENT AND/OR FEEDBACK」;米国仮特許出願第62/127,021号、発明の名称「DEVICE AND METHOD FOR MAKING ASEPTIC CONNECTIONS」;米国仮特許出願第62/130,318号、発明の名称「MULTI-FUNCTION DRIVE MECHANISMS FOR CONTROLLED DRUG DELIVERY PUMPS」;米国仮特許出願第62/266,788号、発明の名称「DRUG DELIVERY STORAGE DEVICE AND SYSTEM」;2016年2月10日に出願された米国仮特許出願第62/293,556号、発明の名称「DRUG DELIVERY DEVICE」;米国仮特許出願第62/133,690号、発明の名称「ROTATIONALLY BIASED INSERTION MECHANISM FOR A DRUG DELIVERY PUMP」;米国仮特許出願第62/201,456号、発明の名称「MULTI-FUNCTION DRIVE MECHANISMS FOR CONTROLLED DRUG DELIVERY PUMPS」;米国仮特許出願第62/147,435号、発明の名称「MULTI-FUNCTION DRIVE MECHANISMS FOR CONTROLLED DRUG DELIVERY PUMPS」;米国仮特許出願第62/134,226号、発明の名称「MULTI-FUNCTION DRIVE MECHANISMS FOR CONTROLLED DRUG DELIVERY PUMPS」;米国仮特許出願第62/147,403号、発明の名称「ROTATIONALLY BIASED INSERTION MECHANISM FOR A DRUG DELIVERY PUMP」;米国仮特許出願第62/220,754号、発明の名称「CONTROLLED DELIVERY DRIVE MECHANISMS FOR DRUG DELIVERY PUMPS」;米国仮特許出願第62/290,064号、発明の名称「ASEPTIC CONNECTIONS FOR DRUG DELIVERY DEVICES」;米国仮特許出願第62/201,468号、発明の名称「DRUG DELIVERY PUMPS HAVING MULTIPLE CHAMBERS」;米国仮特許出願第62/262,666号、発明の名称「SYSTEMS FOR THE CONTROL OF DRUG DELIVERY PUMPS BASED ON INPUT DATA」;米国仮特許出願第62/241,906号、発明の名称「FILL-FINISH CARRIERS FOR DRUG CONTAINERS」;米国仮特許出願第62/262,683号、発明の名称「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLED DRUG DELIVERY PUMPS」;米国仮特許出願第62/204,866号、発明の名称「AUTOMATIC DRUG INJECTORS AND ASSOCIATED DEVICES INCORPORATING DATA RECORDING, TRANSMISSION, AND RECEIVING」;米国仮特許出願第62/239,116号、発明の名称「AUTOMATIC INJECTORS FOR INJECTABLE CARTRIDGES INCORPORATING SIMPLIFIED LOADING OF CARTRIDGES」;米国仮特許出願第62/206,503号、発明の名称「ARCUATE DRIVE MECHANISMS FOR AUTOMATIC INJECTORS」;米国仮特許出願第62/278,028号、発明の名称「MEDICAL DEVICE INCORPORATING ADHESIVE WITH STIMULANT SENSITIVE BONDING STRENGTH」;国際特許出願公開第WO/2015/061386;国際特許出願公開第WO/2015/061389;国際特許出願公開第WO/2015/187793;国際特許出願公開第WO/2015/187797;国際特許出願公開第WO/2015/187799;国際特許出願公開第WO/2015/187802;国際特許出願公開第WO/2015/187805;国際特許出願公開第WO/2016/003813;国際特許出願第PCT/US2016/017534号、発明の名称「ROTATIONALLY BIASED INSERTION MECHANISM FOR A DRUG DELIVERY PUMP」;国際特許出願第PCT/US2016/017534号、発明の名称「ROTATIONALLY BIASED INSERTION MECHANISM FOR A DRUG DELIVERY PUMP」;国際特許出願第PCT/US2015/052311号、発明の名称「CONCENTRIC BARREL DRUG CONTAINERS AND DRUG DELIVERY PUMPS THAT ALLOW MIXING AND DELIVERY」;国際特許出願第PCT/US2015/052367号、発明の名称「SEQUENTIAL CHAMBER DRUG DELIVERY PUMPS FOR DRUG MIXING AND DELIVERY」;国際特許出願第PCT/US2015/047487号、発明の名称「SKIN SENSORS FOR DRUG DELIVERY DEVICES」;国際特許出願第PCT/US2015/052815号、発明の名称「RIGID NEEDLE INSERTION MECHANISM FOR A DRUG DELIVERY PUMP」;国際特許出願第PCT/US2015/047503号、発明の名称「SENSOR SYSTEMS FOR DRUG DELIVERY DEVICES」;国際特許出願第PCT/US2016/021585号、発明の名称「DRIVE MECHANISMS FOR DRUG DELIVERY PUMPS」;国際特許出願第PCT/US2016/020486号、発明の名称「DEVICE AND METHOD FOR MAKING ASEPTIC CONNECTIONS」;国際特許出願第PCT/US15/29485号、発明の名称「AUTOINJECTOR WITH SHOCK REDUCING ELEMENTS」が挙げられる。さらに、上記に列挙され参照により組み込まれた開示のいずれかに説明された、薬剤送達デバイス、アセンブリ、機構、構成要素、特徴、機能、製造方法、及び使用方法は、例えば、PCSK9特異的抗体、G-CSF、スクレロスチン抗体、またはCGRP抗体を含む、上記に説明された1つ以上の薬剤で、部分的または全体的に充填されるコンテナを含み得る。
本明細書の全体を通して、その目的は、いずれか1つの実施形態または具体的な特徴の群に対して本開示を限定することなく、本開示の好ましい実施形態を説明することである。様々な変化及び修正は、本開示から逸脱することなく、説明かつ例示される本実施形態に対して行われ得る。本明細書に参照される各特許及び科学文書、コンピュータプログラム及びアルゴリズムの開示は、その全体において参照により本明細書に組み込まれる。