JP2022061180A - マスク - Google Patents

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洸二朗 野坂
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Abstract

【課題】本発明は、適度な隙間を保持可能な保形性を備え、呼吸時にも顔面に貼りつきにくく、蒸れ感が少なく、伸縮性に優れる布を使用することで長時間着用しても耳が痛くなりにくく、且つ、洗濯を繰り返しても寸法安定性が良好であるマスクを提供することができる。【解決手段】本発明のマスクは、顔面側の内層と、顔面と反対側の外層と、内層と外層の間に設置されるフィルタ層を備えるマスクであって、内層が、立体構造経編地であり、顔面側の地組織がナイロン系繊維、綿、レーヨン、キュプラの群から選択される繊維を主に含み、顔面の反対側の地組織がポリエステル系繊維を主に含み、少なくとも顔面側の面がメッシュ状であり、外層が、弾性糸と非弾性糸にてプレーティング編成されたダブルニット地であり、前記ダブルニット地を延長することで縫製することなく耳かけ部が形成され、フィルタ層が不織布であり、脱着可能であるマスクである。【選択図】図1

Description

本発明は、繰り返し洗濯することが可能なマスクに関する。
近年、インフルエンザ、ウイルス性肺炎等の感染症が流行し、世界中に拡大しているため、マスクの需要が高まっている。一般的なマスクとしては、不織布を積層したサージカルマスクや布マスクが利用されている。サージカルマスクは使い捨てされるため、廃棄物が増加し環境問題になりつつある。
一方、布マスクは、洗濯して使用することができるが、木綿素材のガーゼ織物を用いていることが多いため、繰り返し洗濯した際に収縮したり、厚みが増したりといった問題があった。また、布マスクはハリコシ感が無いため、長時間装着していると顔面に貼りつき、着用時に蒸れ感があり、耳ヒモが耳にこすれ痛くなるといった問題があった。
出願人は、十分な通気性と捕集率を兼ね備え、かつ洗濯耐久性に優れたマスク用フィルタ材を特許文献1に提案している。しかしながら、このようなフィルタ材を用いる場合、マスクとしての保形性と顔面側の着用感とを共に向上させることは難しく、また、抗菌、抗ウイルス性能を付与する場合、フィルタ材である立体繊維構造物自体に抗菌、抗ウイルス加工を施すことになるため、繰り返し使用による洗濯で抗菌・抗ウイルスの性能が落ちるという問題があった。
特開2002-212865号公報
本発明の目的は、適度な隙間を保持可能な保形性を備え、呼吸時にも顔面に貼りつきにくいため呼吸がしやすいだけでなく、蒸れ感が少なく、伸縮性に優れる布を使用することで長時間着用しても耳が痛くなりにくく、且つ、洗濯を繰り返しても寸法安定性が良好であるマスクを提供することにある。
本発明は、顔面側の内層と、顔面と反対側の外層と、前記内層と前記外層の間に設置されるフィルタ層を備えるマスクであって、前記内層が、立体構造経編地であり、顔面側の地組織がナイロン系繊維、綿、レーヨン、キュプラの群から選択される繊維を主に含み、顔面の反対側の地組織がポリエステル系繊維を主に含み、少なくとも顔面側の面がメッシュ状であり、前記外層が、弾性糸と非弾性糸にてプレーティング編成されたダブルニット地であり、前記ダブルニット地を延長することで縫製することなく耳かけ部が形成され、フィルタ層が、不織布であり、脱着可能であるマスクである。
また、前記ダブルニット地が、伸長率が180%以上、伸長回復率が92%以上であると好ましい。
また、前記ダブルニット地が、非弾性糸と熱変形開始温度が150~190℃の弾性糸からなるが好ましい。
本発明によれば、適度な隙間を保持可能な保形性を備え、呼吸時にも顔面に貼りつきにくいため呼吸がしやすいだけでなく、蒸れ感が少なく、伸縮性に優れる布を使用することで長時間着用しても耳が痛くなりにくく、且つ、洗濯を繰り返しても寸法安定性が良好であるマスクを提供することができる。
本発明の実施形態の一例であるマスクを示す模式図である。 本発明のマスク中央部を示す断面模式拡大図である。 フィルタの収納部を説明する模式図である。 実施例1の組織図である。 実施例2の組織図である。 比較例1の組織図である。 比較例2の組織図である。
以下、本発明のマスクについて、図面を参照して説明する。ただし、本発明は、以下に説明する構成に限定されることを意図するものではない。なお、図面において、本発明のマスクを構成する層が図示されているが、各層の厚みや大きさは説明を容易化するため適宜変更しており、実際の厚みの大小関係(縮尺)を正確に反映したものではない。
本発明のマスク1は、図1に示すように、内層4と、マスク中央部2から延長して同一布で形成された耳かけ部3を有する外層5とを有しており、マスク中央部2には、顔面側の内層4と、顔面と反対側の外層5と、内層4と外層5の間に脱着可能なフィルタ層6(図3参照)を備えている。なお、内層4の配置が分かるよう、外層を透視しているように図示している。マスク中央部2の断面模式拡大図を図2に示す。
内層4は、少なくとも顔面側の面がメッシュ状である立体構造経編地であり、立体構造経編地は、顔面側地組織と他方側地組織の少なくとも2面の地組織、必要に応じて連結部を備える立体構造の経編地であり、例えば、ダブルラッセル編地が挙げられる。ダブルラッセル編地であれば、保形性に優れるため好ましい。
立体構造経編地は、顔面側地組織と他方側地組織とを異なる素材にすることができるため、顔面側地組織を後述の風合いの良い素材にし、かつ他方側地組織を保形性に優れるポリエステル系繊維にすることができる。
顔面側地組織と他方側地組織には、マルチフィラメント、スパン糸を用いることができる。
顔面側地組織を構成する素材は、ナイロン6やナイロン66といったナイロン系繊維、綿、レーヨン、キュプラの群から選択される繊維を主に含む。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、風合い、肌触りが良いため、ナイロン系繊維、キュプラが好ましく、汎用性のあるナイロン系繊維がより好ましい。一方、着用時の肌触りをより良くしたい場合はキュプラが好ましい。
2種以上組み合わせて用いる場合、複合糸であっても、配列で組み合わせてもよい。複合糸には、例えば、合撚糸、混繊糸、混紡糸、カバーリング糸、引きそろえ糸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
立体構造経編地の顔面側地組織は、メッシュ状である。なお、本発明におけるメッシュ状の地組織は、部分的に隣り合うウェール列が分岐し、複数のコースを編成した後に分岐していたウェール列が再度結合することにより開口が形成されている。すなわち、メッシュ状とは、開口が形成されていることをいい、開口率が1%以上であることをいう。
顔面側地組織の開口形状としては、六角形状、四角形状等の多角形状、略円形状あるいは楕円形状等の任意の形状を適用することができる。開口率は、8~40%であれば好ましく、10~25%であればより好ましい。8~40%であれば、通気性に優れ、蒸れ感抑制がしやすいため好ましい。
なお、本発明において、メッシュの開口率(H)は、次の通り求められる。キーエンス社製の画像解析装置(VHX-200)を用い、顔面側地組織側の拡大写真(25倍)を編地表面の直角方向から撮影して20.2cm×28.9cmの写真を得る。写真から、繊維がなく貫通している開口部と、繊維が存在している非開口部の境界に線を引き、開口部を全て切り取る。開口部の重量をA(g)、非開口部の重量をB(g)としたときに、次式に示す割合で開口率を算出する。
H(%)=〔A/(A+B)〕×100
立体構造経編地の他方側地組織、すなわち、顔面側の反対側の地組織を構成する素材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維が用いられる。なかでも、ポリエチレンテレフタレートであれば、洗濯を繰り返しても寸法安定性に優れるため好ましい。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上組み合わせて用いる場合、複合糸であっても、配列で組み合わせてもよい。複合糸には、例えば、合撚糸、混繊糸、混紡糸、カバーリング糸、引きそろえ糸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
顔面側地組織および他方側地組織に用いられる糸の総繊度は167dtex以下が好ましい。167dtex以下であれば風合いが柔らかく肌に触れた際の刺激をより低減しやすい。内層4に用いられる繊維の単糸繊度は4.0dtex以下が好ましい。単糸繊度が4.0dtex以下であれば、風合いが柔らかく肌に触れた際の刺激をより低減しやすい。
立体構造経編地の連結糸の素材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ナイロン6やナイロン66等のナイロン系繊維、ポリアクリルニトリルを主成分とするアクリル繊維、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、ポリウレタン繊維、および、ポリ塩化ビニル繊維等の合成繊維;綿、麻、羊毛、絹などの天然繊維;レーヨン、キュプラなどの再生繊維;アセテート、トリアセテートなどの半合成繊維などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、肌へのチクチクとした刺激が軽減されるため、綿、レーヨン、ナイロン系繊維、キュプラが好ましく、汎用性のあるナイロンがより好ましい。
2種以上組み合わせて用いる場合、複合糸であっても、配列で組み合わせてもよい。複合糸には、例えば、合撚糸、混繊糸、混紡糸、カバーリング糸、引きそろえ糸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
連結糸の総繊度が56dtex以下であると好ましい。56dtex以下であれば、風合いが柔らかく肌に触れた際の刺激をより低減しやすい。
内層4は、通気度が250cm/cm・sec以上であると好ましい。250cm/cm・sec以上であれば通気性が高いため、着用時の蒸れがより少なくできる。より好ましくは、300cm/cm・sec以上である。なお、本発明において通気度は、JIS L1096の8.26通気性A法(フラジール形法)に準拠して測定される。
内層4の厚みは1.0~5.0mmが好ましい。1.0mm以上であれば保形性が維持しやすく、5.0mm以下であれば、通気性に優れる。
内層4には、必要に応じて、消臭剤、抗ウイルス剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、制電剤、抗菌剤、抗カビ剤、避虫剤、難燃剤、及びpH調整剤等の成分を含有させることが可能である。また、例えば、速乾性、冷温感性、及び風合い改良等の機能性を付与する加工等を施すことが可能である。内層4の素材として、冷温感性加工を施した繊維を用いれば、着用感がより向上し好ましい。
外層5は、弾性糸と非弾性糸にてプレーティング編成されたダブルニット地であり、ダブルニット地を延長することで別布を縫製することなく耳掛け部を形成している。そのため、着用時に縫製部が擦れて耳が痛くなることを抑制することができる。なお、弾性糸とは、5cN荷重時の伸長率が100%以上であり、かつ100%伸長後の回復率が90%以上である糸をいう。
外層5に用いられるダブルニット地は、非弾性糸がダブルニット地の両方の表面に現れ、ダブルニット地内側に弾性糸が存在するよう配置されるため、ランやカーリングの発生防止性能に優れ、伸縮性にも優れる。
弾性糸を構成する素材としては、例えば、ポリウレタン繊維が挙げられる。
弾性糸は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、弾性糸の熱変形開始温度が150~190℃であることが好ましい。この範囲であることにより、ダブルニット地に対して熱セット等の熱加工を行う場合、弾性糸同士が、接触して変形し易くなり、適度に固定化され得る。また、弾性糸が脆化し難いため、伸縮性や強度が損なわれ難くなる。本発明において、熱変形開始温度とは、例えば、次のようにして測定される。
熱応力試験機(例えば、旧鐘紡エンジニアリング(株)製、KE-2S)を用いて測定することができる。試験機の上下に、フックを有する治具を取り付け、上下のフック間に測定する糸を10回綛(カセ)巻きする。綛巻きされた糸に初期荷重を20cN掛けた状態で、糸の周囲を2.2℃/secで加熱し、綛巻きされた糸にかかる荷重が再び20cNになる温度を測定する。この測定を2回行い、2回の測定値の平均値を熱変形開始温度とする。
また、弾性糸に用いられる繊維の総繊度は22dtex以上が好ましい。22dtex以上であれば伸縮性に優れるため好ましい。
非弾性糸を構成する素材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ナイロン6やナイロン66等のナイロン系繊維、ポリアクリルニトリルを主成分とするアクリル繊維、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、ポリウレタン繊維、および、ポリ塩化ビニル繊維等の合成繊維;綿、麻、羊毛、絹などの天然繊維;レーヨン、キュプラなどの再生繊維;アセテート、トリアセテートなどの半合成繊維などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、ナイロン系繊維、再生繊維、綿であれば、風合いが柔らかく、肌への刺激が少ないため好ましい。
2種以上組み合わせて用いる場合、複合糸であっても、配列で組み合わせてもよい。複合糸には、例えば、合撚糸、混繊糸、混紡糸、カバーリング糸、引きそろえ糸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
非弾性糸に用いられる繊維の総繊度は167dtex以下が好ましい。167dtex以下であれば厚みを薄くでき、かつ弾性糸の伸縮性を阻害しにくくなるため好ましい。
ダブルニット地の経密度と緯密度の積は、3000以上が好ましい。なぜなら、経緯への伸長時、1ループあたりに掛かるテンションを軽減させ、小さいループ拘束力を補い、伸長時にランに対する耐性を向上させることができる。なお、密度(コース/25.4mm、ウェール/25.4mm)の測定は、JIS L1096-8.6.2編物の密度測定法に準拠して測定される。
ダブルニット地の経方向および緯方向の伸長率が共に180%以上であると、長時間着用した場合でも耳が痛くなりにくく好ましい。なお、伸長率の測定は、以下のように求められる。
経16cm緯2.5cmの経方向用試験片と、経2.5cm緯16cmの緯方向用試験片とをそれぞれ3枚用意する。定速伸長計引張試験機(オートグラフ (株)島津製作所製、AG-500D)にて、試験片つかみ部が歯形形状のチャック治具を用い、上部つかみ長2.5cm、下部つかみ長3.5cm、つかみ間隔10cm、試験片把持圧490kPaで、30cm/minの引張速度にて、22.1N荷重時の伸度を測定し、その平均値を算出する。測定時の環境は温度20℃、相対湿度65%にする。
ダブルニット地の経方向および緯方向の伸長回復率が共に92%以上であると、繰り返しの着用でも形状を保持しやすく好ましい。なお、伸長回復率の測定は、以下のように求められる。
経16cm緯2.5cmの経方向用試験片と、経2.5cm緯16cmの緯方向用試験片とをそれぞれ3枚用意する。定速伸長形引張試験機(オートグラフ (株)島津製作所製、AG-500D)にて、試験片つかみ部が歯形形状のチャック治具を用い、上部つかみ長2.5cm、下部つかみ長3.5cm、つかみ間隔10cm、試験片把持圧490kPaで、30cm/minの引張速度にて、14.7N荷重時の伸度を測定し、伸度に応じて下記の条件で伸度を設定して30±2cm/minの速度で伸長回復を3回繰り返し、伸長回復曲線を描く。
(伸度条件)
試験伸度が80%以上:設定伸度80%
試験伸度が60%以上80%未満:設定伸度60%
試験伸度が40%以上60%未満:設定伸度40%
伸長回復曲線から残留伸度を読みとり、下記の式により回復率を算出する。
回復率(%)=(L-L0)/L×100
(式中、L:設定伸度、L0:残留伸度)
ダブルニット地の厚みは0.3~3.0mmが好ましい。0.3mm以上であれば保形性が維持しやすく、3.0mm以下であれば風合いが柔らかく肌への刺激が少なく、0.5~2.0mmであればより好ましい。
外層5には、必要に応じて、消臭剤、抗ウイルス剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、制電剤、抗菌剤、抗カビ剤、避虫剤、難燃剤、及びpH調整剤等の成分を含有させることが可能である。また、例えば、速乾性、撥水性、吸水性、冷温感性、及び風合い改良等の機能性を付与する加工等を施すことが可能である。
フィルタ層6は、不織布であればよく、不織布としては、スパンボンド、メルトブロー、ニードルパンチが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、メルトブローであれば、フィルタ性能が良いため好ましい。
また、繊維径が3μm以下であれば、フィルタ性能が良いため好ましく、1μm以下であれば、より好ましい。一方、繊維径が0.1μm以上であれば、通気性を保持し易いため好ましい。
フィルタ層6を構成する素材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレンが挙げられる。なかでも、ポリプロピレンであれば汎用性があり、安価であるため好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フィルタ層6は、通気度が5cm/cm・sec以上であれば息をしやすいため好ましく、10cm/cm・sec以上であれば、より好ましい。一方、100cm/cm・sec以下であれば、フィルタ性能を保持し易いため好ましく、50cm/cm・sec以下であれば、より好ましい。
フィルタ層6の目付は、5g/m以上であれば、フィルタ性能に優れるため好ましく、10g/m以上であれば、より好ましい。一方、150g/m以下であれば、通気性を保ちやすいため好ましく、80g/m以下であれば、より好ましい。
フィルタ層6は、抗菌加工または抗ウイルス加工の少なくともいずれか一方が施されていると衛生面で好ましい。抗菌加工、抗ウイルス加工としては、例えば、第4級アンモニウム塩、アンモニウム塩、ピリジオン系、ピグアナイド系、ジルコニウム系、有機チッソ系、有機臭素系、無機金属塩、金、銀、銅、白金、亜鉛、金化合物、銀化合物、銅化合物、白金化合物、亜鉛化合物、ゼオライト化合物などの付与が挙げられる。これらを付与する方法としては、グラビア法、ディッピング法、コーティング法、スプレー法、めっき法、スパッタ法、蒸着法あるいはフィルタ製造時にベース樹脂への練り込みが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また必要に応じて、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、PVA樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、オレフィン樹脂などを併用してもよい。
なお、マスク中央部2において、内層4、外層5およびフィルタ層6を配置すればよく、これらの他に、必要に応じて層を増やすことができる。
内層4、外層5およびそれらの間にフィルタ層6を設置するための収納部7を備えていると好ましい。収納部7は、例えば、内層4と外層5との一部を縫合し、ポケット状、鉤状等にして、フィルタ層6が落下しないように備えることができる。図3に一例として、内層4および外層5の上下端部を縫合して形成されたポケット状の収納部を示す。フィルタ層6を脱着可能にすることで、洗濯前にフィルタ層6を外して洗濯することができるため、フィルタ層6の性能を洗濯により低下させることなく、マスク中央部2を清潔な状態に保つことができる。
フィルタ層6の形状としては、収納部7に合わせた形状であればよいが、例えば、八角形状、六角形状、四角形状等の多角形状、略円形状あるいは楕円形状等の任意の形状を適用することができる。
本発明の思想を妨げなければ、マスク中央部2の外周端部に沿って伸縮布で縁取りすることができる。縁取りの形成方法は、縫製、融着、接着等の方法を挙げることができるが、伸縮性を調整しやすい縫製が好ましい。
以下に述べる実施例、比較例によって本発明のマスクを具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例及び比較例における物性測定および評価は、以下の方法により行った。
<熱変形開始温度>
熱応力試験機(旧鐘紡エンジニアリング(株)製、KE-2S)を用いて測定した。試験機の上下に、フックを有する治具を取り付け、上下のフック間に測定する糸を10回綛(カセ)巻きし、綛巻きされた糸に初期荷重を20cN掛けた状態で、糸の周囲を2.2℃/secで加熱し、綛巻きされた糸にかかる荷重が再び20cNになる温度を測定した。この測定を2回行い、2回の測定値の平均値を熱変形開始温度とした。
<伸長率>
経16cm緯2.5cmの経方向用試験片と、経2.5cm緯16cmの緯方向用試験片とをそれぞれ3枚用意した。定速伸長計引張試験機(オートグラフ (株)島津製作所製、AG-500D)にて、試験片つかみ部が歯形形状のチャック治具を用い、上部つかみ長2.5cm、下部つかみ長3.5cm、つかみ間隔10cm、試験片把持圧490kPaで、30cm/minの引張速度にて、22.1N荷重時の伸度を測定し、その平均値を算出した。測定時の環境は温度20℃、相対湿度65%であった。
<伸長回復率>
経16cm緯2.5cmの経方向用試験片と、経2.5cm緯16cmの緯方向用試験片とをそれぞれ3枚用意した。定速伸長形引張試験機(オートグラフ (株)島津製作所製、AG-500D)にて、試験片つかみ部が歯形形状のチャック治具を用い、上部つかみ長2.5cm、下部つかみ長3.5cm、つかみ間隔10cm、試験片把持圧490kPaで、30cm/minの引張速度にて、14.7N荷重時の伸度を測定し、伸度に応じて下記の条件で伸度を設定して30±2cm/minの速度で伸長回復を3回繰り返し、伸長回復曲線を描いた。
(伸度条件)
試験伸度が80%以上:設定伸度80%
試験伸度が60%以上80%未満:設定伸度60%
試験伸度が40%以上60%未満:設定伸度40%
伸長回復曲線から残留伸度を読みとり、下記の式により回復率を算出した。
回復率(%)=(L-L0)/L×100
(式中、L:設定伸度、L0:残留伸度)
<通気度>
JIS L1096の8.26通気性A法(フラジール形法)に準拠して測定した。
<寸法安定性>
JIS L0217(繊維製品の取扱いに関する表示記号及び表示方法)103法に準拠し、50回繰り返し洗濯した後、マスク中央部にて縦方向と横方向を測定し、洗濯前と洗濯後の長さを比較した。
〇:縦方向および横方向の寸法変化が±3%以内
△:縦方向および横方向の寸法変化が±5%以内(○評価以外)
×:縦方向および横方向の寸法変化が±5%を超える
<保形性>
モニター10人にマスクを1週間、着用してもらい以下の基準に従って評価した。
5:呼吸時に肌への密着なし
3:呼吸時に肌にわずかに密着し、少し息苦しい
1:呼吸時に肌に完全に密着し、かなり息苦しい
評価の平均値から以下の基準に従ってマスクの評価を求めた。
〇:4以上5以下
△:2以上4未満
×:2未満
<耳への刺激性>
モニター10人にマスクを1週間、着用してもらい以下の基準に従って評価した。
5:痛くなく、長時間着用できる
3:少し痛いが、長時間着用はできる
1:かなり痛く、長時間着用できない
評価の平均値から以下の基準に従ってマスクの評価を求めた。
〇:4以上5以下
△:2以上4未満
×:2未満
<蒸れ感>
モニター10人にマスクを1週間、着用してもらい以下の基準に従って評価した。
5:呼吸で熱がこもらず、蒸れ感なし
3:呼吸で少し熱がこもり、少し蒸れ感がある
1:呼吸でかなり熱がこもり、蒸れ感があり、不快である
評価の平均値から以下の基準に従ってマスクの評価を求めた。
〇:4以上5以下
△:2以上4未満
×:2未満
[実施例1]
図4に示した設計に基づき、顔面側地組織に78dtex36fのナイロンフィラメント糸を、他方側地組織に84dtex36fのポリエチレンテレフタレートフィラメント糸を使用し全厚2.6mm、編密度50コース/25.4mm、26ウェール/25.4mmの内層用のダブルラッセル編地を編成した。得られたダブルラッセル編地の通気度は、360cm/cm・sec、顔面側地組織の開口率は24%であった。
22dtex20fのナイロンフィラメント糸を第1の編糸、80番手の綿糸を第2の編糸、33dtexのポリウレタン糸(旭化成(株)製ロイカ(登録商標)C-805、熱変形開始温度152℃)を第3の編糸として外層用のダブルニット地を次のように編成した。(株)福原精機製作所製のダブル丸編み機(径38インチ、40ゲージ)を用いて、第1の編糸、第2の編糸および第3の編糸を、同じフィーダからダイヤル・シリンダ両面の針に同時に給糸し、プレーティング編にて編み込み、編地内側に第3のポリウレタン糸が配置されるようにしてダブルニット地を編成した。得られたダブルニット地は、編密度が63コース/25.4mm、56ウェール/25.4mmであり、伸長率が、経方向186%、緯方向253%であり、伸長回復率は、経方向92%、緯方向93%であった。
フィルタ層として、次のように積層した不織布を作製した。上層及び下層に、スパンポンド法で製造した目付20g/mのポリプロピレン不織布を、中層に、メルトブロー法で製造した目付10g/mのポリプロピレン不織布を用い、3層に積層し、熱エンボスロールにて圧着した。得られた積層不織布は、目付が50g/mであり、通気度が26cm/cm・secであった。積層不織布に、グラビア法で有機窒素臭素系化合物を付与することで、抗ウイルス性を付与し、図1に示す形状に裁断しフィルタ層を得た。得られた内層用のダブルラッセル編地と外層用のダブルニット地を裁断して、縫合し、図1および図3に示した形状にした。外層用のダブルニット地は、マスク中央部から延長された耳かけ部が形成されるようにした。図3のように内層と外層との間にフィルタ層を挿入し、マスクを得た。得られたマスクについて上記評価法に従い評価した。各物性値および評価結果を表1に示す。
[実施例2]
図5に示した設計に基づき、顔面側地組織に117dtex80fのナイロンとキュプラの混紡糸を、他方側地組織に84dtex36fのポリエチレンテレフタレートフィラメント糸を使用し、全厚1.5mm、編密度46コース/25.4mm、26ウェール/25.4mmの内層用のダブルラッセル編地を編成した。
第2の編糸の綿糸を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、外層用のダブルニット地を編成した。得られたダブルニット地は、編密度が95コース/25.4mm、49ウェール/25.4mmであり、伸長率が、経方向196%、緯方向241%であり、伸長回復率は、経方向93%、緯方向92%であった。
得られたダブルラッセル編地とダブルニット地を用いた以外は、実施例1と同様にしてマスクを得た。得られたマスクについて上記評価法に従い評価した。各物性値および評価結果を表1に示す。
[比較例1]
図6に示した設計に基づき、顔面側地組織に78dtex36fのナイロンフィラメント糸を、他方側地組織に78dtex36fのナイロンフィラメント糸を使用し、全厚1.5mm、編密度49コース/25.4mm、26ウェール/25.4mmの内層用のダブルラッセル編地を編成した。
得られたダブルラッセル編地を用いた以外は、実施例1と同様にしてマスクを得た。得られたマスクについて上記評価法に従い評価した。各物性値および評価結果を表1に示す。
[比較例2]
図7に示した設計に基づき、顔面側地組織に78dtex36fのナイロンフィラメント糸を、他方側地組織に84dtex36fのポリエチレンテレフタレートフィラメント糸を使用し、全厚2.7mm、編密度44コース/25.4mm、30ウェール/25.4mmの内層用のダブルラッセル編地を編成した。
78dtex36fのナイロンフィラメント糸を第1の編糸、22dtexのポリウレタン糸(オペロンテックス(株)製ライクラ(登録商標)T-127C、熱変形開始温度165℃)を第3の編糸として使用し、第2の編糸である綿糸を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、外層用のダブルニット地を編成した。得られたダブルニット地は、編密度80コース/25.4mm、60ウェール/25.4mmであり、伸長率が、経方向110%、緯方向150%であり、伸長回復率は、経方向85%、緯方向83%であった。
得られたダブルラッセル編地とダブルニット地を用いた以外は、実施例1と同様にしてマスクを得た。得られたマスクについて上記評価法に従い評価した。各物性値および評価結果を表1に示す。
Figure 2022061180000002
表1に示すように、実施例のマスクは、全ての性能で良好であった。これに対して、比較例のマスクは、いずれかの性能が不良であった。
1 マスク
2 マスク中央部
3 耳かけ部
4 内層
5 外層
6 フィルタ層
7 収納部

Claims (3)

  1. 顔面側の内層と、顔面と反対側の外層と、前記内層と前記外層の間に設置されるフィルタ層を備えるマスクであって、
    前記内層が、
    立体構造経編地であり、
    顔面側の地組織がナイロン系繊維、綿、レーヨン、キュプラの群から選択される繊維を主に含み、
    顔面の反対側の地組織がポリエステル系繊維を主に含み、
    少なくとも顔面側の面がメッシュ状であり、
    前記外層が、
    弾性糸と非弾性糸にてプレーティング編成されたダブルニット地であり、
    前記ダブルニット地を延長することで縫製することなく耳かけ部が形成され、
    フィルタ層が、
    不織布であり、脱着可能であるマスク。
  2. 前記ダブルニット地が、伸長率が180%以上、伸長回復率が92%以上である請求項1に記載のマスク。
  3. 前記ダブルニット地が、非弾性糸と熱変形開始温度が150~190℃の弾性糸からなる請求項1または請求項2に記載のマスク。
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