JP2022061121A - 積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】キズが抑制された、透明性、加工性に優れ、フィルムのヘイズの均一性に優れた積層フィルムを提供すること。【解決手段】基材層上の少なくとも片面に樹脂層を有する積層フィルムであって、前記樹脂層は熱硬化性樹脂を主成分として有し、前記樹脂層は1種類以上の無機粒子を含有し、前記樹脂層に含有する粒子の含有量が樹脂層全体に対して10~80重量%、平均粒子径が1~100nmであり、前記樹脂層に含有する全粒子のd90/d10が3.0以下である積層フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、基材層上の少なくとも片面に樹脂層を有する積層フィルムおよびその製造方法に関する。
熱可塑性樹脂フィルム、中でも二軸延伸ポリエステルフィルムは、機械的性質、電気的性質、寸法安定性、透明性、耐薬品性などに優れた性質を有するため、磁気記録材料、包装材料などの多くの用途において広く使用されている。特に近年は、タッチパネル、液晶ディスプレイパネル(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)、等の表示部材用途をはじめ、各種光学用フィルムに用いられている。
これらの光学用フィルムでは、ポリエステルフィルムの上に、屈折率の異なる層(以下、光学調整層)を積層した後、導電層を設け、導電フィルムとして用いられることが多い。ここで、一般的に光学調整層を積層する際には、ロール状に巻き取られた基材フィルムに、機能塗剤を塗布、硬化させた後、ロール状に巻き取る、いわゆるロールtoロールの形で加工が施される。また、導電層はロールフィルムに真空環境下におけるスパッタリングによって金属酸化物膜を形成することによって行われる。そのため、このような用途においては、フィルムロールの搬送時のキズ付きを防止するために、ポリエステルフィルム上に耐スクラッチ層が積層された積層フィルムが使用されている。
この積層フィルムとしては、耐スクラッチ層としてUV硬化性樹脂からなる層を積層したハードコートフィルムが用いられている。光学用途に用いる場合、透明性が要求されるため、透明性を向上させるために樹脂層の表面を平滑にすることが行われるが、樹脂層の表面を平滑にすると、フィルムロールにした際にブロッキング(貼り付き)が発生する。そのため、近年では耐ブロッキング性を有する積層フィルムが求められている。また、光学用途に用いられる積層フィルムには、耐スクラッチ性以外にも、常温下だけでなく、高温高湿下における基材との接着性、透明性なども求められている。また、ディスプレイ等の表面に用いられることが多いため、光学用途に用いられる積層フィルムには視認性や意匠性が要求されている。
かかる要求に対して、特許文献1では、ポリエステルフィルム上に酸化アルミニウム粒子を添加した積層フィルムが開示されている。
国際公開第2017/22765号パンフレット
しかしながら、上記した特許文献に記載された方法では無機粒子の凝集を抑制させるために高分子バインダーによる電気的中和を行うが、粒子の粒度分布については考慮されていないため、粒子径が平均粒子径よりもはるかに大きいものや小さいものが含まれることにより、電気的中性でない無機粒子が存在しやすくなり、該無機粒子が凝集を起こすことで光が散乱され、ヘイズの均一化を満足することができなかった。本発明は、キズが抑制された、透明性、加工性に優れ、フィルムのヘイズの均一性に優れた積層フィルムを提供することをその課題とする。
本発明により、上記課題を解決するために次のような手段を提供することができる。
[I]基材層上の少なくとも片面に樹脂層を有する積層フィルムであって、前記樹脂層は熱硬化性樹脂を主成分として有し、前記樹脂層は1種類以上の無機粒子を含有し、前記樹脂層に含有する粒子の含有量が樹脂層全体に対して10~80重量%、平均粒子径が1~100nmであり、前記樹脂層に含有する全粒子のd90/d10が3.0以下である積層フィルム。
[II]全ヘイズが2.0%以下かつ、ヘイズ斑が0.3%以下である[I]に記載の積層フィルム。
[III]前記無機粒子が酸化アルミニウム粒子および/または酸化ジルコニウム粒子である[I]または[II]に記載の積層フィルム。
[IV]前記樹脂層の厚みが0.1μm以上5.0μm以下である[I]~[III]のいずれかに記載の積層フィルム。
[V][I]~[IV]のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法であって、基材層上に塗料組成物を塗布した後に少なくとも一軸方向に延伸する工程を有し、前記塗料組成物は固形分濃度としてアクリル樹脂を20~90重量%、無機粒子を10~80重量%含有してなる積層フィルムの製造方法。
本発明は、キズが抑制された、透明性、加工性に優れ、フィルムのヘイズの均一性に優れた積層フィルムを提供することができる。
以下、本発明の積層フィルムについて詳細に説明する。
本発明は、基材層上の少なくとも片面に樹脂層を有する積層フィルムであって、前記樹脂層は熱硬化性樹脂を主成分として有し、前記樹脂層は1種類以上の無機粒子を含有し、前記樹脂層に含有する粒子の含有量が樹脂層全体に対して10~80重量%、平均粒子径が1~100nmであり、前記樹脂層に含有する全粒子のd90/d10が3.0以下である積層フィルムである。
本発明におけるd90/d10とは、積層フィルムの樹脂層の表面を走査電子顕微鏡(SEM)にて倍率30000倍で観察し、その画角に存在する100個の無機粒子の外径を100個の粒子を測定し、小さい方から10番目の粒子の外径d10で、90番目の粒子の外径をd90割ったものを表す。ここで外径とは、粒子の最大の径(つまり粒子の長径であり、粒子中の最も長い径を示す)を表し、内部に空洞を有する粒子の場合も同様に、粒子の最大の径を表す。
本発明の積層フィルムは、タッチパネル、保護フィルム、窓貼りフィルムなどに好適に使用することができる。その際、積層フィルムの樹脂層中の無機粒子が凝集すると光の散乱が起きることでヘイズ値の上昇やヘイズの斑などの問題が発生してしまう。d90/d10が3.0を超えると微小な粒子の凝集や粗大な粒子による光の散乱が発生し、ヘイズ値が上昇したり、ヘイズの斑が発生したりしてしまう。d90/d10が3.0以下であると上述したようなヘイズ値の上昇やヘイズの斑を抑制できる。より好ましくは2.5以下である。
また、無機粒子の数平均粒子径について説明する。ここで数平均粒子径とは、d90/d10と同様の手法で外径を測定した数平均粒子径である。
本発明の積層フィルムは、樹脂層に含有する無機粒子の数平均粒子径が1nm以上100nm以下であることが重要である。無機粒子の数平均粒子径が1nmよりも小さくなると、粒子同士のファンデルワールス力が増大し、粒子同士が凝集する結果、光の散乱が生じ、透明性が低下することがある。一方、該無機粒子の数平均粒子径が100nmよりも大きくなると、透明性の観点からは、光が散乱する起点となり透明性が悪化するといった可能性がある。また、塗膜内の無機粒子の充填が十分に進まず、耐スクラッチ性が低下したりすることがある。そのため、無機粒子は、数平均粒子径が5nm以上100nm以下であることが好ましい。好ましくは10nm以上80nm以下、より好ましくは20nm以上60nm以下である。
また、本発明では、樹脂層に含まれる無機粒子は、樹脂層全体に対して10~80重量部の範囲が好ましく、より好ましくは30~70重量部の範囲がより好ましい。上記範囲とすることで、透明性と耐スクラッチ性を両立することができる。
本発明の積層フィルムは、全ヘイズが2.0%以下かつ、ヘイズ斑が0.3%以下であることが好ましい。本発明においてヘイズ斑とは、後述する測定方法において求められる10サンプル測定した際のヘイズの最大値と最小値の差を表す。全ヘイズが2.0%以下であることで透明性の低下による視認性の低下を抑制することができる。ヘイズ斑を0.3%以下とすることで透明性の斑や局所的な光の散乱が少ないため大型の表示部材であっても視認性に優れた製品を提供できる。
本発明の積層フィルムは、樹脂層の厚みが0.1μm以上5.0μm以下であることが好ましい。樹脂層の厚みを上記の範囲とすることで耐スクラッチ性と透明性及び生産性のいずれにも優れた積層フィルムを提供することができる。より好ましくは0.5μm以上5.0μm以下である。
[アクリル樹脂]
本発明の積層フィルムにおいて、樹脂層はアクリル樹脂を含むことが好ましい。特に後述するアクリル樹脂(A)および/またはアクリル樹脂(F)、および/またはアクリル樹脂(G)を含むことが好ましい。アクリル樹脂(A)および/またはアクリル樹脂(F)、および/またはアクリル樹脂(G)を用いることで、透明性を維持しつつ、樹脂層表面の硬度を向上させることができる。その結果、積層フィルムの耐スクラッチ性を向上させることが可能となる。
本発明におけるアクリル樹脂(A)とは、分子内にアクリロイル基を有するモノマー成分(a)から構成される硬化組成物である。この中でもモノマー成分(a)は、分子内にアクリルロイル基を3つ以上有する多官能アクリレートであることが好ましい。多官能アクリレートとは、1分子中に3(より好ましくは4、更に好ましくは5以上)個以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体もしくはオリゴマーである。このような組成物としては、1分子中に3個以上のアルコール性水酸基を有する多価アルコールの該水酸基が3個以上の(メタ)アクリル酸のエステル化物となっている化合物などを挙げることができる。
具体的な例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサンメチレンジイソシアンートウレタンポリマーなどを用いることができる。これらの単量体は、1種または2種以上を混合して使用することができる。また、市販されている多官能アクリル系組成物としては三菱レーヨン株式会社;(商品名”ダイヤビーム”(登録商標)シリーズなど)、長瀬産業株式会社;(商品名”デナコール”(登録商標)シリーズなど)、新中村株式会社;(商品名”NKエステル”シリーズなど)、大日本インキ化学工業株式会社;(商品名”UNIDIC”(登録商標)など)、東亜合成化学工業株式会社;(”アロニックス”(登録商標)シリーズなど)、日本油脂株式会社;(”ブレンマー”(登録商標)シリーズなど)、日本化薬株式会社;(商品名”KAYARAD”(登録商標)シリーズなど)、共栄社化学株式会社;(商品名”ライトエステル”シリーズなど)などを挙げることができ、これらの製品を利用することができる。
発明では、アクリル樹脂(A)として、アミド結合を有するアクリルモノマー成分を用いて得られたアクリル樹脂(A)を用いると、耐スクラッチ性が特に向上するため好ましい。この理由として本発明者らは、以下のように推定している。大気中の酸素原子が存在する中で、アクリロイル基を有するアクリルモノマー成分を硬化させる場合は、アクリロイル基のラジカル重合反応は、大気中の酸素原子によって反応が阻害される場合があり、その結果、硬化が十分でなくなり、耐スクラッチ性が劣る場合がある。アクリロイル基を含むアクリルモノマー成分にアミド結合がある場合は、大気中の酸素原子は、高極性であるアミド結合と相互作用するため、大気中の酸素によるアクリロイル基のラジカル重合反応の硬化阻害が抑制され、その結果、アクリル樹脂の硬化が進み、耐スクラッチ性が特に向上すものと推定している。アミド結合を有するアクリルモノマー成分としては、例えば、下記(式1)で表される構造の化合物が挙げられる。
Figure 2022061121000001
本発明におけるアクリル樹脂(F)とは、(式2)で表されるモノマー単位(f3)を有する樹脂である。
Figure 2022061121000002
((式2)において、R3基は、水素原子またはメチル基を表す。また、R5基は、水酸基、カルボキシル基、3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、スルホン酸基、または、リン酸基を表す。)
(式2)におけるR5基が、水酸基、カルボキシル基、3級アミノ基、4級アンモニウム基、スルホン酸基、リン酸基、のいずれも有しないモノマー単位を有するアクリル樹脂を用いると、アクリル樹脂の水系溶媒中への相溶性が不十分となり、樹脂組成物中において、アクリル樹脂(F)が不均一に存在した結果、樹脂層の一部に耐スクラッチ性が劣る点が生じ、好ましくない。
また、後述す無機粒子(B)が凝集または沈降したり、乾燥工程において無機粒子(B)が凝集したりすることで、擦過した際の樹脂層への圧力が局所的に強くなる結果、樹脂層が破壊され、キズつきにつながることがある。
更に、かかる凝集体は、可視光の波長より大きいため、透明性の良好な積層フィルムを得ることができなくなる場合がある。本発明におけるアクリル樹脂(F)が、次の(式2)で表されるモノマー単位(f3)を有するためには、(式3)で表される(メタ)アクリレートモノマ(f3’)を原料として用い、重合することが必要である。
(式3)で表される(メタ)アクリレートモノマー(f3’)として次の化合物が例示される。
Figure 2022061121000003
水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2、3-ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物、あるいは、該モノエステル化物にε-カプロラプトンを開環重合した化合物などが挙げられ、特に2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。
カルボキシル基を有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸などのα、β-不飽和カルボン酸、あるいは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと酸無水物とのハーフエステル化物などが挙げられ、特にアクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
3級アミノ基含有モノマーとしては、N、N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N、N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N、N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、などのN、N-ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N、N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N、N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N、N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのN、N-ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられ、特にN、N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
4級アンモニウム塩基含有モノマーとしては、上記3級アミノ基含有モノマーにエピハロヒドリン、ハロゲン化ベンジル、ハロゲン化アルキルなどの4級化剤を作用させたものが好ましく、具体的には、2-(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド、2-(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムブロマイド、2-(メタクリロイオキシ)エチルトリメチルアンモニウムジメチルホスフェートなどの(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウム塩、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムブロマイドなどの(メタ)アクリロイルアミノアルキルトリアルキルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム(メタ)アクリレートなどのテトラアルキル(メタ)アクリレート、トリメチルベンジルアンモニウム(メタ)アクリレートなどのトリアルキルベンジルアンモニウム(メタ9アクリレートなどが挙げられ、特に2-(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライドが好ましい。
スルホン酸基含有モノマーとしては、ブチルアクリルアミドスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸などの(メタ)アクリルアミド-アルカンスルホン酸、あるいは、2-スルホエチル(メタ)アクリレートなどのスルホアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、特に2-スルホエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
リン酸基含有アクリルモノマーとしては、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、特にアシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
この中でも、特にアクリル樹脂(F)が、前記(式2)で表されるモノマー単位(f3)を有する樹脂であり、(式2)におけるR5基が、水酸基、カルボキシル基であることが、後述する無機粒子(B)と吸着力が高くなり、より強固な膜を形成でき、耐スクラッチ性が向上する点で好ましい。アクリル樹脂(F)を用いて、マクロ表面粗さが1nm以上50nm以下とする方法としては、アクリル樹脂がまだ未硬化の状態で樹脂層に延伸処理を施すことにより、微細な延伸ムラを与える方法が挙げられるが、このとき、樹脂層の厚みが300nm以上であることが重要である。上記厚みとすることで、微細な延伸ムラが適切な高さを発現し、アンチブロッキング性を向上させることができる。
本発明では、樹脂層中のアクリル樹脂の含有量は10~90重量%であることが好ましく、この範囲とすることで樹脂層の耐スクラッチ性を向上させることができる。
特に、アクリル樹脂としてアクリル樹脂(A)を用いる場合、アクリル樹脂(A)の含有量は、樹脂層全体に対して40重量%以上90重量%以下であることがより、好ましいく、樹脂層中のアクリル樹脂(A)の含有量は、40重量%以上80重量%以下が好ましく、より好ましくは45重量%以上70重量%以下である。
また、アクリル樹脂としてアクリル樹脂(F)を用いる場合、樹脂層中のアクリル樹脂(F)の含有量は、樹脂層全体に対して20重量%以上80重量%以下であることが好ましく、より好ましくは40重量%以上80重量%以下、更に好ましくは45重量%以上70重量%以下である。
なお、本発明において、樹脂層中の含有量とは、樹脂層を形成する樹脂組成物の固形分([(樹脂組成物の質量)-(溶媒の質量)])中の含有量を表す。
[無機粒子]
本発明の無機粒子(B)は酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素(シリカ)が好ましい。これらの中でも酸化アルミニウムはモース硬度が特に高いことから樹脂層の耐スクラッチ性が向上することからさらに好ましい。
本発明の無機粒子(B)は、無機粒子(B-1)とアクリロイル基を含む樹脂成分を結合させてなる組成物(B-2)であること、または無期粒子(B-1)の表面の一部または全部にアクリル樹脂(G)を有する組成物(B-3)であることが好ましい。ここでいう結合とは、共有結合または非共有結合(物理的吸着)であってもよい。
無機粒子(B-1)とアクリロイル基を含む樹脂成分を結合させてなる樹脂組成物(B-2)の例としては、無機粒子(B-1)とアクリロイル基を含む樹脂成分が結合(表面修飾)されていることが挙げられる。無機粒子(B-1)とアクリロイル基を含む樹脂成分が結合することで、樹脂層に力がかかった際の無機粒子の脱落を抑制することができ、耐スクラッチ性を向上させることができる。
無機粒子(B-1)とアクリロイル基を含む樹脂成分を結合させる具体的手法としては、アクリロイル基を含む樹脂成分がシラノール基を有する樹脂成分、あるいは加水分解によってシラノール基を生成する樹脂成分であることが好ましい。
次に、無機粒子(B)を含有する樹脂組成物(B-2)に含まれる、アクリロイル基を含む樹脂成分について説明する。アクリロイル基を含む樹脂成分は、アクリロイル基および加水分解性シリル基を有する化合物である。加水分解性シリル基とは、水と反応してシラノール基を生成するものであり、例えば、ケイ素に1以上のメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基などのアルコキシ基、アリールオキシ基、アセトキシ基、アミノ基、またはハロゲン原始が結合したものをさす。
無機粒子(B-1)とアクリロイル基を含む樹脂成分を結合させてなる粒子は、加水分解性シリル基を有するアクリロイル基を含む樹脂成分(B-2)を無機粒子(B-1)と混合し、加水分解させ、両者を結合させることによって得ることができる。このようにして得られた粒子はアクリル樹脂(A)と反応しているため、樹脂層が擦られた際に無機粒子が脱落しづらいため、耐スクラッチ性に優れるようになる。
無機粒子(B)を含有する樹脂組成物(B-2)に含まれる、無機粒子(B-1)とアクリロイル基を含む樹脂成分比率は、無機粒子(B-1)とアクリロイル基を含む樹脂成分を100重量部とした時に、アクリロイル基を含む樹脂成分(B-2)が0.1重量部以上50重量部以下であることが好ましい。該範囲とすることで、無機粒子が脱落することなく、耐スクラッチ性と透明性、アンチブロッキング性を両立することができる。アクリロイル基を含む樹脂成分が50重量部を超えると、樹脂層に含まれる無機粒子の密度が低下し、耐スクラッチ性が悪化する場合がある。
また、本発明の無機粒子(B-1)の表面の一部または全部にアクリル樹脂(G)を有する組成物(B-3)とは、無機粒子(B-1)表面の一部または全部に、前述したアクリル樹脂(G)を有する粒子であることが、好ましい。
ここでいうアクリル樹脂(G)とは(式4)で表されるモノマー単位(g1)と、(式5)で表されるモノマー単位(g2)を有する樹脂である。
Figure 2022061121000004
((式4)において、R1基は、水素原子またはメチル基を表す。またnは、9以上34以下の整数を表す。)。
Figure 2022061121000005
((式5)において、R2基は、水素原子またはメチル基を表す。また、R4基は、飽和の炭素環を2つ以上含む基を表す。)。
ここで、本発明におけるアクリル樹脂(G)は、(式4)で表されるモノマー単位(g1)を有する樹脂であることが好ましい。アクリル樹脂(G)が(式4)で表されるモノマー単位(g1)を有することで、樹脂層の表面エネルギーが低くなるため、擦過処理を施した際の樹脂層にかかる摩擦係数が小さくなり、耐スクラッチ性を向上させることができる。
また、(式4)において、nが9未満のモノマー単位を有するアクリル樹脂を用いると、水系溶媒(水系溶媒の詳細については、後述する。)中における無機粒子(B)の分散性が不安定となる。(式4)におけるnが9未満のモノマー単位を有するアクリル樹脂を用いると、樹脂組成物中において無機粒子(B)が凝集または沈降したり、乾燥工程において無機粒子(B)が凝集したりすることがある。その結果、積層フィルムの透明性が損なわれたり、スクラッチ性が劣ったり場合がある。一方、(式4)におけるnが34を越えるモノマー単位を有するアクリル樹脂は、水系溶媒への溶解性が著しく低いので、水系溶媒中においてアクリル樹脂の凝集が起こりやすくなる。かかる凝集体は、可視光の波長より大きいため、透明性の良好な積層フィルムを得ることができなくなる場合がある。
本発明におけるアクリル樹脂(G)が、(式4)で表されるモノマー単位(g1)を有するためには、次の(式6)で表される(メタ)アクリレートモノマー(g1’)を原料として用い、重合することが必要である。
該(メタ)アクリレートモノマー(g1’)としては、(式6)におけるnが9以上34以下の整数で表される(メタ)アクリレートモノマーが好ましく、より好ましくは11以上32以下の(メタ)アクリレートモノマー、更に好ましくは13以上30以下の(メタ)アクリレートモノマーである。
Figure 2022061121000006
(メタ)アクリレートモノマー(g1’)は、(式6)におけるnが9以上34以下である(メタ)アクリレートモノマーであれば特に制限されないが、具体的にはデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、1-メチルトリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート、テトラコシル(メタ)アクリレート、トリアコンチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、特にドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレートが好ましい。これらは1種で使用してもよく、2種以上の混合物を使用してもよい。
また、本発明におけるアクリル樹脂(G)は、前記(式5)で表されるモノマー単位(g2)を有する樹脂であることが好ましい。アクリル樹脂(G)が(式5)で表されるモノマー単位(g2)を有することで、飽和炭素環の立体障害の影響で樹脂層が剛直になり、耐スクラッチ性を向上させることができる。
また、(式5)において、飽和の炭素環を1つのみ含むモノマー単位を有するアクリル樹脂を用いると、立体障害としての機能が不十分となり、樹脂組成物中において無機粒子(B)が凝集または沈降したり、乾燥工程において無機粒子(B)が凝集したりすることがある。
かかる凝集体は、可視光の波長より大きいため、透明性の良好な積層フィルムを得ることができなくなる場合ある。本発明におけるアクリル樹脂(G)が、(式5)で表されるモノマー単位(g2)を有するためには、次の(式7)で表される(メタ)アクリレートモノマー(g2’)を原料として用い、重合することが必要である。
(式7)で表される(メタ)アクリレートモノマー(g2’)としては、架橋縮合環式(2つまたはそれ以上の環がそれぞれ2個の原子を共有して、結合した構造を有する)、スピロ環式(1個の炭素原子を共有して、2つの環状構造が結合した構造を有する)などの各種環状構造、具体的には、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ基などを有する化合物が例示でき、その中でも特にバインダーとの相溶性の観点から、ビシクロ基を含有する(メタ)アクリレートが好ましい。
Figure 2022061121000007
上記ビシクロ基を含有する(メタ)アクリレートとしては、イソボニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、ジシロクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、特にイソボニル(メタ)アクリレートが好ましい。
無機粒子(B-1)の表面にアクリル樹脂(G)を有することにより、樹脂層中の無機粒子(B-1)とアクリル樹脂(G)の界面接着が強固になることで、擦過処理を施した際の粒子脱落が抑制され、耐スクラッチ性に優れる。更には、乾燥過程における無機粒子(B)の凝集を抑制し、樹脂層のミクロ表面粗さ、およびマクロ表面粗さを所定の範囲とすることが可能となる。
なお、無機粒子(B-1)の製造方法は特に限定されるものではないが、無機粒子(B-1)をアクリル樹脂(G)で表面処理する方法などを挙げることができ、具体的には、以下の(i)~(iv)の方法が例示される。なお、本発明において、表面処理とは、無機粒子(B-1)の表面の全部または一部にアクリル樹脂(G)を吸着・付着させる処理をいう。
(i)無機粒子(B-1)とアクリル樹脂(F)をあらかじめ混合した混合物を溶媒中に添加した後、分散する方法。
(ii)溶媒中に、無機粒子(B-1)とアクリル樹脂(G)を順に添加して分散する方法。
(iii)溶媒中に、無機粒子(B-1)とアクリル樹脂(G)をあらかじめ分散し、得られた分散体を混合する方法。
(iv)溶媒中に、無機粒子(B-1)を分散した後、得られた分散体に、アクリル樹脂(G)を添加する方法。
これらのいずれの方法によっても目的とする効果を得ることができる。
また、分散を行う装置としては、ディゾルバー、ハイスピードミキサー、ホモミキサー、ミーダー、ボールミル、ロールミル、サンドミル、ペイントシェーカー、SCミル、アニュラー型ミル、ピン型ミル等が使用できる。
また、分散方法としては、上記装置を用いて、回転軸を周速5~15m/sで回転させる。回転時間は5~10時間である。
また、分散時に、ガラスビーズ等の分散ビーズを用いることが分散性を高める点でより好ましい。ビーズ径は、好ましくは0.05~0.5mm、より好ましくは0.08~0.5mm、特に好ましくは0.08~0.2mmである。
混合、攪拌する方法は、容器を手で振って行ったり、マグネチックスターラーや攪拌羽根を用いたり、超音波照射、振動分散などを行うことができる。
なお、無機粒子(B-1)の表面の全部または一部への、アクリル樹脂(G)の吸着・付着の有無は、次の分析方法により確認可能である。測定対象物(例えば、無機粒子(B-1)を含む組成物(B-3))を、日立卓上超遠心機(日立工機株式会社製:CS150NX)により遠心分離を行い(回転数3,0000rpm、分離時間30分)、無機粒子(B-1)(及び無機粒子(B-1)の表面に吸着したアクリル樹脂(G))を沈降させた後、上澄み液を除去し、沈降物を濃縮乾固する。濃縮乾固した沈降物をX線光電子分光法(XPS)により分析し、無機粒子(B-1)の表面におけるアクリル樹脂(F)の有無を確認する。無機粒子(B-1)の表面に、無機粒子(B-1)の合計100質量%に対して、アクリル樹脂(G)が1質量%以上存在することが確認された場合、無機粒子(B-1)の表面に、アクリル樹脂(G)が吸着・付着しているものとする。
本発明では、樹脂層(X)に含まれる無機粒子(B)は、アクリル樹脂(A)100重量部に対し、30~50重量部の範囲が好ましく、より好ましくは40~50重量部の範囲がより好ましい。上記範囲とすることで、透明性と耐スクラッチ性を両立することができる。
[基材層]
本発明の積層フィルムにおいて、基材層として用いられるポリエステル層(以下基材層として用いられるポリエステル層をポリエステルフィルムと呼ぶ場合がある)について述べる。まずポリエステルとは、エステル結合を主鎖に有する高分子の総称であって、エチレンテレフタレート、プロピレンテレフタレート、エチレン-2,6-ナフタレート、ブチレンテレフタレート、プロピレン-2,6-ナフタレート、エチレン-α,β-ビス(2-クロロフェノキシ)エタン-4,4’-ジカルボキシレートなどから選ばれた少なくとも1種の構成成分とするものを好ましく用いることができる。
上記ポリエステルを使用したポリエステルフィルムは、二軸配向されたものであるのが好ましい。二軸配向ポリエステルフィルムとは、一般に、未延伸状態のポリエステルシート又はフィルムを長手方向および長手方向に直行する幅方向に各々2.5~5倍程度延伸され、その後、熱処理を施されて、結晶配向が完了されたものであり、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。ポリエステルフィルムが二軸配向している場合には、熱安定性、特に寸法安定性や機械的強度が十分で、平面性も良好である。
また、ポリエステルフィルム中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機系易滑剤、顔料、染料、有機又は無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などがその特性を悪化させない程度に添加されていてもよい。
ポリエステルフィルムの厚みは特に限定されるものではなく、用途や種類に応じて適宜選択されるが、機械的強度、ハンドリング性などの点から、通常は好ましくは10~500μm、より好ましくは15~250μm、最も好ましくは20~200μmである。また、ポリエステルフィルムは、共押出しによる複合フィルムであってもよいし、得られたフィルムを各種の方法で貼り合わせたフィルムであっても良い。
[樹脂層の製造方法]
本発明の積層フィルムの樹脂層の製造方法について以下に例を示すが、以下に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す例により限定的に解釈されるべきものではない。
本発明の樹脂層は、アクリル樹脂(A)および、またはアクリル樹脂(F)の少なくとも1種から選ばれるアクリル樹脂と、無機粒子(B)を含むと、樹脂層の透明性、耐スクラッチ性、アンチブロッキング性に優れ、好ましい。
また、樹脂層中には、必要に応じて、(A)、(F)および(B)以外の他の化合物、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などのポリマー樹脂、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物、チタンキレートなどのチタネート系カップリング剤、メチロール化あるいはアルキロール化したメラミン化合物を含んでいてもよい。また、各種添加剤、例えば、有機系易滑剤、有機又は無機の微粒子、帯電防止剤などがその特性を悪化させない程度に添加されていてもよい。
特に(A)、(F)および(B)以外の他の化合物として、オキサゾリン化合物、およびまたはメラミン化合物が好ましく、特にメラミン化合物を含有することが好ましい。
メラミン系化合物としては、例えば、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化メラミン誘導体、メチロール化メラミンに低級アルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物、及びこれらの混合物などを用いることができる。具体的には、トリアジンとメチロール基を有する化合物が特に好ましい。またメラミン系化合物としては単量体、2量体以上の多量体からなる縮合物にいずれでもよく、これらの混合物でもよい。エーテル化に用いられる低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、イソブタノールなどを用いることができる。基としては、イミノ基、メチロール基、あるいはメトキシメチル基やブトキシメチル基等のアルコキシメチル基を1分子中に有するもので、イミノ基型メチル化メラミン樹脂、メチロール基型メラミン樹脂、メチロール基型メチル化メラミン樹脂、完全アルキル型メチル化メラミン樹脂などである。その中でもメチロール化メラミン樹脂が最も好ましい。更に、メラミン系化合物の熱硬化を促進するため、例えばp-トルエンスルホン酸などの酸性触媒を用いてもよい。
このようなメラミン系化合物用いると、メラミン系化合物の自己縮合による塗膜硬度アップによる耐スクラッチ性向上が見られるだけでなく、アクリル樹脂に含まれる水酸基やカルボン基とメラミン系化合物の反応が進行し、より強固な樹脂層を得ることができ、耐スクラッチ性に優れるフィルムを得ることができる。更には樹脂層中の無機粒子(B)の脱落抑制効果によって、アンチブロッキング性発現に必要な凹凸構造の凸部の削れを防止することができる。
[積層フィルムの製造方法]
本発明の積層フィルムの製造方法について以下に例を示して説明するが、以下に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す例により限定的に解釈されるべきものではない。
本発明の積層フィルムは、アクリル樹脂(A)を構成するアクリルモノマー(a)と、無機粒子(B)を含有する樹脂組成物(b)をポリエステルフィルム上へ塗布し、樹脂組成物が溶媒を含む場合には、溶媒を乾燥させることによって、ポリエステルフィルム上に樹脂層を形成することによって得ることができる。
また、アクリル樹脂(F)を構成するアクリルモノマー(f)と、無機粒子(B)を含有する樹脂組成物(b)をポリエステルフィルム上へ塗布し、樹脂組成物が溶媒を含む場合には、溶媒を乾燥させることによって、ポリエステルフィルム上に樹脂層を形成することによって得ることができる。
また本発明において、樹脂組成物に溶媒を含有せしめる場合は、溶媒として水系溶媒を用いることが好ましい。水系溶媒を用いることで、乾燥工程での溶媒の急激な蒸発を抑制でき、均一な組成物層を形成できるだけでなく、環境負荷の点で優れているためである。
ここで、水系溶媒とは、水、または水とメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類など水に可溶である有機溶媒が任意の比率で混合させているものを指す。
また、本発明において、水系溶媒を用いる場合には、アクリル樹脂(A)を構成するアクリルモノマー(a)やアクリル樹脂(F)を構成するアクリルモノマー(f)、無機粒子(B)を含有する樹脂組成物(b)を含有した水系塗剤を塗布することが好ましい。これは水系塗剤として塗布することで、有機溶媒系塗剤と比べ、溶媒が乾燥した状態において、水分散化剤もしくは乳化剤が塗膜表層に配列するため、上述したアクリロイル基のラジカル重合反応の硬化阻害が抑制され、樹脂層の厚みが薄膜でも耐スクラッチ性に優れるためである。
なお、アクリル樹脂(A)を構成するアクリルモノマー(a)や、無機粒子(B)を含有する樹脂組成物(b)を水系塗剤化する方法としては、アクリル樹脂(A)を構成するアクリルモノマー(a)や、無機粒子(B)を含有する樹脂組成物(b)にカルボン酸やスルホン酸といった親水基を含有せしめる方法や、乳化剤を用いてエマルジョン化する方法があげられる。
樹脂組成物のポリエステルフィルムへの塗布方法はインラインコート法であることが好ましい。インラインコート法とは、ポリエステルフィルムの製造の工程内で塗布を行う方法である。具体的には、ポリエステル樹脂を溶融押し出ししてから二軸延伸後熱処理して巻き上げるまでの任意の段階で塗布を行う方法を指し、通常は、溶融押出し後・急冷して得られる実質的に非晶状態の未延伸(未配向)ポリエステルフィルム(Aフィルム)、その後に長手方向に延伸された一軸延伸(一軸配向)ポリエステルフィルム(Bフィルム)、またはさらに幅方向に延伸された熱処理前の二軸延伸(二軸配向)ポリエステルフィルム(Cフィルム)の何れかのフィルムに塗布する。
本発明では、結晶配向が完了する前の上記Aフィルム、Bフィルム、の何れかのポリエステルフィルムに、樹脂組成物を塗布し、その後、ポリエステルフィルムを一軸方向又は二軸方向に延伸し、溶媒の沸点より高い温度で熱処理を施しポリエステルフィルムの結晶配向を完了させるとともに樹脂層を設ける方法を採用することが好ましい。この方法によれば、ポリエステルフィルムの製膜と、樹脂組成物の塗布乾燥(すなわち、樹脂層の形成)を同時に行うことができるために製造コスト上のメリットがある。また、塗布後に延伸を行うために樹脂層の厚みをより薄くすることが容易である。
中でも、長手方向に一軸延伸されたフィルム(Bフィルム)に、樹脂組成物を塗布し、その後、幅方向に延伸し、熱処理する方法が優れている。未延伸フィルムに塗布した後、二軸延伸する方法に比べ、延伸工程が1回少ないため、延伸による組成物層の欠陥や亀裂が発生しづらく、透明性や平滑性に優れた組成物層を形成できるためである。
本発明において該樹脂層は、上述した種々の利点から、インラインコート法により設けられることが好ましい。ここで、ポリエステルフィルムへの樹脂組成物の塗布方式は、公知の塗布方式、例えばバーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ブレードコート法等の任意の方式を用いることができる。
したがって、本発明において最良の樹脂層の形成方法は、水系溶媒を用いた樹脂組成物を、ポリエステルフィルム上にインラインコート法を用いて塗布し、乾燥、熱処理することによって形成する方法である。またより好ましくは、一軸延伸後のBフィルムに樹脂組成物をインラインコートする方法である。本発明の積層フィルムの製造方法において、乾燥は樹脂組成物の溶媒の除去を完了させるために、80~130℃の温度範囲で実施することができる。また、熱処理はポリエステルフィルムの結晶配向を完了させるとともに樹脂組成物の熱硬化を完了させ樹脂層の形成を完了させるために、160~240℃の温度範囲で実施することができる。
次に、本発明の積層フィルムの製造方法について、ポリエステルフィルムとしてポリエチレンテレフタレート(以下、PET)フィルムを用いた場合を例にして説明するが、これに限定されるものではない。まず、PETのペレットを十分に真空乾燥した後、押出機に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出し、冷却固化せしめて未延伸(未配向)PETフィルム(Aフィルム)を作製する。このフィルムを80~120℃に加熱したロールで長手方向に2.5~5.0倍延伸して一軸配向PETフィルム(Bフィルム)を得る。このBフィルムの片面に所定の濃度に調製した本発明の樹脂組成物を塗布する。
この時、塗布前にPETフィルムの塗布面にコロナ放電処理等の表面処理を行ってもよい。コロナ放電処理等の表面処理を行うことで、樹脂組成物のPETフィルムへの濡れ性が向上し、樹脂組成物のはじきを防止し、均一な塗布厚みの樹脂層を形成することができる。塗布後、PETフィルムの端部をクリップで把持して80~130℃の熱処理ゾーン(予熱ゾーン)へ導き、樹脂組成物の溶媒を乾燥させる。乾燥後幅方向に1.1~5.0倍延伸する。引き続き160~240℃の熱処理ゾーン(熱固定ゾーン)へ導き1~30秒間の熱処理を行い、結晶配向を完了させる。
この熱処理工程(熱固定工程)で、必要に応じて幅方向、あるいは長手方向に3~15%の弛緩処理を施してもよい。かくして得られた積層フィルムは透明性、耐スクラッチ性、アンチブロッキング性に優れた積層フィルムとなる。
なお、本発明の積層フィルムは、樹脂層とポリエステル層の間に中間層を設けても良いが、中間層を設ける場合は、中間層を積層したフィルムの巻き取り時や、その後の本発明の樹脂層を設けるまでの工程において、フィルムにキズがつく場合がある。そのため、本発明では、樹脂層とポリエステル層が直接積層されていることが好ましい。
以下、実施例に沿って本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。なお、諸特性は以下の方法により測定した。
(1)無機粒子の数平均粒子径、d90/d10
積層フィルムの樹脂層の表面を走査電子顕微鏡(SEM)にて倍率30000倍で観察し、その画角に存在する100個の無機粒子の外径を100個の粒子を測定し。100個の粒子の外径の平均を数平均粒子径、小さい方から10番目の粒子の外径をd10、小さい方から90番目の粒子の外径をd90とし、d90/d10を求めた。ここで外径とは、粒子の最大の径(つまり粒子の長径であり、粒子中の最も長い径を示す)を表し、内部に空洞を有する粒子の場合も同様に、粒子の最大の径を表す。
(2)ヘイズ(透明性)
常態(23℃、相対湿度65%)において、フィルムを2時間放置した後、スガ試験機(株)製全自動直読ヘイズコンピューター「HGM-2DP」を用いて行った。3回測定した平均を該サンプルのヘイズ値とした。
また、透明性はヘイズ値により、4段階評価を行った。Cは実用上問題のあるレベル、Bは実用レベルであり、AとSのものは良好とした。
S:0.6%以下
A:0.6%を超えて1.0%以下
B:1.0%を超えて2.0%以下
C:2.0%を超える。
また、10サンプル測定した際のヘイズの最大値と最小値の差により、ヘイズのばらつき(ヘイズ斑)を4段階で評価した。Cは実用上問題のあるレベル、Bは実用レベルであり、AとSのものは良好とした。
S:0.1%以下
A:0.1%を超えて0.2%以下
B:0.2%を超えて0.3%以下
C:0.3%を超える。
(3)耐スクラッチ性(耐キズ性)
スチールウール(ボンスター#0000、日本スチールウール(株)製)を荷重200g/cmで10往復擦過し、積層フィルムの表面における傷の発生の有無を目視で確認し、下記評価を実施した。
S:傷なし
A:傷1~5本
B:傷6~10本
C:傷11本以上。
(参考例1)酸化アルミニウム粒子(B)の表面にアクリル樹脂(G)を有する組成物(B-1)とアクリル樹脂(F)を含有するエマルジョン(EM-1)
攪拌機、温度計、還流冷却管の備わった通常のアクリル樹脂反応槽に、溶剤としてイソプロピルアルコール100部を仕込み、加熱攪拌して100℃に保持した。
この中に、(メタ)アクリレート(g’1)として、n=19のノナデシルメタクリレート50部、(メタ)アクリレート(g’2)として、2個の環を有するイソボニルメタクリレート50部を3時間かけて滴下した。そして、滴下終了後、100℃で1時間加熱し、次にt-ブチルパーオキシ2エチルヘキサエート1部からなる追加触媒混合液を仕込んだ。次いで、100℃で3時間加熱した後冷却し、アクリル樹脂(G)を得た。
また、 攪拌機、温度計、還流冷却管の備わった通常のアクリル樹脂反応槽に、溶剤としてイソプロピルアルコール100部を仕込み、加熱攪拌して100℃に保持した。この中に水酸基を有する(メタ)アクリレート(f’3)として、2-ヒドロキシエチルアクリレート40部、その他(メタ)アクリル酸エチル20部、メタクリル酸メチル20部を3時間かけて滴下した。そして、滴下終了後、100℃で1時間加熱し、次にt-ブチルパーオキシ2エチルヘキサエート1部からなる追加触媒混合液を仕込んだ。次いで、100℃で3時間加熱した後冷却し、アクリル樹脂(F)を得た。
水系溶媒中に、酸化アルミニウム粒子(B)(“NanoTek”Al2O3スラリー(シーアイ化成株式会社製 数平均粒子径36nm)と上記アクリル樹脂(G)を順に添加し、以下の方法で分散せしめ、その後アクリル樹脂(F)を添加し、粒子(B)、アクリル樹脂(G)、アクリル樹脂(F)の混合組成物(B-3)含有するエマルジョン(EM-1)を得た。(前記(ii)の方法。)
酸化アルミニウム粒子(B)およびアクリル樹脂(F)、アクリル樹脂(G)の添加量比(質量比)は、(B)/(F)/(G)=45/46/9とした(なお質量比は、小数点第1位を四捨五入して求めた)。分散処理は、ホモミキサーを用いて行い、周速10m/sで5時間回転させることによって行った。
なお、得られた組成物(B-1)を、日立卓上超遠心機(日立工機株式会社製:CS150NX)により遠心分離を行い(回転数3000rpm、分離時間30分)、酸化アルミニウム粒子(B)(及び酸化アルミニウム粒子(B)の表面に吸着したアクリル樹脂(F))を沈降させた後、上澄み液を除去し、沈降物を濃縮乾固させた。濃縮乾固した沈降物をX線光電子分光法(XPS)により分析した結果、酸化アルミニウム粒子(B)の表面にアクリル樹脂(F)が存在することが確認された。つまり、酸化アルミニウム粒子(B)の表面には、アクリル樹脂(F)が吸着・付着しており、得られた組成物(B-1)が酸化アルミニウム粒子(B)の表面にアクリル樹脂(F)を有する粒子に該当することが判明した。
(参考例2)酸化アルミニウム粒子(B)の表面にアクリル樹脂(G)を有する組成物(B-1)とアクリル樹脂(F)を含有するエマルジョン(EM-2)
酸化アルミニウム粒子(B)、アクリル樹脂(F)アクリル樹脂(G)の添加量比(質量比)を、(B)/(F)/(G)=10/88/2とした参考例1と同様の方法で、粒子(B)とアクリル樹脂(F)の混合組成物(B-1)含有するエマルジョン(EM-2)を得た。
(参考例3)酸化アルミニウム粒子(B)の表面にアクリル樹脂(G)を有する組成物(B-1)とアクリル樹脂(F)を含有するエマルジョン(EM-3)
酸化アルミニウム粒子(B)、アクリル樹脂(F)アクリル樹脂(G)の添加量比(質量比)を、(B)/(F)/(G)=80/4/16とした参考例1と同様の方法で、粒子(B)とアクリル樹脂(F)の混合組成物(B-1)含有するエマルジョン(EM-3)を得た。
(参考例4)酸化ジルコニウム粒子(B)の表面にアクリル樹脂(G)を有する組成物(B-2)とアクリル樹脂(F)を含有するエマルジョン(EM-4)
酸化ジルコニウム粒子(B)として、酸化ジルコニウム水分散体(堺化学製“SZR-GW”粒子径8nm)を使用した以外は、参考例1と同様の方法で、粒子(B)の表面にアクリル樹脂(G)を有する組成物(B)とアクリル樹脂(F)の混合組成物(B-2)含有するエマルジョン(EM-4)を得た。
(参考例5)酸化ケイ素粒子(B)の表面にアクリル樹脂(G)を有する組成物(B-2)とアクリル樹脂(F)を含有するエマルジョン(EM-5)
酸化ケイ素粒子(B)として、コロイダルシリカ水分散体(日産化学製“スノーテックOL”粒子径40nm)を使用した以外は、参考例1と同様の方法で、酸化ケイ素粒子(B)の表面にアクリル樹脂(G)を有する組成物(B)とアクリル樹脂(F)の混合組成物(B-2)含有するエマルジョン(EM-5)を得た。
(参考例6)酸化アルミニウム粒子(B)の表面にアクリル樹脂(G)を有する組成物(B-1)とアクリル樹脂(F)を含有するエマルジョン(EM-6)
酸化アルミニウム粒子(B)、アクリル樹脂(F)アクリル樹脂(G)の添加量比(質量比)を、(B)/(F)/(G)=5/1/94とした参考例1と同様の方法で、粒子(B)とアクリル樹脂(F)の混合組成物(B-1)含有するエマルジョン(EM-6)を得た。
なお、以下の実施例や比較例にて得られた積層フィルムの特性等を、表に示した。
(実施例1)
はじめに、樹脂組成物1を次の通り調製した。
(樹脂組成物)
水系溶媒に、上記のエマルジョンを表に記載の比率で混合し、樹脂組成物1を得た。
・酸化アルミニウム粒子(B)の表面にアクリル樹脂(G)を有する組成物(B-3)とアクリル樹脂(F)を含有するエマルジョン(EM-1):100重量部
(積層フィルム)
次いで、実質的に粒子を含有しないPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を充分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し285℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを90℃に加熱して長手方向に3.4倍延伸し、一軸延伸フィルム(Bフィルム)とした。次に樹脂組成物1を一軸延伸フィルムのコロナ放電処理面にバーコートを用いて塗布厚み約6μmで塗布した。樹脂組成物を塗布した一軸延伸フィルムの幅方向両端部をクリップで把持して予熱ゾーンに導き、雰囲気温度75℃とした後、引き続いてラジエーションヒーターを用いて雰囲気温度を110℃とし、次いで雰囲気温度を90℃として、樹脂組成物を乾燥させ、樹脂層を形成せしめた。引き続き連続的に120℃の加熱ゾーン(延伸ゾーン)で幅方向に3.5倍延伸し、続いて230℃の熱処理ゾーン(熱固定ゾーン)で20秒間熱処理を施し、結晶配向の完了した積層フィルムを得た。得られた積層フィルムにおいてPETフィルムの厚みは50μm、樹脂層の厚みは1.0μmであった。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。透明性、耐スクラッチ性、アンチブロッキング性、接着性に優れるものであった。
(実施例2)
塗液中の樹脂組成物を下記の通り変更した以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性などを表に示す。
・酸化アルミニウム粒子(B)の表面にアクリル樹脂(G)を有する組成物(B-3)とアクリル樹脂(F)を含有するエマルジョン(EM-2):100重量部
(実施例3)
塗液中の樹脂組成物を下記の通り変更した以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性などを表に示す。
・酸化アルミニウム粒子(B)の表面にアクリル樹脂(G)を有する組成物(B-3)とアクリル樹脂(F)を含有するエマルジョン(EM-3):100重量部
(実施例4、5)
無機粒子(B)の数平均粒子径を変更した以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性などを表に示す。
(実施例6、7)
d90/d10を変更した以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性などを表に示す。
(実施例8、9)
樹脂層の膜厚を変更した以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性などを表に示す。
(実施例10)
無機粒子(B)の樹脂種を変更した以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性などを表に示す。
酸化ジルコニウム粒子(B)の表面にアクリル樹脂(G)を有する組成物(B-2)とアクリル樹脂(F)を含有するエマルジョン(EM-4):100重量部
(実施例11)
無機粒子(B)の樹脂種を変更した以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性などを表に示す。
酸化ケイ素粒子(B)の表面にアクリル樹脂(G)を有する組成物(B-2)とアクリル樹脂(F)を含有するエマルジョン(EM-5):100重量部
(比較例1)
塗液中の樹脂組成物を下記の通り変更した以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性などを表に示す。
・酸化アルミニウム粒子(B)の表面にアクリル樹脂(G)を有する組成物(B-3)とアクリル樹脂(F)を含有するエマルジョン(EM-6):100重量部
(比較例2)
無機粒子(B)の数平均粒子径を変更した以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性などを表に示す。
(比較例3)
d90/d10を変更した以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性などを表に示す。
Figure 2022061121000008
本発明は、透明性、耐スクラッチ性、ヘイズの均一性に優れる積層フィルムであり、従来ディスプレイ用途に用いられるハードコートフィルムや、成形加飾用途に用いられるハードコートフィルムとして提供することができる。

Claims (5)

  1. 基材層上の少なくとも片面に樹脂層を有する積層フィルムであって、前記樹脂層は熱硬化性樹脂を主成分として有し、前記樹脂層は1種類以上の無機粒子を含有し、前記樹脂層に含有する粒子の含有量が樹脂層全体に対して10~80重量%、平均粒子径が1~100nmであり、前記樹脂層に含有する全粒子のd90/d10が3.0以下である積層フィルム。
  2. 全ヘイズが2.0%以下かつ、ヘイズ斑が0.3%以下である請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記無機粒子が酸化アルミニウム粒子および/または酸化ジルコニウム粒子である請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 前記樹脂層の厚みが0.1μm以上5.0μm以下である請求項1~3のいずれかに記載の積層フィルム。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法であって、基材層上に塗料組成物を塗布した後に少なくとも一軸方向に延伸する工程を有し、前記塗料組成物は固形分濃度としてアクリル樹脂を20~90重量%、無機粒子を10~80重量%含有してなる積層フィルムの製造方法。
JP2020168902A 2020-10-06 2020-10-06 積層フィルムおよびその製造方法 Pending JP2022061121A (ja)

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