JP2022060918A - フィルム搬送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロールツーロール搬送において低張力で搬送される基材の蛇行を問題無く修正することができるフィルム搬送装置を提供する。【解決手段】ロールツーロールでフィルム状の基材Wを搬送するフィルム搬送装置であり、少なくとも一部に基材Wを垂らして低張力で搬送する低張力搬送領域4を有し、低張力搬送領域4の終端部を形成する搬送ローラである位置修正ローラ5は、位置修正ローラ5の回転軸方向において搬送位置ずれなく基材Wが搬送される場合における基材Wの両端部の搬送位置である正常両端位置に基材Wを吸引保持する吸引孔57を有し、吸引孔57は位置修正ローラ5の内部で連通しており、共通の真空源により吸引力が供給され、基材Wの搬送位置ずれによって基材Wが一方の吸引孔57から外れた時のもう一方側の吸引孔57による基材Wの吸引力は、低張力搬送領域4の基材Wの自重に起因する張力よりも弱い。【選択図】図2

Description

本発明は、フィルムをロールツーロールで搬送するフィルム搬送装置に関するものである。
従来、回路パターンを形成するために、スパッタリング、CVD、フォトリソグラフィー等の技術が知られていたが、近年、低コスト、省エネ、省資源に貢献するために、各種の印刷技術を用いた回路パターンの形成技術(プリンテッドエレクトロニクス)が注目されている。中でも、金属インクをインクジェットノズルから基材に滴下して回路パターンを形成した後、絶縁層をインクジェットノズルから基材に滴下し、さらにその上に金属インクをインクジェットノズルから基材に滴下して回路パターンを形成するようにして、多層の回路パターンを形成する技術が開発されている。
また、長尺フィルムに塗液を塗布するためには、生産効率の観点から長尺フィルムをロールツーロール搬送して連続的に塗布することがよく行われている。
特許文献1には、ロールツーロールで搬送されるフィルムへの塗布および乾燥を連続して実施する製造装置が記載されている。
特許文献1:特開2005-030682号公報
しかしながら、上記特許文献1の構成の製造装置では、フィルム上の塗液の乾燥後の熱変形に生じる蛇行が原因でフィルムをきれいに巻き取ることができない、または搬送ローラからフィルムが逸脱するという問題があった。ここで、フィルムの蛇行への対応では、たとえば蛇行によるフィルムの幅方向の位置ずれを検知して搬送ローラの位置を調節する、いわゆるEPC(Edge Position Control)の手法がとられることが多い。一方、フィルムの乾燥直後は、引っ張りによるフィルムの変形を回避するために垂れが生じるほどの低張力でフィルムは搬送され、そのような低張力状態のフィルムにEPCを実施しても蛇行によるフィルムの傾斜までは矯正することができず、フィルムの位置ずれは継続して進行するというおそれがあった。
本発明は、上記問題点を鑑み、ロールツーロール搬送において低張力で搬送される基材の蛇行を問題無く修正することができるフィルム搬送装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明のフィルム搬送装置は、ロールツーロールでフィルム状の基材を搬送するフィルム搬送装置であり、少なくとも一部に基材を垂らして低張力で搬送する低張力搬送領域を有し、前記低張力搬送領域の終端部を形成する搬送ローラである位置修正ローラは、当該位置修正ローラの回転軸方向において搬送位置ずれなく基材が搬送される場合における基材の両端部の搬送位置である正常両端位置に基材を吸引保持する吸引孔を有し、当該吸引孔は前記位置修正ローラの内部で連通しており、共通の真空源により吸引力が供給され、基材の搬送位置ずれによって基材が一方の前記吸引孔から外れた時のもう一方側の前記吸引孔による基材の吸引力は、前記低張力搬送領域の基材の自重に起因する張力よりも弱いことを特徴としている。
本発明のフィルム搬送装置によれば、低張力で搬送される基材の蛇行を問題無く修正することができる。具体的には、位置修正ローラにおいて基材の搬送位置に許容範囲を超えるずれが生じた場合に基材の吸引力が減少し、基材の自重による張力によって基材の搬送位置が正常な搬送位置に修正されるため、位置修正ローラの下流側で問題無く基材の巻き取りを行うことができる。
また、前記位置修正ローラは、所定箇所に前記真空源による吸引力が与えられているコア部と、基材と接触する部分であって当該コア部が内挿される空間を備えたシェル部と、を有し、基材を搬送する際に前記コア部は回転せずに前記シェル部のみが回転し、前記シェル部の前記正常両端位置には全周にわたって外周面と内周面とを連通させる前記吸引孔が断続的に設けられ、前記コア部は、前記正常両端位置において前記シェル部において基材が接する位置と対向する位置にのみ吸引力が生じていると良い。
こうすることにより、幅方向両側の吸引孔を基材が覆う場合とそうでない場合との吸引力の差を大きくすることが可能であり、搬送ずれが生じた際に基材の自重による張力によって基材の搬送位置を正常な搬送位置に修正する効果を容易に得ることができる。
また、基材の搬送位置ずれによって基材が一方の前記吸引孔から外れた場合に、再び両側の前記吸引孔で基材を吸引する状態となるまで、前記位置修正ローラより下流側での基材の巻き取りが停止すると良い。
こうすることにより、基材の巻き取りが行われている状態における巻き取りロール近傍の基材の張力を一定に保つことができるため、よりきれいに基材を巻き取ることができる。
また、前記位置修正ローラは、回転軸方向の略中央部に気体を噴出させる噴出孔を有していると良い。
こうすることにより、基材の搬送位置ずれが生じた際により確実に基材を位置修正ローラから剥がすことができる。
本発明のフィルム搬送装置により、ロールツーロール搬送において低張力で搬送される基材の蛇行を問題無く修正することができる。
本発明の一実施形態におけるフィルム搬送装置を備える塗布装置を説明する図である。 本実施形態における位置修正ローラを表す図である。 位置修正ローラによって基材の搬送位置が修正される過程を示す図である。 本発明の他の実施形態における位置修正ローラを表す図である。 本発明の他の実施形態における位置修正ローラを表す図である。
本発明の一実施形態におけるフィルム搬送装置を備える塗布装置について、図1を用いて説明する。
塗布装置100は、基材WにTFT回路パターンなどの印刷を行うものであり、フィルム搬送装置1による基材Wの搬送経路上に塗布部10および乾燥部20が配置される。フィルム搬送装置1は、ロールツーロール方式により帯状の基材Wを所定の方向に搬送するものであり、送り出しロール2、巻き取りロール3を有し、送り出しロール2から送り出された基材Wが巻き取りロール3で巻き取られることにより搬送される。この塗布装置100では、送り出しロール2から送り出された基材Wが巻き取りロール3で巻き取られるまでに塗布部10における塗液の塗布および乾燥部20による塗液の乾燥が実施される。これにより、所定の回路パターンが印刷された基材Wを得ることができるようになっている。
また、乾燥部20のすぐ下流側には基材Wに垂れを形成して搬送する低張力搬送領域4が設けられている。この低張力搬送領域4の終端部には位置修正ローラ5が設けられており、蛇行による基材Wの幅方向(短手方向)における基材Wの位置ずれが生じた場合、修正する。
なお、本説明では、鉛直方向をZ軸方向、水平方向のうち基材Wの幅方向をY軸方向と呼び、水平方向においてY軸方向と直交する方向、すなわち基材Wの搬送方向をX軸方向と呼ぶ。
塗布部10は、送り出しロール2と巻き取りロール3による基材Wの搬送経路上に位置し、基材Wに塗液を塗布するものであり、本実施形態では、インクジェット法によって所定のパターンの形状(たとえばTFT回路パターンの形状)にしたがって塗液の液滴が吐出されることにより、基材Wの上面(塗布面)に所定の塗布パターンが形成される。
塗布部10は、吸着ステージ11、塗布ヘッド12、および撮像部13を有している。
吸着ステージ11は基材Wを吸着固定するものであり、基材Wと対向する面は、略平坦であり複数の吸引孔の開口部を有している。この吸引孔は、真空ポンプなどの図示しない減圧手段と接続されている。この減圧手段が動作することにより、吸引孔から気体が吸引され、基材Wが吸着固定される。
塗布ヘッド12は、インクジェット法により塗液を吐出するものであり、基材Wと対向する面は、略平坦であり複数の吐出孔の開口部を有している。この吐出孔は、塗液が貯蔵された図示しないタンクと配管を経由して接続されており、各吐出孔に塗液が充填される。
また、各吐出孔にはピエゾアクチュエータから構成される駆動隔壁が備えられており、図示しない制御部からの命令によって駆動隔壁が動作することによって、吐出孔の開口部から液滴が吐出される。
そして、吸着ステージ11によって固定された基材Wの上方を図示しない移動手段によって塗布ヘッド12がX軸方向およびY軸方向に移動しながら液滴の吐出を行うことにより、塗布パターンが基材W上に形成される。
撮像部13は、本実施形態では1つもしくは複数のCCDカメラであり、X軸方向およびY軸方向に撮像部13を移動させる図示しない移動手段に取り付けられている。
この撮像部13によって、吸着ステージ11によって固定された基材Wの塗布面に形成されている特徴的なマーク(アライメントマーク)を撮像し、図示しない制御部がこのアライメントマークの座標を解析する。たとえば、吸着ステージ11によって固定された基材W上の4つのアライメントマークの座標が解析されることによって、制御部は基材Wの位置を把握することができる。
ロールツーロールで搬送される基材Wは必ずしも所定の方向に精度良く搬送されるとは限らず、少なからず蛇行をともなって搬送される。そのため、基材Wは吸着ステージ11によって固定された際に所定の位置からずれて固定される可能性もあるが、撮像部13による撮像結果をもとにアライメントマークの座標が解析されることによって、基材Wの固定位置のずれを把握することができる。
そして、塗布ヘッド12が塗液を塗布する前に基材Wの固定位置のずれが把握され、たとえば塗布座標が補正されるといったように塗布動作に反映されることにより、仮に基材Wが蛇行していても基材Wの塗布面に位置精度良く塗布パターンが形成される。
乾燥部20は、基材Wの搬送経路において塗布部10よりも下流側に位置し、熱風により基材W上の塗布パターンを加熱乾燥するものであり、乾燥炉21、およびコンベア22を有する。
乾燥炉21は、基材Wが通過する空間を内部に備え、また、基材Wの入口および出口となる開口を有する箱状の装置である。乾燥炉21の内部空間を形成する面であり基材Wの上面と対向する面には、熱風を吹き出す複数の通風孔が設けられており、基材Wの塗布パターンが形成されている塗布面に対し、図1乃至4に矢印で示すように熱風を吹きつける。これにより塗布パターン内の溶剤の揮発が促進され、塗布パターンが乾燥、硬化する。
ここで、基材Wの長尺方向にわたって乾燥炉21による乾燥および熱によるフィルムの変形ムラが生じることを防止するために、乾燥炉21内では基材Wは一定速度で搬送されている。これにより、基材Wの全体にわたって熱風が当たる時間は均一となる。
また、塗布部10では上記の通り基材Wを吸着固定して塗液の塗布を行うのに対し、乾燥部20では基材Wを一定速度で搬送する必要があるため、塗布部10と乾燥部20との間には基材Wによるバッファ23が形成されている。そして、塗布部10側で基材Wの搬送が停止されている際は、このバッファ23を形成している基材Wが乾燥部20側へ一定速度で送られる。
なお、本実施形態では乾燥炉21では基材Wに熱風を当てているが、熱風により基材Wのばたつきが生じる場合には、熱風に代え、赤外線を基材Wに照射する乾燥手段であっても良い。
なお、このように基材Wを加熱した際、基材Wは熱変形により大きく蛇行する可能性がある。
コンベア22は、乾燥炉21内で基材Wを支持して水平方向に低張力で搬送するものである。
基材Wが張った(過度の張力がかかった)状態で加熱されると、基材Wの軟化にともなって伸びるように変形する。そこで、乾燥炉21内では可能な限り低張力で基材Wを保持する必要があり、本実施形態では図1に示すように基材Wの下面をコンベア22で支持することにより基材Wを低張力の状態で搬送する。なお、空冷、自然冷却などによって乾燥部20の下流側で基材Wの温度が所定の温度まで下がりきるまでは、基材Wが変形するおそれがある状態は続く。
フィルム搬送装置1は、前述の通り送り出しロール2、巻き取りロール3、および位置修正ローラ5を有している。
送り出しロール2は、基材Wを下流側に供給するためのものである。送り出しロール2は、図示しない制御装置により回転を駆動制御されることにより、基材Wを所定の速度で送り出すことができるようになっている。
ここで、基材Wは、帯状に形成されたフィルムであり、例えば、透明のPETフィルムなどが用いられる。
巻き取りロール3は、供給された基材Wを巻き取るものである。巻き取りロール3は、送り出しロール2と同様に、図示しない制御装置により回転を駆動制御されることにより基材Wに所定の張力をかけつつ基材Wを巻き取ることができるようになっている。
また、本実施形態のように送り出しロール2と巻き取りロール3の間の基材Wの搬送経路に乾燥部20が配置されている場合、乾燥部20から排出された基材Wは軟化しており、しばらくの間は引っ張りによって変形する可能性が高いため、乾燥部20の直後の搬送経路では低張力で基材Wを搬送する必要がある。そのため、本実施形態では乾燥部20のすぐ下流側では基材Wは垂れが形成されるほどの低張力で搬送されており、この部分を本説明では低張力搬送領域4と呼ぶ。なお、この低張力搬送領域4の範囲では基材Wを低張力で搬送できれば足り、垂れの程度に特に制限は無い。
図1においてハッチングを施して図示している位置修正ローラ5は、低張力搬送領域4の終端部を形成し、外周面の所定位置に吸引孔を有し、基材Wを吸引保持しながら回転し、基材Wを下流側へ送る。このように位置修正ローラ5が基材Wを吸引保持することにより、位置修正ローラ5の上流側と下流側とで張力が縁切りされ、そのため、上流側と下流側とで独立して張力を設定することができる。
本実施形態における位置修正ローラ5の形態の詳細を図2に示す。
本実施形態における位置修正ローラ5は、コア部51とシェル部52とを有しており、コア部51がシェル部52に内挿されている。コア部51の詳細を図2(a)に、シェル部52の詳細を図2(b)に、コア部51がシェル部52に内挿された状態を図2(c)に示す。
コア部51は、本実施形態では図2(a)に示す通り位置修正ローラ5における基材Wの幅方向(Y軸方向)を中心軸方向とする略円柱状の中空の物体であり、中空空間であるマニホールド53を有している。また、コア部51の側面においてマニホールド53に真空配管54が連結されており、真空配管54に接続されている図示しない真空源が動作することによってマニホールド53が負圧にされる。
また、コア部51の所定箇所には、コア部51の外周面とマニホールド53とを連通する開口部55が設けられており、上記の真空源が動作し、マニホールド53が負圧になることによって開口部55において吸引力が生じる。また、この吸引力は、真空配管54に備えられた図示しない調節弁により、調節可能である。
シェル部52は、本実施形態では図2(b)に示す通り略円筒状の物体であり、その内周面の径はコア部51の外周面の径よりわずかに大きく、シェル部52の内周面にコア部51を内挿することが可能となっている。なお、本説明では、シェル部52におけるコア部51を内挿する空間を内挿空間56と呼ぶ。
また、シェル部52の所定箇所には、外周面と内周面とを連通させる貫通孔である吸引孔57がシェル部52の全周にわたって断続的に設けられている。本実施形態では、図2(b)に示す通り、丸穴である吸引孔57が一定間隔でシェル部52の全周にわたって設けられている。
このシェル部52にコア部51を内挿した形態を図2(c)に示す。本実施形態では、コア部51を内挿しシェル部52が幅方向(Y軸方向)に位置ずれすることを防ぐため、コア部51もしくはシェル部52の両端部にエンドプレート58が取り付けられている。
シェル部52にコア部51が内挿された状態において、コア部51の開口部55とシェル部52の吸引孔57の配置されている位置は、幅方向(Y軸方向)において一致している。そのため、シェル部52の全周にわたって設けられた複数の吸引孔57のうち一部の吸引孔57は、コア部51の開口部55と連通する。そのとき、開口部55と連通する吸引孔57は、開口部55を介してマニホールド53と連通することとなる。
ここで、真空源が作動することによってマニホールド53が減圧されると、コア部51の開口部55と連通している吸引孔57のみがシェル部52の表面において吸引力を生じさせる。また、マニホールド53はコア部51の内部に一つのみ設けられており、全ての吸引孔57は同一のマニホールド53と連通する。そのため、全ての吸引孔57は共通の真空源により吸引力が供給されると同時に、マニホールド53を介して全ての吸引孔57が連通する。
ここで、位置修正ローラ5は、回転することによって基材Wを下流側へ送って搬送するが、コア部51はフィルム搬送装置1に固定されて回転しないように構成されており、コア部51を取り囲むシェル部52のみが回転する。すなわち、コア部51の開口部55の位置は、フィルム搬送装置1において不変である。そして、基材Wを搬送する状態においてシェル部52が基材Wと接する位置とシェル部52を介して対向する位置に開口部55が位置することによって、基材Wと接する吸引孔57(図2(c)における吸引孔57a乃至57c)にのみ吸引力を生じさせることができる。
また、このような位置関係にあるコア部51の開口部55とシェル部52の吸引孔57の幅方向(Y軸方向)の位置は、図2(c)に二点鎖線で示した、基材Wの所定の搬送位置における基材Wの両端部の少し内側である。この所定の搬送位置とは、基材Wが幅方向(すなわち位置修正ローラ5の回転軸方向)において位置ずれなく搬送される場合の基材Wの搬送位置であり、本説明では正常両端位置と呼ぶ。
以上の構成のフィルム搬送装置1、特に位置修正ローラ5の効果について、図3を用いて以下の通り説明する。
図3は、位置修正ローラ5によって基材Wの搬送位置が修正される過程を示す図であり、図3(a)は基材Wの異常搬送が生じている状態を表しており、図3(b)は正常搬送状態に戻された状態を表している。
基材Wの搬送位置のずれ量が許容範囲を超えて異常搬送状態となった場合、図3(a)に示す通り、正常両端位置に配置された一組の吸引孔57のうち一方は基材Wから外れてしまう。そのため、この吸引孔57(図3(a)に示す吸引孔57d)ではリークが生じる。
ここで、本発明の位置修正ローラ5では両側の吸引孔57が共通のマニホールド53を介して連通しているため、基材Wに覆われて基材Wを吸引している方の吸引孔57(図3(a)に示す吸引孔57e)の吸引力は吸引孔57dにおけるリークにともなって弱まってしまう。
このとき、図3(a)のように一方の吸引孔57(吸引孔57d)でリークが生じた際のもう一方の吸引孔(吸引孔57e)における基材Wの吸引力が位置修正ローラ5の上流側である低張力搬送領域4における基材Wの自重による張力よりも弱くなるように、真空源による減圧力が調整されている場合には、図3(a)に矢印で示すように、基材Wの自重による張力の影響で基材Wは吸引孔57eによる基材Wの吸引を打ち破って搬送経路の幅方向中央へ移動しうる。
このように基材Wの自重による張力の影響で基材Wが搬送経路の幅方向中央へ移動した結果、図3(b)のように正常搬送状態に戻されると、両側の吸引孔57(吸引孔57d、吸引孔57e)で基材Wを吸引し、リークが無くなる。この時の基材Wの吸引力が低張力搬送領域4における基材Wの自重による張力よりも強ければ、設定通りの張力で基材Wを下流側へ搬送することができる。
以上の通り、位置修正ローラ5において基材Wの搬送位置に許容範囲を超えるずれが生じた場合に基材Wの吸引力が減少し、基材Wの自重による張力によって基材Wの搬送位置が正常な搬送位置に修正されるため、位置修正ローラ5の下流側で問題無く基材Wの巻き取りを行うことができる。
また、位置修正ローラ5が上記の通りコア部51とシェル部52とで形成されていることにより、基材Wを吸引保持している吸引孔57以外の吸引孔57からのリークを生じさせないことが可能であるため、幅方向両側の吸引孔57を基材Wが覆う場合とそうでない場合との吸引力の差を大きくすることが可能であり、搬送ずれが生じた際に基材Wの自重による張力によって基材Wの搬送位置を正常な搬送位置に修正する効果を容易に得ることができる。
ここで、基材Wの搬送位置ずれによって基材Wが一方の吸引孔57から外れた場合に、再び両側の吸引孔57で基材Wを吸引する状態となるまで、位置修正ローラ5より下流側での基材Wの巻き取りが停止すると良い。具体的には、マニホールド53の圧力を測定する図示しない圧力センサなどが設けられ、この測定された圧力値が所定の範囲内である場合にのみ巻き取りロール3の動作するようにすると良く、基材Wが一方の吸引孔57から外れ、リークが生じてマニホールド53の圧力が高くなっている間は巻き取りロール3の動作が停止するようにすると良い。
基材Wが一方の吸引孔57から外れ、リークが生じている間は、位置修正ローラ5の下流側でも張力が不安定になる可能性があるため、その間は巻き取りロール3の動作が停止することにより、基材Wの巻き取りが行われている状態における巻き取りロール3近傍の基材Wの張力を一定に保つことができるため、よりきれいに基材Wを巻き取ることができる。
以上のフィルム搬送装置により、ロールツーロール搬送において低張力で搬送される基材の蛇行を問題無く修正することが可能である。
ここで、本発明のフィルム搬送装置は、以上で説明した形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。たとえば、上記の説明では、シェル部52は円筒状であり、内挿空間56はシェル部52の両端で開放されているが、それに限らず、シェル部52の一方の端部は閉じていても良い。
また、上記の説明では、位置修正ローラ5は基材Wを吸着するのみであったが、図4(a)に示すようにシェル部52の回転軸方向の略中央部に全周にわたって噴出孔62を備え、マニホールド53内に挿通された圧空配管61を経由して噴出孔62から気体を噴出させても良い。これにより、基材Wの搬送位置ずれが生じた際により確実に基材Wを位置修正ローラ5から剥がすことができる。また、図4(b)に示すようにシェル部52の回転面において両側の吸引孔57の間の位置に溝(凹部)63が設けられ、基材Wの搬送位置ずれが生じた際に位置修正ローラ5から基材Wが剥がれる現象を溝63に供給される空気が促進させるようにしても良い。
また、上記の説明では位置修正ローラ5はコア部51がシェル部52に内挿された形態となっているが、図5に示す通り位置修正ローラ5が真空配管72に接続された1つの中空のロール体71であっても良い。この形態であっても、正常両端位置にあたる部分に全周にわたって吸引孔73が断続的に設けられていることにより、正常搬送時は基材Wの両端側の吸引孔73で基材Wを吸引し、異常搬送時には少なくとも一方の吸引孔73がリークする形態となり、図2および図4に示した形態の位置修正ローラ5よりも構成は簡単となる。ただし、正常搬送時であっても、位置修正ローラ5上の吸引孔73のうち基材Wと対向している吸引孔73a乃至73c以外の吸引孔73では常にリークが生じているため、正常搬送時と異常搬送時の吸引力に大きな差が生じにくい。そのため、この点を考慮すると、図2および図4に示した形態の方が好ましい。
1 フィルム搬送装置
2 送り出しロール
3 巻き取りロール
4 低張力搬送領域
5 位置修正ローラ
10 塗布部
11 吸着ステージ
12 塗布ヘッド
13 撮像部
20 乾燥部
21 乾燥炉
22 コンベア
23 バッファ
51 コア部
52 シェル部
53 マニホールド
54 真空配管
55 開口部
56 内挿空間
57 吸引孔
57a 吸引孔
57b 吸引孔
57c 吸引孔
57d 吸引孔
57e 吸引孔
58 エンドプレート
61 圧空配管
62 噴出孔
63 溝
71 ロール体
72 真空配管
73 吸引孔
73a 吸引孔
73b 吸引孔
73c 吸引孔
W 基材

Claims (4)

  1. ロールツーロールでフィルム状の基材を搬送するフィルム搬送装置であり、
    少なくとも一部に基材を垂らして低張力で搬送する低張力搬送領域を有し、
    前記低張力搬送領域の終端部を形成する搬送ローラである位置修正ローラは、当該位置修正ローラの回転軸方向において搬送位置ずれなく基材が搬送される場合における基材の両端部の搬送位置である正常両端位置に基材を吸引保持する吸引孔を有し、当該吸引孔は前記位置修正ローラの内部で連通しており、共通の真空源により吸引力が供給され、
    基材の搬送位置ずれによって基材が一方の前記吸引孔から外れた時のもう一方側の前記吸引孔による基材の吸引力は、前記低張力搬送領域の基材の自重に起因する張力よりも弱いことを特徴とする、フィルム搬送装置。
  2. 前記位置修正ローラは、
    所定箇所に前記真空源による吸引力が与えられているコア部と、基材と接触する部分であって当該コア部が内挿される空間を備えたシェル部と、を有し、
    基材を搬送する際に前記コア部は回転せずに前記シェル部のみが回転し、
    前記シェル部の前記正常両端位置には全周にわたって外周面と内周面とを連通させる前記吸引孔が断続的に設けられ、
    前記コア部は、前記正常両端位置において前記シェル部において基材が接する位置と対向する位置にのみ吸引力が生じていることを特徴とする、請求項1に記載のフィルム搬送装置。
  3. 基材の搬送位置ずれによって基材が一方の前記吸引孔から外れた場合に、再び両側の前記吸引孔で基材を吸引する状態となるまで、前記位置修正ローラより下流側での基材の巻き取りが停止することを特徴とする、請求項1もしくは2のいずれかに記載のフィルム搬送装置。
  4. 前記位置修正ローラは、回転軸方向の略中央部に気体を噴出させる噴出孔を有していることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のフィルム搬送装置。
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