JP2022059678A - 感光性樹脂組成物及びめっき方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レジストパターン形成やめっき工程において、微細なラインやドットが基材上に安定して保持され、かつ感光性樹脂層の非露光部分が現像液で基板上から完全に除去できる感光性樹脂組成物及び該感光性樹脂組成物を用いためっき方法を提供する。【解決手段】(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)光重合開始剤及び(C)メタクリレートモノマーを含有し、(C)メタクリレートモノマーとして、10~20質量%の(C1)エチレンオキサイド変性ジメタクリレート(一般式(i)で示され、l=16~30)、65~80質量%の(C2)エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジメタクリレート及び5~20質量%の(C3)トリメチロールプロパントリメタクリレートを含有する感光性樹脂組成物及び該感光性樹脂組成物を用いためっき方法。JPEG2022059678000006.jpg35111【選択図】なし
Description
本発明は、感光性樹脂組成物及び該感光性樹脂組成物を用いためっき方法に関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化に伴い、プリント配線板、メタルマスク等におけるパターンの微細化が進められている。そのため、プリント配線板の導体回路作製又はメタルマスクの作製において、感光性樹脂組成物と電解めっきを利用したアディティブ法による金属層の作製が行われている。
例えば、プリント配線板における(セミ)アディティブ法は、まずガラスエポキシ樹脂等の絶縁樹脂の表面に無電解めっきにより薄い無電解めっき層を形成し、次に銅層表面に感光性樹脂組成物を含有する感光性樹脂層を形成し、次に露光、現像を行ってレジストパターンを形成し、次に電解めっきにより電解めっき層を厚く積層した後、レジストパターンを剥離し、剥離後に現れた無電解めっき層をエッチングする方法である(例えば、特許文献1参照)。
また、例えば、メタルマスクの作製方法として、基板上に所定の厚さの感光性樹脂組成物を含有する感光性樹脂層を形成する第1工程と、感光性樹脂層の上にメタルマスクの開口に合わせてパターン露光する第2工程と、現像して感光性樹脂層の非露光部分だけ除去してレジストパターンを作製し、基板を露出させる第3工程と、この第3工程によって得た基板の露出部分に電解めっきによりメタルマスク材層を形成する第4工程を行って後、残余の感光性樹脂層を除去する第5工程と、メタルマスク材層を基板から分離する第6工程を行って作製する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
これらの方法においては、狭ピッチのレジストパターンを形成し、その狭いスペース間に電解めっきを施し、電解めっき層又はメタルマスク材層となる金属層を厚く形成する。しかしながら、レジストパターンの幅が細くなるにつれて、現像によるレジストパターン形成及びめっきの工程で、感光性樹脂層の膨潤によるレジストパターンの蛇行と剥離が生じやすくなる。
このような感光性樹脂層の膨潤による問題を解決すべく、現像液中での体積膨張率が小さく、膨張速度が低い感光性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献3~8参照)。感光性樹脂層の現像液への溶解性を低下させることによって、現像後に微細なラインやドットが蛇行や変形無く基板上に保持されやすくなる。特許文献3~8では、バインダーポリマー及びモノマーの疎水性を調節し、露光後の感光性樹脂層の現像液による膨潤の抑制、及び露光後の感光性樹脂層の基材との密着力を高めることにより、解像性の向上を達成している。
しかし、アルカリ可溶性樹脂又はモノマーの親水性を低下させた場合、感光性樹脂層の非露光部分が現像液に完全に溶解しにくくなり、現像後に狭いスペース間に感光性樹脂層の非露光部分の残渣が発生しやすくなる問題、及び、非露光部分が薄膜状に基板上に残存し、これがめっきの成長を阻害する問題が存在する。そのため、めっき工程における微細なラインやドットのレジストパターン形成及び基材上での保持と、感光性樹脂層の非露光部分が現像液で完全に除去できる特性とを両立するような感光性樹脂組成物が望まれている。
本発明の課題は、レジストパターン形成やめっき工程において、微細なラインやドットが基材上に安定して保持され、かつ感光性樹脂層の非露光部分が現像液で基板上から完全に除去できる感光性樹脂組成物及び該感光性樹脂組成物を用いためっき方法を提供することである。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、
(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)光重合開始剤及び(C)メタクリレートモノマーを含有し、
(C)メタクリレートモノマーとして(C1)エチレンオキサイド変性ジメタクリレート(一般式(i)で示され、l=16~30である化合物)、(C2)エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジメタクリレート(一般式(ii)で示され、m+n=5~16である化合物)及び(C3)トリメチロールプロパントリメタクリレートを含有し、
(C)メタクリレートモノマー全量に対して、(C1)エチレンオキサイド変性ジメタクリレート(一般式(i)で示され、l=16~30である化合物)の含有量が10~20質量%であり、(C2)エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジメタクリレート(一般式(ii)で示され、m+n=5~16である化合物)の含有量が65~80質量%であり、(C3)トリメチロールプロパントリメタクリレートの含有量が5~20質量%である感光性樹脂組成物によって、上記課題を解決した。
(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)光重合開始剤及び(C)メタクリレートモノマーを含有し、
(C)メタクリレートモノマーとして(C1)エチレンオキサイド変性ジメタクリレート(一般式(i)で示され、l=16~30である化合物)、(C2)エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジメタクリレート(一般式(ii)で示され、m+n=5~16である化合物)及び(C3)トリメチロールプロパントリメタクリレートを含有し、
(C)メタクリレートモノマー全量に対して、(C1)エチレンオキサイド変性ジメタクリレート(一般式(i)で示され、l=16~30である化合物)の含有量が10~20質量%であり、(C2)エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジメタクリレート(一般式(ii)で示され、m+n=5~16である化合物)の含有量が65~80質量%であり、(C3)トリメチロールプロパントリメタクリレートの含有量が5~20質量%である感光性樹脂組成物によって、上記課題を解決した。
また、上記感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂層を基材上に形成し、次にパターン露光を実施して露光部を硬化させ、次いで現像を実施して感光性樹脂層の非露光部分を除去して、硬化した感光性樹脂層を含むレジストパターンを形成した後、露出している基材にめっきを施すめっき方法によって、上記課題を解決した。
本発明の感光性樹脂組成物によって、レジストパターン形成やめっき工程において微細なラインやドットが基材上に安定して保持され、かつ感光性樹脂層の非露光部分が現像液で基板上から完全に除去できる。
以下、本発明の感光性樹脂組成物及びめっき方法について詳細に説明する。明細書内において、下記のように略記する場合がある。
(A):(A)アルカリ可溶性樹脂
(B):(B)光重合開始剤
(C):(C)メタクリレートモノマー
(C1):(C1)エチレンオキサイド変性ジメタクリレート(一般式(i)で示され、l=16~30である化合物)
(C2):エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジメタクリレート(一般式(ii)で示され、m+n=5~16である化合物)
(C3):トリメチロールプロパントリメタクリレート
(A):(A)アルカリ可溶性樹脂
(B):(B)光重合開始剤
(C):(C)メタクリレートモノマー
(C1):(C1)エチレンオキサイド変性ジメタクリレート(一般式(i)で示され、l=16~30である化合物)
(C2):エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジメタクリレート(一般式(ii)で示され、m+n=5~16である化合物)
(C3):トリメチロールプロパントリメタクリレート
本発明に係わる(A)アルカリ可溶性樹脂において、「アルカリ可溶性」とは、(A)アルカリ可溶性樹脂を皮膜にし、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液に25℃で10分間浸漬したとき、膜厚0.01μm以上溶解するものを言う。具体的には、(A)アルカリ可溶性樹脂は酸性基を含む樹脂であり、例えば、酸価が40mgKOH/g以上である樹脂が挙げられる。酸性基としては、具体的にはカルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、リン酸基が挙げられる。
(A)アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂等の有機高分子が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その中でも(メタ)アクリル系樹脂を用いることが好ましい。(メタ)アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリレートを主成分とし、これにエチレン性不飽和カルボン酸を共重合させてなる(メタ)アクリル系重合体であればよい。また、その他の共重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマーを共重合させてもよい。
上記(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2-(ジエチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記エチレン性不飽和カルボン酸として、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸が好適に用いられ、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸や、それらの無水物やハーフエステルを用いることもできる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸が特に好ましい。
上記その他の共重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、4-メチルスチレン、3-メチルスチレン、2-メチルスチレン、4-エチルスチレン、3-エチルスチレン、2-エチルスチレン、4-メトキシスチレン、3-メトキシスチレン、2-メトキシスチレン、4-エトキシスチレン、3-エトキシスチレン、2-エトキシスチレン、4-クロロスチレン、3-クロロスチレン、2-クロロスチレン、4-ブロモスチレン、3-ブロモスチレン、2-ブロモスチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、酢酸ビニル、ビニル-n-ブチルエーテル等が挙げられる。
(A)アルカリ可溶性樹脂の酸価は、現像速度、レジスト剥離速度、露光感度、感光性樹脂層の柔らかさ、感光性樹脂層と基材の密着性などに影響する。(A)アルカリ可溶性樹脂の酸価は、40~500mgKOH/gであることが好ましく、100~300mgKOH/gであることがより好ましい。酸価が40mgKOH/g未満では、現像時間が長くなる傾向があり、一方、500mgKOH/gを超えると、感光性樹脂層と基材との密着性が悪くなる場合がある。酸価はJIS K2501:2003に準拠して測定した値である。
また、(A)アルカリ可溶性樹脂の質量平均分子量は、5,000~50,000であることが好ましく、10,000~40,000であることがより好ましい。(A)アルカリ可溶性樹脂の質量平均分子量が5,000未満では、硬化前の感光性樹脂組成物をフィルム状態に形成することが困難になる場合がある。一方、(A)アルカリ可溶性樹脂の質量平均分子量が50,000を超えると、現像液に対する溶解性が悪化し、現像後の基板上に感光性樹脂層の非露光部分が薄膜状に残りやすくなる傾向がある。
(B)光重合開始剤としては、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタン-1-オン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン等の芳香族ケトン;2-エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、2,3-ベンズアントラキノン、2-フェニルアントラキノン、2,3-ジフェニルアントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-メチルアントラキノン、1,4-ナフトキノン、9,10-フェナントラキノン、2-メチル-1,4-ナフトキノン、2,3-ジメチルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン等のアルキルフェノン類;2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類;1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(o-ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(o-アセチルオキシム)等のオキシムエステル類;2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ビス(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(p-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体;9-フェニルアクリジン、1,7-ビス(9,9′-アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N-フェニルグリシン、N-フェニルグリシン誘導体;クマリン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4′-メチルジフェニルサルファイド、3,3′,4,4′-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4′-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物等のベンゾフェノン系化合物が挙げられる。上記2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体における2つの2,4,5-トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は、同一であって対称な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用される。なかでも、2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体が、高感度であり好適に使用でき、さらに2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体が有用に使用できる。
本発明の感光性樹脂組成物は、(C)メタクリレートモノマーとして(C1)エチレンオキサイド変性ジメタクリレート(一般式(i)で示され、l=16~30である化合物)、(C2)エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジメタクリレート(一般式(ii)で示され、m+n=5~16である化合物)及び(C3)トリメチロールプロパントリメタクリレートを含有し、(C)メタクリレートモノマー全量に対して、(C1)エチレンオキサイド変性ジメタクリレート(一般式(i)で示され、l=16~30である化合物)の含有量が10~20質量%であり、(C2)エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジメタクリレート(一般式(ii)で示され、m+n=5~16である化合物)の含有量が65~80質量%であり、(C3)トリメチロールプロパントリメタクリレートの含有量が5~20質量%であることによって、めっき工程における微細なラインやドットのレジストパターンを基材上で蛇行や変形無く形成できるという特性を保持しつつ、感光性樹脂層の非露光部分が現像液で完全に除去され、めっき形成を阻害しないという効果が達成できる。
(C1)におけるlが16よりも小さいと、硬化した感光性樹脂層と基材との密着力が低下し、またlが30よりも大きいと、現像で感光性樹脂層が膨潤しやすくなり、微細なレジストパターンが形成できない。よって、(C1)におけるlは16~30であり、より好ましくは20~30である。
(C2)におけるm+nが5よりも小さいと、現像後に感光性樹脂層の非露光部分が基材表面上に薄膜として残りやすくなり、また、m+nが16よりも大きいと、現像で感光性樹脂層が膨潤しやすくなり、微細なレジストパターンが形成できない。よって、(C2)におけるm+nは5~16であり、より好ましくは10~16である。
(C)メタクリレートモノマーとしては、(C1)、(C2)、(C3)以外の化合物を含有してもよい。(C1)、(C2)、(C3)以外の(C)メタクリレートモノマーとしては、1以上のメタクリロイル基を有する化合物が挙げられる。
1つのメタクリロイル基を有した化合物としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n-ブチル、イソブチルメタクリレート、t-ブチルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、イソミリスチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールメタクリレート(エトキシ基が1以上)、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2-(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルメタクリレート、グリセリンモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エトキシ基数が2~30)、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート(エトキシ基数が2~30)、メトキシポリプロピレングリコールメタクリレート(プロポキシ基数が2~30)、フェノキシポリプロピレングリコールメタクリレート(プロポキシ基数が2~30)、2-メタクリロイルオキシエチルサクシネート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレート、エトキシ化o-フェニルフェノールメタクリレート等が挙げられる。
また、(C)メタクリレートモノマーで、2つのメタクリロイル基を有した化合物としては、例えば、多価のアルコールに2つのアクリル酸を反応させて得られる化合物が挙げられる。また、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、エチレンオキサイド変性ジメタクリレート(一般式(i)で示され、lが16未満又は30超)、プロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート(プロポキシ基数が2~30)、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、1,10-デカンジオールジメタクリレート、1,9-ノナンジオールジメタクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジメタクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジメタクリレート(一般式(ii)で示され、m+nが5未満又は16超)、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジメタクリレート(プロポキシ基数が2~40)、エチレンオキサイド変性及びプロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジメタクリレート(エトキシ基及びプロポキシ基の和が2~40)、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジメタクリレート、9,9-ビス[4-(2-メタクリロイルオキシエステル)フェニル]フルオレイン、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート等が挙げられる。
また、(C)メタクリレートモノマーで、3つ以上のメタクリロイル基を有した化合物としては、例えば、多価のアルコールにアクリル酸を反応させて得られる化合物が挙げられる。また、例えば、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリメタクリレート、エチレンオキサイド変性イソシアヌル酸トリメタクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス-(2-メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリントリメタクリレート、エチレンオキサイド変性グリセリントリメタクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等が挙げられる。
(C1)の含有量は、(C)メタクリレートモノマー全量に対して、10~20質量%であり、より好ましくは15~20質量%である。含有量が10質量%よりも小さいと、硬化した感光性樹脂層と基材との密着力が低下し、現像によって微細なラインやドットが剥がれ、含有量が20質量%よりも大きいと、現像で感光性樹脂層が膨潤し、微細なラインやドットに蛇行や変形が生じる。
(C2)の含有量は、(C)メタクリレートモノマー全量に対して、65~80質量%であり、より好ましくは70~80質量%である。含有量が65質量%よりも小さいと、感光性樹脂層の非露光部分の現像液への溶出性が低下し、微細なホールやスペースが抜けなくなるほか、現像後に感光性樹脂層の非露光部分が基材表面上に薄膜として残り、含有量が80質量%よりも大きいと、感光性樹脂層と基材との密着力が低下し、かつ現像で感光性樹脂層が膨潤し、現像によって微細なラインやドットに蛇行と剥離が生じる。
(C3)の含有量は、(C)メタクリレートモノマー全量に対して、5~20質量%であり、より好ましくは5~15質量%である。含有量が5質量%よりも小さいと、現像で感光性樹脂層が膨潤するために、現像によって微細なラインやドットに蛇行と剥離が生じ、含有量が20質量%よりも大きいと、感光性樹脂層と基材との密着力が低下し、現像によって微細なラインやドットに剥離が生じる。
本発明の感光性樹脂組成物は、アクリレートモノマーを含有しても良い。アクリレートモノマーとは、上記(C)メタクリレートモノマーのメタクリロイル基をアクリロイル基に置き換えた化合物である。本発明においては、アクリレートモノマーの含有量は、(C)メタクリレートモノマーに対して0~10質量%であることが好ましい。アクリレートモノマーの含有量が10質量%超の場合、現像の際に、硬化した感光性樹脂層が現像液で膨潤しやすくなるために、微細なラインやドットに蛇行と剥離が生じる場合がある。
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、上記(A)~(C)以外の成分を含有させてもよい。このような成分としては、溶剤、光重合禁止剤、熱重合禁止剤、可塑剤、着色剤(染料、顔料)、光発色剤、光減色剤、光硬化性樹脂、熱発色防止剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、熱硬化剤、撥水剤及び撥油剤等が挙げられ、各々0.01~20質量%程度含有することができる。これらの成分は、1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物において、(A)の含有量は、(A)、(B)及び(C)の総量に対して40~75質量%であることが好ましく、45~60質量%であることがより好ましい。(A)の含有量が40質量%未満では、皮膜性が悪くなる場合や、現像性が低下する場合がある。(A)の含有量が75質量%を超えると、レジストパターンの解像性が低下することがある。
(B)の含有量は、(A)、(B)及び(C)の総量に対して0.1~10質量%であることが好ましく、0.2~5質量%であることがより好ましい。(B)の含有量が0.1質量%未満では、光重合性が不十分となる傾向がある。一方、10質量%を超えると、露光の際に感光性樹脂層の表面で吸収が増大して、感光性樹脂層内部の光架橋が不十分となる傾向がある。
(C)の含有量は、(A)、(B)及び(C)の総量に対して15~60質量%であることが好ましく、20~50質量%であることがより好ましい。(C)の含有量が15質量%未満では、架橋性の低下、また、光感度が不十分となる傾向がある。一方、60質量%を超えると、感光性樹脂層の膜表面の粘着性が増加する傾向にある。
本発明の感光性樹脂組成物は、支持体(キャリアーフィルム)、感光性樹脂層が積層したドライフィルムレジスト(DFR)の構成としてもよい。感光性樹脂層は、感光性樹脂組成物を含有する層である。また、DFRは、支持体、感光性樹脂層、カバーフィルムが積層した構成であってもよい。
支持体としては、活性光線を透過させる透明フィルムが好ましい。厚みは薄い方が、光の屈折が少ないので好ましく、厚い方が、塗工安定性に優れるため好ましいが、5~50μmが好ましい。このようなフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等のフィルムが挙げられる。
カバーフィルムとしては、未硬化又は硬化した感光性樹脂層を剥離できればよく、離型性の高い樹脂が用いられる。例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、シリコン等の離型剤が塗工されたポリエチレンフィルム等が挙げられる。
感光性樹脂層の厚みは、4~50μmであることが好ましく、10~25μmであることがより好ましい。感光性樹脂層が厚すぎると、解像性の低下、コスト高等の問題が発生しやすくなる。逆に薄すぎると、密着性、耐酸性が低下する傾向にある。
次に、本発明のめっき方法について詳細に説明する。本発明のめっき方法は、銅めっき、ニッケルめっき等のめっき加工を行う際のめっき方法に適用できる。具体的には、金属回路形成のアディティブ法、セミアディティブ法、高精細なメタルマスクを作製するアディティブ法等の用途に好ましく使用され、基材上にフォト法でレジストパターンを形成した後、レジストパターン部以外の露出した基材にめっきを施して、金属パターンを形成する方法である。例えば、プリント配線板を作製する場合は、まず、絶縁性基板に薄い金属層を設けた基板を基材として用意する。次に、回路パターンを形成しない部分にレジストパターンを形成する。次いで、電解めっきを行って、露出している薄い金属層の表面にめっき金属層を形成する。続いて、レジスト剥離工程によってレジストパターンが除去される。その後、薄い金属層を(フラッシュ)エッチング除去することにより、回路パターンが形成される。
基材としては、例えば、銅、銅系合金(チタン銅合金、銅ニッケル合金等)、ニッケル、クロム、鉄、タングステン、ステンレスや42アロイ等の鉄系合金、アルミ、アモルファス合金等の金属基材が使用できる。また、プリント配線板製造等に使用される、銅張積層板、(無)電解めっき済基板、フレキシブル銅張積層板、フレキシブルステンレス板、積層体等が使用できる。
基材上にレジストパターンを形成するためには、フォト法が使用される。フォト法では、まず、基材に感光性樹脂組成物を含む塗工液を塗工し、乾燥して、感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂層を形成する。予めキャリアーフィルムに感光性樹脂層を形成したDFRを作製し、基材に感光性樹脂層を転写してもよい。次に、パターン露光を実施し、露光部を硬化させる。次いで、現像を実施し、レジストパターンとして不要な部分である非露光部分の感光性樹脂層を除去し、硬化した感光性樹脂層を含むレジストパターンを形成する。
現像に使用する現像液としては、例えば、無機塩基性化合物の水溶液を用いることができる。無機塩基性化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等の炭酸塩、水酸化物が挙げられ、0.1~3質量%の炭酸ナトリウム水溶液が好ましく使用できる。現像液には、界面活性剤、消泡剤、溶剤等を適宜少量混入することもできる。現像処理方法としては、ディップ方式、バトル方式、スプレー方式、ブラッシング、スクレーピング等があり、スプレー方式が除去速度のためには最も適している。処理温度は15~35℃が好ましく、また、スプレー圧は0.02~0.3MPaが好ましい。
本発明では、現像後のレジストパターンにベーク処理を行ってもよい。ベーク処理によって、感光性樹脂層と基材の密着を向上させる効果及び耐めっき性を向上させる効果等が得られる。ベーク処理の温度は80℃以上が好ましく、時間は5分以上が好ましい。また、基材が銅等であって、酸化等により変色しやすい材質であれば、80℃程度でベーク処理を実施する。基材がステンレス等であって、酸化し難い材質であれば、ベーク処理の温度は100℃以上でも良く、また、30分以上の長時間処理を実施しても良い。また、ベーク処理前に感光性樹脂層の熱による変形を防ぐことを目的として、紫外線等の活性光線照射処理を実施してもよい。
レジスト剥離工程では、レジスト剥離液としてアルカリ水溶液が有用に使用される。レジスト剥離液に使用される塩基性化合物としては、例えば、ケイ酸アルカリ金属塩、アルカリ金属水酸化物、リン酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ金属塩、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム塩等の無機塩基性化合物;エタノールアミン、エチレンジアミン、プロパンジアミン、トリエチレンテトラミン、モルホリン、水酸化テトラメチルアンモニウム等の有機塩基性化合物を挙げることができる。レジスト剥離工程において、硬化した感光性樹脂層に対する溶解性を制御するため、レジスト剥離液の濃度、温度、スプレー圧、超音波条件等を調整する必要がある。レジスト剥離液の温度が高いほど、硬化した感光性樹脂層が溶解する速度が速くなり、40℃以上の温度が好ましい。レジスト剥離液における塩基性化合物の濃度としては、溶解性に適した濃度がよく、塩基性化合物が水酸化ナトリウムの場合、1~4質量%であることが好ましい。装置としては、ディップ処理装置、超音波装置、シャワースプレー装置等を利用することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1~7、比較例1~10)
表1に示す各成分を混合し、感光性樹脂組成物の塗工液を得た。なお、表1における各成分配合量の単位は質量部である。得られた塗工液を、アプリケーターを用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(商品名:R310、16μm厚、三菱ケミカル社製、支持体)上に塗工し、80℃で8分間乾燥し、溶剤成分をとばし、PETフィルムの片面上に実施例1~7、比較例1~10の感光性樹脂組成物を含有する感光性樹脂層(乾燥膜厚:15μm)を設けたDFRを得た。
表1に示す各成分を混合し、感光性樹脂組成物の塗工液を得た。なお、表1における各成分配合量の単位は質量部である。得られた塗工液を、アプリケーターを用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(商品名:R310、16μm厚、三菱ケミカル社製、支持体)上に塗工し、80℃で8分間乾燥し、溶剤成分をとばし、PETフィルムの片面上に実施例1~7、比較例1~10の感光性樹脂組成物を含有する感光性樹脂層(乾燥膜厚:15μm)を設けたDFRを得た。
表1において、各成分は以下の通りである。
(A-1)スチレン/メチルメタクリレート/n-ブチルアクリレート/メタクリル酸を質量比20/40/15/25で共重合させた共重合樹脂(質量平均分子量30,000)
(B-1)2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体
(B-2)4,4′-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
(B-2)4,4′-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
(C-1)エチレンオキサイド変性ジメタクリレート(一般式(i)で示され、l=23である化合物)
(C-2)エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジメタクリレート(一般式(ii)で示され、m+n=10である化合物)
(C3)トリメチロールプロパントリメタクリレート
(C-2)エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジメタクリレート(一般式(ii)で示され、m+n=10である化合物)
(C3)トリメチロールプロパントリメタクリレート
(C-4)エチレンオキサイド変性ジメタクリレート(一般式(i)で示され、l=14である化合物)
(C-5)エチレンオキサイド変性ジメタクリレート(一般式(i)で示され、l=44である化合物)
(C-6)エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジメタクリレート(一般式(ii)で示され、m+n=2.6である化合物)
(C-7)エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジメタクリレート(一般式(ii)で示され、m+n=17である化合物)
(C-5)エチレンオキサイド変性ジメタクリレート(一般式(i)で示され、l=44である化合物)
(C-6)エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジメタクリレート(一般式(ii)で示され、m+n=2.6である化合物)
(C-7)エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジメタクリレート(一般式(ii)で示され、m+n=17である化合物)
表面粗さRaが0.01μm~1μmのステンレス鋼板に、アルカリ脱脂、酸処理等の表面処理を実施し、実施例1~7、比較例1~10の感光性樹脂層を貼り付けた。次に、幅10μm及び7μmライン&スペース(L/S)のラインパターンを有するフォトマスクを介してパターン露光し、次いで、PETフィルムを剥がし、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液にて現像を実施し、非露光部分の感光性樹脂層を除去し、硬化した感光性樹脂層を含むレジストパターンを形成した。
この際、(C-1)の含有量が20質量%よりも高い比較例1は、現像工程により、幅10μm及び7μmのライン&スペースのレジストパターンが膨潤により蛇行し、かつスペースの一部に感光性樹脂層の非露光部分が残っていた。
(C-2)の含有量が80質量%よりも高い比較例2は、現像によるレジストパターン形成後、幅10μm及び7μmのライン&スペースのレジストパターンの一部に、基材表面からの浮きが見られた。
(C-3)トリメチロールプロパントリメタクリレートの含有量が20質量%よりも高い比較例3は、現像工程により、幅10μm及び7μmのライン&スペースのレジストパターンが半分以上失われていた。
(C-1)の含有量が10質量%未満である比較例4は、現像工程により、幅10μmのライン&スペースのレジストパターンは形成できたものの、幅7μmのライン&スペースのレジストパターンが半分以上失われていた。
(C-2)の含有量が65質量%未満である比較例5は、現像によるパターン形成後、感光性樹脂層をラミネートした部分の基材表面に、感光性樹脂層の非露光部分の一部が薄膜状に残っていた。加えて、幅10μmのライン&スペースのレジストパターンは形成できたものの、幅7μmのライン&スペースでは、スペースの一部に感光性樹脂層の非露光部分が残っていた。
(C-3)の含有量が5質量%未満である比較例6は、現像工程により、幅10μmのライン&スペースのレジストパターンは形成できたものの、幅7μmのライン&スペースでは、レジストパターンが膨潤により蛇行し、かつスペースの一部に感光性樹脂層の非露光部分が残っていた。
(C-1)を含まず、(C-4)を含む比較例7は、現像工程により、幅10μmのライン&スペースのレジストパターンは形成できたものの、幅7μmのライン&スペースのレジストパターンが半分以上失われていた。
(C-1)を含まず、(C-5)を含む比較例8は、幅10μm以下のライン&スペースのレジストパターンが膨潤により蛇行し、かつスペースの一部に感光性樹脂層の非露光部分が残っていた。
(C-2)を含まず、(C-6)を含む比較例9は、現像によるレジストパターン形成後、幅10μm及び7μmライン&スペースのレジストパターンが変形無く基板上に残存していたものの、ライン&スペースのレジストパターン以外の基材表面に、感光性樹脂層の非露光部分の一部が薄膜状に残っていた。
(C-2)を含まず、(C-7)を含む比較例10は、幅10μm及び7μmのライン&スペースのレジストパターンが膨潤により蛇行していた。
一方で、実施例1~7では、現像後も、幅10μm及び7μmライン&スペースのレジストパターンが、蛇行や変形無く、基板上に残存し、またスペースに感光性樹脂層の非露光部分の残渣は見られなかった。
次に、顕微鏡による観察を行い、現像液の膨潤によるラインの変形や現像工程によるラインの消失が発生していないレジストパターンが存在している実施例1~7並びに比較例4~7及び9に対し、スルファミン酸ニッケル(Ni)浴を用いた電解めっきにより、ステンレス鋼板上のレジストパターンによって被覆されていない部分の上にめっき膜を成長させて、厚みが7μmになるようにNi金属層を形成した。
この際、比較例5及び9では、現像後の基板上に感光性樹脂層の非露光部分の薄膜が存在するために、Ni金属層が成長しなかった。
また、比較例4及び7では、Ni金属層については、幅10μmライン&スペースのレジストパターンにおける一部のラインの底部にめっき液のしみこみが発生して、レジストパターンの底部に画線細りがあることが分かった。よって、Ni金属層がレジストの下に入り込む「めっき潜り」が発生し、良好なNiパターンを作製できなかった。
比較例6では、レジストパターンが存在しない部分のNi金属層の成長は良好であったものの、スペースの一部に感光性樹脂層の非露光部分が残っていたために、幅10μmライン&スペースのレジストパターンにおけるスペース部分において、Ni金属層が成長しなかった。
一方で、実施例1~7の基板上では、形状が良好なNi金属層が形成された。
次に、3質量%水酸化ナトリウム水溶液(液温50℃)に浸漬して、レジストパターンの剥離を実施した。実施例1~7並びに比較例4~7及び9の感光性樹脂組成物によるレジストパターンは良好に剥離が実施できた。
以上、実施例1~7では、全て良好なNiめっきが達成できた。
本発明は、広く感光性樹脂組成物として利用できる。また、プリント配線板、リードフレーム、メタルマスク、シャドウマスク、半導体パッケージ、電極部材、電磁波シールド等の製造において、めっき加工の際に使用されるめっき用方法として使用できる。
Claims (2)
- (A)アルカリ可溶性樹脂、(B)光重合開始剤及び(C)メタクリレートモノマーを含有し、
(C)メタクリレートモノマーとして(C1)エチレンオキサイド変性ジメタクリレート(一般式(i)で示され、l=16~30である化合物)、(C2)エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジメタクリレート(一般式(ii)で示され、m+n=5~16である化合物)及び(C3)トリメチロールプロパントリメタクリレートを含有し、
(C)メタクリレートモノマー全量に対して、(C1)エチレンオキサイド変性ジメタクリレート(一般式(i)で示され、l=16~30である化合物)の含有量が10~20質量%であり、(C2)エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジメタクリレート(一般式(ii)で示され、m+n=5~16である化合物)の含有量が65~80質量%であり、(C3)トリメチロールプロパントリメタクリレートの含有量が5~20質量%である感光性樹脂組成物。
- 請求項1記載の感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂層を基材上に形成し、次にパターン露光を実施して露光部を硬化させ、次いで現像を実施して感光性樹脂層に非露光部分を除去して、硬化した感光性樹脂層を含むレジストパターンを形成した後、露出している基材にめっきを施すめっき方法。
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