以下、図面を参照して本実施形態による照明システムおよび照明装置について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
また、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「板」はシートやフィルムと呼ばれ得るような部材も含む概念である。したがって、「導光板」とは、「導光シート」や「導光フィルム」と呼称の相違のみにおいて区別されない。
また、本明細書において、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」等の方向を表す用語は、照明システムの部品または部分同士の相対的な位置関係や照明システムで実現される光の進行方向または光量分布といった照明システムの構成を説明するために用いる表現の一例に過ぎず、本開示と同等の照明システムの構成の説明が他の表現を用いてなされる場合でも、本開示の範囲内である。
また、本実施形態およびその変形例で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(照明システム1)
図1~図20は、本実施形態の複数の例を示す図である。このうち、図1は、本実施形態による照明システム1を示す斜視図である。また、図2は、本実施形態による照明システム1に含まれる照明装置20の一例を示す斜視図である。図3は、本実施形態による照明システム1に含まれる照明装置20の一例を示す正面図である。図4Aは、本実施形態による照明システム1に含まれる照明装置20の一例を示す横断面図すなわち図2のIV-IV断面図である。図4Bは、図4Aと異なる照明装置20の一例を示す横断面図である。図5は、本実施形態による照明システム1に含まれる照明装置20の一例を示す縦断面図である。図6は、本実施形態による照明システム1に含まれる面光源装置21の一例を示す縦断面図である。
本実施形態による照明システム1は、空間に光を射出することで空間を演出するシステムである。言い換えれば、照明システム1は、空間に光を射出することで空間の利用者に望ましい心理状態を生じさせるように空間の雰囲気を形成するためのシステムである。
具体的には、本実施形態による照明システム1は、壁W、天井CEおよび床Fといった構造体で区画された部屋内の空間Sを照明および演出するために用いることができる。照明システムは、空間演出システムと呼ぶこともでき、また、構造体、建材、あるいは内装材と呼ぶこともできる。なお、天井CEには、空間Sに照明光を照射するベース照明装置3が設けられている。照明システム1が適用される部屋は、例えば、建物の部屋である。
照明システム1は、船室や車室などの建物以外の部屋に適用されてもよい。また、照明システム1は、部屋以外の構造体に適用されてもよい。
図1の例において、照明システム1は、壁Wに沿って配置された複数の照明装置20と、第4の化粧シートの一例である縦目地化粧シート62とを備える。複数の照明装置20は、一軸方向に直交する直交方向の一例である水平方向d2に沿って、間隙部の一例である縦目地jd2を空けて並べて配置されている。縦目地化粧シート62は、縦目地jd2を覆うように縦目地jd2に設けられている。なお、図1においては、正面の壁Wに2枚の照明装置20が並べて配置されているが、実際は3枚以上の照明装置20が並べて配置されていてよい。
照明装置20は、面光源装置21と、面光源装置21上に配置された面光源化粧シート61と、面光源装置21を保持する保持部の一例である図5に示される上フレーム71および下フレーム72とを備える。照明装置20は、建材パネルということもできる。照明装置20は、壁Wに重ねられた状態で部屋の内壁材として機能してもよい。また、照明装置20の構成要素の全部または一部が、照明装置20を作製するための組立キットとして取り扱われ、流通や販売されるようにしてもよい。
図1に示すように、面光源装置21は、空間Sの利用者に直接視認されないように面光源化粧シート61によって空間Sから隠蔽されている。面光源化粧シート61によって隠蔽された面光源装置21から面光源化粧シート61を通して空間Sに光を射出することで、面光源装置21の存在感を薄めながら射出される光が、面光源化粧シート61の色彩、模様、質感等とあいまって、空間Sの雰囲気を効果的に演出することができる。
(面光源装置21、上フレーム71、下フレーム72)
以下、面光源装置21および上フレーム71、下フレーム72について詳しく説明する。図5および図6に示すように、面光源装置21は、面状光を射出する発光面21aを有している。面光源装置21は、その発光面21aが面光源化粧シート61に対面するように、位置決めされている。より詳しくは、発光面21aは、面光源化粧シート61のうちの後述する発光面化粧シート部61aに対面している。図5および図6の例において、発光面21aは、その上端が天井CEの近傍に至り、その下端が床Fの近傍に至るように、鉛直方向d1の広範囲にわたって形成されている。図5に示すような配置に限らず、面光源装置21が壁Wの鉛直方向d1の一部に形成されるような配置を採用してもよい。
図5および図6に示される面光源装置21は、エッジライト型の面光源装置21である。この面光源装置21は、光源の一例である発光体210と、導光板211と、光拡散シート212と、反射シート213と、を有している。後述するように、光拡散シート212は、面光源装置21の発光面21aを形成している。なお、面光源装置21は、例えば、直下型LEDを用いた面光源装置、EL(Electro Luminescence)シートを用いた面光源装置等とエッジライト方式の面光源装置との組合せにより構成されてもよい。
発光体210は、光を発光する。発光体210の具体的な態様は特に限定されることなく、光を発光する種々の部材を広く用いることができる。具体的には、例えば、冷陰極管、点状のフルカラー発光ダイオード(LED)、白熱電球、レーザー発振装置等を、発光体210として用いることができる。図3および図5示された例において、発光体210は、上フレーム71によって保持されている。発光体210は、上フレーム71の長手方向である図3に示される水平方向d2に沿って、間隔をあけて複数配列されている。上フレーム71が取り外し可能な場合、上フレーム71とともに複数の発光体210を面光源装置21から取り外し、複数の発光体210の一部又は全部の交換作業を行うことができる。上フレーム71は、発光体210を保持し、後述する導光板211の上側面21dを覆うように面光源装置21を保持する部材である。上フレーム71は、上側面21dのみを覆っていてもよく、または、上側面21dとともに後述する導光板211の左側面21bまたは右側面21cの一部分を覆っていてもよい。下フレーム72は、後述する導光板211の下側面21eを覆うように面光源装置21を保持する部材である。下フレーム72は、下側面21eのみを覆っていてもよく、または、下側面21eとともに左側面21bまたは右側面21cの一部分を覆っていてもよい。なお、照明装置20は、上フレーム71のみを備え、下フレーム72を備えていなくてもよい。
図6に示すように、導光板211は、一対の主面211a,211bと、一対の主面211a,211b間に位置する側面と、を有した板状の部材である。一方の主面が出光面211aをなし、他方の主面が裏面211bをなしている。主面211a,211bは、典型的には、平面視矩形形状となる。主面211a,211bは、一軸方向の一例である鉛直方向d1に沿って延びる一対の側縁と、鉛直方向d1に直交する水平方向d2に沿って延びる一対の側縁と、を有している。
図4A~図6に示すように、導光板211は、発光面21aの外縁側に位置する面光源装置21の第1側面の一例であり、水平方向d2と非平行な方向d1に対向する一対の面の一例でもある上側面21dおよび下側面21eを有する。また、導光板211は、発光面21aの外縁側に位置する面光源装置21の第2側面の一例であり、水平方向d2に対向する一対の面の一例でもある左側面21bおよび右側面21cを有する。すなわち、導光板211は、面光源装置21の第2側面を構成している。
上側面21dは、導光板211の鉛直方向d1における上方d11の端部に位置し、上フレーム71によって覆われる側面である。下側面21eは、導光板211の鉛直方向d1における下方d12の端部に位置し、下フレーム72によって覆われる側面である。左側面21bは、導光板211の水平方向d2における左方d21の端部に位置し、後述する左側面化粧シート部61bによって覆われる側面である。右側面21cは、導光板211の水平方向d2における右方d22の端部に位置し、後述する右側面化粧シート部61cによって覆われる側面である。すなわち、上側面21dおよび下側面21eと、左側面21bと右側面21cとは、互いに交差および接続するように配置されている。
上側面21dおよび下側面21eが上フレーム71、下フレーム72で覆われているのに対して、左側面21bおよび右側面21cはフレームで覆われていない剥き出しの状態である。つまり、上フレーム71、下フレーム72は、上側面21dおよび下側面21eの少なくとも一部の領域に対面し、かつ、左側面21bおよび右側面21cの少なくとも一部の領域に対面しないように構成されている。このような構成によれば、左右の側面21b、21cにフレームが存在することによって発光面化粧シート部61aの左右に額縁のように広範囲の非発光領域が形成されることを防止することができ、さらに複数の発光装置21を左右の方向(例えば図中の水平方向d2)に沿って並べた場合、隣り合う発光装置の間を継ぎ目として感じにくくなる。また、後述するように、左側面21bおよび右側面21cを意図的に剥き出しにした状態で側面化粧シート部61b、61cで覆うことで、左右の側面21b、21cから縦目地jd2側への光の出射を低減することができる。
発光体210は、上フレーム71と導光板211の上側面21dとの間に位置している。これにより、上側面21dは、発光体210から射出された光の入光面として機能する。より具体的には、上側面21dは、上フレーム71に沿うようにして水平方向d2に延びている。そして、上側面21dは、上フレーム71に保持された発光体210に対面している。
図6に示すように、発光体210から射出された光は、上側面21dから導光板211に入射して導光板211内を進む。導光板211の主面211bには、取出要素として機能する凹部211cが設けられている。凹部211cは、導光板211内を進む光L1,L2の進行方向を変化させる。導光板211に入射した光L1,L2は、反射とりわけ全反射することで導光板211内を進む。そして、導光板211内を進む光L1,L2は、凹部211cによって進行方向を変化させること、とりわけ散乱することで、導光板211の一対の主面211a,211bに全反射臨界角度未満の入射角度で入射して導光板211から出射する。すなわち、凹部211cで進行方向を変えられた光L1,L2は、一対の主面211a,211bのいずれかを介して、導光板211から出射する。
図5および図6に示すように、光拡散シート212は、導光板211の主面211aに対面して設けられている。導光板211の主面211aから出射した光L1,L2は、光拡散シート212に入射する。光拡散シート212は、光拡散機能を有しており、透過光に起因した輝度角度分布を整えることができる。光拡散シート212は、面光源装置21の発光面21aを形成している。光拡散シート212で拡散された光は、発光面21aから射出して面光源化粧シート61に向かう。光拡散シート212には、光拡散機能を発揮し得る種々の構成を採用することができる。光拡散シート212が有する拡散特性は、等方性であってもよいし、異方性であってもよい。
図5および図6に示すように、反射シート213は、導光板211の裏面211bに対面して設けられている。反射シート213は、裏面211bから出射する光を反射して、導光板211及び光拡散シート212へ向けることができる。反射シート213を設けることで、面光源装置21の発光面21aからの出射光量を増大させることができる。これにより、発光体210から射出した光の利用効率を向上させることができる。反射シート213には、光反射機能を発揮し得る種々の構成を採用することができる。反射シート213の反射特性は、正反射であってもよいし、拡散反射であってもよい。反射シート213が有する拡散反射特性は、等方性であってもよいし、異方性であってもよい。
(化粧シート61、62)
以下、化粧シート61、62について詳しく説明する。面光源化粧シート61は、照明装置20に設けられ、空間Sに露出した化粧面として、照明システム1の発光領域Z1を形成する透光性部材である。面光源化粧シート61は、例えば、接着剤や粘着剤などを含む接合層を介して面光源装置21に固定されている。
縦目地化粧シート62は、水平方向d2において面光源化粧シート61に隣り合うように縦目地jd2に設けられた部材である。図4Aの例において、縦目地化粧シート62は、空間Sに露出した化粧面として、導光板211の左右の側面21b、21cから出射された光L2で照明された発光領域Z2すなわち反射照明領域を形成する。縦目地化粧シート62は、例えば、接着剤や粘着剤などを含む接合層を介して縦目地jd2に固定されている。
面光源化粧シート61および縦目地化粧シート62として、紙系の化粧シートや樹脂系の化粧シート等を用いることができる。水平方向d2の外観の調和をとるため、面光源化粧シート61と縦目地化粧シート62とは、色彩、模様および質感等の外観が揃っていることが望ましい。
図1~図3に示すように、面光源化粧シート61は、第1の化粧シートの一例である発光面化粧シート部61aと、第2の化粧シートの一例である左側面化粧シート部61bと、第2の化粧シートの一例である右側面化粧シート部61cと、上側面化粧シート部61dと、下側面化粧シート部61eとを有する。
なお、図示されている例において、各シート部61a~61eは、例えば、1枚のシートによって形成された一体の構成である。この場合、1枚のシートは、単層構造であってもよく、または、複層構造であってもよい。各シート部61a~61eを一体の構成とすることで、部品点数およびコストを削減することができ、かつ照明システム1の組立ての容易性を向上させることができる。各シート部61a~61eは、異なるシートによって形成された別体の構成であってもよい。各シート部61a~61eを別体の構成とすることで、例えば、発光面化粧シート部61aと左右の側面化粧シート部61b、61cとの間で、色彩や模様等の外観や、可視光透過率などの光学特性を異ならせることが可能となるので、設計の自由度を向上させることができる。
発光面化粧シート部61aは、発光面21aの少なくとも一部を覆うように発光面21aに対面して設けられ、照明システム1の出光側の最外面を形成する面光源化粧シート61の部分である。発光面化粧シート部61aは、発光面21aの全部を覆っていてもよく、または、面光源装置21に意図的に形成された孔などの特定の部分を除いて発光面21aを覆っていてもよい。発光面化粧シート部61aは、発光面21aに接していてもよく、または、発光面21aから前方に離間していてもよい。
発光面化粧シート部61aは、面光源装置21によって背面側から光を照射される。発光面化粧シート部61aは、可視光透過性を有している。このため、面光源装置21の発光面21aから射出した光が、発光面化粧シート部61aすなわち発光領域Z1を透過することができる。このように発光面化粧シート部61aは透過照明されることから、発光面化粧シート部61aとしては、透過率の比較的高い白色系の壁紙が好適に用いられる。
ただし、透過率の比較的低い壁紙、例えば木目調の壁紙でも十分有効に透過照明される。
発光面化粧シート部61aの柄等は特に限定されるものではない。発光面化粧シート部61aにおける可視光線透過率は、1.0%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましい。可視光線透過率は、赤外可視紫外分光光度計((株)島津製作所社製 UV3100PC)を使用し、JIS A5759-2008に従い380nm以上780nm以下の波長域における分光透過率測定し、同規格に規定される算出式により算出したものである。
左側面化粧シート部61bは、発光面化粧シート部61aの左端部側に位置し、導光板211の左側面21bの少なくとも一部を覆うように設けられた面光源化粧シート61の構成部である。図2および図4Aの例において、左側面化粧シート部61bは、発光面化粧シート部61aの左端部に連続し、左側面21bの全体を覆っている。左側面化粧シート部61bは、導光板211の左側面21bに接していてもよく、または、左側面21bから左方d21に離間していてもよい。
右側面化粧シート部61cは、発光面化粧シート部61aの右端部側に位置し、導光板211の右側面21cの少なくとも一部を覆うように設けられた面光源化粧シート61の構成部である。図2および図4Aの例において、右側面化粧シート部61cは、発光面化粧シート部61aの右端部に連続し、右側面21cの全体を覆っている。右側面化粧シート部61cは、導光板211の右側面21cに接していてもよく、または、右側面21cから右方d22に離間していてもよい。
上側面化粧シート部61dは、発光面化粧シート部61aの上端部側の位置し、上フレーム71の上面を覆うように設けられた面光源化粧シート61の構成部である。図2および図5の例において、上側面化粧シート部61dは、発光面化粧シート部61aの上端部に連続している。上側面化粧シート部61dは、上フレーム71の上面に接していてもよく、または、上フレーム71の上面から上方d11に離間していてもよい。
下側面化粧シート部61eは、発光面化粧シート部61aの下端部側に位置し、下フレーム72の下面を覆うように設けられた面光源化粧シート61の構成部である。下側面化粧シート部61eは、下フレーム72の下面に接していてもよく、または、下フレーム72の下面から下方d12に離間していてもよい。
これら上下左右の側面化粧シート部61b~61eの外観および光学特性は、発光面化粧シート部61aと同一である。側面化粧シート部61b~61eの外観および光学特性は、発光面化粧シート部61aと異なっていてもよい。
ここで、もし、左側面21bおよび右側面21cにフレームが存在する場合、発光面化粧シート部61aの左右に、額縁のように目立つ広範囲の非発光領域が形成される。そして、この非発光領域によって照明システム1の水平方向d2の外観すなわち明るさの調和をとることができず、空間Sの利用者に違和感を与えるおそれがある。この違和感の防止を意図して、本実施形態では、導光板211の左側面21bおよび右側面21cがフレームで覆われていない。また、発光面化粧シート部61aの立体感を演出するため、本実施形態では、隣り合う照明装置20の間に、発光面化粧シート部61aよりも窪んだ縦目地jd2が設けられている。
このような構成において、図3および図4Aに示すように、発光体210から射出された光のうち、左方d21に広がる一部の光Lは、導光板211の左側面21bから左方d21に出射する。また、発光体210から射出された光のうち、右方d22に広がる一部の光Lは、導光板211の右側面21cから右方d22に出射する。
導光板211の左側面21bはフレームで覆われていないため、もし、左側面化粧シート部61bを設けない場合、左側面21bから照明装置20の左側の縦目地jd2すなわち縦目地化粧シート62に照射される光の光量が多くなり過ぎることで、縦目地jd2が明るくなり過ぎる。また、導光板211の右側面21cもフレームで覆われていないため、もし、右側面化粧シート部61cを設けない場合、右側面21cから照明装置20の右側の縦目地jd2すなわち縦目地化粧シート62に照射される光の光量が多くなり過ぎることで、縦目地jd2が明るくなり過ぎ、特に、複数の発光装置が水平方向d2に沿って並んでいる場合、縦目地jd2に左右両側に位置する発光装置から光が出射されるため、明るくなり過ぎる。なお、図3および図4Aの例においては、照明装置20の左右の双方に縦目地jd2および縦目地化粧シート62が設けられているが、照明装置20の左右のいずれか一方に縦目地jd2および縦目地化粧シート62が設けられていてもよい。
このように、左側面化粧シート部61bおよび右側面化粧シート部61cを設けない場合、照明装置20の発光領域Z1に対して縦目地jd2の発光領域Z2が明るくなり過ぎることで、照明システム1の水平方向d2の明るさの調和をとることができなくなってしまう。照明システム1の水平方向d2の明るさの調和をとることができないことで、空間Sの利用者に違和感を与えるおそれがある。
これに対して、本実施形態では、左側面化粧シート部61bが設けられていることで、図3に示すように、導光板211の左側面21bから出射した光のうちの左側面化粧シート部61bの反射率に応じた一部の光LLを左側面化粧シート部61bで反射させることができる。これにより、左側面21bから出射した光のうちの照明装置20の左側の縦目地jd2に照射される光L2Lの光量を低減させることができる。なお、照明装置20の左側の縦目地jd2を明るく見せる光の中には、照明装置20の左側の縦目地化粧シート62に照射される光だけでなく、この縦目地化粧シート62に照射されずに左側面21bから前方に向けて出射される光もあり得るが、左側面化粧シート部61bによれば、このような光の光量も低減させることができる。
また、本実施形態では、右側面化粧シート部61cが設けられていることで、図3に示すように、導光板211の右側面21cから出射した光のうちの右側面化粧シート部61cの反射率に応じた一部の光LRを右側面化粧シート部61cで反射させることができる。これにより、右側面21cから出射した光のうちの照明装置20の右側の縦目地jd2に照射される光L2Rの光量を低減させることができる。なお、照明装置20の右側の縦目地jd2を明るく見せる光の中には、照明装置20の右側の縦目地化粧シート62に照射される光だけでなく、この縦目地化粧シート62に照射されずに右側面21cから前方に向けて出射される光もあり得るが、右側面化粧シート部61cによれば、このような光の光量も低減させることができる。
このように、左側面化粧シート部61bおよび右側面化粧シート部61cによって縦目地jd2に照射される光の光量を低減させることで、照明装置20の発光領域Z1に対して縦目地jd2の発光領域Z2が明るくなり過ぎることを防止することができる。これにより、照明システム1の水平方向d2の明るさの調和をとることができるので、空間Sの利用者に違和感を与えることを防止することができる。
さらに、本実施形態では、図4Aに示すように、左側面化粧シート部61bで反射された光のうち、光拡散シート212が位置する前方を進行方向の成分に含む一部の光L1Lを、光拡散シート212の左縁部に入射させることができる。そして、光拡散シート212の左縁部に入射した光L1Lを、光拡散シート212で拡散させて発光面化粧シート部61aの左縁部から射出させることができる。また、図4Aに示すように、右側面化粧シート部61cで反射された光のうち、前方を進行方向の成分に含む一部の光L1Rを、光拡散シート212の右縁部に入射させることができる。そして、光拡散シート212の右縁部に入射した光L1Rを、光拡散シート212で拡散させて発光面化粧シート部61aの右縁部から射出させることができる。
このように、左右の側面化粧シート部61b、61cで反射された光L1L、L1Rを発光面化粧シート部61aの左右の縁部から射出させることで、発光領域Z1の中央部に比較して発光領域Z1の左右の縁部が暗くなることを抑制することができる。この結果、より効果的に照明システム1の水平方向d2の明るさの調和をとることができるので、空間Sの利用者に違和感を与えることをより効果的に防止することができる。
さらに、本実施形態では、縦目地jd2に縦目地化粧シート62が設けられているので、縦目地化粧シート62の色彩、模様、質感等を面光源化粧シート61と揃えることで、発光体210の点灯時だけでなく、発光体210の消灯時においても、照明システム1の水平方向d2の外観の調和をとることができる。これにより、空間Sの利用者に違和感を与えることをより効果的に防止することができる。
(ベース照明装置3)
次に、ベース照明装置3について説明する。図1および図5に示すように、ベース照明装置3は、天井CEに取り付けられ、上方から空間Sに照明光Lxを放出する。ベース照明装置3は、天井CEに固定されていてもよいし、天井CEから吊り下げられていてもよい。ベース照明装置3は、人の視覚を通した空間S内の把握を補助するものである。したがって、ベース照明装置3として、一般的な、室内照明用の器具を用いることができる。
ベース照明装置3から射出する照明光Lxは、特に限定されないが、白色系とすることで自然な照明を可能とすることができる。ベース照明装置3は、例えば、照明装置20よりも高い輝度で照明光を射出してもよい。言い換えると、照明装置20は、ベース照明装置3よりも低い輝度で照明光を射出してもよい。このような構成によれば、空間Sの利用者に違和感を与えることをより効果的に防止することができる。
以下、本実施形態によってもたらされる作用について説明する。
既述したように、照明装置20は、発光面21aを有する面光源装置21と、発光面21aを覆う面光源化粧シート61と、発光面21aの外縁側に位置する面光源装置21の側面21b~21eのうちの上下の側面21d、21eを保持するフレーム71、72とを備える。そして、左右の側面21b、21cを覆うように、左右の側面化粧シート部61bが設けられている。
このような構成によれば、図3に示すように、導光板211の左側面21bから出射した光LLを左側面化粧シート部61bで反射させることで、左側面21bから出射した光LLのうちの照明装置20の左側の縦目地jd2に照射される光L2Lの光量を低減させることができる。また、右側面化粧シート部61cが設けられていることで、図3に示すように、導光板211の右側面21cから出射した光LRを右側面化粧シート部61cで反射させることで、右側面21cから出射した光LRのうちの照明装置20の右側の縦目地jd2に照射される光L2Rの光量を低減させることができる。
これにより、縦目地jd2が明るくなり過ぎることを防止して、照明システム1の水平方向d2の明るさの調和をとることができるので、空間Sの利用者に違和感を与えることを防止することができる。
さらに、図4Aに示すように、左側面化粧シート部61bで反射された光の一部L1Lを光拡散シート212の左縁部に入射させて発光領域Z1の左縁部から出射させることができ、また、右側面化粧シート部61cで反射された光の一部L1Rを光拡散シート212の右縁部に入射させて発光領域Z1の右縁部から出射させることができる。
これにより、発光面化粧シート部61aの中央部に比較して発光面化粧シート部61aの左右の縁部が暗くなることを抑制して、より効果的に照明システム1の水平方向d2の明るさの調和をとることができるので、空間Sの利用者に違和感を与えることをより効果的に防止することができる。
すなわち、本実施形態の照明システム1によれば、隣接する照明装置20同士の境界部である縦目地jd2の外観と、境界部の周囲である照明装置20の外観との調和をとって、空間の雰囲気を効果的に演出することができる。
さらには、発光体210の点灯時に照明装置20の左右の側面から発光体210の位置を特定し難くすることができるので、光源の位置が分からずに発光領域Z1から光が浮き出ているといった幻想的な雰囲気を演出することができるので、空間Sの利用者に心地よい心理状況を生じさせることが可能となる。
また、既述したように、左側面化粧シート部61bおよび右側面化粧シート部61cは、面光源化粧シート61と一体的に設けられている。
このような構成によれば、部品点数を削減することができ、且つ、照明装置20の組立ての容易性を向上させることができる。
また、既述したように、面光源装置21は、互いに交差するように上下の側面21d、21eと左右の側面21b、21cとが設けられた導光板211と、上フレーム71と上側面21dとの間に位置する発光体210とを有する。
これにより、上フレーム71に発光体210が保持されたエッジライト方式の照明装置20において、空間の雰囲気を効果的に演出することができる。
なお、図4Bに示すように、縦目地化粧シート62を照明装置20よりも壁W側すなわち発光面21aと反対の後方側に配置してもよい。図4Bの例によれば、例えば、壁Wに縦目地化粧シート62を貼り合わせた後に照明装置20を設置することができるので、縦目地化粧シート62の貼り合わせの容易性を向上させることができる。
(第1の変形例)
図7は、本実施形態の第1の変形例による照明システム1を示す斜視図である。図8は、本実施形態の第1の変形例による照明システム1に含まれる照明装置20の一例を示す縦断面図である。
これまでは、壁Wの上端から下端に至る壁Wの略全領域にわたって照明装置20が設けられた照明システム1の例について説明した。これに対して、第1の変形例による照明システム1は、面光源装置21をより目立ち難くすることを意図して、壁Wのうちの上端側の一部の領域に、水平方向d2に沿って複数の照明装置20を備えている。
また、第1の変形例による照明システム1は、照明装置20と壁Wとの段差を埋めて照明装置20が設けられている壁W上の領域とそれ以外の壁W上の領域との外観の調和をとることを意図して、複数のボード5と、第5の化粧シートの一例である複数のボード化粧シート64とを備える。
複数のボード5は、複数の照明装置20のそれぞれの面光源装置21に対して下方d12に位置する。複数のボード化粧シート64は、複数の照明装置20のそれぞれの面光源化粧シート61に対して下方d12に位置し、複数のボード5のそれぞれを覆っている。
複数のボード5およびボード化粧シート64は、第2の間隙部の一例である縦目地jd2を空けて、水平方向d2に沿って並んでいる。ボード5の縦目地jd2は、鉛直方向d1において照明装置20の縦目地jd2に連続している。また、縦目地化粧シート62は、ボード5の縦目地jd2にも設けられている。すなわち、縦目地化粧シート62は、照明装置20の縦目地jd2の上端からボード5の縦目地jd2の下端まで延在している。
ボード5は、板状の部材である。ボード5としては、例えば、単板、合板、集成材、パーチクル板、纖維板等の木製板材、コンクリート、モルタル等のセメント系材料、石膏ボード、珪酸カルシウム等からなる無機非金屬板、或いは鉄、アルミニウム等からなる金屬板、樹脂製板材等を用いることができる。ボード5は、耐燃性や耐火性を有していることが好ましい。
ボード化粧シート64は、ボード5に設けられ、空間Sに露出した化粧面として、非発光領域Z3を形成する部材である。ボード化粧シート64は、ボード5の表面5aとボード5の上下および左右の側面5bとを覆っている。すなわち、図8に示される例において、ボード化粧シート64の形状は、図2に示した面光源化粧シート61の形状と同様である。
ボード化粧シート64は、発光体210の消灯時において、発光領域Z1と非発光領域Z3との外観の調和すなわち鉛直方向d1における照明システム1の外観の調和をとることを意図して設けられている。このため、ボード化粧シート64は、面光源化粧シート61との間で、色彩、模様および質感等の外観が揃っていることが望ましい。
また、ボード化粧シート64による非発光領域Z3は、面光源化粧シート61による発光領域Z1に対して同一平面上に位置していてもよい。これにより、非発光領域Z3と発光領域Z1との間に段差が形成されにくくなり、段差が視認されることに起因した意匠性の低下を効果的に抑制することができる。
また、発光面21aの或る位置からの出射光量は、当該位置よりも鉛直方向d1における上方d11に位置する発光面21aの他の或る位置からの出射光量よりも少なくてもよい。この場合、発光面21aの出射光量は、下方d12に向かうにしたがって連続的に減少してもよい。このような出射光量の分布は、例えば、図6で説明した取出要素として機能する凹部211cの鉛直方向d1における分布を制御して、凹部211cに起因した光散乱能の程度を鉛直方向d1に沿って調節することで実現され得る。また、エッジライト型の面光源装置21においては、入光面である導光板211の上側面21dから下側面21eに向けて出光面211aからの出射光量がしだいに減少する傾向にある。したがって、このようなエッジライト型の面光源装置21においては、凹部211cに起因した光散乱能が鉛直方向d1に沿って一様であったとしても、発光面21aの或る位置からの出射光量を上方d11に位置する他の位置からの出射光量よりも少なくすることができる。このようにすることで、空間Sの雰囲気を効果的に高めることが可能となる。とりわけ、発光面21aの鉛直方向d1における下方d12の縁部での発光量を低減することで、発光領域Z1と発光領域Z1の外側の非発光領域Z3との間における光の継ぎ目を目立たなくすることができる。これにより、空間Sの雰囲気をより効果的に演出することが可能となる。
また、面光源化粧シート61の発光領域Z1からの出射光量を鉛直方向d1に沿って変化させることで、面光源装置21を目立たなくさせることができる。したがって、鉛直方向d1に沿って、発光面21aからの出射光量及び面光源化粧シート61の透過率の少なくとも一方を変化させてもよい。例えば、或る位置での面光源化粧シート61の可視光線透過率を、当該位置よりも下方d12に位置する他の或る位置での面光源化粧シート61の可視光線透過率よりも低くすることで、下方d12に位置するボード5の非発光領域Z3に近接する位置で面光源化粧シート61からの出射光量を低下させることができる。この照明装置20によれば、発光領域Z1内の明るさを、非発光領域Z3に近接する領域において非発光領域Z3から離間する領域よりも暗くすることができる。この結果、面光源装置21の存在感を効果的に薄めることができる。
さらに、任意に選択される位置での面光源化粧シート61の可視光線透過率を、当該位置よりも上方d11に位置する他の位置での面光源化粧シート61の可視光線透過率以下とすることで、下方d12に位置するボード5の非発光領域Z3に近接するにしたがい面光源化粧シート61からの出射光量を低下させることが可能となる。この照明装置20によれば、発光領域Z1内の明るさを、非発光領域Z3に接近するにつれてしだいに暗くすることができる。これにより、発光領域Z1と非発光領域Z3との境界を効果的に目立たなくさせることができ、面光源装置21の存在感をより効果的に薄めることができる。
以上説明したように、第1の変形例によれば、面光源装置21をより目立ち難くすることができ、また、ボード5およびボード化粧シート64によって照明装置20との外観の調和をとることができるので、空間Sの雰囲気をより効果的に演出することができる。また、第1の変形例によれば、照明装置20による発光領域Z1とボード5による非発光領域Z3との間における光の継ぎ目を目立たなくすることができるので、空間Sの雰囲気をさらに効果的に演出することができる。
(第2の変形例)
図9は、本実施形態の第2の変形例による照明システム1に含まれる照明装置20の一例を示す横断面図である。
これまでは、導光板211の左右の側面21b、21cと左右の側面化粧シート部61b、61cとの間に光学層が存在しない照明システム1の例について説明した。
これに対して、第2の変形例による照明システム1は、図9に示すように、左側面化粧シート部61bと左側面21bとの間に、左側面21bから左側面化粧シート部61bに向かう光の透過を抑制する光学層として、反射層の一例である左側面反射シート221を備える。また、第2の変形例による照明システム1は、図9に示すように、右側面化粧シート部61cと右側面21cとの間に、右側面21cから右側面化粧シート部61cに向かう光の透過を抑制する光学層として、反射層の一例である右側面反射シート222を備える。
左側面反射シート221は、導光板211の左側面21bから左側面化粧シート部61bに向かう光を反射する層である。左側面反射シート221は、導光板211の左側面21bおよび左側面化粧シート部61bの少なくとも一方に接した状態で水平方向d2において左側面21bおよび左側面化粧シート部61bに重なっていてもよい。または、左側面反射シート221は、導光板211の左側面21bおよび左側面化粧シート部61bの少なくとも一方から離間した状態で水平方向d2において左側面21bおよび左側面化粧シート部61bに重なっていてもよい。
右側面反射シート222は、導光板211の右側面21cから右側面化粧シート部61cに向かう光を反射する層である。右側面反射シート222は、導光板211の右側面21cおよび右側面化粧シート部61cの少なくとも一方に接した状態で水平方向d2において右側面21cおよび右側面化粧シート部61cに重なっていてもよい。または、右側面反射シート222は、導光板211の右側面21cおよび右側面化粧シート部61cの少なくとも一方から離間した状態で水平方向d2において右側面21cおよび右側面化粧シート部61cに重なっていてもよい。
左右の側面反射シート221、222は、例えば、左右の側面化粧シート部61b、61cの反射率以上の反射率を有する材料によって構成されている。例えば、左右の側面反射シート221、222の材料として酸化チタンを用いることで、側面反射シート221、222の反射率を左右の側面化粧シート部61b、61cの反射率より高くすることができる。また、左右の側面反射シート221、222を、第3の化粧シートの一例である左右の側面化粧シート部61b、61cと同一の化粧シートで構成することで、側面反射シート221、222の反射率を左右の側面化粧シート部61b、61cの反射率と同一にすることができる。
なお、左右の側面反射シート221、222を化粧シートで構成する場合、図10に示すように、左右の側面反射シート221、222は、面光源化粧シート61の構成部として発光面化粧シート部61aに連続していてもよい。図10の例では、面光源化粧シート61の左右に、短冊状の側面化粧シート部61b、61cが設けられている。
また、左右の側面反射シート221、222は、導光板211と別体の構成であってもよく、または、左右の側面21b、21cに導光板211と一体的に形成されていてもよい。あるいは、左右の側面反射シート221、222は、導光板211の背面の反射シート213と一体の構成であってもよい。
図9の例において、発光体210から射出された光のうち、左方d21に広がる一部の光は、導光板211の左側面21bから左方d21に出射された後に、左側面反射シート221に入射する。左側面反射シート221に入射した光のうち、左側面反射シート221の反射率に応じた一部の光L3Lは、左側面反射シート221で反射され、その他の一部の光は、左側面反射シート221で吸収されるか、または、左側面反射シート221を透過する。左側面反射シート221を透過した光の一部L1Lは、左側面化粧シート部61bで反射されてもよい。また、発光体210から射出された光のうち、右方d22に広がる一部の光は、導光板211の右側面21cから右方d22に出射された後に、右側面反射シート222に入射する。右側面反射シート222に入射した光のうち、右側面反射シート222の反射率に応じた一部の光L3Rは、右側面反射シート222で反射され、その他の一部の光は、右側面反射シート222で吸収されるか、または、右側面反射シート222を透過する。右側面反射シート222を透過した光の一部L1Rは、右側面化粧シート部61cで反射されてもよい。
このように、左側面反射シート221で光を反射させることで、左側面化粧シート部61bのみを設ける場合と比較して、照明装置20の左側の縦目地jd2に照射される光L2Lの光量をより効果的に低減させることができる。また、右側面反射シート222で光を反射させることで、右側面化粧シート部61cのみを設ける場合と比較して、照明装置20の右側の縦目地jd2に照射される光L2Rの光量をより効果的に低減させることができる。
したがって、図9の例によれば、左側面反射シート221および右側面反射シート222によって縦目地jd2に照射される光の光量をより効果的に低減させることで、照明装置20の発光領域Z1に対して縦目地jd2の発光領域Z2が明るくなり過ぎることをより効果的に防止することができる。これにより、より効果的に照明システム1の水平方向d2の明るさの調和をとることができるので、空間Sの利用者に違和感を与えることをより効果的に防止することができる。
さらに、図9の例においては、左側面反射シート221で反射された光のうち、前方を進行方向の成分に含む一部の光L3Lを、光拡散シート212の左縁部に入射させて、発光領域Z1の左縁部から射出させることができる。なお、光拡散シート212の左縁部には、左側面化粧シート部61bからの反射光L1Lも入射してよい。また、図9の例においては、右側面反射シート222で反射された光のうち、前方を進行方向の成分に含む一部の光L3Rを、光拡散シート212の右縁部に入射させて、発光領域Z1の右縁部から射出させることができる。なお、光拡散シート212の右縁部には、右側面化粧シート部61cからの反射光L1Rも入射してよい。
したがって、図9の例によれば、左右の側面反射シート221、222によって高い反射率で反射された光L3L、L3Rを光拡散シート212の左右の縁部に入射させて発光領域Z1の左右の縁部から射出させることで、左右の側面化粧シート部61b、61cのみを設ける場合と比べて、発光領域Z1の中央部に対して発光領域Z1の左右の縁部が暗くなることをより効果的に抑制することができる。この結果、より効果的に照明システム1の水平方向d2の明るさの調和をとることができるので、空間Sの利用者に違和感を与えることをより効果的に防止することができる。
以上述べたように、第2の変形例によれば、より効果的に照明システム1の水平方向d2の明るさの調和をとることで、空間Sの利用者に違和感を与えることをより効果的に防止することができる。これにより、空間Sの雰囲気をより効果的に演出することができる。
(第3の変形例)
図11は、本実施形態の第3の変形例による照明システム1に含まれる照明装置20の一例を示す横断面図である。
これまでは、主として水平方向d2の外観を調和させる照明システム1の例について説明した。
これに対して、第3の変形例による照明システム1は、第1の変形例で説明したボード5を備えた構成において、鉛直方向d1の外観を調和させるために好適な構成を有する。
具体的には、図11に示すように、第3の変形例による照明システム1は、第1、第2の変形例の構成に加えて、更に、左側面化粧シート部61bと左側面反射シート221との間に、左側面21bから左側面化粧シート部61bに向かう光の透過を抑制する光学層として、遮光層の一例である左側面遮光シート231を備える。また、第3の変形例による照明システム1は、更に、右側面化粧シート部61cと右側面反射シート222との間に、右側面21cから右側面化粧シート部61cに向かう光の透過を抑制する光学層として、遮光層の一例である右側面遮光シート232を備える。
左側面遮光シート231は、導光板211の左側面21bから左側面化粧シート部61bに向かう光を遮る層である。より詳しくは、左側面遮光シート231は、導光板211の左側面21bから左側面化粧シート部61bに向かう光を均一な光吸収率で一様に遮光する層である。左側面遮光シート231は、左側面反射シート221および左側面化粧シート部61bの少なくとも一方に接した状態で水平方向d2において左側面反射シート221および左側面化粧シート部61bに重なっていてもよい。または、左側面遮光シート231は、左側面反射シート221および左側面化粧シート部61bの少なくとも一方から離間した状態で、水平方向d2において左側面反射シート221および左側面化粧シート部61bに重なっていてもよい。
右側面遮光シート232は、導光板211の右側面21cから右側面化粧シート部61cに向かう光を遮る層である。より詳しくは、右側面遮光シート232は、導光板211の右側面21cから右側面化粧シート部61cに向かう光を均一な光吸収率で一様に遮光する層である。右側面遮光シート232は、右側面反射シート222および右側面化粧シート部61cの少なくとも一方に接した状態で水平方向d2において右側面反射シート222および右側面化粧シート部61cに重なっていてもよい。または、右側面遮光シート232は、右側面反射シート222および右側面化粧シート部61cの少なくとも一方から離間した状態で水平方向d2において右側面反射シート222および右側面化粧シート部61cに重なっていてもよい。
左右の側面遮光シート231、232は、面光源化粧シート61および側面反射シート221、222よりも光吸収率が高い材料によって構成されている。例えば、左右の側面遮光シート231、232は、OHPシート等の透明シートと、印刷等によって透明シートの表面上に全面的に配置された黒色インク等の光吸収層とを有していてもよい。
図11の例において、発光体210から射出された光のうち、左方d21に広がる一部の光は、導光板211の左側面21bから左方d21に出射された後に、左側面反射シート221に入射する。左側面反射シート221に入射した光のうち、左側面反射シート221の反射率に応じた一部の光L3Lは、左側面反射シート221で反射され、その他の一部の光は、左側面反射シート221で吸収されるか、または、左側面反射シート221を透過する。左側面反射シート221を透過した光は、左側面遮光シート231に入射する。左側面遮光シート231に入射した光のうち、左側面遮光シート231の光吸収率に応じた大部分の光L4Lは、左側面遮光シート231で吸収すなわち遮光される。左側面遮光シート231を透過した後に左側面化粧シート部61bで反射される光L1Lが存在してもよい。また、発光体210から射出された光のうち、右方d22に広がる一部の光は、導光板211の右側面21cから右方d22に出射された後に、右側面反射シート222に入射する。右側面反射シート222に入射した光のうち、右側面反射シート222の反射率に応じた一部の光L3Rは、右側面反射シート222で反射され、その他の一部の光は、右側面反射シート222で吸収されるか、または、右側面反射シート222を透過する。右側面反射シート222を透過した光は、右側面遮光シート232に入射する。
右側面遮光シート232に入射した光のうち、右側面遮光シート232の光吸収率に応じた大部分の光L4Rは、右側面遮光シート232で吸収される。右側面遮光シート232を透過した後に右側面化粧シート部61cで反射される光L1Rが存在してもよい。
このように、左側面遮光シート231で光を遮光することにより、照明装置20の左側の縦目地jd2に光が照射されることを防止することができる。また、右側面遮光シート232で光を遮光することにより、照明装置20の右側の縦目地jd2に光が照射されることを防止することができる。
縦目地jd2に光が照射されることを防止することによって、縦目地化粧シート62の表面を非発光領域Z4として機能させることができる。
ここで、図7に示したボード5の縦目地jd2に設けられた縦目地化粧シート62の表面は、ボード5が発光しないため、非発光領域として機能する。
このような図7の構成に加えて、さらに、図11の例では、照明装置20の縦目地jd2に設けられた縦目地化粧シート62の表面も、非発光領域Z4として機能する。
すなわち、図11の例によれば、上端から下端に至る縦目地化粧シート62の全範囲の表面を、非発光領域として機能させることができる。
したがって、第3の変形例によれば、縦目地化粧シート62の全範囲を暗くすることで、鉛直方向d1における照明システム1の外観を調和させることができる。すなわち、第3の変形例によれば、照明装置20の境界部である照明装置20の縦目地jd2と、照明装置20の境界部の周囲であるボード5の縦目地jd2との外観の調和をとることで、空間の雰囲気を効果的に演出することができる。
(第4の変形例)
図12は、本実施形態の第4の変形例による照明システム1に含まれる照明装置20の一例を示す横断面図である。
図12に示すように、第4の変形例による照明システム1は、第3の変形例の構成に対して、左右の側面反射シート221、222を削除した構成である。図12の例において、左側面遮光シート231は、左側面21bに接していてもよく、または、左側面21bから離間していてもよい。また、右側面遮光シート232は、右側面21cに接していてもよく、または、右側面21cから離間していてもよい。
図12の例によれば、第3の変形例のように、左右の側面反射シート221、222で光が反射されないので、導光板211の左右の側面21b、21cから出射された光のうち、大部分の光L4L、L4Rが左右の側面遮光シート231、232で遮光される。
したがって、第4の変形例によれば、縦目地化粧シート62の非発光領域Z4を更に暗くすることができるので、より効果的に鉛直方向d1における照明システム1の外観の調和をとることができる。
(第5の変形例)
図13は、本実施形態の第5の変形例による照明システム1に含まれる照明装置20の一例を示す分解斜視図である。図14は、本実施形態の第5の変形例による照明システム1に含まれる照明装置20の一例を示す横断面図である。
第5の変形例による照明システム1は、導光板211と光拡散シート212との間に、導光板211から面光源化粧シート61に向かう光の光量を調整する調整シート24を備える。
調整シート24は、前面調整シート部241と、減光層の一例である左側面調整シート部242と、減光層の一例である右側面調整シート部243と、を有する。
前面調整シート部241は、導光板211の前面である出光面211aに対面して配置され、鉛直方向d1における下方d12に位置するボード5による非発光領域Z3に近接する位置で、発光面化粧シート部61aによる発光領域Z1からの出射光量を低下させる層である。
図13の例において、前面調整シート部241は、可視光透過性を有した透明な基材24aと、基材24a上に設けられた光吸収部24bと、を含んでいる。光吸収部24bは、例えば可視光吸収性を有した顔料を含んでおり、可視光吸収機能を有する。一例として、光吸収部24bは、カーボンブラックやチタンブラックを含む。
例えば、前面調整シート部241の或る領域での光吸収能を、当該領域よりも上方d11に位置して発光体210に近接する他の或る領域での前面調整シート部241の光吸収能よりも強くすることで、下方d12に位置してボード5による非発光領域Z3に近接する領域からの出射光量を低下させることができる。さらに、任意に選択される領域での前面調整シート部241の光吸収能を、当該領域よりも上方d11に位置する他の領域での前面調整シート部241の光吸収能以上とすることで、下方d12に位置する非発光領域Z3に近接するにしたがい出射光量を連続的に低下させることが可能となる。このような前面調整シート部241の構成により、発光面21aは、鉛直方向d1に沿って透過率が連続的に変化してもよい。前面調整シート部241によれば、発光領域Z1内の明るさを、非発光領域Z3に近接する領域において非発光領域Z3から離間する領域よりも暗くすることができる。この結果、発光面化粧シート部61aによる発光領域Z1とボード5による非発光領域Z3との間における光の継ぎ目を目立たなくして、面光源装置21の存在感を効果的に薄めることができる。
なお、可視光吸能は、顔料の含有密度、光吸収部24bの配置密度、光吸収部24bの厚さ等により調節することができる。
左側面調整シート部242は、導光板211の左側面21bから左側面化粧シート部61bに向かう光を減光する層である。すなわち、左側面調整シート部242は、左側面21b側から入射した光の光量を低下させて左側面化粧シート部61b側に出射する層である。図13に示される例において、左側面調整シート部242は、左側面21b側から入射した光を位置的に部分的に遮光することで、左側面化粧シート部61b側に向かう光の総光量を低下させる層である。
左側面調整シート部242は、導光板211の左側面21bおよび左側面化粧シート部61bの少なくとも一方に接した状態で水平方向d2において左側面21bおよび左側面化粧シート部61bに重なっていてもよい。または、左側面調整シート部242は、導光板211の左側面21bおよび左側面化粧シート部61bの少なくとも一方から離間した状態で水平方向d2において左側面21bおよび左側面化粧シート部61bに重なっていてもよい。
右側面調整シート部243は、導光板211の右側面21cから右側面化粧シート部61cに向かう光を減光する層である。すなわち、右側面調整シート部243は、右側面21c側から入射した光の光量を低下させて右側面化粧シート部61c側に出射する層である。図13に示される例において、右側面調整シート部243は、右側面21c側から入射した光を位置的に部分的に遮光することで、右側面化粧シート部61c側に向かう光の総光量を低下させる層である。
右側面調整シート部243は、導光板211の右側面21cおよび右側面化粧シート部61cの少なくとも一方に接した状態で水平方向d2において右側面21cおよび右側面化粧シート部61cに重なっていてもよい。または、右側面調整シート部243は、導光板211の右側面21cおよび右側面化粧シート部61cの少なくとも一方から離間した状態で水平方向d2において右側面21cおよび右側面化粧シート部61cに重なっていてもよい。
左右の側面調整シート部242、243は、前面調整シート部241と同様に、基材24aと光吸収部24bとを有する。また、左右の側面調整シート部242、243は、鉛直方向d1に沿って透過率が連続的に変化していてもよい。例えば、左右の側面調整シート部242、243は、下方d12に向かって光吸収率が連続的に増加することで、下方d12に向かって透過率が連続的に減少してもよい。これにより、照明装置20に隣接する縦目地化粧シート62による発光領域Z2の明るさの分布を、発光面化粧シート部61aによる発光領域Z1の明るさの分布と揃えることができる。具体的には、縦目地化粧シート62による発光領域Z2の明るさを、下方d12に向かうにしたがって暗くすることができる。
図14の例において、発光体210から射出された光のうち、左方d21に広がる一部の光は、導光板211の左側面21bから左方d21に出射された後に、左側面調整シート部242に入射する。左側面調整シート部242に入射した光のうち、左側面調整シート部242の光吸収率に応じた一部の光L5Lは、左側面調整シート部242で吸収され、その他の一部の光は、左側面調整シート部242で反射されるか、または、左側面調整シート部242を透過する。左側面調整シート部242を透過した光の一部L1Lは、左側面化粧シート部61bで反射された後に、光拡散シート212の左縁部を経由して発光領域Z1の左縁部から前方に射出されてもよい。また、発光体210から射出された光のうち、右方d22に広がる一部の光は、導光板211の右側面21cから右方d22に出射された後に、右側面調整シート部243に入射する。右側面調整シート部243に入射した光のうち、右側面調整シート部243の光吸収率に応じた一部の光L5Rは、右側面調整シート部243で吸収され、その他の一部の光は、右側面調整シート部243で反射されるか、または、右側面調整シート部243を透過する。右側面調整シート部243を透過した光の一部L1Rは、右側面化粧シート部61cで反射された後に、光拡散シート212の右縁部を経由して発光領域Z1の右縁部から前方に射出されてもよい。
このように、左側面調整シート部242で光を吸収することにより、左側面化粧シート部61bのみを設ける場合と比較して、照明装置20の左側の縦目地jd2に照射される光L2Lの光量をより効果的に低減させることができる。また、右側面調整シート部243で光を吸収することで、右側面化粧シート部61cのみを設ける場合と比較して、照明装置20の右側の縦目地jd2に照射される光L2Rの光量をより効果的に低減させることができる。
したがって、図14の例によれば、左側面調整シート部242および右側面調整シート部243によって縦目地jd2に照射される光の光量をより効果的に低減させることで、照明装置20の発光領域Z1に対して縦目地jd2の発光領域Z2が明るくなり過ぎることをより効果的に防止することができる。これにより、より効果的に照明システム1の水平方向d2の明るさの調和をとることができるので、空間Sの利用者に違和感を与えることをより効果的に防止することができる。
さらに、図14の例によれば、左右の側面調整シート部242、243の光吸収率の分布を前面調整シート部241の光吸収率の分布と揃えることで、照明装置20に隣接する縦目地化粧シート62による発光領域Z2の明るさの分布を、発光面化粧シート部61aによる発光領域Z1の明るさの分布と揃えることができる。これにより、より効果的に照明システム1の水平方向d2の明るさの調和をとることができるので、空間Sの利用者に違和感を与えることをより効果的に防止することができる。
以上述べたように、第5の変形例によれば、発光領域Z1と発光領域Z1の外側の非発光領域Z3との間における光の継ぎ目を目立たなくしながら、照明システム1の水平方向d2の明るさの調和をとることで、空間Sの利用者に違和感を与えることをより効果的に防止することができる。これにより、空間Sの雰囲気をより効果的に演出することができる。
(第6の変形例)
図15は、本実施形態の第6の変形例による照明システム1に含まれる照明装置20の一例を示す横断面図である。
図15に示すように、第6の変形例による照明システム1は、第5の変形例の構成に加えて、更に、左側面調整シート部242と左側面化粧シート部61bとの間に、拡散層の一例である左側面拡散シート251を備える。また、第6の変形例による照明システム1は、更に、右側面調整シート部243と右側面化粧シート部61cとの間に、拡散層の一例である右側面拡散シート252を備える。
左側面拡散シート251は、導光板211の左側面21bから左側面化粧シート部61bに向かう光を拡散する層である。左側面拡散シート251は、左側面調整シート部242および左側面化粧シート部61bの少なくとも一方に接した状態で水平方向d2において左側面調整シート部242および左側面化粧シート部61bに重なっていてもよい。または、左側面拡散シート251は、左側面調整シート部242および左側面化粧シート部61bの少なくとも一方から離間した状態で水平方向d2において左側面調整シート部242および左側面化粧シート部61bに重なっていてもよい。
右側面拡散シート252は、導光板211の右側面21cから右側面化粧シート部61cに向かう光を拡散する層である。右側面拡散シート252は、右側面調整シート部243および右側面化粧シート部61cの少なくとも一方に接した状態で水平方向d2において右側面調整シート部243および右側面化粧シート部61cに重なっていてもよい。または、右側面拡散シート252は、右側面調整シート部243および右側面化粧シート部61cの少なくとも一方から離間した状態で水平方向d2において右側面調整シート部243および右側面化粧シート部61cに重なっていてもよい。
左側面拡散シート251および右側面拡散シート252は、光拡散シート212と一体の構成であってもよく、または、別体の構成であってもよい。
図15の例において、発光体210から射出された光のうち、左方d21に広がる一部の光は、導光板211の左側面21bから左方d21に出射された後に、左側面調整シート部242に入射する。左側面調整シート部242に入射した光のうち、左側面調整シート部242の光吸収率に応じた一部の光L5Lは、左側面調整シート部242で吸収され、その他の一部の光は、左側面調整シート部242で反射されるか、または、左側面調整シート部242を透過する。左側面調整シート部242を透過した光は、左側面拡散シート251に入射して、左側面拡散シート251で拡散される。左側面拡散シート251で拡散された光L6Lのうちの一部L1Lは、左側面化粧シート部61bで反射された後に、光拡散シート212の左縁部を経由して発光領域Z1の左縁部から前方に射出されてもよい。また、発光体210から射出された光のうち、右方d22に広がる一部の光は、導光板211の右側面21cから右方d22に出射された後に、右側面調整シート部243に入射する。右側面調整シート部243に入射した光のうち、右側面調整シート部243の光吸収率に応じた一部の光L5Rは、右側面調整シート部243で吸収され、その他の一部の光は、右側面調整シート部243で反射されるか、または、右側面調整シート部243を透過する。右側面調整シート部243を透過した光は、右側面拡散シート252に入射して、右側面拡散シート252で拡散される。右側面拡散シート252で拡散された光L6Rのうちの一部の光L1Rは、右側面化粧シート部61cで反射された後に、光拡散シート212の右縁部を経由して発光領域Z1の右縁部から前方に射出されてもよい。
このように、左側面拡散シート251で光を拡散させることで、照明装置20の左側の縦目地jd2に照射される光L2Lの光量をより効果的に低減させることができる。また、右側面拡散シート252で光を拡散させることで、照明装置20の右側の縦目地jd2に照射される光L2Rの光量をより効果的に低減させることができる。
したがって、第6の変形例によれば、左側面拡散シート251および右側面拡散シート252によって縦目地jd2に照射される光の光量をより効果的に低減させることで、照明装置20の発光領域Z1に対して縦目地jd2の発光領域Z2が明るくなり過ぎることをより効果的に防止することができる。これにより、より効果的に照明システム1の水平方向d2の明るさの調和をとることができるので、空間Sの利用者に違和感を与えることをより効果的に防止することができる。
(第7の変形例)
図16は、本実施形態の第7の変形例による照明システム1を示す斜視図である。図17は、本実施形態の第7の変形例による照明システム1に含まれる照明装置20の一例を示す縦断面図である。
図16に示すように、第7の変形例による照明システム1においては、照明装置20とボード5とが、鉛直方向d1の間隙部である横目地jd1を空けて配置されている。横目地jd1には、横目地化粧シート63が設けられている。
面光源化粧シート61とボード化粧シート64との間で外観を調和させるため、横目地化粧シート63は、面光源化粧シート61およびボード化粧シート64との間で、色彩、模様および質感等の外観が揃っていることが望ましい。
第7の変形例によれば、縦目地jd2に加えて横目地jd1を設けることで、縦目地jd2のみを有する場合とは異なる立体感を演出することができる。また、横目地化粧シート63を備えることで、鉛直方向d1の外観の調和を図ることが可能となる。
(第8の変形例)
図18は、本実施形態の第8の変形例による照明システム1に含まれる照明装置20の一例を示す縦断面図である。
これまでは、面光源装置21とボード5とを異なる化粧シート61、64で覆う照明システム1の例について説明した。これに対して、図18に示すように、面光源装置21とボード5とを共通の面光源化粧シート61で覆ってもよい。
第8の変形例によれば、部品点数を削減することができ、かつ、照明装置20とボード5との間で化粧シート61の継ぎ目を無くすことができる。
(第9の変形例)
図19は、本実施形態の第9の変形例による照明システム1に含まれる照明装置20の一例を示す縦断面図である。
図6の例では、導光板211の取出要素として、凹部211cを例示した。他の例として、図19に示すように、取出要素は、導光板211に積層された光散乱層215とすることができる。光散乱層215は、バインダーとして機能する支持層215aと、支持層215a内に分散した光散乱要素215bと、を有している。支持層215aは、可視光透過性を有した樹脂から形成され得る。光散乱要素215bは、反射、屈折、回折等によって、光散乱層215内を進行する光の進行方向を変化させる機能を有している。光散乱要素215bは、支持層215aと異なる屈折率を有していてもよいし、金属等の光反射性を有した材料によって形成されていてもよい。光散乱要素215bの具体例として、金属化合物、気体を含有した多孔質物質、金属化合物を周囲に保持した樹脂ビーズ、白色微粒子、気泡、周囲と屈折率が異なる粒子が、例示され得る。図18の例において、導光板211内を進む光L1,L2は、光散乱層215内で光散乱要素215bと衝突することで進行方向を変化させ、その後、導光板211から出射することが可能となる。
なお、光散乱層215の支持層215aの屈折率は、導光板211の屈折率以上となっていることが好ましい。光散乱層215の支持層215aの屈折率が導光板211の屈折率よりも低いと、導光板211内を進む光L3が、導光板211と光散乱層215との界面で全反射して、光散乱層215に入射できない可能性がある。このような光L3は、上側面21dから導光板211に入射した後、導光板211内を反対面211eまで進むことになる。このような光の存在は、発光体210のエネルギー効率が低下させてしまうことになる。支持層215aの屈折率を導光板211の屈折率以上とすることで、導光板211と光散乱層215との界面での全反射を効果的に防止して、光散乱層215が取出要素としてより効果的に機能し得る。
(第10の変形例)
図20は、本実施形態の第10の変形例による照明システム1に含まれる照明装置20の一例を示す縦断面図である。
さらに他の例として、図20に示すように、取出要素として機能する光散乱要素215bが、導光板本体内に分散していてもよい。図20に示された導光板211では、導光板211内を進む光Lが、光散乱要素215bに衝突することで散乱し、導光板211から出射することができる。光散乱要素215bとしては、上述した光散乱要素215bと同様に構成され得る。
また、導光板211は、複数種類の取出要素を含むようにしてもよい。図20に示された例において、導光板211は、光散乱要素215bを含有し、さらに、凹部211cを有している。
さらに、導光板211の各領域での凹部211cに起因した光散乱能は、一定ではなく、異なっていてもよい。すなわち、導光板211の光散乱能が、板面に沿った各領域で変化するようにしてもよい。さらに言い換えると、導光板211の或る領域での光散乱能は、当該領域から板面に沿ってずれた他の領域での光散乱能と異なっていてもよい。導光板211のパネル面に沿った各領域での光散乱能を変化させることにより、各領域からの出射光量を調節することが可能となる。
光散乱能は、導光板211がその内部を通過する光を散乱させる性能の強さのことである。光散乱能の程度は、一例として、JIS-K7361-1に準拠して測定されるヘイズ値[%]を用いて評価することができ、ヘイズ値[%]が高いと光散乱能が高いということになる。したがって、図示された例では、導光板211の板面への法線方向に透過する透過ヘイズ値が、導光板211の各領域で一定ではなく、異なる値を持つようになる。
ヘイズ値[%]は、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号;HM-150)を用いてJIS K7136に準拠した方法により測定することができる。
(その他の適用例)
これまでは、建物の壁Wに設置される照明装置20で構成された照明システム1の例について説明した。これに対して、図21に示すように、照明システム1は、例えば、オフィスにおいて隣り合う机DすなわちパソコンPC同士を仕切るように配置される間仕切りに適用された照明装置20で構成されてもよい。図21の例において、照明装置20の下端部は、図示しない床面に達している。
図21の例によれば、左側面化粧シート部61bによって照明装置20から左方d21に照射される光の光量を低減させることができ、また、右側面化粧シート部61cによって照明装置20から右方d22に照射される光の光量を低減させることができる。これにより、隣り合う照明装置20同士の境界部や照明装置20の水平方向d2の端部が明るくなり過ぎることを防止して、照明システム1の水平方向d2の明るさの調和をとることができるので、机DすなわちパソコンPCの利用者や机Dの周囲に存在する人に違和感を与えることを防止することができる。
また、図22に示すように、図21の例に対して発光体の配置位置の上下を逆転させることで、上方d11に向かって発光面化粧シート部61aからの出射光量が低下するように構成してもよい。
なお、以上において一実施の形態に対する具体例および変形例を説明してきたが、当然に、複数の例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本開示の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された本開示とその均等の範囲に含まれるものである。