JP2022057301A - フォトンカウンティングct装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】撮影モード、撮影対象部位又は医療用デバイスの種類に応じて最適なエネルギー帯域を決定すること。【解決手段】実施形態に係るフォトンカウンティングCT装置は、フォトンカウンティング検出器と、取得部と、決定部とを備える。フォトンカウンティング検出器は、X線フォトンを検出してエネルギー情報を取得する。取得部は、撮影モードに関する情報、撮影対象部位に関する情報、及び、医療用デバイスに関する情報の少なくとも1つの情報を取得する。決定部は、前記取得部により取得された情報に基づいて、前記フォトンカウンティング検出器から収集されるデータのエネルギー帯域に関する第1の条件、及び、前記フォトンカウンティング検出器から収集されるデータのうち再構成処理に用いられるデータについてのエネルギー帯域に関する第2の条件の少なくとも一方の条件を決定する。【選択図】図1

Description

本明細書及び図面に開示の実施形態は、フォトンカウンティングCT(Computed Tomography)装置に関する。
従来、1種類の管電圧(kv)を使用してCT撮影を行い、X線管(管球)の予め設定された管電圧及び管電流(mA)によって収集されたデータを収集するX線CT装置がある。例えば、X線CT装置は、1種類の管電圧を使用して2種類の固定されたエネルギー情報を収集する。また、X線CT装置は、臨床目的によってはデュアルエナジー(Dual Energy)撮影等の2種類の管電圧を用いて撮影する場合もある。1種類の管電圧を使用する場合、又は、2種類の管電圧を使用する場合のどちらの場合も、撮影条件としては、管電圧及び管電流がメインとなる。
一方、フォトンカウンティングCT撮影では、X線検出器で複数の任意のエネルギーの情報(エネルギー情報)を収集することができる。
米国特許出願公開第2018/0038969号明細書 米国特許第7583779号明細書 米国特許出願公開第2020/0033273号明細書 米国特許第9841389号明細書
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、撮影モード、撮影対象部位又は医療用デバイスの種類に応じて最適なエネルギー帯域を決定することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
実施形態に係るフォトンカウンティングCT装置は、フォトンカウンティング検出器と、取得部と、決定部とを備える。フォトンカウンティング検出器は、X線フォトンを検出してエネルギー情報を取得する。取得部は、撮影モードに関する情報、撮影対象部位に関する情報、及び、医療用デバイスに関する情報の少なくとも1つの情報を取得する。決定部は、前記取得部により取得された情報に基づいて、前記フォトンカウンティング検出器により収集されるデータのエネルギー帯域に関する条件、及び、前記フォトンカウンティング検出器により収集されるデータのうち再構成処理に用いられるデータについてのエネルギー帯域に関する条件の少なくとも一方の条件を決定する。
図1は、第1の実施形態に係るX線CT装置の構成例を示す図である。 図2は、第1の実施形態に係るX線検出器を説明するための図である。 図3は、第1の実施形態に係るX線検出器がデジタルデータを生成する際に使用することが可能な複数のエネルギー帯域の一例を示す図である。 図4は、第1の実施形態に係るエネルギーテーブルのデータ構造の一例を示す図である。 図5は、第1の実施形態に係るX線CT装置が実行する第1のエネルギー帯域決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図6は、第1の実施形態において決定されるエネルギー帯域の一例を示す図である。 図7は、第1の実施形態に係るモニタリング画像データに基づくモニタリング画像の一例を示す図である。 図8は、第1の実施形態に係る画像データに基づく画像の一例を示す図である。 図9は、第1の実施形態に係る決定機能がステップS102で他の様々なエネルギー帯域を取得した場合にステップS103で実行する処理の一例を説明するための図である。 図10は、第1の実施形態に係る決定機能がステップS102で他の様々なエネルギー帯域を取得した場合にステップS103で実行する処理の一例を説明するための図である。 図11は、第1の実施形態に係る決定機能がステップS102で他の様々なエネルギー帯域を取得した場合にステップS103で実行する処理の一例を説明するための図である。 図12は、第1の実施形態に係る決定機能がステップS102で他の様々なエネルギー帯域を取得した場合にステップS103で実行する処理の一例を説明するための図である。 図13は、第1の実施形態に係る決定機能がステップS102で他の様々なエネルギー帯域を取得した場合にステップS103で実行する処理の一例を説明するための図である。 図14は、第1の実施形態の変形例に係るエネルギーテーブルのデータ構造の一例を示す図である。 図15は、第1の実施形態の変形例に係るX線CT装置が実行する第2のエネルギー帯域決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図16は、第2の実施形態に係るエネルギーテーブルのデータ構造の一例を示す図である。 図17は、第2の実施形態に係るX線CT装置が実行する第3のエネルギー帯域決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図18は、第3の実施形態に係るX線CT装置が実行する第4のエネルギー帯域決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図19は、第3の実施形態に係るX線CT装置が実行する第5のエネルギー帯域決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図20は、第3の実施形態に係るX線CT装置が実行する第6のエネルギー帯域決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図21は、第4の実施形態に係るX線CT装置が実行する再構成条件決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図22は、第5の実施形態に係るX線CT装置が実行する処理の一例について説明するための図である。 図23は、第6の実施形態に係るエネルギーテーブルのデータ構造の一例を示す図である。 図24は、第6の実施形態に係るX線CT装置が実行する第7のエネルギー帯域決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、各実施形態に係るX線CT装置を説明する。なお、一つの実施形態や一つの変形例に記載した内容は、原則として他の実施形態や他の変形例にも同様に適用される。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るX線CT装置1の構成例を示す図である。X線CT装置1は、フォトンカウンティングCTを実行可能なフォトンカウンティングCT装置である。すなわち、X線CT装置1は、従来の積分型(電流モード計測方式)の検出器ではなく、フォトンカウンティング方式のフォトンカウンティング検出器を用いて被検体Pを透過したX線の光子を計数することで、S/N比の高いX線CT画像データを再構成可能な装置である。図1に示すように、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、架台10と、寝台20と、コンソール30とを有する。
架台10は、被検体PにX線を照射し、被検体Pを透過したX線に関するデータを収集する装置である。架台10は、X線高電圧装置11と、X線発生装置12と、X線検出器13と、データ収集回路14と、回転フレーム15と、架台制御装置16とを有する。また、架台10において、図1に示すように、X軸、Y軸及びZ軸からなる直交座標系を定義する。すなわち、X軸は水平方向を示し、Y軸は鉛直方向を示し、Z軸は架台10が非チルト時の状態における回転フレーム15の回転中心軸方向を示す。
回転フレーム15は、X線発生装置12とX線検出器13とを被検体Pを挟んで対向するように支持し、後述する架台制御装置16によって被検体Pを中心とした円軌道にて高速に回転する円環状のフレームである。
X線発生装置12は、X線を発生し、発生したX線を被検体Pへ照射する装置である。X線発生装置12は、X線管(管球)12aと、ウェッジ12bと、コリメータ12cとを有する。
X線管12aは、X線高電圧装置11から高電圧の供給を受けて、陰極(フィラメントと呼ぶ場合もある)から陽極(ターゲット)に向けて熱電子を照射する真空管である。X線管12aは、回転フレーム15の回転にともなって、X線ビームを被検体Pに対して照射する。すなわち、X線管12aは、X線高電圧装置11から供給される高電圧を用いてX線を発生する。
また、X線管12aは、ファン角及びコーン角を持って広がるX線ビームを発生する。例えば、X線管12aは、X線高電圧装置11の制御により、フル再構成用に被検体Pの全周囲でX線を連続曝射したり、ハーフ再構成用にハーフ再構成可能な曝射範囲(180度+ファン角)でX線を連続曝射したりすることが可能である。また、X線管12aは、X線高電圧装置11の制御により、予め設定された位置(管球位置)でX線(パルスX線)を間欠曝射したりすることが可能である。また、X線高電圧装置11は、X線管12aから曝射されるX線の強度を変調させることも可能である。例えば、X線高電圧装置11は、特定の管球位置では、X線管12aから曝射されるX線の強度を強くし、特定の管球位置以外の範囲では、X線管12aから曝射されるX線の強度を弱くする。
ウェッジ12bは、X線管12aから曝射されたX線のX線量を調節するためのX線フィルタである。具体的には、ウェッジ12bは、X線管12aから被検体Pへ照射されるX線が、予め定められた分布になるように、X線管12aから曝射されたX線を透過して減衰するフィルタである。例えば、ウェッジ12bは、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウムを加工したフィルタである。なお、ウェッジは、ウェッジフィルタ(wedge filter)や、ボウタイフィルタ(bow-tie filter)とも呼ばれる。
コリメータ12cは、鉛板等によって構成され、一部にスリットを有する。例えば、コリメータ12cは、後述するX線高電圧装置11の制御により、ウェッジ12bによってX線量が調節されたX線の照射範囲をスリットにより絞り込む。
なお、X線発生装置12のX線源は、X線管12aに限定されるものではない。例えば、X線発生装置12は、X線管12aに代えて、電子銃から発生した電子ビームを集束させるフォーカスコイルと電磁偏向させる偏向コイルと、被検体Pの半周を囲い偏向した電子ビームと衝突することによってX線を発生させるターゲットリングとによって構成されてもよい。
X線高電圧装置11は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路から構成され、X線管12aに印加する高電圧を発生する機能を有する高電圧発生装置と、X線管12aが照射するX線に応じた出力電圧の制御を行うX線制御装置から構成される。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であっても構わない。例えば、X線高電圧装置11は、X線管12aに供給する管電圧や管電流を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線量を調整する。また、X線高電圧装置11は、コンソール30の処理回路37から制御を受ける。
架台制御装置16は、CPU(Central Processing Unit)等によって構成される処理回路とモータ及びアクチュエータ等の駆動機構から構成される。架台制御装置16は、コンソール30に取り付けられた入力インターフェース31もしくは架台10に取り付けられた入力インターフェースからの入力信号を受けて、架台10の動作制御を行う機能を有する。例えば、架台制御装置16は、入力信号を受けて回転フレーム15を回転させることによって、被検体Pを中心とした円軌道上でX線管12aとX線検出器13とを旋回させる制御や、架台10をチルトさせる制御、及び寝台20及び天板22を動作させる制御を行う。架台制御装置16は、コンソール30の処理回路37から制御を受ける。
X線検出器13は、複数の検出素子から構成され、計数したX線光子数(X線フォトン数)に応じた信号を出力するフォトンカウンティング検出器(光子計数型検出器)の一例である。X線検出器13は、例えば、X線管12aの焦点を中心として1つの円弧に沿ってチャネル方向に複数のX線検出素子(「センサ」或いは単に「検出素子」とも言う)が配列された複数のX線検出素子列から構成される。X線検出器13は、チャネル方向に複数のX線検出素子が配列されたX線検出素子列がスライス方向に複数配列された構造を有する。X線検出器13の各X線検出素子は、X線発生装置12から照射され、被検体Pを通過したX線を検出し、当該X線量に対応した電気信号(パルス)を出力する。なお、各X線検出素子が出力する電気信号のことを検出信号とも言う。
図2は、第1の実施形態に係るX線検出器13を説明するための図である。例えば、X線検出器13は、直接変換型のフォトンカウンティング検出器である。
X線検出器13は、図2に示すように、X線光子(X線フォトン)を検出する検出素子(X線検出素子)130と、検出素子130に接続されて、検出素子130が検出したX線光子を計数するASIC(Application Specific Integrated Circuit)134とを備える検出部を複数有するフォトンカウンティング検出器である。なお、図2の例では、複数の検出部のうち1つの検出部を図示している。
各検出素子130は、半導体131と、カソード電極132と、複数のアノード電極133とを有する。ここで、半導体131は、テルル化カドミウム(CdTe)やテルル化亜鉛カドミウム(CZT)等の半導体である。また、アノード電極133のそれぞれが個々の検出画素(「画素」とも言う)に対応する。検出素子130は、X線光子が入射すると、検出素子130に入射したX線を直接電荷に変換してASIC134に出力する。
ASIC134は、検出素子130が出力した個々の電荷を弁別することで、検出素子130に入射したX線光子の数を計数する。また、ASIC134は、個々の電荷の大きさに基づく演算処理を行なうことで、計数したX線光子のエネルギーを計測する。ASIC134は、例えば、コンデンサ134aと、増幅回路134bと、波形整形回路134cと、コンパレータ回路134dと、カウンタ134eとを有する。なお、ASIC134は、計数回路の一例である。
コンデンサ134aは、検出素子130が出力した電荷を蓄積する。増幅回路134bは、検出素子130に入射したX線光子に応答してコンデンサ134aに集電される電荷を積分・増幅して電気量のパルス信号として出力する回路である。このパルス信号の波高又は面積は、光子のエネルギーと相関性を有する。
ここで、増幅回路134bは、例えば、アンプを含む。アンプは、例えば、片線接地(シングルエンド)方式のアンプである。アンプが片線接地方式のアンプである場合には、アンプは、接地されており、接地電位(グラウンド)と検出素子130が出力した電気信号が示す電位との電位差を増幅する。なお、アンプは、差動方式のアンプでもよい。アンプが差動方式のアンプである場合には、アンプの正入力(+)が検出素子130と接続され、負入力(-)が接地される。そして、差動方式のアンプは、正入力に入力される検出素子130からの電気信号が示す電位と、負入力に入力される信号が示す接地電位との電位差を増幅する。
波形整形回路134cは、増幅回路134bから出力されるパルス信号の周波数特性を調整し、かつゲイン及びオフセットを与えることによってパルス信号の波形を整形する回路である。
コンパレータ回路134dは、入射した光子への応答パルス信号の波高又は面積を、弁別すべき複数のエネルギー帯域に対応して予め設定された閾値と比較し、閾値との比較結果を後段のカウンタ134eに出力する回路である。
カウンタ134eは、対応するエネルギー帯域毎に応答パルス信号の波形の弁別結果をカウントし、光子の計数結果をデジタルデータとしてデータ収集回路14に出力する。例えば、カウンタ134eは、複数のエネルギー帯域それぞれのX線光子の計数結果を示すデジタルデータを生成し、生成されたデジタルデータをデータ収集回路14に出力する。
上述したような構成により、X線検出器13は、X線光子を検出してエネルギー情報を取得する。なお、X線検出器13は、例えば、グリッドと、シンチレータアレイと、光センサアレイとを備える間接変換型のフォトンカウンティング検出器であってもよい。シンチレータアレイは、複数のシンチレータを備え、シンチレータは入射X線エネルギーに応じた数の光を出力するシンチレータ結晶にて構成される。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射側の面に配置され、散乱X線を吸収する機能を有するX線遮蔽板で構成される。光センサアレイは、シンチレータからの光量に応じた電気信号に変換する機能を有し、例えば、光電子増倍管等の光センサから構成される。ここで、光センサは、例えばPD(Photodiode)やAPD(Avalanche Photodiode)やSiPM(Silicon photomultipliers)などである。
図3は、第1の実施形態に係るX線検出器13がデジタルデータを生成する際に使用することが可能な複数のエネルギー帯域の一例を示す図である。例えば、X線検出器13は、デジタルデータを生成する際に、6つのエネルギー帯域40a~40fを使用することが可能である。
図3の例では、エネルギー帯域40aは、エネルギーの値(エネルギー値)41a以上エネルギー値41b未満の範囲のエネルギー帯域である。エネルギー帯域40bは、エネルギー値41b以上エネルギー値41c未満の範囲のエネルギー帯域である。エネルギー帯域40cは、エネルギー値41c以上エネルギー値41d未満の範囲のエネルギー帯域である。エネルギー帯域40dは、エネルギー値41d以上エネルギー値41e未満の範囲のエネルギー帯域である。エネルギー帯域40eは、エネルギー値41e以上エネルギー値41f未満の範囲のエネルギー帯域である。エネルギー帯域40fは、エネルギー値41f以上エネルギー値41g未満の範囲のエネルギー帯域である。
すなわち、隣接する2つのエネルギー帯域40a及びエネルギー帯域40bの境界は、エネルギー値41bによって示される。他の隣接する2つのエネルギー帯域の境界についても同様である。
ここで、第1の実施形態では、X線検出器13は、処理回路37による制御を受けて、6つのエネルギー帯域40a~40fのうち、デジタルデータを生成する際に用いるエネルギー帯域を設定する。例えば、X線検出器13は、1つのエネルギー帯域40bを設定したり、6つのエネルギー帯域40a~40fを設定したりする。
ただし、第1の実施形態では、6つのエネルギー帯域40a~40fのそれぞれの幅は固定値である。更に、第1の実施形態では、隣接する2つのエネルギー帯域の境界を示すエネルギー値も固定値である。このように、X線検出器13は、6つのエネルギー帯域40a~40fのそれぞれの幅を変更することはできない。また、X線検出器13は、隣接する2つのエネルギー帯域の境界を示すエネルギー値も変更することはできない。更に、X線検出器13は、新たにエネルギー帯域を設定することができない。すなわち、第1の実施形態では、X線検出器13は、任意のエネルギー帯域を設定することができない。
図1の説明に戻り、データ収集回路14(DAS:Data Acquisition System)は、X線検出器13の各検出素子130から計数処理の結果を収集して、検出データ(投影データ)を生成する回路である。言い換えると、データ収集回路14は、X線検出器13による計数結果を収集する。ここで、検出データは、例えば、サイノグラムである。サイノグラムとは、X線管12aの各位置において各検出素子130に入射した計数処理の結果を並べたデータである。すなわち、サイノグラムは、X線管12aの各位置において各検出素子130に入射したX線光子の各エネルギー帯域の計数結果を示す。データ収集回路14は、X線検出器13から各ビュー角度における計数処理の結果を収集して、サイノグラムを生成する。
寝台20は、スキャン対象の被検体Pを載置、移動させる装置であり、寝台駆動装置21と、天板22と、基台23と、ベース(支持フレーム)24とを備えている。
天板22は、被検体Pが載置される板である。ベース24は、天板22を支持する。基台23は、ベース24を鉛直方向に移動可能に支持する筐体である。寝台駆動装置21は、被検体Pが載置された天板22を天板22の長軸方向へ移動して、被検体Pを回転フレーム15内に移動するモータあるいはアクチュエータである。なお、寝台駆動装置21は、天板22をX軸方向にも移動可能である。
なお、天板移動方法は、天板22だけを移動させてもよいし、寝台20のベース24ごと移動する方式であってもよい。また、立位CTである場合には、天板22に相当する患者移動機構を移動させる方式であってもよい。
なお、架台10は、例えば、天板22を移動させながら回転フレーム15を回転させて被検体Pをらせん状にスキャンするヘリカルスキャンを実行する。または、架台10は、天板22を移動させた後に被検体Pの位置を固定したままで回転フレーム15を回転させて被検体Pを円軌道にてスキャンするコンベンショナルスキャンを実行する。なお、以下の実施形態では、架台10と天板22との相対位置の変化が天板22を制御することによって実現されるものとして説明するが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、架台10が自走式である場合、架台10の走行を制御することによって架台10と天板22との相対位置の変化が実現されてもよい。また、架台10の走行と天板22とを制御することによって架台10と天板22との相対位置の変化が実現されてもよい。
コンソール30は、操作者によるX線CT装置1の操作を受け付けるとともに、架台10によって収集されたサイノグラム(計数結果)を用いてX線CT画像データを再構成する装置である。コンソール30は、図1に示すように、入力インターフェース31と、ディスプレイ32と、メモリ35と、処理回路37とを有する。
入力インターフェース31は、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路37に出力する。例えば、入力インターフェース31は、投影データを収集する際の収集条件や、X線CT画像データを再構成する際の再構成条件、X線CT画像データから画像データ(後処理画像データ)を生成する際の画像処理条件等を操作者から受け付ける。例えば、入力インターフェース31は、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック等により実現される。
ディスプレイ32は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ32は、処理回路37によって生成された画像データに基づく画像(X線CT画像)や、操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。例えば、ディスプレイ32は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等によって構成される。
メモリ35は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。メモリ35は、例えば、投影データや再構成画像データを記憶する。また、メモリ35は、エネルギーテーブル35aを記憶する。メモリ35は、記憶部の一例である。エネルギーテーブル35aについては後述する。
処理回路37は、例えば、システム制御機能371、前処理機能372、再構成処理機能373、画像処理機能374、スキャン制御機能375、表示制御機能376、取得機能377及び決定機能378を実行する。ここで、例えば、図1に示す処理回路37の構成要素であるシステム制御機能371、前処理機能372、再構成処理機能373、画像処理機能374、スキャン制御機能375、表示制御機能376、取得機能377及び決定機能378が実行する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ35内に記録されている。処理回路37は、例えば、プロセッサにより実現される。処理回路37は、メモリ35から各プログラムを読み出し、読み出した各プログラムを実行することで各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路37は、図1の処理回路37内に示された各機能を有することとなる。
システム制御機能371は、入力インターフェース31を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、処理回路37の各種機能を制御する。
前処理機能372は、データ収集回路14から出力された検出データに対して対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、チャネル間のゲイン補正処理、パイルアップ補正処理、応答関数補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施して生データを生成する。そして、前処理機能372は、生データをメモリ35に格納する。
なお、上述したように、データ収集回路14から出力されたデータを検出データと称し、検出データに対して対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、チャネル間のゲイン補正処理、パイルアップ補正処理、応答関数補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施したデータを生データと称する。また、検出データ及び生データを総称して投影データと称する。
再構成処理機能373は、前処理機能372により生成された生データに対して、フィルタ補正逆投影法や逐次近似再構成法等を用いた再構成処理を行ってX線CT画像データを生成する。再構成処理機能373は、再構成したX線CT画像データをメモリ35に格納する。
ここで、フォトンカウンティングCTで得られるサイノグラム(計数結果)から生成された投影データには、被検体Pを透過することで減弱されたX線のエネルギーの情報が含まれている。このため、再構成処理機能373は、例えば、特定のエネルギー成分のX線CT画像データを再構成することができる。また、再構成処理機能373は、例えば、複数のエネルギー成分それぞれのX線CT画像データを再構成することができる。
また、再構成処理機能373は、例えば、各エネルギー成分のX線CT画像データの各画素にエネルギー成分に応じた色調を割り当て、エネルギー成分に応じて色分けされた複数のX線CT画像データを重畳した画像データを生成する。また、再構成処理機能373は、例えば、物質固有のK吸収端を利用して、当該物質の同定が可能となる画像データを生成することができる。再構成処理機能373が生成する他の画像データとしては、単色X線画像データや密度画像データ、実効原子番号画像データ等が挙げられる。
また、X線CTの応用として、物質ごとにX線の吸収特性が異なることを利用して、被検体Pに含まれる物質の種別、存在量、密度等を弁別する技術がある。これを、物質弁別と言う。例えば、再構成処理機能373は、投影データに対して物質弁別を行い、物質弁別情報を得る。そして、再構成処理機能373は、物質弁別の結果である物質弁別情報を用いて物質弁別画像を示す物質弁別画像データを再構成する。
再構成処理機能373は、X線CT画像データを再構成する際に、フルスキャン再構成方式及びハーフスキャン再構成方式を適用可能である。例えば、再構成処理機能373は、フルスキャン再構成方式では、被検体の周囲一周、360度分の投影データを必要とする。また、再構成処理機能373は、ハーフスキャン再構成方式では、180度+ファン角度分の投影データを必要とする。以下では、説明を簡単にするため、再構成処理機能373は、被検体の周囲一周、360度分の投影データを用いて再構成するフルスキャン再構成方式を用いるものとする。
画像処理機能374は、入力インターフェース31を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、再構成処理機能373によって生成されたX線CT画像データを公知の方法により、任意断面の断層像データやレンダリング処理による3次元画像データ等の各種の画像データに変換する。また、後述するモニタリングスキャンをスキャン制御機能375が実行する場合には、画像処理機能374は、X線CT画像データを公知の方法によりモニタリング画像データに変換する。画像処理機能374は、変換した各種の画像データをメモリ35に格納する。
スキャン制御機能375は、架台10で行なわれるCTスキャンを制御する。例えば、スキャン制御機能375は、X線高電圧装置11、X線検出器13、架台制御装置16、データ収集回路14及び寝台駆動装置21の動作を制御することで、架台10におけるスキャンの開始、スキャンの実行、及びスキャンの終了を制御する。具体的には、スキャン制御機能375は、放射線診療技師や医師等のユーザによって選択された検査プロトコルに基づいて、位置決め画像(スキャノ画像)を示す位置決め画像データ(スキャノ画像データ)を収集する位置決め撮影(位置決めスキャン)及び診断に用いる画像を示す画像データを収集する本撮影(本スキャン)における投影データの収集処理をそれぞれ制御する。
ここで、スキャン制御機能375がユーザにより選択された検査プロトコルを受け付ける手順の一例について説明する。例えば、スキャン制御機能375は、被検体Pの人体モデルをディスプレイ32に表示させる。ユーザは、ディスプレイ32に表示された人体モデルの複数の部位のうち、撮影対象の部位(撮影部位、撮影対象部位)を入力インターフェース31を介して選択する。そして、スキャン制御機能375は、ユーザにより選択された撮影部位用のプリセットされた複数の検査プロトコルを選択可能にディスプレイ32に表示させる。ユーザは、ディスプレイ32に表示された複数の検査プロトコルのうち、撮影に用いる検査プロトコルを入力インターフェース31を介して選択する。そして、スキャン制御機能375は、ユーザにより選択された検査プロトコルを撮影に使用する検査プロトコルとして受け付ける。
スキャン制御機能375は、2次元のスキャノ画像データ及び3次元のスキャノ画像データを撮影することができる。例えば、スキャン制御機能375は、X線管12aを0度の位置(被検体Pに対して正面方向の位置)に固定して、天板22を定速移動させながら連続的に撮影を行うことで2次元のスキャノ画像データを撮影する。又は、スキャン制御機能375は、X線管12aを0度の位置に固定して、天板22を断続的に移動させながら、天板22の移動に同期して断続的に撮影を繰り返すことで2次元のスキャノ画像データを撮影する。また、スキャン制御機能375は、被検体Pに対して正面方向だけでなく、任意の方向(例えば、側面方向など)からスキャノ画像データを撮影することができる。例えば、X線管12aが90度の位置(被検体Pに対して側面方向の位置)で撮影した場合、被検体Pの側面からの撮影がなされ、2次元のスキャノ画像データが得られる。なお、X線管12aの位置は、必要であれば、任意の複数の位置から撮影可能である。
また、スキャン制御機能375は、スキャノ画像データの撮影において、被検体に対する全周分の投影データを収集することで、3次元のスキャノ画像データを撮影する。例えば、スキャン制御機能375は、ヘリカルスキャン或いはノンヘリカルスキャンによって被検体に対する全周分の投影データを収集する。ここで、スキャン制御機能375は、被検体の胸部全体、腹部全体、上半身全体、全身などの広範囲に対して本スキャンよりも低線量でヘリカルスキャン又はノンヘリカルスキャンを実行する。ノンヘリカルスキャンとしては、例えば、ステップアンドシュート方式のスキャンが実行される。
また、血管造影検査を行う場合に、スキャン制御機能375は、ユーザによって選択された検査プロトコルに基づいて、被検体Pに造影剤が注入された後、造影剤の濃度を観察するためのモニタリングスキャン(モニタリング撮影、プレップスキャン)を行う。例えば、造影剤としてはヨード造影剤が用いられる。ここで、モニタリングスキャンは、被検体Pの断層像であるモニタリング画像上に設定された関心領域(Region of Interest)の造影剤の濃度変化を観察する撮影である。モニタリングスキャン中、スキャン制御機能375は、モニタリング画像に設定された関心領域において、被検体Pに注入された造影剤の濃度に応じて増加するCT値を検出し、CT値が閾値に到達したときをトリガとして、自動的に又はユーザによる指示を受けて本スキャンに移行する。なお、モニタリングスキャンは、診断には寄与しないものの、造影剤が高濃度の時に本スキャンへの移行を可能とすることより、本スキャンで得られるX線CT画像データの画質向上に寄与する。
表示制御機能376は、メモリ35が記憶する各種画像データに基づく画像を、ディスプレイ32に表示するように制御する。例えば、表示制御機能376は、モニタリング画像データに基づくモニタリング画像をディスプレイ32に表示させる。
取得機能377は、撮影モードに関する情報を取得する。決定機能378は、取得機能377により取得された撮影モードに関する情報に基づいて、X線検出器13から収集される投影データのエネルギー帯域に関する条件を決定する。取得機能377は、取得部の一例である。決定機能378は、決定部の一例である。なお、取得機能377及び決定機能378の詳細については後述する。
以上、第1の実施形態に係るX線CT装置1の構成について説明した。ここで、フォトンカウンティングCTにおいては撮影モードにおいて最適なエネルギー帯域の設定が異なる。そこで、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、撮影モードに応じて最適なエネルギー帯域を決定することができるように、以下に説明する各種の処理を実行する。
図4は、第1の実施形態に係るエネルギーテーブル35aのデータ構造の一例を示す図である。図4に示すように、エネルギーテーブル35aには、「撮影モード」及び「エネルギー帯域」の各項目を有するレコードが複数登録されている。ここで、第1の実施形態において撮影モードとは、例えば、モニタリングスキャン、本スキャンにおけるヘリカルスキャン、本スキャンにおけるコンベンショナルスキャン等の各種の撮影の種類(目的)を指す。
「撮影モード」の項目には、撮影モードを示す情報が登録されている。例えば、図4に示すように、1番目のレコードの「撮影モード」の項目には「モニタリングスキャン」が登録されている。また、図4に示すように、2番目のレコードの「撮影モード」の項目には「本スキャンにおけるヘリカルスキャン」が登録されている。このように、「撮影モード」の項目には、撮影モードに関する情報が登録されている。
「エネルギー帯域」の項目には、「撮影モード」の項目に登録された撮影モードに対応する最適なエネルギー帯域が登録されている。例えば、モニタリングスキャンでは、ヨード造影剤の濃度が確認できればよい。ヨード造影剤は、比較的低いエネルギー帯域(例えばエネルギー値41b以上エネルギー値41c未満のエネルギー帯域)で造影効果が強調される。そこで、図4に示すように、1番目のレコードの「エネルギー帯域」の項目には、「モニタリングスキャン」に対応する最適なエネルギー帯域「エネルギー値41b~41c」が登録されている。このエネルギー帯域「エネルギー値41b~41c」は、エネルギー値41b以上エネルギー値41c未満のエネルギー帯域を示す。
また、本スキャンにおいてヘリカルスキャンが実行される場合には、X線CT装置1は、臨床的な情報を得るために、多くのエネルギー情報を取得する必要がある場合がある。この場合には、エネルギーの範囲を最大限にとり、かつ、特徴を抽出することが可能なようにエネルギー帯域の数を多くすることが考えられる。そこで、図4に示すように、2番目のレコードの「エネルギー帯域」の項目には、「本スキャンにおけるヘリカルスキャン」に対応する最適なエネルギー帯域「エネルギー値41a~41b、41b~41c、41c~41d、41d~41e、41e~41f、41f~41g」が登録されている。このエネルギー帯域「エネルギー値41a~41b、41b~41c、41c~41d、41d~41e、41e~41f、41f~41g」は、エネルギー値41a以上エネルギー値41b未満のエネルギー帯域、エネルギー値41b以上エネルギー値41c未満のエネルギー帯域、エネルギー値41c以上エネルギー値41d未満のエネルギー帯域、エネルギー値41d以上エネルギー値41e未満のエネルギー帯域、エネルギー値41e以上エネルギー値41f未満のエネルギー帯域及びエネルギー値41f以上エネルギー値41g未満のエネルギー帯域を示す。
次に、X線CT装置1が実行する第1のエネルギー帯域決定処理の流れについて説明する。第1のエネルギー帯域決定処理は、X線検出器13が上述したデジタルデータを生成する際に用いられるエネルギー帯域を決定するための処理である。図5は、第1の実施形態に係るX線CT装置1が実行する第1のエネルギー帯域決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5に示すように、取得機能377は、実行される対象の撮影モード(実行される予定の撮影モード)を取得する(ステップS101)。例えば、メモリ35には、ユーザにより選択された検査プロトコルが記憶されている。取得機能377は、メモリ35から、ユーザにより選択された検査プロトコルを取得し、取得された検査プロトコルから撮影モードを取得する。例えば、取得機能377は、撮影モードとして、「モニタリングスキャン」や「本スキャンにおけるヘリカルスキャン」等を取得する。このように、取得機能377は、撮影モードに関する情報を取得する。
そして、決定機能378は、ステップS101で取得された撮影モードに対応する最適なエネルギー帯域をエネルギーテーブル35aから取得する(ステップS102)。例えば、ステップS101で撮影モード「モニタリングスキャン」が取得された場合には、ステップS102において決定機能378は、エネルギーテーブル35aを参照し、エネルギー帯域「エネルギー値41b~41c」を取得する。また、ステップS101で撮影モード「本スキャンにおけるヘリカルスキャン」が取得された場合には、ステップS102において決定機能378は、エネルギーテーブル35aを参照し、エネルギー帯域「エネルギー値41a~41b、41b~41c、41c~41d、41d~41e、41e~41f、41f~41g」を取得する。
そして、決定機能378は、6つのエネルギー帯域40a~40fの中からステップS102で取得されたエネルギー帯域に対応するエネルギー帯域を、ステップS101で取得された撮影モードでの撮影(スキャン)を行う場合のエネルギー帯域として決定する(ステップS103)。
例えば、ステップS102でエネルギー帯域「エネルギー値41b~41c」が取得された場合について説明する。図6は、第1の実施形態において決定されるエネルギー帯域の一例を示す図である。この場合、ステップS103では、決定機能378は、モニタリングスキャンを行う場合のエネルギー帯域として、図6に示すように、エネルギー帯域「エネルギー値41b~41c」に対応するエネルギー帯域40bを決定する。
また、例えば、ステップS102でエネルギー帯域「エネルギー値41a~41b、41b~41c、41c~41d、41d~41e、41e~41f、41f~41g」が取得された場合について説明する。この場合、ステップS103では、決定機能378は、本スキャンにおいてヘリカルスキャンを行う場合のエネルギー帯域として、先の図3に示すように、エネルギー帯域「エネルギー値41a~41b、41b~41c、41c~41d、41d~41e、41e~41f、41f~41g」に対応する6つのエネルギー帯域40a~40fを決定する。
そして、決定機能378は、ステップS103で決定されたエネルギー帯域を、ステップS101で取得された撮影モードでの撮影を行う場合のエネルギー帯域としてX線検出器13に設定させる(ステップS104)。例えば、決定機能378は、ステップS103でエネルギー帯域40bが決定された場合、ステップS104で、エネルギー帯域40bを、撮影モード「モニタリングスキャン」を行う場合のエネルギー帯域としてX線検出器13に設定させる。
また、決定機能378は、ステップS103でエネルギー帯域40a~40fが決定された場合、エネルギー帯域40a~40fを、撮影モード「本スキャンにおけるヘリカルスキャン」を行う場合のエネルギー帯域としてX線検出器13に設定させる。そして、決定機能378は、第1のエネルギー帯域決定処理を終了する。
ステップS104の処理について具体例を挙げて説明する。例えば、ステップS104において決定機能378は、まず、取得された撮影モードに基づいて、X線検出器13から収集されるデータのエネルギー帯域に関する条件(第1の条件)を決定する。この第1の条件は、各エネルギー帯域の範囲、エネルギー帯域の数、及び、マージ情報を含む。ここで、マージ情報は、複数のエネルギー帯域40a~40fのうち少なくとも2つのエネルギー帯域をマージさせるか否かを示す情報と、マージさせる場合にはマージさせるエネルギー帯域を示す情報を含む。
例えば、ステップS103でエネルギー帯域40bが決定された場合、ステップS104において決定機能378は、エネルギー帯域の範囲がエネルギー値41b以上エネルギー値41c未満の範囲であり、エネルギー帯域の数が「1」であることを示す第1の条件を決定する。なお、この第1の条件に含まれるマージ情報には、マージさせないことを示す情報が含まれる。そして、ステップS104において決定機能378は、決定された第1の条件をX線検出器13に送信する。
X線検出器13は、第1の条件を受信すると、第1の条件に合致するようにエネルギー帯域を設定する。例えば、X線検出器13は、第1の条件に合致するように、1つのエネルギー帯域40bを設定する。そして、X線検出器13は、設定されたエネルギー帯域のエネルギー情報を取得する。
第1のエネルギー帯域決定処理において、エネルギー帯域40bが撮影モード「モニタリングスキャン」を行う場合のエネルギー帯域として設定された場合について説明する。この場合、モニタリングスキャンにおいて、X線検出器13は、6つのエネルギー帯域40a~40fのうち、エネルギー帯域40bのX線光子の計数結果を示すデジタルデータを生成し、生成されたデジタルデータをデータ収集回路14に出力する。この場合、X線検出器13は、他の5つのエネルギー帯域40a,40c~40fのそれぞれのX線光子を計数しない(カウントしない)。すなわち、X線検出器13は、5つのエネルギー帯域40a,40c~40fのそれぞれのX線光子の計数結果を示すデジタルデータを生成しない。
なお、X線検出器13は、5つのエネルギー帯域40a,40c~40fのそれぞれのX線光子の計数結果を示すデジタルデータを生成しても出力せずに、エネルギー帯域40bのX線光子の計数結果を示すデジタルデータを出力してもよい。X線検出器13から出力されるデジタルデータには、エネルギー帯域40b以外のエネルギー帯域40a,40c~40dのX線光子の計数結果が含まれない。
ここで、一般的には、フォトンカウンティングCT撮影では、エネルギー帯域の情報を取得するため、X線検出器から出力されるデータのデータサイズ(情報量)が比較的大きい傾向にある。しかしながら、第1の実施形態によれば、撮影モードに応じてエネルギー帯を最適化することで、X線検出器13から出力されるデジタルデータのデータサイズの増大を抑制することができる。ひいては、コンソール30のメモリ35に記憶される生データのデータサイズの増大を抑制することができる。
また、エネルギー帯域40bのX線光子の計数結果を示すデジタルデータは、データ収集回路14、前処理機能372、再構成処理機能373及び画像処理機能374を経由して、モニタリング画像データとなる。そして、表示制御機能376により、モニタリング画像データに基づくモニタリング画像がディスプレイ32に表示される。図7は、第1の実施形態に係るモニタリング画像43の一例を示す図である。図7に示すモニタリング画像43には、ヨード造影剤43aが明瞭に描出されている。したがって、第1の実施形態によれば、撮影モードに応じた効果的なエネルギー帯域を決定しているので、モニタリングスキャンを効果的に行うことができる価値のあるモニタリング画像データを生成することができる。
また、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、撮影モードに応じてエネルギー帯域を自動的に最適化する。例えば、X線CT装置1は、6つのエネルギー帯域40a~40fのうち最適なエネルギー帯域40bを自動的に決定し設定する。したがって、第1の実施形態によれば、撮影モードに応じて最適なエネルギー帯域を自動的に決定することができる。よって、第1の実施形態によれば、ユーザがエネルギー帯域を手動で設定する場合と比較して、セットアップや撮影時のユーザの負担を軽減させることができる。また、ワークフローの改善が見込める。
また、第1の実施形態によれば、自動的にエネルギー帯域が設定されるので、フォトンカウンティングCT撮影であることをユーザに意識させずに、エネルギー帯域を設定させない通常のCT撮影と同様の感覚でユーザにフォトンカウンティングCT検査を行わせることができる。
次に、第1のエネルギー帯域決定処理において、6つのエネルギー帯域40a~40fが撮影モード「本スキャンにおけるヘリカルスキャン」を行う場合のエネルギー帯域として設定された場合について説明する。この場合、本スキャンにおいて、X線検出器13は、6つのエネルギー帯域40a~40fのそれぞれについてのX線光子の計数結果を示すデジタルデータを生成し、生成されたデジタルデータをデータ収集回路14に出力する。
そして、このデジタルデータは、データ収集回路14、前処理機能372、再構成処理機能373及び画像処理機能374を経由して、画像データとなる。そして、表示制御機能376により、画像データに基づく画像がディスプレイ32に表示される。図8は、第1の実施形態に係る画像44の一例を示す図である。図8に示す画像44には、臨床検査に必要な多くのエネルギー帯域の情報が明瞭に描出されている。したがって、第1の実施形態によれば、撮影モードに応じた効果的なエネルギー帯域を決定しているので、病変の特定や経過観察等を効果的に行うことができる価値のある画像データを生成することができる。
また、X線CT装置1は、撮影モードに応じて6つのエネルギー帯域40a~40fを自動的に決定し設定する。この点からも、セットアップや撮影時のユーザの負担を軽減させることができ、ワークフローの改善が見込める。また、フォトンカウンティングCT撮影であることをユーザに意識させずに、エネルギー帯域を設定させない通常のCT撮影と同様の感覚でユーザにフォトンカウンティングCT検査を行わせることができる。
なお、エネルギーテーブル35aの「撮影モード」の項目には、上述した「モニタリングスキャン」及び上述した「本スキャンにおけるヘリカルスキャン」以外にも他の様々な撮影モードが登録されている。そのため、他の様々な撮影モードに対応する様々な最適なエネルギー帯域が「エネルギー帯域」の項目に登録されている。以下、決定機能378がステップS102で様々なエネルギー帯域を取得した場合にステップS103で実行する処理の具体例について説明する。
図9~13は、第1の実施形態に係る決定機能378がステップS102で他の様々なエネルギー帯域を取得した場合にステップS103で実行する処理の一例を説明するための図である。
例えば、決定機能378が、ステップS102で、エネルギー帯域「エネルギー値41b~41c、41c~41d」を取得した場合について説明する。このエネルギー帯域「エネルギー値41b~41c、41c~41d」は、エネルギー値41b以上エネルギー値41c未満のエネルギー帯域及びエネルギー値41c以上エネルギー値41d未満のエネルギー帯域を示す。この場合、ステップS103では、図9に示すように、決定機能378は、エネルギー帯域「エネルギー値41b~41c、41c~41d」に対応する2つのエネルギー帯域40b,40cを、ステップS101で取得された撮影モードでの撮影を行う場合のエネルギー帯域として決定する。
また、例えば、決定機能378が、ステップS102で、エネルギー帯域「エネルギー値41b~41c、41d~41e、41e~41f」を取得した場合について説明する。このエネルギー帯域「エネルギー値41b~41c、41d~41e、41e~41f」は、エネルギー値41b以上エネルギー値41c未満のエネルギー帯域、エネルギー値41d以上エネルギー値41e未満のエネルギー帯域及びエネルギー値41e以上エネルギー値41f未満のエネルギー帯域を示す。この場合、ステップS103では、図10に示すように、決定機能378は、エネルギー帯域「エネルギー値41b~41c、41d~41e、41e~41f」に対応する3つのエネルギー帯域40b,40d,40eを、ステップS101で取得された撮影モードでの撮影を行う場合のエネルギー帯域として決定する。
また、例えば、決定機能378が、ステップS102で、エネルギー帯域「エネルギー値41b~41c、41c~41d、41d~41g」を取得した場合について説明する。このエネルギー帯域「エネルギー値41b~41c、41c~41d、41d~41g」は、エネルギー値41b以上エネルギー値41c未満のエネルギー帯域、エネルギー値41c以上エネルギー値41d未満のエネルギー帯域及びエネルギー値41d以上エネルギー値41g未満のエネルギー帯域を示す。この場合、ステップS103では、図11に示すように、決定機能378は、エネルギー帯域「エネルギー値41b~41c、41c~41d、41d~41g」に対応する3つのエネルギー帯域40b,40d,40gを、ステップS101で取得された撮影モードでの撮影を行う場合のエネルギー帯域として決定する。ここで、エネルギー帯域「エネルギー値41d~41g」は、3つのエネルギー帯域40d~40fに対応する。そこで、決定機能378は、3つのエネルギー帯域40d~40fを束ねて1つのエネルギー帯域40gとする。すなわち、決定機能378は、3つのエネルギー帯域40d~40fをマージすることにより得られた1つのエネルギー帯をエネルギー帯域40gとする。
この場合に、ステップS104でX線検出器13に送信される第1の条件について説明する。この第1の条件には、各エネルギー帯域の範囲として、1つ目のエネルギー帯域の範囲がエネルギー値41b以上エネルギー値41c未満の範囲であり、2つ目のエネルギー帯域の範囲がエネルギー値41c以上エネルギー値41d未満の範囲であり、3つ目のエネルギー帯域の範囲がエネルギー値41d以上エネルギー値41g未満の範囲であることが含まれる。また、第1の条件には、エネルギー帯域の数が「3」であることが含まれる。また、第1の条件に含まれるマージ情報は、3つのエネルギー帯域40d,40e,40fをマージさせることを示す情報を含む。
X線検出器13は、このような第1の条件を受信すると、第1の条件に合致するようにエネルギー帯域を設定する。例えば、X線検出器13は、第1の条件に合致するように、3つのエネルギー帯域40b,40c,40gを設定する。ここで、X線検出器13は、3つのエネルギー帯域40d,40e,40fをマージすることにより、1つのエネルギー帯域40gを設定する。そして、X線検出器13は、設定された3つのエネルギー帯域40b,40c,40gのエネルギー情報を取得する。
また、例えば、決定機能378が、ステップS102で、エネルギー帯域「エネルギー値41a~41b、41b~41c、41c~41d、41d~41g」を取得した場合について説明する。このエネルギー帯域「エネルギー値41a~41b、41b~41c、41c~41d、41d~41g」は、エネルギー値41a以上エネルギー値41b未満のエネルギー帯域、エネルギー値41b以上エネルギー値41c未満のエネルギー帯域、エネルギー値41c以上エネルギー値41d未満のエネルギー帯域及びエネルギー値41d以上エネルギー値41g未満のエネルギー帯域を示す。この場合、ステップS103では、図12に示すように、決定機能378は、エネルギー帯域「エネルギー値41a~41b、41b~41c、41c~41d、41d~41g」に対応する4つのエネルギー帯域40a,40b,40d,40gを、ステップS101で取得された撮影モードでの撮影を行う場合のエネルギー帯域として決定する。
また、例えば、決定機能378が、ステップS102で、エネルギー帯域「エネルギー値41a~41g」を取得した場合について説明する。このエネルギー帯域「エネルギー値41a~41g」は、エネルギー値41a以上エネルギー値41g未満のエネルギー帯域を示す。この場合、ステップS103では、図13に示すように、決定機能378は、エネルギー帯域「エネルギー値41a~41g」に対応する1つのエネルギー帯域40hを、ステップS101で取得された撮影モードでの撮影を行う場合のエネルギー帯域として決定する。ここで、エネルギー帯域「エネルギー値41a~41g」は、6つのエネルギー帯域40a~40fに対応する。そこで、決定機能378は、6つのエネルギー帯域40a~40fを束ねて1つのエネルギー帯域40hとする。すなわち、決定機能378は、6つのエネルギー帯域40a~40fをマージすることにより得られた1つのエネルギー帯をエネルギー帯域40hとする。
以上、第1の実施形態に係るX線CT装置1について説明した。第1の実施形態によれば、上述したように、撮影モードに応じて最適なエネルギー帯域を決定することができる。
(第1の実施形態の変形例)
上述した第1の実施形態では、X線CT装置1が、撮影モードに応じて最適なエネルギー帯域を決定する場合について説明した。ここで、X線CT装置1は、CT透視を行うことができる。CT透視は、本スキャンに比べて低い管電流にもとづくX線を被検体Pに連続的に照射して、被検体Pの関心領域の画像データをリアルタイムに生成するための撮影方法である。CT透視は、例えば、バイオプシーにおいて用いられる穿刺針等の医療用デバイスをガイドするために行われる。ここで、X線CT装置1が、検査に用いられる医療用デバイスの種類に応じて最適なエネルギー帯域を決定してもよい。そこで、このような変形例を、第1の実施形態の変形例として説明する。なお、第1の実施形態の変形例の説明では、主に、第1の実施形態と異なる点について説明し、第1の実施形態と同様の構成の説明については省略する場合がある。
図14は、第1の実施形態の変形例に係るエネルギーテーブル35bのデータ構造の一例を示す図である。第1の実施形態の変形例では、図14に示すエネルギーテーブル35bがメモリ35に記憶されている。図14に示すように、エネルギーテーブル35bには、「医療用デバイス」及び「エネルギー帯域」の各項目を有するレコードが複数登録されている。
「医療用デバイス」の項目には、撮影時に用いられる医療用デバイスの種類を示す情報が登録されている。例えば、図14に示すように、1番目のレコードの「医療用デバイス」の項目には「穿刺針」が登録されている。このように、「医療用デバイス」の項目には、医療用デバイスに関する情報が登録されている。
「エネルギー帯域」の項目には、「医療用デバイス」の項目に登録された情報が示す医療用デバイスの種類に対応する最適なエネルギー帯域が登録されている。例えば、CT透視では、穿刺針がディスプレイ32に表示される画像に明瞭に描出されていることが好ましい。ここで、例えば、穿刺針が画像に明瞭に描出されるようなエネルギー帯域が、エネルギー値41b以上エネルギー値41c未満のエネルギー帯域及びエネルギー値41c以上エネルギー値41d未満のエネルギー帯域である。この場合、図14に示すように、1番目のレコードの「エネルギー帯域」の項目には、「穿刺針」に対応する最適なエネルギー帯域「エネルギー値41b~41c、41c~41d」が登録されている。
次に、第1の実施形態の変形例においてX線CT装置1が実行する第2のエネルギー帯域決定処理の流れについて説明する。第2のエネルギー帯域決定処理は、X線検出器13が上述したデジタルデータを生成する際に用いられるエネルギー帯域を決定するための処理である。図15は、第1の実施形態の変形例に係るX線CT装置1が実行する第2のエネルギー帯域決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図15に示すように、取得機能377は、撮影時に用いられる医療用デバイスの種類を示す情報を取得する(ステップS201)。例えば、メモリ35には、撮影時に用いられる医療用デバイスの種類を示す情報が記憶されている。取得機能377は、メモリ35から、撮影時に用いられる医療用デバイスの種類を示す情報を取得する。例えば、取得機能377は、穿刺針を示す情報を取得する。このように、取得機能377は、医療用デバイスに関する情報を取得する。
そして、決定機能378は、ステップS201で取得された情報が示す医療用デバイスの種類に対応する最適なエネルギー帯域をエネルギーテーブル35bから取得する(ステップS202)。例えば、ステップS201で穿刺針を示す情報が取得された場合には、ステップS202において、決定機能378は、エネルギーテーブル35bを参照し、エネルギー帯域「エネルギー値41b~41c、41c~41d」を取得する。
そして、決定機能378は、6つのエネルギー帯域40a~40fの中からステップS202で取得されたエネルギー帯域に対応するエネルギー帯域を、ステップS201で取得された情報が示す種類の医療用デバイスが用いられる撮影(スキャン)を行う場合のエネルギー帯域として決定する(ステップS203)。ステップS202でエネルギー帯域「エネルギー値41b~41c、41c~41d」が取得された場合について説明する。この場合、ステップS203では、先の図9に示すように、決定機能378は、エネルギー帯域「エネルギー値41b~41c、41c~41d」に対応する2つのエネルギー帯域40b,40cを、穿刺針が用いられる撮影(CT透視)を行う場合のエネルギー帯域として決定する。
そして、決定機能378は、ステップS203で決定されたエネルギー帯域を、ステップS201で取得された情報が示す種類の医療用デバイスが用いられる撮影を行う場合のエネルギー帯域としてX線検出器13に設定させる(ステップS204)。例えば、決定機能378は、ステップS203で2つのエネルギー帯域40b,40cが決定された場合、ステップS204で、2つのエネルギー帯域40b,40cを、穿刺針が用いられるCT透視を行う場合のエネルギー帯域としてX線検出器13に設定させる。そして、決定機能378は、第2のエネルギー帯域決定処理を終了する。
例えば、ステップS204において決定機能378は、まず、取得された情報が示す医療用デバイスの種類に基づいて、第1の条件を決定する。そして、ステップS204において決定機能378は、決定された第1の条件をX線検出器13に送信する。
以上、第1の実施形態の変形例に係るX線CT装置1について説明した。第1の実施形態の変形例によれば、撮影に用いられる医療用デバイスの種類に応じてエネルギー帯を最適化することで、X線検出器13から出力されるデジタルデータのデータサイズの増大を抑制することができる。ひいては、コンソール30のメモリ35に記憶される生データのデータサイズの増大を抑制することができる。
また、第1の実施形態の変形例では、例えば、CT透視において穿刺針が明瞭に描出された画像がディスプレイ32に表示される。したがって、第1の実施形態の変形例によれば、医療用デバイスの種類に応じた効果的なエネルギー帯域を決定しているので、CT透視を効果的に行うことができる価値のある画像データを生成することができる。
また、第1の実施形態の変形例に係るX線CT装置1は、医療用デバイスの種類に応じてエネルギー帯域を自動的に最適化する。具体的には、例えば、X線CT装置1は、6つのエネルギー帯域40a~40fのうち最適な2つのエネルギー帯域40b,40cを自動的に決定し設定する。したがって、第1の実施形態の変形例によれば、医療用デバイスの種類に応じて最適なエネルギー帯域を自動的に決定することができる。よって、第1の実施形態の変形例によれば、ユーザがエネルギー帯域を手動で設定する場合と比較して、セットアップや撮影時のユーザの負担を軽減させることができる。また、ワークフローの改善が見込める。また、第1の実施形態の変形例によれば、自動的にエネルギー帯域が設定されるので、フォトンカウンティングCT撮影であることをユーザに意識させずに、エネルギー帯域を設定させない通常のCT撮影と同様の感覚でユーザにフォトンカウンティングCT検査を行わせることができる。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、X線CT装置1が撮影モードに応じて最適なエネルギー帯域を決定する場合について説明した。また、上述した第1の実施形態の変形例では、X線CT装置1が医療用デバイスの種類に応じて最適なエネルギー帯域を決定する場合について説明した。しかしながら、X線CT装置1が、撮影部位に応じて最適なエネルギー帯域を決定してもよい。そこで、このような実施形態を、第2の実施形態として説明する。なお、第2の実施形態の説明では、主に、第1の実施形態及び第1の実施形態の変形例と異なる点について説明し、第1の実施形態及び第1の実施形態の変形例と同様の構成の説明については省略する場合がある。
図16は、第2の実施形態に係るエネルギーテーブル35cのデータ構造の一例を示す図である。図16に示すように、エネルギーテーブル35cには、「撮影部位」及び「エネルギー帯域」の各項目を有するレコードが複数登録されている。
「撮影部位」の項目には、撮影部位を示す情報が登録されている。例えば、図16に示すように、1番目のレコードの「撮影部位」の項目には「胸部」が登録されている。また、2番目のレコードの「撮影部位」の項目には「頭部」が登録されている。このように、「撮影部位」の項目には、撮影部位に関する情報が登録されている。
「エネルギー帯域」の項目には、「撮影部位」の項目に登録された情報が示す撮影部位に対応する最適なエネルギー帯域が登録されている。例えば、被検体Pの胸部を撮影する場合について説明する。この場合に得られる画像データに基づく画像には、胸部の軟部組織が明瞭に描出されることが好ましい。ここで、例えば、胸部の軟部組織が画像に明瞭に描出されるようなエネルギー帯域が、エネルギー値41a以上エネルギー値41b未満のエネルギー帯域である。そのため、図16に示すように、1番目のレコードの「エネルギー帯域」の項目には、「胸部」に対応する最適なエネルギー帯域「エネルギー値41a~41b」が登録されている。このエネルギー帯域「エネルギー値41a~41b」は、エネルギー値41a以上エネルギー値41b未満のエネルギー帯域を示す。
また、例えば、被検体Pの頭部を撮影する場合について説明する。この場合には、頭蓋骨によるビームハードニング効果が抑制されることが好ましい。ここで、例えば、頭蓋骨によるビームハードニング効果が抑制されるようなエネルギー帯域が、エネルギー値41c以上エネルギー値41d未満のエネルギー帯域である。そのため、図16に示すように、2番目のレコードの「エネルギー帯域」の項目には、「頭部」に対応する最適なエネルギー帯域「エネルギー値41c~41d」が登録されている。このエネルギー帯域「エネルギー値41c~41d」は、エネルギー値41c以上エネルギー値41d未満のエネルギー帯域を示す。
次に、第2の実施形態においてX線CT装置1が実行する第3のエネルギー帯域決定処理の流れについて説明する。第3のエネルギー帯域決定処理は、X線検出器13が上述したデジタルデータを生成する際に用いられるエネルギー帯域を決定するための処理である。図17は、第2の実施形態に係るX線CT装置1が実行する第3のエネルギー帯域決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図17に示すように、取得機能377は、撮影部位を示す情報を取得する(ステップS301)。例えば、取得機能377は、上述したようにディスプレイ32に表示された人体モデルの複数の部位の中からユーザにより選択された撮影部位を示す情報を取得してもよい。また、取得機能377は、スキャノ画像データに対して、スキャノ画像データに描出された被検体Pの部位を自動的に認識する認識処理を行い、認識された部位を示す情報を撮影部位を示す情報として取得してもよい。また、取得機能377は、入力インターフェース31を介してユーザから撮影部位を示す情報を受け付けることにより、撮影部位を示す情報を取得してもよい。このように、取得機能377は、撮影部位に関する情報を取得する。
そして、決定機能378は、ステップS301で取得された情報が示す撮影部位に対応する最適なエネルギー帯域をエネルギーテーブル35cから取得する(ステップS302)。例えば、ステップS301で胸部を示す情報が取得された場合には、ステップS302において、決定機能378は、エネルギーテーブル35cを参照し、エネルギー帯域「エネルギー値41a~41b」を取得する。また、ステップS301で頭部を示す情報が取得された場合には、ステップS302において、決定機能378は、エネルギーテーブル35cを参照し、エネルギー帯域「エネルギー値41c~41d」を取得する。
そして、決定機能378は、6つのエネルギー帯域40a~40fの中からステップS302で取得されたエネルギー帯域に対応するエネルギー帯域を、ステップS301で取得された情報が示す撮影部位を撮影する場合のエネルギー帯域として決定する(ステップS303)。ステップS302でエネルギー帯域「エネルギー値41a~41b」が取得された場合について説明する。この場合、ステップS303では、決定機能378は、エネルギー帯域「エネルギー値41a~41b」に対応する1つのエネルギー帯域40aを、胸部を撮影する場合のエネルギー帯域として決定する。
また、ステップS302でエネルギー帯域「エネルギー値41c~41d」が取得された場合について説明する。この場合、ステップS303では、決定機能378は、エネルギー帯域「エネルギー値41c~41d」に対応する1つのエネルギー帯域40cを、頭部を撮影する場合のエネルギー帯域として決定する。
そして、決定機能378は、ステップS303で決定されたエネルギー帯域を、ステップS301で取得された情報が示す撮影部位を撮影する場合のエネルギー帯域としてX線検出器13に設定させる(ステップS304)。例えば、決定機能378は、ステップS303でエネルギー帯域40aが決定された場合、ステップS304で、エネルギー帯域40aを、胸部を撮影する場合のエネルギー帯域としてX線検出器13に設定させる。また、決定機能378は、ステップS303でエネルギー帯域40cが決定された場合、ステップS304で、エネルギー帯域40cを、頭部を撮影する場合のエネルギー帯域としてX線検出器13に設定させる。そして、決定機能378は、第3のエネルギー帯域決定処理を終了する。
例えば、ステップS304において決定機能378は、まず、取得された情報が示す撮影部位に基づいて、第1の条件を決定する。そして、ステップS304において決定機能378は、決定された第1の条件をX線検出器13に送信する。
以上、第2の実施形態に係るX線CT装置1について説明した。第2の実施形態によれば、撮影部位に応じてエネルギー帯を最適化することで、X線検出器13から出力されるデジタルデータのデータサイズの増大を抑制することができる。ひいては、コンソール30のメモリ35に記憶される生データのデータサイズの増大を抑制することができる。
また、第2の実施形態では、例えば、胸部の軟部組織が明瞭に描出された画像がディスプレイ32に表示される。また、頭蓋骨によるビームハードニング効果が抑制された画像がディスプレイ32に表示される。したがって、第2の実施形態によれば、撮影部位に応じた効果的なエネルギー帯域を決定しているので、臨床検査を効果的に行うことができる価値のある画像データを生成することができる。
また、第2の実施形態に係るX線CT装置1は、撮影部位に応じてエネルギー帯域を自動的に最適化する。具体的には、例えば、X線CT装置1は、最適な1つのエネルギー帯域40aを自動的に決定し設定する。また、例えば、X線CT装置1は、最適な1つのエネルギー帯域40cを自動的に決定し設定する。したがって、第2の実施形態によれば、撮影部位に応じて最適なエネルギー帯域を自動的に決定することができる。よって、第2の実施形態によれば、ユーザがエネルギー帯域を手動で設定する場合と比較して、セットアップや撮影時のユーザの負担を軽減させることができる。また、ワークフローの改善が見込める。また、第2の実施形態によれば、自動的にエネルギー帯域が設定されるので、フォトンカウンティングCT撮影であることをユーザに意識させずに、エネルギー帯域を設定させない通常のCT撮影と同様の感覚でユーザにフォトンカウンティングCT検査を行わせることができる。
(第3の実施形態)
上述した第1の実施形態、第1の実施形態の変形例及び第2の実施形態では、X線CT装置1が、最適なエネルギー帯域をX線検出器13に設定させる場合について説明した。しかしながら、X線CT装置1は、最適なエネルギー帯域をX線検出器13に設定させずに、最適なエネルギー帯域のX線光子の計数結果を示すデータを用いて再構成処理を行うように再構成処理機能373を制御してもよい。そこで、このような実施形態を第3の実施形態として説明する。なお、第3の実施形態の説明では、主に、第1の実施形態、第1の実施形態の変形例及び第2の実施形態と異なる点について説明し、第1の実施形態、第1の実施形態の変形例及び第2の実施形態と同様の構成の説明については省略する場合がある。
第3の実施形態では、X線検出器13は、デジタルデータを生成する際に、6つのエネルギー帯域40a~40fをそのまま用いる。すなわち、第3の実施形態では、X線検出器13は、6つのエネルギー帯域40a~40fそれぞれのX線光子の計数結果を示すデジタルデータを生成し、生成されたデジタルデータをデータ収集回路14に出力する。
また、第3の実施形態では、上述したエネルギーテーブル35a、エネルギーテーブル35b及びエネルギーテーブル35cのうち少なくとも1つがメモリ35に記憶されている。まず、メモリ35にエネルギーテーブル35aが記憶されている場合について説明する。
X線CT装置1がエネルギーテーブル35aを用いて実行する第4のエネルギー帯域決定処理の流れについて説明する。第4のエネルギー帯域決定処理は、再構成処理機能373による再構成処理の対象となる生データについてのエネルギー帯域を決定するための処理である。図18は、第3の実施形態に係るX線CT装置1が実行する第4のエネルギー帯域決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図18に示すように、取得機能377及び決定機能378は、第1のエネルギー帯域決定処理のステップS101~S103の処理と同様にステップS101~S103の処理を実行する。例えば、取得機能377は撮影モードを取得し(ステップS101)、決定機能378は、ステップS101で取得された撮影モードに対応する最適なエネルギー帯域をエネルギーテーブル35aから取得する(ステップS102)。そして、決定機能378は、6つのエネルギー帯域40a~40fの中からステップS102で取得されたエネルギー帯域に対応するエネルギー帯域を、ステップS101で取得された撮影モードでの撮影を行う場合のエネルギー帯域として決定する(ステップS103)。
そして、決定機能378は、ステップS103で決定されたエネルギー帯域のX線光子の計数結果を示す生データに対して再構成処理を実行するように、再構成処理機能373を制御する(ステップS110)。ステップS110の制御により、再構成処理機能373は、6つのエネルギー帯域40a~40fのそれぞれのX線光子の計数結果を示す生データのうち、ステップS103で決定されたエネルギー帯域のX線光子の計数結果を示す生データに対して再構成処理を実行して、CT画像データを再構成する。そして、決定機能378は、第4のエネルギー帯域決定処理を終了する。
ステップS110の処理について具体例を挙げて説明する。例えば、ステップS110において決定機能378は、まず、取得された撮影モードに基づいて、X線検出器13から収集されるデータのうち再構成処理に用いられるデータについてのエネルギー帯域に関する条件(第2の条件)を決定する。この第2の条件は、第1の条件と同様に、各エネルギー帯域の範囲、エネルギー帯域の数、及び、マージ情報を含む。
例えば、ステップS110でエネルギー帯域40bが決定された場合、ステップS110において決定機能378は、エネルギー帯域の範囲がエネルギー値41b以上エネルギー値41c未満の範囲であり、エネルギー帯域の数が「1」であることを示す第2の条件を決定する。なお、この第2の条件に含まれるマージ情報には、マージさせないことを示す情報が含まれる。そして、ステップS110において決定機能378は、決定された第2の条件を再構成処理機能373に送信する。
再構成処理機能373は、第2の条件を受信すると、6つのエネルギー帯域40a~40fそれぞれのX線光子の計数結果を示す生データのうち、第2の条件に合致するエネルギー帯域の生データに対して再構成処理を実行してX線CT画像データを再構成する。再構成処理機能373は、再構成処理部の一例である。
次に、メモリ35にエネルギーテーブル35bが記憶されている場合について説明する。X線CT装置1がエネルギーテーブル35bを用いて実行する第5のエネルギー帯域決定処理の流れについて説明する。第5のエネルギー帯域決定処理は、再構成処理機能373による再構成処理の対象となる生データについてのエネルギー帯域を決定するための処理である。図19は、第3の実施形態に係るX線CT装置1が実行する第5のエネルギー帯域決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図19に示すように、取得機能377及び決定機能378は、第2のエネルギー帯域決定処理のステップS201~S203の処理と同様にステップS201~S203の処理を実行する。例えば、取得機能377は撮影時に用いられる医療用デバイスの種類を示す情報を取得し(ステップS201)、決定機能378は、ステップS201で取得された情報が示す医療用デバイスの種類に対応する最適なエネルギー帯域をエネルギーテーブル35bから取得する(ステップS202)。そして、決定機能378は、6つのエネルギー帯域40a~40fの中からステップS202で取得されたエネルギー帯域に対応するエネルギー帯域を、ステップS201で取得された情報が示す種類の医療用デバイスが用いられる撮影を行う場合のエネルギー帯域として決定する(ステップS203)。
そして、決定機能378は、ステップS203で決定されたエネルギー帯域のX線光子の計数結果を示す生データに対して再構成処理を実行するように、再構成処理機能373を制御する(ステップS210)。そして、決定機能378は、第5のエネルギー帯域決定処理を終了する。
ステップS210の処理について具体例を挙げて説明する。例えば、ステップS210において決定機能378は、まず、取得された情報が示す医療用デバイスの種類に基づいて、第2の条件を決定する。そして、ステップS210において決定機能378は、決定された第2の条件を再構成処理機能373に送信する。
次に、メモリ35にエネルギーテーブル35cが記憶されている場合について説明する。X線CT装置1がエネルギーテーブル35cを用いて実行する第6のエネルギー帯域決定処理の流れについて説明する。第6のエネルギー帯域決定処理は、再構成処理機能373による再構成処理の対象となる生データについてのエネルギー帯域を決定するための処理である。図20は、第3の実施形態に係るX線CT装置1が実行する第6のエネルギー帯域決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図20に示すように、取得機能377及び決定機能378は、第3のエネルギー帯域決定処理のステップS301~S303の処理と同様にステップS301~S303の処理を実行する。例えば、取得機能377は撮影部位を示す情報を取得し(ステップS301)、決定機能378は、ステップS301で取得された情報が示す撮影部位に対応する最適なエネルギー帯域をエネルギーテーブル35cから取得する(ステップS302)。そして、決定機能378は、6つのエネルギー帯域40a~40fの中からステップS302で取得されたエネルギー帯域に対応するエネルギー帯域を、ステップS301で取得された情報が示す撮影部位を撮影する場合のエネルギー帯域として決定する(ステップS303)。
そして、決定機能378は、ステップS303で決定されたエネルギー帯域のX線光子の計数結果を示す生データに対して再構成処理を実行するように、再構成処理機能373を制御する(ステップS310)。そして、決定機能378は、第6のエネルギー帯域決定処理を終了する。
ステップS310の処理について具体例を挙げて説明する。例えば、ステップS310において決定機能378は、まず、取得された情報が示す撮影部位に基づいて、第2の条件を決定する。そして、ステップS310において決定機能378は、決定された第2の条件を再構成処理機能373に送信する。
以上、第3の実施形態に係るX線CT装置1について説明した。第3の実施形態によれば、撮影モード、医療用デバイスの種類、又は、撮影部位に応じた効果的なエネルギー帯域を決定しているので、臨床検査を効果的に行うことができる価値のある画像データを生成することができる。
また、第3の実施形態に係るX線CT装置1は、撮影モード、医療用デバイスの種類、又は、撮影部位に応じてエネルギー帯域を自動的に最適化する。したがって、第3の実施形態によれば、撮影モード、医療用デバイスの種類、又は、撮影部位に応じて最適なエネルギー帯域を自動的に決定することができる。よって、第3の実施形態によれば、ユーザがエネルギー帯域を手動で設定する場合と比較して、セットアップや撮影時のユーザの負担を軽減させることができる。また、ワークフローの改善が見込める。また、第3の実施形態によれば、自動的にエネルギー帯域が決定されるので、フォトンカウンティングCT撮影であることをユーザに意識させずに、エネルギー帯域を設定させない通常のCT撮影と同様の感覚でユーザにフォトンカウンティングCT検査を行わせることができる。
(第4の実施形態)
複数のエネルギー帯域が用いられて撮影が行われた場合、エネルギー帯域毎にX線光子の計数結果が大きく異なることがある。このような場合に、全てのエネルギー帯域の生データに対して同一の再構成条件で再構成処理を施した場合には、エネルギー帯域ごとに得られるX線CT画像データのノイズレベルが、複数のエネルギー帯域の間で大きく異なることがある。この結果、ディスプレイ32に表示される画像のノイズレベルがエネルギー帯域ごとに大きく異なる場合がある。そこで、X線CT装置1は、画像のノイズレベルが複数のエネルギー帯域で均一となるように、エネルギー帯域ごとに再構成条件を変更してもよい。そこで、このような実施形態を第4の実施形態として説明する。なお、第4の実施形態の説明では、主に、第1の実施形態、第1の実施形態の変形例、第2の実施形態及び第3の実施形態と異なる点について説明し、第1の実施形態、第1の実施形態の変形例、第2の実施形態及び第3の実施形態と同様の構成の説明については省略する場合がある。
以下、X線CT装置1が、第1の実施形態、第1の実施形態の変形例、第2の実施形態及び第3の実施形態のうちのいずれかにおいて決定機能378により決定された複数のエネルギー帯域のそれぞれ毎に再構成条件を決定する場合を説明する。ただし、X線CT装置1は、入力インターフェース31を介してユーザにより設定された複数のエネルギー帯域のそれぞれ毎に再構成条件を決定してもよい。
第4の実施形態に係るX線CT装置1が実行する再構成条件決定処理の流れについて説明する。再構成条件決定処理は、複数のエネルギー帯域のそれぞれ毎に最適な再構成条件を決定するための処理である。図21は、第4の実施形態に係るX線CT装置1が実行する再構成条件決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図21に示すように、決定機能378は、複数のエネルギー帯域のうち未選択のエネルギー帯域を1つ選択する(ステップS401)。そして、決定機能378は、予め定められた複数の再構成条件の中から、選択されたエネルギー帯域に対応する最適な再構成条件を決定する(ステップS402)。
ステップS402で決定機能378が再構成条件を決定する具体的な手順について説明する。まず、選択されたエネルギー帯域の生データが収集されていない場合のステップS402の処理の手順について説明する。ここで、選択されたエネルギー帯域のX線光子の計数結果が予め予測されており、予測された計数結果がメモリ35に記憶されている。決定機能378は、メモリ35から予測された計数結果を取得し、予測された計数結果が示すX線光子の計数結果に応じてノイズを抑制する再構成条件を決定する。例えば、決定機能378は、全てのエネルギー帯域にわたって、X線CT画像データのノイズレベルが一定又は略一定となるように再構成条件を決定する。具体例を挙げて説明すると、決定機能378は、X線光子の計数結果が少なくなるほど、ノイズを抑制する度合いがより高い再構成条件を選択する。
次に、選択されたエネルギー帯域の生データが収集されている場合のステップS402の処理の手順について説明する。決定機能378は、収集された生データが示すX線光子の計数結果に応じてノイズを抑制する再構成条件を決定する。例えば、決定機能378は、生データが収集されていない場合と同様に、X線CT画像データのノイズレベルが一定となるように再構成条件を決定する。例えば、決定機能378は、X線光子の計数結果が少なくなるほど、ノイズを抑制する度合いがより高い再構成条件を選択する。
そして、決定機能378は、複数のエネルギー帯域の中に、未選択のエネルギー帯域があるか否かを判定する(ステップS403)。未選択のエネルギー帯域がある場合(ステップS403:Yes)には、決定機能378は、ステップS401に戻り、ステップS401以降の処理を再び実行する。このようにして、決定機能378は、ステップS402の処理を全てのエネルギー帯域について行うことで、全てのエネルギー帯域のそれぞれに対応する再構成条件を決定する。
また、未選択のエネルギー帯域がない場合(ステップS403:No)には、決定機能378は、複数のエネルギー帯のそれぞれのX線光子の計数結果を示す生データに対して、エネルギー帯域毎に決定された再構成条件で再構成処理を行うように再構成処理機能373を制御する(ステップS404)。
ステップS404の制御により、再構成処理機能373は、複数のエネルギー帯のそれぞれのX線光子の計数結果を示す生データに対して、エネルギー帯域毎に決定された再構成条件で再構成処理を行ってX線CT画像データを再構成する。このようにしてエネルギー帯域毎にX線CT画像データが再構成される。第4の実施形態では、エネルギー帯域毎に再構成されたX線CT画像データのノイズレベルが均一となる。このため、第4の実施形態によれば、ディスプレイ32に表示される画像のノイズレベルがエネルギー帯域ごとに大きく異なることを抑制することができる。
ここで、例えば、第1の再構成条件と第2の再構成条件とが異なる場合、第1の再構成条件で行われる再構成処理、及び、第2の再構成条件で行われる再構成処理は、互いの異なる再構成処理であると考えられる。したがって、第4の実施形態では、再構成処理機能373は、X線検出器13から収集されるデータの複数のエネルギー帯域に応じて異なる再構成処理を行う。
(第5の実施形態)
X線CT装置1は、メモリ35の空き容量からメモリ35に収集エネルギー帯域の生データを記憶することが可能でない場合には、収集エネルギー帯域を絞ってもよい。そこで、このような実施形態を第5の実施形態として説明する。なお、第5の実施形態の説明では、主に、第1の実施形態、第1の実施形態の変形例、第2の実施形態、第3の実施形態及び第4の実施形態と異なる点について説明し、第1の実施形態、第1の実施形態の変形例、第2の実施形態、第3の実施形態及び第4の実施形態と同様の構成の説明については省略する場合がある。
図22は、第5の実施形態に係るX線CT装置1が実行する処理の一例について説明するための図である。例えば、図22に示すステップS501~S503の処理は、図5に示す第1のエネルギー帯域決定処理のステップS103とステップS104との間に実行される。なお、ステップS501~S503の処理は、図15に示す第2のエネルギー帯域決定処理のステップS203とステップS204との間に実行されてもよい。また、ステップS501~S503の処理は、図17に示す第3のエネルギー帯域決定処理のステップS303とステップS304との間に実行されてもよい。また、ステップS501~S503の処理は、図18に示す第4のエネルギー帯域決定処理のステップS103とステップS110との間に実行されてもよい。また、ステップS501~S503の処理は、図19に示す第5のエネルギー帯域決定処理のステップS203とステップS210との間に実行されてもよい。また、ステップS501~S503の処理は、図20に示す第6のエネルギー帯域決定処理のステップS303とステップS310との間に実行されてもよい。
図22に示すステップS501の1つ前のステップ(ステップS103、S203又はS303)では、決定機能378によりエネルギー帯域が決定される。そして、図22に示すように、決定機能378は、メモリ35の空き容量を取得する(ステップS501)。
そして、決定機能378は、決定されたエネルギー帯域を用いて投影データを収集した場合に、メモリ35に生データを記憶することが可能か否かを判定する(ステップS502)。ステップS502の判定処理の具体例を説明する。例えば、ステップ502では、決定機能378は、決定されたエネルギー帯域を用いて投影データを収集した場合に前処理機能372により生成される生データのデータサイズを推定する。そして、決定機能378は、推定された生データのデータサイズとメモリ35の空き容量とを比較し、推定された生データのデータサイズがメモリ35の空き容量よりも大きい場合には、メモリ35に生データを記憶することができない(ステップS502:No)と判定する。一方、決定機能378は、推定された生データのデータサイズがメモリ35の空き容量以下である場合には、メモリ35に生データを記憶することが可能である(ステップS502:Yes)と判定する。
決定機能378は、メモリ35に生データを記憶することが可能である場合(ステップS502:Yes)、次のステップ(ステップS104、S204、S304、S110、S210又はS310)に進む。
一方、決定機能378は、メモリ35に生データを記憶することができない場合(ステップS502:No)、ステップS501の1つ前のステップで決定されたエネルギー帯域の数を絞る(ステップS503)。例えば、図9に示す2つのエネルギー帯域40b,40cがステップS501の1つ前のステップで決定された場合について説明する。この場合、ステップS503において、決定機能378は、2つのエネルギー帯域40b,40cを1つのエネルギー帯域40bに絞る。
そして、決定機能378は、次のステップ(ステップS104、S204、S304、S110、S210又はS310)に進み、ステップS501の1つ前のステップで決定されたエネルギー帯域ではなく、ステップS503で数が絞られたエネルギー帯域を用いて処理を行う。すなわち、決定機能378は、メモリ35の空き容量に基づいて、第1の条件又は第2の条件を決定する。
以上、第5の実施形態に係るX線CT装置1について説明した。第5の実施形態によれば、エネルギー帯域を最適化することにより、生データのデータサイズを削減し、生データをメモリ35に記憶させることができる。
なお、ステップS503において決定機能378は、エネルギー帯域の数を絞る前に、ユーザに対してエネルギー帯域の数を絞ることについて確認するための画面をディスプレイ32に表示させてもよい。そして、決定機能378は、入力インターフェース31を介してユーザからエネルギー帯域の数を絞ることについて了承が得られた場合に、エネルギー帯域の数を絞ってもよい。
(第6の実施形態)
X線CT装置1が、ユーザのニーズに応じた画像データを生成するために、入力インターフェース31を介してユーザから所望の再構成条件を受け付けてもよい。そこで、このような実施形態を、第6の実施形態として説明する。なお、第6の実施形態の説明では、主に、第1の実施形態、第1の実施形態の変形例、第2の実施形態、第3の実施形態、第4の実施形態及び第5の実施形態と異なる点について説明し、第1の実施形態、第1の実施形態の変形例、第2の実施形態、第3の実施形態、第4の実施形態及び第5の実施形態と同様の構成の説明については省略する場合がある。
図23は、第6の実施形態に係るエネルギーテーブル35dのデータ構造の一例を示す図である。図23に示すように、エネルギーテーブル35dには、「再構成条件」及び「エネルギー帯域」の各項目を有するレコードが複数登録されている。
「再構成条件」の項目には、再構成条件を示す情報が登録されている。例えば、図23に示すように、1番目のレコードの「再構成条件」の項目には再構成条件「AA」が登録されている。また、2番目のレコードの「再構成条件」の項目には再構成条件「BB」が登録されている。このように、「再構成条件」の項目には、再構成条件に関する情報が登録されている。
「エネルギー帯域」の項目には、「再構成条件」の項目に登録された情報が示す再構成条件に対応する最適なエネルギー帯域が登録されている。例えば、図23に示すように、1番目のレコードの「エネルギー帯域」の項目には、再構成条件「AA」に対応する最適なエネルギー帯域「エネルギー値41b~41c」が登録されている。このエネルギー帯域「エネルギー値41b~41c」は、エネルギー値41b以上エネルギー値41c未満のエネルギー帯域を示す。
また、2番目のレコードの「エネルギー帯域」の項目には、再構成条件「BB」に対応する最適なエネルギー帯域「エネルギー値41c~41d」が登録されている。このエネルギー帯域「エネルギー値41c~41d」は、エネルギー値41c以上エネルギー値41d未満のエネルギー帯域を示す。
次に、第6の実施形態においてX線CT装置1が実行する第7のエネルギー帯域決定処理の流れについて説明する。第7のエネルギー帯域決定処理は、X線検出器13が上述したデジタルデータを生成する際に用いられるエネルギー帯域を決定するための処理である。図24は、第6の実施形態に係るX線CT装置1が実行する第7のエネルギー帯域決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ここで、第6の実施形態では、図24に示す第7のエネルギー帯域決定処理が実行される前に、入力インターフェース31を介してユーザから所望の1つ以上の再構成条件を受け付ける。例えば、ユーザは、ユーザの好みに合う画像を示す画像データが生成されるように、所望の1つ以上の再構成条件を入力インターフェース31を介して入力する。なお、入力インターフェース31により受け付けられた所望の再構成条件は、再構成条件に関する入力情報の一例である。また、入力インターフェース31は、受付部の一例である。
図24に示すように、決定機能378は、入力インターフェース31により受け付けられた1つ以上の再構成条件の中から未選択の再構成条件を1つ選択する(ステップS601)。
そして、決定機能378は、ステップS601で選択された再構成条件に対応する最適なエネルギー帯域をエネルギーテーブル35dから取得する(ステップS602)。
そして、決定機能378は、6つのエネルギー帯域40a~40fの中からステップS602で取得されたエネルギー帯域に対応するエネルギー帯域を、投影データを収集する際に用いられるエネルギー帯域として決定する(ステップS603)。
そして、決定機能378は、入力インターフェース31により受け付けられた1つ以上の再構成条件の中に未選択の再構成条件があるか否かを判定する(ステップS604)。未選択の再構成条件がある場合(ステップS604:Yes)、決定機能378は、ステップS601に戻り、ステップS601以降の処理を再び行う。このようにして、決定機能378は、ステップS602,S603の処理を全ての再構成条件について行うことで、全ての再構成条件のそれぞれに対応する最適なエネルギー帯域を決定する。
また、未選択の再構成条件がない場合(ステップS604:No)には、決定機能378は、再構成条件毎に決定されたエネルギー帯域を、投影データを収集する際に用いられるエネルギー帯域としてX線検出器13に設定させる(ステップS605)。すなわち、ステップS605では、決定機能378は、所望の再構成条件に基づいて、X線検出器13から収集されるデータのエネルギー帯域に関する第1の条件を決定する。そして、決定機能378は、第7のエネルギー帯域決定処理を終了する。
以上、第6の実施形態に係るX線CT装置1について説明した。第6の実施形態によれば、ユーザの所望の再構成条件に応じてエネルギー帯を最適化することで、X線検出器13から出力されるデジタルデータのデータサイズの増大を抑制することができる。ひいては、コンソール30のメモリ35に記憶される生データのデータサイズの増大を抑制することができる。
また、第6の実施形態によれば、所望の再構成条件に応じた効果的なエネルギー帯域を決定しているので、臨床検査を効果的に行うことができる価値のある画像データを生成することができる。
また、第6の実施形態に係るX線CT装置1は、所望の再構成条件に応じてエネルギー帯域を自動的に最適化する。したがって、第6の実施形態によれば、所望の再構成条件に応じて最適なエネルギー帯域を自動的に決定することができる。よって、第6の実施形態によれば、ユーザがエネルギー帯域を手動で設定する場合と比較して、セットアップや撮影時のユーザの負担を軽減させることができる。また、ワークフローの改善が見込める。また、第6の実施形態によれば、自動的にエネルギー帯域が設定されるので、フォトンカウンティングCT撮影であることをユーザに意識させずに、エネルギー帯域を設定させない通常のCT撮影と同様の感覚でユーザにフォトンカウンティングCT検査を行わせることができる。
なお、第1の実施形態、第1の実施形態の変形例、第2の実施形態及び第6の実施形態では、X線検出器13が任意のエネルギー帯域を設定することができない場合について説明した。しかしながら、第1の実施形態、第1の実施形態の変形例、第2の実施形態及び第6の実施形態において、X線検出器13が任意のエネルギー帯域を設定することが可能であってもよい。この場合、決定機能378は、任意のエネルギー帯域をX線検出器13に設定させることができる。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、若しくは、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、又は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは、メモリ35に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、メモリ35にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。
以上述べた少なくとも1つの実施形態又は少なくとも1つの変形例のX線CT装置1によれば、撮影モード、撮影対象部位又は医療用デバイスの種類に応じて最適なエネルギー帯域を決定することができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
以上の実施形態に関し、発明の一側面および選択的な特徴として以下の付記を開示する。
(付記1)
X線フォトンを検出してエネルギー情報を取得するフォトンカウンティング検出器と、
撮影モードに関する情報、撮影対象部位に関する情報、及び、医療用デバイスに関する情報の少なくとも1つの情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された情報に基づいて、前記フォトンカウンティング検出器から収集されるデータのエネルギー帯域に関する第1の条件、及び、前記フォトンカウンティング検出器から収集されるデータのうち再構成処理に用いられるデータについてのエネルギー帯域に関する第2の条件の少なくとも一方の条件を決定する決定部と、
を備える、フォトンカウンティングCT装置。
(付記2)
前記フォトンカウンティング検出器は、前記決定部により決定された前記第1の条件に合致するエネルギー帯域の前記エネルギー情報を取得してもよい。
(付記3)
前記フォトンカウンティング検出器により収集されるデータのうち、前記決定部により決定された前記第2の条件に合致するエネルギー帯域のデータに対して前記再構成処理を実行してX線CT画像データを再構成する再構成処理部を更に備えてもよい。
(付記4)
前記フォトンカウンティング検出器から収集されるデータを記憶する記憶部を更に備えてもよい。前記決定部は、更に前記記憶部の空き容量に基づいて、前記第1の条件又は前記第2の条件の少なくとも一方の条件を決定してもよい。
(付記5)
前記フォトンカウンティング検出器は、前記第1の条件に合致するエネルギー帯域を設定し、設定された当該エネルギー帯域の前記エネルギー情報を取得してもよい。
(付記6)
前記フォトンカウンティング検出器は、複数のエネルギー帯域をマージすることにより、前記第1の条件に合致するエネルギー帯域を設定し、設定された当該エネルギー帯域の前記エネルギー情報を取得してもよい。
(付記7)
X線フォトンを検出してエネルギー情報を取得するフォトンカウンティング検出器と、
前記フォトンカウンティング検出器から収集されるデータの複数のエネルギー帯域に応じて異なる再構成処理を行う再構成処理部と、
を備える、フォトンカウンティングCT装置。
(付記8)
X線フォトンを検出してエネルギー情報を取得するフォトンカウンティング検出器と、
所望の再構成条件に関する入力情報を受け付ける受付部と、
前記入力情報に基づいて、前記フォトンカウンティング検出器から収集されるデータのエネルギー帯域に関する条件を決定する決定部と、
を備える、フォトンカウンティングCT装置。
13 X線検出器
377 取得機能
378 決定機能

Claims (6)

  1. X線フォトンを検出してエネルギー情報を取得するフォトンカウンティング検出器と、
    撮影モードに関する情報、撮影対象部位に関する情報、及び、医療用デバイスに関する情報の少なくとも1つの情報を取得する取得部と、
    前記取得部により取得された情報に基づいて、前記フォトンカウンティング検出器から収集されるデータのエネルギー帯域に関する第1の条件、及び、前記フォトンカウンティング検出器から収集されるデータのうち再構成処理に用いられるデータについてのエネルギー帯域に関する第2の条件の少なくとも一方の条件を決定する決定部と、
    を備える、フォトンカウンティングCT装置。
  2. 前記フォトンカウンティング検出器は、前記決定部により決定された前記第1の条件に合致するエネルギー帯域の前記エネルギー情報を取得する、請求項1に記載のフォトンカウンティングCT装置。
  3. 前記フォトンカウンティング検出器により収集されるデータのうち、前記決定部により決定された前記第2の条件に合致するエネルギー帯域のデータに対して前記再構成処理を実行してX線CT画像データを再構成する再構成処理部を更に備える、請求項1に記載のフォトンカウンティングCT装置。
  4. 前記フォトンカウンティング検出器から収集されるデータを記憶する記憶部を更に備え、
    前記決定部は、更に前記記憶部の空き容量に基づいて、前記第1の条件又は前記第2の条件の少なくとも一方の条件を決定する請求項1~3のいずれか1つに記載のフォトンカウンティングCT装置。
  5. 前記フォトンカウンティング検出器は、前記第1の条件に合致するエネルギー帯域を設定し、設定された当該エネルギー帯域の前記エネルギー情報を取得する、請求項2に記載のフォトンカウンティングCT装置。
  6. 前記フォトンカウンティング検出器は、複数のエネルギー帯域をマージすることにより、前記第1の条件に合致するエネルギー帯域を設定し、設定された当該エネルギー帯域の前記エネルギー情報を取得する、請求項5に記載のフォトンカウンティングCT装置。
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