JP2024048076A - 光子計数型x線ct装置、撮影方法、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】X線の照射制御を最適化すること。【解決手段】実施形態の光子計数型X線CT装置は、X線管と、光子計数型X線検出器と、取得部と、決定部とを持つ。X線管は、被検体にX線を照射する。光子計数型X線検出器は、被検体を通過したX線の光子を計数する。取得部は、被検体をスキャンすることによりボリュームデータを取得する。決定部は、取得されたボリュームデータから得られる被検体に含まれる物質の情報に基づいて、本スキャンにおけるX線管の管電流を決定する。【選択図】図1
Description
本明細書及び図面に開示の実施形態は、光子計数型X線CT装置、撮影方法、およびプログラムに関する。
従来、X線CT(Computed Tomography)装置の管電流の自動制御技術であるAEC(Automatic Exposure Control)では、特定の方向からX線を照射して得られた位置決め画像(スキャノ画像ともいう)に基づいて、被検体のX線吸収量を水等価厚に置き換え、撮影時の線量等の設定を行うことにより、被検体のサイズに応じた線量の制御を実現している。また、低線量でのヘリカルスキャンの撮影(3D Landmark Scan)により得られた3次元の位置決めデータに基づいて、AECを行うことも行われている。
人体には、水の減弱と近い減弱係数を持つ軟部組織以外にも、骨、脂肪、空気のような減弱が異なる物質が含まれている。しかしながら、エネルギー積分型のX線CT装置において単一の管電圧を用いた撮影の場合、人体内の物質を厳密に区別することができない。従来の手法では、人体内の互いに異なる物質を区別することなく水等価厚に置き換えているため、物質ごとの透過長や透過後のエネルギースペクトルの変化の違いは考慮されていない。このため、X線の線量の制御が適正ではない場合や、画質に問題が生じる場合があった。
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題は、X線の照射制御を最適化することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
実施形態の光子計数型X線CT装置は、X線管と、光子計数型X線検出器と、取得部と、決定部とを持つ。X線管は、被検体にX線を照射する。光子計数型X線検出器は、被検体を通過したX線の光子を計数する。取得部は、被検体をスキャンすることによりボリュームデータを取得する。決定部は、取得されたボリュームデータから得られる被検体に含まれる物質の情報に基づいて、本スキャンにおけるX線管の管電流を決定する。
以下、図面を参照しながら、実施形態の光子計数型X線CT装置、撮影方法、およびプログラムについて説明する。実施形態の光子計数型X線CT装置(フォトンカウンティングCT装置,以下、単に「X線CT装置」と呼ぶ)では、低線量のヘリカルスキャンでの撮影(3D Landmark Scan)を行い、X線のパスごとに得られたデータに対して、物質弁別(material decomposition)を行うことで、物質ごと(例えば、骨(Ca)、軟部組織(Wa)、脂肪(fat))の透過長を求める。さらに、得られた物質ごとの透過長の情報と、予め取得された参照情報(変換テーブルCTL)とに基づいて、被検体に照射する線量(X線管の管電流)を制御する。これにより、被検体のサイズ(体厚)を正確に取得できるため、X線の照射に関する最適なハードウェア設定を実現でき、従来よりもさらに画質の最適化を図ることができる。
[X線CT装置の構成]
図1は、実施形態に係るX線CT装置1の一例を示す図である。X線CT装置1は、例えば、架台装置10と、寝台装置30と、コンソール装置40とを有する。図1では、説明の都合上、架台装置10をZ軸方向から見た図とX軸方向から見た図の双方を掲載しているが、実際には、架台装置10は一つである。実施形態では、非チルト状態での回転フレーム17の回転軸または寝台装置30の天板33の長手方向をZ軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対して水平である軸をX軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対して垂直である方向をY軸方向とそれぞれ定義する。
図1は、実施形態に係るX線CT装置1の一例を示す図である。X線CT装置1は、例えば、架台装置10と、寝台装置30と、コンソール装置40とを有する。図1では、説明の都合上、架台装置10をZ軸方向から見た図とX軸方向から見た図の双方を掲載しているが、実際には、架台装置10は一つである。実施形態では、非チルト状態での回転フレーム17の回転軸または寝台装置30の天板33の長手方向をZ軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対して水平である軸をX軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対して垂直である方向をY軸方向とそれぞれ定義する。
架台装置10は、例えば、X線管11と、ウェッジ12と、コリメータ13と、X線高電圧装置14と、X線検出器15と、データ収集システム(以下、DAS:Data Acquisition System)16と、回転フレーム17と、制御装置18とを有する。
X線管11は、X線高電圧装置14からの高電圧の印加および管電流の供給により、陰極(フィラメント)から陽極(ターゲット)に向けて熱電子を照射することでX線を発生させる。X線管11は、真空管を含む。例えば、X線管11は、回転する陽極に熱電子を照射することでX線を発生させる回転陽極型のX線管である。X線管11は、被検体PにX線を照射する。
ウェッジ12は、X線管11から被検体Pに照射されるX線量を調節するためのフィルタである。ウェッジ12は、X線管11から被検体Pに照射されるX線量の分布が予め定められた分布になるように、自身を透過するX線を減衰させる。ウェッジ12は、ウェッジフィルタ(wedge filter)、ボウタイフィルタ(bow-tie filter)とも呼ばれる。ウェッジ12は、例えば、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウムを加工したものである。
コリメータ13は、ウェッジ12を透過したX線の照射範囲を絞り込むための機構である。コリメータ13は、例えば、複数の鉛板の組み合わせによってスリットを形成することで、X線の照射範囲を絞り込む。コリメータ13は、X線絞りと呼ばれる場合もある。コリメータ13の絞り込み範囲は、機械的に駆動可能であってよい。
X線高電圧装置14は、例えば、図示しない高電圧発生装置と、図示しないX線制御装置とを有する。高電圧発生装置は、変圧器(トランス)および整流器等を含む電気回路を有し、X線管11に印加する高電圧を発生させる。X線制御装置は、X線管11に発生させるべきX線量に応じて高電圧発生装置の出力電圧を制御する。高電圧発生装置は、上述した変圧器によって昇圧を行うものであってもよいし、インバータによって昇圧を行うものであってもよい。X線高電圧装置14は、回転フレーム17に設けられてもよいし、架台装置10の固定フレーム(不図示)の側に設けられてもよい。
X線検出器15は、X線管11が発生させ、被検体Pを通過して入射したX線の強度を検出する。X線検出器15は、検出したX線の強度に応じた電気信号(光信号等でもよい)をDAS16に出力する。X線検出器15は、例えば、複数のX線検出素子列を有する。複数のX線検出素子列のそれぞれは、X線管11の焦点を中心とした円弧に沿ってチャネル方向に複数のX線検出素子が配列されたものである。複数のX線検出素子列は、スライス方向(列方向、row方向)に配列される。
X線検出器15は、例えば、直接検出型の検出器である。X線検出器15としては、例えば、半導体の両端に電極が取り付けられた半導体ダイオードが適用可能である。半導体に入射したX線光子は、電子・正孔対に変換される。1つのX線光子の入射により生成される電子・正孔対の数は、入射したX線光子のエネルギーに依存する。電子と正孔とは、半導体の両端に形成された一対の電極に各々引き寄せられる。一対の電極は、電子・正孔対の電荷に応じた波高値を有する電気パルスを発生する。一個の電気パルスは、入射したX線光子のエネルギーに応じた波高値を有する。
DAS16は、例えば、制御装置18からの制御信号に従って、X線検出器15により検出されたX線光子のカウント数を示すカウントデータ(計数データ)を複数のエネルギービンについて収集する。複数のエネルギービンに関する計数データは、X線検出器15の応答特性に応じて変形された、X線検出器15への入射X線に関するエネルギースペクトラムに対応する。DAS16は、デジタル信号に基づく検出データをコンソール装置40に出力する。検出データは、生成元のX線検出素子のチャンネル番号、列番号、及び収集されたビューを示すビュー番号により識別された計数データのデジタル値である。ビュー番号は、回転フレーム17の回転に応じて変化する番号であり、例えば、回転フレーム17の回転に応じてインクリメントされる番号である。従って、ビュー番号は、X線管11の回転角度を示す情報である。ビュー期間とは、あるビュー番号に対応する回転角度から、次のビュー番号に対応する回転角度に到達するまでの間に収まる期間である。
DAS16は、ビューの切り替わりを、制御装置18から入力されるタイミング信号によって検知してもよいし、内部のタイマーによって検知してもよいし、図示しないセンサから取得される信号によって検知してもよい。フルスキャンを行う場合においてX線管11によりX線が連続曝射されている場合、DAS16は、全周囲分(360度分)の検出データ群を収集する。ハーフスキャンを行う場合においてX線管11によりX線が連続曝射されている場合、DAS16は、半周囲分(180度分)の検出データを収集する。X線検出器15とDAS16との組み合わせは、「光子計数型X線検出器」の一例である。すなわち、光子計数型X線検出器は、被検体Pを通過したX線の光子を計数する。
図2は、実施形態に係るDAS16の構成の一例を示す図である。DAS16は、X線検出素子の個数に応じたチャンネル数分の読出しチャンネルを備える。これら複数の読出しチャンネルは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit; ASIC)等の集積回路に並列的に実装されている。図2では、1読出しチャンネル分のDAS16-1の構成のみを示している。
DAS16-1は、例えば、前置増幅回路61、波形整形回路63、複数の波高弁別回路65、複数の計数回路67、および出力回路69を有する。前置増幅回路61は、接続先のX線検出素子からの検出電気信号DS(電流信号)を増幅する。例えば、前置増幅回路61は、接続先のX線検出素子からの電流信号を、当該電流信号の電荷量に比例した電圧値(波高値)を有する電圧信号に変換する。前置増幅回路61には波形整形回路63が接続されている。波形整形回路63は、前置増幅回路61からの電圧信号の波形を整形する。例えば、波形整形回路63は、前置増幅回路61からの電圧信号のパルス幅を縮小する。
波形整形回路63にはエネルギー帯域(エネルギービン)の数に対応する複数の計数チャネルが接続されている。n個のエネルギービンが設定されている場合、波形整形回路63には、n個の計数チャネルが設けられる。各計数チャネルは、波高弁別回路65-nと、計数回路67-nとを有する。
波高弁別回路65-nの各々は、波形整形回路63からの電圧信号の波高値であるX線検出素子により検出されたX線フォトンのエネルギーを弁別する。例えば、波高弁別回路65-nは、比較回路653-nを有する。比較回路653-nの各々の一方の入力端子には、波形整形回路63からの電圧信号が入力される。比較回路653-nの各々の他方の入力端子には、異なる閾値に対応する参照信号TH(参照電圧値)が、制御装置18から供給される。
例えば、エネルギービンbin1のための比較回路653-1には、参照信号TH-1が供給され、エネルギービンbin2のための比較回路653-2には、参照信号TH-2が供給され、エネルギービンbinnのための比較回路653-nには、参照信号TH-nが供給される。参照信号THの各々は、上限参照値と下限参照値とを有している。比較回路653-nの各々は、波形整形回路63からの電圧信号が、参照信号THの各々に対応するエネルギービンに対応する波高値を有している場合、電気パルス信号を出力する。例えば、比較回路653-1は、波形整形回路63からの電圧信号の波高値がエネルギービンbin1に対応する波高値である場合(参照信号TH-1とTH-2との間にある場合)、電気パルス信号を出力する。一方、エネルギービンbin1のための比較回路653-1は、波形整形回路63からの電圧信号の波高値がエネルギービンbin1に対応する波高値でない場合、電気パルス信号を出力しない。また、例えば、比較回路653-2は、波形整形回路63からの電圧信号の波高値がエネルギービンbin2に対応する波高値である場合(参照信号TH-2とTH-3との間にある場合)、電気パルス信号を出力する。
計数回路67-nは、ビューの切替周期に一致する読出し周期で、波高弁別回路65-nからの電気パルス信号を計数する。例えば、計数回路67-nには、制御装置18から、各ビューの切替タイミングにトリガ信号TSが供給される。トリガ信号TSが供給されたことを契機として計数回路67-nは、波高弁別回路65-nから電気パルス信号が入力される毎に、内部メモリに記憶されているカウント数に1を加算する。次のトリガ信号が供給されたことを契機として計数回路67-nは、内部メモリに蓄積されたカウント数のデータ(すなわち、カウントデータ)を読み出し、出力回路69に供給する。また、計数回路67-nは、トリガ信号TSが供給される毎に内部メモリに蓄積されているカウント数を初期値に再設定する。このようにして計数回路67-nは、ビュー毎にカウント数を計数する。
出力回路69は、X線検出器15に搭載されている複数の読出しチャンネル分の計数回路67-nに接続されている。出力回路69は、複数のエネルギービンの各々について、複数の読出しチャンネル分の計数回路67-nからのカウントデータを統合してビュー毎の複数の読出しチャンネル分のカウントデータを生成する。各エネルギービンのカウントデータは、チャンネルとセグメント(列)とエネルギービンとにより規定されるカウント数のデータの集合である。各エネルギービンのカウントデータは、ビュー単位でコンソール装置40に伝送される。ビュー単位のカウントデータをカウントデータセットCSと呼ぶ。
図1に戻り、回転フレーム17は、X線管11、ウェッジ12、およびコリメータ13と、X線検出器15とを対向支持する円環状の部材である。回転フレーム17は、固定フレームによって、内部に導入された被検体Pを中心として回転自在に支持される。回転フレーム17は、更にDAS16を支持する。DAS16が出力する検出データは、回転フレーム17に設けられた発光ダイオード(LED)を有する送信機から、光通信によって、架台装置10の非回転部分(例えば固定フレーム)に設けられたフォトダイオードを有する受信機に送信され、受信機によってコンソール装置40に転送される。尚、回転フレーム17から非回転部分への検出データの送信方法として、前述の光通信を用いた方法に限らず、非接触型の任意の送信方法を採用してよい。回転フレーム17は、X線管11等を支持して回転させることができるものであれば、円環状の部材に限らず、アームのような部材であってもよい。
制御装置18は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを有する処理回路を有する。制御装置18は、コンソール装置40または架台装置10に取り付けられた入力インターフェースからの入力信号を受け付けて、架台装置10、寝台装置30、およびDAS16の動作を制御する。例えば、制御装置18は、回転フレーム17を回転させたり、架台装置10をチルトさせたりする。架台装置10をチルトさせる場合、制御装置18は、入力インターフェースに入力された傾斜角度(チルト角度)に基づいて、Z軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム17を回転させる。制御装置18は、図示しないセンサの出力等によって回転フレーム17の回転角度を把握している。制御装置18は、架台装置10に設けられてもよいし、コンソール装置40に設けられてもよい。
X線CT装置1は、例えば、X線管11とX線検出器15の双方が回転フレーム17によって支持されて被検体Pの周囲を回転するRotate/Rotate-TypeのX線CT装置(第3世代CT)であるが、これに限らず、円環状に配列された複数のX線検出素子が固定フレームに固定され、X線管11が被検体Pの周囲を回転するStationary/Rotate-TypeのX線CT装置(第4世代CT)であってもよい。
寝台装置30は、スキャン対象の被検体Pを載置して移動させ、架台装置10の回転フレーム17の内部に導入する装置である。寝台装置30は、例えば、基台31と、寝台駆動装置32と、天板33と、支持フレーム34とを備える。基台31は、支持フレーム34を鉛直方向(Y軸方向)に移動可能に支持する筐体を含む。寝台駆動装置32は、モータやアクチュエータを含む。寝台駆動装置32は、天板33を、支持フレーム34に沿って天板33の長手方向(Z軸方向)に移動させる。また、寝台駆動装置32は、天板33を鉛直方向(Y軸方向)に移動させる。天板33は、被検体Pが載置される板状の部材である。
寝台駆動装置32は、天板33だけでなく、支持フレーム34を天板33の長手方向に移動させてもよい。また、上記とは逆に、架台装置10がZ軸方向に移動可能であり、架台装置10の移動によって回転フレーム17が被検体Pの周囲に来るように制御されてもよい。また、架台装置10と天板33の双方が移動可能な構成であってもよい。また、X線CT装置1は、被検体Pが立位または座位でスキャンされる方式の装置であってもよい。この場合、X線CT装置1は、寝台装置30に代えて被検体支持機構を有し、架台装置10は、回転フレーム17を、床面に垂直な軸方向を中心に回転させる。
コンソール装置40は、例えば、メモリ41と、ディスプレイ42と、入力インターフェース43と、ネットワーク接続回路44と、処理回路50とを有する。本実施形態では、コンソール装置40は架台装置10とは別体として説明するが、架台装置10にコンソール装置40の各構成要素の一部または全部が含まれてもよい。
メモリ41は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。メモリ41は、例えば、変換テーブルCTL等を記憶する。また、メモリ41は、例えば、検出データや投影データ、再構成画像データ、CT画像データ、被検体Pに関する情報、撮影条件等を記憶する。メモリ41は、例えば、架台装置10から伝送された複数のエネルギービンに関する計数データを記憶する。これらのデータは、メモリ41ではなく(或いはメモリ41に加えて)、X線CT装置1が通信可能な外部メモリに記憶されてもよい。外部メモリは、例えば、外部メモリを管理するクラウドサーバが読み書きの要求を受け付けることで、クラウドサーバによって制御されるものである。
ディスプレイ42は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ42は、処理回路によって生成された医用画像(CT画像)や、医師、技師等である操作者による各種操作を受け付けるGUI(Graphical User Interface)画像等を表示する。ディスプレイ42は、例えば、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等である。ディスプレイ42は、架台装置10に設けられてもよい。ディスプレイ42は、デスクトップ型でもよいし、コンソール装置40の本体部と無線通信可能な表示装置(例えばタブレット端末)であってもよい。
入力インターフェース43は、操作者による各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作の内容を示す電気信号を処理回路50に出力する。例えば、入力インターフェース43は、検出データまたは投影データを収集する際の収集条件、CT画像を再構成する際の再構成条件、CT画像から後処理画像を生成する際の画像処理条件等の入力操作を受け付ける。例えば、入力インターフェース43は、マウスやキーボード、タッチパネル、ドラッグボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、カメラ、赤外線センサ、マイク等により実現される。
入力インターフェース43は、架台装置10に設けられてもよい。また、入力インターフェース43は、コンソール装置40の本体部と無線通信可能な表示装置(例えばタブレット端末)により実現されてもよい。尚、本明細書において入力インターフェースはマウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェースの例に含まれる。
ネットワーク接続回路44は、例えば、プリント回路基板を有するネットワークカード、或いは無線通信モジュール等を含む。ネットワーク接続回路44は、接続する対象のネットワークの形態に応じた情報通信用プロトコルを実装する。
処理回路50は、X線CT装置1の全体の動作や、架台装置10の動作、寝台装置30の動作を制御する。処理回路50は、例えば、システム制御機能51、取得機能52、前処理機能53、再構成機能54、画像処理機能55、スキャン制御機能56、決定機能57、表示制御機能58等を実行する。これらの構成要素は、例えば、ハードウェアプロセッサ(コンピュータ)がメモリ41に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。ハードウェアプロセッサとは、例えば、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device; SPLD)または複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device; CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array; FPGA))等の回路(circuitry)を意味する。
メモリ41にプログラムを記憶させる代わりに、ハードウェアプロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、ハードウェアプロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。ハードウェアプロセッサは、単一の回路として構成されるものに限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのハードウェアプロセッサとして構成され、各機能を実現するようにしてもよい。また、複数の構成要素を1つのハードウェアプロセッサに統合して各機能を実現するようにしてもよい。
コンソール装置40または処理回路50が有する各構成要素は、分散化されて複数のハードウェアにより実現されてもよい。処理回路50は、コンソール装置40が有する構成ではなく、コンソール装置40と通信可能な処理装置によって実現されてもよい。処理装置は、例えば、一つのX線CT装置と接続されたワークステーション、或いは、複数のX線CT装置に接続され、以下に説明する処理回路50と同等の処理を一括して実行する装置(例えばクラウドサーバ)である。
システム制御機能51は、入力インターフェース43が受け付けた入力操作に基づいて、処理回路50の各種機能を制御する。
取得機能52は、被検体Pをスキャンすることにより3次元のデータ(ボリュームデータ)を取得する。例えば、取得機能52は、被検体に対して低線量でヘリカルスキャンを行うことで、被検体のボリュームデータ(DAS16により出力されたカウントデータセットCS)を取得する。取得機能52は、「取得部」の一例である。すなわち、ボリュームデータは、本スキャンよりも低い線量でのヘリカルスキャンにより撮影されたデータである。
前処理機能53は、DAS16により出力されたカウントデータセットCSに対してオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を行う。
再構成機能54は、DAS16により出力されたカウントデータセットCSに基づいて被検体Pに関するフォトンカウンティングCT画像を再構成する。再構成機能54は、例えば、応答関数生成機能541と、算出機能542と、再構成処理機能543とを有する。応答関数生成機能541は、検出器応答特性を表す応答関数のデータを生成する。例えば、応答関数生成機能541は、複数の入射X線エネルギーを有する複数の単色X線に対する標準検出系の応答(すなわち、検出エネルギーおよび検出強度)を予測計算、実験、及び予測計算と実験との組み合わせにより計測し、検出エネルギーおよび検出強度の計測値に基づいて応答関数を生成する。また、応答関数生成機能541は、キャリブレーション等において収集された実測の計測値に基づいて応答関数のデータを生成してもよい。応答関数は、入射X線ごとの検出エネルギーとシステムの出力応答との関係を規定する。例えば、応答関数は、入射X線ごとの検出エネルギーと検出強度との関係を規定する。生成された応答関数のデータは、メモリ41に記憶される。
算出機能542は、複数のエネルギービンに関する計数データ、被検体Pへの入射X線のエネルギースペクトラム、およびメモリ41に記憶された応答関数に基づいて、複数の基底物質各々に関するX線透過経路長およびX線吸収量を算出する。算出機能542は、応答関数を利用して計数データと被検体Pへの入射X線のエネルギースペクトラムとに基づいてX線吸収量を算出することにより、X線検出器15およびDAS16の応答特性の影響がないX線吸収量を算出することができる。このように基底物質毎にX線吸収量を得る処理は物質弁別とも呼ばれている。基底物質としては、カルシウム、石灰化、骨、脂肪、筋肉、空気、臓器、病変部、硬部組織、軟部組織、造影物質等のあらゆる物質に設定可能である。算出対象の基底物質の種類は、予め入力インターフェース43を介して操作者等により決定されてよい。X線吸収量は、基底物質により吸収されるX線量を示す。例えば、X線吸収量は、X線減弱係数とX線透過経路長との組み合わせにより規定される。
算出機能542は、「算出部」の一例である。すなわち、算出機能542は、X線のパスごとに、被検体Pに含まれる物質の透過長を算出する。
再構成処理機能543は、算出機能542により算出された複数の基底物質各々に関するX線吸収量に基づいて、当該複数の基底物質のうちの画像化対象の基底物質の空間分布を表現するフォトンカウンティングCT画像を再構成し、生成したCT画像データをメモリ41に記憶させる。画像化対象の基底物質は、1種類でも良いし複数種類でもよい。画像化対象の基底物質の種類は、入力インターフェース43を介して操作者等により決定されてよい。
画像処理機能55は、入力インターフェース43が受け付けた入力操作に基づいて、CT画像データを公知の方法により、三次元画像データや任意断面の断面像データに変換する。三次元画像データへの変換は、前処理機能53によって行われてもよい。
スキャン制御機能56は、X線高電圧装置14、DAS16、制御装置18、および寝台駆動装置32に指示することで、架台装置10における検出データの収集処理を制御する。スキャン制御機能56は、位置決めスキャンおよび本スキャンのための制御を行う。また、スキャン制御機能56は、位置決め画像を収集する撮影、および診断に用いる画像を撮影する際の各部の動作をそれぞれ制御する。
決定機能57は、位置決めスキャン時に取得機能52により取得されたボリュームデータに基づいて、本スキャンにおけるX線管11の管電流や管電圧の値を決定する。決定機能57の機能の詳細については後述する。
決定機能57は、「決定部」の一例である。すなわち、決定機能57は、取得されたボリュームデータから得られる被検体Pに含まれる物質の情報に基づいて、本スキャンにおけるX線管11の管電流を決定する。決定機能57は、算出された透過長に基づいて管電流を決定する。決定機能57は、算出された透過長に基づいて、X線の投影角ごとに管電流を決定する。
表示制御機能58は、処理回路50によって生成された医用画像(CT画像)や、医師、技師等である操作者による各種操作を受け付けるGUI画像等を、ディスプレイ42に表示させる。
上記構成により、X線CT装置1は、ヘリカルスキャン、コンベンショナルスキャン、ステップアンドシュート等のスキャン態様で被検体Pのスキャンを行う。ヘリカルスキャンとは、天板33を移動させながら回転フレーム17を回転させて被検体Pをらせん状にスキャンする態様である。コンベンショナルスキャンとは、天板33を静止させた状態で回転フレーム17を回転させて被検体Pを円軌道でスキャンする態様である。ステップアンドシュートとは、天板33の位置を一定間隔で移動させて、コンベンショナルスキャンを複数のスキャンエリアで行う態様である。
[変換テーブルの準備処理]
次に、X線CT装置1における変換テーブルの準備処理の一例を説明する。図3は、実施形態に係るX線CT装置1の変換テーブルの準備処理の一例を示すフローチャートである。図4Aは、従来手法による水ファントムptを用いて変換テーブルctlを生成する様子を説明する図である。図4Bは、実施形態に係るファントムFTを用いて変換テーブルCTLを生成する様子を説明する図である。
次に、X線CT装置1における変換テーブルの準備処理の一例を説明する。図3は、実施形態に係るX線CT装置1の変換テーブルの準備処理の一例を示すフローチャートである。図4Aは、従来手法による水ファントムptを用いて変換テーブルctlを生成する様子を説明する図である。図4Bは、実施形態に係るファントムFTを用いて変換テーブルCTLを生成する様子を説明する図である。
図4Aに示すように、従来手法においては、専用の容器を主に水で満たして作成された人体の模型である水ファントムptに対してスキャンを行うことで、例えば、スキャン時のあるX線のパスP1における水の透過長LWに対して、カウントのデータが対応付けられた変換テーブルctlが生成される。カウントのデータには、水ファントムptに照射された線量、得られる画像の画像SD(Standard Deviation)等が含まれる。この変換テーブルctlと、スキャノ画像から算出された水等価厚とに基づいて、画像SDを指標とした撮影条件(例えば、管電流)が設定される。変換テーブルctlには、複数の水の透過長とカウントのデータとの組が登録される。
一方、本実施形態では、被検体Pに含まれる複数の物質の違いを考慮するために、複数の物質で構成されるファントムを用いて変換テーブルCTLを生成する。図4Bに示す例では、水、脂肪、および骨の三層構造のファントムFTに対してスキャンを行うことで、水の透過長(LW1+LW2)、脂肪の透過長(Lf1+Lf2)、および骨の透過長(Lca)が算出される。そして、これらの透過長の割合(比)に対して、カウントのデータが対応付けられた変換テーブルCTLが生成される。カウントのデータには、ファントムFTに照射された線量、得られる画像の画像SD(Standard Deviation)等が含まれる。変換テーブルCTLには、複数の透過長とカウントのデータとの組が登録される。変換テーブルCTLに含まれるデータは、シミュレーションによって求められるものであってもよい。或いは、変換テーブルCTLには、水の減衰度合いと、各物質の減衰度合いとの割合(比)の情報が登録されてもよい。
以下、図3に示すフローチャートについて説明する。本フローチャートの処理は、例えば、X線CT装置1の設置時または定期的なメンテナンス時(校正データ取得時)等に、X線CT装置1の操作者がコンソール装置40に対して指示を入力することにより開始される。
まず、処理回路50のスキャン制御機能56は、複数の物質で構成されるファントムFTが寝台装置30に載置された状態で、X線高電圧装置14、DAS16、制御装置18、および寝台駆動装置32に指示することで、ファントムFTの撮影を行う(ステップS101)。これにより、取得機能52は、ファントムFTに関する検出データを取得する。
次に、算出機能542は、取得された検出データに対して物質弁別を行うことで、ファントムFTに含まれる物質ごとの透過長を同定(算出)する(ステップS103)。図4Bに示す例では、水の透過長(LW1+LW2)、脂肪の透過長(Lf1+Lf2)、および骨の透過長(Lca)が同定される。
次に、算出機能542は、同定された物質ごとの透過長の割合と、カウントのデータとが対応付けられた複数の変換データを集めることで変換テーブルTBLを生成し、メモリ41に保管する(ステップS105)。以上により、本フローチャートの処理が終了する。
[スキャン処理フロー]
次に、X線CT装置1のスキャン処理の一例を説明する。図5は、実施形態に係るX線CT装置1のスキャン処理の一例を示すフローチャートである。図6Aは、従来手法により水等価厚を算出する様子を説明する図である。図6Bは、実施形態に係る物質ごとの透過長を算出する様子を説明する図である。
次に、X線CT装置1のスキャン処理の一例を説明する。図5は、実施形態に係るX線CT装置1のスキャン処理の一例を示すフローチャートである。図6Aは、従来手法により水等価厚を算出する様子を説明する図である。図6Bは、実施形態に係る物質ごとの透過長を算出する様子を説明する図である。
図6Aに示すように、従来手法では、寝台装置30に載置された被検体Pを上方から撮影した2次元のスキャノ画像D1から、被検体Pの寝台位置ごとの水等価厚を算出する。そして、所定の撮影スライスごとに、設定された指標を満たす管電流(設定された画像SD値となる画像を生成するための管電流)を算出する。このように算出された寝台位置ごとの管電流を用いて本スキャンを行うことで、画質が均一化されたCT画像を得ることができる。しかしながら、この従来手法では、被検体P内に存在する物質を区別することなく水に相当すると仮定しているため、撮影位置によっては水等価厚の値が実際の被検体Pのサイズと適合せず、不適切な管電流が算出されてしまい、結果として不均一なCT画像が生成されてしまう。特に、被検体Pを透過するX線のパス上に複数の物質が存在する場合、このような事態が生じうる。
一方、本実施形態では、被検体Pに含まれる物質を区別して、管電流の算出を行う。図6Bに示すように、本実施形態では、低線量でのヘリカルスキャンによる位置決めスキャンにより、3次元のボリュームデータを取得する。さらに、このボリュームデータに対して物質弁別を行うことで、物質ごとの透過長を算出し、この物質ごとの透過長の割合に基づいて、設定された指標を満たす管電流(設定された画像SD値となる画像を生成するための管電流)を算出する。このように算出された撮影領域ごと(X線のパスごと、ビューごと)の管電流を用いて本スキャンを行うことで、画質が均一化されたCT画像を得ることができる。
以下、図5に示すフローチャートについて説明する。まず、処理回路50のスキャン制御機能56は、被検体Pが寝台装置30に載置された状態で、X線高電圧装置14、DAS16、制御装置18、および寝台駆動装置32に指示することで、低線量でのヘリカルスキャンによる位置決めスキャンを行う。これにより、取得機能52は、被検体Pのボリュームデータを取得する(ステップS201)。
次に、算出機能542は、取得されたボリュームデータに基づいて、位置決めスキャン時のX線のパスごとに被検体Pに含まれる物質の透過長を同定する(ステップS203)。
次に、決定機能57は、同定された物質の透過長の割合と、変換テーブルCTLとに基づいて、撮影領域ごと(X線のパスごと)の管電流を決定する(S205)。決定機能57は、例えば、撮影領域ごとに、所定の指標を満たす画像を得るための線量を決定し、決定した線量をX線管11が出力するような管電流を決定する。このような指標には、例えば、画像SDおよびコントラスト-ノイズ比(contrast-to-noise ratio:CNR)の少なくとも1つが含まれる。
図7は、実施形態に係るスキャノ画像SCにおいて各物質の透過長の割合を説明する図である。例えば、X線の経路のパスPT1において、水:脂肪:骨の透過長の割合は、100:50:20である。また、例えば、X線の経路のパスPT2において、水:脂肪:骨の透過長の割合は、150:80:10である。決定機能57は、このような各物質の透過長の割合と、変換テーブルCTLとに基づいて、パスPT1およびPT2の各々における、所定の指標を満たす画像を得るための線量を決定し、決定した線量をX線管11が出力するような管電流を決定する。決定機能57は、例えば、算出された各物質の透過長の割合と対応する変換テーブルCTL内のデータに基づいて、所定の指標を満たす画像を得るための線量を決定する。また、例えば、決定機能57は、予め取得された水の減衰の情報と、各物質の減衰の比を利用して、被検体Pに照射する線量(管電流)を制御する。或いは、物質ごと(骨、水、脂肪)の減衰の情報を予め取得し,求めた各物質の透過長に合わせた減衰をそれぞれ加算することで、被検体に照射する線量(管電流)を制御する。
次に、決定機能57は、決定された撮影領域ごとの管電流に基づいて、撮影プロトコルを決定する(ステップS207)。次に、スキャン制御機能56は、被検体Pが寝台装置30に載置された状態で、決定された撮影プロトコルに従って、X線高電圧装置14、DAS16、制御装置18、および寝台駆動装置32に指示することで、本スキャンを行う(ステップS209)。
次に、再構成機能54は、本スキャンにより得らえた検出データに基づいて、画像再構成を行う(ステップS211)。これにより、管電流が最適化された条件下で撮影されたCT画像が得られる。以上により、本フローチャートの処理が終了する。
すなわち、算出機能542は、X線のパスごとに、被検体Pに含まれる複数の物質の各々の透過長の割合を算出し、決定機能57は、算出された割合に基づいて管電流を決定する。決定機能57は、算出された透過長と、物質ごとの透過長に対して管電流に関する情報および所定の指標とが対応付けらえた参照情報とに基づいて、管電流を決定する。
以上説明した実施形態によれば、被検体Pに含まれる物質ごとの透過長を求め、さらに、得られた物質ごとの透過長の情報と、予め取得された参照情報(変換テーブルCTL)とに基づいて、被検体に照射する線量(X線管の管電流)を制御する。これにより、X線の照射に関する最適なハードウェア設定を実現でき、従来よりもさらに画質の最適化を図ることができる。
<変形例>
上記の実施形態では管電流を制御する構成であったが、この管電流に加えて/代えて、管電圧を制御するようにしてもよい。決定機能57は、同定された物質に応じて、管電圧を決定するようにしてもよい。決定機能57は、例えば、ビームハードニングの影響を軽減するように、管電圧を決定してよい(例えば、管電圧を下げるようにしてよい)。或いは、決定機能57は、例えば、特定の物質のX線吸収量が増大するポイント(K-edge)に関するカウントデータが得られるように管電圧を決定してよい。この場合、所定の指標としてコントラスト-ノイズ比(contrast-to-noise ratio:CNR)を採用し、設定されたCNRを満たすように管電圧を設定して本スキャンを行うことで、画質が均一化されたCT画像を得ることができる。
上記の実施形態では管電流を制御する構成であったが、この管電流に加えて/代えて、管電圧を制御するようにしてもよい。決定機能57は、同定された物質に応じて、管電圧を決定するようにしてもよい。決定機能57は、例えば、ビームハードニングの影響を軽減するように、管電圧を決定してよい(例えば、管電圧を下げるようにしてよい)。或いは、決定機能57は、例えば、特定の物質のX線吸収量が増大するポイント(K-edge)に関するカウントデータが得られるように管電圧を決定してよい。この場合、所定の指標としてコントラスト-ノイズ比(contrast-to-noise ratio:CNR)を採用し、設定されたCNRを満たすように管電圧を設定して本スキャンを行うことで、画質が均一化されたCT画像を得ることができる。
すなわち、決定機能57は、X線のパスごとに、被検体Pに含まれる物質に応じて、X線管11の管電圧を決定する。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…X線CT装置,10…架台装置,11…X線管,12…ウェッジ,13…コリメータ,14…X線高電圧装置,15…X線検出器,16…データ収集システム(DAS),17…回転フレーム,18…制御装置,30…寝台装置,31…基台,32…寝台駆動装置,33…天板,34…支持フレーム,40…コンソール装置,41…メモリ,42…ディスプレイ,43…入力インターフェース,44…ネットワーク接続回路,50…処理回路,51…システム制御機能,52…取得機能,53…前処理機能,54…再構成機能,541…応答関数生成機能,542…算出機能,543…再構成処理機能,55…画像処理機能,56…スキャン制御機能,57…決定機能,58…表示制御機能
Claims (10)
- 被検体にX線を照射するX線管と、
前記被検体を通過した前記X線の光子を計数する光子計数型X線検出器と、
前記被検体をスキャンすることによりボリュームデータを取得する取得部と、
取得された前記ボリュームデータから得られる前記被検体に含まれる物質の情報に基づいて、本スキャンにおける前記X線管の管電流を決定する決定部と、
を備える光子計数型X線CT装置。 - 前記X線のパスごとに、前記被検体に含まれる物質の透過長を算出する算出部をさらに備え、
前記決定部は、算出された前記透過長に基づいて前記管電流を決定する、
請求項1に記載の光子計数型X線CT装置。 - 前記算出部は、前記X線のパスごとに、前記被検体に含まれる複数の物質の各々の透過長の割合を算出し、
前記決定部は、算出された前記割合に基づいて前記管電流を決定する、
請求項2に記載の光子計数型X線CT装置。 - 前記ボリュームデータは、前記本スキャンよりも低い線量でのヘリカルスキャンにより撮影されたデータである、
請求項1に記載の光子計数型X線CT装置。 - 前記決定部は、算出された前記透過長に基づいて、前記X線の投影角ごとに前記管電流を決定する、
請求項2に記載の光子計数型X線CT装置。 - 前記決定部は、算出された前記透過長と、前記物質ごとの透過長に対して管電流に関する情報および所定の指標とが対応付けらえた参照情報とに基づいて、前記管電流を決定する、
請求項2に記載の光子計数型X線CT装置。 - 前記指標は、画像SDおよびコントラスト-ノイズ比の少なくとも1つを含む、
請求項6に記載の光子計数型X線CT装置。 - 前記決定部は、前記X線のパスごとに、前記被検体に含まれる物質に応じて、前記X線管の管電圧を決定する、
請求項1から7の何れか一項に記載の光子計数型X線CT装置。 - 光子計数型X線CT装置を用いて、
被検体をスキャンすることによりボリュームデータを取得し、
取得された前記ボリュームデータから得られる前記被検体に含まれる物質の情報に基づいて、本スキャンにおけるX線管の管電流を決定する、
撮影方法。 - 光子計数型X線CT装置に、
被検体をスキャンすることによりボリュームデータを取得させ、
取得された前記ボリュームデータから得られる前記被検体に含まれる物質の情報に基づいて、本スキャンにおけるX線管の管電流を決定させる、
プログラム。
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JP2022153924A JP2024048076A (ja) | 2022-09-27 | 2022-09-27 | 光子計数型x線ct装置、撮影方法、およびプログラム |
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JP2022153924A Pending JP2024048076A (ja) | 2022-09-27 | 2022-09-27 | 光子計数型x線ct装置、撮影方法、およびプログラム |
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