JP2022055688A - 有機el用封止剤、及び有機el素子 - Google Patents

有機el用封止剤、及び有機el素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2022055688A
JP2022055688A JP2020163255A JP2020163255A JP2022055688A JP 2022055688 A JP2022055688 A JP 2022055688A JP 2020163255 A JP2020163255 A JP 2020163255A JP 2020163255 A JP2020163255 A JP 2020163255A JP 2022055688 A JP2022055688 A JP 2022055688A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
organic
sealing
encapsulant
substituent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020163255A
Other languages
English (en)
Inventor
崇生 白神
Takao Shiragami
一道 小川
Kazumichi Ogawa
凌 佐藤
Ryo Sato
亜香音 真野
Akane Mano
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Futaba Corp
Original Assignee
Futaba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Futaba Corp filed Critical Futaba Corp
Priority to JP2020163255A priority Critical patent/JP2022055688A/ja
Publication of JP2022055688A publication Critical patent/JP2022055688A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

【課題】捕水成分を含みながら、使用前の意図しない硬化が抑制された、有機EL用封止剤を提供すること。【解決手段】硬化性の主剤成分と、主剤成分を硬化させるための重合開始剤と、式:Si(OR1)n(R2)4-nで表されるアルコキシシラン化合物、又は式:B(OR1)m(R2)3-mで表されるアルコキシホウ素化合物のうち少なくとも一方を含む捕水成分とを含む、有機EL用封止剤が開示される。nが1~4の整数を示し、mが1~3の整数を示し、R1が第1の置換基で置換されていてもよいアルキル基を示し、R2が第2の置換基で置換されていてもよい炭化水素基を示す。1分子中の複数のR1及びR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。第1の置換基及び第2の置換基は、酸性基、及び加水分解によって酸性基を生成する官能基を除く、基である。【選択図】図1

Description

本発明は、有機EL用封止剤、及び有機EL素子に関する。
有機EL素子において、発光性の有機層周囲の気密空間を充填するフィル剤等の封止剤が設けられることがある(例えば、特許文献1)。
特許第6560940号公報
有機EL素子用の封止剤が捕水成分を含むことにより、有機EL素子への水分の影響を抑制するための捕水機能を封止剤に付与できると考えられる。ところが、捕水成分の影響により、封止剤が有機EL素子の製造のために使用される前に、意図せず硬化してしまうことがあった。硬化した封止剤は流動性をほとんど有しないため、印刷等の通常の方法によって有機EL素子中に導入することが困難である。
そこで本発明の一側面は、捕水成分を含みながら、使用前の意図しない硬化が抑制された、有機EL用封止剤を提供する。
本発明の一側面は、硬化性の主剤成分と、前記主剤成分を硬化させるための重合開始剤と、式:Si(OR(R4-nで表されるアルコキシシラン化合物、又は式:B(OR(R4-mで表されるアルコキシホウ素化合物のうち少なくとも一方を含む捕水成分とを含む、有機EL用封止剤を提供する。式中、nは1~4の整数を示し、mが1~3の整数を示し、Rは第1の置換基で置換されていてもよいアルキル基を示し、Rは第2の置換基で置換されていてもよい炭化水素基を示す。1分子中の複数のR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。前記第1の置換基及び前記第2の置換基は、酸性基、及び加水分解によって前記酸性基を生成する官能基を除く、基である。
種々の中心金属を有する金属アルコキシドは、捕水成分として機能することが期待される。しかし、これらアルコキシド化合物を硬化性の主剤を含む封止剤に配合すると、封止剤が使用前に意図せず硬化することがある。アルコキシド化合物として上記アルコキシシラン化合物又はアルコキシホウ素化合物を選択して用いることより、使用前の硬化を効果的に抑制しながら、良好な硬化性及び捕水機能を有する封止剤を得ることができる。ケイ素及びホウ素が中性又は中性に近い性質を有することから、アルコキシシラン化合物及びアルコキシホウ素化合物は封止剤の硬化反応に影響し難く、その結果、係る効果が得られると考えられる。
本発明の別の一側面は、素子基板と、前記素子基板に対して対向配置された封止基板と、前記素子基板上に設けられた、対向配置された一対の電極及びそれらの間に設けられた有機層を有する発光部と、前記素子基板と前記封止基板との間に設けられ前記発光部を封止する封止層とを備える有機EL素子を提供する。前記封止層が、上記有機EL用封止剤の硬化物を含む。
係る有機EL素子は、封止剤の意図しない硬化を抑制しながら効率的に製造することができ、しかも封止剤の捕水機能によって良好な発光寿命を有することができる。
本発明の一側面によれば、捕水成分を含みながら、使用前の意図しない硬化が抑制された、有機EL用封止剤が提供される。
有機EL素子の一実施形態を示す断面図である。 有機EL素子の一実施形態を示す断面図である。 有機EL素子の一実施形態を示す断面図である。 有機EL素子の一実施形態を示す断面図である。
以下、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
一実施形態に係る封止剤は、硬化性の主剤成分と、主剤成分を硬化させるための重合開始剤と、捕水成分とを含む。この封止剤は、有機EL素子の発光部周囲を封止する有機EL用封止剤として用いることができる。有機EL素子用封止剤は、例えば、発光部周囲の気密空間を充填するフィル剤であってもよい。
主剤成分は、例えば、酸又は塩基の作用によって反応して硬化物(架橋重合体)を形成する硬化性樹脂を含んでいてもよく、その例としてはエポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂は、2個以上のエポキシ基を有する化合物であってもよく、その例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(例えば2,2-ビス(4-グリシジルオキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(例えばビス[4-(グリシジルオキシ)フェニル]メタン)、及びエポキシ変性シリコーンが挙げられる。
主剤成分(又はエポキシ樹脂)の含有量は、封止剤の質量を基準として、例えば0.1~90質量%、0.1~50質量%、又は0.1~10質量%であってもよい。
重合開始剤は、例えば、光又は熱により酸又は塩基を発生する化学種であってもよく、特に光カチオン重合開始剤であってもよい。光カチオン重合開始剤の例としては、トリアリールスルホニウム塩が挙げられる。重合開始剤の含有量は、封止剤の質量を基準として、例えば0.1~10質量%であってもよい。
捕水成分は、式:Si(OR(R4-nで表される1種以上のアルコキシシラン化合物、又は式:B(OR(R3-mで表されるアルコキシホウ素化合物のうち少なくとも一方を含む。式中、nは1~4の整数を示し、mは1~3の整数を示し、Rは第1の置換基で置換されていてもよいアルキル基を示し、Rは第2の置換基で置換されていてもよい炭化水素基を示す。1分子中の複数のR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
は、無置換、又は第1の置換基で置換されたアルキル基である。R中のアルキル基は、炭素数1~5のアルキル基であってもよい。R中のアルキル基の炭素数が1~5であると、炭素数が6以上である場合と比較して、捕水速度の点でより優れた効果が得られ易い。同様の観点から、アルキル基の炭素数が1~3であってもよい。
中のアルキル基が有し得る第1の置換基は酸性基ではなく、加水分解によって酸性基を生成する官能基でもない基である。酸性基は、例えばカルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホ基、又はリン酸基である。加水分解によって酸性基を生成する官能基は、例えば、カルボン酸無水物基(-C(=O)-O-C(=O)-)、カルボン酸エステル基(-C(=O)O-)である。Rが酸性基及びこれを誘導する基を有しないことは、意図しない硬化反応の抑制に寄与する。
は、無置換、又は第2の置換基で置換された炭化水素基である。R中の炭化水素基はアルキル基であってもよく、炭素数1~5のアルキル基であってもよい。第2の置換基も、第1の置換基と同様に、酸性基、及び加水分解によって酸性基を生成する官能基を除く、基である。
第1の置換基及び第2の置換基は、それぞれ独立に、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキロイル基、アルコール性水酸基、エポキシ基、ビニル基、メタクリロイル基、スチリル基、アクリロイル基、アミノ基、ウレイド基、イソシアネート基、及びイソシアヌレート基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基であってもよい。
捕水成分として用いられるアルコキシシラン化合物の例としては、トリエトキシシラン、及び3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランが挙げられる。捕水成分として用いられるアルコキシホウ素化合物の例としては、トリブチルボレートが挙げられる。
アルコキシシラン化合物及びアルコキシホウ素化合物の合計の含有量は、封止剤の質量を基準として0.1~90質量%であってもよい。アルコキシシラン化合物及びアルコキシホウ素化合物の合計の含有量がこの範囲内であると、意図しない硬化反応を抑制しながら、封止剤が特に優れた硬化性及び捕水性能を有し易い。また、アルコキシシラン化合物及びアルコキシホウ素化合物の合計の含有量が適度に少ないと、加水分解によって生じるアルコールに起因する有機EL素子への影響を更に抑制できる。これらと同様の観点から、アルコキシシラン化合物及びアルコキシホウ素化合物の合計の含有量は、封止剤の質量を基準として0.1~50質量%、又は0.1~10質量%であってもよい。ここで、アルコキシシラン化合物及びアルコキシホウ素化合物の合計の含有量が、封止剤の質量を基準として0.1~90質量%等であることは、封止剤がアルコキシシラン化合物及びアルコキシホウ素化合物の両方を必ず含むことを意味しない。封止剤がアルコキシシラン化合物又はアルコキシホウ素化合物のうち一方のみを含む場合、それぞれの含有量が、ここで例示された数値範囲内であってもよい。
封止剤は、主として、主剤成分、重合開始剤及び捕水成分から構成される。主剤成分(又はエポキシ樹脂)、重合開始剤及び捕水成分(又はアルコキシシラン化合物及びアルコキシホウ素化合物)の合計の含有量は、封止剤の質量を基準として例えば10~99.9質量%、50~99.9質量%、90~99.9質量%であってもよい。
封止剤は、光照射後の更に長い可使時間の確保の観点から、硬化反応遅延剤を更に含有してもよい。硬化反応遅延剤は特に限定されないが、例えばポリオール化合物であってもよい。ポリオール化合物の例としては、クラウンエーテルが挙げられる。
図1は、有機EL素子の一実施形態を示す模式断面図である。図1に示す有機EL素子1Aは、素子基板2と、素子基板2に対して対向配置された封止基板3と、素子基板2上に設けられた、対向配置された陽極5及び陰極6とこれらの間に設けられた有機層4とを有する積層体である発光部10と、素子基板2及び封止基板3の外周部を封止する封止シール剤8と、封止シール剤8の内側で発光部10を封止する封止層7とから構成される。封止層7は、上述の実施形態に係る封止剤の硬化物であることができる。封止シール剤8が素子基板2及び封止基板3の外周部を封止することにより、素子基板2及び封止基板3の間で、発光部10の周囲に気密空間が形成される。
封止層7は、封止シール剤8の内側で、素子基板2及び封止基板3と接しながら、発光部10周囲の気密空間を充填している。すなわち、有機EL素子1Aは、いわゆる充填封止構造の有機EL素子であり、封止層7はフィル剤として機能する。発光部10は、封止層7内に埋め込まれている。ただし、気密空間が封止層7によって完全には充填されず、空隙が残っていてもよい。気密空間のうち、封止層の割合が、例えば50~100体積%、60~100体積%、70~100体積%、80~100体積%、又は90~100体積%であってもよい。
有機EL素子1Aにおいて、封止層7以外の要素に関しては、当該技術分野において通常のものを適用することができるが、その一例を以下に説明する。
素子基板2は、絶縁性及び透光性を有する矩形状のガラス基板からなる、素子基板2上に、透明導電材であるITO(Indium Tin Oxide)によって陽極5(電極)が形成されている。陽極5は、例えば真空蒸着法、スパッタ法等のPVD(Physical Vapor Deposition)法により素子基板2上に成膜されたITO膜をフォトレジスト法によるエッチングで所定のパターン形状にパターニングすることにより形成される。電極としての陽極5の一部は、素子基板2の端部まで引き出されて駆動回路(図示せず)に接続される。
陽極5の上面には、例えば、真空蒸着法、抵抗加熱法等のPVD法により、有機発光材料を含む薄膜である有機層4が積層されている。有機層4は、単一の層から形成されていてもよく、機能の異なる複数の層から形成されていてもよい。本実施形態における有機層4は、陽極5側から順に、ホール注入層4a、ホール輸送層4b、発光層4c及び電子輸送層4dが積層された4層構造である。ホール注入層4aは、例えば数10nmの膜厚の銅フタロシアニン(CuPc)から形成される。ホール輸送層4bは、例えば数10nmの膜厚のbis[N-(1-naphthyl)-N-phenyl]benzidine(α-NPD)から形成される。発光層4cは、例えば数10nmの膜厚のトリス(8-キノリノラト)アルミニウム(Alq)から形成される。電子輸送層4dは、例えば数nmの膜厚のフッ化リチウム(LiF)から形成される。
有機層4(電子輸送層4d)の上面には、真空蒸着法等のPVD法により形成された金属薄膜である陰極6(電極)が積層されている。金属薄膜の材料は、例えばAl、Li、Mg、In等の仕事関数の小さい金属単体やAl-Li、Mg-Ag等の仕事関数の小さい合金であってもよい。陰極6は、例えば数10nm~数100nm、又は50nm~200nmの厚さを有する。陰極6の一部は、素子基板2の端部まで引き出されて駆動回路(図示せず)に接続される。
封止基板3は、有機層4を挟んで素子基板2と対向するように配置されている。素子基板2及び封止基板3の外周部は、封止シール剤8により封止されている。封止シール剤としては例えば紫外線硬化性樹脂を用いることができる。
図2は、有機EL素子の他の一実施形態を示す模式断面図である。図2に示す有機EL素子1Bは、素子基板2と、素子基板2に対して対向配置された封止基板3と、素子基板2上に設けられた発光部10と、素子基板2及び封止基板3の外周部を封止する封止シール剤8と、封止シール剤8の内側の面上に設けられた乾燥剤層9と、乾燥剤層9の内側で発光部10の周囲を充填する封止層7とから構成される。有機EL素子1Bにおいても、発光部10は封止層7内に埋め込まれている。素子基板2及び封止基板3の間の気密空間が封止層7及び乾燥剤層9によって充填されている。乾燥剤層9は、例えば酸化カルシウム等のアルカリ土類酸化物を含む酸化物粒子と、バインダーとを含有する層であることができる。
図3は、有機EL素子の更に他の一実施形態を示す模式断面図である。図3に示す有機EL素子1Cは、素子基板2と、素子基板2に対して対向配置された封止基板3と、素子基板2上に設けられた発光部10と、素子基板2及び封止基板3と接しながら、素子基板2と封止基板3との間の発光部10周囲の空間を充填する封止層7とから構成される。図3の有機EL素子1Cの場合、封止シール剤のような、発光部の周囲に気密空間を形成するような部材は設けられていないが、発光部10が捕水能を有する封止層7内に埋め込まれていることにより、良好な発光寿命を有することができる。
図4は、有機EL素子の更に他の一実施形態を示す模式断面図である。図4に示す有機EL素子1Dは、素子基板2と、素子基板2に対して対向配置された封止基板3と、素子基板2上に設けられた発光部10と、素子基板2及び封止基板3の外周部を封止する封止シール剤8と、封止シール剤8の内側で発光部10を覆う封止層7とから構成される。有機EL素子1Dにおいても、発光部10は封止層7内に埋め込まれている。
有機EL素子1Dを構成する封止層7は、封止剤の硬化物を含む1つの硬化膜21と、2つの無機膜22とを含む積層構造を有している。発光部10側から、無機膜22、硬化膜21及び無機膜22の順で積層されている。すなわち、封止層7は最表層としての2つの無機膜22と、それらの内側に配置された硬化膜21とを有する。封止層7を構成する硬化膜及び無機膜の数は限定されず、複数の硬化膜及び無機膜が交互に積層されていてもよい。図4の場合、封止層7は発光部10を覆うとともに素子基板2の表面も覆っているが、封止シール剤8の内側の素子基板2の全面が覆われていなくてもよい。硬化膜21の厚さは、例えば0.1~3μmであってもよい。
無機膜22は、例えば、窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素(SiO)、及び、窒素を含む酸化ケイ素(SiON)等から選ばれるケイ素化合物を含む膜であってもよい。無機膜22は、例えば化学気相成長(CVD)によって形成することができる。無機膜22の厚さは、例えば、0.1~3μmであってもよい。
有機EL素子は、例えば、素子基板2又は封止基板3に封止剤を塗布することを含む方法によって製造することができる。図4の有機EL素子1Dのように硬化膜及び無機膜を有する積層構造を有する封止層は、例えば無機膜に封止剤を塗布することを含む方法によって製造することができる。
一実施形態に係る製造方法では、素子基板2上に有機層4等を有する発光部が形成された積層体が準備される。この場合、別途準備した封止基板3上に、上記実施形態に係る封止剤をディスペンサ等の方法により塗布して、封止層7を形成する。その後、封止基板3上に塗布した封止層7を囲むように封止シール剤8をディスペンサで塗布する。これらの作業は、露点-76℃以下の窒素で置換されたグローブボックス中で行ってもよい。
次に、発光部が搭載された素子基板2と、封止基板3とを、封止層7及び封止シール剤8をそれらの間に挟みながら貼り合わせる。必要により、得られた構造体に紫外線照射及び/又は加熱によって封止剤及び/又は封止シール剤を硬化することにより、本実施形態に係る有機EL素子1Aが得られる。有機EL素子1Bも、乾燥剤組成物を用いて乾燥剤層を形成すること以外は同様の方法で、製造することができる。有機EL素子1Cは、封止シール剤を形成しないこと以外は同様の方法で、製造することができる。有機EL素子1Dは、発光部上に無機膜及び硬化膜を順次形成することを含む方法により、製造することができる。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
90質量部のビスフェノールA型エポキシ樹脂(YL983U(商品名)、三菱ケミカル株式会社)、1質量部の光酸発生剤(トリアリールスルホニウム塩、CPI-310B(商品名)、サンアプロ株式会社)、及び10質量部のテトラエトキシシランをガラス容器の中で混合して、液状の封止剤を得た。
実施例2
テトラエトキシシランを、トリブチルボレートに変更したこと以外は実施例1にして、液状の封止剤を得た。
比較例1~3
テトラエトキシシランを、アルミニウム sec-ブチレート、テトラ-n-ブトキシチタン、又はテトラ-tert-ブトキシジルコニウムに変更したこと以外は実施例1にして、液状の封止剤を得た。
硬化性の評価
各封止剤を窒素雰囲気下、85℃で12時間程度放置する間に、比較例1~3の封止剤は、硬化反応の進行によって流動性を消失していた。また、比較例1~3の封止剤に対して、流動性が維持されている間に紫外線を照射したところ、硬化反応が十分に進行しなかった。これに対して、実施例1又は2の封止剤の場合、紫外線硬化前の硬化反応の進行は認められず、紫外線照射によって速やかに硬化した。この評価結果から、捕水成分としてアルコキシシラン化合物又はアルコキシホウ素化合物を含む封止剤は、紫外線照射前に意図せずに硬化することを抑制しながら、紫外線照射による良好な硬化性を示すことが確認された。
比較例4
テトラエトキシシランを配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして、封止剤を得た。
捕水性能の評価
実施例1の封止剤について、紫外線照射前、紫外線照射直後、及び、紫外線照射から窒素雰囲気下、室温で1日又は1週間経過後の含水量を測定した。含水量は、封止剤を溶媒で3倍に薄めて調製した試験液を用いたカールフィッシャー法によって測定した。比較例4の封止剤について、紫外線照射前及び紫外線照射直後の含水量を同様の方法で測定した。表1に示される測定結果から、アルコキシシラン化合物を含む封止剤が良好な捕水機能を有することが確認された。
Figure 2022055688000002
1A,1B,1C,1D…有機EL素子、2…素子基板、3…封止基板、4…有機層、4a…ホール注入層、4b…ホール輸送層、4c…発光層、4d…電子輸送層、5…陽極、6…陰極、7…封止層、8…封止シール剤、9…乾燥剤層、10…発光部。

Claims (11)

  1. 硬化性の主剤成分と、
    前記主剤成分を硬化させるための重合開始剤と、
    式:Si(OR(R4-nで表されるアルコキシシラン化合物、又は式:B(OR(R3-mで表されるアルコキシホウ素化合物のうち少なくとも一方を含む捕水成分と、を含み、
    nが1~4の整数を示し、mが1~3の整数を示し、Rが第1の置換基で置換されていてもよいアルキル基を示し、Rが第2の置換基で置換されていてもよい炭化水素基を示し、1分子中の複数のR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、前記第1の置換基及び前記第2の置換基は、酸性基、及び加水分解によって前記酸性基を生成する官能基を除く、基である、
    有機EL用封止剤。
  2. 前記主剤成分がエポキシ樹脂を含む、請求項1に記載の有機EL用封止剤。
  3. 前記重合開始剤が光又は熱で酸又は塩基を発生する化学種である、請求項1又は2に記載の有機EL用封止剤。
  4. 前記アルコキシシラン化合物及び前記アルコキシホウ素化合物の合計の含有量が、当該有機EL用封止剤の質量を基準として0.1~90質量%である、請求項1~3のいずれか一項に記載の有機EL用封止剤。
  5. が前記第1の置換基で置換されていてもよい炭素数1~5のアルキル基である、請求項1~4のいずれか一項に記載の有機EL用封止剤。
  6. 前記酸性基がカルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホ基、又はリン酸基である、請求項1~5のいずれか一項に記載の有機EL用封止剤。
  7. 前記第1の置換基及び前記第2の置換基が、それぞれ独立に、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキロイル基、アルコール性水酸基、エポキシ基、ビニル基、メタクリロイル基、スチリル基、アクリロイル基、アミノ基、ウレイド基、イソシアネート基、及びイソシアヌレート基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基である、請求項1~6のいずれか一項に記載の有機EL用封止剤。
  8. 素子基板と、
    前記素子基板に対して対向配置された封止基板と、
    前記素子基板上に設けられた、対向配置された一対の電極及びそれらの間に設けられた有機層を有する発光部と、
    前記素子基板と前記封止基板との間に設けられ前記発光部を封止する封止層と、を備え、
    前記封止層が請求項1~7のいずれか一項に記載の有機EL用封止剤の硬化物を含む、
    有機EL素子。
  9. 前記封止層が、前記素子基板及び前記封止基板と接しながら、前記素子基板と前記封止基板との間の前記発光部周囲の空間を充填している、請求項8に記載の有機EL素子。
  10. 当該有機EL素子が、前記素子基板及び前記封止基板の外周部を封止する封止シール剤を更に備え、
    前記封止層が、前記封止シール剤の内側で前記発光部周囲の気密空間のうち少なくとも一部を充填している、
    請求項8に記載の有機EL素子。
  11. 前記封止層が、前記有機EL用封止剤の硬化物を含む硬化膜と、無機膜と、を含む積層構造を有している、請求項8に記載の有機EL素子。
JP2020163255A 2020-09-29 2020-09-29 有機el用封止剤、及び有機el素子 Pending JP2022055688A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020163255A JP2022055688A (ja) 2020-09-29 2020-09-29 有機el用封止剤、及び有機el素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020163255A JP2022055688A (ja) 2020-09-29 2020-09-29 有機el用封止剤、及び有機el素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022055688A true JP2022055688A (ja) 2022-04-08

Family

ID=80998642

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020163255A Pending JP2022055688A (ja) 2020-09-29 2020-09-29 有機el用封止剤、及び有機el素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022055688A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6317624B2 (ja) 乾燥剤、封止構造及び有機el素子
WO2016167347A1 (ja) 電子デバイス用封止剤及び電子デバイスの製造方法
JP2008210788A (ja) 有機el素子
WO2015129670A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス表示素子封止用硬化性樹脂組成物、有機エレクトロルミネッセンス表示素子封止用硬化性樹脂シート、及び、有機エレクトロルミネッセンス表示素子
JP2017228414A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤
JP6404494B2 (ja) 有機el表示素子用封止剤
TW201700704A (zh) 硬化性樹脂組成物以及利用其硬化物的有機電場發光元件、電子裝置與電池
JP2022078065A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤
JP6247125B2 (ja) 有機光デバイスの製造方法
JP6758482B2 (ja) 密封材組成物
CN109983595B (zh) 用于有机电子器件封装剂的组合物和使用其形成的封装剂
JP2016039025A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス表示素子封止用樹脂組成物、有機エレクトロルミネッセンス表示素子封止用樹脂シート、及び、有機エレクトロルミネッセンス表示素子
JP2016138068A (ja) 化合物、乾燥剤、封止構造及び有機el素子
JP6487840B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス表示素子封止用硬化性樹脂組成物、有機エレクトロルミネッセンス表示素子封止用硬化性樹脂シート、及び、有機エレクトロルミネッセンス表示素子
JPWO2019230846A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤
TW201730269A (zh) 有機電激發光顯示元件用密封劑
JP2022055688A (ja) 有機el用封止剤、及び有機el素子
WO2005091682A1 (ja) 有機el素子およびその製造方法
JP7010824B2 (ja) 有機el表示素子用封止剤
CN110235262B (zh) 用于有机电子器件密封剂的组合物以及采用该组合物形成的密封剂
JP7119291B2 (ja) 硬化性組成物、硬化物、発光装置およびその製造方法
JP2020523728A (ja) 密封材組成物
JP2024002041A (ja) 乾燥剤組成物、アルコキシシラン化合物、及び有機el素子
JP2014067599A (ja) 有機elディスプレイの製造方法及び有機elディスプレイ
JP2013222599A (ja) 有機el表示装置