JP2022055389A - 燃焼装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】引張燃焼式の燃焼装置において、燃焼状態の悪化や熱効率低下を抑えつつ、燃焼筐の外壁や遮熱板の冷却を促進して過熱を防止することができる燃焼装置を提供する。【解決手段】内部にバーナ4を収容する燃焼室3を有する燃焼筐1の内面に遮熱板12を設ける。燃焼ファンを燃焼排気の流動方向下流側に配置して引張燃焼式の燃焼装置を構成する。燃焼筐1の外壁の一部領域の周囲に遮熱板12を当接させ、燃焼筐1の外壁と遮熱板12との間に閉空間部15を形成する。閉空間部15に空気を導入する空気導入穴17を設ける。閉空間部15の空気を燃焼室3に流出させる流出開口部18を設ける。【選択図】図2
Description
本発明は、バーナに燃焼用空気を供給するための燃焼ファンが、バーナから生じる燃焼排気の流動方向下流側に配置された引張燃焼式の燃焼装置に関する。
従来、四角筒状の燃焼筐の内部に、一方向に長手のバーナが、その長手方向に直交する方向に複数並べて配置され、燃焼筐の外壁の内面に隙間を存して遮熱板が設けられた燃焼装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このものでは、バーナに燃焼用空気を供給するための燃焼ファンが、バーナより上流側に配置されている。
ところで、燃焼ファンがバーナの上流側に配置されている燃焼装置以外に、燃焼ファンがバーナの下流側に配置されている引張燃焼式といわれる燃焼装置も存在する。
燃焼ファンが燃焼室の下流側に配置されている燃焼装置の場合、燃焼筐の内部の燃焼室全体に対して負圧が均一に作用する。これにより、燃焼筐の外壁や遮熱板を狙って冷却空気を流すことはできず、冷却不足になって燃焼筐の外壁や遮熱板が過熱されるおそれがある。
そこで、燃焼ファンの回転数を上げて全体の空気量を増やすことが考えられるが、過剰な燃焼用空気の供給や、大量の空気の流動により、燃焼状態の悪化や熱効率低下が生じるおそれがある。
上記の点に鑑み、本発明は、引張燃焼式の燃焼装置において、燃焼状態の悪化や熱効率低下を抑えつつ、燃焼筐の外壁や遮熱板の冷却を促進して過熱を防止することができる燃焼装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明は、内部にバーナを収容する燃焼室を有する燃焼筐の内面に遮熱板が設けられ、前記バーナに燃焼用空気を供給するための燃焼ファンが、前記バーナから生じる燃焼排気の流動方向下流側に配置された引張燃焼式の燃焼装置において、前記燃焼筐の外壁の一部領域の周囲に前記遮熱板が当接することにより前記燃焼筐の外壁と前記遮熱板との間の前記一部領域に形成された閉空間部と、前記閉空間部を形成している位置の前記燃焼筐の外壁に形成されて、前記閉空間部に空気を導入する空気導入穴と、前記閉空間部を形成している位置の前記遮熱板に形成されて、前記閉空間部の空気を前記燃焼室に流出させる流出開口部とを備えることを特徴とする。
上記構成により、燃焼筐の外壁の一部領域と遮熱板とにより形成されている閉空間部は、空気導入穴と流出開口部とによって内部を新鮮な外部空気が通過するようになっている。このときの外部空気により、閉空間部の位置における燃焼筐の外壁と遮熱板とが冷却される。
閉空間部を形成するための燃焼筐の外壁の一部領域は、所望の位置に設定することができる。しかも、閉空間部は、燃焼筐の外壁と遮熱板との当接により、周囲が閉じられている。この閉空間部において高い冷却効果が望める外部空気を導入して冷却する。
これにより、例えば、遮熱板及び燃焼筐の外壁において最も高温となる部位に閉空間部を設けて、少ない外部空気の量で当該部位を効率よく冷却することができる。よって、比較的少ない(必要最小限の)外部空気を導入して冷却が最も必要な位置を集中して冷却することにより、外部空気を導入することによる燃焼状態の悪化や熱効率低下を極めて小さく抑えることができる。
また、本発明の燃焼装置は、燃焼ファンがバーナよりも下流に設けられている引張燃焼式であるので、バーナの燃焼中には燃焼筐の内部が負圧になる。これにより、空気導入穴から燃焼筐の外部へ燃焼排気が漏れることはない。そして、空気導入穴の大きさや数量等を設定することで、所望の空気量を正確に導入することができる。
以上のように、本発明によれば、燃焼状態の悪化や熱効率低下への影響を最小限に抑えることができ、しかも、十分な冷却を効率よく行うことができる。
なお、前記閉空間部の具体的な態様としては、前記一部領域に対応する位置の遮熱板を燃焼室に向かって膨出させ、その膨出部分の周囲に燃焼筐の外壁を当接させることが挙げられる。
更に好ましい態様として、前記閉空間部は、前記燃焼筐の外壁の前記一部領域から外方へ膨出する第1凸部と、前記燃焼筐の外壁の前記第1凸部の周囲に当接する前記遮熱板とにより、前記第1凸部の内部に形成されていることを特徴とする。
閉空間部を構成する第1凸部は、燃焼筐の外方に膨出しているため、閉空間部はバーナの炎から離れた位置に形成され、バーナの炎の熱の影響を受け難い。
また、本発明において、前記遮熱板は、前記第1凸部に対応する位置で前記閉空間部の内部に膨出する第2凸部を備えることを特徴とする。
第2凸部は、閉空間部の内部に膨出する形状に設けられていることにより、閉空間部の位置における遮熱板をバーナの炎から遠ざけることができ、遮熱板の過熱を一層防止することができる。
また、本発明において、前記流出開口部は、前記バーナより下流側であって、且つ、前記空気導入穴より下流側に形成されていることを特徴する。
これにより、空気導入穴から閉空間部に入って流出開口部から燃焼室に向かう外部空気の流れを、燃焼排気の流れに沿ったものとすることができ、円滑な外部空気の流れによって燃焼筐の外壁及び遮熱板を効率よく冷却することができる。
また、本発明において、前記遮熱板は、前記流出開口部の下流側の端部から前記閉空間部内の上流側に向かって前記燃焼筐の外壁に接近する方向に傾斜する傾斜片を備えることを特徴とする。
空気導入穴から閉空間部に入って流出開口部へ向かう外部空気は、傾斜片に接して案内されて、流出開口部から燃焼室に流入する。傾斜片は、閉空間部内の上流側に向かって燃焼筐の外壁に接近する方向に傾斜している。これにより、傾斜片に案内されて燃焼室に入った外部空気は、燃焼室内を流れる燃焼排気に対して鋭角に接し、燃焼室に入った後も、遮熱板に沿った流れを形成する。これにより、流出開口部の下流域における遮熱板も冷却することができる。
また、本発明において、前記遮熱板に連続して設けられ、前記閉空間部より上流側、且つ前記バーナより下流側に位置して前記燃焼筐の内面を覆う覆壁板を備えることを特徴とする。
引張燃焼式の燃焼装置は、バーナの炎口からの燃料ガス噴出に燃焼空気が引っ張られて渦による乱流が発生し易く、燃焼排気がバーナの下流の燃焼筐の外壁に触れて燃焼筐の外壁が過熱される場合がある。
本発明によれば、覆壁板を設けたことにより、燃焼排気の流れが乱れても燃焼筐の外壁への燃焼空気の接触を防止することができ、燃焼筐の外壁の温度上昇を抑えることができる。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の燃焼装置は、給湯器の熱源機として用いられており、図1に示すように、燃焼筐1と熱交換筐2とを備えている。
図2に示すように、燃焼筐1の内部には、燃焼室3が形成されている。燃焼室3の内部には、上端に炎口4aを有する複数のバーナ4が設けられている。各バーナ4は、一方向(本実施形態では前後方向という)に長手となる細長い形状に形成されており、それらのバーナ4が、長手方向に直交する方向(本実施形態では横方向という)に並べて設けられている。
熱交換筐2の内部には、被加熱物となる給湯用の熱交換器5が収容されている。熱交換筐2の上部(燃焼排気の流動方向下流側)には図外の燃焼ファンが接続されている。
燃焼ファンは、バーナ4の燃焼によって生成された燃焼排気を、排出方向へ強制的に流動させる。このとき、燃焼室3が負圧となり、バーナ4の下方に形成された図外の給気室に外部から燃焼用空気が引き込まれる。
このようにして、燃焼用空気を引っ張り供給することにより、本実施形態の燃焼装置は、引張燃焼式燃焼装置と呼ばれる。
このようにして、燃焼用空気を引っ張り供給することにより、本実施形態の燃焼装置は、引張燃焼式燃焼装置と呼ばれる。
互いに隣り合う各バーナ4間には、通気可能な隙間が形成されている。各バーナ4の下方の空気は、これらの隙間から燃焼室3へ向かう際にバーナ4に二次空気として供給される。
燃焼筐1は、略四角筒状に形成され、前後側に位置して起立状態で互いに対向する一対の第1燃焼部外壁6と、左右側に位置して起立状態で互いに対向する一対の第2燃焼部外壁7とを備えている。両第1燃焼部外壁6は、各バーナ4の前後端側に位置し、両第2燃焼部外壁7は、各バーナ4の左右側に位置する。
図1及び図2に示すように、一方の第1燃焼部外壁6には、バーナ4を点火する点火電極8の基端部と、バーナ4の燃焼を検知するフレームロッド9の基端部とが支持されている。
熱交換筐2は、燃焼筐1に連続する略四角筒状に形成され、第1燃焼部外壁6の上縁に連続して一体に形成された第1熱交部外壁10と、第2燃焼部外壁7の上縁に連結された第2熱交部外壁11とを備えている。第2熱交部外壁11は、その前後端が第1熱交部外壁10の左右端に連結されて筒状に形成されている。
図2及び図3に示すように、燃焼室3には、第1燃焼部外壁6の内面を覆う遮熱板12と、遮熱板12に連続する覆壁板13とが設けられている。
図2及び図3に示すように、燃焼室3には、第1燃焼部外壁6の内面を覆う遮熱板12と、遮熱板12に連続する覆壁板13とが設けられている。
燃焼筐1の第1燃焼部外壁6の一部領域には、外方へ膨出する第1凸部14が形成されている。第1凸部14は、バーナ4よりも上方(バーナ4の下流側)に位置しており、第1凸部14の燃焼室3側は、遮熱板12によって覆われている。第1凸部14は、図3に示すように、略四角形状に形成されている。
遮熱板12は、第1燃焼部外壁6の内面側を覆うことにより、第1凸部14の周囲に燃焼室3側から当接する。これにより、第1凸部14によって形成された第1燃焼部外壁6の内面側の凹みには、第1凸部14の外周を遮熱板12により閉じた状態とされた閉空間部15が形成される(図4参照)。
閉空間部15に対応する位置における遮熱板12には、閉空間部15の内部に向かって膨出する第2凸部16が形成されている。第2凸部16は、第1凸部14よりも少し小さい略四角形状に形成されている。第2凸部16は、図2及び図3に示すように、燃焼室3側からみて凹部となる。
図1に示すように、第1凸部14が形成されている部分の第1燃焼部外壁6には、複数の空気導入穴17が形成されている。空気導入穴17は、第1燃焼部外壁6を貫通して閉空間部15内に外部の空気を導入するために設けられている。
図3に示すように、第2凸部16の上方で閉空間部15を覆う位置の遮熱板12には、流出開口部18が形成されている。流出開口部18は、遮熱板12を貫通して閉空間部15内から燃焼室3内に空気を流出させるために設けられている。流出開口部18は、空気導入穴17よりも上方(燃焼排気の流動方向下流側)に配設されている。
更に、流出開口部18の上縁には、図4に示すように、傾斜片19が設けられている。傾斜片19は、遮熱板12から流出開口部18を切り抜く際に、流出開口部18に対応する位置の遮熱板12を閉空間部15の内側に折り曲げ遊離させることで、流出開口部18と同時に形成することができる。流出開口部18が横長形状であれば、傾斜片19も横長形状に形成することができるので、傾斜片19が補強リブのように作用して遮熱板12の強度が向上する。
第1燃焼部外壁6と遮熱板12とによって閉空間部15を形成し、空気導入穴17と流出開口部18とにより外部の空気が閉空間部15の内部を通過することで、閉空間部15を形成している部分の第1燃焼部外壁6及び遮熱板12が冷却される。即ち、閉空間部15を設けた部分を重点的に冷却することができる。
前述の通り、本実施形態の燃焼装置は、引張燃焼式が採用されている。引張燃焼式の給湯装置であることにより、燃焼運転中(燃焼ファンの作動中)は、燃焼室3が負圧になる。従って、閉空間部15では、空気導入穴17から流出開口部18への流れが生じるため、空気導入穴17から燃焼室3内の燃焼排気が漏れることがない。
また、閉空間部15は、第1凸部14と遮熱板12とによって適宜の大きさに形成することができ、閉空間部15に導入する空気の量は、空気導入穴17の大きさや数によって容易に設定することができる。そして、第1燃焼部外壁6の所望の位置に閉空間部15を設ければ、当該位置を重点的に冷却することが可能となる。
よって、第1燃焼部外壁6のうち、最も高温となる部分に閉空間部15を設け、空気導入穴17からの空気の導入量を冷却に必要な最小限の量に設定する。こうすることにより、燃焼室3に流れ込む外部からの空気量を小さく抑えながら、第1燃焼部外壁6及び遮熱板12を効率よく冷却することができる。
更に、閉空間部15に導入された空気が流出開口部18から燃焼室3に向かうとき、流出開口部18の上縁に沿って設けられた傾斜片19に接して斜め上方に案内される。これにより、閉空間部15から燃焼室3に入る空気を、燃焼室3内を流れる燃焼排気の流れに並行させて、燃焼排気と遮熱板12との間に流すことができ、遮熱板12の温度上昇を抑えることができる。
覆壁板13は、第1凸部14よりも下方で、バーナ4より上方となる位置(第1凸部14より燃焼排気の流動方向上流側、且つバーナ4より燃焼排気の流動方向下流側)に設けられている。
図3に示すように、覆壁板13は、その下端部に第1燃焼部外壁6との間を閉塞する閉塞部20を備えている。閉塞部20によって、覆壁板13と第1燃焼部外壁6との間への空気の侵入が阻止される。一方、覆壁板13の下端部に設けた閉塞部20が、覆壁板13とバーナ4との間に空気を案内する。
これにより、覆壁板13とバーナ4との間を通過する空気のエアーカーテン効果により、バーナ4の炎が覆壁板13及び遮熱板12の方向へ倒れることが防止でき、覆壁板13及び遮熱板12の過熱を抑制することができる。
なお、本実施形態においては、第1凸部14に対向する略四角形状の平坦な面を備える第2凸部16を遮熱板12に設けた例を示したが、本発明の第2凸部は本実施形態で示した形状に限るものではない。
例えば、図5に示すように、遮熱板12の第2凸部16の略四角形状の面に、縦方向に延びる細長形状の複数の溝状部21(非貫通)を互いに所定間隔を存して横方向に複数並べて形成してもよい。これによれば、比較的狭い範囲に設けられている第2凸部16の実質的な表面積を大きくすることができ、遮熱板12冷却効果を向上させることができる。
また、本実施形態においては、燃焼ファンを上方に配置して燃焼室3の内部を燃焼排気が下方から上方へ流れる(燃焼筐1の上部に熱交換筐2が設けられた)燃焼装置を挙げて説明したが、本発明は、燃焼ファンを下方に配置して燃焼室の内部を燃焼排気が上方から下方へ流れる(本実施形態の上下を反転させた構成の)燃焼装置であっても好適に採用できて同様の効果を得ることができる。
1…燃焼筐、3…燃焼室、4…バーナ、12…遮熱板、14…第1凸部、15…閉空間部、17…空気導入穴、18…流出開口部、16…第2凸部、19…傾斜片、20…覆壁板。
Claims (6)
- 内部にバーナを収容する燃焼室を有する燃焼筐の内面に遮熱板が設けられ、前記バーナに燃焼用空気を供給するための燃焼ファンが、前記バーナから生じる燃焼排気の流動方向下流側に配置された引張燃焼式の燃焼装置において、
前記燃焼筐の外壁の一部領域の周囲に前記遮熱板が当接することにより前記燃焼筐の外壁と前記遮熱板との間の前記一部領域に形成された閉空間部と、
前記閉空間部を形成している位置の前記燃焼筐の外壁に形成されて、前記閉空間部に空気を導入する空気導入穴と、
前記閉空間部を形成している位置の前記遮熱板に形成されて、前記閉空間部の空気を前記燃焼室に流出させる流出開口部とを備えることを特徴とする燃焼装置。 - 請求項1記載の燃焼装置において、
前記閉空間部は、前記燃焼筐の外壁の前記一部領域から外方へ膨出する第1凸部と、前記燃焼筐の外壁の前記第1凸部の周囲に当接する前記遮熱板とにより、前記第1凸部の内部に形成されていることを特徴とする燃焼装置。 - 請求項2記載の燃焼装置において、
前記遮熱板は、前記第1凸部に対応する位置で前記閉空間部の内部に膨出する第2凸部を備えることを特徴とする燃焼装置。 - 請求項1~3の何れか1項記載の燃焼装置において、
前記流出開口部は、前記バーナより下流側であって、且つ、前記空気導入穴より下流側に形成されていることを特徴する燃焼装置。 - 請求項1~4の何れか1項記載の燃焼装置において、
前記遮熱板は、前記流出開口部の下流側の端部から前記閉空間部内の上流側に向かって前記燃焼筐の外壁に接近する方向に傾斜する傾斜片を備えることを特徴とする燃焼装置。 - 請求項1~5の何れか1項記載の燃焼装置において、
前記遮熱板に連続して設けられ、前記閉空間部より上流側、且つ前記バーナより下流側に位置して前記燃焼筐の内面を覆う覆壁板を備えることを特徴とする燃焼装置。
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