JP2022055234A - 金属部材の固定方法及び固定金具 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属部材を固定することができる金属部材の固定方法及び固定金具を提供すること。【解決手段】本発明は、板状の第1固定部21と、第1固定部21の一端に所定角度で一体化された第2固定部22と、からなる固定部材20と、裏板部材27と、ナット31と、ボス部24のボス孔25に挿通され、ボス孔25を拡径するとともに、第1形鋼1または第2形鋼1’を貫通するピン35と、を有し、第1固定部21又は第2固定部22と裏板部材27とで第1形鋼1または第2形鋼1’を挟持した状態でボルト通過部10と、第1挿通穴23A又は第2挿通穴23Bとにボルト34を挿通してナット31を螺合することで固定部材20と裏板部材27とを緊締し、ボス部24のボス孔25にピン35を挿入して、ボス孔25を拡径しながらボス部24及び第1形鋼1または第2形鋼1’を貫通させて、固定部材20を第1形鋼1または第2形鋼1’と一体化することを特徴とする。【選択図】図5

Description

本発明は、金属部材の固定方法及び固定金具に関する。
一般住宅などの縦横胴縁は、リップ溝形鋼を縦横に配置し、隣接するリップ溝形鋼同士を溶接で接合して構築されている。
従来のリップ溝形鋼は、矩形断面の鋼管における幅広の一方の側面に、長手方向(管の軸方向)に沿って延びるリップ溝が形成されている。リップ溝形鋼は、その断面形状が、一部が切れた環状(詳しくは、略C字形状)となっている。リップ溝形鋼は、比較的剛性が高く軽量であること、加工しやすく組み立てが容易であること、等の利点を有している。このため、リップ溝形鋼は、一般住宅などのスチールハウスや鋼製建築物などの構造部材、例えば、屋根や壁の下地部材として多用されている。
一般住宅の縦横胴縁において、リップ溝形鋼は、溶接接合されている。溶接接合は、溶接熱により歪みが発生する、溶接部の塗装を必要とする、溶接作業に熟練を要する等の問題がある。これらの問題に対し、連結金具でリップ溝形鋼同士を連結している。
リップ溝形鋼同士を連結する従来の連結金具は、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1の連結金具は、L字状に屈曲したL字形金具の一方の曲折片をリップ溝形鋼のリップ部(リップ壁とも称される)上に重ねるとともに、リップ部の裏面側に当て金を当ててリップ部を挟み込み、この状態でボルト及びナットにて上下から締め付けて固定する。具体的には、従来の連結金具は、リップ溝を隔てて位置する一対のリップ部を、L字形金具の曲折片と当て金とで挟み込んだ状態で、ボルトとナットで締結して挟持・固定する。このとき、ボルトは、一対のリップ部(リップ壁)の間の位置(リップ溝)を通過する。
特許第3207818号公報
従来の連結金具は、リップ溝形鋼に対する固定が十分ではなく、連結金具の位置ズレが生じるという問題があった。具体的には、従来の連結金具は、L字形金具と当て金とがリップ部を挟み込むように配置されており、L字形金具とリップ部、及びリップ部と当て金の両部の密着性(寸法精度)が低くなると、両部の間にすき間が生じ、位置ズレ(例えば、リップ溝形鋼の伸びる方向での位置ズレ)が生じやすくなる。
さらに、L字形金具と当て金は、ボルトとナットで締結されており、L字形金具、リップ部及びリップ部の間のいずれかにすき間が生じると、ボルトを中心に周方向の位置ズレ(回転)が生じやすくなる。L字金具の回転が生じると、ボルトとナットによる締結が緩み、L字形金具と当て金との間隔がさらに広がり、L字金具がリップ溝形鋼から外れ、リップ溝形鋼同士を連結できなくなるおそれがあった。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、金属部材を固定することができる金属部材の固定方法及び固定金具を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の金属部材の固定方法は、ボルトを挿通する第1挿通穴と、内部がボス孔となる表面に立接した円筒形状の第1ボス部とを備え、前記ボルトが挿通するボルト通過部を有する第1形鋼に当接される板状の第1固定部と、ボルトを挿通する第2挿通穴と、内部がボス孔となる表面に立接した円筒形状の第2ボス部とを備え、前記ボルトが挿通するボルト通過部を有する第2形鋼に当接される板状であり、前記第1固定部の一端に所定角度で一体化された第2固定部と、からなる固定部材と、前記ボルトを挿通する挿通穴を有し、前記第1形鋼または前記第2形鋼の裏面に当接される裏板部材と、前記ボルトの先端側で前記ボルトに螺合して前記裏板部材と前記第1固定部又は前記第2固定部とで前記第1形鋼または前記第2形鋼を挟持させるナットと、前記第1ボス部又は前記第2ボス部の前記ボス孔に挿通され、前記ボス孔を拡径するとともに、前記第1形鋼または前記第2形鋼を貫通するピンと、を有し、前記第1固定部又は前記第2固定部と前記裏板部材とで前記第1形鋼または前記第2形鋼を挟持した状態で前記ボルト通過部と、前記第1挿通穴又は前記第2挿通穴とに前記ボルトを挿通して前記ナットを螺合することで前記固定部材と前記裏板部材とを緊締し、前記第1ボス部又は前記第2ボス部の前記ボス孔に前記ピンを挿入して、前記ボス孔を拡径しながら前記第1ボス部又は前記第2ボス部、及び前記第1形鋼または前記第2形鋼を貫通させて前記固定部材を前記第1形鋼または前記第2形鋼と一体化することを特徴とする金属部材の固定方法。
本発明の固定方法は、固定部材の第1又は第2固定部と裏板部材とで第1又は第2形鋼を挟持した状態で、第1又は第2挿通穴に挿通したボルトとナットを螺合することで固定部材と裏板部材とを緊締して固定する。そして、第1又は第2ボス部のボス孔にピンを挿入し、ピンでボス孔を拡径させるとともに、ピンを第1又は第2形鋼に貫通させる。ピンは、ボス孔が形成された固定部材と、第1又は第2形鋼とを強固に固定する。
本発明の固定金具は、第1形鋼と第2形鋼とを所定角度で一体に固定する固定金具であって、ボルトを挿通する第1挿通穴と、内部がボス孔となる表面に立接した円筒形状の第1ボス部とを備え、前記ボルトが挿通するボルト通過部を有する前記第1形鋼に当接される板状の第1固定部と、ボルトを挿通する第2挿通穴と、内部がボス孔となる表面に立接した円筒形状の第2ボス部とを備え、前記ボルトが挿通するボルト通過部を有する前記第2形鋼に当接される板状であり、前記第1固定部の一端に所定角度で一体化された第2固定部と、からなる固定部材と、前記ボルトを挿通する挿通穴を有し、前記第1形鋼または前記第2形鋼の裏面に当接される裏板部材と、前記ボルトの先端側で前記ボルトに螺合して前記裏板部材と前記第1固定部又は前記第2固定部とで前記第1形鋼または前記第2形鋼を挟持させるナットと、前記第1ボス部又は前記第2ボス部の前記ボス孔に挿通され、前記ボス孔を拡径するとともに、前記第1形鋼または前記第2形鋼を貫通するピンと、を有することを特徴とする。
本発明の固定金具は、本発明の固定方法を用いて第1又は第2形鋼を強固に固定する金具である。本発明の固定金具は、上記の固定方法により得られる効果を発揮する。
実施形態1のリップ溝形鋼の構成を示す斜視図である。 実施形態1のリップ溝形鋼の断面形状を示す断面図である。 実施形態1の固定金具のL字金具の構成を示す斜視図である。 実施形態1の固定金具の裏板部材の構成を示す斜視図である。 実施形態1の固定方法の組み立て図である。 実施形態1のピンを示す側面図である。 実施形態1において、L字金具及び裏板部材をリップ溝形鋼に配置した状態を示す上面図である。 実施形態1の固定方法での一工程を示す断面図である。 実施形態1の固定方法での一工程を示す断面図である。 実施形態1の固定方法でのピンの作用を示す断面図である。 実施形態1の固定方法でのピンの作用を示す断面図である。 実施形態1の固定方法でのピンの作用を示す断面図である。 実施形態1の固定方法でのピンの作用を示す断面図である。 実施形態1の固定方法でのピンの作用を示す断面図である。 実施形態1において、固定金具で2本のリップ溝形鋼を固定した状態を示す斜視図である。 実施形態2において、L字金具及び裏板部材をリップ溝形鋼に配置した状態を示す上面図である。 実施形態3において、L字金具及び裏板部材をリップ溝形鋼に配置した状態を示す上面図である。 実施形態4のリップ溝形鋼の構成を示す斜視図である。 実施形態4において、L字金具及び裏板部材をリップ溝形鋼に配置した状態を示す上面図である。 実施形態4において、L字金具及び裏板部材をリップ溝形鋼に配置した状態を示す断面図である。
以下、実施形態を用いて本発明の金属部材の固定方法及び固定金具を具体的に説明する。なお、各実施形態は、本発明を具体的に実施する形態の例であり、本発明をこれらの形態のみに限定するものではない。各実施形態において特に言及されない構成や材料は、従来の固定金具(あるいは連結金具)と同様の構成や材料とすることができる。さらに、以下の各実施形態において、軸方向、幅方向等の方向は、固定金具をリップ溝形鋼に固定した場合でのリップ溝形鋼の各方向を示す。
[実施形態1]
本実施形態では、2本のリップ溝形鋼1,1’を固定金具2で固定する。リップ溝形鋼1は、請求項の第1形鋼に相当する。リップ溝形鋼1’は、請求項の第2形鋼に相当する。
(リップ溝形鋼)
本形態の2本のリップ溝形鋼1,1’は、同一構成(すなわち、材料や形状が同じ)を有する。以下、2本のリップ溝形鋼1,1’についてリップ溝形鋼1を用いて説明する。
リップ溝形鋼1は、リップ溝10、リップ壁11(11A,11B)、側壁12(12A,12B)、後背壁13、を有する。リップ溝形鋼1を図1~図2に示す。図1は、リップ溝形鋼1の斜視図である。図2は、リップ溝形鋼1の延在する方向に垂直な面での断面図である。
リップ溝形鋼1は、金属板(具体的には、鋼板)を曲成して形成される。リップ溝形鋼1は、断面形状が略矩形形状(角部がなめらかなR形状をなす方形形状)をなす筒状形状(あるいは、管形状)に形成されている。本形態のリップ溝形鋼1は、略矩形の筒状形状の一方の長辺の中央部に軸方向に沿って延びるリップ溝10が形成されている。本形態のリップ溝形鋼1は、リップ溝10に対応する部分が切れた、略C字状の断面形状を有する。
リップ溝10は、略筒形の一部が切れた切れ欠きよりなり、リップ溝形鋼1の軸方向に沿って伸びた状態で形成されている。リップ溝10は、請求項のボルト通過部に相当する。
リップ壁11(11A,11B)は、リップ溝10を隔てて対向する一対の部分である。一対のリップ壁11A,11Bは、リップ溝10を介して対称な形状に形成されている。一対のリップ壁11A,11Bは、その表面(筒状形状の外周面)が同一平面をなしている。一対のリップ壁11A,11Bは、その裏面(筒状形状の内周面)が同一平面をなしている。
側壁12(12A,12B)は、リップ壁11(11A,11B)に垂直に連なる部分である。側壁12Aは、リップ壁11Aに接続し、側壁12Bは、リップ壁11Bに接続する。一対の側壁12A,12Bは、リップ溝10を介して対称な形状に形成されている。一対の側壁12A,12Bは、その表面同士が平行な状態で形成されている。
後背壁13は、側壁12(12A,12B)に垂直に連なる部分である。後背壁13は、一対の側壁12A,12Bのそれぞれに垂直に連なる。後背壁13は、その表面及び裏面が、リップ壁11A,11Bと平行な形状に形成されている。
(固定金具)
固定金具2は、L字金具20、裏板部材27、ボルト34、ピン35、を有する。固定金具2は、図3~図7に示す。図3は、L字金具20の斜視図である。図4は、裏板部材27の斜視図である。図5は、リップ溝形鋼1に固定金具2を固定するときの組み立て図である。図6は、ピン35の側面図である。図7は、リップ溝形鋼1にL字金具20及び裏板部材27を配置した状態の上面図である。
(L字金具)
L字金具20は、板状の第1固定部21と、板状の第2固定部22とが互いに垂直で一体化したL字形状に形成されている。L字金具20は、金属板(具体的には、鋼板)を曲成して形成される。第1固定部21は、リップ溝形鋼1を固定する。第2固定部22は、リップ溝形鋼1’を固定する。L字金具20は、請求項の固定部材に相当する。
第1固定部21は、板状を有し、その略中央部にはボルト穴23(23A)が穿設されている。第1固定部21は、幅方向の端部近傍に、ボス部24(24A,24B)が形成されている。
第1固定部21は、その幅が、リップ溝形鋼1の幅(一対の側壁12A,12B間の距離)より短く形成されている。第1固定部21は、L字金具20をリップ溝形鋼1の表面上に配したときに、リップ壁11(11A,11B)の表面の平面の部分のみに重なる幅で形成されている。
ボルト穴23Aは、ボルト34が挿通する穴である。ボルト穴23Aは、第1固定部21を貫通して形成されている。ボルト穴23Aは、L字金具20の第1固定部21をリップ溝形鋼1のリップ壁11の表面上に配したときに、一対のリップ壁11(11A,11B)に重ることなく、リップ溝10に全体が重なる位置に形成されている。ボルト穴23Aにボルト34を挿通したときに、ボルト34がリップ溝形鋼1と干渉しない。ボルト穴23は、請求項の第1挿通穴に相当する。
ボス部24(24A,24B)は、内部がボス孔25(25A,25B)となる円筒形状を有する。ボス部24(24A,24B)は、第1固定部21の表面に立接した状態で一体に形成されている。円筒形状のボス部24(24A,24B)は、ピン35を打ち込んだ時に変形可能(塑性変形可能)に形成されている。
ボス部24(24A,24B)は、L字金具20をリップ溝形鋼1の所定の位置に配したときに、ボス孔25(25A,25B)がリップ壁11にて完全に閉塞する位置に設けられている。ボス部24Aは、ボス孔25Aがリップ壁11Aにて完全に閉塞する位置に設けられている。ボス部24Bは、ボス孔25Bがリップ壁11Bにて完全に閉塞する位置に設けられている。
第2固定部22は、第1固定部21の一端に垂直な状態で一体化した板状の部分である。第2固定部22は、第1固定部21との接続部(換言すると、L字金具20の垂直に屈曲する屈曲部)を介して、対称な構成を有する。L字金具20を屈曲部の幅方向の中央部を中心に回転すると、第1固定部21と第2固定部22が入れ替わる対称な形状に形成されている。
第2固定部22には、ボルト穴23(23B)、ボス部24(24C,24D)及びボス孔25(25C,25D)が設けられている。第2固定部22に設けられたボルト穴23(23B)、ボス部24(24C,24D)及びボス孔25(25C,25D)は、第1固定部21のものと同様に形成されている。第2固定部22に設けられたボルト穴23(23B)、ボス部24(24C,24D)及びボス孔25(25C,25D)は、リップ溝形鋼1に対する第1固定部21の場合と同様に、リップ溝形鋼1’に対して固定できるように各部が形成されている。
L字金具20は、第1固定部21と第2固定部22とが垂直に接続する屈曲部に、一対の補強部26,26が打ち出しにより形成されている。補強部26,26は、その形状が限定されず、本形態ではL字の内部側に凸となるように形成されている。
(裏板部材)
裏板部材27は、リップ壁11の裏面に当接する部材である。裏板部材27は、略C字形状のリップ溝形鋼1の内部に配される。裏板部材27は、L字金具20の第1固定部21とでリップ壁11(11A,11B)を挟持できる位置に配される部材である。裏板部材27は、帯状の金属板(具体的には、鋼板)を曲成して形成される。
裏板部材27は、L字金具20をリップ溝形鋼1の所定の位置に配したときに、ボス部24(24A,24B)と重ならない長さ(リップ溝形鋼1の軸方向の長さ)で形成されている。
裏板部材27は、底部28、接続板部29、フランジ部30、ナット部31を有する。
底部28は、第1固定部21に対して略平行に形成された板状の部分である。底部28は、その略中央部にナット部31が形成されている。
ナット部31は、底部28の表面(具体的には、リップ溝形鋼1の内周面及び第1固定部21に対向する面)に突出した状態で一体に形成されている。ナット部31は、内周面に雌ネジが形成されている。ナット部31の雌ネジは、底部28を貫通して形成されている。
接続板部29(29A,29B)は、底部28の幅方向の両端部に接続して設けられた一対の部分である。接続板部29は、底部28を、L字金具20の第1固定部21(及びリップ溝形鋼1のリップ壁11)から所定の間隔を隔てた位置に配するための部分である。所定の間隔とは、ナット部31がリップ壁11や第1固定部21と干渉しない間隔である。
フランジ部30(30A,30B)は、裏板部材27をリップ溝形鋼1の内部の所定の位置に配したときに、リップ壁11の裏面に当接する板状の部分である。フランジ部30(30A,30B)は、固定金具2をリップ溝形鋼1に固定したときに、リップ壁11の裏面とすき間なく密着する。フランジ部30Aは接続板部29Aに、フランジ部30Bは接続板部29Bに、それぞれ接続して設けられた部分である。
裏板部材27は、接続板部29と底部28の間に補強部32,32が打ち出しにより形成されている。さらに、裏板部材27は、底部28に補強部33,33が打ち出しにより形成されている。補強部33,33は、底部28のナット部31の軸方向の両側に、軸方向に垂直な方向に伸びる凸条形状で形成されている。
(ボルト)
ボルト34は、軸部340と頭部341とを有する。軸部340は、ナット部31の雌ネジと螺合する。軸部340の外周面には、ナット部31の雌ネジと螺合可能な雄ネジが形成されている。頭部341は、ボルト穴23(23A)よりも大径に形成されている。
ボルト34は、L字金具20のボルト穴23(23A)を挿通した状態で裏板部材27のナット部31に螺合し、L字金具20の第1固定部21と裏板部材27とでリップ溝形鋼1のリップ壁11を緊締する。
(ピン)
ピン35は、ボス部24A,24Bのボス孔25A,25Bに挿入され、打ち込まれる部材である。ピン35は、先端部36、中間部37、大径部38、接続部39、ピン頭部40、からなる。ピン35は、硬質の材料(特に、ボス部24及びリップ壁11を変形可能な材料)である鋼よりなる。なお、ピン35の先端側は図6における下方側を、基端側は図6における上方側を、それぞれ示す。
先端部36は、先端が尖った先細の形状(略円錐形状)に形成されている。先端部36は、ピン35がボス部24(24A,24B)のボス孔25(25A,25B)に打ち込まれたときに、リップ壁11を穿孔(及び拡径する変形)する部分である。
中間部37は、先端部36の基端側につながって設けられた円柱形状に形成されている。中間部37は、先端部36の基端側の端部の外径と同じ外径の円柱形状である。中間部37の外径は、ボス孔25(25A,25B)の内径と略一致する外径(ボス孔25の内径以下の外径)である。すなわち、略円錐形状の先端部36の底面は、ボス孔25(25A,25B)の内径と略一致する円形状である。
大径部38は、中間部37の基端側に接続部39を介した位置に設けられ、ボス部24のボス孔25の内径(ボス部24にピン35が挿入される前の状態での内径)より大きな外径の円柱形状を有する。大径部38の外周面は、ピン35がボス部24に打ち込まれたときに、ボス孔25(25A,25B)の内周面に嵌合する部分である。
接続部39は、中間部37と大径部38とを接続する部分であり、その径が徐々に変化するように、外周面がテーパ形状をなすように形成されている。すなわち、接続部39は、先端側が先細の円錐台形状をなしている。接続部39は、ピン35がボス部24のボス孔25に挿入されたときに、ボス孔25及びリップ壁11を拡径する部分である。
ピン頭部40は、大径部38の基端側につながって設けられ、ピン35がボス部24に挿入されるときに、ピン35を押す部分である。ピン頭部40は、大径部38よりも大径の形状に形成されている。ピン頭部40は、ピン35がボス部24に挿入されつづけると、ボス部24の突出方向の先端部と干渉し、ピン35がボス部24を通り抜けることを規制する。
ピン35の中間部37と大径部38の外径の差は限定されない。例えば、大径部38の外径は、中間部37の外径の120~180%であることが好ましく、150%であることがより好ましい。
ピン35の先端部36、中間部37、大径部38、接続部39のそれぞれの軸方向長さは、ピン35をボス部24に挿入して打ち込んだときに、リップ壁11を貫通可能な長さであれば、それ以外は限定されない。ピン35をボス部24に挿入して打ち込んだときに、リップ壁11を大径部38が貫通する長さであることが好ましい。例えば、大径部38の長さを100%としたときに、先端部36の長さは20~60%、中間部37の長さは10~50%、接続部39の長さは10~50%、であることが好ましい。大径部38の長さを100%としたときに、先端部36の長さは40%、中間部37の長さは30%、接続部39の長さは3%、であることがより好ましい。
(固定方法)
以下に本形態の固定方法を具体的に説明する。
まず、リップ溝形鋼1の表面の所定の位置に、L字金具20及び裏板部材27を配置する。一対のリップ壁11(11A,11B)を挟んだ位置(具体的には、図7に示した位置)にL字金具20及び裏板部材27を配置する。
L字金具20は、リップ溝形鋼1の表面(外周面)の所定の位置に、一方の第1固定部21の裏面が当接して配置される。このとき、第1固定部21Aのボルト穴23Aが、リップ壁11(11A,11B)に重ならず、リップ溝10のみに重なる。一方のボス部24Aのボス孔25Aが一方のリップ壁11Aで閉塞する(ボス孔25A内にリップ壁11Aのみが視認できる)。他方のボス部24Bのボス孔25Bは、他方のリップ壁11Bで閉塞する(ボス孔25B内にリップ壁11のみが視認できる)。
裏板部材27は、リップ溝形鋼1の裏面(内周面)の所定の位置に配置される。一方のフランジ部30Aが一方のリップ壁11Aの裏面に、他方のフランジ部30Bが他方のリップ壁11Bの裏面に、それぞれ密着した状態で配置される。このとき、裏板部材27は、底部28のナット部31がL字金具20のボルト穴23Aと重なる位置(すなわち、ボルト34で螺合可能な位置)に配置される。
そして、図8に断面図で示すように、L字金具20のボルト穴23Aに挿通し、底部28のナット部31に螺合し、緊締させる。ボルト34は、一対のリップ壁11A,11Bの間のリップ溝10を通過する。この螺合により、L字金具20と裏板部材27のフランジ部30(30A,30B)とが、リップ溝形鋼1のリップ壁11を挟持した状態で固定される。具体的には、L字金具20の第1固定部21Aと裏板部材27のフランジ部30Aとが、リップ壁11Aを挟持し固定する。L字金具20の第1固定部21Aと裏板部材27のフランジ部30Bとがリップ壁11Bを挟持し固定する。
つぎに、図9に断面図で示すように、L字金具20の一対のボス部24(24A,24B)のそれぞれにピン35を挿入し、ピン35を打ち込んでピン35で固定する。ピン35をボス部24Aに打ち込むときの作用をより具体的に説明する。
最初に、ピン35は、先端部36及び中間部37がボス孔25A内に挿入された状態で配置される。この状態では、先端部36の先細の先端がリップ壁11Aの表面に接触している。中間部37の外周面がボス孔25Aの内周面と当接している。接続部39の外周面が、ボス孔25Aの開口部に当接している。この状態を図10に断面図(ピン35の軸方向断面図)で示した。
次に、ピン35は、ピン頭部40がたたかれてボス部24Aに押し込まれる(打ち込まれる)。
押し込まれたピン35は、先端部36の先端がリップ壁11Aに押し込まれ、リップ壁11Aに穿孔する。形成された孔は、先端部36の外周面に沿った形状に拡径する(リップ壁11Aが塑性変形する)。同時に、ボス部24Aのボス孔25Aは、接続部39の外周面に沿った内周形状に拡径する(ボス部24Aが塑性変形する)。この状態を図11に断面図(ピン35の軸方向断面図)で示した。
ピン35は更に押し込まれ、先端部36の先端がリップ壁11Aを貫通する。リップ壁11Aに穿孔された孔は、先細形状の先端部36及び中間部37の外周面に沿った形状に拡径する(塑性変形する)。同時に、ボス部24Aのボス孔25Aは、接続部39及び大径部38の外周面に沿った形状に拡径する(ボス部24Aが塑性変形する)。この状態を図12に断面図(ピン35の軸方向断面図)で示した。
ピン35は更に押し込まれ、先端部36がリップ壁11Aを貫通し、リップ壁11Aの裏面から先端部36の全体が突出する。このとき、リップ壁11Aに穿孔された孔の内周面が中間部37の外周面と一致した形状に拡径する(塑性変形する)。リップ壁11Aの表面に接続部39の端部が当接する。同時に、ボス部24Aのボス孔25Aは、接続部39の外周面に沿った形状に拡径する(ボス部24Aが塑性変形する)。この状態を図13に断面図(ピン35の軸方向断面図)で示した。
ピン35は更に押し込まれ、接続部39がリップ壁11Aに形成された孔の内周面を、接続部39の外周面と一致した形状に拡径しながら、リップ壁11Aの裏面から突出して貫通する(塑性変形する)。
ピン35は更に押し込まれ、リップ壁11Aの穿孔された孔を大径部38が貫通する。ピン頭部40は、ボス部24Aの立設方向の先端部に当接し、ピン35の押し込みが完了する。この状態を図14に断面図(ピン35の軸方向断面図)で示した。
図14に示したように、ピン35は、ボス部24A及びリップ壁11Aを貫通し、大径部38の外周面がボス孔25Aの内周面及びリップ壁11Aの孔の内周面とそれぞれ全面で当接した状態(圧接した状態)となる。
つづいて、同様にボス部24Bのボス孔25Bにピン35を打ち込む。
以上により、リップ溝形鋼1に固定金具2の第1固定部21が固定された。
その後、上記したリップ溝形鋼1と第1固定部21との固定方法と同様に、リップ溝形鋼1’と第2固定部22とを固定する。
以上の方法により、2本のリップ溝形鋼1,1’を、互いに垂直な状態で固定金具2に固定した。この状態を図15に斜視図で示した。
(効果)
本形態の固定方法は、L字金具20(固定部材)、ナット部31(ナット)を備えた裏板部材27、ボルト34、ピン35を有する固定金具2で、リップ溝形鋼1(第1形鋼)及びリップ溝形鋼1’(第2形鋼)を固定する固定方法である。本形態の固定方法は、L字金具20の第1固定部21がリップ溝形鋼1を固定する。L字金具20の第2固定部22がリップ溝形鋼1’を固定する。第1固定部21と裏板部材27とでリップ溝形鋼1を挟持した状態で、ボルト34をリップ溝10とボルト穴23A(第1挿通穴)に挿通してナット部31を螺合することでL字金具20と裏板部材27とを緊締して固定する。第2固定部22と裏板部材27とでリップ溝形鋼1’を挟持した状態で、ボルト34をリップ溝10とボルト穴23B(第2挿通穴)に挿通してナット部31を螺合することでL字金具20と裏板部材27とを緊締して固定する。
そして、第1ボス部24A,24Bのボス孔25A,25Bにピン35を挿入して、ボス孔25A,25Bを拡径しながら、第1ボス部24A,24B及びリップ溝形鋼1を貫通させて、L字金具20をリップ溝形鋼1と一体化して固定する。第2ボス部24C,24Dのボス孔25C,25Dにピン35を挿入して、ボス孔25C,25Dを拡径しながら、第2ボス部24C,24D及びリップ溝形鋼1’を貫通させて、L字金具20をリップ溝形鋼1’と一体化して固定する。
以上のように、本形態の固定方法は、L字金具20の第1固定部21及び第2固定部22が、リップ溝形鋼1,1’にボルト34とナット部31の螺合だけでなく、貫通したピン35で一体に固定されている。異なる2種類の固定方法で固定されており、リップ溝形鋼1,1’は、L字金具20に強固に固定される。この結果、本形態の固定方法は、リップ溝形鋼1とリップ溝形鋼1’とを垂直な角度(所定角度)で一体にかつ強固に固定することができる。
本形態の固定方法は、ピン35が、先端部36、中間部37、大径部38、接続部39、ピン頭部40、を有する。この構成によると、ボス部24のボス孔25にピン35を打ち込むことで、リップ壁11の穿孔とボス部24のボス孔25の拡径とを同時に行うことができる。具体的には、ピン35の先端部36が、先細の形状に形成されており、リップ壁11を穿孔できる。また、ピン35の接続部39がテーパ形状をなしており、ボス部24のボス孔25を、大径部38の外径まで拡径することができる。以上のように、本形態の固定方法によると、ピン35がこの構成を有することで、ピン35を打ち込んだときに、L字金具20とリップ溝形鋼1,1’とより確実に一体化して固定することができる。
本形態の固定方法は、ボルト34がリップ溝形鋼1,1’のリップ溝10を通過する。すなわち、ボルト通過部がリップ溝形鋼1,1’に形成された切れ欠きである。この構成によると、リップ溝形鋼1,1’に新たに穿孔することなく、固定金具2(L字金具20)を強固に固定することができる。
本形態の固定方法では、裏板部材27とナット部31(ナット)が一体に形成されている。この構成によると、部品点数が減少したことで、組み付けに要するコストを低減できる。さらに、裏板部材27等を所定の位置に配する時や、ボルト34を挿通するとき等の組み付け時に、部材の位置ズレを抑えることができる。
本形態の固定金具2は、リップ溝形鋼1(第1形鋼)とリップ溝形鋼1’(第2形鋼)とを90°(垂直な角度,所定角度)で一体に固定する固定金具2である。そして、L字金具20(固定部材)及びナット部31を備えた裏板部材27、ボルト34、ピン35を有する。本形態の固定金具2は、第1固定部21と裏板部材27とでリップ溝形鋼1を挟持した状態で、ボルト34をリップ溝10とボルト穴23A(第1挿通穴)に挿通してナット部31を螺合することでL字金具20と裏板部材27とを緊締して固定する。第2固定部22と裏板部材27とでリップ溝形鋼1’を挟持した状態で、ボルト34をリップ溝10とボルト穴23B(第2挿通穴)に挿通してナット部31を螺合することでL字金具20と裏板部材27とを緊締して固定する。第1ボス部24A,24Bのボス孔25A,25Bにピン35を挿入して、ボス孔25A,25Bを拡径しながら、第1ボス部24A,24B及びリップ溝形鋼1を貫通させて、L字金具20をリップ溝形鋼1と一体化して固定する。第2ボス部24C,24Dのボス孔25C,25Dにピン35を挿入して、ボス孔25C,25Dを拡径しながら、第2ボス部24C,24D及びリップ溝形鋼1’を貫通させて、L字金具20をリップ溝形鋼1’と一体化して固定する。
本形態の固定金具2は、上記の固定方法でリップ溝形鋼1,1’を固定する固定金具である。本形態の固定金具2は、上記の固定方法で得られる効果、すなわちリップ溝形鋼1,1’に強固に固定できる効果を発揮する。
本形態の固定金具2は、ピン35が、先端部36、中間部37、大径部38、接続部39、ピン頭部40、を有する。本形態の固定金具2では、裏板部材27とナット部31(ナット)が一体に形成されている。本形態の固定金具2では、ボルト34がリップ溝形鋼1,1’のリップ溝10を通過する。これらの構成によると、本形態の固定金具2は、上記の固定方法で得られる効果、すなわちリップ溝形鋼1,1’に強固に固定できる効果を発揮する。
[実施形態2]
本形態は、ボス部24及びピン35の数が異なること以外は、実施形態1と同様な固定方法及び固定金具である。本形態の固定金具2は、図16に示すように、第1固定部21に4つのボス部24A,24B,24E,24Fを有する。図16は、本形態の固定金具をリップ溝形鋼1に配置した状態の上面図である(図7と同様な図である)。なお、本形態の固定金具2は、第2固定部22にも、4つのボス部24A,24B,24E,24Fを有する。
本形態の特に言及しない構成は、実施形態1と同様な構成である。
本形態のL字金具20は、4つのボス部24A,24B,24E,24Fを有する。ボス部24A,24Bは、実施形態1のボス部24と同様な構成及び位置に設けられている。
ボス部24E,24Fは、リップ溝形鋼1の伸びる方向(軸方向)で、ボルト穴23Aを挟んでボス部24A,24Bと略対称な位置にそれぞれ設けられている。
本形態のL字金具20は、4つのボス部24A,24B,24E,24Fが、ボルト穴23A(ボルト34)を囲むように設けられている。
(効果)
本形態でも、実施形態1と同様な効果を発揮する。本形態は、ピン35を4つのボス部24A,24B,24E,24Fのそれぞれに打ち込んで固定しており、リップ溝形鋼1に固定金具2(L字金具20の第1固定部21)をより強固に固定できる効果を発揮する。
[実施形態3]
本形態は、ピン35が更に裏板部材27も貫通して固定されること以外は、実施形態1と同様な固定方法及び固定金具である。本形態の固定金具2は、図17に示すように、裏板部材27が一対のボス部24A,24Bと重なる長さ(軸方向長さ)で形成されている。図17は、リップ溝形鋼1にL字金具20及び裏板部材27を配置した状態の上面図である(図7と同様な図である)。なお、本形態の固定金具2は、リップ溝形鋼1’に配される裏板部材27も、一対のボス部24C,24Dと重なる長さ(軸方向長さ)で形成されている。
本形態の特に言及しない構成は、実施形態1と同様な構成である。
本形態の裏板部材27は、長さ(リップ溝形鋼1に配した状態での軸方向長さ)が実施形態1のものと比較して、長く形成されている。裏板部材27をリップ溝形鋼1に配したときに、L字金具20のボス部24A,24Bが裏板部材27に完全に重なる。つまり、リップ壁11A及びフランジ部30Aの厚さ方向において、ボス部24A、リップ壁11A、フランジ部30Aが積層した状態となる。同様に、リップ壁11B及びフランジ部30Bの厚さ方向において、ボス部24B、リップ壁11B、フランジ部30Bが積層した状態となる。
(固定方法)
本形態の固定方法では、実施形態1と同様に、第1固定部21と裏板部材27とでリップ溝形鋼1を挟持した状態で、ボルト34をリップ溝10とボルト穴23Aに挿通してナット部31を螺合することでL字金具20と裏板部材27とを緊締して固定する。そして、L字金具20の一対のボス部24(24A,24B)のそれぞれにピン35を打ち込んで、リップ壁11(11A,11B)及びフランジ部30(30A,30B)を貫通させて一体に固定する。
ピン35を打ち込むと、実施形態1の時と同様に、先端部36がリップ壁11を穿孔して貫通する。
リップ壁11を貫通したピン35は、先端部36がフランジ部30(30A,30B)と当接し、リップ壁11の時と同様に、フランジ部30に穿孔し、貫通する。
そして、ピン35は、第1ボス部24(24A,24B)、のボス孔25A,25Bを拡径しながら、第1固定部21(L字金具20)、リップ壁11(リップ溝形鋼1)及びフランジ部30(裏板部材27)を貫通し、一体化して固定する。
以上により、リップ溝形鋼1に固定金具2が固定される。
(効果)
本形態は、ピン35がフランジ部30も貫通して固定されること以外は、実施形態1と同様な構成である。すなわち、実施形態1と同様な効果を発揮する。
本形態は、ピン35がフランジ部30(裏板部材27)も一体化して固定しており、リップ溝形鋼1に固定金具2(L字金具20、裏板部材27、ボルト34、ピン35)をより強固に固定できる効果を発揮する。
[実施形態4]
本形態は、リップ溝形鋼1の後背壁13に固定金具を固定すること以外は、実施形態1と同様な固定方法及び固定金具である。
本形態のリップ溝形鋼1は、図18に斜視図で示したように、リップ溝10、リップ壁11(11A,11B)、側壁12(12A,12B)、後背壁13、ボルト通過穴14、を有する。
ボルト通過穴14は、リップ溝形鋼1の後背壁13を貫通して形成されている。ボルト通過穴14は、後背壁13の幅方向の中央部に形成されている。ボルト通過穴14は、ボルト34が通過可能な内径の円形に形成されている。
なお、本形態のボルト通過穴14は、円形の貫通孔により形成されているが、この形状に限定されるものではない。正方形や長方形等の形状であってもよい。また、開口径についても、ボルト通過穴14の開口を区画する端縁部を、第1固定部21(L字金具20)とフランジ部30(裏板部材27)とで挟持できる構成であれば、その開口径が限定されない。好ましくは、第1固定部21のボルト穴23と同様な外径である。
ボルト通過穴14は、リップ溝形鋼1の後背壁13に新たに穿孔して形成することができる。
(固定方法)
本形態の固定方法では、まず、リップ溝形鋼1の後背壁13の表面の所定の位置(図19~図20に示した位置)に、L字金具20及び裏板部材27を配置する。一対のリップ壁11(11A,11B)を挟んだ位置にL字金具20及び裏板部材27を配置する。図19は、リップ溝形鋼1の後背壁13にL字金具20及び裏板部材27を配置した状態の上面図である(図7と同様な図である)。図20は、図19の状態の断面図である。
L字金具20は、リップ溝形鋼1の後背壁13の表面(外周面)の所定の位置に、一方の第1固定部21の裏面が当接して配置される。このとき、第1固定部21Aのボルト穴23Aが、ボルト通過穴14と同軸状態で重なっている。一方のボス部24Aのボス孔25Aが一方のリップ壁11Aで閉塞する(ボス孔25A内にリップ壁11Aのみが視認できる)。他方のボス部24Bのボス孔25Bは、他方のリップ壁11Bで閉塞する(ボス孔25B内にリップ壁11のみが視認できる)。
裏板部材27は、リップ溝形鋼1の後背壁13の裏面(内周面)の所定の位置に配置される。裏板部材27は、一方のフランジ部30A及び他方のフランジ部30Bが後背壁13の裏面に密着した状態で配置される。このとき、裏板部材27は、底部28のナット部31がL字金具20のボルト穴23A及びボルト通過穴14と重なる位置(すなわち、ボルト34で螺合可能な位置)に配置される。
そして、実施形態1のときと同様に、L字金具20のボルト穴23Aにボルト34を挿通し、底部28のナット部31に螺合し、緊締させる。それから、L字金具20の一対のボス部24(24A,24B)のそれぞれにピン35を挿入し、ピン35を打ち込んでピン35で一体に固定する。
以上により、リップ溝形鋼1の後背壁13にL字金具20が一体に固定される。
(効果)
本形態は、リップ溝形鋼1のリップ溝10に替えて、後背壁13に形成されたボルト通過穴14を通過すること以外は、実施形態1と同様である。すなわち、本形態の固定方法及び固定金具2は、実施形態1と同様に、強固に一体に固定できる。
さらに、本形態は、リップ溝10を有するリップ溝形鋼1の後背壁13に強固に固定できる。この結果、リップ溝形鋼1の後背壁13にも固定金具2を強固に固定できる。
なお、本形態では、後背壁13にボルト通過穴14が形成されているが、側壁12に形成した場合でも同様の効果を発揮できる。すなわち、リップ溝形鋼1の後背壁13にも固定金具2を強固に固定できる。
[変形形態]
上記の各形態は、2本のリップ溝形鋼1,1’が同一構成を有しているが、異なる構成であってもよい。例えば、材料や断面形状の異なるリップ溝形鋼同士の固定に適用してもよい。
上記の各形態は、ピン35を打ち込んでリップ壁11に穿孔しているが、ピン35を打ち込む前に位置決め用ポンチを打っていてもよい。
1:リップ溝形鋼、10:リップ溝、11,11A,11B:リップ壁、12,12A,12B:側壁、13:後背壁:、14:ボルト通過穴、
2:固定金具、20:L字金具、21:第1固定部、22:第2固定部、23,23A,23B:ボルト穴、24,24A,24B,24C,24D,24E,24F:ボス部、25,25A,25B,25C,25D:ボス孔、26:補強部、27:裏板部材、28:底部、29,29A,29B:接続板部、30,30A,30B:フランジ部、31:ナット部、34:ボルト、35:ピン、36:先端部、37:中間部、38:大径部、39:接続部、40:ピン頭部。

Claims (8)

  1. ボルトを挿通する第1挿通穴と、内部がボス孔となる表面に立接した円筒形状の第1ボス部とを備え、前記ボルトが挿通するボルト通過部を有する第1形鋼に当接される板状の第1固定部と、ボルトを挿通する第2挿通穴と、内部がボス孔となる表面に立接した円筒形状の第2ボス部とを備え、前記ボルトが挿通するボルト通過部を有する第2形鋼に当接される板状であり、前記第1固定部の一端に所定角度で一体化された第2固定部と、からなる固定部材と、
    前記ボルトを挿通する挿通穴を有し、前記第1形鋼または前記第2形鋼の裏面に当接される裏板部材と、
    前記ボルトの先端側で前記ボルトに螺合して前記裏板部材と前記第1固定部又は前記第2固定部とで前記第1形鋼または前記第2形鋼を挟持させるナットと、
    前記第1ボス部又は前記第2ボス部の前記ボス孔に挿通され、前記ボス孔を拡径するとともに、前記第1形鋼または前記第2形鋼を貫通するピンと、
    を有し、
    前記第1固定部又は前記第2固定部と前記裏板部材とで前記第1形鋼または前記第2形鋼を挟持した状態で前記ボルト通過部と、前記第1挿通穴又は前記第2挿通穴とに前記ボルトを挿通して前記ナットを螺合することで前記固定部材と前記裏板部材とを緊締し、
    前記第1ボス部又は前記第2ボス部の前記ボス孔に前記ピンを挿入して、前記ボス孔を拡径しながら前記第1ボス部又は前記第2ボス部、及び前記第1形鋼または前記第2形鋼を貫通させて前記固定部材を前記第1形鋼または前記第2形鋼と一体化することを特徴とする金属部材の固定方法。
  2. 前記ピンは、
    先細の形状に形成された、前記第1ボス部又は前記第2ボス部を穿孔する先端部と、
    前記先端部の基端側に設けられ、前記ボス孔の内径以下の外径をもつ柱状の中間部と、
    前記中間部の基端側に設けられ、前記ボス孔の内径より大きな外径をもつ柱状に形成され、前記第1ボス部又は前記第2ボス部に挿入されたときに前記ボス孔の内周面と当接する外周面を持つ大径部と、
    前記中間部と前記大径部とを接続し、その径が徐々に変化するようにテーパ形状をなす接続部と、
    を有する請求項1に記載の金属部材の固定方法。
  3. 前記ボルト通過部は、前記第1形鋼または前記第2形鋼に形成された穴又は切れ欠きである請求項1~2のいずれか1項に記載の金属部材の固定方法。
  4. 前記裏板部材と前記ナットは、一体に形成されている請求項1~3のいずれか1項に記載の金属部材の固定方法。
  5. 第1形鋼と第2形鋼とを所定角度で一体に固定する固定金具であって、
    ボルトを挿通する第1挿通穴と、内部がボス孔となる表面に立接した円筒形状の第1ボス部とを備え、前記ボルトが挿通するボルト通過部を有する前記第1形鋼に当接される板状の第1固定部と、ボルトを挿通する第2挿通穴と、内部がボス孔となる表面に立接した円筒形状の第2ボス部とを備え、前記ボルトが挿通するボルト通過部を有する前記第2形鋼に当接される板状であり、前記第1固定部の一端に所定角度で一体化された第2固定部と、からなる固定部材と、
    前記ボルトを挿通する挿通穴を有し、前記第1形鋼または前記第2形鋼の裏面に当接される裏板部材と、
    前記ボルトの先端側で前記ボルトに螺合して前記裏板部材と前記第1固定部又は前記第2固定部とで前記第1形鋼または前記第2形鋼を挟持させるナットと、
    前記第1ボス部又は前記第2ボス部の前記ボス孔に挿通され、前記ボス孔を拡径するとともに、前記第1形鋼または前記第2形鋼を貫通するピンと、
    を有することを特徴とする固定金具。
  6. 前記ピンは、
    先細の形状に形成された、前記第1ボス部又は前記第2ボス部を穿孔する先端部と、
    前記先端部の基端側に設けられ、前記ボス孔の内径以下の外径をもつ柱状の中間部と、
    前記中間部の基端側に設けられ、前記ボス孔の内径より大きな外径をもつ柱状に形成され、前記第1ボス部又は前記第2ボス部に挿入されたときに前記ボス孔の内周面と当接する外周面を持つ大径部と、
    前記中間部と前記大径部とを接続し、その径が徐々に変化するようにテーパ形状をなす接続部と、
    を有する請求項5に記載の固定金具。
  7. 前記裏板部材と前記ナットは、一体に形成されている請求項5~6のいずれか1項に記載の固定金具。
  8. 前記ボルト通過部は、前記第1形鋼または前記第2形鋼に形成された穴又は切れ欠きである請求項5~7のいずれか1項に記載の固定金具。
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