JP2022054523A - 壁紙シート、建装材 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な粘着力有し、かつ、リワーク作業時に壁紙シートを剥がした場合に裏打層の破壊を防止でき、リワーク性の良好な壁紙シート、建装材を提供する。また、石膏ボードを被着体としたリワーク作業時に壁紙シートを剥がしても、石膏ボードのボード紙の繊維剥離を防止できる壁紙シート、建装材を提供する。【解決手段】壁紙シート1は、装飾層11と、裏打層12と、粘着層13とがこの順で配置されている壁紙シートであって、JIS Z0237に準拠した粘着層13の初期粘着力は、2N以上、5N以下であり、裏打層12の層間剥離強度は、裏打層12の一方の面を裏打層12の層間剥離強度よりも十分に高い接合力で固定部に固定した状態で、JIS Z0237に準拠した粘着力測定と同様な測定による値において、12N以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、室内の壁面に貼付される壁紙等として用いられる壁紙シート及び建装材に関するものである。
従来の壁紙施工では、壁紙糊付機を用いて澱粉糊等のペースト状糊を壁紙裏面に均一に塗布して、壁紙を内装壁面に貼付することが一般的である。この作業は、専用設備、及び、作業の熟練を必要とし、糊を乾燥させる時間も必要となる作業であり、難易度が高かった。また、従来の方法で施工された壁紙は、一度貼付された壁紙を剥がそうとすると、壁紙が破けてしまったり、壁面となる石膏ボード表面のボード紙表面の繊維が剥離してしまったりする場合が多かった。
特許文献1には、最表面を交換可能とする壁装シートが開示されている。
しかし、特許文献1の壁装シートは、最表面のみが除去可能な構成であり、台紙と接着剤は、壁面に残されたままであった。したがって、壁紙の上にさらに壁紙を重ねて貼付する形態と大差がなかった。また、特許文献1の壁装シートは、台紙を貼付するために用いる接着剤については、従来の接着剤を用いるとしていることから、上述したように作業の難易度が高い点は改善されていない。
特許文献2には、リワーク性(貼り直し性)を備えた壁紙シートが開示されている。特許文献2に開示されている壁紙シートでは、粘着層13の粘着力(吸着力)を調整可能であるとしているが、具体的にどのような粘着力が適切であるかは、示されていない。
リワーク性を良好にするためには、粘着力が弱いことが望ましい。しかし、粘着力を弱めすぎると、壁紙シートが自重ではがれてしまうおそれがあった。
一方、壁紙シートを面にしっかり固定させるために粘着剤の粘着力を高めると壁紙の裏打層が層間剥離を起こしてしまうことがわかった。また、粘着剤の粘着力を高めると、石膏ボードを被着体としたリワーク作業時に石膏ボードのボード紙の繊維剥離が生じることもあった。
実公昭49-30993号公報 特開2020-023156号公報
本発明の課題は、十分な粘着力有し、かつ、リワーク作業時に壁紙シートを剥がした場合に裏打層の破壊を防止でき、リワーク性の良好な壁紙シート、建装材を提供することである。
また、本発明のさらなる課題は、石膏ボードを被着体としたリワーク作業時に壁紙シートを剥がしても、石膏ボードのボード紙の繊維剥離を防止できる壁紙シート、建装材を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、装飾層(11)と、裏打層(12)と、粘着層(13)と、がこの順で配置されている壁紙シート(1)であって、前記粘着層(13)の初期粘着力は、JIS Z0237に準拠した引きはがし粘着力の測定値で、2N以上、5N以下であり、前記裏打層(12)の層間剥離強度は、前記裏打層(12)の一方の面を前記裏打層(12)の層間剥離強度よりも十分に高い接合力で固定部に固定した状態で、JIS Z0237に準拠した引きはがし粘着力の測定と同様な測定値で、12N以上である壁紙シート(1)である。
第2の発明は、第1の発明に記載の壁紙シート(1)において、前記粘着層(13)は、その両面に複数の凹形状(13a)を備えていること、を特徴とする壁紙シート(1)である。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明に記載の壁紙シート(1)において、前記裏打層(12)は、樹脂繊維不織布であること、を特徴とする壁紙シート(1)である。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかに記載の壁紙シート(1)において、前記粘着層(13)の裏面側には、剥離性基材シート(14)が積層されていること、を特徴とする壁紙シート(1)である。
第5の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかに記載の壁紙シート(1)が前記粘着層(13)を介して被着体(50)に貼付された建装材である。
本発明によれば、十分な粘着力有し、かつ、リワーク作業時に壁紙シートを剥がした場合に裏打層の破壊を防止でき、リワーク性の良好な壁紙シート、建装材を提供することができる。
また、本発明によれば、石膏ボードを被着体としたリワーク作業時に壁紙シートを剥がしても、石膏ボードのボード紙の繊維剥離を防止できる壁紙シート、建装材を提供することができる。
本実施形態の壁紙シート1を使用時の形態に沿って順次示す断面図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
(実施形態)
図1は、本実施形態の壁紙シート1を使用時の形態に沿って順次示す断面図である。
なお、図1は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
本明細書において、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、本発明においては、このような使い分けには、技術的な意味は無い為、これらの文言は、適宜置き換えて使用することができ、適宜置き換えても各請求項及び本願明細書の文言は同様に解釈することができるものとする。
また、壁紙シートの使用状態において、表側(装飾層11側であって、図1における上側)となる側を表と呼び、その反対側(粘着層13側であって、図1における下側)を裏側と呼ぶこととする。
以下の説明では、裏打層12上に装飾層11が積層して貼り合せされてなり、積層後に観察可能に外部に露出する側の面、すなわち表面に凹凸模様を有する形態の物を用いた壁紙シート1を挙げて説明する。なお、裏打層12上に凹凸模様を有する装飾層11を備えずに印刷層のみを装飾層11として備えた壁紙シートであってもよいし、又は、裏打層12上に装飾層11と印刷層との両層を積層してもよい。
図1に示す実施形態において、壁紙シート1は、裏打層12の表側に装飾層11を積層して貼り合せ、一方、裏打層12の裏側に、粘着層13と、剥離性基材シート14とを備えている。
裏打層12は、装飾層11の形成に必要な基材となる層であり、裏打材(紙からなる場合は裏打紙)とも呼称される。裏打層12は、例えば、紙、織布、又は、不織布(樹脂繊維不織布)等を素材として用いてもよい。
紙としては、公知の各種化粧紙に用いられる上質紙、薄葉紙、クラフト紙、リンター紙、パーチメント紙、グラシン紙、硫酸紙等、又はこれらの紙に硝子繊維や樹脂纖維を混抄した混抄紙、これらの紙にゴムラテックス、アクリル樹脂殿樹脂を含侵した含侵紙等を用いることができる。紙の坪量は、通常、20~200g/m程度の物を用いることができる。
織布、又は、不織布としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂殿樹脂、又は硝子からなる纖維を用いた織布、又は、不織布を用いることができる。織布、又は、不織布の坪量は、通常、20~200g/m程度の物を用いることができる。
裏打層12の厚さは、20~2000μm程度のものを用いることができる。
また、裏打層12は、表現する意匠にあわせて適宜着色してもよい。ここで、着色とは、裏打層12の素材自体に色を着けて加飾することを指している。裏打層12を着色することにより、加飾におけるベタ絵柄層の印刷を省略することもできる。
装飾層11は、裏打層12の表側の面に積層されており、例えば、複数の凹凸模様がその表面に形成されている。なお、理解を容易にするために、図1に示す装飾層11は、単層として示しているが、装飾層11は、異なる組成及び構造を備える複数の層により構成されていてもよい。装飾層11上の凹凸模様は、例えば、木材の導管溝、浮造加工木材表面の秋材部の隆起した年輪等の木材表面凹凸を表現したり、布地の表面凹凸模様(いわゆるテクスチュア)を表現したり、花崗岩、砂岩等の石材表面の凹凸を表現したり、煉瓦積みやタイル貼りの目地溝を表現したり、金属表面のヘアライン加工の凹凸を表現したり、又は漆喰、セメント、壁土等の左官加工表面の鏝痕や吹付塗装痕等の凹凸模様を表現したりしてもよく、その形態(凹凸模様)はどのような形態であってもよい。
装飾層11を形成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、メチルメタクリレート-ブチルメタクリレート共重合体等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、エチレン-塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレングリコール-テレフタル酸-イソフタル酸共重合体、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)等のスチレン系樹脂、ポリイソプレン、天然ゴム、エチレンプロピレンゴム(EPR)、クロロプレンゴム等のゴム、ウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられる。なお、上記例示した樹脂以外を用いてもよい。装飾層11の厚みは用途、要求性能等に応じて適宜選定すればよいが、通常、20μm~10000μm程度とされる。
通常は、装飾層11は裏面の裏打層12や被着体を隠蔽する設計とされる。そのために装飾層11にはチタン白等の隠蔽性の高い着色剤を添加して不透明かつ隠蔽性とする。但し、装飾層11を透視して、その裏面の裏打層12又は絵柄層の意匠外観を視認する必要がある場合は、装飾層11は隠蔽性の着色剤や添加剤を含まず、裏目の意匠外観を視認するに足る透明なものとする。なお、ここで言う透明とは無色透明の他、着色透明、艷消透明も包含する。
本発明の壁紙シート1には、意匠外観を高める為に加飾(又は加飾処理とも言う)を施す。加飾には着色加飾と形状加飾とに大別される。
着色加飾としては着色と絵柄層形成とに大別される。
着色とは、装飾層11、裏打層12等の所望の層に絵柄層を積層する事無く、着色剤を添加することによって、当該層全面に所望の色調を附与する形態である。ここで、色調とは、色相、明度、彩度、及び光沢度からなる視覚的属性を意味する。
また、所望の層の表面に所望の色調を附与するその他の形態として、所望の層の表面に真空蒸着、スパッタリング、無電解メッキ、金属箔の積層等によりアルミニウム、ニッケル、クロム、金、銀、銅、錫、真鍮等の金属薄膜を積層する形態も有る。本発明においては、着色の1形態として金属膜の全面への積層も包含する。
絵柄層形成とは、装飾層11、裏打層12等の所望の層の所望の面にインキ層を積層することによって、色調が(全面均一では無く)平面内において変化して平面内で所望の模様を構成する形態である。絵柄層としては、形成は平面内において積層される領域が局在化している(すなわち、全面被覆では無い)模様絵柄層と平面内を全面被覆して平面内の色調が均一となったベタ絵柄層とがある。
これら絵柄層は、後述する公知のインキを用いた公知の印刷法により形成する事ができる。
また、所望の面上に公知の転写印刷法により平面内で局在化した模様状の金属膜を転写したり、又は一旦所望の面全面に金属膜を積層した後に公知の方法により不要な領域の金属膜を除去して所望の領域に局在化した模様状の金属膜を形成したりすることにより、平面内で局在化した模様状の金属膜を形成する形態も有る。本発明においては、絵柄層形成の1形態として金属膜の局在化した模様状領域への積層も包含する。
形状加飾としては、壁紙シートの表面、各構成層の層間界面、又はこれらの両面上に凹凸形状からなる凹凸模様を賦形する形態である。凹凸模様としては、前記の装飾層11上の凹凸模様として例示する各種形状が適用できる。また、凹凸模様の賦形方法としては公知の各種賦形方法を適用する事ができる。通常多用される賦形方法は、所望の凹凸模様と平面視形状が同一で、かつ、逆凹凸のエンボス版(賦形型)を用意し、加熱軟化した装飾層11の賦形すべき表面にエンボス版を押圧して、装飾層11表面をエンボス版表面の凹凸形状に賦形すると共に軟化樹脂を冷却固化せしめて賦形した凹凸模様を固定し、而かる後にエンボス版を離型する方法である。
また、装飾層11は、装飾層11の裏面に裏打層12が直接積層貼り合せされて構成されている例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、裏打層12と装飾層11との間に、さらに別の層を設けてもよい。例えば、裏打層12と装飾層11との間に、絵柄を印刷した絵柄層(印刷層)を設けて、装飾層11の全部又は一部を透明な樹脂により構成してもよい。
また、装飾層11と裏打層12との接着力を向上させるために、これら両層の間に公知の各種接着剤層、易接着プライマー層、又はこれらの両層を設けてもよい。
また、壁紙シート1の表面耐久性(耐擦傷性、耐摩耗性、耐汚染性等)を向上させたり、表面の光沢度を適宜に調整したりするため、壁紙シート1の表面上に、さらに、表面保護層を積層してもよい。表面保護層は、樹脂層の積層、塗膜の塗工、又は樹脂層の積層と塗膜の塗工の併用により形成することができる。
表面保護層に用いる樹脂層としては、装飾層11として先に例示した材料及び厚みのものの中から適宜選択することができる。
塗膜の塗工の場合には、例えば、熱硬化型ウレタン樹脂、熱硬化型ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等の公知の熱硬化型樹脂(1液硬化型又は2液硬化型のもの)、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により架橋又は重合するアクリル酸エステル系、エポキシ系、不飽和ポリエステル系等の公知の電離放射線硬化型樹脂等の中から適宜選択することができる。塗膜の厚さは、通常、1~100μm程度(硬化後の膜厚)とすることができる。
絵柄層は、公知のインキを用い公知の印刷法により適宜所望の絵柄を印刷して形成する。絵柄層は、裏打層12、装飾層11、又はその他の適宜層に視認可能に形成すればよい。
適用可能な公知の印刷法としては、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、平版オフセット印刷、フレキソ印刷等の有版印刷法、又はインキジェット印刷、各種転写印刷等の無版印刷法の中から適宜選択することができる。
インキは、樹脂バインダー中に着色剤、その他必要に応じて各種添加剤を添加してなる。
樹脂バインダーは、印刷する対象の材料と要求性能に応じて選択されるが、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、アルキド系樹脂等が用いられる。着色剤としては、例えば、弁柄、バーミリオンレッド、カドミウムレッド、チタンイエロー、黄鉛、鉄黄、群青、紺青、コバルトブルー、緑青、鉄黒、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、アンチモン白等の無機顔料、キナクリドンレッド、ポリアゾレッド、イソインドリノンイエロー、ニッケル-アゾ錯体、フタロシアニンブルー、アゾメチンアゾ系黒顔料、ペリレン系黒顔料等の有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮、錫等の金属の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛、真珠貝等の貝殻等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等を1種単独で又は2種以上混合配色して用いることができる。
絵柄としては、木目柄、石目柄、布目柄、皮シボ柄、幾何学模様、文字、全面ベタ又はこれら組み合わせを、所望の意匠外観に応じて適宜選択することができる。
粘着層13は、裏打層12の装飾層11とは反対側(図1上では、下側となる面であり、これを裏打層12の裏面側とも呼称する)の面に積層されており、被着体である壁に対する粘着性を有する層である。粘着層13は、その両面、すなわち、裏打層12に接する側及び剥離性基材シート14に接する側に開口した複数の凹形状13aを備えている。粘着層13の裏打層12側面及び裏側面の各面に開口する各々複数の凹形状13aの開口部の直径は一般的に分布を持つが、其の同一面上に於ける平均直径は裏打層12側面と裏側面とで同一又は略同一であることが、裏打層12(及び壁紙シート1)と被着体との両者に対する十分な粘着力及び被着体との再剥離性の発現の上で好ましい。なお、ここで、両面の開口部直径が略同一とは、裏打層12側の面に開口する凹形状13aの各開口部の直径の平均値をDave 、裏側の面に開口する凹形状13aの各開口部の直径の平均値をDave としたときに、|Dave -Dave |/Dave ≦0.5である事を意味する。特に、|Dave -Dave |/Dave ≦0.25であることが裏打層12(及び壁紙シート1)と被着体との両者に対する十分な粘着力及び被着体との再剥離性の発現の上でより好ましい。
また、粘着層13は、弾性を備えており、複数の凹形状13aがそれぞれ微細な吸盤として作用することから、様々な壁に対して粘着力(吸着力)を発揮することができる(図1(c)参照)。
粘着層13は、例えば、特開2017-36404号公報に開示されている液状の樹脂組成物(アクリルエマルジョン)を用いて後述する製造方法により形成される。粘着層13に用いる樹脂組成物としては、例えば、ポリアクリル酸2-エチルヘキシルを主成分とし、硫黄、ビシン:N,N-Bis(2-hydroxyethyl)glycine、N.N.-ジメチルオクタデカアミン等を含有するものを用いることができる。
粘着層13の層厚は、1μm以上、500μm以下であることが望ましい。上記層厚範囲の下限値を下回ると、凹形状の形成が困難になったり、凹形状の大きさが小さくなりすぎて、粘着(吸着)特性が低下したりする。また、上記層厚範囲の上限値を超えると、壁紙シートの柔軟性が低下して、作業性が悪くなる。
また、粘着層13としては、上述した凹形状を備える液状の樹脂組成物(アクリルエマルジョン)を用いて構成する他に、従来から公知の各種粘着剤を用いてもよい。
例えば、従来から公知の粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が例示されるが、なかでも耐久性及び粘着性能の点でアクリル系粘着剤が好ましく用いられる。
(アクリル系粘着剤)
アクリル系粘着基剤としては、炭素数2~14(メタ)アルキルアクリレートが好ましく挙げられる。このような炭素数2~14の(メタ)アルキルアクリレートとして、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、sec-ブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、n-オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート、オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート等のモノマーが挙げられる。これらのモノマーは単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
これらのなかでも、得られる粘着剤組成物の粘着力と凝集力とのバランスを考慮して、炭素数2~14の(メタ)アルキルアクリレートとして、n-ブチルアクリレート、sec-ブチルアクリレート及びt-ブチルアクリレートから選ばれるブチルアクリレート又は2-エチルヘキシルアクリレートが好ましく、アクリル系粘着基剤中にこれを50質量%以上含むものが好ましく、70質量%以上含むものが最も好ましい。ブチルアクリレートとしては、n-ブチルアクリレートが特に好ましい。
剥離性基材シート14は、粘着層13の裏打層12とは反対側(図1上では、下側となる面であり、これを粘着層13の裏面側とも呼称する)に積層されている。剥離性基材シート14は、壁紙シート1を使用するまでの間の取扱性を考慮して設けられるものであり、壁紙シート1の使用時、すなわち被着体である壁面上に壁紙シート1を貼り合せる際に剥離される。剥離性基材シート14としては、従来公知の離型フィルム、セパレート紙、セパレートフィルム、紙、剥離フィルム、剥離紙等の各種形態のものを適宜使用できる。例えば、上質紙、コート紙、含浸紙、プラスチックフィルム等の片面又は両面に離型層を形成したものを用いてもよい。離型層としては、離型性を有する材料であれば、特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂、有機樹脂変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂は、エマルジョン型、溶剤型又は無溶剤型のいずれもが使用できる。離型層を備えた離型フィルムを用いる場合には、例えば、シリコーン離型タイプのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、未処理PETフィルム、PPフィルム、シリコーン離型タイプの紙等を用いることができる。
剥離性基材シート14の厚さは、例えば、10μm以上、100μm以下とすることが望ましく、20μm以上、60μm以下とすることがさらに望ましい。上記層厚範囲の下限値を下回ると、コシがなく、剥離しづらくなる。また、上記層厚範囲の上限値を超えると、コシが強すぎて貼り付け時の作業性が低下するからである。
また、剥離性基材シート14としては、市販のものを使用してもよく、例えば、シノムラ化学工業株式会社製のSS-70SBOC、リンテック株式会社製のSB7P(N7)P、等の紙基材の片面又は両面にフィルムをラミネートした剥離紙等が挙げられる。
なお、本実施形態では、剥離性基材シート14を備える形態を例示したが、使用形態によっては、剥離性基材シート14を省略してもよい。
なお、本実施形態では、裏打層12と粘着層13とは、直接積層されている例を示したが、裏打層12と粘着層13との間にプライマー層を設けてもよい。
このプライマー層は、裏打層12と粘着層13との接合力を向上させるために設けられる。プライマー層は、裏打層12がポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル系樹脂等の場合、ポリオールとイソシアネートとからなりイソシアネートを硬化剤とする2液硬化型ウレタン樹脂や、イソシアネートを硬化剤とする塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体系樹脂等を用いることができる。
上述した壁紙シート1は、図1(a)に示すように、剥離性基材シート14を備えている。壁紙シート1を被着体である石膏ボード50に貼り付けるときには、剥離性基材シート14を剥離する(図1(b))。そして、露出した粘着層13を石膏ボード50に貼り付けて、その表面に適度な圧力を加えることにより、粘着層の露出面に多数存在する凹形状13aが弾性変形することにより従来のマイクロ吸盤と同様な作用によって石膏ボード50に対して吸着(粘着)し、壁紙シート1を含む建装材となる(図1(c))。
すなわち、凹形状13aの周囲の弾性変形によって、凹形状13aには、変形状態から元の形状に戻ろうとする力が働く。この力により、凹形状13a内の密閉空間が負圧となって、石膏ボード50への吸着作用が生じる。なお、凹形状13a単体での吸着力は、弱いものであるが、多数の凹形状13aが形成されているので、全体としては必要な吸着力を確保できる。また、粘着層13の作製時に、凹形状13aが含まれる量を、例えば、密度をパラメータとして調整すれば、粘着層13の粘着力(吸着力)を調整可能である。
なお、石膏ボード50は、その両面にボード紙52が積層されているものが通常であり、図1においてもその状態を示している。
次に、本実施形態の壁紙シート1を壁面に貼付するときにリワーク性を良好とするための粘着層13の粘着力について説明する。
上記粘着力の適切な範囲を得るために、実際に粘着力の異なる複数種類の壁紙シート1を作製して、適切な粘着力を調べた。粘着力の調整は、密度(比重)、塗布量、乾燥温度を変えることにより行った。
具体的には、剥離性基材シート14として市販のセパレーターを用意し、その上に、粘着層13を形成する材料として、日本ペイント株式会社製のパワータイトを、200μmのクリアランスを有するコンマコータを用いて泡立て工程済みの気泡含有組成物として塗布した。これを100℃の乾燥路内で1分間乾燥を行って粘着層を形成し、装飾層11と裏打層12との積層体をラミネートして、壁紙シート1を作製した。この場合の粘着層13の密度は、0.39g/cm、塗布量30g/mであった。
また、上記粘着力の評価を行う過程において、粘着力が強すぎると、粘着層13は被着体から剥がれずに、裏打層12自体が破壊されて裏打層12内での層間剥離が生じてしまうことがあった。そこで、裏打層12についても強度の異なる複数種類の裏打層12を用意し、比較検討を行った。
粘着力の評価は、JIS Z0237に準拠した引きはがし粘着力の測定により行った。
すなわち、試料と被着体(表面にボード紙付きの石膏ボード)を、2kgロールで2往復圧着した後、引っ張り試験機を用いて、180度方向へ300mm/minの速度で引き剥がし、その強度を測定した。その他の条件は、以下の通りである。
試料サイズ:巾25mm×長さ100mm
(初期)粘着力:圧着後測定雰囲気内にて直ちに測定する。
測定雰囲気:23℃-50%RH
また、裏打層12の層間剥離強度は、裏打層12の一方の面を裏打層12の層間剥離強度よりも十分に高い接合力で固定部に固定した状態で、JIS Z0237に準拠した引きはがし粘着力の測定と同様な測定によって評価した。ここで、十分に高い接合力で固定部に固定した状態として、強粘着両面テープを用いて試料をステンレス鋼(固定部)に貼付して固定した状態とした。
上記条件によって粘着層13の初期粘着力と、裏打層12の層間剥離強度との最適な数値範囲を求めたところ、以下のような結論に達した。
粘着層13の初期粘着力は、2N以上、5N以下であることが望ましく、かつ、裏打層12の層間剥離強度は、12N以上であることが望ましい。
粘着層13の初期粘着力が2Nに満たないと、壁紙シート1が自重で剥がれる場合がある。また、粘着層13の初期粘着力が5Nを超えると、リワークのために壁紙シート1を剥がしたときに、石膏ボードのボード紙の繊維剥離が発生する場合があった。
また、裏打層12の層間剥離強度が12Nに満たない場合、リワークのために壁紙シート1を剥がしたときに、裏打層12の層間剥離が発生する場合があった。
よって、粘着層13の初期粘着力を、2N以上、5N以下とし、かつ、裏打層12の層間剥離強度を、12N以上とすることにより、十分な粘着力有し、かつ、リワーク作業時に壁紙シート1を剥がした場合に裏打層12の破壊を防止でき、リワーク性の良好な壁紙シートとすることができる。また、石膏ボードを被着体としたリワーク作業時に壁紙シート1を剥がしても、石膏ボードのボード紙の繊維剥離を防止できる壁紙シートとすることができる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)実施形態において、壁紙シート1の粘着層13と剥離性基材シート14を除いた本体部分(いわゆる、壁紙)の構成は、装飾層11と裏打層12とを備える構成である例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、装飾層11及び裏打層12は、それぞれが2層以上のより複雑な構成であってもよい。また、装飾層11の素材は、実施例に挙げた例の他、紙や熱可塑性樹脂等により構成されていてもよい。
(2)実施形態において、装飾層11としては、層内に気泡による細胞状(又は海綿状)の多孔質構造の無い中実の構成のものを例示した。これに限らず、例えば、公知の各種構成からなる、層内に気泡による細胞状(又は海綿状)の多孔質構造を有する、いわゆる発泡樹脂層の構成としてもよい。例えば、ポリ塩化ビニル樹脂の場合には、装飾層11の組成物中に熱分解型の発泡剤として、アゾジカーボンアミド、P,P′-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジッド等を樹脂100質量部に対して1~5質量部程度添加して、装飾層11を所定の熱分解温度以上に加熱し、該樹脂層中の熱分解型発泡剤を分解させて樹脂層中に多数の微小気泡群を発生させることにより、発泡樹脂層の構成とすることができる。
(3)実施形態において、壁紙シートの用途は、壁に貼るだけに限らず、従来の壁紙が用いられている各種用途に適用可能である。例えば、従来から壁紙を天井に貼り付けて用いる場合もあり、本発明の壁紙シートについても、同様に天井に貼り付けて用いてもよい。
(4)実施形態の壁紙シート1を壁、天井等に貼り付け施工する際の形態の一つとして、賃貸住宅にて空調機(エアコンディショナー)を取り外した部分でのネジ穴、配管用貫通孔等の痕を隠すために、リワーク性を備えた本発明の壁紙を当該ネジ穴等の上に貼ることで補修ができる。また、照明器具(電燈等)を取外した部分でも、壁や天井のネジ穴や配線用の貫通孔の痕や熱による焦げ等を隠すために補修用途として使用することができる。
(5)実施形態既に本発明の壁紙シート1又はその他の壁紙シートが貼り付け施工済みの壁面等(施工対象)が存在する場合において、既存の壁紙シート上の一部領域のみに限定して、本発明の各種実施形態の壁紙シート1を所望の輪郭形状として貼り付けてもよい。このような使用形態の場合、本発明の壁紙シート1は、いわゆる『アクセントクロス(accent cloth)』又は『アクセントカラー(accent color)』として、既存の壁紙シート上の一部領域のみに本発明の壁紙シート1の意匠外観を付与することができ、施工対象面の意匠外観をより多彩なものとすることができる。しかも、施工対象面の意匠外観に飽きた時には、容易に該壁紙シート1を剥離除去し、所望に応じて、再度、別の加飾と輪郭形状とを有する壁紙シートを既存の壁紙シートの表面上の所望領域に貼り付け施工することにより、容易に模様替えが可能である。
なお、各実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
1 壁紙シート
11 装飾層
12 裏打層
13 粘着層
13a 凹形状
14 剥離性基材シート
50 石膏ボード
52 ボード紙

Claims (5)

  1. 装飾層と、
    裏打層と、
    粘着層と、
    がこの順で配置されている壁紙シートであって、
    前記粘着層の初期粘着力は、JIS Z0237に準拠した引きはがし粘着力の測定値で、2N以上、5N以下であり、
    前記裏打層の層間剥離強度は、前記裏打層の一方の面を前記裏打層の層間剥離強度よりも十分に高い接合力で固定部に固定した状態で、JIS Z0237に準拠した引きはがし粘着力の測定と同様な測定値で、12N以上である壁紙シート。
  2. 請求項1に記載の壁紙シートにおいて、
    前記粘着層は、その両面に複数の凹形状を備えていること、
    を特徴とする壁紙シート。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の壁紙シートにおいて、
    前記裏打層は、樹脂繊維不織布であること、
    を特徴とする壁紙シート。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の壁紙シートにおいて、
    前記粘着層の裏面側には、剥離性基材シートが積層されていること、
    を特徴とする壁紙シート。
  5. 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の壁紙シートが前記粘着層を介して被着体に貼付された建装材。
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