JP2022052000A - 船舶用減揺装置 - Google Patents
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船舶用の減揺装置は、高速回転するフライホイールをジンバルが支持しており、そのジンバルが船舶の揺れによって揺動し、ジャイロ効果により発生するジャイロトルク(カウンタートルク)を船体へ伝達することで、船舶のローリングを減揺させるようになっている。なお、ジンバルの揺動は、ディスクブレーキやオイルダンパのような制動装置により制動される。
そのため、減揺装置を搭載した船舶の燃費効率が低下することがあるという問題があった。
給排水可能な水収容タンクと、
前記水収容タンクを所定の軸を軸心に回転可能に支持するジンバルと、
前記ジンバルを前記所定の軸と交差する向きのジンバル軸を介して揺動可能に支持する支持部と、
前記水収容タンク内に水が貯留された状態で、前記水収容タンクを回転させる駆動部と、
を備えたことを特徴とする。
前記水収容タンク内には、前記水収容タンクの回転方向と交差する平面を有する平板状の突片が設けられていることを特徴とする。
給排水可能な水収容タンクと、
前記水収容タンクを所定の軸を軸心に支持するジンバルと、
前記ジンバルを前記所定の軸と交差する向きのジンバル軸を介して揺動可能に支持する支持部と、
前記水収容タンク内に水が貯留された状態で水流を発生させ、その貯留された水を前記所定の軸の周囲を回転させる水流発生部と、
を備えたことを特徴とする。
前記水収容タンクは、平面視円盤状又は円環状を呈するように形成されていることを特徴とする。
前記水収容タンクは、樹脂材料によって形成されていることを特徴とする。
前記水収容タンクは、その内部に貯留される水の量を調整可能に構成されていることを特徴とする。
本実施形態の船舶用減揺装置は、所謂ジャイロスタビライザーと称される船舶用の減揺装置である。
本実施形態の船舶用減揺装置100は、例えば、図1(a)(b)、図2(a)(b)に示すように、給排水可能な水収容タンク10と、水収容タンク10を所定の軸であるタンク軸11を軸心に回転可能に支持するジンバル20と、ジンバル20をタンク軸11と交差する向きのジンバル軸21を介して揺動可能に支持する支持部30と、水収容タンク10内に水を貯留した状態で、水収容タンク10を回転させる駆動部40と、駆動部40に電力を供給する電源部(図示省略)等を備えている。
この船舶用減揺装置100は、船舶Sにおける所定箇所に設置される。
この水収容タンク10を断面視すると、例えば、図1(b)に示すように、略円形の内部空間を有している。なお、水収容タンク10の断面形状は円形であることに限らず楕円形でもよく、また四角形等の多角形など、任意の形状であってよい。
また、水収容タンク10はその軽量化を図るため、樹脂材料によって形成されている。この水収容タンク10は高強度を有するように、繊維強化プラスチック(FRP;Fiber Reinforced Plastics)を用いて形成した。繊維強化プラスチックとしては、ガラス繊維を用いたGFRPや炭素繊維を用いたCFRPなどが知られている。
また、この水収容タンク10は、その内部に水を貯留して使用する部材であり、水収容タンク10内に貯留する水の量を調整することで、その重量を調整可能になっている。
なお、水収容タンク10に水が満水でない状態では、その内部空間の上部に空気が溜まるようになる。
このタンク軸11は、例えば、ベアリングなどの軸受を介してジンバル20の平板部に回転可能に取り付けられている。
また、タンク軸11には、タンク軸11と水収容タンク10とを繋いでいる通水管12が設けられている。
通水管12は、例えば、図2(a)(b)に示すように、直管状の部材であり、タンク軸11と水収容タンク10を繋ぐように、平面視略十字状に配設されている。
この通水管12によって、タンク軸11と水収容タンク10が一体に連結されており、タンク軸11から水収容タンク10、水収容タンク10からタンク軸11への通水が可能になっている。
また、タンク軸11の下端から水収容タンク10内に貯留した水を排水することが可能になっている。例えば、タンク軸11の下端に接続したドレーンホースを使って、船外に排水する。
なお、タンク軸11の上端と下端には、それぞれ蓋部材11aが着脱可能に取り付けられており、水収容タンク10内に水を貯留する際や、水収容タンク10内に貯留した水を排水する際に、その蓋部材11aを適宜取り外すようにする。
本実施形態のジンバル20は、側面視略「コ」字形状を呈しており、平板部の両側の立設部の間に水収容タンク10が配置されている。
なお、ジンバル軸21はジンバル20の立設部に軸支されており、そのジンバル軸21とタンク軸11は直交する向きに配されている。
この支持部30が船舶Sの所定箇所に固定されている。
ここでは、ジンバル20の下面に駆動部40を配設しているが、ジンバル20の上面に駆動部40を配設してもよい。
船舶Sを操船して目的のポイントまで航行する際には、船舶用減揺装置100の重量を軽くするため、図2(a)に示すように、水収容タンク10は空の状態にしておく。
そして、船舶Sが目的のポイントに到達し、その船舶Sのスクリュープロペラを停止して、例えば、魚釣りなどをする場合、図2(b)に示すように、海水や湖水を送水ポンプで汲み上げて、その水を水収容タンク10内に貯留した後、駆動部40を作動させて水収容タンク10を回転させる。
また、水収容タンク10内に貯留する水量に応じて、フライホイールとしての水収容タンク10の重量を調整することができるので、波高や波周期などに対応させて水収容タンク10の重量を調整して、そのときの船舶Sの揺れを低減するのに適した船舶用減揺装置100として使用することができる。
特に、船舶用減揺装置100は、船舶Sに設置して使用する装置であるので、船舶Sを航行させる海や湖の水を汲み上げて水収容タンク10に給水したり、水収容タンク10に溜めた水を海や湖に排水したりすることを繰り返し行うことができ、任意のタイミングで水収容タンク10の重量を調整することができる。
また、樹脂材料製の水収容タンク10は、従来技術の金属製のフライホイールに比べて低コストで製造することができるので、船舶用減揺装置100の製造コストを抑えることができ、比較的安価な船舶用減揺装置100を実用化することができる。
例えば、図3(a)(b)に示すように、船舶用減揺装置100の水収容タンク10は、平面視円盤状を呈するように形成されたタンク部材であってもよい。
この水収容タンク10には、その上部と下部から突出するように、管状のタンク軸11が設けられている。
突片10aは、水収容タンク10の回転方向と交差する平面(ここでは回転方向と直交する平面)を有している。
この突片10aは、水収容タンク10の回転方向と交差する向きの平面を有しているため、水収容タンク10の回転時にその内部の水に対し抵抗する部材になる。
水収容タンク10の内面にこの突片10aが設けられていることで、水を貯留した水収容タンク10を回転させた場合に、水収容タンク10とともに水収容タンク10内の水を回転させ易くなる。
なお、前述した円環状の水収容タンク10の内面にも、水の抵抗になる突片10aを設けるようにしてもよい。
そして、その水収容タンク10を駆動部40によって回転させるようにすれば、船舶用減揺装置100を好適に使用することができる。
次に、本発明に係る船舶用減揺装置の実施形態2について説明する。なお、実施形態1と同一部分には同符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
この船舶用減揺装置100は、船舶Sにおける所定箇所に設置される。
そして、この水収容タンク10の内部空間の下部に、水流発生部50が配設されている。
このタンク軸11には、タンク軸11と水収容タンク10とを一体に連結している通水管12が設けられている。
この水流発生部50は、水が貯留されている水収容タンク10内で水流を発生させる機能を有している。
本実施形態では、水収容タンク10内に2つの水流発生部50を配設した。
勿論、2つの水流発生部50は、同じ回転方向の水流を発生させる向きに配設されている。なお、2つの水流発生部50は、タンク軸11を挟む配置に設けている。
船舶Sを操船して目的のポイントまで航行する際には、船舶用減揺装置100の重量を軽くするため、水収容タンク10は空の状態にしておく。
そして、船舶Sが目的のポイントに到達し、その船舶Sのスクリュープロペラを停止して、例えば、魚釣りなどをする場合、海水や湖水を送水ポンプで汲み上げて、その水を水収容タンク10内に貯留した後、水流発生部50を作動させて水収容タンク10内の水を旋回させる。
なお、満水となるように、水収容タンク10内に水を貯留することに限らず、例えば、タンク容量の半分以上の水を水収容タンク10内に貯留し、水没した状態の水流発生部50を作動させて、水流(旋回流)を発生させるようにすればよい。
水収容タンク10内に貯留する水量に応じて、フライホイールとしての水収容タンク10の重量を調整することができるので、波高や波周期などに対応させて水量を調整して、そのときの船舶Sの揺れを低減するのに適した船舶用減揺装置100として使用することができる。
特に、船舶用減揺装置100は、船舶Sに設置して使用する装置であるので、船舶Sを航行させる海や湖の水を汲み上げて水収容タンク10に給水したり、水収容タンク10に溜めた水を海や湖に排水したりすることを繰り返し行うことができ、任意のタイミングで水収容タンク10の重量を調整することができる。
また、樹脂材料製の水収容タンク10は、従来技術の金属製のフライホイールに比べて低コストで製造することができるので、船舶用減揺装置100の製造コストを抑えることができる。
10a 突片
11 タンク軸(所定の軸)
11a 蓋部材
12 通水管
20 ジンバル
21 ジンバル軸
30 支持部
40 駆動部
50 水流発生部
100 船舶用減揺装置
S 船舶
W 水
樹脂材料によって形成されており、給排水可能な水収容タンクと、
前記水収容タンクを所定の軸を軸心に回転可能に支持するジンバルと、
前記ジンバルを前記所定の軸と交差する向きのジンバル軸を介して揺動可能に支持する支持部と、
前記水収容タンク内に水が貯留された状態で、前記水収容タンクを回転させる駆動部と、
を備え、
前記水収容タンク内には、前記水収容タンクの回転方向と交差する平面を有する平板状の突片が設けられていることを特徴とする。
前記平板状の突片は、前記所定の軸を中心にして平面視略十字状に配設されていることを特徴とする。
前記水収容タンクは、平面視円盤状又は円環状を呈するように形成されていることを特徴とする。
前記水収容タンクは、その内部に貯留される水の量を調整可能に構成されていることを特徴とする。
樹脂材料によって形成されており、給排水可能な水収容タンクと、
前記水収容タンクを所定の軸を軸心に回転可能に支持するジンバルと、
前記ジンバルを前記所定の軸と交差する向きのジンバル軸を介して揺動可能に支持する支持部と、
前記水収容タンク内に水が貯留された状態で、前記水収容タンクを回転させる駆動部と、
を備え、
前記水収容タンク内には、前記水収容タンクの回転方向と交差する平面を有する平板状の突片が、前記水収容タンクの外周側の内壁面から離間した配置に前記水収容タンクの底面から立設された態様で設けられていることを特徴とする。
Claims (6)
- 給排水可能な水収容タンクと、
前記水収容タンクを所定の軸を軸心に回転可能に支持するジンバルと、
前記ジンバルを前記所定の軸と交差する向きのジンバル軸を介して揺動可能に支持する支持部と、
前記水収容タンク内に水が貯留された状態で、前記水収容タンクを回転させる駆動部と、
を備えたことを特徴とする船舶用減揺装置。 - 前記水収容タンク内には、前記水収容タンクの回転方向と交差する平面を有する平板状の突片が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の船舶用減揺装置。
- 給排水可能な水収容タンクと、
前記水収容タンクを所定の軸を軸心に支持するジンバルと、
前記ジンバルを前記所定の軸と交差する向きのジンバル軸を介して揺動可能に支持する支持部と、
前記水収容タンク内に水が貯留された状態でその水収容タンク内で水流を発生させ、前記水収容タンク内の水を前記所定の軸の周囲で回転させる水流発生部と、
を備えたことを特徴とする船舶用減揺装置。 - 前記水収容タンクは、平面視円盤状又は円環状を呈するように形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の船舶用減揺装置。
- 前記水収容タンクは、樹脂材料によって形成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の船舶用減揺装置。
- 前記水収容タンクは、その内部に貯留される水の量を調整可能に構成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の船舶用減揺装置。
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- 2020-09-23 JP JP2020158111A patent/JP6940199B1/ja active Active
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高嶋聡志,堀江淳,福田武人: ""分散系ER流体を用いた復元力可変ウエイトジャイロスタビライザの開発"", 日本機械学会論文集(C編), vol. 66巻652号, JPN6021015955, 25 December 2000 (2000-12-25), JP, pages 3919 - 3924, ISSN: 0004564248 * |
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