JP2022051550A - シミュレーションシステム、シミュレーションプログラム、及びシミュレーション方法 - Google Patents

シミュレーションシステム、シミュレーションプログラム、及びシミュレーション方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2022051550000001
【課題】
所定の期間における企業の実態を分析することが可能な、新しいシミュレーションシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】
事業体の第一期間を構成する第二期間の売上情報、該第一期間の期首における製品棚卸高、該第一期間の期末における製品棚卸高を含む、情報の入力を受け付け、前記第二期間を構成する第三期間に、前記売上額を分配売上額として分配し、該第三期間における分配売上額、所定の材料在庫期間、及び所定の仕掛在庫期間に基づいて、仕掛品の原価を推定し、推定した原価に基づいて、在庫の推移を表す在庫推移表を生成する、シミュレーションシステム。
【選択図】 図3

Description

本発明は、シミュレーションシステム、シミュレーションプログラム、及びシミュレーション方法に関する。
これまでの会計プログラム等における資金繰りの機能は、仕入の発生時期と在庫高の関係について何ら考察を行っていなかった。つまり、期中の在庫についての増減を加味しておらず、コンピュータにより自動的に予想することはできていなかった。このため、資金繰りを考える際には、仕入の予定を人間が手入力し、その企業の支払条件を設定することで、資金繰りの予定を立てていた。
また、中小企業では、日々の業務が多忙であるため、決算期末に一度だけ実地棚卸を行う企業が多い。このため、期中の在庫高の推移について関心が薄く、仕入計画や在庫計画というものが、成り行き任せとなって、数字で管理できていなかった。
ところで、出願人は、資金繰りの観点から、企業の財務状況に関するデータ及び企業の特徴を表す定性的なデータを用いて、将来における企業の経営状態を予測する経営支援プログラムを公開している(例えば、特許文献1を参照)。
特開2016-110610号公報
しかし、在庫高が明確でない企業にとって、数ヶ月先の仕入の予定を立てることは容易ではなく、適切な仕入の予定を立てることはできなかった。
さらに、中小企業では、日々の業務が多忙であり、決算期末に一度だけ実地棚卸を行う企業が多いため、期中の在庫高の推移について関心が薄く、仕入計画や在庫計画というものが、成り行き任せとなって、数字で管理できていなかった。このようなことが要因で、資金繰りが苦しい状況から脱出できずにいる企業が多かった。そういった企業は、資金繰りの予定も立てることができず、直前になって金融機関に泣き込むような状況にあった。
本発明の少なくとも1つの実施の形態の目的は、所定の期間における企業の実態を分析することが可能な、新しいシミュレーションシステムを提供することを目的とする。
本発明に係るシミュレーションシステムは、端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備えるシミュレーションシステムであって、事業体の第一期間を構成する一以上の第二期間における売上額に関する売上情報、該第一期間の期首における製品の棚卸高である製品期首棚卸高、該第一期間の期末における製品の棚卸高である製品期末棚卸高を含む、情報の入力を受け付ける製品情報入力受付手段と、前記第二期間を構成する複数の所定の第三期間のそれぞれに、前記売上額を分配売上額として分配する売上分配手段と、各第三期間における分配売上額、所定の材料在庫期間、及び所定の仕掛在庫期間に基づいて、仕掛品の原価を推定する仕掛品原価推定手段と、推定した原価に基づいて、在庫の推移を表す在庫推移表を生成する在庫推移表生成手段とを備える、シミュレーションシステムに関する。
本発明に係るシミュレーションシステムは、前記仕掛品原価推定手段が、各第三期間における分配売上額に基づいて、該分配売上額を売り上げるために必要な原価を算出する必要原価算出手段と、前記材料在庫期間及び/又は前記仕掛在庫期間に応じて、必要原価算出手段により算出した原価を計上する第三期間を決定する計上期間決定手段とを備えることが好ましい。
本発明に係るシミュレーションシステムは、システムがさらに、前記仕掛品原価推定手段により推定した仕掛品の原価を用いて、所定の単位期間に投入する単位原価を算出する単位原価算出手段と、算出した単位原価を用いて、前記第二期間の期末棚卸高を日数に換算して表示する日数表示手段とを備えることが好ましい。
本発明に係るシミュレーションシステムは、前記日数表示手段により表示した日数が前記製品在庫期間より大きい場合に、アラートを報知するアラート報知手段を備えることが好ましい。
本発明に係るシミュレーションシステムは、前記仕掛品原価推定手段が、原材料費、外注費、及び労務費のいずれかを算出するものであることが好ましい。
本発明に係るシミュレーションシステムは、システムがさらに、前記製品期末棚卸高に関する情報の変更を受け付ける棚卸高変更受付手段と、受け付けた変更に基づいて、前記各第三期間における仕掛品の原価を推定する在庫計画仕掛品原価推定手段とを備えることが好ましい。
本発明に係るシミュレーションシステムは、前記在庫計画仕掛品原価推定手段が、前記売上分配手段により各第三期間に分配された分配売上額を変更しないことが好ましい。
本発明に係るシミュレーションシステムは、端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備えるシミュレーションシステムであって、事業体の第一期間を構成する一以上の第二期間における売上額に関する売上情報、該第一期間の期首における商品の棚卸高である商品期首棚卸高、該第一期間の期末における商品の棚卸高である商品期末棚卸高を含む、情報の入力を受け付ける商品情報入力受付手段と、前記第二期間を構成する複数の所定の第三期間のそれぞれに、前記売上額を分配売上額として分配する売上分配手段と、前記第三期間における期間売上額、及び、商品に関する所定の商品原価率に基づいて、該期間売上額を売り上げるための商品の原価を算出する商品原価算出手段と、算出した原価に基づいて、前記第二期間の期末における商品の在庫高を推定する商品在庫高推定手段とを備える、シミュレーションシステムに関する。
本発明に係るシミュレーションシステムは、システムがさらに、前記在庫推移表生成手段により生成した在庫推移表に含まれる製品の在庫高、及び/又は、前記商品在庫高推定手段により推定した商品の在庫高を用いて、貸借対照表及び損益計算書を生成する決算情報生成手段を備えることが好ましい。
本発明に係るシミュレーション方法は、端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備えるシミュレーションシステムにおいて実行されるシミュレーション方法であって、事業体の第一期間を構成する一以上の第二期間における売上額に関する売上情報、該第一期間の期首における製品の棚卸高である製品期首棚卸高、該第一期間の期末における製品の棚卸高である製品期末棚卸高を含む、情報の入力を受け付け、前記第二期間を構成する複数の所定の第三期間のそれぞれに、前記売上額を分配売上額として分配し、各第三期間における分配売上額、所定の材料在庫期間、及び所定の仕掛在庫期間に基づいて、仕掛品の原価を推定し、推定した原価に基づいて、在庫の推移を表す在庫推移表を生成する、シミュレーション方法に関する。
本発明に係るシミュレーション方法は、端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備えるシミュレーションシステムにおいて実行されるシミュレーション方法であって、事業体の第一期間を構成する一以上の第二期間における売上額に関する売上情報、該第一期間の期首における商品の棚卸高である商品期首棚卸高、該第一期間の期末における商品の棚卸高である商品期末棚卸高を含む、情報の入力を受け付け、前記第二期間を構成する複数の所定の第三期間のそれぞれに、前記売上額を分配売上額として分配し、前記第三期間における期間売上額、及び、商品に関する所定の商品原価率に基づいて、該期間売上額を売り上げるための商品の原価を算出し、算出した原価に基づいて、前記第二期間の期末における商品の在庫高を推定する、シミュレーション方法に関する。
本発明に係るシミュレーションプログラムは、端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備えるシミュレーションシステムのサーバ装置において実行されるシミュレーションプログラムであって、サーバ装置を、事業体の第一期間を構成する一以上の第二期間における売上額に関する売上情報、該第一期間の期首における製品の棚卸高である製品期首棚卸高、該第一期間の期末における製品の棚卸高である製品期末棚卸高を含む、情報の入力を受け付ける製品情報入力受付手段、前記第二期間を構成する複数の所定の第三期間のそれぞれに、前記売上額を分配売上額として分配する売上分配手段、各第三期間における分配売上額、所定の材料在庫期間、及び所定の仕掛在庫期間に基づいて、仕掛品の原価を推定する仕掛品原価推定手段、推定した原価に基づいて、在庫の推移を表す在庫推移表を生成する在庫推移表生成手段として機能させる、シミュレーションプログラムに関する。
本発明に係るシミュレーションプログラムは、端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備えるシミュレーションシステムのサーバ装置において実行されるシミュレーションプログラムであって、サーバ装置を、事業体の第一期間を構成する一以上の第二期間における売上額に関する売上情報、該第一期間の期首における商品の棚卸高である商品期首棚卸高、該第一期間の期末における商品の棚卸高である商品期末棚卸高を含む、情報の入力を受け付ける商品情報入力受付手段、前記第二期間を構成する複数の所定の第三期間のそれぞれに、前記売上額を分配売上額として分配する売上分配手段、前記第三期間における期間売上額、及び、商品に関する所定の商品原価率に基づいて、該期間売上額を売り上げるための商品の原価を算出する商品原価算出手段、算出した原価に基づいて、前記第二期間の期末における商品の在庫高を推定する商品在庫高推定手段として機能させる、シミュレーションプログラムに関する。
本発明によれば、所定の期間における企業の実態を分析することが可能な、新しいシミュレーションシステムを提供することができる。
本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、システムが有する機能の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、実行処理のフローチャートの一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、読み込むデータの一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫推移表生成処理のフローチャートの一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、売上高内訳表の一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、原材料費内訳表の一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、外注費内訳表の一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、労務費内訳表の一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、その他経費内訳表の一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、仕掛品棚卸高内訳の一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫推移表の一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、買掛金手形推移表の一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、月次P/Lの一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、月次B/Sの一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、資金繰り表の一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、システムが有する機能の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、読み込むデータの一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫推移表生成処理のフローチャートの一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、売上高内訳表及び商品原価内訳表の一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫推移表の一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、買掛金手形推移表の一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、月次P/Lの一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、月次B/Sの一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、資金繰り表の一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、システムが有する機能の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫計画処理のフローチャートの一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、読み込むデータの一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、棚卸高に関する情報の変更を説明する図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫計画シミュレーション実行後の原材料費内訳表の一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫計画シミュレーション実行後の原材料費内訳表の一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫計画シミュレーション実行前の原材料費内訳表の一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、外注費内訳表の一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、労務費内訳表の一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、その他経費内訳表の一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、仕掛品棚卸高内訳表の一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫計画シミュレーション実行前の月次P/Lの一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫計画シミュレーション実行後の月次P/Lの一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫計画シミュレーション実行後の月次P/Lの一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫計画シミュレーション実行前の月次B/Sの一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫計画シミュレーション実行後の月次B/Sの一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫計画シミュレーション実行後の月次B/Sの一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫計画シミュレーション実行前の資金繰り表の一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫計画シミュレーション実行後の資金繰り表の一例を示す図である。 本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫計画シミュレーション実行後の資金繰り表の一例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。以下、効果に関する記載は、本発明の実施の形態の効果の一側面であり、ここに記載するものに限定されない。また、以下で説明するフローチャートを構成する各処理の順序は、処理内容に矛盾や不整合が生じない範囲で順不同である。
本発明において「企業」とは、営利目的のために事業活動を行う経済主体だけでなく、個人事業主やNPO法人、その他公企業等も含む概念であり、特別な主体に限定されるものではない。
[第一の実施の形態]
本発明の第一の実施の形態では、端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備えるシミュレーションシステム(以下、単に「システム」ともいう)について説明する。
本発明の第一の実施の形態では、1年間の経営状態を示す財務諸表を用いて、月毎の製品の在庫高を推定するシミュレーションシステムについて説明する。ここで、「製品」とは、例えば、主に工業において、原材料を加工して仕上げる完成品のことをいう。また、完成品になるまでの状態を「仕掛品」という。
図1は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、システムの構成を示すブロック図である。図示するように、システムは、サーバ装置2と、複数のユーザ(ユーザA、B・・・)によって操作される複数の端末装置3(端末装置3a、3b・・・)と、通信ネットワーク4とから構成される。端末装置3は、通信ネットワーク4を介してサーバ装置2と接続されている。なお、サーバ装置2と端末装置3とは常時接続していなくてもよく、必要に応じて、接続が可能であればよい。
サーバ装置2は、一例として、制御部、RAM(Random Access Memory)、ストレージ部、通信インタフェース部を備え得る(非図示)。それぞれ内部バスにより接続されている。
サーバ装置2の制御部は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)から構成される。該制御部は、ストレージ部に格納されたプログラムを実行し、サーバ装置2の制御を行う。また、該制御部は時間を計時する内部タイマを備え得る。
サーバ装置2のRAMは、制御部のワークエリアである。サーバ装置2のストレージ部は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。制御部は、必要なプログラム及びデータをRAMから読み出して処理を行う。
サーバ装置2の通信インタフェースは、無線又は有線により通信ネットワーク4に接続されており、外部の端末装置及び/又はサーバ装置と必要に応じて操作指示情報等の送受信を行う。
端末装置3は、一例として、制御部、RAM(Random Access Memory)、ストレージ部、サウンド処理部、グラフィックス処理部、記録媒体を読み取り可能なドライブ、通信インタフェース、及びインタフェース部を備え得る(非図示)。それぞれ内部バスにより接続されている。
端末装置3の制御部は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)から構成される。制御部は、ストレージ部や記録媒体に格納されたプログラムを実行し、端末装置3の制御を行う。また、制御部は時間を計時する内部タイマを備え得る。端末装置3のRAMは、制御部のワークエリアである。ストレージ部は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。
端末装置3のドライブは、DVD-ROMやCD-ROMなどのプログラムが格納された記録媒体から情報を読み取ることが可能である。記録媒体には、プログラムの実行やコンテンツの再生を行うためのプログラム及びデータが記憶され得る。ドライブにより読み出されたプログラム等はRAMにロードされる。
制御部は、必要なプログラム及びデータをRAMから読み出して処理を行う。制御部は、RAMにロードされたプログラム及びデータを処理することで、サウンド出力の指示をサウンド処理部に出力し、描画命令をグラフィックス処理部に出力する。
端末装置3のサウンド処理部は、スピーカであるサウンド出力装置に接続されている。制御部がサウンド出力の指示をサウンド処理部に出力すると、サウンド処理部はサウンド出力装置にサウンド信号を出力する。
端末装置3のグラフィックス処理部は、端末装置3の表示装置に接続され得る。該表示装置は表示画面を有し、該表示画面は接触により入力を受け付ける構造であってもよい。制御部が描画命令をグラフィックス処理部に出力すると、グラフィックス処理部は、フレームメモリ(フレームバッファ)に画像を展開し、表示画面上に画像を表示するためのビデオ信号を出力する。グラフィックス処理部は、フレーム単位で1枚の画像の描画を実行する。フレームレートは、例えば30分の1秒である。
端末装置3のインタフェース部には、例えば、コントローラやキーボード等の入力部が接続され得る。ユーザによる入力部に対する入力情報は、RAMに格納され、制御部は入力情報をもとに各種の演算処理を実行する。また、インタフェース部には、メモリカード等の外部記憶媒体を接続することも可能である。インタフェース部は、制御部からの指示にしたがって、RAMに記憶されているコンテンツの進行状況に関するデータを外部記憶媒体に記憶させる処理や、外部記憶媒体に記憶されているデータを読み出してRAMに転送する処理を行う。
端末装置3の通信インタフェースは無線又は有線により通信ネットワーク4に接続されており、外部の端末装置及び/又はサーバ装置と必要に応じて操作指示情報等の送受信を行う。
サーバ装置2は、端末装置3と同様に、ドライブ、インタフェース部等を備え、記憶媒体を使用可能に構成してもよい。
[機能構成]
次に、シミュレーションシステムの機能について説明する。図2は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、システムが有する機能の構成を示すブロック図である。
システム1は、情報入力受付部1001、在庫推移表生成部1002、買掛金手形推移表生成部1003、及び決算情報生成部1004を備え得る。
情報入力受付部1001は、事業体の経営状態を示す情報に関する入力を受け付ける機能を有する。入力の受け付けは、例えば、人間がキーボード等を用いて手動で入力するものであってもよいし、電子データを読み込むもの、あるいはOCR等を使用してスキャンするものであってもよい。
在庫推移表生成部1002は、所定の期間における、仕掛品や製品の在庫に関する増減の推移を表す在庫推移表を生成する機能を有する。買掛金手形推移表生成部1003は、所定の期間における、買掛金及び手形に関する増減の推移を表す買掛金手形推移表を生成する機能を有する。
決算情報生成部1004は、在庫推移表生成部1002及び買掛金手形推移表生成部1003により生成された情報を用いて、貸借対照表、損益計算書及び資金繰り表の少なくとも一以上を生成する機能を有する。
在庫推移表生成部1002は、売上分配部1101、仕掛品原価推定部1102、必要原価算出部1103、計上期間決定部1104、単位原価算出部1105、日数表示部1106、及びアラート報知部1107を備え得る。
売上分配部1101は、複数の所定の期間に売上額を分配する機能を有する。仕掛品原価推定部1102は、仕掛品の原価を推定する機能を有する。必要原価算出部1103は、売上分配部1101により分配された売上額を売り上げるために必要な原価を算出する機能を有する。
計上期間決定部1104は、必要原価算出部1103により算出された原価を計上する期間を決定する機能を有する。単位原価算出部1105は、所定の単位期間に投入する原価である単位原価を算出する機能を有する。日数表示部1106は、単位原価を用いて、所定の期間の期末棚卸高を日数に換算して表示する機能を有する。アラート報知部1107は、日数表示手段により表示した日数が所定の製品在庫期間より大きい場合に、アラートを報知する機能を有する。
決算情報生成部1004は、月次P/L生成部1151、月次B/S生成部1152、及び資金繰り表生成部1153を備え得る。
月次P/L生成部1151は、月次の損益計算書を生成する機能を有する。月次B/S生成部1152は、月次の貸借対照表を生成する機能を有する。資金繰り表生成部1153は、資金繰り表を生成する機能を有する。
[処理フロー]
次に、本発明の実施の形態におけるシステムの処理手順について説明する。図3は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、実行処理のフローチャートの一例を示す図である。
システム1において、事業体の経営状況を表す情報を読み込む(ステップS1)。図4は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、読み込むデータの一例を示す図である。
データには、前々期及び前期の2期分の貸借対照表101、前期分の損益計算書102、前期分の製造原価報告書103、前期分の消費税104、前々期及び前期の棚卸資産内訳105、前期の月商推移106、及び前期の販売管理費内訳107が含まれ得る。貸借対照表101及び棚卸資産内訳105は2期分のデータを読み込んでいるが、対象とする決算期の期首及び期末のデータがあれば足りる。
データの読み込みとは、例えば、企業が提供する電子データをそのまま、あるいは、データを加工して読み込んでもよい。また、紙媒体により提供された場合には、担当者がデータを入力等することで電子化したデータを読み込んでもよい。すなわち、情報(データ)の読み込みには、情報の入力を受け付けること、記憶された情報を読み込むことを含む。読み込まれた情報は、一例として、サーバ装置2のストレージ部に記憶される。
以下の説明において、図4に示すように、2016年度で、決算年月が2017年3月の期間を「前々期」と、2017年度であって、決算年月が2018年3月の期間を「前期」とそれぞれ記載する。本発明の範囲は、当該記載された年度や決算年月に限定されるものではない。
貸借対照表101は、ある時点における企業の財務状態を表す財務情報であり、資産、負債、及び資本が少なくとも含まれる。図示するように、貸借対照表101のデータは、少なくとも2つの時点における企業の財務情報を表す。2つの時点とは、例えば、2つの期におけるそれぞれの期末時点、あるいは、1つの期における期首及び期末時点をいう。
損益計算書102は、ある期間における、企業の経営成績を表す財務情報であり、損益計算書には利益及び損失が少なくとも含まれる。
製造原価報告書103は、ある期間における、製造原価の内訳を示すものである。内訳を「材料費」、「労務費」、及び「経費」に分ける方法と、「製造直接費」及び「製造間接費」に分ける方法がある。消費税104は、ある期間における売上額に対して課される税額を表す。
棚卸資産内訳105は、期末に企業が保有する資産について、勘定科目ごと、品目ごとに内訳を示すものである。棚卸資産とは、例えば、商品、製品、半製品、仕掛品、原材料、貯蔵品、作業くず、副産物等をいう。
月商推移106は、各月の売上額を示す情報である。月商推移106の合計は、損益計算書102の売上高と等しい値となる。販売管理費内訳107は、販売費及び一般管理費の内訳を表す。
上述した入力データは一例であり、これに限定されない。企業の業種によっては、例えば、製造原価報告書が存在しないことがあり得る。しかし、本発明の実施の形態においては、すべての情報が必須ではなく、数値も図示したものに限定されない。
図3のフローチャートに戻る。システム1は、所定の期間毎の在庫高を表す在庫推移表を生成する(ステップS2)。図5は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫推移表生成処理のフローチャートの一例を示す図である。
[在庫推移表生成処理]
システム1は、ステップS1において読み込まれた情報に基づいて、売上高内訳表を生成する(ステップS11)。図6は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、売上高内訳表の一例を示す図である。
[売上高内訳表]
売上高内訳表200には、月別201、単位期間202、単位売上203、月別売上204、単位商品売上205、月別商品売上206、単位製品売上207、及び月別製品売上208が含まれ得る。
月別201は、売上高内訳表の対象とする期間を構成する複数の所定の期間を表す。図6においては、売上高内訳表の対象とする期間が1年で、1年を構成する所定の期間が1か月である。
単位期間202は、月別201で示した所定の期間(図中では1か月)を構成する複数の所定の期間を表す。図6においては、10日間を単位期間202とし、1か月を3つの単位期間で構成するものとしている。
単位売上203は、単位期間202における商品及び製品の売上額を表す。月別売上204は、月毎の商品及び製品の売上額を表す。月別売上204は、月商推移106に示した月商と等しい値である。また、月別売上204は、同月内に含まれる単位売上203の累計額と等しい。
単位商品売上205は、単位期間202における商品の売上額を表す。月別商品売上206は、月毎の商品の売上額を表す。月別商品売上206は、同月内に含まれる単位商品売上205の累計額と等しい。
単位製品売上207は、単位期間202における製品の売上額を表す。月別製品売上208は、月毎の製品の売上額を表す。月別製品売上208は、同月内に含まれる単位製品売上207の累計額と等しい。
[売上高内訳表生成処理]
次に、売上高内訳表200の各項目の値の設定処理について説明する。システム1は、月別売上204に、月商推移106の月商を設定する。次に、システム1は、月別売上204の値を3等分し、単位売上203に設定する。図6において、例えば、2017年5月の月商は2200万円であり、期間221の単位売上203は733万3千円となる。
ここで3等分としたのは、1か月を30日とした場合に、単位期間が10日間であるからである。例えば、単位期間が5日であれば、6等分した値を設定する。ここで、売上額の分配は、売上分配部1101により実行される。
次に、システム1は、前期商品売上高を単位商品売上205及び月別商品売上206の合計欄に設定する。前期商品売上高は、損益計算書102の「売上原価」に含まれる「商品仕入額」を用いる。商品の原価率又は利益率を把握できる場合には、各率を用いて商品の原価を算出し、設定してもよい。商品の原価率又は利益率を把握できない場合には、原価率を100%と仮定して、商品仕入額を前期商品売上高として設定してもよい。
次に、システム1は、月別売上204に応じて、設定した前期商品売上高を各月の月別商品売上206に分配する。次に、システム1は、分配された月別商品売上206の値を3等分し、単位商品売上205に設定する。
次に、システム1は、単位製品売上207の値を算出する。単位製品売上207の値は、単位売上203の値から単位商品売上205の値を差し引いた値である。
図6において、例えば、期間221の単位製品売上207の値の算出について説明する。期間221における単位売上203は約733万円であり、単位商品売上205は約44万3千円であるから、単位製品売上207は差額の約688万9千円である。
次に、システム1は、月別製品売上208の値を算出する。月別製品売上208は、同月内に含まれる単位製品売上207の累計額である。以上のように、売上高内訳表200のすべての項目の値を設定することができる。
図5の説明に戻る。システム1は、ステップS1において読み込まれた情報、及び、ステップS11において生成された売上高内訳表に基づいて、原材料費内訳表を生成する(ステップS12)。図7は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、原材料費内訳表の一例を示す図である。
[原材料費内訳表]
原材料費内訳表250には、月別251、単位期間252、月初棚卸高253、単位売上相当分254、月別売上相当分255、単位仕掛品投入済256、月別仕掛品投入済257、単位製品投入済258、月別製品投入済259、単位投入必要分260、月別投入必要分261、単位仕掛品投入額262、月別仕掛品投入額263、単位製品投入額264、月別製品投入額265、単位投入額計266、月別投入額計267、原材料投入比率268、単位材料在庫割当高269、月別材料在庫割当高270、単位投入用仕入高271、月別投入用仕入高272、単位割当仕入高273、月別割当仕入高274、単位仕入額計275、月別仕入額計276、及び月末棚卸高277が含まれ得る。
また、製品の売上に占める原材料費の比率である原材料比率280、材料を発注してから現場に届くまでの日数を表す材料在庫期間281、製品の製造にかかる日数を表す仕掛在庫期間282、製品が完成してから販売して売り上げとなるまでの日数を表す製品在庫期間283が原材料費内訳表250に設定され得る。
月別251は、売上高内訳表の対象とする期間を構成する複数の所定の期間を表す。月別251は月別201と同一の期間である。単位期間252は、月別251で示した期間を構成する複数の所定の期間を表す。単位期間252は単位期間202と同一の期間である。月初棚卸高253は、月別251の月初における原材料の棚卸高を表す。
単位売上相当分254は、ステップS11において生成された売上高内訳表に示す単位製品売上207を売り上げるために必要な原材料費を表す。月別売上相当分255は、ステップS11において生成された売上高内訳表に示す月別製品売上208を売り上げるために必要な原材料費を表す。月別売上相当分255は、当該月別251に属する単位期間252の単位売上相当分254の合計額である。
単位仕掛品投入済256は、前々年度の棚卸資産に計上された仕掛品及び前年度の棚卸資産に計上された仕掛品の差額のうち、原材料費に相当する額を各単位期間252に割り振った値である。月別仕掛品投入済257は、前々年度の棚卸資産に計上された仕掛品及び前年度の棚卸資産に計上された仕掛品の差額のうち、原材料費に相当する額を、各月別251に割り振った値である。月別仕掛品投入済257は、当該月別251に属する単位期間252の単位仕掛品投入済256の合計額である。
単位製品投入済258は、前々年度の棚卸資産に計上された製品及び前年度の棚卸資産に計上された製品の差額のうち、原材料費に相当する額を、各単位期間252に割り振った値である。月別製品投入済259は、前々年度の棚卸資産に計上された製品及び前年度の棚卸資産に計上された製品の差額のうち、原材料費に相当する額を、各月別251に割り振った値である。月別製品投入済259は、当該月別251に属する単位期間252の単位製品投入済258の合計額である。
単位投入必要分260は、仕掛在庫期間282及び製品在庫期間283を考慮した、単位期間252における原材料の投入額を表す。月別投入必要分261は、仕掛在庫期間282及び製品在庫期間283を考慮した、月別251における原材料の投入額を表す。月別投入必要分261は、当該月別251に属する単位期間252の単位投入必要分260の合計額である。
単位仕掛品投入額262は、仕掛在庫期間282及び製品在庫期間283を考慮して、前々年度の棚卸資産に計上された仕掛品及び前年度の棚卸資産に計上された仕掛品の差額を、各単位期間252に割り振った値である。月別仕掛品投入額263は、仕掛在庫期間282及び製品在庫期間283を考慮して、前々年度の棚卸資産に計上された仕掛品及び前年度の棚卸資産に計上された仕掛品の差額を、各単位期間252に割り振った値である。月別仕掛品投入額263は、当該月別251に属する単位期間252の単位仕掛品投入額262の合計額である。
単位製品投入額264は、仕掛在庫期間282及び製品在庫期間283を考慮して、前々年度の棚卸資産に計上された製品及び前年度の棚卸資産に計上された製品の差額を、各単位期間252に割り振った値である。月別製品投入額265は、仕掛在庫期間282及び製品在庫期間283を考慮して、前々年度の棚卸資産に計上された製品及び前年度の棚卸資産に計上された製品の差額を、各月別251に割り振った値である。月別製品投入額265は、当該月別251に属する単位期間252の単位製品投入額264の合計額である。
単位投入額計266は、当該単位期間252における、単位投入必要分260、単位仕掛品投入額262、及び単位製品投入額264の合計値である。月別投入額計267は、製造に投入した月別の原材料の額を表し、月別251における、月別投入必要分261、月別仕掛品投入額263、及び月別製品投入額265の合計値である。月別投入額計267は、当該月別251に属する単位期間252の単位投入額計266の合計額である。
原材料投入比率268は、月別投入額計267が、同月における月別製品売上208に占める割合を示す。単位材料在庫割当高269は、前々年度の棚卸資産に計上された材料及び前年度の棚卸資産に計上された材料の差額を、各単位期間252に割り振った値である。月別材料在庫割当高270は、前々年度の棚卸資産に計上された材料及び前年度の棚卸資産に計上された材料の差額を、各月別251に割り振った値である。月別材料在庫割当高270は、同月内の単位期間252における単位材料在庫割当高269の合計値である。前々年度の棚卸資産に計上された材料及び前年度の棚卸資産に計上された材料の差額とは、原材料内訳表において最先の月初棚卸高253の値と、最遅の月末棚卸高277の値との差額である。
単位投入用仕入高271は、材料在庫期間281、仕掛在庫期間282及び製品在庫期間283を考慮した、単位期間252における原材料の投入額を表す。換言すると、単位投入用仕入高271は、材料在庫期間281を考慮した、単位期間252における単位投入額計266の値とも言える。月別投入用仕入高272は、材料在庫期間281、仕掛在庫期間282及び製品在庫期間283を考慮した、月別251における原材料の投入額を表す。月別投入用仕入高272は、当該月別251に属する単位期間252の単位投入用仕入高271の合計額である。
単位割当仕入高273は、前々年度の棚卸資産に計上された材料及び前年度の棚卸資産に計上された材料の差額を、材料在庫期間281を考慮して、各単位期間252に割り振った値である。換言すれば、単位割当仕入高273は、材料在庫期間281を考慮して、単位材料在庫割当高269を設定した額である。月別割当仕入高274は、前々年度の棚卸資産に計上された材料及び前年度の棚卸資産に計上された材料の差額を、材料在庫期間281を考慮して、各月別251に割り振った値である。月別割当仕入高274は、当該月別251に属する単位期間252の単位割当仕入高273の合計額である。
単位仕入額計275は、当該単位期間252における、単位投入用仕入高271及び単位割当仕入高273の合計額である。月別仕入額計276は、月別の原材料の仕入れ額を表し、当該月別251における、月別投入用仕入高272及び月別割当仕入高274の合計額である。月別仕入額計276は、当該月別251に属する単位期間252の単位仕入額計275の合計額である。
月末棚卸高277は、月末における原材料の棚卸高を表す。月末棚卸高277は、当該月別251における月初棚卸高253の額から、製造に投入された額である月別投入額計267の額を差し引き、仕入れた原材料の額である月別仕入額計276を加えた値である。
[原材料費内訳表生成処理]
次に、原材料費内訳表250の各項目の値の設定処理について説明する。システム1は、原材料比率280を算出する。原材料比率280は、製品の売上高に対して原材料費が占める割合である。
ところで、製造原価報告書103に含まれる「原材料費合計」には、前期中に販売できなかった製品又は仕掛品に関する原材料費も含まれる。つまり、製品の売上高に寄与していない原材料費が含まれている。そこで、在庫分の原材料費を除外することで、より正確な原材料比率を算出することができる。
[原材料比率算出処理]
システム1は、総製造費用において原材料費が占める割合を算出する。より具体的には、製造原価報告書103に含まれた「原材料費合計」の約1億円を、製造原価報告書103に含まれた「総製造費用」の約2億5893万円により除することで算出できる。総製造費用に対して原材料費合計が占める割合は、約38.8%となる。
次に、前期中に在庫として計上された製品及び仕掛品の額を算出する。前期中に在庫として計上された製品及び仕掛品の額は、前々期における棚卸資産内訳105の「製品」及び「仕掛品」の額と、前期の「製品」及び「仕掛品」の額の差分から求めることができる。具体的には、「製品」の差額が約378万円であり、「仕掛品」の差額が約41万8千円であるから、合計約420万円である。この前期中に在庫になった製品及び仕掛品の額に、総製造費用に対して原材料費が占める割合38.8%を乗じた約163万円が、製品の売上額に寄与しなかった額と言える。
次に、システム1は、前期中の原材料費合計約1億円から、製品の売上額に寄与しなかった額約163万円を差し引いた額を、製品の売上高で除する。製品の売上高は、売上高内訳表200の単位製品売上207の合計額209であり、約3億2778万円である。システム1は、除した結果である30.212%を、原材料比率280として設定する。
[在庫期間設定]
次に、各種在庫期間の設定について説明する。在庫期間は、例えば、在庫高として計上可能な期間をいい、リードタイムを含む概念である。材料在庫期間281、仕掛在庫期間282、及び製品在庫期間283は、企業の業種、あるいは製品の種類により定まるものである。例えば、同じ製造業であっても、鉄鋼や金属系の製造業、インク等の製造業、紙類の製造業では各種在庫期間は異なる。そこで、図示しないが、企業の業種及び製品の種類により、サーバ装置2のストレージ部に予め在庫期間を設定するためのマスタを用意してもよい。企業へのヒアリングが可能であれば、各種在庫期間をヒアリングし、情報を入力することにより設定するようにしてもよい。
次に、月別251及び単位期間252ごとに定められる項目について説明する。月初棚卸高253のうち、最初の月、すなわち図7における2017年4月の額として、棚卸資産内訳105の前々期の「材料」の額を設定する。以降の月には、前月の月末棚卸高277の額を設定する。
次に、各月の製品売上額を満たすために必要な量に関する原材料費(図7中の「原材料費(必要量)」)について説明する。まず、システム1は、月別投入額計267の合計額284に、製造原価報告書103の「原材料費合計」の額を設定する。単位投入額計266の合計額にも合計額284と同額を設定する。
次にシステム1は、月別仕掛品投入済257の合計額286に、前期中に在庫として計上された仕掛品の額に、前記製造費用に対して原材料費が占める割合を乗じた額を設定する。具体的には、前期中に在庫として計上された仕掛品の在庫高である約41万8千円に、原材料費が占める割合である約38.8%を乗じた約16万3千円を、前期中に仕掛品の製造に投入した材料費として設定する。単位仕掛品投入済256の合計額にも合計額286と同額を設定する。
次にシステム1は、月別製品投入済259の合計額287に、前期中に在庫として計上された製品の額に、前記製造費用に対して原材料費が占める割合を乗じた額を設定する。具体的には、前期中に在庫として計上された製品の在庫高である約378万3千円に、原材料費が占める割合である約38.8%を乗じた約147万1千円を、前期中に製品として投入した材料費の合計額として設定する。単位製品投入済258の合計額にも合計額287と同額を設定する。
次にシステム1は、設定した月別投入額計267の合計額284から、月別仕掛品投入済257の合計額286及び月別製品投入済259の合計額287を差し引いた額を、月別売上相当分255の合計額285に設定する。単位売上相当分254の合計額にも、合計額285と同額を設定する。
次に、システム1は、売上高内訳表200の月別製品売上208の各月における額として、月別製品売上208の合計額に占める割合に応じて、月別売上相当分255の合計額285を月別売上相当分255の各月に分配する。次に、システム1は、分配された月別売上相当分255の額を3等分し、単位売上相当分254に設定する。
次に、システム1は、売上高内訳表200の月別製品売上208の額が、月別製品売上208の合計額に占める割合に応じて、月別仕掛品投入済257の合計額286を各月に分配する。次に、システム1は、分配された月別仕掛品投入済257の額を3等分し、単位仕掛品投入済256に設定する。
次に、システム1は、売上高内訳表200の月別製品売上208の額が、月別製品売上208の合計額に占める割合に応じて、月別製品投入済259の合計額287を各月に分配する。次に、システム1は、分配された月別製品投入済259の額を3等分し、単位製品投入済258に設定する。
次に、実際に製造に投入した原材料費について説明する。システム1は、単位投入必要分260に、仕掛在庫期間282及び製品在庫期間283を考慮した額を設定する。より具体的には、2017年4月21日(図7中の単位期間229)における単位投入必要分260の額には、仕掛在庫期間282の「40日」及び製品在庫期間
283の「20日」を考慮して、60日後の単位売上相当分254の額と同額が設定される。つまり、2017年4月21日に投入された原材料費が、60日後に売り上げとして計上されるように、前倒して設定される。
前倒しで設定する場合に、対象とする期間を超えた単位期間に設定することがあり得る。しかし、投入する原材料費の合計額は、入力された決算情報に基づいて定められたものであり、変更するべきではない。そこで、システム1は、例えば、2018年2月1日における単位投入必要分260の額に、2017年4月1日(図7中の単位期間227)における単位売上相当分254の額である、約232万4千円を設定するようにしてもよい。
つまり、仕掛在庫期間及び製品在庫期間を合わせた日数分を考慮して、図7中の「原材料費(必要量)」の額をずらしたときに、対象期間を超えてしまう場合には、当該内訳表の最先の対象期間までの日数を減じたうえで、残った日数を最遅の日付(図7中では2018年3月31日)から計算して定まる単位期間に設定するようにしてもよい。
あるいは、対象期間を超えてしまう場合に、上記例で挙げた2018年2月1日における単位投入必要分260の値には、単位投入必要分260の合計額と、既に設定された他の単位期間における単位投入必要分260の合計額との差額を算出し、設定されていない単位期間の数で除した額を設定してもよい。すなわち設定する額は、設定されていない単位期間の数で該差額を等分した額でもよい。
同様に、システム1は、単位仕掛品投入額262には、仕掛在庫期間282及び製品在庫期間283を考慮した、単位仕掛品投入済256の額を設定する。単位製品投入額264には、仕掛在庫期間282及び製品在庫期間283を考慮した、単位製品投入済258の額を設定する。
システム1は、月別投入必要分261、月別仕掛品投入額263、及び月別製品投入額265の額にそれぞれ、月別251に属する単位期間252に対応する単位投入必要分260、単位仕掛品投入額262、単位製品投入額264の合計額を設定する。
システム1は、単位投入額計266に、対応する単位期間252における単位投入必要分260、単位仕掛品投入額262、及び単位製品投入額264の合計額を設定する。システム1は、月別投入額計267に、対応する月別251における月別投入必要分261、月別仕掛品投入額263、及び月別製品投入額265の合計額を設定する。
次に、システム1は、月別投入額計267の額を、対応する月の月別製品売上208の額で除することで、原材料投入比率268を算出する。
次に、システム1は、前期中に在庫として計上された原材料の額を算出し、単位材料在庫割当高269の合計額に設定する。具体的には、前々年度の棚卸資産に計上された材料額である約1413万円及び前年度の棚卸資産に計上された材料額である1539万円の差額である約125万9千円を算出し、単位材料在庫割当高269の合計額に設定する。また、システム1は、同額を月別材料在庫割当高270の合計額に設定する。
次に、システム1は、単位投入用仕入高271の合計額及び月別投入用仕入高272の合計額に、製造原価報告書103の「原材料費合計」の額を設定する。次に、システム1は、単位割当仕入高273及び月別割当仕入高274の合計額に、前期中に在庫として計上された原材料の額を設定する。前期中に在庫として計上された原材料の額の算出方法は、既述の通りである。
次に、システム1は、月別投入額計267の各月における額が、月別投入額計267の合計額284に占める割合に応じて、月別材料在庫割当高270の合計額を月別材料在庫割当高270の各月に分配する。次に、システム1は、分配された月別材料在庫割当高270の額を3等分し、単位材料在庫割当高269に設定する。
次に、前期中に仕入れた原材料費について説明する。システム1は、単位投入用仕入高271に、材料在庫期間281を考慮した額を設定する。より具体的には、2017年4月11日(図7中の単位期間228)における単位投入用仕入高271の額には、材料在庫期間281の「10日」を考慮して、10日後の単位投入額計266の額と同額が設定される。つまり、2017年4月21日に投入される原材料費は、2017年4月11日に仕入れる原材料費として計上されるように、前倒して設定される。なお、ここでも原材料費の合計額を変更しないように、単位投入用仕入高271の額を単位投入額計266の額からずらして設定する。
次に、システム1は、単位割当仕入高273には、材料在庫期間281を考慮した、単位材料在庫割当高269の額を設定する。システム1は、月別投入用仕入高272、及び月別割当仕入高274の額にそれぞれ、月別251に属する単位期間252に対応する単位投入用仕入高271、単位割当仕入高273の合計額を設定する。
システム1は、単位仕入額計275に、対応する単位期間252における単位投入用仕入高271、及び単位割当仕入高273の合計額を設定する。システム1は、月別仕入額計276に、対応する月別251における月別投入用仕入高272、及び月別割当仕入高274の合計額を設定する。システム1は、単位仕入額計275の合計額に、各単位期間252における単位仕入額計275の額を合計した額を設定する。さらに、システム1は、月別仕入額計276の合計額に、各月別251における月別仕入額計276の額を合計した額を設定する。
システム1は、月末棚卸高277に、月初棚卸高253の額から、月別投入額計267の額を差し引き、月別仕入額計276の額を加えた額を設定する。以上のように、原材料費内訳表250のすべての項目の値を設定することができる。
図5の説明に戻る。システム1は、ステップS1において読み込まれた情報、及びステップS11において生成された売上高内訳表に基づいて、外注費内訳表を生成する(ステップS13)。図8は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、外注費内訳表の一例を示す図である。
[外注費内訳表]
外注費内訳表300には、月別301、単位期間302、単位売上相当分303、月別売上相当分304、単位仕掛品相当分305、月別仕掛品相当分306、単位製品相当分307、月別製品相当分308、期中売上分309、期中仕掛品分310、期中製品分311、期中売上分312、期中仕掛品分313、期中製品分314、期中売上分315、期中仕掛品分316、期中製品分317、期中売上分318、期中仕掛品分319、期中製品分320、単位期中売上分321、月別期中売上分322、単位期中仕掛品分323、月別期中仕掛品分324、単位期中製品分325、月別期中製品分326、単位投入分計327、及び月別投入分計328が含まれ得る。
また、製品の売上に占める外注費の比率である外注比率330が外注費内訳表300に設定され得る。さらに、原材料費内訳表250の生成に使用した、材料在庫期間281、仕掛在庫期間282、及び製品在庫期間283も使用可能に設定され得る。
月別301は、外注費内訳表の対象とする期間を構成する複数の所定の期間を表す。月別301は月別201及び月別251と同一の期間である。単位期間302は、月別301で示した期間を構成する複数の所定の期間を表す。単位期間302は単位期間202及び単位期間252と同一の期間である。
単位売上相当分303は、ステップS11において生成された売上高内訳表に示す単位製品売上207を売り上げるために必要な外注費を表す。月別売上相当分304は、ステップS11において生成された売上高内訳表に示す月別製品売上208を売り上げるために必要な外注費を表す。
単位仕掛品相当分305は、前々年度の棚卸資産に計上された仕掛品及び前年度の棚卸資産に計上された仕掛品の差額のうち、外注費に相当する額を各単位期間302に割り振った値である。月別仕掛品相当分306は、前々年度の棚卸資産に計上された仕掛品及び前年度の棚卸資産に計上された仕掛品の差額のうち、外注費に相当する額を、各月別301に割り振った値である。月別仕掛品相当分306は、当該月別301に属する単位期間302の単位仕掛品相当分305の合計額である。
単位製品相当分307は、前々年度の棚卸資産に計上された製品及び前年度の棚卸資産に計上された製品の差額のうち、外注費に相当する額を、各単位期間302に割り振った値である。月別製品相当分308は、前々年度の棚卸資産に計上された製品及び前年度の棚卸資産に計上された製品の差額のうち、外注費に相当する額を、各月別301に割り振った値である。月別製品相当分308は、当該月別301に属する単位期間302の単位製品相当分307の合計額である。
期中売上分309、期中仕掛品分310、期中製品分311、期中売上分312、期中仕掛品分313、期中製品分314、期中売上分315、期中仕掛品分316、期中製品分317、期中売上分318、期中仕掛品分319、及び期中製品分320は、仕掛在庫期間282を考慮した、月別301における外注費の投入額を表す。
単位期中売上分321は、当該単位期間302における、期中売上分309、期中売上分312、期中売上分315、及び期中売上分318の合計額である。月別期中売上分322は、月別301に属する単位期間302の単位期中売上分321の合計額である。
単位期中仕掛品分323は、当該単位期間302における、期中仕掛品分310、期中仕掛品分313、期中仕掛品分316、及び期中仕掛品分319の合計額である。月別期中仕掛品分324は、月別301に属する単位期間302の単位期中仕掛品分323の合計額である。
単位期中製品分325は、当該単位期間302における、期中製品分311、期中製品分314、期中製品分317、及び期中製品分320の合計額である。月別期中製品分326は、月別301に属する単位期間302の単位期中製品分325の合計額である。
単位投入分計327は、当該単位期間302における、単位期中売上分321、単位期中仕掛品分323、及び単位期中製品分325の合計額である。月別投入分計328は、月別301に属する単位期間302の単位投入分計327の合計額である。
[外注費内訳表生成処理]
次に、外注費内訳表300の各項目の値の設定処理について説明する。システム1は、外注比率330を算出する。外注比率330は、製品の売上高に対して外注費が占める割合である。
ここで、製造原価報告書103に含まれる「外注費合計」には、前期中に販売できなかった製品又は仕掛品に関する外注費も含まれる。そこで、在庫分の外注費を除外することで、より正確な外注比率を算出することができる。
[外注比率算出処理]
システム1は、総製造費用において外注費が占める割合を算出する。より具体的には、製造原価報告書103に含まれた「外注費合計」の約3819万円を、製造原価報告書103に含まれた「総製造費用」の約2億5893万円により除することで算出できる。総製造費用に対して外注費合計が占める割合は、約14.75%となる。
原材料比率算出処理でも算出したように、前期中に在庫として計上された製品及び仕掛品の額合計約420万円である。この前期中に在庫になった製品及び仕掛品の額に、総製造費用に対して外注費が占める割合約14.75%を乗じた約62万円が、前期において製品の売上額に寄与しなかった額と言える。
次に、システム1は、前期中の外注費合計の約3819万円から、製品の売上額に寄与しなかった額約62万円を差し引いた額を、製品の売上高で除する。製品の売上高は、売上高内訳表200の単位製品売上207の合計額209であり、約3億2778万円である。システム1は、除した結果である約11.462%を、外注比率330として設定する。
次に、月別301及び単位期間302ごとに定められる項目について説明する。まず、各月の製品売上額を満たすために必要な量に関する外注費(図8中の「外注費(必要量)」)について説明する。システム1は、各月に対応する売上高内訳表200の月別製品売上208の額に外注比率330を乗じた値を、月別売上相当分304の各月における額として設定する。次に、システム1は、設定された月別売上相当分304の額を3等分し、単位売上相当分303に設定する。システム1は、月別売上相当分304の額を合計し、単位売上相当分303及び月別売上相当分304の合計額に設定する。
次に、システム1は、月別仕掛品相当分306の合計額333に、前期中に在庫として計上された仕掛品の額に、前記製造費用に対して外注費が占める割合を乗じた額を設定する。具体的には、前期中に在庫として計上された仕掛品の在庫高である約41万8千円に、外注費が占める割合である約14.75%を乗じた約6万2千円を、前期中に仕掛品の製造に投入した外注費の合計額として設定する。単位仕掛品相当分305の合計額にも合計額333と同額を設定する。
次に、システム1は、月別製品相当分308の合計額に、前期中に在庫として計上された製品の額に、前記製造費用に対して外注費が占める割合を乗じた額を設定する。具体的には、前期中に在庫として計上された製品の在庫高である約378万3千円に、外注費が占める割合である約14.75%を乗じた約55万8千円を、前期中に製品として投入した外注費の合計額として設定する。単位製品相当分307の合計額にも同額を設定する。
次に、期中に投入した外注費を計算する。システム1は、仕掛在庫期間282及び製品在庫期間283を考慮して、単位売上相当分303に対応する額を、期中売上分309、期中売上分312、期中売上分315、及び期中売上分318に分配する。
ここで、仕掛在庫期間282は「40日」であり、単位期間302は10日単位である。つまり、仕掛在庫期間282は、4つ分の単位期間302から構成される。そこで、システム1は、単位売上相当分303を売り上げるために必要な外注費を、4つの単位期間に分配する。
具体例を用いて説明する。2017年6月21日(図8中の単位期間340)における単位売上相当分303の額351(約136万1千円)を4等分し、製品在庫期間283の「20日」を考慮したうえで、製造期間に対応する複数の単位期間に等分した額を分配する。該等分した額は約34万円である。
単位期間340から製品在庫期間の「20日」を考慮すると、2017年6月1日の期間に該当する。ここから、製造中の期間、つまり仕掛在庫期間の期間にわたって、単位期間ごとに単位売上相当分303の額351を分配する。すなわち、さらに「10日前」の期中売上分318においては、2017年5月21日(図8中の単位期間343)に分配した額355を設定する。
さらに、システム1は、単位期間である10日をずらして、「外注費投入(20日前)」の期中売上分315に分配する。期中売上分315においては、2017年5月11日(図8中の単位期間342)に額354を設定する。同様に、期中売上分312においては、2017年5月1日(図8中の単位期間341)に額353を、期中売上分309においては、2017年4月21日に額352をそれぞれ設定する。
システム1は、期中売上分309に設定された額の合計を合計額として設定する。同様に、期中製品分311、期中売上分312、期中仕掛品分313、期中製品分314、期中売上分315、期中仕掛品分316、期中製品分317、期中売上分318、期中仕掛品分319、及び期中製品分320に設定された額の合計を合計額として設定する。
このように、製品を製造していた期間にわたって外注費を案分することで、売り上げに応じた外注費を割り当てることができ、より精緻な分析を可能とすることができる。
ところで、単位期間をずらして単位売上相当分303の額を分配した場合に、外注費の合計額を変更しないように、期中売上分309、312、315、及び318が設定されることが好ましい。仕掛在庫期間及び製品在庫期間を考慮して、前倒して額を設定できる単位期間についてはそのまま設定し、前倒して対象期間を超えてしまう場合には、原材料費内訳表で示したように、当該内訳表の最先の対象期間までの日数を減じたうえで、残った日数を最遅の日付(図8中では2018年3月31日)から計算して定まる単位期間に設定するようにしてもよい。
期中売上分309の設定と同様に、システム1は、仕掛在庫期間282及び製品在庫期間283を考慮して、単位仕掛品相当分305に対応する額を、期中仕掛品分310、期中仕掛品分313、期中仕掛品分316、及び期中仕掛品分319に分配する。また、システム1は、仕掛在庫期間282及び製品在庫期間283を考慮して、単位製品相当分307に対応する額を、期中製品分311、期中製品分314、期中製品分317、及び期中製品分320に分配する。
次に、システム1は、単位期中売上分321に、対応する単位期間302における期中売上分309、期中売上分312、期中売上分315、及び期中売上分318の合計額を設定する。システム1は、月別期中売上分322に、当該月別に属する単位期間における単位期中売上分321の合計額を設定する。
次に、システム1は、単位期中仕掛品分323に、対応する単位期間302における期中仕掛品分310、期中仕掛品分313、期中仕掛品分316、及び期中仕掛品分319の合計額を設定する。システム1は、月別期中仕掛品分324に、当該月別に属する単位期間における単位期中仕掛品分323の合計額を設定する。
次に、システム1は、単位期中製品分325に、対応する単位期間302における期中製品分311、期中製品分314、期中製品分317、及び期中製品分320の合計額を設定する。システム1は、月別期中製品分326に、当該月別に属する単位期間における単位期中製品分325の合計額を設定する。
次に、システム1は、単位投入分計327に、対応する単位期間302における単位期中売上分321、単位期中仕掛品分323、及び単位期中製品分325の合計額を設定する。システム1は、月別投入分計328に、対応する月別301における月別期中売上分322、月別期中仕掛品分324、及び月別期中製品分326の合計額を設定する。以上のように、外注費内訳表300のすべての項目の値を設定することができる。
図5の説明に戻る。システム1は、ステップS1において読み込まれた情報、及びステップS13において生成された外注費内訳表に基づいて、労務費内訳表を生成する(ステップS14)。図9は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、労務費内訳表の一例を示す図である。
[労務費内訳表]
労務費内訳表400には、月別401、単位期間402、月別期中製造分403、単位期中製造分404、内訳(40日前)405、内訳(30日前)406、内訳(20日前)407、内訳(10日前)408、月別期中仕掛品分409、単位期中仕掛品分410、内訳(40日前)411、内訳(30日前)412、内訳(20日前)413、内訳(10日前)414、月別期中製品分415、単位期中製品分416、内訳(40日前)417、内訳(30日前)418、内訳(20日前)419、内訳(10日前)420、月別期中計421、内訳(40日前)422、内訳(30日前)423、内訳(20日前)424、及び内訳(10日前)425が含まれ得る。また、原材料費内訳表250の生成に使用した、材料在庫期間281、仕掛在庫期間282、及び製品在庫期間283も使用可能に設定され得る。
月別401は、労務費内訳表の対象とする期間を構成する複数の所定の期間を表す。月別401は月別201、月別251及び月別301と同一の期間である。単位期間402は、月別401で示した期間を構成する複数の所定の期間を表す。単位期間402は単位期間202、単位期間252及び単位期間302と同一の期間である。
月別期中製造分403は、期中に売り上げた製品を製造するための労務費を月別に表したものである。単位期中製造分404は、期中に売り上げた製品を製造するための労務費を単位期間402に割り振った値である。
内訳(40日前)405、内訳(30日前)406、内訳(20日前)407、及び内訳(10日前)408は、仕掛在庫期間282を考慮した、期中に売り上げた製品を製造するための、単位期間402における労務費を表す。内訳(40日前)405、内訳(30日前)406、内訳(20日前)407、及び内訳(10日前)408の合算値は、単位期中製造分404の額と同じである。
月別期中仕掛品分409は、前々年度の棚卸資産に計上された仕掛品及び前年度の棚卸資産に計上された仕掛品の差額のうち、労務費に相当する額を、各月別401に割り振った値である。単位期中仕掛品分410は、前々年度の棚卸資産に計上された仕掛品及び前年度の棚卸資産に計上された仕掛品の差額のうち、労務費に相当する額を各単位期間402に割り振った値である。月別期中仕掛品分409は、当該月別401に属する単位期間402の単位期中仕掛品分410の合計額である。
内訳(40日前)411、内訳(30日前)412、内訳(20日前)413、及び内訳(10日前)414は、仕掛在庫期間282を考慮した、在庫として計上された仕掛品を製造するための、単位期間402における労務費を表す。内訳(40日前)411、内訳(30日前)412、内訳(20日前)413、及び内訳(10日前)414の合算値は、単位期中仕掛品分410の額と同じである。
月別期中製品分415は、前々年度の棚卸資産に計上された製品及び前年度の棚卸資産に計上された製品の差額のうち、労務費に相当する額を、各月別401に割り振った値である。単位期中製品分416は、前々年度の棚卸資産に計上された製品及び前年度の棚卸資産に計上された製品の差額のうち、労務費に相当する額を各単位期間402に割り振った値である。月別期中製品分415は、当該月別401に属する単位期間402の単位期中製品分416の合計額である。
内訳(40日前)417、内訳(30日前)418、内訳(20日前)419、及び内訳(10日前)420は、仕掛在庫期間282を考慮した、在庫として計上された製品を製造するための、単位期間402における労務費を表す。内訳(40日前)417、内訳(30日前)418、内訳(20日前)419、及び内訳(10日前)420の合算値は、単位期中製品分416の額と同じである。
月別期中計421は、月別401における、月別期中製造分403、月別期中仕掛品分409、及び月別期中製品分415の合計額である。月別期中計421は、当該月別401に属する単位期間402の内訳(40日前)422、内訳(30日前)423、内訳(20日前)424、及び内訳(10日前)425の合計額である。
内訳(40日前)422は、各単位期間402における内訳(40日前)405、内訳(40日前)411、及び内訳(40日前)417の合計額である。内訳(30日前)423は、各単位期間402における内訳(30日前)406、内訳(30日前)412、及び内訳(30日前)418の合計額である。内訳(20日前)424は、各単位期間402における内訳(20日前)407、内訳(20日前)413、及び内訳(20日前)419の合計額である。内訳(10日前)425は、各単位期間402における内訳(10日前)408、内訳(10日前)414、及び内訳(10日前)420の合計額である。
[労務費内訳表生成処理]
次に、労務費内訳表400の各項目の値の設定処理について説明する。システム1は、労務比率430を算出する。労務比率430は、製品の売上高に対して労務費が占める割合である。
ここで、製造原価報告書103に含まれる「労務費合計」には、前期中に販売できなかった製品又は仕掛品に関する労務費も含まれる。そこで、在庫分の労務費を除外することで、より正確な労務比率を算出することができる。
[労務比率算出処理]
システム1は、総製造費用において労務費が占める割合を算出する。より具体的には、製造原価報告書103に含まれた「労務費合計」の約6974万円を、製造原価報告書103に含まれた「総製造費用」の約2億5893万円により除することで算出できる。総製造費用に対して労務費合計が占める割合は、約26.94%となる。
原材料比率算出処理でも算出したように、前期中に在庫として計上された製品及び仕掛品の額合計約420万円である。この額に、総製造費用に対して労務費が占める割合26.94%を乗じた約113万円が、前期において製品の売上額に寄与しなかった額と言える。
次に、システム1は、前期中の労務費合計の約6974万円から、製品の売上額に寄与しなかった額約113万円を差し引いた額を、製品の売上高で除する。製品の売上高は、売上高内訳表200の単位製品売上207の合計額209であり、約3億2778万円である。システム1は、除した結果である約20.933%を、労務比率430として設定する。
次に、月別401及び単位期間402ごとに定められる項目について説明する。まず、システム1は、月別期中計421の合計額に、製造原価報告書103の「労務費合計」の額を設定する。
次に、システム1は、月別期中仕掛品分409及び単位期中仕掛品分410の合計額に、前期中に在庫として計上された仕掛品の額に、前記製造費用に対して労務費が占める割合を乗じた額を設定する。具体的には、前期中に在庫として計上された仕掛品の在庫高である約41万8千円に、労務費が占める割合である約26.94%を乗じた約11万3千円を、前期中に仕掛品の製造に投入した労務費の合計額として設定する。
次に、システム1は、月別期中製品分415及び単位期中製品分416の合計額に、前期中に在庫として計上された製品の額に、前記製造費用に対して労務費が占める割合を乗じた額を設定する。具体的には、前期中に在庫として計上された製品の在庫高である約378万3千円に、労務費が占める割合である約26.94%を乗じた約101万9千円を、前期中に製品として投入した労務費の合計額として設定する。
次に、期中に投入した労務費を計算する。システム1は、月別期中計421の合計額から、月別期中仕掛品分409の合計額及び月別期中製品分415の合計額を差し引いた額を月別期中製造分403及び単位期中製造分404の合計額に設定する。
次に、システム1は、月別期中製造分403の各月に、月別期中製造分403の合計額を等分した額を設定する。同様に、単位期中製造分404の各単位期間に、単位期中製造分404の合計額を等分した額を設定する。
次に、単位期中製造分404の内訳の設定について説明する。システム1は、単位期中製造分404の額に、外注費内訳表300の単位期中売上分321に対して外注費投入(40日前)の期中売上分309が占める割合を乗じた額を、内訳(40日前)405に設定する。
具体的には、単位期間431(2017年4月21日)を例に説明する。単位期中製造分404の額は約190万円であり、外注費内訳表300の2017年4月21日の単位期間において、単位期中売上分321の額は約121万8千円、外注費投入(40日前)の期中売上分309の額は約34万円である。したがって、システム1は、約190万円に約27.9%を乗じた、約53万2千円を単位期間431の内訳(40日前)405の額に設定する。
システム1は、内訳(30日前)406、内訳(20日前)407、及び内訳(10日前)408にも内訳(40日前)405と同様に、外注費内訳表300の値を参照して、値を設定する。
ここで、内訳が40日前からである理由は、仕掛在庫期間が「40日」であることに起因する。内訳が10日毎である理由は、単位期間が10日毎であることに起因する。
次に、単位期中仕掛品分410の内訳の設定について説明する。システム1は、単位期中仕掛品分410の額に、外注費内訳表300の単位期中仕掛品分323に対して外注費投入(40日前)の期中仕掛品分310が占める割合を乗じた額を、内訳(40日前)411に設定する。
具体的には、単位期間431(2017年4月21日)を例に説明する。単位期中仕掛品分410の額は約3100円であり、外注費内訳表300の2017年4月21日の単位期間において、単位期中仕掛品分323の額は約2千円、外注費投入(40日前)の期中仕掛品分310の額は約600円である。したがって、システム1は、約2千円に約27.9%を乗じた、約900円を単位期間431の内訳(40日前)411の額に設定する。
システム1は、内訳(30日前)412、内訳(20日前)413、及び内訳(10日前)414にも内訳(40日前)411と同様に、外注費内訳表300の値を参照して、値を設定する。
次に、単位期中製品分416の内訳の設定について説明する。システム1は、単位期中製品分416の額に、外注費内訳表300の単位期中製品分325に対して外注費投入(40日前)の期中製品分311が占める割合を乗じた額を、内訳(40日前)417に設定する。
具体的には、単位期間431(2017年4月21日)を例に説明する。単位期中製品分416の額は約2万8千円であり、外注費内訳表300の2017年4月21日の単位期間において、単位期中製品分325の額は約1万8千円、外注費投入(40日前)の期中製品分311の額は約5万1千円である。したがって、システム1は、約2万8千円に約27.9%を乗じた、約7千900円を単位期間431の内訳(40日前)417の額に設定する。
システム1は、内訳(30日前)418、内訳(20日前)419、及び内訳(10日前)420にも内訳(40日前)417と同様に、外注費内訳表300の値を参照して、値を設定する。
次に、システム1は、期中計の内訳(40日前)422に、内訳(40日前)405、内訳(40日前)411、及び内訳(40日前)417の合計額を設定する。同様に、システム1は、期中計の内訳(30日前)423に、内訳(30日前)406、内訳(30日前)412、及び内訳(30日前)418の合計額を設定する。システム1は、期中計の内訳(20日前)424に、内訳(20日前)407、内訳(20日前)413、及び内訳(20日前)419の合計額を設定する。システム1は、期中計の内訳(10日前)425に、内訳(10日前)408、内訳(10日前)414、及び内訳(10日前)420の合計額を設定する。以上のように、労務費内訳表400のすべての項目の値を設定することができる。
労務費内訳表400は、外注費内訳表300を参照して値を設定していることから、仕掛在庫期間282及び製品在庫期間283を考慮して値を設定していると言える。
図5の説明に戻る。システム1は、ステップS1において読み込まれた情報、及びステップS13において生成された外注費内訳表に基づいて、その他経費内訳表を生成する(ステップS15)。図10は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、その他経費内訳表の一例を示す図である。
[その他経費内訳表]
その他経費内訳表450には、月別451、単位期間452、月別期中製造分453、単位期中製造分454、内訳(40日前)455、内訳(30日前)456、内訳(20日前)457、内訳(10日前)458、月別期中仕掛品分459、単位期中仕掛品分460、内訳(40日前)461、内訳(30日前)462、内訳(20日前)463、内訳(10日前)464、月別期中製品分465、単位期中製品分466、内訳(40日前)467、内訳(30日前)468、内訳(20日前)469、内訳(10日前)470、月別荷造運賃471、月別減価償却費472、月別その他製造経費473、月別期中計474、内訳(40日前)475、内訳(30日前)476、内訳(20日前)477、及び内訳(10日前)478が含まれ得る。
月別451は、その他経費内訳表の対象とする期間を構成する複数の所定の期間を表す。月別451は月別201、月別251、月別301及び月別401と同一の期間である。単位期間452は、月別451で示した期間を構成する複数の所定の期間を表す。単位期間452は単位期間202、単位期間252、単位期間302及び単位期間402と同一の期間である。
月別期中製造分453は、期中に売り上げた製品を製造するためのその他経費を月別に表したものである。単位期中製造分454は、期中に売り上げた製品を製造するためのその他経費を単位期間452に割り振った値である。
内訳(40日前)455、内訳(30日前)456、内訳(20日前)457、及び内訳(10日前)458は、仕掛在庫期間282を考慮した、期中に売り上げた製品を製造するための、単位期間452におけるその他経費を表す。内訳(40日前)455、内訳(30日前)456、内訳(20日前)457、及び内訳(10日前)458の合算値は、単位期中製造分454の額と同じである。
月別期中仕掛品分459は、前々年度の棚卸資産に計上された仕掛品及び前年度の棚卸資産に計上された仕掛品の差額のうち、その他経費に相当する額を、各月別451に割り振った値である。単位期中仕掛品分460は、前々年度の棚卸資産に計上された仕掛品及び前年度の棚卸資産に計上された仕掛品の差額のうち、その他経費に相当する額を各単位期間452に割り振った値である。月別期中仕掛品分459は、当該月別451に属する単位期間452の単位期中仕掛品分460の合計額である。
内訳(40日前)461、内訳(30日前)462、内訳(20日前)463、及び内訳(10日前)464は、仕掛在庫期間282を考慮した、在庫として計上された仕掛品を製造するための、単位期間452におけるその他経費を表す。内訳(40日前)461、内訳(30日前)462、内訳(20日前)463、及び内訳(10日前)464の合算値は、単位期中仕掛品分460の額と同じである。
月別期中製品分465は、前々年度の棚卸資産に計上された製品及び前年度の棚卸資産に計上された製品の差額のうち、その他経費に相当する額を、各月別451に割り振った値である。単位期中製品分466は、前々年度の棚卸資産に計上された製品及び前年度の棚卸資産に計上された製品の差額のうち、その他経費に相当する額を各単位期間452に割り振った値である。月別期中製品分465は、当該月別451に属する単位期間452の単位期中製品分466の合計額である。
内訳(40日前)467、内訳(30日前)468、内訳(20日前)469、及び内訳(10日前)470は、仕掛在庫期間282を考慮した、在庫として計上された製品を製造するための、単位期間452におけるその他経費を表す。内訳(40日前)467、内訳(30日前)468、内訳(20日前)469、及び内訳(10日前)470の合算値は、単位期中製品分466の額と同じである。
月別荷造運賃471は、製造原価報告書103の「荷造運賃」の額を、各月別451に割り振った値である。月別減価償却費472は、製造原価報告書103の「減価償却費」の額を、各月別451に割り振った値である。月別その他製造経費473は、製造原価報告書103の「リース料」、「賃貸料」、「消耗品費」、「修繕費」、「水道光熱費」、「旅費交通費」、「保険料」、「租税公課」、「その他課税」、及び「その他非課税」の合計額を、各月別451に割り振った値である。
月別期中計474は、月別451における、月別期中製造分453、月別期中仕掛品分459、及び月別期中製品分465の合計額である。また、月別期中計474は、月別荷造運賃471、月別減価償却費472、及び月別その他製造経費473の合計額である。月別期中計474は、当該月別451に属する単位期間452の内訳(40日前)475、内訳(30日前)476、内訳(20日前)477、及び内訳(10日前)478の合計額である。
内訳(40日前)475は、各単位期間452における内訳(40日前)455、内訳(40日前)461、及び内訳(40日前)467の合計額である。内訳(30日前)476は、各単位期間452における内訳(30日前)456、内訳(30日前)462、及び内訳(30日前)468の合計額である。内訳(20日前)477は、各単位期間452における内訳(20日前)457、内訳(20日前)463、及び内訳(20日前)469の合計額である。内訳(10日前)478は、各単位期間452における内訳(10日前)458、内訳(10日前)464、及び内訳(10日前)470の合計額である。
[その他経費内訳表生成処理]
次に、その他経費内訳表450の各項目の値の設定処理について説明する。図示しないが、システム1は、その他経費比率を算出する。その他経費比率は、製品の売上高に対して労務費が占める割合である。
システム1は、総製造費用において製造経費が占める割合を算出する。より具体的には、製造原価報告書103に含まれた「製造経費合計」の約5033万円を、製造原価報告書103に含まれた「総製造費用」の約2億5893万円により除することで算出できる。総製造費用に対して製造経費合計が占める割合は、約19.44%となる。
次に、システム1は、月別期中計474の合計額に、製造原価報告書103の「製造経費合計」の額を設定する。次に、システム1は、月別期中仕掛品分459及び単位期中仕掛品分460の合計額に、前期中に在庫として計上された仕掛品の額に、前記製造費用に対してその他経費が占める割合を乗じた額を設定する。具体的には、前期中に在庫として計上された仕掛品の在庫高である約41万8千円に、労務費が占める割合である約19.44%を乗じた約8万1千円を、前期中に仕掛品の製造に投入したその他経費の合計額として設定する。
次に、システム1は、月別期中製品分465及び単位期中製品分466の合計額に、前期中に在庫として計上された製品の額に、前記製造費用に対してその他経費が占める割合を乗じた額を設定する。具体的には、前期中に在庫として計上された製品の在庫高である約378万3千円に、その他経費が占める割合である約19.44%を乗じた約73万5千円を、前期中に製品として投入したその他経費の合計額として設定する。
次に、期中に投入したその他経費を計算する。システム1は、月別期中計474の合計額から、月別期中仕掛品分459の合計額及び月別期中製品分465の合計額を差し引いた額を月別期中製造分453及び単位期中製造分454の合計額に設定する。
次に、システム1は、月別荷造運賃471の合計額に、製造原価報告書103の「荷造運賃」の額を設定する。システム1は、月別減価償却費472の合計額に、製造原価報告書103の「減価償却費」の額を設定する。システム1は、月別その他製造経費473の合計額に、製造原価報告書103の「リース料」、「賃貸料」、「消耗品費」、「修繕費」、「水道光熱費」、「旅費交通費」、「保険料」、「租税公課」、「その他課税」、及び「その他非課税」の合計額を設定する。
次に、システム1は、外注費内訳表300の同月における、月別期中売上分322が月別投入分計328に占める割合に基づいて、月別期中製造分453の合計額を各月に設定する。同様に、単位期中製造分404の各単位期間には、各単位期間が属する月に設定された月別期中製造分453の額を等分して設定する。
次に、システム1は、売上高内訳表200における各月の月別製品売上208が月別製品売上208の合計額に占める割合に基づいて、月別荷造運賃471の合計額を各月の月別荷造運賃471に分配して設定する。
次に、システム1は、月別減価償却費472の合計額を、各月の月別減価償却費472に分配して設定する。分配は、各月の額を等分するように分配してもよいし、固定資産の増減があった場合にはそれをもとに償却費を算出するように分配してもよい。
次に、システム1は、月別その他製造経費473の合計額を、各月の月別その他製造経費473に等分して設定する。
次に、システム1は、月別期中計474を算出する。システム1は、各月の月別期中計474に、各月における月別荷造運賃471、月別減価償却費472、及び月別その他製造経費473の合計額を設定する。
次に、システム1は、月別期中製造分453、月別期中仕掛品分459、及び月別期中製品分465を算出する。システム1は、各月の月別期中計474の額に、外注費内訳表300における各月の月別期中売上分322が月別投入分計328に占める割合を乗じた額を各月の月別期中製造分453に設定する。システム1は、各月の月別期中計474の額に、外注費内訳表300における各月の月別期中仕掛品分324が月別投入分計328に占める割合を乗じた額を、各月の月別期中仕掛品分459に設定する。システム1は、各月の月別期中計474の額に、外注費内訳表300における各月の月別期中製品分326が月別投入分計328に占める割合を乗じた額を、各月の月別期中製品分465に設定する。
ここで、月別期中製造分453、月別期中仕掛品分459、及び月別期中製品分465の算出については、次のように算出してもよい。例えば、各月における月別期中計474の額が月別期中計474の合計額に占める割合に基づいて、月別期中製造分453の合計額、月別期中仕掛品分459の合計額、又は月別期中製品分465の合計額を各月の月別期中製造分453、月別期中仕掛品分459、及び月別期中製品分465を設定してもよい。
次に、システム1は、単位期中製造分454、単位期中仕掛品分460、及び単位期中製品分466に、それぞれの単位期間が属する月における月別期中製造分453、月別期中仕掛品分459、及び月別期中製品分465の額を3等分した額を設定する。
次に、単位期中製造分454の内訳の設定について説明する。システム1は、単位期中製造分454の額に、外注費内訳表300の単位期中売上分321に対して外注費投入(40日前)の期中売上分309が占める割合を乗じた額を、内訳(40日前)455に設定する。労務費内訳表400の内訳(40日前)405の算出と同様である。
システム1は、内訳(30日前)456、内訳(20日前)457、及び内訳(10日前)458にも内訳(40日前)455と同様に、外注費内訳表300の値を参照して、値を設定する。
ここで、内訳が40日前からである理由は、仕掛在庫期間が「40日」であることに起因する。内訳が10日毎である理由は、単位期間が10日毎であることに起因する。
次に、単位期中仕掛品分460の内訳の設定について説明する。システム1は、単位期中仕掛品分460の額に、外注費内訳表300の単位期中仕掛品分323に対して外注費投入(40日前)の期中仕掛品分310が占める割合を乗じた額を、内訳(40日前)461に設定する。
システム1は、内訳(30日前)462、内訳(20日前)463、及び内訳(10日前)464にも内訳(40日前)461と同様に、外注費内訳表300の値を参照して、値を設定する。
次に、単位期中製品分466の内訳の設定について説明する。システム1は、単位期中製品分466の額に、外注費内訳表300の単位期中製品分325に対して外注費投入(40日前)の期中製品分311が占める割合を乗じた額を、内訳(40日前)467に設定する。
システム1は、内訳(30日前)468、内訳(20日前)469、及び内訳(10日前)470にも内訳(40日前)467と同様に、外注費内訳表300の値を参照して、値を設定する。
次に、システム1は、期中計の内訳(40日前)475に、内訳(40日前)455、内訳(40日前)461、及び内訳(40日前)467の合計額を設定する。同様に、システム1は、期中計の内訳(30日前)476に、内訳(30日前)456、内訳(30日前)462、及び内訳(30日前)468の合計額を設定する。システム1は、期中計の内訳(20日前)477に、内訳(20日前)457、内訳(20日前)463、及び内訳(20日前)469の合計額を設定する。システム1は、期中計の内訳(10日前)478に、内訳(10日前)458、内訳(10日前)464、及び内訳(10日前)470の合計額を設定する。以上のように、その他経費内訳表450のすべての項目の値を設定することができる。
図5の説明に戻る。システム1は、ステップS1において読み込まれた情報、ステップS11において生成された売上高内訳表、ステップS12において生成された原材料費内訳表、ステップS13において生成された外注費内訳表、ステップS14において生成された労務費内訳表、及びステップS15において生成されたその他経費内訳表に基づいて、仕掛品棚卸高内訳表を生成する(ステップS16)。図11は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、仕掛品棚卸高内訳表の一例を示す図である。
[仕掛品棚卸高内訳表]
仕掛品棚卸高内訳表500には、月別501、単位期間502、単位期初棚卸高503、内訳(40日前)504、内訳(30日前)505、内訳(20日前)506、内訳(10日前)507、期中投入完成分508、期初在庫完成分509、製品完成分510、及び単位期末棚卸高511が含まれ得る。また、原材料費内訳表250の生成に使用した、材料在庫期間281、仕掛在庫期間282、及び製品在庫期間283も使用可能に設定され得る。
月別501は、仕掛品棚卸高内訳表の対象とする期間を構成する複数の所定の期間を表す。月別501は月別201、月別251等他の生成された内訳表と同一の期間である。単位期間502は、月別501で示した期間を構成する複数の所定の期間を表す。単位期間502は単位期間202、単位期間252等他の生成された内訳表と同一の期間である。
単位期初棚卸高503は、月別501の月初における仕掛品の棚卸高を表す。内訳(40日前)504、内訳(30日前)505、内訳(20日前)506、及び内訳(10日前)507は、仕掛在庫期間282を考慮した、期中に製造する仕掛品の投入額を表す。
期中投入完成分508は、期中に原材料や外注費等を投入して完成品を製造した額を表す。期初在庫完成分509は、前々年度の棚卸資産に計上された仕掛品及び前年度の棚卸資産に計上された仕掛品の差額を、各単位期間502に割り振った値である。
製品完成分510は、対象期間中に完成した製品の額を表し、期中投入完成分508の額から期初在庫完成分509の額を差し引いた額である。単位期末棚卸高511は、月末における仕掛品の棚卸高を表す。
[仕掛品棚卸高内訳表生成処理]
次に、仕掛品棚卸高内訳表の各項目の値の設定処理について説明する。システム1は、単位期初棚卸高503の額として、最先の単位期間502に、棚卸資産内訳105の前々期の「仕掛品」の在庫高を設定し、最遅の単位期間502に、棚卸資産内訳105の前期の「仕掛品」の在庫高を設定する。
次に、システム1は、原材料費内訳表250の単位投入額計266、外注費内訳表300の期中売上分309、期中仕掛品分310、期中製品分311、労務費内訳表400の内訳(40日前)422、及びその他経費内訳表450の内訳(40日前)475の合計額を内訳(40日前)504に設定する。原材料費は、製造を開始した時点で全額投入したものとするため、40日前の時点に計上する。
次に、システム1は、外注費内訳表300の期中売上分312、期中仕掛品分313、期中製品分314、労務費内訳表400の内訳(30日前)423、及びその他経費内訳表450の内訳(30日前)476の合計額を内訳(30日前)505に設定する。
次に、システム1は、外注費内訳表300の期中売上分315、期中仕掛品分316、期中製品分317、労務費内訳表400の内訳(20日前)424、及びその他経費内訳表450の内訳(20日前)477の合計額を内訳(20日前)506に設定する。
次に、システム1は、外注費内訳表300の期中売上分318、期中仕掛品分319、期中製品分320、労務費内訳表400の内訳(10日前)425、及びその他経費内訳表450の内訳(10日前)478の合計額を内訳(10日前)507に設定する。
次にシステム1は、期中投入完成分508の額を算出する。各単位期間502の期中投入完成分508の額は、40日前の内訳(40日前)504、30日前の内訳(30日前)505、20日前の内訳(20日前)506、及び10日前の内訳(10日前)507の合計額である。
より具体的に説明する。2017年5月11日(図中期間525)における期中投入完成分508の額は、2017年5月1日(図中期間524)の内訳(10日前)507の額、2017年4月21日(図中期間523)の内訳(20日前)506の額、2017年4月11日(図中期間522)の内訳(30日前)505の額、及び2017年4月1日(図中期間521)の内訳(40日前)504の額の合計額である。
一方、前期中の期間を超越してしまう場合についても説明する。2017年4月1日(図中期間521)の期中投入完成分508の場合に、10日前は前期の期間を超えてしまう。この場合には、期中最遅の単位期間である2018年3月21日(図中期間529)を10日前として計算する。同様に、20日前は2018年3月11日(図中期間528)、30日前は2018年3月1日(図中期間527)、40日前は2018年2月21日(図中期間526)として計算する。
次に、システム1は、期初在庫完成分509の額を算出する。期初在庫完成分509の額は、仕掛在庫期間282を考慮した原材料費として単位仕掛品投入額262、仕掛在庫期間282を考慮した外注費として期中仕掛品分310、期中仕掛品分313、期中仕掛品分316、及び期中仕掛品分319、仕掛在庫期間282を考慮した労務費として内訳(40日前)411、内訳(30日前)412、内訳(20日前)413、及び内訳(10日前)414、並びに、仕掛在庫期間282を考慮したその他経費として内訳(40日前)461、内訳(30日前)462、内訳(20日前)463、及び内訳(10日前)464の額の合計額である。
次に、システム1は、製品完成分510の額を算出する。製品完成分510は、期中投入完成分508の額から期初在庫完成分509の額を差し引いた額である。
次に、システム1は、単位期末棚卸高511の額を算出する。単位期初棚卸高503の額に、内訳(40日前)504の額、内訳(30日前)505の額、内訳(20日前)506の額、及び内訳(10日前)507の額を加え、製品完成分510の額を差し引いた額である。システム1は、単位期末棚卸高511の額を翌月の単位期初棚卸高503に設定する。以上のように、仕掛品棚卸高内訳表500のすべての項目の値を設定することができる。
図5の説明に戻る。システム1は、ステップS1において読み込まれた情報、ステップS11において生成された売上高内訳表、ステップS12において生成された原材料費内訳表、ステップS13において生成された外注費内訳表、ステップS14において生成された労務費内訳表、ステップS15において生成されたその他経費内訳表、及びステップS16において生成された仕掛品棚卸高内訳表に基づいて、在庫推移表を生成し(ステップS17)、在庫推移表生成処理を終了する。図12は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫推移表の一例を示す図である。
[在庫推移表]
在庫推移表600には、期首棚卸高601、材料仕入高602、年平均仕入高/日603、月平均仕入高/日604、期末棚卸高605、年平均棚卸高日数606、月平均棚卸高日数607、原材料費608、製品売上に対する原材料費の割合609、期首棚卸高610、当月投入611、原材料費612、外注費613、労務費614、その他経費615、期末棚卸高616、年平均投入金額/日617、月平均投入金額/日618、年平均棚卸高日数619、月平均棚卸高日数620、当月完成621、期首棚卸高622、当月完成623、期末棚卸高624、年平均完成金額/日625、月平均完成金額/日626、年平均棚卸高日数627、月平均棚卸高日数628、当月販売629、製品売上に対する製品原価の割合630、期首棚卸高631、当月仕入632、期末棚卸高633、当月販売634、期首棚卸高635、当月購入636、期末棚卸高637、及び当月消費638を含み得る。
原材料に関する項目について説明する。期首棚卸高601は、各月の月初における原材料の棚卸高を表し、原材料費内訳表250の月初棚卸高253の額と等しい。材料仕入高602は、月別の原材料の仕入れ額を表し、原材料費内訳表250の月別仕入額計276の額と等しい。
年平均仕入高/日603は、年間における一日当たりの平均仕入高を表す。月平均仕入高/日604は、各月における一日当たりの平均仕入高を表す。期末棚卸高605は、各月の月末における原材料の棚卸高を表し、原材料費内訳表250の月末棚卸高277の額と等しい。
年平均棚卸高日数606は、各月における期末棚卸高605の額を年平均仕入高/日603の額で除した値であり、在庫が何日分の仕入高に相当するかを表す指標である。月平均棚卸高日数607は、各月における期末棚卸高605の額を月平均仕入高/日604で除した値であり、在庫が何日分の仕入高に相当するかを表す指標である。原材料費608は、仕掛品に投入した原材料費を表し、原材料費内訳表250における月別投入額計267の額と等しい。
製品売上に対する原材料費の割合609は、各月における、売上高内訳表200の月別製品売上208の額に対する原材料費608の額が占める割合を表す。
次に、仕掛品に関する項目について説明する。期首棚卸高610は、各月の月初における仕掛品の棚卸高を表す。最先の製品完成分510の額は、棚卸資産内訳105における前々期の「仕掛品」の額と等しい。
当月投入611は、各月において仕掛品に投入した額を表し、原材料費612、外注費613、労務費614、及びその他経費615の合計額である。原材料費612は、各月において仕掛品に投入した原材料費を表し、原材料費608の額及び原材料費内訳表250の月別投入額計267の額と等しい。外注費613は、各月において仕掛品に投入した外注費を表し、外注費内訳表300における月別投入分計328の額と等しい。労務費614は、各月において仕掛品に投入した労務費を表し、労務費内訳表400における月別期中計421の額と等しい。その他経費615は、各月において仕掛品に投入したその他経費を表し、その他経費内訳表450における月別期中計474の額と等しい。
期末棚卸高616は、月末における仕掛品の在庫高を表し、期首棚卸高610の額に当月投入611の額を加え、当月完成621の額を差し引いた値である。年平均投入金額/日617は、年間における一日当たりの平均投入高を表す。月平均投入金額/日618は、各月における一日当たりの平均投入高を表す。
年平均投入金額/日617及び月平均投入金額/日618の少なくともいずれかは、単位原価算出部1105により算出される。
年平均棚卸高日数619は、各月における期末棚卸高616の額を年平均投入高/日617の額で除した値であり、月末の在庫が何日分の投入高に相当するかを表す指標である。月平均棚卸高日数620は、各月における期末棚卸高616の額を月平均投入高/日618で除した値であり、在庫が何日分の投入高に相当するかを表す指標である。
年平均棚卸高日数619及び月平均棚卸高日数620の少なくともいずれかは、日数表示部1106により表示される。
月末における在庫高を日数換算して表示することで、担当者は在庫の量が適正であるか否かを容易に判断することができる。
当月完成621は、完成した製品の額を表し、該当月に対応する、月別501に属する製品完成分510の合計額である。
次に、製品に関する項目について説明する。期首棚卸高622は、各月の月初における製品の棚卸高を表す。当月完成623は、各月において完成した製品の額を表し、当月完成621と等しい額である。期末棚卸高624は、月末における製品の在庫高を表し、期首棚卸高622の額に当月完成623の額を加え、後述する当月販売629の額を差し引いた額である。
年平均完成金額/日625は、年間における一日当たりの平均完成高を表す。月平均完成金額/日626は、各月における一日当たりの平均完成高を表す。年平均棚卸高日数627は、各月における期末棚卸高624の額を年平均完成金額/日625の額で除した値であり、月末の在庫が何日分の完成高に相当するかを表す指標である。月平均棚卸高日数628は、各月における期末棚卸高624の額を月平均完成金額/日626で除した値であり、在庫が何日分の完成高に相当するかを表す指標である。
年平均棚卸高日数627及び月平均棚卸高日数628のいずれかが製品在庫期間283より大きい値である場合に、アラート報知部1107によりアラートを報知するようにしてもよい。
当月販売629は、各月において売り上げた製品の原価額を表し、製品在庫期間を考慮した仕掛品棚卸高内訳表500の製品完成分510の額、及び、前々年度の棚卸資産に計上された製品及び前年度の棚卸資産に計上された製品の差額を用いて算出した額である。製品売上に対する製品原価の割合630は、当月販売629の額がその月の製品売上額に占める割合を表し、具体的には、当月販売629の額を、売上高内訳表200の対応する月の月別製品売上208の額で除した割合である。
原材料、仕掛品、及び製品に関する項目の値は、上述した説明に示したように、売上高内訳表200、原材料費内訳表250、外注費内訳表300、労務費内訳表400、その他経費内訳表450、及び仕掛品棚卸高内訳表500を用いることで導出することができる。
次に、商品に関する項目について説明する。期首棚卸高631は、各月の月初における商品の棚卸高を表す。当月仕入632は、各月において仕入れた商品の額を表す。期末棚卸高633は、各月末における商品の棚卸高を表す。当月販売634は、各月において売り上げた商品の原価額を表す。商品の額に関しては、後述する第二の実施の形態において詳述するため、ここでは説明を割愛する。
次に、貯蔵品に関する項目について説明する。期首棚卸高635は、各月の月初における貯蔵品の棚卸高を表す。当月購入636は、各月において購入した貯蔵品の額を表す。期末棚卸高637は、各月末における貯蔵品の棚卸高を表す。当月消費638は、各月において消費した貯蔵品の額を表す。
貯蔵品に関する項目の値の導出について説明する。まず、システム1は、最先の期首棚卸高635に、棚卸資産内訳105の「貯蔵品」の前々期に示された額を設定する。次に、システム1は、最遅の期末棚卸高637に、棚卸資産内訳105の「貯蔵品」の前期に示された額を設定する。
次に、システム1は、前期において消費した貯蔵品の額を算出する。すなわち、前々期の貯蔵品の棚卸高から、前期の貯蔵品の棚卸高を差し引いた額が、消費した合計額となる。
具体的には、前々期の貯蔵品の棚卸高が9百万円であり、前期の貯蔵品の棚卸高が1百万円であるから、消費した合計額は8百万円である。この合計額を、システム1は当月消費638の合計額として設定する。
続いて、各月の当月消費638を算出する。ここでは、各月に等分したが、これに限定されない。所定の規則にしたがって分配するようにしてもよい。
ここでは、前期の貯蔵品の棚卸高が、前々期の貯蔵品の棚卸高よりも減少したことから、当月消費638を算出したが、前期の貯蔵品の棚卸高が、前々期の貯蔵品の棚卸高よりも増加した場合には、当月消費638を算出するのではなく、当月購入636を算出する。このように、棚卸高の差異に基づいて、いずれの項目を算出するか変更し得る。
次に、最先の月、すなわち、図12において2017年4月における、期末棚卸高637を算出する。具体的には、期首棚卸高635の9百万円から、当月消費638の約66万7千円を差し引いて、期末棚卸高637に設定する。ここで算出した期末棚卸高637の額は、システム1により翌月(2017年5月)における期首棚卸高635に設定される。これを繰り返し、貯蔵品に関する項目はすべて設定することができる。以上のように、在庫推移表600のすべての項目の値を設定することができる。
上述した在庫推移表600は、売上分配部1101、仕掛品原価推定部1102、必要原価算出部1103、計上期間決定部1104により作成され得た。仕掛品原価推定部1102は、原材料比率280、外注比率330、又は労務比率430を用いて、原材料費、外注費、労務費、及びその他経費の少なくとも一以上に関する仕掛品の原価を推定する。必要原価算出部1103は、原材料費内訳表250、外注費内訳表300、労務費内訳表400、及びその他経費内訳表450の少なくとも一以上に関する、売り上げに必要な原価を算出する。計上期間決定部1104は、必要原価算出部1103により算出された原価を計上する期間を定める。
図3の説明に戻る。システム1は、ステップS1で読み込んだ情報及びステップS2で生成した在庫推移表を含む複数の表の情報に基づいて、買掛金手形推移表を生成する(ステップS3)。図13は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、買掛金手形推移表の一例を示す図である。
買掛金手形推移表730を生成するためのパラメータとして、前払金割合701、前払サイト702、現金仕入割合703、月次買掛金支払率704、手形支払い割合705、及び手形サイト706が設定され得る。
前払金割合701は、仕入又は外注の支払いにおいて前払金が発生する割合を表す。前払サイト702は、発生した前払金が解消するまでにかかる期間を表す。現金仕入割合703は、仕入れの額のうち現金で支払う割合を表す。
月次買掛金支払率704は、当期内の所定の期間(例えば、ひと月)ごとに、同一の割合で買掛金を支払った場合に、当期期首の買掛金残高及び当期期末の買掛金残高が、貸借対照表101の「買掛金」に記載された残高と合致するように設定された率である。
手形支払い割合705は、支払った買掛金のうち手形で支払う割合を表す。手形サイト706は、手形が振り出されるまでの期間を表す。
前払金割合701、前払サイト702、現金仕入割合703、月次買掛金支払率704、手形支払い割合705、及び手形サイト706は、図示するように、仕入に関する値と外注費に関する値とをそれぞれ設定し得る。仕入に関する値及び外注費に関する値はそれぞれ同じでもよいし、異なる値を設定してもよい。また、前払サイト702及び手形サイト706は、業種ごとに定まり得る期間であるため、予め設定した値を用いるようにしてもよい。
[仕入推移表]
買掛金手形推移表を生成するために、システム1は、仕入の推移を表す仕入推移表710を生成する。システム1は、対応する各月における、在庫推移表600の材料仕入高602及び商品の当月仕入632の合計額を、仕入712に設定する。システム1は、対応する各月における、在庫推移表600の外注費613の額を、外注713に設定する。
さらに、仕入712の額及び外注713の額の合計額を、仕入外注(税抜)711の額に設定する。そして、仕入外注(税抜)711、仕入712、及び外注713の合計額をそれぞれの合計の枠に設定する。
次に、システム1は、仕入712に消費税(図中では消費税率8%を想定)を加味して仕入715を設定する。同様に、外注713に消費税を加味して外注716を設定する。さらに、仕入715及び外注716の合計額を、仕入外注(税込)714に設定する。システム1は、仕入外注(税込)714、仕入715、及び外注716の合計額をそれぞれの合計の枠に設定する。以上で、仕入推移表710のすべての項目に値を設定することができる。
[買掛金手形推移表]
次に、システム1は買掛金手形推移表730を生成する。買掛金手形推移表730は、月初前払金残高731、月初買掛金残高732、仕入733、外注734、月初手形残高735、買掛金-現金支払736、仕入737、外注738、買掛金-手形支払739、仕入740、外注741、買掛金支払合計742、仕入743、外注744、手形期日落ち745、仕入746、外注747、仕入発生(税込)748、仕入749、外注750、前払金解消751、仕入752、外注753、仕入現金支払754、仕入755、外注756、買掛金発生757、仕入758、外注759、前払金発生760、仕入761、外注762、現金支払合計763、買掛金支払率764、月末前払金残高765、月末買掛金残高766、仕入767、外注768、及び月末手形残高769を含み得る。
月初前払金残高731は、月初における前払金の残高を表す。最先の月における月初前払金残高731は、前々期における貸借対照表101の前払金の額である。他の月初前払金残高731は、前月の月末前払金残高765の額と同額である。
月初買掛金残高732は、月初における買掛金の残高を表す。最先の月における月初買掛金残高732は、前々期における貸借対照表101の買掛金の額である。他の月初買掛金残高732は、前月の月末買掛金残高766の額と同額である。
仕入733は、月初買掛金残高732のうち、仕入に関する残高を表す。外注734は、月初買掛金残高732のうち、外注費に関する残高を表す。月初手形残高735は、月初における手形の残高を表す。
月買掛金-現金支払736は、当月に支払う買掛金のうち、現金により支払う額を表す。仕入737は、月買掛金-現金支払736のうち、仕入に関する現金支払いの額を表す。外注738は、月買掛金-現金支払736のうち、外注費に関する現金支払いの額を表す。
買掛金-手形支払739は、当月に支払う買掛金のうち、手形により支払う額を表す。仕入740は、買掛金-手形支払739のうち、仕入に関する手形支払いの額を表す。外注741は、買掛金-手形支払739のうち、外注費に関する手形支払いの額を表す。
買掛金支払合計742は、当月に支払う買掛金の合計額を表す。仕入743は、買掛金支払合計742のうち、仕入に関する支払額を表す。外注744は、買掛金支払合計742のうち、外注費に関する支払額を表す。
手形期日落ち745は、月初手形残高735の額のうち、当月に手形の期日を迎えて現金化できた額を表す。仕入746は、手形期日落ち745のうち、仕入に関する額を表す。外注747は、手形期日落ち745のうち、外注費に関する額を表す。
仕入発生(税込)748は、当月に発生した消費税込みの仕入額を表し、仕入外注(税込)714と同額である。仕入749は、仕入発生(税込)748のうち、材料及び商品の仕入れに関する額を表し、仕入715と同額である。外注750は、仕入発生(税込)748のうち、外注費に関する額を表し、外注716と同額である。
前払金解消751は、仕入発生(税込)748のうち、前払金と相殺した額を表す。仕入752は、前払金解消751のうち、仕入に関する額を表し、仕入749の額から相殺した前払金を表す。外注753は、前払金解消751のうち、外注費に関する額を表し、外注750の額から相殺した前払金を表す。
仕入現金支払754は、仕入発生(税込)748のうち、現金で支払った額を表す。仕入755は、仕入現金支払754のうち、仕入に関する額を表し、仕入749の額から現金で支払った額を表す。外注756は、仕入現金支払754のうち、外注費に関する額を表し、外注750の額から現金で支払った額を表す。
買掛金発生757は、当月発生した買掛金の額を表し、仕入発生(税込)748の額から前払金解消751の額及び仕入現金支払754の額を差し引いた額である。仕入758は、買掛金発生757のうち、仕入に関する額を表す。外注759は、買掛金発生757のうち、外注費に関する額を表す。
前払金発生760は、当月発生した前払金の額を表し、前払サイト702を考慮して、前払金解消751から導出される額である。仕入761は、前払金発生760のうち、仕入に関する額を表す。外注762は、前払金発生760のうち、外注費に関する額を表す。
現金支払合計763は、当月に支払った現金の合計額であり、買掛金-現金支払736、手形期日落ち745、仕入現金支払754、及び前払金発生760の合計額である。
買掛金支払率764は、月初にあった買掛金残高から支払った買掛金の割合を表し、買掛金支払合計742の額を月初買掛金残高732の額で除した値である。
月末前払金残高765は、月末における前払金の残高を表し、月初前払金残高731の額から前払金解消751の額を差し引き、前払金発生760の額を加えた額である。月末買掛金残高766は、月末における買掛金の残高を表し、月初買掛金残高732の額から買掛金支払合計742の額を差し引き、買掛金発生757の額を加えた額である。仕入767は、月末買掛金残高766のうち仕入に関する額を表す。外注768は、月末買掛金残高766のうち、外注費に関する額を表す。月末手形残高769は、月末における手形の残高を表し、月初手形残高735の額に買掛金-手形支払739の額を加え、手形期日落ち745の額を差し引いた額である。
続いて、買掛金手形推移表730の項目の設定について説明する。システム1は、最先の月の月初前払金残高731に、前々期における貸借対照表101の「前払金」の額を設定する。システム1は、最先の月の月初買掛金残高732に、前々期における貸借対照表101の「買掛金」の額を設定する。システム1は、最先の月の月初手形残高735に、前々期における貸借対照表101の「支払手形」の額を設定する。
次に、システム1は、最遅の月の月末前払金残高765に、前期における貸借対照表101の「前払金」の額を設定する。システム1は、最遅の月の月末買掛金残高766に、前期における貸借対照表101の「買掛金」の額を設定する。システム1は、最遅の月の月末手形残高769に、前期における貸借対照表101の「支払手形」の額を設定する。
次に、システム1は、仕入発生(税込)748の各月に、仕入外注(税込)714の額を設定する。システム1は、仕入749の各月に、仕入715の額を設定する。システム1は、外注750の各月に、外注716の額を設定する。
次に、システム1は、各月における仕入749の額に前払金割合701の仕入に関する割合を乗じた値を、前払金解消の仕入752に設定する。システム1は、各月における外注750の額に前払金割合701の外注に関する割合を乗じた値を、前払金解消の外注753に設定する。システム1は、仕入752及び外注753の合計額を前払金解消751に設定する。
次に、システム1は、仕入749の額から仕入752の額を差し引いた額に、現金仕入割合703の仕入に関する割合を乗じた額を仕入755に設定する。システム1は、外注750の額から外注753の額を差し引いた額に、現金仕入割合703の外注に関する割合を乗じた額を外注756に設定する。システム1は、仕入755及び外注756の合計額を仕入現金支払754に設定する。
次に、システム1は、仕入749の額から仕入752の額及び仕入755の額を差し引いた額を、当月に発生した買掛金の仕入分である仕入758の額として設定する。システム1は、外注750の額から外注753の額及び外注756の額を差し引いた額を、当月に発生した買掛金の外注分である外注759の額として設定する。すなわち、仕入の合計額から、前払金及び現金で支払った額を差し引くことで、買掛金を算出するものである。システム1は、仕入758及び外注759の合計額を買掛金発生757の額として設定する。
次に、システム1は、前払サイト702を考慮して、前払金発生760を設定する。具体的には、前払サイト702の期間が経過した場合に前払金解消751の額となるように、前払金発生760の額を設定する。
図中では、前払サイト702の期間は「2か月」である。そこで、例えば、2017年6月の前払金解消751の額である約268万円は、前払サイト702の期間である2か月前に前払金として支払われるものである。つまり、システム1は、2017年4月の前払金発生760の額として当該約268万円を設定する。同様に、2018年1月の前払金発生760まで設定する。
ここで、2018年2月及び3月の前払金発生760については、対象の期間を超えてしまうため、値を設定できない期間となり得る。値を設定できない期間は、前払サイト702の期間と合致する。そこで、システム1は、最遅の月における月末前払金残高765の額を、値を設定できない期間に等分する。図中では、最遅の月における月末前払金残高765の額である約653万円を、値を設定できない期間である2か月に約326万円ずつ等分して設定する。
あるいは、値を設定できた期間における月末前払金残高765の額の平均値を算出し、値を設定できない期間に設定してもよい。
次に、システム1は、前払サイト702を考慮して仕入761を設定する。具体的には、前払サイト702の期間が経過した場合に仕入752の額となるように、仕入761の額を設定する。
ここで、前払金発生760と同様に、対象の期間を超えてしまうため、仕入761にも値を設定できない期間が発生し得る。そこで、値を設定できない期間の仕入761には、前払金発生760の額に、仕入752の合計額が前払金解消751の合計額に占める割合を乗じた額を設定する。あるいは、値を設定できた期間における月末前払金残高765の額の平均値を算出し、値を設定できない期間に設定してもよい。
次に、システム1は、前払サイト702を考慮して外注762を設定する。具体的には、前払サイト702の期間が経過した場合に外注753の額となるように、外注762の額を設定する。
ここで、前払金発生760と同様に、対象の期間を超えてしまうため、外注762にも値を設定できない期間が発生し得る。そこで、値を設定できない期間の外注762には、前払金発生760の額に、外注753の合計額が前払金解消751の合計額に占める割合を乗じた額を設定する。
ここまで説明したように、仕入発生(税込)748、仕入749、外注750、前払金解消751、仕入752、外注753、仕入現金支払754、仕入755、外注756、買掛金発生757、仕入758、外注759、前払金発生760、仕入761、及び外注762の値は、各月ごとに、決算情報の期間(図中では1年)分の情報を設定可能である。
次に、システム1は、最先の月における月初買掛金残高732の額に、仕入758の合計額が買掛金発生757の合計額に占める割合を乗じた額を仕入733に設定する。システム1は、最先の月における月初買掛金残高732の額に、外注759の合計額が買掛金発生757の合計額に占める割合を乗じた額を外注734に設定する。すなわち、発生した買掛金に対して仕入又は外注が占める割合に基づいて、月初買掛金残高732の額を振り分ける。
次に、システム1は、仕入733の額に、月次買掛金支払率704の仕入に関する割合を乗じた額を仕入743に設定する。システム1は、外注734の額に、月次買掛金支払率704の外注に関する割合を乗じた額を外注744に設定する。システム1は、仕入733及び外注734の合計額を、買掛金支払合計742に設定する。
次に、システム1は、仕入743の額に、手形支払い割合705の仕入に関する割合を乗じた額を仕入740に設定する。システム1は、外注744の額に、手形支払い割合705の外注に関する割合を乗じた額を外注741に設定する。システム1は、仕入740及び外注741の合計額を、買掛金-手形支払739に設定する。
次に、システム1は、仕入743の額から仕入740の額を差し引いた額を仕入737の額として設定する。システム1は、外注744の額から外注741の額を差し引いた額を外注738の額として設定する。システム1は、仕入737及び外注738の合計額を、買掛金-現金支払736に設定する。
次に、システム1は、月初前払金残高731の額から前払金解消751の額を差し引き、前払金発生760の額を加えた額を、月末前払金残高765の額として設定する。ここで、システム1は、設定された月末前払金残高765の額を、翌月の月初前払金残高731の額として設定する。
次に、システム1は、月初買掛金残高732の額から買掛金支払合計742の額を差し引き、買掛金発生757の額を加えた額を、月末買掛金残高766の額として設定する。システム1は、仕入733の額から仕入743の額を差し引き、仕入758の額を加えた額を、仕入767の額として設定する。システム1は、外注734の額から外注744の額を差し引き、外注759の額を加えた額を、外注768の額として設定する。
ここまでで、手形期日落ち745、仕入746、外注747、現金支払合計763、買掛金支払率764、及び月末手形残高769以外の、最先の月(図中では2017年4月)の情報が設定される。
次に、システム1は、月末前払金残高765の額を翌月の月初前払金残高731に、月末買掛金残高766の額を翌月の月初買掛金残高に、仕入767の額を翌月の仕入733に、外注768の額を翌月の外注734に、それぞれ設定する。
次に、システム1は、翌月(図中では2017年5月)の買掛金-現金支払736、仕入737、外注738、買掛金-手形支払739、仕入740、外注741、買掛金支払合計742、仕入743、外注744、月末前払金残高765、月末買掛金残高766、仕入767、及び外注768の値を設定する。各値の設定方法は前述の説明と同じであるため割愛する。システム1は、最遅の月(図中では2018年3月)まで繰り返し実行し、値を設定する。
次に、期日落ちの手形について説明する。システム1は、最先の月(図中2017年4月)における月初手形残高735の額に、買掛金-手形支払739の合計額のうち仕入740の合計額が占める割合を乗じた額を、仕入746に設定する。システム1は、最先の月における月初手形残高735の額に、買掛金-手形支払739の合計額のうち外注741の合計額が占める割合を乗じた額を、外注747に設定する。システム1は、仕入746及び外注747の合計額を手形期日落ち745に設定する。
次に、システム1は、買掛金-現金支払736、手形期日落ち745、仕入現金支払754、及び前払金発生760の合計額を、現金支払合計763に設定する。
次に、システム1は、月初手形残高735の額に買掛金-手形支払739の額を加え、手形期日落ち745の額を差し引いた額を月末手形残高769に設定する。システム1は、設定した月末手形残高769の額を、翌月の月初手形残高735に設定する。
次に、システム1は、手形サイト706を考慮して、手形期日落ち745の額を設定する。具体的には、手形サイト706が「1か月」の場合に、2017年5月における手形期日落ち745の額は、手形サイト706の期間分遡った期間に、手形で支払った買掛金の額である。すなわち、2017年4月における買掛金-手形支払739の額である。
同様に、システム1は、仕入746に、手形サイト706を考慮した、仕入740の額を設定する。システム1は、外注747に、手形サイト706を考慮した、外注741の額を設定する。同様に、すべての期間における手形期日落ち745、仕入746、及び外注747の額を設定可能である。
ここで、2017年4月における手形期日落ち745、仕入746、及び外注747の額の導出方法と、2017年5月における手形期日落ち745、仕入746、及び外注747の額の導出方法が異なることに留意する。前者は、対象とする期間を超えた期間の情報を用いることができないため、買掛金-手形支払739の合計額のうち仕入740又は外注741の合計額が占める割合を用いて算出した。一方、後者は、手形で支払った情報を用いることができることから、手形サイト706を考慮して導出することができる。
システム1は、月末手形残高769を算出する。最後に、買掛金支払合計742の額を月初買掛金残高732の額で除した値を買掛金支払率764に設定し、終了する。以上のように、買掛金手形推移表730のすべての項目の値を設定することができる。
図3のフローチャートに戻る。システム1は、月次P/L生成部1151により、ステップS2にて生成した在庫推移表及びステップS3にて生成した買掛金手形推移表を用いて、月次P/Lを生成する(ステップS4)。図14は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、月次P/Lの一例を示す図である。
月次P/Lは、P/Lの各項目について、月ごとの推移を参照することができる表である。システム1は、売上高内訳表200及び在庫推移表600から、月次P/Lの対応する項目に値を設定することで、月次P/Lを生成する。また、人件費や法定福利費、水道費光熱費等、年間における合計額が判明しているが各種内訳表に存在しない項目に関しては、合計額を等分して設定する。
図3のフローチャートに戻る。システム1は、月次B/S生成部1152により、ステップS2にて生成した在庫推移表、ステップS3にて生成した買掛金手形推移表、及びステップS4にて生成した月次P/Lを用いて、月次B/Sを生成する(ステップS5)。図15は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、月次B/Sの一例を示す図である。
月次B/Sは、B/Sの各項目について、月ごとの推移を参照することができる表である。システム1は、生成した買掛金手形推移表及び売掛金推移表から、月次B/Sの対応する項目に値を設定することで、月次B/Sを生成する。ここで、売掛金推移表の生成に関しては、本発明の本質的な内容と関連しないため、説明を割愛する。
図3のフローチャートに戻る。システム1は、資金繰り表生成部1153により、ステップS2にて生成した在庫推移表、ステップS3にて生成した買掛金手形推移表、及びステップS4にて生成した月次P/Lを用いて、資金繰り表を生成し(ステップS6)、終了する。図16は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、資金繰り表の一例を示す図である。
図16に示す資金繰り表には、経常収入、変動経常支出、固定経常支出、経常外収入、経常外支出、財務収入、財務支出等の欄が用意され、各欄には、勘定科目が予め設定されている。システム1は、生成した在庫推移表、買掛金手形推移表、及び月次P/Lを用いて、対応する勘定科目にそれぞれの表に設定された値を当てはめることで、資金繰り表を生成する。システム1が、項目と勘定科目とを対応付ける情報を予め保持するように設計してもよい。
資金繰り表を生成することで、企業体の一時期のデータである決算書からは発見することができない、月単位の資金の状況を把握することができる。より具体的には、いずれかの月において、資金残高が負の値となった場合には、資金がショートしていることを表し、何らかの借入を行っている可能性が高い。
ところが、資金がショートしているにもかかわらず、決算書に借入金が計上されていない場合には、何らかの対応がされた可能性が高い。そこで、システム1は、例えば、資金残高が負の値となった場合に、アラートを報知するようにしてもよい。
以上、詳述したシミュレーションシステムにより、所定の期間における企業の実態を分析することが可能である。
第一の実施の形態における本発明の効果の一例として、在庫推移を予想できることで、期中の在庫推移から仕入高や外注費を予想することができ、結果として、資金繰り上の「支払」をより高い精度で予想することが可能となった。すなわち、業種ごとに材料、仕掛、及び製品それぞれの在庫期間を設定することで、期中の在庫高の数値を予想することが可能となる。より発展的には、目標とする在庫高を設定し、実際の数値を見て行くことで、企業の財務状況が改善しているか否かを確認することができる。
第一の実施の形態において、資金繰り表の資金残高の値が所定の閾値(例えば、1か月分の固定費)より下回った場合に、警告メッセージを生じるようにしてもよい。
第一の実施の形態において、製造原価報告書103について、「材料費」、「労務費」、及び「経費」に分ける方法を用いて説明したが、「製造直接費」及び「製造間接費」に分ける方法を用いてもよい。
第一の実施の形態において、一例として、決算書の発行される単位である1年間を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、月単位の情報を入力して、日単位の推移を推測するような場合にも適用可能である。
第一の実施の形態において、在庫推移表を生成する際に、説明の便宜のために売上高内訳表、原材料費内訳表、外注費内訳表、労務費内訳表、その他経費内訳表を生成したが、本発明のシステムはこれに限定されない。すなわち、いずれかの内訳表に関する生成処理を省略し、一連のプログラムとして、在庫推移表を生成するように設計してもよい。
第一の実施の形態において、一例として値の導出方法を記載したが、これに限定されない。すなわち、計算の順序や導出方法が異なっても、導出する値の属性に影響を与えない範囲で適宜改変することが可能である。
第一の実施の形態の一側面として、上記に説明した各種内訳表を生成することで、合計額のみ明らかであって、かつ内訳が不明な情報について、内訳を定めることができる。すなわち、より詳細な分析を可能とすることができるという優れた効果を奏するものである。
第一の実施の形態において、「端末装置」とは、例えば、デスクトップ型又はノート型パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、PDA、ウェアラブル装置等をいい、表示画面にタッチパネルセンサを備える携帯型端末であってもよい。「事業体」とは、例えば、企業をいい、営利目的のために事業活動を行う経済主体だけでなく、個人事業主やNPO法人、その他公企業等も含むものである。
第一の実施の形態において、「単位期間」とは、例えば、原価を算出する最小の期間のことをいう。単位期間は、上述の例では10日としたが、これに限定されるものではない。具体的には、1日でもよいし、1時間であってもよい。
第一の実施の形態において、「在庫期間を考慮する」とは、例えば、現工程より前の工程が完了するためには、在庫期間として定められた所定の期間以上の時間がかかることをいい、工程の順序と在庫期間とにおいて論理的な矛盾が生じないことをいう。
[第二の実施の形態]
本発明の第二の実施の形態では、端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備えるシミュレーションシステムについて説明する。第二の実施の形態におけるシステムの構成は、図1に示すブロック図を必要な範囲で採用することができる。
本発明の第二の実施の形態では、1年間の経営状態を示す財務諸表を用いて、月毎の商品の在庫高を推定するシミュレーションシステムについて説明する。ここで、「商品」とは、例えば、売買の目的物としての品物をいい、製品とは異なる概念である。また、本発明の第二の実施の形態における企業は、説明を簡素化するために、商品のみを扱う企業について説明する。
[機能構成]
次に、シミュレーションシステムの機能について説明する。図17は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、システムが有する機能の構成を示すブロック図である。
システム1は、情報入力受付部2001、在庫推移表生成部2002、買掛金手形推移表生成部2003、及び決算情報生成部2004を備え得る。
情報入力受付部2001は、事業体の経営状態を示す情報に関する入力を受け付ける機能を有する。入力の受け付けは、例えば、人間がキーボード等を用いて手動で入力するものであってもよいし、電子データを読み込むもの、あるいはOCR等を使用してスキャンするものであってもよい。
在庫推移表生成部2002は、所定の期間における、商品の在庫に関する増減の推移を表す在庫推移表を生成する機能を有する。買掛金手形推移表生成部2003は、所定の期間における、買掛金及び手形に関する増減の推移を表す買掛金手形推移表を生成する機能を有する。
決算情報生成部2004は、在庫推移表生成部2002及び買掛金手形推移表生成部2003により生成された情報を用いて、貸借対照表、損益計算書及び資金繰り表の少なくとも一以上を生成する機能を有する。
在庫推移表生成部2002は、売上分配部2011、商品原価推定部2012、必要原価算出部2013、計上期間決定部2014、及び単位原価算出部2015を備え得る。
売上分配部2011は、複数の所定の期間に売上額を分配する機能を有する。商品原価推定部2012は、商品の原価を推定する機能を有する。必要原価算出部2013は、売上分配部2011により分配された売上額を売り上げるために必要な原価を算出する機能を有する。
計上期間決定部2014は、必要原価算出部2013により算出された原価を計上する期間を決定する機能を有する。単位原価算出部2015は、所定の単位期間に投入する原価である単位原価を算出する機能を有する。
決算情報生成部2004は、月次P/L生成部2051、月次B/S生成部2052、及び資金繰り表生成部2053を備え得る。
月次P/L生成部2051は、月次の損益計算書を生成する機能を有する。月次B/S生成部2052は、月次の貸借対照表を生成する機能を有する。資金繰り表生成部2053は、資金繰り表を生成する機能を有する。
[処理フロー]
次に、本発明の実施の形態におけるシステムの処理手順について説明する。第二の実施形態におけるシステムの処理手順は、図3に示すフローチャートを必要な範囲で採用することができる。以下、図3を参照しながら説明する。
システム1は、事業体の経営状況を表す情報を読み込む(ステップS1)。図18は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、読み込むデータの一例を示す図である。
データには、前々期及び前期の2期分の貸借対照表2101、前期分の損益計算書2102、前々期及び前期の棚卸資産内訳2103、及び前期の月商推移2104が含まれ得る。貸借対照表2101及び棚卸資産内訳2103は2期分のデータを読み込んでいるが、対象とする決算期の期首及び期末のデータがあれば足りる。
データの読み込みとは、例えば、企業が提供する電子データをそのまま、あるいは、データを加工して読み込んでもよい。また、紙媒体により提供された場合には、担当者がデータを入力等することで電子化したデータを読み込んでもよい。すなわち、情報(データ)の読み込みには、情報の入力を受け付けること、記憶された情報を読み込むことを含む。読み込まれた情報は、一例として、サーバ装置2のストレージ部に記憶される。
以下の説明において、図18に示すように、2017年度で、決算年月が2018年6月の期間を「前々期」と、2018年度であって、決算年月が2019年6月の期間を「前期」とそれぞれ記載する。本発明の範囲は、当該記載された年度や決算年月に限定されるものではない。
貸借対照表2101は、ある時点における企業の財務状態を表す財務情報であり、資産、負債、及び資本が少なくとも含まれる。図示するように、貸借対照表2101のデータは、少なくとも2つの時点における企業の財務情報を表す。2つの時点とは、例えば、2つの期におけるそれぞれの期末時点、あるいは、1つの期における期首及び期末時点をいう。
損益計算書2102は、ある期間における、企業の経営成績を表す財務情報であり、損益計算書には利益及び損失が少なくとも含まれる。
棚卸資産内訳2103は、期末に企業が保有する資産について、勘定科目ごと、品目ごとに内訳を示すものである。棚卸資産とは、例えば、商品、製品、半製品、仕掛品、原材料、貯蔵品、作業くず、副産物等をいう。
月商推移2104は、各月の売上額を示す情報である。月商推移2104の合計は、損益計算書2102の売上高と等しい値となる。
上述した入力データは一例であり、これに限定されない。例えば、販売管理費内訳が含まれてもよい。本発明の実施の形態においては、すべての情報が必須ではなく、数値も図示したものに限定されない。
図3のフローチャートに戻る。システム1は、所定の期間毎の在庫高を表す在庫推移表を生成する(ステップS2)。図19は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫推移表生成処理のフローチャートの一例を示す図である。
[在庫推移表生成処理]
システム1は、ステップS1において読み込まれた情報に基づいて、売上高内訳表を生成する(ステップS101)。図20は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、売上高内訳表及び商品原価内訳表の一例を示す図である。
[売上高内訳表]
図20(A)は、売上高内訳表の一例を示す図である。売上高内訳表3100には、月別3101、単位期間3102、単位売上3103、月別売上3104、単位商品売上3105、及び月別商品売上3106が含まれ得る。
月別3101は、売上高内訳表の対象とする期間を構成する複数の所定の期間を表す。図20(A)においては、売上高内訳表の対象とする期間が1年で、1年を構成する所定の期間が1か月である。
単位期間3102は、月別3101で示した所定の期間(図中では1か月)を構成する複数の所定の期間を表す。図20においては、10日間を単位期間3102とし、1か月を3つの単位期間で構成するものとしている。
単位売上3103は、単位期間3102における商品の売上額を表す。月別売上3104は、月毎の商品の売上額を表す。月別売上3104は、月商推移2104に示した月商と等しい値である。また、月別売上3104は、同月内に含まれる単位売上3103の累計額と等しい。
単位商品売上3105は、単位期間3102における商品の売上額を表す。月別商品売上3106は、月毎の商品の売上額を表す。月別商品売上3106は、同月内に含まれる単位商品売上3105の累計額と等しい。
[売上高内訳表生成処理]
次に、売上高内訳表3100の各項目の値の設定処理について説明する。システム1は、月別売上3104に、月商推移2104の月商を設定する。次に、システム1は、月別売上3104の値を3等分し、単位売上3103に設定する。図20(A)において、例えば、2018年8月の月商は8358万円であり、期間3111の単位売上3103は2786万円となる。
ここで3等分としたのは、1か月を30日とした場合に、単位期間が10日間であるからである。例えば、単位期間が5日であれば、6等分した値を設定する。ここで、売上額の分配は、売上分配部2011により実行される。
次に、システム1は、前期商品売上高を単位商品売上3105及び月別商品売上3106の合計欄に設定する。前期商品売上高は、損益計算書2102の「売上原価」に含まれる「商品仕入額」を用いる。商品の原価率又は利益率を把握できる場合には、各率を用いて商品の原価を算出し、設定してもよい。商品の原価率又は利益率を把握できない場合には、原価率を100%と仮定して、商品仕入額を前期商品売上高として設定してもよい。
次に、システム1は、月別売上3104に応じて、設定した前期商品売上高を各月の月別商品売上3106に分配する。次に、システム1は、分配された月別商品売上3106の値を3等分し、単位商品売上3105に設定する。以上のように、売上高内訳表3100のすべての項目の値を設定することができる。
図19の説明に戻る。システム1は、ステップS1において読み込まれた情報、及び、ステップS101において生成された売上高内訳表に基づいて、商品原価内訳表を生成する(ステップS102)。図20(B)は、商品原価内訳表の一例を表す。
[商品原価内訳表]
商品原価内訳表3150には、月別3151、単位期間3152、単位期首棚卸高3153、単位必要分3154、単位在庫増減高3155、単位仕入高3156、月別仕入高3157、単位販売分3158、及び単位期末在庫高3159が含まれ得る。
また、商品の売上に占める原価の比率である商品原価率3164、商品を発注してから現場に届くまでの日数を表す材料在庫期間3165、商品を販売して売り上げとなるまでの日数を表す商品在庫期間3166が商品原価内訳表3150に設定され得る。
月別3151は、売上高内訳表の対象とする期間を構成する複数の所定の期間を表す。月別3151は月別3101と同一の期間である。単位期間3152は、月別3151で示した期間を構成する複数の所定の期間を表す。単位期間3152は単位期間3102と同一の期間である。単位期首棚卸高3153は、月別3151の期首における商品の棚卸高を表す。
単位必要分3154は、ステップS101において生成された売上高内訳表に示す単位商品売上3105を売り上げるために必要な仕入高を表す。単位在庫増減高3155は、前々年度の棚卸資産に計上された仕掛品及び前年度の棚卸資産に計上された仕掛品の差額のうち、商品に相当する額を各単位期間3152に割り振った値である。
単位仕入高3156は、単位必要分3154及び単位在庫増減高3155の合計額である。月別仕入高3157は、当該月別3151に属する単位期間3152の単位仕入高3156の合計額である。
単位販売分3158は、単位期間3152に販売した商品の額である。単位期末在庫高3159は、単位期末における商品の棚卸高を表す。
[商品原価内訳表生成処理]
次に、商品原価内訳表3150の各項目の値の設定処理について説明する。システム1は、商品原価率3164を算出する。商品原価率3164は、商品の売上高に対する原価が占める割合である。原価は、換言すれば、仕入にかかった費用である。
システム1は、損益計算書2102の売上高に対して売上原価が占める割合を商品原価率3164として設定する。すなわち、売上原価8億173万2千円を、売上高11億1830万3千円で除した結果である71.69%を、商品原価率3164として設定する。
材料在庫期間及び商品在庫期間の設定については、第一の実施の形態における材料在庫期間及び製品在庫期間と同じ内容を採用することができる。
次に、月別3151及び単位期間3152ごとに定められる項目について説明する。単位期首棚卸高3153のうち、最初の月、すなわち図20(B)における2018年7月の額として、棚卸資産内訳2103の前々期の「商品」の額を設定する。以降の月には、前月の単位期末在庫高3159の額を設定する。また、2019年6月の単位期末在庫高3159の額として、棚卸資産内訳2103の前期の「商品」の額を設定する。
システム1は、単位必要分3154の合計額及び単位販売分3158の合計額に、損益計算書2102の売上原価の額を設定する。単位在庫増減高3155の合計額に、棚卸資産内訳2103の前期の「商品」の額と棚卸資産内訳2103の前々期の「商品」の額との差額を設定する。単位仕入高3156の合計額及び月別仕入高3157の合計額に、損益計算書2102の商品仕入の額を設定する。
次に、各月の商品売上額を満たすために必要な量に関する原価である単位必要分3154について説明する。まず、システム1は、単位販売分3158の額を設定する。単位販売分3158は、同じ単位期間3152における単位商品売上3105の額に、商品原価率3164を乗じた額を設定する。
次に、システム1は、単位必要分3154に、材料在庫期間3165及び商品在庫期間3166を考慮した額を設定する。より具体的には、2018年7月1日における単位必要分3154の額には、材料在庫期間3165の「20日」及び商品在庫期間3166の「20日」を考慮して、40日後の単位販売分3158の額と同額が設定される。つまり、2018年7月1日に投入された商品原価が、40日後に売り上げとして計上されるように、前倒して設定される。これにより、単位期間3152の各単位必要分3154を設定できる。
前倒しで設定する場合に、対象とする期間を超えた単位期間に設定することがあり得る。しかし、投入する商品原価の合計額は、入力された決算情報(損益計算書2102)に基づいて定められたものであり、変更するべきではない。そこで、システム1は、例えば、2019年6月1日における単位必要分3154の額に、2018年7月11日(図20(B)中の単位期間3162)における単位販売分3158の額である、約1801万7千円を設定するようにしてもよい。
つまり、材料在庫期間及び商品在庫期間を合わせた日数分を考慮して、図20(B)中の単位必要分3154の額をずらしたときに、対象期間を超えてしまう場合には、当該内訳表の最先の対象期間までの日数を減じたうえで、残った日数を最遅の日付(図20(B)中では2019年6月30日)から計算して定まる単位期間に設定するようにしてもよい。
あるいは、対象期間を超えてしまう場合に、上記例で挙げた2019年6月1日における単位必要分3154の値には、単位必要分3154の合計額と、既に設定された他の単位期間における単位必要分3154の合計額との差額を算出し、設定されていない単位期間の数で除した額を設定してもよい。すなわち設定する額は、設定されていない単位期間の数で該差額を等分した額でもよい。
次に、システム1は、各単位期間における単位必要分3154の額が、単位必要分3154の合計額に占める割合に応じて、単位在庫増減高3155の合計額を各単位期間の単位在庫増減高3155に分配する。
次に、システム1は、単位期間ごとの単位必要分3154及び単位在庫増減高3155の合計額を、単位仕入高3156に設定する。システム1は、各月に属する単位期間に相当する単位仕入高3156の合計額を月別仕入高3157に設定する。
システム1は、単位期末在庫高3159に、単位期首棚卸高3153の額から、単位販売分3158の額を差し引き、単位仕入高3156の額を加えた額を設定する。以上のように、商品原価内訳表3150のすべての項目の値を設定することができる。
図19の説明に戻る。システム1は、ステップS1において読み込まれた情報、ステップS101において生成された売上高内訳表、及びステップS102において生成された売上高内訳表に基づいて、在庫推移表を生成する(ステップS103)。図21は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫推移表の一例を示す図である。
[在庫推移表]
在庫推移表3200には、期首棚卸高3201、当月仕入3202、期末棚卸高3203、及び当月販売3204を含み得る。
期首棚卸高601は、各月の月初における商品の棚卸高を表し、商品原価内訳表3150の月初に相当する単位期首棚卸高3153の額と等しい。当月仕入3202は、月別の商品の仕入れ額を表し、商品原価内訳表3150の月別仕入高3157の額と等しい。
期末棚卸高3203は、各月の月末における商品の棚卸高を表し、商品原価内訳表3150の月末に相当する単位期末在庫高3159の額と等しい。当月販売3204は、各月における販売高を表す。当月販売3204の額には、商品原価内訳表3150の単位販売分3158の額を月単位に集計した額を設定する。以上のように、在庫推移表3200のすべての項目の値を設定することができ、在庫推移表生成処理を完了する。
図3の説明に戻る。システム1は、ステップS1で読み込んだ情報及びステップS2で生成した在庫推移表を含む複数の表の情報に基づいて、買掛金手形推移表を生成する(ステップS3)。図22は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、買掛金手形推移表の一例を示す図である。買掛金推移表の生成については、第一の実施の形態における仕入推移表の生成処理及び買掛金推移表の生成処理の内容を必要な範囲で採用することができる。
次に、システム1は、月次P/L生成部2051により、ステップS2にて生成した在庫推移表及びステップS3にて生成した買掛金手形推移表を用いて、月次P/Lを生成する(ステップS4)。図23は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、月次P/Lの一例を示す図である。月次P/Lの生成については、第一の実施の形態における月次P/Lの生成処理の内容を必要な範囲で採用することができる。
次に、システム1は、月次B/S生成部2052により、ステップS2にて生成した在庫推移表、ステップS3にて生成した買掛金手形推移表、及びステップS4にて生成した月次P/Lを用いて、月次B/Sを生成する(ステップS5)。図24は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、月次B/Sの一例を示す図である。月次B/Sの生成については、第一の実施の形態における月次B/Sの生成処理の内容を必要な範囲で採用することができる。
次に、システム1は、資金繰り表生成部2053により、ステップS2にて生成した在庫推移表、ステップS3にて生成した買掛金手形推移表、及びステップS4にて生成した月次P/Lを用いて、資金繰り表を生成し(ステップS6)、終了する。図25は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、資金繰り表の一例を示す図である。資金繰り表の生成については、第一の実施の形態における資金繰り表の生成処理の内容を必要な範囲で採用することができる。
資金繰り表を生成することで、企業体の一時期のデータである決算書からは発見することができない、月単位の資金の状況を把握することができる。より具体的には、いずれかの月において、資金残高が負の値となった場合には、資金がショートしていることを表し、何らかの借入を行っている可能性が高い。
ところが、資金がショートしているにもかかわらず、決算書に借入金が計上されていない場合には、何らかの対応がされた可能性が高い。そこで、システム1は、例えば、資金残高が負の値となった場合に、アラートを報知するようにしてもよい。
以上、詳述したシミュレーションシステムにより、所定の期間における企業の実態を分析することが可能である。
第二の実施の形態において、一例として、決算書の発行される単位である1年間を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、月単位の情報を入力して、日単位の推移を推測するような場合にも適用可能である。
第二の実施の形態において、一例として値の導出方法を記載したが、これに限定されない。すなわち、計算の順序や導出方法が異なっても、導出する値の属性に影響を与えない範囲で適宜改変することが可能である。
第二の実施の形態の一側面として、上記に説明した各種内訳表を生成することで、合計額のみ明らかであって、かつ内訳が不明な情報について、内訳を定めることができる。すなわち、より詳細な分析を可能とすることができるという優れた効果を奏するものである。
第二の実施の形態において、「端末装置」、「事業体」、「単位期間」、及び「在庫期間を考慮する」は、第一の実施の形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。
[第三の実施の形態]
本発明の第三の実施の形態では、端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備えるシミュレーションシステムについて説明する。第三の実施の形態におけるシステムの構成は、図1に示すブロック図を必要な範囲で採用することができる。
本発明の第三の実施の形態では、入力するデータが、企業体の実績のデータではなく、予想に基づいたデータであってもよい。図示しないが、例えば、データには、前期の貸借対照表及び当期の予想貸借対照表、当期分の予想損益計算書、前期の棚卸資産内訳及び当期の予想棚卸資産内訳、及び当期の予想月商推移が含まれ得る。
つまり、貸借対照表及、棚卸資産内訳、及び、月商推移の情報の少なくとも一以上が、所定の規則に基づいて推定されたデータであってもよい。つまり、論理的に矛盾のない2つの時点における企業の決算データがあれば、本発明のシミュレーションシステムにより、所定の期間における企業の実態を分析することが可能である。
[第四の実施の形態]
本発明の第四の実施の形態では、端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備えるシミュレーションシステムについて説明する。第四の実施の形態におけるシステムの構成は、図1に示すブロック図を必要な範囲で採用することができる。
本発明の第四の実施の形態におけるシミュレーションシステムは、第一の実施の形態に述べた製品に関するシミュレーションシステムの機能と、第二の実施の形態に述べた商品に関するシミュレーションシステムの機能とを合わせ持つシステムであってもよい。
[第五の実施の形態]
本発明の第五の実施の形態では、端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備えるシミュレーションシステムについて説明する。第五の実施の形態におけるシステムの構成は、図1に示すブロック図を必要な範囲で採用することができる。
本発明の第五の実施の形態では、月毎の製品の在庫高を推定するシミュレーションシステムにおいて、第一期間の期末における製品の棚卸高である製品期末棚卸高に関する情報を変更することにより、該第一期間を構成する第二期間又は該第二期間を構成する第三期間の在庫高の推移に与える影響をシミュレートする機能(以下、在庫計画シミュレーション機能ともいう)について説明する。本発明の第五の実施の形態では、一例として、事業体の第一期間(例えば1年間)の期末における棚卸高に関する情報を変更する例を挙げて説明する。
ここで、「製品」とは、例えば、主に工業において、原材料を加工して仕上げる完成品のことをいう。また、完成品になるまでの状態を「仕掛品」という。また、本発明の第五の実施の形態における企業は、説明を簡素化するために、製品のみを扱う企業について説明する。
[機能構成]
次に、シミュレーションシステムの機能について説明する。図17は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、システムが有する機能の構成を示すブロック図である。
システム1は、情報入力受付部4001、在庫推移表生成部4002、買掛金手形推移表生成部4003、決算情報生成部4004、及び在庫計画部4005を備え得る。
情報入力受付部4001は、事業体の経営状態を示す情報に関する入力を受け付ける機能を有する。入力の受け付けは、例えば、人間がキーボード等を用いて手動で入力するものであってもよいし、電子データを読み込むもの、あるいはOCR等を使用してスキャンするものであってもよい。
在庫推移表生成部4002は、所定の期間における、商品の在庫に関する増減の推移を表す在庫推移表を生成する機能を有する。買掛金手形推移表生成部4003は、所定の期間における、買掛金及び手形に関する増減の推移を表す買掛金手形推移表を生成する機能を有する。
決算情報生成部4004は、在庫推移表生成部4002及び買掛金手形推移表生成部4003により生成された情報を用いて、貸借対照表、損益計算書及び資金繰り表の少なくとも一以上を生成する機能を有する。在庫計画部4005は、在庫推移表生成部4002により生成された情報に含まれる在庫高に関する情報を変更して、在庫高を増減させた場合の、在庫推移表に含まれる毎月の原価のシミュレーションを行う機能を有する。
在庫推移表生成部4002は、売上分配部4101、仕掛品原価推定部4102、必要原価算出部4103、計上期間決定部4104、及び単位原価算出部4105、日数表示部4106、及びアラート報知部4107を備え得る。
売上分配部4101は、複数の所定の期間に売上額を分配する機能を有する。仕掛品原価推定部4102は、仕掛品の原価を推定する機能を有する。必要原価算出部4103は、売上分配部4101により分配された売上額を売り上げるために必要な原価を算出する機能を有する。
計上期間決定部4104は、必要原価算出部4103により算出された原価を計上する期間を決定する機能を有する。単位原価算出部4105は、所定の単位期間に投入する原価である単位原価を算出する機能を有する。日数表示部4106は、単位原価を用いて、所定の期間の期末棚卸高を日数に換算して表示する機能を有する。アラート報知部4107は、日数表示手段により表示した日数が所定の製品在庫期間より大きい場合に、アラートを報知する機能を有する。
決算情報生成部4004は、月次P/L生成部4151、月次B/S生成部4152、及び資金繰り表生成部4153を備え得る。
月次P/L生成部4151は、月次の損益計算書を生成する機能を有する。月次B/S生成部4152は、月次の貸借対照表を生成する機能を有する。資金繰り表生成部4153は、資金繰り表を生成する機能を有する。
在庫計画部4005は、棚卸高変更受付部4201及び在庫計画仕掛品原価推定部4202を備え得る。
棚卸高変更受付部4201は、製品期末棚卸高に関する情報の変更を受け付ける機能を有する。在庫計画仕掛品原価推定部4202は、棚卸高変更受付部4201により受け付けた変更に基づいて、前記複数の所定の期間における仕掛品の原価を推定する機能を有する。
[処理フロー]
次に、本発明の実施の形態における処理フローについて説明する。第五の実施の形態におけるシステムの実行処理は、図3及び図5に示すフローチャートを必要な範囲で採用することができる。以下、図3の実行処理を1回以上実行したものとして説明する。
ユーザがメニューから在庫計画機能を選択した場合に、システム1は、在庫計画処理を実行する。図27は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫計画処理のフローチャートの一例を示す図である。
システム1は、製品期末棚卸高に関する情報の変更を受け付ける(ステップS201)。製品期末棚卸高に関する情報とは、例えば、財務諸表に記載された棚卸高に関する情報や、該棚卸高に含まれる情報をいう。製品期末棚卸高に関する情報の変更とは、例えば、棚卸高の額を変更する、該棚卸高に含まれる情報の額を変更することをいう。
本実施の形態で使用する決算概要について説明する。図28は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、読み込むデータの一例を示す図である。値が異なるだけで、構成は図4と同じであるため、詳細な説明は省略する。
棚卸高に関する情報の変更について詳述する。図29は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、棚卸高に関する情報の変更を説明する図である。図29(A)は、図3の実行処理を実行した後の製品の棚卸高を示す図である。図29(B)は、図29(A)を100%とした場合に、棚卸高を30%に減らした場合のシミュレーション結果である。図29(C)は、図29(A)を100%とした場合に、棚卸高を300%に増やした場合のシミュレーション結果である。
図29(A)左図は、図28に示す決算概要の棚卸資産内訳4405に含まれる情報を示す図である。原材料4301は、棚卸資産内訳4405の「材料」の値を表す。仕掛品4302は、棚卸資産内訳4405の「仕掛品」の値を表す。製品4303は、棚卸資産内訳4405の「製品」の値を表す。製品仕掛品計4304は、原材料4301、仕掛品4302、及び製品4303の合計値である。
図29(A)右図は、図4に示す決算概要の製造原価報告書4403に含まれる情報を示す図である。仕掛4311は、「増減分」に示す仕掛品4302の差分の値に「原材料費」、「外注費」、「労務費」及び「その他経費」それぞれに対応する原価構成4314を乗じた値を、「原材料費」、「外注費」、「労務費」及び「その他経費」の仕掛分として表す。製品4312は、「増減分」に示す製品4303の差分の値に「原材料費」、「外注費」、「労務費」及び「その他経費」それぞれに対応する原価構成4314を乗じた値を、「原材料費」、「外注費」、「労務費」及び「その他経費」の製品分として表す。製品仕掛品計4313は、「増減分」に示す製品仕掛品計4304の差分の値に「原材料費」、「外注費」、「労務費」及び「その他経費」それぞれに対応する原価構成4314を乗じた値を、「原材料費」、「外注費」、「労務費」及び「その他経費」の製品仕掛品計分として表す。
原価構成4314は、製造原価報告書4403の総製造費用に対して「原材料費合計」、「外注費合計」、「労務費合計」、「製造経費合計」が占める割合をそれぞれ「原材料費」「外注費」「労務費」「その他経費」として示している。
原価率(在庫加味)4315は、在庫を考慮した原価率である。原材料費の原価率4315は、製造原価報告書4403の「原材料費合計」の値から製品仕掛品計4313の「原材料費」の値を引いた結果を製品の売上高で除した値である。外注費の原価率4315は、製造原価報告書4403の「外注費合計」の値から製品仕掛品計4313の「外注費」の値を引いた結果を製品の売上高で除した値である。労務費の原価率4315は、製造原価報告書4403の「労務費合計」の値から製品仕掛品計4313の「労務費」の値を引いた結果を製品の売上高で除した値である。その他経費の原価率4315は、製造原価報告書4403の「製造経費合計」の値から製品仕掛品計4313の「その他経費」の値を引いた結果を製品の売上高で除した値である。ここで、計算時には単位を揃えることに留意する。
次に、システム1は、ステップS201において受け付けた変更情報に基づいて、変更後の在庫高を算出する(ステップS202)。ステップS201において、例えば、ユーザから在庫高を30%に変更する入力を受け付けた場合、在庫高の内訳は、図29(A)左図の当期期末の各値に対して30%を乗じた結果、すなわち図29(B)に示した結果になる。ステップS201において、例えば、ユーザから在庫高を300%に変更する入力を受け付けた場合、在庫高の内訳は、図29(A)左図の当期期末の各値に対して300%を乗じた結果、すなわち図29(C)に示した結果になる。
このとき、図29において変更する項目は、当期期末の原材料4301、仕掛品4302、製品4303、製品仕掛品計4304、仕掛4311、製品4312、製品仕掛品計4313、及び原価率(在庫加味)4314である。また、原価構成4314の値は固定し、変更しない。
次に、システム1は、ステップS202において算出した在庫高に基づいて、各単位期間(第三期間)における仕掛品の原価を推定する(ステップS203)。仕掛品の原価の推定をするにあたり、図5に示す在庫推移表生成処理の一部を必要な範囲で作用することができる。
仕掛品の原価の推定では、売上高の内訳は固定したまま変更しない。すなわち、各単位期間(第三期間)に分配された分配売上額は変更されない。
次に、原材料費内訳表の生成について説明する。図30は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫計画シミュレーション実行後の原材料費内訳表の一例を示す図である。図30は、図3の実行処理を完了した直後の状態の原材料費内訳表を表す。図30の表を構成する項目は、図7の原材料費内訳表と同じであり、項目の意味も同じであるため、各項目の詳細な説明は省略する。
次に、ステップS202において算出した、変更後の在庫高に基づいた原材料費内訳表の生成について説明する。まず、原材料比率4550、材料在庫期間4551、仕掛在庫期間4552、製品在庫期間4553は固定したまま変更しない。また、単位売上相当分4504、月別売上相当分4505、単位投入必要分4510、及び月別投入必要分4511も固定したまま変更しない。変更後の在庫高と合致するように単位期中の値を算出するにあたって、上記原価比率や売上に関する値を固定しておくことで、単位期中の値が異常な値にならないよう制御することができる。
最初の月、すなわち図30における2020年8月の月初棚卸高4503の額は、棚卸資産内訳4405の前々期の「材料」の額である。以降の月には、前月の月末棚卸高4527の額を設定する。最後の月、すなわち図30における2021年7月の月末棚卸高4527の額は、棚卸資産内訳4405の前期の「材料」の額である。以降の各項目を設定する処理は、第一の実施の形態における原材料費内訳表生成処理を採用することができ、変更しない各値と整合を保つように設定する。
図31は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫計画シミュレーション実行後の原材料費内訳表の一例を示す図である。図31は、ステップS203の原価の推定を実行した図である。図30から、在庫高を30%に変更した図である。
図32は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫計画シミュレーション実行後の原材料費内訳表の一例を示す図である。図32は、ステップS203の原価の推定を実行した図である。図30から、在庫高を300%に変更した図である。このように、在庫高を増減させることにより、各月における製品原価のひとつである原材料費の動向を確認することができる。
図30と図31又は図32とを見比べるとわかる通り、在庫高を変更することで、原材料費の動向を予測することができる。本発明の実施の形態に示した通り、第一期間の期首の棚卸高及び第一期間の期末の棚卸高が判明していれば、自在にシミュレーションをすることができる。
次に、ステップS202において算出した、変更後の在庫高に基づいた外注費内訳表の生成について説明する。図33は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、外注費内訳表の一例を示す図である。図33は、在庫高を30%に変更した結果を反映した外注費内訳表であるが、項目名は図中の項目名を用いて説明する。
外注比率4630は固定したまま変更しない。また、単位売上相当分4603、月別売上相当分4604、期中売上分4609、期中売上分4612、期中売上分4615、期中売上分4618、単位期中売上分4621及び月別期中売上分4622も固定したまま変更しない。変更後の在庫高と合致するように単位期中の値を算出するにあたって、上記外注比率や売上に関する値を固定しておくことで、単位期中の値が異常な値にならないよう制御することができる。
その他各項目を設定する処理は、第一の実施の形態における外注費内訳表生成処理を採用することができ、変更しない各値と整合を保つように設定する。在庫高を変更することで、外注費の動向を予測することができる。本発明の実施の形態に示した通り、第一期間の期首の棚卸高及び第一期間の期末の棚卸高が判明していれば、自在にシミュレーションをすることができる。
次に、ステップS202において算出した、変更後の在庫高に基づいた労務費内訳表の生成について説明する。図34は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、労務費内訳表の一例を示す図である。図34は、在庫高を30%に変更した結果を反映した労務費内訳表であるが、項目名は図中の項目名を用いて説明する。
労務比率4730は固定したまま変更しない。また、期中計に含まれる、月別期中計4721、内訳(40日前)4722、内訳(30日前)4723、内訳(20日前)4724、及び内訳(10日前)4725は固定したまま変更しない。変更後の在庫高と合致するように単位期中の値を算出するにあたって、上記労務費率や労務費の月別期中計に関する値を固定しておくことで、単位期中の値が異常な値にならないよう制御することができる。
その他各項目を設定する処理は、第一の実施の形態における労務費内訳表生成処理を採用することができ、変更しない各値と整合を保つように設定する。在庫高を変更することで、労務費の動向を予測することができる。本発明の実施の形態に示した通り、第一期間の期首の棚卸高及び第一期間の期末の棚卸高が判明していれば、自在にシミュレーションをすることができる。
次に、ステップS202において算出した、変更後の在庫高に基づいたその他経費内訳表の生成について説明する。図35は本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、その他経費内訳表の一例を示す図である。図35は、在庫高を30%に変更した結果を反映したその他経費内訳表であるが、項目名は図中の項目名を用いて説明する。
期中計に含まれる、月別期中計4774、内訳(40日前)4775、内訳(30日前)4776、内訳(20日前)4777、及び内訳(10日前)4778は固定したまま変更しない。また、月別荷造運賃4771、月別減価償却費4772、及び月別その他製造経費4773についても固定したまま変更しない。変更後の在庫高と合致するように単位期中の値を算出するにあたって、上記月別期中計及びその内訳に関する値を固定しておくことで、単位期中の値が異常な値にならないよう制御することができる。
その他各項目を設定する処理は、第一の実施の形態におけるその他経費内訳表生成処理を採用することができ、変更しない各値と整合を保つように設定する。在庫高を変更することで、その他経費の動向を予測することができる。本発明の実施の形態に示した通り、第一期間の期首の棚卸高及び第一期間の期末の棚卸高が判明していれば、自在にシミュレーションをすることができる。
次に、生成した原材料費内訳表、外注費内訳表、労務費内訳表及びその他経費内訳表を用いて、仕掛品棚卸高内訳表を生成する。図36は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、仕掛品棚卸高内訳表の一例を示す図である。生成は、第一の実施の形態における仕掛品棚卸高内訳表生成処理を採用することができる。
各種原価の内訳表を作成したあと、在庫推移表、仕入推移表、買掛金手形推移表、月次P/L、月次B/S、及び資金繰り表を生成することができる。これらの生成に関しては第一の実施の形態において説明した処理を採用することができ、ここでは省略する。以下、在庫計画シミュレーションを実行した場合に各種表の値にどのような変化があるか、説明する
図37は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫計画シミュレーション実行前の月次P/Lの一例を示す図である。図38は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫計画シミュレーション実行後の月次P/Lの一例を示す図であり、在庫高を30%に減らした場合の図である。図39は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫計画シミュレーション実行後の月次P/Lの一例を示す図であり、在庫高を300%に増やした場合の図である。
図40は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫計画シミュレーション実行前の月次B/Sの一例を示す図である。図41は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫計画シミュレーション実行後の月次B/Sの一例を示す図であり、在庫高を30%に減らした場合の図である。図42は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫計画シミュレーション実行後の月次B/Sの一例を示す図であり、在庫高を300%に増やした場合の図である。
図43は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫計画シミュレーション実行前の資金繰り表の一例を示す図である。図44は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫計画シミュレーション実行後の資金繰り表の一例を示す図であり、在庫高を30%に減らした場合の図である。図45は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、在庫計画シミュレーション実行後の資金繰り表の一例を示す図であり、在庫高を300%に増やした場合の図である。
図37及び図39を例に、在庫高を増やした場合について説明する。図39では、売上原価における期末製品棚卸高の額を300%に増やしているため、売上総利益が増える結果となる。したがって、営業利益も増えることになり、月次P/Lを確認するだけでは順調に見える。一方、図40及び図42に示した月次B/Sを確認すると、流動資産、流動負債及び固定負債の額も増額している。そこで、図43及び図45に示した資金繰り表を確認すると、財務収入における長期借入金を増やさないと、資金繰りでショートを起こす可能性があることがわかる。このように、在庫を増やした影響を容易に確認することができ、経営判断に非常に有用なツールとなる。
このように、本発明における第五の実施の形態では、在庫高を変更した結果を反映した各種帳票を作成することができ、在庫高を変更した影響の程度を把握し、経営状況を事前に判断することができる。
以上、詳述したシミュレーションシステムにより、所定の期間における企業の実態を分析することが可能である。
第五の実施の形態において、一例として、決算書の発行される単位である1年間を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、月単位の情報を入力して、日単位の推移を推測するような場合にも適用可能である。
第五の実施の形態において、一例として値の導出方法を記載したが、これに限定されない。すなわち、計算の順序や導出方法が異なっても、導出する値の属性に影響を与えない範囲で適宜改変することが可能である。
第五の実施の形態において、製品を製造する企業を例に挙げて説明したが、商品を販売する企業にも適用が可能である。商品を販売する例は、第五の実施の形態において説明した在庫高の変更と、第二の実施の形態における商品原価内訳表の生成処理を実行することで、在庫高を変更した場合のシミュレーション結果を得ることができる。
第五の実施の形態において、読み込んだ決算概要データに基づいて、決算概要データに含まれる期間のデータの生成について説明したが、これに限定されない。例えば、決算概要データに基づいて、所定のルールにしたがって、決算概要データの期間の次の期間の決算予想概要データを作成し、該決算予想概要データに含まれる期間のデータをシミュレーションしてもよい。
第五の実施の形態の一側面として、上記に説明した各種内訳表を生成することで、合計額のみ明らかであって、かつ内訳が不明な情報について、内訳を定めることができる。すなわち、より詳細な分析を可能とすることができるという優れた効果を奏する。
第五の実施の形態の一側面として、在庫高を変更した場合のシミュレーションを実行することで、在庫を増減させた場合の各月の資金繰りを確認することができ、借入れを行う判断を事前に行うことができるという優れた効果を奏する。
第五の実施の形態において、「端末装置」、「事業体」、「単位期間」、及び「在庫期間を考慮する」は、第一の実施の形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。
以上、望ましい実施形態を通じて本発明を詳しく説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明の範囲において多様に実施することができる。
[付記]
上で述べた実施の形態の説明は、下記の発明を、発明の属する分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができるように記載した。
[1] 端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備えるシミュレーションシステムであって、
事業体の第一期間を構成する一以上の第二期間における売上額に関する売上情報、該第一期間の期首における製品の棚卸高である製品期首棚卸高、該第一期間の期末における製品の棚卸高である製品期末棚卸高を含む、情報の入力を受け付ける製品情報入力受付手段と、
前記第二期間を構成する複数の所定の第三期間のそれぞれに、前記売上額を分配売上額として分配する売上分配手段と、
各第三期間における分配売上額、所定の材料在庫期間、及び所定の仕掛在庫期間に基づいて、仕掛品の原価を推定する仕掛品原価推定手段と、
推定した原価に基づいて、在庫の推移を表す在庫推移表を生成する在庫推移表生成手段と
を備える、シミュレーションシステム。
[2] 前記仕掛品原価推定手段が、
各第三期間における分配売上額に基づいて、該分配売上額を売り上げるために必要な原価を算出する必要原価算出手段と、
前記材料在庫期間及び/又は前記仕掛在庫期間に応じて、必要原価算出手段により算出した原価を計上する第三期間を決定する計上期間決定手段と
を備える、[1]に記載のシミュレーションシステム。
[3] システムがさらに、
前記仕掛品原価推定手段により推定した仕掛品の原価を用いて、所定の単位期間に投入する単位原価を算出する単位原価算出手段と、
算出した単位原価を用いて、前記第二期間の期末棚卸高を日数に換算して表示する日数表示手段と
を備える、[1]又は[2]に記載のシミュレーションシステム。
[4] システムがさらに、
前記日数表示手段により表示した日数が前記製品在庫期間より大きい場合に、アラートを報知するアラート報知手段
を備える、[3]に記載のシミュレーションシステム。
[5] 前記仕掛品原価推定手段が、原材料費、外注費、及び労務費のいずれかを算出するものである、[1]~[4]のいずれかに記載のシミュレーションシステム。
[6] システムがさらに、
前記製品期末棚卸高に関する情報の変更を受け付ける棚卸高変更受付手段と、
受け付けた変更に基づいて、前記各第三期間における仕掛品の原価を推定する在庫計画仕掛品原価推定手段と
を備える、[1]~[5]のいずれかに記載のシミュレーションシステム。
[7] 前記在庫計画仕掛品原価推定手段が、前記売上分配手段により各第三期間に分配された分配売上額を変更しない、[1]~[6]のいずれかに記載のシミュレーションシステム。
[8] 端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備えるシミュレーションシステムであって、
事業体の第一期間構成する一以上の第二期間における売上額に関する売上情報、該第一期間の期首における商品の棚卸高である商品期首棚卸高、該第一期間の期末における商品の棚卸高である商品期末棚卸高を含む、情報の入力を受け付ける商品情報入力受付手段と、
前記第二期間を構成する複数の所定の第三期間のそれぞれに、前記売上額を分配売上額として分配する売上分配手段と、
前記第三期間における期間売上額、及び、商品に関する所定の商品原価率に基づいて、該期間売上額を売り上げるための商品の原価を算出する商品原価算出手段と、
算出した原価に基づいて、前記第二期間の期末における商品の在庫高を推定する商品在庫高推定手段と
を備える、シミュレーションシステム。
[9] システムがさらに、
前記在庫推移表生成手段により生成した在庫推移表に含まれる製品の在庫高、及び/又は、前記商品在庫高推定手段により推定した商品の在庫高を用いて、貸借対照表及び損益計算書を生成する決算情報生成手段
を備える、[1]~[8]のいずれかに記載のシミュレーションシステム。
[10] 端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備えるシミュレーションシステムにおいて実行されるシミュレーション方法であって、
事業体の第一期間を構成する一以上の第二期間における売上額に関する売上情報、該第一期間の期首における製品の棚卸高である製品期首棚卸高、該第一期間の期末における製品の棚卸高である製品期末棚卸高を含む、情報の入力を受け付け、
前記第二期間を構成する複数の所定の第三期間のそれぞれに、前記売上額を分配売上額として分配し、
各第三期間における分配売上額、所定の材料在庫期間、及び所定の仕掛在庫期間に基づいて、仕掛品の原価を推定し、
推定した原価に基づいて、在庫の推移を表す在庫推移表を生成する、シミュレーション方法。
[11] 端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備えるシミュレーションシステムにおいて実行されるシミュレーション方法であって、
事業体の第一期間を構成する一以上の第二期間における売上額に関する売上情報、該第一期間の期首における商品の棚卸高である商品期首棚卸高、該第一期間の期末における商品の棚卸高である商品期末棚卸高を含む、情報の入力を受け付け、
前記第二期間を構成する複数の所定の第三期間のそれぞれに、前記売上額を分配売上額として分配し、
前記第三期間における期間売上額、及び、商品に関する所定の商品原価率に基づいて、該期間売上額を売り上げるための商品の原価を算出し、
算出した原価に基づいて、前記第二期間の期末における商品の在庫高を推定する、シミュレーション方法。
[12] 端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備えるシミュレーションシステムのサーバ装置において実行されるシミュレーションプログラムであって、
サーバ装置を、
事業体の第一期間を構成する一以上の第二期間における売上額に関する売上情報、該第一期間の期首における製品の棚卸高である製品期首棚卸高、該第一期間の期末における製品の棚卸高である製品期末棚卸高を含む、情報の入力を受け付ける製品情報入力受付手段、
前記第二期間を構成する複数の所定の第三期間のそれぞれに、前記売上額を分配売上額として分配する売上分配手段、
各第三期間における分配売上額、所定の材料在庫期間、及び所定の仕掛在庫期間に基づいて、仕掛品の原価を推定する仕掛品原価推定手段、
推定した原価に基づいて、在庫の推移を表す在庫推移表を生成する在庫推移表生成手段
として機能させる、シミュレーションプログラム。
[13] 端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備えるシミュレーションシステムのサーバ装置において実行されるシミュレーションプログラムであって、
サーバ装置を、
事業体の第一期間を構成する一以上の第二期間における売上額に関する売上情報、該第一期間の期首における商品の棚卸高である商品期首棚卸高、該第一期間の期末における商品の棚卸高である商品期末棚卸高を含む、情報の入力を受け付ける商品情報入力受付手段、
前記第二期間を構成する複数の所定の第三期間のそれぞれに、前記売上額を分配売上額として分配する売上分配手段、
前記第三期間における期間売上額、及び、商品に関する所定の商品原価率に基づいて、該期間売上額を売り上げるための商品の原価を算出する商品原価算出手段、
算出した原価に基づいて、前記第二期間の期末における商品の在庫高を推定する商品在庫高推定手段
として機能させる、シミュレーションプログラム。
[14] コンピュータ装置において実行されるシミュレーションプログラムであって、
コンピュータ装置を、
事業体の第一期間を構成する一以上の第二期間における売上額に関する売上情報、該第一期間の期首における製品の棚卸高である製品期首棚卸高、該第一期間の期末における製品の棚卸高である製品期末棚卸高を含む、情報の入力を受け付ける製品情報入力受付手段、
前記第二期間を構成する複数の所定の第三期間のそれぞれに、前記売上額を分配売上額として分配する売上分配手段、
各第三期間における分配売上額、所定の材料在庫期間、及び所定の仕掛在庫期間に基づいて、仕掛品の原価を推定する仕掛品原価推定手段、
推定した原価に基づいて、在庫の推移を表す在庫推移表を生成する在庫推移表生成手段
として機能させる、シミュレーションプログラム。
[15] コンピュータ装置において実行されるシミュレーションプログラムであって、
コンピュータ装置を、
事業体の第一期間を構成する一以上の第二期間における売上額に関する売上情報、該第一期間の期首における商品の棚卸高である商品期首棚卸高、該第一期間の期末における商品の棚卸高である商品期末棚卸高を含む、情報の入力を受け付ける商品情報入力受付手段、
前記第二期間を構成する複数の所定の第三期間のそれぞれに、前記売上額を分配売上額として分配する売上分配手段、
前記第三期間における期間売上額、及び、商品に関する所定の商品原価率に基づいて、該期間売上額を売り上げるための商品の原価を算出する商品原価算出手段、
算出した原価に基づいて、前記第二期間の期末における商品の在庫高を推定する商品在庫高推定手段
として機能させる、シミュレーションプログラム。
[16] 事業体の第一期間を構成する一以上の第二期間における売上額に関する売上情報、該第一期間の期首における製品の棚卸高である製品期首棚卸高、該第一期間の期末における製品の棚卸高である製品期末棚卸高を含む、情報の入力を受け付ける製品情報入力受付手段と、
前記第二期間を構成する複数の所定の第三期間のそれぞれに、前記売上額を分配売上額として分配する売上分配手段と、
各第三期間における分配売上額、所定の材料在庫期間、及び所定の仕掛在庫期間に基づいて、仕掛品の原価を推定する仕掛品原価推定手段と、
推定した原価に基づいて、在庫の推移を表す在庫推移表を生成する在庫推移表生成手段と
を備える、コンピュータ装置。
[17] 事業体の第一期間を構成する一以上の第二期間における売上額に関する売上情報、該第一期間の期首における商品の棚卸高である商品期首棚卸高、該第一期間の期末における商品の棚卸高である商品期末棚卸高を含む、情報の入力を受け付ける商品情報入力受付手段と、
前記第二期間を構成する複数の所定の第三期間のそれぞれに、前記売上額を分配売上額として分配する売上分配手段と、
前記第三期間における期間売上額、及び、商品に関する所定の商品原価率に基づいて、該期間売上額を売り上げるための商品の原価を算出する商品原価算出手段と、
算出した原価に基づいて、前記第二期間の期末における商品の在庫高を推定する商品在庫高推定手段と
を備える、コンピュータ装置。
[18] コンピュータ装置において実行されるシミュレーション方法であって、
事業体の第一期間を構成する一以上の第二期間における売上額に関する売上情報、該第一期間の期首における製品の棚卸高である製品期首棚卸高、該第一期間の期末における製品の棚卸高である製品期末棚卸高を含む、情報の入力を受け付け、
前記第二期間を構成する複数の所定の第三期間のそれぞれに、前記売上額を分配売上額として分配し、
各第三期間における分配売上額、所定の材料在庫期間、及び所定の仕掛在庫期間に基づいて、仕掛品の原価を推定し、
推定した原価に基づいて、在庫の推移を表す在庫推移表を生成する、シミュレーション方法。
[19] コンピュータ装置において実行されるシミュレーション方法であって、
事業体の第一期間を構成する一以上の第二期間における売上額に関する売上情報、該第一期間の期首における商品の棚卸高である商品期首棚卸高、該第一期間の期末における商品の棚卸高である商品期末棚卸高を含む、情報の入力を受け付け、
前記第二期間を構成する複数の所定の第三期間のそれぞれに、前記売上額を分配売上額として分配し、
前記第三期間における期間売上額、及び、商品に関する所定の商品原価率に基づいて、該期間売上額を売り上げるための商品の原価を算出し、
算出した原価に基づいて、前記第二期間の期末における商品の在庫高を推定する、シミュレーション方法。
1 :システム
2 :サーバ装置
3 :端末装置
4 :通信ネットワーク

Claims (11)

  1. 端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備えるシミュレーションシステムであって、
    事業体の第一期間を構成する一以上の第二期間における売上額に関する売上情報、該第一期間の期首における製品の棚卸高である製品期首棚卸高、該第一期間の期末における製品の棚卸高である製品期末棚卸高を含む、情報の入力を受け付ける製品情報入力受付手段と、
    前記第二期間を構成する複数の所定の第三期間のそれぞれに、前記売上額を分配売上額として分配する売上分配手段と、
    各第三期間における分配売上額、所定の材料在庫期間、及び所定の仕掛在庫期間に基づいて、仕掛品の原価を推定する仕掛品原価推定手段と、
    推定した原価に基づいて、在庫の推移を表す在庫推移表を生成する在庫推移表生成手段と
    を備える、シミュレーションシステム。
  2. 前記仕掛品原価推定手段が、
    各第三期間における分配売上額に基づいて、該分配売上額を売り上げるために必要な原価を算出する必要原価算出手段と、
    前記材料在庫期間及び/又は前記仕掛在庫期間に応じて、必要原価算出手段により算出した原価を計上する第三期間を決定する計上期間決定手段と
    を備える、請求項1に記載のシミュレーションシステム。
  3. システムがさらに、
    前記仕掛品原価推定手段により推定した仕掛品の原価を用いて、所定の単位期間に投入する単位原価を算出する単位原価算出手段と、
    算出した単位原価を用いて、前記第二期間の期末棚卸高を日数に換算して表示する日数表示手段と
    を備える、請求項1又は2に記載のシミュレーションシステム。
  4. システムがさらに、
    前記製品期末棚卸高に関する情報の変更を受け付ける棚卸高変更受付手段と、
    受け付けた変更に基づいて、前記各第三期間における仕掛品の原価を推定する在庫計画仕掛品原価推定手段と
    を備える、請求項1~3のいずれかに記載のシミュレーションシステム。
  5. 前記在庫計画仕掛品原価推定手段が、前記売上分配手段により各第三期間に分配された分配売上額を変更しない、請求項1~4のいずれかに記載のシミュレーションシステム。
  6. 端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備えるシミュレーションシステムであって、
    事業体の第一期間構成する一以上の第二期間における売上額に関する売上情報、該第一期間の期首における商品の棚卸高である商品期首棚卸高、該第一期間の期末における商品の棚卸高である商品期末棚卸高を含む、情報の入力を受け付ける商品情報入力受付手段と、
    前記第二期間を構成する複数の所定の第三期間のそれぞれに、前記売上額を分配売上額として分配する売上分配手段と、
    前記第三期間における期間売上額、及び、商品に関する所定の商品原価率に基づいて、該期間売上額を売り上げるための商品の原価を算出する商品原価算出手段と、
    算出した原価に基づいて、前記第二期間の期末における商品の在庫高を推定する商品在庫高推定手段と
    を備える、シミュレーションシステム。
  7. システムがさらに、
    前記在庫推移表生成手段により生成した在庫推移表に含まれる製品の在庫高、及び/又は、前記商品在庫高推定手段により推定した商品の在庫高を用いて、貸借対照表及び損益計算書を生成する決算情報生成手段
    を備える、請求項1~6のいずれかに記載のシミュレーションシステム。
  8. 端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備えるシミュレーションシステムにおいて実行されるシミュレーション方法であって、
    事業体の第一期間構成する一以上の第二期間における売上額に関する売上情報、該第一期間の期首における製品の棚卸高である製品期首棚卸高、該第一期間の期末における製品の棚卸高である製品期末棚卸高を含む、情報の入力を受け付け、
    前記第二期間を構成する複数の所定の第三期間のそれぞれに、前記売上額を分配売上額として分配し、
    各第三期間における分配売上額、所定の材料在庫期間、及び所定の仕掛在庫期間に基づいて、仕掛品の原価を推定し、
    推定した原価に基づいて、在庫の推移を表す在庫推移表を生成する、シミュレーション方法。
  9. 端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備えるシミュレーションシステムにおいて実行されるシミュレーション方法であって、
    事業体の第一期間構成する一以上の第二期間における売上額に関する売上情報、該第一期間の期首における商品の棚卸高である商品期首棚卸高、該第一期間の期末における商品の棚卸高である商品期末棚卸高を含む、情報の入力を受け付け、
    前記第二期間を構成する複数の所定の第三期間のそれぞれに、前記売上額を分配売上額として分配し、
    前記第三期間における期間売上額、及び、商品に関する所定の商品原価率に基づいて、該期間売上額を売り上げるための商品の原価を算出し、
    算出した原価に基づいて、前記第二期間の期末における商品の在庫高を推定する、シミュレーション方法。
  10. 端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備えるシミュレーションシステムのサーバ装置において実行されるシミュレーションプログラムであって、
    サーバ装置を、
    事業体の第一期間を構成する一以上の第二期間における売上額に関する売上情報、該第一期間の期首における製品の棚卸高である製品期首棚卸高、該第一期間の期末における製品の棚卸高である製品期末棚卸高を含む、情報の入力を受け付ける製品情報入力受付手段、
    前記第二期間を構成する複数の所定の第三期間のそれぞれに、前記売上額を分配売上額として分配する売上分配手段、
    各第三期間における分配売上額、所定の材料在庫期間、及び所定の仕掛在庫期間に基づいて、仕掛品の原価を推定する仕掛品原価推定手段、
    推定した原価に基づいて、在庫の推移を表す在庫推移表を生成する在庫推移表生成手段
    として機能させる、シミュレーションプログラム。
  11. 端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備えるシミュレーションシステムのサーバ装置において実行されるシミュレーションプログラムであって、
    サーバ装置を、
    事業体の第一期間を構成する一以上の第二期間における売上額に関する売上情報、該第一期間の期首における商品の棚卸高である商品期首棚卸高、該第一期間の期末における商品の棚卸高である商品期末棚卸高を含む、情報の入力を受け付ける商品情報入力受付手段、
    前記第二期間を構成する複数の所定の第三期間のそれぞれに、前記売上額を分配売上額として分配する売上分配手段、
    前記第三期間における期間売上額、及び、商品に関する所定の商品原価率に基づいて、該期間売上額を売り上げるための商品の原価を算出する商品原価算出手段、
    算出した原価に基づいて、前記第二期間の期末における商品の在庫高を推定する商品在庫高推定手段
    として機能させる、シミュレーションプログラム。
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