JP2022049355A - スパークプラグ - Google Patents

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佑典 川嶋
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Abstract

【課題】絶縁体の破損を低減できるスパークプラグを提供する。【解決手段】スパークプラグは、先端側から後端側へと軸線方向に延びる絶縁体と、絶縁体の外周に配置された筒状の主体金具と、主体金具と絶縁体との間に配置され、主体金具と絶縁体とに接する伝熱部材と、を備える。伝熱部材は、主体金具の内周面に接する外リングと、外リングより径方向の内側に配置された内リングと、を備え、内リングの硬度は、外リングの硬度よりも低い。【選択図】図2

Description

本発明はスパークプラグに関し、特に主体金具と絶縁体とに接する伝熱部材が配置されたスパークプラグに関するものである。
主体金具に絶縁体が保持されるスパークプラグにおいて、特許文献1には、主体金具と絶縁体との間に介在するパッキン(伝熱部材)の母材の表面に、母材の硬度よりも硬度が低いめっき膜を設ける技術が開示されている。主体金具および絶縁体に伝熱部材のめっき膜が接するので、絶縁体から主体金具への熱伝導が促進する。
特開2005-190762号公報
しかし先行技術では、めっき膜にクラックが生じると、経年によりめっき膜が剥がれることがある。母材はめっき膜より硬度が高いので、めっき膜の剥がれた母材が絶縁体に押し付けられると、絶縁体の破損のおそれがある。
本発明はこの問題点を解決するためになされたものであり、絶縁体の破損を低減できるスパークプラグを提供することを目的とする。
この目的を達成するために本発明のスパークプラグは、先端側から後端側へと軸線方向に延びる絶縁体と、絶縁体の外周に配置された筒状の主体金具と、主体金具と絶縁体との間に配置され、主体金具と絶縁体とに接する伝熱部材と、を備える。伝熱部材は、主体金具の内周面に接する外リングと、外リングより径方向の内側に配置された内リングと、を備え、内リングの硬度は、外リングの硬度よりも低い。
第1の態様によれば、主体金具と絶縁体との間に配置された伝熱部材は、外リング及び内リングを備え、主体金具と絶縁体とに接する。主体金具の内周面に外リングが接する。内リングは外リングと別個なので、外リングより径方向の内側に配置された内リングの機械的強度を確保し、内リングの消耗や破損を低減できる。内リングの硬度は外リングの硬度よりも低いので、内リングが絶縁体に押し付けられても絶縁体の破損を低減できる。
第2の態様によれば、内リングは外リングの少なくとも一部に接している。内リングと外リングとの間に熱伝導が生じるので、第1の態様の効果に加え、内リングの過熱を低減できる。
第3の態様によれば、絶縁体は、自身の外周に設けられた先端向き面を含み、主体金具は、自身の内周に設けられた後端向き面を含む。後端向き面は先端向き面の先端側に位置し、伝熱部材は後端向き面と先端向き面との間に介在する。第1又は第2の態様の効果に加え、伝熱部材によって絶縁体と主体金具との間の隙間を塞ぐことができる。
第4の態様によれば、絶縁体の外周に、周方向に延びる溝が設けられる。伝熱部材の少なくとも一部は溝の中に位置する。第1又は第2の態様の効果に加え、絶縁体に伝熱部材を簡易に固定できる。
第5の態様によれば、内リング及び外リングは、環の一部を欠く切れ目が設けられている。内リングの切れ目は、絶縁体の周方向において、外リングの切れ目と異なる位置に配置されている。第4の態様の効果に加え、エンジンに取り付けられたスパークプラグの、内リングの切れ目と外リングの切れ目とを通って後端側に流れる燃焼ガスの量を低減できる。
第1実施の形態におけるスパークプラグの片側断面図である。 図1のIIで示す部分を拡大したスパークプラグの断面図である。 第2実施の形態におけるスパークプラグの片側断面図である。 図3のIVで示す部分を拡大したスパークプラグの断面図である。 図4のV-V線におけるスパークプラグの断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は第1実施の形態におけるスパークプラグ10の軸線Oを境にした片側断面図である。図1では、紙面下側をスパークプラグ10の先端側、紙面上側をスパークプラグ10の後端側という(図2から図4においても同じ)。図1に示すようにスパークプラグ10は、絶縁体11、主体金具30及び伝熱部材40を備えている。
絶縁体11は、高温下の絶縁性や機械的特性に優れるアルミナ等により形成された略円筒状の部材である。絶縁体11の軸線Oに沿って延びる内周面12には、後端側を向く係止面13が設けられている。内周面12の軸線Oに垂直な断面は円形である。係止面13は先端側へ向かって縮径する円錐面である。絶縁体11の外周面14には、径方向の外側へ向かって突出する円環状の張出部15が設けられている。張出部15は、係止面13よりも後端側に位置する。
中心電極20は、軸線Oに沿って絶縁体11に保持される棒状の電極である。中心電極20は、軸部21と、軸部21の後端側に隣接し軸部21よりも太い頭部22と、を備えている。頭部22は絶縁体11の係止面13に係止されている。軸部21の先端は絶縁体11から先端側に突出する。中心電極20は、熱伝導性に優れる芯材が母材に埋設されている。母材はNiを主体とする合金またはNiからなる金属材料で形成されており、芯材は銅または銅を主成分とする合金で形成されている。芯材は省略できる。
中心電極20は、絶縁体11の内周面12の内側で、端子金具23と電気的に接続されている。端子金具23は、高圧ケーブル(図示せず)が接続される棒状の部材であり、導電性を有する金属材料(例えば低炭素鋼等)によって形成されている。
主体金具30は、導電性を有する金属材料(例えば低炭素鋼等)によって形成された略円筒状の部材である。主体金具30は、絶縁体11の張出部15よりも先端側の部分を囲む胴部31と、胴部31の後端側に隣接する座部33と、座部33の後端側に設けられる工具係合部34と、工具係合部34の後端側に設けられる後端部35と、を備えている。胴部31の外周には、胴部31の軸線方向のほぼ全長に亘って、エンジン(図示せず)のねじ穴に螺合するおねじ32が設けられている。
座部33は、エンジンに対するおねじ32のねじ込み量を規制する部位である。工具係合部34は、エンジンのねじ穴におねじ32をねじ込むときに、レンチ等の工具を係合させる部位である。後端部35は、径方向の内側へ向けて屈曲する円環状の部位である。後端部35は、絶縁体11の張出部15よりも後端側に位置する。絶縁体11の外周面14の全周に亘って、張出部15と後端部35との間に、タルク等の粉末が充填されたシール部36が設けられている。
接地電極37は、主体金具30の胴部31に接続された棒状の金属製(例えばニッケル基合金製)の部材である。接地電極37は中心電極20との間に火花ギャップが設けられている。
スパークプラグ10は、エンジン(図示せず)のねじ穴に主体金具30のおねじ32を締め付けてエンジンに取り付けられる。エンジンが作動すると中心電極20及び絶縁体11が加熱される。おねじ32によってエンジンに結合した主体金具30は、エンジンによって冷やされる。
図2は図1のIIで示す部分を拡大したスパークプラグ10の断面図である。絶縁体11の外周面14には、先端向き面16が設けられている。先端向き面16は先端側へ向かって縮径する円錐面である。先端向き面16は、係止面13(図1参照)及び張出部15よりも先端側に設けられている。
主体金具30(胴部31)の内周面38には、後端向き面39が設けられている。後端向き面39は先端側へ向かうにつれて縮径する円錐面である。後端向き面39は、絶縁体11の先端向き面16の先端側に位置する。後端向き面39と先端向き面16との間に伝熱部材40が介在する。伝熱部材40は、主体金具30の内周面38に接する外リング41と、外リング41より径方向の内側に配置された内リング46と、を備えている。伝熱部材40は、熱伝導により絶縁体11から主体金具30へ熱を移動させる。
絶縁体11に主体金具30が組み付けられると、主体金具30の後端向き面39から後端部35(図1参照)までの部分は、絶縁体11の先端向き面16から張出部15(図1参照)までの部分に、伝熱部材40及びシール部36(図1参照)を介して軸線方向の圧縮荷重を加える。その結果、主体金具30は絶縁体11を保持する。軸線方向の圧縮荷重を受ける伝熱部材40は、絶縁体11の外周面14と主体金具30の内周面38との間の隙間を塞ぎ、燃焼ガスの漏洩を低減する。
伝熱部材40の外リング41は円環状の部材である。外リング41の材料は、例えば鋼、銅とその合金、ニッケルとその合金などの金属、PEEK等のエンジニアリングプラスチック(高分子材料)が挙げられる。
外リング41の後端側を向く第1面42は、絶縁体11の先端向き面16に接している。第1面42の反対の外リング41の第2面43は、主体金具30の後端向き面39に接している。外リング41の外周面44及び内周面45は、第1面42と第2面43とをつないでいる。外リング41の第1面42、第2面43、外周面44及び内周面45の少なくとも1つに表面処理層を設けても良い。本実施形態では、絶縁体11の先端向き面16に第1面42が接する面積は、主体金具30の後端向き面39に第2面43が接する面積とほぼ等しい。
外リング41の熱伝導率は絶縁体11の熱伝導率よりも高い。絶縁体11の熱は、絶縁体11の先端向き面16から外リング41の第1面42に伝わり、外リング41の第2面43から主体金具30の後端向き面39に伝わり、主体金具30の胴部31からエンジン(図示せず)に伝わる。これにより絶縁体11の過熱を防ぎ、プレイグニッションの発生を低減する。
内リング46は、外リング41の直径よりも直径が小さい円環状の部材である。内リング46の硬度は外リング41の硬度よりも低い。内リング46の材料は、例えば金、銀、マグネシウムとその合金、アルミニウムとその合金などの金属、シリコーンゴムなどの高分子材料が挙げられる。
内リング46の後端側を向く第1面47は、絶縁体11の先端向き面16に接している。第1面47の反対の内リング46の第2面48は、主体金具30の後端向き面39に接している。内リング46の外周面49及び内周面50は、第1面47と第2面48とをつないでいる。内リング46の内周面50は、少なくとも常温において、先端向き面16よりも先端側の絶縁体11の外周面14に対向している。
内リング46の第1面47、第2面48、外周面49及び内周面50の少なくとも1つに表面処理層を設けても良い。本実施形態では、主体金具30の後端向き面39に第2面48が接する面積は、絶縁体11の先端向き面16に第1面47が接する面積より狭い。
内リング46の硬度および外リング41の硬度は、JIS Z2244:2009に準拠したビッカース硬さ試験に基づき、試験力を200gf≒1.96Nに設定して測定した値である。外リング41のビッカース硬さは、外リング41の第1面42又は第2面43に圧子を押し込み、測定する。内リング46のビッカース硬さは、内リング46の第1面47又は第2面48に圧子を押し込み、測定する。第1面42,47や第2面43,48に表面処理層が設けられている場合には、表面処理層を取り除いた後、硬さを測定する。
内リング46の熱伝導率は絶縁体11の熱伝導率よりも高い。絶縁体11の熱は、絶縁体11の先端向き面16から内リング46の第1面47に伝わり、内リング46の第2面48から主体金具30の後端向き面39に伝わる。熱は、主体金具30の胴部31からエンジン(図示せず)に伝わるので、絶縁体11の過熱を防ぎ、プレイグニッションの発生を低減する。
外リング41の第2面43と後端向き面39とが接する面積は、内リング46の第2面48と後端向き面39とが接する面積より広い。外リング41の伝熱経路は内リング46の伝熱経路よりも広いので、外リング41の熱伝導率は内リング46の熱伝導率よりも高いと好ましい。
内リング46の外周面49は、外リング41の内周面45の全周のうち少なくとも一部に接している。絶縁体11の先端向き面16から内リング46の第1面47に伝わった熱は、内リング46の外周面49から外リング41の内周面45にも伝わり、外リング41を経て主体金具30の胴部31からエンジンに伝わる。内リング46から外リング41へ熱伝導が生じるので、内リング46の過熱を低減できると共に、絶縁体11から主体金具30への熱伝導を促進できる。
内リング46の外周面49の直径と外リング41の内周面45の直径とをほぼ等しい大きさにすることで、外周面49と内周面45とが部分的に接するようにできる。内リング46の外周面49と外リング41の内周面45とが確実につながるように、スポット溶接やろう付けなどによって内リング46と外リング41とを部分的に接合しても良い。
本実施形態では、内リング46の外周面49は、全周に亘って、外リング41の内周面45に接している。よって内リング46から外リング41への熱伝導を促進できる。内リング46の外周面49と外リング41の内周面45との間に締め代を設けることにより、外周面49と内周面45とが全体的に接するようにできる。内リング46の外周面49と外リング41の内周面45とが全周に亘って接するように、クラッド材のように内リング46と外リング41と貼り合わせても良い。
絶縁体11に主体金具30が組み付けられるときに、伝熱部材40は軸線方向の圧縮荷重を受ける。圧縮された伝熱部材40が、主体金具30の後端向き面39から径方向の内側にはみ出して絶縁体11の内周面14に当たると、絶縁体11が破損することがある。これを防ぐために伝熱部材40の内径を大きくすると、伝熱部材40の熱流経路が狭くなるので、絶縁体11の過熱が生じ、プレイグニッションの発生のおそれがある。そこで伝熱部材40を外リング41及び内リング46の2部材に分け、内リング46の硬度を外リング41の硬度よりも低くする。これにより伝熱部材40の熱流経路の径方向の幅を確保し、絶縁体11に内リング46が押し付けられたときの絶縁体11の破損を低減できる。
また、スパークプラグ10の使用中には各部材に熱膨張・収縮が生じるので、内リング46の内周面50が絶縁体11の外周面14に押し付けられることがある。内リング46は外リング41と別個の部材なので、内リング46の機械的強度を確保できる。内リング46の消耗や破損を低減できるので、年数を経ても内リング46は絶縁体11の先端向き面16よりも先端側の部分と外リング41との間に介在する。内リング46の硬度は外リング41の硬度よりも低いので、絶縁体11に内リング46が押し付けられても、絶縁体11の破損を低減できる。
先端向き面16よりも先端側の絶縁体11の外周面14に、内リング46の内周面50の少なくとも一部が接すると、絶縁体11の外周面14に内リング46の内周面50が接していない場合に比べ、絶縁体11に内リング46が接触する面積が大きくなる。内リング46の硬度は外リング41の硬度よりも低いので、絶縁体11の破損を低減できる。さらに絶縁体11から内リング46への熱伝導に寄与する内リング46の面積が大きくなるので、熱伝導を促進できる。
図3から図5を参照して第2実施の形態について説明する。第1実施形態では、絶縁体11の先端向き面16と主体金具30の後端向き面39との間に挟まれて圧縮荷重を受ける伝熱部材40をもつスパークプラグ10について説明した。第2実施形態では、絶縁体61の溝62に配置された伝熱部材70をもつスパークプラグ60について説明する。第1実施形態で説明した部分と同一の部分は、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図3は、第2実施の形態におけるスパークプラグ60の軸線Oを境にした片側断面図である。
図3に示すようにスパークプラグ60は、絶縁体61、主体金具66及び伝熱部材70を備えている。絶縁体61は略円筒状のセラミック製の部材である。主体金具66は、導電性を有する金属製(例えば低炭素鋼等)の略円筒状の部材である。スパークプラグ60は、主体金具66の内周面38のうち座部33の内側に設けられた受け面67と絶縁体61の張出部15の先端向き面17との間にパッキン68が配置されている。
パッキン68は、主体金具66を構成する金属材料よりも軟質の金属製の円環状の部材である。主体金具66の座部33から後端部35までの部分は、絶縁体61の張出部15及びパッキン68に、シール部36を介して軸線方向の圧縮荷重を加える。その結果、主体金具66は絶縁体61を保持する。軸線方向の圧縮荷重を受けるパッキン68は、絶縁体11の外周面14と主体金具30の内周面38との間の隙間を塞ぎ、燃焼ガスの漏洩を低減する。
図4は図3のIVで示す部分を拡大したスパークプラグ60の断面図である。絶縁体61の外周面14には、係止面13よりも先端側に溝62が設けられている。溝62は絶縁体61の周方向に延びている。溝62は、先端側を向く第1壁63と、後端側を向く第2壁64と、第1壁63と第2壁64とをつなぐ底面65と、を含む。本実施形態では、第1壁63及び第2壁64は軸線Oにほぼ垂直な面であり、底面65は円筒面である。第1壁63の径方向の外側の縁の直径は、第2壁64の径方向の外側の縁の直径よりも大きい。本実施形態では溝62は絶縁体61の全周に亘って設けられている。溝62に伝熱部材70が配置されている。
伝熱部材70は、主体金具66(胴部31)の内周面38に接する外リング71と、外リング71より径方向の内側に配置された内リング76と、を備えている。伝熱部材70は、熱伝導により絶縁体61から主体金具66へ熱を移動させる。スパークプラグ60は、絶縁体61の軸線方向における溝62の位置、伝熱部材70の大きさや熱伝導率などによって熱価が定められる。
図5は図4のV-V線におけるスパークプラグ60の断面図である。図5は軸線Oに垂直なスパークプラグ60の全断面図である。図5は主体金具66の一部の図示が省略されている。
外リング71及び内リング76は、それぞれ環の一部を欠く切れ目81,82が設けられている。外リング71及び内リング76は、いわゆるCリングである。外リング71及び内リング76にそれぞれ切れ目81,82があるので、切れ目81,82を広げて絶縁体61の溝62に外リング71及び内リング76を配置できる。内リング76の切れ目82は、絶縁体61の周方向において、外リング71の切れ目81と異なる位置に配置されている。外リング71と内リング76とが相対移動して切れ目81,82が同じ位置にならないように、外リング71と内リング76とを接合したり回り止めを設けたりしても良い。
図4に戻って説明する。外リング71の材料は、例えば鋼、銅とその合金、ニッケルとその合金などの金属、PEEK等のエンジニアリングプラスチック(高分子材料)が挙げられる。外リング71の軸線方向の厚さは、少なくとも常温において、溝62の第1壁63と第2壁64との間の軸線方向の距離よりも小さい。熱膨張した外リング71が第1壁63及び第2壁64に加える力を低減するためである。これにより外リング71の後端側を向く第1面72の径方向の内側の部分が、溝62の第1壁63に接する場合に、第1面72の反対の外リング71の第2面73と溝62の第2壁64との間に隙間ができる。
外リング71の外周面74及び内周面75は、第1面72と第2面73とをつないでいる。外周面74は、主体金具66(胴部31)の内周面38に接している。外リング71の内周面75の直径は、第1壁63の径方向の外側の縁の直径、及び、第2壁64の径方向の外側の縁の直径よりも小さい。これにより外リング71の位置は、溝62の第1壁63と第2壁64との間に制限される。
外リング71は、外リング71の外周面74と主体金具66の内周面38との間の摩擦によって、主体金具66に固定されている。外リング71の位置は、外リング71の第2面73が溝62の第2壁64に接する場合もある。過渡期には、外リング71の第1面72と溝62の第1壁63との間に隙間があり、かつ、第2面73と溝62の第2壁64との間に隙間がある場合がある。外リング71の第1面72、第2面73、外周面74及び内周面75の少なくとも1つに表面処理層を設けても良い。
外リング71の熱伝導率は絶縁体61の熱伝導率よりも高い。従って絶縁体61の熱は、絶縁体61の溝62の第1壁63から外リング71の第1面72に伝わり、外リング71の外周面74から主体金具66の内周面38に伝わり、胴部31の外周のおねじ32からエンジン(図示せず)に伝わる。これにより絶縁体61の過熱を防ぎ、プレイグニッションの発生を低減する。
内リング76の硬度は外リング71の硬度よりも低い。内リング76の硬度および外リング71の硬度は、JIS Z2244:2009に準拠したビッカース硬さ試験に基づき、試験力を200gf≒1.96Nに設定して測定した値である。内リング76の材料は、例えば金、銀、マグネシウムとその合金、アルミニウムとその合金などの金属、シリコーンゴムなどの高分子材料が挙げられる。
内リング76の軸線方向の厚さは、少なくとも常温において、溝62の第1壁63と第2壁64との間の軸線方向の距離よりも小さい。熱膨張した内リング76が第1壁63及び第2壁64に加える力を低減するためである。これにより内リング76の後端側を向く第1面77が、溝62の第1壁63に接する場合に、第1面77の反対の内リング76の第2面78と溝62の第2壁64との間に隙間ができる。
内リング76の外周面79及び内周面80は、第1面77と第2面78とをつないでいる。内リング76の外周面79は、切れ目81,82を除き、外リング71の内周面75に少なくとも一部が接している。内リング76の内周面80は、少なくとも常温において、溝62の底面65と離間している。内リング76の熱膨張による底面65に加える力を低減するためである。
内リング76は、外リング71の内周面75と内リング76の外周面79との間の摩擦によって、外リング71に固定されている。内リング76の位置は、内リング76の第2面78が溝62の第2壁64に接する場合もある。過渡期には、内リング76の第1面77と溝62の第1壁63との間に隙間があり、かつ、第2面78と溝62の第2壁64との間に隙間がある場合がある。内リング76の第1面77、第2面78、外周面79及び内周面80の少なくとも1つに表面処理層を設けても良い。
第1面77と第2面78との間の内リング76の厚さと、第1面72と第2面73との間の外リング71の厚さと、を合計した厚さは、溝62の第1壁63と第2壁64との間の軸線方向の距離よりも大きい。これにより振動等によって外リング71や内リング76が溝62の中を移動しても、内リング76の外周面79が、外リング71の内周面75に接する状態を維持できる。
内リング76の熱伝導率は絶縁体61の熱伝導率よりも高い。従って絶縁体61の熱は、溝62の第1壁63から内リング76の第1面77に伝わる。熱は、内リング76の外周面79から外リング71の内周面75に伝わり、外リング71の外周面74から主体金具66の内周面38に伝わる。外リング71の熱は主体金具66の胴部31からエンジンに伝わるので、絶縁体61の過熱を防ぎ、プレイグニッションの発生を低減する。
スパークプラグ60の使用中には各部材に熱膨張・収縮が生じるので、内リング76の内周面80が絶縁体61の外周面14に押し付けられることがある。内リング76は外リング71と別個の部材なので、内リング76の機械的強度を確保できる。内リング76の消耗や破損を低減できるので、年数を経ても内リング76は溝62の底面65と外リング71との間に介在する。内リング76の硬度は外リング71の硬度よりも低いので、絶縁体61に内リング76が押し付けられても、絶縁体61の破損を低減できる。
内リング76の外周面79は、外リング71の内周面75に接している。溝62の第1壁63から内リング76の第1面77に伝わった熱は、内リング76の外周面79から外リング71の内周面75にも伝わり、外リング71を経て主体金具66の胴部31からエンジンに伝わる。内リング76から外リング71へ熱伝導が生じるので、内リング76の過熱を低減できると共に、絶縁体61から主体金具66への熱伝導を促進できる。
外リング71の熱伝導率が内リング76の熱伝導率よりも高いと、外リング71の熱伝導率が内リング76の熱伝導率よりも低い場合に比べ、外リング71から主体金具66への伝熱が促進される。これにより絶縁体61の過熱を防ぎ、プレイグニッションの発生をさらに低減できる。
溝62の底面65に内リング76の内周面80の少なくとも一部が接すると、溝62の底面65に内リング76の内周面80が接していない場合に比べ、絶縁体61に内リング76が接触する面積が大きくなる。内リング76の硬度は外リング71の硬度よりも低いので、絶縁体61の破損を低減できる。さらに絶縁体61から内リング76への熱伝導に寄与する内リング76の面積が大きくなるので、熱伝導を促進できる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
第1実施形態では、外リング41が内リング46に接する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。外リング41が内リング46に接していなくて、外リング41の内周面45と内リング46の外周面49との間に隙間が設けられていても良い。外リング41及び内リング46は、それぞれ絶縁体11の先端向き面16と主体金具30の後端向き面39とに接しているので、絶縁体11の先端向き面16から主体金具30の後端向き面39へ、外リング41及び内リング46を介して伝熱できる。
第2実施形態では、外リング71が内リング76に接する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。外リング71が内リング76に接していなくて、外リング71の内周面75と内リング76の外周面79との間に隙間が設けられていても良い。内リング76は溝62の中に存在する空気よりも熱伝導率が高いので、溝62の中に内リング76が配置されると、絶縁体61から主体金具66への熱移動を促進できるからである。
第1実施形態では、先端向き面16や後端向き面39が円錐面である場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。先端向き面16や後端向き面39の軸線Oに対する角度は任意に設定できる。例えば先端向き面16や後端向き面39を軸線Oに垂直な面にすることは当然可能である。
第2実施形態では、溝62の第1壁63や第2壁64が軸線Oに垂直な面である場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1壁63や第2壁64の軸線Oに対する角度は任意に設定できる。第1壁63と第2壁64との間の軸線方向の距離が、径方向の内側に向かうにつれて次第に短くなるように、第1壁63や第2壁64の少なくとも一方を円錐面にすることは当然可能である。
第2実施形態では、溝62の底面65が円筒面である場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。底面65を円錐面にすることは当然可能である。
第2実施形態では、内リング76の第1面77が溝62の第1壁63に接する場合に、内リング76の第2面78と溝62の第2壁64との間に隙間ができる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。内リング76の第1面77が溝62の第1壁63に接し、且つ、内リング76の第2面78が溝62の第2壁64に接するように内リング76の厚さを設定することは当然可能である。これにより絶縁体61から内リング76への熱伝導に寄与する内リング76の面積が大きくなるので、熱伝導を促進できる。
実施形態では、主体金具30,66の後端部35と絶縁体11,61の張出部15との間にシール部36が設けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。シール部36を省略して、張出部15に後端部35を固定することは当然可能である。シール部36を省略しても、主体金具30,66と絶縁体11,61との間に配置された伝熱部材40,70やパッキン68によって気密性を確保できるからである。
第2実施形態では、主体金具66と絶縁体61との間にパッキン68を配置する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。パッキン68を省略することは当然可能である。パッキン68を省略しても、溝62に配置された伝熱部材70によって気密性を確保できるからである。パッキン68に代えて、第1実施形態における伝熱部材40を、パッキン68が配置された位置に設けても良い。
第2実施形態では、外リング71及び内リング76にそれぞれ切れ目81,82が設けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。外リング71及び内リング76の少なくとも一方を、切れ目81,82の無い環にすることは当然可能である。外リング71や内リング76に切れ目81,82が無い場合に、外リング71や内リング76が弾性変形する場合は、外リング71や内リング76を広げて絶縁体61の溝62に外リング71や内リング76を配置できる。外リング71や内リング76を加熱し、外リング71や内リング76を膨張させて、絶縁体61の溝62に外リング71や内リング76を配置しても良い。外リング71や内リング76が冷えると、溝62の中に外リング71や内リング76が収まる。
10,60 スパークプラグ
11,61 絶縁体
16 先端向き面
30,66 主体金具
38 内周面
39 後端向き面
40,70 伝熱部材
41,71 外リング
46,76 内リング
62 溝
81,82 切れ目

Claims (5)

  1. 先端側から後端側へと軸線方向に延びる絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に配置された筒状の主体金具と、
    前記主体金具と前記絶縁体との間に配置され、前記主体金具と前記絶縁体とに接する伝熱部材と、を備えるスパークプラグであって、
    前記伝熱部材は、前記主体金具の内周面に接する外リングと、前記外リングより径方向の内側に配置された内リングと、を備え、
    前記内リングの硬度は、前記外リングの硬度よりも低いスパークプラグ。
  2. 前記内リングは、前記外リングの少なくとも一部に接している請求項1記載のスパークプラグ。
  3. 前記絶縁体は、自身の外周に設けられた先端向き面を含み、
    前記主体金具は、自身の内周に設けられた、前記先端向き面の先端側に位置する後端向き面を含み、
    前記伝熱部材は、前記後端向き面と前記先端向き面との間に介在する請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記絶縁体は、自身の外周に設けられた、周方向に延びる溝を含み、
    前記伝熱部材の少なくとも一部は、前記溝の中に位置する請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  5. 前記内リング及び前記外リングは、環の一部を欠く切れ目が設けられており、
    前記内リングの前記切れ目は、前記絶縁体の周方向において、前記外リングの前記切れ目と異なる位置に配置されている請求項4記載のスパークプラグ。
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