JP2022047910A - 部品内蔵基板及び部品内蔵基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、部品内蔵基板及び部品内蔵基板の製造方法に関する。
特許文献1には、コア材に設けられた収容穴部に収容されたセラミックチップを含む配線基板が開示されている。セラミックチップの電極と、コア材上に形成されているビルドアップ層内の導体層とがビア導体によって接続されている。
特許文献1に開示の配線基板では、内蔵すべきセラミックチップの厚さがコア基板の厚さよりも薄くなるに従って、セラミックチップとビルドアップ層の導体層とを接続するビア導体の長さが長くなる。そのため、ビア導体に関する接続信頼性が低下することがある。
本発明の部品内蔵基板は、貫通孔を備えるコア基板、及び、前記コア基板の上に積層されている絶縁層と導体層とによって構成されるビルドアップ層を含む第1基板と、電子部品を内蔵していて前記貫通孔内に配置されている第2基板と、を備えている。そして、前記電子部品は、前記コア基板の厚さよりも薄い厚さを有しており、前記第2基板は、前記ビルドアップ層を構成する前記導体層と前記電子部品の電極とを電気的に接続する導電体を含んでいる。
本発明の部品内蔵基板の製造方法は、貫通孔を備えているコア基板を用意することと、電子部品を内蔵している第2基板を用意することと、前記第2基板を前記貫通孔内に配置することと、前記貫通孔及び前記第2基板を覆うビルドアップ層を前記コア基板上に形成することによって第1基板を形成することと、を含んでいる。そして、前記電子部品は、前記コア基板の厚さよりも薄い厚さを有しており、前記ビルドアップ層を形成することは、前記コア基板上に絶縁層を積層することと、前記絶縁層上に導体層を形成することと、を含み、前記導体層を形成することは、前記第2基板内の導電体を介して、前記導体層と前記電子部品の電極とを電気的に接続することを含んでいる。
本発明の実施形態によれば、部品内蔵基板に内蔵される電子部品と、部品内蔵基板内の導体層との接続信頼性を向上させ得ることがある。また、本発明の実施形態によれば、部品内蔵基板を構成する絶縁層の材料選択の自由度が高まることがある。
本発明の一実施形態の部品内蔵基板が図面を参照しながら説明される。図1は、一実施形態の部品内蔵基板の一例である部品内蔵基板100を示す断面図であり、図2は、部品内蔵基板100が備える第2基板2の断面図であり、図3には、図1のIII部の拡大図が示されている。
図1に示されるように、部品内蔵基板100は、貫通孔101を備えるコア基板10及びコア基板10の上に形成されているビルドアップ層11を含む第1基板1と、電子部品3を内蔵していて貫通孔101内に配置されている第2基板2と、を備えている。コア基板10は、絶縁層104と、絶縁層104を挟む2つの導体層103とによって構成されている。コア基板10は、コア基板10の厚さ方向において対向する2つの主面(第1面10a及び第2面10b)を有している。第1面10a上、及び第2面10b上、それぞれにビルドアップ層11が形成されている。
各ビルドアップ層11は、第1面10aの上、又は第2面10bの上に交互に積層されている絶縁層(絶縁層14a及び絶縁層14b)及び導体層(導体層13a及び導体層13b)によって構成されている。各ビルドアップ層11は、貫通孔101及び第2基板2を覆っている。
なお、第1基板1の説明では、コア基板10の厚さ方向において絶縁層104から遠い側は「上側」若しくは「上方」、又は単に「上」とも称され、絶縁層104に近い側は「下側」若しくは「下方」、又は単に「下」とも称される。さらに、第1基板1の各構成要素において絶縁層104と反対側を向く表面は「上面」とも称され、絶縁層104側を向く表面は「下面」とも称される。なお、コア基板10の厚さ方向は単に「Z方向」とも称される。
各ビルドアップ層11では、コア基板10側から、順に、絶縁層14a、導体層13a、絶縁層14b、及び導体層13bが積層されている。導体層13bは、部品内蔵基板100の外部の要素、例えば、半導体集積回路装置(図示せず)や、部品内蔵基板100が用いられる電気機器のマザーホード(図示せず)などと接続される接続パッド131を含んでいる。絶縁層14b及び導体層13b上には、ソルダーレジスト16が形成されている。ソルダーレジスト16は、例えばエポキシ樹脂やポリイミド樹脂などの任意の絶縁性材料を用いて形成される。ソルダーレジスト16には、接続パッド131の一部又は全部を露出させる開口が設けられている。
絶縁層14aは、導体層103と導体層13aとを接続するビア導体15aを含み、絶縁層14bは、導体層13aと導体層13bとを接続するビア導体15bを含んでいる。絶縁層14aは、さらに、絶縁層14aを貫通し、導体層13aと第2基板2に含まれる導体層23bとを接続するビア導体15c(第1ビア導体)を含んでいる。コア基板10は、絶縁層104を貫通して2つの導体層103同士を接続するスルーホール導体105を含んでおり、スルーホール導体105の内部は、例えばエポキシ、アクリル、又はフェノールなどの樹脂からなる樹脂体106で充填されている。
コア基板10が備える貫通孔101は、Z方向に沿ってコア基板10を貫いている。貫通孔101内に第2基板2が収容されている。貫通孔101は、平面視で、第2基板2の平面サイズよりも適度に大きな開口を有している。「平面視」は、視線が部品内蔵基板100の厚さ方向に沿うように部品内蔵基板100を見ることを意味している。貫通孔101は、第2基板2の平面形状と同様の平面形状を有し得る。貫通孔101は、平面視において第2基板2を内包しており、貫通孔101の内壁によって第2基板2が囲まれている。
図2に示されるように、第2基板2は、貫通孔201を備えるコア基板20と、コア基板20の両面(第3面20a及び第4面20b)それぞれに形成されているビルドアップ層21とを含んでいる。電子部品3は貫通孔201内に配置されている。コア基板20は、絶縁層204と、絶縁層204を挟む2つの導体層203とによって構成されている。ビルドアップ層21は、第3面20aの上、又は第4面20bの上に交互に積層されている第2基板内絶縁層(絶縁層24a及び絶縁層24b)及び第2基板内導体層(導体層23a及び導体層23b)によって構成されている。ビルドアップ層21は、貫通孔201及び電子部品3を覆っている。
なお、第2基板2の説明では、Z方向において絶縁層204から遠い側は「上側」若しくは「上方」、又は単に「上」とも称され、絶縁層204に近い側は「下側」若しくは「下方」、又は単に「下」とも称される。さらに、第2基板2の構成要素において絶縁層204と反対側を向く表面は「上面」とも称され、絶縁層204側を向く表面は「下面」とも称される。
各ビルドアップ層21では、コア基板20側から順に、絶縁層24a、導体層23a、絶縁層24b、及び導体層23bが積層されている。導体層23bは、第2基板2の外部の導体と接続される接続端子231を備えている。前述された第1基板1のビア導体15cは、具体的には、第1基板1の導体層13aと第2基板2の接続端子231とを接続している。
絶縁層24aは、導体層203と導体層23aとを接続するビア導体25aを含み、絶縁層24bは、導体層23aと導体層23bとを接続するビア導体25bを含んでいる。絶縁層24aは、さらに、導体層23aと電気備品3の電極31とを接続するビア導体25c(第2ビア導体)を含んでいる。コア基板20は、絶縁層204を貫通して2つの導体層203同士を接続するスルーホール導体205を含んでいる。
第1基板1の導体層13a、13b、第2基板2の導体層23a、23b、並びにコア基板10、20それぞれの導体層103、203は、例えば銅又はニッケルなどの任意の金属で形成されている。これら各導体層は、図1及び図2では簡略化されているが、単層構造に限定されず、それぞれ、複数の金属層を含む多層構造を有し得る。例えば導体層103、203、23a、23bは、それぞれ、金属箔、無電解めっき膜又はスパッタリング膜、及び、電解めっき膜によって構成され得る。また、導体層13a及び導体層13bは、それぞれ、例えば無電解めっき膜若しくはスパッタリング膜、及び電解めっき膜によって構成され得る。しかし、各導体層の構造は、これらに限定されない。
スルーホール導体105、205、ビア導体15a~15c、及びビア導体25a~25cは、各導体層と同様に、銅又はニッケルなどの任意の金属で形成されている。各スルーホール導体及び各ビア導体は、各導体層のいずれかと一体的に形成されており、例えば、無電解めっき膜若しくはスパッタリング膜、及び電解めっき膜によって構成され得る。
本実施形態において、電子部品3は、例えば、電流の増幅や整流などの能動動作を行わない受動部品であってもよく、トランジスタや半導体集積回路装置(IC)などの能動部品であってもよい。電子部品3が受動部品である場合、電子部品3には、例えば、抵抗器、キャパシタ、及びコイルなどが例示される受動素子が含まれている。電子部品3は、表面実装に適したチップコンデンサ、チップ抵抗、又はチップインダクタなどの各種表面実装部品であってもよい。図2に示される電子部品3は、抵抗や誘電体などの受動素子を含む本体部32と、本体部32内の受動素子と接続されている電極31とを含んでいる。電極31は、第2基板2のビア導体25cによって導体層23aに接続され、さらにビア導体25bを介して導体層23bの接続端子231に接続されている。すなわち、第2基板2が備える接続端子231の少なくとも一部は、電子部品3の電極31と電気的に接続されている。
図1及び図2の例において電子部品3はチップコンデンサである。チップコンデンサである電子部品3の電極31が、ビア導体25c、ビア導体25b、ビア導体15c、及びビア導体15bなどを介して、略最短の経路で接続パッド131と接続されている。例えば接続パッド131に実装されるIC(図示せず)などのノイズが効果的に軽減されると考えられる。
図3に示されるように、本実施形態において第2基板2に内蔵される電子部品3は、Z方向において、第1基板1のコア基板10の厚さT10未満の長さLを有している。図3において電子部品3の長さLは電子部品3の厚さであり、電子部品3はコア基板10の厚さT10よりも薄い厚さを有している。電子部品3の厚さは、例えば、コア基板10の厚さT10の20%以上、60%以下である。「電子部品3の厚さ」は、電子部品3が部品内蔵基板100などの基板に実装されるときに実装面に向けられるべき表面と直交する方向の電子部品3の寸法である。なおコア基板10の「厚さ」は、コア基板10の表裏それぞれの最外層の導体層(2つの導体層103)の上面同士の間の距離である。
一般に、多層配線基板のコア基板の貫通孔に部品を内蔵する部品内蔵基板において、コア基板の厚さ方向における部品の長さ(例えば厚さ)が所与のコア基板の厚さよりも薄い場合、コア基板の上のビルドアップ層内の導体層と部品との接続距離が長くなる。特に、上記のように部品がコア基板の厚さの60%以下のように薄い厚さを有する場合、導体層と部品の電極などとの接続距離が顕著に長くなると考えられる。この点に関し、前述した特許文献1では、内蔵部品と導体層とがビア導体で接続されている。多層配線基板のビルドアップ層に設けられるビア導体は、一般的にはコア基板側に向かって先細りとなるテーパー形状を有し得る。そのため、接続すべき導体層と内蔵部品の電極との接続距離が長いと、ビア導体と電極との接触面積が過小となって接続信頼性が低下することがある。この点に鑑みて適切な接触面積を確保すべくビア導体の直径が大きくされると、導体層側のビア導体の端面が過大となって部品内蔵基板の小型化が阻害されることがある。また、ビア導体の長さが長くなると、ビア導体と周囲の絶縁層との熱膨張率の違いに起因してビア導体全体に生じる熱応力が過大となって断線などの不具合発生のリスクが高まることがある。
しかし本実施形態では、電子部品3は第2基板2に内蔵されており、第2基板2が第1基板1の貫通孔101に収容されている。図3に示されるように、第2基板2は、電子部品3がZ方向において有する長さLよりも大きい厚さT2を有している。なお第2基板2の「厚さ」は、第2基板2の表裏それぞれの最外層の導体層(各導体層23b)の上面同士の間の距離である。第2基板2は、電子部品3の電極31とビルドアップ層11を構成する導体層13aとを電気的に接続する導電体を含んでいる。図1~図3の例では、第2基板2は、電極31と導体層13aとを電気的に接続する導電体として、ビア導体25c、導体層23a、ビア導体25b、及び、導体層23b(接続パッド231)を含んでいる。そして接続パッド231が第1基板1のビア導体15cによって導体層13aに接続されている。
そのためビア導体15cは、電子部品3の長さLとコア基板10の厚さT10との差異に応じて長くならない。ビア導体15cは、第1基板1の導体層13aと第2基板2の導体層23bとの間の間隔に相当する長さしか有さない。従って、ビア導体15cと導体層23bとの接触面積は過小となり難く、ビア導体15cの導体層13a側の端面も過大となり難い。またビア導体15cに生じる熱応力の増大が抑制され、ビア導体15aに関する断線や剥離なども生じ難い。このように本実施形態によれば、電子部品3と部品内蔵基板100内の導体層との接続信頼性を向上させ得ることがある。
特に、図1~図3に例示される部品内蔵基板100では、第2基板2の厚さT2と、第1基板1のコア基板10の厚さT10は略同じである。さらに、第2基板2は、第2基板2のZ方向の中心と第1基板1のコア基板10のZ方向の中心とが一致するように貫通孔101内に配置されている。そのため、Z方向におけるコア基板10の2つの最外の表面(2つの導体層103それぞれの上面)と、Z方向における第2基板2の2つの最外の表面(2つの導体層23bそれぞれの上面)とが略面一である。
従って、ビア導体15cは、導体層13aと導体層103とを接続するビア導体15a(図1参照)と略同じ長さを有し得る。従って、第1基板1内の導体層13aと第2基板2内の導体層23bとを接続するビア導体15cは、導体層13aとコア基板10の導体層103とを接続する絶縁層14a内の他のビア導体(ビア導体15a)と同等の接続信頼性を有し得ると推察される。
第2基板2の厚さT2は、必ずしも、図1~図3の例のように第1基板1のコア基板10の厚さT10と略同じでなくてもよく、例えば、後に参照される図5の例のようにコア基板10の厚さT10よりも薄くてもよく、幾分厚くてもよい。また、コア基板10の第1面10a側及び第2面10b側のいずれか一方又は両方において、コア基板10の最外の表面と、第2基板2の最外の表面とが面一でなくてもよい。その場合でも、ビア導体15cの長さは、第2基板2を介さずに導体層13aと電子部品3の電極31とを直接接続するビア導体の長さよりも短くなり得る。第2基板2の厚さT2は、例えば、第1基板1のコア基板10の厚さT10の85%以上、105%以下である。
なお、図1~図3の例のように、第2基板2のZ方向の中心とコア基板10のZ方向の中心とが一致するように第2基板2が配置されていると、コア基板10の第1面10a側のビア導体15cと第2面10b側のビア導体15cとの間で長さの差異が生じ難い。従って、第2基板2の厚さT2が第1基板1のコア基板10の厚さT10よりも薄い場合でも、第1面10a側及び第2面10b側のうちの一方のビア導体15cが過剰に長くなり難い。従って、部品内蔵基板100全体としての信頼性を低下させる、ビア導体15cのいずれかの信頼性の低下が生じ難い。
上記の観点から、第2基板2は、Z方向において第1基板1のコア基板10の中心からの第2基板2の中心のずれが、各ビルドアップ層21の厚さT21よりも小さくなるように配置される。その場合、第1基板1のビア導体15cの長さは、電子部品3の長さLとコア基板10の厚さT10との差の半分と、絶縁層14aの厚さとの和よりも短くなり得る。すなわち、ビア導体15cの長さは、第2基板2を介さずに導体層13aと電子部品3の電極31とを直接接続するビア導体の長さよりも短くなり得る。なお、絶縁層14aの「厚さ」は、貫通孔101と平面視で重ならない領域において絶縁層14aを挟む2つの導体層(導体層103と導体層13a)の間の距離である。
絶縁層14a、14b、絶縁層24a、24b、絶縁層104、及び絶縁層204は、任意の絶縁性樹脂によって形成される。絶縁性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)又はフェノール樹脂などが例示される。これら各絶縁層は、さらに、無機フィラーを含んでいてもよい。各絶縁層に含まれる無機フィラーとしては、シリカ(SiO2)、アルミナ、又はムライトなどからなる微粒子が例示される。図1~図3の例では、コア基板10及びコア基板20をそれぞれ構成する絶縁層104及び絶縁層204は、ガラス繊維やアラミド繊維で形成される補強材(芯材)12を含んでいる。
一方、第1基板1のビルドアップ層11を構成する絶縁層14a、14bは、補強材を含んでいない。導体層13a及び導体層13bにおいて、微細な配線パターンを形成し易いことがある。これに対して、第2基板2内において電子部品3を覆う絶縁層24a及び絶縁層24bなどの第2基板内絶縁層は、ガラス繊維やアラミド繊維で形成される補強材(芯材)22を含んでいる。補強材22を含む比較的高い剛性を有する樹脂によって電子部品3を適切に保持し得ると考えられる。このように、絶縁層14a、14bと絶縁層24a、24bとが互いに異なる機械的特性を有していてもよい。
また、第1基板1内のビルドアップ層11を構成する絶縁層14a、14bと、第2基板2内のビルドアップ層21を構成する絶縁層24a、24bとは、補強材以外にも互いに異なる材料を含んでいてもよい。その結果、絶縁層14a、14bと、絶縁層24a、2bとが、互いに異なる特性、例えば互いに異なる電気的特性を有していてもよい。
例えば、絶縁層24a、24bを構成する材料の誘電率は、絶縁層14a、14bを構成する材料の誘電率よりも小さくてもよい。また、絶縁層24a、24bを構成する材料の誘電正接は、絶縁層14a、14bを構成する材料の誘電正接よりも小さくてもよい。その場合、第2基板2内を伝送する信号に対する誘電損失が低減されると考えられる。
すなわち、部品内蔵基板100内に局所的に所望の特性を有する領域を形成することができる。例えば、誘電率や誘電正接の低い材料は、標準的な誘電率や誘電正接を有する材料よりも加工性などに関して劣っていることがある。そのような場合に、部品内蔵基板100全体ではなく、低誘電損失が所望される領域、例えば電子部品3を覆う第2基板2を構成する絶縁層24a、24bだけに低誘電率及び/又は低誘電正接の材料を用いると有利なことがある。
このように本実施形態では、第2基板2には電子部品3の内蔵に適した材料を用いながら、第1基板1に関しては、電子部品3を内蔵することに伴う材料の制約が緩和される。従って、使用し得る材料の選択幅が広がることがある。すなわち、本実施形態によれば、第1基板1の絶縁層14a、14bなどのように部品内蔵基板を構成する絶縁層の材料選択の自由度が高まることがある。
図1~図3の例では、第2基板2と、第1基板1の貫通孔101の内壁との隙間は、2つのビルドアップ層11の一方(コア基板10の第1面10a側のビルドアップ層11)を構成する絶縁層14aの材料で充填されている。すなわち、第2基板2と貫通孔101の内壁との隙間が、絶縁層14aと一体的な充填物で埋められている。
図4には、部品内蔵基板100における第2基板2と貫通孔101の内壁との隙間の変形例が示されている。なお、図4は、図3と同様の部分を示している。図4の例では、第2基板2と貫通孔101の内壁との隙間が、絶縁層14aとは別個の充填物107で充填されている。絶縁層14aとは別個の充填物107を用いることによって、第2基板2と貫通孔101の内壁との隙間が、より確実に埋められると考えられる。
充填物107としては、部品内蔵基板100内の各絶縁層と同様にエポキシ樹脂やBT樹脂などが例示されるが、充填物107は、ビルドアップ層11を構成する絶縁層14aの材料とは異なる材料を含んでいてもよい。例えば、第2基板2と貫通孔101の内壁との隙間は、絶縁層14aを構成する樹脂と組成の異なる樹脂で充填されていてもよい。ビルドアップ層11を構成する絶縁層14aと、貫通孔101内の隙間を埋める充填物107とには、互いに異なる特性が所望されることがある。その場合、その所望される特性に応じた材料によって、充填物107が形成されてもよい。例えば、充填物107には、絶縁層14aに求められる金属との密着性は強く求められない。従って、最適な熱膨張率を有し得るように、充填物107にフィラーが含有されていてもよい。例えば充填物107は、絶縁層14aよりも高い含有率で無機フィラーを含んでいてもよい。
前述したように、図1などの例では、第2基板2は、第1基板1のコア基板10と略同じ厚さを有していて、Z方向においてコア基板10の中心と第2基板2の中心とが一致するように配置されている。しかし、実施形態の部品内蔵基板において、第2基板2は、第1基板1のコア基板10よりも薄くてもよく、Z方向においてコア基板10の中心と第2基板2の中心とがずれる位置に配置されてもよい。
図5には、第2基板2aがコア基板10よりも薄く、Z方向における第2基板2aの中心が第1基板1aのコア基板10の中心とずれている他の例の部品内蔵基板100aが示されている。
図5に示されるように、部品内蔵基板100aは、図1の例における第1基板1と略同じ構造を有する第1基板1aと、第1基板1aのコア基板10に設けられた貫通孔101内に配置されていて電子部品3を内蔵する第2基板2aとを備えている。第1基板1aのコア基板10は、図1などの例におけるコア基板10と同じ構造を有している。第1基板1aは、コア基板10に加えて、コア基板10の第1面10a上に形成されているビルドアップ層11aと、コア基板10の第2面10b上に形成されていて図1のビルドアップ層11と同じ構造を有するビルドアップ層11とを備えている。ビルドアップ層11aは、貫通孔101及び第2基板2aを覆う絶縁層14cと、図1の例と同じ構造をそれぞれ有する導体層13a、絶縁層14b及び導体層13bとによって構成されている。
第2基板2aは、電子部品3を収容する貫通孔201を備えるコア基板20と、コア基板20の第3面20a上、及び第4面20b上、それぞれに積層されている絶縁層24c及び絶縁層24c上に形成された導体層23cとを含んでいる。絶縁層24cは、導体層23cと電子部品3の電極31とを接続するビア導体25dを含んでいる。導体層23cは、ビア導体25dによって電極31と電気的に接続されている接続端子231を含んでいる。
図5の例において第2基板2aの厚さは、第1基板1aのコア基板10の厚さよりも薄い。また、第2基板2aは、コア基板10の第2面10b側において、コア基板10の最外の表面(導体層103における絶縁層104と反対側の表面)と、第2基板2aの最外の表面(導体層23cにおけるコア基板20と反対側の表面)とが面一になるように配置されている。従って、コア基板10の第1面10a側では、コア基板10の最外の表面(導体層103の上面)と、第2基板2aの最外の表面(導体層23cの上面)との間に段差が生じている。そしてこの段差に対応する貫通孔101内の領域は、第1基板1aの絶縁層14cによって充填されている。そのため、貫通孔101と平面視で重なる領域における絶縁層14cの厚さが、その他の領域における厚さよりも厚くなっている。
第1基板1aは、貫通孔101と平面視で重なる領域の絶縁層14cを貫いて導体層13aと第2基板2aの導体層23cとを接続するビア導体15dを含んでいる。ビア導体15dは、具体的には、導体層13aと、第2基板2aの接続端子231とを接続している。従って、電子部品3の電極31と第1基板1aの導体層13aとが、ビア導体25d、導体層23c(接続端子231)、及びビア導体15dを介して電気的に接続されている。ビア導体15dは、図1の例のビア導体15cよりも長いが、第2基板2aを介さずに導体層13aと電子部品3の電極31とを直接接続するビア導体の長さよりも短くなり得る。従って図5の例も、電子部品3と部品内蔵基板100a内の導体層との接続信頼性を向上させ得ることがある。
図5の例において第2基板2aの導体層23cは、配線パターン232を含んでいる。配線パターン232は、ビア導体25dを介して電子部品3の電極31に電気的に接続されている。電極31との電気的接続に加えて配線パターン232は、接続端子231及びビア導体15dを介して導体層13aと電気的に接続されている。導体層13aは、ビア導体15bを介して、導体層13bの接続パッド131に電気的に接続されている。
結果として、電子部品3の電極31は、平面視で電極31と重ならない位置に設けられている、第2基板2a内の接続端子231及び第1基板1a内の接続パッド131と電気的に接続されている。このように第2基板2aが備える導体層23cなどの導体層は、電子部品3の電極31と、平面視で電極31と異なる位置に設けられている第1基板1a内及び/又は第2基板2a内の導体パッドとの電気的接続を中継する配線パターンを含んでいてもよい。
なお、図5の例において、絶縁層14cよりも上側の導体層及び絶縁層、コア基板10、コア基板20、並びにビルドアップ層11は、図1の例の部品内蔵基板100におけるそれらの構造と同様の構造を有している。従って、これらの構成要素については、図5において図1と同じ符号が付され、重複する説明は省略される。
次に、一実施形態の部品内蔵基板の製造方法が、図1~図3の部品内蔵基板100を例に、図6A~図6G及び図7A~図7Gを参照して説明される。本実施形態の部品内蔵基板の製造方法は、図6A~図6Gに示されるように、電子部品3を内蔵する第2基板2を用意することを含んでいる。
まず、図6Aに示されるように、絶縁層204と、絶縁層204の両表面にそれぞれ積層された金属箔206とを含む出発基板200が用意される。例えば、補強材12を含むガラスエポキシ基板の両面に銅箔が圧着された両面銅張積層板が出発基板200として用意される。
図6Bに示されるように、例えば出発基板200の両面からの炭酸ガスレーザー光の照射によって、出発基板200におけるスルーホール導体205の形成位置に貫通孔が形成される。さらにその貫通孔内及び図6Aの金属箔206上に無電解めっき又はスパッタリングなどによって金属膜が形成される。そしてこの金属膜を給電層として用いる電解めっきによってめっき膜が形成される。その結果、導体層203及びスルーホール導体205が形成される。その後、サブトラクティブ法によって導体層203をパターニングすることによって所定の導体パターンを含む導体層203を両面に備えるコア基板20が得られる。図6Bの例では、後工程で形成される貫通孔201に対応する領域の導体層203が、パターニングによって徐去されている。
図6Cに示されるように、コア基板20に貫通孔201が形成される。例えば、形成されるべき貫通孔201の輪郭に沿って、絶縁層204に炭酸ガスレーザー若しくはYAGレーザーなどによるレーザー光が照射され、コア基板20から貫通孔201に対応する領域が除去される。貫通孔201は、レーザー光の照射に限らず、例えばドリル加工などの任意の方法で形成され得る。
続いて、図6Dに示されるように、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)からなる支持材Cが、コア基板20の一方の面20bに設けられる。これにより、図6Dに示されるように、貫通孔201の一方の開口が塞がれる。支持材Cは、例えば少なくとも一面に粘着性を有する粘着シートからなり、この粘着性を有する面がコア基板20に接着される。そして、貫通孔201内に露出する支持材Cの粘着性を有する一面上に、電子部品3が配置される。例えばチップマウンタを用いて電子部品3が載置される。電子部品3は、例えば、抵抗、コンデンサ、又はインダクタなどの受動部品であってもよく、トランジスタやICなどの能動部品であってもよい。電子部品3は、表面実装に適したチップコンデンサ、チップ抵抗、又はチップインダクタなどの表面実装部品であってもよい。
図6Eに示されるように、半硬化状態で例えばシート状に成型されたエポキシ樹脂が、コア基板20の他方の面20a上に載置され、コア基板20に向けて加圧及び加熱される。その結果、コア基板20の他方の面20a上に絶縁層24aが形成される。シート状のエポキシ樹脂は、補強材22を含むプリプレグであってもよい。その場合、図6Eに示されるように、銅箔などの金属箔23a1が、プリプレグ上に積層されて絶縁層24aと熱圧着されてもよい。この加圧及び加熱によって、シート状に成型された半硬化状態の樹脂が軟化すると共に、その一部が、貫通孔201の内部、具体的には、電子部品3と貫通孔201の内壁との隙間に流れ込む。電子部品3と貫通孔201の内壁との隙間が、絶縁層24aを構成する樹脂で充填される。また電子部品3が貫通孔201内の樹脂によって保持される。その後、支持材Cが除去される。
図6Fに示されるように、コア基板20の一方の面20b上にも絶縁層24aが形成される。コア基板20の他方の面20a上への絶縁層24aの形成時と同様に、例えば補強材22を含むプリプレグのような、半硬化状態でシート状に形成された樹脂が、コア基板20の一方の面20b上に載置され、加熱及び加圧される。その結果、コア基板20の両面が絶縁層24aに覆われる。この一方の面20b上への絶縁層24aの形成においても、図6Fに示されるように、銅箔などの金属箔23a1が絶遠層24aと熱圧着されてもよい。
図6Gに示されるように、コア基板20の両面それぞれの絶縁層24a上に導体層23aが形成されると共に、ビア導体25a及びビア導体25cが形成される。さらに、絶縁層24a及び導体層23aの上に絶縁層24bが形成され、絶縁層24b上に導体層23bが形成されると共に、絶縁層24b内にビア導体25bが形成される。導体層23a、23b、及び絶縁層24bは、一般的なビルドアップ多層基板の導体層及び絶縁層の形成方法で形成され得る。例えば導体層23a、23bは、金属箔を用いるセミアディティブ法を用いて形成される。電子部品3を内蔵する第2基板2は、例えば、以上の工程を経ることによって用意され得る。
図6Gの例では、第2基板2の外表面に接続端子231が形成されている。すなわち、導体層23bは、接続端子231を含むように形成される。接続端子231は、ビア導体25b、導体層23a、及びビア導体25cを介して電子部品3の電極31と電気的に接続されている。
本実施形態の部品内蔵基板の製造方法は、さらに、図7A~図7Gに示されるように、第1基板1を形成することを含んでいる。具体的には、本実施形態の製造方法は、第1基板1のコア基板10を用意することと、第2基板2をコア基板10の貫通孔101内に配置することと、コア基板10上にビルドアップ層11を形成することと、を含んでいる。まず、図7A~図7Cに示されるように、第1基板1のコア基板10が用意される。
図7Aに示されるように、絶縁層104と、絶縁層104の両表面にそれぞれ積層された金属箔108とを含む出発基板110が用意される。絶縁層104は、例えばエポキシ樹脂、BT樹脂、又はフェノール樹脂、などの任意の絶縁性樹脂によって形成されている。図7Aの例では、絶縁層104は、ガラス繊維などによって構成される補強材12を含んでいる。金属箔108は、例えば、銅又はニッケルなどの任意の金属で形成されている。出発基板110は、例えば両面銅張積層板である。用意された出発基板110には、スルーホール導体105(図7B参照)の形成位置に導通用孔105aが形成される。導通用孔105aは、例えば、ドリル加工、又は炭酸ガスレーザー光によるレーザー加工などによって形成される。
図7Bに示されるように、絶縁層104の両面に導体層103が形成され、導通用孔105a内にスルーホール導体105が形成される。図7Bでは各スルーホール導体105及び各導体層103の図示が簡略化されているが、各スルーホール導体105及び各導体層103は、2層以上の金属層を含む積層構造を有し得る。例えば、スパッタリング又は無電解めっき、及び電解めっきによって、導通用孔105aの内壁面上、及び、図7Aの金属箔108上に2層の金属膜が形成される。導通用孔105aの内壁面上には、この2層の金属膜からなる筒状のスルーホール導体105が形成される。
筒状のスルーホール導体105の中空部分は樹脂体106で充填される。例えば、エポキシ、アクリル又はフェノールなどの樹脂が、スルーホール導体105の中空部分に注入され、必要に応じて加熱などによって固化される。その結果、スルーホール導体105の中空部分を埋める樹脂体106が形成される。樹脂体106の両端面は、化学機械研磨などの任意の方法で研磨されてもよい。
絶縁層104の両面の2層の金属膜上及び樹脂体106の両端面上には、スパッタリング又は無電解めっき、及び電解めっきによって、さらに2層の金属膜が形成される。スルーホール導体105に対する所謂蓋めっき膜が形成されると共に、絶縁層104の両面に、全部で5層構造の導体層103が形成される。その後、導体層103上に、導体層103が有するべき導体パターンに応じた開口を有するエッチングマスクが形成され、図7Bに示されるように、導体層103の不要部分が、例えばウェットエッチングやドライエッチングによって除去される。その結果、導体層103に所望の導体パターンが形成される。図7Bの例では、後工程で形成される貫通孔101の輪郭に対応する導体層103の領域が、パターニングによって徐去されている。
図7Cに示されるように、絶縁層104に貫通孔101が形成される。例えば、形成されるべき貫通孔101の輪郭に沿って、絶縁層104に炭酸ガスレーザー若しくはYAGレーザーなどによるレーザー光が照射され、絶縁層104から貫通孔101に対応する領域が除去される。その結果、貫通孔101を備えるコア基板10が用意される。貫通孔101は、レーザー光の照射に限らず、例えばドリル加工などの任意の方法で形成され得る。
用意されたコア基板10の一方の面(第2面10b)には、例えばPETからなる支持材Cが設けられる。貫通孔101の第2面10b側の開口が塞がれる。支持材Cは少なくとも一面に粘着面を有しており、この粘着面がコア基板10に接着される。
図7Dに示されるように、前述された一例の方法で用意された第2基板2が貫通孔101内に配置される。第2基板2は、例えばチップマウンタなどを用いて、貫通孔101内に露出する支持材Cの粘着面上に載置される。第2基板2内の電子部品3は、貫通孔101内に第2基板2が配置された状態で、第1基板1のコア基板10の厚さ方向(Z方向)に沿う長さとしてコア基板10の厚さ未満の長さを有している。図7Cの例では、Z方向に沿う電子部品3の長さは電子部品3の厚さであり、電子部品3は、コア基板10の厚さよりも薄い厚さを有している。電子部品3の厚さは、例えば、コア基板10の厚さの20%以上、60%以下である。
図7E~図7Gに示されるように、貫通孔101及び第2基板2を覆うビルドアップ層11が形成される。具体的には、コア基板10上に絶縁層14aが積層され、絶縁層14a上に導体層13aが形成される。さらに、絶縁層14b及び導体層13bが形成される。
まず、図7Eに示されるように、コア基板10における支持材Cが設けられていない第1面10a上、及び第2基板2上に、例えば半硬化状態で膜状に形成された樹脂が載置され、コア基板10に向けて加圧及び加熱される。その結果、第1面10a上に絶縁層14aが形成される。この加圧及び加熱によって、膜状に形成された半硬化状態の樹脂が軟化すると共に、その一部が、貫通孔101の内部、具体的には、第2基板2と貫通孔101の内壁との隙間に流れ込む。第2基板2と貫通孔101の内壁との間が、絶縁層14aを構成する樹脂で充填される。また第2基板2が貫通孔101内の樹脂によって保持される。コア基板10の第1面10a上に載置される膜状に形成された樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、BT樹脂、又はフェノール樹脂などである。絶縁層14aの形成後、支持材Cが除去される。
なお、本実施形態の部品内蔵基板の製造方法では、第2基板2と貫通孔101の内壁との隙間が、ビルドアップ層11の形成前、すなわち絶縁層14aの形成前に充填されてもよい。その場合、例えば絶縁層14aを構成する材料とは異なる材料からなる充填物で、第2基板2と貫通孔101の内壁との隙間が充填されてもよい。例えば、先に参照された図4の例のエポキシ樹脂やBT樹脂などからなる充填物107によって、第2基板2と貫通孔101の内壁との隙間が充填されてもよい。絶縁層14aの形成とは別個の工程で第2基板2と貫通孔101の内壁との隙間の充填を行うことによって、第2基板2と貫通孔101の内壁との隙間が、より確実に埋められると考えられる。例えば、図7Dに示される状態で、第2基板2と貫通孔101の内壁との隙間にエポキシ樹脂やBT樹脂などが注入され、必要に応じて加熱などによって固化されてもよい。このように本実施形態の部品内蔵基板の製造方法は、さらに、ビルドアップ層11の形成の前に、貫通孔101の内壁と第2基板2との隙間を所定の充填物で充填することを含んでいてもよい。
図7Fに示されるように、コア基板10の第2面10bにも絶縁層14aが形成される。コア基板10の第1面10aへの絶縁層14aの形成時と同様に、例えば、半硬化状態で膜状に形成されたエポキシ樹脂などが、第2面10b上に載置され、加熱及び加圧される。第2面10b上に載置された膜状の樹脂が硬化し、その樹脂からなる絶縁層14aが第2面10b上に形成される。
図7Gに示されるように、コア基板10の両面それぞれに、さらに導体層13a、絶縁層14b、及び導体層13bを形成することによって、ビルドアップ層11が形成される。絶縁層14aにはビア導体15a及びビア導体15cが形成され、絶縁層14bにはビア導体15bが形成される。本実施形態の部品内蔵基板の製造方法では、ビルドアップ層11を構成する導体層を形成することは、第2基板2内の導電体を介して、ビルドアップ層11を構成する導体層と電子部品3の電極31とを電気的に接続することを含んでいる。すなわち、ビルドアップ層11の形成工程を通じて、導体層13a及び/又は導体層13bが、第2基板2内の各導体層及び各ビア導体を介して、電子部品3の電極31と電気的に接続される。
図7Gの例では、導体層13b及び導体層13aが、ビア導体15b、ビア導体15c、導体層23b(接続端子231)、ビア導体25b、導体層23a、及び、ビア導体25cを介して、電子部品3の電極31と電気的に接続される。すなわち図7Gの例では、ビルドアップ層11内の導体層と電極31とを電気的に接続することは、少なくとも、絶縁層14aを貫通して導体層13aと第2基板2の接続端子231とを接続するビア導体15cを形成することを含んでいる。
例えば炭酸ガスレーザー光の照射により、絶縁層14aにビア導体15a、15cを設けるためのビアホールが形成される。続いて、例えば無電解めっき又はスパッタリングなどにより、絶縁層14a上、及び、ビアホール内に、例えば銅やニッケルなどの任意の金属からなる金属膜が形成される。そして、この金属膜上に、例えばフォトリソグラフィ技術を用いて、適切な開口を有するめっきレジスト(図示せず)が形成される。そして、めっきレジストの下の金属膜を給電層として用いる電解めっきによって、めっきレジストの開口内に銅やニッケルなどの任意の金属からなるめっき膜が形成される。ビアホール内にはビア導体15a及びビア導体15cが形成される。その後、めっきレジストが除去され、その除去によって露出する金属膜が、例えばエッチングによって除去される。その結果、所望の導体パターンを含む導体層13aが形成される。
その後、絶縁層14aの形成方法と同様の方法で、絶縁層14a及び導体層13aの上に絶縁層14bが形成される。さらに、導体層13a、及びビア導体15a、15cの形成方法と同様の方法で、導体層13b及びビア導体15bが形成される。導体層13bは、ビア導体15bを介して、第2基板2の接続端子231、さらに電子部品3の電極31に、電気的に接続される。このようにコア基板10上に各絶縁層を積層し、さらに各絶縁層上に各導体層を形成することによってビルドアップ層11が形成される。
ビルドアップ層11の形成後、ソルダーレジスト16が、絶縁層14bの露出面上、及び導体層13b上に形成される。ソルダーレジスト16には、導体層13bの一部を露出させる開口が設けられる。ソルダーレジスト16及びその開口は、感光性のエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂などを含む樹脂層の形成と、適切な開口パターンを有するマスクを用いた露光及び現像とによって形成される。
ソルダーレジスト16の開口に露出する導体層13bの表面上には、バンプ(図示せず)が、例えば、はんだボールの接続により形成されてもよい。また、バンプの形成の代わりに、又はバンプの形成前に、無電解めっき、半田レベラ、又はスプレーコーティングなどによって、Au、Ni/Au、Ni/Pd/Au、はんだ、又は耐熱性プリフラックスなどからなる表面保護膜(図示せず)が形成されてもよい。以上の工程を経る事によって図1の例の部品内蔵基板100が完成する。
実施形態の部品内蔵基板は、各図面に例示される構造、並びに、本明細書において例示される構造、形状、及び材料を備えるものに限定されない。例えば、第1基板及び第2基板内の各ビルドアップ層の導体層及び絶縁層それぞれの層数は、1層であってもよく、3層以上であってもよい。また、第2基板は、コア基板とビルドアップ層とを必ずしも備えていなくてもよい。第2基板は、第1基板のコア基板の厚さ方向における電子部品の寸法よりも大きな厚さを有していればよい。また、第1基板のビルドアップ層の絶縁層が補強材を含んでいてもよく、第2基板内の絶縁層が補強材を含んでいなくてもよい。
実施形態の部品内蔵基板の製造方法は、各図面を参照して説明された方法に限定されない。例えば、第2基板の各絶縁層及び各導体層は、一般的なビルドアップ多層基板の製造方法以外の方法で形成されてもよい。第2基板は、コア基板となる出発基板ではなく、後に除去される支持基板上で、コアレス構造を有するように形成されてもよい。また、第1基板及び第2基板の各導体層は、セミアディティブ法以外の方法で形成されてもよい。実施形態の部品内蔵基板の製造方法には、前述された各工程以外に任意の工程が追加されてもよく、前述された工程のうちの一部が省略されてもよい。
100、100a 部品内蔵基板
1、1a 第1基板
10 コア基板
101 貫通孔
107 充填物
11、11a ビルドアップ層
13a、13b 導体層
131 接続パッド
14a~14c 絶縁層
15a~15d ビア導体
2、2a 第2基板
22 補強材
23a~23c 導体層(第2基板内導体層)
231 接続端子
232 配線パターン
24a~24c 絶縁層(第2基板内絶縁層)
3 電子部品
31 電極
L 電子部品における第1基板のコア基板の厚さ方向に沿う長さ
T10 第1基板のコア基板の厚さ
T2 第2基板の厚さ
Z 第1基板のコア基板の厚さ方向
1、1a 第1基板
10 コア基板
101 貫通孔
107 充填物
11、11a ビルドアップ層
13a、13b 導体層
131 接続パッド
14a~14c 絶縁層
15a~15d ビア導体
2、2a 第2基板
22 補強材
23a~23c 導体層(第2基板内導体層)
231 接続端子
232 配線パターン
24a~24c 絶縁層(第2基板内絶縁層)
3 電子部品
31 電極
L 電子部品における第1基板のコア基板の厚さ方向に沿う長さ
T10 第1基板のコア基板の厚さ
T2 第2基板の厚さ
Z 第1基板のコア基板の厚さ方向
Claims (17)
- 貫通孔を備えるコア基板、及び、前記コア基板の上に積層されている絶縁層と導体層とによって構成されるビルドアップ層を含む第1基板と、
電子部品を内蔵していて前記貫通孔内に配置されている第2基板と、
を備える部品内蔵基板であって、
前記電子部品は、前記コア基板の厚さよりも薄い厚さを有しており、
前記第2基板は、前記ビルドアップ層を構成する前記導体層と前記電子部品の電極とを電気的に接続する導電体を含んでいる。 - 請求項1記載の部品内蔵基板であって、前記電子部品の前記厚さは、前記コア基板の厚さの20%以上、60%以下である。
- 請求項1記載の部品内蔵基板であって、前記第2基板の厚さは前記コア基板の厚さの85%以上、105%以下である。
- 請求項1記載の部品内蔵基板であって、前記電子部品はチップコンデンサである。
- 請求項1記載の部品内蔵基板であって、前記第2基板は、前記電極と電気的に接続されていて前記第2基板の外部の導体と接続される接続端子を備えている。
- 請求項5記載の部品内蔵基板であって、
前記ビルドアップ層は前記絶縁層を貫通するビア導体を含み、
前記ビルドアップ層を構成する前記導体層と前記接続端子とが前記ビア導体によって接続されている。 - 請求項6記載の部品内蔵基板であって、前記ビルドアップ層を構成する前記導体層と前記接続端子とを接続する前記ビア導体の長さは、前記電子部品の前記厚さと前記コア基板の厚さとの差の半分と、前記ビア導体に貫通される前記絶縁層の厚さとの和よりも短い。
- 請求項1記載の部品内蔵基板であって、
前記第2基板は、前記電極に電気的に接続されている配線パターンを含んでおり、
前記配線パターンは、前記ビルドアップ層を構成する前記導体層と電気的に接続されている。 - 請求項1記載の部品内蔵基板であって、
前記第2基板は、前記電子部品を覆う第2基板内絶縁層を含み、
前記第2基板内絶縁層は、前記ビルドアップ層を構成する前記絶縁層と、誘電率及び誘電正接のいずれか一方又は両方が異なる。 - 請求項9記載の部品内蔵基板であって、
前記第2基板内絶縁層は、前記ビルドアップ層を構成する前記絶縁層よりも、誘電率及び誘電正接のいずれか一方又は両方が小さい。 - 請求項1記載の部品内蔵基板であって、
前記第2基板は、前記電子部品を覆う第2基板内絶縁層を含み、
前記第2基板内絶縁層は、補強材を含む樹脂によって形成されている。 - 請求項1記載の部品内蔵基板であって、前記第2基板と前記貫通孔の内壁との隙間が、前記ビルドアップ層内の絶縁層を構成する樹脂と異なる組成の樹脂で充填されている。
- 貫通孔を備えているコア基板を用意することと、
電子部品を内蔵している第2基板を用意することと、
前記第2基板を前記貫通孔内に配置することと、
前記貫通孔及び前記第2基板を覆うビルドアップ層を前記コア基板上に形成することによって第1基板を形成することと、
を含む部品内蔵基板の製造方法であって、
前記電子部品は、前記コア基板の厚さよりも薄い厚さを有しており、
前記ビルドアップ層を形成することは、前記コア基板上に絶縁層を積層することと、前記絶縁層上に導体層を形成することと、を含み、
前記導体層を形成することは、前記第2基板内の導電体を介して、前記導体層と前記電子部品の電極とを電気的に接続することを含んでいる。 - 請求項13記載の部品内蔵基板の製造方法であって、前記電子部品の前記厚さは、前記コア基板の厚さの20%以上、60%以下である。
- 請求項13記載の部品内蔵基板の製造方法であって、
前記第2基板を用意することは、前記電極に電気的に接続されている接続端子を前記第2基板の表面に形成することを含んでおり、
前記導体層と前記電極とを電気的に接続することは、前記絶縁層を貫通して前記導体層と前記接続端子とを接続するビア導体を形成することを含んでいる。 - 請求項13記載の部品内蔵基板の製造方法であって、さらに、前記ビルドアップ層の形成の前に、前記貫通孔の内壁と前記第2基板との隙間を所定の充填物で充填することを含んでいる。
- 請求項13記載の部品内蔵基板の製造方法であって、前記電子部品はチップコンデンサである。
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JP2020153961A Pending JP2022047910A (ja) | 2020-09-14 | 2020-09-14 | 部品内蔵基板及び部品内蔵基板の製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2022047910A (ja) |
-
2020
- 2020-09-14 JP JP2020153961A patent/JP2022047910A/ja active Pending
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