JP2022045657A - 熱伝導性と耐エロージョン性に優れたアルミニウム合金ベア材およびアルミニウム合金ブレージングシート - Google Patents

熱伝導性と耐エロージョン性に優れたアルミニウム合金ベア材およびアルミニウム合金ブレージングシート Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、高い電気伝導度と優れた耐食性のアルミニウム合金ベア材とブレージングシートを提供することを目的とする。【解決手段】本発明の熱交換器用アルミニウム合金ベア材は、質量%で、質量%で、Fe:0.6%以上0.8%以下、Si:0.4%以下、Cu:0.6%より多く1.0%以下を含有し、Mn:0.2%以下、Zn:0.3%以下に規制し、残部がAlと不可避不純物からなり、電気伝導度55%IACS以上を有し、かつ、マトリクス中に分布している円相当径で0.5~2.0μmのAl-Fe系化合物粒子もしくはAl-Fe-Si系化合物粒子の個数が1.0×104~3.0×104個/mm2であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、熱伝導性と耐エロージョン性に優れたアルミニウム合金ベア材およびアルミニウム合金ブレージングシートに関する。
近年、自動車のEV化の流れによって、インバータ冷却器など新たな熱交換器が自動車に搭載されている。インバータ冷却器は、省スペース化による小型化や軽量化の観点から熱交換器の放熱性能の向上が求められる。例えば、部材の接合密度が高い構造を有しているインバータ冷却器では、部材に使用されるアルミニウムの熱伝導性が高いほどインバータ冷却器の放熱性能に優れる。
自動車用熱交換器に使用されるアルミニウム合金は、一般的に強度や耐食性のためAl-Mn系合金が使用されている。しかし、Alに添加されるMnはAlマトリクス中に固溶した際に電気伝導度を大きく低下させる傾向がある。Alの熱伝導性と電気伝導度は比例しており、電気伝導度の低下は熱伝導性の低下につながる。
そのため、電気伝導度の優れていないMnを添加したAl合金を使用した自動車用熱交換器では放熱性能に限界がある。一方で、Mnが添加されていない1000系合金を使用すると、高い電気伝導度を有することができるが、自動車用熱交換器の部材としては強度が低く、熱交換器の構造強度を保てない。またSiやCuなどAlマトリクス中に固溶することで強度を向上する元素は、同じ添加量で比較すると、Mnと比べて電気伝導度の低下量は抑えられ強度を向上することができるものの、添加量増加に伴い材料の融点が低下するため、過度な添加は、ろう付中に激しくろう侵食を受ける可能性が高まり、熱交換器の形状を保つことが困難となる問題がある。このため、自動車用熱交換器の構造を確保しつつ、放熱性能を向上させるためにはAl-Mn系合金以外のアルミニウム合金によって強度確保と熱伝導性を向上することが求められる。
従来、高強度かつ高熱伝導性を示すアルミニウム合金材として、Fe:2.0~3.0質量%、Si:0.5~1.5質量%、Ti:0.05質量%以下、残部がAlおよび不可避不純物の組成を有するアルミニウム合金材が知られている(特許文献1参照)。
また、熱交換器用アルミニウム合金フィン材として、Fe:0.010~0.4質量%、Cu:0.005質量%未満、残部Alおよび不純物からなり、Al純度99.30質量%以上であり、亜結晶粒の平均粒径が2.5μm以下、最大長さ3μmを超える金属間化合物が2000個/mm以下であるアルミニウムフィン材が知られている(特許文献2参照)。
特開2002-256365号公報 特開2014-074198号公報
近年において熱交換器の更なる小型化、高放熱性能化の要求に伴い、アルミニウム合金の高電気伝導性(=高熱伝導性)が求められているため、本発明者らはAl-Mn系合金とは異なる系のAl合金について種々材料開発を行っている。
この材料開発に伴い、本発明者らは、FeとSiとCuをAlに添加した組成系について研究した結果、アルミニウム母材中に殆ど固溶しないFeと、Siを添加した合金を使用することで、高い電気伝導度を有しつつ熱交換器の構造強度を保てる強度を有する材料となることがわかった。ただしSiの添加量を増やすと、Siが母材へ多く固溶した際に母材の融点が低下するため、ろう付時に激しくろう侵食を受け、熱交換器の形状を保つことができなくなる。さらに、粗大なAl-Fe系化合物に対して微細なAl-Fe-Si化合物の分布割合が低くなると、粗大なAl-Fe系化合物を核として再結晶が生じ、再結晶粒が微細となるため、ろう付時に過度にろう侵食(エロージョン)が発生するおそれもある。そこで、Siの固溶度を低減し、かつAlマトリクス中に存在するAl-Fe系化合物の粒子サイズおよび密度、Al-Fe-Si系化合物の粒子サイズおよび密度を最適化する工程を採用した。これにより、再結晶粒が微細とならず、エロージョン性に優れ、かつAl-Mn系合金に比べ飛躍的に電気伝導度を向上できることがわかった。
また、これら化合物の分布状態に影響のないCuを、ろう付中にろう侵食が生じない範囲でAlに添加することで、より強度が求められる自動車用熱交換器へ適応できることも発見した。
本発明は、これらの背景に鑑み、なされたものであり、高い電気伝導度を有するとともに、ろう侵食の発生を抑えることができ、熱交換器に求められる強度と耐食性を有するアルミニウム合金ベア材とアルミニウム合金ブレージングシートの提供を目的とする。
(1)本形態のアルミニウム合金ベア材は、質量%で、Fe:0.6%以上0.8%以下、Si:0.7%より多く1.4%以下、Cu:0.6%以下を含有し、Mn:0.2%以下、Zn:0.3%以下に規制し、残部がAlと不可避不純物からなり、電気伝導度55%IACS以上を有し、かつ、マトリクス中に分布している円相当径で0.5~2.0μmのAl-Fe系化合物粒子もしくはAl-Fe-Si系化合物粒子の個数が1.0×10~3.0×10個/mmであることを特徴とする。
(2)本形態のアルミニウム合金ベア材は、熱交換器ろう付相当熱処理を付与した後の電気伝導度44%IACS以上を有し、かつ、マトリクス中に分布している円相当径で0.5~2.0μmのAl-Fe系化合物粒子もしくはAl-Fe-Si系化合物粒子の個数が1.0×10~3.0×10個/mmであることが好ましい。
(3)本形態のアルミニウム合金ブレージングシートは、(1)または(2)に記載の組成からなる熱交換器用アルミニウム合金を心材とし、その一方の面もしくは両方の面に、ろう材として質量%でSi:3.0~12.0%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなるアルミニウム合金層が貼り合わされたことを特徴とする。
(4)本形態のアルミニウム合金ブレージングシートにおいて、前記ろう材に、さらに質量%でZn:0.1~4.0%を含有することが好ましい。
(5)本形態に係る(3)または(4)に記載のアルミニウム合金ブレージングシートにおいて、電気伝導度53%IACS以上を有し、かつ、心材のマトリクス中に分布している円相当径で0.5~2.0μmのAl-Fe系化合物粒子もしくはAl-Fe-Si系化合物粒子の個数が0.1×10~3.0×10個/mmであることが好ましい。
(6)本形態に係る(3)~(5)のいずれかに記載のアルミニウム合金ブレージングシートにおいて、熱交換器ろう付相当熱処理を付与した後の電気伝導度43%IACS以上を有し、かつ、心材のマトリクス中に分布している円相当径で0.5~2.0μmのAl-Fe系化合物粒子もしくはAl-Fe-Si系化合物粒子の個数が1.0×10~3.0×10個/mmであることが好ましい。
(7)本形態に係る(3)~(6)のいずれかに記載のアルミニウム合金ブレージングシートにおいて、熱交換器ろう付相当熱処理を付与した後の前記心材と前記ろう材表面の孔食電位差が80mV以上であることが好ましい。
本発明は、優れた電気伝導度を有し、かつ耐エロージョン性に優れたアルミニウム合金ベア材あるいは熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシートを提供することができる。
本発明に係るアルミニウム合金ベア材あるいはブレージングシートは、優れた電気伝導度を有しつつろう侵食を抑制できるため、近年において更なる小型化、高放熱性能化要求がなされている自動車用熱交換器に用いて好適なアルミニウム合金ベア材およびブレージングシートとして適用することができる。
本発明に係るアルミニウム合金ベア材の一例を示す断面図である。 本発明に係るブレージングシートの一例を示す部分断面図である。 本発明に係るブレージングシートの他の例を示す部分断面図である。 本発明に係るブレージングシートとろう付対象部材との接合状態を説明するための側面図である。 本発明に係るブレージングシートを適用して構成された熱交換器を示す斜視図である。
以下、添付図面を参照し、本発明に係る実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合がある。
図1は本発明に係るアルミニウム合金ベア材の一例を示し、図2は図1に示すアルミニウム合金ベア材と同等成分からなる心材を有する第1実施形態の熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシートの断面構造を示す。この実施形態のアルミニウム合金ブレージングシートAは、板状またはシート状であり、図1に示すアルミニウム合金ベア材と同等成分からなる心材1の上下両面に第1のろう材層2が積層された3層構造とされている。なお、ろう材層2については後述する他の形態の如く心材1の片面のみに積層されていても良い。
「アルミニウム合金ベア材および、心材」
ベア材Mおよび心材1は、質量%で、Fe:0.6%以上0.8%以下、Si:0.7%より多く1.4%以下、Cu:0.6%以下を含有し、Mn:0.2%以下、Zn:0.3%以下に規制し、残部がAlと不可避不純物の組成を有するアルミニウム合金からなる。
アルミニウム合金ベア材Mは一例として図1に示すように圧延加工を施して板状に加工し、熱交換器用フィンとして使用することもでき、アルミニウム合金と両面クラッド材をカップ形状に加工し、交互に積み重ねてろう付される部材などとして利用することもできる。本形態のアルミニウム合金ベア材Mの用途の一例は同等成分の合金を心材1に用いた図2に示すブレージングシートAであるが、その他の用途としても良いのは勿論である。
以下にベア材Mおよび心材1を構成するアルミニウム合金に含まれている成分元素の組成限定理由について説明する。
Fe:0.6%以上0.8%以下
FeをAlに添加することでAl-Fe系、もしくはAl-Fe-Si系などの化合物粒子としてアルミニウム合金マトリクス内に析出させ、粒子分散強化により材料強度を向上させるためにAlに添加される。Feの含有量が下限値未満であると、Al-Fe系化合物粒子、もしくはAl-Fe-Si系の化合物粒子が目的とする分散状態(単位面積あたりの必要個数)を得られない。Feの含有量が上限値を超えると、Al-Fe系化合物粒子、もしくはAl-Fe-Si系の化合物粒子の分散数が必要以上に増加するので、ベア材もしくは心材自身に腐食液が付着した場合、表面でのカソード反応が促進され、自己耐食性が低下する。
Si:0.7%より多く1.4%以下
SiはAlに固溶するか、もしくは、Al-Fe-Si系などの化合物粒子としてアルミニウム合金マトリクス内に析出することでAlの材料強度を向上させる。Siの含有量が上限越えであると、アルミニウム合金の融点が必要以上に低下するので、ろう付時に心材が溶融し、ろう付接合不良の要因となるおそれがある。また、Siの含有量が上限越えであると、ろう付後の電気伝導度が低下するおそれがある。Si含有量が下限値未満の場合、所望とする化合物粒子の分散状態が得られず、再結晶粒が微細となり、ろう付時にベア材および心材が過度にろう侵食(エロージョン)を受けるため、熱交換器の形状を維持することができないおそれがある。
Cu:0.6%以下
CuはAlに固溶してAlの材料強度を向上させるために添加される。Cuの含有量が下限値未満では、熱交換器の構造を維持する強度が得られない。Cuの含有量が上限超えであるとろう付後の電気伝導度が低下する。また、Cuの含有量が増加することでAl合金の腐食時に表面へCuが析出し、自己耐食性を低下させるおそれがある。また、ブレージングシートとして使用する場合、ろう付中に心材からろう材へ多分にCuが拡散するためろう材の電位が貴となり、ろう材と心材の電位差が小さくなるため、ろう材による犠牲防食が有効に作用しないおそれがある。
Mn:0.2%以下
アルミニウム合金を製造する上でMnを全く含有させないことは難しく、製造の都合上、微量に含有することとなる。Mnは微量に含有した場合でも、Alに固溶すると電気伝導度を大きく低下させる。ただし、Mn含有量が0.2%以下であれば、所定の均質化処理を施すことで、Alに固溶するMn量を最低限とし、電気伝導度の低下を抑制することができる。Mn含有量について、より好ましくは0.1%以下である。
Zn:0.3%以下
Znは耐食性の確保に寄与する元素であり、Zn含有量が0.3%を超えると自己耐食性が低下する。Zn含有量について、より好ましくは0.2%以下である。
「ろう材」
以下にろう材2に含まれている成分元素の組成限定理由について説明する。
Si:3.0~12.0%
Siはろう付時に溶融ろうを形成し、ろう付接合部のフィレットを形成するために添加される。
Siの含有量が下限未満であると、溶融ろうが少なくなり、ろう付接合性が低下する。Siの含有量が上限越えであると、ろう付時に生成する溶融ろうが過多となり、心材1もしくはろう付対象部材を激しく溶融するため熱交換器の形状を維持することができずに、性能低下や外見を損なうおそれがある。
なお、質量%の範囲あるいは数値範囲について「~」を用いて表記する場合、特に指定しない限り、下限と上限を含む表記とする。よって、一例として3.0~12.0%は、3.0質量%以上12.0質量%以下の含有量であることを意味する。
Zn:0.1~4.0%
Znはろう材による心材の犠牲防食効果を得るためにろう材に添加される。4.0%を超えるZnを添加すると腐食速度が増加し、ろう材が早期に腐食することで心材を防食できないこととなり、耐食性が低下する。
「Al-Fe系化合物粒子もしくはAl-Fe-Si系化合物粒子の粒子サイズ」
0.5~2.0μm(0.5μm以上2.0μm以下)
化合物粒子の粒子サイズ(円相当径)が0.5μm未満であると、ろう付時にマトリクスへ化合物粒子の再固溶がなされ、ろう付後の材料の電気伝導度が低下してしまう。粒子サイズが2.0μmを超えると、効果的に粒子分散強化を得られず、材料強度が低下するため、熱交換器としての構造強度が保持できない。また2.0μmを超える化合物粒子が多く分布していると、化合物粒子を核として再結晶が進行し、再結晶粒が微細になるため、アルミニウム合金ベア材および心材を激しくエロージョンし、熱交換器の形状を維持できない。
「Al-Fe系化合物粒子もしくはAl-Fe-Si系化合物粒子の粒子個数:1.0×10~3.0×10個/mm(1.0×10個/mm以上3.0×10個/mm以下)」
化合物粒子数が1.0×10個未満の場合において、材料への元素の添加量が多い場合、添加した元素が母相にほぼ固溶している状態となり、電気伝導度が大きく低下する。逆に、元素の添加量が少ない場合、固溶度が低いため電気伝導度は高くなるが、材料強度が低くなるため熱交換器などの用途としての構造強度が保持できなくなる。
化合物粒子個数が3.0×10個を超える場合、表面に暴露している化合物数が増大することとなる。化合物粒子数の増大は材料表面で生じるカソード反応が増加するため、Al合金の自己耐食性が低下する。
Al-Fe系化合物粒子もしくはAl-Fe-Si系化合物粒子の粒子個数については、1.0×10~3.0×10個/mmの範囲がより好ましい。
「ろう付後のAl-Fe系化合物粒子もしくはAl-Fe-Si系化合物粒子の粒子個数:1.0×10~3.0×10個/mm(1.0×10個/mm以上3.0×10個/mm以下)」
「心材電位とろう材電位の電位差」
心材電位とろう材電位の電位差が、80mV以上になると、ろう材による心材の犠牲防食能(耐食性)が向上する。電位差が80mV以下となると犠牲防食が有効に働かず、心材が大きく腐食する。電位差80mV以上で耐食性が向上することは、一例として、以下に説明する腐食試験によって確認することができる。
腐食試験は、心材が暴露されるようにろう材/心材を重ね合わせた試験サンプルをろう付したものをOY水に浸漬する。OY水の成分は、195ppmCl、60ppmSO 2-、1ppmCu2+、30ppmFe3+を含む水溶液である。
試験サイクルは88℃を8時間保持した後、室温にて16時間保持する。88℃に加熱している際はマグネチックスターラーを用いて腐食液を撹拌する。また、比液量は16.7ml/cmとなるようサンプルサイズを加工する。
電位差が80mV以上取れているものは、OY水4週間試験後、心材に深さ0.1mm以下の孔食が0.1個/mm未満の数であり、耐食性が良好となる。
従って、芯材とろう材の電位差が80mV以上ブレージングシートであれば、孔食が生じ難く、耐食性に優れたブレージングシートとして提供できる。
「製造方法」
例えば、半連続鋳造法により、ベア材および心材用アルミニウム合金、ろう材用アルミニウム合金を鋳造する。
心材用アルミニウム合金として、質量%で、Fe:0.6%以上0.8%以下、Si:0.7%より多く1.4%以下、Cu:0.6%以下を含有し、Mn:0.2%以下、Zn:0.3%以下に規制し、残部がAlと不可避不純物の組成のアルミニウム合金を適用でき、このアルミニウム合金でベア材および心材を製造できる。
ろう材用アルミニウム合金として、質量%で、Si:3.0~12.0%を含有し、さらに必要に応じZn:0.1~4.0%を含有することができ、残部がAlと不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金を適用でき、このアルミニウム合金でろう材を製造できる。
「均質化処理」
得られた心材は400℃~600℃、処理時間3~12時間の範囲で行う均質化処理を施すことができる。ここで、適正な温度および時間を選択することで、所望する特性として、高い電気伝導度およびマトリクス中の化合物粒子の最適な分散状態を得ることができる。
ろう材については、切削性向上のために400℃~500℃、処理時間1~10時間の範囲で条件を選択し、均質化処理を行っても良い。
「貼り合わせ」
ブレージングシートとして使用する場合は、シート状または板状の心材の片面もしくは両面に、ろう材:心材=5~15%:85~95%のクラッド率で適宜組み合わせて作製することができる。両面の場合は皮材:心材:皮材=5~15%:70~90%:5~15%のクラッド率にて組み合わせてブレージングシートを製造できる。
ろう材を準備する場合に、特に制限はなく、一般的なブレージングシートを製造する場合にろう材を作製する条件に基づき作製することができる。均質化処理後に面削を行い、熱間圧延により所望の板厚まで圧延し、所定の長さに切り出して心材と貼り合わせる。
「熱間圧延、冷間圧延、焼鈍」
ベア材用アルミニウム合金および、心材と皮材を組み合わせた材料を、熱間圧延機を用いて熱間圧延(もしくはクラッド圧延)を行い、製造することができる。
熱間圧延の後、所定の厚さまで冷間圧延を実施できる。この際、圧延続行のために冷間圧延途中に焼鈍を必要回数実施してもよい。
最終材の板厚は、特に限定されるものではないが、熱間圧延で仕上げた板厚および圧延続行のための焼鈍を実施した板厚から、最終板厚までかかる圧下の割合は20~99%となることが好ましい。また、調質をOとするため、冷間圧延後に焼鈍を実施しても良い。焼鈍は、例えばバッチ焼鈍炉を用いて200℃~500℃で1~10時間の熱処理を施してもよい。
以上説明の工程に従い製造したアルミニウム合金ベア材Mもしくは図2に示す構成のアルミニウム合金ブレージングシートAは、熱交換器などを製造する場合のろう付温度、例えば、590~620℃程度の温度範囲である不活性ガス雰囲気中に1~30分程度設置してろう付する目的に使用される。
例えば、種々の熱交換器のフィンやチューブあるいはカップ状成形体などのろう付対象部材と積層する形式で熱交換器の組立に利用され、フィンやチューブ、あるいは、カップ状成形体を組み付け後、全体をろう付温度に加熱し、アルミニウム合金ブレージングシートAのろう材2を溶融させた後、常温に冷却することでフィレットを形成し、ろう付が完了する。あるいは、熱交換器のフィンやチューブなどの構成部材をブレージングシートで直接形成し、ろう付に用いることができる。
ろう付対象部材は、図1に示すアルミニウム合金ベア材Mであっても良い。
図3は心材1の片面のみにろう材2をクラッド圧延して得られたブレージングシートBを示し、図4はこのブレージングシートBを用いてフィンなどのろう付対象部材3とろう付する状態を示す説明図である。
図4に示すブレージングシートBとろう付対象部材3を上述のろう付条件にてろう付することでろう付が完了する。
前記ベア材MおよびブレージングシートA、Bは高い電気伝導度を有し、耐エロージョン性能に優れ、かつ熱交換器に求められる強度および耐食性を有するため、近年において更なる小型化、高放熱性能化要求がなされている自動車用熱交換器に用いて好適なブレージングシートとして提供することができる。
なお、ろう材2は複層構造としても良いので、図4に2点鎖線で示す第1のろう材2Aと第2のろう材2Bを備えた2層構造あるいはその他の多層構造としても良い。
図5は、前記ブレージングシートAあるいはブレージングシートBを用いてフィン6を形成し、ろう付対象部材としてアルミニウム合金製のチューブ7を適用したアルミニウム製熱交換器5を示している。フィン6、チューブ7を、補強材8、ヘッダプレート9と組み合わせ、ろう付によって自動車用途などのアルミニウム製熱交換器5を得ることができる。
先に説明したブレージングシートA、Bは、優れた電気伝導度を有し、耐エロージョン性能に優れ、かつ熱交換器に求められる強度および耐食性を有するため、近年において更なる小型化、高放熱性能化要求がなされている自動車用熱交換器に用いることができ、小型化、高放熱性能化が進められている自動車用熱交換器を提供することができる。
ブレージングシートについては、熱交換器のフィンを構成する用途の他に、チューブを構成する用途、ヘッダーパイプを構成する用途など、他の熱交換器用構成部材などの種々の用途に適用することができる。その場合、用途に応じて片面ろう材タイプ、両面ろう材タイプ、更に犠牲材との組み合わせ構造や中間材との組み合わせにより多層化する構造など、種々の積層構造を採用することができる。
表1、表2に記載した合金No.A1~A28の組成になるように各々アルミニウム合金を半連続鋳造にて製造し、得られたアルミニウム合金鋳塊に表1、表2に示す条件(温度(℃)×時間(h))で均質化焼鈍(均質化処理)を施した後、熱間圧延し、次いで圧下率85%になるように厚さ1.0mmまで冷間圧延し、350℃×5hの焼鈍を経て目的のアルミニウム合金ベア材を作製した。
また、表1、表2に記載する各合金No.のアルミニウム合金を心材とし、表3、表4に示す組成のろう材との組み合わせでクラッド圧延により貼り合わせて試料用ブレージングシートを作製した。その際、ろう材は、クラッド率10%となるように心材の片面にクラッド圧延により貼り合わせた後、熱間圧延を経て圧下率85%になるように厚さ1.0mmまで冷間圧延を施し、350℃×5hの焼鈍を行い、各No.のブレージングシート試料を作製した。
「ろう付相当熱処理」
ろう付された熱交換器で使用される前記ベア材およびブレージングシートを単体で評価するために、バッチ炉にてろう付相当熱処理を各ベア材およびブレージングシート試料に付与した。ろう付相当熱処理は、この例の限りではないが、室温から600℃まで加熱した後、600℃にて5分保持した後、60℃/minにて300℃まで冷却する条件とした。300℃に到達した後、各試料についてファンを用いて速やかに室温まで冷却した。得られたベア材およびブレージングシート試料について後述する評価に供した。
「評価方法」
<電気伝導度>
4端子法にて測定した。20~25℃の室温環境にて試料に対し500mAの電流を流し、電圧値から抵抗を算出し、その後、電気伝導度を算出した。
<化合物粒子分布状態>
製造したアルミニウム合金ベア材とブレージングシートの心材、および、ろう付相当熱処理を実施したアルミニウム合金ベア材とブレージングシートの心材について、圧延方向に平行な断面を観察した。観察はイオンミリング法に基づくCP加工(クロスセクションポリッシャ加工)を施した断面を電界放出型走査型電子顕微鏡(FE-SEM)にて行った。観察した画像を基に画像解析によって化合物粒子の円相当径と分布密度を算出した。
<電気化学的分極測定>
高純度Nガスにて十分に脱気した2.67%AlCl水溶液と電気化学測定用セルを使用し、作用対極にPtを用い、ルギン管(Luggin Capillary)と照合電極Ag/AgClをバイパスさせた。測定中の液温は40℃に保持した。
ろう付相当熱処理を付与した試料のろう材表面および心材の測定面積10mmを暴露、それ以外を絶縁塗料にてマスキングし、測定部の前処理として、50℃の5%NaOHに30s浸漬後水洗し室温の30%HNOに1min浸漬し水洗した。
自然電位にて5min程度保持した後、速度を0.5mV/sとして自然電位より掃引した。分極曲線より、一定掃引後に見られる屈曲点(電流が急激に流れなくなる領域(不働態化域)から、電流が急激に流れる領域)を孔食電位とした。また、Znを多く含有する試料では屈曲点が出現しないため、0.1mA/cmの電位を孔食電位(ろう材電位)とした。
<再結晶粒観察および粒径測定>
ろう付後のアルミニウム合金の圧延方向に平行断面を機械研磨し、バーカー氏液を用いて陽極酸化処理を施した。光学顕微鏡によって再結晶粒の写真を撮影し、“結晶粒径=写真上に引いた線分の長さ/線分で切断した結晶粒数×写真倍率”によって結晶粒径を算出した。
<ろう侵食判定>
熱交換器形状でろう付した後のアルミニウム合金に対して、エロージョン深さがろう付前のベア材の板厚、あるいはブレージングシートの心材厚さの1/100以下を優良(◎)、1/100より多く1/20以下を良(○)、1/20より多く板厚の1/10までの侵食を可(△)とした。
以下の表1、表2に、各試験の評価に用いたNo.A1~A28のアルミニウム合金ベア材の組成と均質化処理の温度(℃)と時間(h)、ろう付前後の電気伝導度(%IACS)、ろう付前後の化合物粒子数(×10個/mm)、ろう付後の再結晶粒サイズ(μm)、ろう侵食判定の結果を示す。
表3、表4に、各試験の評価に用いた合金No.B1~B31のブレージングシート、適用した心材合金No.(表1、表2に示すアルミニウム合金No.に相当)と、ブレージングシートのろう付前後の電気伝導度測定結果、ろう付前後の化合物粒子数測定結果、ろう付後の心材の再結晶粒サイズ、ろう侵食判定の結果、心材電位(mV vs Ag/AgCl)、ろう材電位(mV vs Ag/AgCl)、ろう材と心材の電位差を示す。
なお、表1、表2の各欄において「-」と表記したのは該当する成分を含んでいない(測定限界値未満)ことを示している。
Figure 2022045657000002
Figure 2022045657000003
Figure 2022045657000004
Figure 2022045657000005
表1に示す合金No.A1~A19のアルミニウム合金ベア材は、質量%で、Fe:0.6%以上0.8%以下、Si:0.7%より多く1.4%以下、Cu:0.6%以下を含有し、Mn:0.2%以下、Zn:0.3%以下に規制し、残部がAlと不可避不純物からなり、電気伝導度55%IACS以上を有し、かつ、マトリクス中に分布している円相当径で0.5~2.0μmのAl-Fe系化合物粒子もしくはAl-Fe-Si系化合物粒子の個数が1.0×10~3.0×10個/mmであることを特徴とするアルミニウム合金である。
合金No.A1~A19のアルミニウム合金ベア材は、ろう付前の電気伝導度55%IACS以上(55~63%IACS)を示し、ろう付後の電気伝導度44%IACS以上(44~64%IACS)の優れた電気伝導度を示した。
合金No.A1~A19のアルミニウム合金ベア材は、ろう付前の化合物粒子個数が1.2×10~3.0×10個/mmの範囲を示し、ろう付後の化合物粒子個数が1.1×10~2.9×10個/mmの範囲を示した。
合金No.A1~A19のアルミニウム合金ベア材は、再結晶粒サイズが37~65μmの範囲であり、充分に大きかった。よって、これらの合金においてはろう付した場合のろう侵食判定に優れた判定結果を得ることができる。
表2に示す合金No.A20のアルミニウム合金ベア材は、Fe含有量が少ないため、ろう付前後の化合物粒子数が少なく、再結晶粒サイズが微細となりエロージョン過多となった。
合金No.A21のアルミニウム合金ベア材は、Fe含有量が多すぎるため、ろう付後の化合物数が多くなりすぎ、カソード反応が促進し自己耐食性が低下した。
合金No.A22のアルミニウム合金ベア材は、Si含有量が少ないため、Al-Fe-Si系化合物に対してAl-Fe系化合物の割合が増加し、ろう付後の再結晶粒サイズが小さくなりすぎ、エロージョン過多となった。
合金No.A23のアルミニウム合金ベア材は、Si含有量が多いため母材の融点が低下し、ろう付時に過度にろう侵食を受け、熱交換器の形状を維持できず、評価できなかった。
合金No.A24のアルミニウム合金ベア材は、Cu含有量が多すぎるため、ろう付後の電気伝導度が低下した。
合金No.A25のアルミニウム合金ベア材は、Mn含有量とZn含有量が多すぎるため、ろう付前の電気伝導度とろう付後の電気伝導度がいずれも低くなった。
合金No.A26のアルミニウム合金ベア材は、均質化処理温度が低すぎたため、ろう付前後とも化合物粒子個数が少なくなり、ろう付後電気伝導度が低下した。
合金No.A27のアルミニウム合金ベア材は、均質化処理時間が短かすぎたため、ろう付前後とも化合物粒子個数が少なくなり、ろう付後電気伝導度が低下した。
合金No.A28のアルミニウム合金ベア材は、均質化処理温度が高すぎたため、ろう付前後とも化合物粒子個数が少なくなり、ろう付後電気伝導度が低下した。
表3に示す合金No.B1~A25のブレージングシートは、質量%で、Fe:0.6%以上0.8%以下、Si:0.7%より多く1.4%以下、Cu:0.6%以下を含有し、Mn:0.2%以下、Zn:0.3%以下に規制し、残部がAlと不可避不純物からなり、電気伝導度53%IACS以上を有し、かつ、マトリクス中に分布している円相当径で0.5~2.0μmのAl-Fe系化合物粒子もしくはAl-Fe-Si系化合物粒子の個数が1.0×10~3.0×10個/mmである心材を有するブレージングシートである。また、これらのブレージングシートは、ろう材として質量%でSi:3.0~12.0%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなるアルミニウム合金層が貼り合わされたブレージングシートである。
No.B1~B25のブレージングシートは、ろう付前後において電気伝導度が高く、ろう付前後の化合物粒子数が好適な範囲であり、再結晶粒サイズも良好な範囲(37~65μm)に収まっている。
No.B1~B25のブレージングシートは、ろう付前の電気伝導度53%IACS以上(54~62%IACS)を示し、ろう付後の電気伝導度43%IACS以上(43~59%IACS)の優れた電気伝導度を示した。
No.B1~B25のブレージングシートは、ろう付前の化合物粒子数が1.0×10~3.0×10個/mmの範囲(1.2×10~3.0×10個/mm)を示し、ろう付後の化合物粒子個数が1.0×10~3.0×10個/mm(1.1×10~2.9×10個/mm)の範囲を示した。
No.B1~B25のブレージングシートは、ろう付後心材電位とろう付後ろう材電位の電位差が80mV以上(81~268mV)を示し、ろう材の犠牲陽極効果による心材の耐食性にも優れている。
表4に示すNo.B26のブレージングシートは、Fe含有量が少ないNo.A20のアルミニウム合金の心材を有するため、ろう付前後の化合物粒子数が少なく、目的とする再結晶粒サイズも得られていないため、ろう侵食判定結果も悪くなった。
表4に示すNo.B27のブレージングシートは、Fe含有量が多すぎるNo.A21のアルミニウム合金の心材を有するため、ろう付後の化合物粒子数が多くなり、自己耐食性が低下した。
表4に示すNo.B28のブレージングシートは、Si含有量が少ないNo.A22のアルミニウム合金の心材を有するため、再結晶粒サイズが小さくなったため、エロージョン過多となり、ろう侵食判定結果が悪くなった。
表4に示すNo.B29のブレージングシートは、Si含有量が多いNo.A23のアルミニウム合金の心材を有するため、ろう付時に母材が過多にろう侵食を受け熱交換器の形状を維持できず、評価できなかった。
表4に示すNo.B30のブレージングシートは、Cu含有量が多いNo.A24のアルミニウム合金の心材を有するため、ろう付前の電気伝導度が低下した。
表4に示すNo.B31のブレージングシートは、Mn含有量とZn含有量が多すぎるNo.A25のアルミニウム合金の心材を有するため、所望の電気伝導度と化合物分布が得られず、特性が未達成であった。
従って、本発明によれば、優れた電気伝導度を有し、ろう付前後の化合物数が適切な範囲であり、ろう侵食判定に優れたアルミニウム合金あるいは熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシートを提供することができる。
また、本発明に係るアルミニウム合金あるいはブレージングシートは、優れた電気伝導度を有しつつ耐食性に優れるため、近年において更なる小型化、高放熱性能化要求がなされている自動車用熱交換器に用いて好適なアルミニウム合金およびブレージングシートとして適用することができる。
A、B…アルミニウム合金ブレージングシート、M…アルミニウム合金ベア材、1…心材、2…ろう材、3…ろう付対象部材(フィン)、5…熱交換器、6…フィン、7…チューブ。

Claims (7)

  1. 質量%で、Fe:0.6%以上0.8%以下、Si:0.7%より多く1.4%以下、Cu:0.6%以下を含有し、Mn:0.2%以下、Zn:0.3%以下に規制し、残部がAlと不可避不純物からなり、電気伝導度55%IACS以上を有し、かつ、マトリクス中に分布している円相当径で0.5~2.0μmのAl-Fe系化合物粒子もしくはAl-Fe-Si系化合物粒子の個数が1.0×10~3.0×10個/mmであることを特徴とする熱交換器用アルミニウム合金ベア材。
  2. 熱交換器ろう付相当熱処理を付与した後において、電気伝導度44%IACS以上を有し、かつ、マトリクス中に分布している円相当径で0.5~2.0μmのAl-Fe系化合物粒子もしくはAl-Fe-Si系化合物粒子の個数が1.0×10~3.0×10個/mmであることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器用アルミニウム合金ベア材。
  3. 請求項1または請求項2に記載の熱交換器用アルミニウム合金を心材とし、その一方の面もしくは両方の面に、ろう材として質量%でSi:3.0~12.0%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなるアルミニウム合金層が貼り合わされたことを特徴とする熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシート。
  4. 前記ろう材に、さらに質量%でZn:0.1~4.0%を含有することを特徴とする請求項3に記載の熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシート。
  5. 電気伝導度53%IACS以上を有し、かつ、心材のマトリクス中に分布している円相当径で0.5~2.0μmのAl-Fe系化合物粒子もしくはAl-Fe-Si系化合物粒子の個数が1.0×10~3.0×10個/mmであることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシート。
  6. 熱交換器ろう付相当熱処理を付与した後において、電気伝導度43%IACS以上を有し、かつ、心材のマトリクス中に分布している円相当径で0.5~2.0μmのAl-Fe系化合物粒子もしくはAl-Fe-Si系化合物粒子の個数が1.0×10~3.0×10個/mmであることを特徴とする請求項3~請求項5のいずれか一項に記載の熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシート。
  7. 熱交換器ろう付相当熱処理を付与した後の前記心材と前記ろう材表面の孔食電位差が80mV以上であることを特徴とする請求項3~請求項6のいずれか一項に記載の熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシート。
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