以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。従ってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける音声設定システムの全体概要を示す図である。図1を参照して、音声設定システム1は、MFP(Multi Function Peripheral)100と、音声設定支援サーバー200と、音声情報生成サーバー300と、スマートスピーカー400と、携帯情報装置450と、を含む。スマートスピーカー400は、MFP100から所定の距離の範囲内に配置される。所定の距離は、好ましくは、ユーザーがMFP100の操作パネルを閲覧しながら発声する音がスマートスピーカー400で集音可能な距離である。スマートスピーカー400は、MFP100の横に配置されてもよい。
MFP100は、ジョブ実行装置の一例である。MFP100は、ネットワーク3に接続されている。ネットワーク3は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)である。ネットワーク3において、その接続形態は有線または無線を問わない。また、ネットワーク3は、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
ネットワーク3には、アクセスポイント(AP)9が接続されている。AP9は、無線通信機能を有する中継装置である。スマートスピーカー400は、AP9と通信することによりネットワーク3に接続される。
携帯情報装置450は、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistants)など、ユーザーが携帯して使用するコンピューターである。携帯情報装置450は、AP9と無線で通信することにより、ネットワーク3に接続可能である。
ゲートウェイ(G/W)装置7は、ネットワーク3に接続されるとともに、インターネット5に接続される。ゲートウェイ装置7は、ネットワーク3とインターネット5とを中継する。音声設定支援サーバー200および音声情報生成サーバー300は、インターネット5に接続される。このため、MFP100、スマートスピーカー400、携帯情報装置450それぞれは、ゲートウェイ装置7を介して、音声設定支援サーバー200または音声情報生成サーバー300と通信可能である。また、音声設定支援サーバー200および音声情報生成サーバー300は、インターネット5を介して互いに通信可能である。
音声情報生成サーバー300は、スマートスピーカー400または携帯情報装置450をユーザーインターフェースとして、バーチャルアシスタントのサービスを提供する。このため、ユーザーは、スマートスピーカー400または携帯情報装置450と会話することができる。バーチャルアシスタントは、AI(Artificial Intelligence)アシスタントとも呼ばれ、周知の技術である。スマートスピーカー400および携帯情報装置450は、マイクロフォンと、スピーカーと、通信機能と、を有する。音声情報生成サーバー300は、スマートスピーカー400または携帯情報装置450で集音されたユーザーの音声が入力され、スマートスピーカー400または携帯情報装置450を制御して音声で発話させる。音声情報生成サーバー300は、音声に基づいて自然言語処理をする機能を有する。音声情報生成サーバー300は、自然言語処理のために、機械学習を含む人工知能の技術を用いた学習機能を有してもよい。
本実施の形態における音声設定システム1においては、音声情報生成サーバー300が提供するバーチャルアシスタントのサービスを用いて、ユーザーが音声でMFP100にジョブを設定することが可能である。制御対象となるMFP100と、バーチャルアシスタントのサービスを提供する音声情報生成サーバー300との間に、音声設定支援サーバー200が配置される。音声設定支援サーバー200は、MFP100を制御する。
具体的には、音声情報生成サーバー300に、スマートスピーカー400または携帯情報装置450と、制御対象となる装置と、が登録される。制御対象となる装置はMFP100であるが、ここでは、音声設定支援サーバー200がMFP100を制御するため、制御対象となる装置としてMFP100に代えて音声設定支援サーバー200が音声情報生成サーバー300に登録される。スマートスピーカー400の機能と携帯情報装置450の機能とは同じなので、ここでは、スマートスピーカー400を例にその機能を説明する。
例えば、音声設定システム1において、スマートスピーカー400とMFP100とを関連付けるために、認証サーバーを設けることができる。なお、認証サーバーの機能は音声設定支援サーバー200が有してもよい。具体的には、認証サーバーは、MFP100からの識別IDを含む要求に応じてパスワードを発行する。MFP100を管理する管理者がMFP100を操作して認証サーバーにパスワードの発行を依頼する。管理者が、パーソナルコンピューター等を操作して、音声情報生成サーバー300にアクセスし、スマートスピーカー400とMFP100とを関連付けるとともに認証サーバーを登録する。登録操作は、スマートスピーカーのURL(Uniform Resource Locator)と、MFP100の識別IDおよびパスワードとを関連付ける操作である。
音声情報生成サーバー300は、スマートスピーカー400とMFP100とが関連付けられると、認証サーバーに認証トークンの発行を依頼する。具体的には、音声情報生成サーバー300がMFP100の識別IDおよびパスワードを含む発行依頼を認証サーバーに送信すると、認証サーバーは識別情報とパスワードとが登録されていれば、認証トークンを発行し、音声情報生成サーバー300に返信する。音声情報生成サーバー300は、MFP100に対する認証トークンを受信した後は、スマートスピーカー400で集音された音声に基づき生成される音声情報をMFP100の認証トークンとともに音声設定支援サーバー200に送信する。
音声設定支援サーバー200は、認証サーバーに認証トークンを送信する。認証トークンを受信する認証サーバーは、その認証トークンに対応するMFP100の識別IDを返信するので、音声設定支援サーバー200は、識別IDからMFP100を特定することができる。
さらに、音声情報生成サーバー300に、MFP100を制御するための情報を音声から抽出するための情報として予め準備されたキーワードが登録されている。キーワードは、制御対象であるMFP100がジョブを実行するために設定されるパラメータに関する情報である。具体的には、キーワードは、ジョブの種類、およびMFP100がジョブを実行するために用いるパラメータを含む。パラメータは、ジョブの種類ごとに定められた複数の設定項目それぞれに設定される値である。音声情報生成サーバー300は、ユーザーが発話した音声からMFP100を制御するための情報を抽出し、抽出された情報を含む音声情報を生成し、音声情報を音声設定支援サーバー200に出力する。なお、音声情報生成サーバー300には、音声からキーワードを抽出するために構文解析ルールが登録されてもよい。
例えば、ユーザーは、スマートスピーカー400に制御対象であるMFP100を特定するために予め準備された単語、例えば、MFP100に割り当てられた名称を発話する。この場合、音声情報生成サーバー300においてMFP100に対応して登録されたキーワードが参照されて、音声情報が生成される。音声情報生成サーバー300は、生成された音声情報と、音声データを送信してきたスマートスピーカー400を識別するための装置識別情報と、を音声設定支援サーバー200に送信する。ここでは、音声情報は、文字情報を用いている。なお、音声情報は文字情報に限定されず、音声であってもよいし、コードであってもよい。
例えば、MFP100に割り当てられた名称を「ビズハブ」とする場合を例に説明する。ユーザーが「ビズハブで、3部、ツーインワンで、カラーでコピーして」と発話する場合、その音声情報が音声情報生成サーバー300に送信される。音声情報生成サーバー300は、「ビズハブ」の単語からMFP100を特定し、MFP100に対して予め記憶されたキーワードを参照して、「3部」、「ツーインワン」、「カラー」、「コピー」の単語を抽出する。そして、音声情報生成サーバー300は、構文解析ルールに従って「コピー」の単語からジョブ種類がコピーであると判断し、「3部」、「ツーインワン」、「カラー」がパラメータであると判断し、それらを含む音声情報を生成する。そして、音声情報生成サーバー300は、音声情報を音声設定支援サーバー200に送信する。
図2は、音声設定支援サーバーのハードウェア構成の概要の一例を示すブロック図である。図2を参照して、音声設定支援サーバー200は、音声設定支援サーバー200の全体を制御するための中央演算処理装置(CPU)201と、CPU201が実行するためのプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)202と、CPU201の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)203と、データを不揮発的に記憶するハードディスクドライブ(HDD)204と、CPU201をネットワーク3に接続する通信部205と、情報を表示する表示部206と、ユーザーの操作の入力を受け付ける操作部207と、外部記憶装置210と、を含む。
CPU201は、インターネット5に接続されたコンピューターからプログラムをダウンロードしてHDD204に記憶する。また、ネットワーク3に接続されたコンピューターがプログラムをHDD204に書込みする場合に、HDD204にプログラムが記憶される。CPU201は、HDD204に記憶されたプログラムをRAM203にロードして実行する。
外部記憶装置210は、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)211が装着される。本実施の形態においては、CPU201は、ROM202またはHDD204に記憶されたプログラムを実行する例を説明する。しかしながら、CPU201は、外部記憶装置210を制御して、CD-ROM211からCPU201が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM203に記憶して実行してもよい。
なお、CPU201が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、CD-ROM211に限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)等の半導体メモリ等の媒体でもよい。ここでいうプログラムは、CPU201により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
図3は、MFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。図3を参照して、MFP100は、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データに基づいて用紙等に画像を形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、画像が形成された用紙を処理する後処理部155と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160とを含む。
後処理部155は、画像形成部140により画像が形成された1以上の用紙を並び替えて排紙するソート処理、パンチ穴加工するパンチ処理、ステープル針を打ち込むステープル処理を実行する。
メイン回路110は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM113と、RAM114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、CD-ROM118が装着される外部記憶装置117と、を含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150、後処理部155および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。さらに、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる画像データを一時的に記憶する。
通信I/F部112は、MFP100をネットワーク3に接続するためのインターフェースである。CPU111は、通信I/F部112を介して、スマートスピーカー400との間で通信し、データを送受信する。また、通信I/F部112は、ネットワーク3を介してインターネット5に接続されたコンピューターと通信が可能である。
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部116は、受信したファクシミリデータを、HDD115に記憶する、または画像形成部140に出力する。画像形成部140は、ファクシミリ部116により受信されたファクシミリデータを用紙にプリントする。また、ファクシミリ部116は、HDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
外部記憶装置117は、CD-ROM118が装着される。CPU111は、外部記憶装置117を介してCD-ROM118にアクセス可能である。CPU111は、外部記憶装置117に装着されたCD-ROM118に記録されたプログラムをRAM114にロードして実行する。なお、CPU111が実行するプログラムを記憶する媒体としては、CD-ROM118に限られず、光ディスク、ICカード、光カード、マスクROM、EPROMなどの半導体メモリであってもよい。
また、CPU111が実行するプログラムは、CD-ROM118に記録されたプログラムに限られず、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワーク3に接続された他のコンピューターが、MFP100のHDD115に記憶されたプログラムを書き換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、MFP100が、ネットワーク3に接続された他のコンピューターからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD115に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
操作パネル160は、MFP100の上面に設けられ、表示部161と操作部163とを含む。表示部161は、例えば、液晶表示装置(LCD)または有機LE(electroluminescence)ディスプレイであり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部163は、タッチパネル165と、ハードキー部167とを含む。タッチパネル165は、表示部161の上面または下面に表示部161に重畳して設けられる。ハードキー部167は、複数のハードキーを含む。ハードキーは、例えば接点スイッチである。タッチパネル165は、表示部161の表示面中でユーザーにより指示された位置を検出する。
図4は、音声設定システムにおける音声設定処理の流れの一例を示す第1のチャート図である。図4を参照して、縦方向に上から下に向かって時間の経過を示し、左側から順にスマートスピーカー400の処理、音声情報生成サーバー300の処理、音声設定支援サーバー200の処理、MFP100の処理が示される。
MFP100において、MFP100を操作するユーザーが認証される。MFP100は、ユーザーを認証する場合、認証されたユーザーを識別するためのユーザー識別情報を音声設定支援サーバー200に送信する。MFP100は、ユーザーが操作パネル160にユーザーIDとパスワードとを入力する場合、そのユーザーIDとパスワードとを用いてユーザーを認証する。また、MFP100は、RFID(Radio Frequency IDentification)と呼ばれる近距離無線通信機能を有する場合、ユーザーが携帯する携帯情報装置450またはICカード等と近距離無線通信してユーザーを認証してもよい。近距離無線通信は、ISO/IEC 18092の規格に従った通信を用いることができる。また、MFP100は、磁気カードを読み取るカードリーダーを有する場合、ユーザーが携帯する磁気カードを読み取ることによりユーザーを認証してもよい。さらに、ユーザーが携帯情報装置450を用いてMFP100を遠隔操作する場合、MFP100において携帯情報装置450からMFP100を遠隔操作するユーザーが認証される。なお、ユーザーの認証は、MFP100で実行してもよいし、外部の認証サーバーで実行してもよい。
ユーザーが発話すると、スマートスピーカー400において音声が電気信号に変換され、電気信号を示す音声データが音声情報生成サーバー300に送信される。
音声情報生成サーバー300においては、音声データが受信されると、音声認識し、音声データが文字情報に変換される。音声情報生成サーバー300は、予めMFP100に対応して記憶されたキーワードを用いて、ユーザーが発話した音声に対応する文字情報からMFP100を制御するための情報を抽出し、抽出された情報を含む音声情報を生成する。音声情報生成サーバー300は、音声情報と、音声データを送信してきたスマートスピーカーを識別するための装置識別情報と、を音声設定支援サーバー200に送信する。音声情報は、MFP100がジョブを実行するために用いる複数のパラメータの1以上を含む。1つの音声データから複数のパラメータが抽出される場合がある。この場合、音声情報は、複数のパラメータを含む。音声情報生成サーバー300は、パラメータに対する音声の発声順に複数のパラメータを配列した音声情報を生成する。音声データは、音声がユーザーにより発声された音声が示されるので、音声データから抽出された文字情報の配列順は、ユーザーにより発声された順を示す。このため、音声情報生成サーバー300は、文字情報から複数のパラメータが抽出される場合、複数のパラメータを、それらが抽出された順に配列した文字情報を生成する。
音声情報を受信する音声設定支援サーバー200は、音声情報からパラメータを抽出し、抽出されたパラメータをMFP100に設定するためのパラメータに決定する。音声設定支援サーバー200は、音声情報からパラメータを抽出する場合、音声情報がパラメータの設定を指示する設定コマンドを含むと判断し、MFP100にパラメータを設定させるための設定指示コマンドを送信するとともに、ユーザーに設定内容を通知するための音声出力情報を生成する。音声出力情報は、MFP100に設定するために決定されたパラメータを含む。
設定指示コマンドを受信するMFP100は、設定指示コマンドに従ってパラメータを設定する。音声設定支援サーバー200は、生成された音声出力情報を音声情報生成サーバー300に送信する。音声情報生成サーバー300は、音声出力情報に含まれるパラメータを音声合成した音声データを生成し、音声データをスマートスピーカー400に送信する。音声データを受信するスマートスピーカー400は、音声データを音声に変換し、再生する。これにより、ユーザーは、音声でMFP100に設定されたパラメータを確認できる。
図5は、音声設定システムにおける音声設定処理の流れの一例を示す第2のチャート図である。図5を参照して、ユーザーがMFP100に設定されたパラメータを確認した後に、MFP100に設定されたパラメータを再確認する場合と、MFP100にジョブの実行を指示する場合と、を例に示している。ユーザーが、例えば、「設定されたパラメータ教えて」、「設定内容は?」、「設定内容確認」などの音声を発声する場合に、音声設定支援サーバー200において再確認する確認コマンドが検出される。また、ユーザーが、例えば、「実行して」、「プリントして」、「ジョブ実行」などの音声を発声する場合に、音声設定支援サーバー200において実行コマンドが検出される。
スマートスピーカー400において、ユーザーが発声した音声が電気信号に変換され、電気信号を示す音声データが音声情報生成サーバー300に送信される。音声情報生成サーバー300は、音声データを音声認識し、音声情報を生成し、音声情報を音声設定支援サーバー200に送信する。
音声情報を受信する音声設定支援サーバー200は、音声情報から確認コマンドを抽出する場合、MFP100に設定されているパラメータを読み出す。音声設定支援サーバー200は、音声設定支援サーバー200に記憶されたパラメータを読み出してもよいし、MFP100に問合せし、MFP100から送信されるパラメータを取得してもよい。音声設定支援サーバー200は、ユーザーに設定内容を通知するための音声出力情報を生成する。音声出力情報は、MFP100に設定されているパラメータを含む。
音声設定支援サーバー200は、生成された音声出力情報を音声情報生成サーバー300に送信する。音声情報生成サーバー300は、音声出力情報に含まれるパラメータを音声合成した音声データを生成し、音声データをスマートスピーカー400に送信する。音声データを受信するスマートスピーカー400は、音声データを音声に変換し、再生する。これにより、ユーザーは、音声でMFP100に設定されているパラメータを再確認できる。
一方、音声情報を受信する音声設定支援サーバー200は、音声情報から実行コマンドを抽出する場合、MFP100にジョブの実行を指示するための実行指示コマンドをMFP100に送信する。MFP100は、実行指示コマンドを受信すると、それまでに設定されたパラメータに従ってジョブを実行する。これにより、ユーザーは、音声でMFP100にジョブを実行させることが確認できる。
図6は、音声設定支援サーバーが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図6に示す機能は、ハードウェアで実現してもよいし、音声設定支援サーバー200が備えるCPU201に、ROM202、HDD204またはCD-ROM211に記憶されたプログラムを実行させることにより、CPU201で実現してもよい。ここで、音声設定支援サーバー200が備えるCPU201に音声設定支援プログラムを実行させる場合を例に説明する。
図6を参照して、音声設定支援サーバー200が備えるCPU201は、音声情報取得部251と、パラメータ決定部253と、ユーザー特定部255と、入力装置特定部257と、出力順決定部259と、出力制御部261と、コマンド抽出部263と、確認時出力制御部265と、実行指示部267と、を含む。
音声情報取得部251は、通信部205が音声情報生成サーバー300から受信する音声情報と装置識別情報とを取得する。音声情報取得部251は、音声情報をパラメータ決定部253およびコマンド抽出部263に出力するとともに、装置識別情報を入力装置特定部257に出力する。音声情報は、コマンドと、パラメータとを含む。コマンドは、設定コマンドと、確認コマンドと、実行コマンドと、を含む。パラメータは、設定項目に設定可能な値を示す。設定項目は、MFP100が実行するジョブに対して定められたパラメータの種類を示す。
MFP100は、複数種類のジョブを実行可能である。本実施の形態においては、MFP100が実行可能な複数種類のジョブを、コピー処理を実行するコピージョブと、スキャン処理を実行するスキャンジョブとする場合を例に説明される。さらに、コピージョブのジョブ種類がコピーとされ、スキャンジョブのジョブ種類がスキャンとされる。この場合、音声情報生成サーバー300に登録されるキーワードに、コピーとスキャンとが含まれる。
パラメータ決定部253は、音声情報取得部251により取得された音声情報が設定コマンドを含む場合、音声情報からパラメータを抽出する。音声情報がパラメータを含む場合に、音声情報が設定コマンドを含むと判断してもよい。パラメータ決定部253は、パラメータテーブルを参照して、音声情報からパラメータを抽出する。例えば、パラメータ決定部253は、パラメータテーブルでパラメータとして定められる単語と同じ単語を音声情報から抽出する。パラメータは、ジョブ種類に対して定められた1以上の設定項目にそれぞれ対応して設定されるので、パラメータ決定部253は、1以上の設定項目それぞれに対応するパラメータを決定する。1つの音声情報に複数のパラメータが含まれる場合、パラメータ決定部253は、複数のパラメータを抽出する。パラメータ決定部253は、決定された1以上のパラメータを出力順決定部259および出力制御部261に出力する。
図7は、パラメータテーブルの一例を示す図である。図7を参照して、パラメータテーブルは、ジョブ種類と、設定項目と、パラメータとを関連付ける。パラメータテーブルは、複数のパラメータレコードを含む。パラメータレコードは、ジョブ種類の項目と、設定項目の項目と、パラメータの項目と、を含む。ジョブ種類の項目には、ジョブ種類が設定される。設定項目の項目には設定項目の名称が設定される。パラメータの項目には設定可能なパラメータが設定される。
ジョブ種類の項目にコピーが設定されたパラメータレコードは、設定項目の名称がカラー、読取、印刷、ステープル、部数、2in1、用紙サイズの7つのパラメータレコードを含む。
名称がカラーの設定項目は、画像を形成する色数を定めるパラメータに対応する。設定項目に名称としてカラーが設定されたパラメータレコードは、パラメータの項目に白黒、オートカラー、フルカラーの3つのパラメータを含む。これは、名称がカラーの設定項目に対して、白黒、オートカラー、フルカラーのいずれかのパラメータが設定可能であることを示している。
名称が読取の設定項目は、原稿の読取面を定めるパラメータに対応する。設定項目に名称として読取が設定されたパラメータレコードは、パラメータの項目に両面,片面の2つのパラメータを含む。これは、名称が読取の設定項目に対して、両面読取,片面読取のいずれかのパラメータが設定可能であることを示している。
名称が印刷の設定項目は、記録媒体の画像が形成される形成面を定めるパラメータに対応する。設定項目に名称として印刷が設定されたパラメータレコードは、パラメータの項目に両面,片面の2つのパラメータを含む。これは、名称が印刷の設定項目に対して、両面印刷,片面印刷のいずれかのパラメータが設定可能であることを示している。
名称がステープルの設定項目は、複数の用紙にステープル針を打ち込む処理の内容を定めるパラメータに対応する。設定項目に名称としてステープルが設定されたパラメータレコードは、パラメータの項目に2点,コーナー,なしの3つのパラメータを含む。これは、名称がステープルの設定項目に対して、2点,コーナー,なしのいずれかがパラメータとして設定可能であることを示している。
名称が部数の設定項目は、画像が形成される用紙の枚数を定めるパラメータに対応する。設定項目に名称として部数が設定されたパラメータレコードは、パラメータの項目に数字のパラメータを含む。これは、名称が部数の設定項目に対して、任意の数字がパラメータとして設定可能であることを示している。
名称が2in1の設定項目は、2ページを1枚の用紙に形成する処理の実行の有無を定めるパラメータに対応する。設定項目に名称として2in1が設定されたパラメータレコードは、パラメータの項目にON,OFFの2つのパラメータを含む。これは、名称が2in1の設定項目に対して、ON,OFFのいずれかのパラメータが設定可能であることを示している。
名称が用紙サイズの設定項目は、画像形成の対象となる記録媒体尾サイズを定めるパラメータに対応する。設定項目に名称として用紙サイズが設定されたパラメータレコードは、パラメータの項目にA4,A3,Letter,Legalの4つのパラメータを含む。これは、名称が用紙サイズの設定項目に対して、A4,A3,Letter,Legalのいずれかのパラメータが設定可能であることを示している。
ジョブ種類の項目にスキャンが設定されたパラメータレコードは、設定項目の名称が解像度,宛先,カラー,読取サイズ,読取,フォーマットの6つのパラメータレコードを含む。
名称が解像度の設定項目は、原稿を読み取る解像度を定めるパラメータに対応する。設定項目に名称として解像度が設定されたパラメータレコードは、パラメータの項目に200dpi,300dpi,400dpi,600dpiの4つのパラメータを含む。これは、名称がカラーの設定項目に対して,200dpi,300dpi,400dpi,600dpiのいずれかのパラメータが設定可能であることを示している。
名称が宛先の設定項目は、原稿を読み取って得られるデータの出力先を定めるパラメータに対応する。設定項目に名称として宛先が設定されたパラメータレコードは、パラメータの項目に出力先のアドレスの名称のパラメータを含む。これは、名称が宛先の設定項目に対して、出力先のアドレスがパラメータとして設定可能であることを示している。
名称がカラーの設定項目は、原稿を読み取る色数を定めるパラメータに対応する。設定項目に名称としてカラーが設定されたパラメータレコードは、パラメータの項目に白黒,オートカラー,フルカラーの3つのパラメータを含む。これは、名称がカラーの設定項目に対して、白黒,オートカラー,フルカラーいずれかのパラメータが設定可能であることを示している。
名称が読取サイズの設定項目は、原稿のサイズを定めるパラメータに対応する。設定項目に名称として読取サイズが設定されたパラメータレコードは、パラメータの項目にA4,A3,Letter,Legerの4つのパラメータを含む。これは、名称が読取サイズの設定項目に対して、A4,A3,Letter,Legerのいずれかのパラメータが設定可能であることを示している。
名称が読取の設定項目は、原稿を読み取る面を定めるパラメータに対応する。設定項目に名称として読取が設定されたパラメータレコードは、パラメータの項目に両面,片面の2つのパラメータを含む。これは、名称が読取面の設定項目に対して、両面,片面のいずれかのパラメータが設定可能であることを示している。
名称がフォーマットの設定項目は、原稿を読み取って得られる画像データのフォーマットを定めるパラメータに対応する。設定項目に名称としてフォーマットが設定されたパラメータレコードは、パラメータの項目にCompactPDF,PDF,JPEG,TIFFの4つのパラメータを含む。これは、名称がフォーマットの設定項目に対して、CompactPDF,PDF,JPEG,TIFFのいずれかのパラメータが設定可能であることを示している。
図6に戻って、ユーザー特定部255は、MFP100を操作するユーザーを特定する。ユーザー特定部255は、MFP100を操作するユーザーを識別するためのユーザー識別情報を出力順決定部259に出力する。ユーザー特定部255は、MFP100と通信し、MFP100からMFP100により認証されたユーザーのユーザー識別情報を取得する。MFP100は、ユーザーが操作パネル160にユーザーIDとパスワードとを入力する場合、そのユーザーIDとパスワードとを用いてユーザーを認証する。また、MFP100は、RFIDと呼ばれる近距離無線通信機能を有する場合、ユーザーが携帯する携帯情報装置450またはICカード等と近距離無線通信してユーザーを認証してもよい。また、MFP100は、磁気カードを読み取るカードリーダーを有する場合、ユーザーが携帯する磁気カードを読み取ることによりユーザーを認証してもよい。さらに、ユーザーが携帯情報装置450を用いてMFP100を遠隔操作する場合、MFP100において携帯情報装置450からMFP100を遠隔操作するユーザーが認証される。
入力装置特定部257は、音声情報取得部251から装置識別情報が入力される場合、その装置識別情報で特定される装置、ここでは、スマートスピーカー400を、ユーザーが音声を入力した装置に決定する。入力装置特定部257は、音声情報取得部251から装置識別情報が入力されることに応じて、その装置識別情報を出力順決定部259に出力する。
出力順決定部259は、パラメータ決定部253により音声情報から抽出された1以上のパラメータが入力される。出力順決定部259は、パラメータ決定部253から複数のパラメータが入力される場合、複数のパラメータが発声された発声順を出力順に決定する。出力順決定部259は、出力順を出力制御部261に出力する。出力順決定部259は、ユーザー決定部271と、入力装置決定部273と、を含む。
ユーザー決定部271は、ユーザー特定部255から入力されるユーザー識別情報で特定されるユーザーが、予め定められた特定種類でない場合は発声順でなく既定順を出力順に決定する。既定順は、複数の設定項目に対して予め定められた順である。既定順は、MFP100に表示される設定画面に基づいて定められる。具体的には、既定順は、設定画面に配置される複数のパラメータの相対的な位置関係に基づいて定められる。設定画面は、複数の設定項目にそれぞれ対応する複数のパラメータを含む。例えば、既定順は、設定画面に配置される複数のパラメータが横方向に配列される場合は、複数のパラメータが左から右に配列される順である。また、既定順は、設定画面に配置される複数のパラメータが縦方向に配列される場合は複数のパラメータが上から下に配列される順である。複数のジョブ種類ごとに、MFP100で表示される設定画面が定まっている。ここでは、MFP100は、ジョブ種類がコピーのコピージョブに対応する設定画面と、ジョブ種類がスキャンのスキャンジョブに対応する設定画面が定まっている。このため、出力順決定部259は、複数のジョブ種類ごとに、設定画面に配置される複数のパラメータの出力順を予め記憶する。なお、出力順決定部259は、MFP100において設定画面に配置される複数のパラメータの配置が変更される場合は、変更後の設定画面における複数のパラメータの配置に基づいて既定順を決定する。この場合は、出力順決定部259は、MFP100から既定順を取得してもよいし、MFP100から設定画面における複数のパラメータの配置を取得してもよい。
特定種類のユーザーは、例えば、視覚障害者である。健常者は、操作パネル160に表示された設定画面を確認することができるため、複数のパラメータが既定順に発声される場合に、設定画面を視認することができる。このため、ユーザーは、聴覚で得られる情報と視覚で得られる情報との照合を容易にできる。発話順が既定順と異なる場合に、複数のパラメータが既定順に発声される場合に、発声されたパラメータを設定画面から探し出す作業が必要になる。このため、聴覚で得られる情報と視覚で得られる情報との照合に時間を要する場合がある。そこで健常者の場合は設定画面上に表示される位置に従ってパラメータが発声された方が効率的に照合が可能となる。一方、視覚障害者の場合は自身が発声した複数のパラメータの順番と同じ順でパラメータが発声された方が設定内容の確認が容易となる。
入力装置決定部273は、ユーザー決定部271により出力順が既定順に決定される場合であって、入力装置特定部257から入力される装置識別情報で特定される装置が、ユーザー特定部255により特定されたユーザーのみに割り当てられている場合は、既定順でなく発声順を出力順に決定する。ユーザーにのみ割り当てられている装置はユーザーにより携帯される装置である。本実施の形態において、スマートスピーカー400は、MFP100の近傍に配置され、任意のユーザーの音声を収集する。このためスマートスピーカー400は、MFP100を操作するユーザーに割り当てられていない。携帯情報装置450は、ユーザーにより携帯される装置であり、そのユーザーにのみ割り当てられた装置である。ユーザーとそのユーザーにのみ割り当てられた装置と、を関連付けたユーザーテーブルが音声設定支援サーバー200に予め記憶されてもよい。
出力制御部261は、パラメータ決定部253から1以上のパラメータが入力され、出力順決定部259から出力順が入力される。出力制御部261は、設定制御部281と、設定確認部283と、を含む。
設定確認部283は、複数のパラメータを出力順に従って、音声で出力するための音声出力情報を生成し、音声出力情報を音声情報生成サーバー300に送信する。音声情報生成サーバー300は、音声出力情報を受信すると、音声データを送信してきた装置、ここではスマートスピーカー400から音声出力情報を音声で再生させる。このため、ユーザーは、自身が発声したパラメータがMFP100に設定されたことを、音声で確認することができる。
設定制御部281は、パラメータ決定部253から入力される1以上のパラメータをMFP100に設定させる。設定制御部281は、同じ設定項目について異なるタイミングで異なるパラメータがパラメータ決定部253から入力される場合、パラメータ決定部253から後に入力されるパラメータで先に入力されたパラメータを更新する。具体的には、設定制御部281は、1以上のパラメータを含む設定指示コマンドをMFP100に送信し、MFP100に1以上のパラメータを設定させる。設定制御部281は、ジョブ種類それぞれに対して定められる複数の設定項目それぞれのパラメータをMFP100に送信する。設定制御部281は、パラメータ決定部253から入力されていない設定項目のパラメータについては、MFP100に送信しない。なお、設定制御部281は、MFP100からMFP100に設定されているパラメータを取得し、パラメータ決定部253から入力されていない設定項目のパラメータについては、MFP100から取得されたパラメータを設定指示コマンドに含めて送信してもよい。
コマンド抽出部263は、音声情報取得部251から音声情報が入力され、音声情報に含まれるコマンドを抽出する。音声情報は、設定コマンド、確認コマンド、実行コマンドを含む。コマンド抽出部263は、音声情報がパラメータを含む場合に設定コマンドを抽出する。コマンド抽出部263は、音声情報から確認コマンドを抽出する場合、確認指示を確認時出力制御部265に出力する。コマンド抽出部263は、音声情報から実行コマンドを抽出する場合、実行指示部267に実行指示を出力する。
確認時出力制御部265は、確認指示が入力されることに応じて、音声出力情報を生成し、音声情報生成サーバー300に音声出力情報を送信する。具体的には、確認時出力制御部265は、MFP100に設定されているパラメータを読み出す。確認時出力制御部265は、HDD204にMFP100に設定されているパラメータを記憶している場合には、そのパラメータを読み出してもよいし、MFP100に問合せし、MFP100から送信されるパラメータを取得してもよい。確認時出力制御部265は、ユーザーにMFP100に設定されているパラメータを通知するための音声出力情報を生成する。確認時出力制御部265は、生成された音声出力情報を音声情報生成サーバー300に送信する。音声情報生成サーバー300は、音声出力情報に含まれるパラメータを音声合成した音声データを生成し、音声データをスマートスピーカー400に送信する。音声データを受信するスマートスピーカー400は、音声データを音声に変換し、再生する。これにより、ユーザーは、音声でMFP100に設定されているパラメータを再確認できる。
なお、確認時出力制御部265は、パラメータ決定部253により決定されていないパラメータが音声で出力されないように、そのパラメータを含まない音声出力情報を生成してもよい。この場合、ユーザーが発声していないパラメータについては、スマートスピーカー400から出力されないので、ユーザーは自ら発声したパラメータのみが正しく設定されていることを確認できる。
実行指示部267は、実行指示が入力されることに応じて、ジョブの実行を指示するための実行指示コマンドをMFP100に送信する。MFP100は、実行指示コマンドを受信すると、それまでに設定されたパラメータに従ってジョブを実行する。これにより、ユーザーは、音声でMFP100にジョブを実行させることができる。
図8は、設定指示コマンドの一例を示す図である。図8を参照して、設定指示コマンドは、ジョブ種類と、複数のパラメータとを含む。設定指示コマンドの“create copy job”により、ジョブ種類がコピーであることが示される。設定指示コマンドのduplex:nullにより、名称が読取の設定項目にパラメータが設定されていないことが示される。設定指示コマンドの“color”:“color”により、名称がカラーの設定項目にカラーのパラメータが設定されていることが示される。設定指示コマンドの“number”:“3”により、名称がカラーの設定項目にカラーのパラメータが設定されていることが示される。設定指示コマンドの“combine”:“2in1”により、名称が2in1の設定項目にONのパラメータが設定されていることが示される。
図9は、設定画面の一例を示す第1の図である。図9は、ジョブ種類の名称がコピーの場合に表示部161に表示される設定画面を示す。なお、図中で反転表示はハッチングで示される。図9を参照して、設定画面500は、パラメータを表示する領域501~504を含む。領域501に、名称が部数の設定項目に設定可能な3つのパラメータが表示され、設定されているパラメータが反転表示されるとともに、左に印が付加されている。ここでは、名称が部数の設定項目にパラメータ「1」が設定されている場合を示している。領域502に、名称がカラーの設定項目に設定可能な3つのパラメータが表示され、設定されているパラメータが反転表示されるとともに、左に印が付加されている。ここでは、名称がカラーの設定項目にパラメータ「オートカラー」が設定されている場合を示している。領域503に、名称が読取印刷の設定項目に設定可能な4つのパラメータが表示され、設定されているパラメータが反転表示されるとともに、左に印が付加されている。ここでは、名称が読取印刷の設定項目にパラメータ「片面読取片面印刷」が設定されている場合を示している。領域504に、名称が2in1の設定項目に設定可能な2つのパラメータが表示され、設定されているパラメータが反転表示されるとともに、左に印が付加されている。ここでは、名称が2in1の設定項目にパラメータ「OFF」が設定されている場合を示している。
図10は、設定画面の一例を示す第2の図である。図10は、ジョブ種類の名称がスキャンの場合に表示部161に表示される設定画面を示す。なお、図中で反転表示はハッチングで示される。図10を参照して、設定画面510は、パラメータを表示する領域511~516を含む。領域511,511Aそれぞれは、名称が宛先の設定項目に設定されるパラメータを入力する領域である。ここでは、パラメータが設定されていない状態が示される。領域512に、名称がカラーの設定項目に設定可能な3つのパラメータが表示され、設定されているパラメータが反転表示されるとともに、左に印が付加されている。ここでは、名称がカラーの設定項目にパラメータ「オートカラー」が設定されている場合を示している。領域513に、名称が読取面の設定項目に設定可能な2つのパラメータが表示され、設定されているパラメータが反転表示されるとともに、左に印が付加されている。ここでは、名称が読取面の設定項目にパラメータ「片面」が設定されている場合を示している。
領域514に、名称が解像度の設定項目に設定可能な3つのパラメータが表示され、設定されているパラメータが反転表示されるとともに、左に印が付加されている。ここでは、名称が解像度の設定項目にパラメータ「300dpi」が設定されている場合を示している。領域515に、名称がフォーマットステープルの設定項目に設定可能な3つのパラメータが表示され、設定されているパラメータが反転表示されるとともに、左に印が付加されている。ここでは、名称がフォーマットの設定項目にパラメータ「PDF」が設定されている場合を示している。領域516に、名称が読取サイズの設定項目に設定可能な4つのパラメータが表示され、設定されているパラメータが反転表示されるとともに、左に印が付加されている。ここでは、名称が読取サイズの設定項目にパラメータ「A3」が設定されている場合を示している。
図11は、音声設定支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。音声設定支援処理は、音声設定支援サーバー200が備えるCPU201が、ROM202、HDD204またはCD-ROM211に記憶された音声設定支援プログラムを実行することにより、CPU201により実行される処理である。
図11を参照して、音声設定支援サーバー200が備えるCPU201は、音声情報が取得されたか否かを判断する(ステップS01)。音声情報生成サーバー300から音声情報が受信される場合に処理はステップS02に進むが、そうでなければ処理はステップS01に戻る。ステップS02においては、MFP100を操作するユーザーが特定され、処理はステップS03に進む。MFP100にログインしたユーザーが、MFP100により認証される。MFP100から認証されたユーザーのユーザー識別情報が受信されると、ユーザーが特定される。
ステップS03においては、入力装置が特定される。ユーザーの音声を収集する装置が入力装置として特定される。本実施の形態においては、スマートスピーカー400と携帯情報装置450とのいずれかが入力装置に特定される。ここでは、スマートスピーカー400が入力装置に特定される場合を例に説明する。
ステップS04においては、ステップS01において取得された音声情報が設定コマンドを含んでいるか否かが判断される。音声情報がパラメータを含んでいれば設定コマンドを含んでいると判断される。音声情報が設定コマンドを含んでいれば処理はステップS05に進むが、そうでなければ処理はステップS10に進む。ステップS05においては、出力順決定処理が実行され、処理はステップS06に進む。出力順決定処理の詳細は後述するが、複数のパラメータを音声で出力する順番を決定する処理である。ステップS06においては、音声情報からパラメータが抽出され、処理はステップS07に進む。ステップS07においては、ステップS06において音声情報から抽出されたパラメータをMFP100に設定するための設定指示コマンドがMFP100に送信され、処理はステップS08に進む。ステップS08においては、ステップS06において音声情報から抽出されたパラメータを、ステップS05で決定された出力順に配列した音声出力情報が生成され、処理はステップS09に進む。ステップS09においては、音声出力情報が音声情報生成サーバー300に送信され、処理はステップS01に戻る。
例えば、ユーザーが、「300dpiで、片面をオートカラーでスキャンして」と発声した場合を例に説明する。この場合、図10に示した設定画面510がMFP100に表示される。ユーザーが視覚障害の場合、「300dpi、片面を読取、オートカラーに設定しました。」の文字列を含む音声出力が生成される。ユーザーは、自身が発声した複数のパラメータの順番と同じ順でパラメータを聞くので、設定内容の確認が容易になる。ユーザーが健常者の場合、オートカラーで、片面を300dpiで読取に設定しました。」の文字列を含む音声出力が生成される。ユーザーは、図10に示された設定画面510を見つつ、音声を聞きながら設定内容を確認する場合、ユーザーは、音声で複数のパラメータが順に発声されるごとに、設定画面510において左から順に配列されたパラメータを確認できるので、設定内容を容易に確認できる。
ステップS10においては、ステップS01において取得された音声情報が確認コマンドを含んでいるか否かが判断される。音声情報が確認コマンドを含んでいれば処理はステップS11に進むが、そうでなければ処理はステップS14に進む。ステップS11においては、MFP100からMFP100に設定されているパラメータが取得され、処理はステップS12に進む。ステップS12においては、ステップS11においてMFP100から取得されたパラメータを、既定順に配列した音声出力情報が生成され、処理はステップS13に進む。ステップS13においては、音声出力情報が音声情報生成サーバー300に送信され、処理はステップS01に戻る。
例えば、図10に示す設定画面がMFP100に表示されている場合、「現在の設定は、オートカラーで、片面を300dpiで読み取り、フォーマットはPDFで、読取サイズはA3です。」の文字列を含む音声出力情報が生成され、音声情報生成サーバー300に送信される。音声出力情報に含まれる文字列が音声でスマートスピーカー400から出力されるので、ユーザーは設定画面510を見ながら設定内容を容易に確認できる。
ステップS14においては、ステップS01において取得された音声情報が実行コマンドを含んでいるか否かが判断される。音声情報が実行コマンドを含んでいれば処理はステップS15に進むが、そうでなければ処理はステップS01に戻る。ステップS15においては、MFP100にジョブの実行を指示する実行指示コマンドが送信され、処理はステップS01に戻る。実行指示を受信するMFP100においては、それまでに設定されたパラメータに従ってジョブが実行される。
図12は、出力順決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。出力順決定処理は、音声設定支援処理のステップS05において実行される処理である。図12を参照して、ステップS21においては、出力順が発声順に決定され、処理はステップS22に進む。ステップS22においては、MFP100を操作するユーザーが特定種類か否かが判断される。特定種類は、ここでは、視覚障害者としている。ユーザーが特定種類ならば処理は音声設定支援処理に戻るが、そうでなければ処理はステップS23に進む。
ステップS23においては、入力装置が個人に割り当てられた装置か否かが判断される。ここでは、入力装置は、ユーザーの音声を収集する装置である。入力装置が携帯情報装置450の場合に個人割当と判断され、処理は音声設定支援処理に戻るが、入力装置がスマートスピーカー400ならば個人割当と判断されず、処理はステップS24に進む。ステップS24においては、出力順が既定順に決定され、処理は音声設定支援処理に戻る。
<第1の変形例>
第1の変形例においては、出力順決定部259が変更される。図13は、第1の変形例における出力順決定部の詳細な機能の一例を示すブロック図である。図13を参照して、第1の変形例における出力順決定部259は、表示装置決定部275を含む。表示装置決定部275は、ユーザーが操作する装置が設定画面を表示する表示装置を有する場合に出力順を既定順に決定し、ユーザーが操作する装置が表示装置を有しない場合に出力順を発声順に決定する。本実施の形態においては、MFP100は、表示部161に設定画面を表示するので、ユーザーがMFP100を操作する場合は、既定順が決定される。
また、表示装置決定部275とユーザー決定部271とが組み合わされてもよい。この場合、出力順決定部259は、ユーザーが特定種類と判断される場合に出力順を発声順に決定する。出力順決定部259は、ユーザーが特定種類でない場合であってかつユーザーが操作する装置が表示装置を有する場合に出力順を既定順に決定し、ユーザーが特定種類でない場合であってかつユーザーが操作する装置が表示装置を有しない場合に出力順を発声順に決定する。
<第2の変形例>
第2の変形例においては、出力順決定部259が変更される。図14は、第2の変形例における出力順決定部の詳細な機能の一例を示すブロック図である。図14を参照して、第2の変形例における出力順決定部259は、設定決定部277を含む。設定決定部277は、音声設定支援サーバー200において、出力順を発声順と既定順とのいずれか一方に予め設定する。例えば、MFP100を管理するユーザーにより出力順が設定される。
<第3の変形例>
上述した音声設定システム1においては、MFP100においてジョブが生成される場合を例に説明したが、音声設定支援サーバー200において、MFP100が実行するためのジョブが生成されてもよい。この場合、MFP100の負荷を軽減することができる。
以上説明したように本実施の形態における音声設定システム1においては、音声設定支援サーバー200は、音声設定支援装置として機能し、MFP100はジョブ実行装置として機能し、音声情報生成サーバー300は、音声認識装置として機能し、スマートスピーカー400および携帯情報装置450は音声入力装置として機能する。
音声設定支援サーバー200は、音声から得られた音声情報に基づいて複数の設定項目それぞれに対応するパラメータを決定し、複数のパラメータが発声された発声順を出力順に決定し、出力順に従って複数の設定項目にそれぞれ対応して決定された複数のパラメータを音声で出力するための音声出力情報を出力する。このため、設定のために音声で発声したパラメータが発声順で再生されるので、ユーザーは、自身が設定のために発声したパラメータが正しく設定していることを容易に確認できる。
また、音声設定支援サーバー200は、音声情報生成サーバー300から音声情報を取得し、音声情報で定められる複数のパラメータが決定された順を発声順に決定する。このため、発声順が容易に決定される。
また、音声設定支援サーバー200は、MFP100を操作するユーザーを特定し、特定されたユーザーが健常者の場合は発声順でなく複数のパラメータに対して予め定められた既定順を出力順に決定する。例えば、ユーザーが視覚障害者の場合に発声順で複数のパラメータが再生されるので、ユーザーは設定されたパラメータの確認が容易となる。また、ユーザーが健常者の場合に既定順で複数のパラメータが再生されるので、設定画面に表示された複数のパラメータと音声で発声される複数のパラメータとを照合できるので、パラメータの確認が容易となる。このため、ユーザーが視覚障害者か否かにより出力順が異なるので、視覚障害者と健常者それぞれにおいて効率よく照合することができる。
また、MFP100を操作するユーザーが健常者であってかつユーザーがそのユーザーにのみ割り当てられた携帯情報装置450に音声を入力する場合、既定順でなく発声順が出力順に決定される。ユーザーが携帯情報装置450に音声を入力する場合は、携帯情報装置450を耳に当てながら入力する状況で、MFP100を携帯情報装置450から遠隔操作する状況の場合がある。この場合、ユーザーは、MFP100が表示する設定画面を視認できない。ユーザーが設定画面を視覚で確認できない状況において発声順で複数のパラメータが再生されるので、ユーザーは設定されたパラメータの確認が容易となる。一方、ユーザーが設定されたパラメータを視覚で確認できる状況において既定順で複数のパラメータが再生されるので、ユーザーは設定されたパラメータを視覚で確認するパラメータと聴覚で確認するパラメータとを照合できるので、パラメータが正しく設定されているかの確認が容易となる。
また、音声設定支援サーバー200は、MFP100を操作するユーザーを特定し、そのユーザーのみに割り当てられていないスマートスピーカー400がユーザーの音声を集音する場合は発声順でなく既定順に従って複数のパラメータが再生される。このため、MFP100に表示された設定画面を見るユーザーが設定されたパラメータを視覚で確認できる状況において既定順で複数のパラメータが再生されるので、ユーザーは設定画面に設定されているパラメータを音声で再生されるパラメータと照合できるので、パラメータが正しく設定されているかの確認が容易となる。
また、既定順は、設定画面に配置される複数のパラメータの設定画面上の相対的な位置関係に基づいて定められる。このため、ユーザーは設定画面を見ながら設定されたパラメータを確認する際に、音声で再生されるパラメータに対応するパラメータの設定画面中の位置を容易に確認できる。
また、音声設定支援サーバー200は、MFP100が表示部161を有しない場合は、既定順でなく発声順を出力順に決定する。このため、ユーザーは、パラメータが正しく設定されているかを容易に確認できる。
また、音声設定支援サーバー200は、音声情報が設定コマンドを含む場合、音声情報が取得されることに応じて、発声順に従って複数のパラメータを出力するための音声出力情報を音声情報生成サーバー300に送信し、音声情報が確認コマンドを含む場合、発声順でなく既定順に従って複数のパラメータを出力するための音声出力情報を音声情報生成サーバー300に送信する。このため、ユーザーがMFP100に設定された複数のパラメータを確認する場合に、既定順に従って複数のパラメータが再生されるので、ユーザーは、MFP100に設定された複数のパラメータを容易に確認できる。
なお、本実施の形態においては、音声設定システム1およびそれに含まれる音声設定支援サーバー200について説明したが、図11に示した音声設定支援処理を音声設定支援サーバー200に実行させる音声設定支援方法として、発明をとらえることができるのは言うまでもない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。