JP2022044142A - クレーンの旋回振れ止め装置およびこれを備えたクレーン - Google Patents

クレーンの旋回振れ止め装置およびこれを備えたクレーン Download PDF

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Abstract

【課題】吊荷の弦振動の影響を抑制しながら吊荷の旋回振れを安定して収束させることが可能なクレーンの旋回振れ止め装置およびクレーンを提供する。【解決手段】旋回振れ止め装置70は、制御量演算部700Fと、制御ゲイン設定部726と、フィルタ処理部700Hと、目標速度演算部727とを有する。制御量演算部700Fは、旋回動作が停止すると吊荷変位、吊荷速度、ジブ18の先端部の旋回変位、ジブ18の先端部の旋回速度、旋回体12の旋回角の5つの状態量を演算する。制御ゲイン設定部726は、所定の状態方程式から各状態量に対応する5つの制御ゲインを設定する。フィルタ処理部700Hは、吊荷変位および吊荷速度に対して主巻ロープ50の弦振動の影響を除去するフィルタ処理を実行する。目標速度演算部727は、5つの状態量および5つの制御ゲインから吊荷の振れを抑えるための旋回速度を演算する。【選択図】図2

Description

本発明は、クレーンの旋回振れ止め装置およびこれを備えたクレーンに関する。
従来、移動式クレーンとして、下部走行体と、上下方向に延びる旋回中心軸回りに旋回可能なように下部走行体に支持された上部旋回体と、ブームやジブなどの起伏体と、を備えたものが知られている。起伏体は、水平な回転中心軸回りに起伏方向に回動可能なように上部旋回体の前部に取り付けられている。また、起伏体の先端部から垂下された吊荷ロープにはフックが装着されており、当該フックに吊荷が接続されることで、吊荷が吊り上げられる。このように吊荷が吊り上げられた状態で、上部旋回体が旋回すると、吊荷を旋回方向に移動させることができる。
特許文献1には、伸縮ブームを有するクレーンにおいて、上部旋回体の旋回停止時に吊荷の振れ(旋回振れ)が発生している場合には、ブームの先端部を吊荷の鉛直上方の位置に移動させるように、上部旋回体の旋回動作を制御する技術が開示されている。ブームの先端部が吊荷に追従するように移動することで、やがて吊荷の振れが収束する。
特許第5087251号公報
特許文献1に記載された技術では、上部旋回体の旋回動作によって吊荷の旋回振れを収束させようとした場合、ブームの先端部を吊荷の鉛直上方の位置に合わせることが難しく、吊荷の振れが収束しにくいという問題があった。具体的に、吊荷が吊り上げられている場合、吊荷の荷重によって吊荷ロープの両端に張力が掛かるためブームの先端部と吊荷との間において吊荷ロープに弦振動が発生しやすくなる。この結果、ブームの先端部に対する吊荷の相対的な位置が不規則に変動するため、ブームの先端部を吊荷の鉛直上方の位置に合わせることが難しくなる。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、吊荷の弦振動の影響を抑制しながらクレーンの旋回動作によって生じる吊荷の旋回振れを安定して収束させることが可能なクレーンの旋回振れ止め装置およびクレーンを提供することにある。
本発明の一局面に係るクレーンの旋回振れ止め装置は、下部本体と、前記下部本体に上下方向に延びる旋回中心軸回りに旋回可能に支持された上部本体と、前記上部本体に水平な回転中心軸回りに起伏方向に回動可能なように支持され、起伏体基端部と、前記起伏体基端部とは反対の起伏体先端部とを含む起伏体と、前記起伏体先端部から垂下され吊荷に接続される吊荷ロープと、前記上部本体を前記旋回中心軸回りに第1旋回方向および前記第1旋回方向とは反対の第2旋回方向にそれぞれ旋回駆動することが可能な旋回駆動部と、前記上部本体を旋回駆動するための操作を受け付ける旋回用操作部であって、前記上部本体を前記第1旋回方向および前記第2旋回方向にそれぞれ旋回させるための旋回用位置と前記上部本体の旋回を停止させるための中立位置との間で切換可能な、旋回用操作部と、前記起伏体を前記回転中心軸回りに起伏方向に回動することが可能な起伏体駆動部と、前記起伏体を起伏するための操作を受け付ける起伏用操作部であって、前記起伏体を起伏させるための起伏用位置と前記起伏体の起伏を停止させるための中立位置との間で切換可能な、起伏用操作部と、前記吊荷ロープの巻き取りおよび繰り出しを行うことで前記吊荷を地面に対して相対的に昇降させることが可能な吊荷駆動部と、前記吊荷を昇降させるための操作を受け付ける昇降用操作部であって、前記吊荷を昇降させるための昇降用位置と前記吊荷の昇降を停止させるための中立位置との間で切換可能な、昇降用操作部と、を有するクレーンに搭載され、前記上部本体の旋回動作停止後に前記吊荷ロープに接続された前記吊荷が前記起伏体先端部を支点として振れる現象である吊荷の旋回振れを抑えることが可能なクレーンの旋回振れ止め装置であって、前記起伏体基端部と前記起伏体先端部とを結ぶ方向である起伏体長手方向における当該起伏体の長さに対応する情報である起伏体長さ情報を取得し出力する起伏体長さ情報取得部と、前記上部本体の前記旋回中心軸回りの旋回角を検出および出力する旋回角検出部と、前記回転中心軸回りの前記起伏体の起伏角を検出および出力する起伏角検出部と、前記起伏体先端部の前記旋回方向における変位である起伏体先端部変位を検出および出力する起伏体変位検出部と、前記起伏体先端部の前記旋回方向における速度である起伏体先端部速度を検出および出力する起伏体速度検出部と、前記起伏体先端部に対する前記吊荷の変位である吊荷変位を検出するとともに当該吊荷変位に対応する信号を出力する吊荷変位検出部と、前記起伏体先端部に対する前記吊荷変位の単位時間あたりの変化量である吊荷速度を検出するとともに当該吊荷速度に対応する信号を出力する吊荷速度検出部と、前記起伏体先端部と前記吊荷との間の前記吊荷ロープの長さに対応する情報であるロープ長さ情報を取得し出力するロープ長さ情報取得部と、前記吊荷の重量に関する情報である吊荷重量情報を取得し出力する吊荷重量情報取得部と、前記旋回用操作部が前記旋回用位置に設定されることに応じて前記旋回駆動部が前記上部本体を所定の旋回方向に旋回させたのち、前記旋回用操作部、前記起伏用操作部および前記昇降用操作部のすべての操作部が前記中立位置にそれぞれ設定されることで成立する旋回振れ止め制御開始条件が満たされているか否かを判断する制御開始条件判断部と、前記制御開始条件判断部によって前記旋回振れ止め制御開始条件が満たされていると判断されると、前記吊荷の前記旋回方向における変位である吊荷旋回方向変位、前記吊荷の前記旋回方向における速度である吊荷旋回方向速度、前記起伏体先端部変位、前記起伏体先端部速度、前記旋回角を含む複数の第1状態量について、所定の目標位置において前記吊荷を前記旋回方向において静止させるための第1目標状態量をそれぞれ設定する目標状態量設定部と、前記吊荷の挙動に関する状態方程式であって前記上部本体の旋回速度を変数とする状態方程式に基づいて、前記複数の第1状態量にそれぞれ対応する複数の第1制御ゲインを設定する制御ゲイン設定部と、前記起伏体先端部と前記吊荷との間において生じる前記吊荷ロープの弦振動における固有振動数に基づいてフィルタ特性を設定するフィルタ特性設定部と、前記吊荷変位検出部から出力された前記吊荷変位に対応する信号および前記吊荷速度検出部から出力された前記吊荷速度に対応する信号のそれぞれの信号に対して、前記フィルタ特性設定部によって設定された前記フィルタ特性に基づいて前記吊荷の弦振動の前記固有振動数に対応する周波数成分を除去するフィルタ処理を実行するフィルタ処理部であって、前記フィルタ処理を受けた前記吊荷変位に対応する信号によって構成される被処理吊荷変位と、前記フィルタ処理を受けた前記吊荷速度に対応する信号によって構成される被処理吊荷速度と、をそれぞれ出力するフィルタ処理部と、前記起伏体長さ情報取得部から出力された前記起伏体長さ情報と、前記旋回角検出部から出力された前記旋回角と、前記起伏角検出部から出力された前記起伏角と、前記起伏体変位検出部から出力された前記起伏体先端部変位と、前記起伏体速度検出部から出力された前記起伏体先端部速度と、前記フィルタ処理部から出力された前記被処理吊荷変位と、前記フィルタ処理部から出力された前記被処理吊荷速度と、前記ロープ長さ情報取得部から出力された前記ロープ長さ情報と、前記吊荷重量情報取得部から出力された前記吊荷重量情報と、前記目標状態量設定部によって設定された前記複数の第1状態量の前記第1目標状態量とに基づいて、前記複数の第1状態量の現在値をそれぞれ演算する状態量演算部と、前記制御ゲイン設定部によって設定された前記複数の第1制御ゲインと、前記状態量演算部によって演算された前記複数の第1状態量の現在値とから、前記旋回速度の目標値である旋回目標速度を演算する目標速度演算部と、前記上部本体の旋回速度が前記目標速度演算部によって演算された前記旋回目標速度となるように、前記旋回駆動部に対して前記旋回目標速度に対応する指令情報を出力する指令情報出力部と、を備える。
本構成によれば、フィルタ特性設定部が起伏体先端部と吊荷との間において生じる吊荷ロープの弦振動における固有振動数に基づいてフィルタ特性を設定し、フィルタ処理部が吊荷変位検出部から出力された吊荷変位に対応する信号および吊荷速度検出部から出力された吊荷速度に対応する信号のそれぞれの信号に対して前記フィルタ特性に基づいてフィルタ処理を施すため、検出される吊荷変位および吊荷速度から吊荷の弦振動の影響を取り除くことができる。そして、状態量演算部が前記フィルタ処理後の吊荷変位および吊荷速度に基づいて複数の第1状態量を演算し、旋回目標速度演算部が前記演算された複数の第1状態量と制御ゲイン設定部によって設定された複数の第1制御ゲインとに基づいて旋回体の旋回目標速度を設定することができる。この結果、吊荷の弦振動の影響を抑えつつ、上部本体の旋回動作によって吊荷の旋回方向における振れを安定して収束させることが可能となる。
上記の構成において、制御ゲイン設定部が前記複数の第1制御ゲインを設定するための前記状態方程式は、前記起伏体の弾性変形に対応する項を含むように設定されていることが望ましい。
本構成によれば、旋回動作によって起伏体に付与される慣性モーメントや吊荷の荷重によって起伏体に撓みなどの弾性変形が生じている場合でも、吊荷の旋回方向における振れを安定して収束させることが可能となる。
上記の構成において、前記目標状態量設定部は、前記目標状態量設定部は、前記制御開始条件判断部によって前記旋回振れ止め制御開始条件が満たされていると判断されると、前記クレーンの平面視において前記起伏体が弾性変形していないと仮定した場合における前記起伏体先端部の鉛直下方の位置を前記目標位置として前記旋回角、前記起伏体先端部変位および前記吊荷旋回方向変位の前記第1目標状態量をそれぞれ設定し、更に、前記吊荷旋回方向速度および前記起伏体先端部速度の前記第1目標状態量をそれぞれゼロに設定することが望ましい。
本構成によれば、旋回振れ止め制御開始条件が満たされた時点での起伏体先端部の位置を基準として、吊荷の旋回振れを収束させるための目標位置が設定されるため、常に起伏体先端部を吊荷の上方の位置に移動させるように上部本体の旋回動作を制御する他の旋回振れ止め装置のように起伏体先端部が吊荷の動きに後追いし旋回方向の切換えが頻繁に行われることがなく、最終的な目標位置に応じた旋回動作の制御によって吊荷の振れを早期に収束させることができる。
上記の構成において、前記制御ゲイン設定部は、前記複数の第1状態量と前記旋回速度とを含む重み付き和の時間に対する積分値が最も小さくなるように前記複数の第1制御ゲインを設定することが望ましい。
本構成によれば、吊荷の旋回振れを早期に収束させるための複数の第1制御ゲインを短時間で設定することができる。
上記の構成において、前記目標状態量設定部は、前記制御開始条件判断部によって前記旋回振れ止め制御開始条件が満たされていると判断されると、前記上部本体の旋回動作の半径方向における前記吊荷の変位である吊荷半径方向変位、前記吊荷の前記半径方向における速度である吊荷半径方向速度、前記起伏角を含む複数の第2状態量について、前記吊荷を更に前記半径方向において静止させるための第2目標状態量をそれぞれ設定し、前記制御ゲイン設定部は、前記吊荷の挙動に関する状態方程式であって前記起伏体の前記起伏角を変数とする第2状態方程式に基づいて、前記複数の第2状態量にそれぞれ対応する複数の第2制御ゲインを設定し、前記状態量演算部は、前記起伏体長さ情報取得部から出力された前記起伏体長さ情報と、前記起伏角検出部から出力された前記起伏角と、前記起伏体変位検出部から出力された前記起伏体先端部変位と、前記起伏体速度検出部から出力された前記起伏体先端部速度と、前記フィルタ処理部から出力された前記被処理吊荷変位と、前記フィルタ処理部から出力された前記被処理吊荷速度と、前記ロープ長さ情報取得部から出力された前記ロープ長さ情報と、前記吊荷重量情報取得部から出力された前記吊荷重量情報と、前記目標状態量設定部によって設定された前記複数の第2状態量の前記第2目標状態量とに基づいて、前記複数の第2状態量の現在値を更に演算し、目標速度演算部は、前記制御ゲイン設定部によって設定された前記複数の第2制御ゲインと、前記状態量演算部によって演算された前記複数の第2状態量の現在値とから、前記起伏体の起伏における角速度の目標値である起伏目標角速度を演算し、指令情報出力部は、前記起伏体の起伏における角速度が前記目標速度演算部によって演算された前記起伏目標角速度となるように、前記起伏体駆動部に対して前記起伏目標角速度に対応する指令情報を出力することが望ましい。
本構成によれば、吊荷の旋回方向における振れを収束させることに加えて、吊荷の弦振動の影響を抑えつつ起伏体の起伏動作によって吊荷の半径方向における振れを安定して収束させることが可能となる。
また、本発明の他の局面に係るクレーンは、下部本体と、前記下部本体に上下方向に延びる旋回中心軸回りに旋回可能に支持された上部本体と、前記上部本体に水平な回転中心軸回りに起伏方向に回動可能なように支持された起伏体基端部と、前記起伏体基端部とは反対の起伏体先端部とを含む起伏体と、前記起伏体先端部から垂下され吊荷に接続される吊荷ロープと、前記上部本体を前記旋回中心軸回りに第1旋回方向および前記第1旋回方向とは反対の第2旋回方向にそれぞれ旋回駆動することが可能な旋回駆動部と、前記上部本体を旋回駆動するための操作を受け付ける旋回用操作部であって、前記上部本体を前記第1旋回方向および前記第2旋回方向にそれぞれ旋回させるための旋回用位置と前記上部本体の旋回を停止させるための中立位置との間で切換可能な、旋回用操作部と、前記起伏体を前記回転中心軸回りに起伏方向に回動することが可能な起伏体駆動部と、前記起伏体を起伏するための操作を受け付ける起伏用操作部であって、前記起伏体を起伏させるための起伏用位置と前記起伏体の起伏を停止させるための中立位置との間で切換可能な、起伏用操作部と、前記吊荷ロープの巻き取りおよび繰り出しを行うことで前記吊荷を地面に対して相対的に昇降させることが可能な吊荷駆動部と、前記吊荷を昇降させるための操作を受け付ける昇降用操作部であって、前記吊荷を昇降させるための昇降用位置と前記吊荷の昇降を停止させるための中立位置との間で切換可能な、昇降用操作部と、上記の何れか1に記載のクレーンの旋回振れ止め装置と、を備える。
本構成によれば、クレーンにおいて、吊荷の弦振動の影響を抑えつつ上部本体の旋回動作によって吊荷の旋回方向における振れを安定して収束させることが可能となる。
本発明によれば、吊荷の弦振動の影響を抑制しながらクレーンの旋回動作によって生じる吊荷の旋回振れを安定して収束させることが可能なクレーンの旋回振れ止め装置およびクレーンが提供される。
本発明の第1実施形態に係るクレーンの側面図である。 本発明の第1実施形態に係るクレーンの旋回振れ止め装置のブロック図である。 本発明の第1実施形態に係るクレーンの旋回振れ止め制御を説明するための模式的な平面図である。 本発明の第1実施形態に係るクレーンの旋回振れ止め制御のフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るクレーンの側面図である。 本発明の各実施形態に係るクレーンにおける吊荷の旋回方向の振れ止め制御を説明するためのモデル図である。 本発明の各実施形態に係るクレーンにおける吊荷の旋回方向の振れ止め制御を説明するためのモデル図である。 本発明の各実施形態に係るクレーンにおける吊荷の半径方向の振れ止め制御を説明するためのモデル図である。 本発明の各実施形態に係るクレーンの振れ止め制御のフィルタ特性を示すグラフである。 本発明の各実施形態に係るクレーンの振れ止め制御のフィルタ特性を示すグラフである。
<第1実施形態>
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るクレーン10の側面図である。なお、図1には、「上」、「下」、「前」および「後」の方向が示されているが、当該方向は、本実施形態に係るクレーン10の構造および組立方法を説明するために便宜上示すものであり、本発明に係るクレーンの移動方向や使用態様などを限定するものではない。
クレーン10は、走行体14(下部本体)と、走行体14に上下方向に延びる旋回中心軸回りに旋回可能に支持された旋回体12(上部本体)と、ブーム16(起伏体)と、ジブ18(起伏体)と、マスト20と、を備える。また、旋回体12の後部には、クレーン10のバランスを調整するためのカウンタウエイト13が積載されている。また、旋回体12の前端部には、キャブ15が備えられている。キャブ15は、クレーン10の運転席に相当する。
図1に示されるブーム16は、いわゆるラチス型であり、下部ブーム16A(起伏体基端部)と、一または複数(図例では3個)の中間ブーム16B,16C、16Dと、上部ブーム16E(前記起伏体基端部とは反対の起伏体先端部)とから構成される。具体的に、下部ブーム16Aは、旋回体12の前部に水平な回転中心軸(第1回転中心軸)回りに起伏方向に回動可能となるように支持される。中間ブーム16B,16C,16Dは、その順に下部ブーム16Aの先端側に着脱可能に継ぎ足される。上部ブーム16Eは中間ブーム16Dの先端側に着脱可能に継ぎ足される。下部ブーム16Aは、その下端部に備えられたブームフットピン16Sにおいて旋回体12に回動可能に軸支される。
また、ブーム16は、アイドラシーブ34S、36Sを有する。アイドラシーブ34S、36Sは、下部ブーム16Aの基端部の後側面にそれぞれ回転可能に支持されている。
ただし、本発明ではブームの具体的な構造は限定されない。例えば、当該ブームは、中間部材がないものでもよく、また、上記とは中間部材の数が異なるものでもよい。更に、ブームは、単一の部材で構成されたものでもよい。
ジブ18は、ブーム16の先端部(ブーム先端部、上部ブーム16E)にブーム16の回転中心軸と平行な回転中心軸(第2回転中心軸)回りに起伏方向に回動可能に支持されたジブ基端部と、当該ジブ基端部とは反対のジブ先端部とを有する。当該ジブ先端部から後記の主巻ロープ50が垂下され吊荷に接続される。なお、ジブ18も、ブーム16と同様にその具体的な構造は限定されない。
マスト20は、基端及び回動端を有し、その基端が旋回体12に回動可能に連結される。マスト20の回動軸は、ブーム16の回動軸と平行でかつ当該ブーム16の回動軸のすぐ後方に位置している。すなわち、このマスト20はブーム16の起伏方向と同方向に回動可能である。
更に、クレーン10は、左右一対のブームバックストップ23と、左右一対のブーム用ガイライン24と、を備える。
左右一対のブームバックストップ23はブーム16の下部ブーム16Aの左右両側部に設けられる。これらのブームバックストップ23は、ブーム16が図1に示される起立姿勢まで到達した時点で、旋回体12の前後方向の中央部に当接する。この当接によって、ブーム16が強風等で後方に煽られることが規制される。
左右一対のブーム用ガイライン24は、マスト20の回動端をブーム16の先端部に連結する。この連結は、マスト20の回動とブーム16の回動とを連携させる。
更に、クレーン10は、リヤストラット21と、フロントストラット22と、左右一対のストラットバックストップ25および左右一対のガイライン26と、左右一対のジブ用ガイライン28と、を備える。
リヤストラット21は、ブーム16の先端部に回動可能に軸支される。リヤストラット21は、上部ブーム16Eの先端からブーム起立側(図1では左側)に張り出す姿勢で保持される。この姿勢を保持する手段として、リヤストラット21とブーム16との間に左右一対のストラットバックストップ25及び左右一対のガイライン26が介在する。ストラットバックストップ25は、中間ブーム16Dとリヤストラット21の中間部位との間に介在し、リヤストラット21を下から支える。ガイライン26は、リヤストラット21の先端部とブーム16の下部ブーム16Aとを接続するように張設され、その張力によってリヤストラット21の位置を規制する。換言すれば、左右一対のストラットバックストップ25及び左右一対のガイライン26は、クレーン10の使用状態において、ブーム16に対するリヤストラット21の相対的な回動を規制する。なお、リヤストラット21は、シーブブロック47、リヤストラットアイドラシーブ52、62を有する。シーブブロック47は、リヤストラット21の回動端部に配置され、幅方向に配列された複数のシーブを含む。リヤストラットアイドラシーブ52、62は、リヤストラット21の長手方向の中央部よりも基端部側に位置する部分に配置され、それぞれ幅方向に配列された複数のシーブを含む。
フロントストラット22は、ジブ18の後方に配置されており、ジブ18と連動して回動するようにブーム16の先端部(上部ブーム16E)に回動可能に軸支されている。詳しくは、このフロントストラット22の先端部とジブ18の先端部とを連結するように左右一対のジブ用ガイライン28が張設される。従って、このフロントストラット22の回動駆動によって、ジブ18もフロントストラット22と一体的に回動駆動される。なお、前述のリヤストラット21は、図1に示すようにフロントストラット22の後側に配置され、フロントストラット22との間で略二等辺三角形形状を形成する。なお、フロントストラット22は、シーブブロック48と、フロントストラットアイドラシーブ53、63と、を有する。シーブブロック48は、フロントストラット22の回動端部に配置され、幅方向に配列された複数のシーブを含む。フロントストラットアイドラシーブ53、63は、フロントストラット22の長手方向の中央部よりも基端部側に位置する部分に配置され、それぞれ幅方向に配列された複数のシーブを含む。
また、クレーン10は、各種ウインチを更に備える。具体的には、クレーン10は、ブーム16を起伏させるためのブーム起伏用ウインチ30と、ジブ18を起伏させるためのジブ起伏用ウインチ32と、吊荷の巻上げ及び巻下げを行うための主巻用ウインチ34及び補巻用ウインチ36とを備える。また、クレーン10は、ブーム起伏用ロープ38と、ジブ起伏用ロープ44と、ジブ18の先端部から垂下され吊荷に接続される主巻ロープ50(吊荷ロープ)と、補巻ロープ60と、を備える。本実施形態に係るクレーン10では、ジブ起伏用ウインチ32、主巻用ウインチ34および補巻用ウインチ36がブーム16の基端近傍部位に据え付けられる。また、ブーム起伏用ウインチ30が旋回体12に据え付けられる。これらのウインチ30、32、34、36の位置は、上記に限定されるものではない。
ブーム起伏用ウインチ30は、ブーム起伏用ロープ38の巻き取り及び繰り出しを行う。そして、この巻き取り及び繰り出しによりマスト20が回動するようにブーム起伏用ロープ38が配索される。具体的には、マスト20の回動端部及び旋回体12の後端部にはそれぞれ複数のシーブが幅方向に配列されたシーブブロック40,42が設けられ、ブーム起伏用ウインチ30から引き出されたブーム起伏用ロープ38がシーブブロック40,42間に掛け渡される。従って、ブーム起伏用ウインチ30がブーム起伏用ロープ38の巻き取りや繰り出しを行うことにより、両シーブブロック40,42間の距離が変化し、これによってマスト20さらにはこれと連動するブーム16が起伏方向に回動する。
ジブ起伏用ウインチ32は、リヤストラット21とフロントストラット22との間に掛け回されたジブ起伏用ロープ44の巻き取り及び繰り出しを行う。そして、この巻き取りや繰り出しによってフロントストラット22が回動するようにジブ起伏用ロープ44が配索される。具体的には、ジブ起伏用ウインチ32から引き出されたジブ起伏用ロープ44がアイドラシーブ32S、中間ブームシーブ46に掛けられ、更に、シーブブロック47,48間に複数回掛け渡される。従って、ジブ起伏用ウインチ32は、ジブ起伏用ロープ44の巻き取りおよび繰り出しを行うことで、両シーブブロック47,48間の距離を変え、リヤストラット21に対してフロントストラット22を相対的に回動させる。この結果、ジブ起伏用ウインチ32は、フロントストラット22と連動するジブ18を起伏させる。
主巻用ウインチ34は、主巻ロープ50による吊荷の巻き上げ及び巻き下げを行う。主巻ロープ50は、ジブ18の先端部から垂下され、吊荷に接続される。また、ジブ18の先端部には主巻用ガイドシーブ54が配置され、当該主巻用ガイドシーブ54に隣接する位置に複数の主巻用ポイントシーブ56が幅方向に配列された主巻用シーブブロックが設けられている。主巻用ウインチ34から引き出された主巻ロープ50が、アイドラシーブ34S、リヤストラットアイドラシーブ52、フロントストラットアイドラシーブ53、主巻用ガイドシーブ54に順に掛けられ、かつ、シーブブロックの主巻用ポイントシーブ56と、吊荷用の主フック57に設けられたシーブブロックのシーブ58との間に掛け渡される。従って、主巻用ウインチ34が主巻ロープ50の巻き取りや繰り出しを行うと、両シーブ56,58間の距離が変わって、ジブ18の先端から垂下された主巻ロープ50に連結された主フック57の巻き上げ及び巻き下げが行われる。この結果、吊荷の巻き上げ、巻き下げが可能となる。
同様にして、補巻用ウインチ36は、補巻ロープ60による吊荷の巻き上げ及び巻き下げを行う。この補巻については、主巻用ガイドシーブ54と同軸に補巻用ガイドシーブ64が回転可能に設けられ、補巻用ガイドシーブ64に隣接する位置に不図示の補巻用ポイントシーブが回転可能に設けられている。補巻用ウインチ36から引き出された補巻ロープ60は、アイドラシーブ36S、リヤストラットアイドラシーブ62、フロントストラットアイドラシーブ63、補巻用ガイドシーブ64に順に掛けられ、かつ、補巻用ポイントシーブから垂下される。従って、補巻用ウインチ36が補巻ロープ60の巻き取りや繰り出しを行うと、補巻ロープ60の末端に連結された図略の吊荷用の補フックが巻き上げられ、または巻き下げられる。
クレーン10は、更に、駆動制御部700と、駆動部700Aと、操作部700Bと、旋回振れ止め装置70と、を備える。図2は、本実施形態に係るクレーン10の旋回振れ止め装置70のブロック図である。
駆動部700Aは、クレーン10の各部材を駆動させる。駆動部700Aは、旋回駆動部701と、ブーム起伏駆動部702A(起伏体駆動部)と、ジブ起伏駆動部702B(起伏体駆動部)と、ウインチ駆動部703(吊荷駆動部)と、を有する。
旋回駆動部701は、旋回体12を前記旋回中心軸回りに第1旋回方向および前記第1旋回方向とは反対の第2旋回方向にそれぞれ旋回させることが可能な駆動力を発生する。旋回駆動部701は、作動油の供給を受けることで旋回体12を旋回させる油圧式の旋回モータを含む。
ブーム起伏駆動部702Aは、ブーム起伏用ウインチ30を回転させるための駆動力を発生し、ブーム16を前記回転中心軸回りに回動することが可能とされている。ブーム起伏駆動部702Aは、作動油の供給を受けることでブーム起伏用ウインチ30を回転させる油圧式の起伏モータを含む。
同様に、ジブ起伏駆動部702Bは、ジブ起伏用ウインチ32を回転させるための駆動力を発生し、ジブ18を前記回転中心軸回りに回動することが可能とされている。ジブ起伏駆動部702Bは、作動油の供給を受けることでブーム起伏用ウインチ30を回転させる油圧式の起伏モータを含む。
ウインチ駆動部703は、主巻用ウインチ34を回転させるための駆動力を発生し、主巻用ウインチ34によって主巻ロープ50の巻き取りおよび繰り出しを行うことで前記吊荷を地面に対して相対的に昇降させることが可能とされている。ウインチ駆動部703は、作動油の供給を受けることで主巻用ウインチ34を回転させる油圧式の吊荷モータを含む。なお、補巻用ウインチ36を回転させるための不図示のウインチ駆動部も同様に設けられている。
操作部700Bは、キャブ15内に配置されており、オペレータによるクレーン10の各部材を駆動するための操作を受け付ける。操作部700Bは、旋回操作部704(旋回用操作部)と、ブーム起伏操作部705Aおよびジブ起伏操作部705B(起伏用操作部)と、ウインチ操作部706(昇降用操作部)と、を有する。
旋回操作部704は、旋回駆動部701によって旋回体12を旋回駆動するための操作を受け付ける。旋回操作部704は、旋回体12を前記第1旋回方向および前記第2旋回方向にそれぞれ旋回させるための旋回用位置と旋回体12の旋回を停止させるための中立位置との間で切換可能とされている。
ブーム起伏操作部705Aは、ブーム起伏駆動部702Aによってブーム16を起伏するための操作を受け付ける。ブーム起伏操作部705Aは、ブーム16を起伏させるための起伏用位置とブーム16の起伏を停止させるための中立位置との間で切換可能とされている。
同様に、ジブ起伏操作部705Bは、ジブ起伏駆動部702Bによってジブ18を起伏するための操作を受け付ける。ジブ起伏操作部705Bは、ジブ18を起伏させるための起伏用位置とジブ18の起伏を停止させるための中立位置との間で切換可能とされている。
ウインチ操作部706は、ウインチ駆動部703によって前記吊荷を昇降させるための操作を受け付ける。ウインチ操作部706は、前記吊荷を昇降させるための昇降用位置と前記吊荷の昇降を停止させるための中立位置との間で切換可能とされている。
駆動制御部700は、旋回操作部704、ブーム起伏操作部705A、ジブ起伏操作部705Bおよびウインチ操作部706が受け付ける操作の操作方向および操作量に応じた指令信号を旋回駆動部701、ブーム起伏駆動部702A、ジブ起伏駆動部702Bおよびウインチ駆動部703にそれぞれ入力し、各駆動部を駆動する。
旋回振れ止め装置70は、旋回体12の旋回動作停止後に主巻ロープ50に接続された前記吊荷がジブ18の先端部の主巻用ポイントシーブ56を支点として旋回体12の旋回方向(旋回体12の左右方向)および旋回体12の半径方向(旋回体12の前後方向)に沿って振れる現象である吊荷の振れ(旋回方向振れおよび半径方向振れ)をそれぞれ抑えることが可能とされている。この際、旋回振れ止め装置70は、旋回体12の旋回動作(旋回速度、旋回方向)を制御することによって、吊荷の旋回方向振れを収束させる一方、ジブ18の起伏動作(起伏角速度、起伏方向)を制御することによって、吊荷の半径方向振れを収束させる。
旋回振れ止め装置70は、情報取得部700Cと、検出部700Dと、制振制御部700Eとを有する。
情報取得部700Cは、ブーム長さ情報取得部708およびジブ長さ情報取得部709(いずれも起伏体長さ情報取得部)を有する。
ブーム長さ情報取得部708は、制振制御部700Eが実行する吊荷の振れ止め制御において使用されるブーム16の長さに関する情報(長さ情報)を取得する。すなわち、ブーム長さ情報取得部708は、ブーム16の基端部(起伏体基端部)と先端部(起伏体先端部)とを結ぶ方向であるブーム長手方向(起伏体長手方向)におけるブーム16の長さに対応する情報(起伏体長さ情報)を取得および出力する。同様に、ジブ長さ情報取得部709は、制振制御部700Eが実行する吊荷の振れ止め制御において使用されるジブ18の長さに関する情報(長さ情報)を取得する。すなわち、ジブ長さ情報取得部709は、ジブ18の基端部(起伏体基端部)と先端部(起伏体先端部)とを結ぶ方向であるジブ長手方向(起伏体長手方向)におけるジブ18の長さに対応する情報(起伏体長さ情報)を取得および出力する。情報取得部700Cは不図示の記憶部を有しており、ブーム長さ情報取得部708およびジブ長さ情報取得部709は当該記憶部からブーム16およびジブ18の長さ情報をそれぞれ取得する。なお、他の実施形態において、操作部700Bが不図示の入力部を有しており、オペレータが当該入力部を通じてブーム16およびジブ18の長さ情報を入力し、その情報をブーム長さ情報取得部708およびジブ長さ情報取得部709が取得する態様でもよい。
検出部700Dは、旋回角検出部710と、ブーム起伏角検出部711(起伏角検出部)と、ジブ起伏角検出部712(起伏角検出部)と、ジブトップ変位検出部713(起伏体変位検出部)と、ジブトップ速度検出部714(起伏体速度検出部)と、ロープ振れ角検出部715(吊荷変位検出部)と、ロープ振れ角速度検出部716(吊荷速度検出部)と、ロープ長さ検出部717(ロープ長さ情報取得部)と、吊荷重量検出部718(吊荷重量情報取得部)と、を有する。
旋回角検出部710は、ブーム16(旋回体12)の旋回中心軸回りの旋回角を検出および出力する。旋回角検出部710は、不図示のジャイロセンサ(IMUセンサ)と演算部とを含む。旋回角検出部710は、旋回体12の旋回中心軸まわりの角速度を前記ジャイロセンサで計測し、前記演算部が前記計測された角速度を時間に対して1回積分処理することで角度に換算し、当該角度を旋回角として出力する。
ブーム起伏角検出部711は、ブーム16の前記回転中心軸回りの起伏角を検出および出力する。ブーム起伏角検出部711は、傾斜センサからなり、ブーム16の地面に対する相対角度(対地角)を検出する。なお、ブーム起伏角検出部711は、その他の対象物に対する相対角度を検出するものでもよい。
同様に、ジブ起伏角検出部712は、ジブ18の前記回転中心軸回りの起伏角を検出および出力する。ジブ起伏角検出部712も、傾斜センサからなり、ジブ18の地面に対する相対角度(対地角)を検出する。なお、ジブ起伏角検出部712も、その他の対象物に対する相対角度を検出するものでもよい。
ジブトップ変位検出部713は、ジブ18の先端部の前記旋回方向および前記半径方向における変位量(起伏体先端部変位)をそれぞれ検出および出力する。本実施形態では、ジブトップ変位検出部713は、ジブ18の先端部に取り付けられた不図示の加速度センサと演算部とを含む。当該加速度センサがジブ18の先端部の前記旋回方向および前記半径方向における加速度をそれぞれ計測し、演算部が前記計測された加速度を時間に対して2回積分処理することで変位(変位量)に換算し、前記旋回方向および前記半径方向における変位をそれぞれ出力する。
ジブトップ速度検出部714は、ジブ18の先端部の前記旋回方向および前記半径方向における速度(起伏体先端部速度)を検出および出力する。本実施形態では、ジブトップ速度検出部714は、ジブトップ変位検出部713と共有する前記加速度センサと演算部とを含む。ジブ18の先端部に取り付けられた前記加速度センサによって計測された前記加速度を前記演算部が時間に対して1回積分処理することで速度に換算し、前記旋回方向および前記半径方向における速度をそれぞれ出力する。なお、ジブトップ変位検出部713およびジブトップ速度検出部714が共有するセンサは、公知のIMUセンサを含むものでもよい。
ロープ振れ角検出部715は、旋回体12の旋回動作における径方向に沿って見た場合の主巻ロープ50の鉛直方向に対する振れ角度、ならびに、旋回体12の旋回動作における旋回方向に沿って見た場合の主巻ロープ50の鉛直方向に対する振れ角度をそれぞれ検出および出力する。ロープ振れ角検出部715は、ジブ18の先端部に取り付けられた旋回方向にのみ揺動可能な不図示の治具と、当該治具に装着された傾斜センサとを含む。また、ロープ振れ角検出部715は、ジブ18の先端部に取り付けられた半径方向にのみ揺動可能な不図示の治具と、当該治具に装着された傾斜センサとを含む。前記治具はいずれも主巻ロープ50に係止されており、2つの傾斜センサはジブ18(鉛直方向)に対する主巻ロープ50の旋回方向および半径方向の揺動角を振れ角度としてそれぞれ検出および出力することができる。
ロープ振れ角速度検出部716は、主巻ロープ50の前記旋回方向および前記半径方向における振れ角度の単位時間あたりの変化量である振れ角速度をそれぞれ検出および出力する。ロープ振れ角速度検出部716は、上記の各治具に取り付けられたジャイロセンサを含み、当該ジャイロセンサが前記振れ角速度を検出および出力する。なお、他の実施形態において、ロープ振れ角速度検出部716はジブ18の先端部に取り付けられたカメラを含み、当該カメラによって撮影された主フック57の画像を取得し、主フック57(吊荷)の旋回方向および半径方向における揺動角を前記振れ角度としてそれぞれ検出および出力するとともに、前記揺動角を1回微分することで前記旋回方向および前記半径方向における角速度をそれぞれ出力するものでもよい。
ロープ長さ検出部717は、ジブ18の先端部と前記吊荷との間の主巻ロープ50の長さに対応する情報であるロープ長さ情報を取得し出力する。本実施形態では、ジブ18の先端部の主巻用ポイントシーブ56と主フック57(シーブ58)との間の距離をロープ長さとして検出する。ロープ長さ検出部717は、主巻用ウインチ34の回転量を検出可能な回転量検出部と、主巻用ウインチ34の外周面上における主巻ロープ50の巻き層数を検出する巻き層検出部とを含む。ロープ長さ検出部717は、主巻用ウインチ34のウインチ径、前記回転量検出部が検出するウインチ回転量に加え、前記巻き層検出部が検出する主巻ロープ50の巻き層から推定される主巻用ウインチ34から繰りだされる主巻ロープ50の繰り出し量と、主巻用ポイントシーブ56とシーブ58のシーブブロック間と間における主巻ロープ50の掛け数とから、前記距離を算出し出力する。
吊荷重量検出部718は、主フック57に接続された前記吊荷の重量に関する情報(吊荷重量情報)を取得し出力する。本実施形態では、吊荷重量検出部718は、主巻ロープ50に接続された不図示の荷重検知器(ロードセル)を含み、主巻ロープ50の張力の歪の変化に基づいて前記吊荷の重量を検出する。なお、他の実施形態において、ジブ18を起伏させる油圧回路内の圧力が不図示の圧力計によって検出され、当該圧力に基づいて前記吊荷の荷重が推定されても良い。
制振制御部700Eは、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。制振制御部700Eは、前記CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、制御判断部719(制御開始条件判断部)、制御目標量設定部720、制御量演算部700F、フィルタ設定部700G、フィルタ処理部700H、制御ゲイン設定部726、目標速度演算部727および指令情報演算部728を備えるように機能する。制振制御部700Eは、操作部700Bが受ける操作、情報取得部700Cが取得する情報および検出部700Dが検出する情報に基づいて、クレーン10の旋回動作停止時における吊荷の振れ止め制御を自動で実行する。
<振れ止め制御開始の判断>
制御判断部719は、旋回操作部704が前記旋回用位置に設定されることに応じて旋回駆動部701が旋回体12を所定の旋回方向に旋回させたのち、旋回操作部704、ブーム起伏操作部705A、ジブ起伏操作部705Bおよびウインチ操作部706のすべての操作部が前記中立位置にそれぞれ設定されることで成立する旋回振れ止め制御開始条件が満たされることに対応して、旋回振れ止め制御(制振制御ともいう)を開始することを判断し、前記旋回振れ止め制御開始条件が満たされていると判断すると所定の制御開始信号を出力する。なお、各操作部が前記中立位置に設定されているか否かの判断は、各操作部が受ける操作量が予め設定された閾値よりも小さい場合に前記中立位置に設定されていると判断される。すなわち、このような状態は、旋回体12の旋回動作後にクレーン10の動作が停止した状態であり、主フック57に接続された吊荷がジブ18の先端部(主巻用ポイントシーブ56)の鉛直下方に位置することが望ましい状態である。なお、上記のように旋回動作後にクレーン10の動作が停止しているとともに、後記のように予めキャブ15内に配置された旋回振れ止め制御開始用のスイッチ(入力部)がオペレータによって押圧された(ONされた)場合に、後述の振れ止め制御が開始されてもよい。
<制御量目標値(状態量目標値)の設定>
制御目標量設定部720は、制御判断部719が旋回振れ止め制御の実行を判断し制御開始信号を出力した時点での各制御目標量(状態目標量)を設定する。具体的に、制御目標量設定部720は、吊荷の旋回方向における振れ止め制御である旋回方向振れ止め制御に関して、吊荷旋回方向変位X1、吊荷旋回方向速度X2、起伏体先端部変位X3、起伏体先端部速度X4および旋回角X5を含む少なくとも5つ(複数)の制御量(第1状態量)について、所定の目標位置において前記吊荷を旋回方向において静止させるための目標量を設定する。また、制御目標量設定部720は、吊荷の半径方向(前後方向)における振れ止め制御である半径方向振れ止め制御に関して、吊荷半径方向変位X6、吊荷半径方向速度X7および起伏角X8を含む少なくとも3つ(複数)の制御量(第2状態量)について、所定の目標位置において前記吊荷を半径方向において静止させるための目標量を設定する。
なお、吊荷旋回方向変位X1は、吊荷(主フック57)の前記旋回方向における変位であり、吊荷旋回方向速度X2は、吊荷の前記旋回方向における速度である。また、起伏体先端部変位X3は、ジブ18の先端部(主巻用ポイントシーブ56)の前記旋回方向における変位であり、起伏体先端部速度X4は、ジブ18の先端部の前記旋回方向における速度である。また、旋回角X5は、ブーム16およびジブ18を含む起伏体(旋回体12)の旋回角である。更に、吊荷半径方向変位X6は、吊荷(主フック57)の前記半径方向における変位であり、吊荷半径方向速度X7は、吊荷の前記半径方向における速度である。更に、起伏角X8は、ジブ18の起伏角である。なお、上記の旋回振れ止め制御中、ブーム16の起伏角は一定である。
図3は、本実施形態に係るクレーン10の振れ止め制御を説明するための模式的な平面図である。
図3では、制御判断部719が旋回振れ止め制御の実行開始を判断し制御開始信号を出力した時点でのクレーン10の平面視において、旋回体12の旋回中心軸をゼロ点とするXY座標系に対して、ブーム16およびジブ18からなる起伏体の仮想的な中心線が延びる方向をy方向、当該中心線と直交する方向をx方向としてxy座標系が示されている。当該xy座標系は、前記起伏体が弾性変形していないと仮定した場合の起伏体の仮想的な中心線を基に設定されている。起伏体は、図3の状態よりも前に停止された旋回体12の旋回動作における旋回方向の上流側に撓んでいる。また、起伏体のうちジブ18の先端部に接続された主巻ロープ50は、起伏体先端位置(ジブ18の先端部)よりも更に前記旋回方向上流側に向かって延びている。本実施形態に係る振れ止め制御が実行されない場合、図3の状態から起伏体の撓みが解消されるとともに、主巻ロープ50(主フック57)に接続された吊荷の振れ(旋回方向振れ、半径方向振れ)が発生する。
制御目標量設定部720は、図3に示す状態において、xy座標系におけるゼロ点位置、すなわち、仮想的な起伏体の先端部を目標起伏体先端位置として設定し、その鉛直下方の位置を目標吊荷位置として設定する。したがって、前述の旋回方向振れ止め制御を通じて、当該目標吊荷位置において旋回方向における吊荷の変位がゼロになるように、旋回体12の旋回速度、旋回方向が自動的に制御される。一方、前述の半径方向振れ止め制御を通じて、当該目標吊荷位置において半径方向における吊荷の変位がゼロになるように、ジブ18の起伏角速度、起伏方向が自動的に制御される。なお、旋回方向の振れ止め制御と半径方向の振れ止め制御における目標吊荷位置は互いに独立するものでもよい。すなわち、旋回方向における吊荷の振れが収束する前に、半径方向における吊荷の振れが収束するような態様でもよい。
なお、起伏体の先端部および吊荷がそれぞれ上記の目標起伏体先端位置、目標吊荷位置に配置されるための、XY座標系における目標旋回角がθrefと定義される。換言すれば、制御目標量設定部720は、上記の目標旋回角θref、ブーム16の起伏角およびブーム16の長さ、ジブ18の起伏角およびジブ18の長さから、上記の目標起伏体先端位置、目標吊荷位置をそれぞれ演算することができる。
また、制御目標量設定部720は、上記の各制御量(第1状態量、第2状態量)のうち速度(角速度)の制御量については、吊荷を静止させることが目的であるため、その目標量をそれぞれゼロに設定する。なお、旋回体12の旋回速度については、左旋回方向の場合をプラス(正)の値と定義し、右旋回方向の場合をマイナス(負)の値と定義する。また、ジブ18の起伏角速度については、起立方向の場合をプラス(正)の値と定義し、倒伏方向の場合をマイナス(負)の値と定義する。
<旋回方向振れ止め制御に対応する制御量(状態量)の演算>
制御量演算部700Fは、吊荷旋回方向変位X1、吊荷旋回方向速度X2、起伏体先端部変位X3、起伏体先端部速度X4および旋回角X5の各制御量について、検出部700Dの各検出部が検出した検出値と、制御目標量設定部720が設定した目標量との間の偏差を演算する。より詳しくは、制御量演算部700Fは、ブーム長さ情報取得部708から出力されたブーム長さ情報と、ジブ長さ情報取得部709から出力されたジブ長さ情報と、旋回角検出部710から出力された前記旋回角と、ブーム起伏角検出部711から出力された前記ブーム起伏角と、ジブ起伏角検出部712から出力されたジブ起伏角と、ジブトップ変位検出部713から出力された起伏体先端部変位と、ジブトップ速度検出部714から出力された起伏体先端部速度と、ロープ振れ角検出部715から出力された主巻ロープ50の旋回方向における振れ角度と、ロープ振れ角速度検出部716から出力された主巻ロープ50の旋回方向における振れ角速度と、ロープ長さ検出部717から出力された前記ロープ長さ情報と、吊荷重量検出部718から出力された前記吊荷重量情報と、制御目標量設定部720によって設定された前記5つの第1状態量(X1、X2、X3、X4、X5)の目標状態量とに基づいて、前記5つの状態量の現在値を演算する。なお、後記のとおり、ロープ振れ角検出部715から出力された主巻ロープ50の旋回方向における振れ角度と、ロープ振れ角速度検出部716から出力された主巻ロープ50の旋回方向における振れ角速度とは、上記の演算の用に供される前に所定のフィルタ処理を受ける。
図3を参照して、吊荷旋回方向変位X1は、起伏体先端位置に対する吊荷の相対的な旋回方向における変位に、図3の起伏体先端部変位X3(ジブ18の先端部の旋回方向における変位)を加えたものである。このため、吊荷旋回方向変位X1は、以下の式1によって演算することができる。
Figure 2022044142000002
なお、式1において、Lは起伏体先端位置(ジブ18の先端部)と吊荷との間における主巻ロープ50の長さであり、ロープ長さ検出部717によって検出される。また、γlは主巻ロープ50の旋回方向における振れ角であり、ロープ振れ角検出部715によって検出された後、フィルタ処理部700Hによってフィルタ処理を受ける。なお、式1に示すように、γl<<1の場合、sin(γl)=γlと近似することができる。
同様に、吊荷旋回方向速度X2は、起伏体先端位置に対する吊荷の相対的な速度に、起伏体先端部速度X4(ジブ18の先端部の旋回方向における速度)を加えたものである。このため、吊荷旋回方向速度X2は、以下の式2によって演算することができる。
Figure 2022044142000003
なお、式2において、γl’は、主巻ロープ50の旋回方向における振れ角速度であり、ロープ振れ角速度検出部716によって検出された後、フィルタ処理部700Hによってフィルタ処理を受ける。
更に、起伏体先端部変位X3および起伏体先端部速度X4は、前述のジブトップ変位検出部713およびジブトップ速度検出部714によってそれぞれ検出される。
また、旋回角X5は、刻々と変化する旋回体12(ブーム16)の旋回角と、前述の目標旋回角θrefとの偏差に相当し、以下の式3によって演算される。
Figure 2022044142000004
なお、式3において、integral(θ’)は、旋回角検出部710によって検出される旋回角を時間に対して積分処理した値である。また、目標旋回角θrefは前述のように制御目標量設定部720によって設定される。
<旋回方向振れ止め制御における制御ゲインの設定>
制御ゲイン設定部726は、起伏体の弾性変形(撓み)の影響を考慮した制御モデルに基づいて、各制御量および入力量(旋回速度)の重み付き和の時間積分が最小化するように、各制御量(第1状態量)の制御ゲインをそれぞれ設定する。具体的に、制御ゲイン設定部726は、制御量演算部700Fが演算する上記の各制御量X1、X2、X3、X4およびX5に対して、それぞれ制御ゲインG1、G2、G3、G4およびG5を設定する。この際、各制御ゲインは、制御量演算部700Fが演算した上記の各制御量X1、X2、X3、X4およびX5と、入力量に相当する旋回速度とが速やかにゼロに収束するように設定される。前記制御ゲインは、吊荷の旋回方向における揺れ方を決めるものであり、制御中にはそれぞれ変化しない、主巻ロープ50の長さ、クレーン10の作業半径、吊荷荷重などを参照して演算される。本実施形態における当該制御モデルは、起伏体の慣性モーメントにより発生する慣性力や吊荷振れによって発生する旋回方向の外力によって、起伏体に生じる弾性変形の影響が考慮されている。なお、制御モデルとは、運動方程式などのように対象物の挙動を表す微分方程式が、制御系の安定性を評価しやすい標準の形に変形されたものであり、当該制御モデルを用いることで安定した制御系設計を行うことが可能となる。当該制御モデルは、上記のように起伏体の弾性を表す式が組み合わされることで、起伏体の弾性を考慮した状態空間表現を得ることができる。なお、本実施形態に係る制御モデルについては、後記で詳述する。
目標速度演算部727は、制御ゲイン設定部726によって演算された各制御量X1~X5と制御ゲイン設定部726によって設定された各制御ゲインG1~G5とに基づいて、以下の式4から旋回体12の旋回目標速度Vrefを演算する。
Figure 2022044142000005
更に、指令情報演算部728は、旋回体12の旋回速度が目標速度演算部727によって演算された旋回目標速度Vrefになるように、駆動制御部700に入力するための旋回操作目標指令値を演算する。具体的に、指令情報演算部728は、目標速度演算部727によって演算された旋回目標速度Vrefと旋回駆動部701における油圧特性に基づいて旋回操作目標量を演算する。そして、当該演算された旋回操作目標量が駆動制御部700に入力され、旋回駆動部701によって旋回体12の旋回速度および旋回方向が設定される。
<半径方向振れ止め制御に対応する制御量(状態量)の演算>
制御量演算部700Fは、更に、吊荷半径方向変位X6、吊荷半径方向速度X7および起伏角X8の各制御量について、検出部700Dの各検出部が検出した検出値と、制御目標量設定部720が設定した目標量との間の偏差を演算する。より詳しくは、制御量演算部700Fは、ブーム長さ情報取得部708から出力されたブーム長さ情報と、ジブ長さ情報取得部709から出力されたジブ長さ情報と、ブーム起伏角検出部711から出力された前記ブーム起伏角と、ジブ起伏角検出部712から出力されたジブ起伏角と、ジブトップ変位検出部713から出力された起伏体先端部変位と、ジブトップ速度検出部714から出力された起伏体先端部速度と、ロープ振れ角検出部715から出力された主巻ロープ50の半径方向における振れ角度と、ロープ振れ角速度検出部716から出力された主巻ロープ50の半径方向における振れ角速度と、ロープ長さ検出部717から出力された前記ロープ長さ情報と、吊荷重量検出部718から出力された前記吊荷重量情報と、制御目標量設定部720によって設定された前記3つの第2状態量(X6、X7、X8)の目標状態量とに基づいて、前記3つの状態量の現在値を演算する。なお、後記のとおり、ロープ振れ角検出部715から出力された主巻ロープ50の半径方向における振れ角度と、ロープ振れ角速度検出部716から出力された主巻ロープ50の半径方向における振れ角速度とは、上記の演算の用に供される前に所定のフィルタ処理を受ける。
吊荷半径方向変位X6および吊荷半径方向速度X7については、前述の吊荷旋回方向変位X1および吊荷旋回方向速度X2と同様に、ジブ18の先端部に取り付けられたジブトップ変位検出部713、ジブトップ速度検出部714、ロープ振れ角検出部715およびロープ振れ角速度検出部716によって検出された検出値に基づいて演算される。具体的に、ロープ振れ角検出部715が主巻ロープ50の振れに追従して振れる前記治具を用いて、主巻ロープ50の半径方向における振れ角(γr)および主巻ロープ50の半径方向における振れ角速度(γ’r)をそれぞれ計測し、制御量演算部700Fが起伏体先端部(ジブ18の先端部、ジブトップ)の角度から計算した旋回半径の変化量に足し合わせることにより吊荷半径方向変位X6を演算することができる。ここで、制御開始時の起伏角度をγ0とすると、以下の式5を用いて吊荷半径方向変位X6が演算される。
Figure 2022044142000006
なお、式5において、Lは、主巻ロープ50の長さであり、Lはジブ18の長さである。式5の右辺の第1項はジブ18の先端部から見た吊荷の変位を意味し、第2項はジブ18の起伏角がγの場合のジブ18の先端部の変位を意味している。また、制御量演算部700Fは、式5を微分することにより吊荷半径方向速度X7を演算することができる。具体的に、以下の式6を用いて吊荷半径方向速度X7が演算される。
Figure 2022044142000007
なお、式6に含まれるγrおよびγのように以後の数式中の文字の上にドットが付されているものは、時間微分を意味する。たとえば、γの上に1つのドットが付されていればγを1階時間微分したものであり、γの上に2つのドットが付されていればγを2階時間微分したものである。更に、数式以外の本文においては、記載の制約上、上記のドットの代わりにアポストロフィを付している。以後の他の数式および本文中の記載についても同様である。
更に、制御量演算部700Fは、後記で演算される起伏目標角速度γ’refを積分することによって起伏角X8を演算することができる。具体的に、以下の式7を用いて、起伏角X8が演算される。
Figure 2022044142000008
なお、起伏角X8は、ジブ起伏角検出部712が検出する起伏角をそのまま用いても良いが、ジブ18の起伏動作による起伏体全体の振動をジブ起伏角検出部712が検出する可能性があるため、振れ止め制御中に前記振動が増幅することを抑止するために、上記のように演算された起伏目標角速度に基づいて起伏角X8が更に演算されることが望ましい。なお、振れ止め制御開始時の最初に使用される起伏角X8については、ジブ起伏角検出部712の検出結果をそのまま用いても良い。
<半径方向振れ止め制御における制御ゲインの設定>
制御ゲイン設定部726は、所定の制御モデルに基づいて、各制御量および入力量(ジブ18の起伏角速度)の重み付き和の時間積分が最小化するように、各制御量(第2状態量)の制御ゲインをそれぞれ設定する。具体的に、制御ゲイン設定部726は、制御量演算部700Fが演算した上記の各制御量X6、X7およびX8に対して、それぞれ制御ゲインG6、G7およびG8を設定する。この際、各制御ゲインは、制御量演算部700Fが演算した上記の各制御量X6、X7およびX8と、入力量に相当するジブ18の起伏角γとが速やかにゼロに収束するように設定される。前記制御ゲインは、吊荷の半径方向における揺れ方を決めるものであり、制御中にはそれぞれ変化しない、主巻ロープ50の長さ、クレーン10の作業半径、吊荷荷重などを参照して演算される。
目標速度演算部727は、制御ゲイン設定部726によって演算された各制御量X6~X8と制御ゲイン設定部726によって設定された各制御ゲインG6~G8とに基づいて、以下の式8からジブ18の起伏目標角速度γ’refを演算する。
Figure 2022044142000009
更に、指令情報演算部728は、ジブ18の起伏角速度が目標速度演算部727によって演算された起伏目標角速度γ’refになるように、駆動制御部700に入力するためのジブ起伏操作目標指令値を演算する。具体的に、指令情報演算部728は、目標速度演算部727によって演算された起伏目標角速度γ’refとジブ起伏駆動部702Bにおける油圧特性に基づいてジブ起伏操作目標量を演算する。そして、当該演算されたジブ起伏操作目標量が駆動制御部700に入力され、ジブ起伏駆動部702Bによってジブ18の起伏角速度および起伏方向が設定される。
<振れ止め制御のフロー>
図4は、本実施形態に係るクレーン10の振れ止め制御のフローチャートである。なお、前述の旋回方向振れ止め制御および半径方向振れ止め制御のいずれも同様であるため、以下のフローは、旋回方向振れ止め制御について説明する。本実施形態では、旋回振れ止め制御が開始されるにあたって、予め制振制御部700E内の不図示の記憶部に、既知パラメータが設定、記憶されている(ステップS01)。当該既知パラメータには、ブーム16の長さ、ブーム16の弾性係数、ジブ18の長さ、ジブの弾性係数、ジブ18の旋回慣性モーメントなどが含まれる。
制御判断部719は、キャブ15内に配置された振れ止め制御開始用のスイッチ(入力部)が押圧されている(ONされている)か否かを判定する(ステップS02)。ここで、前記スイッチがONされている場合(ステップS02でYES)、情報取得部700Cによる情報取得処理および検出部700Dによる検出処理が実行される(ステップS03)。詳しくは、前述のように、ブーム16の長さおよびジブ18の長さが情報取得部700Cのブーム長さ情報取得部708およびジブ長さ情報取得部709によってそれぞれ取得される。また、ブーム起伏角検出部711、ジブ起伏角検出部712、ジブトップ変位検出部713、ジブトップ速度検出部714、ロープ振れ角検出部715、ロープ振れ角速度検出部716、ロープ長さ検出部717および吊荷重量検出部718が、それぞれ、ブーム16の起伏角、ジブ18の起伏角、起伏体先端部変位、起伏体先端部速度、主巻ロープ50の振れ角、主巻ロープ50の繰り出し量(主巻ロープ50の長さ)および吊荷重量(負荷)を検出し、記憶する。なお、ステップS02において、キャブ15内に配置された振れ止め制御開始用のスイッチ(入力部)が押圧されていない(OFFされている)場合には、ステップS11において自動的な吊荷振れ止め制御が禁止され、フローが終了する。
なお、ステップS02の判定は、上記のようにキャブ15内に配置された振れ止め制御開始用のスイッチがONされたか否かの判定条件に代えて、前述のように、操作部700Bの各操作部が中立位置に配置されることを判定条件とするものでもよい。
ステップS03において、情報取得部700Cによる情報取得処理および検出部700Dによる検出処理が実行されると、次に、制御ゲイン設定部726が、制御ゲイン(フィードバックゲイン)を設定する(ステップS04)。詳しくは、制御ゲイン設定部726は、前述のG1、G2、G3、G4およびG5(半径方向の振れ止め制御の場合はG6、G7およびG8)をそれぞれ決定し、ステップS05に進む。
ステップS05では、フィルタ設定部700Gが、ジブ18の先端部(起伏体先端部、主巻用ポイントシーブ56)と前記吊荷(シーブ58)との間において生じる主巻ロープ50の弦振動における固有振動数に基づいて、所定のフィルタ特性を設定する。なお、当該フィルタ特性については後記で詳述する。
次に、フィルタ処理部700Hが、ロープ振れ角検出部715から出力された主巻ロープ50の振れ角(吊荷変位)に対応する信号およびロープ振れ角速度検出部716から出力された主巻ロープ50の振れ角速度(吊荷速度)に対応する信号のそれぞれの信号に対して、フィルタ設定部700Gによって設定された前記フィルタ特性に基づいて吊荷の弦振動の前記固有振動数に対応する周波数成分を除去するフィルタ処理を実行する(ステップS06)。そして、フィルタ処理部700Hは、前記フィルタ処理を受けた前記吊荷変位に対応する信号によって構成される処理後吊荷変位(被処理吊荷変位)と、前記フィルタ処理を受けた前記吊荷速度に対応する信号によって構成される処理後吊荷速度(被処理吊荷速度)と、をそれぞれ出力する(制御量演算部700Fに入力する)。
次に、制御目標量設定部720が、前述のように各制御量の目標量(目標状態量)を設定する(ステップS07)。
次に、制御量演算部700Fが、各制御量の現在値をそれぞれ演算する(ステップS08)。具体的に、制御量演算部700Fは、吊荷旋回方向変位X1、吊荷旋回方向速度X2、起伏体先端部変位X3、起伏体先端部速度X4および旋回角X5(半径方向の振れ止め制御の場合は、吊荷半径方向変位X6、吊荷半径方向速度X7および起伏角X8)をそれぞれ演算する。
次に、目標速度演算部727が、旋回目標速度Vrefを演算する(ステップS09)。
次に、指令情報演算部728が、旋回駆動部701に指令信号を入力するための指令電流値の演算を行う(ステップS10)。具体的に、指令情報演算部728は、前述のように、旋回体12の旋回速度が目標速度演算部727によって演算された旋回目標速度Vrefになるように、駆動制御部700に入力するための旋回操作目標指令値(比例弁電流指令値)を演算する。
そして、吊荷が、図3の目標吊荷位置で旋回方向において停止する(略停止する)まで、図4に示されるフローが繰り返される。
<第2実施形態>
図5は、本発明の第2実施形態に係るクレーン10の側面図である。なお、本実施形態では、先の第1実施形態との相違点を中心に説明し、共通する点の説明を省略する。
本実施形態では、図1に示されるクレーン10と比較して、ブーム16の先端部にジブ18が装着されていない。また、主巻ロープ50は、ブーム16の先端部から垂下されている。この場合、前述の説明において、ジブ18の長さがゼロと設定されることで、同様の制御を行うことが可能となる。また、図2のブロック図では、ジブトップ変位検出部713およびジブトップ速度検出部714が、それぞれ、ブームトップの変位および速度を検出する。このように、本実施形態においても、先の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<制御モデル作成から制御ゲインの導出までの流れについて>
次に、上記の各実施形態に係る制振制御部700Eの演算において使用される制御モデルについて説明する。制御モデルの作成にあたって、クレーン10の挙動を後記のような運動方程式によって表現し、その運動方程式を下記の式9のような状態方程式に変形する。
Figure 2022044142000010
ここでxは状態量と呼ばれ、前述の各制御量(吊荷旋回方向変位X1、吊荷旋回方向速度X2、起伏体先端部変位X3、起伏体先端部速度X4および旋回角X5)に相当する(半径方向の振れ止め制御の場合は、吊荷半径方向変位X6、吊荷半径方向速度X7および起伏角X8)。一方、uは制御入力(旋回速度)に相当する(半径方向の振れ止め制御の場合は、起伏角速度)。また、式9のA、Bはシステム行列であり、当該行列の中には、主巻ロープ50のロープ長やクレーン10の作業半径(平面視におけるブーム16の半径)のように、旋回振れ制御中に変化しないが、吊荷の挙動に影響を与えるパラメータが含まれている。
なお、このような制御系設計の手法にはさまざまなものが公知であるが、本実施形態では、最適制御方法と呼ばれ、評価関数を最小にするように対象(クレーン10)を制御する方法が用いられている。当該最適制御方法では、まず評価関数が以下の式10に示すように定義される。
Figure 2022044142000011
式10において、xおよびuはベクトルまたはスカラーに相当し、xおよびuに付されている上付きのTは転置を意味する。また、QおよびRは行列またはスカラーに相当する。ここで、最適制御方法を解するには、上記の評価関数を最小にする入力(u=θ’m=Gx)に対応する行列Xを導出する。当該行列Xは以下の式11に示される公知のリッカチ代数方程式を解くことによって得ることができる。なお、θ’mおよびGxは上記の旋回目標速度Vrefと同等のものである。また、Gxは式4の右辺に相当する。
Figure 2022044142000012
また、制御ゲインG(フィードバックゲイン)は、以下の式12によって表すことができる。
Figure 2022044142000013
従って、図4のステップS04において制御ゲイン設定部726は、上記の演算に基づいて、ゲインG1~G5を演算することができる。なお、半径方向の振れ止め制御におけるゲインG6~G8についても同様である。
<旋回方向における振れ止め制御のための状態方程式の導出について>
次に、上記の式9において示される状態方程式の導出について説明する。図6、図7は、本実施形態に係るクレーン10の吊荷の旋回方向における振れ止め制御を説明するためのモデル図である。なお、図6、図7では先の第1実施形態に係るクレーン10を想定して、ブーム16にジブ18が支持されているが、第2実施形態に係るクレーン10では、図6、図7のジブ18が存在しない、すなわち、ジブ18の長さがゼロと仮定することで、同様にその状態方程式を導出することができる。また、表1は本発明に関する説明で使用する諸元と記号の一覧であり、同様に表2は変数と記号の一覧である。
Figure 2022044142000014
Figure 2022044142000015
上記の各実施形態における吊荷の振れ制御は、吊荷およびクレーン機構系の弾性振動について座標系を設定し、当該座標系によって定義される状態量をゼロにする問題と捉えることができる。まず、この座標系について詳述する。
図6、図7に示すようにクレーン10の旋回体12は、上下方向に延びるZ軸周りに旋回する。ここで、吊荷の位置が吊荷位置座標(x、y、z)を用いて表される。吊荷位置座標(x、y、z)は、作業者が前記振れ止め制御開始用スイッチを押した瞬間を基準としてその原点が設定される。当該原点は前記スイッチが押された瞬間から作業者が操作部700Bを操作せず無限時間経過したときの吊荷の停止位置と定義する。すなわち、旋回駆動部701が有する旋回モータ、ブーム起伏駆動部702Aおよびジブ起伏駆動部702Bがそれぞれ有する起伏モータをいずれも動作させず、ジブ18、ブーム16の弾性振動及び吊荷揺れが静止する位置が原点とされる。本実施形態に係る制御手法では、前述のように当該原点位置を、吊荷振れを収束させるための目標位置とする。また、前記吊荷位置の座標軸は、グローバル座標系のXYZ座標との間でXY平面を共有するように、y軸をクレーン10の旋回動作における半径方向とし、x軸を前記旋回動作における旋回方向とし、z軸をZ座標軸と同じ方向とする。この結果、吊荷位置座標(x、y、z)は吊荷振れの目標位置を原点とし、グローバル座標系XYZに固定された座標系となる。本実施形態では、この吊荷位置座標として、旋回方向(左右方向)および半径方向(左右方向)の吊荷振れ制御において同一の座標系を用いる。
次に、旋回角(旋回角度)について説明する。なお、以下の説明では、図1に示されるタワー仕様のクレーン10を考慮して、ジブもしくはジブトップという表現を用いているが、図5に示されるクレーン仕様のクレーン10を対象とした場合、上記に代えてブームもしくはブームトップに置き換えることができる。ここで、振れ止め制御開始用のスイッチがONされた時点を基準とする前記旋回モータの旋回角度をθmとする。すなわち、前記スイッチがONされた瞬間のθm=0である。また、平面視における旋回中心とジブトップとを結ぶ直線と、旋回中心と吊荷位置座標(xt、yt、zt)の原点を結ぶ直線とがなす角度が旋回角度θと定義される。旋回角度θはジブ18の旋回モータによる駆動によっても変化するが、ジブ18(起伏体)の撓み(弾性変形)によっても変化する値であり、上記の旋回モータの旋回角度θmとは必ずしも一致しない。以上の定義から、θおよびθmが0でありジブトップから見たときの吊荷の振れが静止しているならば、旋回方向における吊荷位置xも0となっているといえる。この結果、旋回方向における吊荷振れ制御は、下記の式13で示される状態xをゼロにするように旋回角速度θ’mを決定する問題とみなすことができる。
Figure 2022044142000016
以上のように、座標系と旋回方向の吊荷振れ制御の問題は、式13に示される状態xをゼロにする問題と設定することができる。次に、旋回角速度θ’mの決定方法について説明する。具体的に、上記の座標系をもとにラグランジュの運動方程式を立式し、状態xについての状態方程式を構築する。この状態方程式をもとにθ’mを決定することによって状態xをゼロにするθ’mを導出することが可能となり、旋回方向において吊荷の振れを制止させることができる。
ここで、表1に示すように、ブーム16の長さ、ジブ18の長さ、ブーム16およびジブ18の角度(起伏角)をそれぞれ定義すると、ジブ18の先端部の旋回半径rは、下記の式14によって表すことができる。なお、前述のクレーン仕様(図5)の場合には、式14の第2項がゼロとなる。
Figure 2022044142000017
また、ジブ18の先端部(ジブトップ)の高さhは、下記の式15によって表すことができる。この場合も、クレーン仕様(図5)の場合には、式15の第2項がゼロとなる。
Figure 2022044142000018
また、フックの荷重を含む吊荷の荷重(吊り荷重)および主巻ロープ50の重さについては合成して一つの剛体とみなすことができR。吊り荷重Mおよび主巻ロープ50の重さの合成荷重Mallは主巻ロープ50のロープ長L、主巻ロープ50のロープ密度ρ、主巻ロープ50のロープ断面積Sを用いて下記の式16のように表すことができる。
Figure 2022044142000019
更に、吊荷および主巻ロープ50の重心位置は、下記の式17で定義されるαを用いてジブ18の先端部(ジブトップ)から距離α×Lの位置にあるものとして求めることができる。
Figure 2022044142000020
また、吊荷の上記重心周りの回転についての運動エネルギは下記の式18で表すことができる。
Figure 2022044142000021
また、主巻ロープ50の上記重心周りの回転についての運動エネルギは下記の式19で表すことができる。
Figure 2022044142000022
この結果、吊荷および主巻ロープ50の合成の慣性モーメントIallは下記の式20によって表すことができる。
Figure 2022044142000023
ここで、吊荷および主巻ロープ50の運動エネルギT、ポテンシャルエネルギUは下記の式21、式22によってそれぞれ表すことができる。
Figure 2022044142000024
Figure 2022044142000025
また、ジブ18およびブーム16の運動エネルギT、ポテンシャルエネルギUは下記の式23、式24によってそれぞれ表すことができる。なお、式24においてgは重力加速度である。
Figure 2022044142000026
Figure 2022044142000027
以上より、運動エネルギTとTとの総和である運動エネルギT、ポテンシャルエネルギUとUとの総和であるポテンシャルエネルギUは、下記の式25、式26のように表すことができる。
Figure 2022044142000028
Figure 2022044142000029
一方、吊荷位置はジブトップを中心として主巻ロープ50の長さ(ロープ長)を半径とする球面上に拘束されることから、拘束条件φ=0を考えると以下の式27で示されるφが得られる。
Figure 2022044142000030
更に、ジブ18は振動を生じたとしても次第に減衰するため、所定の減衰係数cθを持つものと言える。このときの散逸関数Dは以下の式28によって表すことができる。
Figure 2022044142000031
以上までの各式を以下の式29で示されるラグランジュの運動方程式にそれぞれ代入する。
Figure 2022044142000032
そして、式29において、二次の微小項を消去や近似することにより、線形の運動方程式を得ることができる。得られた運動方程式を変形することにより下記の式30で示される状態方程式を得ることができる。
Figure 2022044142000033
ここで、式30に含まれるパラメータを以下に示す。まず、式31から式46に示されるようなax11からax28までを定義した上で、これらのax11からax28を用いて式30に含まれるax1からax10、bx1、bx2を式47から式58に示すようにそれぞれ表すことができる。
Figure 2022044142000034
Figure 2022044142000035
Figure 2022044142000036
Figure 2022044142000037
Figure 2022044142000038
Figure 2022044142000039
Figure 2022044142000040
Figure 2022044142000041
Figure 2022044142000042
Figure 2022044142000043
Figure 2022044142000044
Figure 2022044142000045
Figure 2022044142000046
Figure 2022044142000047
Figure 2022044142000048
Figure 2022044142000049
Figure 2022044142000050
Figure 2022044142000051
Figure 2022044142000052
Figure 2022044142000053
Figure 2022044142000054
Figure 2022044142000055
Figure 2022044142000056
Figure 2022044142000057
Figure 2022044142000058
Figure 2022044142000059
Figure 2022044142000060
Figure 2022044142000061
すなわち、式30で示される状態方程式(第1状態方程式)では、吊荷旋回方向変位x、吊荷旋回方向速度x’、旋回角度θ、旋回角速度θ’、モータ旋回角度θをそれぞれ入力とし、変数u(ここでは旋回速度)の解を導くことができる。
<半径方向における振れ止め制御のための状態方程式の導出について>
図8は、本実施形態に係るクレーン10の吊荷の半径方向における振れ止め制御を説明するためのモデル図である。吊荷位置の座標系の定義については、前述の旋回方向における吊荷振れ制御と同様である。吊荷位置座標の原点は前記旋回振れ止め制御開始用のスイッチを押した瞬間から作業者が操作部700Bを操作せず無限時間経過したときの吊荷の停止位置と定義する。すなわち、旋回駆動部701が有する旋回モータ、ブーム起伏駆動部702Aおよびジブ起伏駆動部702Bがそれぞれ有する起伏モータをいずれも動作させず、ジブ18、ブーム16の弾性振動及び吊荷揺れが静止する位置が原点とされる。ただし、ジブ18、ブーム16の弾性振動は吊荷の周期と比較すると十分に小さく、旋回方向における弾性振動と比較しても半径方向の弾性変形が吊荷の挙動に与える影響は少ない。このため、半径方向における吊荷振れ止め制御についてのモデル化では弾性変形の影響を無視し、ジブ18の起伏操作によって吊荷の振れ制御をおこなうものとする。ジブ18の起伏角について、制御開始時点での起伏角をγJ0と定義し、制御を行うことで変化する起伏角をγと定義する。半径方向における振れ制御では、ジブ18の起伏における角速度(起伏角速度γ’)を入力として制御を行うが、ジブ起伏角検出部712が検出する起伏角を利用した起伏角速度の実測値は高い周波数で変形する機構系の弾性変形の影響を受けやすいため、前述のように演算される起伏目標角速度γ’refを積分して起伏角を取得し、フィードバック制御を行う。
ここで、表1に示すように、ブーム16の長さをL、ジブ18の長さをL、ブーム16の角度(起伏角)をγB0、ジブ18の角度(起伏角)をγJ0+γとした場合、制御中の平面視における旋回中心からジブ18の先端部までの距離である旋回半径r(作業半径)と、制御開始時の旋回半径rは、それぞれ下記の式59および式60で表すことができる。
Figure 2022044142000062
Figure 2022044142000063
更に、ジブ18の先端部(ジブトップ)の高さhは、下記の式61で表すことができる。
Figure 2022044142000064
この結果、ジブ18の先端部の位置ベクトルは、下記の式62で示される。
Figure 2022044142000065
ここで、半径方向(前後方向)における主巻ロープ50の回転についての運動エネルギは下記の式63で表すことができる。
Figure 2022044142000066
このとき、吊荷および主巻ロープ50の運動エネルギT、ポテンシャルエネルギUは下記の式64および式65でそれぞれ示される。
Figure 2022044142000067
Figure 2022044142000068
一方、ブーム16、ジブ18の運動エネルギTおよびポテンシャルエネルギUは前述の式23、式24で表すことができる。また、仮想的にブーム16の質量がブーム16の先端部(ブームトップ)に集中しているとすると、ブーム16の重心の座標(y座標:y、z座標:z)は、下記の式66、式67で表すことができる。
Figure 2022044142000069
Figure 2022044142000070
この結果、ジブ18の重心の座標(y座標:y、z座標:z)は、下記の式68、式69で表すことができる。
Figure 2022044142000071
Figure 2022044142000072
以上より、運動エネルギTとTとの総和である運動エネルギT、ポテンシャルエネルギUとUとの総和であるポテンシャルエネルギUは、下記の式70、式71のように表すことができる。
Figure 2022044142000073
Figure 2022044142000074
一方、吊荷位置はジブトップを中心として主巻ロープ50の長さ(ロープ長)を半径とする球面上に拘束されることから、拘束条件φ=0を考えると以下の式72で示されるφが得られる。
Figure 2022044142000075
以上までの各式を以下の式73で示されるラグランジュの運動方程式にそれぞれ代入する。
Figure 2022044142000076
式73において、二次の微小項を消去や近似することにより、下記の式74で示される線形の運動方程式を得ることができる。
Figure 2022044142000077
ここで、式74に含まれるパラメータを以下に示す。まず、式75から式86に示されるようにay11からay16、ay21からay26までを定義した上で、これらのay11からay16、ay21からay26を用いて式74に含まれるay1、ay2、ay3、by1を式87から式90に示すようにそれぞれ表すことができる。
Figure 2022044142000078
Figure 2022044142000079
Figure 2022044142000080
Figure 2022044142000081
Figure 2022044142000082
Figure 2022044142000083
Figure 2022044142000084
Figure 2022044142000085
Figure 2022044142000086
Figure 2022044142000087
Figure 2022044142000088
Figure 2022044142000089
Figure 2022044142000090
Figure 2022044142000091
Figure 2022044142000092
Figure 2022044142000093
すなわち、式74で示される状態方程式(第2状態方程式)では、吊荷半径方向変位y、吊荷半径方向速度y’、ジブ18の起伏角γをそれぞれ入力とし、変数u(ここでは起伏角速度、起伏目標角速度)の解を導くことができる。
<弦振動の影響を抑制するためのフィルタ特性およびフィルタ処理について>
前述のように、上記の各実施形態では、図4のステップS05において、フィルタ設定部700Gが、ジブ18の先端部(起伏体先端部、主巻用ポイントシーブ56)と前記吊荷(シーブ58)との間において生じる主巻ロープ50の弦振動における固有振動数に基づいて、所定のフィルタ特性を設定する(図5の場合は、ブーム16の先端部と吊荷との間で生じる弦振動)。以下に、フィルタ設定部700Gが設定するフィルタ特性について詳述する。図9および図10は、本発明の各実施形態に係るクレーン10の振れ止め制御のフィルタ特性を示すグラフである。
上記のフィルタ特性の設定(設計)に際して、入力Uから出力Yまでの伝達関数をG(s)とすると,入力Uと出力Yとの関係は、下記の式91によって表すことができる。
Figure 2022044142000094
ここで、フィルタ特性の設定の一例として,特定帯域の周波数成分を除去する帯域除去フィルタである「ノッチフィルタ」を用いる場合、伝達関数G(s)は、下記の式92によって表すことができる。
Figure 2022044142000095
ここで、ωは除去したい帯域の周波数であり、ζは帯域幅であり、ζが小さいと帯域幅が狭くなる。フィルタ処理部700Hにおいて演算に用いる場合は,離散値の信号を扱うため、一例として、z変換を用いる。z変換は、デジタル信号処理において、連続時間領域における線形時不変フィルタの伝達関数に変換する場合に、よく用いられる等角写像の一つである。z変換を用いると,下記の式93で示されるフィルタパラメータを導出することができる。ここで,ζ=1としている。
Figure 2022044142000096
式93のtは制御中のサンプリング周期である。図9および図10は一例として,ζ=1、ω=0.9×2π(rad)、t=0.05(sec)の場合のフィルタ特性を示したものである。図9は、周波数f(Hz)に対するゲイン特性、図10は周波数f(Hz)に対する位相特性である。後記で詳述する主巻ロープ50の弦振動の固有振動数である0.9(Hz)の近傍では、伝達関数G(s)のゲインが非常に小さな値を示しており、その成分が除去されていることがわかる。また、吊荷振れの振動数を0.1(Hz)とすると,伝達関数G(S)のゲインは大きな値を示しているとともに、位相遅れも10(deg)程度とその影響は無視できるほど小さいことがわかる。なお、上記の説明ではフィルタ特性の設計の一例としてノッチフィルタを使用しているが,ノッチフィルタと同様に、主巻ロープ50の弦振動の固有振動数の成分を取り除くことができるローパスフィルタを用いてフィルタ設定を行ってもよい。
次に、図4のステップS06において、フィルタ処理部700Hが実行するフィルタ処理について説明する。上記の各パラメータを用いて、現制御ステップでの出力yについて、下記の式94によって表すことができる。
Figure 2022044142000097
ここで、xは現制御ステップでの入力に相当し、xold1、xold2はそれぞれ1周期前、2周期前の制御ステップでの入力に相当する。更に、yold1、yold2はそれぞれ1周期前、2周期前の制御ステップでの出力に相当する。また、a1からa5は、先の式93に対応する。上記の各実施形態では、現制御ステップでの入力xは主巻ロープ50の振れ角度および主巻ロープ50の振れ角速度に相当する。式94によって演算される出力yは、旋回方向における吊荷の振れ止め制御では、式1、式2における主巻ロープ50の旋回方向における振れ角γl、振れ角速度γl′にそれぞれ入力される。同様に、半径方向における吊荷の振れ止め制御では、式5、式6における主巻ロープ50の半径方向における振れ角γr、振れ角速度γ’rにそれぞれ入力される。
次に、上記のフィルタ設定において参照される主巻ロープ50の固有振動数の算出方法について説明する。主巻ロープ50の弦振動のn次の固有振動数fは下記の式95によって表される。
Figure 2022044142000098
ここで、式95のlは主巻ロープ50の長さであり、ロープ長さ検出部717によって検出される。また、Tは主巻ロープ50に加わる張力であり、吊荷重量検出部718の検出値を主巻ロープ50の掛け数で除することで算出される。更に、μは主巻ロープ50の線密度であり吊荷ロープの特性で決まる値である。当該線密度は、旋回振れ止め装置70が有する不図示の記憶部に記憶されている。ここで、前述のノッチフィルタで除去する主巻ロープ50の弦振動の固有振動数は、最も振幅が大きい1次モードを対象とすることが望ましい(n=1)。なお、主巻ロープ50の弦振動の高次モードの固有振動数もローパスフィルタなどによって除去されてもよい。このように、フィルタ設定部700Gは、主巻ロープ50の長さと、吊荷荷重と、ロープの掛け数とから演算した主巻ロープ50の張力から弦振動の固有振動数を演算する。
なお、上記のようなフィルタ処理を行わない場合、吊荷位置のフィードバック制御量から求められる旋回目標速度には弦の振動(弦振動)の成分が含まれており、主巻ロープ50の弦振動が助長されやすく、吊荷の振れが収まりにくいという問題が生じる。より具体的には、上記のような弦振動が生じることによって検出される主巻ロープ50の振れ角には弦振動の周波数成分が大きく含まれることになる。前述のように、主巻ロープ50の振れ角から吊荷位置および旋回目標速度が演算されるため、結果的に旋回目標速度に主巻ロープ50の弦振動成分が含まれることとなる。このような制御を繰り返した場合、主巻ロープ50の弦振動が更に増大され、結果として主巻ロープ50の弦振動に起因する旋回方向における挙動が徐々に大きくなり、吊荷の振れが収束しにくくなる。一方、上記の各実施形態では、フィルタ設定部700Gおよびフィルタ処理部700Hが適切なフィルタ特性に基づくフィルタ処理を実行するため、上記のような弦振動の影響を抑止することができる。
以上、本発明の各実施形態に係る旋回振れ止め装置70によれば、ブーム16、ジブ18などの起伏体を有するクレーン10において、制御ゲイン設定部726が、制御モデルに基づいて、各制御量(第1状態量)(吊荷旋回方向変位X1、吊荷旋回方向速度X2、起伏体先端部変位X3、起伏体先端部速度X4および旋回角X5)および入力量(旋回速度)の重み付き和の時間積分が最小化するように制御ゲインG1~G5(複数の第1制御ゲイン)を決定する。そして、目標速度演算部727が、前記制御量と前記制御ゲインとに基づいて旋回目標速度を演算し、指令情報演算部728が旋回目標速度になるように旋回駆動部701を駆動する。このため、旋回方向における吊荷の振れ止めを安定して行うことが可能となる。
特に、上記の各実施形態では、フィルタ設定部700Gがジブ18の先端部(起伏体先端部)と吊荷との間において生じる主巻ロープ50の弦振動における固有振動数に基づいてフィルタ特性を設定し、フィルタ処理部700Hが前記フィルタ特性に基づいてロープ振れ角検出部715(吊荷変位検出部)から出力された主巻ロープ50の振れ角(吊荷変位)に対応する信号およびロープ振れ角速度検出部716から出力された主巻ロープ50の振れ角速度(吊荷速度)に対応する信号のそれぞれの信号に対してフィルタ処理を施すため、検出される前記吊荷変位および前記吊荷速度から吊荷の弦振動の影響を取り除くことができる。このため、制御量演算部700Fが前記弦振動の影響を取り除いた吊荷変位および吊荷速度に基づいて複数の第1状態量を演算し、目標速度演算部727が前記演算された複数の第1状態量と制御ゲイン設定部726によって設定された複数の第1制御ゲインとに基づいて旋回体12の旋回目標速度を設定することができる。この結果、吊荷の弦振動の影響を抑えつつ、旋回体12の旋回動作によって吊荷の旋回方向における振れを安定して収束させることが可能となる。
更に、上記の各実施形態では、制御ゲイン設定部726が、少なくとも起伏体(ブーム16、ジブ18)の弾性変形に対応する項を含むように予め設定された前記吊荷の挙動に関する状態方程式であって旋回体12(起伏体)の旋回速度を変数とする状態方程式から、前記5つの第1状態量にそれぞれ対応する5つの制御ゲインG1~G5を設定する。そして、目標速度演算部727は、制御ゲイン設定部726によって設定された前記5つの制御ゲインと、制御量演算部700Fによって演算された前記5つの状態量の現在値とから、旋回体12の旋回速度の目標値である旋回目標速度を演算する。そして、指令情報演算部728および駆動制御部700は、旋回体12の旋回速度が目標速度演算部727によって演算された前記旋回目標速度(速度の大きさ、方向を含む)となるように、旋回駆動部701に対して前記旋回目標速度に対応する指令情報を出力する。
このような構成によれば、制御ゲイン設定部726は、起伏体の弾性変形を考慮した状態方程式に基づいて、各状態量の制御ゲインG1~G5を設定する。また、目標速度演算部727は、制御量演算部700Fによって演算された各状態量と、制御ゲイン設定部726によって設定された各制御ゲインとに基づいて、旋回体12の旋回目標速度Vrefを設定する。上記の状態量には、吊荷の変位および速度に加えて、起伏体先端部の変位および速度が含まれているため、吊荷ロープのロープ長さ情報とあわせることで、吊荷と起伏体先端部との相対位置が加味されながら、吊荷の旋回振れ制御を行うことができる。このため、旋回動作によって起伏体に付与される慣性モーメントや吊荷の荷重によって起伏体に撓みなどの弾性変形が生じている場合でも、吊荷の旋回方向における振れを安定して収束させることが可能となる。
また、上記の各実施形態では、制御目標量設定部720は、制御判断部719によって旋回振れ止め制御開始条件が満たされていると判断され前記制御開始信号が出力されると、クレーン10の平面視において起伏体が弾性変形していないと仮定した場合における前記起伏体先端部の鉛直下方の位置を前記目標位置として前記旋回角、前記起伏体先端部変位および前記吊荷変位の目標状態量(第1目標状態量)をそれぞれ設定し、更に、前記吊荷速度および前記起伏体先端部速度の目標状態量(第1目標状態量)をそれぞれゼロに設定する。
このような構成によれば、制御開始信号が出力された時点での起伏体先端部の位置を基準として、吊荷の旋回振れを収束させるための目標位置が設定される。このため、起伏体の弾性変形を考慮することなく常に起伏体先端部を吊荷の上方の位置に移動させるように上部本体の旋回動作を制御する他の旋回振れ止め装置のように、起伏体先端部が吊荷の動きに後追いし旋回方向の切換えが頻繁に行われることがなく、最終的な目標位置に応じた旋回動作の制御によって吊荷の振れを早期に収束させることができる。
更に、制御ゲイン設定部726は、前記5つの状態量と旋回体12の旋回速度とを含む重み付き和の時間に対する積分値が最も小さくなるように前記5つの制御ゲインG1~G5を設定する。このため、吊荷の旋回振れを早期に収束させるための制御ゲインを短時間で設定することができる。なお、この制御ゲインの設定の方法としては、いわゆる極配置法に基づく方法やH無限大制御に基づく方法を採用しても良い。本実施形態に係る制御ゲインの設定の方法は、いわゆるLQ最適制御(Linear Quadratic Optimal Control)(線形二次最適制御)に従ったものである。当該LQ最適制御は、上記の極配置法と比較して、制御系が外乱に対してロバストとなるように設計しやすい特徴がある。また、LQ最適制御は、H無限大制御と比較して制御系の設計が容易であるとともに、外乱の影響を受けてもその効果を発揮しやすいという特徴がある。
更に、上記の各実施形態では、旋回方向に加えて、半径方向(前後方向)における吊荷の振れ止め制御が実現される。具体的に、制御目標量設定部720は、制御判断部719によって旋回振れ止め制御開始条件が満たされていると判断されると、旋回体12の旋回動作の半径方向における吊荷の変位である吊荷半径方向変位、吊荷の半径方向における速度である吊荷半径方向速度、起伏体の起伏角を含む複数の第2状態量について、吊荷を更に半径方向において静止させるための目標状態量(第2目標状態量)をそれぞれ設定する。制御ゲイン設定部726は、吊荷の挙動に関する状態方程式であって起伏体の起伏角速度を変数とする第2状態方程式に基づいて、前記複数の第2状態量にそれぞれ対応する複数の第2制御ゲインを設定する。また、制御量演算部700Fは、ブーム長さ情報取得部708およびジブ長さ情報取得部709から出力された起伏体長さ情報と、ブーム起伏角検出部711およびジブ起伏角検出部712から出力された起伏角と、ジブトップ変位検出部713から出力された起伏体先端部変位と、ジブトップ速度検出部714から出力された起伏体先端部速度と、フィルタ処理部700Hから出力されたフィルタ処理後の吊荷変位(被処理吊荷変位)と、フィルタ処理部700Hから出力されたフィルタ処理後の吊荷速度(被処理吊荷速度)と、ロープ長さ検出部717から出力されたロープ長さ情報と、吊荷重量検出部718から出力された吊荷重量情報と、制御目標量設定部720によって設定された前記複数の第2状態量の第2目標状態量に基づいて、前記複数の第2状態量の現在値を更に演算する。そして、目標速度演算部727は、制御ゲイン設定部726によって設定された前記複数の第2制御ゲインと、制御量演算部700Fによって演算された前記複数の第2状態量の現在値とから、ジブ18の起伏における角速度の目標値である起伏目標角速度を演算し、指令情報演算部728は、ジブ18の起伏における角速度が目標速度演算部727によって演算された前記起伏目標角速度となるように、ジブ起伏駆動部702Bに対して前記起伏目標角速度に対応する指令情報を出力する。
このような構成によれば、吊荷の旋回方向における振れを収束させることに加えて、吊荷の弦振動の影響を抑えつつ起伏体(ジブ18)の起伏動作によって吊荷の半径方向における振れを安定して収束させることが可能となる。
以上、本発明の各実施形態に係る旋回振れ止め装置70およびこれを備えたクレーン10について説明した。このような構成によれば、クレーン10において、吊荷の弦振動の影響を抑えつつ旋回体12の旋回動作によって吊荷の旋回方向における振れを安定して収束させることが可能となる。更に、吊荷の弦振動の影響を抑えつつジブ18の起伏動作によって吊荷の半径方向における振れを安定して収束させることが可能となる。なお、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。本発明は、例えば以下のような変形実施形態を取ることができる。
(1)上記の各実施形態では、旋回方向に加えて半径方向における吊荷の振れ止め制御が実行される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。吊荷の旋回方向における振れ止め制御のみが実行される態様でもよい。
(2)また、上記の実施形態では、上記の各実施形態に係る旋回振れ止め装置70が適用されるクレーンの構造は、図1、図5に示されるクレーン10に限定されるものではなく、他の構造を有するクレーンであってもよい。また、上記の制御量(状態量)および対応する制御ゲインの数は上記に限定されるものではなく、旋回方向における振れ止め制御では少なくとも5つの制御量および制御ゲインが設定されればよく、半径方向の振れ止め制御では、少なくとも3つの制御量および制御ゲインが設定されればよい。
10 クレーン
12 旋回体(上部本体)
13 カウンタウエイト
14 走行体(下部本体)
15 キャブ
16 ブーム(起伏体)
18 ジブ(起伏体)
20 マスト
30 ブーム起伏用ウインチ
32 ジブ起伏用ウインチ
34 主巻用ウインチ
38 ブーム起伏用ロープ
44 ジブ起伏用ロープ
50 主巻ロープ(吊荷ロープ)
57 主フック
70 旋回振れ止め装置
700 駆動制御部(指令情報出力部)
700A 駆動部
700B 操作部
700C 情報取得部
700D 検出部
700E 制振制御部
700F 制御量演算部(状態量演算部)
700G フィルタ設定部
700H フィルタ処理部
701 旋回駆動部
702A ブーム起伏駆動部(起伏体駆動部)
702B ジブ起伏駆動部(起伏体駆動部)
703 ウインチ駆動部(吊荷駆動部)
704 旋回操作部(旋回用操作部)
705A ブーム起伏操作部(起伏用操作部)
705B ジブ起伏操作部(起伏用操作部)
706 ウインチ操作部(昇降用操作部)
708 ブーム長さ情報取得部(起伏体長さ情報取得部)
709 ジブ長さ情報取得部(起伏体長さ情報取得部)
710 旋回角検出部
711 ブーム起伏角検出部(起伏角検出部)
712 ジブ起伏角検出部(起伏角検出部)
713 ジブトップ変位検出部(起伏体変位検出部)
714 ジブトップ速度検出部(起伏体速度検出部)
715 ロープ振れ角検出部(吊荷変位検出部)
716 ロープ振れ角速度検出部(吊荷速度検出部)
717 ロープ長さ検出部(ロープ長さ情報取得部)
718 吊荷重量検出部(吊荷重量情報取得部)
719 制御判断部(制御開始条件判断部)
720 制御目標量設定部(目標状態量設定部)
726 制御ゲイン設定部
727 目標速度演算部
728 指令情報演算部(指令情報出力部)
X1 吊荷旋回方向変位(第1状態量)
X2 吊荷旋回方向速度(第1状態量)
X3 起伏体先端部変位(第1状態量)
X4 起伏体先端部速度(第1状態量)
X5 旋回角(第1状態量)
X6 吊荷半径方向変位(第2状態量)
X7 吊荷半径方向速度(第2状態量)
X8 起伏角(第2状態量)

Claims (6)

  1. 下部本体と、
    前記下部本体に上下方向に延びる旋回中心軸回りに旋回可能に支持された上部本体と、
    前記上部本体に水平な回転中心軸回りに起伏方向に回動可能なように支持され、起伏体基端部と、前記起伏体基端部とは反対の起伏体先端部とを含む起伏体と、
    前記起伏体先端部から垂下され吊荷に接続される吊荷ロープと、
    前記上部本体を前記旋回中心軸回りに第1旋回方向および前記第1旋回方向とは反対の第2旋回方向にそれぞれ旋回駆動することが可能な旋回駆動部と、
    前記上部本体を旋回駆動するための操作を受け付ける旋回用操作部であって、前記上部本体を前記第1旋回方向および前記第2旋回方向にそれぞれ旋回させるための旋回用位置と前記上部本体の旋回を停止させるための中立位置との間で切換可能な、旋回用操作部と、
    前記起伏体を前記回転中心軸回りに起伏方向に回動することが可能な起伏体駆動部と、
    前記起伏体を起伏するための操作を受け付ける起伏用操作部であって、前記起伏体を起伏させるための起伏用位置と前記起伏体の起伏を停止させるための中立位置との間で切換可能な、起伏用操作部と、
    前記吊荷ロープの巻き取りおよび繰り出しを行うことで前記吊荷を地面に対して相対的に昇降させることが可能な吊荷駆動部と、
    前記吊荷を昇降させるための操作を受け付ける昇降用操作部であって、前記吊荷を昇降させるための昇降用位置と前記吊荷の昇降を停止させるための中立位置との間で切換可能な、昇降用操作部と、
    を有するクレーンに搭載され、前記上部本体の旋回動作停止後に前記吊荷ロープに接続された前記吊荷が前記起伏体先端部を支点として振れる現象である吊荷の旋回振れを抑えることが可能なクレーンの旋回振れ止め装置であって、
    前記起伏体基端部と前記起伏体先端部とを結ぶ方向である起伏体長手方向における当該起伏体の長さに対応する情報である起伏体長さ情報を取得し出力する起伏体長さ情報取得部と、
    前記上部本体の前記旋回中心軸回りの旋回角を検出および出力する旋回角検出部と、
    前記回転中心軸回りの前記起伏体の起伏角を検出および出力する起伏角検出部と、
    前記起伏体先端部の前記旋回方向における変位である起伏体先端部変位を検出および出力する起伏体変位検出部と、
    前記起伏体先端部の前記旋回方向における速度である起伏体先端部速度を検出および出力する起伏体速度検出部と、
    前記起伏体先端部に対する前記吊荷の変位である吊荷変位を検出するとともに当該吊荷変位に対応する信号を出力する吊荷変位検出部と、
    前記起伏体先端部に対する前記吊荷変位の単位時間あたりの変化量である吊荷速度を検出するとともに当該吊荷速度に対応する信号を出力する吊荷速度検出部と、
    前記起伏体先端部と前記吊荷との間の前記吊荷ロープの長さに対応する情報であるロープ長さ情報を取得し出力するロープ長さ情報取得部と、
    前記吊荷の重量に関する情報である吊荷重量情報を取得し出力する吊荷重量情報取得部と、
    前記旋回用操作部が前記旋回用位置に設定されることに応じて前記旋回駆動部が前記上部本体を所定の旋回方向に旋回させたのち、前記旋回用操作部、前記起伏用操作部および前記昇降用操作部のすべての操作部が前記中立位置にそれぞれ設定されることで成立する旋回振れ止め制御開始条件が満たされているか否かを判断する制御開始条件判断部と、
    前記制御開始条件判断部によって前記旋回振れ止め制御開始条件が満たされていると判断されると、前記吊荷の前記旋回方向における変位である吊荷旋回方向変位、前記吊荷の前記旋回方向における速度である吊荷旋回方向速度、前記起伏体先端部変位、前記起伏体先端部速度、前記旋回角を含む複数の第1状態量について、所定の目標位置において前記吊荷を前記旋回方向において静止させるための第1目標状態量をそれぞれ設定する目標状態量設定部と、
    前記吊荷の挙動に関する状態方程式であって前記上部本体の旋回速度を変数とする状態方程式に基づいて、前記複数の第1状態量にそれぞれ対応する複数の第1制御ゲインを設定する制御ゲイン設定部と、
    前記起伏体先端部と前記吊荷との間において生じる前記吊荷ロープの弦振動における固有振動数に基づいてフィルタ特性を設定するフィルタ特性設定部と、
    前記吊荷変位検出部から出力された前記吊荷変位に対応する信号および前記吊荷速度検出部から出力された前記吊荷速度に対応する信号のそれぞれの信号に対して、前記フィルタ特性設定部によって設定された前記フィルタ特性に基づいて前記吊荷の弦振動の前記固有振動数に対応する周波数成分を除去するフィルタ処理を実行するフィルタ処理部であって、前記フィルタ処理を受けた前記吊荷変位に対応する信号によって構成される被処理吊荷変位と、前記フィルタ処理を受けた前記吊荷速度に対応する信号によって構成される被処理吊荷速度と、をそれぞれ出力するフィルタ処理部と、
    前記起伏体長さ情報取得部から出力された前記起伏体長さ情報と、前記旋回角検出部から出力された前記旋回角と、前記起伏角検出部から出力された前記起伏角と、前記起伏体変位検出部から出力された前記起伏体先端部変位と、前記起伏体速度検出部から出力された前記起伏体先端部速度と、前記フィルタ処理部から出力された前記被処理吊荷変位と、前記フィルタ処理部から出力された前記被処理吊荷速度と、前記ロープ長さ情報取得部から出力された前記ロープ長さ情報と、前記吊荷重量情報取得部から出力された前記吊荷重量情報と、前記目標状態量設定部によって設定された前記複数の第1状態量の前記第1目標状態量とに基づいて、前記複数の第1状態量の現在値をそれぞれ演算する状態量演算部と、
    前記制御ゲイン設定部によって設定された前記複数の第1制御ゲインと、前記状態量演算部によって演算された前記複数の第1状態量の現在値とから、前記旋回速度の目標値である旋回目標速度を演算する目標速度演算部と、
    前記上部本体の旋回速度が前記目標速度演算部によって演算された前記旋回目標速度となるように、前記旋回駆動部に対して前記旋回目標速度に対応する指令情報を出力する指令情報出力部と、
    を備える、クレーンの旋回振れ止め装置。
  2. 制御ゲイン設定部が前記複数の第1制御ゲインを設定するための前記状態方程式は、前記起伏体の弾性変形に対応する項を含むように設定されている、請求項1に記載のクレーンの旋回振れ止め装置。
  3. 前記目標状態量設定部は、前記制御開始条件判断部によって前記旋回振れ止め制御開始条件が満たされていると判断されると、前記クレーンの平面視において前記起伏体が弾性変形していないと仮定した場合における前記起伏体先端部の鉛直下方の位置を前記目標位置として前記旋回角、前記起伏体先端部変位および前記吊荷旋回方向変位の前記第1目標状態量をそれぞれ設定し、更に、前記吊荷旋回方向速度および前記起伏体先端部速度の前記第1目標状態量をそれぞれゼロに設定する、請求項1または2に記載のクレーンの旋回振れ止め装置。
  4. 前記制御ゲイン設定部は、前記複数の第1状態量と前記旋回速度とを含む重み付き和の時間に対する積分値が最も小さくなるように前記複数の第1制御ゲインを設定する、請求項1乃至3の何れか1項に記載のクレーンの旋回振れ止め装置。
  5. 前記目標状態量設定部は、前記制御開始条件判断部によって前記旋回振れ止め制御開始条件が満たされていると判断されると、前記上部本体の旋回動作の半径方向における前記吊荷の変位である吊荷半径方向変位、前記吊荷の前記半径方向における速度である吊荷半径方向速度、前記起伏角を含む複数の第2状態量について、前記吊荷を更に前記半径方向において静止させるための第2目標状態量をそれぞれ設定し、
    前記制御ゲイン設定部は、前記吊荷の挙動に関する状態方程式であって前記起伏体の前記起伏角を変数とする第2状態方程式に基づいて、前記複数の第2状態量にそれぞれ対応する複数の第2制御ゲインを設定し、
    前記状態量演算部は、前記起伏体長さ情報取得部から出力された前記起伏体長さ情報と、前記起伏角検出部から出力された前記起伏角と、前記起伏体変位検出部から出力された前記起伏体先端部変位と、前記起伏体速度検出部から出力された前記起伏体先端部速度と、前記フィルタ処理部から出力された前記被処理吊荷変位と、前記フィルタ処理部から出力された前記被処理吊荷速度と、前記ロープ長さ情報取得部から出力された前記ロープ長さ情報と、前記吊荷重量情報取得部から出力された前記吊荷重量情報と、前記目標状態量設定部によって設定された前記複数の第2状態量の第2目標状態量とに基づいて、前記複数の第2状態量の現在値を更に演算し、
    目標速度演算部は、前記制御ゲイン設定部によって設定された前記複数の第2制御ゲインと、前記状態量演算部によって演算された前記複数の第2状態量の現在値とから、前記起伏体の起伏における角速度の目標値である起伏目標角速度を演算し、
    指令情報出力部は、前記起伏体の起伏における角速度が前記目標速度演算部によって演算された前記起伏目標角速度となるように、前記起伏体駆動部に対して前記起伏目標角速度に対応する指令情報を出力する、請求項1乃至4の何れか1項に記載のクレーンの旋回振れ止め装置。
  6. 下部本体と、
    前記下部本体に上下方向に延びる旋回中心軸回りに旋回可能に支持された上部本体と、
    前記上部本体に水平な回転中心軸回りに起伏方向に回動可能なように支持された起伏体基端部と、前記起伏体基端部とは反対の起伏体先端部とを含む起伏体と、
    前記起伏体先端部から垂下され吊荷に接続される吊荷ロープと、
    前記上部本体を前記旋回中心軸回りに第1旋回方向および前記第1旋回方向とは反対の第2旋回方向にそれぞれ旋回駆動することが可能な旋回駆動部と、
    前記上部本体を旋回駆動するための操作を受け付ける旋回用操作部であって、前記上部本体を前記第1旋回方向および前記第2旋回方向にそれぞれ旋回させるための旋回用位置と前記上部本体の旋回を停止させるための中立位置との間で切換可能な、旋回用操作部と、
    前記起伏体を前記回転中心軸回りに起伏方向に回動することが可能な起伏体駆動部と、
    前記起伏体を起伏するための操作を受け付ける起伏用操作部であって、前記起伏体を起伏させるための起伏用位置と前記起伏体の起伏を停止させるための中立位置との間で切換可能な、起伏用操作部と、
    前記吊荷ロープの巻き取りおよび繰り出しを行うことで前記吊荷を地面に対して相対的に昇降させることが可能な吊荷駆動部と、
    前記吊荷を昇降させるための操作を受け付ける昇降用操作部であって、前記吊荷を昇降させるための昇降用位置と前記吊荷の昇降を停止させるための中立位置との間で切換可能な、昇降用操作部と、
    請求項1乃至5の何れか1項に記載のクレーンの旋回振れ止め装置と、
    を備える、クレーン。
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