JP3990777B2 - クレーンの振れ止め装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、クレーンの走行移動により発生する吊り荷の揺れを抑制させるクレーンの振れ止め装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は従来のクレーンの振れ止め装置を示すの構成図である。
図において、11はクレーンの現在の走行位置(現在位置)を検出する走行位置検出装置、22は荷吊りワイヤー長を検出するワイヤー長検出装置、23はクレーンの走行位置決め停止位置(目標位置)を設定する目標位置設定装置、24はクレーンの最高走行速度(最高速度)を設定する速度設定装置、25はクレーンの加減速度を設定する加減速度設定装置、26はワイヤー長検出装置22から出力されるワイヤー長から吊り荷の振れ周期を算出する周期演算装置、41は荷吊りワイヤーの傾き角度(実際の振れ角度)による振れ角度検出装置である。
【0003】
20は目標位置設定装置23から出力されるクレーンの目標位置、走行位置検出装置11から出力されるクレーンの現在位置、速度設定装置24から出力されるクレーンの最高速度、加減速度設定装置25から出力されるクレーンの加減速度、周期演算装置26から出力される吊り荷振れ周期によりクレーンの速度パターンを演算する速度パターン発生装置である。
44は速度パターン装置20により出力された速度指令(速度パターン)における吊り荷の振れ角度(理論振れ角度)を演算する理論振れ角度演算装置、45は理論振れ角度演算装置44による理論振れ角度と振れ角度検出装置41による実際の振れ角度の偏差にゲインを乗算しフィードバック速度指令を発生させる角度フィードバック制御装置である。
【0004】
31は目標位置設定装置23による目標位置と走行位置検出装置11によるクレーンの現在位置の偏差にゲインを乗算しフィードバック速度指令を発生させる位置フィードバック制御装置、33は位置フィードバックによる速度指令を制限するリミッタ装置である。
21は速度パターン発生装置20より出力された速度指令に応じて電動機駆動信号を生成する速度制御出力装置であって、実質的に速度パターン発生装置20から出力される速度指令に応じ電動機10を駆動する。
【0005】
斯かる構成にて、クレーンを最高速度走行時及び停止時の吊り荷の振れを零にする基本速度パターン即ち速度パターン発生装置20より出力された速度指令に対して角度フィードバック制御装置45による振れ角度フィードバック制御に基づく速度指令を加減し、基本速度パターンの終了後または途中に、位置フィードバック制御装置31による位置フィードバック制御を行い、クレーンを目標位置に停止時に振れ角度及び角速度を零となるように制御を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のクレーンの振れ止め装置は、上述のように構成されているので、振れ角度フィードバック制御を行う際に、実際に検出されたワイヤーの傾き角度には吊り荷とワイヤーの上端の間において、ワイヤーの弦振動が発生し、この為、吊り荷の振れ角度に弦振動によるワイヤーの傾き角度が含まれたものとなると共に、弦振動の周期が吊り荷の振れ周期と比較して大きく、速度制御出力装置による実際のクレーン駆動の応答速度では振れ角度フィードバック制御により逆に発振してしまうという問題点があった。
【0007】
また、位置フィードバック制御を行う際に、基本速度パターン終了後または途中に位置フィードバック制御をいきなり行うことは、速度指令が不連続となり、駆動装置である速度制御出力装置へのショックが大きく、振れが発生しやすいという問題点があった。
また、角度フィードバック制御と位置フィードバック制御の協調制御を行う際に、フィードバックゲインを適当に決定すると角度または位置のどちらかのフィードバック制御がもう片方のフィードバック制御を打ち消してしまい、振れ角度を零とする振れ止めと目標位置へ停止させる位置決めの両方の完了に時間がかかりすぎるという問題点があった。
【0008】
この発明は、上述のような従来の問題点を解決する為になされたもので、吊り荷の振れ角を制御することにより安定した吊り荷の搬送を行うことができるクレーンの振れ止め装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係るクレーンの振れ止め装置は、速度指令を発生する速度パターン発生装置と、クレーンの振れ止め時にて、上記速度パターン発生装置より出力された速度指令に応じた電動機駆動信号を生成する速度制御出力装置と、クレーンの目標位置を設定する目標位置設定装置と、吊り荷荷重を検出する荷重計と、
荷吊りワイヤー長を検出するワイヤー長検出装置と、上記荷吊りワイヤー長および上記荷吊り荷重より荷吊り用ワイヤーの弦振動周期を演算する弦振動周期演算装置と、上記荷吊り用ワイヤーの振れ角度を検出する振れ角度検出装置と、該振れ角度検出装置にて検出された振れ角度を上記荷吊り用ワイヤーの弦振動周期で平均処理を行うフィルタ装置と、上記速度パターン発生装置による速度指令を与えた場合の理想的な振り子の振れ角度を演算する理論振れ角度演算装置と、該理論振れ角度演算装置で演算された理想的な振り子の振れ角度と上記平均処理された振れ角度との角度偏差を上記速度指令に対してフィードバックさせるための角度フィードバックゲイン制御装置とを備え、上記荷吊り用ワイヤーの振れ角度からその弦振動を省いた、実際の吊り荷の振れ角度に近い角度検出に対する振れ角度フィードバック制御を行うものである。
【0010】
請求項2に係るクレーンの振れ止め装置は、速度指令を発生する速度パターン発生装置と、クレーンの位置決めにて、上記速度パターン発生装置より出力された速度指令に応じた電動機駆動信号を生成する速度制御出力装置と、荷吊りワイヤー長を検出するワイヤー長検出器と、クレーンの目標位置を設定する目標位置設定装置と、クレーンの走行する現在位置を検出する走行位置検出装置と、クレーンの上記目標位置と上記現在位置との位置偏差に基づいて位置フィードバックによる速度指令を発生する位置フィードバックゲイン制御装置と、該フィードバックされた速度指令の上限値を設定するリミッタ装置と、上記速度パターン発生装置から出力される速度指令と上記位置フィードバックによる速度指令とを比較し、位置フィードバックによる速度指令が上記速度パターン発生装置からの速度指令より大きくなった時点で速度指令を上記位置フィードバックによる速度指令に切り換える切換手段とを備えたものである。
【0011】
請求項3に係るクレーンの振れ止め装置は、請求項2の発明において、上記切換手段は、減速区間中の上記速度パターン発生装置からの基本速度パターンによる速度指令量が、クレーンの目標位置と現在位置の偏差による位置フィードバックによる速度指令量と等しくなった時点にて、上記速度パターン発生装置からの速度指令量を零とし位置フィードバックのみによる速度制御に切り換えるものである。
【0012】
請求項4に係るクレーンの振れ止め装置は、クレーンの振れ止めと位置決めの協調制御にて、速度指令を発生する速度パターン発生装置と、該速度パターン発生装置より出力された速度指令に応じた電動機駆動信号を生成する速度制御出力装置と、吊り荷荷重を検出する荷重計と、荷吊りワイヤー長を検出するワイヤー長検出装置と、上記ワイヤー長および上記荷重より荷吊り用ワイヤーの弦振動周期を演算する弦振動周期演算装置と、上記荷吊りワイヤーの振れ角度を検出する振れ角度検出装置と、該振れ角度検出装置にて検出された角度を上記荷吊りワイヤーの弦振動周期で平均処理を行うフィルタ装置と、上記速度パターン発生装置による速度指令を与えた場合の理想的な振り子の振れ角度を演算する理論振れ角度演算装置と、該理論振れ角度演算装置で演算された理想的な振り子の振れ角度と上記平均処理された振れ角度との角度偏差を上記速度指令に対してフィードバックさせるための角度フィードバックゲイン制御装置と、クレーンの目標位置を設定する目標位置設定装置と、クレーンの走行する現在位置を検出する走行位置検出装置と、クレーンの上記目標位置と上記現在位置との位置偏差に基づいて位置フィードバックによる速度指令を発生する位置フィードバックゲイン制御装置と、該フィードバックされた速度指令の上限値を設定するリミッタ装置と、上記速度パターン発生装置から出力される速度指令と上記位置フィードバックによる速度指令とを比較し、位置フィードバックによる速度指令が上記速度パターン発生装置からの速度指令より大きくなった時点で速度指令を位置フィードバックに切り換える切換手段と、振れ止め精度を設定する振れ止め精度設定装置と、
位置決め精度を設定する位置決め精度設定装置と、上記振れ止め精度設定装置および上記位置決め精度設定装置の出力に基づいて駆動可能な最低速度指令を設定する最低速度設定手段とを備えたものである。
【0013】
請求項5に係るクレーンの振れ止め装置は、請求項4の発明において、上記最低速度設定手段は、クレーンの目標位置と現在位置の偏差による位置フィードバックにおける速度指令量と振れ止めフィードバックにおける速度指令量が等しくなるように各フィードバックゲインを選定するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態について図を参照して説明する。
実施の形態.1
図1は、この発明の実施の形態1を示す構成図である。なお、図1において、図7と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明を省略する。
図において、40はクレーンの吊荷荷重を検出する荷重計、51は荷吊りワイヤーの線密度を設定する線密度設定装置、47は荷重計40による荷重とワイヤー長検出装置22によるワイヤー長と線密度設定装置51による線密度からワイヤーの弦振動周期を演算する振動周期演算装置、42は振動周期演算装置47による振動周期にて振れ角度検出装置41から出力される振れ角度を時間平均するフィルタ装置である。
【0015】
48は振れ止めの精度を設定する振れ止め精度設定装置、34は位置決めの精度を設定する位置決め精度設定装置、50は振れ止め精度設定装置48による振れ止め精度と位置決め精度設定装置34による位置決め精度から最適なフィードバックゲインを設定する最低速度設定手段としてのゲイン調整装置である。
31Aは目標位置設定装置23によるクレーンの走行する目標位置と走行位置検出装置11によるクレーンの走行する現在位置の偏差にゲインを乗算してフィードバック速度指令を発生させる位置フィードバック制御装置であって、この位置フィードバック制御装置31Aは、更に後述する角度フィードバック制御との協調制御の際にはゲイン調整装置50の出力に基づいてそのフィードバックゲインを調整されるようになされている。
【0016】
32は基本速度パターン後半にリミッタ装置33による位置フィードバックに基づく速度指令と速度パターン発生装置20による基本速度指令の大きさを比較し、大きい方を速度指令として出力する切換手段としての比較装置、45Aは理論振れ角度演算装置44による理論振れ角度と振れ角度検出装置40による実際の振れ角度の偏差にゲインを乗算しフィードバック速度指令を発生させる角度フィードバック制御装置であって、この角度フィードバック制御装置45Aは更に上述の位置フィードバック制御との協調制御の際にはゲイン調整装置50の出力に基づいてそのフィードバックゲインを調整されるようになされている。
21Aは速度パターン発生装置20より比較装置32を介して出力された速度指令に角度フィードバック制御装置45Aからのフィードバック速度指令を加減して電動機駆動信号を生成する速度制御出力装置である。
【0017】
次に、動作について説明する。
速度パターン発生装置20は、外部からのクレーンの移動開始信号を受けると同時に図2に示される時間t0からt2の速度パターンを速度指令として比較装置32を介して速度制御出力装置21Aに出力する。図2にてTは周期演算装置26により計算される吊り荷の振れ周期であり、重力加速度g(定数)及びワイヤー長検出装置22より出力される荷吊り用ワイヤー長Lにて下記の(1)式より算出される。
【0018】
T=2π√(L/g) (1)
【0019】
尚、ワイヤー長Lはクレーン移動中は変化しないものとする。又、図2において、VMAXは速度設定装置24にて設定されるクレーン最高移動速度、αは加減速度設定装置25にて設定されるクレーンの加減速度である。図2の時間t0〜t1の加速区間にて吊り荷の振れ位相(θ、θ’/ω)を(α/g、0)とするため、速度制御出力装置21Aは加速度α/2による加速制御を行う。なお、θは振れ角、θ′は角速度、ωは角周波数をそれぞれ表す。図2における時間t1は下記の(2)式の関係が成立する。
【0020】
1=T/2 (2)
【0021】
この様に移動開始からT/2、即ち図2における時間t0〜t1の加速度α/2による加速制御にて(θ、θ’/ω)=(α/g、0)となり、以後加速度αによる加速制御にて(α/g、0)で固定となる。
次に、速度設定装置24にて設定された最高移動速度VMAXにて振れ角(0、0)とするため、速度制御出力装置21Aは図2の時間t2〜t3にて加速度α/2による加速制御を最高移動速度VMAXまで行う。この様な、図2の時間t2〜t3の制御にて振れ軌跡即ち振れ位相は(0、0)となる。
以上の速度パターン制御により加速終了点にて振れは零となり、以後等速にては外乱が発生しないかぎり振れは発生しない。この様な制御を行った場合の各区間t0〜t1、t1〜t2およびt2〜t3における振れ角θ1、θ2およびθ3は、理論角度演算装置44にて演算され、それぞれ下記の(3)式、(4)式および(5)式のようになる。
【0022】
Figure 0003990777
【0023】
また、弦振動周期演算装置47にて、荷重計40による荷重から荷吊りワイヤーの張力Sを演算し、線密度設定装置51による荷吊りワイヤーの線密度ρにより、下記の(6)式による弦振動周期fθを演算する。
【0024】
fθ={√(S/ρ)}/2L (6)
【0025】
この弦振動周期fθにより、フィルタ装置42は平均処理時間を演算し、角度検出装置41により得られる振れ角度θを1/fθで平均処理し、吊り荷の実際の振れ角度θsとして利用する。そして、角度フィードバック制御装置45Aではこのθsと理論角度演算装置44による理論角度θtとの差に所定のゲインGθを乗算して、下記の(7)式により表されるフィードバック量Fθを算出する。
【0026】
Fθ=Gθ*(θtーθs) (7)
【0027】
ここで、ゲインGθは角度フィードバック制御装置45Aにて設定された値となる。角度フィードバック制御装置45Aからのフィードバック量Fθは速度制御出力装置21Aに供給され、速度制御出力装置21Aはこのフィードバック量Fθを速度パターン発生装置20より比較装置32を介して出力された基本速度指令Vに加減する。
ここで、振れ角度θに対してフィードバック制御を行った場合、荷吊りワイヤーの弦振動が発生し、振れ角度検出装置41にて検出される角度が、図4(A)のように実際の吊り荷の振れ角度に弦振動分が加算された角度となり、検出角度の振れ周期も実際の振れ周期より大きい周期となる。このため、角度フィードバックによる応答遅れが発生し、振れ角度が収束しないため、振れ角度θを平均処理しθsとすることにより図4(B)のように実際の振れ周期に近似することができ、安定な角度フィードバック制御が可能となる。
【0028】
次に、図2における位置決めを行う位置決め制御有効区間(位置フィードバック制御有効区間)では目標位置から現在位置までの距離Zと、位置フィードバック制御装置31Aにて設定される位置フィードバックゲインGP、位置フィードバック上限設定装置即ちリミッタ装置33により設定されるフィードバック上限値FVmaxにより下記の(8)式および(9)式による位置フィードバック量FPによる速度パターン発生装置20からの速度指令すなわち比較装置32の出力は図3のようになる。
【0029】
FP=Z*GP (Z<FVmax/GPの場合) (8)
FP=FVmax (Z≧FVmax/GPの場合) (9)
【0030】
ここで、比較装置32にて速度パターン発生装置20からの基本速度指令Vから位置フィードバック制御装置31Aの位置フィードバック制御による速度指令へ切り換える場合、図5における点Pのような時点で行う。ここで点Pは下記の(10)式が成立する点である。
【0031】
V≦FVmax (10)
【0032】
図6はクレーン位置決め区間の位置フィードバック制御による速度指令への切り換えタイミングを本実施の形態と従来例を対比して示すものであるが、この図6からも分かるように、従来例における図6(B)に示すような基本速度指令Vの終了後等に位置フィードバック制御を開始する場合と比較し、上述の本実施の形態における図6(A)に示すような点Pにて基本速度指令Vを切り換えることにより速度指令がほぼ連続となり、振れを発生させるショックを減少させることができる。
【0033】
次に、角度フィードバック制御装置45Aによる振れ止め制御と位置フィードバック制御装置31Aによる位置決め制御の協調制御について説明する。
駆動が可能な最低速度指令をVminとした場合、振れ止めのための角度フィードバックにおいて振れ止め精度設定装置48による振れ許容値がΔθの場合、下記の(11)式を満たすようなゲイン設定が必要である。
【0034】
Gθ>Vmin/Δθ (11)
【0035】
位置決めのための位置フィードバック制御において位置決め精度設定装置34による位置決め許容値がΔZの場合、下記の(12)式を満たすようなゲイン設定が必要である。
【0036】
GP>Vmin/ΔZ (12)
【0037】
上記の(11)式および(12)式を満たし、Gθ*Δθ=GP*ΔZとなるようなゲインを演算し設定するゲイン調整装置50により、最短時間で振れ止めかつ位置決めが可能となる最適な協調制御を行うことができる。
【0038】
このように、本実施の形態では、荷吊り用ワイヤーの傾き角、即ち振れ角を検出する振れ角度検出装置41と、荷重計40、ワイヤー長検出装置22および線密度設定装置51により検出される荷重と荷吊ワイヤー長とワイヤーの線密度からワイヤーの弦振動周期を演算する弦振動周期演算装置47と、弦振動周期による振れ角度検出値の平均処理を行うフィルタ装置42により実際の荷の振れ角度に加減された弦振動分を省いた振れ角度検出が可能となる。この結果、荷の振れ周期より小さい周期である弦振動周期に対してフィードバック制御を行った場合の応答遅れによる振れの発振をなくし制御系を安定とすることができる。
【0039】
また、走行位置を検出する走行位置検出装置11と、走行目標位置を設定する目標位置設定装置23と、走行位置と目標位置の偏差を検出し速度指令へフィードバックする位置フィードバック制御装置31Aと、位置フィードバックによる速度指令の上限値を設定するリミッタ装置33により、位置フィードバックによる速度指令と基本速度パターンを発生する速度パターン発生装置20による速度指令の大きさを比較し、位置フィードバックの速度指令が大きくなった瞬間から速度指令を位置フィードバックによる速度指令として切り換え出力する。これにより、速度指令を連続的になり、基本速度パターンによる速度指令が終了後等にいきなり位置フィードバック系による速度指令を生かした場合の機械系等のショックによる大きな荷の振れの発生をなくし、安定した吊り荷の搬送を行うことができる。
【0040】
更に、荷吊り用ワイヤーの傾き角、即ち振れ角を検出する振れ角度検出装置41と、目標位置停止時の振れ角の許容値を設定する振れ止め精度設定装置48と、目標位置停止時の理想振れ角零と振れ角度検出装置41から出力される実際の振れ角との差が振れ止め精度設定装置48にて設定された許容値より大きい時、角度フィードバック制御装置45Aから振れ止め実行指令を、また、走行位置を検出する走行位置検出装置11と、走行目標位置を設定する目標位置設定装置23と、走行位置と目標位置の偏差が位置決め精度設定装置34にて設定された許容値より大きい時、位置フィードバック制御装置31Aから位置決め実行指令を速度パターン発生装置20に出力し目標位置にて振れ角を零とするような位置決めと振れ止めの協調制御を行う。この結果、目標位置での振れによる荷降ろし位置の位置決め精度誤差および吊り荷が振れることにより発生する電動機10の負荷変動を最小限にすることで安定した吊り荷の搬送を行うができる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明によれば、フィードバック制御時等に発生する弦振動による不正な振れ角度検出に対しても、応答遅れによる振れ角度の発散を起こすことなく、振れ止め制御を行うことができる。
また、請求項2および3の発明によれば、位置決めフィードバック制御開始時における急激な速度変動をなくし、機械系に与えるショック、すなわち振れの発生を最小にすることができる。
更に、請求項4および5によれば、振れ止め制御と位置決め制御の間において、お互いのフィードバック制御への影響を最小とし、最適な協調制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示す構成図である。
【図2】この発明の一実施の形態におけるクレーンの移動時間と移動速度の関係を示す図である。
【図3】この発明の一実施の形態におけるクレーン位置決め区間での位置フィードバック速度指令と目標位置までの残距離の関係を示す図である。
【図4】この発明の一実施の形態における振れ角度検出の際のワイヤー弦振動のフィルタ効果を示す図である。
【図5】この発明の一実施の形態におけるクレーン位置決め区間の移動時間と移動速度の関係を示す図である。
【図6】この発明の一実施の形態におけるクレーン位置決め区間の位置フィードバック速度指令への切り換えタイミングを従来例と対比して示す図である。
【図7】従来のクレーンの振れ止め装置を示す構成図である。
【符号の説明】
10 電動機、11 走行位置検出器、20 速度パターン発生装置、21 A 速度制御出力装置、22 ワイヤー長検出装置、23 目標位置設定装置、24 速度設定装置、25 加減速度設定装置、26 周期演算装置、31A 位置フィードバック制御装置、32 比較装置、33 リミッタ装置、34 位置決め精度設定装置、40 荷重計、41 振れ角度検出装置、42 フィルタ装置、44 理論振れ角度演算装置、45A 角度フィードバック制御装置、47 弦振動周期演算装置、48 振れ止め精度設定装置、50 ゲイン調整装置、51 線密度設定装置。

Claims (5)

  1. 速度指令を発生する速度パターン発生装置と、
    クレーンの振れ止め時にて、上記速度パターン発生装置より出力された速度指令に応じた電動機駆動信号を生成する速度制御出力装置と、
    クレーンの目標位置を設定する目標位置設定装置と、
    吊り荷荷重を検出する荷重計と、
    荷吊りワイヤー長を検出するワイヤー長検出装置と、
    上記荷吊りワイヤー長および上記荷吊り荷重より荷吊り用ワイヤーの弦振動周期を演算する弦振動周期演算装置と、
    上記荷吊り用ワイヤーの振れ角度を検出する振れ角度検出装置と、
    該振れ角度検出装置にて検出された振れ角度を上記荷吊り用ワイヤーの弦振動周期で平均処理を行うフィルタ装置と、
    上記速度パターン発生装置による速度指令を与えた場合の理想的な振り子の振れ角度を演算する理論振れ角度演算装置と、
    該理論振れ角度演算装置で演算された理想的な振り子の振れ角度と上記平均処理された振れ角度との角度偏差を上記速度指令に対してフィードバックさせるための角度フィードバックゲイン制御装置と
    を備え、上記荷吊り用ワイヤーの振れ角度からその弦振動を省いた、実際の吊り荷の振れ角度に近い角度検出に対する振れ角度フィードバック制御を行うことを特徴とするクレーンの振れ止め装置。
  2. 速度指令を発生する速度パターン発生装置と、
    クレーンの位置決めにて、上記速度パターン発生装置より出力された速度指令に応じた電動機駆動信号を生成する速度制御出力装置と、
    荷吊りワイヤー長を検出するワイヤー長検出器と、
    クレーンの目標位置を設定する目標位置設定装置と、
    クレーンの走行する現在位置を検出する走行位置検出装置と、
    クレーンの上記目標位置と上記現在位置との位置偏差に基づいて位置フィードバックによる速度指令を発生する位置フィードバックゲイン制御装置と、
    該フィードバックされた速度指令の上限値を設定するリミッタ装置と、
    上記速度パターン発生装置から出力される速度指令と上記位置フィードバックによる速度指令とを比較し、位置フィードバックによる速度指令が上記速度パターン発生装置からの速度指令より大きくなった時点で速度指令を上記位置フィードバックによる速度指令に切り換える切換手段と
    を備えたことを特徴とするクレーンの振れ止め装置。
  3. 上記切換手段は、減速区間中の上記速度パターン発生装置からの基本速度パターンによる速度指令量が、クレーンの目標位置と現在位置の偏差による位置フィードバックによる速度指令量と等しくなった時点にて、上記速度パターン発生装置からの速度指令量を零とし位置フィードバックのみによる速度制御に切り換えることを特徴とする請求項2記載のクレーンの振れ止め装置。
  4. クレーンの振れ止めと位置決めの協調制御にて、速度指令を発生する速度パターン発生装置と、
    該速度パターン発生装置より出力された速度指令に応じた電動機駆動信号を生成する速度制御出力装置と、
    吊り荷荷重を検出する荷重計と、
    荷吊りワイヤー長を検出するワイヤー長検出装置と、
    上記ワイヤー長および上記荷重より荷吊り用ワイヤーの弦振動周期を演算する弦振動周期演算装置と、
    上記荷吊りワイヤーの振れ角度を検出する振れ角度検出装置と、
    該振れ角度検出装置にて検出された角度を上記荷吊りワイヤーの弦振動周期で平均処理を行うフィルタ装置と、
    上記速度パターン発生装置による速度指令を与えた場合の理想的な振り子の振れ角度を演算する理論振れ角度演算装置と、
    該理論振れ角度演算装置で演算された理想的な振り子の振れ角度と上記平均処理された振れ角度との角度偏差を上記速度指令に対してフィードバックさせるための角度フィードバックゲイン制御装置と、
    クレーンの目標位置を設定する目標位置設定装置と、
    クレーンの走行する現在位置を検出する走行位置検出装置と、
    クレーンの上記目標位置と上記現在位置との位置偏差に基づいて位置フィードバックによる速度指令を発生する位置フィードバックゲイン制御装置と、
    該フィードバックされた速度指令の上限値を設定するリミッタ装置と、
    上記速度パターン発生装置から出力される速度指令と上記位置フィードバックによる速度指令とを比較し、位置フィードバックによる速度指令が上記速度パターン発生装置からの速度指令より大きくなった時点で速度指令を位置フィードバックに切り換える切換手段と、
    振れ止め精度を設定する振れ止め精度設定装置と、
    位置決め精度を設定する位置決め精度設定装置と、
    上記振れ止め精度設定装置および上記位置決め精度設定装置の出力に基づいて駆動可能な最低速度指令を設定する最低速度設定手段と
    を備えたことを特徴とするクレーンの振れ止め装置。
  5. 上記最低速度設定手段は、クレーンの目標位置と現在位置の偏差による位置フィードバックにおける速度指令量と振れ止めフィードバックにおける速度指令量が等しくなるように各フィードバックゲインを選定することを特徴とする請求項4記載のクレーンの振れ止め装置。
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