JP2022041520A - 住宅の浮上構造及びこの住宅の浮上構造に用いられる連結部材 - Google Patents

住宅の浮上構造及びこの住宅の浮上構造に用いられる連結部材 Download PDF

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Abstract

【課題】洪水や津波等の発生の際に荷重の荷重の偏りにより住宅等が傾斜した場合であっても、有効に浮上する新規な住宅の浮上構造等を提供する。【解決手段】住宅本体1の周囲に設置された複数のガイドポール2長さ方向に移動可能に一端が取り付けられ、他端は基礎部に固定されてなるとともにそれぞれ同一の長さとされた連結部材3と、を備え、上記それぞれ連結部材3には、該連結部材3に張力が作用した際に伸長され又は収縮される弾性材4を備えてなり、上記基礎部と住宅本体1とが一体的に浮上することにより、上記連結部材3の一端側が上記ガイドポール2に沿って移動されるように構成されてなる。【選択図】 図1

Description

本発明は、洪水や津波等の際に住宅が水に浮上するように構成された住宅の浮上構造及びこの浮上構造に用いられる連結部材に関するものである。なお、本願において、上記住宅は、建物、建築物を含むものとする。
近年、台風による大雨や集中豪雨等により洪水が発生したり地震により津波等が発生したりすることにより、住宅に大きな被害が発生することに鑑み、本出願人は、水密性の高い耐水害住宅等を出願した。こうした水密性の高い耐水害住宅によれば、上記洪水等の発生に伴って蒙る種々の被害・損失を回避することが可能となる。しかし、このような耐水害住宅では、その水密性が高ければ高い程、洪水等が発生した場合、住宅内部に流入した汚泥等による被害は防止することができる反面、住宅全体が浮上又は浮遊する危険性が増加し、場合によっては濁流により流されてしまう事態も発生する。他方、本出願人は、こうした住宅の浮上を防止する構造も出願したが、住宅の周囲の水位が高くなればなるほど、住宅に作用する水圧は増加し、該住宅に対する止水性・防水性は一層厳しい性能が要求され、ひいては該止水性・防水性に多大なコストが必要となる。
そこで、こうした住宅の止水性・防水性に多大なコストを掛けることなく、あえて積極的に住宅を浮上させ、洪水や津波が収まり水位が低下するにしたがって、元の位置に下降する構造として、住宅の浮上構造を提案した(出願番号:特願2020-027368)。この住宅の浮上構造は、住宅本体から離間した位置において鉛直方向に起立してなるとともに該住宅本体の周囲に設置された複数のポールと、一端は上記ポールに対して上下方向に移動可能に取り付けられ、他端は上記基礎部に固定されてなる連結部材と、を備え、上記基礎部と住宅本体とが一体的に浮上することにより、上記連結部材の一端側がポールの上下方向に移動されるように構成されたものである。
他方、住宅の浮上構造に関するこれまでの技術は、例えば、特許第5630917号公報(特許文献1)は、建物(住宅)に浮力を付与するエアバッグを取り付け、このエアバッグにより建物が浮上するように構成されているばかりではなく、地盤に管体を起立させる一方、この管体内に上方から挿通された棒状体を配置し、上記管体と建物とは、該建物の下方側に基端が固定され内部に該管体が挿通された円盤状の下方側連結部材により連結され、上記棒状体と建物とは、該建物の上方側に基端が固定され内部に該棒状体が挿通された円盤状の上方側連結部材により連結されてなるものである。こうした浮上構造によれば、上記建物が浮上する際、上記建物に固定された上方側連結部材に連結された棒状体は管体にガイドされながら、また上記下方側連結部材は上記管体にガイドされながら浮上する。そして、水位が低下することによって、上記建物は、上記下方側連結部材が管体にガイドされながら、また、上記棒状体が管体にガイドされながら下降される。
特許第5630917号
しかしながら、上記特許文献1に開示された浮上構造では、建物(住宅)に対して、上記上方側連結部材と下方側連結部材をそれぞれ固定する必要性があるばかりか、地盤には上記管体を起立させるととともに該管体内に上記棒状体を挿通させる必要性があり、極めて高コストとならざるを得ない。特に、上記建物(住宅)の総重量は相当重いことからすれば、上記管体や棒状体は高強度に設計せざるを得ない。また、上記浮上構造では、建物が浮上する際には必ず上記管体の内周面の一部が棒状体の外周面の一部に摺接することとなるが、先に記載した洪水や津波のように、建物の周囲を移動する水の流速が早ければ早いほど、上記管体と棒状体との抵抗は増加することとなり、該流速の程度によっては初期の目的の通りに建物が浮上しない場合も想定される。さらに、上記浮上構造では、必ず上記建物の側部には、それぞれの棒状体が露出するばかりではなく、各棒状体の上端は建物の屋根付近にまで達しているものであることから、該建物の外観・美観を損ねる。
また、本願出願人が先に出願した上記住宅の浮上構造では、住宅全体の荷重が偏っている場合(住宅の一方側は軽荷重であり他方側は高荷重である場合)には、軽荷重側が高荷重側よりも高く浮上することから、軽荷重側に配置された連結部材には高い張力が発生し、ポールとの間の摩擦抵抗により確実に住宅が浮上されない事態が発生する。特に、こうした事態は、水位が低下して住宅が下降した際には、浮上する前の位置とは相当程度ずれた位置に着座してしまう危険性を考慮して、上記連結部材に多くの余長を持たせない場合に生ずる。
そこで、本発明は、上述した本願出願人が提案したものも含めて従来の住宅の浮上構造が有する課題を解決するために提案されたものであって、住宅全体の荷重が偏っている場合であっても確実に住宅全体が水に浮上される新規な住宅の浮上構造及びこの浮上構造に用いられる新たな連結部材を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであり、第1の発明(請求項1記載の発明)は、洪水や津波による水により、地盤上に形成された基礎部とこの基礎部に固定された住宅本体が一体的に浮上する住宅の浮上構造であって、上記住宅本体から離間した位置において鉛直方向に起立してなるとともに該住宅本体の周囲に設置された複数のガイドポールと、一端は上記ガイドポールの長さ方向に移動可能に取り付けられ、他端は上記基礎部に固定されてなるとともにそれぞれ同一の長さとされた連結部材と、を備え、上記それぞれ連結部材には、該連結部材に張力が作用した際に伸長され又は収縮される弾性材を備えてなり、上記基礎部と住宅本体とが一体的に浮上することにより、上記連結部材の一端側が上記ガイドポールに沿って移動されるように構成されてなることを特徴とするものである。
この第1の発明に係る住宅の浮上構造では、上記それぞれ連結部材には、該連結部材に張力が作用した際に伸長され又は縮小される弾性材を備えている。したがって、住宅の荷重が偏心している等して、複数の連結部材のうちの一部の連結部材に高い張力が生じた場合であっても、上記弾性材が伸長され又は収縮することにより該連結部材全体が伸長されることから、安定的に住宅本体と基礎部とを一体的に浮上させることができる。また、摩擦抵抗の急激な上昇を緩和することができる。
なお、上記弾性材は、上述したように、該連結部材に張力が作用した際に伸長されるものであるばかりではなく、縮小されるものであっても良い。上記伸長される弾性材が連結部材の構成要素とされた場合も、縮小される弾性材が構成要素とされた場合も、該連結部材に張力が作用すると、該弾性材が伸長され又は縮小されることにより、連結部材の全長が伸長される。また、上記ガイドポール側から基礎部側に亘って長さを有する連結部材全体において、上記弾性材の配置位置は、該ガイドポールに近い位置であっても、上記基礎部に近い位置であっても、或いは該連結部材の中央に配置されたものであっても良い。また、上記住宅の浮上構造を備えるガイドポールは、上記住宅本体から離間した位置において鉛直方向に起立してなるとともに該住宅本体の周囲に設置されたものであれば、その本数は特に限定されるものではない。また、これらのガイドポールの高さは、住宅本体が建設される場所や想定される津波の高さ(例えば、政府又は自治体により公表されているハザードマップ)に応じて適宜設定すれば良く、必ずしも住宅本体の高さと同じ高さとする必要性はない。
また、第2の発明(請求項2記載の発明)は、上記第1の発明において、前記弾性材は、弦巻バネからなるとともに、前記連結部材は、上記弦巻バネが収容されてなる筒状部材と、この筒状部材の一端に固定され中央には軸挿通穴が形成された固定板と、この固定板に形成された軸挿通穴に通された移動軸と、この移動軸の先端に固定され上記固定板と対向する移動板と、を備え、上記弦巻バネは、上記固定板と移動板との間に配置されてなり、前記連結部材に張力が作用した場合には、上記移動板が固定板側に移動することにより縮小されるように構成されてなることを特徴とするものである。
この第2の発明に係る住宅の浮上構造では、上記連結部材に張力が作用すると、上記筒状部材内に収容された弦巻バネは、上記移動板が固定板側に移動することにより縮小される。そして、この弦巻バネが最も縮小された場合には、それ以上縮小されることがない。したがって、この第2の発明に係る住宅の浮上構造によれば、設計時点において想定された以上の張力が連結部材に作用した場合であっても、上記弾性材である弦巻バネが伸びきってしまったり切断されたりする事態を有効に回避することができる。
また、第3の発明(請求項3記載の発明)は、上記第1又は第2の発明の何れかにおいて、前記弾性材を備えた連結部材は、前記ガイドポール側から前記基礎部側に亘って略直線状に配置されてなることを特徴とするものである。
この第3の発明は、前記弾性材を備えた連結部材は、前記ポール側から前記基礎部側に亘って略直線状に配置されてなるものであり、余長は殆どない。なお、この第3の発明は、連結部材に張力が作用した際に伸長される弾性材である場合と、該連結部材に張力が作用した際に縮小される弾性材(弦巻バネ)である場合の双方を含む。そして、この第3の発明に係る住宅の浮上構造では、以下に説明し互いに相反する2つの課題を解決することが可能となる。津波や濁流により住宅を浮上させる構造を設計する場合、該洪水や津波等により確実に住宅を浮上させる必要性の観点(以下、第1の観点と言う。)と、浮上した住宅が水位の低下に伴って下降し可能な限り元の位置に着座させる必要性(以下、第2の観点と言う。)との二つの観点において、ガイドポールと基礎部とを連結する連結部材の長さをどのように設定するかは極めて重要な課題であり、これら二つの観点は以下に説明するように互いに相反する。上記第1の観点からすれば、連結部材の長さは、ガイドポールから基礎部までの距離よりも大きく余裕を持たせる(余長を持たせる)ことにより、住宅の荷重が偏心している場合であっても、上記住宅本体と基礎部とを一体的に浮上させることができる。しかし、他方では、このように連結部材の長さに余裕を持たせれば持たせる程、水が低下して住宅本体等が下降した際においては、浮上する前の位置とは相当程度ずれた位置に着座する可能性が極めて高い。このように、浮上する前の位置とは相当程度ずれた位置に住宅が着座した場合には、ジャッキその他の機械装置を使用することにより、元の位置に移動・復帰させる作業は必須となるが、洪水等の災害が発生した混沌とした環境下において、こうした作業は事実上不能な場合が多く、また、上下水道その他の配管に再度接続される作業も困難を極める。そして、上記第2の観点からすれば、連結部材の長さに余裕を持たせる(余長を持たせる)ことなく、該連結部材をガイドポールと基礎部との距離と同等の長さとすべきであり、こうした長さとすることにより、水位が低下して下降した住宅は浮上する前の位置に近い位置に着座することとなることから、上述した元の位置に住宅を移動・復帰させる作業は不要となるか、或いは軽度の作業で足りる。すなわち、この第3の発明に係る住宅の浮上構造によれば、上記弾性材を連結部材の構成要素とするとともに、該連結部材を前記ガイドポール側から前記基礎部側に亘って略直線状に配置することにより、上記互いに相反する課題を有効に回避することができる。
また、第4の発明(請求項4記載の発明)は、上記第2又は第3の発明の何れかにおいて、前記筒状部材の他端には、該筒状部材の他端を閉塞する蓋体が着脱可能に取り付けられてなるとともに前記移動板は前記移動軸に着脱可能に取り付けられ、この蓋体を筒状部材から取り外し上記移動板を上記移動軸から取り外すことにより、前記弦巻バネを該筒状部材内から取り出し可能とされてなることを特徴とするものである。
この第4の発明に係る住宅の浮上構造によれば、上記筒状部材から上記蓋体を取り外すことにより、前記弦巻バネを該筒状部材内から取り出し可能とされていることから、一旦該筒状部材内に収容した弦巻バネを住宅が建造される周囲の環境に応じて適宜交換したり補修したりすることが可能となる。
また、第5の発明(請求項4記載の発明)は、前記第1の住宅の浮上構造の何れかに用いられる連結部材であって、一端は前記ガイドポールに対して該ガイドポールに沿って移動可能に取り付けられる一方の連結部と、他端は住宅の基礎部に固定された連結金具に連結される他方の連結部と、を備え、上記一方の連結部と他方の連結部との間には、該連結部材に張力が作用した際に伸長され又は収縮される弾性材を備えてなることを特徴とするものであり、第6の発明(請求項6記載の発明)は、前記弾性材は、弦巻バネからなるとともに、前記連結部材は、上記弦巻バネが収容されてなる筒状部材と、この筒状部材の一端に固定され中央には軸挿通穴が形成された固定板と、この固定板に形成された軸挿通穴に挿通された移動軸と、この移動軸の先端に固定され上記固定板と対向する移動板と、を備え、上記弦巻バネは、上記固定板と移動板との間に配置されてなり、前記連結部材に張力が作用した場合には、上記移動板が固定板側に移動することにより縮小されるように構成されてなることを特徴とするものである。
上記第5又は第6の発明に係る連結部材を上記第1の発明に係る住宅の浮上構造に用いることにより、該第1の発明又は第2の発明に係る住宅の浮上構造と同一の作用効果を奏することができる。
なお、これら第5又は第6の発明に係る連結部材は、線状材をその構成要素とすることができ、この線状材は、例えば、ワイヤ、紐又はチェーン等を使用することができる。また、この連結部材の一端とガイドポールとの取付状態は、少なくとも該連結部材の一端側が該ガイドポールの上下方向に移動可能な状態で取り付けられていれば良く、該連結部材(の主要部)を上記線状材とした場合には、該線状材をポールの外周に掛け渡したものの他、ポールに鉛直方向に長さを有するガイド溝を形成し、このガイド溝にガイドされながら昇降する昇降部材が連結部材の一部として構成要素とされているものであっても良い。
また、第7の発明(請求項7記載の発明)は、上記第6の発明において、前記筒状部材の一端側又は他端側には、一方のナット側ネジと、この一方のナット側ネジとは反対方向となされた他方のナット側ネジとが内周に形成された張力調整用ナットを有し、この張力調整ナットの一端側又は他端側には、一方の軸側ネジが外周に螺刻された固定軸と、を有してなるとともに、前記移動軸には、他方の軸側ネジが螺刻され、上記張力調整用ナットに螺刻された上記一方のナット側ネジには、上記一方の軸側ネジが螺着され、該張力調整用ナットに螺刻された上記他方のナット側ネジには、上記他方の軸側ネジが螺着されてなり、上記張力調整用ナットが特定方向又はその逆方向に回転操作されることにより、全体の長さが伸縮可能とされてなることを特徴とするものである。
この第7の発明に係る連結部材では、張力調整用ナットが特定方向又はその逆方向に回転操作されることにより、全体の長さが伸縮可能とされてなる。すなわち、この張力調整用ナットの内周には、互いに逆方向となされた一方のナット側ネジと他方のナット側ネジとが螺刻され、上記一方のナット側ネジには、上記固定軸の外周に螺刻された一方の軸側ネジが螺着され、上記他方のナット側ネジには、上記移動軸の外周に螺刻された他方の軸側ネジに螺着されていることから、この張力調整用ナットが特定方向又はその逆方向に回転操作されることにより、上記固定軸と移動軸との間隔が狭まり又は広がる。したがって、この連結部材の一端を上記ガイドポールの長さ方向に移動可能に取り付け、該連結部材の他端を上記基礎部に固定した後に、上記張力調整用ナットを特定方向又はその逆方向に回転操作することにより、連結部材の張力を適宜調整することが可能となる。そして、連結部材をこうした構成とすることにより、住宅の施工位置とそれぞれのガイドポールの施工位置とが設計された位置よりも僅かに差異を生じた場合(互いにずれた状態で施工された場合)であっても、そのずれを吸収し、先に説明した住宅の浮上構造のように、該連結部材を略直線状に配置することができる。
上記第1の発明(請求項1記載の発明)に係る住宅の浮上構造や第5の発明(請求項5記載の発明)に係る連結部材によれば、住宅本体や基礎部の荷重が偏っている場合であっても、安定した状態で住宅を浮上させることが可能となる。また、摩擦抵抗の急激な上昇を緩和することができる。
また、第2の発明(請求項2記載の発明)に係る住宅の浮上構造や第6の発明(請求項6記載の発明)に係る連結部材によれば、設計時点において想定された以上の張力が連結部材に作用した場合であっても、上記弾性材である弦巻バネが伸びきってしまったり切断されたりする事態を有効に回避することができる。
また、第3の発明(請求項3記載の発明)に係る住宅の浮上構造によれば、安定した状態で住宅を浮上させることが可能となるばかりか、水位が低下した場合には、浮上する前の位置(元の位置)又はその位置に相当近い位置に着座させることができ、ひいては着座した住宅を元の位置に戻すために要する困難な復旧作業から解放されるとともに、上下水道等の配管作業も容易に完了させることが可能となる。換言すれば、この第3の発明に係る住宅の浮上構造によれば、浮上する前の位置に極めて近い位置に住宅を着座させるために、それぞれの連結部材を上記ガイドポール側から基礎部側に亘って(余長の無い状態で)略直線状に配置しても、連結部材とガイドポールとの摩擦により該連結部材がガイドポールに沿って上方に移動しない(住宅が浮上しない)事態を有効に防止することができる。
また、第7の発明(請求項7記載の発明)に係る連結部材では、上記張力調整用ナットが特定方向又はその逆方向に回転操作されることにより、全体の長さが伸縮可能とされてなることから、こうした構成に係る連結部材の一端を上記ガイドポールの長さ方向に移動可能に取り付け、該連結部材の他端を上記基礎部に固定した後に、上記張力調整用ナットを特定方向又はその逆方向に回転操作することにより、連結部材の張力を適宜調整することが可能となり、ひいては、住宅の施工位置とそれぞれのガイドポールの施工位置とが設計された位置よりも僅かに差異(誤差)を生じた場合(互いにずれた状態で施工された場合)であっても、その差異(誤差)を吸収し、先に説明した住宅の浮上構造のように、該連結部材を略直線状に配置することができる。
本発明に係る住宅の浮上構造の一例を模式的に示す平面図である。 本発明に係る住宅の浮上構造の他の例を模式的に示す平面図である。 本発明に係る住宅の浮上構造の更に他の例を模式的に示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る住宅の浮上構造の要部を示す断面図である。 基礎部に固定金具が固定された状態を示す正面図である。 固定金具を示すものであり、(A)は該固定金具の正面図、(B)は該固定金具の側面図、(C)は該固定金具の平面図である。 垂直基礎部に固定された固定金具とポールとが連結部材により連結されている状態を示す平断面図である。 連結部材を拡大して示す断面図である。 水位の上昇に伴い住宅等が浮上する過程を示すものであり、(A)は浮上する前の状態を、(B)は上昇した後の状態を示す側面図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態に係る住宅の浮上構造ついて、図面を参照しながら詳細に説明する。
この住宅の浮上構造は、洪水や津波による水により、地盤上に形成された基礎部とこの基礎部に固定された住宅本体が一体的に浮上するものである。図1は、本発明に係る住宅の浮上構造の一例を模式的に示す平面図であり、中央に図示された住宅本体1の各角部からやや離間した位置には、それぞれガイドポール2が立設されている。すなわち、上記それぞれのガイドポール2は、上記住宅本体1の周囲に配置されている。また、上記住宅本体1は、高い水密性を有する耐水害住宅であり、後述する実施の形態に係る住宅の浮上構造において説明するように、コンクリートにより成形された基礎部上に固定されている。また、上記それぞれのガイドポール2は、地盤から立設されてなるものであり、円筒状又は円柱状に成形されている。なお、このガイドポール2の素材は、鉄又は木材からなるものであり、それぞれの高さ(地盤表面から先端までの長さ)は、政府又は自治体等から公表されたハザードマップにより想定された水位と同程度か或いはそれよりもやや高いものとされている。
そして、上記それぞれのガイドポール2と住宅本体1の下方に形成された(図1においては)図示しない基礎部とは、それぞれ直線状となされた連結部材3により互いに連結されている。上記それぞれの連結部材3は、線状材であるワイヤを主体としてなるものである。そして、これらの連結部材3の一端は、上記ガイドポール2の外周に掛け渡されており、後述するように水位の上昇により上記住宅本体1及び基礎部(以下、住宅本体1等と言う。)の上昇に伴って、該ガイドポール2の外周面にガイドされながら上昇し、また水位の低下に伴う住宅本体1等の下降により該連結部材3の自重により下降されるように構成されている。また、上記それぞれの連結部材3の他端は、上記基礎部(この基礎部を構成するとともに外周に形成された垂直基礎部)の外周の各角部に固定されている。なお、これら各連結部材3の他端を上記基礎部に固定する構造は、後述する実施の形態に係る住宅の浮上構造において詳細に説明する。
そして、上記それぞれの連結部材3の中途部には、弾性材4が配置されている。この弾性材4は、上記住宅本体1等に対して洪水や津波等により水圧がかかった場合や該住宅本体1等の荷重が偏っている等の原因により上記連結部材3に張力が作用した場合において、伸長される弦巻バネである。この弦巻バネである弾性材4の一端は、上記ガイドポール2の外周に掛け渡された一方の線状材(ワイヤ)3aの他端に連結され、該弾性材4の他端は、他端が上記基礎部(この基礎部を構成するとともに外周に形成された垂直基礎部)の外周の各角部に固定された他方の線状材(ワイヤ)3bの一端に連結されている。
なお、上記図1に示す住宅の浮上構造では、上記連結部材3を一方の線状材3aと、上記弾性材4と、他方の線状材3bにより構成したものであるが、図2に示す住宅の浮上構造の他の例のように、第1及び第2の連結部材(二組の連結部材)3により、上記ガイドポール2と住宅本体1等とを連結したものであっても良い。上記第1及び第2の連結部材3は、それぞれ基本的には図1に示す連結部材3と同じ構成からなるものであるが、それぞれの他端は、上記基礎部(垂直基礎部)の角部を挟んだ一方の外側面及び他方の外側面に固定されたものであるところに上記図1に示す連結部材3とは相違する。またさらに、この発明に係る住宅の浮上構造は、図3に示すように、異形の敷地4内に、異形の住宅本体1等が前面道路Rに面して建設される場合には、上記それぞれガイドポール2を、上記住宅本体1等の周囲に立設し、各ガイドポール2と上記基礎部(垂直基礎部)とを1つ又は2つの線状材を主体とした連結部材3により連結しても良い。この場合には、上記全面道路Rに面した住宅本体1等の(図3中)左右両側にガイドポール2,2が立設されていることから、該前面道路Rから観察された場合、上記各ガイドポール2,2は大きく目立ち外観を損ねたり使用勝手に悪影響を与えたりすることがない。
したがって、上述した住宅の浮上構造によれば、洪水や津波等による水の圧力が住宅本体1等に作用した場合や、住宅本体1の荷重が偏心している等して、複数の連結部材3のうちの一部の連結部材3に高い張力が生じた場合であっても、上記弾性材4が伸長されることにより該張力の一部は該弾性材4により吸収され、連結部材3の一端とガイドポール2との間で高い摩擦力が発生することを防止することができ、安定的に住宅を浮上させることができる。
次に、本発明の最良の実施の形態に係る住宅の浮上構造について、詳細に説明する。この住宅の浮上構造は、図4に示すように、地盤9上にコンクリートが打設されることにより成形された基礎部10と、この基礎部10上に固定された住宅本体11と、上記基礎部10及び住宅本体11の近傍に立設されたガイドポール12と、このガイドポール12と上記基礎部10(を構成する後述する垂直基礎部10b)とを互いに連結する連結部材13とを備えている。
上記地盤9は、土からなる部位と、上記基礎部10が形成される位置よりもやや広い面積に敷設されたコンクリート製地盤9aと、このコンクリート製地盤9aの内側に砕石が敷設されてなる砕石地盤9bとを備えている。なお、この実施の形態では、上記コンクリート製地盤9aの下方には更に砕石地盤9cが形成されている。また、上記コンクリート製地盤9a及び上記砕石地盤9bの上面であって、上記基礎部10が形成される部位には、透湿シート15が敷設されている。
そして、上記透湿シート15上には、基礎部10が形成されている。すなわち、上記基礎部10と上記コンクリート製地盤9a及び上記砕石地盤9bとの間には、上記透湿シート15が形成されている。また、上記基礎部10は、水平に成形された水平基礎部10aと、この水平基礎部10aから起立して形成された垂直基礎部10bとを備え、これら水平基礎部10a及び垂直基礎部10b内にはそれぞれ鉄筋16,17が配筋されている。そして、上記垂直基礎部10b上に上記住宅本体11が建築されている。なお、この住宅本体11は、壁や柱、玄関や勝手口或いは窓枠等の周囲から水が侵入しないように水密性が高く、また基礎部10に形成された図示しない換気口から床下に水が侵入しない構造等を備えた耐水害住宅である。
また、上記垂直基礎部10bであって最も外側に形成された垂直基礎部10bには、図4、図5又は図6に示すように、固定金具18が固定されている。この固定金具18は、図4に示すように正面が上記垂直基礎部10bの外側面と面一とされ外部に露出されてなるとともに水平方向に長さを有する長方形状に成形された金属製の固定板部18aと、この固定板部18aの下端に先端が溶接され上記垂直基礎部10bの肉厚方向に幅を有する水平板部18bと、を備えている。また、上記固定板部18aの上端側中途部には、図5に示すように、第1のナット部材19と第2のナット部材20が左右に並んで固定されている。これら第1及び第2のナット部材19,20は、上記垂直基礎部10b内に埋設される部位であり、それぞれ筒状に成形されてなるとともに、図6に示すように、内周面には後述するボルト部材30のボルト部30bが螺着されるナット部19a,20aが形成されている。また、上記第1及び第2のナット部材19,20は、それぞれの先端側外周が上記固定板部18aに固定(溶接)され、互いに平行とされた状態で該固定板部18aの背面から上記垂直基礎部10bの肉厚方向に延伸されている。
そして、上記水平板部18bの下面には、図6の(A)又は(B)に示すように、第1及び第2の脚部21,22が互いに平行に固定されている。これら第1及び第2の脚部21,22は、上記水平板部18bの幅方向(奥行方向)に長さを有するものであり、この実施の形態においては、直方体状に成形されている。なお、上記第1の脚部21と第2の脚部22との間の空間には、挿入空間18cが形成されている。また、この固定金具18を構成する上記固定板部18aの背面には、埋設部24の両端が溶接されている。この埋設部24は、図6の(C)に示すように、略U字状に成形されてなるものであり、該埋設部24と上記固定板部18bの背面との間は、図7に示すように、上記垂直基礎部10bの材料であるコンクリートが充填される充填空間18dとされている。
また、上記ガイドポール12は、図1に示した形態と同じように、上記住宅本体11の周囲の周囲に複数本立設されてなるものであり、具体的には図4に示すように、下端側は上記地盤9の表面から下方に埋設されており、該ガイドポール12の下端側中途部の周囲は根巻きコンクリート26により強固に固定されている。また、これらのガイドポール12は、それぞれ図7に示すように、鉄製パイプからなるものであり上端は閉塞されている。また、上記それぞれのガイドポール12の上端側の外周には、後述するように連結部材13が上昇した際において、該連結部材13の一端側が係止される抜け止め用の係止部12aが複数形成されている。これらの係止部12aは、それぞれ上記ガイドポール12の外周面から水平に形成された水平軸部(符号は省略する。)と、この水平軸部の先端から垂下してなる垂下軸部(符号は省略する。)とから構成されている。
また、上記連結部材13は、図4又は図8に示すように、上記ガイドポール12に外嵌挿されるO型リング31と、一端は上記O型リング31に係止された鋼製ワイヤ32と、この鋼製ワイヤ32の他端に固定された固定軸33と、この固定軸33が螺着された張力調整用ナット34と、この張力調整用ナット34に取り付けられる復元装置35と、を備えている。
上記O型リング31は、上記ガイドポール12の外径よりも長い内径を備えたものであり、また、上記鋼製ワイヤ32の一端には、該鋼製ワイヤ32の端部をワイヤクリップ32aにより中途部に固定することにより形成された挿通部32bが形成されている。この挿通部32bに上記O型リング31が挿通されることにより該O型リング31と鋼製ワイヤ32は連結されている。また、鋼製ワイヤ32の他端には、固定金具36を介して上記固定軸33が固定され、この固定軸33の外周には、該固定軸33の他端側中途部から他端に亘って一方の軸側ネジ33aが螺刻されている。また、上記張力調整用ナット34は、図8に示すように、その中途部から一端の内周には、一方のナット側ネジ34aが螺刻され、その中途部から他端の内周には、他方のナット側ネジ34bが螺刻されている。これら一方のナット側ネジ34aと他方のナット側ネジ34bとは、互いに回転方向が反対方向とされてなるものであり、該一方のナット側ネジ34aには、上記固定軸33に形成された一方の軸側ネジ33aが螺着されている。
また、上記復元装置35は、円筒状に成形された筒状部材41と、この筒状部材41の一端に固定され中央には軸挿通穴42aが形成された固定板42と、この固定板42に形成された軸挿通穴42aに挿通された移動軸43と、この移動軸43の先端に固定され上記固定板42と対向する移動板44と、上記固定板42と移動板44とに間に配置された2つの弦巻バネ45と、上記筒状部材41の他端に固定された蓋体46と、を備えている。上記筒状部材41は、円筒状に成形されてなるものであって、上記固定板42はこの筒状部材の一端に溶接されている。また、上記筒状部材41の他端側中途部には、それぞれ一方のネジ(符号は省略する。)が内周に螺刻された4つのネジ穴(符号は省略する。)が形成されている。また、上記移動軸43の一端側中途部は外部に露出されており、この露出された部位の中途部から一端までの外周には、他方の軸側ネジ43aが螺刻されている。また、この移動軸43の他端側には、図示しない他端側ネジが螺刻されている。また、上記移動軸43の他端に固定された上記移動板44は、上記筒状部材41内に配置され且つ上記固定板42に対向してなるものであって、その中心には上記移動軸43が挿通された図示しない円形状の挿通穴が穿設され、この挿通穴に挿通された該移動軸43の上記他端側ネジには、固定ナット47が螺着されている。
また、上記蓋体46は、円盤状に成形された円盤板46aと、この円盤板46aの外周に溶接され上記筒状部材41の外径と略同じ内径を備えた筒状部46bと、上記円盤板46aの外側面から起立してなり中央に円形状の開口46dが開設された連結片36cとから構成され、上記筒状部46bには、4つのボルト挿通穴(符号は省略する。)が成形されている。そして、上記筒状部材41と上記蓋体46とは、上記ボルト挿通穴に挿通され上記ネジ穴に螺着される他方のネジ(符号は省略する。)が螺刻された(計4つの)ボルト軸48aを頭部48bに備えた蓋固定ボルト48により固定されている。また、上記2つの弦巻バネ45は、上記筒状部材41内において、それぞれ直線状に配置されてなるものであり、内部には上記移動軸43が挿通されている。そして、上記復元装置35を構成する移動軸43(に形成された他方の軸側ネジ43a)は、上記張力調整用ナット34の内周に形成された他方のナット側ネジ34bに螺着されている。
また、上記復元装置35の蓋体46に形成された連結片46cには、図4に示すように、連結金具(シャックル)51が連結され、この連結金具(シャックル)51にはボルト部材(アイボルト)52が連結されており、このボルト部材(アイボルト)51が上記第2のナット部材20に螺着されている。そして、上述のように構成された連結部材13全体は、上記ガイドポール12側から上記住宅本体11の基礎部10側に亘って直線状に配置されている。
したがって、上述のように構成された実施の形態に係る住宅の浮上構造による場合であっても、洪水等の発生により上記住宅本体11及び基礎部10の周囲の水位が所定の高さ(住宅本体11等の浮力が該住宅本体11等の質量を超える高さ)に至った場合には、該住宅本体11及び基礎部10は図示しない地盤から一体的に上昇・浮上する。この際、上記連結部材13の一端に配置されたO型リング31は、上記住宅本体11等の上昇の程度に応じて追随するように、上記ガイドポール12にガイドされながら上昇する。すなわち、図9の(A)の状態から同図の(B)に示すように、住宅本体11等は浮上する。このとき、洪水や津波等の水圧が上記住宅本体11にかかったり、該住宅本体11の重心が偏ったりしている等の理由により、上記連結部材13に張力が作用した場合であっても、該張力は上記復元装置35を構成する弦巻バネ45が縮小することにより吸収され、上記ガイドポール12の外周面とO型リング31の内周面との間の摩擦抵抗により住宅本体11等が浮上しないという事態を有効に解消することができる。
また、上記洪水等が治まり水位が徐々に低下してくると、上記浮上した住宅本体11等は、上記それぞれの連結部材13を構成する復元装置35に収容された弦巻バネ45の弾性力により浮上する前の位置に着座される。したがって、こうした実施の形態に係る住宅の浮上構造によれば、住宅本体11等が下降した後に、ジャッキその他の機械装置を使用することにより、元の位置に移動・復帰させる作業は不要となる。
また、上記連結部材13には、上述した張力調整用ナット34が配置されていることから、上記ガイドポール12にO型リング31を外嵌挿するとともに、上記ボルト部材(アイボルト)51を上記第2のナット部材20に螺着する作業が終了した後に、この張力調整用ナット34を回動操作することにより、上記連結部材13全体が上記ガイドポール12側から上記住宅本体11の基礎部10側に亘って直線状とすることができる。すなわち、連結部材13をこうした構成とすることにより、住宅本体11の施工位置とそれぞれのガイドポール12の施工位置とが設計された位置よりも僅かに差異を生じた場合(互いにずれた状態で施工された場合)であっても、そのずれを吸収し、該連結部材13を略直線状に配置することができる。
1 住宅本体
2 ガイドポール
3 連結部材
4 弾性材
10 基礎部
11 住宅本体
12 ガイドポール
13 連結部材
31 O型リング
32 鋼製ワイヤ
33 固定軸
33a 一方の軸側ネジ
34 張力調整用ナット
34a 一方のナット側ネジ
34b 他方のナット側ネジ
41 筒状部材
42 固定板
42a 軸挿通穴
44 移動板
45 弦巻バネ
46 蓋体

Claims (7)

  1. 洪水や津波による水により、地盤上に形成された基礎部とこの基礎部に固定された住宅本体が一体的に浮上する住宅の浮上構造であって、上記住宅本体から離間した位置において鉛直方向に起立してなるとともに該住宅本体の周囲に設置された複数のガイドポールと、一端は上記ガイドポールの長さ方向に移動可能に取り付けられ、他端は上記基礎部に固定されてなるとともにそれぞれ同一の長さとされた連結部材と、を備え、
    上記それぞれ連結部材には、該連結部材に張力が作用した際に伸長され又は収縮される弾性材を備えてなり、
    上記基礎部と住宅本体とが一体的に浮上することにより、上記連結部材の一端側が上記ガイドポールに沿って移動されるように構成されてなることを特徴とする住宅の浮上構造。
  2. 前記弾性材は、弦巻バネからなるとともに、
    前記連結部材は、上記弦巻バネが収容されてなる筒状部材と、この筒状部材の一端に固定され中央には軸挿通穴が形成された固定板と、この固定板に形成された軸挿通穴に挿通された移動軸と、この移動軸の先端に固定され上記固定板と対向する移動板と、を備え、
    上記弦巻バネは、上記固定板と移動板との間に配置されてなり、前記連結部材に張力が作用した場合には、上記移動板が固定板側に移動することにより縮小されるように構成されてなることを特徴とする請求項1記載の住宅の浮上構造。
  3. 前記弾性材を備えた連結部材は、前記ガイドポール側から前記基礎部側に亘って略直線状に配置されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の何れかの住宅の浮上構造。
  4. 前記筒状部材の他端には、該筒状部材の他端を閉塞する蓋体が着脱可能に取り付けられてなるとともに前記移動板は前記移動軸に着脱可能に取り付けられ、この蓋体を筒状部材から取り外し上記移動板を上記移動軸から取り外すことにより、前記弦巻バネを該筒状部材内から取り出し可能とされてなることを特徴とする請求項2又は3記載の何れかの住宅の浮上構造。
  5. 前記請求項1記載の住宅の浮上構造に用いられる連結部材であって、
    一端は前記ガイドポールに対して該ガイドポールに沿って移動可能に取り付けられる一方の連結部と、他端は住宅の基礎部に固定された連結金具に連結される他方の連結部と、を備え、
    上記一方の連結部と他方の連結部との間には、該連結部材に張力が作用した際に伸長され又は収縮される弾性材を備えてなることを特徴とする連結部材。
  6. 前記弾性材は、弦巻バネからなるとともに、
    前記連結部材は、上記弦巻バネが収容されてなる筒状部材と、この筒状部材の一端に固定され中央には軸挿通穴が形成された固定板と、この固定板に形成された軸挿通に挿通された移動軸と、この移動軸の先端に固定され上記固定板と対向する移動板と、を備え、
    上記弦巻バネは、上記固定板と移動板との間に配置されてなり、前記連結部材に張力が作用した場合には、上記移動板が固定板側に移動することにより縮小されるように構成されてなることを特徴とする請求項5記載の連結部材。
  7. 前記筒状部材の一端側又は他端側には、一方のナット側ネジと、この一方のナット側ネジとは反対方向となされた他方のナット側ネジとが内周に形成された張力調整用ナットを有し、この張力調整ナットの一端側又は他端側には、一方の軸側ネジが外周に螺刻された固定軸と、を有してなるとともに、
    前記移動軸には、他方の軸側ネジが螺刻され、
    上記張力調整用ナットに螺刻された上記一方のナット側ネジには、上記一方の軸側ネジが螺着され、該張力調整用ナットに螺刻された上記他方のナット側ネジには、上記他方の軸側ネジが螺着されてなり、
    上記張力調整用ナットが特定方向又はその逆方向に回転操作されることにより、全体の長さが伸縮可能とされてなることを特徴とする請求項6記載の連結部材。
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