JP2022041254A - 搬送装置、及び、搬送装置の連結方法 - Google Patents

搬送装置、及び、搬送装置の連結方法 Download PDF

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美博 平原
Yoshihiro Hirahara
勝美 権田
Katsumi Gonda
勝至 五百部
Katsuji Iobe
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Abstract

【課題】作業員が乗ることができる搬送装置を提供する。【解決手段】資機材を搬送する搬送装置は、前記資機材を収納する空間を形成する側面部と、前記側面部に対して直交し、かつ、前記空間の天井を形成する天井部とを備え、前記側面部は、前記側面部が高さ方向に可動であり、前記側面部が前記高さ方向における上方向に移動すると、前記天井部に作業員が搭乗して作業する場合における手すりとなる、又は、前記側面部が前記高さ方向における上方向に移動し、回転して、他の搬送装置と連結すると、前記作業員が搭乗して作業する場合における足場となる。【選択図】図1

Description

本発明は、搬送装置、及び、搬送装置の連結方法に関する。
建築現場等において、資機材を搬送する搬送装置が知られている。
例えば、いわゆるコンテナを用いて資機材を搬送する方法が知られている。具体的には、まず、コンテナは、畳んだ状態で保管される。そして、資機材を搬送する場合になると、コンテナが組み立てられる。このように、コンテナが組み立てられると、コンテナには資機材が収納できるようになる。したがって、資機材を搬送するのに、コンテナを組み立て、資機材を収納した後、資機材を収納しているコンテナを移動させることで、資機材を搬送させる方法が知られている(例えば、非特許文献1等)。
また、AGV(Automated Guided Vehicle、無人搬送車)を用いることで資機材を搬送する方法が知られている。具体的には、資機材を積み下ろしするために水平搬送手段等を有するAGVによって、資機材を水平方向において自動的に搬送することで、労働生産性を向上させる方法が知られている(例えば、特許文献1等)。
ほかにも、建築現場における工区又はストックヤードに資機材を搬送するのに、フォークリフト、又は、揚重リフト等が用いられる場合がある。そして、フォークリフト、又は、揚重リフト等を用いると、複数の階へ資機材が搬送できる。そこで、フォークリフト、又は、揚重リフト等を用いて、資機材をあらかじめ決められた作業が行われる位置に自動的に搬送する方法が知られている(例えば、特許文献2等)。
特開2019-28974号公報 特公平8-18649号公報
朝日機材株式会社、"E-コンテナ"、[online]、2011年9月、[2019年11月19日検索]、インターネット〈URL:http://www.asahikizai.com/wp-content/uploads/2018/10/e_container_okyaku.pdf〉
しかしながら、従来の搬送装置は、いわゆる足場として使用できない場合が多い。すなわち、搬送装置の上に作業員が乗って、天井等の高所に対して作業を行うことができない場合が多い。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、作業員が乗ることができる搬送装置を提供することを目的とする。
本発明の各実施形態に係る搬送装置、及び、搬送装置の連結方法は、例えば、以下のような構成である。
資機材を搬送する搬送装置(例えば、図1に示す搬送装置100等である。)は、
前記資機材を収納する空間(例えば、図1に示す空間SP等である。)を形成する側面部(例えば、図18に示す側面板PT等である。)と、
前記側面部に対して直交し、かつ、前記空間の天井を形成する天井部(例えば、図18に示す天井CE等である。)とを備え、
前記側面部は、前記側面部が高さ方向に可動であり、
前記側面部が前記高さ方向における上方向に移動すると、前記天井部に作業員が搭乗して作業する場合における手すり(例えば、図21に示す手すりHR等である。)となる、
又は、
前記側面部が前記高さ方向における上方向に移動し、回転して、他の搬送装置と連結すると、前記作業員が搭乗して作業する場合における足場(例えば、図20に示す側面板PT等である。)となる。
このような構成であると、例えば、図21に示すような作業員が乗ることができる搬送装置にできる。
また、前記側面部は、
他の搬送装置と接する箇所の一部又は全部が薄くなる形状である(図22に示す連結部CN又は図29に示す形状の先端部を用いる連結部等である)。
特に、前記側面部は、
他の搬送装置に向かって、一部又は全部が薄くなるL字の形状である(図22に示す先端部PTL等である)。
また、前記側面部の先端部と、他の搬送装置が備える天井部が接する箇所となって連結し、
前記先端部の一部又は全部が薄くなる形状である(例えば、図29に示す形状の先端部を用いて図30等のように連結する等である)。
このように、厚みが薄くなる形状であると、段差を小さくすることができる。
また、資機材を搬送する搬送装置(例えば、図1に示す搬送装置100等である。)は、
前記資機材を収納する空間(例えば、図1に示す空間SP等である。)を形成する側面部(例えば、図23に示す側面板PT等である。)と、
前記側面部に対して直交し、かつ、前記空間の天井を形成する天井部(例えば、図18に示す天井CE等である。)とを備え、
前記側面部は、
第1高さ(例えば、図23に示す第1高さH1等である。)、又は、前記第1高さより低い第2高さ(例えば、図23に示す第2高さH2等である。)のうち、いずれかの高さで他の搬送装置と連結させ、かつ、作業員が搭乗して作業する場合における足場となる(例えば、図21又は図25等のいずれかである)。
このような構成であると、例えば、図21又は図25に示すような作業員が乗ることができる搬送装置にできる。
また、前記側面部をスライドさせて前記第1高さ、又は、前記第2高さを切り替える(例えば、図23に示す第1高さH1から第2高さH2に切り替える等である)。
このような構成であると、例えば、図21又は図25に示すような作業員が乗ることができる搬送装置にできる。
また、水平方向又は奥行き方向の少なくともいずれか一辺(例えば、図28に示すX軸方向又はY軸方向の辺である。)が1060mm以下の寸法である。このように、小さい搬送装置100であると、トラック等に複数の搬送装置100を搭載できる。
また、前記側面部は、
前記側面部が高さ方向に可動であり、かつ、前記側面部が前記高さ方向における上方向に移動すると、前記天井部に作業員が搭乗して作業する場合における手すりとなる(例えば、図2(A)に示す手すりHR等である)。
以上のような構成であると、搬送装置100は、天井部があるため、作業員が乗ることができる。このように、搬送装置100は、資機材を作業箇所に搬送でき、かつ、作業箇所において足場にできる構成である。
また、前記側面部が前記高さ方向における上方向に移動すると、前記空間に対する開口部(例えば、図2(A)に示す開口部OP等である。)が形成される構成が望ましい。
以上のような構成であると、開口部OPから、あらかじめ搭載される資機材を取り出す、又は、空間SPに資機材を収納することが可能である。
また、前記側面部が前記高さ方向における上方向に移動すると、
前記手すりが前記天井部から900ミリメートル以上の高さになる構成(例えば、図2(A)に示すような場合である。)が望ましい。
以上のような構成であると、搬送装置100は、労働安全衛生規則等で定まる要件を満たし、作業員MN等の落下を防止できる。
また、前記天井部は、
床面からの高さが2000ミリメートル未満、かつ、1500ミリメートル以上である構成が望ましい(例えば、図1(A)に示すZ軸方向の搬送装置100の高さである)。
以上のような構成であると、搬送装置100は、高所の作業に足場となり、かつ、容易に設置できる。
また、搬送装置100は、前記側面部と、他の側面部との境目に発生する隙間を塞ぐ補助板を更に備える構成が望ましい。
以上のような構成であると、搬送装置100は、つまづき等の事故を防ぐことができる。
搬送装置の連結方法は、
資機材を収納する空間を形成する側面部と、
前記側面部に対して直交し、かつ、前記空間の天井を形成する天井部とを備える搬送装置を連結させる連結方法であって、
前記側面部を高さ方向における上方向に移動させて、前記天井部に作業員が搭乗して作業する場合における手すりを設置する手順
又は、
前記側面部は、
他の搬送装置と連結させ、かつ、前記作業員が搭乗して作業する場合における足場を形成する手順のいずれかを含む(例えば、図17に示すような連結方法である)。
以上のような連結方法で搬送装置を作業員が乗ることができる足場にできる。
搬送装置の連結方法は、
資機材を収納する空間を形成する側面部と、
前記側面部に対して直交し、かつ、前記空間の天井を形成する天井部とを備える搬送装置を連結させる連結方法であって、
第1高さ、又は、前記第1高さより低い第2高さのうち、いずれかの高さで他の搬送装置と連結する高さを判断する判断手順と、
前記判断手順で選ばれた前記第1高さ、又は、前記第2高さのいずれかで、前記側面部で他の搬送装置と連結させ、かつ、作業員が搭乗して作業する場合における足場を形成する手順と
を含む(例えば、図27に示すような連結方法である)。
以上のような連結方法で搬送装置を作業員が乗ることができる足場にできる。
本発明に係る各実施形態によれば、作業員が乗ることができる搬送装置を提供することができる。
搬送装置の例を示す図である。 側面部を高さ方向において上方向に移動した場合の例を示す図である。 梯子を備えた搬送装置の例を示す図である。 動作装置を用いる例を示す図である。 動作装置が搬送装置を動かす例を示す図である。 搬送装置と動作装置の切り離し例を示す図である。 自動搬送の例を示す図である。 情報処理システムによる管理例を示す図である。 複数の搬送装置を連結する第1例を示す図である。 複数の搬送装置を連結する第2例を示す図である。 複数の搬送装置を連結する第3例を示す図である。 複数の搬送装置を連結する第4例を示す図である。 複数の搬送装置を連結する第5例を示す図である。 搬送方法の例を示す図である。 第2実施形態の搬送装置の外観例を示す図である。 搬送装置の寸法及び形状等の例を示す図である。 搬送装置の連結方法の例を示す図である。 側面部を用いて搬送装置を連結し、足場を作る例を示す図(その1)である。 側面部を用いて搬送装置を連結し、足場を作る例を示す図(その2)である。 側面部を用いて搬送装置を連結し、足場を作る例を示す図(その3)である。 側面部を用いて搬送装置を連結し、足場を作る例を示す図(その4)である。 連結部の詳細を示す図である。 第2高さでの連結例を示す図である。 足場の形成例を示す図である。 第3実施形態において、側面部を用いて搬送装置を連結し、足場を作る例を示す図である。 動線の例を示す図である。 連結方法の例を示す図である。 搬送装置の変形例を示す図である。 先端部の形状例を示す図である。 連結部の第1変形例を示す図である。 連結部の第2変形例を示す図である。 方杖を用いる変形例を示す図である。 妻側に手すりを形成する変形例を示す図である。
以下、発明を実施するための最適かつ最小限な形態を中心にし、図面を参照して説明する。なお、図面において、同一の符号を付す場合には、同様の構成であることを示し、重複する説明を省略する。また、図示する具体例は、例示であり、図示する以外の構成が更に含まれる構成であってもよい。
<第1実施形態>
<搬送装置の構成例>
図1は、搬送装置の例を示す図である。以下、搬送装置100によって資機材が搬送される搬送方向を「Y軸方向」とする。そして、Y軸に対して、直交する直交方向を「X軸方向」とする。したがって、X-Y平面が床面GDと平行する面となる。さらに、高さ方向を「Z軸方向」とする。
図1(A)は、側面図である。また、図1(B)は、正面図である。さらに、図1(C)は、平面図である。
そして、搬送装置100は、図示するように、Y軸方向に「4200ミリメートル」の長さである。さらに、搬送装置100は、Z軸方向に「1950ミリメートル」の高さである。また、搬送装置100は、X軸方向に「900ミリメートル」の幅である。
資機材は、建築現場において、作業に用いる道具、建物に設置される部材、材料又はこれらに付随する付随品等である。例えば、建物に設置される部材は、建物の天井に設置される配管、ダクト、空調機、送風機、又は、これらを天井に設置するための吊治具等である。
図1(A)に示すように、搬送装置100は、側面部の例となるメッシュMEを備える構成である。具体的には、メッシュMEは、Y軸方向に設置される板材等である。また、図示する例は、Y軸方向にメッシュMEを4つ設置した場合の例である。さらに、図示する例は、X軸方向、すなわち、前面となる位置にもメッシュMEを設置した場合の例である。このように、メッシュMEは、側面に複数設置される。
図1(C)に示すように、搬送装置100は、側面部に対して直交する方向(図では、X-Y平面上である。)に、天井部の例となる天井板PLを備える。すなわち、天井板PLは、搬送装置100における天井を形成する板である。
図示するように、天井板PL及びメッシュMEで囲われた内側の空間SPに、資機材が収納される。したがって、資機材を空間SPに収納した後、搬送装置100を移動させると、資機材を搬送できる。
搬送装置100は、資機材を収納した後、図示するような形式で搬送される。一方で、搬送装置100は、搬送された後、例えば、以下のように設定される。
図2は、側面部を高さ方向において上方向に移動した場合の例を示す図である。図1と比較すると、図2は、4つのメッシュMEのうち、1つのメッシュMEをZ軸方向において上方向に移動させた点が異なる。
このように、メッシュMEは、Z軸方向に上下に可動する機構である。具体的には、メッシュMEは、Z軸方向にスライドする機構である。また、メッシュMEは、上方向に移動させた後、移動後の位置で固定できる機構である。
図2に示す状態では、メッシュMEが上方向に移動したことで、開口部OPが形成される。したがって、開口部OPから、あらかじめ搭載される資機材を取り出す、又は、空間SPに資機材を収納することが可能である。
また、メッシュMEが上方向に移動したことで、メッシュMEが手すりHRとなる。具体的には、図2(A)に示すように、メッシュMEは、天井等の高所に対して作業を行う位置(いわゆる作業箇所である。作業箇所は、あらかじめ計画等で定められているとする。)で、作業員MNが搬送装置100を足場(労働安全衛生規則において、「架設通路」、「足場」、「作業床」、又は、「鋼管足場」等である。以下単に「足場」という。)にして使用する際に、メッシュMEが上方向に移動する。
このようにすると、作業箇所に資機材を搬送することができる。
さらに、作業箇所では、搬送装置100が足場にできる。メッシュMEが手すりHRとなるため(図2(A)において、他のメッシュMEも上方向に移動させると、天井部を囲むようにできる。)、作業員MNの落下を防止することができる。
このように、搬送装置100は、天井部があるため、作業員が乗ることができる搬送装置であって、資機材を作業箇所に搬送でき、かつ、作業箇所において足場にできる構成である。
ゆえに、搬送装置100を用いると、作業箇所と資機材を置く置き場(以下単に「置き場」という。)を分けずに配置等ができる。
従来、置き場には、資機材を置くため、置き場となる位置には、足場が設置できない。そのため、置き場とした場合には、資機材を別の位置へ搬送しないと、足場が設置できずに、作業箇所にできない場合が多い。そのため、作業効率が悪い場合が多い。
一方で、搬送装置100は、資機材を収納できるため、搬送装置100がある位置が置き場にできる。さらに、搬送装置100は、足場にもできるため、搬送装置100がある位置を作業箇所にもできる。ゆえに、搬送装置100の位置は、置き場と作業箇所を兼ねることができる。そのため、足場を組むために資機材を別の位置へ搬送する等の作業が少なくできるため、作業効率を良くすることができる。
<変形例>
搬送装置100は、以下のような構成でもよい。
メッシュMEは、搬送中に、収納する資機材が落下するのを防止できる形状であればよく、例えば、網状の部材であればよい。
メッシュMEは、スライド以外に可動する方式でもよい。例えば、メッシュMEがZ軸において下方にある状態(例えば、図1に示す状態である。)から、メッシュMEは、メッシュMEの上端部を回転の軸にして回動(Y軸を軸にする回転であって、いわゆるPitch回転する方式となる。)する機構でもよい。
ほかにも、メッシュMEは、搬送装置100から取り外し及び取り付けが可能な機構でもよい。具体的には、図1に示す状態からメッシュMEを取り外した後、図2に示すような状態となるように、メッシュMEが持ち上げられた状態で取り付けできる機構でもよい。
側面部は、メッシュMEに限られない。すなわち、側面部は、資機材を収納する空間が形成でき、かつ、高さ方向において上方向に移動させた際に手すりになる部材であればよい。したがって、側面部は、板材、棒材、又は、これらの組み合わせ等でもよい。
また、メッシュMEは、4つでなくともよい。すなわち、側面部は、4つ以上、又は、4つ未満のメッシュMEで構成されてもよい。さらに、側面部は、2つ以上のメッシュMEを1つにした物体でもよい。すなわち、2つ以上のメッシュMEをつなげて、1回の開閉で複数のメッシュMEが開閉できてもよい。
なお、メッシュMEは、いわゆる前面及び後面となる面にも設置されてもよいし、設置されなくともよい。
なお、上記の例では、長手方向を搬送方向とした例で説明したが、長手方向が常に搬送方向でなくともよい。すなわち、搬送装置100は、長手方向以外の方向にも搬送されてよい。
また、天井板PLは、1つの板材でもよいし、又は、複数の板材の組み合わせでもよい。
搬送装置100は、一般社団法人 仮設工業会が定める仮設機材認定基準(以下単に「仮設機材認定基準」という。)を満たす構成であるのが望ましい。具体的には、移動式室内足場、高所作業台、又は、アルミニウム合金製可搬式作業台等は、建築現場等で足場として使用するには、安全性を確保するため、仮設機材認定基準で定められる要件等を満たす必要がある。
すなわち、従来のコンテナ等は、建築現場等では足場としては使用できない場合が多い。一方で、仮設機材認定基準を満たす搬送装置100であると、建築現場等において、資機材を搬送し、かつ、足場としても使用ができる。
同様に、天井部は、仮設機材認定基準において、金属製足場板、又は、はり渡し等の基準を満たす構成であるのが望ましい。
さらに、手すりHRは、仮設機材認定基準において、くさび緊結式足場用先行手すり、枠組足場用手すり枠、くさび式足場用手すり及び中桟、又は、階段開口部用手すり枠等の基準を満たす構成であるのが望ましい。
以上のような仮設機材認定基準を満たす構成であると、労働安全衛生法 第42条、労働安全衛生法施行令 第13条、労働安全衛生法施行令 別表第8に定める鋼管足場用の部材及び附属金具に適合するため、建築現場等に設置が可能となる。
したがって、天井部の材料及び構造等は、労働安全衛生規則 第二編 第十章 第二節 第559条乃至第563条、及び、第570条乃至第573条に規定される材料、規格、材質、肉厚、構造、及び、寸法等の要件を満たすのが望ましい。
また、手すりHRは、図2(A)の例における「900ミリメートル」のように、天井部からの高さが「850ミリメートル以上」であるのが望ましい。このような高さのある手すりHRであると、労働安全衛生規則第二編第十章第二節 第552条第1項第4号イを満たす手すりにできる。
このように、搬送装置100は、手すりHRによって作業員MNの落下を防止できる。
搬送装置100は、床面GDからの高さが「2000ミリメートル未満」であるのが望ましい。高さが「2メートル以上」の構造の足場を組み立てるには、例えば、労働安全衛生規則 第二編 第十章 第二節 第564条等による措置を講じる義務が生じる場合がある。そこで、搬送装置100は、床面GDからの高さが「2000ミリメートル未満」であると、設置等が容易にできる。一方で、搬送装置100は、天井等の高所に対して作業するには、足場として、ある程度の高さがあるのが望ましい。ゆえに、搬送装置100は、床面GDからの高さが「1500ミリメートル以上」であるのが望ましい。
このように、1500ミリメートル以上、かつ、2000ミリメートル未満の高さであると、搬送装置100は、高所に対して作業を行う場合において足場となり、かつ、容易に設置できる。
また、搬送装置100は、図1(A)に示す「4200ミリメートル」のように、搬送方向において、「4000ミリメートル以上」の長さであるのが望ましい。例えば、建築現場等では、梁又は桁等の定尺材は、「4メートル」、「5メートル」、及び、「6メートル」等である。したがって、搬送装置100は、定尺材を収納できるように「4000ミリメートル以上」の長さを有するのが望ましい。また、搬送装置100の空間SPは、定尺材を収納する上で、長さにある程度余裕があるのが望ましい。したがって、搬送装置100は、「4200ミリメートル」のような長さであると、定尺材を収納できる。
また、搬送装置100は、図1(B)に示す「900ミリメートル」のように、直交方向における幅が「900ミリメートル」乃至「1000ミリメートル」であるのが望ましい。
搬送装置100は、建築現場等には、トラック等で輸送される場合が多い。そして、トラックの荷台は、幅が「2メートル」程度である場合が多い。そこで、搬送装置100の幅が「900ミリメートル」乃至「1000ミリメートル」であると、トラックの荷台等に複数台搭載させるのに、作業が容易にできる。
また、搬送装置100は、天井部への搭乗を補助する梯子LAを更に備えるのが望ましい。例えば、搬送装置100は、以下のような構成である。
図3は、梯子を備えた搬送装置の例を示す図である。以下、搬送装置100の側面図(図1(A)等と同様の図面である。)で説明する。
図示するように、搬送装置100は、例えば、側面に梯子LAを備える。このように、梯子LAがあると、作業員MNは、天井部の上に搭乗するのが容易になる。
搬送装置100は、天井等の高所に対して作業を行うため、「2000ミリメートル」程度の高さになる場合が多い。そのため、天井部の上に搭乗するには、梯子LAのように搭乗を補助する機材がないと、作業員MNが天井部の上に搭乗するのが難しい。
そこで、図示するように、梯子LAを備える構成にすると、天井部の上に作業員MNが搭乗するのが容易にできる。特に、梯子LAが一体であると、梯子LAを設置する作業等が少なくできるため、作業をより効率化できる。ただし、梯子LAは、後付けできる構成でもよい。
なお、梯子LAの形状、設置位置及び数は、図示するような位置及び数に限られない。すなわち、梯子LAは、側面以外となる前面又は後面等に設置されてもよい。また、梯子LAは、複数設置されてもよい。
例えば、梯子LAは、前面(図1(B)で示す面である。)又は後面等の位置に設置されると、梯子LAを用いて作業員MNが天井部の上に搭乗又は天井部から降りる場合等に、作業員MNの体重に基づいて梯子LA付近にモーメントが発生しても、搬送装置100が倒れにくい。したがって、梯子LAは、前面又は後面等のように短辺側に設置されるのが望ましい。
搬送装置100は、例えば、以下のように、動作装置と組み合わせて使用されるのが望ましい。
図4は、動作装置を用いる例を示す図である。例えば、動作装置の例である、AGV(Automated Guided Vehicle、無人搬送車 以下、「AGV101」という。)によって、搬送装置100は、所定の位置に動かされるのが望ましい。このように、動作装置の例であるAGV101、及び、搬送装置100を有する搬送システムが構成されてもよい。なお、搬送システムは、1以上の情報処理装置を更に有する構成でもよい。例えば、搬送システムでは、AGV101と情報処理装置は、ネットワークを介して接続される。具体的には、搬送システムは、後述する図8に示す情報処理システム10、サーバ11、情報処理端末又はこれらの組み合わせ等を用いてもよい。
このような構成であると、作業員MNが乗ることができる搬送装置を提供でき、かつ、搬送装置100を夜間等の作業終了後に自動的に搬送することができる。
AGV101は、搬送装置100を動かすアクチュエータ、AGV101の現在位置等を計測するためのセンサ、他の外部装置と通信を行うための通信装置、目的地等を入力するためのインタフェース、電源、及び、各ハードウェアを制御するための制御装置等を有するハードウェア構成である。
なお、AGV101は、上記のようなハードウェア構成に限られない。すなわち、AGV101は、搬送装置100を動かすことができる装置であればよい。また、AGV101は、1台の装置でなくともよい。すなわち、AGV101は、複数の装置で1台の搬送装置100を動かす装置でもよいし、又は、AGV101は、情報処理装置等を内部又は外部に接続する構成等でもよい。
例えば、AGV101は、搬送装置100を以下のように動かす。
図5は、動作装置が搬送装置を動かす例を示す図である。以下、初期位置P1に、搬送装置100が置かれているとする。そして、AGV101には、設置位置P2があらかじめ入力される。以下、初期位置P1が「1階」であり、かつ、設置位置P2が「2階」であって、初期位置P1と設置位置P2の階が異なる例で説明する。
この例では、AGV101は、まず、初期位置P1からエレベータEVに搬送装置100を動かす。そして、エレベータEVによって、搬送装置100は、「1階」から「2階」へ持ち上げられる。そして、エレベータEVによって、「2階」まで持ち上げられた後、AGV101は、設置位置P2まで搬送装置100を動かす。
このように、AGV101によって搬送装置100が所定の位置に設置されると、例えば、作業が行われない夜間等のうちに、搬送装置100を作業箇所等に設置できる。ゆえに、搬送装置100を設置する作業の負荷を軽減させることができる。
また、AGV101は、エレベータEV等を使用できるのが望ましい。このように、エレベータEV等を使用して搬送装置100を動かすことができると、各階にAGV101を設置せず、複数の階でAGV101を兼用できる。すなわち、AGV101の数を少なくできる。
また、搬送装置100とAGV101は、以下のように、切り離しできるのが望ましい。
図6は、搬送装置と動作装置の切り離し例を示す図である。例えば、AGV101は、設置位置P2に搬送装置100を設置した後、図示するように、搬送装置100とは別に切り離されるのが望ましい。このように、搬送装置100とAGV101が切り離せると、AGV101は、他の搬送装置100も動かすことができる。
一方で、搬送装置100は、センサ、通信装置、インタフェース及制御装置等を備えるハードウェア構成でもよい。すなわち、搬送装置100がAGVの機能を有する構成でもよい。そして、搬送装置100は、AGVの機能により、搬送装置100が有する車輪をアクチュエータで駆動させて制御装置による制御に基づいて自走する構成でもよい。
このようなAGV101を用いると、例えば、以下のように搬送装置100を設置できる。
図7は、自動搬送の例を示す図である。この例では、まず、搬送装置100は、トラック21によって、建築現場に輸送される。その後、搬送装置100は、フォークリフト20によって、トラック21から降ろされる。次に、搬送装置100は、フォークリフト20によってエレベータEVの近くへ置かれる。この位置が、図5における初期位置P1となる。すなわち、初期位置P1に、あらかじめAGV101が準備されると、初期位置P1から、図5に示すように、AGV101及びエレベータEVによって、搬送装置100は、別の階に持ち上げられる。そして、エレベータEVによって、設置位置P2の階まで、搬送装置100及びAGV101が持ち上げられた後、搬送装置100は、設置位置P2の位置まで動かされる。
このように、搬送装置100が自動的に搬送されるのが望ましい。ただし、すべて自動的に搬送されるのではなく、この例のように、一部にフォークリフト20又は作業員MN等による搬送があってもよい。
以上のような自動搬送を行う上で、例えば、以下のような情報処理システムが用いられてもよい。
図8は、情報処理システムによる管理例を示す図である。
BIM(Building Information Modeling)データによって、3DのCADデータと、各モデルに持たせた設計情報又は属性情報とを対応させると、いくつかのモデルから、情報処理システム10は、何階かを判断できる。また、区域の名称等は、属性情報等から読み出して表示できる。
したがって、図面データ入力手順が行われると、情報処理システム10は、図面を表示する。具体的には、情報処理システム10は、建築物を図面で示し、図面に対応させて固定ビーコン及び移動ビーコン等を表示できる。
情報処理システム10は、搬送装置100等を管理する。すなわち、情報処理システム10は、搬送装置100をマッピング、及び、設置位置P2への移動を制御等を行う。
例えば、情報処理システム10は、サーバ11、第1情報処理端末102及び第2情報処理端末103等の情報処理装置を有する。また、サーバ11、第1情報処理端末102及び第2情報処理端末103は、有線又は無線で接続され、相互にデータを送受信することが可能である。したがって、情報処理システム10では、サーバ11による処理結果が、第1情報処理端末102及び第2情報処理端末103等に出力され、各拠点又は現場事務所等で処理結果を見ることができる。また、第1情報処理端末102及び第2情報処理端末103等で操作を入力することで、サーバ11は、操作を受け付けることができる。
なお、情報処理システム10は、図示するような構成に限られない。すなわち、情報処理システム10が有する情報処理装置は、1台でもよいし、2台以上の複数であってもよい。以下、図示する構成を例に説明する。
まず、建築現場では、搬送装置100に、ビーコン(Beacon)信号を発信する発信器が設置される。さらに、建築現場における柱等にも、発信器が設置される。以下、搬送装置100に設置される発信器を「移動ビーコン121」という場合がある。移動ビーコン121は、搬送装置100が移動すると、一緒に移動するので位置が変動する。すなわち、移動ビーコン121は、搬送装置100の現在位置を知らせるセンサ及び通信装置である。以下、移動ビーコン121の位置は、搬送装置100の位置と同じであるとする。
一方で、建築現場における柱等に発信器が設置され、原則としては位置が固定となる。以下、建築現場における柱等に設置される発信器を「固定ビーコン122」という場合がある。したがって、固定ビーコン122の位置は、あらかじめ設置される位置で固定であるとする。
また、この例における建築現場では、現場作業員201及び現場作業員202は、スマートフォン、タブレット又はノートPC(Personal Computer)等の携帯端末104を持つとする。以下、携帯端末104が各発信器からの信号を受信する受信器になるとする。そして、受信器は、各発信器からの信号が示す内容、すなわち、各発信器のそれぞれの位置が特定できるデータ(以下「測位データ」という。)を情報処理システム10に送信する。なお、様々なデータが送信されるタイミングは、あらかじめ設定される周期ごとでもよいし、不定期でもよい。
このような測位データ等があると、AGV101は、現在位置等を把握できる。したがって、建築現場のマップデータ等を用いると、AGV101は、現在位置と設置位置P2の差から、どのように搬送装置100を動かしたらよいか等を把握できる。
なお、情報処理システム10は、図示する以外の情報処理装置及びセンサを有する構成でもよい。
また、搬送装置100は、例えば、以下のように連結して使用してもよい。
図9は、複数の搬送装置を連結する第1例を示す図である。まず、図9(A)に示すように、AGV101等によって、2台以上の搬送装置100を設置位置P2に設置したとする。
図9(B)に示すように、例えば、複数の搬送装置100は、連結部の例である、連結板300等によって連結して使用してもよい。
連結板300は、図9(B)に示すように、搬送装置100に収納できるように可動な構成であるのが望ましい。そして、連結板300は、図9(B)のように、搬送装置100を連結した場合には、連結板300上に作業員MNが搭乗できる構成であるのが望ましい。このように、搬送装置100を連結して使用できると、天井等の高所を広く作業の対象にできる。
なお、連結板300によって、搬送装置100は、例えば、以下のように、3台以上の搬送装置100を連結して使用されてもよい。
図10は、複数の搬送装置を連結する第2例を示す図である。図示する例は、図9(B)のように連結した2台の搬送装置100を1セットにして、Y軸方向(図では、搬送装置100の長手方向である。)に3セット連結した場合の例である。
なお、2セット、又は、3セット以上の搬送装置100が連結されてもよい。また、連結する方向は、Y軸方向に限られず、X軸方向に連結されてもよい。
ほかにも、搬送装置100は、以下のように連結されてもよい。
図11は、複数の搬送装置を連結する第3例を示す図である。例えば、図11(A)に示すように、搬送装置100は、AGV101等によって、Y軸方向に3台を連結して使用してもよい。この例では、連結部は、それぞれの搬送装置100を連結する連結部材等である。このように連結部材で連結されると、足場として使用する際に搬送装置100同士が離れてしまうのを防ぐことができる。
図11(B)に示すように、設置位置P2では、メッシュMEを高さ方向における上方向に移動させて手すりHRとする。このようにして、連結して使用する場合でも、手すりHRがある構成にできると、高所を作業するのに足場として使用できる。
なお、搬送装置100は、例えば、以下のように複数の搬送装置100を連結して使用されてもよい。
図12は、複数の搬送装置を連結する第4例を示す図である。図示するように、4台の搬送装置100がX軸方向(図における搬送装置100の短手方向である。)に連結されて使用されてもよい。なお、このような連結の場合には、最も外側となるメッシュだけが手すりHRになってもよい。
図13は、複数の搬送装置を連結する第5例を示す図である。図示するように、4台の搬送装置100がX軸方向及びY軸方向(図における搬送装置100の短手方向及び長手方向である。)に、2台ずつ連結されて使用されてもよい。なお、このような連結の場合には、最も外側となるメッシュだけが手すりHRになってもよい。
なお、上記に示す例で用いられた台数以上の搬送装置100を連結して使用してもよい。
また、搬送装置100は、設置位置P2で固定されてもよい。
以上のように、連結して搬送装置100を使用すると、広い範囲を効率良く作業できる。
例えば、夜間等の作業終了後に搬送装置100がAGV101によって自動的に搬送されてもよい。具体的には、搬送システムは、例えば、以下のような搬送方法を行う。
図14は、搬送方法の例を示す図である。
ステップS1では、搬送システムは、資機材の収納及び所定の位置を入力する。すなわち、ステップS1では、搬送の準備が行われる。すなわち、搬送装置100は、資機材を収納する。さらに、AGV101は、所定の位置を入力する。
ステップS2では、搬送システムは、所定の位置に搬送装置100を搬送する搬送工程を行う。例えば、搬送工程は、作業終了後、すなわち、夜間等に行われる。また、所定の位置は、ステップS1でマップ等によって入力された位置等であり、次の作業で作業箇所となる位置である。したがって、搬送工程が行われると、ステップS1で収納した資機材が所定の位置に搬送される。
また、搬送工程は、資機材に対応する所定の位置に搬送装置100を搬送するのが望ましい。このような場合には、ステップS1等によって、それぞれの資機材がどの作業箇所で用いられるかがあらかじめ対応付けされる。そして、AGV101は、どのような種類の資機材を収納しているかをセンサ等で判断する。このようにすると、AGV101は、資機材の種類に応じて、搬送装置100を搬送する位置を決定できる。
例えば、送風機、及び、送風機に接続されるダクト等の組み合わせが同じ場所に設置される。すなわち、多種の資機材が同じ作業箇所で使用される。このように、同じ作業箇所で使用される資機材の組み合わせが決まっている場合等には、組み合わせに対して搬送する位置が入力できてもよい。
また、資機材又は資機材の組み合わせ等を使用する作業箇所を位置情報等の形式であらかじめ入力する。このように資機材等に対して、所定の位置を対応付けする対応付工程が行われてもよい。
したがって、資機材に対応して所定の位置が定まると、例えば、複数の搬送装置100に対して同じ入力を繰り返して入力する作業等を省略できる。
また、RFID(radio frequency identifier)等が使用されてもよい。まず、各資機材には、あらかじめICタグが設置される。そして、ICタグには、それぞれの資機材を配置する位置が記憶される。このように配置する位置をICタグにあらかじめ記憶させておくと、ICタグを読み取ると、ICタグが設置された資機材を配置する位置が把握できる。このようにして、ICタグを設置及び読み取り、搬送装置100を搬送する位置を決定してもよい。
又は、以下のようにRFIDが使用されてもよい。
まず、搬送装置100ごと、又は、AGV101ごとに、搬送装置100が搬送される位置、搬送装置100に収納すべき資機材(すなわち、搬送装置100が搬送される位置で行われる作業に用いる資機材である。)の種類、及び、資機材の数等の情報をICタグにあらかじめ登録する。そして、情報を登録したICタグを搬送装置100、又は、AGV101に設置する構成でもよい。
このような構成であると、資機材の収納を行う際に、ICタグを読み取ると、各搬送装置100に収納すべき資機材等の情報が把握できる。また、各資機材に、その資機材の種類等の情報を登録したICタグを設置して、AGV101又は搬送装置100に設けたセンサでICタグを読み取り、必要な資機材が収納されているか否かのチェックが可能なようにしてもよい。
搬送システムが複数の搬送装置100を用いる場合には、図9乃至図13のように、複数の搬送装置100が連結されてもよい。このように、複数の搬送装置100を用いる場合には、ステップS3及びステップS4が行われるのが望ましい。
ステップS3では、搬送システムは、連結するか否かを判断する。そして、連結する場合には(ステップS3でYES)、搬送システムは、ステップS4に進む。一方で、連結しない場合には(ステップS3でNO)、搬送システムは、ステップS5に進む。なお、連結を行う、又は、連結しないを前提にして、ステップS3等が省略される搬送方法でもよい。
ステップS4では、搬送システムは、天井部を連結させる連結工程を行う。例えば、連結工程は、図9のように行われる。したがって、連結工程が行われると、複数の搬送装置100は、連結し、図9乃至図13のような状態となる。このように、連結工程が行われると、搬送装置100が連結されて、作業員MNは、広い足場を確保できる。
ステップS5では、搬送システムは、側面部を移動させる移動工程を行う。すなわち、搬送システムは、メッシュMEを上方向に移動させる。したがって、移動工程が行われると、搬送装置100は、図1に示すような状態から図2に示すような状態となる。
ステップS6では、搬送システムは、資機材の取り出す取出工程を行う。例えば、取出工程では、収納された資機材を使用できる状態にする。したがって、取出工程は、移動工程等によって、開口部OPが確保された状態等を維持する。なお、取出工程は、アクチュエータ等によって、資機材を搬送装置100の外に出す等が行われてもよい。
ステップS7では、搬送システムは、天井部に作業員を搭乗させる搭乗工程を行う。作業員MNによる作業は、あらかじめ設定される作業箇所で行われる。そのため、搬送装置100が作業箇所、すなわち、ステップS1で入力される所定の位置で固定されると、作業員MNは、図2のように、天井部に搭乗して高所に対して作業を行うことができる。したがって、搭乗工程は、搬送装置100を作業箇所に固定する等である。
そして、作業員MNは、昼間に、自動搬送工程で搬送された資機材及び搬送装置100等を用いて施工を行う。そして、次の施工のために、次の設置位置等がAGV101等に入力される。そして、作業終了後に、ステップS8が行われる。
ステップS8では、搬送システムは、資機材を搬出する搬出工程を行う。例えば、搬送装置100には、作業員MNによって、搬出の対象となる資機材が収納される。そして、作業員MNによって所定の操作(例えば、ボタンの押下等である。)が行われると、搬送装置100の搬出が開始される。
なお、時間、操作又はこれらの組み合わせに基づいて、搬送装置100の搬出が開始されてもよい。
例えば、作業員MNは、作業終了後に、作業終了を示す操作を行う(例えば、ボタンの押下等である)。次に、作業員MNが退出できる所定の時間(例えば、1時間以上等である。なお、時間は、例えば、あらかじめ設定される。)経過後に、自動で搬出されるようにしてもよい。
又は、まず、作業計画において、作業終了後の任意の時刻である所定時刻(作業終了後に作業員MNが退出できる所定の時間が経過した後の時刻である。例えば、昼間に作業される場合は、夜間を指す時刻となる)があらかじめ設定される。そして、搬送装置100の搬出は、所定時刻となると、自動で搬出されるようにしてもよい。
以上のような搬送方法が行われると、作業員が乗ることができる搬送装置を作業箇所に提供できる。また、搬送システムによって、搬送方法における各工程が行われると、作業員MN等による操作がなくとも、作業員が乗ることができる搬送装置を作業箇所に提供できる。
なお、搬送工程等は、夜間に限られず、作業員MN等が施工をしている時間等でも行われてもよい。特に、作業終了後に搬送工程等が行われると、作業員MNが操作をしなくとも、資機材を作業箇所に搬送できるため、作業員MNの負荷を軽減できる。
なお、搬送方法は、上記に示すタイミングで処理が実行される、及び、図示する処理の順序で実行される方法に限られない。例えば、ステップS1等は、作業終了後に行われてもよい。さらに、ステップS4とステップS5は、並行して行われてもよい。このように、処理の一部又は全部は、並列又は冗長して行われてもよい。また、搬送方法には、作業員MN等による工程が含まれてもよい。
<第2実施形態>
図15は、第2実施形態の搬送装置の外観例を示す図である。以下の図では、搬送装置100の一辺のうち、短手方向をX軸(「水平方向」ともいう。)とし、搬送装置100の一辺のうち、長手方向をY軸(「奥行き方向」ともいう。)とする。
例えば、図示するような搬送装置100を2台以上連結させて足場にする。具体的には、搬送装置100は、以下のような寸法及び形状等である。
図16は、搬送装置の寸法及び形状等の例を示す図である。具体的には、図16(A)は、いわゆる側面図(Y-Z軸平面で示す。)であって、主に側面部を示す図である。図示するように、側面部は、例えば、複数の側面板PTで構成する。そして、図16(A)に示す状態は、一部の側面板PTが高さ方向における上方向に移動した状態である。
図16(B)は、いわゆる上面図(X-Y軸平面で示す。)であって、主に天井部、及び、側面部を足場材とするようにした状態を示す図である。
図16(C)は、いわゆる正面図(X-Z軸平面で示す。)であって、主に天井部、及び、側面部を足場材とするようにした状態を示す図である。なお、図16(A)に示す側を平側とすると、図16(C)に示す側が妻側となる。
図16(D)及び図16(E)は、側面板PTを固定する構造の例である。例えば、図示するようなラッチストッパを用いる構造とすると、側面板PTを所定の高さで固定できる。
図示するような側面板PTを備えた構成であると、例えば、第1実施形態のように、搬送装置100が資機材を搬送している間は、側面板PTによって資機材を搬送装置100内に内包できる。そして、天井部の上に作業員MNが搭乗する場合では、例えば、第1実施形態のように、側面板PTを高さ方向における上方向に移動させることで手すりにでき、仮設機材認定基準を満たすことができる。
また、複数の搬送装置100を連結させる場合において、側面板PTを用いて連結及び足場材を実現する。具体的には、以下のような連結方法によって、連結及び足場材を実現する。
<搬送装置の連結方法の例>
図17は、搬送装置の連結方法の例を示す図である。
ステップS21では、搬送システム等は、搬送装置100を搬送する。すなわち、搬送装置100は、ステップS21によって作業箇所へ搬送される。以下、ステップS21によって複数の搬送装置100が搬送されるとする。
ステップS22では、側面部は、足場材とするか、又は、手すりとするかが判断される。すなわち、側面部は、側面部ごとに、足場材とするか、又は、手すりとするかが判断され、側面部ごとにどちらにするかを選ぶことができる。
側面部を足場材とする場合(ステップS22で「足場材」)には、ステップS24に進む。一方で、側面部を手すりとする場合(ステップS22で「手すり」)には、ステップS23に進む。
ステップS23では、側面部は、高さ方向における上方向へ移動し、移動後、固定される。
ステップS24では、側面部は、他の搬送装置と連結するのに用いられ、足場材とされる。具体的には、側面板PTを以下のように操作する。
図18は、側面部を用いて搬送装置を連結し、足場を作る例を示す図(その1)である。まず、図示するように、側面板PTは、足場材を構築させる高さへスライドさせる。図示する例は、足場材を天井部と同じ高さに設置する例である。この後、側面板PTをY軸を中心に倒す(図では、手前の方へ回転させることになる。)と、以下のような状態となる。
図19は、側面部を用いて搬送装置を連結し、足場を作る例を示す図(その2)である。図示するように、図18に示す状態から、側面板PTをY軸を中心に90°程度回転させる。このようにすると、側面板PTによって、搬送装置を連結でき、かつ、足場材を構築できる。具体的には、以下のように、搬送装置を連結でき、かつ、足場材を構築できる。
図20は、側面部を用いて搬送装置を連結し、足場を作る例を示す図(その3)である。図示する例は、図17に示す連結方法で2台の搬送装置を連結した後の例である。図示するように、複数の搬送装置100を連結すると、例えば、以下のように、作業員MNが利用できる。
図21は、側面部を用いて搬送装置を連結し、足場を作る例を示す図(その4)である。具体的には、図示する例は、4台の搬送装置100を連結させた場合の例である。このように搬送装置100を連結させると、天井部及び連結部によって、高所を作業する上での足場を構築できる。
一方で、連結部を構成せず、外周等に位置する側面板PTは、手すりHRにできる。
<連結部の詳細>
連結部CNは、例えば、以下のような形状の側面板PT及び天井CEの組み合わせによって構成される。
図22は、連結部の詳細を示す図である。図は、図20のように連結した場面において、側面板PT及び天井CEが連結する際に、側面板PT及び天井CEが接する箇所(以下「先端部PTL」という。)を拡大した図である。また、図示する例は、先端部PTLが天井CEの端部に重なって、側面板PTが天井CEの上に乗るような構成の例である。
側面板PTは、先端部PTL、すなわち、他の搬送装置の天井CEと接する箇所が、「L字」形状等であるのが望ましい。このように、連結部を構成する一方が「L字」形状であると、連結部を構成する上で段差を小さくできる。この例では、段差は、側面板PT及び天井CEが重なる箇所において発生する突起(図では、天井CEの高さを基準にしたZ軸における上方向の高低差である。)である。このような段差が大きいと、作業員MNが段差につまずきやすくなり、事故の原因になる場合がある。そこで、図示する先端部PTLのような「L字」形状であると、段差を小さくして、段差に作業員MN等がつまずく等といった事態を少なくできる。
また、側面板PTは、先端部PTL以外の箇所で支えられる構成である。具体的には、支持材SU等である。例えば、支持材SUは、胴縁及びゴム等の弾性体で構成されるのが望ましい。弾性体を用いると、連結を行う際に発生する衝撃を和らげることができる。
支持材SUは、外側へ突起となる形状である。
支持材SUは、連結におけるX軸方向(図22において、左右方向である。)において、先端部PTL以外の箇所、すなわち、側面板PTの厚みがある箇所を支える。具体的には、支持材SUは、連結におけるX軸方向における側面板PTの中央部から先端部PTLまでの間で側面板PTを支える位置に設置される。
また、支持材SUは、連結すると、側面板PTと、他の搬送装置が備える天井部とがフラットとなるような高さに設置される。すなわち、支持材SUは、側面板PTと、他の搬送装置が備える天井部とが連結した場合において段差ができないように調整した高さに設置される。一方で、支持材SUは、側面板PTを支え、先端部PTLと天井部だけで側面板PTを支えないような高さに調整されるのが望ましい。
先端部PTLは、薄く加工される場合があるため、先端部PTL以外の箇所と比較して強度があまり高くない場合が多い。そのため、連結では、先端部PTL及び天井部の箇所でなく、支持材SUが主に側面板PTを支える構成が望ましい。
このように、支持材SUでも側面板PTが支持される、すなわち、側面板PTが複数の箇所で支持されると、足場材となり、作業員MNの体重等を分散して支えることができる。
なお、側面板PT(先端部PTLを含む。)及び天井CEは、例えば、アルミニウム等の実用金属で製造される。
<第3実施形態>
第3実施形態では、複数の搬送装置100を連結させる場合において、搬送装置100は、異なる高さで搬送装置100を連結させ、かつ、作業員が乗る足場材となる構成である。具体的には、複数の搬送装置100を連結させて、第2実施形態に示す高さ(以下「第1高さH1」という。)以外に、以下のような高さ(以下「第2高さH2」という。)でも足場材にできる。
図23は、第2高さでの連結例を示す図である。
第1高さH1は、例えば、1950mmであり、第2高さH2は、900mmである。
第1高さH1は、例えば、設備工事に用いる高さである。一方で、第2高さH2は、建築工事に用いる高さである。このように、工事に合わせた複数の高さが設定できると、工事ごとに搬送装置を入れ替える等の作業を少なくできる。
第1高さH1、及び、第2高さH2の切り替えは、側面板PTをZ軸方向にスライドさせる機構等で実現する。このようなスライドを行う機構であると、側面板PTを外して紛失するのを防ぐことができる。
また、側面板PT以外の足場は、例えば、以下のように形成される。
図24は、足場の形成例を示す図である。なお、図示する部分(以下「拡大部200」という。)は、図28(A)におけるアングル材PT2等を拡大した部分である。
例えば、足場板PT1をアングル材PT2に嵌め込んで足場が形成される。具体的には、足場板PT1が有するピンをアングル材PT2に形成される穴へ嵌め込んで足場を形成する。
以上のような構成であると、例えば、第2高さH2で以下のような足場を構築できる。
図25は、第3実施形態において、側面部を用いて搬送装置を連結し、足場を作る例を示す図である。具体的には、図25(A)及び図25(B)に示す例は、図21と同様に、4台の搬送装置100を連結させた場合の例である。このように搬送装置100を連結させると、足場板及び連結部によって、作業する上での足場を構築できる。
図26は、動線の例を示す図である。例えば、図25に示すような構成とすると、作業員MNは、図26に示すような(図では、作業員MNが移動可能な箇所を矢印で示す。)動線が可能である。このようにして、第2高さH2において作業員MNの足場を構築できる。
<連結方法の例>
図27は、連結方法の例を示す図である。
ステップS31では、搬送システム等は、例えば、ステップS21等と同様に、搬送装置100を搬送する。すなわち、搬送装置100は、ステップS31によって作業箇所へ搬送される。以下、ステップS31によって複数の搬送装置100が搬送されるとする。
ステップS32では、側面部は、足場を構築する高さを第1高さとするか、又は、第2高さとするかが判断される。すなわち、この例では、高さが第1高さ及び第2高さの2種類から、どちらにするかを選ぶことができる。
第1高さにする場合(ステップS32で「第1高さ」)には、ステップS33に進む。一方で、第2高さにする場合(ステップS32で「第2高さ」)には、ステップS34に進む。
ステップS33では、側面部は、第1高さに設定され、移動後、連結に用いられる。
ステップS34では、側面部は、第2高さに設定され、移動後、連結に用いられる。
このように、ステップS32のような判断手順で選ばれた高さに、側面部で搬送装置を連結させることで、足場材が形成される。
<変形例>
図28は、搬送装置の変形例を示す図である。例えば、搬送装置100は、図28(A)に示すような構成、図28(B)に示すような構成、又は、図28(A)と図28(B)に示す搬送装置を連結させて使用されてもよい。
図28(A)及び図28(B)に示す搬送装置100は、例えば、収納空間及び天井部等を支持する外枠(以下「外枠111」という。)の構成が異なる。具体的には、図28(A)に示す例では、外枠111は、2つの柱で構成される。この構成では、支柱とスライドレール(側面板のスライド用であって、断面が「コ」の字型である。)が別となる。一方で、図28(B)に示す例では、外枠111は、1つの柱で構成される。この構成では、柱は、支柱とスライドレールを兼ねる構成である。そして、図28(B)に示すような構成であると、X軸方向の寸法を小さくすることができる。例えば、X軸方向の寸法を1060mm程度にすることができる。
このように、一辺が1060mm以下の寸法である小さい搬送装置100であると、トラック等に複数の搬送装置100を搭載できるため、10トントラックに4台、又は、4トントラックに2台を搭載することができる。
また、図28(B)に示すように、支持材は、図28(A)に示す形状から一部を削減した形状でもよい。
さらに、支持材と方杖の位置をY軸方向において異なる位置とすると、X軸方向の寸法を小さくできる。
図28(B)では、幅方向となる寸法を縮小するため、支柱(スライドレールを兼ねる。)が図28(A)より内側に寄った構成である。この構成、すなわち、図28(A)及び図28(B)の間で、足場用の板を同じ寸法のものを使用できる構成が望ましい。例えば、図28(B)に示すように、天井CEは、枠体(すなわち、図28(B)に示す例における、第21水平棒100EH21、第41水平棒100EH41、第22水平棒100EH22、及び、第42水平棒100EH42等である。)に載せるように、図28(A)に示す構成から、アングル材PTをなくす構成等とする。
先端部PTLは、以下のような形状でもよい。
図29は、先端部の形状例を示す図である。例えば、先端部PTLは、図29(A)乃至図29(I)に示すような形状であってもよい。なお、図29(A)乃至図29(F)は、先端部PTLの拡大図である。一方で、図29(G)乃至図29(I)は、先端部PTLを含む側面部の全体を示す図である。
例えば、図29(A)乃至図29(F)に示すような形状であっても、先端部PTL(図において、実線で示す箇所等であって、右側である。)が、先端部PTL以外の箇所(図において、点線で示す箇所等であって、左側である。)より、厚み(図において上下方向の寸法である。)がなく、薄い形状である。このように、先端部PTLの全部又は一部が薄くなる形状であればよい。このように、厚みが薄くなる形状であると、段差を小さくすることができる。
また、他の搬送装置と接する箇所が薄くなるように、図29(G)乃至図29(I)のように複数の部品を組み合わせて、側面部を構成してもよい。
段差は、側面部の先端部PTLと、連結において先端部PTLが接する相手となる他の搬送装置が備える天井部とがフラットであると小さくなる。したがって、先端部PTLを薄くする等によって形状を加工することで、先端部PTLは、連結する箇所ができるだけフラットとなるように加工されているのが望ましい。
特に、「L字」形状であると、段差をより小さくでき、かつ、曲げ加工等で容易に製造できる。
また、先端部PTLと天井CEは、上記に示した組み合わせと逆の形状で組み合わせてもよい。すなわち、天井CEの方が「L字」形状等であってもよい。同様に、支持材SUは、側面板PTが有してもよいし、天井CEが有してもよい。すなわち、図22に示す例では、支持材SUは、天井CE側の搬送装置が有する胴縁の上に弾性体を設置する構成であるが、支持材SUは、例えば、胴縁と弾性体が一体な構造等でもよい。また、支持材SUは、胴縁と弾性体以外の構成でもよい。
支持材SUは、側面板PTが支持できれば、位置、形状及び材質は問わない。例えば、支持材SUには、金属、木材、弾性体又はこれらの組み合わせ等でもよい。
なお、側面板PTは、先端部PTL及び支持材SUで支える構成であってもよい。すなわち、側面板PTは、支持材SUだけで支えず、先端部PTL等も加えて支える構成でもよい。
また、連結部は、以下のような構成でもよい。
図30は、連結部の第1変形例を示す図である。例えば、図示するように、側面板PTにアングル部C1を設け、他方の天井CE(他の搬送装置になる。)には、アングル部C1をひっかける受取部C2が設けられるのが望ましい。なお、受取部C2は、支持材SU等で構成されてもよい。すなわち、側面板の支持と、アングル部C1との勘合の役割はかねる構成であってもよい。また、受取部C2は、図示するような形状でなく、図28(B)に示すような形状でもよい。
このように、アングル部C1及び受取部C2が勘合する構成であると、連結させる搬送装置が動くようなことがあっても、連結が外れにくい。ゆえに、アングル部C1等の突起形状によって勘合ができる構成であると、連結が維持しやすくできる。
また、側面板PTは、以下のような構成であるのが望ましい。
図31は、連結部の第2変形例を示す図である。図31(A)に示すように、側面板PTは、補助板PTAを備える構成が望ましい。例えば、補助板PTAは、Y軸方向へスライドする構造である。このように、スライドができると、例えば、図31(B)に示すような位置へ補助板PTAを動かすことができる。
図31(B)に示すような位置に補助板PTAがあると、側面板PTと側面板PTの間にできる隙間を塞ぐことができる。このような隙間は、作業員MN等がつまずき、事故の要因となる場合がある。そこで、補助板PTAによって、隙間を塞げると、作業員MN等がつまずく等といった事態を少なくできる。
例えば、図19に示すように、側面板PTは、回転させて足場、すなわち、水平となる部分(以下「水平部PT10」という。)と、回転した後でも垂直である部分(以下「垂直部PT11」という。)とを含む構成である。そして、図示するように、水平部PT10のY軸方向における長さ(以下「水平部寸法L10」という。)と、垂直部PT11のY軸方向における長さ(以下「垂直部寸法L11」という。)とを比較すると、垂直部寸法L11が水平部寸法L10よりも幅が広い場合がある。例えば、スライドさせるための機構等を備える場合には、水平部PT10の両端に機構を備えるため、幅が狭くなる。
このような寸法関係では、連結する場合、水平部PT10と、連結する他の搬送装置が備える水平部PT10の境目に、隙間が発生しやすい。そこで、補助板PTAで境目に発生する隙間を塞ぐ構成であるのが望ましい。
隙間は、作業員がつまずく、又は、落下する等の原因になる。そこで、補助板PTAで隙間が塞げると、つまづき等の事故を防ぐことができる。
なお、他の側面部は、他の搬送装置(すなわち、連結で隣接する搬送装置である。)が備える側面部であってもよいし、自機が備える他の側面部であってもよい。
図32は、方杖を用いる変形例を示す図である。図示するように、側面板PTは、方杖PTBを有する構成が望ましい。そして、方杖PTBは、ロック機構を内蔵する構成である。
連結を行う場合には、方杖PTBのロックを解除して用いる。そして、ロックを解除すると、図19に示すように、ヒンジを支点として、側面板PTをY軸を中心に90°程度回転させることができる。このような方杖PTBがある構成であると、側面板PTが安定した状態で維持できる。そのため、手すりとして用いたとき等に、水平方向に力が掛かっても倒れるにくいため、安全性が確保できる。
また、支持材SUは、方杖PTBを避けて設置されるのが望ましい。このような構成であると、搬送装置の幅を小さくできる。このように、支持材SUが方杖PTBを避けて設置される場合には、支持材SUは、図30に示すような連続した形状でなく、例えば、図28(B)が示すように、側面部を側面部の両端で支える構成になる。このような場合には、側面部を多くの箇所で支えられるように、支持材SUだけでなく、先端部PTLでも側面部を支える構成であるのが望ましい。
また、いわゆる妻側にも、以下のように、手すりができる構成が望ましい。
図33は、妻側に手すりを形成する変形例を示す図である。例えば、搬送装置は、図33(A)に示すような手すり部材HRPを有するのが望ましい。
例えば、手すり部材HRPは、図33(B)に示すように、他の搬送装置が有する手すり部材HRPと繋げて手すりを形成する。また、手すり部材HRPは、例えば、搬送が行われている間等には、搬送装置100の妻側(図では、手すり収納部110で示す位置である。)に収納される。なお、手すり収納部110以外の箇所に手すり部材HRPが収納できてもよい。
そして、連結を行う場合には、図33(C)に示すように、手すり部材HRPを広げると、図33(B)に示すように、他の搬送装置が有する手すり部材HRPと繋げて手すりを形成できる。このように、妻側にも手すりが形成できる構成が望ましい。このような妻側に手すりがあると、より安全な足場材として使用できる。
なお、高さは、3種類以上が設定できてもよい。そして、高さの切り替えは、側面部をスライドさせる以外の機構で実現してもよい。例えば、側面板PTが搬送装置から取り外し及び取り付けが可能な機構であってもよい。他にも、側面板PTが高さごとに別々に設置される等の構成であってもよい。
なお、連結方法は、手動による操作で実現されてもよいし、アクチュエータ及び制御装置等によって機構を駆動させて搬送システム等により実現されてもよい。
また、図示した例は、見やすくするため、部品等の記載を省略している場合がある。したがって、搬送装置100は、図示する以外の部品を有する構成であってもよい。
なお、例えば、図26に示すように、足場材としない側面部は、外さずに立てた状態で固定できるのが望ましい。側面部を外すと、紛失する場合がある。そこで、足場材としない場合には、例えば、図26に示すように搬送装置100に側面部を固定できると、紛失を防止できる。
例えば、搬送装置100は、図15及び図28に示すように、直方体の骨組みに車輪を付属して実現する。具体的には、骨組みは、Z軸方向に沿って鉛直に位置する棒状の部材(以下「第1鉛直棒」という。以下、図における「第1鉛直棒100EV1」を基準とする例で説明する。)と、第1鉛直棒に平行して設置される、すなわち、Z軸方向に沿って鉛直に位置する3本の棒状の部材(以下「第2鉛直棒」、「第3鉛直棒」及び「第4鉛直棒」という。)と、第1鉛直棒乃至第4鉛直棒に直交する棒状の部材とで構成される。例えば、第1鉛直棒100EV1、第2鉛直棒100EV2、第3鉛直棒100EV3、及び、第4鉛直棒100EV4は、いずれも鉛直であって、搬送装置100の四隅となる位置に設置される位置関係である。
以下、第1鉛直棒100EV1乃至第4鉛直棒100EV4に直交する棒状の部材、すなわち、X-Y平面に対して水平に位置する棒状の部材を「水平棒」という。そして、水平棒は、例えば、第1鉛直棒100EV1乃至第4鉛直棒100EV4の間に2本ずつ設置される。具体的には、第1鉛直棒100EV1及び第2鉛直棒100EV2の間に、2つの水平棒(以下、「第11水平棒100EH11」及び「第12水平棒100EH12」という。)が設置される。すなわち、第11水平棒100EH11及び第12水平棒100EH12は、X軸に平行し、かつ、第1鉛直棒100EV1及び第2鉛直棒100EV2に直交する。そして、第11水平棒100EH11及び第12水平棒100EH12は、第1鉛直棒100EV1及び第2鉛直棒100EV2に溶接又は螺子止め等で固定される。なお、鉛直棒及び水平棒は、棒の形状に限られず、複数の部品又は板等であってもよい。また、水平棒等は、図示するように平行な関係に限られず、交差する関係等でもよい。
第2鉛直棒100EV2及び第3鉛直棒100EV3の間に、水平棒(以下、「第21水平棒100EH21」及び「第22水平棒100EH22」という。)が設置される。すなわち、第21水平棒100EH21及び第22水平棒100EH22は、Y軸に平行し、かつ、第2鉛直棒100EV2及び第3鉛直棒100EV3に直交する。そして、第21水平棒100EH21及び第22水平棒100EH22は、第2鉛直棒100EV2及び第3鉛直棒100EV3に溶接又は螺子止め等で固定される。
第3鉛直棒100EV3及び第4鉛直棒100EV4の間に、2つの水平棒(以下、「第31水平棒100EH31」及び「第32水平棒100EH32」という。)が設置される。すなわち、第31水平棒100EH31及び第32水平棒100EH32は、X軸に平行し、かつ、第3鉛直棒100EV3及び第4鉛直棒100EV4に直交する。そして、第31水平棒100EH31及び第32水平棒100EH32は、第3鉛直棒100EV3及び第4鉛直棒100EV4に溶接又は螺子止め等で固定される。
第4鉛直棒100EV4及び第1鉛直棒100EV1の間に、2つの水平棒(以下、「第41水平棒100EH41」及び「第42水平棒100EH42」という。)が設置される。すなわち、第41水平棒100EH41及び第42水平棒100EH42は、Y軸に平行し、かつ、第4鉛直棒100EV4及び第1鉛直棒100EV1に直交する。そして、第41水平棒100EH41及び第42水平棒100EH42は、第4鉛直棒100EV4及び第1鉛直棒100EV1に溶接又は螺子止め等で固定される。
このように、骨組みは、第1鉛直棒100EV1乃至第4鉛直棒100EV4、及び、第11水平棒100EH11乃至第42水平棒100EH42等を含む構造である。
また、側面板PTは、例えば、第1鉛直棒100EV1及び第4鉛直棒100EV4の間に設置される。そして、側面板PTは、第1鉛直棒100EV1及び第4鉛直棒100EV4に沿うように上下にスライドする機構である。同様に、側面板PTは、例えば、第2鉛直棒100EV2及び第3鉛直棒100EV3の間にも設置される。この場合には、側面板PTは、第2鉛直棒100EV2及び第3鉛直棒100EV3に沿うように上下にスライドする機構である。
なお、鉛直棒及び水平棒の数及び設置する位置は、図15及び図28等に示すものに限られない。すなわち、鉛直棒及び水平棒によって形成される骨組みは、収納及び足場として機能するのであれば、形状及び構成部品等は、図示するものに限られない。
また、上記に説明した寸法の数値は、例示であり、当業者は、搬送装置の使途等に応じて、当該寸法を適宜採用できる。
[その他の実施形態]
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせ等、上記の構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10 情報処理システム
11 サーバ
20 フォークリフト
21 トラック
100 搬送装置
101 AGV
102 第1情報処理端末
103 第2情報処理端末
104 携帯端末
110 収納部
111 外枠
121 移動ビーコン
122 固定ビーコン
201 現場作業員
202 現場作業員
300 連結板
C1 アングル部
C2 受取部
CE 天井
CN 連結部
EV エレベータ
GD 床面
HRP 部材
LA 梯子
ME メッシュ
MN 作業員
OP 開口部
P1 初期位置
P2 設置位置
PC ノート
PL 天井板
PT 側面板
PT1 足場板
PT2 アングル材
PTA 補助板
PTB 方杖
PTL 先端部
SP 空間
SU 支持材

Claims (14)

  1. 資機材を搬送する搬送装置であって、
    前記資機材を収納する空間を形成する側面部と、
    前記側面部に対して直交し、かつ、前記空間の天井を形成する天井部とを備え、
    前記側面部は、前記側面部が高さ方向に可動であり、
    前記側面部が前記高さ方向における上方向に移動すると、前記天井部に作業員が搭乗して作業する場合における手すりとなる、
    又は、
    前記側面部が前記高さ方向における上方向に移動し、回転して、他の搬送装置と連結すると、前記作業員が搭乗して作業する場合における足場となる
    搬送装置。
  2. 前記側面部は、
    他の搬送装置と接する箇所の一部又は全部が薄くなる形状である
    請求項1に記載の搬送装置。
  3. 前記側面部は、
    他の搬送装置に向かって、一部又は全部が薄くなるL字の形状である
    請求項2に記載の搬送装置。
  4. 前記側面部の先端部と、他の搬送装置が備える天井部が接する箇所となって連結し、
    前記先端部の一部又は全部が薄くなる形状である
    請求項2又は3に記載の搬送装置。
  5. 資機材を搬送する搬送装置であって、
    前記資機材を収納する空間を形成する側面部と、
    前記側面部に対して直交し、かつ、前記空間の天井を形成する天井部とを備え、
    前記側面部は、
    第1高さ、又は、前記第1高さより低い第2高さのうち、いずれかの高さで他の搬送装置と連結させ、かつ、作業員が乗る足場材となる
    搬送装置。
  6. 前記側面部をスライドさせて前記第1高さ、又は、前記第2高さを切り替える
    請求項5に記載の搬送装置。
  7. 水平方向又は奥行き方向の少なくともいずれか一辺が1060mm以下の寸法である
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載の搬送装置。
  8. 前記側面部は、
    前記側面部が高さ方向に可動であり、かつ、前記側面部が前記高さ方向における上方向に移動すると、前記天井部に作業員が搭乗して作業する場合における手すりとなる
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載の搬送装置。
  9. 前記側面部が前記高さ方向における上方向に移動すると、前記空間に対する開口部が形成される
    請求項8に記載の搬送装置。
  10. 前記側面部が前記高さ方向における上方向に移動すると、
    前記手すりが前記天井部から900ミリメートル以上の高さになる
    請求項8又は9に記載の搬送装置。
  11. 前記天井部は、
    床面からの高さが2000ミリメートル未満、かつ、1500ミリメートル以上である
    請求項8乃至10のいずれか1項に記載の搬送装置。
  12. 前記側面部と、他の側面部との境目に発生する隙間を塞ぐ補助板を更に備える
    請求項1乃至11のいずれか1項に記載の搬送装置。
  13. 資機材を収納する空間を形成する側面部と、
    前記側面部に対して直交し、かつ、前記空間の天井を形成する天井部とを備える搬送装置を連結させる連結方法であって、
    前記側面部を高さ方向における上方向に移動させて、前記天井部に作業員が搭乗して作業する場合における手すりを設置する手順
    又は、
    前記側面部は、
    他の搬送装置と連結させ、かつ、前記作業員が搭乗して作業する場合における足場を形成する手順のいずれかを含む
    搬送装置の連結方法。
  14. 資機材を収納する空間を形成する側面部と、
    前記側面部に対して直交し、かつ、前記空間の天井を形成する天井部とを備える搬送装置を連結させる連結方法であって、
    第1高さ、又は、前記第1高さより低い第2高さのうち、いずれかの高さで他の搬送装置と連結する高さを判断する判断手順と、
    前記判断手順で選ばれた前記第1高さ、又は、前記第2高さのいずれかで、前記側面部で他の搬送装置と連結させ、かつ、作業員が搭乗して作業する場合における足場を形成する手順と
    を含む搬送装置の連結方法。
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