従来より、マイクロコンピューターによって全体の動作を制御され、媒体として給紙装置によって供給された記録紙上に記録紙の幅方向(なお、本明細書ならびに特許請求の範囲においては、当該記録紙の幅方向を、「主走査方向」と適宜に称することとする。)で移動するキャリッジにインクヘッドユニットを配設し、このインクヘッドユニットを用いて記録紙に対してインクジェット方式により所望の印刷を行うようにしたインクジェットプリンタが知られている。
また、こうしたインクジェットプリンタには、インクヘッドユニットが媒体への印刷を終了するなどの所定のタイミングで位置する待機位置において、インクを媒体に対して吐出する際の吐出口としての複数個のインクジェットノズルが形成されたインクヘッドユニットの下面をキャッピングするキャップ装置が配設されている。
このキャップ装置は、ゴムなどの可撓性部材が設けられたキャップにより待機位置に位置するインクヘッドユニットのインクジェットノズルが形成された下面を保護して、インクジェットノズルにゴミなどが付着するのを防止するとともに、インクジェットノズルの目詰まりや気泡の混入などを防止する。
即ち、キャップ装置は、インクヘッドユニットのインクジェットノズルが設けられた下面に密着し、増粘したインクや気泡をインクジェットノズルから排出する構成を備えている。
つまり、インクヘッドユニットが印刷が終了するなどの所定のタイミングで待機位置に位置すると、キャップ装置が上昇してキャップがインクヘッドユニットの下面に当接する。このとき、このキャップによりインクヘッドユニットの下面のインクジェットノズルが設けられた領域に密閉空間が形成される。
その後、キャップ装置に接続された吸引装置による吸引により、インクヘッドユニットの下面に形成された密閉空間に負圧を生じさせてインクジェットノズルからインクや気泡を吸引するクリーニング処理などを実施して、吸引したインクなどは廃インクを貯留するタンクへ排出する。
このため、キャップ装置は、待機位置に位置したときにインクヘッドユニットに対して、キャップとインクヘッドユニットの下面とが当接して密閉空間を形成することが可能な位置に配設しなければならない。
こうしたインクジェットプリンタに配設された従来のキャップ装置として、例えば、特開2014-133413号公報に開示されたインクジェットプリンタに配設されたキャップ装置が知られている。
以下に、添付の図1乃至図9を参照しながら、この特開2014-133413号公報に開示されたインクジェットプリンタに配設された従来のキャップ装置について説明する。
まず、インクジェットプリンタ10は、基台部材12に支持され、主走査方向に延長して配設された固定系のベース部材14と、ベース部材14の左右両端に配設された側方部材16L、16Rと、側方部材16R側に配設された側方ユニット18と、左右2つの側方部材16L、16Rを連結する中央壁20と、中央壁20の壁面に主走査方向に延長して配設されたガイドレール22と、中央壁20の壁面に平行して主走査方向に移動自在に配設されたベルト24と、ベルト24に固定的に配設されるとともにガイドレール22に摺動自在に装着されたキャリッジ26と、ベース部材14上に位置する媒体たる記録紙28と対向するようにしてキャリッジ26内に配設されたインクヘッド部30とを有して構成されている。
こうしたインクジェットプリンタ10の全体の動作は、側方部材16R側に配設された操作パネル70に設けられた各種の操作子72の操作などに基づき、側方ユニット18内に搭載されたマイクロコンピューター(図示せず。)によって制御されている。
なお、符号74は、操作パネルに設けられた表示装置(ディスプレイ)であり、インクジェットプリンタ10の動作状態や作業者への作業指示を表示する。
また、インクジェットプリンタ10においては、上記したように媒体として記録紙28を用いるものとする。この記録紙28は、給紙装置(図示せず。)によってベース部材14上に供給され、幅方向たる主走査方向において所定の長さを有するとともに、主走査方向と直交する方向、即ち、副走査方向(なお、本明細書ならびに特許請求の範囲においては、「主走査方向と直交する方向」を「副走査方向」と適宜に称することとする。)に搬送されるようになされている。
より詳細には、側方ユニット18内には、印刷が終了したときなどの所定のタイミングでキャリッジ26が位置する待機位置Pが設けられている。
即ち、キャリッジ26が待機位置Pに位置するときには、キャリッジ26内に設けられたインクヘッド部30も待機位置Pに位置することになる。
そして、この待機位置Pの下方側には、キャップ装置32が設けられている。
インクヘッド部30は、インクヘッドユニット30aとインクヘッドユニット30bとにより構成されており、インクヘッドユニット30a、30bは、主走査方向において所定の間隔を開けて配設されるとともに、副走査方向において互いにずれて配設されている(図2(a)を参照する。)。
即ち、キャリッジ26において、左方側における後方側においてインクヘッドユニット30aが設けられるとともに、右方側における前方側においてインクヘッドユニット30bが設けられている。
また、インクヘッドユニット30a、30bにはそれぞれ右方側にガイド部材34a、34bが設けられている(図2(b)を参照する。)。
こうしたインクヘッドユニット30aは、キャリッジ26において、インクジェットノズル(図示せず。)が設けられた下面30aaおよびガイド部材34aがキャリッジ26の下面26aよりも下方側に位置するように配設される(図3を参照する。)。
なお、下面30aaとガイド部材34aの下端34aaとは高さ方向(固定系のベース部材14の主走査方向における延長方向に対して垂直な方向)で略一致するとともに、ガイド部材34aには、キャップ部42に備えられたガイド部材50(後述する。)と当接するガイド面34ab、34acが形成されている。
ガイド面34abは、副走査方向と平行に形成されており、ガイド面34acは、ガイド面34abの後端部34abaから右方側斜め後方に向かって延設されている。
また、インクヘッドユニット30bは、キャリッジ26において、インクジェットノズル(図示せず。)が設けられた下面30baおよびガイド部材34bがキャリッジ26の下面26aよりも下方側に位置するように配設される(図3を参照する。)。
なお、下面30baとガイド部材34bの下端34baとは高さ方向で略一致するとともに、下面30ba、下端34ba、下面30aaおよび下端34aaは、互いに高さ方向で略一致する。
そして、ガイド部材34bには、キャップ部44に設けられたガイド部材60(後述する。)と当接するガイド面34bb、34bcが形成されている。
ガイド面34bbは、副走査方向と平行に形成されており、ガイド面34acは、ガイド面34bcは、ガイド面34bbの後端部34bbaから右方側斜め後方に向かって延設されて形成されている。
また、キャップ装置32は、キャップ部42、44が配設されたベース部材40と、ベース部材40が昇降自在に配設された基台部材54とを有して構成されている。
このベース部材40は、上面40aの左方側における後方側においてキャップ部42が設けられるとともに、右方側における前方側においてキャップ部44が設けられている(図4(a)を参照する。)。
また、基台部材54は、インクジェットプリンタの側方ユニット18内の待機位置Pの下方側に固定的に配設されている。
具体的には、キャップ装置32は、ベース部材40が上昇したときに、キャップ部42に設けられたキャップ48(後述する。)が、インクヘッドユニット30aの下面30aaのインクジェットノズル(図示せず。)が設けられた領域に密閉空間を形成することが可能な位置に配設される。さらに、ベース部材40が上昇したときに、キャップ部44に設けられたキャップ58(後述する。)が、インクヘッドユニット30bの下面30baのインクジェットノズル(図示せず。)が設けられた領域に密閉空間を形成することが可能な位置に配設される。
さらに、基台部材54は、前方側側面54aに開口部56a、56bが設けられている(図5(a)(b)を参照する。)。
そして、開口部56aからチューブ(図示せず。)を介してキャップ部42に吸引装置(図示せず。)が接続されるとともに、開口部56bからチューブ(図示せず。)を介してキャップ部44に吸引装置(図示せず。)が接続される。
キャップ部42は、板状部材46上に配設されたキャップ48と、板状部材46上においてキャップ48の右方側に立設されたガイド部材50とを有して構成される。
この板状部材46は、ベース部材40の上面40aの左方側における後方側に主走査方向において固定的に配設されている。
板状部材46とキャップ48との間には、キャップ48を上方に向けて付勢するコイルバネ200が配設されている。
より詳細には、このコイルバネ200は、対向して配置されている板状部材46の上面46aとキャップ48の下面48bとの間において、中心軸O1が高さ方向に沿って延長するように配設されていて、キャップ48を上方に向けて常時押し上げるように付勢している(図9を参照する。)。
また、キャップ48は、上面48aにおいて可撓性材料により略方形形状の可撓性部材52が形成されている。
この可撓性部材52は、キャップ装置32が上昇すると、コイルバネ200の付勢力によりキャップ48がインクヘッドユニット30aの下面30aa側に付勢されて当接し、上面48aとともに当該下面30aaのインクジェットノズル(図示せず。)が設けられた所定の領域において密閉空間を形成する。
さらに、キャップ48の上面48aには、吸引装置(図示せず。)と接続された複数の孔48aaと、複数の孔48aaを上面48aにおいて連結するように形成された複数の溝48abとが設けられている。
この複数の孔48aaと複数の溝48abとにより吸引装置(図示せず。)による吸引によって、インクヘッドユニット30aの下面30aaとキャップ48とにより形成された密閉空間内において負圧を生じさせることができる。
また、ガイド部材50は、板状部材46においてキャップ48の右方側に立設されており、キャップ48の中心から左方面50aまでの長さL1と、インクヘッドユニット30aの下面30aaにおいて密閉空間を形成する領域(つまり、インクジェットノズルが設けられた所定の領域である。)の中心からガイド面34abまでの長さL2(図2(b)を参照する。)とが一致する位置に配設される。
また、ガイド部材50は、キャップ装置32が待機位置Pの下方側に配設される際に、待機位置Pに移動してきたキャリッジ26の下面26aから突出したガイド部材34aと当接することが可能な高さh1を備えている。
即ち、ガイド部材50は、後述するように、キャリッジ26が待機位置Pに移動する際に、ガイド部材50の左方面50aがインクヘッドユニット30aに設けられたガイド部材34aのガイド面34abと当接することとなる。
また、キャップ48の後方側には一対のガイド部材51が設けられており、キャップ48の中心から一対のガイド部材51の前方面51aまでの長さL10と、インクヘッドユニット30aの下面30aaにおいて密閉空間を形成する領域の中心からインクヘッドユニット30aの後方面までの長さL11(図2(b)を参照する。)とが一致する位置に配設される。
そして、一対のガイド部材51は、キャップ装置32が待機位置Pの下方側に配設される際に、インクヘッドユニット30aにおける待機位置Pに移動してきたキャリッジ26の下面26bから突出した部分の後方面に当接することが可能な高さを備えている。
即ち、一対のガイド部材51は、後述するように、キャリッジ26が待機位置Pに移動する際に、一対のガイド部材51の前方面51aがインクヘッドユニット30aにおけるキャリッジ26の下面26bから突出した部分の後方面に当接することとなる。
キャップ部44は、板状部材56上に配設されたキャップ58と、板状部材56上においてキャップ58の右方側に立設されたガイド部材60とを有して構成されている。
この板状部材56は、ベース部材40の上面40aの右方側における前方側に主走査方向において所定の範囲で移動可能に配設されている。
ここで、板状部材56は、キャップ48の中心から板状部材56上に配設されるキャップ58の中心までの副走査方向における長さL6が、インクヘッドユニット30aの下面30aaにおいて密閉空間を形成する領域の中心からインクヘッドユニット30bの下面30baにおいて密閉空間を形成する領域の中心までの副走査方向における長さL8と一致する位置に配設されている。
また、板状部材56は、キャップ48の中心からキャップ58の中心までの主走査方向における長さL5が、インクヘッドユニット30aの下面30aaにおいて密閉空間を形成する領域の中心からインクヘッドユニット30bの下面30baにおいて密閉空間を形成する領域の中心までの主走査方向における長さL7より短くなる位置に配設されている。
即ち、板状部材56が長さL5が長さL7より短くなるようにして配設された配置位置を基準位置とすると、板状部材56は、この基準位置より右方側にのみ移動可能となっている。
そして、基準位置から右方側への移動可能な長さは、長さL5と長さL7との差分以上となっている。つまり、例えば、長さL5が76.5mm、長さL7が77.0mmのときには、板状部材56の基準位置から右方側への移動可能な長さは、0.5mm以上となる。
さらに、板状部材56には、ベース部材40に固定的に配設されたバネ68が接続されている。
このバネ68は、板状部材56が基準位置よりも右方側に移動すると、右方側から左方側へと付勢力が生じるように接続されている。
即ち、キャップ部44は、ベース部材40の上面40aの右方側における前方側に主走査方向において所定の範囲で移動可能となっており、板状部材56が基準位置よりも右方側に移動すると、右方側から左方側にバネ68による付勢力が生じるようになされている。
つまり、板状部材56は、左方面60aとガイド面34bbとが当接せず、かつ、左方面50aとガイド面34abとが当接していないときには、バネ68の付勢力によって基準位置に自動的に位置づけられる。
板状部材56とキャップ58との間には、キャップ58を上方に向けて付勢するコイルバネ300が配設されている。
より詳細には、このコイルバネ300は、対向して配置されている板状部材56の上面56aとキャップ58の下面58bとの間において、中心軸O1が高さ方向に沿って延長するように配設されていて、キャップ58を上方に向けて常時押し上げるように付勢している(図9を参照する。)。
また、キャップ58は、上面58aにおいて可撓性材料により略方形形状の可撓性部材62が形成されている。
この可撓性部材62は、キャップ装置32が上昇すると、コイルバネ300の付勢力によりキャップ58がインクヘッドユニット30aの下面30aa側に付勢されて当接し、上面58aとともに当該下面30aaのインクジェットノズル(図示せず。)が設けられた所定の領域において密閉空間を形成する。
さらに、キャップ58の上面58aには、吸引装置(図示せず。)と接続された複数の孔58aaと、複数の孔58aaを上面58aにおいて連結するように形成された複数の溝58bとが設けられている。
この複数の孔58aaと複数の溝58abとにより吸引装置(図示せず。)による吸引によって、インクヘッドユニット30bの下面30baとキャップ58とにより形成された密閉空間内において負圧を生じさせることができる。
また、ガイド部材60は、板状部材56においてキャップ58の右方側に立設されており、キャップ58の中心から左方面60aまでに長さL3と、インクヘッドユニット30bの下面30baにおいて密閉空間を形成する領域(つまり、インクジェットノズルが設けられた所定の領域である。)の中心からガイド面34baまでの長さL4(図2(b)を参照する。)とが一致する位置に配設される。
また、ガイド部材60は、キャップ装置32が待機位置Pの下方側に配設される際に、待機位置Pに移動してきたキャリッジ26の下面26aから突出したガイド部材34bと当接することが可能な高さh2を備えている。
即ち、ガイド部材60は、後述するように、キャリッジ26が待機位置Pに移動する際に、ガイド部材60の左方面60aがインクヘッドユニット30bに設けられたガイド部材34bのガイド面34bbと当接することとなる。
なお、ガイド部材60が配設される板状部材56は、上記したように、キャップ48の中心からキャップ58の中心までの主走査方向における長さL5が、インクヘッドユニット30aの下面30aaにおいて密閉空間を形成する領域の中心からインクヘッドユニット30bの下面30baにおいて密閉空間を形成する領域の中心までの主走査方向における長さL7より短くなる位置に配設されている。
このため、キャリッジ26が待機位置Pに移動する際には、まず、ガイド部材60の左方面60aにガイド部材34bのガイド面34bbが当接し、その後に、ガイド部材50の左方面50aにガイド部材34aのガイド面34abが当接することとなる。
また、キャップ58の後方側には一対のガイド部材61が設けられており、キャップ58の中心から一対のガイド部材61の前方面61aまでの長さL12と、インクヘッドユニット30bの下面30baにおいて密閉空間を形成する領域の中心からインクヘッドユニット30bの後方面までの長さL13(図2(b)を参照する。)とが一致する位置に配設される。
そして、一対のガイド部材61は、キャップ装置32が待機位置Pの下方側に配設される際に、インクヘッドユニット30bにおける待機位置Pに移動してきたキャリッジ26の下面26bから突出した部分の後方面に当接することが可能な高さを備えている。
即ち、一対のガイド部材61は、後述するように、キャリッジ26が待機位置Pに移動する際に、一対のガイド部材61の前方面61aがインクヘッドユニット30bにおけるキャリッジ26の下面26bから突出した部分の後方面に当接することとなる。
ベース部材40は、4本の支持部材58a、58b、58c、58dにより基台部材54において昇降可能に配設されている。
即ち、ベース部材40の前方側側面40bの左方側端部近傍において支持部材58aの一方の端部が回動自在に配設されている。そして、支持部材58aの他方の端部は、基台部材54の左方側において基台部材54の前方側側面54aと後方側側面54bとを連結するように配設された支軸64aに回動自在に配設されている。
また、ベース部材40の前方側側面40bの右方側端部近傍において支持部材58bの一方の端部が回動自在に配設されている。そして、支持部材58bの他方の端部は、基台部材54の右方側において基台部材54の前方側側面54aと後方側側面54bとを連結するように配設された支軸64bに回動可能に配設されている。
また、ベース部材40の後方側側面40cの左側面端部近傍において支持部材58cの一方の端部が回動自在に配設されている。そして、支持部材58cの他方の端部は、基台部材54の左方側において基台部材54の前方側側面54aと後方側側面54bとを連結するように配設された支軸64aに回動自在に配設されている。
また、ベース部材40の後方側側面40cの右側面端部近傍において支持部材58dの一方の端部が回動自在に配設されている。そして、支持部材58dの他方の端部は、基台部材54の右方側において基台部材54の前方側側面54aと後方側側面54bとを連結するように配設された支軸64bに回動自在に配設されている。
なお、支持部材58a、58b、58c、58dは、ベース部材40が最も下方側に位置するときには、それぞれ一方の端部が左方側に位置するとともに他方の端部が右方側に位置するように配設されている。
また、支持部材58a、58b、58c、58dはそれぞれ、一方の端部が回動して他方の端部の真上に位置するときが最大回動角度となるよう、その回動角度が制限されている。
なお、ベース部材40の副走査方向における長さは、基台部材54の副走査方向における長さより短く設定されている。
また、ベース部材40の下面40dには、基台部材54に固定的に配設されたバネ66が接続されており、このバネ66によりベース部材40は常に、右方側から左方側に向かって付勢され、かつ、前方側から後方側に向かって付勢された状態となっている(図4(b)を参照する。)。
こうした構成のため、ベース部材40に対して左方側から右方側に向かう力を付加すると、支持部材58a、58cが支軸64aを中心に矢印A方向に回動するとともに、支持部材58b、58dが支軸64bを中心に矢印B方向に回動して、ベース部材40の高さ位置が上方側に移動する、つまり、ベース部材40が上昇することとなる(図5(a)を参照する。)。
このとき、支持部材58a、58b、58c、58dは、回動角度が制限されて、ベース部材40が接続される一方の端部が高さ方向における最も高い位置までしか回動しないため、ベース部材40は、ベース部材40に対して左方側から右方側に向かう力が付加されている間は、下降することはない。
さらに、ベース部材40が上昇した状態から、ベース部材40に対して左方側から右方側へ向かう力の付加を解除すると、バネ66によりベース部材40には右方側から左方側に向かう付勢力が働き、支持部材58a、58cが支軸64aを中心に矢印C方向に回動するとともに、支持部材58b、58dが支軸64bを中心に矢印D方向に回動して、ベース部材40の高さ位置が下方側に移動する、つまり、ベース部材40が下降することとなる(図5(b)を参照する。)。
つまり、このベース部材40は、バネ66による付勢力により、高さ方向における最も下方側まで下降することが可能となり、左方側から右方側に向かう力が付加されると、高さ方向における最も上方側にまで上昇することが可能となる。
また、ベース部材40に対して前方側から後方側に向かう力を付加すると、ベース部材40が支持部材58a、58b、58c、58dを介して支軸64a、64b上を前方側から後方側に移動することとなる。
さらに、ベース部材40が後方側から前方側に移動した状態から、ベース部材40に対して後方側から前方側へ向かう力を解除すると、バネ66によりベース部材40は前方側から後方側に向かう付勢力が働き、ベース部材40は支軸64a、64b上を前方側から後方側に移動するようになる。
つまり、このベース部材40は基台部材54において、後方側から前方側に移動することが可能であるとともに、後方側から前方側に移動した状態からバネ66による付勢力により、前方側から後方側に移動することが可能となる。
ここで、符号400は、キャップ48と板状部材46とを連結し、キャップ48を前方方向へ付勢して、キャップ48を板状部材46の予め設定された箇所へ押し付けて、板状部材46に対してキャップ48を位置決めするための位置決め用の小さなコイルバネである。
このコイルバネ400の付勢力により、キャップ48が前方方向へ付勢されて板状部材46の予め設定された箇所へ押し付けられ、板状部材46に対するキャップ48の位置決めが行われる。
同様に、符号500は、キャップ58と板状部材56とを連結し、キャップ58を前方方向へ付勢して、キャップ558を板状部材56の予め設定された箇所へ押し付けて、板状部材56に対してキャップ58を位置決めするための位置決め用の小さなコイルバネである。
このコイルバネ500の付勢力により、キャップ58が前方方向へ付勢されて板状部材56の予め設定された箇所へ押し付けられ、板状部材56に対するキャップ58の位置決めが行われる。
以上の構成において、キャップ装置32を備えたインクジェットプリンタ10において、インクヘッド部30にキャップ装置32によりキャッピングする場合について説明する。
印刷が終了するなどの所定のタイミングで、キャリッジ26を主走査方向の左方側から右方側に移動して待機位置Pに向けて移動すると、まず、キャリッジ26が待機位置Pに到達する前に、キャリッジ26の下面26aにおいて下方側に突出したガイド部材34bのガイド面34bbに、キャップ装置32のキャップ部44に設けられたガイド部材60の左方面60aが当接してインクヘッドユニット30bに対する主走査方向におけるキャップ58の位置が固定される(図6(a)(b)を参照する。)。
このとき、キャリッジ26の下面26aにおいて下方側に突出したガイド部材34aのガイド面34abには、まだキャップ装置32のキャップ部42に設けられたガイド部材50の左方面50bは当接していない(図6(b)を参照する。)。
その後、キャリッジ26がさらに待機位置Pに向かって移動すると、ガイド部材34bのガイド面34bbがガイド部材60の左方面60aを左方側から右方側に向かって押圧し、これにより、インクヘッドユニット30bに対する主走査方向におけるキャップ58の位置が固定されて状態でキャップ部44がバネ68の付勢力に抗して右方側に移動する。
そして、キャリッジ26がさらに待機位置Pに向かって移動すると、キャリッジ26の下面26aにおいて下方側に突出したガイド部材34aのガイド面34abに、キャップ装置32のキャップ部42に設けられたガイド部材50の左方面50aが当接する(図7(a)(b)を参照する。)。
このとき、インクヘッドユニット30aに対する主走査方向におけるキャップ48の位置が固定されることとなる。
即ち、キャリッジ26が待機位置Pに向かって右方側に移動するときに、始めに左方面60aとガイド面34bbとが当接し、その後、左方面50aとガイド面34abが当接することとなる。
その後、キャリッジ26がさらに待機位置Pに向かって移動すると、ガイド部材34aのガイド面34abがガイド部材50の左方面50aを左方側から右方側に向かって押圧する。
これにより、ガイド部材50が立設した板状部材46が固定的に配設されたベース部材40に対して左方側から右方側に向かう力が生じる。
このため、キャリッジ26がさらに待機位置に向かって移動すると、バネ66の付勢力に抗してベース部材40に対して生じた左方側から右方側に向かう力が生じる。そして、このベース部材40に生じた力により、支持部材58a、58cが支軸64aを中心に矢印A方向に回動するとともに、支持部材58b、58dが支軸64bを中心に矢印B方向に回動する。これにより、ベース部材40の高さ位置が上方側に移動し、ベース部材40が上昇することとなる。
そして、キャリッジ26が、さらに待機位置Pに向かって移動して待機位置Pに位置すると、ベース部材40は上昇して高さ方向における最も上方側に上昇し、コイルバネ200の付勢力によりキャップ48における可撓性部材52がインクヘッドユニット30aの下面30aaと密着し、当該下面30aaのインクジェットノズル(図示せず。)が設けられた所定の領域において密閉空間を形成する。さらに、コイルバネ300の付勢力によりキャップ58における可撓性部材62がインクヘッドユニット30bの下面30baと密着し、当該下面30baのインクジェットノズル(図示せず。)が設けられた所定の領域において密閉空間を形成する(図8を参照する。)。
即ち、ベース部材40に右向きの力が与えられると、ベース部材は右方側に移動するとともに上昇する。そして、ベース部材40に対する右向きの力を消失させると、バネ66の付勢力により、ベース部材40は左方側に移動するとともに下降する。このため、部0す部材40を昇降させる駆動源が不要となり、コストの削減を実現することができる。
なお、インクヘッドユニット30bに対する副走査方向におけるキャップ58の位置は、インクヘッドユニット30bに対する主走査方向におけるキャップ58の位置が固定される際に同時に固定される。
即ち、ガイド部材60は、左方面60aがガイド部材34のガイド面34bbに当接する前に、まず、ガイド部材34のガイド面34bcに当接することとなる。
そして、ガイド部材60がガイド面34bcに当接した状態で、キャリッジ26が待機位置Pに向かって移動すると、ガイド部材60がガイド面34bcにガイドされ、ガイド部材60に後方側から前方側へ向かう力が生じることとなる。
これにより、ガイド部材60が設けられた板状部材56を介してベース部材40に、後方側から前方側に向かう力が生じることとなる。
そして、ベース部材40に対して、ガイド部材60により後方側から前方側に向かって生じた力と、後述するガイド部材50により後方側から前方側に向かって生じた力とにより、ベース部材40を後方側から前方側に移動させる。
その後、キャリッジ26が待機位置Pに向かってさらに移動すると、ガイド部材60の左方面60aがガイド面34bbに当接して、インクヘッドユニット30bに対する主走査方向におけるキャップ58の位置が固定される。
このとき、インクヘッドユニット30bにおけるキャリッジ26の下面26bより下方側に突出した部分の後方面30bdに、一対のガイド部材61の前方面61aが当接することとなる。
これにより、インクヘッドユニット30bに対する副走査方向におけるキャップ58の位置が固定されることとなる。
また、インクヘッドユニット30aに対する副走査方向におけるキャップ48の位置は、インクヘッドユニット30aに対する主走査方向におけるキャップ48の位置が固定された際に同時に固定される。
即ち、ガイド部材50は、左方面50aがガイド部材34のガイド面34abにと当接する前に、まず、ガイド部材34のガイド面34acと当接することとなる。
そして、ガイド部材50がガイド面34acに当接した状態で、キャリッジ26が待機位置Pに向かって移動すると、ガイド部材50がガイド面34acにガイドされ、ガイド部材50に後方側から前方側へ向かう力が生じることとなる。
これにより、ガイド部材50が設けられた板状部材46を介してベース部材40に後方側から前方側に向かう力が生じることとなる。
そして、ベース部材40に対して、上記したガイド部材60により後方側から前方側に向かって生じた力と、ガイド部材50により後方側から前方側に向かって生じた力とにより、ベース部材40を方向側から前方側に移動させる。
その後、キャリッジ26が待機位置Pに向かってさらに移動すると、ガイド部材50の左方面50aがガイド面34abに当接して、インクヘッドユニット30aに対する主走査方向におけるキャップ48の位置が固定される。
このとき、インクヘッドユニット30aにおけるキャリッジ26の下面26bにより下方側に突出した部分の後方面30ad(図11(a)を参照する。)に、一対のガイド部材51の前方面51aが当接することとなる。
これにより、インクヘッドユニット30aに対する副走査方向におけるキャップ48の位置が固定されることとなる。
次に、キャップ装置32を備えたインクジェットプリンタ10において、インクヘッド部30に対するキャップ装置32によるキャッピングを解除する場合について説明する。
印刷を開始するなどのタイミングで、キャリッジ26を主走査方向の右方側から左方側に移動して待機位置Pからの移動が開始されると、バネ66の付勢力により、ベース部材40に右方側から左方側に向かう力が生じ、支持部材58a、58cが支軸64aを中心に矢印C方向に回動するとともに、支持部材58b、58dが支軸64bを中心に矢印D方向に回動する。これにより、ベース部材40の高さ位置が下方側に移動し、ベース部材40が下降することとなる。
そして、ベース部材40が下降を開始すると、まず、キャップ部42における可撓性部材52によるインクヘッドユニット30aの下面30aaへの密着状態が解除され、当該下面30aaのインクジェットノズル(図示せず。)が設けられた所定の領域における密閉空間が開放される。さらに、キャップ部44における可撓性部材62によるインクヘッドユニット30bの下面30baへの密着状態が解除され、当該下面30baのインクジェットノズル(図示せず。)が設けられた所定の領域における密閉空間が開放される(図7(a)(b)を参照する。)。
その後、キャリッジ26がさらに主走査方向を右方側から左方側に移動すると、キャリッジ26の下面26aにおいて下方側に突出したガイド部材34aのガイド面34abが、キャップ装置32のキャップ部42に設けられたガイド部材50の左方面50aから離れる(図6(a)(b)を参照する。)。このとき、バネ68の付勢力によりキャップ部44が左方側への移動を開始する。
そして、キャリッジ26がさらに主走査方向を右方側から左方側に移動すると、キャリッジ26の下面26aにおいて下方側に突出したガイド部材34bのガイド面34bが、キャップ装置32のキャップ部44に設けられたガイド部材60の左方面60aから離れる。このとき、バネ68の付勢力によりキャップ部44が左方側に移動し、板状部材56が基準位置に位置する。
その後、ベース部材40は、バネ66の付勢力により下降し、高さ方向における最も下方側まで下降する。
また、ガイド部材50は、キャリッジ26が主走査方向を右方側から左方側に移動すると、左方面50aがガイド面34abから離れ、その後、ガイド面34acにガイドされる。
さらに、ガイド部材60は、キャリッジ26が主走査方向を右方側から左方側に移動すると、左方面60aがガイド面34bbから離れ、その後、ガイド面34bcにガイドされる。
そして、キャリッジ26が主走査方向の右方側から左方側にさらに移動して、ガイド部材50がガイド面34acと接触しなくなるとともに、ガイド部材60がガイド面34bcと接触しなくなると、ベース部材40にバネ66により前方側から後方側に向かう付勢力が働き、ベース部材40を前方側から後方側に移動させる。
ところで、上記したようなキャップ装置32においては、例えば、キャップ48(58)に配設された可撓性部材52(62)が劣化した場合には、キャップ48(58)の交換を行っていた。
こうしたキャップ48(58)の交換の際には、キャップ48(58)と板状部材46(56)とを連結している位置決め用の小さなコイルバネ400(500)を取り外し、キャップ48(58)と板状部材46(56)とを分離する必要があるが、コイルバネ400(500)は小さく取り扱い難いために、取り外した際に紛失したり、あるいは、取り外したコイルバネ400(500)をインクジェットプリンタ10やキャップ装置32の各部品間に落としてしまうなどの不具合が発生する恐れがあるという問題点があった。
以下、添付の図面の図10乃至図15を参照しながら、本発明によるキャップ装置およびインクジェットプリンタの実施の形態の一例を詳細に説明することとする。
ここで、図10乃至図15に示す本発明によるキャップ装置およびインクジェットプリンタと、上記において図1乃至図9を参照しながら説明した従来の技術によるキャップ装置およびインクジェットプリンタとを比較すると、本発明によるキャップ装置およびインクジェットプリンタがコイルバネ400(500)を備えていない点と、両者においてコイルバネ200(300)を配設する手法が異なる点とにおいて、両者は互いに異なっている。
しかしながら、上記を除く構成ならびに作用については両者に差異はないので、以下に図10乃至図15を参照しながら行う本発明によるキャップ装置およびインクジェットプリンタの説明においては、両者において異なる点についてのみ説明することとして、両者において共通の構成ならびに作用の説明については、図1乃至図9において用いた符号と同一の符号をそれぞれ付して示すことにより、その詳細な構成ならびに作用の説明は省略する。
本発明によるキャップ装置100は、コイルバネ400(500)を設けておらず、対向して位置する板状部材46(56)とキャップ48(58)との間にキャップ48(58)を上方に向けて付勢するコイルバネ200(300)を配設するに際して、その中心軸O1を高さ方向O2から予め設定された方向にオフセットして(ずらして)配置することにより、コイルバネ200(300)の中心軸O1が高さ方向O2に対して傾斜するようにしている。
より詳細には、キャップ装置100は、コイルバネ200(300)の下端部200a(300a)が上端部200b(300b)よりも前方側に位置するように形成されたコイルバネ受け部102aを備えたコイルバネ取付部材102を、板状部材46(56)に配設している。
コイルバネ200(300)を配設する際には、まず、板状部材46(56)にコイルバネ取付部材102を取り付ける。
その後に、コイルバネ取付部材102のコイルバネ受け部102aにコイルバネ200(300)の下端部200a(300a)を固定する。
コイルバネ200(300)の上端部200b(300b)については、従来と同様にキャップ48(58)の底面48b(58b)に固定する。
上記の作業により、対向して位置する板状部材46(56)とキャップ48(58)との間に、中心軸O1が高さ方向O2に対して傾斜した状態でコイルバネ200(300)が配設される。
以上の構成において、キャップ装置100においては、板状部材46(56)に配設されたコイルバネ取付部材102のコイルバネ受け部102aとキャップ48(58)の底面48b(58b)との間に配設されたコイルバネ200(300)によって、高さ方向O2に対して傾斜した中心軸O1の方向にキャップ48(58)が付勢されるので、その結果、キャップ48(58)は上方に向けて押し上げられるように付勢されるとともに、コイルバネ200(300)による付勢力の反力によって、キャップ48(58)と板状部材46(56)とが位置決めされる。
このため、キャップ装置100によれば、従来の技術において必要とされた位置決め用の小さなコイルバネ400(500)を用いることなしに、板状部材46(56)に対してキャップ48(58)を位置決めすることができる。
また、キャップ48(58)の交換に際しては、キャップ48(58)をコイルバネ200(300)の上端部200b(300b)から取り外すのみでよいので、キャップ48(58)の交換を簡便に行うことができる。
そして、キャップ48(58)を交換した直後にクリーニング処理を実施して、作業者がキャップ48(58)表面へのインクの付着(インクによる着色)を確認することにより、作業者は開口部56aならびに開口部56bにチューブが適正に接続されているか否かを確認することができる。
ここで、図15には、上記したチューブが適正に接続されているか否かを確認するためのキャップ交換シーケンスの処理を示すフローチャートがあらわされている。
このキャップ交換シーケンスは、作業者が操作パネル70に設けられた操作子72を操作することにより起動して実行を開始すると、作業者に対してキャップ48(58)の交換を促す表示を操作パネル70に設けられた表示装置74に表示し、作業者はキャップ装置32を覆っているカバー部材(図示せず。)を取り外して、作業者は開口部56aならびに開口部56bへのチューブの接続状態の見直しを含むキャップの交換作業を行う(ステップS1502)。
作業者がステップS1502の処理における作業を完了して、キャップ装置32を覆っているカバー部材(図示せず。)を取り付けると、センサー(図示せず。)が当該カバーが取り付けられたことを検知して、マイクロコンピューターの制御によってキャップ48(58)をインクヘッドユニット30a(30b)の下面30aa(30ba)に密着させて吸引するクリーニング処理を実行する(ステップS1504)。
ステップS1504の処理におけるクリーニング処理の実行を終了すると、作業者に対してキャップ装置32を覆っているカバー部材(図示せず。)の取り外しを促す表示を操作パネル70に設けられた表示装置74に表示し、作業者はキャップ装置32を覆っているカバー部材(図示せず。)を取り外して、キャップ48(58)表面へのインクの付着(インクによる着色)を目視して確認し(ステップS1506)、作業者がキャップ48(58)表面へのインクの付着(インクによる着色)を確認した場合(Yes)には、開口部56aならびに開口部56bにチューブが適正に接続されているとして、作業者がキャップ装置32を覆っているカバー部材(図示せず。)を取り付け、センサー(図示せず。)が当該カバーが取り付けられたことを検知するとこのキャップ交換シーケンスを終了する。
一方、作業者がキャップ48(58)表面へのインクの付着(インクによる着色)を確認できない場合(No)には、開口部56aならびに開口部56bにチューブが適正に接続されていないとしてステップS1502の処理に戻り、作業者は開口部56aならびに開口部56bへのチューブの接続状態を再度見直し、その後にステップS1504以降の処理を繰り返す。
従って、上記したキャップ交換シーケンスを実行することにより、キャップ48(58)を交換した直後にクリーニング処理が実行されて、作業者は開口部56aならびに開口部56bにチューブが適正に接続されているか否かを的確に確認することができるようになる。
以上において説明したように、本発明によるキャップ装置100は、位置決め用の小さなコイルバネ400(500)を用いることなしに、板状部材46(56)に対するキャップ48(58)の位置決めを行うことができる。
なお、上記した実施の形態は例示に過ぎないものであり、本発明は他の種々の形態で実施することができる。即ち、本発明は、上記した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。
例えば、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(4)に示すように変形するようにしてもよい。
(1)上記した実施の形態においては、コイルバネ取付部材102を板状部材46(56)に配設して、コイルバネ取付部材102のコイルバネ受け部102aにコイルバネ200(300)の下端部200a(300a)を固定するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。例えば、コイルバネ取付部材102を用いずに、中心軸O1が高さ方向O2に対して傾斜した状態となるように、板状部材46(56)の上面46a(56a)に直接的に下端部200a(300a)を固定するようにしてもよい。
(2)上記した実施の形態においては、コイルバネ200(300)の下端部200a(300a)が、上端部200b(300b)より前方側に位置するように固定したが、これに限られるものではないことは勿論である。例えば、コイルバネ200(300)の上端部200b(300b)が、下端部200a(300a)より前方側に位置するように固定してもよい。
(3)上記した実施の形態においては、詳細な説明は省略したが、本発明によるキャップ装置100は、上記において説明した構成のインクジェットプリンタ10に限ることなしに、所謂フラットベッド式のインクジェットプリンタなど、様々な構成のインクジェットプリンタに配設してよいことは勿論である。
(4)上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(3)に示す各種の他の実施の形態や変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよいことは勿論である。