JP2022037267A - 皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤 - Google Patents

皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤 Download PDF

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秀哉 安藤
Hideya Ando
琴音 江口
Kotone Eguchi
敬二 藤井
Keiji Fujii
政幸 八木
Masayuki Yagi
麻美 芳賀
Mami Haga
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Abstract

【課題】皮膚の黄色化を防止及び/又は改善すること。【解決手段】αヒドロキシ酸を含有する皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤又は皮膚黄色化防止及び/又は改善用化粧料。【選択図】図3

Description

本発明は、皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤に関する。
糖化は生体内の余剰の糖がタンパク質と結び付いて終末糖化産物(advanced glycation end-products: AGEs)が生成する反応を指し、AGEsは糖尿病の合併症、アルツハイマー病、動脈硬化等に関与する。美容の点でも、AGEsの蓄積は皮膚のコラーゲン等のタンパク質の変色・架橋形成を引き起こし、皮膚の弾力の低下、しわ、黄ぐすみなどを引き起こす。
皮膚のくすみに関しては、角層を剥がし落とすことにより皮膚の軟化や透明度を向上させるピールオフパックなどの化粧料はすでに市販されているが、角層を始めとする皮膚が“黄ばむ”ことを防止することを標榜した化粧料はほとんど存在しない。皮膚の黄色化は角層など表皮のタンパク質の糖化が一因と報告されているが(非特許文献1)、糖化による皮膚の黄色化を防止及び/又は改善する物質はほとんど知られていない。
Ogura et al., J. Dermatol. Sci. 64:45-52, 2011
本発明が解決すべき課題は、皮膚の黄ばみ等の原因となる皮膚黄色化を防止及び/又は改善する外用剤を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題解決のため鋭意検討した結果、意外にも、αヒドロキシ酸(AHA)に、糖化産物の蛍光強度と吸光度を両方抑制することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下に記載の実施形態を包含する。
項1.αヒドロキシ酸を含有する皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤。
項2.前記αヒドロキシ酸が、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、及びグリコール酸からなる群から選択される少なくとも一つである項1に記載の皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤。
項3.皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤中のαヒドロキシ酸の濃度が0.001~5質量%である項1又は2に記載の黄色化防止及び/又は改善用外用剤。
項4.αヒドロキシ酸を含有する皮膚黄色化防止及び/又は改善用化粧料。
項5.前記αヒドロキシ酸が、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、及びグリコール酸からなる群から選択される少なくとも一つである項4に記載の皮膚黄色化防止及び/又は改善用化粧料。
項6.皮膚黄色化改善用化粧料中のαヒドロキシ酸の濃度が0.001~5質量%である請求項4又は5に記載の皮膚黄色化防止及び/又は改善用化粧料。
本発明によれば、皮膚の黄色化を効果的に防止、及び/又は改善することができる。
牛血清アルブミン(BSA)と糖化中間体であるグリオキサール(GO)の糖化反応に対するアミノグアニジン(AG)の影響。(A)各サンプルにおける終末糖化産物(AGE)の蛍光強度、(B)各サンプルにおけるAGEの吸光度、(C)図1の各サンプルの写真。 BSAとグリオキサール(GO)の糖化反応に対する乳酸の影響。(A)各種濃度の乳酸のサンプルの写真、(B)AGEの吸光度、(C)AGEの蛍光強度。 BSAとグリオキサール(GO)の糖化反応に対する各種ヒドロキシ酸(0.1%)の影響。(A)AGEの吸光度、(B)AGEの蛍光強度。 BSAとグリオキサール(GO)の糖化反応に対するL-アスコルビン酸(ビタミンC)の影響。(A)各種濃度のL-アスコルビン酸のサンプルの写真、(B)AGEの吸光度(N.D.:ゲル化により測定不能)、(C)AGEの蛍光強度。 BSAとグリオキサール(GO)の糖化反応に対するトロロックス(ビタミンEの水溶性アナログ)の影響。(A)各種濃度のトロロックス(ビタミンEの水溶性アナログ)のサンプルの写真、(B)AGEの吸光度、(C)AGEの蛍光強度。
本発明は、角層を始めとする皮膚の黄色化を防止及び/又は改善する外用剤又は化粧料に関する。なお、「防止」とは、いまだ黄色化が認められない皮膚の黄色化を防ぐ作用を示し、「改善」とは既に皮膚の黄色化が生じている皮膚の黄色化の軽減や、さらなる黄色化の進行を抑制し、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)に伴って黄色化が軽減する作用を示すことが含まれる。「防止及び/又は改善」は、防止、改善、又は防止及び改善の両方を指す。
本発明の実施形態の皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤及び化粧料は、αヒドロキシ酸を含有する。αヒドロキシ酸は皮膚の黄色化を防止又は抑制する有効成分として作用する。αヒドロキシ酸は、カルボキシ基とヒドロキシ基を併せ持つ化合物であるヒドロキシ酸のうち、カルボキシ基が結合している炭素原子にヒドロキシ基も結合しているものを指す。
αヒドロキシ酸は、特に限定されないが、AGEに由来する蛍光強度及び吸光度の両方の抑制の点で、αヒドロキシ酸が、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、及びグリコール酸からなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。これらのαヒドロキシ酸は市販されている。AGEに由来する蛍光強度及び吸光度の両方の抑制と、反応するタンパク質のゲル化の生じにくさの点からは、乳酸が好ましい。抗糖化作用の強さの点からは、クエン酸、グリコール酸が好ましい。
皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤及び化粧料中のαヒドロキシ酸の濃度は、特に限定されないが、皮膚黄色防止の点から、0.001~5質量%が好ましく、0.01~2質量%がより好ましく、0.05~1質量%がさらに好ましい。
皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤及び化粧料中のαヒドロキシ酸の濃度は、特に限定されないが、皮膚黄色防止及び/又は改善の点から、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上がさらに好ましい。また、皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤及び化粧料中のαヒドロキシ酸の濃度は、特に限定されないが、皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤及び化粧料のゲル化の起こりにくさの点から、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましい。
αヒドロキシ酸が乳酸を含む場合、皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤及び化粧料中の乳酸の濃度は、0.0001~3質量%が好ましく、0.01~1質量%がより好ましく、0.1~0.4%がさらに好ましい。
αヒドロキシ酸がリンゴ酸を含む場合、皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤及び化粧料中のリンゴ酸の濃度は、0.0001~3質量%が好ましく、0.01~1質量%がより好ましく、0.1~0.4質量%がさらに好ましい。
αヒドロキシ酸がクエン酸を含む場合、皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤及び化粧料中のクエン酸の濃度は、0.0001~3質量%が好ましく、0.01~1質量%がより好ましく、0.1~0.4質量%がさらに好ましい。
αヒドロキシ酸が酒石酸を含む場合、皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤及び化粧料中の酒石酸の濃度は、0.0001~3質量%が好ましく、0.01~1質量%がより好ましく、0.1~0.4質量%がさらに好ましい。
αヒドロキシ酸がグリコール酸を含む場合、皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤及び化粧料中のグリコール酸の濃度は、0.0001~3質量%が好ましく、0.01~1質量%がより好ましく、0.1~0.4質量%がさらに好ましい。
皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤としては、リニメント剤、ローション剤、軟膏剤、パック剤、固形石鹸、液状石鹸等を例示することができる。
皮膚黄色化防止及び/又は改善用化粧料としては、化粧水、クリーム、乳液、美容液等の基礎化粧料;シャンプー、リンス、トリートメント、育毛・養毛剤等の頭髪化粧料; リキッドファンデーション、下地乳液等のメイクアップ化粧料;日焼け止め化粧料;等の化粧料(医薬部外品を含む)を例示することができる。なお、医薬部外品とは、特定の効能、効果が認められる製品であって、人体に対する作用が緩和な製品をいう。本発明の医薬部外品としては、薬用化粧品、薬用石鹸、薬用シャンプー、薬用リンス、薬用入浴剤、薬用ベビーパウダー、薬用ベビーローション、薬用育毛剤等の形態のものが挙げられるが、これらに限定されない。
なお、本発明の実施形態の皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤及び化粧料は、皮膚の黄色化を防止又は抑制する効果が顕著であるため、皮膚外用剤又は基礎化粧料が好ましい。また、皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤や化粧料は特に限定されないが、水性、水中油型、油中水型、多層型エマルション等を挙げることができる。また、皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤及び化粧料の剤形は、粉末状、液状、乳液状、ペースト状、クリーム状、ゲル状、ムース状、軟膏状、シート状等の任意の剤型を挙げることができる。
本発明の実施形態の皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤及び化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で、αヒドロキシ酸の他に、外用剤や化粧料に使用される成分、すなわち、水、アルコール、油脂類等の担体や、界面活性剤、賦形剤、乳化剤、等張化剤、緩衝剤、希釈剤、溶解補助剤、防腐剤、安定化剤、抗酸化剤、ゲル化剤、粉体、水溶性高分子、紫外線防御剤、包接化合物、香料、塩類、pH調整剤、動物・微生物由来抽出物、植物抽出物、血行促進剤、収斂剤、美白剤、抗炎症剤、活性酸素消去剤、細胞賦活剤、保湿剤、キレート剤、角質溶解剤、酵素、ホルモン類、ビタミン類等の添加剤を適宜配合することができる。
本発明の実施形態の皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤及び改善用化粧料のpHは好ましくはpH2~7、より好ましくはpH3~6である。
本発明の皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤及び化粧料の製造方法は、特に限定されないが、αヒドロキシ酸を、必要に応じて他の成分と共に、水に添加し、混合する方法等を挙げることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1 黄色化の評価系の確立
生体内糖化反応経路では、グルコースの代謝中間体としてグリオキサール(GO)、メチルグリオキサール(MG)、グリセルアルデヒド(GA)等が生じ、これらがさらに代謝されて終末糖化産物(AGEs)を生成する。この糖化反応は皮膚の角質でも起こっている。本発明者らは、糖化したタンパク質が黄色く変色すること、及びAGEsの一部が蛍光を持つことを利用し、生体内で糖化反応を受ける代表的なタンパク質であるアルブミンと、糖化産物の中間体であるグリオキサール(GO)とを用いて、これらの糖化反応による黄色化を起こす評価系を確立した。以下、本評価系を用いてタンパク質の黄色化を防ぐ糖化阻害物質を探索した。
具体的には、牛血清アルブミン(BSA)を100mg/mlとなるようリン酸緩衝液(PBS(-))に溶解し、BSA溶液にグリオキサール(GO)を25mMとなるよう添加して混合した。次に、混合物に、代表的な糖化阻害剤であるアミノグアニジン(AG)を1.56mM~100mMの濃度となるよう加え、37℃で24時間反応させた。
得られた各サンプルに対し、糖化産物が生成されたことを示す指標として、黄色化の度合いを示す吸光度(415nm)の測定と、多くの糖化産物がもつ蛍光強度(励起光365nm、発光450nm)の測定とを、反応前(0hr)と反応後(24hr)においてそれぞれ実施した。
(結果)
図1Aに示すように、アミノグアニジンは1.56mM~100mMの濃度範囲すべてで蛍光強度が減少したが、図1B(四角い枠で囲んだグラフ)、図1Cに示すように、1.56mM~12.5mMの濃度範囲では吸光度は増加した。グリオキサール(GO)の代わりにメチルグリオキサール(MG)、グリセルアルデヒド(GA)を用いた場合も、同様な結果が得られた(データ非図示)。すなわち、この結果は、糖化が阻害されるからといって、黄色化が必ずしも防止されるわけではないことを示しており、糖化と黄色化の両者を抑制する糖化阻害剤が望まれる。
実施例2 メチルグリオキサールを用いた評価
グリオキサール(GO)の代わりにメチルグリオキサール(MG)を用いて、実施例1と同様に各サンプルの吸光度及び蛍光強度を測定した。その結果、同様な結果が得られた(データ非図示)。
実施例3 グリセルアルデヒドを用いた評価
グリオキサール(GO)の代わりにグリセルアルデヒド(GA)を用いて、実施例1と同様に各サンプルの吸光度及び蛍光強度を測定した。その結果、同様な結果が得られた(データ非図示)
実施例4 乳酸の評価
本実施例では、実施例1の黄色化の評価系を用いて、αヒドロキシ酸(AHA)の一つである乳酸を評価した。ただし、糖化産物の中間体は、BSA溶液にグリオキサール(GO)、メチルグリオキサール(MG)、グリセルアルデヒド(GA)を各々25mMとなるように添加して混合した。乳酸濃度は質量対容量百分率(w/v%)で0%、0.1%、0.2%、0.4%とした(図2A)。
(結果)
図2B,Cに示すように、乳酸は1.56mM~100mMの濃度範囲で濃度依存的に吸光性及び蛍光性の糖化産物量を減少させた。吸光度及び蛍光強度は、反応後の値から反応前の値を引いた値である。
意外にも、乳酸が糖化産物の吸光度と蛍光強度を共に抑制する優れた作用をもつことを見出した。乳酸はタンパク質の糖化で誘導される黄色化を防ぐ優れた物質である。
実施例5 各種αヒドロキシ酸の評価
本実施例では、実施例1の黄色化の評価系を用いて、各種αヒドロキシ酸(乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、グリコール酸)を評価した。糖化産物の中間体は、BSA溶液にグリオキサール(GO)を25mMとなるように添加して混合した。αヒドロキシ酸濃度は質量対容量百分率(w/v%)で0.1%とした。
(結果)
図3A,Bに示すように、調べた5種類の中では乳酸が吸光性及び蛍光性の糖化産物量の両方を減少させる傾向があったが、他のαヒドロキシ酸も総じて吸光度及び蛍光強度の両方の抑制に効果的であった。
実施例6 種々の濃度範囲の各種αヒドロキシ酸の評価
本実施例では、実施例1の黄色化の評価系を用いて、各種のαヒドロキシ酸(αヒドロキシ酸混合物、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、グリコール酸)を評価した。ただし、糖化産物の中間体は、100mg/ml BSA リン酸緩衝液にグリオキサール(GO)を25mMとなるように添加して混合した。次に、混合物に、各種のαヒドロキシ酸を加えた。
αヒドロキシ酸混合物は質量対容量百分率(w/v%)で以下の組成を有する:乳酸36.23%、リンゴ酸 0.29%、クエン酸 13.34%、その他保湿成分を含む水溶液で100%に調製。
(結果)
表1に示すように、中間体としてグリオキサール(GO)を使用した場合、いずれのαヒドロキシ酸も、低濃度領域で吸光度及び蛍光強度を両方とも抑制した。
表2に示すように、中間体としてメチルグリオキサール(MO)を使用した場合も、いずれのαヒドロキシ酸も、低濃度領域で吸光度及び蛍光強度を両方とも抑制した。
表3に示すように、中間体としてグリセルアルデヒド(GA)を使用した場合も、いずれのαヒドロキシ酸も、低濃度領域で吸光度及び蛍光強度を両方とも抑制した。
なお、高濃度のαヒドロキシ酸では、BSAのゲル化が生じ、正確な測定が困難なため、表1-3では最大0.2%、0.4%、又は0.8%のαヒドロキシ酸のサンプルの吸光度又は蛍光強度を測定しているがあるが、これは表1-3の濃度の上限を超えた高濃度のαヒドロキシ酸が吸光度及び蛍光強度を抑制できないことを意味するわけではない。αヒドロキシ酸混合物では測定濃度においてゲル化が生じず、サンプルの状態が均質で良好であった。
Figure 2022037267000002
Figure 2022037267000003
Figure 2022037267000004
実施例7 抗酸化剤の評価
糖化反応過程の一部は酸化反応であり、抗酸化剤に糖化阻害効果が期待される。αヒドロキシ酸類も抗酸化作用があるため、抗酸化剤による糖化阻害作用の比較のために、本実施例では、代表的な抗酸化剤であるL-アスコルビン酸(ビタミンC)及びトロロックス(ビタミンEの水溶性アナログ、6-hydroxy-2,5,7,8-tetramethylchroman-2-carboxylic acid)の糖化阻害作用を実施例1の黄色化の評価系を用いて評価した。
Figure 2022037267000005
(結果)
図4に示すように、L-アスコルビン酸では濃度の増加に伴う吸光度及び蛍光強度の抑制は観察されず、0.05w/v%以上の濃度で吸光度はむしろ増加した。図5に示すように、トロロックスでは、0.1w/v%まで吸光度及び蛍光強度抑制は観察されず、0.5%で吸光度及び蛍光強度が抑制される傾向が見られたが、1w/v%では試薬が析出し正確な測定が困難であった。いずれの代表的な抗酸化剤も、蛍光強度と吸光度の両者を減少させる糖化阻害剤としての作用は、αヒドロキシ酸よりも弱かった。
実施例8 ヒトにおける肌黄色化防止及び/又は改善試験
表4の成分を均一に混合・溶解し、化粧水を製造し、実施例8と記した。αヒドロキシ酸混合物は実施例6のαヒドロキシ酸混合物と同じものを用いた。
成人2名の左前腕部内側に製造した化粧水を、右前腕部内側に比較例1を毎日2回1mL、14日間塗布した。色差計(分光測色計CM-700d:コニカミノルタ株式会社製)を用いて試験前(0th day)、試験後(14thday)の色差b*値を測定し、b*値の試験前に対する試験後のb*値の変化をΔb値(平均値)として、皮膚色を評価した。
表5に表わされる通り、αヒドロキシ酸配合した実施例8の化粧水では、配合しない比較例1の化粧水と比較して皮膚の黄色化を防止及び/又は改善する効果があり、αヒドロキシ酸の黄色化防止及び/又は改善効果はヒトの肌でも有効であることがわかった。
Figure 2022037267000006
Figure 2022037267000007
実施例9
以下に本発明の配合例1~6の化粧品を例示する。αヒドロキシ酸混合物は実施例6のαヒドロキシ酸混合物と同じものを用いた。
配合例1 化粧水
成分 配合量(質量%)
ジプロピレングリコール 8.0
グリセリン 8.0
ソルビトール 3.0
ポリクオタニウム-51 0.004
PEG1500 1.0
シロキクラゲ多糖体 0.005
イノシトール 1.0
キレート剤(EDTA-2Na) 0.01
保存料 適量
αヒドロキシ酸混合物 2.0
精製水 残部(全量を100とする)
(製法)
各成分を秤取し、均一に混合する。
配合例2 乳液
成分 配合量(質量%)
A部
ミリスチン酸ポリグリセリル-10 2.1
水添レシチン 0.6
ステアリン酸 0.5
ベヘニルアルコール 1.6
パルミチン酸セチル 0.6
オレフィンオリゴマー 6.0
エチルヘキサン酸セチル 6.0
トリエチルヘキサノイン 6.0
B部
精製水 残部(全量を100とする)
保存料 適量
C部
カルボマー 0.1
精製水 9.9
D部
水酸化カリウム 0.05
精製水 4.95
E部
αヒドロキシ酸混合物 1.0
(製法)
A~Eをそれぞれ秤取する。A、Bを80℃に加温し、Aをホモミキサーで撹拌しながらBを添加する。撹拌しながら冷却し、C~Eを順次加え混合する。
配合例3 クリーム
成分 配合量(質量%)
A部
水添ポリイソブテン 5.3
パルミチン酸エチルヘキシル 3.0
オリーブ油 5.0
ミツロウ 3.0
セタノール 3.0
ステアリルアルコール 2.0
ステアリン酸グリセリル 2.0
ステアリン酸PEG-75 1.0
ポリソルベート60 1.0
保存料 適量
B部
精製水 残部(全量を100とする)
グリセリン 4.0
保存料 適量
C部
αヒドロキシ酸混合物 1.0
(製法)
A~Cをそれぞれ秤取する。A、Bを80℃に加温し、Aをホモミキサーで撹拌しながらBを添加する。撹拌しながら冷却し、Cを加え均一に混合する。
配合例4 ジェル
成分 配合量(質量%)
A部
カルボマー 0.45
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー 0.3
精製水 60.0
B部
水酸化カリウム 0.07
精製水 1.0
C部
グリセリン 7.0
1,3-ブチレングリコール 8.0
αヒドロキシ酸混合物 0.1
保存料 適量
精製水 残部(全量を100とする)
D部
ジメチコン・ジメチコノール混合物 2.0
(製法)
A~Dを秤取する。Aを分散させたのち、Bを添加し中和する。C、Dを加え均一に混合する。
配合例5 ポンプフォーマータイプ洗顔
成分 配合量(質量%)
ソルビトール 25.0
ジグリセリン 4.0
ラウリルヒドロキシスルタイン 0.5
ココイルグルタミン酸Na 0.5
デシルグルコシド 3.0
1,3-ブチレングリコール 5.0
αヒドロキシ酸混合物 1.0
保存料 適量
精製水 残部(全量を100とする)
(製法)
各成分を秤取し、均一に混合する。
配合例6 ゴマージュ
成分 配合量(質量%)
A部
スクワラン 5.0
ステアリン酸 1.0
ステアリン酸グリセリル 1.0
PEG-60水添ヒマシ油 1.0
ジメチコン 0.5
B部
グリセリン 2.5
1,3-ブチレングリコール 2.5
保存料 適量
C部
カルボマー 0.2
精製水 10.0
D部
水酸化カリウム 適量
精製水 残部(全量を100とする)
E部
ポリイソプレン 5.0
F部
αヒドロキシ酸混合物 0.5
(製法)
A~Eをそれぞれ秤取する。A、Bを80℃で加温し、Aをホモミキサーで撹拌しながらBを添加する。Cを分散させたのち、ABの混合物に添加する。Dで中和後、E、Fを添加して混合する。

Claims (6)

  1. αヒドロキシ酸を含有する皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤。
  2. 前記αヒドロキシ酸が、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、及びグリコール酸からなる群から選択される少なくとも一つである請求項1に記載の皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤。
  3. 皮膚黄色化防止及び/又は改善用外用剤中のαヒドロキシ酸の濃度が0.001~5質量%である請求項1又は2に記載の黄色化防止及び/又は改善用外用剤。
  4. αヒドロキシ酸を含有する皮膚黄色化防止及び/又は改善用化粧料。
  5. 前記αヒドロキシ酸が、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、及びグリコール酸からなる群から選択される少なくとも一つである請求項4に記載の皮膚黄色化防止及び/又は改善用化粧料。
  6. 皮膚黄色化改善用化粧料中のαヒドロキシ酸の濃度が0.001~5質量%である請求項4又は5に記載の皮膚黄色化防止及び/又は改善用化粧料。
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