JP2022036276A - エレベータの利用者検知システム - Google Patents

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Abstract

【課題】床面の明るさに起因した未検知を抑制して、利用者を正しく検知して戸開閉制御に反映させる。【解決手段】一実施形態に係るエレベータの利用者検知システムは、検知手段と、明るさ計測手段と、感度設定手段と、戸開閉制御手段とを備える。上記検知手段は、上記カメラから時系列順に得られる各画像の輝度値を一定サイズのブロック単位で比較したときの輝度値の変化と検知感度として設定された閾値との関係に基づいて、上記利用者の有無を検知する。上記明るさ計測手段は、上記カメラから得られる画像を用いて上記乗場および上記乗りかごの少なくとも一方の床面の明るさを計測する。上記感度設定手段は、上記明るさ計測手段によって計測された上記床面の明るさに応じて、上記輝度値の変化に対する上記閾値を変更する。上記戸開閉制御手段は、上記検知手段の検知結果に基づいて、上記乗りかごのドアの戸開閉動作を制御する。【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、エレベータの利用者検知システムに関する。
通常、エレベータの乗りかごが乗場に到着して戸開すると、所定時間経過後に戸閉して出発する。その際、エレベータの利用者は乗りかごがいつ戸閉するのか分からないため、乗場から乗りかごに乗車するときに戸閉途中のドアにぶつかることがある。このような乗車時のドアの衝突を回避するため、カメラの撮影画像を用いて乗りかごに乗車する利用者を検知し、その検知結果をドアの開閉制御に反映させるシステムがある。
特許第6092433号公報
上述したシステムでは、カメラによって撮影される乗場の画像の輝度変化から利用者を検知している。ところが、例えば乗場の床面が黒色で暗い場合において、黒色の服を着た利用者が来ると、撮影画像上では利用者が背景である乗場の床面と区別がつかなくなり、輝度変化から利用者を検知できない現象が生じる。これは、乗りかご内に乗車している利用者を検知する場合も同様であり、乗りかごの床面の明るさによっては、利用者を検知できないことがある。
本発明が解決しようとする課題は、床面の明るさに起因した未検知を抑制して、利用者を正しく検知して戸開閉制御に反映させることができるエレベータの利用者検知システムを提供することである。
一実施形態に係るエレベータの利用者検知システムは、乗りかごに設置され、上記乗りかごのドア付近と乗場を撮影するカメラの画像から利用者を検知する。上記エレベータの利用者検知システムは、検知手段と、明るさ計測手段と、感度設定手段と、戸開閉制御手段とを備える。
上記検知手段は、上記カメラから時系列順に得られる各画像の輝度値を一定サイズのブロック単位で比較したときの輝度値の変化と検知感度として設定された閾値との関係に基づいて、上記利用者の有無を検知する。上記明るさ計測手段は、上記カメラから得られる画像を用いて上記乗場および上記乗りかごの少なくとも一方の床面の明るさを計測する。上記感度設定手段は、上記明るさ計測手段によって計測された上記床面の明るさに応じて、上記輝度値の変化に対する上記閾値を変更する。上記戸開閉制御手段は、上記検知手段の検知結果に基づいて、上記乗りかごのドアの戸開閉動作を制御する。
図1は第1の実施形態に係るエレベータの利用者検知システムの構成を示す図である。 図2は同実施形態における乗りかご内の出入口周辺部分の構成を示す図である。 図3は同実施形態におけるカメラの撮影画像の一例を示す図である。 図4は同実施形態における利用者検知システムの戸開時の利用者検知処理を示すフローチャートである。 図5は同実施形態における実空間での座標系を説明するための図である。 図6は同実施形態における撮影画像をブロック単位で区切った状態を示す図である。 図7は同実施形態における乗場の床面が白色の場合の利用者の検知動作を説明するための図である。 図8は同実施形態における乗場の床面が黒色の場合の利用者の検知動作を説明するための図である。 図9は同実施形態における利用者検知システムの感度設定処理を示すフローチャートである。 図10は同実施形態における計測エリアの設定方法を説明するための図である。 図11は同実施形態における床面の明るさレベルを説明するための図である。 図12は同実施形態における床面の明るさが第1のレベルの範囲に含まれる場合の画像上の輝度変化と閾値との関係を示す図である。 図13は同実施形態における床面の明るさが第2のレベルの範囲に含まれる場合の画像上の輝度変化と閾値との関係を示す図である。 図14は同実施形態における床面の明るさが第3のレベルの範囲に含まれる場合の画像上の輝度変化と閾値との関係を示す図である。 図15は第2の実施形態における乗りかご内に設定された検知エリアと計測エリアとの関係を示す図である。 図16は変形例1におけるリオープン管理テーブルの一例を示す図である。 図17は上記変形例1における検知感度の再設定処理を示すフローチャートである。
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係るエレベータの利用者検知システムの構成を示す図である。なお、ここでは、1台の乗りかごを例にして説明するが、複数台の乗りかごでも同様の構成である。
乗りかご11の出入口上部にカメラ12が設置されている。具体的には、カメラ12は、乗りかご11の出入口上部を覆う幕板11aの中にレンズ部分を直下方向、もしくは、乗場15側あるいは乗りかご11内部側に所定の角度だけ傾けて設置される。
カメラ12は、例えば車載カメラ等の小型の監視用カメラであり、広角レンズもしくは魚眼レンズを有し、1秒間に数コマ(例えば30コマ/秒)の画像を連続的に撮影可能である。カメラ12は、例えば乗りかご11が各階の乗場15に到着したときに起動され、かごドア13付近と乗場15を含めて撮影する。なお、カメラ12は、乗りかご11の運転時に常時動作中であっても良い。
このときの撮影範囲はL1+L2に調整されている(L1≫L2)。L1は乗場側の撮影範囲であり、かごドア13から乗場15に向けて所定の距離を有する。L2はかご側の撮影範囲であり、かごドア13からかご背面に向けて所定の距離を有する。なお、L1,L2は奥行き方向の範囲であり、幅方向(奥行き方向と直交する方向)の範囲については少なくとも乗りかご11の横幅より大きいものとする。
各階の乗場15において、乗りかご11の到着口には乗場ドア14が開閉自在に設置されている。乗場ドア14は、乗りかご11の到着時にかごドア13に係合して開閉動作する。なお、動力源(ドアモータ)は乗りかご11側にあり、乗場ドア14はかごドア13に追従して開閉するだけである。以下の説明においては、かごドア13を戸開している時には乗場ドア14も戸開しており、かごドア13が戸閉している時には乗場ドア14も戸閉しているものとする。
カメラ12によって連続的に撮影された各画像(映像)は、画像処理装置20によってリアルタイムに解析処理される。なお、図1では、便宜的に画像処理装置20を乗りかご11から取り出して示しているが、実際には、画像処理装置20はカメラ12と共に幕板11aの中に収納されている。
画像処理装置20には、記憶部21と検知部22とが備えられている。記憶部21は、例えばRAM等のメモリデバイスからなる。記憶部21は、カメラ12によって撮影された画像を逐次保存すると共に、検知部22の処理に必要なデータを一時的に保存しておくためのバッファエリアを有する。なお、記憶部21には、撮影画像に対する前処理として、歪み補正や拡大縮小、一部切り取り等の処理が施された画像が保存されるとしても良い。
検知部22は、例えばマイクロプロセッサからなり、カメラ12の撮影画像を用いてかごドア13付近にいる利用者を検知する。この検知部22を機能的に分けると、検知エリア設定部22a、検知処理部22b、明るさ計測部22c、感度設定部22dで構成される。なお、これらは、ソフトウェアによって実現しても良いし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現しても良いし、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現しても良い。
検知エリア設定部22aは、カメラ12から得られる撮影画像上に利用者を検知するための検知エリアを少なくとも1つ以上設定する。本実施形態では、乗場15にいる利用者を検知するための検知エリアE1が設定される。詳しくは、検知エリア設定部22aは、乗りかご11の出入口からシル18,47を含み、乗場15に向けて所定の距離L3を有する検知エリアE1を設定する(図3参照)。
検知処理部22bは、検知エリア設定部22aによって設定された検知エリアE1内の画像を用いて、乗場15に存在する利用者または物を検知する。なお、「物」とは、例えば利用者の衣服や荷物、さらに車椅子等の移動体を含む。以下の説明で、「利用者を検知」と言った場合に、「物」を含んでいるものとする。
明るさ計測部22cは、カメラ12から得られる画像を用いて乗場15および乗りかご11の少なくとも一方の床面の明るさを計測する。本実施形態において、明るさ計測部22cは、乗場15の床面16を計測対象としており、例えば画像の輝度値を用いて乗場15の床面16の明るさを計測する。
感度設定部22dは、明るさ計測部22cによって計測された床面の明るさに応じて検知感度を設定する。「検知感度」とは、画像上で利用者を検知するときの感度のことであり、具体的には画像の輝度変化(各画像の輝度値を所定単位で比較したときの差)に対する閾値のことである。検知処理部22bは、この検知処理部22bによって設定された検知感度に基づいて、検知エリアE1内の画像から利用者を検知する。なお、画像処理装置20の一部あるいは全部の機能をエレベータ制御装置30に持たせることでも良い。
エレベータ制御装置30は、CPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータからなる。エレベータ制御装置30は、乗りかご11の運転制御などを行う。また、エレベータ制御装置30は、戸開閉制御部31を備える。
戸開閉制御部31は、乗りかご11が乗場15に到着したときのかごドア13の戸開閉を制御する。詳しくは、戸開閉制御部31は、乗りかご11が乗場15に到着したときにかごドア13を戸開し、所定時間経過後に戸閉する。ただし、かごドア13の戸閉動作中のときに、検知処理部22bによって利用者が検知された場合には、戸開閉制御部31は、かごドア13の戸閉動作を禁止して、かごドア13を全開方向にリオープンして戸開状態を維持する。
図2は乗りかご11内の出入口周辺部分の構成を示す図である。
乗りかご11の出入口にかごドア13が開閉自在に設けられている。図2の例では2枚戸両開きタイプのかごドア13が示されており、かごドア13を構成する2枚のドアパネル13a,13bが間口方向(水平方向)に沿って互いに逆方向に開閉動作する。なお、「間口」とは、乗りかご11の出入口と同じである。
乗りかご11の出入口の両側に正面柱41a,41bが設けられており、幕板11aと共に乗りかご11の出入口を囲っている。「正面柱」は、出入口柱あるいは出入口枠とも言い、裏側にはかごドア13を収納するための戸袋が設けられているのが一般的である。図2の例では、かごドア13が戸開したときに、一方のドアパネル13aが正面柱41aの裏側に設けられた戸袋42aに収納され、他方のドアパネル13bが正面柱41bの裏側に設けられた戸袋42bに収納される。
正面柱41a,41bの一方あるいは両方に表示器43や、行先階ボタン44などが配設された操作盤45、スピーカ46が設置されている。図2の例では、正面柱41aにスピーカ46、正面柱41bに表示器43、操作盤45が設置されている。ここで、乗りかご11の出入口上部の幕板11aの中央部に、広角レンズを有するカメラ12が設置されている。
図3はカメラ12の撮影画像の一例を示す図である。上側は乗場15、下側は乗りかご11内である。図中の16は乗場15の床面、19は乗りかご11の床面を示している。E1は検知エリアを表している。
かごドア13は、かごシル47上を互いに逆方向に移動する2枚のドアパネル13a,13bを有する。乗場ドア14も同様であり、乗場シル18上を互いに逆方向に移動する2枚のドアパネル14a,14bを有する。乗場ドア14のドアパネル14a,14bは、かごドア13のドアパネル13a,13bと共に戸開閉方向に移動する。
カメラ12は乗りかご11の出入口上部に設置されている。したがって、乗りかご11が乗場15で戸開したときに、図1に示したように、乗場側の所定範囲(L1)とかご内の所定範囲(L2)が撮影される。このうち、乗場側の所定範囲(L1)に、乗りかご11に乗車する利用者を検知するための検知エリアE1が設定されている。
実空間において、検知エリアE1は、出入口(間口)の中心から乗場方向に向かってL3の距離を有する(L3≦乗場側の撮影範囲L1)。全開時における検知エリアE1の横幅W1は、出入口(間口)の横幅W0以上の距離に設定されている。検知エリアE1は、図3に斜線で示すように、シル18,47を含み、三方枠17a,17bの死角を除いて設定される。なお、検知エリアE1の横方向(X軸方向)のサイズは、かごドア13の開閉動作に合わせて変更される構成としても良い。また、検知エリアE1の縦方向(Y軸方向)のサイズについても、かごドア13の開閉動作に合わせて変更される構成としても良い。
以下に、本システムの動作について、(a)利用者検知処理、(b)感度設定処理に分けて説明する。
(a)利用者検知処理
図4は本システムにおける戸開時の利用者検知処理を示すフローチャートである。
まず、初期設定として、画像処理装置20に備えられた検知部22の検知エリア設定部22aによって検知エリア設定処理が実行される(ステップS10)。この検知エリア設定処理は、例えばカメラ12を設置したとき、あるいは、カメラ12の設置位置を調整したときに、以下のようにして実行される。
すなわち、検知エリア設定部22aは、乗りかご11が全開した状態で、出入口から乗場15に向けて距離L3を有する検知エリアE1を設定する。図3に示したように、検知エリアE1は、シル18,47を含み、三方枠17a,17bの死角を除いて設定される。ここで、乗りかご11が全開した状態では、検知エリアE1の横方向(X軸方向)のサイズはW1であり、出入口(間口)の横幅W0以上の距離を有する。
ここで、乗りかご11が任意の階の乗場15に到着すると(ステップS11のYes)、エレベータ制御装置30は、かごドア13を戸開して乗りかご11に乗車する利用者を待つ(ステップS12)。
このとき、乗りかご11の出入口上部に設置されたカメラ12によって乗場側の所定範囲(L1)とかご内の所定範囲(L2)が所定のフレームレート(例えば30コマ/秒)で撮影される。画像処理装置20は、カメラ12で撮影された画像を時系列で取得し、これらの画像を記憶部21に逐次保存しながら(ステップS13)、以下のような利用者検知処理をリアルタイムで実行する(ステップS14)。なお、撮影画像に対する前処理として、歪み補正や、拡大縮小、画像の一部の切り取りなどを行っても良い。
利用者検知処理は、画像処理装置20に備えられた検知部22の検知処理部22bによって実行される。検知処理部22bは、カメラ12によって時系列で得られる複数の撮影画像から検知エリアE1内の画像を抽出することにより、これらの画像に基づいて利用者または物の有無を検知する。
具体的には、図5に示すように、カメラ12は、乗りかご11の出入口に設けられたかごドア13と水平の方向をX軸、かごドア13の中心から乗場15の方向(かごドア13に対して垂直の方向)をY軸、乗りかご11の高さ方向をZ軸とした画像を撮影する。このカメラ12によって撮影された各画像において、検知エリアE1の部分をブロック単位で比較することで、かごドア13の中心から乗場15の方向、つまりY軸方向に移動中の利用者の足元位置の動きを検知する。
図6に撮影画像を所定のブロック単位でマトリックス状に分割した例を示す。原画像を一辺Wblockの格子状に区切ったものを「ブロック」と呼ぶ。図6の例では、ブロックの縦横の長さが同じであるが、縦と横の長さが異なっていても良い。また、画像全域に渡ってブロックを均一な大きさとしても良いし、例えば画像上部ほど縦(Y軸方向)の長さを短くするなどの不均一な大きさにしても良い。
検知処理部22bは、記憶部21に保持された各画像を時系列順に1枚ずつ読み出し、これらの画像の平均輝度値をブロック毎に算出する。その際、初期値として最初の画像が入力されたときに算出されたブロック毎の平均輝度値を記憶部21内の図示せぬ第1のバッファエリアに保持しておくものとする。
2枚目以降の画像が得られると、検知処理部22bは、現在の画像のブロック毎の平均輝度値と上記第1のバッファエリアに保持された1つ前の画像のブロック毎の平均輝度値とを比較する。その結果、現在の画像の中で予め設定された閾値以上の輝度差を有するブロックが存在した場合には、検知処理部22bは、当該ブロックを動きありのブロックとして判定する。現在の画像に対する動きの有無を判定すると、検知処理部22bは、当該画像のブロック毎の平均輝度値を次の画像との比較用として上記第1のバッファエリアに保持する。
以後同様にして、検知処理部22bは、各画像の輝度値を時系列順にブロック単位で比較しながら動きの有無を判定することを繰り返す。その際、後述する感度設定処理によって設定された検知感度に基づいて、輝度変化に対する閾値が適宜変更されて動きの有無が判定される(図12乃至図14参照)。
検知処理部22bは、検知エリアE1内の画像に動きありのブロックがあるか否かをチェックする。その結果、検知エリアE1内の画像に動きありのブロックがあれば、検知処理部22bは、検知エリアE1内に利用者または物が存在するものと判断する。
このような方法により、かごドア13の戸開時に検知エリアE1内で利用者または物の存在が検知されると(ステップS15のYes)、画像処理装置20からエレベータ制御装置30に対して利用者検知信号が出力される。エレベータ制御装置30の戸開閉制御部31は、この利用者検知信号を受信することにより、かごドア13の戸閉動作を禁止して戸開状態を維持する(ステップS16)。
詳しくは、かごドア13が全開状態になると、戸開閉制御部31は戸開時間のカウント動作を開始し、所定の時間T(例えば1分)分をカウントした時点で戸閉を行う。この間に利用者が検知され、利用者検知信号が送られてくると、戸開閉制御部31はカウント動作を停止してカウント値をクリアする。これにより、上記時間Tの間、かごドア13の戸開状態が維持されることになる。
なお、この間に新たな利用者が検知されると、再度カウント値がクリアされ、上記時間Tの間、かごドア13の戸開状態が維持されることになる。ただし、上記時間Tの間に何度も利用者が来てしまうと、かごドア13をいつまでも戸閉できない状況が続いてしまうので、許容時間Tx(例えば3分)を設けておき、この許容時間Txを経過した場合にかごドア13を強制的に戸閉することが好ましい。
上記時間T分のカウント動作が終了すると、戸開閉制御部31はかごドア13を戸閉し、乗りかご11を目的階に向けて出発させる(ステップS17)。
なお、図4のフローチャートでは、かごドアの戸開時を想定して説明したが、戸閉時も同様であり、戸閉が開始されて全閉するまでの間(戸閉動作中)に検知エリアE1内で利用者または物が検知された場合に戸閉動作が一時中断される。
(b)感度設定処理
上述したように、利用者検知処理は、検知エリアE1の中の画像の輝度変化から利用者の動きを検知する。この輝度変化は、画像上で利用者の背景となる乗場15の床面16の明るさによって異なる。
図7および図8に具体例を示す。
図7に示すように、乗場15の床面16が明るい色(例えば白)であったとする。ここに床面16と同じように明るい色の服を着た利用者P1が来た場合、カメラ12の撮影画像には利用者P1の服のしわなどが映るので、床面16と利用者P1とを区別できる。このような場合、利用者P1の動きに応じて輝度変化が生じ、その輝度変化から利用者P1を検知することができる。
一方、図8に示すように、乗場15の床面16が暗い色(例えば黒)であった場合に、床面16と同じように暗い色の服を着た利用者P2が来ると、カメラ12の撮影画像上では床面16と利用者P2との区別がつきづらくなる。このような場合、利用者P2が動いても、撮影画像上では大きな輝度変化が生じないので、利用者P2を検知できないことがある。
そこで、本実施形態では、感度設定処理によって乗場15の床面16の明るさに応じて検知感度を最適化することで、図8のように床面16が暗い場合でも利用者を検知可能とする。この感度設定処理は、下記のタイミングで実行される。
(1)通常運転前
通常運転は、利用者を乗りかご11に乗せて各階を移動する運転のことである。この通常運転の前に、乗りかご11を各階で無人で停止させ、乗場15の床面16の明るさに応じて感度設定を行う。このとき設定された検知感度は、例えば図1に示した記憶部21のテーブルTBに階床情報と関連付けられて登録される。通常運転に移行したときに、乗りかご11がかご呼びまたは乗場呼びに応答して任意の階に停止したときに、その停止した階に対応した検知感度をテーブルTBから読み出し、その検知感度を利用者検知処理に反映させる。
(2)通常運転中
通常運転中において、乗りかご11が任意の階で停止して戸開したときに、乗場15の床面16の明るさに応じて感度設定を行う。ただし、乗りかご11がかご呼びの登録階で停止した場合には、乗りかご11から乗場15に降りた利用者が感度設定の邪魔になることがある。したがって、かご呼びの登録がないときに感度設定を行うことが好ましい。
上記(1)の通常運転前であれば、各階の乗場15に利用者がいないので、それぞれの階で乗場15の床面16の明るさを正確に計測して感度設定できるといったメリットがある。しかし、例えば任意の階で乗場15の床面16にカーペットが敷かれるなどして、床面16の明るさが変わることがある。また、乗場15の照明機器の故障や、日差しの入り方でも、床面16の明るさが大きく変わることがある。床面16の明るさが変わると、テーブルTBに事前に登録された検知感度と合わなくなる。
したがって、上記(2)のように、通常運転中に乗りかご11が各階で停止する毎にリアルタイムに床面16の明るさを計測し、その明るさに応じて感度設定を行うことが好ましい。具体的には、図4のステップS13において、乗りかご11の停止階でカメラ12によって撮影された画像を用いて乗場15の床面16の明るさを計測し、その明るさに応じて感度設定を行う。
図9は本システムにおける感度設定処理を示すフローチャートである。
感度設定処理は、画像処理装置20に備えられた検知部22の明るさ計測部22cと感度設定部22dを通じて以下のような手順で実行される。
まず、明るさ計測部22cは、乗りかご11の停止階でカメラ12の撮影画像を用いて乗場15の床面16の明るさを計測する(ステップS21)。詳しくは、明るさ計測部22cは、下記のいずれかの方法で撮影画像上に計測エリアE11を設定し、その計測エリアE11内の各画素の輝度値の平均値を床面16の明るさとして算出する。
[計測エリアE11の設定方法]
・乗場15の床面16の全体あるいは一部
図10に示すように、乗場15の床面16の全体を計測エリアE11として設定するか、あるいは、床面16の一部を計測エリアE11として設定する。床面16の一部を計測エリアE11として設定する場合には、例えば三方枠17a,17bの近くなど、乗場15にいる利用者によって乗場15の床面16が隠れていない部分が好ましい。なお、撮影画像上で乗場15の床面16が映る領域や、三方枠17a,17bなどのエレベータ構造物が映る領域は、乗りかご11の各構成部の設計値(間口の幅,ドアの高さ等)とカメラ12の設置情報(位置・画角等)に基づいて求められる。これらの領域の座標情報に基づいて計測エリアE11が設定される。
・E1=E11
検知エリアE1を計測エリアE11として用いても良い。検知エリアE1を計測エリアE11として用いた方が、計測エリアE11を別途設定する手間が省ける上に、利用者検知処理に直接関わる床面部分の明るさを計測できるといった利点がある。
感度設定部22dは、計測エリアE11内の床面16の明るさに応じて検知感度を設定する。この場合、感度設定部22dは、床面16が利用者を検知不十分な明るさを有する場合には検知感度を上げるように調整する。「利用者を検知不十分な明るさ」とは、後述する第2のレベルに相当し、カメラ12の撮影画像上で利用者の動きに伴う輝度変化を正確に検知できない明るさのことを言う。
具体的には、図11に示すように、輝度値を256階調で表した場合に、感度設定部22dは、下記の3つのレベルに分けて床面16の明るさを判定する。
・第1のレベル:白に近い明るさであり、例えば輝度値「200~255」の範囲を有する。
・第2のレベル:黒に近い明るさであり、例えば輝度値「0~49」の範囲を有する。
・第3のレベル:白と黒の間の中間色(グレー)に近い明るさであり、例えば輝度値「50~199」の範囲を有する。
各レベルの範囲は任意に変更可能である。例えば、輝度値「200」を閾値TH1、輝度値「50」を閾値TH2としたときに、計測エリアE11内の各画素の輝度値の平均値が閾値TH1以上であれば、第1のレベルの明るさと判定し、閾値TH2未満であれば、第2のレベルの明るさと判定する。また、計測エリアE11内の各画素の輝度値の平均値が閾値TH2以上で、かつ、閾値TH1未満であれば、第3のレベルの明るさと判定する。
[閾値処理以外で明るさを判定する方法]
上述したような閾値を用いずに、例えば処理テーブルあるいは処理関数を用いて明るさを判定することでも良い。
・処理テーブルを用いる方法
例えば、記憶部21に図示せぬ処理テーブルが記憶されている。この処理テーブルには、輝度値に対する明るさのレベルが予め設定されている。具体的には、輝度値「200~255」:第1のレベル,輝度値「50~199」:第3のレベル,輝度値「0~49」:第2のレベルといったように、輝度値と明るさレベルとが関連付けられている。したがって、計測エリアE11内の各画素の輝度値の平均値を入力値として上記処理テーブルを検索すれば、上記入力値に対応した明るさのレベルを出力値として得ることできる。
・処理関数を用いる方法
処理関数とは、計測エリアE11内の各画素の輝度値の平均値から明るさのレベルを算出するための関数式のことである。このような関数式を用いて、明るさのレベルを算出することでも良い。この関数式は、各画素の輝度値In(In: 計測エリア内)を入力とし、計測エリアE11内の画像の明るさを「白に近い」「黒に近い」「中間色(グレー)に近い」の3つのレベルに分類処理して出力する。分類処理として、機械学習を用いても良い。機械学習による分類処理として、例えばk-近傍法、決定木法、サポートベクターマシン(Support Vector Machine:SVM)、ディープラーニングなどの一般的な処理を用いれば良い。
[輝度値の読み取り方法]
撮影画像の輝度値を用いて乗場15の床面16の明るさを判定する場合に、撮影画像の輝度値を戸開時に1回だけでなく、連続的あるいは周期的(数秒間隔)に読み取ることが好ましい。利用者を避けて計測エリアE11を設定しても、かごドア13が戸開したときには利用者の乗り降りがあるため、1回だけの読み取りでは正確性に欠けるからである。連続的あるいは周期的(数秒間隔)に輝度値を読み取っていれば、利用者が乗場15からいなくなったときに輝度値が安定するので、その安定した輝度値を用いれば、床面16の明るさを正確に判定できる。
[明るさの計測方法]
・明るさの計測値=輝度値
上述したように、撮影画像の各画素の輝度値を用いて床面16の実際の明るさを計測する。
・明るさの計測値=輝度値/(露光時間×ゲイン)
別の方法として、撮影画像の輝度値に加え、カメラ12の設定情報である露光時間とゲインの少なくとも1つを用いて床面16の実際の明るさを計測することでも良い。「露光時間」は、カメラ12に備えられた撮像素子がレンズを通して露光される時間のことであり、撮影時におけるシャッターの開放時間に相当する。露光時間が長いほど、明るい画像が得られる。「ゲイン」は、カメラ12の出力値を増減するための係数である。ゲインの数値を上げれば、カメラ12の出力値も上がるので、明るい画像が得られる。
つまり、露光時間もゲインも輝度値に比例する値なので、上記式により露光時間とゲインの設定値を加味した明るさの計測値を算出できる。例えば、床面16の色が白の場合に、露光時間とゲインの値が低く、輝度値は暗め(輝度値「100」など)に映ることもある。このような場合でも正しい明るさ計測値を算出することができる。
図9に戻って、床面16の明るさが第1のレベルの範囲に含まれる場合(ステップS22のYes)、感度設定部22dは、現在階の乗場15に対する検知感度を基準値である「検知感度a」に設定する(ステップS23)。一方、床面16の明るさが第2のレベルの範囲に含まれる場合、つまり、利用者を検知不十分な明るさであった場合には(ステップS24のYes)、感度設定部22dは、現在階の乗場15に対する検知感度を基準値よりも上げて「検知感度b」に設定する(ステップS25)。
また、床面16の明るさが第3のレベルの範囲に含まれる場合(ステップS24のNo)、感度設定部22dは、現在階の乗場15に対する検知感度を基準値よりも下げて「検知感度c」に設定する(ステップS26)。
「検知感度を基準値より上げる」とは、利用者を検知しやすい状態にすることであり、処理的には画像の輝度変化に対する閾値を低くすることである。「検知感度を基準値より下げる」とは、利用者を検知しにくい状態にすることであり、処理的には画像の輝度変化に対する閾値を高くすることである。
図12乃至図14は画像上の輝度変化と閾値との関係を示す図である。
図中のAは第1のレベルの明るさに対する閾値、Bは第2のレベルの明るさに対する閾値、Cは第3のレベルの明るさに対する閾値を示す。閾値Aは検知感度a、閾値Bは検知感度b、閾値Cは検知感度cに対応している。閾値A,B,Cは、それぞれに乗場環境等を考慮して最適な値に設定されている。なお、閾値A,B,Cの具体的な数値についてはノウハウであるため、開示を省略する。
・第1のレベルの場合
床面16の明るさが第1のレベルの範囲に含まれる場合には、図12に示すように、検知感度aとして閾値Aが用いられる。閾値Aは、輝度変化に対する判定基準として一般的に用いられる閾値である。図7で説明したように、例えば床面16が白色で明るい場合に、白い服を着た利用者P1であっても、服のしわなどで輝度変化が発生するため、閾値Aでも検知できる。図12の例では、時間t1-t2の間の輝度差が閾値A以上になっているので、この間に利用者の動きありとして判定されることになる。
・第2のレベルの場合
床面16の明るさが第2のレベルの範囲に含まれる場合には、図13に示すように、検知感度bとして閾値Bが用いられる。閾値Bは、閾値Aよりも低く設定されている(B<A)。図8で説明したように、例えば床面16が黒色で暗い場合に、黒い服を着た利用者P2は床面16の黒色に隠れてしまい、大きな輝度変化が発生しない。そのため、輝度変化に対する閾値を閾値Aよりも下げておく必要がある。図13の例では、時間t3-t4の間の輝度差が閾値B以上になっているので、この間に利用者の動きありとして判定されることになる。
・第3のレベルの場合
床面16の明るさが第3のレベルの範囲に含まれる場合には、図14に示すように、検知感度cとして閾値Cが設定される。閾値Cは、閾値Aよりも高く設定されている(C>A)。例えば床面16の色が中間値の明るさを有している場合には、利用者と影との区別がつきづらいため、利用者だけを正確に検知するために、輝度変化に対する閾値を上げておくことが好ましい。図14の例では、時間t5-t6の間の輝度差が閾値C以上になっているので、この間に利用者の動きありとして判定されることになる。
このように第1の実施形態によれば、乗場15の床面16の明るさに応じて検知感度が最適化され、その検知感度に対応した閾値を用いて利用者の動きが検知される。したがって、例えば図8に示したように、乗場15の床面16が暗い状態であっても、画像の輝度変化から利用者の動きを正確に検知でき、その検知結果を戸開閉制御に反映させることができる。
なお、上記第1の実施形態では、乗場15の床面16の明るさを第1~第3のレベルに分けて判定したが、床面16の明るさを第1のレベルと第2のレベルの2つに分けて判定することでも良い(第1のレベルは第2のレベルよりも明るい)。この場合、例えば輝度の中間値「128」を閾値TH3とし、計測エリアE11内の各画素の輝度値の平均値が閾値TH3以上であれば、第1のレベルの明るさと判定し、閾値TH3未満であれば、第2のレベルの明るさと判定すれば良い。なお、このような閾値処理による明るさの判定方法の他に、上述した処理テーブルや処理関数を用いて明るさを判定しても良い。
乗場15の床面16が第1のレベルの明るさの場合には、検知感度を基準値と同じか、基準値よりも下げる(検知感度aまたは検知感度c)。乗場15の床面16が第2のレベルの明るさの場合には、利用者を検知不十分な明るさとして扱い、検知感度を基準値よりも上げる(検知感度b)。これにより、上記第1の実施形態と同様に、乗場15の床面16が暗い状態であっても、画像の輝度変化から利用者の動きを正確に検知でき、その検知結果を戸開閉制御に反映させることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
上記第1の実施形態では、乗場15にいる利用者を検知する場合を想定して説明したが、第2の実施形態では、乗りかご11内の利用者を検知する場合を想定している。
以下に、乗りかご11内の利用者を検知する場合の処理について説明する。
図15は第2の実施形態における乗りかご11内に設定された検知エリアE2と計測エリアE21との関係を示す図である。
検知部22に備えられた検知エリア設定部22aによって、乗りかご11内に検知エリアE2が設定される。検知エリアE2は、乗りかご11の床面19に設けられたかごシル47に隣接している。検知エリアE2は、撮影画像上で利用者を検知するためのエリアであり、戸開時にかごドア13の近くにいる利用者の手などが戸袋42a,42bに引き込まれる事故を防止するために用いられる。
検知エリアE2は、出入口と直交する方向(Y軸方向)に所定の幅を有し、かごシル47の長手方向(X軸方向)に沿って帯状に設定される。なお、かごシル47上はかごドア13(ドアパネル13a,13b)が移動するため、エリア設定外とする。つまり、検知エリアE2は、かごシル47上を除き、かごシル47の長手方向の一側辺に隣接させて設定される。これにより、かごドア13の開閉動作に影響されない検知エリアE2を設定することができる。
図15の例では、乗りかご11が戸開した状態を示しているが、検知エリアE2は、戸閉状態で撮影された画像上で設定することが好ましい。撮影画像に乗場15側の背景が映らないので、乗りかご11内の構造物だけを基準にして検知エリアE2を設定できるからである。
感度設定処理は、通常運転前または通常運転中に実行される。通常運転前または通常運転中において、乗りかご11が各階で停止したときに、その都度、床面19の明るさを計測して感度設定しても良いし、任意の階で1度だけ感度設定することでも良い。ただし、乗りかご11内の照明機器の故障などにより、床面19の明るさが変わることもあるので、通常運転中に乗りかご11が各階で停止したときに、その都度、床面19の明るさを計測して感度設定することが好ましい。
明るさ計測部22cは、カメラ12の撮影画像を用いて乗りかご11の床面19の明るさを計測する。詳しくは、明るさ計測部22cは、下記のいずれかの方法により撮影画像上に計測エリアE21を設定し、その計測エリアE21内の各画素の輝度値の平均値を床面19の明るさとして算出する。
[計測エリアE21の設定方法]
・乗りかご11の床面19の全体あるいは一部
図15に示すように、乗りかご11の床面19の全体を計測エリアE21として設定するか、あるいは、床面19の一部を計測エリアE21として設定する。床面19の一部を計測エリアE21と設定する場合には、例えばかごシル47の近く(つまり出入口付近)が好ましい。乗りかご11の中では利用者が出入口付近に乗車していることは少ないので、戸開する前に利用者に邪魔されずに床面19の明るさを計測できるからである。撮影画像上で乗りかご11の床面19が映る領域や、正面柱41a,41b、かごシル47などのエレベータ構造物が映る領域は、乗りかご11の各構成部の設計値(間口の幅,ドアの高さ等)とカメラ12の設置情報(位置・画角等)に基づいて求められる。これらの領域の座標情報に基づいて計測エリアE21が設定される。
・E2=E21
検知エリアE2を計測エリアE21として用いても良い。検知エリアE2を計測エリアE21として用いた方が、計測エリアE21を設定する手間が省ける上に、利用者検知処理に直接関わる検知エリアE2内の床面19の明るさを計測できるといった利点がある。
感度設定部22dは、明るさ計測部22cで計測された乗りかご11の床面19の明るさに応じて検知感度を設定する。具体的には、図9で説明したように、例えば床面19の明るさを3段階に分けて、第1のレベルの明るさでは検知感度a、第2のレベルの明るさでは検知感度b、第3のレベルの明るさでは検知感度cを設定する。あるいは、床面19の明るさを2段階に分けて、第1のレベルの明るさでは検知感度aまたは検知感度c、第2のレベルの明るさでは検知感度bを設定することでも良い。
乗りかご11が任意の階で戸開するときに、検知処理部22bは、検知エリアE21内の画像の輝度変化に基づいて、かごドア13の近くに利用者が存在するか否かを判断する。その際、上記第1の実施形態と同様に、検知感度に基づいて輝度変化に対する閾値が変更されるので(図12乃至図14参照)、床面19が明るい場合であっても暗い場合であっても、画像の輝度変化からかごドア13の近くにいる利用者を正しく検知することができる。
戸開時にかごドア13の近くにいる利用者が検知されると、戸開閉制御部31によって戸開動作が中断され、かごドア13が全閉方向にリクローズする。これにより、利用者の手などが戸袋42a,42bに引き込まれることを防げる。
このように第2の実施形態によれば、乗りかご11の床面19の明るさを計測し、その明るさに応じて検知感度を設定することにより、床面19が明るさに左右されずに、利用者だけを正しく検知して、その検知結果を戸開閉制御に反映させることができる。
なお、上記第1の実施形態と上記第2の実施形態と組み合わせて構成することも可能である。この場合、戸開時と戸閉時とで計測対象を切り替え、戸開時に乗場15の床面16の明るさを計測して、戸閉時に乗りかご11の床面19の明るさを計測して、それぞれに検知感度を設定することになる。
(変形例1)
・誤検知によるリオープンの抑制
戸閉動作中のときに、乗場15にいる利用者が検知された場合には、エレベータ制御装置30の戸開閉制御部31は、かごドア13の戸閉動作を禁止して、かごドア13を全開方向にリオープンして戸開状態を維持する。しかし、例えば撮影画像に影などが映り込んでいると、利用者と誤検知してリオープンを繰り返すことがある。
そこで、戸開閉制御部31は、各階毎にかごドア13がリオープンした回数を図16に示すようなリオープン管理テーブル32に記録しておく。記録期間は時間単位でも良いし、1日単位、月単位でも良い。
図17のフローチャートに示すように、検知部22に備えられた感度設定部22dは、乗りかご11の停止階で感度設定を行うときに、戸開閉制御部31から階床情報として当該階のリオープン回数を取得する(ステップS31)。このリオープン回数が予め設定された一定回数以上であった場合に、感度設定部22dは、誤検知によるリオープンの頻度が多い階と判断し(ステップS32のYes)、当該階の床面16に対する検知感度を明るさの計測結果から得られる検知感度よりも下げる方向に調整する(ステップS33)。
具体的に説明すると、例えば乗りかご11が2階に停止して戸開したときに、乗場15の床面16の明るさから検知感度aが設定されたとする。ここで、2階の階床情報からかごドア13がリオープンする頻度が多い階床であった場合には、検知感度を1つ下げて検知感度bに再設定する。検知感度を下げると、画像の輝度変化に対する閾値が上がるので、影などを誤検知することが少なくなり、リオープンを抑制することができる。
・誤検知によるリクローズの抑制
乗りかご11内で利用者を検知する場合も同様である。すなわち、かごドア13の戸開動作中に、かごドア13の近くにいる利用者が検知された場合には、かごドア13が全閉方向にリクローズする。これにより、利用者の手などが戸袋17a,17bに引き込まれことが防止される。しかし、かごドア13の近くに発生する影などが誤検知されて、リクローズが繰り返されることがある。
そこで、かごドア13がリクローズする回数が一定以上あった場合には、乗りかご11に用いられる検知感度を明るさの計測結果から得られる検知感度よりも下げておく。これにより、誤検知によるリクローズを抑制することができる。
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、床面の明るさに起因した未検知を抑制して、利用者を正しく検知して戸開閉制御に反映させることができるエレベータの利用者検知システムを提供することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11…乗りかご、11a…幕板、12…カメラ、13…かごドア、13a,13b…ドアパネル、14…乗場ドア、14a,14b…ドアパネル、15…乗場、17a,17b…三方枠、18…乗場シル、47…かごシル、20…画像処理装置、21…記憶部、22…検知部、22a…検知エリア設定部、22b…検知処理部、22c…明るさ計測部、22d…感度設定部、30…エレベータ制御装置、31…戸開閉制御部、E1,E2…検知エリア、E11,E21…計測エリア。

Claims (11)

  1. 乗りかごに設置され、上記乗りかごのドア付近と乗場を撮影するカメラの画像から利用者を検知するエレベータの利用者検知システムにおいて、
    上記カメラから時系列順に得られる各画像の輝度値を一定サイズのブロック単位で比較したときの輝度値の変化と検知感度として設定された閾値との関係に基づいて、上記利用者の有無を検知する検知手段と、
    上記カメラから得られる上記画像を用いて上記乗場および上記乗りかごの少なくとも一方の床面の明るさを計測する明るさ計測手段と、
    この明るさ計測手段によって計測された上記床面の明るさに応じて、上記輝度値の変化に対する上記閾値を変更する感度設定手段と、
    上記検知手段の検知結果に基づいて、上記乗りかごのドアの戸開閉動作を制御する戸開閉制御手段と
    を具備したことを特徴とするエレベータの利用者検知システム。
  2. 上記感度設定手段は、
    上記床面が上記利用者を検知不十分な明るさを有する場合には、上記閾値を基準値よりも低く設定することを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。
  3. 上記感度設定手段は、
    上記床面の明るさを第1のレベルと第2のレベルに分けて判定し、上記第1のレベルが上記第2のレベルよりも明るいとしたときに、
    上記床面の明るさが上記第1のレベルの範囲に含まれる場合には、上記閾値を基準値と同じか、上記基準値よりも高く設定し、
    上記床面の明るさが上記第2のレベルの範囲に含まれる場合には、上記閾値を上記基準値よりも低く設定することを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。
  4. 上記感度設定手段は、
    上記床面の明るさを第1のレベルと第2のレベルと第3のレベルに分けて判定し、上記各レベルの中で上記第1のレベルが最も明るく、上記第2のレベルが最も暗く、上記第3のレベルが上記第1のレベルと上記第2のレベルの間の明るさとしたときに、
    上記床面の明るさが上記第1のレベルの範囲に含まれる場合には、上記閾値を基準値に設定し、
    上記床面の明るさが上記第2のレベルの範囲に含まれる場合には、上記閾値を上記基準値よりも低く設定し、
    上記床面の明るさが上記第3のレベルの範囲に含まれる場合には、上記閾値を上記基準値よりも高く設定することを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。
  5. 上記感度設定手段は、
    上記乗りかごのドアがリオープンまたはリクローズする頻度が高い場合に、上記明るさ計測手段の計測結果から得られる上記閾値を高くするように調整することを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。
  6. 上記明るさ計測手段は、
    上記床面に設定された計測エリア内の上記画像の輝度値に基づいて、上記床面の明るさを計測することを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。
  7. 上記計測エリアは、
    上記床面の全体あるいは一部に設定されることを特徴とする請求項6記載のエレベータの利用者検知システム。
  8. 上記計測エリアは、
    上記乗場の三方枠の近くに設定されることを特徴とする請求項6記載のエレベータの利用者検知システム。
  9. 上記計測エリアは、
    上記乗りかごの出入口に設けられたシルに近い部分に設定されることを特徴とする請求項6記載のエレベータの利用者検知システム。
  10. 上記検知手段は、
    上記床面に設定された検知エリア内の上記画像の輝度変化から利用者の動きを検知するものであり、
    上記計測エリアとして上記検知エリアが用いられることを特徴とする請求項6記載のエレベータの利用者検知システム。
  11. 上記明るさ計測手段は、
    上記乗りかごのドアが戸開したときに上記乗場の床面の明るさを計測し、
    上記乗りかごのドアが戸閉したときに上記乗りかごの床面の明るさを計測することを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。
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