JP2022035634A - 磁気ディスク用基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】板厚が小さく、読み書きエラーの少ない磁気ディスク用基板、磁気ディスクおよび磁気ディスク用基板の製造方法を提供する。【解決手段】磁気ディスク用基板100は、薄型の磁気ディスク用基板であって、中心からの距離をr1>r2としたとき、r1=半径R-0.5mmとr2=半径R-4.0mmの同心円で囲まれた測定領域において、波長1mm以上5mm以下の算術平均うねりWaが4.0nm以下である。【選択図】図3

Description

本発明は、磁気ディスク用基板、磁気ディスクおよび磁気ディスク用基板の製造方法に関する。
磁気ディスクは、データセンターまたはコンピュータなどにおいて用いられるHDD(Hard Disk Drive)に用いられている。スマートフォンやスマート家電の普及により、各個人および企業において使用するデータ量が増加している。これらの膨大なデータはインターネットを通じデータセンター内のHDDに読み書きされる。膨大なデータ量を記録するため、HDDの大容量化が求められている。
HDDには、アルミニウムまたはアルミニウム合金製、若しくはガラス製のディスクが用いられている。例えば、引用文献1は、磁気ディスク用ガラス基板を開示する。データセンター内の大容量HDDは、3.5インチサイズである直径95~97mmのディスクが好適に用いられる。
HDDの大容量化を実現するため、次のような技術動向がある。すなわち、磁気ディスクの厚さを小さくしてHDDに搭載される枚数を増やすこと、および、磁気ディスクの直径を大きくし、ディスク表面のデータ領域をできるだけ外径端部にできるだけ近づけることにより、磁気ディスク1枚当たりのデータ領域を拡大することである。
特開2013-225372号公報
読み書き時のエラーレートが許容範囲を超えると磁気ディスクとして使用できないため、磁気ディスクをHDDに組み込む前に予め評価することが行われている。磁気ディスクの品質評価方法として、回転する磁気ディスク上にヘッドを浮上させ、磁気ディスクからの信号をヘッドで検知するメディア評価が知られている。このメディア評価を合格した磁気ディスクが、次のHDD製造工程へ投入される。メディア評価は、磁気ディスク用基板に磁性体膜を成膜した磁気ディスクを評価するものであり、磁性体膜が成膜されていない磁気ディスク用基板を評価することができない。このため、磁気ディスクを作製した後、メディア評価により不合格となるとその磁気ディスクの作製コストが無駄になるという課題がある。このため、磁性体膜が成膜されていない磁気ディスク用基板を評価することが行われている。板厚を小さくすると、表面にうねりが生じやすいという問題があり、従来の磁気ディスク用基板のうねり検査方法では、磁性体膜を成膜する前にうねりによる磁気ディスクのエラーレートが許容範囲内か否かを明確に判定できないという課題も存在する。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、板厚が小さく、読み書きエラーの少ない磁気ディスク用基板、磁気ディスクおよび磁気ディスク用基板の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の磁気ディスク用基板は、
薄型の磁気ディスク用基板であって、
中心からの距離をr1>r2としたとき、r1=半径R-0.5mmとr2=半径R-4.0mmの同心円で囲まれた測定領域において、波長1mm以上5mm以下の算術平均うねりWaが4.0nm以下である、
ことを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係る磁気ディスクは、
前記磁気ディスク用基板と、
前記磁気ディスク用基板の表面に配置された磁性体膜と、
を備えることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明の第3の観点に係る磁気ディスク用基板の製造方法は、
磁気ディスク用基板を研削する研削工程と、
前記研削工程において研削された前記磁気ディスク用基板について、中心からの距離をr1>r2としたとき、r1=半径R-0.5mmとr2=半径R-4.0mmの同心円で囲まれた測定領域において、波長1mm以上5mm以下の算術平均うねりWaを測定するうねり評価工程と、
うねり評価工程において測定された算術平均うねりWaが4.0nm以下であるか否かを判定し、算術平均うねりWaが4.0nm以下である前記磁気ディスク用基板を抽出する判定工程と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、板厚が小さく、読み書きエラーの少ない磁気ディスク用基板、磁気ディスクおよび磁気ディスク用基板の製造方法を提供することができる。
実施の形態に係る磁気ディスク用基板を示す図である。 実施の形態に係る磁気ディスク用基板を示す拡大断面図である。 実施の形態に係る磁気ディスク用基板のディスク外周側の表面うねりを示す図である。 実施の形態に係る磁気ディスク用基板の製造方法1を示すフローチャートである。 実施の形態に係る磁気ディスク用基板のグラインド工程を示す図である。 実施の形態に係る磁気ディスク用基板のグラインド工程を示す断面図である。 実施の形態に係る磁気ディスク用基板のグラインド工程を示す拡大断面図である。 実施の形態に係る研削された磁気ディスク用基板の外周部を示すである。 実施の形態に係る磁気ディスク用基板の製造方法2を示すフローチャートである。 実施の形態に係る磁気ディスクを示す断面図である。 (A)は、実施例に係る磁気ディスク用基板の測定結果を示す図であり、(B)は、図11(A)の厚さ方向拡大図であり、(C)は、図11(A)の径方向拡大図である。 実施例に係る磁気ディスク用基板の測定領域毎の算術平均うねりを示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態の磁気ディスク用基板および磁気ディスクについて説明する。
本願発明者らは、薄型の磁気ディスクにおいて、磁気ヘッドで読み書きする際のエラーを削減するため不良項目の一つである表面うねりについて研究した結果、ディスク外周に発生する表面うねりが原因であることを見出した。ディスク外周に表面うねりを有する磁気ディスクは、読み書き時のエラーレートが許容範囲を超えるため使用できない。また、従来の磁気ディスクのうねり検査方法では、その磁気ディスクがエラーレートの許容範囲内か否かを明確に判定できないという新たな課題も顕在化した。
本実施の形態の磁気ディスク用基板100は、図1および図2に示すように、薄型の磁気ディスク用基板であって、中心からの距離をr1>r2としたとき、r1=半径R-0.5mmとr2=半径R-4.0mmの同心円で囲まれた測定領域MAにおいて、図3に示す波長λが1mm以上5mm以下の算術平均うねりWaが4.0nm以下である。より好ましくは算術平均うねりWaが3.0nm以下である。板厚t1は、好ましくは0.635ミリメートル以下であり、より好ましくは、0.5mm以下である。直径は、好ましくは95mm以上である。波長λが1mm以上5mm以下の算術平均うねりWaが4.0nm以下であることで、磁気ディスク用基板100を磁気ディスク基板として用いた場合、その磁気ディスクのエラーレートが許容範囲におさまる。
磁気ディスク用基板100としては、アルミニウム基板若しくはアルミニウム合金基板、またはガラス基板などを用いることができる。以下、アルミニウム合金基板およびガラス基板を用いた場合について説明する。
(アルミニウム合金基板)
磁気ディスク用基板100として使用されるアルミニウム合金基板は、JIS 5086合金等のAl-Mg系合金製基板またはAl-Fe系合金製基板が用いられる。Al-Mg系合金製基板は、高い強度を有し好適に用いられる。Al-Fe系合金製基板が、高い剛性を有し好適に用いられる。
Al-Mg系合金製基板は、Mg:1.0~6.5質量%を含有し、Cu:0.070質量%以下、Zn:0.60質量%以下、Fe:0.50質量%以下、Si:0.50質量%以下、Cr:0.20質量%以下、Mn:0.50質量%以下、Zr:0.20質量%以下の1種又は2種以上を更に含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物およびその他の微量元素からなるアルミニウム合金である。
Al-Fe系合金製基板は、必須元素であるFeと、選択元素であるMn及びNiのうち1種又は2種を含有し、これらFe、Mn及びNiの含有量の合計が1.00~7.00質量%の関係を有し、更に、Si:14.0質量%以下、Zn:0.7質量%以下、Cu:1.0質量%以下、Mg:3.5質量%以下、Cr:0.30質量%以下、Zr:0.20質量%以下の1種又は2種以上を更に含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物およびその他の微量元素からなるアルミニウム合金である。なお、本実施の形態においてアルミニウム合金基板の組成は前記の組成に限定されるものではない。
つぎに、アルミニウム合金製の磁気ディスク用基板100の製造方法1について説明する。
磁気ディスク用基板100の製造方法1は、図4に示すように、鋳造・圧延工程(ステップS101)と、ブランキング工程(ステップS102)と、切削工程(ステップS103)と、グラインド工程(研削工程)(ステップS104)と、めっき工程(ステップS105)と、研磨工程(ステップS106)と、うねり評価工程(ステップS107)と、判定工程(ステップS108)と、を備える。
まず、鋳造・圧延工程(ステップS101)において、半連続鋳造法により鋳塊を作製し、鋳塊を熱間圧延および冷間圧延加工し、所望の厚さの板材を作製する。または、連続鋳造により板材を作製し、それを冷間圧延加工し、所望の厚さの板材を作製してもよい。組織を均質化する目的で、鋳塊に熱処理を施してもよい。加工性を向上させる等の目的で、冷間圧延前、冷間圧延の途中、冷間圧延後の板材に熱処理を施してもよい。
つぎに、ブランキング工程(ステップS102)において、鋳造・圧延工程(ステップS101)において作製された板材を、プレス機で打抜き加工し、所望の内径寸法、外径寸法のディスク(以下、ブランクという)を作製する。その後、ブランクの平坦度を小さくする目的で、ブランク同士を積層し、積層ブランクに荷重をかけ、加熱処理を実施してもよい。
つぎに、切削工程(ステップS103)において、ブランクの内径部、外径部を旋盤加工機で切削加工し、所望の内径寸法、外径寸法、および所望の長さの面取り部を有するディスク(以下、Tサブという)を作製する。さらにブランク両面の表面を切削加工し、所望の厚さの板厚を有するTサブとしてもよい。さらに切削加工により材料内部に発生した加工歪を取り除く目的で、Tサブに加熱処理を施してもよい。
つぎに、グラインド工程(ステップS104)において、Tサブを研削して所望の厚さのディスク(以下、Gサブという)を作製する。さらに研削加工により材料内部に発生した加工歪を取り除く目的で、研削加工の途中または終了後のGサブに加熱処理を施してもよい。グラインド工程(ステップS104)の詳細については、後述する。
つぎに、めっき工程(ステップS105)において、Gサブの表面、側面、面取り面を含む全ての面に所望の厚さのめっきを成膜したディスク(以下、Mサブという)を作製する。まず、Gサブにめっき密着性向上を目的に、前処理としてジンケート処理を行うとよい。次いで、めっき処理を行う。めっきはNi-P無電解めっきが好適に用いられる。さらにNi-P無電解めっきの内部応力を取り除く目的で、Mサブに加熱処理を施してもよい。これにより、Mサブに下地層が形成される。
つぎに、研磨工程(ステップS106)において、Mサブ両面の表面を研磨加工機で研磨し、所望の厚さのディスク、すなわち磁気ディスク用基板100が得られる。
つぎに、うねり評価工程(ステップS107)において、磁気ディスク用基板100について、中心からの距離をr1>r2としたとき、r1=半径R-0.5mmとr2=半径R-4.0mmの同心円で囲まれた測定領域MAにおいて、波長λが1mm以上5mm以下の算術平均うねりWaを測定する。磁気ディスク用基板100の表面のうねり評価方法として、光学式の検査装置で評価することが可能である。検査装置は、PHASE SHIFT TECHNOLOGY社製の多機能ディスク用干渉計「OPTIFLAT」、ZYGO社製のレーザー干渉計「Verifire」、KLA-Tencor社製の光干渉式プロファイラMicroXAMなどが好適に用いられる。
つぎに、判定工程(ステップS108)において、うねり評価工程(ステップS107)において測定された算術平均うねりWaが4.0nm以下であるか否かを判定し、算術平均うねりWaが4.0nm以下である磁気ディスク用基板100を抽出する。これにより、波長λが1mm以上5mm以下の算術平均うねりWaが4.0nm以下である条件を満たさない磁気ディスク用基板100が除去される。より好ましくは、算術平均うねりWaが3.0nm以下であるか否かを判定し、算術平均うねりWaが3.0nm以下である磁気ディスク用基板100を抽出する。なお、うねり評価工程(ステップS107)および判定工程(ステップS108)は、磁気ディスク用基板100を全てについて評価および判定してもよく、一部の磁気ディスク用基板100を抜き出して評価および判定してもよい。
上述したディスク外周側の表面に波長λが1mm以上5mm以下のうねりが生じる原因は、グラインド工程(ステップS104)に起因すると考えられる。ここで、グラインド工程(ステップS104)の詳細、およびディスク外周側の表面に波長λが1mm以上5mm以下のうねりが増加するメカニズムについて説明する。
グラインド工程(ステップS104)において、図5に示すように、被加工物であるGサブ110はキャリア210と呼ばれる支持体に保持され自転しながら公転する。砥石と呼ばれる固定砥粒220を上下面より回転させながら押し当てる事により、Gサブ110両面の表面が研削加工される。研削加工中はGサブ110、キャリア210、固定砥粒220にクーラントをかけ流す。
キャリア210はアラミド樹脂またはエポキシ樹脂等を含む樹脂製のものが好適に用いられる。強度向上を目的に、炭素繊維やガラス繊維等の繊維状補強材を含有させてもよい。キャリア210の厚さは、被加工物であるGサブ110の厚みにより任意に選択可能である。ただしキャリアは薄すぎると強度が不足し、研削加工中に破損してしまう虞がある。キャリア強度の観点においては、キャリア厚さは0.3mm以上が好ましく、0.4mm以上がより好ましい。よって、この加工方法においては、Gサブ110の厚さ0.3mm以下のものを加工することは困難である。
固定砥粒220は、砥粒と砥粒を結合するバインダーから成り、砥粒はSi-C粒子、バインダーはPVAなどの多孔質スポンジ状の弾性体が好適に用いられる。研削加工で発生する研削屑の排出性向上を目的に、固定砥粒220に切り溝221を掘っても良い。
クーラントは、研削加工発熱の冷却、潤滑性向上、研削屑の排出性向上などを目的に用いられる。
グラインド工程(ステップS104)で発生した研削屑は、クーラントにより系外に排出されることが理想的であるが、現実は、研削屑の一部はGサブ110、キャリア210または固定砥粒220に付着する。固定砥粒220に直接付着した研削屑、あるいはGサブ110やキャリア210を介して固定砥粒220に付着した研削屑は、固定砥粒220の表面、特に多孔質の孔の中に堆積する。この現象を固定砥粒220の目詰まりと呼ぶ。固定砥粒220が目詰まりした部分は、クーラントが多孔質の孔から排出されずに停滞することで、さらに研削屑が堆積するという悪循環を繰り返し、Gサブ110の研削性を阻害すると考えられる。この固定砥粒220の目詰まりは、固定砥粒220の表面におけるクーラントの流れ方、あるいはGサブ110やキャリア210の軌跡に依存し、固定砥粒220の表面で不均一に発生する。なお、研削加工で発生した研削屑の排出経路としては、図6に示すように、Gサブ110の表面から固定砥粒220の切り溝221へ抜ける経路DR1、Gサブ110の表面からGサブ110内周側へ抜ける経路DR2、Gサブ110表面からGサブ110外周側へ抜ける経路DR3が存在する。
ここでGサブ110外周側に着目する。前述の研削屑の排出経路のうち、Gサブ110表面から外周側へ抜ける経路DR3は、Gサブ110とキャリア210の隙間、すなわちGサブ110とキャリア210の板厚の差に依存する。両者の隙間および板厚差が小さいほど排出経路も小さくなり、排出性は低下する。研削屑の排出性が低下すると、固定砥粒220が目詰まりしやすくなる。
例えば、従来の板厚1.27mm(50mil)のディスクを研磨する際のキャリアの厚さは1.0mm、板厚0.635mm(25mil)のディスクを研磨する際のキャリアの厚さは0.5mmのものが好適に用いられている。板厚0.5mm(20mil)のディスクを研磨する際キャリアの厚さは0.4mm前後のものを用いることになる。ディスクの板厚が小さくなるほど、キャリアの厚さは小さくなり、ディスクとキャリアの板厚差も小さくなる。
キャリア210の厚さが小さくなると、キャリア210の剛性が低下するため、研削加工中にキャリア210がたわみやすくなる。例えば、図7に示すように、キャリア210が固定砥粒220上面側にたわんだ場合、固定砥粒220上面側の排出経路DR31は小さく、下面側の排出経路DR32は大きくなる。すなわち、キャリア210の厚さが小さくなると、Gサブ110表面から外周側へ抜ける経路の研削屑排出性が部分的に変動する。固定砥粒220の目詰まりのしやすさも部分的に変動し、より不均一な固定砥粒220の目詰まりとなると考えられる。
また、図8に示すように、グラインド工程(ステップS104)によりGサブ110外周側の表面に外周ダレPSが発生する。外周ダレとは、Gサブ110板厚が、Gサブ110中心から外周にかけて緩やかに減少する事である。これは、研削加工中に固定砥粒220が弾性変形することで、Gサブ110とキャリア210境界の板厚段差部がなめらかに削り取られるためと考えられる。ここで固定砥粒220に不均一な目詰まりがある場合、外周ダレPSの高さDはGサブ110内で不均一になる。なぜなら、Gサブ110とキャリア210境界の板厚段差部に、固定砥粒220目詰まりのない部分が当たれば相対的に多く削り取られる量は多くなり、固定砥粒220目詰まり部が当たれば研削性が阻害され相対的に削り取られる量が減少するからである。不均一な外周ダレPSをもつGサブ110について、Gサブ110外周部の表面を円周方向に沿って観察したとき、山と谷、すなわち凹凸形状が見える。このうち図3に示す波長λが1mm以上5mm以下の成分が、本実施の形態で示すうねりである。波長λが1mm以上5mm以下の成分のうねりは磁気ディスクの読み書き時のエラーの原因となるため、このうねりを抑制することが重要である。
ここまでの説明をまとめると、Gサブ110の厚さが小さい場合、研削加工に用いるキャリア210の板厚が小さくなり、さらにGサブ110とキャリア210の板厚差が小さくなることが原因で研削加工中に不均一な砥石目詰まりが発生しやすくなり、不均一な砥石目詰まりが原因でディスク外周側の表面に不均一な外周ダレPSが発生し、その結果、磁気ディスクの読み書きエラーに寄与する波長λが1mm以上5mm以下のうねりが増加すると考えられる。
なお、外周ダレPSの高さDが大きすぎると、その後のMサブを研磨する研磨工程(ステップS106)において、当該箇所に研磨パッドが当たらず十分に研磨されない欠陥領域となる。このため、外周ダレPSの高さDは10μm以下が好ましい。高さDは、外周ダレPSが発生していない表面から延長された径方向に延びる直線と面取り開始部Cとの厚さ方向の距離を計測して得られる。
また、Gサブ110の外周端には面取りが施される。面取りはディスク端部でのバリ等の異物発生防止のために施されるが、データ領域拡大のためにはできるだけ小さいほうが良い。具体的には、外周部の面取り部の長さLは、0.15mm以下が好ましく、より好ましくは、0.10mm以下である。面取り部の長さLは、面取り開始部Cと外径端部(面取り終了部)Eとの径方向における距離を計測して得られる。
つぎに、Gサブ110外周側の波長λが1mm以上5mm以下のうねり発生を抑制する方法の詳細について説明する。先述の通り、うねりが増加する原因は不均一な固定砥粒220の目詰まりである。固定砥粒220の目詰まりを抑制すれば、うねりも抑制できる。固定砥粒220目詰まりの抑制方法としては、例えば、研削屑の排出性を高めるためにクーラントに界面活性剤や潤滑剤を適切に添加したり、固定砥粒220に適切な切り溝221を掘ったり、あるいは固定砥粒220が目詰まりする前に固定砥粒220表面を定期的に削り取る(以下、ドレッシング)などの方法が挙げられる。
ここで、基板の平坦度について説明する。平坦度が大きい基板表面を光学式の検査装置でうねりを測定した場合、検査装置から出射された測定光が基板表面で反射し検査装置のセンサーに戻る光学系において、基板表面で反射した測定光の一部が、特に基板外周側の表面で反射した測定光が検査装置のセンサーに戻らず、所望の領域のうねり評価をすることができない。そのため基板の平坦度はできるだけ小さいほうが良い。具体的には20μm以下が好ましい。
(ガラス基板)
磁気ディスク用基板100として使用されるガラス基板は、アルミノシリケートガラスが、高い硬度を有するために好適に用いられる。
具体的には、アルミノシリケートガラスは、SiO:55~70質量%を主成分として、Al:25質量%以下、LiO:12質量%以下、NaO:12質量%以下、KO:8質量%以下、MgO:7質量%以下、CaO:10質量%以下、ZrO:10質量%以下、TiO:1質量%以下の1種又は2種以上を含有し、残部が不可避不純物およびその他の微量元素からなる。なお、本実施の形態においてガラス基板の組成はこれらの組成に限定されるものではない。
つぎに、ガラス基板を用いた磁気ディスク用基板100の製造方法2について説明する。
磁気ディスク用基板100の製造方法2は、図9に示すように、溶解・ガラス元板工程(ステップS201)と、コアリング工程(ステップS202)と、ラッピング工程(研削工程)(ステップS203)と、研磨工程(ステップS204)と、うねり評価工程(ステップS205)と、判定工程(ステップS206)と、を備える。
まず、溶解・ガラス元板工程(ステップS201)において、所定の化学成分に調製したガラス素材を溶解し、ダイレクトプレス法で、その溶融塊を両面からプレス成形して、所望の厚さを有するガラス元板を作製する。ガラス元板の作製は前記ダイレクトプレス法に限定されず、フロート法、フュージョン法、リドロー法などでも良い。
つぎに、コアリング工程(ステップS202)において、このガラス元板を円環状にコアリングし、さらに内径部と外径部を研磨加工し、所望の内径寸法、外径寸法、面取り長さを有する円環状ガラス板とする。
つぎに、ラッピング工程(ステップS203)において、この円環状ガラス板両面の表面を、研削加工機でラッピング加工(研削加工)し、所望の板厚、平坦度を有する円環状ガラス基板とする。なお、ラッピング工程(ステップS203)は、アルミニウム合金基板製の磁気ディスク用基板100で説明したグラインド工程(ステップS104)に相当する。
さらに、研磨工程(ステップS204)において、この円環状ガラス基板両面の表面を、研磨加工機で研磨し、所望の厚さのディスク、すなわちガラス基板を作製する。研磨加工の途中に、硝酸ナトリウム溶液や硝酸カリウム溶液等による化学強化処理を行ってもよい。
つぎに、うねり評価工程(ステップS205)と、判定工程(ステップS206)と、を実施する。ガラス基板を用いた磁気ディスク用基板100の製造方法2におけるうねり評価工程(ステップS205)および判定工程(ステップS206)は、アルミニウム合金基板を用いた磁気ディスク用基板100の製造方法2におけるうねり評価工程(ステップS107)および判定工程(ステップS108)と同様である。
本実施の形態の課題である、ディスク外周側の表面に波長λが1mm以上5mm以下のうねりが増加するという課題は、ラッピング工程(ステップS203)に起因する。ラッピング工程(ステップS203)において、上述したグラインド工程(ステップS104)と同様に、被加工物である円環状ガラス板はキャリアに保持され自転・公転する。固定砥粒(砥石)を上下面より回転させながら押し当てる事により、円環状ガラス板上下両面の表面が研削加工される。研削加工中は円環状ガラス板、キャリア、砥石にクーラントをかけ流す。
キャリアはアラミド樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂製のものが好適に用いられる。強度向上を目的に、炭素繊維やガラス繊維等の繊維状補強材を含有させてもよい。キャリアの厚さは被加工物であるディスクの厚みにより任意に選択可能であるが、小さすぎると強度が不足し研削加工中に破損してしまう。キャリア強度の観点においては、キャリア厚さは0.3mm以上が好ましく、0.4mm以上がより好ましい。よって、この加工方法においては、ディスク厚さ3.0mm以下のものを加工することは困難である。
砥石は砥粒と砥粒を結合するバインダーから成り、砥粒はダイヤモンド粒子が好適に用いられる。
クーラントは研削加工発熱の冷却、潤滑性向上、研削屑の排出性向上などを目的に用いられる。
ディスク外周側の表面に波長λが1mm以上5mm以下のうねりが増加するメカニズムは、上述したアルミニウム合金基板製の磁気ディスク用基板100と同様に、不均一な砥石の目詰まりに起因すると考えられる。
ディスク外周側の波長λが1mm以上5mm以下のうねり発生を抑制する方法について、上述したアルミニウム合金基板と同様に、砥石の目詰まりを抑制すればよく、例えば、研削屑の排出性を高めるためにクーラントに界面活性剤や潤滑剤を適切に添加したり、砥石に適切な切り溝221を掘ったり、あるいは砥石が目詰まりする前に砥石表面を定期的に削り取る、ドレッシングなどの方法が挙げられる。また、上述したアルミニウム合金基板と同様に、うねり評価工程(ステップS107)および判定工程(ステップS108)を実行することにより、算術平均うねりWaが4.0nm以下であるか否かを判定し、算術平均うねりWaが4.0nm以下であるガラス基板を抽出する。これにより、波長λが1mm以上5mm以下の算術平均うねりWaが4.0nm以下である条件を満たさないガラス基板が除去される。
(磁気ディスク)
磁気ディスク10は、図10に示すように、磁気ディスク用基板100と、磁気ディスク用基板100の表面に配置された磁性体膜11と、を有する。
データセンター用の大容量磁気ディスクとして、垂直磁気記録方式(PMR:Perpendicular Magnetic Recording)や、瓦書き方式(SMR:Shingled Magnetic Recording)のものが好適に用いられている。さらなる大容量化の実現のため、熱アシスト磁気記録方式(HAMR:Heat Assisted Magnetic Recording)やマイクロ波アシスト磁気記録方式(MAMR:Microwave Assisted Magnetic Recording)といった技術が開発されており、これらの方式を用いてもよい。
3.5インチ用のHDDに用いられる磁気ディスク10のサイズは、直径95mm以上97mm以下のものが好適に用いられる。大容量化実現のため、ディスク内外周端部のギリギリまでデータ領域として使用することが望まれるが、特に外周側はデータ領域面積拡大に大きく寄与するため重要である。
(磁気ディスクの評価方法)
磁気ディスク10の品質評価方法として、次の方法が知られている。それは、回転する磁気ディスク10上にヘッドを浮上させ、磁気ディスク10からの信号をヘッドで検知する方法(以下、メディア評価)である。このメディア評価を合格した磁気ディスクが、次のHDD製造工程へ投入される。磁気ディスク10の板厚が小さくなった場合、メディア評価の不良率が増加する。本願発明者がその原因について調査した結果、メディア評価の不良は、磁気ディスク10外周側の波長λが1mm以上5mm以下の表面うねりに起因することが判明した。その表面うねりは、磁性体膜11を成膜する前後で大きな差がないことも分かった。そのため、磁性体膜11を成膜する前のアルミニウム合金基板またはガラス基板で表面のうねり評価をするほうがより好ましい。また上述の通り、この表面うねりは、アルミニウム合金基板の場合はグラインド工程の砥石、ガラス基板の場合はラッピング工程の砥石に起因する。そのため、グラインド工程またはラッピング工程終了後に基板のうねり評価を行えば、直ちに加工バッチ毎の基板の品質を確認することができるので、より好ましい。なお、上述のうねり評価工程(ステップS107)および判定工程(ステップS108)は、研磨工程(ステップS106)のあとに実施されているが、より好ましくはグラインド工程(ステップS104)の後に実施されるのがよい。また、うねり評価工程(ステップS205)および判定工程(ステップS206)は、研磨工程(ステップS204)のあとに実施されているが、より好ましくはラッピング工程(ステップS203)の後に実施されるのがよい。
なお、うねり測定領域MAをr1=半径R-0.5mmとr2=半径R-4.0mmの同心円で囲まれた領域とした理由について説明する。磁気ディスク10外周側に発生する表面うねりは、ディスク半径をRとすると、中心からの距離がRとR-4.0mmの同心円で囲まれた領域に発生しやすい。ただし、当該領域をうねり測定領域に設定すると、うねり測定値の誤差が大きくなる。それは、うねり検査装置から出射された測定光が基板表面で反射し検査装置のセンサーに戻る光学系において、ディスク外周端の面取り部では測定光が拡散反射し、その結果、うねり測定値に誤差を生むと考えられる。ディスク外周端に幅0.5mmでマスキングすると安定してうねりが測定できる。以上が、うねり測定領域MAをr1=半径R-0.5mmとr2=半径R-4.0mmの同心円で囲まれた領域とした理由である。
以上のように、本実施の形態の磁気ディスク用基板100および磁気ディスク用基板の製造方法によれば、r1=半径R-0.5mmとr2=半径R-4.0mmの同心円で囲まれた測定領域MAにおいて、波長λが1mm以上5mm以下の算術平均うねりWaが4.0nm以下であることで、磁気ディスク10の厚さを小さくしてHDDに搭載される枚数を増やすことができる。また、磁気ディスク10の記録領域を大きくし、ディスク表面のデータ領域を外径端部にできるだけ近づけることにより、磁気ディスク1枚当たりのデータ領域を拡大する事が可能となり、HDDの大容量化に寄与することができる。また、磁気ディスク10のメディア評価の不良は、磁気ディスク10外周側の波長λが1mm以上5mm以下の表面うねりに起因し、その表面うねりは、磁性体膜11を成膜する前後で大きな差がないことから、磁性体膜11が成膜されていない磁気ディスク用基板100を評価することが可能となる。磁気ディスク10を作製する前に磁気ディスク用基板100を評価することができるため、メディア評価により不合格となる磁気ディスク10を少なくできる。これに対して、従来のうねり評価は、基板の特定の領域に着目した方法ではなく、例えば測定領域は、基板表面の全面、または基板表面の任意の領域について、その領域内の算術平均うねりなどを評価する方法である。その方法では、基板外周側のうねりを的確にとらえることができないという問題がある。
以下に、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(グラインド工程がディスク外周部のうねりに及ぼす影響)
グラインド工程が、ディスク外周部のうねりに及ぼす影響を確認するため、各種条件下でグラインド加工を行い、磁気ディスク用アルミニウム合金基板を作製した。
アルミニウム合金の具体的な組成は、Fe:0.7質量%、Mn:0.9質量%、Ni:1.7質量%、Si:0.06質量%、Zn:0.3質量%、Cu:0.02質量%、残部がアルミニウムとその他の微量元素からなる。
まず半連続鋳造法により鋳塊を作製し、それを熱間圧延および冷間圧延加工し、厚さ0.52mmの板材を作製した。
つぎに、この板材をプレス機で打抜き加工し、内径寸法24mm、外径寸法98mmのブランクとし、その後ブランク同士を積層し、積層ブランクに荷重をかけ加熱処理を行った。
つぎに、このブランクの内径部と外径部を旋盤加工機で切削加工、面取り加工し、内径寸法25mm、外径寸法97mmのTサブを作製し、加熱処理を行った。
つぎに、Tサブ両面の表面を研削加工機でグラインド加工し、厚さ0.48mmのGサブを作製した。グラインド加工条件は次の通りである。
砥石をドレッシングした後、10枚を1バッチとし、1~20バッチまで合計200枚をグラインド加工した。クーラントは界面活性剤および潤滑剤を含む大智化学産業製メカノアクアカットECO#408原液を水で1%に希釈したものを用い、流量は3.5L/minとした。これをグラインドテスト1とする。
つぎに、再び砥石をドレッシングした後、10枚を1バッチとし、1~10バッチまで合計100枚をグラインド加工した。クーラントは大智化学産業製メカノアクアカットECO#408原液を水で0.1%に希釈したものを用い、流量は3.5L/minとした。これをグラインドテスト2とする。
ここで、サンプルA-1をグラインドテスト1の1バッチ目、サンプルA-2を10バッチ目、サンプルA-3を20バッチ目からそれぞれ1枚サンプリングし、サンプルA-4をグラインドテスト2の1バッチ目、サンプルA-5を10バッチ目からそれぞれ1枚サンプリングした。
つぎに、これらGサブにめっき処理を行った。まずめっき密着性向上を目的に前処理を行い、次に片面あたり厚さ11μmの無電解Ni-Pめっき処理を行い、その後、加熱処理を行った。
さらに、Mサブ両面の表面を研磨加工機で研磨し、厚さ0.5mm、外径97mmのアルミニウム合金基板を作製した。
つぎに、これらのサンプルの性能評価を行った。
まず、触針式形状測定機コントレーサC-3000を用い、図11(A)~図11(C)に示すように、基板外周側の面取り部の長さLと外周ダレPSの高さDおよび外周部の面取り部の長さLを測定した。X1およびX2は、基準点であり、外径端部からX1までの距離は30mm、X2までの距離は15mmである。高さDは、X1およびX2を通る直線と面取り開始部Cとの厚さ方向の距離を計測して得られた。面取り部の長さLは、面取り開始部Cと外径端部(面取り終了部)Eとの径方向における距離を計測して得られた。つぎに、光学式検査装置ZYGO Mesaを用い、基板の平坦度を測定した。つぎに、光学式検査装置OPTIFLATを用い、測定領域1における基板表面における波長λが1mm以上5mm以下の算術平均うねりWaのうねり評価を行った。うねりの測定領域1は、基板外周側に着目した本実施の形態の評価方法とし、具体的には基板中心からの距離r1=48mmとr2=44.5mmの同心円で囲まれた領域とした。なお、測定領域1は、上述の測定領域MAと同じ領域である。合格基準は、算術平均うねりWaが4.0nm以下を○、4.0nmを超えるものを×とした。以上の結果を表1に示す。
Figure 2022035634000002
サンプルA-1、A-2は、基板外周部の算術平均うねりWaが4.0nm以下で合格した。サンプルA-3、A-4、A-5は、基板外周部の算術平均うねりWaが4.0nmを超えて不合格となった。サンプルA-1、A-2、A-3を比較すると、基板外周部の算術平均うねりWaはA-1<A-2<A-3の傾向を示した。グラインド加工中の砥石の目詰まりが少ないほど、基板外周側のうねりが小さくなる傾向を得た。サンプルA-1、A-4を比較すると、基板外周部の算術平均うねりWaはA-1<A-4であった。いずれも砥石をドレッシングして目詰まりを除去した直後にグラインド加工したものだが、クーラント濃度が異なる。A-4はクーラント濃度が低かったため、グラインド加工中に発生する研削屑を系外に排出するクーラントの効果が十分に発揮されず、グラインド加工中に直ちに砥石の目詰まりが発生したものと考えられる。この場合、上述したグラインド工程(ステップS104)において、サンプルA-1およびA-2を研削した条件である、クーラントとして大智化学産業製メカノアクアカットECO#408原液を水で1%に希釈したものを用い、流量は3.5L/minとし、砥石をドレッシングした後、1バッチ目から10バッチ目まで研削するという条件に基づいて、研削条件を設定するとよい。
(うねり評価方法の有効性)
うねり評価方法の有効性を確認するため、各種条件下でうねり評価を行った。
サンプルA-1~A-3は実施例1、2および比較例1のアルミニウム合金基板、サンプルB-1はメディア評価を合格した厚さ0.635mm、外径95mmのアルミノシリケートガラス基板からなる磁気ディスク、サンプルB-2はメディア評価を合格した厚さ0.5mm、外径97mmのアルミノシリケートガラス基板からなる磁気ディスクである。
うねり評価は光学式検査装置OPTIFLATを用い、次に示す各測定領域において基板表面の波長λが1mm以上5mm以下の算術平均うねりWaのうねり評価を実行した。測定領域1は、r1=R-0.5(mm)とr2=R-4.0(mm)の同心円で囲まれた領域であり、本実施の形態による測定領域MAと同じである。測定領域2は、r1=R-0.5(mm)とr3=R-30.5(mm)(サンプルB-1については、r3=R-29.5(mm))の同心円で囲まれた領域である。測定領域3は、r2=R-4.0(mm)とr3=R-30.5(mm)(サンプルB-1については、r3=R-29.5(mm))の同心円で囲まれた領域である。測定領域2と測定領域3は、本実施の形態とは異なる測定領域である。なお測定領域1と測定領域3は包括関係になく(測定領域1≠測定領域3)、測定領域2は測定領域1と測定領域3からなる(測定領域2=測定領域1+測定領域3)。結果を表2および図12に示す。
Figure 2022035634000003
測定領域1において、サンプルA-1、A-2は算術平均うねりWaが4.0nm以下で合格、サンプルA-3は算術平均うねりWaが4.0nmを超えて不合格と判定された。また、メディア評価を合格したサンプルB-1とB-2も算術平均うねりWaが4.0nm以下で合格と判定された。
この測定領域2と測定領域3の条件でうねり評価を行った場合、測定領域1の測定で不合格と判定されたサンプルA-3を含む全てのサンプルでうねりWaは4.0nm以下と測定された。測定領域2または測定領域3を測定する方法では、基板外周側のうねりの高い領域を的確にとらえることができず、当該基板を磁気ディスクにした際の読み書きエラーを判定することが不可能であることがわかった。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
10 磁気ディスク
11 磁性体膜
100 磁気ディスク用基板
110 Gサブ
210 キャリア
220 固定砥粒
221 切り溝
MA 測定領域
R 半径
PS 外周ダレ
D 高さ
L 長さ
上記目的を達成するために、本発明の磁気ディスク用基板は、
板厚が0.5mm以下、直径が95mm以上97mm以下である薄型の磁気ディスク用基板であって、
中心からの距離をr1>r2としたとき、r1=半径R-0.5mmとr2=半径R-4.0mmの同心円で囲まれた測定領域において、波長1mm以上5mm以下の算術平均うねりWaが4.0nm以下である、
ことを特徴とする。
本発明は、磁気ディスク用基板の製造方法に関する。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、板厚が小さく、読み書きエラーの少ない磁気ディスク用基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、板厚が小さく、読み書きエラーの少ない磁気ディスク用基板の製造方法を提供することができる。

Claims (8)

  1. 薄型の磁気ディスク用基板であって、
    中心からの距離をr1>r2としたとき、r1=半径R-0.5mmとr2=半径R-4.0mmの同心円で囲まれた測定領域において、波長1mm以上5mm以下の算術平均うねりWaが4.0nm以下である、
    ことを特徴とする磁気ディスク用基板。
  2. 板厚が0.5mm以下である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク用基板。
  3. 直径が95mm以上97mm以下である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の磁気ディスク用基板。
  4. 外周部の面取り部の長さが0.15mm以下である、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の磁気ディスク用基板。
  5. 外周ダレの高さが10μm以下である、
    ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の磁気ディスク用基板。
  6. 表面の平坦度が20μm以下である、
    ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の磁気ディスク用基板。
  7. 請求項1から6の何れか1項に記載の磁気ディスク用基板と、
    前記磁気ディスク用基板の表面に配置された磁性体膜と、
    を備えることを特徴とする磁気ディスク。
  8. 磁気ディスク用基板を研削する研削工程と、
    前記研削工程において研削された前記磁気ディスク用基板について、中心からの距離をr1>r2としたとき、r1=半径R-0.5mmとr2=半径R-4.0mmの同心円で囲まれた測定領域において、波長1mm以上5mm以下の算術平均うねりWaを測定するうねり評価工程と、
    前記うねり評価工程において測定された算術平均うねりWaが4.0nm以下であるか否かを判定し、算術平均うねりWaが4.0nm以下である前記磁気ディスク用基板を抽出する判定工程と、
    を備えることを特徴とする磁気ディスク用基板の製造方法。
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