JP2022034665A - エアレスタイヤの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 生産性を向上しうるエアレスタイヤの製造方法を提供する。【解決手段】 接地面を有する環状のトレッドリング2と、トレッドリング2のタイヤ半径方向内側に配されるハブ3と、トレッドリング2とハブ3とを連結するスポーク部4とを備えたエアレスタイヤ1の製造方法である。この製造方法は、トレッドリング2とハブ3とを準備する工程と、一体成型金型10に、トレッドリング2とハブ3とを配置する工程と、一体成型金型10のトレッドリング2とハブ3との間に、熱可塑性樹脂8を射出して、トレッドリング2とハブ3とを連結するスポーク部4を成形してエアレスタイヤ1を一体成型する工程と、エアレスタイヤ1を一体成型金型10から取り出す工程とを含む。【選択図】図6
Description
本発明は、エアレスタイヤの製造方法に関する。
下記特許文献1には、エアレスタイヤの製造方法が記載されている。この製造方法には、ハブとトレッドリングとを注型金型内に装着する工程と、それらの間の空間部内に高分子材料の原料液を注入し、その後、硬化させることによって、スポークとトレッドリングとハブとを一体化させる注型成形工程とが含まれている。
上記の製造方法では、高分子材料として、熱硬化性樹脂が用いられていたため、硬化に長い時間を要するという問題があった。また、高分子材料の原料液は、圧力をかけずに、金型に注入されているために、注入に時間を要する他、高分子材料中に気泡が残存し品質不良をまねくおそれがあった。したがって、かねてからエアレスタイヤの生産性の向上が望まれていた。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、生産性を向上しうるエアレスタイヤの製造方法を提供することを主たる目的としている。
本発明は、接地面を有する環状のトレッドリングと、前記トレッドリングのタイヤ半径方向内側に配されるハブと、前記トレッドリングと前記ハブとを連結するスポーク部とを備えたエアレスタイヤの製造方法であって、前記トレッドリングと前記ハブとを準備する工程と、一体成型金型に、前記トレッドリングと前記ハブとを配置する工程と、前記一体成型金型の前記トレッドリングと前記ハブとの間に、熱可塑性樹脂を射出して、前記トレッドリングと前記ハブとを連結する前記スポーク部を成形してエアレスタイヤを一体成型する工程と、前記エアレスタイヤを前記一体成型金型から取り出す工程とを含むことを特徴とする。
本発明に係る前記エアレスタイヤの製造方法において、前記配置する工程に先立ち、前記トレッドリングの内周面に、前記熱可塑性樹脂との接着性を高めるための接着剤を塗布する工程をさらに含んでもよい。
本発明に係る前記エアレスタイヤの製造方法において、前記配置する工程に先立ち、前記ハブの外周面に、前記熱可塑性樹脂との接着性を高めるための接着剤を塗布する工程をさらに含んでもよい。
本発明に係る前記エアレスタイヤの製造方法において、前記接着剤の層厚さが5~50μmであってもよい。
本発明に係る前記エアレスタイヤの製造方法において、前記接着剤を予熱する工程をさらに含んでもよい。
本発明に係る前記エアレスタイヤの製造方法において、前記トレッドリングの表面温度が50℃以上となるように、前記トレッドリングを予熱する工程をさらに含んでもよい。
本発明に係る前記エアレスタイヤの製造方法において、前記熱可塑性樹脂は、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂又はポリウレタン樹脂を含んでもよい。
本発明に係る前記エアレスタイヤの製造方法において、前記一体成型金型は、前記トレッドリングを収容するための第1キャビティ部と、前記ハブを収容するための第2キャビティ部と、前記第1キャビティ部及び前記第2キャビティ部に連通し、かつ、前記スポーク部を成形するための第3キャビティ部とを含んでもよい。
本発明に係る前記エアレスタイヤの製造方法において、前記第3キャビティ部の前記ハブ側に、前記熱可塑性樹脂の射出ゲートが連通していてもよい。
本発明に係る前記エアレスタイヤの製造方法において、前記熱可塑性樹脂は、180~250℃に温調されたシリンダーにより射出されてもよい。
本発明は、一体成型金型に配置されたトレッドリングとハブとの間に、熱可塑性樹脂を射出し、スポーク部を成形してエアレスタイヤを一体成型する工程を含んでいる。したがって、熱硬化性樹脂からなる場合に比して、スポーク部の硬化時間を短縮することができる。また、前記熱可塑性樹脂は、圧力をかけて速やかに射出されるため、その中に気泡等が残存し難くなり、ひいては、品質不良が抑制される。したがって、本発明のエアレスタイヤの製造方法は、エアレスタイヤの生産性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図面は、本発明の理解を助けるために、誇張表現や、実際の構造の寸法比とは異なる表現が含まれていることが理解されなければならない。また、複数の実施形態がある場合、明細書を通して、同一又は共通する要素については同一の符号が付されており、重複する説明が省略される。さらに、実施形態及び図面に表された具体的な構成は、本発明の内容理解のためのものであって、本発明は、図示されている具体的な構成に限定されるものではない。
図面は、本発明の理解を助けるために、誇張表現や、実際の構造の寸法比とは異なる表現が含まれていることが理解されなければならない。また、複数の実施形態がある場合、明細書を通して、同一又は共通する要素については同一の符号が付されており、重複する説明が省略される。さらに、実施形態及び図面に表された具体的な構成は、本発明の内容理解のためのものであって、本発明は、図示されている具体的な構成に限定されるものではない。
[エアレスタイヤの基本構造]
本発明の製造方法の説明に先立ち、まず、エアレスタイヤの基本構造が説明される。
図1は、本実施形態の製造方法により製造されたエアレスタイヤ1の一例を示す側面図である。図2は、その斜視図、図3は、図1の要部拡大断面図である。図1ないし図3に示されるように、エアレスタイヤ1は、トレッドリング2と、そのタイヤ半径方向内側に配されるハブ3と、トレッドリング2とハブ3とを連結するスポーク部4とを備えている。
本発明の製造方法の説明に先立ち、まず、エアレスタイヤの基本構造が説明される。
図1は、本実施形態の製造方法により製造されたエアレスタイヤ1の一例を示す側面図である。図2は、その斜視図、図3は、図1の要部拡大断面図である。図1ないし図3に示されるように、エアレスタイヤ1は、トレッドリング2と、そのタイヤ半径方向内側に配されるハブ3と、トレッドリング2とハブ3とを連結するスポーク部4とを備えている。
[トレッドリング]
トレッドリング2は、環状のゴム部材である。トレッドリング2は、例えば、加硫ゴムで形成される。トレッドリング2のタイヤ半径方向の外側面は、地面(路面)と接触するための接地面2aとして形成される。この接地面2aには、各種の排水用の溝(図示省略)が形成されても良い。また、トレッドリング2のタイヤ半径方向の内周面2bには、後述のスポーク部4が接合されている。
トレッドリング2は、環状のゴム部材である。トレッドリング2は、例えば、加硫ゴムで形成される。トレッドリング2のタイヤ半径方向の外側面は、地面(路面)と接触するための接地面2aとして形成される。この接地面2aには、各種の排水用の溝(図示省略)が形成されても良い。また、トレッドリング2のタイヤ半径方向の内周面2bには、後述のスポーク部4が接合されている。
好ましい態様では、トレッドリング2には、内部に補強コード層2c(図3に示す)が配される。補強コード層2cは、例えば、複数の有機繊維コード又はスチールコードが所定の向きに配向された層からなる。このような補強コード層2cは、トレッドリング2のタイヤ周方向及び/又はタイヤ軸方向の剛性を高め、操縦安定性を向上させるのに役立つ。さらに、トレッドリング2には、一部に樹脂材料が添加又は複合されても良い。
[ハブ]
ハブ3は、車軸を固定するためのものである。本実施形態のハブ3は、金属製である場合が例示される。ハブ3は、例えば、ディスク部3aと、そのタイヤ半径方向外側に形成された円筒状部3bとを一体に備える。ディスク部3aは、トレッドリング2と同芯に配されている。ディスク部3aには、例えば、センターボア3cや取付孔3dなどが形成されている。
ハブ3は、車軸を固定するためのものである。本実施形態のハブ3は、金属製である場合が例示される。ハブ3は、例えば、ディスク部3aと、そのタイヤ半径方向外側に形成された円筒状部3bとを一体に備える。ディスク部3aは、トレッドリング2と同芯に配されている。ディスク部3aには、例えば、センターボア3cや取付孔3dなどが形成されている。
[スポーク部]
スポーク部4は、トレッドリング2とハブ3との間に形成され、これらを一体に連結している。
スポーク部4は、トレッドリング2とハブ3との間に形成され、これらを一体に連結している。
スポーク部4は、樹脂材料で形成されている。スポーク部4は、タイヤ走行時の振動を吸収し、乗り心地性能を向上させる機能を有する。このため、スポーク部4の樹脂材料は、例えば、荷重支持能力を十分に発揮し得る強度を持つものが望ましい。本実施形態のスポーク部4は、熱可塑性樹脂8で構成される。熱可塑性樹脂8としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂又はポリウレタン樹脂が採用されるのが望ましい。なお、「樹脂」には、エラストマーが含まれるものとする。
本実施形態のスポーク部4は、例えば、タイヤ半径方向外側のアウターリング部4aと、タイヤ半径方向内側のインナーリング部4bと、複数のスポークエレメント4cとを一体的に備えている。
アウターリング部4aは、例えば、トレッドリング2の内周面2bに接合された環状体である。
インナーリング部4bは、ハブ3の外周面(より具体的には、円筒状部3bの外周面)3e(図3に示す)に接合された環状体である。
各スポークエレメント4cは、それぞれ、タイヤ半径方向に延びて、アウターリング部4aとインナーリング部4bとを互いに接続している。各スポークエレメント4cは、例えば、走行時に撓むことで、トレッドリング2に入力された衝撃を緩和することができる。スポークエレメント4cの形状等は、図示の態様に限定されるものではなく、例えば、タイヤ半径方向又は周方向にジグザグ状に延びるものや、タイヤ周方向断面において、網目状にのびるもの等、種々の態様が採用される。
[エアレスタイヤの製造方法]
次に、エアレスタイヤ1の製造方法が説明される。図4は、一体成型金型10の一例を示す平面図である。図5は、一体成型金型10に配置されたトレッドリング2及びハブ3の一例を示す平面図である。
次に、エアレスタイヤ1の製造方法が説明される。図4は、一体成型金型10の一例を示す平面図である。図5は、一体成型金型10に配置されたトレッドリング2及びハブ3の一例を示す平面図である。
[トレッドリング及びハブの準備]
本実施形態は、図5に示したトレッドリング2とハブ3とを準備する工程を含む。トレッドリング2は、例えば、慣例にしたがって、未加硫ゴム材料やコード材料等を所定形状に成型し、これを金型等で加硫することにより得られる。一方、ハブ3は、鋳造、鍛造、切削等の各種の方法により製造される。
本実施形態は、図5に示したトレッドリング2とハブ3とを準備する工程を含む。トレッドリング2は、例えば、慣例にしたがって、未加硫ゴム材料やコード材料等を所定形状に成型し、これを金型等で加硫することにより得られる。一方、ハブ3は、鋳造、鍛造、切削等の各種の方法により製造される。
[トレッドリング及びハブの一体成型金型への配置]
本実施形態は、図5に示されるように、一体成型金型10に、トレッドリング2とハブ3とを配置する工程を含む。一体成型金型10は、図6に示されるように、トレッドリング2とハブ3とを連結するスポーク部4を成形して、エアレスタイヤ1を一体成型するためのものである。
本実施形態は、図5に示されるように、一体成型金型10に、トレッドリング2とハブ3とを配置する工程を含む。一体成型金型10は、図6に示されるように、トレッドリング2とハブ3とを連結するスポーク部4を成形して、エアレスタイヤ1を一体成型するためのものである。
図4に示されるように、一体成型金型10は、例えば、下型10Aと、下型10Aに対して相対的に上下方向に移動可能な上型10Bとを含む。図4~図6では、上型10Bと下型10Aとを閉じた状態において、それらの合わせ面11よりも下側を示し、上型10Bが断面として示されている。
図4に示されるように、一体成型金型10の下型10Aには、円柱状の凹部からなるキャビティ20が形成されている。キャビティ20は、本質的に、円形をなす底面12と、底面12から立ち上がる内周面13とを含み、その上部は、上型10Bで閉じられる。
キャビティ20は、第1キャビティ部21、第2キャビティ部22、及び、第3キャビティ部23を含む。図4では、これらの理解を助けるために、第1キャビティ部21と第3キャビティ部23との第1境界31、及び、第2キャビティ部22と第3キャビティ部23との第2境界32が、それぞれ二点鎖線(仮想線)で示されている。
第1キャビティ部21は、予め準備されたトレッドリング2(図5に示す)を収容するための空間である。本実施形態では、トレッドリング2の外周面は、キャビティ20の内周面13にほぼ揃えて配置される。したがって、この状態において、トレッドリング2の内周面2b(図5に示す)に対応する位置が、本質的に、第1キャビティ部21と第3キャビティ部23との第1境界31(二点鎖線で示す)を規定する。
第2キャビティ部22は、予め準備されたハブ3(図5に示す)を収容するための空間である。第2キャビティ部22には、底面12から上向きに延びる突出軸14及び15が設けられている。ハブ3は、その軸心を上下方向として、第2キャビティ部22に配置され、実質的に第2キャビティ部22を埋める。換言すると、ハブ3の外周面3e(図5に示す)が、本質的に、第2キャビティ部22と第3キャビティ部23との第2境界32(二点鎖線で示す)を規定する。
図5に示されるように、ハブ3のセンターボア3cや取付孔3dは、それぞれ第2キャビティ部22の突出軸14及び15に差し込まれる。これは、第2キャビティ部22に、ハブ3を正確に位置合わせするのに役立つ。
図4及び図5に示されるように、第3キャビティ部23は、第1キャビティ部21に配置されたトレッドリング2と、第2キャビティ部22に配置されたハブ3との間に、スポーク部4を成形するための空間である。図4に示されるように、第3キャビティ部23は、第1キャビティ部21と、第2キャビティ部22との間を連通している。本実施形態の第3キャビティ部23は、下型10Aの底面12、複数の突起16、複数の突起17、第1境界31(図5に示した内周面2b)、第2境界32(図5に示した外周面3e)、及び、上型10Bで画定される。
複数の突起16は、下型10Aの底面12から上向きに延びている。一方、複数の突起17は、上型10Bから下方に延びている。これらの突起17は、下型10Aと上型10Bとを閉じたときに、下型10Aの突起16、16間に進入し、第3キャビティ部23を画定する。本実施形態の第3キャビティ部23のハブ3(図5に示す)側には、熱可塑性樹脂8(図6に示す)を第3キャビティ部23に射出するための射出ゲート26が連通している。
図5に示されるように、各突起16、17とトレッドリング2の内周面2bとの間には、スポーク部4のアウターリング部4a(図1に示す)を形成するための環状の第1隙間27が形成されている。同様に、各突起16、17とハブ3の外周面3eとの間には、スポーク部4のインナーリング部4b(図1に示す)を形成するための環状の第2隙間28が形成されている。本実施形態では、第2隙間28に、複数の射出ゲート26が連通している。さらに、円周方向に隣接する複数の突起16、17の間には、それぞれ、スポークエレメント4c(図1に示す)を形成するための第3隙間29が形成されている。
第1隙間27~第3隙間29は、互いに連通されている。このため、軟化した熱可塑性樹脂8(図6に示される)が、射出ゲート26を介して第2隙間28に射出されることにより、第2隙間28から第3隙間29を介して、第1隙間27へと充填されうる。
以上のように構成された一体成型金型10に、上記のトレッドリング2とハブ3とが配置される。具体的には、一体成型金型10を開いて、図5に示されるように、下型10Aの第1キャビティ部21にトレッドリング2が配置され、かつ、第2キャビティ部22にハブ3が配置される。そして、上型10Bを下型10Aに嵌合させ、一体成型金型10が閉じられる。これにより、本実施形態では、一体成型金型10に、トレッドリング2とハブ3とが配置される。
トレッドリング2の配置に先立ち、トレッドリング2の内周面2bには、例えば、トレッドリング2とスポーク部4との接着力を高めるための表面処理(図示省略)が行われてもよい。さらに、ハブ3の配置に先立ち、ハブ3の外周面3eには、ハブ3とスポーク部4との接着力を高めるために、例えば、ショットブラストなどの下地処理(図示省略)が行われてもよい。
[スポーク部の成形]
本実施形態は、一体成型金型10のトレッドリング2とハブ3との間に、熱可塑性樹脂8を射出して、トレッドリング2とハブ3とを連結するスポーク部4を成形する工程を含む。このスポーク部4の成形により、エアレスタイヤ1が一体成型される。図6は、トレッドリング2とハブ3との間に、熱可塑性樹脂8が射出された状態の一例を示す平面図である。
本実施形態は、一体成型金型10のトレッドリング2とハブ3との間に、熱可塑性樹脂8を射出して、トレッドリング2とハブ3とを連結するスポーク部4を成形する工程を含む。このスポーク部4の成形により、エアレスタイヤ1が一体成型される。図6は、トレッドリング2とハブ3との間に、熱可塑性樹脂8が射出された状態の一例を示す平面図である。
図6に示されるように、本実施形態では、第3キャビティ部23(第1隙間27~第3隙間29)に、射出ゲート26(図5に示す)を介して、軟化した熱可塑性樹脂8が射出(加圧注入)される。これにより、一体成型金型10のトレッドリング2とハブ3との間に、熱可塑性樹脂8が充填される。
熱可塑性樹脂8の射出には、例えば、慣例にしたがって、射出成形機(図示省略)が用いられる。この射出成形機は、熱可塑性樹脂8を加熱するためのシリンダー(図示省略)と、シリンダーの内部で回転し、かつ、熱可塑性樹脂8に圧力をかけながら射出するためのスクリュー(図示省略)とを含んで構成される。シリンダーは、ヒーター等の加熱手段によって温調可能に構成されており、射出ゲート26に接続されている。このような射出成形機により、加熱されて軟化した(可塑化した)熱可塑性樹脂8は、シリンダーから射出ゲート26(図5に示す)を介して、第3キャビティ部23(第1隙間27~第3隙間29)に射出(加圧注入)される。
次に、一体成型金型10(第3キャビティ部23)内で熱可塑性樹脂8が冷却、及び、硬化される。これにより、トレッドリング2とハブ3とを連結するスポーク部4が成形されて、それらが一体成形されたエアレスタイヤ1が得られる。
[エアレスタイヤの取り出し]
本実施形態は、エアレスタイヤ1を一体成型金型10から取り出す工程を含む。具体的には、一体成型金型10を開き、エアレスタイヤ1が取り出される。
本実施形態は、エアレスタイヤ1を一体成型金型10から取り出す工程を含む。具体的には、一体成型金型10を開き、エアレスタイヤ1が取り出される。
以上のようにして製造されたエアレスタイヤ1は、スポーク部4が熱可塑性樹脂8からなるため、例えば、成形時の加熱によって硬化させる必要がある熱硬化性樹脂からなる場合に比して、熱可塑性樹脂8の硬化時間(スポーク部4の成形時間)を短縮できる。また、熱可塑性樹脂8は、圧力をかけて速やかに射出されるため、その中に気泡等が残存し難くなり、ひいては、品質不良(耐久性の低下など)が抑制される。したがって、本実施形態では、エアレスタイヤ1の生産性を向上させることができる。
本実施形態では、スポーク部4の成形、スポーク部4とトレッドリング2との連結、及び、スポーク部4とハブ3との連結を同時に行うことができる。したがって、本実施形態では、エアレスタイヤ1を効率よく製造することができる。
図5に示されるように、本実施形態の射出ゲート26は、第3キャビティ部23のハブ3側に連通している。このため、本実施形態の製造方法では、射出ゲート26付近で僅かに形成されやすいゲート残り(図示省略)を、エアレスタイヤ1(図2に示す)において目立ちにくいハブ3側に形成することができる。したがって、本実施形態では、エアレスタイヤ1の外観を向上させることができる。
本実施形態の熱可塑性樹脂8には、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂又はポリウレタン樹脂が採用されるため、例えば、注入時の粘度が低い熱硬化性樹脂に比べて、射出時の熱可塑性樹脂8の粘度を高くすることができる。このような熱可塑性樹脂8は、熱硬化性樹脂に比べて、一体成型金型10の割り位置に形成される微細な隙間(図示省略)に流れ込むのを防ぐことができる。これにより、本実施形態では、微細な隙間に形成されるバリなどの成形不良の発生が抑制されるため、そのような成形不良の除去に要する時間を短縮することが可能となる。したがって、本実施形態では、エアレスタイヤ1の生産性を向上させつつ、エアレスタイヤ1の外観も向上させることができる。
熱可塑性樹脂8は、180~250℃に温調されたシリンダー(図示省略)によって射出されるのが望ましい。シリンダーが250℃以下に温調されることによって、熱可塑性樹脂8が必要以上に高い温度まで加熱されるのを防ぐことができるため、トレッドリング2、及び、後述の接着剤33、34(図5に示す)の熱劣化を防ぐことができる。これにより、本実施形態では、優れた耐久性を発揮しうるエアレスタイヤ1を製造することが可能となる。さらに、軟化した熱可塑性樹脂8の射出時の粘度が、必要以上に低下するのを防ぐことができるため、一体成型金型10の微細な隙間に、熱可塑性樹脂8が流れ込むのを効果的に防ぐことができ、エアレスタイヤ1の生産性を向上させることができる。
一方、シリンダー(図示省略)が180℃以上に温調されることによって、熱可塑性樹脂8を確実に軟化させることができるため、スポーク部4の成形性を維持することができる。したがって、優れた耐久性を発揮しうるエアレスタイヤ1を製造することが可能となる。このような作用を効果的に発揮させるために、熱可塑性樹脂8は、220℃以下に温調されたシリンダーによって射出されるのが好ましく、また、200℃以上に温調されたシリンダーによって射出されるのが好ましい。
[トレッドリングの予熱]
本実施形態では、図5に示したトレッドリング2とハブ3とを配置する工程(上記の「トレッドリング及びハブの一体成型金型への配置」)に先立ち、トレッドリング2を予熱する工程がさらに含まれてよい。これにより、一体成型金型10には、予熱されたトレッドリング2が配置される。そして、予熱されたトレッドリング2とハブ3との間に、熱可塑性樹脂8が射出される。
本実施形態では、図5に示したトレッドリング2とハブ3とを配置する工程(上記の「トレッドリング及びハブの一体成型金型への配置」)に先立ち、トレッドリング2を予熱する工程がさらに含まれてよい。これにより、一体成型金型10には、予熱されたトレッドリング2が配置される。そして、予熱されたトレッドリング2とハブ3との間に、熱可塑性樹脂8が射出される。
図6に示したスポーク部4を成形する工程(上記の[スポーク部の成形])では、予熱されたトレッドリング2と、ハブ3との間に、熱可塑性樹脂8が射出される。トレッドリング2の予熱は、例えば、一体成型金型10とは別に設けられたオーブンなどの加温機(図示省略)を用いて、適宜実施されうる。
トレッドリング2を予熱する工程では、トレッドリング2を、一体成型金型10(図6に示す)の温度よりも高い温度に予熱されるのが望ましい。このような予熱により、後述の「トレッドリングの内周面への接着剤の塗布」する工程において、接着剤33を予熱して活性化することができる。これにより、トレッドリング2と熱可塑性樹脂8との接着性を高めることができるため、優れた耐久性を発揮しうるエアレスタイヤ1を製造することが可能となる。
このような作用を効果的に発揮させるために、好ましくは、トレッドリング2の表面温度が50℃以上となるように、トレッドリング2が予熱されるのが望ましく、さらに好ましくは、70℃以上となるように、予熱されるのが望ましい。
一方、トレッドリング2の予熱の温度が必要以上に高くなると、トレッドリング2が劣化するおそれがある。トレッドリング2の表面温度が160℃以下となるように、トレッドリング2が予熱されるのが望ましい。
[トレッドリングの内周面への接着剤の塗布]
本実施形態では、図5に示したトレッドリング2とハブ3とを配置する工程(上記の「トレッドリング及びハブの一体成型金型への配置」)に先立ち、トレッドリング2の内周面2bに、接着剤33を塗布する工程がさらに含まれてもよい。接着剤33は、熱可塑性樹脂8(図6に示す)との接着性を高めるためのものである。
本実施形態では、図5に示したトレッドリング2とハブ3とを配置する工程(上記の「トレッドリング及びハブの一体成型金型への配置」)に先立ち、トレッドリング2の内周面2bに、接着剤33を塗布する工程がさらに含まれてもよい。接着剤33は、熱可塑性樹脂8(図6に示す)との接着性を高めるためのものである。
接着剤33は、熱可塑性樹脂8(図6に示す)との接着性を高めることができれば、適宜選択されうる。一例としては、ラテックス型、溶剤型、反応型等の接着剤が含まれる。本実施形態の接着剤33は、スポーク部4が上記の熱可塑性樹脂8で成形される場合、例えば、ロード・ファー・イーストコーポレーション社製の商品名「ケムロック」が好適に採用される。
本実施形態は、トレッドリング2の内周面2bに接着剤33が塗布されることによって、トレッドリング2と、スポーク部4を構成する熱可塑性樹脂8(図6に示す)との接着力を高めることができる。したがって、本実施形態では、エアレスタイヤ1の成形性を高めつつ、優れた耐久性を発揮しうるエアレスタイヤ1を製造することが可能となる。
トレッドリング2と熱可塑性樹脂8との接着性を高めるために、接着剤33の層厚さ(図示省略)は、5~50μmに設定されるのが望ましい。層厚さが5μm以上に設定されることにより、上記のような接着性を高めることができる。一方、層厚さが50μm以下に設定されることにより、接着剤33の硬化物(図示省略)が必要以上に厚くなるのを防ぐことができる。これにより、走行中のトレッドリング2とスポーク部4との間で生じる歪み等によって、接着剤33の硬化物が破壊するのを防ぐことができる。このような作用を効果的に発揮させるために、層厚さは、好ましくは15μm以上であり、また、好ましくは35μm以下である。
[接着剤の予熱]
本実施形態の製造方法は、接着剤33を予熱する工程をさらに含んでもよい。この予熱する工程は、トレッドリング2の予熱に伴う接着剤33への予熱とは別に行われる。本実施形態の接着剤33を予熱する工程は、トレッドリング2とハブ3とを配置する工程(上記の「トレッドリング及びハブの一体成型金型への配置」)に先立って行われる。
本実施形態の製造方法は、接着剤33を予熱する工程をさらに含んでもよい。この予熱する工程は、トレッドリング2の予熱に伴う接着剤33への予熱とは別に行われる。本実施形態の接着剤33を予熱する工程は、トレッドリング2とハブ3とを配置する工程(上記の「トレッドリング及びハブの一体成型金型への配置」)に先立って行われる。
上記の接着剤33は、加熱によって活性化し、硬化する傾向がある。このため、本実施形態の製造方法では、接着剤33を予熱して硬化させることにより、その後に射出される熱可塑性樹脂8(図6に示す)の圧力に負けて、トレッドリング2の内周面2bから接着剤33が脱落するのを防ぐことができる。したがって、本実施形態では、トレッドリング2の内周面2bと、熱可塑性樹脂8との接着性を確実に向上させることができるため、優れた耐久性を発揮しうるエアレスタイヤ1を製造することが可能となる。
予熱する工程では、接着剤33の温度が100~180℃になるように、接着剤33が予熱されるのが望ましい。接着剤33の温度が100℃以上に予熱されることにより、接着剤33を活性化させて、確実に硬化させることができる。これにより、トレッドリング2の内周面2bからの接着剤33の脱落を防ぐことができ、優れた耐久性を発揮しうるエアレスタイヤ1を製造することが可能となる。
一方、接着剤33の温度が180℃以下に予熱されることにより、接着剤33の劣化を抑制し、熱可塑性樹脂8(図6に示す)との接着力の低下を防ぐことができる。したがって、優れた耐久性を発揮しうるエアレスタイヤ1を製造することが可能となる。このような作用を効果的に発揮させるために、接着剤33の温度は、好ましくは120℃以上であり、また、好ましくは160℃以下である。
接着剤33の予熱時間は、5~120分が望ましい。接着剤33の予熱時間が5分以上に設定されることにより、接着剤33の温度を上昇させて、接着剤33を確実に硬化させることができる。一方、接着剤33の予熱時間が120分以下に設定されることにより、接着剤33の劣化を抑制し、熱可塑性樹脂8(図6に示す)との接着力の低下を防ぐことができる。このような作用を効果的に発揮させるために、接着剤33の予熱時間は、好ましくは15分以上であり、また、好ましくは100分以下である。
接着剤33の予熱は、例えば、一体成型金型10とは別に設けられた加温機(図示省略)を用いて、適宜実施されうる。また、接着剤33の予熱は、トレッドリング2の予熱とは別に行われてもよいし、トレッドリング2とともに予熱されてもよい。接着剤33がトレッドリング2とともに予熱される場合には、それらの予熱に要する時間を短縮することができるため、エアレスタイヤ1の生産性を向上しうる。
[ハブの外周面への接着剤の塗布]
本実施形態では、図5に示したトレッドリング2とハブ3とを配置する工程(上記の「トレッドリング及びハブの一体成型金型への配置」)に先立ち、ハブ3の外周面3eに、接着剤34を塗布する工程がさらに含まれてもよい。接着剤34は、熱可塑性樹脂8(図6に示す)との接着性を高めるためのものである。
本実施形態では、図5に示したトレッドリング2とハブ3とを配置する工程(上記の「トレッドリング及びハブの一体成型金型への配置」)に先立ち、ハブ3の外周面3eに、接着剤34を塗布する工程がさらに含まれてもよい。接着剤34は、熱可塑性樹脂8(図6に示す)との接着性を高めるためのものである。
接着剤34は、熱可塑性樹脂8(図6に示す)との接着性を高めることができれば、適宜選択されうる。本実施形態の接着剤34は、トレッドリング2の内周面2bに塗布される接着剤33と同一のものが採用されうる。
本実施形態の製造方法では、ハブ3の外周面3eに接着剤34が塗布されることによって、ハブ3と、スポーク部4を構成する熱可塑性樹脂8(図6に示す)との接着力を高めることができる。したがって、本実施形態では、エアレスタイヤ1の成形性を高めつつ、優れた耐久性を発揮しうるエアレスタイヤ1を製造することが可能となる。
接着剤34の層厚さ(図示省略)は、トレッドリング2の内周面2bに塗布される接着剤33と同様の観点より、5~50μmに設定されるのが望ましい。また、ハブ3の外周面3eからの接着剤34の脱落を防ぐために、接着剤34を予熱する工程がさらに含まれてもよい。
接着剤34を予熱する工程は、トレッドリング2とハブ3とを配置する工程(上記の「トレッドリング及びハブの一体成型金型への配置」)に先立って行われるのが望ましい。また、接着剤34の予熱は、例えば、一体成型金型10とは別に設けられた加温機(図示省略)を用いて、適宜実施されうる。接着剤34の温度及び予熱時間は、トレッドリング2の内周面2bに塗布される接着剤33の温度及び予熱時間と同一範囲に設定されるのが望ましい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
以下、本発明のより具体的かつ非限定的な実施例が説明される。
[実施例A]
図1~3の基本構造をなすエアレスタイヤ(タイヤサイズ145/70R12に相当するタイヤ)が試作され、耐久性が評価された(実施例1)。実施例1のエアレスタイヤの製造方法は、次の通りである。
図1~3の基本構造をなすエアレスタイヤ(タイヤサイズ145/70R12に相当するタイヤ)が試作され、耐久性が評価された(実施例1)。実施例1のエアレスタイヤの製造方法は、次の通りである。
実施例1の製造方法では、加硫ゴムからなるトレッドリング及びアルミニウム合金からなるハブが準備された。トレッドリングは、170℃×15分の条件で加硫された。トレッドリングの内部には、外側補強コード層及び内側補強コード層が配置されている。これらの詳細は、以下の通りである。
<外側補強コード層>
・プライ数:2枚
・補強コード:スチールコード
・コードの角度:+21度/-21度
<内側補強コード層>
・プライ数:2枚
・補強コード:スチールコード
・コードの角度:+21度/-21度
<外側補強コード層>
・プライ数:2枚
・補強コード:スチールコード
・コードの角度:+21度/-21度
<内側補強コード層>
・プライ数:2枚
・補強コード:スチールコード
・コードの角度:+21度/-21度
次に、実施例1の製造方法では、トレッドリングの内周面及びハブの外周面に、接着剤(ロード・ファー・イーストコーポレーション社製の商品名「ケムロック」)が塗布された。接着剤の層厚さは、30μmに設定された。実施例1では、接着剤及びトレッドリングの予熱が行われた。
次に、実施例1では、一体成型金型に、トレッドリングとハブとが配置された。そして、実施例1では、一体成型金型のトレッドリングとハブとの間に、熱可塑性樹脂(熱可塑性ポリエステル樹脂)が射出された。これにより、トレッドリングとハブとを連結するスポーク部が成形されて、エアレスタイヤが製造された。
比較のために、上記の特許文献1の製造方法に基づいて、スポーク部を除いて、実施例1と同一の構造を有するエアレスタイヤが製造された。比較例では、金型に、予め準備されたトレッドリング及びハブが配置され、これらの間に熱硬化性樹脂が注入された。そして、熱硬化性樹脂を熱硬化させることにより、トレッドリングとハブとを連結するスポーク部が成形されて、エアレスタイヤが製造された。
そして、実施例1及び比較例において、1本のエアレスタイヤのスポーク部の成形時間が測定された。さらに、実施例1及び比較例では、スポーク部に形成されたバリの多さ、及び、スポーク部の表面に残存した気泡の個数が、目視にて確認された。テスト結果が、表1に示される。
テストの結果、実施例1は、比較例に比べて、スポーク部の成形に要する時間を大幅に短縮することができた。さらに、実施例1は、比較例に比べて、バリの発生や気泡の残存を防ぐことができた。したがって、実施例1は、比較例に比べて、エアレスタイヤの生産性を向上させることができた。
[実施例B]
図1~3の基本構造をなすエアレスタイヤ(タイヤサイズは、実施例Aと同一)が試作され、耐久性が評価された(実施例2~6)。実施例2~6の製造手順は、実質的に実施例1と同一である。ただし、実施例2~6では、シリンダーの温度をそれぞれ異ならせて、熱可塑性樹脂が射出された。
図1~3の基本構造をなすエアレスタイヤ(タイヤサイズは、実施例Aと同一)が試作され、耐久性が評価された(実施例2~6)。実施例2~6の製造手順は、実質的に実施例1と同一である。ただし、実施例2~6では、シリンダーの温度をそれぞれ異ならせて、熱可塑性樹脂が射出された。
そして、実施例2~6のエアレスタイヤについて、耐久性が評価された。耐久性の評価は、ドラム試験機を用い、速度60km/h、荷重2kNの条件にて各タイヤを走行させた。そして、タイヤに損傷が発生するまでの走行距離が測定された。耐久性は、実施例4を100とする指数で示されている。数値が大きいほど、耐久性が良好であることが示されている。なお、耐久性の指数は、80以上であれば良好であり、95以上であれば、非常に優れていることが示される。テスト結果が、表2に示される。
テストの結果、シリンダーの温度が好ましい範囲の実施例3~5は、その他の実施例2及び実施例6に比べて、エアレスタイヤの耐久性を向上させることができた。
[実施例C]
図1~3の基本構造をなすエアレスタイヤ(タイヤサイズは、実施例Aと同一)が試作され、耐久性が評価された(実施例7~12)。実施例7~12の製造手順は、実質的に実施例1と同一である。ただし、実施例7~12では、予熱された接着剤の温度がそれぞれ異なるように、接着剤が予熱されている。
図1~3の基本構造をなすエアレスタイヤ(タイヤサイズは、実施例Aと同一)が試作され、耐久性が評価された(実施例7~12)。実施例7~12の製造手順は、実質的に実施例1と同一である。ただし、実施例7~12では、予熱された接着剤の温度がそれぞれ異なるように、接着剤が予熱されている。
そして、実施例7~12のエアレスタイヤについて、耐久性が評価された。耐久性の評価は、実施例Bと同一の方法で行われ、実施例10を100とする指数で示されている。テスト結果が、表4に示される。
テストの結果、接着剤が予熱された実施例8~12は、接着剤が予熱されない実施例7に比べて、エアレスタイヤの耐久性を向上させることができた。さらに、接着剤が好ましい温度に予熱された実施例9~11は、その他の実施例8及び12に比べて、エアレスタイヤの耐久性を効果的に向上させることができた。
1 エアレスタイヤ
2 トレッドリング
3 ハブ
4 スポーク部
8 熱可塑性樹脂
10 一体成型金型
2 トレッドリング
3 ハブ
4 スポーク部
8 熱可塑性樹脂
10 一体成型金型
Claims (10)
- 接地面を有する環状のトレッドリングと、前記トレッドリングのタイヤ半径方向内側に配されるハブと、前記トレッドリングと前記ハブとを連結するスポーク部とを備えたエアレスタイヤの製造方法であって、
前記トレッドリングと前記ハブとを準備する工程と、
一体成型金型に、前記トレッドリングと前記ハブとを配置する工程と、
前記一体成型金型の前記トレッドリングと前記ハブとの間に、熱可塑性樹脂を射出して、前記トレッドリングと前記ハブとを連結する前記スポーク部を成形してエアレスタイヤを一体成型する工程と、
前記エアレスタイヤを前記一体成型金型から取り出す工程と
を含む、エアレスタイヤの製造方法。 - 前記配置する工程に先立ち、前記トレッドリングの内周面に、前記熱可塑性樹脂との接着性を高めるための接着剤を塗布する工程をさらに含む、請求項1記載のエアレスタイヤの製造方法。
- 前記配置する工程に先立ち、前記ハブの外周面に、前記熱可塑性樹脂との接着性を高めるための接着剤を塗布する工程をさらに含む、請求項1又は2に記載のエアレスタイヤの製造方法。
- 前記接着剤の層厚さが5~50μmである、請求項2又は3に記載のエアレスタイヤの製造方法。
- 前記接着剤を予熱する工程をさらに含む、請求項2ないし4のいずれか1項に記載のエアレスタイヤの製造方法。
- 前記トレッドリングの表面温度が50℃以上となるように、前記トレッドリングを予熱する工程をさらに含む、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のエアレスタイヤの製造方法。
- 前記熱可塑性樹脂は、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂又はポリウレタン樹脂を含む、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のエアレスタイヤの製造方法。
- 前記一体成型金型は、前記トレッドリングを収容するための第1キャビティ部と、前記ハブを収容するための第2キャビティ部と、前記第1キャビティ部及び前記第2キャビティ部に連通し、かつ、前記スポーク部を成形するための第3キャビティ部とを含む、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のエアレスタイヤの製造方法。
- 前記第3キャビティ部の前記ハブ側に、前記熱可塑性樹脂の射出ゲートが連通している、請求項8に記載のエアレスタイヤの製造方法。
- 前記熱可塑性樹脂は、180~250℃に温調されたシリンダーにより射出される、請求項1ないし9のいずれか1項に記載のエアレスタイヤの製造方法。
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