JP2022034436A - パンツ型使い捨ておむつ - Google Patents

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Abstract

【課題】使用後に廃棄するときに廃棄用テープを用いてコンパクト且つ衛生的に廃棄処理できるパンツ型使い捨ておむつを提供すること。【解決手段】背側部Cの一対のサイドフラップ部10の少なくとも一方における伸縮領域Gの外面に廃棄用テープ4が設けられている。廃棄用テープ4の固定部5は、平面視で1本以上の弾性部材14と重なり、且つ該固定部5の伸縮領域Gの外面との縦方向Xの固定長さは、該伸縮領域Gの縦方向Xの長さに比べて短い。廃棄用テープ4を横方向Yの外方に引っ張ったときに、該廃棄用テープ4の伸長部8が同方向に伸長するよりも前に、該廃棄用テープ4が固定されている伸縮領域Gが同方向に伸長する。【選択図】図3

Description

本発明は、廃棄用テープを備えたパンツ型使い捨ておむつに関する。
使用後の廃棄を容易且つ衛生的に行い得るパンツ型使い捨ておむつとして、おむつの外面に廃棄用テープが設けられ、小さく丸められたおむつの状態を廃棄用テープで維持できるようにしたものが知られている。特許文献1~4には、一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有するパンツ型使い捨ておむつにおいて、後身頃のウエスト開口部の周縁近傍で横方向に伸縮可能な弾性部材が配置された領域の外面に、廃棄用テープが設けられたものが記載されている。なお、ここでいう「横方向」とは、おむつの着用者の前後方向(縦方向)に直交する方向である。特許文献1に記載のパンツ型使い捨ておむつでは、後身頃の外面に一端側の片面が固着され、その対向端側の同じ片面に接着剤塗布部を有する止着テープが、該周縁と並行に伸びてサイドシール部を横方向に跨ぎ、前身頃の外面に該接着剤塗布部を介して止着可能に設けられている。特許文献1に記載の止着テープの主な用途は、おむつの着用時にウエスト開口部にゆるみが生じておむつがずり下がることを防止するためのものであるが、使用済みのおむつを丸めた状態で維持することにも使用できるとされている。
実開平05-39531号公報 特開2001-46436号公報 特開2015-134018号公報 特開2017-118996号公報
廃棄用テープを備えたパンツ型使い捨ておむつを廃棄する際に、例えばおむつの腹側部を内側にして股下部からウエスト開口部に向けて縦方向に巻き上げるなどして丸めたおむつに、廃棄用テープを巻き付けて廃棄形態とした場合、その丸めたおむつの吸収体に吸収保持されている便が、該吸収体の横方向外方に位置するサイドフラップ部に移行し、さらには該おむつの外部に漏れ出すという問題がある。特に、低月齢用のパンツ型使い捨ておむつは、水分を多く含み流動性の高い軟便や下痢便が排泄される場合が多いため、廃棄形態としたときにこのような横漏れが生じやすい。
廃棄用テープを備えたパンツ型使い捨ておむつとしては従来、廃棄用テープが縦方向に伸長可能に設けられたもの(例えば特許文献3の図9参照)と、該縦方向に直交する横方向に伸長可能に設けられたもの(例えば特許文献3の図1参照)とが知られている。前者のおむつは、廃棄形態としたときに廃棄用テープが、縦方向に丸められたおむつの丸め方向(縦方向)に伸長されて該おむつを締め付けるため(特許文献3の図10参照)、廃棄用テープによるサイドフラップ部の締め付けが不十分となりやすく、軟便や下痢便のような流動性の高い便の横漏れを十分に防止できないおそれがある。これに対して後者のおむつは、廃棄形態としたときに廃棄用テープが、縦方向に丸められたおむつの丸め方向と交差する方向(横方向)に伸長されて該おむつを締め付けるため(特許文献3の図8参照)、前者のおむつに比べて、廃棄用テープによるサイドフラップ部の締め付けが強く、おむつの廃棄処理を衛生的に行い得る。しかしながら、従来の後者のおむつは、廃棄形態における軟便や下痢便の横漏れ防止が十分とは言えず、改善の余地があった。
本発明の課題は、使用後に廃棄するときに廃棄用テープを用いてコンパクト且つ衛生的に廃棄処理できるパンツ型使い捨ておむつを提供することに関する。
本発明は、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向と該縦方向に直交する横方向とを有し、該股間部に配される股下部と、該股下部よりも着用者の腹側に配される腹側部と、該股下部よりも着用者の背側に配される背側部とに区分され、体液を吸収保持する吸収体を含む吸収性本体と、該吸収性本体を挟んで該横方向の両側に位置する一対のサイドフラップ部とを備え、該腹側部及び該背側部それぞれの該一対のサイドフラップ部どうしの接合により一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されている、パンツ型使い捨ておむつである。
本発明のパンツ型使い捨ておむつの一実施形態では、前記腹側部及び前記背側部それぞれの前記サイドフラップ部は、前記横方向に伸縮性を有する伸縮領域を有し、該伸縮領域は、該サイドフラップ部を形成するシートと、該シートに該横方向に伸縮可能に配置された複数の弾性部材とを含み、該複数の弾性部材は、前記縦方向に間欠配置されている。 本発明のパンツ型使い捨ておむつの一実施形態では、前記背側部の前記一対のサイドフラップ部の少なくとも一方における前記伸縮領域の外面に、廃棄用テープが設けられている。
本発明のパンツ型使い捨ておむつの一実施形態では、前記廃棄用テープは、前記伸縮領域の外面に固定された固定部と、該固定部から前記横方向の外方に延出し得る自由部とを含み、該自由部は、前記パンツ型使い捨ておむつの外面に止着可能な止着部と、該固定部と該止着部との間に位置する伸長部とを含む。
本発明のパンツ型使い捨ておむつの一実施形態では、前記固定部は、平面視で1本以上の前記弾性部材と重なり、且つ該固定部の前記伸縮領域の外面との前記縦方向の固定長さは、該伸縮領域の該縦方向の長さに比べて短い。
本発明のパンツ型使い捨ておむつの一実施形態では、前記廃棄用テープを前記横方向の外方に引っ張ったときに、該廃棄用テープの前記伸長部が同方向に伸長するよりも前に、該廃棄用テープが固定されている前記伸縮領域が同方向に伸長する。
本発明の他の特徴、効果及び実施形態は、以下に説明される。
本発明によれば、使用後に廃棄するときに廃棄用テープを用いてコンパクト且つ衛生的に廃棄処理できるパンツ型使い捨ておむつが提供される。
図1は、本発明のパンツ型使い捨ておむつの一実施形態の背側部側の模式的な斜視図である。 図2は、図1に示すおむつの展開且つ伸長状態における肌対向面側(吸収性本体の配置面側)を一部破断して模式的に示す展開平面図である。 図3は、図1に示すおむつの展開且つ伸長状態における非肌対向面側(吸収性本体の非配置面側)の模式的な展開平面図である。 図4は、図2のI-I線での厚み方向に沿う断面図であり、図1に示すおむつの股下部の模式的な横断面図である。 図5は、図3のII-II線での厚み方向に沿う断面図であり、図1に示すおむつが備える廃棄用テープの未使用状態の模式的な横断面図ある。 図6(a)は、図1に示すおむつの廃棄形態を形成する過程で、廃棄用テープを伸長させる様子を模式的に示す斜視図、図6(b)は、該廃棄用テープを丸めた状態のおむつの外面に巻き付けた状態を模式的に示す斜視図、図6(c)は、該廃棄用テープと対をなす別の廃棄用テープを丸めた状態のおむつの外面に巻き付けた状態を模式的に示す斜視図である。 図7は、発明品及び対照品について廃棄用テープの引張操作による引張試験を行って得られた応力-歪曲線(S-S曲線)のグラフである。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は基本的に模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合がある。
図1~図4には、本発明のパンツ型使い捨ておむつの一実施形態であるおむつ1が示されている。おむつ1は、着用者の前後方向、すなわち腹側から股間部を介して背側に延びる方向に対応する縦方向Xと、該縦方向Xに直交する横方向Yとを有する。おむつ1は、着用者の股間部に配され、着用者の陰茎等の排泄部に対向する排泄部対向部(図示せず)を含む股下部Bと、該股下部Bよりも着用者の腹側(前側)に配される腹側部Aと、該股下部Bよりも着用者の背側(後側)に配される背側部Cとの3つに区分される。おむつ1は、体液を吸収保持する吸収体23を含む吸収性本体2と、該吸収性本体2を挟んで横方向Yの両側に位置する一対のサイドフラップ部10,10とを備え、腹側部A及び背側部Cそれぞれの一対のサイドフラップ部10,10どうしの接合により一対のサイドシール部S、ウエスト開口部WH及び一対のレッグ開口部LH,LHが形成されている。
おむつ1は、図2及び図3に示すように、横中心線CLyを挟んで一方側と他方側とで対称に形成されている。
腹側部Aは、おむつ1の前身頃Fの一部であり、背側部Cは、おむつ1の後身頃Rの一部である。股下部Bは、縦中心線CLxを縦方向Xに跨いでおり、前身頃Fから後身頃Rに存在している。腹側部A及び背側部Cは、典型的にはそれぞれ、おむつ1の着用時に着用者の胴周りに配される胴周り部を含む。前記胴周り部は、縦方向Xにおいてサイドシール部Sと同位置にある部分(本実施形態では、ウエスト開口部WHの開口縁からサイドシール部Sの下端Sbに延在する平面視長方形形状の領域)を含む。股下部Bは、典型的には、レッグ開口部LH,LH形成用の凹欠部であるレッグ縁部LS,LSが形成された領域を含む。レッグ縁部LSは、サイドフラップ部10の縦方向Xに沿う両側縁部の一部である。
本発明において、腹側部A、股下部B及び背側部Cは、展開且つ伸長状態のおむつ1を縦方向Xに三等分した場合の各領域であり得る。
横中心線CLyは、図2及び図3に示す如き展開且つ伸長状態のおむつ1を横方向Yに二等分して縦方向Xに延びる仮想直線である。また縦中心線CLxは、展開且つ伸長状態のおむつ1を縦方向Xに二等分して横方向Yに延びる仮想直線である。
ここでいう「展開且つ伸長状態」とは、おむつ1をサイドシール部Sで切り離して展開状態とし、その展開状態のおむつ1を各部の弾性部材を伸長させて設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態をいう。
本実施形態では、吸収性本体2は、図2及び図3に示すように、平面視矩形形状を有し、その長手方向をおむつ1の縦方向Xに一致させて、外装体11の横方向Yの中央部に配置され、腹側部Aから股下部Bを介して背側部Cにわたって縦方向Xに延在している。吸収性本体2の平面視における輪郭は、吸収体23の輪郭と略一致する。
吸収性本体2は、図4に示すように、着用者の肌から相対的に近い位置に配置された液透過性の表面シート21、着用者の肌から相対的に遠い位置に配置された液不透過性若しくは液難透過性又は撥水性(要するに防漏性)の裏面シート22、及び両シート21,22間に介在配置された吸収体23を含んで構成されている。吸収体23は、体液を吸収保持可能な吸収性コア24と、該吸収性コア24の肌対向面及び非肌対向面を含む外面を被覆するコアラップシート25とを含んで構成されている。吸収性本体2を構成するこれらの部材どうしは、接着剤等の公知の接合手段により一体とされている。
吸収性本体2を構成する前記の各部材としては、この種の吸収性物品において通常使用されているものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート21としては各種の不織布や開孔フィルム等を用いることができ、裏面シート22としては樹脂製フィルムや、樹脂製フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。吸収性コア24は、典型的には、吸水性材料を主体とし、該吸水性材料として、木材パルプ等の繊維材料及び吸水性ポリマーから選択される1種以上を含有する。コアラップシート25は液透過性を有し、典型的には、紙、不織布等からなる。コアラップシート25は無くてもよい。
本明細書において、「肌対向面」は、パンツ型使い捨ておむつ又はその構成部材(例えば吸収体)における、該おむつの着用時に着用者の肌側に向けられる面、すなわち着用者の肌から相対的に近い側であり、「非肌対向面」は、パンツ型使い捨ておむつ又はその構成部材における、該おむつの着用時に肌側とは反対側に向けられる面、すなわち着用者の肌から相対的に遠い側である。なお、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置、すなわち当該吸収性物品の正しい着用位置が維持された状態を意味する。
図4に示すように、吸収性本体2の縦方向Xに沿う両側部には、おむつ1の着用時に着用者の肌側に起立する一対の防漏カフ3,3が設けられている。各防漏カフ3は、液抵抗性又は撥水性で且つ通気性の防漏シート30を含み、該防漏シート30は、横方向Yの一端側が他の部材(図示の形態では吸収性本体2及び後述する外装体11)に固定されて固定端部、横方向Yの他端側が他の部材に非固定の自由端部とされている。防漏シート30の前記自由端部には、防漏カフ形成用弾性部材31が、縦方向Xに伸長状態で固定されることで同方向に伸縮可能に配置されている。おむつ1の着用時には、弾性部材31の収縮力により、少なくとも股下部Bにおいて、防漏シート30の前記自由端部側が、前記固定端部を起立基端として着用者側に起立することで一対の防漏カフ3,3が起立し、これにより尿等の排泄物の横方向Yの外方への流出が阻止される。
本実施形態では、吸収性本体2の非肌対向面側に外装体11が配置されている。吸収性本体2と外装体11とは接着剤によって接合されている。外装体11は、吸収性本体2よりも面積が大きく、吸収性本体2の周縁から外方に延出する延出部を有している。この外装体11の吸収性本体2からの延出部のうち、吸収性本体2の縦方向Xに沿う両側縁2S,2S及びそれらの仮想延長線よりも横方向Yの外方に位置する部分が、一対のサイドフラップ部10,10を構成している。
本実施形態では、外装体11は、図4に示すように、相対的に着用者の肌から遠い側に配置された外層シート12と、相対的に着用者の肌から近い側に配置された内層シート13とを含んで構成されている。両シート12,13どうしは、接着剤等の接合手段を介して互いに接合され一体化されている。外層シート12は、外装体11の最外層であり、外装体11の非肌対向面を形成するとともに、おむつ1の外面を形成する。内層シート13は、外装体11の最内層であり、外装体11の肌対向面を形成する。吸収性本体2は、内層シート13の肌対向面に接合されている。
外層シート12及び内層シート13としては、それぞれ、各種製法による不織布、樹脂製フィルムなどを用いることができ、不織布としては例えば、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ニードルパンチ不織布等が挙げられる。両シート12,13は、それぞれ、単層構造でもよく、2枚以上のシートが積層された積層構造でもよい。また両シート12,13は、それぞれ、横方向Yに伸縮性を有する伸縮性シートでもよく、伸縮性を有さない非伸縮性シートでもよい。
本実施形態では、一対のレッグ開口部LH,LHそれぞれの開口縁部を形成するレッグ縁部LSに、レッグギャザーが形成されている。前記レッグギャザーは、外装体11と、外装体11に固定され、レッグ縁部LSに沿って延びる部分を有するレッグギャザー形成用弾性部材15とを含んで構成されている。前記レッグギャザーは、外装体11を構成する外層シート12と内層シート13との間に、弾性部材15を伸長状態で固定した後、弾性部材15を伸長状態から解放することで作製されている。おむつ1の自然状態又は着用状態では、弾性部材15の収縮により、外装体11におけるレッグ開口部LHの開口縁部を構成する部分に弾性部材15の収縮方向と交差する方向に延びる複数の襞(ギャザー)が形成され、これによりレッグ開口部LHの開口縁部の全周にわたって該襞が実質的に連続した環状の前記レッグギャザーが形成される。
図2及び図3に示すように、腹側部A及び背側部Cそれぞれのサイドフラップ部10は、横方向Yに伸縮性を有する伸縮領域Gを有している。伸縮領域Gは、サイドフラップ部10を形成するシートと、該シートに横方向Yに伸縮可能に配置された複数の弾性部材14とを含んでいる。複数の弾性部材14は、横方向Yに延在し、縦方向Xに間欠配置されている。本実施形態では、伸縮領域Gは胴周り部(縦方向Xにおいてサイドシール部Sと同位置にある部分)に位置し、弾性部材14は胴周り弾性部材と言うことができる。
本実施形態では、前記の「サイドフラップ部10を形成するシート」は、外層シート12及び内層シート13である。伸縮領域Gは、両シート12,13の間に弾性部材14を横方向Yに伸長させた状態で固定した後、該弾性部材14を伸長状態から解放することで作製されている。おむつ1の着用状態では、弾性部材14の収縮により伸縮領域Gの表面に、弾性部材14と交差する方向(縦方向X)に延びる複数の襞(ギャザー)が形成される。
本実施形態では、図2及び図3に示すように、腹側部A及び背側部Cそれぞれにおける、縦方向Xにおいてサイドシール部Sと同位置にある部分で且つ吸収性本体2と平面視で重ならない部分の全体が、伸縮領域Gである。おむつ1における平面視で吸収性本体2と重なる部分に配置された弾性部材14は、分断されるなどして弾性伸縮性が発現しないように処理されており、したがって該部分は横方向Yに伸縮性を有さない。
また本実施形態では、伸縮領域Gは、吸収性本体2の縦方向端2E及びその仮想延長線を境界として、ウエスト開口部WH側に位置する上部伸縮領域G1と、股下部B側に位置する下部伸縮領域G2とを含む。
上部伸縮領域G1は、ウエスト開口部WHの開口周縁部を含み、おむつ1の着用時に着用者の腰周り(ウエスト部)に配される。図2及び図3に示す如きおむつ1の展開且つ伸長状態において、上部伸縮領域G1の縦方向Xの長さは、サイドシール部Sの縦方向Xの長さに対して、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上、そして、好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下である。
下部伸縮領域G2は、吸収性本体2の縦方向端2E及びその仮想延長線とサイドシール部Sの下端Sb(サイドシール部Sの縦方向Xの両端のうち、縦中心線CLxから相対的に近い端)との間において、吸収性本体2を挟んで横方向Yの両側に一対設けられている。
背側部Cの一対のサイドフラップ部10,10の少なくとも一方における伸縮領域Gの外面には、おむつ1を廃棄形態にするときに用いられる廃棄用テープ4が設けられている。本実施形態では、伸縮領域Gの外面は外層シート12の非肌対向面から形成されているので、廃棄用テープ4は外層シート12の非肌対向面に設けられている。廃棄用テープ4は、サイドフラップ部10に設けられることを前提として、上部伸縮領域G1に設けられてもよく、下部伸縮領域G2に設けられてもよく、上部伸縮領域G1と下部伸縮領域G2とに跨って設けられてもよい。
本実施形態では、廃棄用テープ4は、図1~図3に示すように、背側部Cの一対のサイドフラップ部10,10の双方に設けられて対を形成している。この一対の廃棄用テープ4,4は、横中心線CLyを基準として対称に形成されている。
図5には、未使用状態の廃棄用テープ4の横方向Yにおける厚み方向に沿う断面構造が示されている。廃棄用テープ4は、伸縮領域Gの外面(外層シート12の非肌対向面)に固定された固定部5と、該固定部5から横方向Yの外方(図5中、符号Y1で示す方向)に延出し得る自由部6とを含み、該自由部6は、おむつ1の外面に止着可能な止着部7と、該固定部5と該止着部7との間に位置する伸長部8とを含む。
止着部7は、廃棄用テープ4の先端部を形成し、おむつ1の外面における任意の位置に止着可能とされ、おむつ1の廃棄形態を廃棄用テープ4で維持するときに、おむつ1の外面に止着される部位である。止着部7は、おむつ1の外面に止着するための止着手段を有しているところ、該止着手段は特に制限されず、粘着剤、接着剤、フック材など、本技術分野で止着手段として使用されているものを適宜用いることができる。
伸長部8は、廃棄用テープ4に引張力が加わったときに比較的弱い引張力で容易に伸長し、廃棄用テープ4の長さを増加させる部位である。
廃棄用テープ4は、一方向に長い帯状をなし、その長手方向が廃棄用テープ4の使用時に横方向Yに一致するように、おむつ1の外面に設けられている。廃棄用テープ4は、未使用時には図5に示すように、長手方向(横方向Y)に折り畳まれた状態とされている。本実施形態では、折り畳まれた状態の廃棄用テープ4は、伸縮領域Gの外面に固定部5、伸長部8及び止着部7がこの順で積層された三つ折り状態とされている。なお、図5では説明の便宜上、固定部5と伸長部8との間、及び該伸長部8と止着部7との間に隙間があるように記載しているが、実際の廃棄用テープにこのような隙間があるとは限らない。
図2及び図3に示すように、廃棄用テープ4の固定部5は、平面視で1本以上の弾性部材14と重なり、且つ該固定部5の伸縮領域Gの外面との縦方向Xの固定長さ(以下、「固定部5の縦方向固定長さ」とも言う。)は、該伸縮領域Gの縦方向Xの長さに比べて短い。斯かる構成により、伸縮領域Gに廃棄用テープ4を固定したことに起因する、伸縮領域Gの伸縮力の低下が抑制されるとともに、おむつ1の着用者が廃棄用テープ4に起因する「硬さ」を知覚する不都合が抑制され、おむつ1の着用感の向上に繋がり得る。
ここでいう、「固定部5の縦方向固定長さ」は、典型的には、固定部5の縦方向Xの長さすなわち幅(廃棄用テープ4の長手方向と直交する方向の長さ)と同じであるが、固定部5が伸縮領域Gの外面に部分的に固定されている場合は、その固定部分の縦方向Xの長さを意味し、固定部5において該固定部分が複数散在する場合は、その複数の固定部分の縦方向Xの長さの合計(ただし、複数の固定部分が縦方向Xにおいて重複する場合はその重複部分の縦方向Xの長さを除く)を意味する。なお、図3に示す形態では、廃棄用テープ4を構成する前述の3つの部位(固定部5、伸長部8、止着部7)の幅が互いに同じであり、したがって固定部5の幅は、図3に示す如き廃棄用テープ4の平面視(上面視)における廃棄用テープ4(止着部7)の幅と同じである。
固定部5の縦方向固定長さと該固定部5が設けられている伸縮領域Gの縦方向Xの長さとの比率は、前者<後者を前提として、前者/後者として、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.07以上、そして、好ましくは0.3以下、より好ましくは0.25以下である。
固定部5の縦方向固定長さは、該固定部5が設けられている伸縮領域Gの縦方向Xの長さに比べて短いことを前提として、好ましくは7mm以上、より好ましくは10mm以上、そして、好ましくは30mm以下、より好ましくは25mm以下である。
背側部Cの伸縮領域Gの縦方向Xの長さは、該伸縮領域Gの外面に設けられた固定部5の縦方向固定長さに比べて長いことを前提として、好ましくは70mm以上、より好ましくは75mm以上、そして、好ましくは160mm以下、より好ましくは150mm以下である。なお本実施形態では、伸縮領域Gの縦方向Xの長さは、背側部C及び腹側部Aともに、サイドシール部Sの縦方向Xの長さと同じである。
本実施形態では、廃棄用テープ4の固定部5は、固定部用シート片50を有している。固定部用シート片50は、第1面50a及び第2面50bを有している。折り畳まれた状態の廃棄用テープ4において固定部用シート片50は、後述する折り返し部50’を除いて、第1面50aが伸長部8と対向し、第2面50bがおむつ1の外面と対向している。また固定部5は固定部用粘着部51を有している。固定部用粘着部51は、固定部用シート片50の第2面50bに設けられている。固定部5は、固定部用粘着部51によって、おむつ1における背側部Cの外面に固定されている。この固定部用粘着部51を介して、廃棄用テープ4は、おむつ1における背側部Cの外面に着脱不能に固定されている。廃棄用テープ4をおむつ1の外面に固定する方法としては、ホットメルト型接着剤等の接着剤、融着等の公知の方法を用いることができる。
本実施形態では、廃棄用テープ4の伸長部8は、伸長部用シート片80を有している。伸長部用シート片80の長手方向長さ(横方向Yの長さ)は、固定部用シート片50の長手方向長さ(横方向Yの長さ)と同じでもよく、異なっていてもよい。また、伸長部用シート片80の幅(縦方向Xの長さ)は、固定部用シート片50の幅(縦方向Xの長さ)と同じでもよく、異なっていてもよい。伸長部用シート片80は、第1面80a及び第2面80bを有している。折り畳まれた状態の廃棄用テープ4において伸長部用シート片80は、後述する折り返し部80’を除いて、第1面80aが止着部7と対向し、第2面80bが固定部5と対向している。また伸長部8は伸長部用粘着部81を有している。伸長部用粘着部81は、伸長部用シート片80の第2面80bに設けられている。伸長部用粘着部81は、折り畳まれた状態の廃棄用テープ4における伸長部8と固定部5との間を剥離可能に接合するものである。したがって伸長部用粘着部81は、低粘着性の粘着剤から構成されていることが好ましい。
前述した固定部5における固定部用シート片50は、その長手方向の一端(横方向Yの外方端)が伸長部8側に折り返された折り返し部50’を有している。そして折り返し部50’が、伸長部8における伸長部用シート片80の長手方向の一端(横方向Yの外方端)と第2面80bの側で接合されている。これによって、固定部5と伸長部8とは直接に連設されている。固定部5と伸長部8とを連設する方法としては、ホットメルト型接着剤等の接着剤、融着等の公知の方法を用いることができる。
本実施形態では、廃棄用テープ4の止着部7は、止着部用シート片70を有している。止着部用シート片70の長手方向長さ(横方向Yの長さ)は、固定部用シート片50又は伸長部用シート片80の長手方向長さ(横方向Yの長さ)と同じでもよく、異なっていてもよい。また、止着部用シート片70の幅(縦方向Xの長さ)は、固定部用シート片50又は伸長部用シート片80の幅(縦方向Xの長さ)と同じでもよく、異なっていてもよい。止着部用シート片70は、第1面70a及び第2面70bを有している。折り畳まれた状態の廃棄用テープ4において止着部用シート片70は、第2面70bが伸長部8と対向している。また止着部7は止着部用粘着部71を有している。止着部用粘着部71は、止着部用シート片70の第2面70bに設けられている。止着部用粘着部71は、折り畳まれた状態の廃棄用テープ4における止着部7と伸長部8との間を剥離可能に接合し、且つ止着部7をおむつ1の外面における適切な部位に止着するものである。この観点から止着部用粘着部71の粘着性の程度が決定されることが好ましい。
前述した伸長部8における伸長部用シート片80は、その長手方向の一端(横方向Yの内方端)が止着部7側に折り返されて折り返し部80’が形成されている。そして折り返し部80’が、止着部7における止着部用シート片70の長手方向の一端(横方向Yの内方端)と第2面70bの側で接合されている。これによって、伸長部8と止着部7とは直接に連設されている。伸長部8と止着部7とを連設する方法としては、ホットメルト型接着剤等の接着剤、融着等の公知の方法を用いることができる。また、止着部7における止着部用シート片70の他端には、第2面70b側に摘まみ片72が接合されている。摘まみ片72は、止着部用シート片70とは別体のシート片である。
伸長部8が伸長可能であるためには、伸長部8を構成する伸長部用シート片80として、適切な材料を選択すればよい。具体的には、伸長部用シート片80の構成材料として、例えば伸長可能なフィルムを用いることができる。そのようなフィルムとしては、例えば単一層フィルム、及び共押出しフィルムのような多層フィルムが挙げられる。また、伸長可能なフィルムを構成する材料としては、例えば線状低密度ポリエチレンなどのポリオレフィンが好ましい。また、ポリ塩化ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体及びポリビニルアルコールからなる群から選択される少なくとも1種の材料も好ましい。更に、少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%の永久変形を有する材料を用いることも有利である。
固定部5を構成する固定部用シート片50としては、伸長部用シート片80の構成材料と同じものを用いてもよく、伸長不可能、すなわち塑性変形不可能な任意の材料を用いてもよい。例えば、樹脂性シート(プラスチックシート,フィルム等)、不織布、織布など、従来用いられていた公知のものを特に制限なく用いることができる。なお、固定部用シート片50の構成材料が、伸長可能であったとしても、おむつ1の非肌対向面に固定されている部分においては、その伸長性は発現しない状態となっている。
伸長部8と固定部5とを剥離可能に接合する伸長部用粘着部81や、止着部7と伸長部8とを剥離可能に接合する止着部用粘着部71としては、例えばゴム系粘着剤及びアクリル系粘着剤が一般的に使用され、好ましくはゴム系粘着剤が使用される。ゴム系粘着剤としては、例えばスチレン-ブタジエンブロック共重合体や水添スチレン-ブタジエンブロック共重合体等の合成ゴム、又はこれら合成ゴムと樹脂とのブレンド等が挙げられる。また、ヒートシール、ホットメルト型粘着剤、メルトブロー状又は繊維状の粘着剤若しくは接着剤等からなる粘着剤を用いてもよい。
伸長部用粘着部81及び止着部用粘着部71はそれぞれ、伸長部用シート片80の第2面80bの全面に形成されていてもよい。また、これら粘着部81,71はそれぞれ間欠的に形成されていてもよい。この場合、前述した粘着剤を間欠的に塗布することにより、これら粘着部81,71を間欠的に形成することができる。
廃棄用テープ4は、伸長部用シート片80の長手方向の一端部に固定部用シート片50を、該伸長部用シート片80の長手方向の他端部に止着部用シート片70を、それぞれ部分的に積層し、接着剤等の公知の方法を用いてその積層部分を接合して一体化することにより製造することができる。
以上のとおり、固定部5、伸長部8及び止着部7の3つの部位を含む廃棄用テープ4は、図5に示す如き横方向Yにおける厚み方向に沿う断面視において、長手方向(横方向Y)に折り畳まれた状態とされており、本実施形態ではZ字状に三つ折りされた状態とされている。そして廃棄用テープ4は、折り畳まれた状態の廃棄用テープ4の最上部に位置する止着部7(摘まみ片72)の先端が、横方向Yの外方(図5中、符号Y1で示す方向)、すなわちおむつ1の横方向Yの中央(横中心線CLy)とは反対側を向くように、背側部Cのサイドフラップ部10における伸縮領域Gの外面に設けられており、この止着部7の先端を手指などで把持して横方向Yの外方に引っ張ることで、伸長部8及び止着部7を含む自由部6が固定部5から横方向Yの外方に延出し得る。
伸長部8は、折り畳まれた状態の展開状態において廃棄用テープ4の長手方向(横方向Y)に伸長可能である。より具体的には、伸長部用シート片80における、固定部用シート片50又は止着部用シート片70に接合された両端部以外の部分が、該長手方向に伸長可能である。ここで、折り畳まれた状態の展開状態とは、折り畳まれた状態の廃棄用テープ4において互いに接する廃棄用テープ4の各部どうしを剥離して、廃棄用テープ4を直線状に展開した状態を指す。例えば図5に示す三つ折り状態の展開状態は、廃棄用テープ4の伸長部8と固定部5との間を剥離し、且つ伸長部8と止着部7との間を剥離して、三つ折り状態の廃棄用テープ4を直線状に展開した状態を指す。前記展開状態において、廃棄用テープ4は、人の力によって引き伸ばすことができ、その際、伸長部8を伸長させることができる。
おむつ1の廃棄形態は、典型的にはサイドシール部Sを剥がして展開状態(前身頃Fと後身頃Rとが重なっていない状態)としたおむつ1を、その内面(肌対向面、吸収性本体2の配置面)を内側にして、腹側部A側から背側部C側(廃棄用テープ4の配置側)に向けて縦方向Xに巻き上げることにより、おむつ1を丸めた状態とし、その丸めた状態のおむつ1に廃棄用テープ4を、おむつ1の巻き方向(縦方向X)と交差する方向(横方向Y)に巻き付けることにより形成することができる。この場合、おむつ1を巻き上げる前に、サイドフラップ部10を、おむつ1の内面を内側にして吸収性本体2側に折り曲げてもよい。
おむつ1の巻き上げ方法の他の一例として、図6に示すように、吸収性本体2の配置面を内側にして前身頃Fと後身頃Rとが重なっている状態のおむつ1を、前身頃Fを内側にして股下部Bからウエスト開口部WH側(廃棄用テープ4の配置側)に向けて縦方向Xに巻き上げる方法が挙げられる。この場合、おむつ1を巻き上げる前に、サイドフラップ部10を、腹側部Aを内側にして吸収性本体2側に折り曲げてもよい。
おむつ1の主たる特徴の1つとして、廃棄用テープ4を横方向Yの外方に引っ張ったときに、該廃棄用テープ4の伸長部8が同方向に伸長するよりも前に、該廃棄用テープ4が固定されている伸縮領域Gが同方向(横方向Yの外方)に伸長するようになされている点が挙げられる。以下、このおむつ1の廃棄用テープ4の引張操作に関わる特徴を、「特徴A」とも言う。おむつ1は、特徴Aを有することで、コンパクト且つ衛生的に廃棄処理できるものとなっている。
例えば、図6(a)に示す如くにおむつ1の廃棄形態を形成する過程で、縦方向Xに丸められた状態のおむつ1における廃棄用テープ4の止着部7を手指で把持して、該おむつ1の周囲に巻き付けるように横方向Yの外方に引っ張った場合、まず初めに、該廃棄用テープ4が設けられている背側部Cの伸縮領域Gが同方向に伸長し、その伸長した伸縮領域Gを含む背側部Cのサイドフラップ部10が、該廃棄用テープ4に引っ張られて、該サイドフラップ部10と対向する部分(丸められた部分)を包み込むように変形する。そして、斯かる背側部Cのサイドフラップ部10の変形が生じた後に、引っ張り途中の廃棄用テープ4の伸長部8が引張方向(横方向Y)に伸長しはじめる。したがっておむつ1では、廃棄用テープ4の横方向Yの外方への引張操作による止着部7の移動可能量は、該廃棄用テープ4(伸長部8)自体の伸長可能量の他に、該廃棄用テープ4が設けられている伸縮領域Gの伸長可能量も加えたものとなり、廃棄用テープの引張操作によって該廃棄用テープ自体及びその設置部位の何れか一方のみしか伸長しない、従来の使い捨ておむつに比べて、廃棄用テープ4の引張操作による止着部7の移動可能距離が長い。この止着部7の移動可能距離が長いという特徴は、おむつ1の廃棄形態をコンパクトなものにすることや、丸めた状態のおむつ1の締め付けを強めておむつ1内に保持されている排泄物の漏れを防止することに大いに寄与し得る。また前記の、廃棄用テープ4の引張操作によるサイドフラップ部10の変形は、縦方向Xに丸められた状態のおむつ1の横方向Yの端部から排泄物が漏れ出す不都合を防止するのに特に有効であり、水分を多く含み流動性の高い軟便や下痢便の漏れを効果的に防止し得る。このようにおむつ1は、使用後に廃棄するときに廃棄用テープ4を用いてコンパクト且つ衛生的に廃棄処理できるものである。
図7には、本発明のパンツ型使い捨ておむつ(発明品)について、下記の引張試験(廃棄用テープの引張操作による背側部の引張試験)の伸長過程における応力-歪曲線(S-S曲線)のグラフが示されている。図7のグラフ中、横軸は引張試験機の移動量、縦軸は応力であり、また、プロットエリア中の実線は発明品、点線は対照品である。発明品は、おむつ1と同様の構成を有し前記特徴Aを有している。対照品は、廃棄用テープが伸長部を有さず非伸長性である点以外は、発明品(おむつ1)と同様に構成されており、前記特徴Aを有していない。図7に示すとおり、発明品及び対照品ともに、背側部の一対の廃棄用テープをそれぞれ横方向外方に引っ張ると、その引張操作の開始当初(移動量0~200mm弱の間)は、廃棄用テープの設置部位であるサイドフラップ部の伸縮領域がその引張方向(横方向外方)に伸びる。移動量が200mmを超えると、前記伸縮領域の伸び止まりが明確になり、廃棄用テープが引張方向に伸長しない対照品(点線)は応力が急上昇し、移動量が300mmに達する前に廃棄用テープが破断する。これに対し発明品(実線)は、移動量が200mmを超えて前記伸縮領域が伸び止まりしても、廃棄用テープが引張方向(横方向外方)に伸びるため、応力が急上昇することなく、対照品に比べて長い移動量を実現している。図7のグラフから、前記特徴Aを有するパンツ型使い捨ておむつは、廃棄用テープ及びその設置部位(サイドフラップ部の伸縮領域)の高い伸縮性により、コンパクト且つ衛生的に廃棄処理できるものであることがわかる。
<引張試験>
収縮状態(自然状態)の使い捨ておむつから、廃棄用テープを含む、背側部及び腹側部それぞれにおける一対のサイドシール部に挟まれた部分(胴周り部)を、該サイドシール部を剥がさずに切り出して、背側部及び腹側部の胴周り部どうしがサイドシール部で連結された構成のリング状の試験片とする。おむつから切り出される部位(胴周り部)に、おむつ1における弾性部材14の如き、弾性体が含まれている場合には、該弾性体を切断しないように注意する。試験片の幅(試験片が切り出された使い捨ておむつの縦方向の長さ、又は試験片に含まれている廃棄用テープの引張方向と直交する方向の長さ)は、廃棄用テープを引っ張った際に同時に伸縮する部分を考慮し、廃棄用テープを中心として40mmとする。使い捨ておむつのサイズが小さいことなどにより、このような40mm幅の試験片が採取できない場合には、使い捨ておむつから試験片を切り出す際に、廃棄用テープの全体が含まれるように試験片を切り出す。
前記リング状の試験片を、該試験片に含まれている廃棄用テープを展開した状態とした上で、市販の引張試験機(例えば株式会社 島津製作所社製、機種「AUTOGRAPH AG-X」)における一対のチャック間に、該試験片の横方向(おむつの前後方向と直交する方向)が伸長方向に一致するようにセットする。このとき、試験片における一対の廃棄用テープそれぞれの止着部(廃棄用テープの先端部)を一対のチャックで把持する。試験片において廃棄用テープが対をなしておらず、引張方向の片側にのみ廃棄用テープが存在する場合は、一方のチャックでその片側の廃棄用テープの止着部を把持し、他方のチャックで試験片のサイドシール部を把持する。一対のチャック間の距離は、試験片がたるまないように、試験片の長さに応じて適宜変更する。そして、チャック間距離を一定の速度(300mm/分)で増大させることで試験片を横方向に伸長させ、その伸長過程の応力を測定する。
前記特徴Aを有するおむつ1は、好ましくは下記物性Aを有する。
物性A:伸縮領域G(背側部Cの胴周り部)の横方向Yの50%伸長時の応力σ50Gが、該伸縮領域G(背側部Cの胴周り部)に固定されている廃棄用テープ4の伸長部8の横方向Yの50%伸長時の応力σ50に比べて小さい(σ50G<σ50)。すなわち、横方向Yに50%伸長させる場合に、伸縮領域G(背側部Cの胴周り部)の方が廃棄用テープ4に比べて伸長させやすい。
前記特徴Aを有するおむつ1は、好ましくは下記物性Bを有する。前記特徴Aを有するおむつ1は、より好ましくは前記物性Aに加えて更に下記物性Bを有する。
物性B:伸縮領域G(背側部Cの胴周り部)の横方向Yの70%伸長時の応力σ70Gが、該伸縮領域G(背側部Cの胴周り部)に固定されている廃棄用テープ4の伸長部8の横方向Yの30%伸長時の応力σ30に比べて小さい(σ70G<σ30)。すなわち、廃棄用テープ4を横方向Yに30%伸長させるよりも、伸縮領域G(背側部Cの胴周り部)を横方向Yに70%伸長させる方が容易であり、伸縮領域G(背側部Cの胴周り部)の方が廃棄用テープ4に比べてはるかに横方向Yに伸長させやすい。
前記の「伸縮領域Gの横方向Yの50%伸長時又は70%伸長時の応力」(σ50G、σ70G)は、下記(i)及び(ii)に変更する以外は、前記引張試験と同様の方法で測定できる。(i)引張試験機の一対のチャック間に試験片をセットする際に、試験片の廃棄用テープを展開せずに折り畳んだ状態とし、且つ試験片の一対のサイドシール部を一対のチャックで把持する。(ii)チャックを移動させて試験片を横方向に伸長させる際には、試験片の引張方向(横方向)の長さが、試験片が切り出された使い捨ておむつの内寸になるまで試験片を引っ張り、その伸長過程の応力を測定する。この使い捨ておむつの内寸まで引っ張ったときの試験片の応力を「100%伸長時の応力」として、「50%伸長時の応力」及び「70%伸長時の応力」を測定する。
前記の「廃棄用テープ4の横方向Yの50%伸長時又は30%伸長時の応力」(σ50、σ30)は、前記引張試験において、試験片として廃棄用テープ4のみを用い、且つ廃棄用テープ4の止着部7及び固定部5を一対のチャックで把持して、伸長部8を引張ることで測定できる。
30%伸長時の応力とは、試験片をその破断伸度の30%まで伸長させた時点の応力である。50%伸長時の応力とは、試験片をその破断伸度の50%まで伸長させた時点の応力である。70%伸長時の応力とは、試験片をその破断伸度の50%まで伸長させた時点の応力である。
おむつ1に前記特徴Aを付与する、すなわち、背側部Cのサイドフラップ部10の伸縮領域Gの方が、該伸縮領域Gに設けられた廃棄用テープ4に比べて、横方向Yに伸びやすいものとするためには、該伸縮領域G及び該廃棄用テープ4の伸長部8として、適切な材料を選択することが重要である。その材料選択に際しては、本技術分野において通常使用されているものを特に制限無く選択の対象とすることができる。伸縮領域Gとしては、この種の使い捨ておむつの外装体として使用可能な伸縮材から選択可能であり、そのような伸縮材として、ポリウレタン系弾性体、各種の伸縮シートを例示できる。伸長部8としては、例えば、前述の伸長部用シート片80の構成材料として使用可能なフィルムを例示できる。
伸縮領域Gを廃棄用テープ4に比べて伸びやすいものとする方法として、伸縮領域Gを構成する伸縮材が弾性体の場合には、例えば、該弾性体として太さが比較的細いものを用いる、該弾性体のピッチ(隣り合う弾性体どうしの間隔)を比較的広げる、該弾性体を固定する際の伸長率を比較的低くする等の方法が挙げられる。また、伸縮領域Gを構成する伸縮材が伸縮シートの場合には、例えば、該伸縮シートが備える弾性フィラメントの太さを比較的細くする、該伸縮シートの坪量を比較的小さくする等の方法が挙げられる。
伸長部8は、横方向Yに伸長可能であるだけでなく、横方向Yに伸縮可能であることが好ましい。伸長部8が伸縮可能であると、おむつ1の廃棄形態の形成時に、廃棄用テープ4を横方向Yの外方に引っ張って伸長部8を同方向に伸長させて止着部7をおむつ1の外面に止着させた後、該伸長部8が収縮するため、該伸長部8が収縮しない場合に比べて、廃棄用テープ4のおむつ1に対する締め付け力が向上し、そのため前記特徴Aによる作用効果と相俟って、おむつ1のコンパクト且つ衛生的な廃棄処理がより一層確実に行えるようになる。
前記の「伸縮可能」とは、廃棄用テープ4に引張力が加わったときに伸長し、該引張力を解除したときに収縮することを意味する。つまり、止着部7(摘まみ片72)を把持して廃棄用テープ4を横方向Yの外方に引っ張ったときには、伸長部8が横方向Yに伸長し、その引張を解除したときには収縮することが好ましい。
伸長部8が伸縮可能であるためには、伸長部8を構成する伸長部用シート片80として、適切な材料を選択すればよい。具体的には、伸長部用シート片80の構成材料として、例えば前述した伸縮可能なフィルムを用いることができる。
本実施形態では、図6(a)及び図6(b)に示すように、おむつ1を縦方向Xに巻き上げた状態(おむ1の巻き上げ方法は問わない)で、廃棄用テープ4を横方向Yの外方に引っ張って該廃棄用テープ4の伸長部8を同方向に伸長させたときに、該廃棄用テープ4の止着部7が、該おむつ1を一周して該廃棄用テープ4の固定部5に到達し得る。図6(c)には、図6(b)に示す状態でおむつ1に巻き付けられた廃棄用テープ4と対をなす別の廃棄用テープ4を、該おむつ1の外面(外層シート12の非肌対向面)に該廃棄用テープ4と同様に巻き付けた状態を示しており、丸めた状態のおむつ1に一対の廃棄用テープ4,4がたすき掛けされて巻き付けられている。このように、横方向Yの外方に伸長された1本の廃棄用テープ4が、縦方向Xに巻き上げられて丸められたおむつ1を一周し得るようになされていることで、おむつ1の廃棄形態を一層コンパクトにすることができる。また特に、廃棄用テープ4の固定部5及び止着部7がそれぞれ合成樹脂から形成されている場合、おむつ1を一周した止着部7の固定部5への止着が一層強固なものとなり得る。また本実施形態では、背側部Cの一対のサイドフラップ部10,10の双方に廃棄用テープ4が設けられているが、仮に、一対のサイドフラップ部10の片方のみに廃棄用テープ4が1本だけ設けられている場合でも、その1本の廃棄用テープ4が縦方向Xに巻き上げられて丸められたおむつ1を一周し得るものであれば、おむつ1の廃棄形態を維持することが可能である。
なお、本実施形態では前述したように、廃棄用テープ4が、縦方向Xに巻き上げられて丸められたおむつ1をその巻き方向と交差する方向に一周し得ることから、自ずと、図6(a)及び図6(b)に示すように、廃棄用テープ4を横方向Yの外方に引っ張って該廃棄用テープ4の伸長部8を同方向に伸長させたときに、該廃棄用テープ4の止着部7が、該おむつ1を横方向Yに二等分して縦方向Xに延びる仮想直線である横中心線CLy(図2及び図3参照)を基準として該廃棄用テープ4の固定部5に対して対称の位置5Zに到達し得る。仮に、横方向Yの外方に引っ張られた廃棄用テープ4が丸めた状態のおむつ1を一周すること(横方向Yの外方に引っ張られた廃棄用テープ4の止着部7が該廃棄用テープ4の固定部5に到達すること)が不可能でも、該止着部7が該固定部5に対して対称の位置5Zに到達することが可能であれば、廃棄用テープ4が丸めた状態のおむつ1を一周し得る場合と同様の効果が奏される。ただし、おむつ1の廃棄形態の一層のコンパクト化、該廃棄形態の保形性等の観点からは、図6に示すように、横方向Yの外方に引っ張られた廃棄用テープ4が丸めた状態のおむつ1を一周し得ることが好ましい。
廃棄用テープ4を横方向Yの外方に引っ張って該廃棄用テープ4の伸長部8を同方向に伸長させたときに、該廃棄用テープ4の止着部7が横中心線CLyを基準として該廃棄用テープ4の固定部5に対して対称の位置5Zに到達し得るようにする観点から、廃棄用テープ4の長手方向の全長は、好ましくは6cm以上、より好ましくは8cmである。
廃棄用テープ4を横方向Yの外方に引っ張って該廃棄用テープ4の伸長部8を同方向に伸長させたときに、該廃棄用テープ4の止着部7が、該おむつ1を一周して該廃棄用テープ4の固定部5に到達し得るようにする観点から、廃棄用テープ4の長手方向の全長は、好ましくは6cm以上、より好ましくは8cm以上である。
廃棄用テープ4の長手方向の全長の上限については、特に制限はないが、おむつ1を巻き上げた際の止着性や折畳状態でのコンパクト性を考慮すると、30cm以下が好ましく、25cm以下が一層好ましい。
ここでいう、廃棄用テープ4の長手方向の全長とは、展開状態且つ非伸長状態の廃棄用テープ4の長手方向の全長を意味する。したがって、伸長部8を扱いやすい長さまで伸長させることを考慮すると、廃棄用テープ4の展開状態且つ伸長状態(好ましくは、破断伸長の50%伸長時)での長手方向の全長は、好ましくは15cm以上、より好ましくは20cm以上である。
廃棄用テープ4が固定されていることに起因する伸縮領域Gの横方向Yの伸縮阻害を最小限に抑える観点から、廃棄用テープ4における固定部5の伸縮領域Gの外面との横方向Yの固定長さの合計は、おむつ1の該伸縮領域Gを経由しての周方向の長さに対して、好ましくは30%以下、より好ましくは25%以下である。ここでいう、「固定部5の伸縮領域Gの外面との横方向Yの固定長さの合計」は、背側部Cの伸縮領域Gに設けられている全ての廃棄用テープ4(本実施形態では2つの廃棄用テープ4)それぞれの固定部5の、伸縮領域Gの外面との横方向Yの固定長さの合計を意味する。また、「固定部5の伸縮領域Gの外面との横方向Yの固定長さ」は、典型的には、固定部5の横方向Y(長手方向)の長さと同じであるが、固定部5が伸縮領域Gの外面に部分的に固定されている場合は、固定部5における伸縮領域Gの外面との固定部分の横方向Yの長さを意味し、該固定部分が複数存在する場合は、その複数の固定部分の横方向Yの長さの合計(ただし、複数の固定部分が横方向Yにおいて重複する場合はその重複部分の長さを除く)を意味する。また、「おむつ1の伸縮領域Gを経由しての周方向の長さ」とは、100%伸長時のおむつ1(おむつ1の各部を設計寸法まで拡げた状態)における背側部Cの伸縮領域Gを通って横方向Yに延びる仮想線の全長を意味する。
前記の、固定部5の伸縮領域Gの外面との横方向Yの固定長さの合計とおむつ1の該伸縮領域Gを経由しての周方向の長さとの比率の下限については、廃棄用テープ4のおむつ1に対する固定を実用上十分なレベルにする観点から、好ましくは4%以上、より好ましくは5%以上である。
廃棄用テープ4における固定部5の伸縮領域Gの外面との横方向Yの固定長さの合計は、好ましくは30mm以上、より好ましくは35mm以上、そして、好ましくは150mm以下、より好ましくは140mm以下である。
股下部Bの外面又は着用時に着用者の腰周りに配される部分(腹側部A及び背側部Cの上部伸縮領域G1)の外面は、エアスルー不織布又はスパンボンド不織布を含んで形成されていることが好ましい。股下部Bの外面及び着用時に着用者の腰周りに配される部分の外面は、おむつ1を図6に示す如き廃棄形態としたときに廃棄用テープ4の止着部7の止着対象となり得る部分であるところ、そのような部分が前記の2種類の不織布の何れかから形成されることで、止着部7がより強固におむつ1の外面に対する止着し得る。斯かるおむつ1の外面の素材による廃棄用テープ4の止着力の向上効果は、止着部7の止着手段が粘着剤ないし接着剤である場合に特に顕著である。本実施形態では前述したとおり、止着部7は止着手段として止着部用粘着部71を有しているので、おむつ1の外面の素材として前記の2種類の不織布を用いることは有効である。また、前記の2種類の不織布は比較的柔らかいため、これをおむつ1の外面の素材として用いることで、おむつ1の着用感や風合いが向上するという効果も奏される。
止着部7のおむつ1の外面に対する止着力の向上の観点から、止着部7は、おむつ1の外面に係合可能なフック材を有していることが好ましい。これにより、止着部7が比較的コンパクトで面積が小さいものでも、実用上十分な止着力を得ることが可能となる。止着部7は、おむつ1の外面に対する止着手段として、粘着剤ないし接着剤に加えて更にフック材を有していてもよい。フック材としては、例えば、多数の係合用突起を有する機械的面ファスナーのオス部材を用いることができる。このようなオス部材としては、本技術分野で通常用いられているものを特に制限無く用いることができる。
伸長部8が横方向Yに伸縮可能である場合において、伸長部8が横方向Yに6倍伸長した後に収縮して横方向Yに5倍伸長した状態となるように、廃棄用テープ4を横方向Yの外方に伸長・収縮させてから、該廃棄用テープ4の止着部7をおむつ1の外面に止着させた場合に、伸長部8の収縮力(戻り応力)に比べて、止着部7とおむつ1の外面との間に作用するせん断力の方が大きいことが好ましい。これにより、丸めた状態のおむつ1の外面に廃棄用テープ4が巻き付らけられた構成のおむつ1の廃棄形態において、おむつ1の外面から止着部7が剥がれにくくなり、廃棄処理を一層衛生的に行うことが可能となる。
前記の、伸長部8の戻り応力と止着部7に関わるせん断力との大小関係を成立させるためには、伸長部8、止着部7、おむつ1の外面として、それぞれ、適切な材料を選択することが重要である。例えば前記のように、おむつ1の外面をエアスルー不織布又はスパンボンド不織布で形成することや、止着部7に止着手段としてフック材を具備させることは、前記大小関係の成立に有効である。前記の戻り応力及びせん断力は、それぞれ、下記方法により測定することができる。
<戻り応力の測定方法>
収縮状態(自然状態)の使い捨ておむつから廃棄用テープを取り外し、測定片とする。取り外す予定の廃棄用テープが他の部材と接合されている場合には、ドライヤー等の加熱手段又はコールドスプレー、有機溶剤等を用いて、廃棄用テープと他の部材との接合を無効化させた上で、廃棄用テープを他の部材から丁寧に剥がして単離する。なおこの作業は、測定方法を問わず、使い捨ておむつから測定対象の部材を取り出す場合に適宜適用することができる。
測定片を、市販の引張試験機(例えば株式会社 島津製作所社製、機種「AUTOGRAPH AG-X」)における上下一対のチャック間に、該測定片の横方向(おむつの前後方向と直交する方向)が伸長方向に一致するようにセットする。このとき、測定片の廃棄用テープは展開状態として、該廃棄用テープの止着部(廃棄用テープの先端部)の伸長部側の端部を上チャックで把持するとともに、該廃棄用テープの固定部の伸長部側の端部を下のチャックで把持し、該止着部と該固定部との間に位置する伸長部が一対のチャック間にわたって延在するように、測定片をチャックで挟む。そして、チャック間距離を、測定片における廃棄用テープの伸長部の伸長方向の長さが初期長の6倍となるまで、一定の速度(300mm/分)で増大させ(伸長過程)、次いで、チャック間距離を、該伸長部の伸長方向の長さが初期長の5倍となるまで減少させ(収縮過程)、そのときの応力を測定する。
<せん断力の測定方法>
使い捨ておむつから廃棄用テープを取り外す。廃棄用テープが折り畳まれている場合は展開する。廃棄用テープが取り外された使い捨ておむつの外面における、廃棄用テープの止着部が止着され得る部分(背側部の胴周り部、腹側部の胴周り部又は股下部)に、取り外した廃棄用テープの止着部を接触させ、更に止着部の上から3.5kPaの荷重を10秒間かけることで廃棄用テープをおむつの外面に接着させ、測定片を得る。
測定片を、市販の引張試験機(例えば株式会社 島津製作所社製、機種「AUTOGRAPH AG-X」)における一対のチャック間にセットする。このとき、一対のチャックの一方で測定片の廃棄用テープを把持し、他方でおむつを把持する。そして、チャック間距離を一定の速度(300mm/分)で増大させ、その過程の応力を測定し、該応力の最大値を、当該測定片のせん断力とする。
以上、本発明をその実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に制限されることなく適宜変更が可能である。
例えば前記実施形態では、廃棄用テープ4は未使用時において三つ折り状態であったが、未使用時の廃棄用テープ4の形態は特に制限されず、自由部6(止着部7、伸長部8)が固定部5から横方向Yの外方に延出し得るようになされていることを前提として、例えば二つ折り状態でもよい。二つ折り状態の廃棄用テープ4としては、例えば、固定部5(固定部用シート片50)が、その長手方向の一端(横方向Yの内方端)で伸長部8側に折り返されて折り返し部50’が形成され、該折り返し部50’が、伸長部8(伸長部用シート片80)の長手方向の一端(横方向Yの内方端)と第2面80bの側で接合されて固定部5と伸長部8とが直接に連設され、更に該伸長部8(伸長部用シート片80)の長手方向の他端(横方向Yの外方端)に、止着部7(止着部用シート片70)が直接に連接された形態を例示できる。
また前記実施形態では、外装体11は腹側部Aから股下部Bを介して背側部Cにわたって縦方向Xに延在していたが、これに代えて外装体11は、腹側部A(前身頃)を構成する部材と背側部C(後身頃)を構成する部材とをそれぞれ独立に有し、吸収性本体2が両部材に架け渡して固定されていてもよい。
前述した一の実施形態のみが有する部分は、すべて適宜相互に利用できる。
1 パンツ型使い捨ておむつ
X 縦方向
Y 横方向
F 前身頃
R 後身頃
A 腹側部
B 股下部
C 背側部
S サイドシール部
WH ウエスト開口部
LH レッグ開口部
G 伸縮領域
2 吸収性本体
21 表面シート
22 裏面シート
23 吸収体
3 防漏カフ
4 廃棄用テープ
5 固定部
50 固定部用シート片
51 固定部用粘着部
6 自由部
7 止着部
70 止着部用シート片
71 止着部用粘着部
72 摘まみ片
8 伸長部
80 伸長部用シート片
81 伸長部用粘着部
10 サイドフラップ部
11 外装体
12 外層シート
13 内層シート
14,15 弾性部材

Claims (11)

  1. 着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向と該縦方向に直交する横方向とを有し、該股間部に配される股下部と、該股下部よりも着用者の腹側に配される腹側部と、該股下部よりも着用者の背側に配される背側部とに区分され、体液を吸収保持する吸収体を含む吸収性本体と、該吸収性本体を挟んで該横方向の両側に位置する一対のサイドフラップ部とを備え、該腹側部及び該背側部それぞれの該一対のサイドフラップ部どうしの接合により一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されている、パンツ型使い捨ておむつであって、
    前記腹側部及び前記背側部それぞれの前記サイドフラップ部は、前記横方向に伸縮性を有する伸縮領域を有し、該伸縮領域は、該サイドフラップ部を形成するシートと、該シートに該横方向に伸縮可能に配置された複数の弾性部材とを含み、該複数の弾性部材は、前記縦方向に間欠配置されており、
    前記背側部の前記一対のサイドフラップ部の少なくとも一方における前記伸縮領域の外面に、廃棄用テープが設けられており、
    前記廃棄用テープは、前記伸縮領域の外面に固定された固定部と、該固定部から前記横方向の外方に延出し得る自由部とを含み、該自由部は、前記パンツ型使い捨ておむつの外面に止着可能な止着部と、該固定部と該止着部との間に位置する伸長部とを含み、
    前記固定部は、平面視で1本以上の前記弾性部材と重なり、且つ該固定部の前記伸縮領域の外面との前記縦方向の固定長さは、該伸縮領域の該縦方向の長さに比べて短く、
    前記廃棄用テープを前記横方向の外方に引っ張ったときに、該廃棄用テープの前記伸長部が同方向に伸長するよりも前に、該廃棄用テープが固定されている前記伸縮領域が同方向に伸長する、パンツ型使い捨ておむつ。
  2. 前記伸縮領域の前記横方向の50%伸長時の応力は、該伸縮領域に固定されている前記廃棄用テープの前記伸長部の該横方向の50%伸長時の応力に比べて小さい、請求項1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  3. 前記伸縮領域の前記横方向の70%伸長時の応力は、該伸縮領域に固定されている前記廃棄用テープの前記伸長部の該横方向の30%伸長時の応力に比べて小さい、請求項1又は2に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  4. 前記伸長部は伸縮可能である、請求項1~3の何れか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  5. 前記伸長部が前記横方向に6倍伸長した後に収縮して該横方向に5倍伸長した状態となるように、前記廃棄用テープを該横方向の外方に伸長・収縮させてから、該廃棄用テープの前記止着部を前記パンツ型使い捨ておむつの外面に止着させた場合に、該伸長部の収縮力に比べて、該止着部と該パンツ型使い捨ておむつの外面との間に作用するせん断力の方が大きい、請求項4に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  6. 前記廃棄用テープは、前記背側部の前記一対のサイドフラップ部の双方に設けられて対を形成している、請求項1~5の何れか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  7. 前記パンツ型使い捨ておむつを前記縦方向に巻き上げた状態で、前記廃棄用テープを前記横方向の外方に引っ張って該廃棄用テープの前記伸長部を同方向に伸長させたときに、該廃棄用テープの前記止着部が、該パンツ型使い捨ておむつを該横方向に二等分して該縦方向に延びる仮想直線を基準として該廃棄用テープの前記固定部に対して対称の位置に到達し得る、請求項1~6の何れか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  8. 前記パンツ型使い捨ておむつを前記縦方向に巻き上げた状態で、前記廃棄用テープを前記横方向の外方に引っ張って該廃棄用テープの前記伸長部を同方向に伸長させたときに、該廃棄用テープの前記止着部が、該パンツ型使い捨ておむつを一周して該廃棄用テープの前記固定部に到達し得る、請求項1~7の何れか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  9. 前記固定部の前記伸縮領域の外面との前記横方向の固定長さの合計は、前記パンツ型使い捨ておむつの該伸縮領域を経由しての周方向の長さの30%以下である、請求項1~8の何れか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  10. 前記股下部の外面又は着用時に着用者の腰周りに配される部分の外面が、エアスルー不織布又はスパンボンド不織布を含んで形成されている、請求項1~9の何れか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  11. 前記止着部は、前記パンツ型使い捨ておむつの外面に係合可能なフック材を有している、請求項1~10の何れか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
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