JP2022032545A - ケーブル - Google Patents

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祐己 桑嶋
Hiroki Kuwajima
広明 和田
Hiroaki Wada
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Abstract

【課題】ロボットの可動部などに用いられることにより、繰り返し屈曲されたり、繰り返し捻回されたりした場合でも、断線しにくく、発塵(摩耗)が抑制されるケーブルを提供すること。【解決手段】心線と、前記心線を被覆する被覆材と、を備える電線、前記電線を収容するシース部材、および、前記シース部材を収容するカバーを備えるケーブルであって、前記カバーが、フッ素樹脂を含有するフッ素樹脂層と、前記フッ素樹脂以外の他のポリマーを含有する他の層と、を備える積層体により構成されており、前記フッ素樹脂が、炭素数106個あたり3個以上の反応性官能基を有するケーブルを提供する。【選択図】 図1

Description

本開示は、ケーブルに関する。
工作機械や産業用ロボットなどに用いられるロボットケーブルとして、特許文献1では、心線を一又は複数本有して可撓性のあるケーブル部と、内側に前記ケーブル部を一又は複数組収容する中空部分のある略管状のカバーとを備えるケーブルにおいて、前記カバーが、中間樹脂層の内外両側にフッ素樹脂層をそれぞれ配置した積層管壁構造の管状体とされて、内部にケーブル部を収容可能な中空部分を設けられてなる管状部と、当該管状部外面から突出する状態として管状部と一体に配設される、管状部長手方向に連続する突条部とを備え、前記管状部が、積層構造の一の管壁部分と、当該一の管壁部分の中間樹脂層及び二つのフッ素樹脂層とはそれぞれ連続しない他の中間樹脂層及び二つのフッ素樹脂層による積層構造である他の管壁部分とを有し、前記突条部は、管状部における一の管壁部分における外側のフッ素樹脂層と一体化して連続するフッ素樹脂層と、管状部における一の管壁部分における中間樹脂層及び他の管壁部分における中間樹脂層と一体化した中間樹脂層と、管状部における他の管壁部分における外側のフッ素樹脂層と一体化して連続するフッ素樹脂層との積層構造として形成されたものであり、前記管状部の、一の管壁部分と他の管壁部分の少なくとも一方における、少なくとも外面に、略同じ大きさの多数の凹凸が、管状部長手方向に並べて形成されることを特徴とするケーブルが提案されている。
特開2019-9859号公報
本開示では、ロボットの可動部などに用いられることにより、繰り返し屈曲されたり、繰り返し捻回されたりした場合でも、断線しにくく、発塵(摩耗)が抑制されるケーブルを提供することを目的とする。
本開示によれば、心線と、前記心線を被覆する被覆材と、を備える電線、前記電線を収容するシース部材、および、前記シース部材を収容するカバーを備えるケーブルであって、前記カバーが、フッ素樹脂を含有するフッ素樹脂層と、前記フッ素樹脂以外の他のポリマーを含有する他の層と、を備える積層体により構成されており、前記フッ素樹脂が、炭素数10個あたり3個以上の反応性官能基を有するケーブルが提供される。
また、本開示によれば、心線と、前記心線を被覆する被覆材と、を備える電線、前記電線を収容するシース部材、および、前記シース部材を収容するカバーを備えるケーブルであって、前記シース部材が、フッ素樹脂を含有するフッ素樹脂層と、前記フッ素樹脂以外の他のポリマーを含有する他の層と、を備える積層体により構成されており、前記フッ素樹脂が、炭素数10個あたり3個以上の反応性官能基を有するケーブルが提供される。
また、本開示によれば、心線と、前記心線を被覆する被覆材と、を備える電線、前記電線を収容するシース部材、および、前記シース部材を収容するカバーを備えるケーブルであって、前記シース部材と前記カバーとが接着しているケーブルが提供される。
上記のケーブルにおいて、前記シース部材および前記カバーのいずれか一方または両方が、炭素数10個あたり3個以上の反応性官能基を有するフッ素樹脂を含有することが好ましい。
上記のケーブルにおいて、前記シース部材および前記カバーのいずれか一方または両方が、フッ素樹脂を含有するフッ素樹脂層と、前記フッ素樹脂以外の他のポリマーを含有する他の層と、を備える積層体により構成されており、前記フッ素樹脂が、炭素数10個あたり3個以上の反応性官能基を有することが好ましい。
上記のケーブルにおいて、前記積層体が、前記他の層を介して設けられた2層のフッ素樹脂層を備えることが好ましい。
上記のケーブルにおいて、前記フッ素樹脂が、溶融加工性フッ素樹脂であることが好ましい。
上記のケーブルにおいて、前記他の層として、ポリアミド樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリイミド樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の非フッ素樹脂を含有する非フッ素樹脂層を備えることが好ましく、前記他の層として、ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂層を備えることがより好ましい。
上記のケーブルにおいて、前記他の層として、ポリアミド樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリイミド樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の非フッ素樹脂を含有する非フッ素樹脂層と、ゴムを含有するゴム層と、を備えることが好ましく、前記他の層として、ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂層と、ゴムを含有するゴム層と、を備えることがより好ましい。
上記のケーブルにおいて、前記シース部材および前記カバーの両方が、フッ素樹脂を含有するフッ素樹脂層と、前記フッ素樹脂以外の他のポリマーを含有する他の層と、を備える積層体により構成されていることが好ましい。
上記のケーブルにおいて、前記シース部材を構成する積層体のフッ素樹脂層と、前記カバーを構成する積層体のフッ素樹脂層とが接着していることが好ましい。
上記のケーブルにおいて、前記シース部材を構成する積層体のフッ素樹脂層と、前記カバーを構成する積層体の他の層とが接着していることが好ましい。
上記のケーブルにおいて、前記シース部材を構成する積層体の他の層と、前記カバーを構成する積層体のフッ素樹脂層とが接着していることが好ましい。
上記のケーブルは、ロボットケーブルとして好適に用いることができる。
本開示によれば、ロボットの可動部などに用いられることにより、繰り返し屈曲されたり、繰り返し捻回されたりした場合でも、断線しにくく、発塵(摩耗)が抑制されるケーブルを提供することができる。
図1は、実施形態1に係るケーブルの構成を示す模式断面図である。 図2は、2つの積層体シートを接合することによりケーブルの接合部を形成するために積層体シートの端部を加工する方法の一例を説明する図である。 図3は、実施形態2に係るケーブルの構成を示す模式断面図である。 図4は、実施形態3に係るケーブルの構成を示す模式断面図である。 図5は、実施形態1~3に係るケーブルにおいて、シース部材およびカバーの両方が積層体により構成されている場合の、ケーブルの構成を示す模式断面図である。
以下、本開示の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本開示は、以下の実施形態に限定されるものではない。
<実施形態1>
本開示の実施形態1に係るケーブルは、電線、シース部材およびカバーを備えており、少なくともカバーが積層体により構成されている。積層体は、フッ素樹脂を含有するフッ素樹脂層とフッ素樹脂以外の他のポリマーを含有する他の層とを備えている。
従来のケーブルでは、ロボットの可動部などに用いられることにより、繰り返し屈曲されたり、繰り返し捻回されたりした場合に、シース部材とカバーとが擦れたりして、シース部材またはカバーが損傷し、これらが断線したり、シース部材またはカバーが摩耗して、発塵したりする問題がある。
積層体がフッ素樹脂層を備えることにより、繰り返し屈曲されたり、繰り返し捻回されたりした場合でも、カバーが損傷または摩耗しにくく、また、ケーブルに優れた水蒸気バリア性、耐油性、耐薬品性などを付与することができる。また、積層体は、摩擦係数が低く接着可能なフッ素樹脂層と機械強度や硬さに優れる非フッ素樹脂層とを組み合わせたり、摩擦係数が低く接着可能なフッ素樹脂層と柔軟性に優れる非フッ素樹脂層とを組み合わせたりすることにより、構成することができる。すなわち、積層体の層構成により各種の特性を容易に最適化することができるので、カバーを積層体により構成することによって、カバーの摺動性と機械物性とを容易に両立させることができる。
さらに、フッ素樹脂層が含有するフッ素樹脂は、炭素数10個あたり3個以上の反応性官能基を有していることから、フッ素樹脂層と他の層とを強固に接着させることができる。
したがって、実施形態1に係るケーブルは、ロボットの可動部などに用いられることにより、繰り返し屈曲されたり、繰り返し捻回されたりした場合でも、断線しにくく、発塵(摩耗)が抑制される。
図1は、実施形態1に係るケーブルの構成を示す模式断面図である。図1に示すケーブル10は、少なくとも1本の電線11と、シース部材12と、カバー13とを備えており、カバー13が3層の積層体により構成されている。
ケーブル10が備える3本のシース部材12には、それぞれ、1本、4本または6本の電線11が収容されているが、シース部材12に収容される電線の数は、特に限定されず、1~10本であってよい。
電線11は、心線11aと、心線11aを被覆する被覆材11bとを備えている。心線11aは、1本の線材であってもよいし、複数の線材が撚り合わされた撚り線であってもよいし、撚り線が圧縮されることにより得られる圧縮導体であってもよい。心線11aの材料としては、銅、アルミ等の金属導体材料を用いることができる。また、銀、スズ、ニッケルなどの異なる金属でめっきされた銅材料も用いることができる。
心線11aを被覆する被覆材11bは、非フッ素樹脂、非フッ素ゴム、フッ素樹脂、フッ素ゴムなどにより形成することができる。被覆材11bは、たとえば、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂などにより形成することができる。また、被覆材11bは、図1に示すように単層であってもよいが、カバー13と同様に、2層以上の層構成を有する積層体により構成してもよい。
一実施形態において、被覆材11bは、フッ素樹脂を含有する。被覆材をフッ素樹脂により形成することによって、シース部材12に対する電線11の摺動性が向上し、摩擦が低減して、断線が一層防止され、摩耗による発塵が一層抑制される。
図1に示すように、シース部材12は、少なくとも1本の電線11を収容するように構成されており、カバー13に収容されるように構成されている。シース部材12は、非フッ素樹脂、非フッ素ゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂などにより構成することができる。シース部材12は、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン、後述する溶融加工性フッ素樹脂などにより構成することができる。シース部材12は、図1に示すように単層であってもよいが、カバー13と同様に、2層以上の層構成を有する積層体により構成してもよい。
一実施形態において、シース部材12は、フッ素樹脂を含有する。シース部材12をフッ素樹脂により形成することによって、電線11およびカバー13に対するシース部材12の摺動性およびシース部材12同士の摺動性が向上し、摩擦が低減して、断線が一層防止され、摩耗による発塵が一層抑制される。
一実施形態において、シース部材12は、炭素数10個あたり3個以上の反応性官能基を有するフッ素樹脂を含有する。この実施形態においては、シース部材12とカバー13とが接着していてもよいし、接着していなくてもよい。カバー13に複数本のシース部材12が収容されている場合、カバー13と全てのシース部材12とが接着していてもよいし、カバー13と一部のシース部材12とが接着しており、カバー13と残りのシース部材12とが接着していなくてもよい。たとえば、カバー13と1本のシース部材とが接着しており、カバー13と残りの1本または数本のシース部材12とが接着していない構成とすることができる。カバー13と一部のシース部材12とが接着していることにより、カバー13とシース部材12との摩擦を低減することができ、カバー13と接着していない残りのシース部材12は、不具合が生じた際に、シース部材12に収容された電線11とともに、容易に取り換えることができる。
一実施形態においては、反応性官能基を有するフッ素樹脂によりシース部材12を形成することによって、シース部材12とカバー13とを接着させ、シース部材12とカバー13との摩擦を無くすことができる。さらに、熱融着の条件などを適切に調整することによって、シース部材12同士を接着させず、シース部材12同士の摺動性を確保した構成とすることができる。これによって、低摩擦でシース部材12同士が擦れあうことができる。結果として、ケーブル10の可撓性を損なうことなく、断線が一層防止され、摩耗による発塵が一層抑制される。
図1に示すように、カバー13は、少なくとも1本のシース部材12を収容するように構成されている。
カバー13を構成する積層体は、2層以上の層構成を有する。積層体の層の数は、特に限定されず、たとえば、2~10層であってよく、2~5層であってもよい。図1では、3層の層構成を有する積層体により構成されるカバーの例が示されている。
カバー13を構成する積層体は、少なくとも1層の、炭素数10個あたり3個以上の反応性官能基を有するフッ素樹脂を含有するフッ素樹脂層を備える。したがって、カバー13を構成する積層体のフッ素樹脂層と他の層とを強固に接着させることができる。
カバー13は、2つの積層体シートが接合部14により接合されることにより一体化されており、接合部14は、シース部材12および電線11を収容可能な中空部から突出するように設けられている。図1に示す接合部14では、積層体の最内層同士が熱融着されて、2つの積層体シートが接合されているが、接合部14はこれと異なる構成を備えるものであってもよい。
たとえば、積層体の中間層を露出させて、中間層同士を熱融着させることにより、2つの積層体シートが接合されていてもよいし、積層体の最外層を露出させて、最外層同士を熱融着させることにより、2つの積層体シートが接合されていてもよい。さらに、図2に示すように、積層体シート21の端部を斜めに切断するか、あるいは、階段状に加工することによって、全ての層を露出させた2つの積層体シート22を作製し、最内層23同士、中間層24同士および最外層25同士を熱融着させることにより、2つの積層体シート22が接合されていてもよい。このように、すべての層同士を熱融着させたり、最も高い接着力が期待できる層同士を熱融着させたりすることにより、接合部14の強度を高め、ケーブル全体の耐久性を向上させることができる。
一実施形態において、フッ素樹脂層は、カバーを構成する積層体の最も内側に設けられる。最内層がフッ素樹脂により形成されていることにより、シース部材12に対するカバー13の摺動性が向上し、摩擦が低減して、断線が一層防止され、摩耗による発塵が一層抑制される。さらに、最内層が反応性官能基を有するフッ素樹脂により形成されていることにより、接合部14において、最内層同士を強固に接着させることができる。したがって、最内層を除去して中間層または最外層を露出させる加工をすることなく、接合部14の強度を高めて、ケーブル10全体の耐久性を向上させることができる。
一実施形態において、フッ素樹脂層は、カバー13を構成する積層体の最も外側に設けられる。最外層がフッ素樹脂により形成されていることにより、ケーブル10に優れた水蒸気バリア性、耐油性、耐薬品性などを付与することができる。さらに、ケーブル10が接する他の部材に対するケーブル10の摺動性が向上し、摩擦が低減して、断線が一層防止され、摩耗による発塵が一層抑制される。
一実施形態において、2層のフッ素樹脂層が、カバー13を構成する積層体の最も内側(最内層)と、カバーを構成する積層体の最も外側(最外層)とに設けられる。最外層がフッ素樹脂により形成されていることにより、ケーブル10に優れた水蒸気バリア性、耐油性、耐薬品性などを付与することができる。さらに、最内層および最外層がいずれもフッ素樹脂により形成されていることにより、シース部材12に対するカバー13の摺動性、および、ケーブル10が接する他の部材に対するケーブル10の摺動性が向上し、摩擦が低減して、断線が一層防止され、摩耗による発塵が一層抑制される。さらに、最内層が反応性官能基を有するフッ素樹脂により形成されていることにより、接合部14において、最内層同士を強固に接着させることができる。したがって、最内層を除去して中間層または最外層を露出させる加工をすることなく、接合部14の強度を高めて、ケーブル10全体の耐久性を向上させることができる。
最内層および最外層をフッ素樹脂により形成する場合には、積層体を他の層を介して、2層のフッ素樹脂層を積層する構成とすることができる。特に、他の層として、ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂層を設けて、ポリアミド樹脂層を介して2層のフッ素樹脂層を積層する構成とすることができる。ポリアミド樹脂のアミン価は、好ましくは10~80(当量/10g)である。カバー13を構成する積層体を、このような層構成とすることにより、層間が強固に接着し、カバー13の機械強度を向上させることができる。
以上の説明においては、一層の他の層を備える積層体を中心に説明したが、複数の他の層を設けてもよい。積層体の層構成については、後述する。
また、図1に示すカバー13の表面は平滑に構成されているが、カバー13の表面に凹凸を設けたり、コルゲートを施したりして、耐屈曲性をさらに向上させてもよい。また、図1においては、シース部材12の中空部に空間が存在するが、空間に樹脂などを充填してもよい。また、図1に示すように、シース部材12に収容される介在15を設けてもよい。介在15を設けることにより、シース部材12を適切な形状とすることができ、ケーブル10が屈曲されたり、捻回されたりした場合でも、シース部材12を潰れにくいものとすることができ、ケーブル10の形状を容易に保つことができる。
<実施形態2>
本開示の実施形態2に係るケーブルは、電線、シース部材およびカバーを備えており、少なくともシース部材が積層体により構成されている。積層体は、フッ素樹脂を含有するフッ素樹脂層とフッ素樹脂以外の他のポリマーを含有する他の層とを備えている。
従来のケーブルでは、ロボットの可動部などに用いられることにより、繰り返し屈曲されたり、繰り返し捻回されたりした場合に、電線とシース部材とが擦れたり、シース部材同士が擦れたり、シース部材とカバーとが擦れたりして、電線、シース部材またはカバーが損傷し、これらが断線したり、電線、シース部材またはカバーが摩耗して、発塵したりする問題がある。
積層体がフッ素樹脂層を備えることにより、繰り返し屈曲されたり、繰り返し捻回されたりした場合でも、電線、シース部材およびカバーが損傷しにくい。また、積層体は、摩擦係数が低く接着可能なフッ素樹脂層と機械強度や硬さに優れる非フッ素樹脂層とを組み合わせたり、摩擦係数が低く接着可能なフッ素樹脂層と柔軟性に優れる非フッ素樹脂層とを組み合わせたりすることにより、構成することができる。すなわち、積層体の層構成により各種の特性を容易に最適化することができるので、シース部材を積層体により構成することによって、シース部材の摺動性と機械物性とを容易に両立させることができる。
さらに、フッ素樹脂層が含有するフッ素樹脂は、炭素数10個あたり3個以上の反応性官能基を有していることから、フッ素樹脂層と他の層とを強固に接着させることができる。
したがって、実施形態2に係るケーブルは、ロボットの可動部などに用いられることにより、繰り返し屈曲されたり、繰り返し捻回されたりした場合でも、断線しにくく、発塵(摩耗)が抑制される。
図3は、実施形態2に係るケーブルの構成を示す模式断面図である。図3に示すケーブル30は、複数の電線31と、シース部材32と、カバー33とを備えており、シース部材32が3層の積層体により構成されている。
ケーブル30が備える3本のシース部材32には、それぞれ、2~4本の電線31が収容されているが、シース部材32に収容される電線31の数は、特に限定されず、1~10本であってよい。電線31の構成は、実施形態1に係るケーブルが備える電線11と同様である。
図3に示すように、シース部材32は、少なくとも1本の電線31を収容するように構成されており、カバー33に収容されるように構成されている。
シース部材32を構成する積層体は、2層以上の層構成を有する。積層体の層の数は、特に限定されず、たとえば、2~10層であってよく、2~5層であってもよい。図3では、2層または3層の層構成を有する積層体により形成されるカバーの例が示されている。
シース部材32を構成する積層体は、少なくとも1層の、炭素数10個あたり3個以上の反応性官能基を有するフッ素樹脂を含有するフッ素樹脂層を備える。したがって、シース部材32を構成する積層体のフッ素樹脂層と他の層とを強固に接着させることができる。
一実施形態において、フッ素樹脂層は、シース部材32を構成する積層体の最も内側(最内層)に設けられる。最内層がフッ素樹脂により形成されていることにより、電線31に対するシース部材32の摺動性が向上し、摩擦が低減して、断線が一層防止され、摩耗による発塵が一層抑制される。
一実施形態において、フッ素樹脂層は、シース部材32を構成する積層体の最も外側(最外層)に設けられる。最外層がフッ素樹脂により形成されていることにより、カバー33に対するシース部材32の摺動性およびシース部材32同士の摺動性が向上し、摩擦が低減して、断線が一層防止され、摩耗による発塵が一層抑制される。
一実施形態において、2層のフッ素樹脂層が、シース部材32を構成する積層体の最も内側(最外層)と、シース部材を構成する積層体の最も外側(最外層)とに設けられる。最内層および最外層がいずれもフッ素樹脂により形成されていることにより、カバー33に対するシース部材32の摺動性、シース部材32同士の摺動性、および、電線31に対するシース部材32の摺動性が向上し、摩擦が低減して、断線が一層防止され、摩耗による発塵が一層抑制される。
最内層および最外層をフッ素樹脂により形成する場合には、積層体を、ポリアミド樹脂層などの他の層を介して、2層のフッ素樹脂層を積層する構成とすることができる。そして、2層のフッ素樹脂層に含有されるフッ素樹脂が、いずれも反応性官能基を有するものであることから、いずれの層間も強固に接着したものとなる。
以上の説明においては、一層の他の層を備える積層体を中心に説明したが、複数の他の層を設けてもよい。積層体の好適な層構成については、後述する。
カバー33は、少なくとも1本のシース部材32を収容するように構成されている。カバー33は、非フッ素樹脂、非フッ素ゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂などにより構成することができる。カバー33は、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン、後述する溶融加工性フッ素樹脂などにより構成することができる。カバー33は、図3に示すように単層であってもよいが、シース部材32と同様に、2層以上の層構成を有する積層体により構成してもよい。
一実施形態において、カバー33は、フッ素樹脂を含有する。カバー33をフッ素樹脂により形成することによって、ケーブル30に優れた水蒸気バリア性、耐油性、耐薬品性などを付与することができる。さらに、シース部材32に対するカバー33の摺動性が向上し、摩擦が低減して、断線が一層防止され、摩耗による発塵が一層抑制される。
一実施形態において、カバー33は、炭素数10個あたり3個以上の反応性官能基を有するフッ素樹脂を含有する。この実施形態においては、シース部材32とカバー33とが接着していてもよいし、接着していなくてもよい。一実施形態においては、反応性官能基を有するフッ素樹脂によりカバー33を形成することによって、シース部材32とカバー33とを接着させ、シース部材32とカバー33との摩擦を無くすことができるので、断線が一層防止され、摩耗による発塵が一層抑制される。また、カバー33の接合部34において、カバー33を構成する2つのフッ素樹脂シート同士を強固に接着させることができる。したがって、接合部34の強度を高めて、ケーブル30全体の耐久性を向上させることができる。
また、図3に示すカバー33の表面は平滑に構成されているが、カバー33の表面に凹凸を設けたり、コルゲートを施したりして、耐屈曲性をさらに向上させてもよい。また、図3においては、シース部材32の中空部に空間が存在するが、空間に樹脂などを充填してもよい。また、シース部材32に収容される介在(図示せず)を設けてもよい。介在を設けることにより、シース部材32を適切な形状とすることができ、ケーブル30が屈曲されたり、捻回されたりした場合でも、シース部材32を潰れにくいものとすることができ、ケーブル30の形状を容易に保つことができる。
<実施形態3>
本開示の実施形態3に係るケーブルは、電線、シース部材およびカバーを備えており、シース部材とカバーとが接着している。従来のケーブルでは、ロボットの可動部などに用いられることにより、繰り返し屈曲されたり、繰り返し捻回されたりした場合に、シース部材とカバーとが擦れたりして、シース部材またはカバーが損傷し、これらが断線したり、シース部材またはカバーが摩耗して、発塵したりする問題がある。本開示の実施形態3に係るケーブルによれば、ロボットの可動部などに用いられることにより、ケーブルが繰り返し屈曲されたり、繰り返し捻回されたりした場合でも、シース部材とカバーとの摩擦を無くすことができるので、断線しにくく、発塵(摩耗)が抑制される。
図4は、実施形態3に係るケーブルの構成を示す模式断面図である。図4に示すケーブル40は、少なくとも1本の電線41と、シース部材42と、カバー43とを備えており、シース部材42とカバー43とが接着している。
図4に示すケーブル40が備える3本のシース部材42には、それぞれ、1本、4本または6本の電線41が収容されているが、シース部材42に収容される電線の数は、特に限定されず、1~10本であってよい。電線41の構成は、実施形態1に係るケーブルが備える電線11と同様である。
図4に示すように、シース部材42は、少なくとも1本の電線41を収容するように構成されており、カバー43に収容されるように構成されている。シース部材42は、非フッ素樹脂、非フッ素ゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂などにより構成することができる。シース部材42は、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン、後述する溶融加工性フッ素樹脂などにより構成することができる。
シース部材42とカバー43とを接着させる方法としては、特に限定されないが、接着剤を用いてシース部材42とカバー43とを接着させる方法、シース部材42とカバー43とを熱融着により接着させる方法など挙げられる。熱融着によりシース部材42とカバー43とを接着させる場合には、シース部材42およびカバー43を形成する材料、シース部材42およびカバー43を構成する積層体の層構成などを、シース部材42とカバー43とを熱融着により十分に接着させることができるように、適切に選択することが好ましい。
一実施形態において、シース部材42は、炭素数10個あたり3個以上の反応性官能基を有するフッ素樹脂を含有する。反応性官能基を有するフッ素樹脂によりシース部材42を形成することによって、シース部材42とカバー43とを熱融着により容易に接着させることができ、シース部材42とカバー43との摩擦を無くすことができる。さらに、熱融着の条件などを適切に調整することによって、シース部材42同士を接着させず、シース部材42同士の摺動性を確保した構成とすることができる。これによって、低摩擦でシース部材42同士が擦れあうことができる。結果として、ケーブル40の可撓性を損なうことなく、断線が一層防止され、摩耗による発塵が一層抑制される。
シース部材42は、図4に示すように単層であってもよいが、図3に示すように、2層以上の層構成を有する積層体により構成してもよい。積層体の層の数は、特に限定されず、たとえば、2~10層であってよく、2~5層であってもよい。積層体の層構成は、実施形態2に係るケーブルが備えるシース部材32と同様の構成とすることができる。
図4に示すように、カバー43は、少なくとも1本のシース部材42を収容するように構成されている。カバー43は、非フッ素樹脂、非フッ素ゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂などにより構成することができる。カバー43は、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン、後述する溶融加工性フッ素樹脂などにより構成することができる。
一実施形態において、カバー43は、フッ素樹脂を含有する。カバーをフッ素樹脂により形成することによって、ケーブル40に優れた水蒸気バリア性、耐油性、耐薬品性などを付与することができる。
一実施形態において、カバー43は、炭素数10個あたり3個以上の反応性官能基を有するフッ素樹脂を含有する。カバー43がフッ素樹脂により形成されていることにより、ケーブル40に優れた水蒸気バリア性、耐油性、耐薬品性などを付与することができる。反応性官能基を有するフッ素樹脂によりカバー43を形成することによって、シース部材42とカバー43とを熱融着により容易に接着させることができ、シース部材42とカバー43との摩擦を無くすことができるので、断線が一層防止され、摩耗による発塵が一層抑制される。
カバー43は、図4に示すように単層であってもよいが、図1に示すように、2層以上の層構成を有する積層体により構成してもよい。積層体の層の数は、特に限定されず、たとえば、2~10層であってよく、2~5層であってもよい。積層体の層構成は、実施形態1に係るケーブルが備えるカバー13と同様の構成とすることができる。
一実施形態において、シース部材42およびカバー43の両方が、炭素数10個あたり3個以上の反応性官能基を有するフッ素樹脂を含有する。カバー43がフッ素樹脂により形成されていることにより、ケーブル40に優れた水蒸気バリア性、耐油性、耐薬品性などを付与することができる。反応性官能基を有するフッ素樹脂によりシース部材42およびカバー43の両方を形成することによって、シース部材42とカバー43とを非常に強固に接着させ、シース部材42とカバー43との摩擦を無くすことができる。さらに、熱融着の条件などを適切に調整することによって、シース部材42同士を接着させず、シース部材42同士の摺動性を確保した構成とすることができる。これによって、低摩擦でシース部材42同士が擦れあうことができる。結果として、ケーブルの可撓性を損なうことなく、断線が一層防止され、摩耗による発塵が一層抑制される。さらには、繰り返し屈曲されたり、繰り返し捻回されたりした場合でも、シース部材42とカバー43とが剥離しにくく、断線の防止効果および発塵の抑制効果を長期間にわたって維持することができる。
図4に示すカバー43の表面は平滑に構成されているが、カバーの表面に凹凸を設けたり、コルゲートを施したりして、耐屈曲性をさらに向上させてもよい。また、図4においては、シース部材42の中空部に空間が存在するが、空間に樹脂などを充填してもよい。また、図4に示すように、シース部材42に収容される介在45を設けてもよい。介在45を設けることにより、シース部材42を適切な形状とすることができ、ケーブル40が屈曲されたり、捻回されたりした場合でも、シース部材42を潰れにくいものとすることができ、ケーブル40の形状を容易に保つことができる。
<実施形態1~3>
上述した実施形態1~3に係るケーブルにおいては、シース部材およびカバーの両方が積層体により構成されていてもよい。積層体は、フッ素樹脂を含有するフッ素樹脂層と、フッ素樹脂以外の他のポリマーを含有する他の層と、を備えるものであってよい。
シース部材およびカバーの両方が積層体により構成されていることによって、2つの積層体の層構成により各種の特性を極めて容易に最適化することができるので、摺動性、断線の防止効果および発塵の抑制効果を非常に高いレベルでバランスさせることができる。
図5は、実施形態1~3に係るケーブルにおいて、シース部材およびカバーの両方が積層体により構成されている場合の、ケーブルの構成を示す模式断面図である。図5に示すケーブル50は、少なくとも1本の電線51と、シース部材52と、カバー53とを備えており、シース部材52およびカバー53の両方が積層体により構成されている。
シース部材52とカバー53とが接着していてもよいし、接着していなくてもよい。一実施形態においては、シース部材52とカバー53とが接着している。シース部材52とカバー53とを接着させることにより、ケーブル50が繰り返し屈曲されたり、繰り返し捻回されたりした場合でも、シース部材52とカバー53との摩擦を無くすことができるので、断線しにくく、発塵(摩耗)が抑制される。
シース部材52とカバー53とを接着させる方法としては、特に限定されないが、接着剤を用いて両者を接着させる方法、シース部材52とカバー53とを熱融着により接着させる方法など挙げられる。熱融着によりシース部材52とカバー53とを接着させる場合には、シース部材52を構成する積層体の最外層を形成する材料と、カバー53を構成する積層体の最内層を形成する材料とを、シース部材52とカバー53とを熱融着により十分に接着させることができるように、適切に選択することが好ましい。
一実施形態においては、シース部材52を構成する積層体の最外層およびカバー53を構成する積層体の最内層の両方が、炭素数10個あたり3個以上の反応性官能基を有するフッ素樹脂を含有するフッ素樹脂層である。シース部材52を構成する積層体およびカバー53を構成する積層体を、このような層構成とすることにより、シース部材52を構成する積層体のフッ素樹脂層と、カバー53を構成する積層体のフッ素樹脂層とを一層強固に接着させることができ、シース部材52とカバー53との摩擦を無くすことができる。さらに、熱融着の条件などを適切に調整することによって、シース部材52同士を接着させず、シース部材52同士の摺動性を確保した構成とすることができる。これによって、低摩擦でシース部材52のフッ素樹脂層同士が擦れあうことができる。結果として、ケーブル50の可撓性を損なうことなく、断線が一層防止され、摩耗による発塵が一層抑制される。さらには、繰り返し屈曲されたり、繰り返し捻回されたりした場合でも、シース部材52とカバー53とが剥離しにくく、断線の防止効果および発塵の抑制効果を長期間にわたって維持することができる。
一実施形態においては、シース部材52を構成する積層体の最外層が、炭素数10個あたり3個以上の反応性官能基を有するフッ素樹脂を含有するフッ素樹脂層であり、カバー53を構成する積層体の最内層が、ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂層である。ポリアミド樹脂のアミン価は、好ましくは10~80(当量/10g)である。シース部材52を構成する積層体およびカバー53を構成する積層体を、このような層構成とすることにより、シース部材52を構成する積層体のフッ素樹脂層と、前記カバー53を構成する積層体の他の層とを一層強固に接着させることができ、シース部材52とカバー53との摩擦を無くすことができる。さらに、熱融着の条件などを適切に調整することによって、シース部材52同士を接着させず、シース部材52同士の摺動性を確保した構成とすることができる。これによって、低摩擦でシース部材52のフッ素樹脂層同士が擦れあうことができる。結果として、ケーブル50の可撓性を損なうことなく、断線が一層防止され、摩耗による発塵が一層抑制される。さらには、繰り返し屈曲されたり、繰り返し捻回されたりした場合でも、シース部材52とカバー53とが剥離しにくく、断線の防止効果および発塵の抑制効果を長期間にわたって維持することができる。
一実施形態においては、シース部材52を構成する積層体の最外層が、ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂層であり、カバー53を構成する積層体の最内層が、炭素数10個あたり3個以上の反応性官能基を有するフッ素樹脂を含有するフッ素樹脂層である。ポリアミド樹脂のアミン価は、好ましくは10~80(当量/10g)である。シース部材52を構成する積層体およびカバー53を構成する積層体を、このような層構成とすることにより、シース部材52を構成する積層体の他の層と、カバー53を構成する積層体のフッ素樹脂層とを一層強固に接着させることができる。
このように、シース部材52とカバー53とをより一層強固に接着させることによって、シース部材52とカバー53との摩擦を無くすことができ、断線が一層防止され、摩耗による発塵が一層抑制されるだけでなく、繰り返し屈曲されたり、繰り返し捻回されたりした場合でも、シース部材52とカバー53とが剥離しにくく、断線の防止効果および発塵の抑制効果を長期間にわたって維持することができる。
一実施形態においては、カバー53を構成する積層体の最外層が、フッ素樹脂層である。カバー53の最外層がフッ素樹脂により形成されていることにより、ケーブル50に優れた水蒸気バリア性、耐油性、耐薬品性などを付与することができる。さらに、ケーブル50が接する他の部材に対するケーブル50の摺動性が向上し、摩擦が低減して、断線が一層防止され、摩耗による発塵が一層抑制される。
一実施形態においては、カバー53を構成する積層体の最外層がフッ素樹脂層であり、最内層が他の層である。カバー53の最外層がフッ素樹脂により形成されていることにより、ケーブル50に優れた水蒸気バリア性、耐油性、耐薬品性などを付与することができる。一方、最内層が他の層であることにより、たとえば、最内層をポリアミド樹脂などのフッ素樹脂と接着可能な他のポリマーにより形成し、シース部材52を構成する積層体の最外層を炭素数10個あたり3個以上の反応性官能基を有するフッ素樹脂により形成して、シース部材52とカバー53とを接着させることによって、シース部材52とカバー53との摩擦を無くすことができる。ポリアミド樹脂のアミン価は、好ましくは10~80(当量/10g)である。フッ素樹脂層/ポリアミド樹脂層の層構成を有する積層体は、層間が強固に接着しており、機械強度にも優れているので、シース部材52をこのような積層体により構成することによって、シース部材52の最外層をフッ素樹脂とし、最内層を他の層とすることにより形成することにより得られる効果を享受しながら、シース部材52の機械強度を向上させることができる。
カバー53を構成する積層体の最外層がフッ素樹脂層であり、最内層が他の層である場合には、中間層として、非フッ素ゴム、フッ素ゴムなどを含有するゴム層を設けることができる。さらに、フッ素樹脂層とゴム層と間に、ポリアミド樹脂層などの他の層をさらに設けることもできる。ゴム層を設けることによって、カバー53の柔軟性が向上し、優れた耐屈曲性および耐捻回性が得られる。ゴム層は、たとえば、ポリウレタンエラストマーを含有することができる。ゴム層を設ける場合には、ゴム層の両面にポリアミド樹脂層を配置することができる。ポリアミド樹脂のアミン価は、好ましくは10~80(当量/10g)である。フッ素樹脂層/ポリアミド樹脂層/ゴム層/ポリアミド樹脂層の層構成を有する積層体は、層間が強固に接着しており、柔軟性にも優れているので、カバー53をこのような積層体により構成することによって、カバー53の最外層をフッ素樹脂とし、最内層を他の層とすることにより形成することにより得られる効果を享受しながら、カバー53の機械強度および柔軟性を向上させることができる。
一実施形態においては、カバー53を構成する積層体の最外層および最内層が、いずれもフッ素樹脂層である。カバー53の最外層がフッ素樹脂により形成されていることにより、ケーブル50に優れた水蒸気バリア性、耐油性、耐薬品性などを付与することができる。さらに、カバー53の最内層および最外層がいずれもフッ素樹脂により形成されていることにより、シース部材52に対するカバー53の摺動性、および、ケーブル50が接する他の部材に対するケーブル50の摺動性が向上し、摩擦が低減して、断線が一層防止され、摩耗による発塵が一層抑制される。さらに、最内層が反応性官能基を有するフッ素樹脂により形成されている場合には、接合部54において、最内層同士を強固に接着させることができる。したがって、最内層を除去して中間層または最外層を露出させる加工をすることなく、接合部54の強度を高めて、ケーブル50全体の耐久性を向上させることができる。
カバー53を構成する積層体の最外層および最内層が、いずれもフッ素樹脂層である場合には、積層体を、他の層を介して、2層のフッ素樹脂層を積層する構成とすることができる。特に、他の層として、ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂層を設けて、ポリアミド樹脂層を介して2層のフッ素樹脂層を積層する構成とすることができる。ポリアミド樹脂のアミン価は、好ましくは10~80(当量/10g)である。フッ素樹脂層/ポリアミド樹脂層/フッ素樹脂層の層構成を有する積層体は、層間が強固に接着しているので、カバー53をこのような積層体により構成することによって、カバー53の最内層および最外層をフッ素樹脂により形成することにより得られる効果を享受しながら、カバー53の機械強度を向上させることができる。
カバー53を構成する積層体の他の層として、非フッ素ゴム、フッ素ゴムなどを含有するゴム層を設けることができる。ゴム層を設けることによって、カバー53の柔軟性が向上し、優れた耐屈曲性および耐捻回性が得られる。ゴム層を設ける場合には、ゴム層の両面にポリアミド樹脂層を配置することができる。また、ゴム層の両面にポリアミド樹脂層を配置し、2層のポリアミド樹脂層の上にさらにフッ素樹脂層をそれぞれ積層する構成とすることができる。フッ素樹脂層/ポリアミド樹脂層/ゴム層/ポリアミド樹脂層/フッ素樹脂層の層構成を有する積層体は、層間が強固に接着しており、柔軟性にも優れているので、カバー53をこのような積層体により構成することによって、カバー53の最内層および最外層をフッ素樹脂により形成することにより得られる効果を享受しながら、カバー53の機械強度および柔軟性を向上させることができる。
一実施形態においては、シース部材52を構成する積層体の最内層が、フッ素樹脂層である。シース部材52の最内層がフッ素樹脂により形成されていることにより、電線に対するシース部材52の摺動性が向上し、摩擦が低減して、断線が一層防止され、摩耗による発塵が一層抑制される。
一実施形態においては、シース部材52を構成する積層体の最内層が、フッ素樹脂層であり、最外層が他の層である。シース部材52の最内層がフッ素樹脂により形成されていることにより、電線に対するシース部材52の摺動性が向上し、摩擦が低減して、断線が一層防止され、摩耗による発塵が一層抑制される。一方、最外層が他の層であることにより、たとえば、最外層をポリアミド樹脂などのフッ素樹脂と接着可能な他のポリマーにより形成し、カバー53を構成する積層体の最内層を炭素数10個あたり3個以上の反応性官能基を有するフッ素樹脂により形成して、シース部材52とカバー53とを接着させることによって、シース部材52とカバー53との摩擦を無くすことができる。ポリアミド樹脂のアミン価は、好ましくは10~80(当量/10g)である。フッ素樹脂層/ポリアミド樹脂層の層構成を有する積層体は、層間が強固に接着しており、機械強度にも優れているので、シース部材52をこのような積層体により構成することによって、シース部材52の最内層をフッ素樹脂とし、最外層を他の層とすることにより形成することにより得られる効果を享受しながら、シース部材52の機械強度を向上させることができる。
シース部材52を構成する積層体の最内層が、フッ素樹脂層であり、最外層が他の層である場合には、中間層として、非フッ素ゴム、フッ素ゴムなどを含有するゴム層を設けることができる。さらに、フッ素樹脂層とゴム層と間に、ポリアミド樹脂層などの他の層をさらに設けることもできる。ゴム層を設けることによって、シース部材52の柔軟性が向上し、優れた耐屈曲性および耐捻回性が得られる。ゴム層は、たとえば、ポリウレタンエラストマーを含有することができる。ゴム層を設ける場合には、ゴム層の両面にポリアミド樹脂層を配置することができる。ポリアミド樹脂のアミン価は、好ましくは10~80(当量/10g)である。フッ素樹脂層/ポリアミド樹脂層/ゴム層/ポリアミド樹脂層の層構成を有する積層体は、層間が強固に接着しており、柔軟性にも優れているので、シース部材52をこのような積層体により構成することによって、シース部材52の最内層をフッ素樹脂とし、最外層を他の層とすることにより形成することにより得られる効果を享受しながら、シース部材52の機械強度および柔軟性を向上させることができる。
一実施形態においては、シース部材52を構成する積層体の最外層および最内層が、いずれもフッ素樹脂層である。シース部材52の最内層および最外層がいずれもフッ素樹脂により形成されていることにより、カバー53に対するシース部材52の摺動性およびシース部材52同士の摺動性が向上し、摩擦が低減して、断線が一層防止され、摩耗による発塵が一層抑制される。あるいは、シース部材52の最外層が反応性官能基を有するフッ素樹脂により形成されており、カバー53の最内層がこれと接着可能な層である場合には、シース部材52とカバー53とを接着させることによって、シース部材52とカバー53との摩擦を無くすことができる。さらに、熱融着の条件などを適切に調整することによって、シース部材52同士を接着させず、シース部材52同士の摺動性を確保した構成とすることができる。これによって、低摩擦でシース部材52同士が擦れあうことができる。結果として、ケーブルの可撓性を損なうことなく、断線が一層防止され、摩耗による発塵が一層抑制される。さらには、繰り返し屈曲されたり、繰り返し捻回されたりした場合でも、シース部材52とカバー53とが剥離しにくく、断線の防止効果および発塵の抑制効果を長期間にわたって維持することができる。
シース部材52を構成する積層体の最外層および最内層が、いずれもフッ素樹脂層である場合には、積層体を、他の層を介して、2層のフッ素樹脂層を積層する構成とすることができる。特に、他の層として、ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂層を設けて、ポリアミド樹脂層を介して2層のフッ素樹脂層を積層する構成とすることができる。ポリアミド樹脂のアミン価は、好ましくは10~80(当量/10g)である。フッ素樹脂層/ポリアミド樹脂層/フッ素樹脂層の層構成を有する積層体は、層間が強固に接着しているので、シース部材52をこのような積層体により構成することによって、シース部材52の最内層および最外層をフッ素樹脂により形成することにより得られる効果を享受しながら、シース部材52の機械強度を向上させることができる。
シース部材52を構成する積層体の他の層として、非フッ素ゴム、フッ素ゴムなどを含有するゴム層を設けることができる。ゴム層を設けることによって、シース部材52の柔軟性が向上し、優れた耐屈曲性および耐捻回性が得られる。ゴム層は、たとえば、ポリウレタンエラストマーを含有することができる。ゴム層を設ける場合には、ゴム層の両面にポリアミド樹脂層を配置することができる。また、ゴム層の両面にポリアミド樹脂層を配置し、2層のポリアミド樹脂層の上にさらにフッ素樹脂層をそれぞれ積層する構成とすることができる。フッ素樹脂層/ポリアミド樹脂層/ゴム層/ポリアミド樹脂層/フッ素樹脂層の層構成を有する積層体は、層間が強固に接着しており、柔軟性にも優れているので、シース部材52をこのような積層体により構成することによって、シース部材52の最内層および最外層をフッ素樹脂により形成することにより得られる効果を享受しながら、シース部材52の機械強度および柔軟性を向上させることができる。
上述した実施形態1~3に係るケーブルは、介在をさらに備えるものであってもよい。介在を備えることにより、シース部材を適切な形状とすることができ、ケーブルが屈曲されたり、捻回されたりした場合でも、シース部材を潰れにくいものとすることができ、ケーブルの形状を容易に保つことができる。
図1では、3本のシース部材11のうち、中央のシース部材11中にチューブ状の介在15を設けた例を示している。介在15の形状はチューブ状に限定されず、たとえば、中空部を有しないロッド状であってもよい。介在15は、シース部材12に収容されたチューブであり、たとえば、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンエラストマー、フッ素樹脂などにより形成することができる。介在15をフッ素樹脂により形成した場合には、シース部材12に対する介在15との摺動性および電線11に対する介在15の摺動性が向上し、摩擦が低減して、断線が一層防止され、摩耗による発塵が一層抑制される。
<反応性官能基を有するフッ素樹脂および積層体>
次に、反応性官能基を有するフッ素樹脂およびシース部材およびカバーを構成する積層体について詳述する。
積層体は、フッ素樹脂を含有するフッ素樹脂層と、フッ素樹脂以外の他のポリマーを含有する他の層と、を備える。積層体がフッ素樹脂層を備えることにより、繰り返し屈曲されたり、繰り返し捻回されたりした場合でも、シース部材およびカバーが損傷しにくく、また、ケーブルに優れた水蒸気バリア性、耐油性、耐薬品性などを付与することができる。また、積層体は、摩擦係数が低く接着可能なフッ素樹脂層と機械強度や硬さに優れる非フッ素樹脂層とを組み合わせたり、摩擦係数が低く接着可能なフッ素樹脂層と柔軟性に優れる非フッ素樹脂層とを組み合わせたりすることにより、構成することができる。すなわち、積層体の層構成により各種の特性を容易に最適化することができるので、シース部材またはカバーを積層体により構成することによって、シース部材またはカバーの摺動性と機械物性とを容易に両立させることができる。
<反応性官能基を有するフッ素樹脂およびフッ素樹脂層>
フッ素樹脂層に含有されるフッ素樹脂は、炭素数10個あたり3個以上の反応性官能基を有する。フッ素樹脂が反応性官能基を有することにより、積層体を構成する各層の層間を強固に接着させることができ、シース部材およびカバーの耐久性が向上する。また、フッ素樹脂層が積層体の最外層を構成する場合には、当該最外層と接する他の部材を反応性官能基と反応し得る材料により構成することによって、積層体と他の部材とを接着させることができる。すなわち、他の部材のフッ素樹脂層と接する部分の材料を適切に選択することにより、積層体と他の部材とを接着させることもできるし、あるいは、積層体と他の部材とを摺動可能に構成することもできる。
反応性官能基を有するフッ素樹脂は、ポリマーの主鎖末端および/または側鎖に、反応性官能基を有することがより好ましく、反応性官能基としては、カルボニル基、ヒドロキシル基、ヘテロ環基およびアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
本開示において、「カルボニル基」は、炭素-酸素二重結合から構成される炭素2価の基であり、-C(=O)-で表されるものに代表される。上記カルボニル基を含む反応性官能基としては特に限定されず、たとえばカーボネート基、カルボン酸ハライド基(ハロゲノホルミル基)、ホルミル基、カルボキシル基、エステル結合(-C(=O)O-)、酸無水物結合(-C(=O)O-C(=O)-)、イソシアネート基、アミド基、イミド基(-C(=O)-NH-C(=O)-)、ウレタン結合(-NH-C(=O)O-)、カルバモイル基(NH-C(=O)-)、カルバモイルオキシ基(NH-C(=O)O-)、ウレイド基(NH-C(=O)-NH-)、オキサモイル基(NH-C(=O)-C(=O)-)など、化学構造上の一部としてカルボニル基を含むものが挙げられる。
アミド基、イミド基、ウレタン結合、カルバモイル基、カルバモイルオキシ基、ウレイド基、オキサモイル基などにおいては、その窒素原子に結合する水素原子は、たとえばアルキル基などの炭化水素基で置換されていてもよい。
上記反応性官能基としては、導入が容易である点、フッ素樹脂が適度な耐熱性と比較的低温での良好な接着性とを有する点から、アミド基、カルバモイル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カーボネート基、カルボン酸ハライド基、酸無水物結合が好ましく、アミド基、カルバモイル基、ヒドロキシル基、カーボネート基、カルボン酸ハライド基、酸無水物結合がより好ましい。
なかでも、国際公開第99/45044号に記載のカーボネート基および/またはカルボン酸ハライド基を有するものが特に好ましい。
反応性官能基を有するフッ素樹脂は、ポリマーの主鎖末端または側鎖のいずれかに反応性官能基を有する重合体からなるものであってもよいし、主鎖末端および側鎖の両方に反応性官能基を有する重合体からなるものであってもよい。主鎖末端に反応性官能基を有する場合、主鎖の両方の末端に有していてもよいし、いずれか一方の末端にのみ有していてもよい。上記反応性官能基は、エーテル結合をも有する場合、該反応性官能基をさらに主鎖中に有するものであってもよい。
反応性官能基を有するフッ素樹脂は、主鎖末端に反応性官能基を有する重合体からなるものが、機械物性、耐油・耐薬液性を著しく低下させない理由で、または、生産性、コスト面で有利である理由で好ましい。
上記反応性官能基の数は、隣接する層の種類、形状、接着の目的、用途、必要とされる接着力と隣接する層との接着方法などの違いにより適宜選択すればよい。
主鎖末端および/または側鎖末端にある反応性官能基の数としては、炭素数10個あたり、好ましくは3個以上であり、好ましくは800個以下である。反応性官能基が炭素数10個あたり3個未満であると、接着性が低下することがある。より好ましい下限は15個、さらに好ましい下限は30個、特に好ましい下限は50個であり、最も好ましい下限は80個である。反応性官能基数の上限は、生産性の観点からたとえば300個とすることがより好ましく、200個とすることが更に好ましい。
上記末端の反応性官能基の数は、フッ素樹脂の粉末をその融点より50℃高い成形温度、5MPaの成形圧力にて圧縮成形することにより得られる厚み0.05~0.20mmのフィルムシートを、赤外分光光度計を用いて赤外吸収スペクトル分析し、既知のフィルムの赤外吸収スペクトルと比較して反応性官能基の特性吸収の種類を決定し、各差スペクトルから次式により算出する個数である。
末端基の個数(炭素数10個あたり)=(l×K)/t
l:吸光度
K:補正係数
t:フィルム厚(mm)
対象となる末端反応性官能基の補正係数を表1に示す。
Figure 2022032545000002
表1の補正係数は、炭素数10個あたりの末端基を計算するためにモデル化合物の赤外吸収スペクトルから決定された値である。
上記反応性官能基を主鎖および/または側鎖の末端に導入する方法としては、反応性官能基含有の単量体(β)を共重合して導入する方法、反応性官能基を有するまたは生ずる化合物を重合開始剤として用いる方法、反応性官能基を有するまたは生ずる化合物を連鎖移動剤として用いる方法、フッ素ポリマーに高分子反応で反応性官能基を導入する方法、これらの方法を併用する方法などが例示できる。
共重合で反応性官能基を導入する場合の反応性官能基含有の単量体(β)としては、フッ素樹脂を与える単量体と共重合可能な単量体で上記反応性官能基を有するものであれば、特に制限されない。具体的には、たとえば次のものが例示できる。
上記単量体(β)の第1としては、国際公開第2005/100420号に記載の脂肪族不飽和カルボン酸類が挙げられる。不飽和カルボン酸類は、重合性の炭素-炭素不飽和結合を1分子中に少なくとも1個有し、かつ、カルボニルオキシ基(-C(=O)-O-)を1分子中に少なくとも1個有するものが好ましい。
上記脂肪族不飽和カルボン酸としては、脂肪族不飽和モノカルボン酸であってもよいし、カルボキシル基を2個以上有する脂肪族不飽和ポリカルボン酸であってもよい。脂肪族不飽和モノカルボン酸としては、たとえば(メタ)アクリル酸、クロトン酸などの炭素数3~6の不飽和脂肪族モノカルボン酸類が挙げられる。
上記脂肪族不飽和ポリカルボン酸としては、たとえばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、アコニット酸、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物またはシトラコン酸無水物などの炭素数3~6の不飽和脂肪族ポリカルボン酸類が挙げられる。
上記単量体(β)の第2としては、式:
CX =CY-(Rf-Z
(式中、Zは、前記反応性官能基;XおよびYは、同一または異なって、水素原子もしくはフッ素原子;Rfは、炭素数1~40のアルキレン基、炭素数1~40の含フッ素オキシアルキレン基、エーテル結合を有する炭素数2~40の含フッ素アルキレン基またはエーテル結合を有する炭素数2~40の含フッ素オキシアルキレン基;nは、0または1)で表される不飽和化合物が挙げられる。
共重合により導入される反応性官能基含有の単量体(β)単位の含有率は、0.05モル%以上が好ましく、0.1モル%以上がより好ましい。多すぎると、加熱溶融時にゲル化や加硫反応が発生しやすいため、単量体(β)単位の含有率の上限としては5モル%が好ましく、3モル%がさらに好ましい。
反応性官能基を有するフッ素樹脂は、ポリマーの主鎖末端または側鎖末端にヘテロ環基またはアミノ基を有するものであってもよい。
ヘテロ環基とは、そのヘテロ環部位の環内にヘテロ原子(例えば、窒素原子、イオウ原子、酸素原子)を持つものであり、飽和環であっても、不飽和環であってもよく、単環であっても縮合環であってもよい。ヘテロ環基の中では、オキサゾリル基が好ましい。
アミノ基とは、アンモニア、第一級または第二級アミンから水素を除去した1価の官能基である。具体的には、例えば、式:
-NR
(式中、RおよびRは、同じであっても異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数1~20の1価の有機基である。)で表される基である。アミノ基の具体例としては、-NH、-NH(CH)、-N(CH、-NH(CHCH)、-N(C、-NH(C)などが挙げられる。
フッ素樹脂は、部分結晶性フルオロポリマーである。フッ素樹脂は、融点を有し、熱可塑性を有する。フッ素樹脂は、溶融加工性フッ素樹脂であっても、ポリテトラフルオロエチレンなどの非溶融加工性フッ素樹脂であってもよいが、溶融押出成形により容易に成形することができ、高い生産性でケーブルを製造できることから、溶融加工性フッ素樹脂が好ましい。また、カバーとシース部材とを接着させる場合には、カバーとシース部材との熱融着が容易になる観点からも、溶融加工性フッ素樹脂が好ましい。
本開示において、溶融加工性とは、押出機および射出成形機などの従来の加工機器を用いて、ポリマーを溶融して加工することが可能であることを意味する。従って、溶融加工性のフッ素樹脂は、後述する測定方法により測定されるメルトフローレートが0.01~500g/10分であることが通常である。
フッ素樹脂のメルトフローレート(MFR)は、好ましくは0.5~100g/10分であり、より好ましくは1~50g/10分であり、さらに好ましくは2~40g/10分である。
MFRは、ASTM D-1238に準拠して、直径2.1mmで長さが8mmのダイにて、荷重5kg、フッ素樹脂の一般的な成形温度である約230~350℃の範囲の任意の温度(例えば、297℃)で測定する。
フッ素樹脂の融点は、特に限定されないが、好ましくは100~324℃であり、より好ましくは160~270℃である。上記融点は、示差走査熱量計〔DSC〕を用いて10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度である。
溶融加工性フッ素樹脂としては、たとえば、テトラフルオロエチレン(TFE)/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体、TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)共重合体、TFE/エチレン共重合体〔ETFE〕、TFE/エチレン/HFP共重合体、エチレン/クロロトリフルオロエチレン(CTFE)共重合体〔ECTFE〕、ポリクロロトリフルオロエチレン〔PCTFE〕、CTFE/TFE共重合体、ポリビニリデンフルオライド〔PVdF〕、TFE/ビニリデンフルオライド(VdF)共重合体〔VT〕、ポリビニルフルオライド〔PVF〕、TFE/VdF/CTFE共重合体〔VTC〕、TFE/HFP/VdF共重合体などが挙げられる。
本開示において、フッ素樹脂の各単量体単位の含有量は、NMR、FT-IR、元素分析、蛍光X線分析を単量体の種類によって適宜組み合わせることで算出できる。
フッ素樹脂としては、溶融押出成形により容易に成形することができることから、なかでも、TFE/エチレン共重合体〔ETFE〕、TFE/エチレン/HFP共重合体、エチレン/CTFE共重合体〔ECTFE〕、ポリクロロトリフルオロエチレン〔PCTFE〕およびCTFE/TFE共重合体からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、TFE/エチレン共重合体〔ETFE〕、TFE/エチレン/HFP共重合体およびCTFE/TFE共重合体からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましい。また、これらのフッ素樹脂は、カバーとシース部材とを容易に熱融着させられることができ、また、熱融着によりカバーの接合部を容易に形成することができることからも好ましい。
フッ素樹脂は、各フッ素樹脂の本質的性質を損なわない範囲の量で、その他の単量体に基づく重合単位を有するものであってもよい。その他の単量体としては、たとえば、TFE、HFP、エチレン、プロピレン、PAVE、パーフルオロアルキルエチレン、ハイドロフルオロオレフィン、フルオロアルキルエチレン、パーフルオロ(アルキルアリルエーテル)等から適宜選択することができる。
TFE/HFP共重合体は、TFE/HFPが質量比で、80~97/3~20であることが好ましく、84~92/8~16であることがより好ましい。
TFE/HFP共重合体は、TFEとHFPとからなる2元共重合体であってもよいし、更に、TFE及びHFPと共重合可能なコモノマーからなる3元共重合体(例えば、TFE/HFP/PAVE共重合体)であってもよい。
TFE/HFP共重合体は、PAVEに基づく重合単位を含むTFE/HFP/PAVE共重合体であることも好ましい。
TFE/HFP/PAVE共重合体は、TFE/HFP/PAVEが質量比で、70~97/3~20/0.1~10であることが好ましく、81~92/5~16/0.3~5であることがより好ましい。
TFE/PAVE共重合体は、TFE/PAVEが質量比で、90~99/1~10であることが好ましく、92~97/3~8であることがより好ましい。
上記ETFEとしては、TFE単位とエチレン単位とのモル比(TFE単位/エチレン単位)が20/80以上90/10以下である共重合体が好ましい。より好ましいモル比は37/63以上85/15以下であり、さらに好ましいモル比は38/62以上80/20以下である。上記ETFEは、TFE、エチレン、並びに、TFEおよびエチレンと共重合可能な単量体からなる共重合体であってもよい。共重合可能な単量体としては、下記式
CH=CXRf、CF=CFRf、CF=CFORf、CH=C(Rf
(式中、XはHまたはF、Rfはエーテル結合を含んでいてもよいフルオロアルキル基を表す。)で表される単量体が挙げられ、なかでも、CF=CFRf、CF=CFORfおよびCH=CXRfで表される含フッ素ビニルモノマーが好ましく、HFP、CF=CF-ORf(式中、Rfは炭素数1~5のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)およびRfが炭素数1~8のフルオロアルキル基であるCH=CXRfで表される含フッ素ビニルモノマーからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、HFPが更に好ましい。また、TFEおよびエチレンと共重合可能な単量体としては、イタコン酸、無水イタコン酸等の脂肪族不飽和カルボン酸であってもよい。上記ETFEは、TFEおよびエチレンと共重合可能な単量体単位が、0.1~10モル%であることが好ましく、0.1~5モル%であることがより好ましく、0.2~4モル%であることが特に好ましい。
TFE/エチレン共重合体は、HFPに基づく重合単位を含むTFE/エチレン/HFP共重合体であることも好ましい。TFE/エチレン/HFP共重合体は、TFE/エチレン/HFPがモル比で、40~65/30~60/0.5~20であることが好ましく、40~65/30~60/0.5~10であることがより好ましい。
上記ETFEの融点は、好ましくは140~324℃未満であり、より好ましくは160~320℃であり、さらに好ましくは195~320℃である。
上記ETFEは、297℃で測定したメルトフローレート(MFR)が、好ましくは1~100g/10分であり、より好ましくは1~50g/10分であり、特に好ましくは2~30g/10分である。
上記ETFEとして、特開2019-90013号公報に記載のエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を用いることも好適である。
上記エチレン/CTFE共重合体(ECTFE)は、エチレン単位とCTFE単位とを含む共重合体であって、エチレン単位とCTFE単位の合計に対して、エチレン単位が46~52モル%であり、CTFE単位が54~48モル%であることが好ましい。ECTFEは、エチレン単位とCTFE単位のみからなる2元共重合体であってもよいし、さらに、エチレンおよびCTFEと共重合可能な単量体(例えば、フルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)誘導体)に基づく重合単位を含むものであってもよい。
エチレンおよびCTFEと共重合可能な単量体に基づく重合単位の含有量は、エチレン単位とCTFE単位と上記共重合可能な単量体に基づく重合単位との合計に対して、0.01~5モル%であることが好ましい。
ECTFEのMFRは、好ましくは0.01~100g/10分である。ECTFEのMFRの測定は、温度230℃、荷重2.16kgで行われる。
CTFE/TFE共重合体としては、CTFE単位、TFE単位およびこれらと共重合可能な単量体(α)に由来する単量体(α)単位を含むものが特に好ましい。
単量体(α)としては、CTFEおよびTFEと共重合可能な単量体であれば特に限定されず、エチレン(Et)、VdF、CF=CF-ORf(式中、Rfは、炭素数1~8のパーフルオロアルキル基)で表されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕、CX=CX(CF(式中、X、XおよびXは同一もしくは異なって、水素原子またはフッ素原子;Xは、水素原子、フッ素原子または塩素原子;nは、1~10の整数)で表されるビニル単量体、CF=CF-OCH-Rf(式中、Rfは、炭素数1~5のパーフルオロアルキル基)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体などがあげられ、なかでも、PAVE、上記ビニル単量体およびアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、PAVEおよびHFPからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
PAVEとしては、CF=CF-ORf(式中、Rfは炭素数1~5のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)が好ましく、たとえば、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)〔PMVE〕、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)〔PEVE〕、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)〔PPVE〕、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)などがあげられ、なかでも、PMVE、PEVEおよびPPVEからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、PPVEがさらに好ましい。
上記アルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体としては、Rfが炭素数1~3のパーフルオロアルキル基であるものが好ましく、CF=CF-OCH-CFCFがより好ましい。
CTFE/TFE共重合体における、CTFE単位とTFE単位との比率は、好ましくは、CTFE単位が15~90モル%であり、TFE単位が85~10モル%であり、より好ましくは、CTFE単位が15~50モル%であり、TFE単位が85~50モル%であり、更に好ましくは、CTFE単位が15~25モル%であり、TFE単位が85~75モル%である。
CTFE/TFE共重合体は、CTFE単位とTFE単位との合計が90~99.9モル%であり、単量体(α)単位が0.1~10モル%であるものが好ましい。単量体(α)単位が0.1モル%未満であると、成形性、耐環境応力割れ性および耐クラック性に劣りやすく、10モル%を超えると、耐熱性、機械物性に劣る傾向にある。
CTFE/TFE共重合体としては、CTFE/TFE/PAVE共重合体が特に好ましい。
CTFE/TFE/PAVE共重合体において、上記PAVEとしては、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)〔PMVE〕、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)〔PEVE〕、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)〔PPVE〕、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)などが挙げられ、なかでも、PMVE、PEVEおよびPPVEからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、PPVEがより好ましい。
CTFE/TFE/PAVE共重合体において、PAVE単位は、全単量体単位の0.5モル%以上であることが好ましく、5モル%以下であることが好ましい。
CTFE/TFE共重合体の融点は、特に限定されないが、160~270℃であることが好ましい。
CTFE/TFE共重合体のメルトフローレート(MFR)としては、好ましくは0.5~100g/10分であり、より好ましくは1~50g/10分であり、さらに好ましくは2~40g/10分である。CTFE/TFE共重合体のMFRの測定は、温度297℃、荷重5kgで行われる。
フッ素樹脂は、懸濁重合、溶液重合、乳化重合、塊状重合など、従来公知の重合方法により得ることができる。重合において、温度、圧力などの各条件、重合開始剤、連鎖移動剤、その他の添加剤は、フッ素樹脂の組成や量に応じて適宜設定することができる。
重合開始剤としては、例えば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(IPP)、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート(NPP)などのパーオキシカーボネート類に代表される油溶性ラジカル重合開始剤や、たとえば、過硫酸、過ホウ酸、過塩素酸、過リン酸、過炭酸のアンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩などの水溶性ラジカル重合開始剤などを使用できる。これらのなかでも、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート(NPP)が好ましい。
連鎖移動剤としては、反応系内で分散性および均一性が良好である点で、炭素数1~4の水溶性アルコール、炭素数1~4の炭化水素および炭素数1~4のフッ化炭化水素、および過硫酸塩からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。連鎖移動剤は、メタン、エタン、n-ブタン、イソブタン、メタノール、n-プロピルアルコール、HFC-134a、HFC-32、ジコハク酸パーオキサイド、過硫酸アンモニウムおよび過硫酸カリウムからなる群より選択される少なくとも1つであることがより好ましく、n-プロピルアルコール、メタノールおよびイソブタンからなる群より選択される少なくとも1つであることがさらに好ましい。
フッ素樹脂層は、本開示の目的を損なわない範囲で、たとえば、導電性フィラー、熱安定剤等の安定剤、補強剤、充填剤、紫外線吸収剤、顔料等の各種添加剤を添加してなるものであってもよい。フッ素樹脂層は、このような添加剤により、熱安定性、表面硬度、耐摩耗性、帯電性、耐候性等の特性が向上したものとすることができる。
<他の層>
積層体は、フッ素樹脂を含有するフッ素樹脂層に加えて、フッ素樹脂以外の他のポリマーを含有する他の層を備える。
他のポリマーとしては、フッ素樹脂以外のポリマーであれば特に限定されないが、非フッ素ポリマーが好ましい。非フッ素ポリマーとは、主鎖を構成する炭素原子に結合したフッ素原子を含有しないポリマーである。非フッ素ポリマーとしては、非フッ素ゴム、非フッ素樹脂などが挙げられる。
<非フッ素樹脂>
非フッ素樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアラミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂〔ABS〕、セルロース樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂〔PEEK〕、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂〔PES〕、ポリエーテルイミド樹脂、エチレン/ビニルアルコール共重合体からなる樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフタルアミド〔PPA〕などが挙げられる。
非フッ素樹脂としては、なかでも、ポリアミド樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリイミド樹脂からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、ポリアミド樹脂および変性ポリオレフィン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、ポリアミド樹脂がさらに好ましい。
上記ポリアミド樹脂は、分子内に繰り返し単位としてアミド結合〔-NH-C(=O)-〕を有するポリマーからなるものである。
上記ポリアミド樹脂としては、分子内のアミド結合が脂肪族構造または脂環族構造と結合しているポリマーからなるいわゆるナイロン樹脂、または、分子内のアミド結合が芳香族構造と結合しているポリマーからなるいわゆるアラミド樹脂のいずれであってもよい。
上記ナイロン樹脂としては特に限定されず、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6/66、ナイロン66/12、ナイロン46、メタキシリレンジアミン/アジピン酸共重合体、ナイロン62、ナイロン92、ナイロン122、ナイロン142、および、ナイロン6T、ナイロン9Tなどの芳香族系ナイロン等のポリマーからなるものが挙げられ、これらのなかから2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記アラミド樹脂としては特に限定されず、例えば、ポリパラフェニレンテレフタラミド、ポリメタフェニレンイソフタラミド等が挙げられる。
上記ポリアミド樹脂は、また、繰り返し単位としてアミド結合を有しない構造が分子の一部にブロック共重合またはグラフト共重合されている高分子からなるものであってもよい。このようなポリアミド樹脂としては、例えば、ナイロン6/ポリエステル共重合体、ナイロン6/ポリエーテル共重合体、ナイロン12/ポリエステル共重合体、ナイロン12/ポリエーテル共重合体等のポリアミドエラストマーからなるもの等が挙げられる。これらのポリアミドエラストマーは、ナイロンオリゴマーとポリエステルオリゴマーがエステル結合を介してブロック共重合することにより得られたもの、または、ナイロンオリゴマーとポリエーテルオリゴマーとがエーテル結合を介してブロック共重合することにより得られたものである。上記ポリエステルオリゴマーとしては、たとえば、ポリカプロラクトン、ポリエチレンアジペート等が挙げられ、上記ポリエーテルオリゴマーとしては、たとえば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。上記ポリアミドエラストマーとしては、ナイロン6/ポリテトラメチレングリコール共重合体、ナイロン12/ポリテトラメチレングリコール共重合体が好ましい。
上記ポリアミド樹脂としては、ポリアミド樹脂からなる層が薄層でも十分な機械強度が得られることから、なかでも、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン62、ナイロン6/66、ナイロン66/12、ナイロン6/ポリエステル共重合体、ナイロン6/ポリエーテル共重合体、ナイロン12/ポリエステル共重合体、ナイロン12/ポリエーテル共重合体等が好ましく、これらのなかから2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ポリオレフィン樹脂は、フッ素原子を有しないビニル基含有単量体に由来する単量体単位を有する樹脂である。上記フッ素原子を有しないビニル基含有単量体としては特に限定されないが、層間接着性が求められる用途では上述した極性官能基を有するものが好ましい。
ポリオレフィン樹脂としては特に限定されず、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、高密度ポリオレフィン、低密度ポリオレフィン等のポリオレフィンが挙げられる。変性ポリオレフィン樹脂としては、官能基をポリオレフィンに導入して接着性を付与した樹脂であれば特に限定されないが、ポリオレフィンを無水マレイン酸等で変性した変性ポリオレフィン、エポキシ変性ポリオレフィン、アミン変性ポリオレフィン等が挙げられる。
上記非フッ素樹脂は、本開示の目的を損なわない範囲で、たとえば、熱安定剤等の安定剤、補強剤、充填剤、紫外線吸収剤、顔料等の各種添加剤を添加してなるものであってもよい。上記非フッ素樹脂は、このような添加剤により、熱安定性、表面硬度、耐摩耗性、帯電性、耐候性等の特性が向上したものとすることができる。
上記ポリアミド樹脂のアミン価は、好ましくは10~80(当量/10g)である。アミン価が上記範囲内にあると、比較的低い温度で共押出する場合においても、層間接着力を優れたものとすることができる。上記アミン価が10(当量/10g)未満であると、層間接着力が不十分になるおそれがある。80(当量/10g)を超えると、得られる積層体の機械強度が不十分であり、また、貯蔵中に着色しやすくなりハンドリング性に劣る。より好ましい下限は15(当量/10g)であり、さらに好ましい下限は23(当量/10g)であり、より好ましい上限は60(当量/10g)、さらに好ましい上限は50(当量/10g)である。
本開示において、上記アミン価はポリアミド樹脂1gをm-クレゾール50mlに加熱溶解し、これを1/10規定p-トルエンスルホン酸水溶液を用いて、チモールブルーを指示薬として滴定して求められる値であり、特に別の記載をしない限り、積層する前のポリアミド樹脂のアミン価を意味する。積層する前のポリアミド樹脂が有するアミノ基の数のうち、一部分は隣接する層との接着に消費されると考えられるが、その数は層全体に対してごく微量であるので、上述した積層する前のポリアミド樹脂のアミン価と本開示の積層体におけるアミン価は、実質的に同程度となる。
上記非フッ素樹脂は、融点が、50~400℃であることが好ましい。下限は、より好ましくは100℃であり、さらに好ましくは150℃である。上限は、より好ましくは300℃であり、さらに好ましくは250℃である。
上記融点は、示差走査熱量計(DSC)装置(セイコー社製)を用い、10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度として求めた値である。
<非フッ素ゴム>
非フッ素ゴムとしては、たとえば、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴムの水素化物(HNBR)、ポリ塩化ビニル(PVC)とNBRまたはHNBRとのブレンドゴム、エチレンアクリルゴム(AEM)とNBRまたはHNBRとのブレンドゴム、エピクロルヒドリンゴム(ECO)、スチレン-ブタジエンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリ塩化ビニルエラストマー、ポリアミドエラストマーなどが挙げられる。
クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)としては、架橋点としてクロロスルホニル基を有するものであれば、特に限定されず、従来公知の直鎖状または分岐状のクロロスルホン化ポリエチレンを用いることができる。また、CSMは、アルキル化クロロスルホン化ポリエチレン(ACSM)であってもよい。本開示の積層体および本開示のチューブが、CSMを含有する層を備える場合、本開示の積層体および本開示のチューブは、耐老化性、耐オゾン性、耐候性、耐摩耗性、耐油性などの優れた特性を有する。CSMは、ポリエチレンを、塩素化およびクロロスルホン化することにより製造される合成ゴムである。CSMの製造に用いるポリエチレンとしては、線状高密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンなどが挙げられる。ACSMは、エチレンとエチレン以外のオレフィンとの共重合物を、塩素化およびクロロスルホン化することにより製造され、ポリエチレン主鎖に短鎖炭化水素側鎖を有する。
アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)としては、アクリロニトリルとブタジエンとの共重合体であれば、特に限定されず、従来公知のアクリロニトリル-ブタジエンゴムを用いることができる。また、アクリロニトリル-ブタジエンゴムの水素化物(HNBR)としては、アクリロニトリルとブタジエンとの共重合体中の二重結合に水素を付加したゴムであれば、特に限定されず、従来公知の水素化アクリロニトリル-ブタジエンゴムを用いることができる。本開示の積層体および本開示のチューブが、NBRまたはHNBRを含有する層を備える場合、本開示の積層体および本開示のチューブは、耐油性、耐摩耗性、耐老化性などの優れた特性を有する。
NBRおよびHNBRの結合ニトリル量は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、たとえば、10~50質量%の範囲であってよい。HNBRの水素化率は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、たとえば、800~100%の範囲であってよい。
ポリ塩化ビニルとNBRまたはHNBRとのブレンドゴムとしては、NBRまたはHNBR、および、ポリ塩化ビニル(PVC)のポリマーアロイであれば、特に限定されず、従来公知のブレンドゴムを用いることができる。本開示の積層体および本開示のチューブが、ポリ塩化ビニルとNBRまたはHNBRとのブレンドゴムを含有する層を備える場合、本開示の積層体および本開示のチューブは、耐油性、耐摩耗性、耐老化性、耐オゾン性などの優れた特性を有する。ブレンドゴム中のPVCの含有量は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、たとえば、NBRまたはHNBRとPVCと合計質量に対して、1~50質量%の範囲であってよい。
エチレンアクリルゴムとNBRまたはHNBRとのブレンドゴムとしては、NBRまたはHNBR、および、エチレンアクリルゴム(AEM)のポリマーアロイであれば、特に限定されず、従来公知のブレンドゴムを用いることができる。本開示の積層体および本開示のチューブが、エチレンアクリルゴムとNBRまたはHNBRとのブレンドゴムを含有する層を備える場合、本開示の積層体および本開示のチューブは、耐油性、耐摩耗性、耐老化性、耐熱性などの優れた特性を有する。ブレンドゴム中のAEMの含有量は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、たとえば、NBRまたはHNBRとAEMと合計質量に対して、1~50質量%の範囲であってよい。AEMとしては、アクリル酸エステルとエチレンとの共重合体であれば、特に限定されず、従来公知のAEMを用いることができる。
エピクロルヒドリンゴム(ECO)としては、エピクロルヒドリンに基づく重合単位を有するゴムであれば、特に限定されず、実質的にエピクロルヒドリンに基づく重合単位のみからなる1元重合体であってもよいし、エピクロルヒドリンに基づく重合単位と、エピクロルヒドリン以外の他の単量体に基づく重合単位と、からなる2元以上の重合体であってもよい。
エピクロルヒドリン以外の他の単量体としては、たとえば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドおよびアリルグリシジルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の単量体が好ましい。ECOとしては、エピクロルヒドリンに基づく重合単位と、エチレンオキサイドに基づく重合単位と、を有する重合体であることが好ましく、エピクロルヒドリンに基づく重合単位と、エチレンオキサイドに基づく重合単位と、アリルグリシジルエーテルに基づく重合単位と、を有する重合体であることがより好ましい。
ECOとしては、たとえば、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン-エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン-アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン-エチレンオキサイド-アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン-プロピレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン-プロピレンオキサイド-アリルグリシジルエーテル共重合体、および、エピクロルヒドリン-エチレンオキサイド-プロピレンオキサイド-アリルグリシジルエーテル四元共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の重合体が好ましい。より好ましくは、エピクロルヒドリン-エチレンオキサイド共重合体およびエピクロルヒドリン-エチレンオキサイド-アリルグリシジルエーテル共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の重合体である。これらを単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
スチレン/ブタジエンエラストマー[SBC]としては、例えばスチレン/ブタジエン/スチレン共重合体、スチレン/イソプレン/スチレン共重合体、スチレン/エチレン/ブタジエン/スチレン共重合体等が挙げられる。ポリオレフィンエラストマー[TPO]としては、例えばポリプロピレン/ポリエチレンオキシド/ポリプロピレン共重合体、ポリプロピレン/ポリオレフィン非晶質ポリマー/ポリプロピレン共重合体等が挙げられる。ポリエステルエラストマー[TPEE]としては、例えばポリブチレンテレフタレート/ポリエーテル/ポリブチレンテレフタレート共重合体等が挙げられる。ポリウレタンエラストマー[TPU]としては、長鎖ジオールとして、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールを用いたもの等が挙げられる。ポリ塩化ビニルエラストマー[TPVC]としては、PVC/可塑剤、PVC/ゴムのブレンドでPVCを部分架橋したものが挙げられる。ポリアミドエラストマー[TPAE]としては、例えばナイロン6/ポリエステル共重合体、ナイロン6/ポリエーテル共重合体、ナイロン12/ポリエステル共重合体、ナイロン12/ポリエーテル共重合体などが挙げられる。
非フッ素ゴムとしては、なかでも、ポリウレタンエラストマーであることが好ましい。ポリウレタンエラストマーの構造はポリメリックグリコールからなるソフトセグメントと単分子鎖延長剤とイソシアネートで構成されるハードセグメントからなるものであればよい。上記ポリウレタンエラストマーにおいて、上記各セグメントとしては、ショアA(ASTM D-2240)に準拠して測定した硬度が65~100の範囲にあるものを用いることができる。上記硬度の好ましい下限は75であり、より好ましい下限は80であり、好ましい上限は95であり、より好ましい上限は90である。
<フッ素ゴム>
フッ素ゴムとしては、非晶質フルオロポリマーであれば、特に限定されず、従来公知のフッ素ゴムを用いることができる。「非晶質」とは、フルオロポリマーの示差走査熱量測定〔DSC〕(昇温速度10℃/分)あるいは示差熱分析〔DTA〕(昇温速度10℃/分)において現われた融解ピーク(ΔH)の大きさが4.5J/g以下であることをいう。フッ素ゴムは、架橋することにより、エラストマー特性を示す。エラストマー特性とは、ポリマーを延伸することができ、ポリマーを延伸するのに必要とされる力がもはや適用されなくなったときに、その元の長さを保持できる特性を意味する。
フッ素ゴムとしては、部分フッ素化ゴムであってもよいし、パーフルオロゴムであってもよいが、部分フッ素化ゴムであることが好ましい。
部分フッ素化ゴムとしては、ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン(TFE)/プロピレン(Pr)系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン(TFE)/プロピレン/ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)/ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)/テトラフルオロエチレン(TFE)系フッ素ゴム等が挙げられる。なかでも、ビニリデンフルオライド系フッ素ゴムおよびテトラフルオロエチレン/プロピレン系フッ素ゴムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
フッ素ゴムは、高温における圧縮永久歪みに優れる点から、ガラス転移温度が-70℃以上であることが好ましく、-60℃以上であることがより好ましく、-50℃以上であることが更に好ましい。また、耐寒性が良好であるという点から、5℃以下であることが好ましく、0℃以下であることがより好ましく、-3℃以下であることが更に好ましい。
ガラス転移温度は、示差走査熱量計(メトラー・トレド社製、DSC822e)を用い、試料10mgを10℃/minで昇温することによりDSC曲線を得て、DSC曲線の二次転移前後のベースラインの延長線と、DSC曲線の変曲点における接線との2つの交点の中点を示す温度として求めることができる。
<積層体の層構成>
シース部材およびカバーを構成する積層体は、少なくとも1層のフッ素樹脂層と、少なくとも1層の他の層とを備える。積層体の層数としては、2層以上であれば特に限定されないが、好ましくは2~10層であり、より好ましくは2~5層であり、さらに好ましくは3~5層である。
積層体におけるフッ素樹脂層および他の層の位置は、特に限定されず、最外層をフッ素樹脂層により構成してもよいし、最外層を他の層により構成してもよい。また、最内層をフッ素樹脂層により構成してもよいし、最内層を他の層により構成してもよい。
積層体としては、たとえば、最内層/最外層が、フッ素樹脂層/他の層である積層体が挙げられる。他の層は、ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂層であってよい。このような積層体の具体例としては、最も内側の層から順に、
ETFE層/ポリアミド樹脂層、
TFE-エチレン-HFP共重合体層/ポリアミド樹脂層、
CTFE-TFE共重合体層/ポリアミド樹脂層
などのフッ素樹脂層/非フッ素樹脂層を有する積層体が挙げられる。
また、積層体としては、たとえば、最内層/最外層が、他の層/フッ素樹脂層である積層体が挙げられる。他の層は、ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂層であってよい。このような積層体の具体例としては、最も内側の層から順に、
ポリアミド樹脂層/ETFE層、
ポリアミド樹脂層/TFE-エチレン-HFP共重合体層、
ポリアミド樹脂層/CTFE-TFE共重合体層
などの非フッ素樹脂層/フッ素樹脂層を有する積層体が挙げられる。
積層体としては、たとえば、最内層/中間層/最外層が、フッ素樹脂層/他の層/フッ素樹脂層である積層体が挙げられる。他の層は、ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂層であってよい。このような積層体の具体例としては、最も内側の層から順に、
ETFE層/ポリアミド樹脂層/ETFE層、
TFE-エチレン-HFP共重合体層/ポリアミド樹脂層/TFE-エチレン-HFP共重合体層、
CTFE-TFE共重合体層/ポリアミド樹脂層/CTFE-TFE共重合体層
などのフッ素樹脂層/非フッ素樹脂層/フッ素樹脂層を有する積層体が挙げられる。最内層を形成するフッ素樹脂と、最外層を形成するフッ素樹脂とは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
積層体としては、たとえば、最内層/内層/中間層/最外層が、フッ素樹脂層/他の層/他の層/他の層である積層体が挙げられる。他の層は、ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂層またはゴムを含有するゴム層であってよい。このような積層体の具体例としては、最も内側の層から順に、
ETFE層/ポリアミド樹脂層/ポリウレタンエラストマー層/ポリアミド樹脂層、
TFE-エチレン-HFP共重合体層/ポリアミド樹脂層/ポリウレタンエラストマー層/ポリアミド樹脂層、
CTFE-TFE共重合体層/ポリアミド樹脂層/ポリウレタンエラストマー層/ポリアミド樹脂層
などのフッ素樹脂層/非フッ素樹脂層/非フッ素ゴム層/非フッ素樹脂層を有する積層体が挙げられる。
積層体としては、たとえば、最内層/内層/中間層/外層/最外層が、フッ素樹脂層/他の層/他の層/他の層/フッ素樹脂層である積層体が挙げられる。他の層は、ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂層またはゴムを含有するゴム層であってよい。このような積層体の具体例としては、最も内側の層から順に、
ETFE層/ポリアミド樹脂層/ポリウレタンエラストマー層/ポリアミド樹脂/ETFE層、
TFE-エチレン-HFP共重合体層/ポリアミド樹脂層/ポリウレタンエラストマー層/ポリアミド樹脂層/TFE-エチレン-HFP共重合体層、
CTFE-TFE共重合体層/ポリアミド樹脂層/ポリウレタンエラストマー層/ポリアミド樹脂層/CTFE-TFE共重合体層
などのフッ素樹脂層/非フッ素樹脂層/非フッ素ゴム層/非フッ素樹脂層/フッ素樹脂層を有する積層体が挙げられる。
カバーを構成する積層体としては、なかでも、最も内側の層から順に、
ETFE層/ポリアミド樹脂層/ETFE層、
TFE-エチレン-HFP共重合体層/ポリアミド樹脂層/TFE-エチレン-HFP共重合体層、
CTFE-TFE共重合体層/ポリアミド樹脂層/CTFE-TFE共重合体層
ETFE層/ポリアミド樹脂層/ポリウレタンエラストマー層/ポリアミド樹脂/ETFE層、
TFE-エチレン-HFP共重合体層/ポリアミド樹脂層/ポリウレタンエラストマー層/ポリアミド樹脂層/TFE-エチレン-HFP共重合体層、または、
CTFE-TFE共重合体層/ポリアミド樹脂層/ポリウレタンエラストマー層/ポリアミド樹脂層/CTFE-TFE共重合体層
を有する積層体が好ましい。
カバーを構成する積層体がこれらの層構成を有することにより、カバーの摺動性、耐久性、層間接着性および水蒸気バリア性を向上させることができる。また、シース部材が接着可能な材料により形成されている場合には、シース部材とカバーとの良好な接着性が得られる。
シース部材を構成する積層体としては、なかでも、最も内側の層から順に、
ETFE層/ポリアミド樹脂層、
TFE-エチレン-HFP共重合体層/ポリアミド樹脂層、
CTFE-TFE共重合体層/ポリアミド樹脂層、
ETFE層/ポリアミド樹脂層/ポリウレタンエラストマー層/ポリアミド樹脂層、
TFE-エチレン-HFP共重合体層/ポリアミド樹脂層/ポリウレタンエラストマー層/ポリアミド樹脂層、
CTFE-TFE共重合体層/ポリアミド樹脂層/ポリウレタンエラストマー層/ポリアミド樹脂層、
ETFE層/ポリアミド樹脂層/ポリウレタンエラストマー層/ポリアミド樹脂/ETFE層、
TFE-エチレン-HFP共重合体層/ポリアミド樹脂層/ポリウレタンエラストマー層/ポリアミド樹脂層/TFE-エチレン-HFP共重合体層、または、
CTFE-TFE共重合体層/ポリアミド樹脂層/ポリウレタンエラストマー層/ポリアミド樹脂層/CTFE-TFE共重合体層
を有する積層体が好ましい。
シース部材を構成する積層体がこれらの層構成を有することにより、シース部材の柔軟性、耐潰れ性および摺動性を向上させることができる。また、カバーが接着可能な材料により形成されている場合には、シース部材とカバーとの良好な接着性が得られる。
フッ素樹脂として、反応性官能基を有するフッ素樹脂を用い、ポリアミド樹脂として、高いアミン価を有するポリアミド樹脂を用いると、フッ素樹脂層とポリアミド樹脂層とを強固に接着させることができる。
本開示のケーブルが備えるカバーは、カバーの内面の摩擦係数が0.1以下であることが好ましく、カバーの内外両面の摩擦係数が0.1以下であることがより好ましい。摩擦係数が上記範囲内にあることにより、カバーの摺動性を向上させることができ、断線しにくく、発塵(摩耗)が抑制されるケーブルが得られる。このような摩擦係数を有するカバーは、たとえば、カバーをフッ素樹脂層/非フッ素樹脂層/フッ素樹脂層の層構成を有する積層体、または、フッ素樹脂層/非フッ素樹脂層/非フッ素ゴム層/非フッ素樹脂層/フッ素樹脂層の層構成を有する積層体により構成することによって得られる。なお、層構成は最内層から順に記載されている。以下に記載する層構成においても、最内層から順に記載されている。
カバーの摩擦係数は、ボールオンディスク型のSRV摩擦摩耗試験機により、室温、50Hzの条件で、測定することができる。
本開示のケーブルが備えるカバーは、80℃の温水に200日間浸漬した後の引張強さ保持率が70%以上であることが好ましい。引張強さ保持率が上記範囲内にあることにより、カバーの耐久性を向上させることができ、断線しにくく、発塵(摩耗)が抑制されるケーブルが得られる。このような引張強さ保持率を有するカバーは、たとえば、カバーをフッ素樹脂層/非フッ素樹脂層/フッ素樹脂層の層構成を有する積層体、または、フッ素樹脂層/非フッ素樹脂層/非フッ素ゴム層/非フッ素樹脂層/フッ素樹脂層の層構成を有する積層体により構成することによって得られる。
カバーの引張強さ保持率は、浸漬試験前のカバーの最大点強度に対する、80℃の温水に200日間浸漬した後のカバーの最大点強度の比率(%)である。カバーの最大点強度は、テンシロン(オリエンテック社製)を用い、室温において引張速度100mm/分にて、カバーを打ち抜いて作製したミクロダンベルを引っ張ることにより測定することができる。
本開示のケーブルが備えるカバーは、層間の接着強度が5N/cm以上であることが好ましい。カバーが3層以上の層構成を有する積層体により構成されており、複数の層間が存在する場合は、最も接着強度が低い層間の接着強度が5N/cm以上であることが好ましい。接着強度が上記範囲内にあることにより、断線しにくく、発塵(摩耗)が抑制されるケーブルが得られる。このような層間の接着強度を有するカバーは、たとえば、カバーをフッ素樹脂層/非フッ素樹脂層/フッ素樹脂層の層構成を有する積層体、または、フッ素樹脂層/非フッ素樹脂層/非フッ素ゴム層/非フッ素樹脂層/フッ素樹脂層の層構成を有する積層体により構成することによって得られる。
カバーを構成する層間(最も接着強度が低い層間)の接着強度(N/cm)は、カバーから幅1cmのサンプルを切り出し、サンプルの最も接着の弱い部分を剥離し、テンシロン(オリエンテック社製)を用いて180度の剥離試験を行うことにより測定することができる。
本開示のケーブルが備えるカバーは、水蒸気透過率が5g/m/day以下であることが好ましい。水蒸気透過率が上記範囲内にあることにより、カバーの水蒸気バリア性を向上させることができ、断線しにくく、発塵(摩耗)が抑制されるケーブルが得られる。このような水蒸気透過率を有するカバーは、たとえば、カバーをフッ素樹脂層/非フッ素樹脂層/フッ素樹脂層の層構成を有する積層体、または、フッ素樹脂層/非フッ素樹脂層/非フッ素ゴム層/非フッ素樹脂層/フッ素樹脂層の層構成を有する積層体により構成することによって得られる。
カバーの水蒸気透過率は、カバーを50mm×50mmのサイズにカットしてサンプルを作製し、JIS K7129(A法)に基づき、水蒸気透過度計L80-5000(Dr.Lyssy社製)を用いて、Φ30mmのフィルターをかけ、サンプルの水蒸気透過率を測定することにより求めることができる。
本開示のケーブルが備えるシース部材は、引張弾性率が1500MPa以下であることが好ましい。引張弾性率が上記範囲内にあることにより、シース部材の柔軟性を向上させることができ、断線しにくく、発塵(摩耗)が抑制されるケーブルが得られる。このような引張弾性率を有するシース部材は、たとえば、シース部材を、フッ素樹脂層/非フッ素樹脂の層構成を有する積層体、フッ素樹脂層/非フッ素樹脂層/フッ素樹脂層の層構成を有する積層体、フッ素樹脂層/非フッ素樹脂層/非フッ素ゴム層/非フッ素樹脂層の層構成を有する積層体、または、フッ素樹脂層/非フッ素樹脂層/非フッ素ゴム層/非フッ素樹脂層/フッ素樹脂層の層構成を有する積層体により構成することによって得られる。
本開示のケーブルが備えるシース部材は、引張弾性率が100MPa以上であることが好ましい。引張弾性率が上記範囲内にあることにより、シース部材の耐潰れ性を向上させることができ、断線しにくく、発塵(摩耗)が抑制されるケーブルが得られる。このような引張弾性率を有するシース部材は、たとえば、シース部材を、フッ素樹脂層/非フッ素樹脂の層構成を有する積層体、フッ素樹脂層/非フッ素樹脂層/フッ素樹脂層の層構成を有する積層体、フッ素樹脂層/非フッ素樹脂層/非フッ素ゴム層/非フッ素樹脂層の層構成を有する積層体、または、フッ素樹脂層/非フッ素樹脂層/非フッ素ゴム層/非フッ素樹脂層/フッ素樹脂層の層構成を有する積層体により構成することによって得られる。
シース部材の引張弾性率は、テンシロン(オリエンテック社製)を用い、室温において引張速度100mm/分にて、シース部材を打ち抜いて作製したミクロダンベルを引っ張ることにより測定することができる。
本開示のケーブルが備えるシース部材は、シース部材内面の摩擦係数が0.1以下であることが好ましい。シース部材内面の摩擦係数が上記範囲内にあることにより、シース部材の内面の摺動性を向上させることができ、断線しにくく、発塵(摩耗)が抑制されるケーブルが得られる。また、本開示のケーブルが備えるシース部材は、シース部材内外両面の摩擦係数が0.1以下であってもよい。このような摩擦係数を有するシース部材は、たとえば、シース部材を、フッ素樹脂層/非フッ素樹脂の層構成を有する積層体、フッ素樹脂層/非フッ素樹脂層/フッ素樹脂層の層構成を有する積層体、フッ素樹脂層/非フッ素樹脂層/非フッ素ゴム層/非フッ素樹脂層の層構成を有する積層体、または、フッ素樹脂層/非フッ素樹脂層/非フッ素ゴム層/非フッ素樹脂層/フッ素樹脂層の層構成を有する積層体により構成することによって得られる。
シース部材の摩擦係数は、ボールオンディスク型のSRV摩擦摩耗試験機により、室温、50Hzの条件により測定することができる。
本開示のケーブルが備えるシース部材は、層間の接着強度が5N/cm以上であることが好ましい。シース部材が3層以上の層構成を有する積層体により構成されており、複数の層間が存在する場合は、最も接着強度が低い層間の接着強度が5N/cm以上であることが好ましい。接着強度が上記範囲内にあることにより、断線しにくく、発塵(摩耗)が抑制されるケーブルが得られる。このような層間の接着強度を有するシース部材は、たとえば、シース部材をフッ素樹脂層/非フッ素樹脂の層構成を有する積層体、フッ素樹脂層/非フッ素樹脂層/フッ素樹脂層の層構成を有する積層体、フッ素樹脂層/非フッ素樹脂層/非フッ素ゴム層/非フッ素樹脂層の層構成を有する積層体、または、フッ素樹脂層/非フッ素樹脂層/非フッ素ゴム層/非フッ素樹脂層/フッ素樹脂層の層構成を有する積層体により構成することによって得られる。
シース部材を構成する層間(最も接着強度が低い層間)の接着強度(N/cm)は、シース部材から幅1cmのサンプルを切り出し、サンプルの最も接着の弱い部分を剥離し、テンシロン(オリエンテック社製)を用いて180度の剥離試験を行うことにより測定することができる。
本開示のケーブルが備えるカバーとシース部材との接着強度は、5N/cm以上であることが好ましい。接着強度が上記範囲内にあることにより、カバーとシース部材との摩擦がなくなり、断線しにくく、発塵(摩耗)が抑制されるケーブルが得られる。さらには、繰り返し屈曲されたり、繰り返し捻回されたりした場合でも、シース部材とカバーとが剥離しにくく、断線の防止効果および発塵の抑制効果を長期間にわたって維持することができる。このようなカバーとシース部材との接着強度は、カバーの最内層をフッ素樹脂層とし、シース部材の最外層を非フッ素樹脂層とするか、カバーの最内層を非フッ素樹脂層とし、カバーの内層をフッ素樹脂層とすることにより得られる。
カバーとシース部材との接着強度(N/cm)は、ケーブルから、カバーとシース部材が接着している部分を切り出し、サンプルを作製し、サンプルの最も接着の弱い部分を剥離し、テンシロン(オリエンテック社製)を用いて180度の剥離試験を行うことにより測定することができる。
本開示のケーブルが備えるシース部材を構成する積層体の製造方法としては、たとえば、
(1)各層を形成するポリマーを共押出成形することにより、層間を熱融着(溶融接着)させ1段で多層構造の積層体を形成する方法(共押出成形)、
(2)押出機によりそれぞれ別個に作製した各層を重ね合せ、熱融着により層間を接着させる方法、
(3)予め作製した層の表面上に、押出機により、該層に隣接することとなる層を形成するポリマーを押し出すことにより積層体を形成する方法、
(4)予め作製した層の表面上に、該層に隣接することとなる層を形成するポリマーを静電塗装したのち、得られる塗装物を全体的にまたは塗装した側から加熱することにより、塗装に供したポリマーを加熱溶融して層を成形する方法
などが挙げられる。
本開示のケーブルが備えるカバーを構成する積層体の製造方法としては、たとえば、各層を形成するポリマーを共押出成形することにより、層間を熱融着(溶融接着)させて、2枚の積層体フィルムを作製した後、2枚の積層体フィルムを重ね合わせて、シース部材を収容するための中空部が形成されるようにして、2枚の積層体フィルムの端部同士を融着させる方法などが挙げられる。
また、カバーにシース部材を収容した状態で、2枚の積層体フィルムの端部同士を融着させる際に、または、融着させた後に、カバーおよびシース部材を適切な温度で熱処理することによって、カバーとシース部材とを熱融着させて、両者が接着しているケーブルを製造することもできる。この際、シース部材同士が融着しない条件で熱処理することによって、シース部材同士の摺動性を確保してもよい。
本開示のケーブルは、ロボットの可動部などに用いられることにより、繰り返し屈曲されたり、繰り返し捻回されたりした場合でも、断線しにくく、発塵(摩耗)が抑制されることから、工作機械や産業用ロボットなどのロボットに用いられるロボットケーブルとして好適に利用することができる。また、本開示のケーブルは、ロボット以外にも、自動車、産業機器、各種設備などに用いるケーブルとして好適に利用することができる。
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
つぎに本開示の実施形態について実施例をあげて説明するが、本開示はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1~2および比較例1
これらの実施例および比較例では、次の材料を用いる。
フッ素樹脂1
TFE/エチレン/HFP/パーフルオロ(1,1,5-トリハイドロ-1-ペンテン)共重合体
TFE/エチレン/HFP/パーフルオロ(1,1,5-トリハイドロ-1-ペンテン)=46.2/43.8/9.5/0.5(モル%)
融点:197℃
メルトフローレート(265℃):26.4g/10分
反応性官能基数:238個/10
ポリアミド樹脂
ポリアミド11 アルケマ社製、リルサンBESN F15XN
実施例1~2では、ケーブルのカバーおよびシース部材を表2に示す層構成を有する積層体により構成する。いずれの積層体も、層間の接着強度が5N/cm以上であり、層間が強固に接着している。また、カバーは、表2に示す層構成を有する積層体のシートが、中空部から突出するように設けられた接合部により接合されることにより一体化されている。接合部においては、カバーを構成する積層体の最内層(フッ素樹脂1)同士が強固に接着している。カバーの中に、シース部材は5本収容されている。さらに、積層体のシートを加熱して接合部を形成する際に、フッ素樹脂1の融点以上の温度に全体を加熱して、カバーとシース部材の一部を接着させたことによって、シース部材5本のうち、中央の1本とカバーとが強固に接着している。
また、実施例1~2のケーブルが備えるカバーは、摩擦係数(内外面)が0.1以下であり、80℃の温水に200日間浸漬した後の引張強さ保持率が70%以上であり、水蒸気透過率が5g/m/day以下であり、滑り性、耐久性および水蒸気バリア性に優れるものである。
実施例1~2のケーブルが備えるシース部材は、引張弾性率が100~1500MPaであり、柔軟性および耐潰れ性に優れている。実施例1~2のケーブルが備えるシース部材は、少なくとも内面の摩擦係数が0.1以下であり、内面の滑り性に優れている。
比較例1では、ケーブルのカバーおよびシース部材を表2に示す非フッ素樹脂により構成する以外は、実施例1と同様の構成としたが、カバーとシース部材とは接着していない。
これらのケーブルを以下の基準により評価する。
<断線>
〇:ケーブルを繰り返し曲げても断線しない。
×:ケーブルを繰り返し曲げると、電線、シース部材およびカバーのいずれかが断線する。
<粉塵>
〇:ケーブルを繰り返し曲げても、カバー内に粉塵が観られない。
×:ケーブルを繰り返し曲げると、カバー内に粉塵が観られる。
結果を表2に示す。
Figure 2022032545000003
10,30,40,50 ケーブル
11,31,41,51 電線
11a,31a,41a,51a 心線
11b,31b,41b,51b 被覆材
12,32,42,52 シース部材
13,33,43,53 カバー
14,34,44,54 接合部
15,45 介在
21,22 積層体シート
23 最内層
24 中間層
25 最外層

Claims (16)

  1. 心線と、前記心線を被覆する被覆材と、を備える電線、
    前記電線を収容するシース部材、および、
    前記シース部材を収容するカバー
    を備えるケーブルであって、
    前記カバーが、フッ素樹脂を含有するフッ素樹脂層と、前記フッ素樹脂以外の他のポリマーを含有する他の層と、を備える積層体により構成されており、
    前記フッ素樹脂が、炭素数10個あたり3個以上の反応性官能基を有する
    ケーブル。
  2. 心線と、前記心線を被覆する被覆材と、を備える電線、
    前記電線を収容するシース部材、および、
    前記シース部材を収容するカバー
    を備えるケーブルであって、
    前記シース部材が、フッ素樹脂を含有するフッ素樹脂層と、前記フッ素樹脂以外の他のポリマーを含有する他の層と、を備える積層体により構成されており、
    前記フッ素樹脂が、炭素数10個あたり3個以上の反応性官能基を有する
    ケーブル。
  3. 心線と、前記心線を被覆する被覆材と、を備える電線、
    前記電線を収容するシース部材、および、
    前記シース部材を収容するカバー
    を備えるケーブルであって、
    前記シース部材と前記カバーとが接着している
    ケーブル。
  4. 前記シース部材および前記カバーのいずれか一方または両方が、炭素数10個あたり3個以上の反応性官能基を有するフッ素樹脂を含有する請求項3に記載のケーブル。
  5. 前記シース部材および前記カバーのいずれか一方または両方が、フッ素樹脂を含有するフッ素樹脂層と、前記フッ素樹脂以外の他のポリマーを含有する他の層と、を備える積層体により構成されており、
    前記フッ素樹脂が、炭素数10個あたり3個以上の反応性官能基を有する
    請求項3に記載のケーブル。
  6. 前記積層体が、前記他の層を介して設けられた2層のフッ素樹脂層を備える請求項1、2および5のいずれかに記載のケーブル。
  7. 前記フッ素樹脂が、溶融加工性フッ素樹脂である請求項1、2、5および6のいずれかに記載のケーブル。
  8. 前記他の層として、ポリアミド樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリイミド樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の非フッ素樹脂を含有する非フッ素樹脂層を備える請求項1、2および5~7のいずれかに記載のケーブル。
  9. 前記他の層として、ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂層を備える請求項1、2および5~7のいずれかに記載のケーブル。
  10. 前記他の層として、ポリアミド樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリイミド樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の非フッ素樹脂を含有する非フッ素樹脂層と、ゴムを含有するゴム層と、を備える請求項1、2および5~7のいずれかに記載のケーブル。
  11. 前記他の層として、ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂層と、ゴムを含有するゴム層と、を備える請求項1、2および5~7のいずれかに記載のケーブル。
  12. 前記シース部材および前記カバーの両方が、フッ素樹脂を含有するフッ素樹脂層と、前記フッ素樹脂以外の他のポリマーを含有する他の層と、を備える積層体により構成されている請求項1、2および5~11のいずれかに記載のケーブル。
  13. 前記シース部材を構成する積層体のフッ素樹脂層と、前記カバーを構成する積層体のフッ素樹脂層とが接着している請求項12に記載のケーブル。
  14. 前記シース部材を構成する積層体のフッ素樹脂層と、前記カバーを構成する積層体の他の層とが接着している請求項12に記載のケーブル。
  15. 前記シース部材を構成する積層体の他の層と、前記カバーを構成する積層体のフッ素樹脂層とが接着している請求項12に記載のケーブル。
  16. ロボットケーブルとして用いられる請求項1~15のいずれかに記載のケーブル。
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